特許第6334552号(P6334552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334552ステージパフォーマンスから導かれるデータに基づきアンビエントライティング効果を生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334552
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ステージパフォーマンスから導かれるデータに基づきアンビエントライティング効果を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   H05B37/02 N
   H05B37/02 L
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-543546(P2015-543546)
(86)(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公表番号】特表2016-502236(P2016-502236A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】IB2013060136
(87)【国際公開番号】WO2014083470
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月11日
(31)【優先権主張番号】61/730,102
(32)【優先日】2012年11月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘルペン マールテン マリヌス ヨハンネス ウィルヘルムス
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−523309(JP,A)
【文献】 特許第4950988(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を創出する方法であって、前記ディスプレイ空間は、前記動画を表示するように構成されるスクリーン及び前記アンビエント照明効果を提供するディスプレイ空間光源を含み、前記動画は、パフォーマンス空間において上演されるステージパフォーマンスを表すものであり、当該方法は、
(i)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいるキューマネージャによって提供される光関連キューと、(ii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析と、のうちの少なくとも1つ又は複数から、アンビエント照明効果入力データを導出するステップと、
前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに前記動画を表示する一方で、前記ディスプレイ空間において前記ディスプレイ空間光源を用いて前記アンビエント照明効果入力データに少なくとも基づいて前記アンビエント照明効果を創出するステップと、
を含み、
前記パフォーマンス空間が、パフォーマンス空間光源を含み、前記パフォーマンス空間における前記ステージパフォーマンスは、前記パフォーマンス空間光源によって提供される照明効果によって伴われ、
前記パフォーマンス空間光源は、受信される命令を、前記アンビエント照明効果入力データを含む光源信号へ変換するように構成される信号生成器を含み、前記ディスプレイ空間光源に機能的に接続されるコントローラは、前記光源信号の関数として前記ディスプレイ空間光源の前記アンビエント照明効果を制御するように構成される、方法。
【請求項2】
ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を創出する方法であって、前記ディスプレイ空間は、前記動画を表示するように構成されるスクリーン及び前記アンビエント照明効果を提供するディスプレイ空間光源を含み、前記動画は、パフォーマンス空間において上演されるステージパフォーマンスを表すものであり、当該方法は、
(i)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいるキューマネージャによって提供される光関連キューと、(ii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析と、のうちの少なくとも1つ又は複数から、アンビエント照明効果入力データを導出するステップと、
前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに前記動画を表示する一方で、前記ディスプレイ空間において前記ディスプレイ空間光源を用いて前記アンビエント照明効果入力データに少なくとも基づいて前記アンビエント照明効果を創出するステップと、
を含み、
前記アンビエント照明効果入力データの一部は、照明効果情報及びタイミング情報を含むライブラリからも導出され、前記ライブラリにおける照明効果情報は、1つ又は複数の連続した照明効果を含む、方法。
【請求項3】
ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を創出する方法であって、前記ディスプレイ空間は、前記動画を表示するように構成されるスクリーン及び前記アンビエント照明効果を提供するディスプレイ空間光源を含み、前記動画は、パフォーマンス空間において上演されるステージパフォーマンスを表すものであり、当該方法は、
(ii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析と、(iii)前記ステージパフォーマンス時に光センサにより検出される、どの程度の光が前記観客においていつ光っているかについての分析と、のうちの少なくとも1つ又は複数から、アンビエント照明効果入力データを導出するステップと、
前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに前記動画を表示する一方で、前記ディスプレイ空間において前記ディスプレイ空間光源を用いて前記アンビエント照明効果入力データに少なくとも基づいて前記アンビエント照明効果を創出するステップと、
を含む方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の方法であって、前記パフォーマンス空間が、パフォーマンス空間光源を含み、前記パフォーマンス空間における前記ステージパフォーマンスは、前記パフォーマンス空間光源によって提供される照明効果によって伴われる、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、前記パフォーマンス空間光源は、受信される命令を、前記アンビエント照明効果入力データを含む光源信号へ変換するように構成される信号生成器を含み、前記ディスプレイ空間光源に機能的に接続されるコントローラは、前記光源信号の関数として前記ディスプレイ空間光源の前記アンビエント照明効果を制御するように構成される、方法。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか一項に記載の方法であって、前記スクリーンは、ディスプレイスクリーン及びプロジェクションスクリーンのうちの1つ又は複数を含む、方法。
【請求項7】
請求項1乃至の何れか一項に記載の方法であって、前記ステージパフォーマンスは、音楽コンサート、ミュージカル、スポーツイベント、プレゼンテーション、セミナ、オペラ、宗教的活動、文化的活動、社会的活動、商業的活動、及び政治的活動を含む群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1乃至の何れか一項に記載の方法であって、前記パフォーマンス空間及び前記ディスプレイ空間は、映画館、音楽ホール、劇場、オペラハウス、スタジアム、アリーナ、会議室、住宅、ホスピタリティエリア、協会、展示場、及び屋外広場を含む群からそれぞれ個別に選択される、方法。
【請求項9】
請求項1、2又は請求項1若しくは2に従属する請求項4、5、6、7若しくは8に記載の方法であって、前記アンビエント照明効果入力データは、前記キューマネージャによって与えられる又は導入される話語及び電子信号のうちの1つ又は複数から導出される、方法。
【請求項10】
