(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記4つの導体のうちの第1の導体対は前記分圧器に電気的に結合されており、前記第1の導体対は、前記分圧器に入力電圧を供給するように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
前記超音波スキャナアセンブリは、トランスデューサ制御回路をさらに含み、前記トランスデューサ制御回路は、前記ケーブルおよび前記超音波トランスデューサに電気的に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
前記超音波スキャナアセンブリは、複数のトランスデューサ制御回路を含むコントローラ部分であって、前記コントローラ部分は前記超音波スキャナアセンブリの近位部に隣接して配置されている、コントローラ部分と、
複数の超音波トランスデューサを含むトランスデューサ部分であって、前記トランスデューサ部分は、前記超音波スキャナアセンブリの遠位部に隣接して配置されている、トランスデューサ部分と、
前記コントローラ部分と前記トランスデューサ部分との間に配置されている遷移部分と
を含む、請求項1に記載のデバイス。
前記コントローラ部分は、第1の縦方向長さを有し、前記遷移部分は、第2の縦方向長さを有し、前記第2の縦方向長さは前記第1の縦方向長さ以下である、請求項12に記載のデバイス。
前記9個のトランスデューサ制御回路のうちの1つはマスタコントローラであり、残りの8個のトランスデューサ制御回路はスレーブコントローラである、請求項14に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、ここで、図面に示されている実施形態を参照し、これを説明するために特定の文言を使用する。それにもかかわらず、本開示の範囲に対する限定は意図されていない。記載されているデバイス、システム、および方法に対する任意の代替形態およびさらなる変更形態、ならびに、本開示の原理の任意のさらなる応用形態が、当業者に通常想起されるように完全に企図されており、本開示の中に含まれる。たとえば、IVUSシステムが心臓血管画像化に関して説明されているが、この応用形態に限定されるようには意図されていないことが理解される。システムは、密閉空洞内の画像化を必要とする任意の応用形態に等しくよく適している。特に、一実施形態に関連して説明されている特徴、構成要素、および/またはステップが、本開示の他の実施形態に関連して説明されている特徴、構成要素、および/またはステップと組み合わされてもよいことが、完全に企図されている。しかしながら、簡潔にするために、これらの組み合わせが、別々に多数回反復して説明されることはない。
【0025】
図1は、本開示の一実施形態による血管内超音波(IVUS)画像化システム100の概略図である。本開示のいくつかの実施形態において、IVUS画像化システム100は、圧電性ジルコン酸塩トランスデューサ(PZT)ソリッドステートIVUS画像化システムである。いくつかの実施形態において、システム100は、静電型超音波マイクロトランスデューサ(CMUT)、および/または圧電型超音波マイクロトランスデューサ(PMUT)を組み込んでいる。IVUS画像化システム100は、IVUSカテーテル102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、IVUSコンソールもしくは処理システム106、および/またはモニタ108を含んでもよい。
【0026】
高レベルにおいて、IVUSカテーテル102は、デバイスの先端にあるスキャナアセンブリ110から超音波エネルギーを放出する。超音波エネルギーは、スキャナ110を取り巻く組織構造によって反射され、組織からのエコー信号がスキャナ110によって受信および増幅される。
【0027】
PIM104は、スキャナアセンブリ110の動作を制御するために、IVUSコンソール106とIVUSカテーテル102との間の信号の通信を促進する。これは、スキャナを構成して送信機回路をトリガするための制御信号を生成することと、スキャナアセンブリ110によってキャプチャされるエコー信号をIUVSコンソール106に転送することとを含む。エコー信号に関して、PIM104は受信信号を転送し、いくつかの実施形態において、信号をコンソール106に送信する前に予備信号処理を実施する。そのような実施形態の例において、PIM104は、データの増幅、フィルタリング、および/または集約を実施する。一実施形態において、PIM104はまた、スキャナ110内の回路の動作をサポートするための高および低電圧DC電力をも供給する。
【0028】
IUVSコンソール106は、PIM104によってスキャナ110からエコーデータを受信し、スキャナ110を取り巻く組織の画像を作成するためにデータを処理する。コンソール106はまた、画像をモニタ108に表示することもできる。
【0029】
いくつかの実施形態において、IVUSカテーテルは、Volcano Corporationから市販されているEagleEye(登録商標)カテーテルおよび参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,101号明細書に開示されているもののような従来のソリッドステートIVUSカテーテルと同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、IVUSカテーテル102は、デバイス102の遠位端にある超音波スキャナアセンブリ110と、デバイス102の長手方向本体に沿って延伸するケーブル112とを含む。ケーブル112は、デバイス102の近位端にあるコネクタ114において終端する。コネクタ114は、ケーブル112をPIM104に電気的に結合し、IVUSカテーテル102をPIM104に物理的に結合する。一実施形態において、IVUSカテーテル102は、ガイドワイヤ出口ポート116をさらに含む。したがって、いくつかの事例において、IVUSカテーテルは迅速交換カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、デバイス102を血管120を通じて誘導するために、ガイドワイヤ118が遠位端に向かって挿入されることを可能にする。血管120は、画像化され得、たとえば、限定ではないが、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む臓器、ダクト、腸、脳、硬膜嚢、脊柱および末梢神経を含む神経系構造、尿路、ならびに身体の血液系または他の系内の弁を含むことができる生体内の天然および人口の両方の、流体を充填されたまたは流体に取り囲まれた構造を表す。天然構造の画像化に加えて、画像はまた、限定ではないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタおよび身体内に位置付けられる他のデバイスのような人口構造の画像化をも含んでもよい。一実施形態において、IVUSカテーテル102はまた、遠位先端付近の膨脹可能バルーン部分122をも含む。バルーン部分122は、IVUSカテーテルの長さをたどり、膨脹ポート(図示せず)において終端するルーメンに対して開いている。バルーン122は、膨脹ポートを介して選択的に膨脹および収縮され得る。
【0030】
IVUSカテーテル102は、狭い通路の中から高解像度画像化を可能にするように設計されている。IVUS画像化デバイスの性能を現行技術水準と比較して進歩させるために、本開示の実施形態は、広い帯域幅(>100%)をもたらす、PMUTのような高度なトランスデューサ技術を組み込む。帯域幅が広いことは、半径方向において最適な解像度を達成するために短い超音波パルスを生成するのに重要である。PMUTおよび他の高度な超音波トランスデューサ技術によって与えられる解像度の向上によって、より良好な診断精度が促進され、異なる組織型を区別する能力が強化され、血管腔の境界を正確に画定する能力が強化される。本開示の実施形態はまた、柔軟性を向上させ、直径を低減しており、操作性が増大し、患者の安全性および快適性の向上がもたらされている。特定の実施形態はまた、デバイス102を製造する、より高速で、より正確で、より費用のかからない方法も提供する。
【0031】
図2は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリ110の簡略概略図である。従来の設計とは対照的に、この実施形態は、必要とされる信号線がより少ない、改善されたトランスデューサインターフェースを提供し、それによって、トランスデューサを操作するのに必要とされる導体の数が低減される。スキャナ110は6つの主要ブロック、すなわち、インターフェース復号器202と、送信コントローラ204と、受信コントローラ206と、ドライバおよびマルチプレクサアレイ208と、超音波トランスデューサ210と、エコー増幅器212とを含む。物理的実施態様において、スキャナ110の主要なブロックのいずれかは、1つまたは複数の別個の集積回路チップに分割されてもよい。
