特許第6334547号(P6334547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334547機械駆動用途のガスタービンおよび運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334547
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】機械駆動用途のガスタービンおよび運転方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 6/00 20060101AFI20180521BHJP
   F02C 7/275 20060101ALI20180521BHJP
   F02C 7/32 20060101ALI20180521BHJP
   F02C 7/36 20060101ALI20180521BHJP
   F01D 15/08 20060101ALI20180521BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20180521BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20180521BHJP
   H02P 101/25 20150101ALN20180521BHJP
【FI】
   F02C6/00 B
   F02C7/275
   F02C7/32
   F02C7/36
   F01D15/08 C
   F01D15/10 A
   F01D15/10 C
   H02P9/04 F
   H02P101:25
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-540182(P2015-540182)
(86)(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公表番号】特表2015-535046(P2015-535046A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】EP2013073308
(87)【国際公開番号】WO2014072433
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】FI2012A000245
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513243790
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】NUOVO PIGNONE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】スカルポーニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ペラゴッティ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンチ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ナルディ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ミラーニ,ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】アントニーニ,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】デッランナ,グラツィアーノ
(72)【発明者】
【氏名】バッターリ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】リブラスキ,ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】ラザーリ,アンヌンツィオ
(72)【発明者】
【氏名】アゴスティーニ,ダミアーノ
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−219571(JP,A)
【文献】 特開平03−253704(JP,A)
【文献】 特開平04−086307(JP,A)
【文献】 特開2000−186576(JP,A)
【文献】 特開2011−130657(JP,A)
【文献】 特表2009−529117(JP,A)
【文献】 特開2012−057621(JP,A)
【文献】 特表2001−505974(JP,A)
【文献】 特表2007−505261(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0077512(US,A1)
【文献】 特開2010−249134(JP,A)
【文献】 米国特許第08049353(US,B1)
【文献】 特表2007−512456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 15/08,15/10
F02C 1/00− 9/58
F23R 3/00− 7/00
F25B 11/02,27/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットエンドおよびコールドエンドを有する、負荷を駆動するために構成され、配置されたガスタービンと、
前記ガスタービンの前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に配置された、前記ガスタービンを前記負荷に接続するロードカップリングと、
前記ガスタービンの前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に配置され、電力グリッドに電気的に接続され、前記ロードカップリングに機械的に接続される電気モータ/発電機であって、