請求項1、3又は請求項1若しくは3に従属する請求項4、5、6、7、8若しくは9に記載の方法であって、前記アンビエント照明効果入力データの一部は、照明効果情報及びタイミング情報を含むライブラリからも導出され、前記ライブラリにおける照明効果情報は、1つ又は複数の連続した照明効果を含む、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法であって、当該方法は、前記ステージパフォーマンスを前記ディスプレイ空間へライブストリーミングする一方で、前記ディスプレイ空間光源を用いて前記アンビエント照明効果入力データに基づきアンビエント照明効果を生成するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法であって、当該方法は、前記ステージパフォーマンスを前記ディスプレイ空間に表示する一方で、前記ディスプレイ空間光源を用いて(i)前記アンビエント照明効果入力データ及び(ii)前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに表示される情報の内容に基づきアンビエント照明効果を生成するステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法であって、前記パフォーマンス空間において提示される又は前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに表示される前記ステージパフォーマンスの一場面をデータ担体に記録するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法であって、前記アンビエント照明効果入力データをデータ担体に記録するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の方法であって、(i)前記パフォーマンス空間において提示される又は前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに表示される前記ステージパフォーマンスの一場面、及び(ii)前記場面において導出される前記アンビエント照明効果入力データを、データ担体に記録するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を生成する方法に関する。本発明は、更に、そのような方法に使用され得るシアタ・システムに関する。本発明は、動画が生成される又は生成されているパフォーマンスステージにおいて使用され得る光源にも関する。
【背景技術】
【0002】
例えば映画館におけるアンビエント照明の創出は、例えば国際特許出願公開公報第2011/073877号などにおいても知られており、この公報では、映画館の前面側の壁に配置される映画表示スクリーン及び複数の光源を有する映画館におけるアンビエント照明効果を提供する方法であって、映画表示スクリーンに順次的に表示されるべき第1及び第2の画像コンテンツを受信するステップと、前記第2の画像コンテンツに関する色及び強度のうちの少なくとも1つを決定するステップと、前記第2の画像コンテンツに関する前記色及び強度のうちの少なくとも1つに基づきアンビエント照明効果を発するように前記複数の光源を制御するための第2の群の制御データを決定するステップと、前記第2の群の制御データを第1の群の画像コンテンツと関連付けるステップと、を含む方法を記載している。国際特許出願公開公報第2011/073877号の方法の有利な点には、例えば壁、床、及び天井などの、映画館において利用可能な「空きスペース」を用いることにより改善されたアンビエント照明体験を提供することが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アンビエント照明技術(Ambient Lighting Technology)に関する省略形であるAmbilightは、ビデオコンテンツに対応する、テレビの周囲の照明効果を生成する、フィリップスによって発明された機構である。Ambilightは、より大きな視覚的スクリーン及びより没入的な視聴体験が得られるという有利な点を有し得、そして視聴者の目の負担を低減させ得る。
【0004】
ビデオ信号から色を計算するコンセプト及び様々な方法は、例えば、米国特許出願公報2006/062424号、国際特許出願公開公報第2006/003600号、及び国際特許出願公開公報第2006/003624号に記載されており、これらは、本文書において参照として組み込まれる。
【0005】
本発明者は、映画に関して「代替的なコンテンツ」へのトレンドがあるようであると見ていた。例えば、代替的なコンテンツは、コンサート、ミュージカル、及びオペラなどであり得る。多くの場合、代替的なコンテンツは、ライブのイベントであり得る。
【0006】
スタジアム又はオペラハウスなどのパフォーマンスステージ(すなわちオリジナルの代替的なコンテンツが創出される場所)において、観客は、ステージパフォーマンス、(及び付随する)音声、照明効果及び観客の振る舞いの知覚的な体験全体により十分に浸され得る。しかし、映画館などのディスプレイ空間において、体験は異なったものであってあまり没入感のないものになり得、一方で、パフォーマンス空間においてステージパフォーマンスの間にも同じような体験をしたいという要望が存在し得る。
【0007】
したがって、課題の一つは、ムービーコンテンツを(ディスプレイ空間で)再生するための最良の照明効果をいかに決定するかである。特に、この課題は、どんな種類の照明効果を、コンサート、ミュージカル及びオペラなどの特にステージ作品の、映画館、又は他の種類のディスプレイ空間に関する代替的なコンテンツと組み合わせるかである。
【0008】
解決法の一つは、照明効果を決定するためにムービーコンテンツを分析することであり得るが、このことは、重大な問題を有し得る。例えば、ムービーコンテンツは、ステージ全体を常に見せる訳ではないので、したがって、関連する照明効果(パフォーマンスステージにおける)は、視野の外側で発生し得、つまり、照明効果はカメラがステージビューに切り替えされた場合にのみ検出され得、(ディスプレイ空間における)照明効果に関して間違ったタイミングを生じさせることを意味する。別の課題は、ライブイベントに関して、将来に関して表示されるコンテンツを分析することは不可能であることであり得る。したがって、例えば照明効果などに関する正しいタイミングを有することはより一層困難になり得る。
【0009】
したがって、本発明の態様の一つは、ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を創出する代替的な方法であって、好ましくは、ステージパフォーマンスの際のパフォーマンス空間での観客の(視覚的)体験と、ディスプレイ空間にステージパフォーマンスを表示する際のディスプレイ空間における観客の(視覚的)体験との間における良好な、又はより良好な一致を更に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ここで提案される解決法の一つは、ステージ制作の際に記録される(た)(とりわけ)特にキューデータに基づきアンビエント照明効果を決定することである。したがって、ステージパフォーマンス自体、すなわちディスプレイ空間におけるディスプレイ(の一部)、例えばディスプレイ空間でのスクリーンにおけるビデオコンテンツなど、はアンビエント照明効果の基礎ではなく(追加的な仕様は本発明によって除外されるものではないが、下記を参照)、しかし、アンビエント照明効果の基礎となるのは、特に、ライブステージパフォーマンス制作の際にいる(及びライブステージパフォーマンス制作の際にキューを与える)キューマネージャによって与えられるキューデータである。ステージ制作(ここでは、ステージパフォーマンスとも称される)の際に、キューマネージャは、通常、例えば照明及び/又は音声を制御するために、ショーの間において「キュー(cue(s))」をコールする。このことは、ステージ上で全てのことが正しいタイミングで発生することを確かにするために必要とされる。キューマネージャが「go」キューをコールしない限りは、何の予行動作も行われない。キューマネージャは、話語を用いて、又は例えば指示ライト(若しくは(別の)電気信号)などを用いて「go」キューをコールする。特に、キューマネージャ(又はキューオペレータ)は、ステージパフォーマンスの際にキューを与える。このキューマネージャは、例えば、概して他の種類のキューも与えるキューマネージャ(しばしば「ステージマネージャ」とも称される)であり得るが、キューマネージャは、ステージパフォーマンスについて理解しておりステージパフォーマンスの際に自身でキューをプレスする照明ボードオペレータでもあり得る(この場合、このオペレータがこれらのボタンをプレスするときに追従する必要がある)。「光関連キュー」という用語は、キューが光を制御するように意図されることを示す。このことは、ある実施例において、パフォーマンス空間におけるいずれかの光源の光であり得る。本文書において、キュー又は光関連キューという用語は、複数の(光関連)キューにも関連し得る。本文書において、「キューマネージャ」という用語は、照明(光関連キュー)に関連するキュー(ステージパフォーマンスの際に)を与えるいかなる人物にも関連付けられるが、上述のように、キューマネージャは、他のキューも与え得る。キューマネージャ又はキューオペレータは、人間である。したがって、パフォーマンス空間にいるキューマネージャによって提供される光関連キューから導出されるアンビエント照明効果入力データは、キューマネージャによるキュー命令(ここでは光関連キュー)から、又はキュー命令(ここでは光関連キュー)に反応した人物(又は装置)の動作によって導出され得る。特に、光関連キューは、パフォーマンス空間における照明効果をトリガーする。
【0011】