【0032】
スキャナ110は4つの入力を受信する。高電圧信号が高電力ドライバ回路にDC電圧を供給し、高電力ドライバ回路は、送信モードにあるときに超音波トランスデューサ210に給電する。GND信号が、スキャナ回路の共通接地を提供する。残りの入力、すなわち、PIM+およびPIM−は、双方向性多目的信号の差動対である。いくつかの実施形態において、PIM+/−信号対は、(1)スキャナ110の回路を駆動するための低電圧DC電力(V
dd)を供給し、(2)送信コントローラ204、受信コントローラ206、およびマルチプレクサアレイ208の構成を可能にするためのシリアル通信チャネルとして動作し、(3)プログラム可能性およびステータス報告のような高度な機能をサポートするためのシリアル通信チャネルとして動作し、(4)スキャナ上に含まれる送信機およびタイミング回路を起動するためのPIM104からの平衡差動信号として送信トリガパルスを搬送し、(5)平衡出力信号をエコー増幅器212からPIM104へと誘導するのに使用される。
【0033】
動作電圧を供給するために、PIM+/−差動対は、式V
dd=(V
PIM++V
PIM-)/2によって説明されるように、グランド(GND)に対して実質的に一定の共通モードオフセット電圧を維持する。
【0034】
V
ddは、スキャナ110の低電圧回路に給電するために供給される電圧であり、これらの回路は一般的に、電力送達ドライバ以外の回路を含む。V
PIM+はPIM+入力の電圧であり、V
PIM-はPIM−入力の電圧である。いくつかの事例において、V
ddは約1.2V〜約5.0Vである。一例において、V
ddは3.3V DCである。一定のオフセット電圧を維持することによって、PIM+/−対は、記載されている他の機能もサービスしながら、スキャナ110の回路に給電するのに使用することができる。
【0035】
上述した構成データ、制御データ、および/または送信トリガを含むデータをスキャナに搬送するために、PIM+/−対は、3状態符号化を利用してもよい。たとえば、PIM+/−対は、3つの有効な状態、すなわち、正(V
PIM+=ハイ、V
PIM-=ロー)、負(V
PIM+=ロー、V
PIM-=ハイ)、およびアイドル(V
PIM+=V
PIM-≒V
dd)に限定されてもよい。いくつかの事例において、ロー状態は0V〜0.5×V
ddとして定義され、ハイ状態は1.5×V
dd〜2×V
ddとして定義され、アイドル状態はV
dd〜1.25×V
ddとして定義される。V
dd=3.3Vである例示的な実施形態において、PIM+およびPIM−の各々は、3.3V p−t−p〜6.6V p−t−pの最高最低振幅、または6.6V〜13.2Vに及ぶ差動電圧を有し得る。一般的に、これらの信号振幅は、V
dd供給電圧に比例したスケールを有する。
【0036】
これらのハイ値、ロー値、およびアイドル値は、シリアルデータプロトコルを実施するのに使用される。PIM+/−対は必ずしも関連付けられたクロックを有するとは限らないため、いくつかの実施形態は、非同期シリアルプロトコルを利用する。例示的な非同期プロトコルは、マンチェスタ符号、ゼロ復帰(RZ)、および非同期非ゼロ復帰(NRZ)を含む。ビットレートの範囲は、PIM+/−対について約10MHz〜60MHzが企図されており、20MHzの例示的なビットレートが与えられる。しかしながら、他のビットレートがサポートされることは理解される。
【0037】
したがって、PIM+/−ラインを介して搬送されるシリアルデータは、限定ではないが、指定される送信および受信トランスデューサ、ならびに、放出される波形の長さ、持続時間、周波数、および他の特性を含む、スキャナ110の1つまたは複数の態様を構成するのに使用することができる。そうするために、インターフェース復号器202は、3状態符号化PIM+/−信号を、送信コントローラ204、受信コントローラ206、および他の関連回路のために2値制御信号に変換し得る。
【0038】
一例において、PIM+/−入力を介して受信される構成データは、送信および受信トランスデューサを選択する。インターフェース復号器202は、3状態PIM+/−命令を2進値に変換する。送信コントローラ204および受信コントローラ206内にアドレス指定可能送信および受信レジスタを組み込んだいくつかの実施形態において、2進値は、1つまたは複数のトランスデューサをイネーブルする、レジスタのためのアドレスを含む。このように、2進値内に含まれるアドレスが、後続の超音波画像化のための送信および受信トランスデューサを選択する。シフト送信および受信レジスタを組み込んだいくつかの実施形態において、2進値は、指定されるトランスデューサをイネーブルするために、レジスタのうちの1つまたは複数を通じてアクティブ論理値をシフトする。いくつかのそのような実施形態において、2進値は、各シフトレジスタと関連付けられるクロック、負荷、およびシフト方向入力に対応する。
【0039】
送信トリガもまた、PIM+/−入力を介して受信される。送信トリガは、ドライバ回路の1つまたは複数のチャネルを起動することによって、超音波送信を開始する。これに応答して、ドライバは1つまたは複数の選択された送信トランスデューサに起動信号を送って、選択されたトランスデューサ(複数の場合もあり)が超音波波形を生成するようにする。波形はスキャナ110付近およびその周囲の組織および他の構造によって反射され、マルチプレクサアレイ208によって選択される1つまたは複数の受信トランスデューサによってキャプチャされる超音波エコーが生成される。
【0040】
いくつかの実施形態において、PIM+/−対は、指定された受信トランスデューサ(複数の場合もあり)210によってキャプチャされたエコー信号を、スキャナ110からPIM104へと送信する。エコーから選択された受信トランスデューサによって生成される電気信号が、マルチプレクサアレイ208によってエコー増幅器212にルーティングされる。図示されている実施形態において、エコー増幅器212は差動増幅器であるが、他の増幅器タイプが企図されている。エコー増幅器212の出力はPIM+/−対に連結されている。PIM+/−ライン上の入来信号の完全性を保証するために、エコー増幅器212は、出力インピーダンスがケーブル終端抵抗214よりもはるかに高い高インピーダンス差動電流源出力段を有してもよい。エコーデータの歪みを回避するために、エコー増幅器212の入力もまた、高入力インピーダンスを有してもよい。いくつかの実施形態において、超音波トランスデューサ210が高インピーダンス負荷(増幅器入力など)を駆動するときに相当の電圧を生成することが可能であり得るため、エコー増幅器212は高電圧を生成する必要がない。しかしながら、たとえ1の電圧利得であっても、増幅器は、デバイス102の長さに沿って延伸するケーブル112の低(たとえば、約100Ω)特性インピーダンスに起因して相当の電力利得(たとえば、約16dB)をもたらす。
【0041】
PIM+/−対は、ケーブル112にわたって伝播する信号のケーブル反射および歪みを最小限に抑えるための平衡差動終端を形成する一対の抵抗器214によって、スキャナ110内で終端される。一般的に、全差動抵抗は、ケーブル112の特性インピーダンスに一致する。いくつかの事例において、線路抵抗は、50〜100Ωの範囲内にあり、例示的な抵抗は約75Ωである。いくつかの実施形態において、抵抗器214によってもたらされる終端抵抗は、ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくてもよい。そのような実施形態は、終端抵抗器214のより高い抵抗と関連付けられるより低い損失から受益しながら、ケーブル特性インピーダンスに対する一致が不完全であることから生じる場合がある共鳴を抑制するためにPIM終端およびケーブル損失に依拠し得る。
【0042】
抵抗器214はまた、V
dd動作電圧の生成にも使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、抵抗器214は、分圧器を形成する。図示されている実施形態において、PIM+/−対は、上述したように、固定差動オフセット電圧を維持する。分圧器は、PIM+/−対の中点に等しい電圧を生成し、それによって、動作電圧V
ddを供給する。電圧スイングを抑制するために、1つのそのような実施形態において、分圧器はキャパシタ216を含む。例示的なキャパシタ216はほぼ100pF程度である。
【0043】