前記ガスタービンからの余剰の機械的動力を電力に変換し、前記電力を前記電力グリッドに供給するための発電機として機能し、かつ前記負荷に駆動力を追加するためのモータとして機能するように構成される電気モータ/発電機と、
を備える、負荷を駆動するための駆動システム。
【請求項2】
前記負荷が少なくとも1つの圧縮機を備える、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記電気モータ/発電機が前記ガスタービンの前記コールドエンドに配置され、前記ロードカップリングが前記ガスタービンの前記ホットエンドに配置される、請求項1または2に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記電気モータ/発電機と前記ガスタービンとの間に機械的なヒューズをさらに備える、請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項5】
前記電気モータ/発電機と前記ガスタービンとの間にクラッチをさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項6】
前記電気モータ/発電機が、前記ガスタービンの前記コールドエンドまたは前記ホットエンドに永続的に接続される、請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項7】
前記電気モータ/発電機が、前記ガスタービンおよび前記負荷を始動するための始動機として機能するようにさらに構成される、請求項1乃至6のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項8】
前記ガスタービンが1軸ガスタービンである、請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項9】
前記ガスタービンが、第1の軸によって接続された高圧圧縮機と高圧タービンから構成されたコアと、前記コアを始動するための始動機と、低圧圧縮機と、低圧タービンとを備える2軸ガスタービンであり、前記低圧タービンと前記低圧圧縮機が、前記ガスタービンの前記ホットエンドから前記コールドエンドまで延在する第2の軸によって接続され、負荷が、前記ガスタービンの前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方で前記第2の軸に機械的に接続され、前記電気モータ/発電機が、前記ガスタービンの前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方で前記第2の軸に機械的に接続される、請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項10】
前記電気モータ/発電機と前記電力グリッドとの間に接続された周波数変換器であって、前記電力グリッドから前記電気モータ/発電機への電気周波数、および前記電気モータ/発電機から前記電力グリッドへの電気周波数を調節するために構成され、制御された周波数変換器をさらに備える、請求項1乃至9のいずれかに記載の駆動システム。
【請求項11】
ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを用意するステップと、
負荷を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に結合するステップと、
電気モータ/発電機を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に結合するステップと、
前記電気モータ/発電機をモータモードに切り替えるステップと、
前記電気モータ/発電機を電気的に駆動し、電力を前記電気モータ/発電機内で機械的動力に変換し、前記機械的動力を前記ガスタービンおよび前記負荷を始動するために使用するステップであって、機械的動力が前記電気モータ/発電機から前記ガスタービンを介して前記負荷に伝達される、ステップと、
を含む、ガスタービンおよび負荷から構成されるシステムを始動する方法。
【請求項12】
ガスタービンおよび前記ガスタービンによって駆動される負荷から構成されるガスタービンシステムを作動させる方法であって、
ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを用意するステップと、
負荷を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に結合するステップと、
電気モータ/発電機を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に結合し、前記電気モータ/発電機を前記負荷に機械的に結合するステップと、
前記ガスタービンによって機械的動力を発生するステップと、
前記ガスタービンによって発生する前記機械的動力で前記負荷を駆動するステップと、
前記ガスタービンによって発生する前記機械的動力が前記負荷を駆動するのに必要な機械的動力を超える場合、
前記電気モータ/発電機を発電機モードで作動させるステップと、
前記ガスタービンからの余剰の機械的動力を前記電気モータ/発電機に伝達するステップと、
前記余剰の機械的動力を前記電気モータ/発電機内で電力に変換するステップと、
を含む、ガスタービンシステムを作動させる方法。
【請求項13】
ガスタービンおよび前記ガスタービンによって駆動される負荷から構成されるガスタービンシステムを作動させる方法であって、
ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを用意するステップと、
負荷を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に結合するステップと、
電気モータ/発電機を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に結合し、前記電気モータ/発電機を前記負荷に機械的に結合するステップと、