したがって、本発明において、代替的なデータ(すなわち、ムービーコンテンツの代わりの又は追加するもの)は、ディスプレイ空間におけるアンビエント照明効果に関する基礎として使用される。キューマネージャによって生成されるキューデータに加えて、又は代替的に、他の代替的なデータも、ディスプレイ空間におけるアンビエント照明効果に関する基礎として使用され得、例えば、ステージパフォーマンスに伴う照明効果、又はステージパフォーマンスの際のパフォーマンスステージにおける(パフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるカメラの)観客のビデオコンテンツの分析などである。
【0012】
したがって、第1の態様において、本発明は、ディスプレイ空間において動画を支援するアンビエント照明効果を創出する方法であって、前記ディスプレイ空間は、前記動画を表示するように構成されるスクリーン及び前記アンビエント照明効果を提供するディスプレイ空間光源を含み、前記動画は、パフォーマンス空間において上演されるステージパフォーマンスを表すものであり、当該方法は、(a)(i)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいるキューマネージャによって提供される光関連キュー、(ii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間におけるステージパフォーマンスに伴う照明効果、及び(iii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析、のうちの少なくとも1つ又は複数から、アンビエント照明効果入力データを導出するステップと、(b)前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに前記動画を表示する一方で、前記ディスプレイ空間において前記ディスプレイ空間光源を用いて前記アンビエント照明効果入力データに少なくとも基づいて前記アンビエント照明効果を創出するステップと、を含む方法を提供する。
【0013】
有利には、このような手法により、ステージパフォーマンスの際のパフォーマンス空間での観客の(視覚的)体験と、ディスプレイ空間にステージパフォーマンスを表示する際のディスプレイ空間における観客の(視覚的)体験との間における良好な、又はより良好な一致が得られる。ディスプレイ空間における観客の体験は、(パフォーマンスが本発明の方法を用いることなく表示され得る場合よりも)より現実的及び/又は総体的なものになり得る。更に、(ディスプレイ空間において表示される場合に)ムービーのズームは、必ずしもアンビエント光を変化させないが、アンビエント光がディスプレイ空間におけるスクリーンでのコンテンツに基づかない又は完全には基づかないので、アンビエント光は、(ステージパフォーマンス時における)パフォーマンス空間での領域(sphere)を(ありのままに又はあったように)なお反映し得る。
【0014】
ステージパフォーマンスの動作とステージパフォーマンスの動画(ムービー又はフィルム)の表示とは必ずしも同時である必要は無いことを特記される。もちろん、信号の伝送による(小さい)時間差が生じ得るが、ある実施例において、(パフォーマンス空間におけるステージパフォーマンスとディスプレイ空間におけるこのステージパフォーマンスの表示との間において)0.25分〜30分の範囲の遅延などの、意図的な遅延があっても良い。
【0015】
更に、本発明の方法は、ステージパフォーマンスより後のいかなる時において、このステージパフォーマンスの動画が、表示段階においてアンビエント照明効果と伴われてどこかの場所において表示される実施例をも含み得る。したがって、概してパフォーマンス空間とディスプレイ空間とは異なるが、原理的にこれらは同一であっても良い。しかし、このような実施例において、ステージパフォーマンスとステージパフォーマンスを表示する時間とは、特に異なる日であるなどのように、時間的に別である。
【0016】
したがって、Ambient light又はAmbilightのコンセプトは、更にアンビエント光又はアンビエント照明として示される。アンビエント光は、スクリーンに表示されるビデオ画像の内容に基づき得るが、1つ又は複数の画像が現在のビデオ画像に先立つものであり得る及び/又は1つ又は複数の画像が現在のビデオ画像の後のものであり得るような複数のビデオ画像のビデオコンテンツにも基づき得ることを特記される。特に、アンビエント光の色、及び追加的には強度も、画像(又は複数の画像)の少なくとも一部の支配的な色に関連する。
【0017】
国際特許出願公開公報第2006/003624号及び国際特許出願公開公報第2006/003600号などに示されるように、アンビエント光源によりエミュレートに関する支配的な色を知覚的な規則を用いて再生するために描画色空間において符号化されるビデオ画像(すなわち1つ(又は複数の連続する)画像)から支配的な色の抽出に関する方法に適用され得る。現在のコンテンツにおけるこのアンビエント光源は、(追加的なアンビエント光源も適用され得るが)プロジェクタを少なくとも含む。
【0018】
特に、この手法は、アンビエント光源によりエミュレートに関する支配的な色を知覚的な規則を用いて再生するために描画色空間(例えば、YUV、YCrCb、RGB)において符号化されるビデオコンテンツから支配的な色を抽出する方法であって、(1)(a)画素色度のモード、(b)画素色度の中央値、(c)画素色度の色度による重み付け平均、(d)画素位置(i,j)、色度(x,y,R)及び輝度のいずれかの関数である画素重み付け関数を用いた画素色度の重み付け平均、のうちのいずれかを抽出することによって支配的な色を作り出すために、前記描画色空間における前記ビデオコンテンツから画素色度から支配的な色抽出を実行するステップと、(2)更に、知覚的な規則に従い前記支配的な色の色度を導出するステップであって、前記知覚的な規則は、(a)簡易色度変換、(b)前記ビデオコンテンツにおける複数の画素に関する色度及び輝度のいずれかを評価することにより得られる場面コンテンツからの影響を呈するように更に公式化される前記画素重み付け関数を用いた重み付け平均、(c)前記画素重み付け関数が、前記ビデオコンテンツにおける複数の画素に関する色度及び輝度のいずれかを評価することにより得られる場面コンテンツの関数として公式化され、当該画素重み付け関数が、更に、重み付けが少なくとも大半の画素に関して低減されるように公式化される、重み付け平均、のうちのいずれかから選択される、ステップと、(3)前記描画色空間からの前記支配的な色を、前記アンビエント光源を駆動させることを可能にするように形成されるように第2の描画色空間(R'G'B')へ変換するステップと、を含む。
【0019】
より別の実施例において、この手法は、アンビエント光源によりエミュレートに関する支配的な色をユーザの好みに従い知覚的な規則を用いて再生するために描画色空間(例えば、RGB)において符号化されるビデオコンテンツから支配的な色を抽出する方法であって、(1)(a)画素色度のモード、(b)画素色度の中央値、(c)画素色度の色度による重み付け平均、(d)画素位置((iota),j)、色度(x,y,R)及び輝度のいずれかの関数である画素重み付け関数を用いた画素色度の重み付け平均、のうちのいずれかを抽出することによって支配的な色を作り出すために、前記描画色空間における前記ビデオコンテンツから画素色度から支配的な色抽出を実行するステップと、(2)更に、好ましいアンビエント配信を作り出すために対応する知覚的な規則に従い前記支配的な色の輝度、色度、配信時間、及び空間的抽出のうちの少なくとも1つを導出するステップであって、前記知覚的な規則は、複数の可能な明示的に指示されるユーザの好みのうちの少なくとも1つによって特性及び効果が変更されるものであり、そして前記対応する知覚的な規則は、(I)(a)輝度増加、(b)輝度減少、(c)輝度床部、(4)輝度天井部、(5)抑制輝度しきい値、及び(6)輝度変換のうちのいずれかから選択される輝度知覚的規則と、(II)(a)簡易色度変換、(b)前記ビデオコンテンツにおける複数の画素に関する色度及び輝度のいずれかを評価することにより得られる場面コンテンツからの影響を呈するように更に公式化される前記画素重み付け関数を用いた重み付け平均、(c)前記画素重み付け関数が、前記ビデオコンテンツにおける複数の画素に関する色度及び輝度のいずれかを評価することにより得られる場面コンテンツの関数として公式化され、当該画素重み付け関数が、更に、重み付けが少なくとも大半の画素に関して低減されるように公式化される、重み付け平均、のうちの少なくとも1つから選択される色度知覚的規則と、(III)(a)前記支配的な色の輝度及び色度のうちの少なくとも1つにおける変化速度の減少、(b)前記支配的な色の輝度及び色度のうちの少なくとも1つにおける変化速度の増加、のうちの少なくとも1つから選択される時間的配信知覚規則と、(IV)(a)新しく現れる特徴を含む場面コンテンツへ前記画素重み付け関数におけるより多い重み付けを与えるステップ、(b)新しく現れる特徴を含む場面コンテンツへ前記画素重み付け関数におけるより少ない重み付けを与えるステップ、(c)選択される抽出領域からの場面コンテンツへ前記画素重み付け関数におけるより多い重み付けを与えるステップ、(d)選択される抽出領域からの場面コンテンツへ前記画素重み付け関数におけるより少ない重み付けを与えるステップ、のうちの少なくとも1つから選択される空間的抽出規則と、のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、(3)前記描画色空間からの前記好ましいアンビエント配信の輝度及び色度を、前記アンビエント光源を駆動させることを可能にするように形成されるように第2の描画色空間(R'G'B')へ変換するステップと、を含む。