図3は、本開示の一実施形態によるインターフェース復号器202の簡略概略図である。いくつかの実施形態において、線受信機302が、3状態PIM+/−差動信号対を2値信号に変換する。そのような実施形態において、これは、ヒステリシスの整流、デバウンシング、および/またはPIM+/−のフィルタリングを含み、PIM+/−信号を交流電圧領域に変換することをさらに含んでもよい。その後、関連付けられる2進PIM値が線受信機302から状態機械304、直並列変換器306、および送信ロジック308に送信される。状態機械304は、PIM+/−データがスキャナアセンブリ110および/または送信トリガを構成するためのコマンドを示すか否かを判定する。いくつかの実施形態において、データシーケンスの最初のビットが、入来データがコマンドまたは送信トリガであるか否かを判定することに留意されたい。代替の実施形態において、すべてのデータシーケンスがコマンドとして取り扱われ、送信トリガはコマンドセット内の特定のコマンドである。
【0044】
構成コマンドに対応するデータシーケンスについて、直並列変換器306は直列PIM+/−データを並列化し、これをコマンド復号器310に提供する。コマンド復号器310はその後、対応する制御信号を判定する。例示的な制御信号は、限定ではなく、Reset(リセット)、TX Clock(送信クロック)、TX Load(送信負荷)、RX Clock(受信クロック)、RX Load(受信負荷)、およびLeft/Right(左/右)(シフト制御)を含む。送信トリガに対応するデータシーケンスについて、状態機械304は、送信ロジック308をイネーブルする。これに応答して、送信ロジック308は、1つまたは複数の選択されるトランスデューサを駆動して、超音波波形を放出し、1つまたは複数の受信トランスデューサを起動する。
【0045】
図4は、本開示の一実施形態によるPIM+/−対を利用してスキャナへデータを送信するための例示的なプロコトルのタイミング図である。図示されている例示的なプロトコルにおいて、スキャナ110は信号IDLE_STATE(アイドル状態)によって示されるアイドル状態において開始する。IDLE_STATE、COMMAND_STATE(コマンド状態)、およびTRANSMIT_STATE(送信状態)は、3つの個別の動作状態を表す状態機械304内部の信号である。
【0046】
例示的なプロトコルにおいて、コマンドは、PIM+/−対を介して負値を送信することによって示される(V
PIM+=ロー、V
PIM-=ハイ)。そのようなコマンド命令は、時刻T1において開始して示されている。初期の負状態は、状態機械304に、IDLE_STATEからCOMMAND_STATEに遷移するよう指示する。その後、PIM+/−対の値の後続のシーケンスは、構成コマンドを指定し発行するコマンドコードとして取り扱われる。例示的なコマンドコードは4ビット長であるが、任意の長さのコマンドコードがサポートされる。コマンドコードは、アクティブな送信機および受信機の対を定義し、超音波放出のための波形特性を決定し、および/または他のデバイス挙動を構成するのに使用され得る。コマンドコードが送信された後、PIM+/−対はアイドルに戻る。状態機械304は、データレートよりも大幅に長い期間、たとえば、1.0μsecの後タイムアウトし、IDLE_STATEに戻る。このタイムアウト機能は、始動中または過渡信号の場合に同期を維持する一助となり得る。
【0047】
例示的なプロトコルにおいて、超音波波形を放出するためのトリガ命令が、PIM+/−対上で正値を送信することによって発行される(V
PIM+=ハイ、V
PIM-=ロー)。例示的なコマンド命令は、時刻T2において開始して示されている。トリガ命令は、送信バーストのパルス幅およびサイクルの数を定義する一連のトリガパルスを含んでもよい。PIM+/−対が一定期間、たとえば、1.0μsecにわたってアイドルに戻った後、状態機械304がIDLE_STATEに戻る。
【0048】
PIM+/−対がアイドルである(V
PIM+=V
PIM-=V
dd)任意の時点において、エコー増幅器212が使用されて、エコー信号がPIM+/−対を介してスキャナ110からPIM104へと駆動され得る。例示的なエコー信号は、時刻T3において開始して示されている。
【0049】
図5は、本開示の一実施形態によるケーブル112の断面図である。ケーブルは、4つの導体502、504、506、および508を含む。導体502および504はそれぞれ、PIM104とスキャナ110との間の第1の動作電圧(高電圧)および接地(GND)の送信のために指定されている。一実施形態において、導体502および504はまた、502および504信号対の共通モード電圧の間ならびに/または506および508信号対の共通モード電圧の間の過渡電圧スパイクを抑制する分布容量も提供する。一例として3mケーブルは、40〜160pF/mの一般的な容量を有し得る。
【0050】
導体506および508はそれぞれPIM+およびPIM−に指定されている。PIM+およびPIM−は双方向性多目的信号である。
図3および
図4を参照して開示されているように、PIM+/−対は、スキャナ110を構成し、超音波放出および受信ならびにスキャナ110からPIM104への受信エコーデータの送信を開始する。図示されている実施形態において、導体502、504、506、および508は星形構成に配置されている。反対の極性の導体を対にすることによって(たとえば、導体対502および504ならびに導体対506および508)、星形構成は外部干渉、クロストーク、および信号歪みを低減する。より多くの導体を必要とするインターフェース設計と比較して、ケーブル112は、そのような設計よりも小さい直径を有する。事実、星形のようなツイストクアッドが占有する円筒空間は、同じサイズの導体のツイストペアよりもわずかに大きい(20%大きい直径)だけである。
【0051】
導体の数を4に低減することによって、ケーブルの剛性も低減する。したがって、一実施形態において、4導体ケーブルを含むデバイスは、7導体束を含む同様のデバイスよりも柔軟である。加えて、さらなる実施形態において、4導体ケーブルは、よりゲージの狭いデバイス本体を使用することを可能にする。たとえば、4導体ケーブルは、直径が3Fr以下のカテーテルを使用可能にし得る。多くのバルーンおよびステントカテーテルがこの範囲内に入るため、そのようなサイズは介入性心臓病学用途に好ましい。撓骨動脈アクセス手技は一般的に従来の大腿骨動脈アクセスと比較してよりゲージの小さいガイドカテーテルを使用するため、3.5Frを下回るデバイスが撓骨動脈アクセス手技には好ましい。
【0052】
一実施形態において、4導体ケーブル112は、スキャナ110において、より多くの導体を有するケーブルよりも小さい接触領域を必要とする。デバイス102の組み立て中、接触領域は、巻き工程中のスキャナ110の形状に一致しない場合がある。この結果として、接触領域に膨出部が生じ得る。膨出部はデバイス102の外径を増大させ得、これによってデバイス102が狭窄部分を通過することが妨げられ得る。内向きに突出した膨出部はガイドワイヤに衝突し、デバイスが所望の箇所に円滑に進むのを妨げる可能性がある。一実施形態において、より小さい接触領域が4導体ケーブル112とともに使用されることによって、そのような膨出部の形成が大幅に低減するか、またはなくなる。
【0053】
一実施形態において、ケーブル112は、一般的な7導体伝送線構成よりも太い導体を組み込む。7線束と同等の直径の4線束は、断面積がほぼ2倍、抵抗がほぼ半分の個々の導体を有し得る。たとえば、一般的な7導体束は、44 AWGゲージワイヤを利用し得る。44 AWGワイヤは柔軟ではあるが壊れやすく、操作が難しく、抵抗が高い。対照的に、同等の4導体ケーブル112は、41 AWGゲージワイヤを利用し得る。ワイヤゲージが増大することによって、耐久性が増大して抵抗が低減し、それによって信号品質を向上させることができる。
【0054】
信号送信をさらに改善して電磁干渉(EMI)を含む干渉ならびに導体間の雑音およびクロストークを低減するために、導体502、504、506、および508は、接地シールド510によって個々に絶縁されてもよい。接地シールド510は、導体内の誘導電圧を低減し、線路損失を低減する。いくつかの実施形態において、ケーブル112は、外側接地シールド512を含む。これらの電気絶縁手段は、単独でまたはよりゲージの大きい導体と組み合わせてのいずれかで、ケーブル112が、振幅および忠実度がより大きく、歪みおよび干渉が低減された信号を搬送することを可能にする。
【0055】
図6は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリ110の一部の上面図である。
