特許第6334555号(P6334555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テスラ モーターズ,インコーポレーテッドの特許一覧

特許6334555安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ
<>
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000002
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000003
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000004
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000005
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000006
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000007
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000008
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000009
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000010
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000011
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000012
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000013
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000014
  • 特許6334555-安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334555
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】安定した可動コンタクトを備える電磁スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/54 20060101AFI20180521BHJP
   H01H 50/12 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01H50/54 B
   H01H50/54 E
   H01H50/12 A
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-546531(P2015-546531)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2015-537356(P2015-537356A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013072596
(87)【国際公開番号】WO2014093045
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】61/735,128
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スピローグ,ベネット
(72)【発明者】
【氏名】ディメン,イアン シー.
(72)【発明者】
【氏名】コーン,スコット アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ティトゥス,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】レイクバッハ,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴートチウス,グレゴリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥヒ,ガーランド
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−106454(JP,U)
【文献】 特開2012−199142(JP,A)
【文献】 特開2012−212667(JP,A)
【文献】 特開昭53−110051(JP,A)
【文献】 米国特許第03023286(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/54
H01H 1/06
H01H 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の固定電気コンタクトと、
非導電性機械的コンタクトと、
可動コンタクトと、を備え、
前記可動コンタクトが前記第1及び第2固定電気コンタクトとの接触状態と非接触状態をもたらす往復運動をするように構成され、
前記可動コンタクトは、
前記往復運動において少なくとも3つの接点が生じ、
前記少なくとも3つの接点によって画定される三角形がその運動の力の中心を取り囲み、
前記第1の固定電気コンタクトで第1の接点が生じ、
前記第2の固定電気コンタクトで第2の接点が生じ、且つ、
前記非導電性機械的コンタクトで第3の接点が生じるように構成されており、
前記非導電性機械的コンタクトは、前記第3の接点が前記往復運動の末端で生じ、前記往復運動の別の部分にある間には生じないように配置され、
前記往復運動の開始時に前記可動コンタクトによって接触される別の非導電性機械的コンタクトを更に含むことを特徴とする、電磁スイッチ。
【請求項2】
第1及び第2の固定電気コンタクトと、
非導電性機械的コンタクトと、
可動コンタクトと、を備え、
前記可動コンタクトが前記第1及び第2固定電気コンタクトとの接触状態と非接触状態をもたらす往復運動をするように構成され、
前記可動コンタクトは、
前記往復運動において少なくとも3つの接点が生じ、
前記少なくとも3つの接点によって画定される三角形がその運動の力の中心を取り囲み、
前記第1の固定電気コンタクトで第1の接点が生じ、
前記第2の固定電気コンタクトで第2の接点が生じ、且つ、
前記非導電性機械的コンタクトで第3の接点が生じるように構成されており、
前記非導電性機械的コンタクトは、前記第3の接点が前記往復運動の間に継続して生ずるように配置されることを特徴とする、電磁スイッチ。
【請求項3】
前記可動コンタクトは、少なくとも1つの平坦な面を有する矩形の金属ブロックから形成され、前記金属ブロックは、前記平坦な面に前記第1及び第2の接点を形成するための第1の凹部を有し、且つ、前記第3の接点を形成するための前記2及び第3の凹部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項4】
シャフトのための開口が前記力の中心において前記金属ブロックを貫通し、前記シャフトが前記可動コンタクトを駆動することを特徴とする、請求項に記載の電磁スイッチ。
【請求項5】
前記非導電性機械的コンタクトと熱的に接触するヒートシンクを更に含むことを特徴とする、請求項1又は2の記載の電磁スイッチ。
【請求項6】
別の非導電性機械的コンタクトを更に含み、前記可動コンタクトは、前記往復運動の間に継続して両機械的コンタクトの間に制限されることを特徴とする、請求項に記載の電磁スイッチ。
【請求項7】
前記非導電性機械的コンタクトは、前記可動コンタクトの前記電磁スイッチへの取り付け部を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項8】
前記取り付け部は、前記往復運動を許容する曲げ部材を含むことを特徴とする、請求項に記載の電磁スイッチ。
【請求項9】
前記取り付け部と熱的に接触するヒートシンクを更に含むことを特徴とする、請求項に記載の電磁スイッチ。
【請求項10】
前記可動コンタクトは、前記3つの接点に対応する実質的に三角の形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項11】
前記実質的に三角の形状は、少なくとも1つの切頭角部を有することを特徴とする、請求項10に記載の電磁スイッチ。
【請求項12】
前記可動コンタクトは、少なくとも1つの接点が前記第1及び第2の固定電気コンタクトの各々と生ずるように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項13】
前記第1及び第2の固定電気コンタクトは、前記接点が前記往復運動の末端で生じ、前記往復運動の別の部分にある間には生じないように配置されることを特徴とする、請求項12に記載の電磁スイッチ。
【請求項14】
前記可動コンタクトは、ばね付勢されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項15】
前記運動の力の中心は、前記少なくとも3つの接点によって画定される三角形の重心から離れた位置にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項16】
前記非導電性機械的コンタクトは固定式であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【請求項17】
前記可動コンタクトは、前記非導電性機械的コンタクトにヒンジ式に結合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年12月10日付出願の米国特許仮出願第61/735128号の出願日の利益を主張し、該出願の全内容は本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の各種用途は、種々の電力線の開閉を制御するためのコンタクタ及びリレーを使用することを必要とする。一定の条件の下では、電気自動車及び/又は他の電気装置類は、可聴ノイズ及び/又は振動を生成し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第1の態様では、電磁スイッチは、少なくとも2つの固定電気コンタクト(stationary electric contact)と、可動コンタクト(moveable contact)とを備え、前記電磁スイッチは、前記可動コンタクトが前記固定電気コンタクトとの接触状態と非接触状態をもたらす往復運動をするように構成され、前記可動コンタクトは、前記往復運動において少なくとも3つの接点が生じ、かつ前記少なくとも3つの接点によって画定される三角形がその運動の力の中心を取り囲むように構成される。
