【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下により詳細に説明される特徴のうちの1または複数を有する改善された神経用器具に関する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、カテーテルとガイド管とを備える神経外科用キットが提供される。カテーテルは、流体を脳内のターゲット部位に送達する1または複数のポートを含む末端エンドを有するチュービングの末端部分を備えることができる。チュービングの末端部分は、ガイド管の内径よりも小さい外径を有することができ、カテーテルおよびガイド管は、カテーテルがガイド管に挿入されて1または複数のポートがターゲット部位に配置されるとき、脳組織を保持するためのくぼみがガイド管とカテーテルのチュービングの末端部分との間のガイド管の末端エンド部分内に形成されるように構成され得る。
【0011】
使用のとき、そうした神経用キットは、カテーテルおよびガイド管に沿った、注入液などの流体の逆流を減少させることができる。具体的には、ガイド管およびカテーテルは、ガイド管内のくぼみが、ガイド管およびカテーテルに沿った流体の逆流に対してシールとして働く脳組織を保持するように、挿入され得る。このやり方でシールを形成すれば、上述したような段を設けられたカテーテルより優れたカテーテルを使用して送達される流体の改善された分配を提供することができることが見出されている。したがって、くぼみは、カテーテルを使用して送達される流体のガイド管に沿った逆流に対してシールとして働くのに十分な脳組織の体積を保持するように寸法設定され得る。例えば、くぼみは、ガイド管内へと少なくとも0.5mm、好ましくは約3mm延在することができる。ガイド管とカテーテルの末端部分によって画定される環状部分は、少なくとも0.1mm、好ましくは0.1〜0.5mmの幅(くぼみを形成する、内壁と外壁との間の距離)を有することができる。
【0012】
神経用カテーテルは、ガイド管内に挿入されるべきカテーテルの限度を示す指示を備え、使用のときに脳内のターゲット部位に1または複数のポートを配置することができ、カテーテルおよびガイド管は、カテーテルが指示によって示される限度までガイド管に挿入されるとき、くぼみがガイド管とカテーテルのチュービングの末端部分との間のガイド管の末端エンド部分内に形成されるように構成される。指示は、カテーテル上に配置される止め具を備えることができる。止め具は、カテーテルがガイド管に挿入され得る限度を画定する、ガイド管上の形成物に係合する。指示は、カテーテル上のしるしであってよく、ガイド管へのカテーテルの挿入の間に指定された位置で整列されるとき、1または複数のポートがターゲット部位に配置されているカテーテルの位置を識別する。指示を提供することは、使用のとき、くぼみが確実に形成される助けとなり得る。
【0013】
神経用キットは、くぼみを画定するカテーテルの末端部分の外径よりも大きな外径と、くぼみを画定するガイド管の内径よりも小さな内径とを有する、チュービングの延伸部を備えることができる。チュービングの延伸部は、チュービングの延伸部の末端エンドがガイド管の末端エンドから間隔を置かれるかたちでガイド管内に配置されるまたは配置可能である。チュービングの延伸部は、脳組織を受容するためのポケットを形成するくぼみを塞ぐことができる。
【0014】
チュービングの延伸部は、カテーテルの中間部分であってよく、カテーテルは、カテーテルの末端部分から中間部分に向けて増加する外径を備える。内径の増加は、カテーテルの中間部分と末端部分との間の段を備えることができる。あるいは、直径の増加は、カテーテルの末端部分から中間部分に向けてゆるやかに増加する。このようにして、チュービングの延伸部は、カテーテルと一体になり、それによって、カテーテルおよびガイド管とは別個のアイテムとしてチュービングの延伸部を提供するのに比べて、脳に挿入されなければならない管の数が減少される。
【0015】
チュービングの延伸部は、ガイド管の中間部分であってよく、ガイド管の内径は、末端エンド部分と中間部分の間で減少する。内径の減少は、ガイド管の中間部分と末端エンド部分の間の段であってよい。あるいは、直径の減少は、ガイド管の末端エンド部分から中間部分に向かってゆるやかに減少することもできる。このようにして、チュービングのさらなる長さは、ガイドチュービングと一体になり、それによって、カテーテルおよびガイド管とは別個のアイテムとしてチュービングの延伸部を提供するのに比べて、脳に挿入されなければならない管の数が減少される。
