(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法において、前記少なくとも1つの画像マスクが、前記少なくとも1つの体内部位の範囲内にある及び/又はそれに近接している標的神経組織の位置を定義するテンプレートに基づき生成されることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、標的神経組織を含まない解剖学的領域から、前記標的神経組織を含まない領域の前記解剖学的データに基づきノイズを示す機能的データを除去するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、さらに、少なくとも1つの所定の規則に基づいて前記標的組織を同定するステップを含み、これは、放射性標識トレーサーの活性レベルと、前記体内部位にわたる放射性標識トレーサーの活性レベルの平均値及び/又は標準偏差とを比較することを含むことを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記画像マスクが3Dボリューム又は2Dエリアのマッピングであり、当該マッピングは前記解剖学的画像のボリューム又はエリアを前記対応する機能的画像と相関付けるものであることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記解剖学的画像を種々のセグメントにセグメンテーションし、当該種々のセグメントを処理してこれらのセグメントのための前記画像マスクを生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記機能的データと相関付けられる前記少なくとも1つの画像マスク内で機能活性を計算するステップと、前記計算された機能活性を正規化するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、治療及び診断の一方又は両方のため、前記再構成された機能的画像をナビゲーションシステムにロードするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一部の実施形態において、患者の生体内ボリュームの機能的イメージングモダリティから得られた機能的画像に基づき所望の形状の物体(例えば、組織、神経、癌)の位置を決定するための方法及びシステムが提供される。任意選択で、機能的画像が解剖学的画像と組み合わされ、その組み合わされた画像に基づき神経組織の位置が決定される。任意選択で、所望の形状の物体は隣接組織のモデルを使用して検出される。
【0008】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、身体構造の画像に関する医用画像処理方法が提供され、本方法は、患者の体のある領域の解剖学的画像を再構成するため解剖学的データを受け取るステップであって、前記領域が、標的組織に接するか又はそれと離間した少なくとも1つの体内部位の一部分を含むステップと;患者の体の領域の少なくとも前記一部分をイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的データを受け取るステップと;前記少なくとも1つの体内部位の壁の外側にあるゾーンに対応する少なくとも1つの画像マスクが生成されるように前記解剖学的画像を処理するステップと;前記標的組織を描出する機能的画像の再構成をガイドするため少なくとも1つの生成された画像マスクを機能的データと相関付けるステップと;再構成された機能的画像を提供するステップとを含む。
【0009】
任意選択で、標的組織は神経組織である。
【0010】
任意選択で、解剖学的データは解剖学的イメージングモダリティから得られる。
【0011】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、機能的データ内にレジスタリングされる強度活性を有する標的神経組織を含む少なくとも1つの体内部位の予め選択された解剖学的考慮事項に基づき生成される。
【0012】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、少なくとも1つの体内部位の範囲内にある及び/又はそれに近接している標的神経組織の位置を定義するテンプレートに基づき生成される。
【0013】
任意選択で、本方法は、標的神経組織を含まない対応する解剖学的データからの機能的データ読取り値に基づき画像マスクの形状を調整するステップをさらに含む。
【0014】
任意選択で、画像マスクは、放射性薬剤に対して種々のレベルの機能的感受性を有する標的神経構造の解剖学的位置に基づき生成される。
【0015】
任意選択で、本方法は、標的神経組織の活性を示す測定値に基づき機能的データを正規化するステップをさらに含む。
【0016】
任意選択で、本方法は、標的神経組織を含まない解剖学的領域から、標的神経組織を含まない領域の解剖学的データに基づきノイズを示す機能的データを除去するステップをさらに含む。
【0017】
任意選択で、再構成された機能的画像は、標的神経構造が位置する領域及び/又は標的神経構造の正確な座標を含む。
【0018】
任意選択で、1つは身体構造の壁用、もう1つは身体構造の壁の外側用の、2つの画像カッターであって、互いに異なる2つの画像カッターがある。
【0019】
任意選択で、本方法は、標的神経を組織型と相関付けるステップをさらに含む。
【0020】
任意選択で、本方法は、少なくとも1つの所定の規則に基づき標的神経構造を同定するステップをさらに含む。
【0021】
任意選択で、少なくとも1つの所定の規則は、2D又は3Dサイズより大きいことを含む。
【0022】
任意選択で、少なくとも1つの所定の規則は、少なくとも:臓器ボリューム、画像マスクの範囲内のうちの1つの全体にわたる分子活性レベルの平均値及び/又は標準偏差と比較される放射標識分子活性レベルを比較することを含む。
【0023】
任意選択で、放射標識分子はメタヨードベンジルグアニジン(mIBG)である。
【0024】
任意選択で、本方法は、同定された標的神経構造に関する少なくとも1つのパラメータを計算するステップをさらに含む。