【0004】
発明の実施形態は、次に述べる特徴のいずれか又は全てを含み得る。第1及び第2の固定電気コンタクトが存在し、前記可動コンタクトは、前記固定電気コンタクトに対して3つの接点が生ずるように構成され、第1及び第2の接点は前記第1の固定電気コンタクト上に生じ、前記第3の接点は前記第2の固定電気コンタクト上に生ずる。前記電磁スイッチは、少なくとも1つの平坦な面を有する矩形の金属ブロックから形成され、前記金属ブロックは、前記平坦な面に前記第1及び第2の接点を形成するための第1の凹部を有し、かつ前記第3の接点を形成するための前記2及び第3の凹部を有する。シャフトのための開口が、前記力の中心において前記金属ブロックを貫通し、前記シャフトは前記可動コンタクトを駆動する。
【0005】
第1及び第2の固定電気コンタクトと、少なくとも1つの非導電性機械的コンタクトとが存在し、前記可動コンタクトは、前記第1の固定電気コンタクトと第1の接点を生じ、前記第2の固定コンタクトと第2の接点を生じ、かつ前記非導電性機械的コンタクトと第3の接点を生ずるように構成される。前記非導電性機械的コンタクトは、前記第3の接点が前記往復運動の末端で生じて前記往復運動の別の部分にある間では生じないように配置される。前記電磁スイッチは、前記非導電性機械的コンタクトと熱的に接触するヒートシンクを更に含む。前記電磁スイッチは、前記往復運動の開始時に前記可動コンタクトによって接触される別の非導電性機械的コンタクトを更に含む。前記非導電性機械的コンタクトは、前記第3の接点が前記往復運動の間に継続して生ずるように配置される。前記電磁スイッチは、前記非導電性機械的コンタクトと熱的に接触するヒートシンクを更に含む。前記電磁スイッチは別の非導電性機械的コンタクトを更に含み、前記可動コンタクトは前記往復運動の間に継続して両機械的コンタクトの間に制限される。前記非導電性機械的コンタクトは、前記可動コンタクトの前記電磁スイッチへの取り付け部を含む。前記取り付け部は、前記往復運動を許容する曲げ部材を含む。前記電磁スイッチは、前記取り付け部と熱的に接触するヒートシンクを更に含む。
【0006】
前記可動コンタクトは、前記3つの接点に対応する実質的に三角の形状を有する。前記実質的に三角の形状は、少なくとも1つの切頭角部(頂部が切り欠かれた角)を有する。第1、第2、及び第3の固定電気コンタクトが存在し、前記可動コンタクトは、少なくとも1つの接点が前記第1、第2、及び第3の固定電気コンタクトの各々と生ずるように構成される。前記第1、第2、及び第3の固定電気コンタクトは、前記接点が前記往復運動の末端で生じ、前記往復運動の別の部分にある間では生じないように配置される。前記可動コンタクトは、ばね付勢される。
【0007】
前記運動の力の中心は、前記少なくとも3つの接点によって画定される三角形の重心から離れた位置にある。
【0008】
本発明の実施形態は、次に述べる利点のいずれか又は全てを提供し得る。スイッチにおけるコンタクタは、三角接点の幾何学的特徴を組み込むことによって機械的に安定な電気コンタクトを提供することができる。大きい振幅の電流から生ずる電気力学的運動又は振動性の不安定さを、取り除くか低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは電磁スイッチの立面図、図1Bは電磁スイッチの断面図である。
図2】従来技術のコンタクトを示す図である。
図3】運動の力の中心を取り囲む接点によって画定される三角形を概略的に示す図である。
図4図1A及び図1Bにおける可動コンタクトの斜視図である。
図5図1A及び図1Bにおける可動コンタクトの側面図である。
図6】追加のコンタクトを有する電磁スイッチの例を示す図である。
図7】実質的に三角の形状を有する可動コンタクトの例を示す図である。
図8】実質的に三角の形状を有する可動コンタクトの別の例を示す図である。
図9】実質的に三角の形状を有する可動コンタクトの別の例を示す図である。
図10】追加のコンタクトを有する電磁スイッチの別の例を示す図である。
図11】可動コンタクトが玉継ぎ手によって取り付けられる電磁スイッチの一例を示す図である。
図12】可動コンタクトが曲げ部材によって取り付けられる電磁スイッチの一例を示す図である。
図13】可動コンタクトがヒンジによって取り付けられる電磁スイッチの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、それぞれ往復運動させられる可動コンタクトを有し、往復運動の間に少なくとも3つの接点が生ずる電磁スイッチの複数の実施例について記載している。いくつかの実施形態では、可動コンタクトは、同様に電磁スイッチの一部である複数の固定コンタクトと少なくとも3つの接点を形成する。いくつかの実施形態では、2つの接点が複数の固定コンタクトに対して形成され、第3の接点は非導電性機械的コンタクトのような別のコンタクトと形成され得る。前記3つの接点によって画定される三角形は、可動コンタクトの動きを駆動する力の中心を取り囲む。例えば、そのような構成により、使用中に可動コンタクトで生じ得る望ましくない共振によって引き起こされるノイズを除去又は低減することができる。