【0016】
チュービングの延伸部は、ガイド管およびカテーテルとは別個のさらなるチュービングであってよい。さらなるチュービングは、使用のとき、カテーテルがさらなるチュービングの全長にわたって延在するかたちでカテーテルを受容し、チュービングのさらなる長さの末端エンドがガイド管から間隔を置かれその中に含まれるようにガイド管内に受容されるように構成される。チュービングのさらなる長さを提供することによって、ガイド管内でチュービングのさらなる長さの位置を変えることでくぼみの長さが調節されることが可能になり得る。
【0017】
ガイド管の中間部分の内径およびカテーテルの中間部分の外径は、カテーテルの中間部分が、ガイド管の中間部分内に滑り嵌めするようにされ得る。
【0018】
カテーテルの末端部分は、堅い無孔の先端を備えることができる。カテーテルは、堅い無孔の先端に通じる可撓性(flexible)管を備えることができ、可撓性管は、堅い無孔の先端の直径よりも大きな直径を有する。
【0019】
少なくとも1つのシールは、システムの別個の管同士の間のギャップを封止するように提供され得る。例えば、シールは、カテーテルとガイド管との間、カテーテルと中間管との間、および/または中間管とガイド管との間に提供され得る。シールは、管のうちの1本と一体に形成される、およびまたは、例えばガイド管に連結されたハブであるシステムの管の他のものに連結された要素に係合するように構成される、先細りした部分など、管のうちの1本に連結可能な止め具と一体に形成され得る。あるいは、シールは、Oリングなどの別個の封止要素であってもよい。別個の封止要素は、カテーテルシステムのハブに押し嵌めされ得る。
【0020】
神経用キットは、カテーテルのセットを備えることができる。セットの各カテーテルは、異なる長さの堅い無孔の先端を有する。このようにして、外科医は、カテーテルのセットから、計画された手術に適切な長さの先端を有するカテーテルを選択することができる。具体的には、外科医によって選択されるカテーテルは、先端のわずかに露出される部分がガイド管と相まってくぼみを形成するようにガイド管内に延在するかたちで、ガイド管の末端エンドからターゲット部位まで延在することができる先端を有さなければならない。セットは、先端長さが、概ね等間隔で異なる、例えば先端長さの各間隔が0.5から4mmの間であってよい、カテーテルを備えることができる。長さの違いは、くぼみの長さの許容可能な変化に基づいていてよい。例えば、1から3mmの間の長さを有することができるくぼみの場合、セットのカテーテルの先端長さの間隔は、2mmであってよい。このようにして、ガイド管の末端エンドとターゲット部位との間の距離の連続体は、セットのカテーテルの最小先端長さと最大先端長さの間に収められ得る。
【0021】
カテーテルの中間部分は、カテーテルがガイド管内に指示によって示される限度まで挿入されるとき、ガイド管の末端エンドが、カテーテルがガイド管に初めに係合する接触面から少なくとも0.5mmのところに配置されるように、位置決めされ得る。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、脳内のターゲット部位に流体を送達する1または複数のポートを含む末端エンドを有するチュービングの末端部分を備えるカテーテルであって1または複数のポートが脳内のターゲット部位に配置されるようにガイド管内に受容されるカテーテルを備える、神経用デバイスが提供される。チュービングの末端部分は、ガイド管の内径よりも小さい外径を有することができ、末端エンド部分は、ガイド管とカテーテルのチュービングの末端部分との間のガイド管の末端エンドの部分内にくぼみを形成するように配置される。
【0023】
くぼみは、押し付けられた脳組織を含むことができる。脳組織は、例えば、脳が宿主動物から除去されている場合、宿主動物から分離されてよく、または死んだ動物の脳組織であってもよい。
【0024】
本発明の第3の態様によれば、所望の長さに切断され得るガイド管と、脳内のターゲット部位に流体を送達する1または複数のポートを含む末端エンドを有するチュービングの末端部分でありガイド管の内径よりも小さい外径を有するチュービングの末端部分を備えるカテーテルと、ガイド管に挿入されるべきカテーテルの限度を示し、使用のとき、脳内のターゲット部位に1または複数のポートを配置し、ガイド管とカテーテルのチュービングの末端部分との間のガイド管の末端エンド部分内にくぼみを形成する指示を備え、指示がカテーテルの長さに沿って調節可能である、神経用キットが提供される。