【0020】
「描画色空間(rendered color space)」という用語は、センサから取得される画像又は色空間、又はデバイス若しくは画像特有であるソース又はディスプレイ装置に特有な画像又は色空間を特に示し得る。大半のRGB色空間は、ビデオディスプレイを駆動するのに使用されるビデオ空間を含む、描画画像空間である。ここでは、ビデオディスプレイ及びアンビエント光源に特有の色空間の両方は、描画色空間であり得る。大半のLED光源は、LED照明器具が赤、緑及び青色LEDを通常含むので、RGB色空間を使用し得る。「場面光度(scene brightness)」は、特に、いずれかの所望の規準に従う場面コンテンツにおける輝度のいずれかの尺度を参照する。「場面コンテンツ」又は「画像コンテンツ」という用語は、支配的な色の望ましい選択に影響を与えるのに使用され得る視認可能画像を形成することが可能であるビデオ画像の特徴を特に参照し得る。例としては、ビデオ画像の多くの部分を占める白い雲又は暗い箇所を含みり得、これらは、このような画像を形成する特定の画素を大部分の画素として見なされるようにさせる、又は画素重み付け関数における画素の非等方性処理になり得る、又は画像の特徴が検出されそして特別な若しくは拡張された支配的な色抽出に従うようにさせ得る。「簡易色度変換」という用語は、場面コンテンツの関数として選択される又は導出されるのではなく、知覚的規則に従う支配的な色又は色度の変化又は派生物を特に参照し得、この場合、前記変化又は派生物は、上記の場合でなければ選択され得るものとは異なる色度を生じさせ得る。1つの例は、知覚的な規則を満たすための、支配的な色抽出(例えば、紫色)を通じて選択される第1の支配的な色(x,y)の、第2の色(x',y')への変換である。更に、「非描画色空間への色情報の変換」というフレーズは、本文書において、非描画色空間への直接の変換、又は、非描画色空間への変換若しくはいずれかの同等の計算をすることにより得られる三刺激一次行列の逆行列を用いて導出される使用又は恩恵のいずれかを含み得る。「非描画色空間」という用語は、標準規格CIE XYZ、ISO 17321標準規格などに規定されるISO RGB、Photo YCC及びCIE LAB色空間を用いたオリジナルの画像表色法などの、標準の又は非デバイス特有色空間を特に示し得る。
【0021】
アンビエント光は、例えばスクリーンへの距離の関数などとして強度及び/又は色において異なり得る。例としては、(投影される)ビデオ画像を4つの部分に分割する場合に、各部分からの支配的な色は、(投影される)ビデオ画像に隣接して及び対応する(投影される)ビデオ画像部分に隣接して提供されるアンビエント光に関する色として抽出及び使用され得る、「隣接して」という用語は、一つの実施例において、(投影される)ビデオ画像部分と(投影される)ビデオ画像部分に隣接するアンビエント光との間において実際的に距離がないものとして理解され得る。しかし、アンビエント光は、国際特許出願公開公報第2011/073877号などにあるように、(投影される)ビデオ画像からより離れて提供もされ得る。
【0022】
ディスプレイ空間及びパフォーマンス空間は、原理的にいかなる空間でもあり得る。屋外映画館のような開放空間でもあり得るが、村の広場などでもあり得る。この空間は、アリーナ、スタジアムなどのより囲まれた空間、又は、映画館(若しくはスタジアム)のような屋根のある空間、でもあり得る。パフォーマンス空間及びディスプレイ空間は、必ずしも同一の種類である必要は無いが、同一であっても良い。したがって、これらの空間は、互いに独立して選択され得る。したがって、パフォーマンス空間及びディスプレイ空間は、映画館、音楽ホール、劇場、オペラハウス、スタジアム、アリーナ、会議室、住宅、ホスピタリティエリア(レストラン、レストランのロビー、パブなど)、教会、展示場、及び屋外広場を含む(非制限的な)群からそれぞれ個別に選択される。したがって、「ディスプレイ空間」という用語は、 ステージパフォーマンスがスクリーンに表示され得るいかなる空間にも関連し得る。「ディスプレイ空間」という用語は、複数のディスプレイ空間にも関連し得る。したがって、特に、ディスプレイ空間は、ステージパフォーマンスの時点でのパフォーマンス空間ではない。
【0023】
一つの実施例において、スクリーンは、ディスプレイスクリーン及びプロジェクションスクリーンのうちの1つ又は複数を含む。ディスプレイスクリーンは、都区に、テレビ、LEDテレビ、又はプラズマテレビであり得、プロジェクションスクリーン(概して離れたスクリーン)は、映画館のスクリーンなどのムービーが(スクリーンから離れた)プロジェクタを用いて)投影され得る(白色の)領域で特にあり得る。スクリーンは、堅く壁に装着したスクリーン、プルダウンスクリーン、(使用位置及び非使用位置へスクリーンを位置させるための電気モータを用いた)電気スクリーン、切り替え可能プロジェクションスクリーン(半透明及び透明であり得る)、又は(更には)モバイルスクリーンであり得る。「スクリーン」という用語は、複数のスクリーンにも関連し得る。したがって、スクリーンという用語は、集合体型スクリーン、すなわちプロジェクタを用いて画像を投影するために1つのスクリーンとして使用される複数のスクリーンの構成にも関連し得る。「プロジェクタ」という用語は、複数のプロジェクタにも関し得る。
【0024】
また、ステージパフォーマンスも、実際には、観客が観る(及び聴く)ことが可能である演目又は活動であり得る。「ステージパフォーマンス」という用語における「ステージ」という用語は、したがって、必ずしも(劇場における)作品のパフォーマンスに関して指定される空間である劇場のステージ(しばしば演出技法においてデッキと称される)と解釈するようには参照しない。上述のように、ステージは、演目又はステージパフォーマンスが上演され得るいかなる空間、又は上若しくは中である空間における場所、であり得る。一つの実施例において、ステージパフォーマンスは、音楽コンサート、ミュージカル、スポーツイベント、(ビジネスプレゼンテーションなどの)プレゼンテーション、セミナー、オペラ、(説法又はミサなどの)宗教的活動、文化的活動、社会的活動、商業的活動、及び(政治家によるスピーチのような)政治的活動を含む(非制限的な)群から選択される。
【0025】
ステージパフォーマンスは、ディスプレイ空間における、例えば後の表示((ライブ)ストリーミング)のために又は直接の(ライブストリーミング)若しくは(30分未満などの短時間後の)遅延表示((ライブ)ストリーミング)などのために、(以下参照)記録され得る。したがって、ステージパフォーマンスの際に、パフォーマンス空間は、更に、ステージパフォーマンスを記録するのに構成される及び/又は使用される1つ又は複数のカメラ(及び音声記録装置)を含み得る。このようにして、ディスプレイ空間における(後の)表示のために、動画又はムービーが生成される。この記録されたステージパフォーマンスは、ムービー、すなわち、ディスプレイ空間において表示される動画の基礎である、又はムービーの基礎を形成する。したがって、動画は、パフォーマンス空間において上演されたステージパフォーマンスを表すものである。
【0026】
したがって、特定の実施例において、当該方法は、ステージパフォーマンスをディスプレイ空間にライブストリーミングする一方で、アンビエント照明効果入力データに基づきディスプレイ空間光源を用いてアンビエント照明効果を生成するステップを含む。特にこのような例において、本発明の方法は、事前にどのような種類の照明効果及び/又は他のデータがパフォーマンス空間において生成されるのかが未知であるので、ディスプレイ段階における「ライブ」として有利である。したがって、このことは、このことは、(従来技術の解決法を用いると)予期できず、アンビエント照明は、あまり十分に制御され得ない。
【0027】
ステージパフォーマンスの際に、キューマネージャ(一つの実施例においては、複数のキューマネージャを含む)は、パフォーマンス空間に存在し得る。キューマネージャは、リハーサルをオーガナイズしたり、ワードローブ、デザイン設定、場面変更、音声及び照明を計画するために他者と作業したり、出演者にステージに行くようにキューを与えたり、技術スタッフに音声及び照明効果に関するキューを指示したりなど、多数の活動に関して責任を負っていることもあり得る。特に、キューに関しては、これらのことが1つ又は複数の人間(「ステージパフォーマンス」)の純粋なパフォーマンスの他の点のトリガとなるので、本発明に関して関連している。キューの一例として、例えば、「ライトxyz」又は「照明スキームabc」に「go」が続く、ような話語であり得る、又は制御パネルにおける(スイッチをオンに切り替えるなどの)(電気)信号が後に続き、これにより光源をオンに切り替えること又は照明スキームの発生などへ導かれる。したがって、キューマネージャは、パフォーマンス空間内において照明効果をトリガする。これらのキューデータから、証明情報及びそのタイミング情報(すなわち、照明のタイミングに関する情報)が導出され得る。したがって、これらのデータから、アンビエント照明効果入力データが導出され得る。したがって、一つの実施例において、アンビエント照明効果入力データは、ライブキューマネージャによって与えられる又は導入される話語及び電気信号のうちの1つ又は複数から導出される。「キューマネージャ」という用語は、ライブステージパフォーマンスの際に(ライブ)照明効果を制御する人物に特に関する。「キューマネージャ」は、複数のキューマネージャにも関し得る。「キュー」という用語は、複数のキューにも関連し得る。