図6は、超音波スキャナアセンブリ110をその平坦な形態で示す。アセンブリ110は、フレックス回路606に取り付けられているトランスデューサアレイ602およびトランスデューサ制御回路604(コントローラ604aおよび604bを含む)を含む。共通の参照符号によって示されているように、トランスデューサアレイ602の超音波トランスデューサ210は、
図2を参照して開示されているものと実質的に同様である。トランスデューサアレイ602は、任意の数およびタイプの超音波トランスデューサ210を含んでもよいが、明瞭にするために、
図6には限られた数の超音波トランスデューサしか示していない。一実施形態において、トランスデューサアレイ602は、64個の個々の超音波トランスデューサ210を含む。さらなる実施形態において、トランスデューサアレイ602は、32個の超音波トランスデューサを含む。他の数が企図されるとともに、提供される。一実施形態において、トランスデューサアレイ602の超音波トランスデューサ210は、たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,641,540号明細書に開示されているような、ポリマー圧電材料微小電気機械システム(MEMS)基板上に作製される圧電型超音波マイクロトランスデューサ(PMUT)である。代替の実施形態において、トランスデューサアレイは、バルクPZTトランスデューサのような圧電性ジルコン酸塩トランスデューサ(PZT)、静電型超音波マイクロトランスデューサ(cMUT)、単結晶圧電材料、他の適切な超音波送信機および受信、ならびに/またはそれらの組み合わせを含む。
【0056】
図示されている実施形態において、64個の超音波トランスデューサ210を有するスキャナ110は、9個のトランスデューサ制御回路604を含み、そのうち5個が図示されている。8個、9個、16個、17個およびそれ以上を含む、他の数のトランスデューサ制御回路604を組み込んだ設計が、他の実施形態において利用される。いくつかの実施形態において、単一のコントローラがマスタコントローラと指定され、ケーブル112から信号を直接受信するように構成されている。残りのコントローラはスレーブコントローラである。図示されている実施形態において、マスタコントローラ604aは、任意のトランスデューサ210を直接には制御しない。他の実施形態において、マスタコントローラ604aは、スレーブコントローラ604bと同じ数のトランスデューサ210を駆動するか、または、スレーブコントローラ604bと比較して低減したトランスデューサ210のセットを駆動する。図示されている実施形態において、単一のマスタコントローラ604aおよび8個のスレーブコントローラ604bが提供される。8個のトランスデューサが各コントローラ604bに割り当てられる。そのようなコントローラは、駆動することが可能であるトランスデューサの数に基づいて8チャネルコントローラと称される場合がある。
【0057】
マスタコントローラ604aは、構成データに基づいてスレーブコントローラ604bに対する制御信号を生成し、ケーブル112を介して受信されるトリガを送信する。マスタコントローラ604aはまた、スレーブコントローラ604bからエコーデータを受信し、これをケーブル112上で再送信する。そうするために、いくつかの実施形態において、マスタコントローラ604aは、
図2のエコー増幅器212を含む。この構成において、マスタコントローラ604aは、増幅されていないまたは部分的に増幅されたエコーデータを受信し、ケーブル112の導体506および508に沿ってエコーデータを駆動するのに必要な増幅を実施する。これによって、より大規模な忠実度の高い増幅器のためのさらなるゆとりがもたらされ得る。
【0058】
一実施形態において、フレックス回路606は、構造的支持を与え、トランスデューサ制御回路604およびトランスデューサ210を物理的に接続する。フレックス回路606は、KAPTON(商標)(DuPontの商標)のような可撓性ポリイミド材料のフィルム層を含んでもよい。他の適切な材料は、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、他の可撓性プリント回路基板材料ならびにUpilex(登録商標)(宇部興産の登録商標)およびTEFLON(登録商標)(E.I.du Pontの登録商標)のような製品を含む。フィルム層は、いくつかの事例において円筒管状体を形成するようにフェルールの周りに巻かれるように構成されている。それゆえ、フィルム層の厚さは一般的に、最終的な組み立てられたスキャナ110の湾曲の度合いに関係する。いくつかの実施形態において、フィルム層は、5μm〜100μmであり、いくつかの特定の実施形態では12.7μm〜25.1μmである。
【0059】
一実施形態において、フレックス回路606は、フィルム層上に形成される導電性トレース610を含む。導電性トレース610は、トランスデューサ制御回路604とトランスデューサ210との間で信号を搬送し、ケーブル112の導体を接続するためのパッドのセットを提供する。導電性トレース610に適切な材料は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル、およびスズを含み、スパッタリング、めっき、およびエッチングのような工程によってフレックス回路606上に堆積されてもよい。一実施形態において、フレックス回路606は、クロム接着層を含む。導電性トレースの幅および厚さは、フレックス回路606が巻かれたときに適切な伝導性および復元力をもたらすように選択される。それに関連して、導電性トレース610の厚さの例示的な範囲は、10〜50μmである。たとえば、一実施形態において、20μm導電性トレース610は20μmの間隔だけ分離される。導電性トレース610の幅は、デバイスのパッドのサイズまたはトレースに結合されるべきワイヤの幅によってさらに決定づけられ得る。
【0060】
回路は仕上がったスキャナアセンブリを形成するために巻かれ得るため、マスタコントローラおよびスレーブコントローラの両方を含む制御回路604はそれに従って成形され得る。これは、制御回路604の端部が、隣接する制御回路604の端部とインターフェースするように構成されることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、制御回路604は、互いに噛み合う歯状部612aおよび612bを含む。たとえば、制御回路604は、ボックスジョイントまたはフィンガージョイントを形成するために、隣接する制御回路604の陥凹部および突起612bと互いに噛み合う陥凹部および突起612aを有して形成されてもよい。いくつかの実施形態において、制御回路604は、単独で、または陥凹部および突起と組み合わせて、面取り端部614を含む。面取り端部614は、隣接する制御回路604の端部に当接するように構成され得る。いくつかのそのような実施形態において、隣接するコントローラの端部も同様に面取りされている。いくつかの実施形態において、コントローラ604の各々は、同様の陥凹部および突起のインターフェースを利用して2つの隣接するコントローラと互いに噛み合う。いくつかの異なる機構を利用した実施形態を含む他の組み合わせが企図され提供される。たとえば、一実施形態において、マスタ制御回路とインターフェースするスレーブ制御回路の端部は、面取り領域を有する陥凹部および突起構成を有し、一方で、他のスレーブ制御回路とインターフェースするスレーブ制御回路の端部は、面取り領域のない陥凹部および突起構成を有する。隣接する制御回路604と互いに噛み合う端部構成は、制御回路の間隔604をより緊密にし、巻かれた構成における直径を低減することを可能にする。そのような構成はまた、剛構造を生成し、それによって、巻かれたスキャナアセンブリのためのさらなる構造的支持をもたらすように互いに噛み合ってもよい。
【0061】
図7は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリ110のトランスデューサ領域700の断面図である。トランスデューサ領域700は巻かれた形態で図示されている。それに関連して、いくつかの事例において、スキャナは平坦な構成から巻かれたまたはより円筒形の構成に遷移される。たとえば、いくつかの実施形態において、「ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国特許第6,776,763号明細書および「HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND TRANSDUCER ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE」と題する米国特許第7,226,418号明細書のうちの一方または両方に開示されているような技法が利用され、それら特許文献の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0062】