【0025】
本発明の第4の態様によれば、神経外科術の方法であって、管が脳組織の部分の中心を取るように脳内に管を送達するステップと、カテーテルの末端エンドの1または複数のポートが脳内のターゲット部位に配置されるように脳内にカテーテルを位置決めするステップとを含み、カテーテルが管を使用して中心が取られた脳組織の中を通る、方法が提供される。
【0026】
このようにして、脳組織は、カテーテルおよびガイド管と相まって、カテーテルを使用して脳に送達される流体のカテーテルおよびガイド管に沿った逆流を防止することができるシールを形成する。
【0027】
方法は、カテーテルの部分を、管を使用して中心が取られた脳組織の中に通すステップを含むことができる。部分は、1または複数のポートがターゲット部位に配置されているとき、脳組織の一部が管内に留まるように、管の内径よりも小さい外径を有する。管を使用してすでに中心が取られた組織の中にカテーテルを通すことは、中心が取られた脳組織を、管の両側および管の下の脳組織に対して押し付けて封止効果を高めることができる。
【0028】
管は脳内のカテーテルの位置決めをガイドするのに使用されるガイド管であってよい。
【0029】
ガイド管を配置するステップは、脳内により堅いガイドロッドまたはガイドワイヤとともにガイド管を送達するステップを含むことができ、送達の終わりごろに、ガイド管は、それが送達されるときにガイド管が脳の部分の中心を取るように、ロッドまたはワイヤの末端エンドがガイド管の末端エンド内にそこから間隔を置いて配置される状態で、送達される。送達の終わりごろに、ガイドロッドまたはガイドワイヤは、ガイドロッドまたはガイドワイヤの末端エンドがガイド管の末端エンドに整列されるまたはそこから突出する位置から、ガイドロッドまたはガイドワイヤの末端エンドがガイド管の末端エンド内にそこから間隔を置いて配置される位置まで、動かされ得る。
【0030】
本発明の第5の態様によれば、少なくとも1本のガイド管が挿入された患者の脳の画像を取得するステップと、画像から少なくとも1本のガイド管の位置を決定するステップと、ガイド管の位置と予め計画された位置との間に有意な違いがある場合、手術計画を修正するステップとを含む方法が提供される。
【0031】
手術計画を修正するステップは、カテーテルの計画された挿入長さを変えるステップを含むことができる。例えば、カテーテルが、挿入されるべきカテーテルの限度を識別する調節可能な指示を備えるカテーテルである場合、修正は、指示の位置を調節するステップを含むことができる。あるいは、修正は、異なる全長を有するまたは異なる長さの堅い先端を有するカテーテルなど、少なくとも1本のガイド管を使用して脳に挿入される異なるカテーテルを選択するステップを含むことができる。手術計画を修正することは、取替えガイド管を患者の脳に挿入することを計画するステップを含むことができる。
【0032】
ガイド管は、MRIおよび/またはCTスキャンにおいて見ることができる材料を含むことができる。
【0033】
本発明の第6の態様によれば、患者の脳の画像を取得するステップと、患者の脳内のターゲット部位およびターゲット体積を決定するステップと、カテーテルの送達ポートがターゲット部位に配置されるように患者の脳内にカテーテルの挿入のための経路を決定するステップと、ガイド管の末端エンドがターゲット体積の概ね境界のところまたは丁度境界内に位置決めされるように、カテーテルを送達するのに必要なガイド管の長さを決定するステップと、堅い無孔の先端であってその長さがガイド管の末端エンドからターゲット部位までの長さに基づく堅い無孔の先端を有するカテーテルを製造するステップとを含む、カテーテルの製造方法が提供される。
【0034】
方法は、ガイド管に挿入されるべきカテーテルの限度を指示するための指示をカテーテル上の所定の位置に固定し、使用のときにガイド管の長さに基づいてターゲット部位に1または複数のポートを配置するステップを含むことができる。先端は、ガイド管の内径よりも小さい外径を有することができる。止め具は、カテーテルがガイド管に挿入されてターゲット部位に1または複数のポートが配置されるとき、先端の露出される基端部分をガイド管内に配置し、ガイド管と先端の基端部分との間のガイド管の末端エンド部分内にくぼみを形成するように、カテーテル上の位置に固定され得る。