【0028】
一つの実施例において、照明効果は、パフォーマンス空間にいる人物によって生成される。例えば、この人物は、キューマネージャ(又はステージマネージャ)の命令を聞き、例えばディスプレイ空間において特定の光効果を開始するためにディスプレイ空間へデータ信号を送るボタンを押すことなどによって、ディスプレイ空間に表示されるべきアンビエント光効果へこれらの命令を変換する(パフォーマンス空間にいる)「ディスプレイ空間アンビエント光マネージャ」である。例えば、この人物は、この人物がショーのこと及びキューのタイミングを知っており、自身でキューを押す(又は代替的な手法で、アンビエント照明効果入力データを生成し得る)と言う意味で、彼/彼女自身キューマネージャ(又はステージマネージャ)でもあり得る。このような実施例において、パフォーマンス空間において2人のキューマネージャが存在し得、1人はパフォーマンス空間に関してであり、1人はディスプレイ空間に関してである。パフォーマンス空間に関するキューマネージャは、例えば、ステージマネージャ(上記参照)であり得る。
【0029】
アンビエント照明効果入力データは、したがって、1人の人物、ライブステージパフォーマンスにいるキューマネージャ(によって与えられるキュー)から特に導出され得ることを特記され得る。このことは、いずれにしても、キューの多くが以前にデータベースに記録された及び/又は記憶された(光)効果をトリガするが、ライブステージパフォーマンスの際に適切な時間においてこれらをトリガするのはキューマネージャであることを含んでいる。したがって、アンビエント照明効果入力データの一部は、照明効果情報及び(その)タイミング情報を含むライブラリからも導出され得、この場合、ライブラリにおける照明効果情報は、1つ又は複数の照明効果を含む。ここで示されるタイミング情報は、一群の照明効果の内部タイミングに特に関連し得る(この場合この一群(及び、一群内の個別の照明効果ではなく)はキューによってトリガされる)。
【0030】
キューマネージャは、したがって、パフォーマンス空間における照明を制御し得る。この照明は、ステージの照明だけでなく、照明は、パフォーマンス空間における観客を(一時的に)照らすように構成される光源などの、ステージ周辺の光源、又はステージから離れた光源、を含み得る。
【0031】
したがって、アンビエント照明効果入力データ(に関する基礎)としてキューマネージャの(光関連)ステージマネージャを用いる代わりに、照明効果自体をアンビエント照明効果入力データ(に関する基礎)としても使用することが可能であり得る。したがって、ある実施例において、当該方法は、ステージパフォーマンス時におけるパフォーマンス空間におけるステージパフォーマンスに伴う照明効果から、アンビエント照明効果入力データ(すなわち、照明効果情報及びそのタイミング情報)を導出するステップを含む。しかし、この情報は、このように(現在のテレビのAmbilightにおけるような)ムービーコンテンツから(主に)抽出されるのではないが、パフォーマンス空間光源、及び/又は、キュー(上記及び以下参照)、又は、パフォーマンス空間における観客へ向けられるビデオカメラ(以下参照)、から導出される。
【0032】
したがって、特定の実施例において、パフォーマンス空間は、パフォーマンス空間光源を含み、この場合、パフォーマンス空間におけるステージパフォーマンスは、パフォーマンス空間光源により提供される照明効果により伴われる。特に、上述のように、パフォーマンス空間光源により提供される照明効果は、光関連キューによりステージパフォーマンスにおいてトリガされ得る。「パフォーマンス空間光源」という用語は、複数の「パフォーマンス空間光源」にも関連し得る。この用語は、(パフォーマンス空間において複数の位置に配置され得る)複数の光源を含むパフォーマンス空間照明システムに特に関し得る。
【0033】
特定の実施例において、パフォーマンス空間光源は、更に、受信される命令をアンビエント照明効果入力データを含む光源信号へ変換するように構成される信号生成器を含み、ディスプレイ空間光源へ機能的に接続されるコントローラは、前記光源信号の関数としてディスプレイ空間光源のアンビエント光を制御するように構成される。このことは、更に、以下に説明される。従来技術において、データ信号が特定の光をアドレス指定するためにアドレス指定情報を含むので、光源及びコントローラの間において信号インターセプタを単に加えることが多くの場合可能では無かった。本提案における解決法を実行することにより、パフォーマンス空間光源は、初めに、パフォーマンス空間光源がこのデータをディスプレイ領域へ(直接又は間接的に)送信する前に、アドレス指定されているかどうか及びいかにされたかを識別する。
【0034】
上述の選択肢に加えて又は代替的に、アンビエント照明効果入力データは、ステージパフォーマンスの時点においてパフォーマンスステージにいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析からも導出され得る。したがって、この目的のために、パフォーマンスステージは、更に、パフォーマンスステージにおける観客を少なくとも一部監視するように構成されるビデオカメラを含み得、この場合、アンビエント照明効果入力データの少なくとも一部は、ビデオカメラによるビデオ撮影のビデオ分析から導出される。この対処法の有利な点は、(ディスプレイ空間での)ステージパフォーマンスにおける観客の照明効果を再生することが容易になることである。このビデオカメラは、照明光が観客へも到達し得、特に観客へ向けられ得るので、照明情報及びそのタイミング情報を含むの使用され得る。しかし、追加的に又はあ代替的に、ビデオカメラは、観客から別の情報を導出し得る。例えば、観客の少なくとも一部の下における興奮のムード、又は観客の少なくとも一部による「波」、は、アンビエント照明効果入力データとしても使用され得る。「ビデオカメラ」という用語は、複数のビデオカメラにも関する。
【0035】
したがって、当該方法は、(i)ステージパフォーマンス時におけるパフォーマンス空間にいるキューマネージャによって提供される(特に、光関連)キュー、(ii)ステージパフォーマンス時におけるパフォーマンス空間でのステージパフォーマンスに伴う照明効果、(iii)ステージパフォーマンス時におけるパフォーマンス空間にいる観客の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラによるビデオ撮影の分析、のうちの1つ又は複数からアンビエント照明効果入力データを導出するステップを含む。
【0036】
ビデオカメラに加えて又は代替的に、音声センサ(及び/又は光センサ。観客の中に位置される光センサは、正確にどの程度の光が観客においていつ光っているかを検出することが可能である)などの、特に観客に向けられた他のセンサも、アンビエント照明効果入力データを得るのに用いられ得る。
【0037】
アンビエント照明効果入力データは、効果の種類及び時間を、具体的に示す。例えば、上述のように、照明効果及びタイミング情報を含み得る。追加的に及び代替的に、観客の振る舞いについての情報を含み得る。特に、アンビエント照明効果入力データは、照明及びそのタイミング情報(すなわち、時間の関数としての光効果などの、照明のタイミング)を少なくとも含む。照明は、具体的にはパフォーマンス空間光源によって発生され、具体的にはキューマネージャによってトリガされ得る。アンビエント照明効果入力データは、アンビエント照明効果出力データへ変換され得る。このことは、パフォーマンス空間におけるコントローラを用いて少なくとも部分的に実行され得る、及び/又は、ディスプレイ空間におけるコントローラを用いて少なくとも部分的に実行され得る。このような変換は、特定の色の光のタイミング、このような光の強度、照明効果の順序、光源の(相対的)位置などを規定するステップを含む。ディスプレイ空間におけるコントローラは、アンビエント照明効果を用いて動画を支援するために、ディスプレイ空間におけるディスプレイ空間光源を制御し得る。したがって、当該方法は、ディスプレイ空間におけるスクリーンでの動画を表示する一方で、ディスプレイ空間において、ディスプレイ空間光源を用いて少なくともアンビエント照明効果入力データに基づき前記アンビエント照明効果を創出するステップを含む。「ディスプレイ空間光源」という用語は、複数の光源にも関連し得る。この用語は、(ディスプレイ空間における複数の位置に配置され得る)複数の光源を含むディスプレイ空間照明システムに特に関連し得る。