その名称が暗示するように、スキャナのトランスデューサ領域700は、すでに開示したように、フレックス回路606、特にフレックス回路606のトレースに取り付けられるトランスデューサ210を含む。図示されている実施形態において、フレックス回路606はまた、導電性グランド層702をも含む。さらなる実施形態において、フレックス回路は、グランド層702を絶縁および被覆し、スキャナ110を環境から保護するのに使用される外膜704を含む。外膜704のための絶縁体材料は、それらの生体適合性、耐久性、親水もしくは疎水特性、低摩擦特性、超音波透過性、および/または他の適切な基準で選択されてもよい。たとえば、外膜は、Parylene(商標)(Union Carbideの商標)を含んでもよい。他の適切な材料は、ポリエステルもしくはPVDFのような熱収縮チューブ、Pebax(登録商標)(Arkemaの登録商標)もしくはポリエチレンのような溶融成形可能層、および/または適切な膜材料を含む。いくつかの事例において、封入エポキシ706が、超音波トランスデューサ210とフェルール708との間の空間を充填する。フェルール708の内部のルーメン領域710は、スキャナ110がガイドワイヤ(図示せず)を通じて進められることを可能にするために開いている。見てとれるように、超音波トランスデューサ210のサイズ、形状、および間隔が、トランスデューサ領域700の形状を少なくとも部分的に規定する。64個の超音波トランスデューサ210を有する実施形態において、トランスデューサ領域の断面は円形またはほぼ円形である。
【0063】
図8aおよび
図8bは、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリ110の制御領域800および850の断面図である。まず
図8aを参照すると、制御領域800は、フレックス回路606に接合されているトランスデューサ制御回路604を含む。いくつかの実施形態において、制御回路604は、制御回路をフレックス回路606のトレースに結合するコンタクトバンプ802を含む。コンタクトバンプ802は、はんだ部分とともに、銅コアのような金属コアを含んでもよい。形成中、コンタクトは加熱され得、はんだが流れて、コンタクトバンプ802の金属コアがフレックス回路606のトレースに接合するようにする。制御回路604とフレックス回路606との間のアンダーフィル材料804が、接合強度を増大させ、制御領域800に対する構造的支持をもたらし、コンタクトバンプ802を含む導電性構造を絶縁し、および/または熱伝導を促進するために与えられてもよい。
【0064】
一実施形態において、制御領域800は、トランスデューサ制御回路604の上に被着される保持構造806を含む。保持構造806は、巻き工程の間に、たとえば、制御回路604を含む構成要素を固定するのに使用され得る。封入エポキシ706は、いくつかの実施形態において、トランスデューサ制御回路604と保持構造806との間、および保持構造806とフェルール708との間の空間を充填する。トランスデューサ領域700と同様に、トランスデューサ制御回路604は、トランスデューサ領域の形状を少なくとも部分的に規定する。フレックス回路606の、トランスデューサ制御回路604に隣接する部分は平坦であるため、より大きいコントローラの代わりにより狭いより多くのトランスデューサ制御回路604を利用することによって、より円形の断面が生成される。したがって、8個、9個、16個、またはそれ以上のトランスデューサ制御回路604を利用した設計は、4個または5個のコントローラを有する設計よりも円形の断面を有するということになる。これには、後述するように、スキャナ110の有効径808が低減しデバイス102の縦軸に沿った遷移ゾーンの長さが低減するという利点がある。
【0065】
図示されているように、制御回路604は、巻かれた構成においては隣接する制御回路に接触するように構成され得る。これは、互いに噛み合う陥凹部および/もしくは突起(たとえば、陥凹部および突起612a)、面取り端部、ならびに/または他の端部プロファイルを含んでもよい。図示されている実施形態において、コントローラ604の各々は、陥凹部および突起のインターフェースを利用して2つの隣接するコントローラと互いに噛み合う。いくつかの異なる機構を利用した実施形態を含む他の組み合わせが企図され提供される。たとえば、一実施形態において、マスタ制御回路とインターフェースするスレーブ制御回路の端部は、面取り領域を有する陥凹部および突起構成を有し、一方で、他のスレーブ制御回路とインターフェースするスレーブ制御回路の端部は、面取り領域のない陥凹部および突起構成を有する。
【0066】
図8bに関して、制御領域850は
図8aの制御領域800と実質的に同様である。図示されている実施形態において、制御回路604のコンタクトバンプ802は、封入エポキシ706が制御回路604とフレックス回路606との間の空隙を充填することを可能にするように構成されている。これによって、アンダーフィル材料の必要性をなくすことができ、製造時間および費用が節約される。これによってまた、アンダーフィル材料と封入エポキシ706との間の材料接合もなくすことができ、それによって潜在的な破損点が回避される。封入エポキシ706が制御回路604とフレックス回路606との間を流れるのを可能にするために、コンタクトバンプ802は、アンダーフィル用途のものとは異なる、たとえば、長手方向においてより長いアスペクト比を有してもよい。
図8bに示すもののようないくつかの実施形態において、コンタクトバンプ802は、単一の軸(たとえば、図示されている断面の面に垂直な軸810)に沿って整列される。これによって、制御回路604とフレックス回路606との間の封入エポキシ706の流れが改善され得る。
【0067】
図9は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリの一部が巻かれた形式で示されている長手方向斜視図である。
図9を参照すると、遷移ゾーン900はトランスデューサ領域700と制御領域800との間に位置している。トランスデューサ領域700および制御領域800とは対照的に遷移ゾーン900には剛構造はない。代わりに、隣接する領域700および800によって断面形状が規定される。したがって、遷移ゾーン900の形状は、トランスデューサ領域700の形状と制御領域800の形状との間で遷移する。遷移ゾーン900は、フレックス回路606および/または導電性トレース610にストレスを加える可能性がある鋭角を低減するのに使用され得る。本開示の関連付けられるコントローラ領域800の断面がより円形になっているため、たとえば、8個、9個、16個、またはそれ以上のトランスデューサ制御回路604を利用した実施形態は、より短い遷移ゾーン900をサポートする。言い換えれば、トランスデューサ制御回路604および超音波トランスデューサ210の領域がフレックス回路606内に平坦な領域を生成するため、物理的により狭いデバイスに置き換えることによって、各個々のデバイスによって生じるフレックス回路606の非円形領域が低減する。それゆえ、たとえば、9個のトランスデューサ制御回路を利用した設計は、4個のトランスデューサ制御回路を利用した設計よりも円筒形のコントローラ領域800を有し、同様により短い遷移ゾーン900に対応する。例示的な4制御回路実施形態において、遷移ゾーン900は、正方形から実質的に円形に遷移するために、約1〜1.5カテーテル径である。これは、3Frカテーテルでは1000〜1500μmであることになる。例示的な9制御回路実施形態において、遷移ゾーン900は約0.5〜0.75カテーテル径、すなわち、3Frカテーテルでは500〜750μmである。
【0068】
すでに説明したように、8チャネルコントローラは、最大8個のトランスデューサを操作することが可能であり、一方、16チャネルコントローラは、最大16個のトランスデューサを操作することが可能である。64個のトランスデューサを有する実施形態において、9コントローラ設計(1個のマスタコントローラおよび8個のスレーブコントローラを有する)に使用される8チャネルコントローラは、同等の5コントローラ実施態様に使用されるもののような16チャネルコントローラよりも物理的に短い。4チャネルコントローラは、さらに8チャネルコントローラよりも短いものであり得る。このように、コントローラ辺りにより少ないチャネルを組み込んだ設計は、より短いスキャナアセンブリ110を生成し得る。スキャナアセンブリ110は一般的にデバイスの周囲部分と比較して柔軟性がなく、または剛性であるため、アセンブリ110の長さが低減すると、結果として、複雑な血管分岐を通じて操作し、患者において生成される不快感をより少なくすることが可能な、より敏捷性の高いIVUSカテーテルがもたらされる。