【0035】
本発明の第7の態様によれば、患者データを受け取るステップと、カテーテルがガイド管に挿入されるとき、カテーテルの末端エンドにあるポートが脳内のターゲット部位に配置され、脳組織を保持するためのくぼみがガイド管とカテーテルの末端エンド部分との間のガイド管の末端エンド部分内に形成されるように、カテーテルおよびガイド管のそれぞれについての所望の長さを患者データから決定するステップと、カテーテルおよび/またはガイド管をそれぞれの所望の長さに調節するステップとを含む、カテーテルシステムの製造方法が提供される。
【0036】
ガイド管および/またはカテーテルを調節するステップは、ガイド管および/もしくはカテーテルを所望の長さに切断するステップと/または脳に挿入され得るガイド管および/もしくはカテーテルの長さを画定するガイド管および/もしくはカテーテル上にある止め具などの当接部の位置を調節するステップとを含むことができる。
【0037】
患者データは、患者の脳の画像を含むことができる。患者データは、定位固定フレーム上の位置および/またはロボットの位置など、基準点からの患者の頭蓋骨の表面の距離を含むことができる。所望の長さを決定するステップは、基準点から患者の頭蓋骨の表面までの距離を決定するステップと、測定された距離に基づいてガイド管およびカテーテルを切断するステップとを含むことができる。ガイド管およびカテーテルについての所望の長さは、患者の脳の画像から最初に決定され得る。患者の脳の(MRIおよびCTスキャンなどの)画像は、患者の頭蓋骨に連結されている、定位固定フレームなどの基準アーチファクトに対するターゲット部位の位置を測定するのに十分な精度を提供することができるが、患者の頭蓋骨の鮮明な画像を提供することはできない。したがって、脳内にガイド管およびカテーテルを配置するためのデータム(datum)として頭蓋骨を使用するカテーテルシステムの場合、頭蓋骨の表面の正確な位置を識別することが望ましい。これは、基準アーチファクトに対する頭蓋骨の表面の位置を識別するポインティングデバイスを使用することによって達成され、それによってターゲット部位と頭蓋骨の表面の相対位置が決定され得る。例えば、定位固定フレームに対する既知の位置を有するロボットは、頭蓋骨の表面に接触するように既知の長さのポインティングデバイスを制御して、そのロボットに対するしたがって定位固定フレームに対する頭蓋骨の表面の位置を決定することができる。ターゲット部位に対する頭蓋骨の表面の相対位置の決定後、ガイド管とカテーテルの長さが測定された長さに基づいて例えば切断により調節され得る。
【0038】
本発明の第8の態様によれば、患者の画像から患者の頭蓋骨に取り付けられた基準アーチファクトに対する脳内のターゲット部位の位置を決定するステップと、表面に接触するようにポインティングデバイスを使用して基準アーチファクトに対する患者の頭蓋骨の表面の位置を決定するステップと、基準アーチファクトに対するターゲット部位の位置および基準アーチファクトに対する患者の頭蓋骨の表面の位置から、患者の頭蓋骨の表面からターゲット部位までの測定された距離を決定するステップと、測定された距離に基づいた長さを有するカテーテルを用意するステップとを含む、カテーテルシステムの製造方法が開示される。
【0039】
長さは、脳に挿入されるべきカテーテルの長さであってよい。
【0040】
本発明の第9の態様によれば、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、脳に挿入されているガイド管の画像を分析させてガイド管に挿入されるカテーテルの経路を決定させる、インストラクションをそこに有するデータキャリアが提供される。
【0041】
インストラクションは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、画像から決定されたガイド管の位置およびカテーテルの経路に基づいて、脳内の指定されたターゲット部位についてのカテーテルの所望の先端長さを決定させることができる。
【0042】