【0025】
任意選択で、画像マスクは、解剖学的画像のボリューム又はエリアを対応する機能的画像と相関付けるための、3Dボリューム又は2Dエリアのマッピングである。
【0026】
任意選択で、機能的イメージングモダリティは単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)モダリティである。
【0027】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティは、コンピュータ断層撮影(CT)、3D超音波(US)、2D US、磁気共鳴画像法(MRI)を含む群から選択される。
【0028】
任意選択で、本方法は、解剖学的画像と機能的画像とのレジストレーションに画像マスクを適用するステップをさらに含む。
【0029】
任意選択で、本方法は、解剖学的画像を種々の領域にセグメンテーションするステップであって、それによりセグメンテーションされた領域内に種々のGPを検出するための画像マスクを生成するステップをさらに含む。
【0030】
任意選択で、本方法は、セグメントに基づき少なくとも1つの画像マスクを生成するステップをさらに含む。
【0031】
任意選択で、神経を含む体内部位の構造の異なる部分に対応するように複数の異なる画像マスクセットが生成される。
【0032】
任意選択で、異なるタイプの及び/又は異なる位置にある異なる神経構造を検出するため複数の画像マスクが生成される。
【0033】
任意選択で、本方法は、機能的データと相関付けられる少なくとも1つの生成された画像マスク内で機能活性を計算するステップと、計算された機能活性を正規化するステップとをさらに含む。
【0034】
任意選択で、本方法は、治療及び診断の一方又は両方のため、再構成された機能的画像をナビゲーションシステムにレジスタリングするステップをさらに含む。
【0035】
任意選択で、本方法は、神経構造間の相対的空間関係を示す同定された神経構造の空間的接続マップを生成するステップをさらに含む。
【0036】
任意選択で、本方法は、異なる画像マスクに基づき同定された神経構造を、少なくとも一部の同定された神経構造の単一のデータセットとなるように組み合わせるステップをさらに含む。
【0037】
任意選択で、解剖学的画像は、神経の神経支配を受ける組織の構造を示す。
【0038】
任意選択で、機能的画像は、組織構造を神経支配する神経の機能活性を示す。
【0039】
任意選択で、画像マスクのサイズ及び形状は、組織構造を神経支配する標的神経を含むように生成される。
【0040】
任意選択で、相関付けるステップは、機能的画像内における標的神経組織の領域と一致するように少なくとも1つの画像マスクを位置決めするステップをさらに含む。
【0041】
任意選択で、本方法が異なる時間フレームについて繰り返され、単一の再構成画像が生成される。
【0042】
任意選択で、解剖学的画像が周期性の生理学的過程の間に入手され、ここで生理学的過程の異なる段階の間に入手された画像について異なる時空間画像マスクが生成され、異なる時空間画像マスクは組織の同じ位置に対応するように生理学的過程と同期される。
【0043】
任意選択で、周期性の生理学的過程の間に入手された解剖学的画像はレジスタリングされ、モーフィングされて、単一の画像マスクセットが生成される。
【0044】
任意選択で、中空臓器に関する画像マスクのサイズは臓器壁の厚さに基づき選択される。
【0045】
任意選択で、本方法は組織のアブレーション治療の前に実施され、それにより組織の位置が同定される。
【0046】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、心臓のANSの神経組織の画像に関する医用画像処理方法が提供され、この方法は、ANSの神経支配を受ける心臓構造の解剖学的画像を再構成するため解剖学的画像データを受け取るステップと;ANSの神経支配を受ける心臓構造を少なくともイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的データを受け取るステップと;解剖学的画像を処理することにより少なくとも1つの画像マスクを選択するステップであって、少なくとも1つの画像マスクが神経組織を含む心腔壁の寸法に対応するステップと;GPを描出する機能的画像の再構成をガイドするため機能的データに少なくとも1つの選択された画像マスクを適用するステップと;再構成された機能的画像を提供するステップとを含む。
【0048】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは心臓壁腔と比較して過大である。
【0049】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、機能的データ内にレジスタリングされる強度活性を有する標的神経組織を含む心臓の予め選択された解剖学的領域に基づき生成される。
【0050】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、心腔壁に近接したGPの位置を定義するテンプレートに基づき生成される。
【0051】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、心腔壁内のGPの位置を定義するテンプレートに基づき生成される。
【0052】
任意選択で、少なくとも1つの画像マスクは、心腔壁から約2mm超に位置するGPの位置を定義するテンプレートに基づき生成される。
【0053】
任意選択で、本方法は、GPを含まない血液腔及び/又は血液管の対応する解剖学的データからの機能的データ読取り値に基づき画像マスクの形状を調整するステップをさらに含む。
【0054】
任意選択で、本方法は、血液が充満した心臓の腔及び/又は管の内部から解剖学的データに基づきノイズを示す機能的データを削除するステップをさらに含む。
【0055】
任意選択で、機能的イメージングモダリティがSPECTであり、且つ解剖学的イメージングモダリティがCT及びMRIの少なくとも一方である。
【0056】