【0011】
図1A及び図1Bは、それぞれ電磁スイッチ100の立面図と断面図である。いくつかの実施形態では、スイッチは、電気モータのパワーエレクトロニクスの一部である。例えば、電気自動車はインバータに電磁スイッチ群を有することがあり、電磁スイッチ群はインバータにおいて、バッテリー又は他の蓄電手段からのDCを、モータを駆動するためのACに変換するために用いられる。本実施例では、1つの電磁スイッチのみが図示されており、その部品のいくつかは明示のために図示されていない。とはいえ、本明細書に明示的には記載されていない特性や態様に関して、当該電磁スイッチは従来型のスイッチと同様又は同一に動作し得る。
【0012】
電磁スイッチ100は、固定コンタクト104A及び104Bに対して接触状態になったり、非接触状態となったりするように動かされるべく構成される可動コンタクト102を有する。例えば、両固定コンタクトは、それぞれ電気回路の正(+)及び負(−)の端子と考えることができる。閉位置では、可動コンタクトは両固定コンタクトとの間に電路を形成する。例えば、これにより、電流は固定コンタクトの一方から他方に流れることが可能となる。
【0013】
電磁スイッチ100は、シャフト108を作動させるソレノイド106を有する。詳細には、ソレノイドは、その内部においてシャフト108に接続されるアーマチャ110と相互作用して、シャフトを駆動して往復運動させる。可動コンタクト102はシャフトに取り付けられる。例えば、シャフトのための開口112が可動コンタクトに形成される。開口は、本実施例に示すように、可動コンタクトの厚さ全体を貫通する孔であり得る。
【0014】
シャフト及び可動コンタクトの往復運動は、1つ以上のばねによって促進され得る。いくつかの実施形態では、可動コンタクトはばね付勢される。例えば、ここでは、らせんばね114がソレノイドの外側にて可動コンタクト102とソレノイドの上部との間でシャフト108の周囲に配置される。別の例として、ここでは、ばね116がソレノイドの内側にてアーマチャ110とソレノイドの上部との間でシャフトの周囲に配置されている。
【0015】
図2は、従来技術のコンタクト200を示す。ここに示すコンタクト200は閉位置にあり、コンタクトが固定コンタクト202A及び202B間の電路を導通させている。固定コンタクトの各々は、コンタクトの寸法より大きい曲率半径を有する円筒形の面のような、コンタクトに対向する非平面的な面を有し得る。コンタクトはばね付勢され、シャフト204によって固定コンタクトとの接触状態と非接触状態との間を移動可能である。
【0016】
コンタクト200が使用されているとき、いくつかの望ましくない影響が生じ得る。種々の理由のために、コンタクトは、共振又は他の振動にさらされることがあり、これがもたらし得る状態の例を2、3挙げるとすれば、望ましくないノイズ又は抵抗の上昇等が挙げられる。例えば、コンタクトは、シャフト204を通る長手軸206の周りで振動することがある。そのような振動は、長手軸の周囲でコンタクトに作用するトルクによって生じる、又は増大し得る。
【0017】
図1を再度参照すると、可動コンタクト102は、固定コンタクト104A及び104Bと複数の接点を形成するべく構成されている。例えば可動コンタクトは、固定コンタクト104Bに対する領域118Aと、固定コンタクト104Aに対する領域118B及び118Cとを有し得る。領域118A〜118Cは、対応する接点がシャフト108の周囲に特定の形で位置するように配置されている。これのいくつかの例について、以下説明する。
【0018】
図3は、一方の固定コンタクト104A及び104Bと他方の可動コンタクト(明示のため図示省略)との間に形成された、接点領域302A〜302Cによって画定される三角形300を概略的に示す。即ち、可動コンタクト102(図1A及び図1B)が閉位置にあるとき、可動コンタクトは、固定コンタクトと領域302A〜302C内でそれぞれ接点を形成する。接点の各々は、固定コンタクトと可動コンタクトとの間を流れる電流に関連している。この例では、三角形300は二等辺三角形である。他の実施形態では、接点は他の種類の三角形を形成し得る。いくつかの実施形態では、可動コンタクトと複数の固定コンタクトのいくつか又は全ては限定された曲率半径を有する。
【0019】
中心304は、可動コンタクトに力が作用する場所を示す。中心304は、領域302B及び302Cの間に直接には位置しておらず、むしろ領域302Aの側に方向に位置をずらせて配置されている。いくつかの実施形態では、コンタクトの往復運動がシャフト(図示せず)によって駆動される場合、中心304の位置はシャフトに一致する。別の例として、駆動力が2つ以上の位置でコンタクトに作用する場合、中心304は、コンタクトを駆動する力の中心を示す。
【0020】