前記ガスタービンによって機械的動力を発生するステップと、
前記ガスタービンによって発生する前記機械的動力で前記負荷を駆動するステップと、
前記ガスタービンによって発生する前記機械的動力が前記負荷を駆動するのに必要な動力より小さい場合、
前記電気モータ/発電機をモータモードで作動させるステップと、
前記電気モータ/発電機を電気的に駆動するステップと、
電力を前記電気モータ/発電機内で追加の機械的動力に変換するステップと、
前記電気モータ/発電機からの前記追加の機械的動力を前記ガスタービンを介して前記負荷に伝達するステップと、
前記ガスタービンによって発生する動力と前記電気モータ/発電機によって発生する追加の機械的動力を組み合わせて前記負荷を駆動するステップと、
を含む、ガスタービンシステムを作動させる方法。
【請求項14】
前記電気モータ/発電機を前記ガスタービンの前記コールドエンドに結合するステップと、
前記負荷を前記ガスタービンの前記ホットエンドに結合するステップと、
を備える、請求項11乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記負荷が少なくとも1つの圧縮機を備える、請求項11乃至14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械駆動用途で用いられるガスタービンシステムの改良に関する。詳細には、限定されるわけではないが、本開示は、液化天然ガス設備内での冷媒流体用圧縮機などの圧縮機を駆動するためのガスタービンシステムに関する。
【0002】
本開示は、ガスタービンと、LNGまたはオイル&ガス用途のための圧縮機などの負荷とを備えるシステムを運転する方法の改良にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
液化天然ガス(LNG:liquefied Natural Gas)は液化プロセスから生じ、液化プロセスでは、天然ガスは、カスケード配置の1つまたは複数の冷凍サイクルを用いて液体になるまで冷却される。例えば、パイプラインの輸送が可能でない、または経済的に実行できない場合、天然ガスは貯蔵または輸送のために液化されることが多い。
【0004】
天然ガスは閉回路または開回路の冷凍サイクルを用いて冷却される。冷媒は、1つまたは複数の圧縮機で処理され、凝縮および膨張される。膨張して低温となった冷媒は、熱交換器を流れる天然ガスから熱を取り去るために使われる。
【0005】
LNG、パイプライン用途、またはオイル&ガス産業での他の用途における冷媒圧縮機は、ガスタービンによって駆動されることが多い。ガスタービンの利用可能動力(すなわち、タービン動力軸で利用できる動力)は、大気温度などの周囲条件、およびに経年変化などの他の要因に依存する。タービンの利用可能動力は、温度の低下とともに増大し、逆に、温度の上昇とともに減少する。このため、利用可能動力は、一日の温度変動および季節による温度変動によって、24時間の間で変動するとともに年間でも変動する。
【0006】
例えば1つまたは複数の圧縮機から構成される負荷を駆動するため、電気モータをガスタービンと組み合わせて設けることが提案されてきた。タービンの利用可能動力によって、負荷を駆動するのに使われる全機械的動力が減少する、かつ/または増大するとき、電気モータは、1つまたは複数の圧縮機に機械的動力を追加して、圧縮機軸への全機械的動力を一定に保つように運転される。電気モータのこの機能は、補助動力と称される。同じ電気モータは、通常、始動モータとしても使われ、ガスタービンおよび1つまたは複数の圧縮機によって形成される駆動列の速度をゼロから定格まで加速する。
【0007】
例えば、周囲温度が設計温度より低い温度に下がって、その結果、タービンの利用可能動力が増大する場合など、タービンが余剰な機械的動力を発生すると、ガスタービンが発生した余剰な機械的動力は、電気補助モータを発電機として使用することによって電気エネルギーに変換される。
【0008】
図1は、LNG設備で典型的に使用される、補助機/始動機/発電機を有するガスタービンおよび圧縮機の配置を示す。ガスタービン1は、共通の軸線3によって電気モータ/発電機5に接続される。軸線は、複数の軸部分3A、3B、3C、3Dから構成することができる。参照符号4は、ガスタービンと電気モータ/発電機5との間に配置された固定継手を示す。可撓継手6がさらに、電気モータ/発電機5と例えば圧縮機の負荷7との間に配置される。電気モータ/発電機5は、ドライブスルー能力を有する。すなわち、電気モータ/発電機5は、ガスタービン1によって発生した機械的動力をモータ/発電機5を経て圧縮機7に伝達することができるように設計されている。ドライブスルー能力は、ガスタービン出力以上でなければならない。電気モータ/発電機5は、周波数変換器11を介して電力グリッドGに接続される。
【0009】
電気モータ/発電機5は、ガスタービン1の速度をゼロから全速まで加速する始動機として用いられる。電気モータ/発電機5は共通の軸線3に配置されるので、始動機として機能するときは、電気モータ/発電機5はまた、全圧縮機列、すなわち1つまたは複数の圧縮機を加速する。このことは、電気モータ/発電機5が、共通の軸線3に接続されたすべての回転機械の質量を加速し、さらに、始動時には、1つまたは複数の圧縮機7内にある作動流体が流れはじめ、圧力が上昇するので、1つまたは複数の圧縮機7の空力負荷を上まわるのに十分な動力をもつことを必要とする。
【0010】
他の公知の天然ガス液化設備では、電気モータ/発電機は1つまたは複数の圧縮機の一端に接続され、ガスタービンは圧縮機の反対端に配置される。したがって、1つまたは複数の圧縮機は、ガスタービンと電動補助機/発電機との間に配置される。圧縮機が垂直分割の圧縮機の場合、圧縮機のメンテナンスが必要なときには電気モータ/発電機を取り外さなければならない。その上、これらの公知の構成では、ガスタービン専用の始動機が、ガスタービンのコールドエンド側に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2241725号公報