【0069】
スーパーダイ1100を利用して超音波スキャナアセンブリを製造する方法1000が、
図10〜
図13を参照して説明される。
図10は、本開示の一実施形態によるスーパーダイ1100を利用して超音波スキャナアセンブリ110を製造する方法1000の流れ図である。方法の他の実施形態について、方法1000のステップの前、間、および後に追加のステップが設けられてもよく、記載されているステップのいくつかが置き換えられまたはなくされてもよいことが理解される。
図11は、本開示の一実施形態によるIVUS画像化デバイスに使用するためのスーパーダイ1100の簡略上面図である。
図12は、本発明の設計の一実施形態による、
図11に示す軸に沿ってとられたスーパーダイ1100の簡略断面図である。
図13は、本開示の一実施形態による一製造段階における超音波スキャナアセンブリ110の一部の上面図である。スーパーダイ1100は、単一のスキャナ110に使用するように意図されている複数のトランスデューサ制御回路604を含む、明瞭にするために、
図11および
図13は、限られた数のコントローラ604を示す。しかしながら、本開示は、任意の数のコントローラを組み込んだスーパーダイを企図していることが理解される。様々ない実施形態において、コントローラの数は、4個程度の少なさから、トランスデューサ素子あたり1個程度の多さまでに及ぶ。さらに、本開示の要素を明瞭に示すことを可能にするために、
図11〜
図13は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。事実、様々な特徴の寸法は、説明を明瞭にするために任意に増大または低減されている場合がある。
【0070】
図11を参照すると、例示的な実施形態において、各個々のトランスデューサ制御回路604のサイズが小さいことによって、アセンブリの作製中に問題が生じる。たとえば、16コントローラ64トランスデューサ設計において、各ダイは100μm程度の幅であり得る。この小さいフットプリントは、ダイシング中にデバイス損失につながる可能性があり、コントローラ604の取り扱いおよび操作を困難にする可能性がある。これは、コントローラ604をフレックス回路606に固定するときに特に問題になることが分かっている。
図10のブロック1002を参照し、なお
図11を参照すると、一実施形態において、1つまたは複数のコントローラ604を有するスーパーダイ1100が提供される。スーパーダイ1100は、スキャナの組み立て中にコントローラ604のためのフレームワークとして機能するように設計されている。そのため、コントローラ604は、犠牲領域1102によって離間される。いくつかの実施形態において、コントローラ604間の犠牲領域1102の量は、コントローラのフレックス回路に対する最終的な位置付けによって決定づけられる。1つのそのような実施形態において、スーパーダイ1100上でのコントローラ604のピッチ幅(すなわち、隣接するコントローラ間の間隔)は、コントローラ604のフレックス回路に対する取り付け位置のピッチ幅と同じである。組み立てをさらに補助するために、一実施形態において、犠牲領域1102は、スクライブライン、すなわち、犠牲領域1102の一部を除去するためにコントローラ604をダイシングするときに使用される領域を含む。
【0071】
犠牲領域1102はまた、コントローラ604に隣接する支持部材1104をも含んでもよい。支持部材1104は、処理中にコントローラ604の位置整合を維持し、コントローラ604および犠牲領域1102を形成する同じ基板の一部として形成されてもよい。支持部材1104はまた、コントローラ604のセットに解放可能に接着される別個の材料、たとえば、剛性材料であってもよい。一実施形態において、スーパーダイ1100は、すべてのコントローラ604に取り付けられる1つの支持部材1104を含む。代替の実施形態において、スーパーダイは、すべてのコントローラが少なくとも1つの他のコントローラに取り付けられるように、各々が2つ以上のコントローラ604に取り付けられる、2つ以上の支持部材1104を含む。いくつかの実施形態において、支持部材1104は、支持部材1104の除去を促進するための裂開接合部1110を含む。例示的な裂開接合部1110は、破断点を生成するように構成されている陥凹または薄くなった領域を含む。
【0072】
コントローラは、巻かれたスキャナアセンブリの中に組み込まれ得るため、マスタコントローラおよびスレーブコントローラの両方を含む制御回路604は、巻かれた形態におけるさらなる支持を提供するように成形されてもよい。そうするために、制御回路604は、隣接する制御回路604の端部とインターフェースするように構成されている端部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、制御回路604は、互いに噛み合う歯状部612aおよび612bを含む。たとえば、制御回路604は、ボックスジョイントまたはフィンガージョイントを形成するために、隣接する制御回路604の陥凹部および突起612bと互いに噛み合う陥凹部および突起612aを有して形成されてもよい。そのような実施形態において、犠牲領域1102の形状は、制御回路604の形状に対応するように構成されている。
【0073】
コントローラ604は、上記で開示したように、コントローラ604を基板に電気的に結合するためのコンタクトバンプ802を含んでもよい。図示されている実施形態において、制御回路604のコンタクトバンプ802は、封入エポキシが制御回路604とフレックス回路606との間の空隙を充填することを可能にするように構成されている。これによって、アンダーフィル材料の必要性をなくすことができ、製造時間および費用が節約され、材料接合および潜在的な破損点が回避される。
図11に示すもののようないくつかの実施形態において、コンタクトバンプ802は単一の軸(たとえば、軸810)に沿って整列される。これによって、制御回路604とフレックス回路606との間の封入エポキシの流れが改善され得る。
【0074】
図12は、
図11の軸1112に沿ってとられたモジュール1100の断面を示す。モジュール1100は、その上にトランスデューサ制御回路604が形成される基板1200を含む。基板1200は、それに対してトランスデューサ制御回路604を製造するのに使用されるもののような材料の層、パターン特徴部、および/または集積回路を製造するための処理が実行されるウェハ、半導体基板、または任意のベース材料であってもよい。半導体基板の例は、バルクシリコン基板、シリコンまたはゲルマニウム基板のような元素半導体基板、シリコンゲルマニウム基板のような化合物半導体基板、合金半導体基板、ならびに、ガラスおよび石英のような非半導体材料を含む基板を含む。コントローラ604を形成するための例示的な方法は、基板の上にパッド酸化物層を成長させること、化学気相成長によって窒化物層を堆積すること、トレンチを形成するための反応性イオンエッチング、シャロー・トレンチ・アイソレーション特徴部酸化物を成長させること、化学機械平坦化と、チャネルイオン注入、ゲート酸化物の形成、ポリシリコン堆積、ゲート構造を形成するためのエッチング、ソースドレイン注入、側壁スペーサの形成、自己整合シリサイドプロセス、1つまたは複数の相互接続層の形成、パッド層の形成、および/または当業者に既知の他の作製工程を含む。いくつかの事例において、コントローラ604を形成するための方法は、ゲート構造1202、シャロー・トレンチ・アイソレーション特徴部1204、導電層1206、絶縁体層1208、および/またはコンタクトバンプ802を生成する。一実施形態において、方法は、支持部材1104内に、コントローラ604に隣接する箇所において裂開接合部1110を形成することを含む。図示されている実施形態において、裂開接合部1110を形成することは、裂開接合部1110を画定するために基板1200および基板1200の上に形成される層のエッチングを実施することを含む。
【0075】
再び
図10を参照すると、ブロック1004において、犠牲領域1102の、支持部材1104に対応しない一部がスーパーダイから除去される。いくつかの事例において、犠牲領域1102は、化学エッチング(ウェットまたはドライエッチングなど)、レーザエッチング、機械的鋸引き、および/または他の適切なエッチングもしくは除去工程を含む工程によって除去される。いくつかの実施形態において、犠牲領域の除去は、スーパーダイ1100上にフォトレジスト層を形成すること、フォトレジスト層のフォトリソグラフィ露光を実施すること、露光されたフォトレジストのパターニング、および/またはパターン化フォトレジストに基づくスーパーダイ1100のエッチングを含む。一実施形態において、除去工程は、六フッ化硫黄のようなフッ素含有エッチャントを利用した1回または複数回の深掘り反応性イオンエッチング工程、および、パッシベーション層の1回または複数回の堆積を含む。