中心304は、三角形300によって取り囲まれている。即ち、可動コンタクトは、それが領域302A〜302C内で固定コンタクトと接点を形成するときに、これらの接点がコンタクトの動きを駆動する力の中心を取り囲む三角形を形成するように構成される。即ち、接点のどの2つをとっても、それらを結ぶ直線上に中心304が存在することはない。
【0021】
いくつかの実施形態では、中心304は、接点によって形成されるそのような三角形の重心に一致する。他の実施形態では、その中心は、(形成される三角形に囲まれてはいるが)重心からは離れた位置にある。
【0022】
図4は、図1A及び図1Bにおける可動コンタクト102の斜視図を示す。可動コンタクトは、平坦な面402を有する矩形の金属ブロック400から形成される。更に、金属ブロックは、平坦な面に形成された凹部402A〜402Cを有する。凹部402A及び402Bは、ここでは、ブロックの一端の対応する角部に位置しており、それによって接触領域118Aを形成する。凹部402Cは、同様に、金属ブロックの短い端部に沿って他の2つの角部の間に位置し、それによって接触領域118B及び118Cを形成する。例えば、凹部は、金属ブロックを機械加工することによって形成することができる。別の例として、金属ブロックは、所望の形状に鋳造することができる。この図では、シャフトは現時点で開口112内に存在していない。
【0023】
図5は、図1A及び図1Bにおける可動コンタクト102の側面図を示す。ここでは、矩形の金属ブロックの側面が示されており、凹部402Aが見える。凹部402B及び開口112は、仮想線で示される。
【0024】
可動コンタクトは、意図される実施形態に基づいて、選択される特性を有するように製造することができる。例示的な実施形態では、コンタクトは導電性材料(例えば、金属)から作製され、ある一定の長さ、幅、高さを有し、凹部はそれぞれの特定の寸法を有する。ここに述べた特性のいずれか又は全てを、実施形態に関連する1つ以上の要因に基づいて選択することができる。例えば、限定を意図しないが、そのような要因として、以下のものを挙げることができる。
スイッチにおいて使用されることが期待される電圧及び/又は電流の大きさ。
コンタクトの往復運動の速度及び/又は駆動力。
固定コンタクトの上面のサイズ及び/又は形状。
製造及び/又は材料のコスト。
【0025】
図6は、追加のコンタクトを有する電磁スイッチ600の一例を示す。一般的には、スイッチは、開閉されるべき外部の回路に接続される端子を有する固定電気コンタクト602を少なくとも2つ含む。図示された見え方では、固定電気コンタクトの1つが他の電気コンタクトの背後に位置しており、従ってここでは見えていない。可動コンタクト604は、アクチュエータ606(例えば可動コンタクトに取り付けられたプランジャに結合される磁石に作用するソレノイド等)によって往復運動するように駆動される。これらの構成部品は、外部に対する電気的な絶縁を提供し、かつ内部を液体や破片から保護する非導電性材料の筐体のようなハウジング608上に取り付けられるか、又はその内部に包入される。作用する力はfで示され、可動コンタクトにおける、力の中心と呼ばれることもある点に作用する。
【0026】
電磁スイッチ600は、可動コンタクトを機械的に安定化させる意図で設けられた少なくとも1つの追加のコンタクト612を備える。いくつかの実施形態では、これは、非導電性機械的コンタクトである。例えば、その機械的コンタクトは、ハウジング608と同じ材料から(例えば、その表面上に一体的に形成される突出部として)作製されるか、又は別の絶縁性材料から作製され得る。往復運動の末端においては、可動コンタクトは、それが両方の固定電気コンタクト602に加えて追加のコンタクト612に接触する位置614にある。従って、これにより、少なくとも固定コンタクト602の間での電気的接続を形成する。少なくとも3つの接点が存在することが、可動コンタクトにおける振動の発生を防止又は低減させる高められた剛性を生じさせる。
【0027】
アクチュエータ606が可動コンタクト604をコンタクト602から離れるように動かすと、そのように形成された電気的接続は切断されることになる。可動コンタクト604は、多かれ少なかれ固定的な方式で即ち規制される形でアクチュエータ606に接続され得る。例えば、可動コンタクトがシャフトに取り付けられているとき、適用可能な製造誤差及び/又は関連する材料の特性が、コンタクトの取り付けにおいていくつかの役割を担うことができる。これにより、可動コンタクトは、往復運動の1つ以上の段階においてある程度水平面から離れるように傾斜させることも可能にできる。しかし、コンタクトの傾斜が大きすぎる場合には、コンタクト604が離れた方向に動いても、固定電気コンタクトの両方又はいずれか一方との接点が残った状態になる(又は再接触する)ことも起こり得る。その場合、電気的接続は完全には切断されず、スイッチが満足に動作できなくなる。
【0028】
可動コンタクト604は、往復運動の途中の少なくとも部分的に1つ以上の方法で動きを規制され得る。いくつかの実施形態では、可動コンタクトの一方の端部が追加のコンタクト612から離れて移動しすぎないように規制するコンタクト616を設けることができる。例えば、これにより、可動コンタクトの他方の端部が、固定電気コンタクト602のいずれかに接触するのを防止することができる。コンタクト616はハウジング608に取り付けられるか、又はハウジングの一部として一体的に形成することができる。