【発明の概要】
【0012】
本開示の1つの実施形態では、負荷を駆動するための駆動システムが提供され、このシステムは、負荷を駆動するために構成され、配置され、ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを備える。ガスタービンには、前記ガスタービンを負荷に接続するためのロードカップリングが設けられ、ロードカップリングは、ガスタービンの前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に配置される。ガスタービンの反対端に配置された電気モータ/発電機がさらに設けられる。いくつかの実施形態では、電気モータ/発電機はガスタービンのコールドエンドで接続され、負荷はガスタービンのホットエンドで接続される。電気モータ/発電機をガスタービンのコールドエンドに配置することは、既存のプラントの改造をより容易にし、既存の補助ベースプレートを活用することができる。電気モータ/発電機のためのベースプレート上の空所は、既存の始動機ならびにトルクコンバータおよび/または他の補助設備を取り除いて得ることができる。他の実施形態では、例えば、ガスタービンが多軸ガスタービンの場合、負荷をガスタービンのコールドエンドに接続し、電気モータ/発電機をガスタービンのホットエンドに接続することができる。ガスタービンのホットエンドとコールドエンドに関して、負荷と電気モータ/発電機の特定の配置はまた、負荷側でより多くの軸/フランジの設計を行うことが必要なので、設計の制約に依存して行うことができる。いくつかの構成では、ホットエンド軸/フランジは、コールドエンド結合よりも高い出力率を伝達するために設計することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、負荷は、LNG設備の圧縮機(複数可)などの1つまたは複数の圧縮機を備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、電気モータ/発電機は電力グリッドに電気的に接続される。電気モータ/発電機は、ガスタービンからの余剰の機械的動力を電力に変換し、電力を電力グリッドに供給するための発電機として機能し、かつガスタービンによって発生する機械的動力が減少するときに圧縮機に駆動力を追加するためのモータとして機能するように構成される。
【0015】
電気モータ/発電機を負荷と反対側のタービン端部に配置することは、従来技術の構成を超えるいくつかの利点を有する。特に、本明細書に開示する主題による構成は、電気モータ/発電機が駆動列の負荷を越えた端部に配置される構成に対しては、負荷への接近性を改善する。特に、圧縮機が垂直分割ケーシングの場合は、圧縮機への接近が容易になり、その結果、メンテナンスがさらに容易になる。コミッショニングの段階でガスタービンを単独で動かすための、ガスタービンのコールドエンドにおける独立した始動機は無しで済ませることができる。モータ/発電機が短絡した場合、圧縮機への応力が軽減される。
【0016】
図1の構成に対して、本明細書で開示する新規な構成によって、電気機械/発電機は、より簡単、より小さく、より安価となり、ドライブスルー能力を必要としない。
【0017】
現在の好ましいいくつかの実施形態では、ガスタービンは1軸ガスタービンであり、電気モータ/発電機はまた、ガスタービンおよび負荷を備える駆動列用の始動モータとして動作する。
【0018】
1つのさらなる態様によれば、本開示は、ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを用意するステップと、負荷を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に結合するステップと、電気モータ/発電機を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に結合するステップと、電気モータ/発電機をモータモードに切り替えるステップと、電気モータ/発電機を電気的に駆動し、電力を電気モータ/発電機内で機械的動力に変換し、機械的動力をガスタービンおよび負荷を始動するために使用するステップであって、機械的動力が電気モータ/発電機からガスタービンを介して負荷に伝達される、ステップとを備える、ガスタービンおよび負荷を備えるシステムを始動する方法に関する。
【0019】
別の態様によれば、本開示は、ホットエンドおよびコールドエンドを有するガスタービンを用意するステップと、負荷を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の一方に結合するステップと、電気モータ/発電機を前記ホットエンドと前記コールドエンドの内の他方に結合し、電気モータ/発電機を負荷に機械的に結合するステップと、ガスタービンによって機械的動力を発生するステップと、ガスタービンによって発生する機械的動力で負荷を駆動するステップとを備える、ガスタービンおよびガスタービンによって駆動される負荷を備えるガスタービンシステムを作動させる方法に言及する。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、ガスタービンによって発生する機械的動力が負荷を駆動するのに必要な機械的動力を超える場合、本方法によって、電気モータ/発電機を発電機モードで作動させるステップと、ガスタービンからの余剰の機械的動力を電気モータ/発電機に伝達するステップと、余剰の機械的動力を電気モータ/発電機内で電力に変換するステップとが行われる。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、ガスタービンによって発生する機械的動力が負荷を駆動するのに必要な動力より小さい場合、本方法によって、電気モータ/発電機をモータモードで作動させるステップと、電気モータ/発電機を電気的に駆動するステップと、電力を電気モータ/発電機内で追加の機械的動力に変換するステップと、電気モータ/発電機からの追加の機械的動力をガスタービンを介して負荷に伝達するステップと、ガスタービンによって発生する動力と電気モータ/発電機によって発生する追加の機械的動力を組み合わせて負荷を駆動するステップとが行われる。