【0038】
例えば、ステージパフォーマンスの際にパフォーマンス空間の一部が緑色光で照らされる場合、このことは、(動画の表示の際に、動画がステージパフォーマンスのそれぞれの場面を示す場合に、同時に)ディスプレイ空間において、ディスプレイ空間(の一部)を緑色光で照らすこととして翻訳され得る。又は、例えば、ステージパフォーマンス時においてストロボ照明効果が使用される場合、ディスプレイ空間におけるステージパフォーマンスの表示の際に、光源(又は複数の光源のうちの1つ以上)が、ストロボとして使用され、動画における適切な時間における同一のストロボ照明効果を模倣又は実行し得る。
【0039】
上述のように、ディスプレイ空間におけるアンビエント照明効果は、少なくともアンビエント照明効果入力データに基づく。しかし、他のデータもアンビエント照明効果を制御するために使用され得る。一つの実施例において、動画又は画像の一部の色の色及び任意選択的に強度は、アンビエント光色及び任意選択的にその強度を決定するのに使用され得る。したがって、当該方法は、ディスプレイ空間においてステージパフォーマンスを表示する一方で、(i)アンビエント照明効果入力データ及び(ii)ディスプレイ空間におけるスクリーンに表示される情報のコンテンツに基づき、アンビエント照明効果をディスプレイ空間光源を用いて生成するステップをも含み得る。
【0040】
「アンビエント照明効果」という用語は、一つの実施例において、ディスプレイ空間内の異なる位置において異なる色の光が適用され得ることを含む。代替的に又は追加的に、ディスプレイ空間内において異なる位置において異なるフラッシュ光順序が適用され得る。望まれる場合、パフォーマンス空間の実質的に全体が、アンビエント照明効果入力データを導出するのに使用され得、このアンビエント照明効果入力データは、実質的にディスプレイ空間全体へ変換され得る。
【0041】
一つの実施例において、当該方法は、更に、前記パフォーマンス空間において提示されるステージパフォーマンスの一場面、又は前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに表示される特にパフォーマンス空間で提示される前記ステージパフォーマンスの一場面をデータ担体に記録するステップを含む。このようなデータ担体は、ディスプレイ空間における直後の又は遅延上演にために使用され得る。データ担体又はデータ記録装置の例は、CD、CD−ROM、DVD−ROM、USB装置、ハードドライブ、又はデータ、ファイル若しくはソフトウェアを担持するいかなる他の物理的製品である。
【0042】
当該方法は、更に、前記アンビエント照明効果入力データをデータ担体(上述のものと同一又は別のデータ担体)に記録するステップを含み得る。特に、当該方法は、パフォーマンス空間において提示される(又は任意選択的に、ディスプレイ空間におけるスクリーンに表示される)ステージパフォーマンスの一場面において導出されるアンビエント照明効果入力データをデータ担体に記録するステップをも含み得る。したがって、上述のように導出されるアンビエント照明効果入力データは、データ担体に、特にステージパフォーマンスの関連する場面と共に記録され得る。したがって、当該方法は、(i)前記パフォーマンス空間において提示される又は前記ディスプレイ空間における前記スクリーンに表示される前記ステージパフォーマンスの一場面、及び(ii)前記場面において導出される前記アンビエント照明効果入力データを、データ担体に記録するステップを含み得る。「場面」という用語は、複数の場面にも関連し得る。
【0043】
本発明は、本文書で記述されるこのようなデータ担体にも関する。
【0044】
本発明は、コントローラを含む劇場システムにも関し、この場合、コントローラは、(i)スクリーン又はディスプレイに情報を表示するように構成されるディスプレイ装置、及び(ii)アンビエント照明効果を創出するように構成される光源、を制御するように構成され、この場合、コントローラは、ステージパフォーマンスにおける情報を含むビデオ信号の関数として、スクリーン又はディスプレイにおける情報を制御するように構成され、コントローラは、更に、更なる信号の関数として、光源のアンビエント照明効果を制御するように構成される。一つの実施例において、劇場システムは、ホームシアタシステムである。
【0045】
更なる態様において、本発明は、ステージパフォーマンスが上演される空間において使用する光源も提供し、前記光源は更に、更に、前記光源に機能的に接続され且つステージパフォーマンスの際に照明効果が前記光源を用いて生成される場合にアンビエント照明効果入力データを記憶しているように構成されるメモリを更に含む。前記光源は、更に、送信器(又は送信器ユニット)を含み、前記送信器は、前記メモリからアンビエント照明効果入力データを受信し且つ前記アンビエント照明効果入力データを含む光源信号を発生するように構成される。したがって、一つの態様において、本発明は、ステージパフォーマンスが上演され得る空間において使用する光源(パフォーマンス空間光源)をも提供し、この場合、光源は、更に、ステージパフォーマンスの際に照明効果が前記光源を用いて生成される場合に前記光源に機能的に接続され、アンビエント照明効果入力データを伝送(又は送信)するように構成される送信器を含む。光源からのアンビエント照明効果入力データは、ディスプレイ空間において動画を表示する場合に(直接)使用され得る。更に別の態様において、本発明は、ステージパフォーマンスが上演され得る空間などで使用する光源を提供し、この場合、光源は、更に、前記光源に機能的に接続され、アンビエント照明効果入力データを送信するように構成される送信器を含む。特に、光源は、更に、前記光源に機能的に接続され、ステージパフォーマンスの際に照明効果が前記光源を用いて生成される場合にアンビエント照明効果入力データを記憶するように構成されるメモリを含み、この場合、送信器は、メモリからアンビエント照明効果入力データを受信するように構成され、アンビエント照明効果入力データを含む光源信号を生成するように構成される。送信器は、ディスプレイ空間における受信器へ光源信号を送信し得る。「光源信号」という用語は、特に、光源によって生成される(デジタル)信号を特に参照する。この用語は、したがって、受信器へ電気配線で又は無線で結線され得る信号を特に参照する。
【0046】
一つの実施例において、パフォーマンス空間光源及びディスプレイ空間光源のうちの1つ以上は、(任意選択的に互いに独立して)複数の光源を含む。
【0047】
「実質的に全ての放射」又は」「実質的に含む」などにおける「実質的に」という用語は、当業者に理解され得る。「実質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全ての」などを含む実施例をも含み得る。しかし、いくつかの実施例において、実質的にという副詞は省かれ得る。適用可能である場合、「実質的に」という用語は、90%以上、95%以上など、特に99%以上、より更に具体的には99.5%以上であり、100%を含むものに関し得る。「含む」という用語は、「含む」という用語が「からなる」を含む実施例をも含む。
【0048】
更に、明細書及び請求項における、第1の、第2の、第3のなどの用語は、類似する要素を区別するのに使用され、必ずしも順序的又は時間的な順序を記述するものではない。このように使用される用語は、適切な状況の下で交換可能であり、本文書で記載される本発明の実施例は、本文書で記載又は例示される以外の他の順序で動作されることも可能であることを理解されるべきである。
【0049】
本文書での装置は、とりわけ動作において記述されている。当業者にとって明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中の装置に制限されない。
【0050】
上述の実施例は、本発明を制限するよりも例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替実施例を設計することが可能であり得ることを特記されるべきである。請求項において、括弧書きに示されるいかなる参照符号も請求項を制限するように解釈されるべきではない。「含む」という動詞及びその活用形の使用は、請求項で記載される以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。単数の要素の記載は、複数のこのような要素の存在を除外するものではない。本発明は、いくつかの個別の要素を含むハードウェアを用いて、及び、適切にプログラムされたコンピュータを用いて実施化され得る。いくつの手段を列挙する装置クレームにおいて、これらの手段のいくつかは、単一のハードウェアによって実施化され得る。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されていることができないと示すものではない。
【0051】
本発明は、更に、明細書に記載される及び/又は添付の図面に示される特徴的な構成の1つ又は複数を含む装置へ適用される。本発明は、更に、明細書に記載される及び/又は添付の図面に示される特徴的な構成の1つ又は複数を含む方法又はプロセスにも関連する。