【0029】
他の例として、可動コンタクト604は、その往復運動の間中ほぼ継続してその一方の端部がコンタクト616上に載るように構成することができる。そのような実施形態のいくつかでは、追加のコンタクト612は、突出度を小さく形成するか、又は完全に取り除くこともできる。
【0030】
追加のコンタクト612及び/又は機械的コンタクト616は、可動コンタクト604に対する接点を提供することに加えて、1つ以上の他の目的のために使用することができる。例えば、可動コンタクト604に電流が流れると、コンタクト及び電磁スイッチ600の残部に通電抵抗熱が発生する。いくつかの実施形態では、スイッチは、スイッチから熱を放散させる役目を果たし得る、ハウジング608に結合された1つ以上のヒートシンク618を含む。これは、スイッチの可動コンタクトと周囲環境との間での熱的接触の追加の経路を提供し得る。
【0031】
任意の適切な種類のヒートシンクを用いることができ、そのようなヒートシンクとして、限定を意図しないが、スイッチの周囲の環境中に延出する非孤立型の放熱フィンが挙げられる。例えば、追加のコンタクト612が、ハウジング608の壁に一体化されている場合には、追加のコンタクトは、可動コンタクトからの熱がヒートシンクに伝達されるように、比較的薄い壁の材料から形成することができる。即ち、ヒートシンクを含む、導体、材料塊、又は熱交換部材等を、電熱性のグリース、ペースト、ろう付け具、接着剤等によって、追加のコンタクトの可動コンタクトとは反対側に熱的に密接させることができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンクが固定コンタクト602から電気的に絶縁されるので、流体による冷却を容易に行うことができる。例えば、追加のコンタクトに熱交換用流体チャネルを組み込んで、コンタクトから冷却用流体への直接の熱交換を行うことができる。
【0032】
いくつかの例では、コンタクト612及び/又は616は非導電性機械的コンタクトである。例えば、コンタクトは、特定の実施形態の電気的及び他の特性を考慮して、十分な絶縁性を有する任意の適切な材料から作製することができる。
【0033】
しかし、他の実施形態では、コンタクト612及び/又は616は、電気コンタクトであり得る。これにより、その実施形態のために利用可能な材料の種類を増やすことが可能となり、例えば選択された材料を、より頑強で、より摩擦が小さく、より伝熱性が高く(又は低く)、及び/又はより耐衝撃性が高いものとすることができる。次に可動コンタクト604は、往復運動の一端の位置にて少なくとも3つの別々の電気的接点と接触する。例えば、これにより、1つのコンタクトを入力用とし、他の2つを出力用とすることが可能となる。別の例として、2つの電気コンタクトを(例えば、追加のコンタクト612を固定コンタクト602の1つに)電気的に接続しておくことができる。いくつかの実施形態では、この電気的接続部は絶縁性のハウジング材料に取り付けることができる。ハウジングが導電性材料を含む他の実施形態では、電気コンタクトと導電性ハウジングとの間に、絶縁性スペーサ、固定具、又は他の層(例えば接着剤)を配設することができる。
【0034】
図7は、実質的に三角の形状を有する可動コンタクト700の一例を示す。ここで、可動コンタクトは、固定コンタクト702、704、及び706とともに図示されており、可動コンタクトが力の中心708においてアクチュエータ(明示のために図示せず)によって駆動されると、少なくとも接点a、b、及びcが形成されるように構成される。例えば、固定コンタクト702は非導電性機械的コンタクトで、他の2つの固定コンタクトは導電性であり得る。別の例として、3つのコンタクト702〜706が全て導電性であり得る。
【0035】
通常は、力の中心708は、可動コンタクトに対するシャフトの取り付け方に起因して可動コンタクト700に対して実質的に固定される。しかし、上記したように、可動コンタクトは、ある程度の回転の自由度を有し得る。例えば、可動コンタクトが、接点b及びcの間の直線b−cと平行な軸周りに回転する場合、この回転により、接点b及びcが、b−cと駆動力fの両方に対して垂直な方向に可動コンタクトの表面上を動くことになる。この回転運動が駆動力fと組み合わせられることで、可動コンタクト上のトルク又はモーメント、即ち力の中心708と直線b−cとの間の距離710を乗じたトルクの評価量が生成されることになる。例えば、生成された力は、可動コンタクトの角度変位の単調関数であり、かつ可動コンタクトを角度平衡状態に戻そうとする向きを持つものとされ得る。可動コンタクトと固定コンタクト704〜706との間に表面接触のゼロスリップ状態が存在する場合には、この回転の結果、b−cと駆動力fの両方に対して垂直な方向への可動コンタクトの平行移動も生じ得る。
【0036】