【0076】
図10のブロック1006および
図13を参照すると、その後、コントローラ604がユニットとして配置され、導電接着剤またははんだ付けなどによって、フレックス回路606に固定される。いくつかの実施形態において、フレックス回路606はコントローラ604をフレックス回路606に固定するように構成されているアンダーフィル材料を含む。残りの支持部材1104は配置中、コントローラ604の位置整合および間隔を維持する。一実施形態において、支持部材1104は、組み立てロボットのような自動ツールのための接触点を提供する。そのような実施形態の一例において、支持部材1104は、自動製造ツールによって把持される。ツールは、支持部材1104を利用してコントローラ604をフレックス回路606上に配置する。その後、コントローラ604はフレックス回路606に固定される。その後、自動製造ツールは支持部材1104を解放する。
【0077】
図10のブロック1008において、一実施形態では、コントローラ604がフレックス回路606に固定されると、支持部材1104がコントローラ604から除去される。支持部材1104を分離するための適切な方法は、物理力、ソーダイシング、機械的切断、レーザ切断、および他の適切な除去工程を含む。裂開接合部1110を有する支持部材1104を有する実施形態において、支持部材を分離することは、除去を容易にするために裂開接合部1110に沿って力を誘導することを含んでもよい。
図10のブロック1010において、フレックス回路606が最終的な組み立てのために最終加工設備に提供され、最終的な組み立ては、保持構造806を与えること、フレックス回路606を巻くか、もしくは他の様態で成形すること、封入エポキシ706を与えること、ケーブル112を取り付けること、および/またはスキャナ110をシールすることを含んでもよい。
【0078】
コントローラ604の適切な間隔および位置整合を保証するように設計されている犠牲領域と組み合わせて支持部材を利用することによって、スキャナの製造可能性が大きく向上する。たとえば、いくつかの実施形態において、スーパーダイ1100は、スキャナのより高速でより正確な組み立てを可能にする。これによって、効率が向上し、位置不整合誤差および収率損失が低減する。いくつかの実施形態において、スーパーダイ1100は、スキャナを組み立てるために自動ピック・アンド・プレース機器を使用することを可能にする。上述したように、支持部材1104は、いくつかの事例において、ピック・アンド・プレース機器のための接触点を提供する。製造精度が向上することによって、スーパーダイ1100がより小さい構成要素から組み立てられることも可能になる。これによって、スキャナ110およびIVUSカテーテル102の全体的な外径を低減することができる。
【0079】
ここで
図14〜
図22を参照して、超音波スキャナアセンブリ110のウェハベースの微細組み立ての方法1400を説明する。
図14は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリのウェハベースの微細組み立ての方法1400の流れ図である。方法の他の実施形態について、方法1400のステップの前、間、および後に追加のステップが設けられてもよく、記載されているステップのいくつかが置き換えられまたはなくされてもよいことが理解される。
図15は、本開示の一実施形態による微細組み立ての一段階における半導体デバイスの一部の上面図である。
図16〜
図22は、本開示の一実施形態による微細組み立ての方法1400の様々な段階における半導体デバイス1500の簡略側断面図である。本開示の要素を明瞭に示すことを可能にするために、
図15〜
図22は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。事実、様々な特徴の寸法は、説明を明瞭にするために任意に増大または低減されている場合がある。
図23は、本開示の一実施形態による微細組み立ての一段階における超音波スキャナアセンブリの一部の上面図である。明瞭にするために、
図15および
図23は、5個のコントローラ604しか示していない。しかしながら、本開示は、モジュールあたり4個、5個、8個、9個、16個、およびそれ以上のコントローラを含む、任意の数のコントローラを組み込んだスーパーダイを企図していることが理解される。
【0080】
図14のブロック1402および
図15を参照すると、犠牲領域1502および1つまたは複数のトランスデューサ210のために確保されている領域に対応する確保領域1504とともにトランスデューサ制御回路604を含む半導体デバイス1501が提供される。半導体デバイス1500は基板1501を含み、基板1501は、それに対してトランスデューサ制御回路604aおよび604bを含むトランスデューサ制御回路を製造するのに使用されるもののような材料の層、パターン特徴部、および/または集積回路を製造するための処理が実行されるウェハ、半導体基板、または任意のベース材料であってもよい。基板1501上でのコントローラ604の作製は、
図12を参照して説明したものと実質的に同様であってもよい。
【0081】
コントローラは、巻かれたスキャナアセンブリの中に組み込まれ得るため、マスタコントローラおよびスレーブコントローラの両方を含む制御回路604は、巻かれた形態におけるさらなる支持を提供するように成形されてもよい。そうするために、制御回路604は、隣接する制御回路604の端部とインターフェースするように構成されている端部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、制御回路604は、互いに噛み合う歯状部612aおよび612bを含む。たとえば、制御回路604は、ボックスジョイントまたはフィンガージョイントを形成するために、隣接する制御回路604の陥凹部および突起612bと互いに噛み合う陥凹部および突起612aを有して形成されてもよい。そのような実施形態において、犠牲領域1502の形状は、制御回路604の形状に対応するように構成されている。
【0082】
図14のブロック1404および
図16を参照すると、コントローラ604の外側境界を画定する第1の陥凹部1604を形成し、トランスデューサ210の最終的な所在を規定する確保領域1504内の第2の陥凹部1606を形成するために、犠牲領域1502内の基板1501にくぼみが付けられる。一実施形態において、第1の陥凹部1604および第2の陥凹部1606が接合される。さらなる実施形態において、位置整合構造1602を形成するために、犠牲領域1502の一部がエッチングされないままにされる。位置整合構造1602を利用することによって、のちの製造工程においてトランスデューサ210を迅速かつ正確に配置することが可能になる。犠牲領域1502は、化学エッチング(ウェットまたはドライエッチングなど)、レーザエッチング、機械的鋸引き、および/または他の適切なエッチングもしくは除去工程を含む工程によってくぼみを付けられる。いくつかの実施形態において、犠牲領域の除去は、基板1501上にフォトレジスト層を形成すること、フォトレジスト層のフォトリソグラフィ露光を実施すること、露光されたフォトレジストのパターニング、および/またはパターン化フォトレジストに基づく基板1501のエッチングを含む。一実施形態において、除去工程は、六フッ化硫黄のようなフッ素含有エッチャントを利用した1回または複数回の深掘り反応性イオンエッチング工程、および、パッシベーション層の1回または複数回の堆積を含む。
【0083】
図14のブロック1406および
図17を参照すると、第1の陥凹部1604および第2の陥凹部1606に、弾性材料1702が充填される。エッチング領域を充填するための例示的な弾性材料は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。一実施形態において、充填の実施後、基板上に回路構造が形成される。たとえば、
図14のブロック1408および
図18を参照すると、相互接続層1802を形成するために金属化工程が実施される。いくつかの実施形態において、金属化は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、および/またはスズのような導電性材料の層を形成すること、ならびにその後、パターニング方法を利用して導電層をパターニングすることを含む。そのようなパターニング方法の例は、エッチング(ウェットまたはドライエッチングなど)と組み合わせたフォトリソグラフィ(バイナリフォトリソグラフィ、位相シフトフォトリソグラフィ、およびマスクレスフォトリソグラフィなど)、および、電子ビームライティング、イオンビームライティング、および/または他の代替的なパターニング技法のような方法を含む。代替の実施形態において、金属化工程は、ポリイミドまたは半導体窒化物レジスト層のようなレジスト層を堆積すること、レジスト層をパターニングすること、パターン化レジスト層に導電性材料を被着させること、および、その後、被着された導電性材料を平坦化することを含む。このタイプの金属化工程は、当業者にはダマシン金属化と認識される場合がある。