【0052】
本発明で述べられる様々な態様は、追加的な有利な点を提供するために組み合わせられ得る。更には、構成のいくつかは、1つ以上の分割出願に関する基礎を構成し得る。
【0053】
本発明実施例は、例示のみとして、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の図面を参照して以下に説明され得る。
【0054】
図面は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1a図1aは、本発明のある態様を概略的に示す。
図1b図1bは、本発明の更なる態様を概略的に示す。
図2図2は、本発明の更なる実施例を概略的に示す。
図3図3は、アンビエント光のいくつかの態様を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1aは、ステージ101及び参照符号102で示される役者などの出演者を含むパフォーマンス空間100を概略的に示す。パフォーマンス空間100内において、観客のメンバ104は、出演者102のステージパフォーマンスを観る及び/又は聴く観客105を形成する。任意選択的に、パフォーマンス空間は、更に、具体的にはパフォーマンス空間100において照明効果を提供するのに使用され得る1つ以上のパフォーマンス空間光源110を含む。パフォーマンス空間100の異なる位置に置いて異なる照明効果が生成され得る。
【0057】
パフォーマンス空間100は、キューマネージャサイト120を含み得る。キューマネージャ121も示される。更に、任意選択的に、パフォーマンス空間は、観客の少なくとも一部を監視するように構成され得る1つ以上のビデオカメラ130を含み得る。
【0058】
任意選択的に、(i)パフォーマンスの画像及び(ii)アンビエント照明効果入力データをディスプレイ空間(以下参照)へ送信(伝送)するように構成される送信器(ユニット)又は送信器160が存在し得る。
【0059】
図1bは、ディスプレイ空間200を概略的に示す。ディスプレイ空間200内において、観客メンバ204は、スクリーン201に表示される(1人又は複数の出演者の)ステージパフォーマンスを観る及び/又は聴く観客205を形成する。ディスプレイ空間200は、具体的には、ディスプレイ空間200において照明効果を提供するのに使用され得る1つ又は複数のディスプレイ空間光源210を更に含む。ディスプレイ空間200の異なる位置に置いて異なる照明効果が生成され得る。スクリーンは、大型テレビなどの大型ディスプレイなどであり得る、又は画像が投影されるスクリーンであり得る。この概略的に示される実施例において、ディスプレイ空間200において、更に、スクリーン201に画像を投影するように構成されるプロジェクタ230を含む。
【0060】
任意選択的に、(i)パフォーマンスの画像及び(ii)パフォーマンス空間からのアンビエント照明効果入力データのうちの1つ又は複数、特に両方の種類のデータ、を受信するするように構成される受信器260が存在し得る。ディスプレイ空間200が映画館である場合、このような送信器(伝送器)は、例えばシネマサーバ及び1つ以上のディスプレイ空間光源210を含む照明システムなどへ情報を送信(伝送)し得る。しかし、受信器は、例えば、シネマサーバに一体化もされ得る。
【0061】
当業者にとって明らかであるように、具体的には、ディスプレイ空間光(すなわち、ディスプレイ空間光源により発生される光)は、この場合、可視光部分のスペクトルにおける波長を有する光を含む。「可視」光又は「可視放射」という用語は、約380nm〜750nmの範囲の波長を有する光を参照する。具体的には、ディスプレイ空間光源の光強度(Watt単位で)の少なくとも50%、より具体的には少なくとも80%、更により具体的には90%は、可視光部分のスペクトルにある。
【0062】
本文書において、「メディアサーバ」という用語は、「シネマサーバ」としても示され得、様々なデジタルメディア(デジタルビデオ/ムービー、音声/音楽、及び画像ファイルを意味する)を記録するための、専用コンピュータ機器として、又は特定応用ソフトウェアとして、規定され得る。シネマサーバは、ムービーファイルを有するデータコンテナを有する、及び/又はシネマサーバは、ムービーコンテンツを受信するための衛星接続を有する。シネマサーバは、多くの場合、プロジェクタへ送信する前に、ムービーを非暗号化、非圧縮化及び暗号化し得る。シネマサーバは、シアタマネージメントシステムと組み合わせられ得る。シネマサーバは、特に外部提供者からムービーデータを受信するサーバであり、シネマサーバは、コンテンツセキュリティ(キーコードを用いた非暗号化、透かしなど)を処理し得、コンテンツを非圧縮化し、その後接続暗号化データ交換手段を用いてデジタルシネマプロジェクタへ送信し得る。本文書では、メディアサーバ(又は例えば、別のコントローラ)は、ディスプレイ装置及び(追加的な)アンビエント光源へ機能的に接続され得る。
【0063】
このようにして、本発明は、ディスプレイ空間200において(スクリーン201における)動画を支援するアンビエント照明効果を創出する方法を可能にし、この場合、ディスプレイ空間200は、動画を表示するように構成される前記スクリーン201と、アンビエント照明効果を提供するように構成されるディスプレイ空間光源210とを含み、そして動画は、パフォーマンス空間100において上演されたステージパフォーマンスを表し、当該方法は、(a)(i)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間100にいるキューマネージャ121によって提供される光関連キュー、(ii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間におけるステージパフォーマンスに伴う照明効果、及び(iii)前記ステージパフォーマンス時における前記パフォーマンス空間100にいる観客105の少なくとも一部を監視するように構成されるビデオカメラ130によるビデオ撮影の分析、のうちの少なくとも1つ又は複数から、アンビエント照明効果入力データを導出するステップと、(b)前記ディスプレイ空間200における前記スクリーン201に前記動画を表示する一方で、前記ディスプレイ空間200において前記ディスプレイ空間光源210を用いて前記アンビエント照明効果入力データに少なくとも基づいて前記アンビエント照明効果を創出するステップと、を含む。
【0064】
図2は、アンビエント照明効果入力データがパフォーマンス空間からディスプレイ空間へ流れ得るに従い、いかに情報が使用され得るかの実施例を概略的に示す。図2において、多数の選択肢が示される。しかし、多かれ少なかれの選択肢が使用され得ることを特記される。
【0065】
参照符号321は、(キューマネージャの)キューからのアンビエント照明効果入力データを概略的に示す。参照符号330は、ビデオカメラからのアンビエント照明効果入力データを示す。参照符号310は、パフォーマンス空間におけるパフォーマンス空間光源からのアンビエント照明効果入力データを示し、このようなアンビエント照明効果入力データは、このような光源からの光を感知するように構成されるセンサから導出される、及び/又は、メモリから及び/若しくは送信器により送信される。ここでん、参照符号311は、メモリを、参照符号312は、そのような送信器を概略的に示す。上述のように、アンビエント照明効果入力データのこれらのソースのうちの1つ又は複数が適用され得る。
【0066】
更に、参照符号361及び362は、ステージパフォーマンスのビデオ画像(ビデオデータ)及びステージパフォーマンスの音声記録(音声データ)のそれぞれを示す。この種類の情報は、データ担体に記録され得、シネマサーバなどにより後に使用又は送信され得る。参照符号500は、シネマサーバなどであり得、又はシネマサーバと通信し得る若しくはシネマサーバを含み得るディスプレイ空間の場所に特に位置し得るコントローラを示す。情報の全て又は一部は、信号結合部(期間(又は段))400を用いるなどして、パッケージにして結合されて送信され得る。しかし、(参照符号1100で示される)パフォーマンス期間(又は段)で集められた情報は、様々な手法で、束ねられ又は束ねられずに、及び異なる時間で、ディスプレイ期間1200へ流され得る。
【0067】
参照符号500は、複数のコントローラを示し得る。例えば、情報361(表示されるべきビデオ)は、シネマサーバ500へ送信され得、アンビエント照明効果入力データは、ステージパフォーマンスの場所において、ディスプレイ空間においてアンビエント光源210を制御する照明コントローラへ送信されるアンビエント照明効果出力(制御)データへ組み合わせられる。
【0068】
ディスプレイ空間において、音声信号、ビデオ信号及びアンビエント照明効果入力データのうちの1つ又は複数を受信し得る受信器260が存在し得る。音声及びビデオ信号は、プロジェクタ230及び音声システム231へ直接送信され得るが、これらの信号のうちの1つ又は複数は、アンビエント照明効果入力データ(線510で示される)の更なるソースとして使用され得る。ビデオ信号から色を計算するコンセプト及び様々な方法は、例えば、米国特許出願公報2006/062424号及び国際特許出願公開公報第2006/003624号に記載されており、これらは、本文書において参照として組み込まれる。