いくつかの状況では、固定電気コンタクト704と706との間を、可動コンタクトを介して大電流が流れると、自立的で電気機械的な揺動が励起されることになる。この状態は、電流がDCである場合に観察されたが、電流がACである場合にも同様の挙動が生じ得ると考えられる。この動きは、コンタクタの性能や予測寿命に悪影響を与える。例えば、コンタクト間での過渡的電圧降下及びコンタクタにおける電力損失は構成部品の材料を劣化させることがあり、また過渡的なアーク放電はコンタクト材料の再配分及びコンタクトの幾何学的形態の劣化をもたらすことがある。
【0037】
ここで、コンタクト702で形成された接点aは、直線b−cによって定められる可動コンタクトの回転軸周りの剛性を提供し、これは望ましくない回転及び/又は平行移動を防止又は低減することができる。可動コンタクトは、接点a、b、及びcが、限定しないが、正三角形又は直角二等辺三角形を含むあらゆる適切な三角の形状を形成するように形成され得る。力の中心708は、ここでは三角形a−b−cの内側に位置している。この構成及び他の構成は、3点a、b、及びcの全てが正の垂直抗力をもって接触する状態で機械的に安定的となる剛性の高い本体システムに相当する。例えば、力の中心708は、直線b−cから距離710だけ離され、同様に力の中心は接点aから距離712だけ離される。距離710及び712は、可動コンタクトが往復運動で移動する距離と比較して、相対的に短いものであり得る。いくつかの実施形態では、距離710及び712は互いに異なる比率を有し得る。
【0038】
接点a、b、及びcの各角部では、可動コンタクト700が、切頭側部を有する。例えば、接点b及びcに対応する切頭側部はここでは互いに平行であり、接点aの切頭側部に対して垂直である。可動コンタクトは、2つ以上の切頭側部の間において曲線をなす形状の縁部を有し得る。
【0039】
上述の例では、可動コンタクトは、角度に関して2つの自由度を有する。即ち、直線b−cに平行かつ力の中心708を通る軸線周りの回転及び力の中心708と接点aとをつなぐ軸線周りの回転である。いくつかの実施形態では、可動コンタクトの動きに対する必要な規制が、可動コンタクト自体の自由度に対する規制となるように設計され得る。例えば上述の軸線周りの許容される回転は、可動コンタクトのアクチュエータに対する適切な接続によって規制され得る。可動コンタクトが、純粋な直線運動を行うように規制されて可動コンタクトの孔を貫通する駆動ロッドによってアクチュエータに取り付けられる場合には、可動コンタクトと駆動ロッドとの間の嵌め合いにおける寸法許容差の適切な選択が動きの規制としての役目を果たし得る。前記許容差に対する機械的摩耗の影響についても適宜考慮されなければならない。
【0040】
によって定められる軸線周りの可動コンタクトの回転運動も規制されることが必要であるか、望ましいことであり得る。例えば、可動コンタクトの形状が三角である場合は、規制は、可動コンタクトと固定コンタクトとの間の接点が適切に形成されることを確実にするように利用され得る。例えば、f軸周りでの可動コンタクトの±60°の回転により、可動コンタクタが動作できない状態に置かれる。この実施形態では、1つ以上の追加の(機械的又は電気的)コンタクトに組み込まれた特徴、又はそのコンタクトの近傍に配置された補助的な特徴(例えばポスト)によって、いくつかの形態の規制が与えられ得る。他方、可動コンタクトが、力の中心の周りの回転について十分対称的である場合には、コンタクタは、あらゆる回転位置において正しく動作することになる。例えば、回転について完全に対称的であるならば、可動コンタクトは円盤状であり三角形ではない。
【0041】
図8は、実質的に三角の形状を有する可動コンタクト800の別の例を示す。可動コンタクトは、固定コンタクト802、804、及び806とともに図示されており、接点にも同様にa、b、及びcの符合が付されている。可動コンタクトは、駆動力fによって力の中心808で駆動される。ここでは、接点aが形成される可動コンタクトの角部は、固定コンタクト802A及び802Bの間に実質的に動きを規制される。例えば、固定コンタクト802A及び802Bの間隔の大きさは、可動コンタクトの適切な厚さに基づいて選択することができ、それにより可動コンタクトの(接点b及びcを有する)他方の側が、駆動力fによって上下にある一定の幅だけ動くことが可能となる。この例では、可動コンタクトは実質的に一様な厚さを有し、正三角形を形成している。いくつかの実施形態では、コンタクト802は非導電性で、他の電気コンタクトは電気コンタクトであり得、他の実施形態では、コンタクト802〜806の全てが電気コンタクトであり得る。
【0042】
図9は、実質的に三角の形状を有する可動コンタクト900の別の例を示す。固定コンタクト902、904、及び906が図示されている。また、接点a、b、及びc、並びに力の中心908も示されている。
【0043】
接点a、b、及びcの各角部において、可動コンタクト900は、切頭側部を有する。例えば、ここでは、接点b及びcに対応する切頭側部は互いに平行であり、接点aの切頭側部に対して垂直である。また、可動コンタクトは、各接点に対応する切頭側部を互いに結合する直線的な縁部を有する。
【0044】