【0022】
特徴および実施形態は、本明細書で以下に開示され、本明細書と一体の部分を形成する添付の特許請求の範囲にさらに記載される。上記の簡単な説明は、以下の詳細な説明をよりよく理解することができるように、さらに当分野に対する本発明の寄与をよりよく認識できるように、本発明の様々な実施形態の特徴を記載している。もちろん、以下で説明され、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の他の特徴が存在する。この点において、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の様々な実施形態は、以下の説明で記載され、または図面に示される構成部品の構造の詳細および配置に適用されることに限定されないことが理解される。本発明は、他の実施形態が可能であり、また様々な方法で実行および実施することができる。また、本明細書で利用される表現および用語は、説明のためのものであって、限定としてみなすべきではないことを理解されたい。
【0023】
したがって、本開示が基礎を置いている概念は、本発明のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、および/またはシステムを設計するための基礎として容易に利用することができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、このような等価な構造を含むものとみなすことが重要である。
【0024】
添付の図面と併せて検討して、以下の詳細な記載を参照することによって、本発明の開示される実施形態、およびそれに付随するその利点をよりよく理解するようになったとき、これらのより完全な理解を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】現行技術による、ガスタービンおよび圧縮機の概略図である。
図2】本開示による実施形態による、ガスタービンおよび圧縮機配置の概略図である。
図3】本開示による実施形態による、ガスタービンおよび圧縮機配置の概略図である。
図4】本開示による実施形態による、ガスタービンおよび圧縮機配置の概略図である。
図5】本開示による実施形態による、ガスタービンおよび圧縮機配置の概略図である。
図6】本開示による実施形態による、ガスタービンおよび圧縮機配置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付図面を参照して例示的な実施形態を以下に詳細に説明する。異なる図面における同じ参照符号は、同じまたは同様の要素とみなす。さらに、図面は必ずしも原寸に比例して描かれたものではない。また、以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。その代わり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0027】
明細書を通して「1つの実施形態」、「実施形態」、または「いくつかの実施形態」として言及することは、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所で「1つの実施形態では」、「実施形態では」、または「いくつかの実施形態では」という表現が現れるが、必ずしも同じ実施形態(複数可)について言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態においてあらゆる好適な様態で組み合わせることができる。
【0028】
図2の実施形態では、ガスタービン101は負荷103を駆動するために設けられる。
【0029】
ガスタービン101は、第1の端部101Hおよび第2の端部101Cを有する。第1の端部101Hはタービンのホットエンドと称され、一方、第2の端部101Cはタービンのコールドエンドと称される。ホットエンド101Hは通常、排気燃焼ガスがパワータービン104から排出される端部であり、一方、コールドエンド101Cは通常、ガスタービン101の圧縮機102の入口が位置する端部である。
【0030】
図2の実施形態では、負荷103は、LNG設備の冷凍圧縮機またはパイプライン圧縮機などの圧縮機、例えば遠心圧縮機、を備える。他の実施形態では、負荷は、同じ回転速度で回転する、またはギアボックスなどの1つまたは複数の速度操作装置を、連続して配置された駆動列の圧縮機の間に入れることによって異なる回転速度で回転する1つより多い圧縮機、すなわち2つ以上の圧縮機列から構成することができる。
【0031】
図2の実施形態では、負荷103は、ロードカップリング105を介して、ガスタービン101のホットエンド101Hに駆動するよう接続される。負荷103が、ガスタービン101の定格回転速度とは異なる回転速度を必要とする場合、速度操作装置107が、ガスタービン101と負荷103との間に配置される。例えば、速度操作装置はギアボックスから構成することができる。他の実施形態では、速度操作装置107は、トルクコンバータから構成することができる。参照符号109は、速度操作装置107を負荷103に接続する被駆動軸を示す。
【0032】
ロードカップリング105と反対側のガスタービン101の端部、すなわちコールドエンド101Cは、可逆電気機械111に接続される。可逆電気機械111は、モータ/発電機である。すなわち、機械の軸で利用できる機械的動力をその機械の電気端子で利用できる電力に変換でき、またはその逆に、その機械の電気端子で利用できる電力をその機械の軸での機械的動力に変換できる機械である。電気モータ/発電機111は電力グリッドGに電気的に接続される。