【0069】
上述されるように、コントローラ500は、アンビエント照明効果入力データをディスプレイ空間光源210に関するアンビエント照明効果出力データへ変換するように構成され得る。ディスプレイ空間光源210は、概して、複数の光源に関連し、具体的には、ディスプレイ空間に関する照明システムを表し得ることを特記される。コントローラ500は、更に、メモリ520を含み得る。このメモリは、例えば、ムービー(すなわち、動画と共に音声を有する動画)を記憶するのに使用され得る。プロセッサ505は、アンビエント照明効果入力データを、例えばアンビエント照明効果入力データとアンビエント照明効果出力データとの間の好ましい関係などに基づき、指示されるアンビエント照明効果出力データへ処理し得る((プロセッサ505における)データの処理は、ステージパフォーマンスの場所においても実行され得ることを特記される。例えば、データのこの処理は、参照符号260の上流である400又は600で発生し得る(以下参照)。このことは、ディスプレイ空間におけるコントローラがあまり高度であり得る必要がなく、ディスプレイ空間の所有者にとって費用節約になるという有利な点を有し得る)。参照符号600は、データ担体(段)を示し、これは、任意追加的な信号結合部(段)400の前又は後であり得、及びステージパフォーマンスの(1つ以上のソースからの)アンビエント照明効果入力データ及び/又はビデオデータ及び/又は音声データの1つ又は複数を記録するのに使用され得る。
【0070】
図3は、アンビエント光のいくつかの態様を概略的に示す。長方形は、画像102及び232を示し、長方形の外側において、アンビエント光を示す。(ローマ数字で示される)画像の中において(影で示される)色付き領域は、同一の種類の影を有する画像から外側の領域によって示される(ローマ数字及びアクセントマークで示される)画像の外側における色付き領域、すなわちアンビエント光と、対応する。当然、アンビエント光は、画像を(実質的に)描画しないが、低い解像度の色の分布、又は況して(Ambilightテレビから知られるような)単色である。このことは、例として、高解像の情報の表示である画像の中の花を用いて示され、一方で、画像の外側においては、アンビエント光は、単色又は低解像度である(領域232に関してこの例において1つの色のみ)。アンビエント光は、画像の参照符号239により示される1つ又は複数のサブ領域のうちの1つ又は複数の平均色に決定される1つ又は複数の色を含む。代替的に、アンビエント光は、複数の後に続く画像の1つ又は複数のサブセクションの1つ又は複数の平均色に決定される1つ又は複数の色を含む。この概略的な図において、画像102は、例として、10×6のサブセクションに分割される。画像の縁部に隣接するサブセクションは、特に、画像102/スクリーン201から外側のアンビエント光の色を評価するのに重要である。例えば、領域232における色は、最後の10フレームにわたり平均化される、スクリーンの底部・右30%の平均色及び強度である。本発明は、ディスプレイ空間におけるスクリーンの周囲の照明の場面におけるアンビエント照明に制限されないが、アンビエント照明を用いて(概して)ディスプレイ空間を照らすように構成される照明をも含み得る。
【0071】
本発明に従う基本的な方法は、シネマスクリーン及び光源、すなわち(特に複数の光源を含む)ディスプレイ空間光源、を有する映画館においてアンビエント照明効果を提供する方法であって、当該方法が、
−スクリーンに表示されるべきコンテンツに対応するキューデータ(又は他の関連データ)(すなわち、アンビエント照明効果入力データ)を受信するステップと、
−受信されたキューデータなどの、アンビエント照明効果入力データに関する少なくとも色及び強度を決定するステップと、
−キューデータなどの、アンビエント照明効果入力データから決定された色及び強度の少なくとも1つに基づき制御データ(すなわち、アンビエント照明効果出力データ)を決定するステップと、
−制御データに基づきディスプレイ空間光源(特に、複数の光源を含む)を制御するステップと、
を含み、ムービーコンテンツが、制御データに基づきアンビエント照明効果を発する複数の光源と同時に表示される、方法である。
【0072】
この解決法の有利な点は、ビデオコンテンツは常にステージ全体を示しているわけではないので、照明効果のタイミングが、常に、ビデオコンテンツのみによって決定されるわけではないということである。しかし、キューデータにおいて、このことは常に視認可能であり得る。
【0073】
一つの実施例において、キューデータなどのアンビエント照明効果入力データだけでなく、ビデオコンテンツ及び音声コンテンツのうちの少なくとも1つと組み合わせられて、キューデータの組み合わせも、照明効果を決定するのに使用され。したがって、当該方法は、
−スクリーンに表示されるべきコンテンツに対応するビデオコンテンツ及び音声コンテンツのうちの少なくとも1つ及びキューデータなどの、アンビエント照明効果入力データを受信するステップと、
−受信されたキューデータなどの、アンビエント照明効果入力データに関する少なくとも色及び強度を決定するステップと、
−キューデータなどの、アンビエント照明効果入力データから決定された色及び強度の少なくとも1つに基づき制御データ(すなわち、アンビエント照明効果出力データ)を決定するステップと、
−制御データに基づきディスプレイ空間光源(特に、複数の光源を含む)を制御するステップと、
を含み、ムービーコンテンツが、制御データに基づきアンビエント照明効果を発する複数の光源と同時に表示される、方法である。
【0074】
一つの例において、キューデータは、ビデオコンテンツと組み合わせられる。「go」キューが与えられ、ムービーコンテンツにおいて何の変化も検出されない場合(例えば、ステージ出演者のクローズアップが示されるなどのにより)、当該方法は、キューが取り得たであろう効果を決定するために、将来に表示されるムービーコンテンツを調べる。この効果は、その後、「go」キューのタイミングで照明効果において示される。
【0075】
しばしば、ショーにおける照明効果は、キューが与えられる時に自動的に実行するように事前プログラムされる。一つの実施例において、これらのプログラムされる照明効果も、本発明の方法において入力として記録され与えられる。この解決法の有利な点は、色及び効果がより正確に分かることであり、特定のキューは、そのキューに関連付けられる照明効果の種類に基づき無視され得る。
【0076】
更なる実施例において、キューデータは、ショーにおいて使用される光源によって記録される。この実施例において、光源は、ステージ制作の際に、照明設定を記録するためのレコーダを備えられる。ステージ制作の終わりにおいて(又は最中に)、このデータは、収集され得る。この更なる本発明に従う方法において、光源によって記録されるデータは、アンビエント照明効果入力データ(又は代替的なキューデータ入力)として使用される。代替的な実施例において、光源は、照明設定を記録しないが、代わりに、データ信号を、照明設定及びそのタイミング情報が記録されるデータ収集ユニットへ送信する。
【0077】
本発明に従う別の実施例は、ステージ制作の際に照明効果を記録する記録手段を含むステージライトである。好ましくは、この光源は、ショーの際に光源に関するタイミング及び効果の両方を記録する。この解決法の有利な点は、キューデータの記録が、ステージのインフラストラクチャとは独立していることである。本発明に従うライトが用いられる場合、データは、自動的に記録され得る。
【0078】
一つの実施例において、キューデータは、「goキュー」を含むが、その理由はこれらのキューが特定の照明効果のタイミングを示すからである。したがって、当該方法は、
−スクリーンに表示されるべきコンテンツに対応する「go」キューデータを受信するステップと、
−受信されたキューデータなどの、アンビエント照明効果入力データに関する少なくとも色及び強度を決定するステップと、
−キューデータなどの、アンビエント照明効果入力データから決定された色及び強度の少なくとも1つに基づき制御データ(すなわち、アンビエント照明効果出力データ)を決定するステップと、
−制御データに基づきディスプレイ空間光源(特に、複数の光源を含む)を制御するステップと、
を含み、ムービーコンテンツが、制御データに基づきアンビエント照明効果を発する複数の光源と同時に表示される、方法である。
【0079】
別の実施例において、ビデオ映像は、観客の照明に関連する照明効果を決定するために、観客から作成される。映画館において、映画館の観客は、好ましくは、イベントにおける観客と同様な手法で照らされるべきであるので、このことは重要な情報である。好ましくは、観客のビデオ映像は、記録中に動かない且つズームイン・アウトしないカメラ位置を使用する。このことは、観客を照らしている光効果を検出するのにより容易であるという有利な点を有する。
【0080】
一つの実施例において、キューデータは、ライブイベントに関して映画館における照明効果を決定するのに使用される。
図1A
図1B
図2
図3