使用中におけるコンタクトの機械的摩耗及び変形により、接点が、その意図された又は元の位置からずれる傾向が生じ得る。例えば、接点aは、ここでは可動コンタクトの中央線からずれて、接点bよりcの側に近づいている。同様に、接点b及びcは、両者が元の位置から互いに接近するように互いに逆方向に位置がずれている。即ち、たとえ接点の各々が、初めはそれぞれに対応する各コンタクトの中心に位置するように配置されていたとしても、その接点は、図示された位置のように移動してしまう。しかし、可動コンタクトは、そのような摩耗/変形にも関わらず、接点によって形成される三角910が、依然として力の中心908を取り囲むように構成される。このことが、可動コンタクトの安定性及び剛性を維持する助けとなる。
【0045】
図10は、追加のコンタクトを有する電磁スイッチ1000の別の例を示す。ここでは、駆動力fにより、可動コンタクト1002の、固定コンタクト1004との接触状態と非接触状態をもたらす往復運動が生ずる。可動コンタクトの別の端部は、追加のコンタクト1006によって動きを規制される。この例では、追加のコンタクトが部分1006A及び1006Bを有し、これらの両方がスイッチのハウジングの一部として形成される。このスイッチは、追加のコンタクトの近傍にヒートシンク1008を有し得る。いくつかの実施形態では、追加のコンタクト1006は電気コンタクトである。
【0046】
図11は、可動コンタクト1102が玉継ぎ手1104によって取り付けられる電磁スイッチ1100の例を示す。前の例と同様に、アクチュエータが駆動力fを与えて、可動コンタクトを固定電気コンタクト1106に対して動かす。この例では、可動コンタクトの一端1102Aが、継ぎ手のソケットの形状に少なくとも部分的に対応する丸められた形状を有し、これにより可動コンタクトの他端1102Bが、往復運動の間に固定コンタクトに接触できるように構成される。玉継ぎ手1104のソケットを後でスイッチのハウジングに取り付けられる別部品として作製しても、或いはソケットを、ハウジングの製造において一体的な部分としてもよい。いくつかの実施形態では、玉継ぎ手は、可動コンタクタがソケット部を形成し玉部がハウジングによって形成されるように反対に配向される。いくつかの実施形態では、玉継ぎ手は電気コンタクトである。玉継ぎ手の近傍にヒートシンク1108を設けることができる。
【0047】
図12は、可動コンタクト1202が曲げ部材1204によって取り付けられる電磁スイッチ1200の例を示す。可動コンタクトは、駆動力fによって固定コンタクト1206に対して駆動される。この例では、曲げ部材1204が可動コンタクトの一端1202Aに取り付けられ、これによって、可動コンタクトの1つ以上の端部1202Bが、往復運動の間に固定コンタクトに接触できるように構成される。曲げ部材は、金属(例えば鋼鉄又は青銅)等の任意の適切な材料から作製することができる。曲げ部材は、ハウジング上のベース部1206に取り付けることができる。ベース部1206は、ハウジング上の非導電性で突出部であるか、又はベース部は電気コンタクトであり得る。曲げ部材の近傍にヒートシンク1208を設けることができる。
【0048】
図13は、可動コンタクト1302がヒンジ1304によって取り付けられる電磁スイッチ1300の例を示す。可動コンタクトは、駆動力fによって固定電気コンタクト1306に対して駆動される。この例では、ヒンジは可動コンタクトと一体的に形成される。即ち、ヒンジの一端1304Aはハウジングに取り付けられ、他端1304Bは一定の長さまで延び出して、可動コンタクトを形成する。ヒンジ用として、例えば鋼鉄等の任意の適切な材料を用いることができ、材料の寸法(例えば厚さ)は、特定の実施形態に基づいて選択されることになる。いくつかの実施形態では、ヒンジ1304は電気コンタクトである。ヒンジの近傍にヒートシンク1308を設けることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、可動コンタクトと1つ以上の追加のコンタクトとの間での熱的接触を、1つ以上の方法で向上させることができる。そのような方法としては、限定しないが、いくつかの例として、相互補完的な表面半径をもたせること、(例えば、玉継ぎ手を用いる場合のように)許容された運動の方向の下で小さいギャップをもたせること、表面間での熱伝達又は対流を許容するグリース、液体、又はペーストを適用すること、コンタクタの充填ガスによる対流熱交換を、対流を定められた長さのスケールに規制することによって促進する小さい凸部、ポケット、チャンネル等を反復する形で設けること、熱伝達材料で作製されたばね等の屈曲性接続部を設けること、及び可動コンタクトと1つ以上の他のコンタクトとの間の接続部に相変化流体を導入してヒートパイプ効果を発揮させること、等の方法が挙げられる。
【0050】
負荷がかかっている状態で電磁スイッチを開放すると、電気アークが発生し得る。スイッチに1つ以上の永久磁石を組み込んで、その/それらの磁界がローレンツ力によって電気アークを導体から離れる方向に流す傾向をもたせることが必要か、又は望ましいことがある。いくつかの実施形態では、1つ以上の磁石が、可動コンタクトの動作に干渉しないように配置され得る。
【0051】
複数の実施形態を例として説明してきた。しかし、他の実施形態も請求項に記載の発明の範囲に包含される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13