【0033】
周波数変換器または可変周波数ドライバ113は、電気モータ/発電機111と電力グリッドGとの電気端子間に設けることができる。周波数変換器113は、電気モータ/発電機111によって行う機能に依存して、周波数を電気モータ/発電機111の回転周波数に合わせるように変えて、例えば50Hzまたは60Hzのグリッド周波数の電気エネルギーを、必要な任意の速度で電気モータ/発電機111を回転するために使うことができるようにする。反対に、周波数変換器113はまた、電気モータ/発電機111によって発生した電力の周波数をグリッド周波数に変換することができる。したがって、周波数変換器113によって、システムは必要に応じて可変回転速度で回転することができる。
【0034】
電気モータ/発電機111は、モータ出力軸115によって、ガスタービン101のコールドエンド101Cに機械的に接続される。いくつかの実施形態では、機械的なヒューズ119がモータ出力軸115とガスタービン101との間に配置することができる。機械的なヒューズは、装置に過負荷がかかった場合に破断することができる装置である。本明細書で説明する実施形態では、機械的なヒューズは、例えば、電気モータ/発電機111が短絡した場合、ターボ機械101および103を保護する。
【0035】
他の実施形態では、電気モータ/発電機111を選択的にガスタービン101に接続およびガスタービン101から切断するために、モータ出力軸115とガスタービン101との間にクラッチ117を配置することができる。いくつかの実施例では、電気モータ/発電機111とガスタービンとの間にギアボックスまたは別の速度操作装置を配置することができる。
【0036】
いくつかの実施例では、図2に示すように、機械的なヒューズとクラッチとを組み合わせて用いることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、ガスタービン101は重構造型ガスタービンとすることができる。他の実施形態では、ガスタービン101は航転型ガスタービンとすることができる。同じ圧縮機または複数の圧縮機を駆動するために2つ以上のガスタービンを組み合わせることもまた可能である。
【0038】
いくつかの実施例では、ガスタービン101は1軸ガスタービンである。1軸ガスタービンは、共通の回転軸に取り付けられた圧縮機ロータとタービンロータを備える。軸の一端は電気モータ/発電機111に機械的に連結され、軸の反対端はロードカップリング105を介して負荷103に機械的に連結される。したがって、電気モータ/発電機111は、単一の軸線に接続されて、ガスタービンの圧縮機およびパワータービンとともに負荷103を形成する1つまたは複数の圧縮機を駆動して回転させる。
【0039】
1軸ガスタービンの構成では、電気モータ/発電機111は、次に説明するように、始動機の機能、補助機の機能、および発電機の機能を行うことができる。電気モータ/発電機111で利用できる機械的動力は、共通の軸線経由で負荷に機械的に伝達される。パワータービン軸で利用できる余剰の機械的動力は、電気モータ/発電機111に直接伝達されて電力に変換される。
【0040】
1軸ガスタービン101では、ガスタービン101および負荷103が停止しているとき、電気モータ/発電機111を始動機として機能させて軸線を始動させる。電気モータ/発電機111はモータモードに切り替えられる。電力グリッドGからの電力は、周波数変換器113を経由して電気モータ/発電機111へ供給される。電気モータ/発電機に供給された電力の周波数は、電気モータ/発電機111をゼロからガスタービン101の定格速度さもなくばそれより低い速度の必要回転速度まで加速するように制御される。
【0041】
電気モータ/発電機111によって発生した機械的動力は、ガスタービン101の軸およびロードカップリング105とともに1つまたは複数の圧縮機103を回転させる。したがって、発電機/電気モータ111は、始動時にガスタービンおよび負荷103となる1つまたは複数の圧縮機を加速するのに十分な動力を提供するように設計される。これは、ターボ機械の慣性とともに1つまたは複数の圧縮機103の空力負荷を上まわることを必要とする。空力負荷は、負荷103を形成する1つまたは複数の圧縮機によって処理される流体によって発生する負荷である。空力負荷は、圧縮機の速度の上昇とともに、圧縮機によって処理される流体の圧力が上昇することによって増大する。したがって、発電機/電気モータ111は、少なくともガスタービンを点火するのに必要な回転速度で、電気モータ/発電機111によって駆動されるターボ機械の慣性および空力負荷を上まわるのに十分な動力を提供するように設計される。
【0042】
一旦ガスタービン101が負荷を駆動する仕事を引き継ぐと、電気モータ/発電機は動力の発生を停止することができる。いくつかの実施形態では、電気モータ/発電機は、モータモードでの動作を継続して、ガスタービンによって発生する機械的動力と組み合わせて負荷を駆動するために使われる追加の機械的動力を提供することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ガスタービン101は、ガスタービン効率を最大にするために、決まった回転数および全負荷で運転される。ガスタービン101によって発生する機械的動力が負荷103を駆動するのに必要な動力を超える場合、例えば、周囲温度が下がって、その結果、タービンの利用可能動力が増大するような場合には、電気モータ/発電機111は発電機モードに切り替わって、タービン軸で利用できる余剰の機械的動力を電気エネルギーに変換する。電気モータ/発電機111によって発生する電力は、電力グリッドGに供給される。電力の周波数は、必要ならば周波数変換器113によって変換することができる。
【0044】