【0084】
図14のブロック1410および
図19を参照すると、柔軟なフィルム1902が相互接続層1802の上に形成される。様々な実施形態において、柔軟なフィルム1902は、KAPTON(商標)(DuPontの商標)のような可撓性ポリイミド材料、他のポリイミドフィルム材料、ポリエステルフィルム材料、ポリエーテルイミドフィルム材料、および/または他の可撓性プリント回路基板を含む。一実施形態において、グランド層1904を形成するために導電性材料が柔軟な基板の上に形成される。いくつかの実施形態において、グランド層1904の上に外側絶縁層1906が形成される。外側絶縁層1906のための材料は、それらの生体適合性、耐久性、親水もしくは疎水特性、低摩擦特性、超音波透過性、および/または他の適切な基準で選択されてもよい。いくつかの事例において、相互接続層1802、柔軟なフィルム1902、グランド層1904、および外側絶縁層1906は、
図6を参照して説明したフレックス回路606と実質的に同じ機能を実施する。
【0085】
図14のブロック1412および
図20aを参照すると、ウェハ薄化工程が、
図19および
図20において見たときの基板1501の底部または裏面から半導体基板1501の一部を除去する。薄化は、機械的研磨、ウェットもしくはドライエッチング、化学機械研磨、および/または他の除去工程を含んでもよい。一実施形態において、ウェハ薄化工程は、基板1501の機械的研磨を含む。機械的研磨は、研磨力を使用して基板材料を除去する。別の実施形態において、ウェハ薄化工程は、化学機械研磨(CMP)を含む。例示的なCMP工程において、研磨パッドが回転プラテンに設置される。NH
4OHのような反応性化合物のスラリならびに/またはシリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、およびセリア(CeO
2)のような研磨粒子が研磨パッドに施される。CMPチャック内に固定された基板1501が、プラテンおよびCMPチャックが回転するときに、研磨パッドに押し付けられる。スラリ中の反応物が基板1501の表面内の原子結合を緩め、その間、機械的研磨によって緩んだ材料が除去される。CMPは一般的に、純粋な機械的研磨よりも低速であるが、基板1501に対して与える損傷がより少ない。
【0086】
図14のブロック1414および
図20bを参照すると、弾性材料1702が除去される。したがって、いくつかの事例において、柔軟なフィルム1902および/または相互接続層1092がデバイスの裏面から露出される。コントローラ604は柔軟なフィルム1902に取り付けられたままであり、位置整合構造1602を利用する実施形態において、位置整合構造1602も同様に取り付けられたままである。
図14のブロック1416および
図21を参照すると、トランスデューサアレイ602の超音波トランスデューサ210が、弾性材料1702が取り除かれた確保領域1504内で柔軟なフィルム1902に取り付けられる。トランスデューサ210を固定して取り付けるために、はんだ付け、化学的接着、および他の方法が使用されてもよい。位置整合構造1602を含む実施形態において、トランスデューサ210を柔軟なフィルム1902上の適所に誘導するために、位置整合構造1602が使用される。
図14のブロック1418および
図22を参照すると、取り付けられた基板1501の、コントローラ604と関連付けられていない残りの領域が除去される。
図23から、コントローラ604、トランスデューサ210、柔軟なフィルム1902、および相互接続層1802が巻かれていない形態のスキャナ110を構成することが見てとれる。ブロック1420を参照すると、巻かれていないスキャナ110が巻きおよび最終的な製造に供される。
【0087】
スキャナ110の作製に微細組み立てを利用することによって収率が向上し、製造時間が低減し、および/またはより小さいデバイス幅にスケーリングすることが可能になり得る。たとえば、基板上に相互接続1802を直接形成することによって、製造者が、半導体製造において使用されているもののような、より精密な基板ベースの金属化工程を使用することが可能になる。これによって、相互接続幅、厚さ、位置、およびピッチに対する制御が強化される。さらに、コントローラの製造に使用される基板1501王に相互接続1802および柔軟なフィルム1902を直接形成することによって、本開示のそのような方法は、要素をフレックス回路606に接合するときに位置整合問題が導入されることを回避する。位置整合問題は、収率に影響を与え、製造複雑度を増大させ、より小さい構成要素を利用することを妨げる。加えて、トランスデューサ210を配置するのに位置整合構造1602を利用する実施形態は、位置整合問題の別の発生源を軽減する。その上、コントローラ604上に相互接続1802を直接形成することによって、そうでなければ潜在的な収率損失および故障点を呈するおそれがあるはんだ接合がなくなる。
【0088】
IVUSカテーテル102を利用する方法2400を、
図24および
図25を参照して開示する。
図24は、本開示の一実施形態によるIVUSカテーテル102を利用する方法の流れ図である。方法の他の実施形態について、方法2400のステップの前、間、および後に追加のステップが設けられてもよく、記載されているステップのいくつかが置き換えられまたはなくされてもよいことが理解される。
図25は、本開示の一実施形態による動作時のIVUSシステムの概略図である。
【0089】
図24のブロック2402および
図25を参照すると、システムの一般的な環境および応用形態の説明例において、外科医は、血管構造120内にガイドワイヤ118を配置する。ガイドワイヤ118は、ガイドワイヤ118の配置の前、間、または後のいずれかにおいてIVUSカテーテル102の遠位端の少なくとも一部を通じて通される。
図24のブロック2404を参照して、ガイドワイヤ118が適所に置かれると、IVUSカテーテル102がガイドワイヤを通じて進められる。ブロック2406を参照すると、スキャナ110が起動される。PIM104からケーブル112を介してスキャナ110へと送信される信号が、アセンブリ110内のトランスデューサに、指定の超音波波形を放出させる。超音波波形は血管構造120によって反射される。
図24のブロック2408を参照すると、反射がスキャナアセンブリ110内のトランスデューサによって受信され、ケーブル112を介して送信するために増幅される。エコーデータがケーブル112上に置かれ、PIM104に送信される。PIM104はいくつかの事例において、エコーデータを増幅し、および/または、予備前処理を実施する。
図24のブロック2410を参照すると、PIM104はエコーデータをIVUSコンソール106に再送信する。
図24のブロック2412を参照すると、IVUSコンソール106は受信したエコーデータを集約およびアセンブルして、モニタ108上に表示するための血管構造120の画像を作成する。いくつかの例示的な応用形態において、IVUSカテーテルは画像化されるべき血管構造120の領域を越えて進められ、スキャナ110が動作しているときに引き戻され、それによって、血管構造120長手方向部分が露出および画像化される。一定の速度を保証するために、いくつかの事例においてプルバック機構が使用される。一般的な後退速度は0.5mm/sである。いくつかの実施形態において、デバイス102は、膨脹可能バルーン部分122を含む。処置手技の一部として、デバイスは、血管構造120内の狭窄(狭い区画)または閉塞性プラークに隣接して位置付けられ、血管構造120の制約された領域を拡げる試みにおいて膨脹してもよい。
【0090】
上記で説明した装置、システム、および方法は、様々な方法で修正することができることを、当業者は認識しよう。したがって、本開示によって包含される実施形態は、上述した特定の例示的な実施形態には限定されないことを、当業者は諒解しよう。それに関連して、例示的な実施形態が図示および説明されているが、広範囲の修正、変更、および置換が上記の開示に置いて企図されている。本開示の範囲から逸脱することなく、そのような変形を上記に対して行うことができることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は広範に、本開示と一致するように解釈されることが諒解される。