本発明の第10の態様によれば、末端エンドを有するチュービングの第1の部分を備えるカテーテル器具が提供される。使用のとき、チュービングの第1の部分の末端エンドは、脳内に埋め込まれるのが好ましい。カテーテル器具のチュービングの第1の部分は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている特許文献2に記載されているガイド管デバイスによって提供され得る。このガイド管デバイスは、こうしてチュービングの第1の部分を提供することができ、さらに、チュービングの第1の部分の基端エンドに取り付けられたヘッドを含むことができる。ヘッドは、ガイド管を頭蓋骨に取り付けるための1または複数の特徴を含むことができる。例えば、ヘッドは、それを頭蓋骨内に形成されたバーリング孔(burr hole)内に保持され得るようにする特徴を含むことができる。
【0043】
好ましくは、カテーテル器具は、流体を脳内のターゲット部位に送達するための1または複数のポートを備える末端エンドを有するチュービングの第2の部分をさらに備える。チュービングの第1の部分および第2の部分は、単一の一体片として形成され得る、またはインプラント処置の前もしくはその間に外科医によって組み付けられてもよい。チュービングの第2の部分は、チュービングの第1の部分の外径よりも小さい外径(OD)を有するのが好ましい。チュービングの第2の部分は、チュービングの第1の部分の内径よりも小さい外径を有するのが好ましい。使用のとき、チュービングの第2の部分は、チュービングの第1の部分の管腔とともに少なくとも部分的に配置されるのが好ましく、またチュービングの第1の部分の末端エンドから突出するのが好ましい。外側直径にある段は、このようにしてチュービングの第1の部分と第2の部分との間に形成される。チュービングの第1の部分および第2の部分は、実質的に同軸であってよい。
【0044】
くぼみまたは内部ポケットは、チュービングの第1の部分の末端エンドに形成されるのが好ましい。このくぼみは、チュービングの第2の部分を囲繞するのが好ましい。くぼみは、少なくとも部分的に、チュービングの第1の部分の内壁によって画定され得る。くぼみは、チュービングの第1の部分の管腔内に短い距離(例えば、5cm以下、より好ましくは3cm以下、より好ましくは1cm以下、より好ましくは0.5mm以下)に延在することができる。チュービングの第1の部分の末端エンドにおける穴は、くぼみの開口を画定することができる。
【0045】
使用のとき、脳組織は、くぼみまたはポケット内に配置されるのが好ましい。これは、チュービングの第1の部分を脳に挿入する間の中心を取る効果を使用することによって達成され得る。チュービングの第2の部分は、次いで、挿入処置の間、保持されている脳組織の中心を通過し得る。例えば、チュービングの第2の部分は、チュービングの第1の部分の基端エンドに挿入され、それがチュービングの第1の部分の末端エンドから出るまでチュービングの第1の部分内に通され、それによってくぼみ内に保持されていた脳組織の中心が穿孔される。この構成は、チュービングの第1の部分と、それが埋め込まれている脳組織との間の接触面に沿った逆流を減少させる流体シールを形成することが見出されている。以下に説明されるように、そうした逆流の減少は、デバイスの薬物送達性能を向上させる。
【0046】
好ましい一実施形態では、チュービングの第2の部分は、カテーテルデバイスの末端エンドとして提供される。具体的には、カテーテルデバイスは、参照により本明細書にその内容が組み込まれている、特許文献3に記載されているタイプの先端が堅いカテーテルデバイスであってよい。具体的には、カテーテルデバイスは、特許文献3の
図2に示されているものに類似した形態を備えることができ、そこにおいて、(チュービングの第2の部分を形成する)堅い石英管34は、可撓性プラスチック管32の端部に部分的に挿入されている。そうした構成において、可撓性プラスチック管32は、チュービングの第1の部分内にぴったりと嵌合することができる(例えば、可撓性プラスチック管32の外径は、滑り嵌めを提供するようにそれが挿入されるガイド管デバイスの内径に合わせられ得る)。そうした一例では、可撓性プラスチック管32の末端エンドは、チュービングの第1の部分によって画定されるくぼみについての端部を形成する。堅い石英管34の末端エンドは、次いで、ガイド管デバイス内にターゲット部位へと挿入される間に、くぼみ内に保持されている組織の中心に穿孔するように構成され得る。
【0047】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面に描かれている。これらは、ほんの一例として提供される。