ガスタービン101によって発生する機械的動力が負荷を駆動するのに不十分な場合、例えば、周囲温度が上がって、その結果、タービンの利用可能動力が減少するような場合には、電気モータ/発電機111はモータモードに切り替わって、補助機として作動する。電力グリッドGからの電力が電気モータ/発電機111によってモータ出力軸115の機械的動力に変換される。いくつかの実施形態では、上記のように、電気モータ/発電機は、ガスタービンの利用可能動力が下降した場合のみに作動させるというよりむしろ、連続的にモータモードで作動させることができる。どちらの場合も、ロードカップリング105で利用できる全機械的動力は、ガスタービン101によって発生した機械的動力と電気モータ/発電機111によって発生した機械的動力の合計となる。
【0045】
電気モータ/発電機111は、ドライブスルー能力を必要とせず、ガスタービン101のコールドエンドに配置され、その軸は全負荷でのガスタービン101の定格動力に耐えるように設計する必要はない。
【0046】
図3は、例えば、LNG設備内の冷媒流体を処理するためのタービン駆動圧縮機の配置のさらなる実施形態を示す。同じ参照符号が、図2と同じまたは同等の構成部品を示すために用いられる。図3の実施形態では、負荷103は、第1の圧縮機103Aおよび第2の圧縮機103Bを含む圧縮機配置から構成される。図3の例示的な実施形態では、圧縮機はガスタービン101との間に速度操作装置を入れないでガスタービン101によって直接駆動される。他の実施形態では、例えばギアボックスなどの速度操作装置をガスタービン101と圧縮機103Aとの間に、および/または圧縮機103Aと圧縮機103Bとの間に設けることができる。
【0047】
図3の設備は図2の設備と実質的に同じように動作する。
【0048】
図2および3に示す実施形態ではともに、電気モータ/発電機111は、駆動列の一端に配置されるので、ドライブスルー能力を必要としない。その上、電気モータ/発電機111のこの配置によって、最も後ろの圧縮機が垂直分割の圧縮機であっても、これに対して作業することが可能になり、したがってメンテナンスが容易になる。電気モータ/発電機111のこの配置によって、電気モータ/発電機111が短絡した場合の被駆動圧縮機軸線への機械的応力が、電気モータ/発電機111が被駆動軸線に直接接続されている現状の構成に対して、さらに軽減される。
【0049】
図4は本開示による、ガスタービン101およびそれによって駆動される負荷103を備えるシステムのさらなる実施形態を示す。同じ参照符号は、前記の実施形態と同じまたは一致する構成部品、要素、または部品を示しており、これらを再び詳細には説明しない。電気モータ/発電機111は、ガスタービン101のコールドエンド101Cで接続され、一方、負荷103はガスタービン101のホットエンド101Hで接続される。図4の例示的な実施形態では、負荷103は第1の圧縮機103Aおよび第2の圧縮機103Bを備える。ロードカップリング105は中間軸受装置120によって支持される。可撓継手122を、軸受装置120と圧縮機軸との間に設けることができる。したがって、図4の実施形態では、負荷は、一部、固定継手および一部、可撓継手を経由して、ガスタービン101によって駆動される。本明細書で意図する可撓継手は、可撓性または弾性のあるジョイントなど、概略的に124で示した可撓性または弾性のある要素を含む継手である。逆に、固定継手は可撓性または弾性のある要素を含まない継手である。
【0050】
可撓継手は、ターボ機械を接続する軸の熱膨張を相殺するとともに、起こり得る角度的なミスアライメントも相殺して、軸受への負荷および機械の振動を低減する。
【0051】
可撓継手をガスタービンと負荷との間に配置すると、ガスタービンによって駆動される圧縮機(複数可)のドライガスシールの機能および効率が向上し、ターボ機械間でのアライメントとともにターボ型の設計を簡単にする。
【0052】
図5は、本明細書に開示する主題のさらなる実施形態である。図4と同じまたは同等の構成部品、要素、または部品には、同じ参照符号が与えられており、これらを再び詳細には説明しない。図5の実施形態は、ガスタービン101と負荷103とを直接接続する可撓継手のみを含むロードカップリング105を備えるという点で図4の実施形態と異なる。参照符号124は可撓継手の可撓性または弾性のある要素を示す。
【0053】
いくつかの実施形態では、負荷103は、お互いに中間可撓継手によって接続される2つ以上の圧縮機を備えることができる。図5は、第3の圧縮機103Cが第1および第2の圧縮機103A、103Bに可撓継手126によって接続される例示的な実施形態を示す。
【0054】
図2〜5には、1軸ガスタービン101が示されている。上記の配置で用いることができる適切なガスタービンは、MS9001、MS7001、MS6001、MS5001、GE10−1重構造型1軸ガスタービンであり、これらはすべてGE Oil & Gas社から入手できる。
【0055】
他の実施形態では、ガスタービンは、2つ以上の同心に配置された軸を有する多軸ガスタービンとすることができる。図6は、全体として201で示される2軸ガスタービンの概略図である。適切な2軸ガスタービンはLM6000(登録商標)ガスタービンであり、これは米国オハイオ州EvendaleのGeneral Electric社から入手できる。2軸ガスタービン101は、コア203、低圧圧縮機205、およびパワータービンすなわち低圧タービン207を備える。コア203は、高圧圧縮機209および高圧タービン211を備える。高圧圧縮機209のロータおよび高圧タービン211のロータは、共通のコア軸すなわち外側軸213に取り付けられる。低圧圧縮機205のロータおよび低圧タービンすなわちパワータービン207のロータは、内側軸すなわち動力軸215に取り付けられる。内側軸215は外側軸213と同軸に、かつ外側軸213を貫通して延在する。ガスタービン201のホットエンドおよびコールドエンドは、それぞれ201Hおよび201Cで概略的に示される。電気モータ/発電機221は、ガスタービン201のコールドエンド201Cで内側軸215に機械的に接続され、電力グリッドGに周波数変換器または可変周波数ドライバ223を経由して電気的に接続される。クラッチおよび/または機械的なヒューズおよび/またはギアボックスは、225で全体的に示され、内側軸215のコールドエンドと電気モータ/発電機221の軸221Aとの間に配置することができる。
【0056】
内側軸215のホットエンド側は負荷226に機械的に結合される。可撓継手はこの目的のために用いることができる。参照符号227は、可撓継手の可撓要素を概略的に示す。ギアボックスまたは任意の他の速度操作装置は、ガスタービン201のホットエンド201Hと負荷226との間、および/または連続して配置される負荷226の被駆動機械間に配置することができる。
【0057】
図6の例示的な実施形態では、負荷226は、第1の圧縮機226Aおよび任意選択の第2の圧縮機226Bから構成される。概略的に229で示される可撓継手は、2つの圧縮機226A、226Bの間に設けることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、始動機231は、ガスタービン201のコア203を始動するために設けられる。
【0059】
大気が低圧圧縮機205に供給され、第1の圧力で圧縮される。ある程度圧縮された空気はコア203の高圧圧縮機209に入り圧縮されて高圧になる。圧縮された空気は燃焼器204に供給され、気体燃料または液体燃料などの燃料と混合される。空気と燃料の混合気は点火され、燃焼ガスは順次高圧タービン211および低圧タービンすなわちパワータービン207内で膨張される。高圧タービン211によって発生した機械的動力はタービンコア203の高圧圧縮機209を駆動するために使われ、一方、低圧タービンすなわちパワータービン207によって発生した機械的動力は内側軸215で利用でき、負荷226を駆動するために使われる。
【0060】
内側軸215で利用できるパワータービン207からの余剰の機械的動力は、電気モータ/発電機221に伝達することができ、発電機モードで動作する電気モータ/発電機221によって電気エネルギーに変換される。電力は周波数変換器223によって調節され、電力グリッドGで利用できる。パワータービン207によって発生する機械的動力が負荷226を駆動するのに不十分な場合、例えば、周囲温度の上昇によって、タービンの利用可能動力が減少する場合には、電気モータ/発電機221はモータモードに切り替わって、電力グリッドGからの電力を機械的動力に変換し、パワータービン207によって発生する機械的動力と組み合わさって内側軸215で利用できるようになり、負荷226を駆動することができる。
【0061】
この実施形態では、始動機機能は電気モータ/発電機221によって提供されず、むしろコア203に設けられた始動機モータ231によって提供される。ガスタービン201を始動しなければならないとき、始動機モータ231は外側軸213を駆動して回転させ、その結果、コア203を始動することができる。一旦高圧タービン211が点火されると、それによって発生する燃焼ガスはパワータービン207に供給されてガスタービン201の低圧セクション、すなわち低圧圧縮機205および低圧ガスタービン207を始動する。
【0062】
本明細書で説明された主題の開示された実施形態は、図面に示され、かつ、いくつかの例示的な実施形態に関連して、特別におよび詳細に、上記に完全に説明されてきたが、本明細書で述べられている新規の教示、原理、および概念、ならびに、添付の特許請求の範囲に記載される主題の利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正、変化、および省略が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、開示された新規性の適正な範囲は、すべてのそのような修正、変化、および省略を包含するように、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈によってのみ決定されるべきである。加えて、あらゆるプロセスまたは方法のステップの順序または配列も、代替の実施形態に応じて変更され、または再配列することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 ガスタービン
3 軸線
3A 軸部分
3B 軸部分
3C 軸部分
3D 軸部分
4 固定継手
5 電気モータ/発電機
6 可撓継手
7 負荷
11 周波数変換器
101 ガスタービン
101C ガスタービンのコールドエンド
101H ガスタービンのホットエンド
102 ガスタービンの圧縮機
103 負荷
103A 第1の圧縮機
103B 第2の圧縮機
103C 第3の圧縮機
104 パワータービン
105 ロードカップリング
107 速度操作装置
109 被駆動軸
111 電気モータ/発電機
113 周波数変換器
115 モータ出力軸
117 クラッチ
119 機械的なヒューズ
120 中間軸受装置
122 可撓継手
124 可撓性または弾性のある要素
126 可撓継手
201 ガスタービン
201C ガスタービンのコールドエンド
201H ガスタービンのホットエンド
203 コア
204 燃焼器
205 低圧圧縮機
207 パワータービン、低圧ガスタービン
209 高圧圧縮機
211 高圧タービン
213 外側軸
215 内側軸
221 電気モータ/発電機
221A 電気モータ/発電機の軸
223 周波数変換器
225 クラッチおよび/または機械的なヒューズおよび/またはギアボックス
226 負荷
226A 第1の圧縮機
226B 第2の圧縮機
227 可可撓要素
229 可撓継手
231 始動機
G 電力グリッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6