任意選択で、解剖学的画像は心周期の間に入手され、ここで心周期の間に入手された少なくとも一部の画像に異なる時空間画像マスクが選択され、異なる時空間画像マスクは、心臓の同じ位置に対応するように心周期と同期される。
【0057】
任意選択で、解剖学的画像は、拡張末期容積画像及び収縮末期容積画像から構成される平均画像である。
【0058】
任意選択で、本方法は、解剖学的画像を心腔の壁にセグメンテーションするステップをさらに含む。
【0059】
任意選択で、本方法は、心腔壁セグメントに基づき少なくとも1つの画像マスクを選択するステップをさらに含む。
【0060】
任意選択で、心外膜及び心筋外組織に対応するように第1の画像マスクセットが選択され、及び心筋に対応するように第2の画像マスクセットが選択される。
【0061】
任意選択で、本方法は、相関付けられた画像マスク内での機能活性を計算するステップと、計算された活性を正規化してGPを同定するステップとをさらに含む。
【0062】
任意選択で、心臓のボリューム内にある全ての画像マスクについて機能活性が計算される。
【0063】
任意選択で、本方法は、GPが所定のサイズより大きいことを含む少なくとも1つの所定の規則に基づきGPを同定するステップをさらに含む。
【0064】
任意選択で、心外膜内に位置する心外膜GPと、心筋内に位置する心筋GPとで所定のサイズは異なる。
【0065】
任意選択で、本方法は、計算された活性が所定の閾値を上回ることを含む少なくとも1つの所定の規則に基づきGPを同定するステップをさらに含む。
【0066】
任意選択で、所定の閾値は、画像マスク内の平均活性計算値を画像マスク内の活性の標準偏差計算値の所定倍数だけ上回る値に基づき、活性領域を取り囲む隣接活性計算値は、活性領域の活性の半分未満である。
【0067】
任意選択で、本方法は、同定されたGPに関する少なくとも1つのパラメータを計算するステップをさらに含む。
【0068】
任意選択で、少なくとも1つのパラメータは、平均サイズ、比活性、パワースペクトル、正規化されたパワースペクトル及びGP接続マップ、所定面積当たりのGPの数のうちの1つ以上から選択される。
【0069】
任意選択で、心周期の少なくとも1つの画像について少なくとも1つのパラメータが計算される。
【0070】
任意選択で、本方法は、少なくとも1つのパラメータの経時的変化を同定するステップをさらに含む。
【0071】
任意選択で、本方法は、同定されたGP、心周期の複数のフレームの少なくとも1つの画像を表示するステップをさらに含む。
【0072】
任意選択で、本方法は、同定されたGPを治療用ナビゲーションシステムにレジスタリングするステップをさらに含む。
【0073】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、1つ以上のANS成分の画像に関する医用画像処理方法であって、本方法のステップを実行するようにプログラムされた少なくとも1つのモジュールによって実行される方法が提供され、この方法は、患者の体のある領域の解剖学的画像を再構成するため解剖学的イメージングモダリティから解剖学的データを受け取るステップであって、前記領域が、ANS成分に接するか又はそれを含む少なくとも1つの体内部位の一部分を含むステップと;患者の体の領域の少なくとも前記一部分をイメージングした機能的イメージングモダリティから機能的データを受け取るステップと;前記少なくとも1つの体内部位の寸法に対応する寸法を有する少なくとも1つの画像マスクが生成されるように前記解剖学的画像を処理するステップと;前記ANS成分を描出する機能的画像を再構成するため機能的データに少なくとも1つの生成された画像マスクを適用するステップと;機能的画像において1つ以上のANS成分を同定するステップとを含む。
【0074】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、心臓のANSのGPの画像に関する医用画像処理方法であって、本方法のステップを実行するようにプログラムされた少なくとも1つのモジュールによって実行される方法が提供され、この方法は、ANSの神経支配を受ける心臓構造の解剖学的画像を再構成するため解剖学的イメージングモダリティから解剖学的画像データを受け取るステップと;ANSの神経支配を受ける心臓構造を少なくともイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的データを受け取るステップと;解剖学的画像を処理することにより少なくとも1つの画像マスクを生成するステップであって、少なくとも1つの画像マスクがGPを含む心腔壁の寸法に対応するステップと;心臓のANSの1つ以上のGPの位置を決定するため機能的データに少なくとも1つの選択された画像マスクを適用するステップとを含む。
【0075】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、機能的イメージングモダリティを使用して心臓治療をガイドする方法が提供され、この方法は、心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを提供するステップであって、患者は、心臓の自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されており、ANSは少なくとも1つのGPを含む、ステップと;機能的イメージングモダリティデータに基づき、心臓を神経支配する少なくとも1つのGPの位置を決定するステップと;位置が決定された少なくとも1つのGPを提供するステップとを含む。
【0076】
任意選択で、ANSは、左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、右下GP(IRGP)、及びマーシャルGPのうちの1つ以上を含む少なくとも1つのGPを含む。
【0077】
任意選択で、ANSは、左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、右下GP(IRGP)、及びマーシャルGPのうちの2つ又は3つ又はそれ以上からの2つ、3つ又はそれ以上のGPを含む。
【0078】
任意選択で、本方法は、位置が決定された少なくとも1つのGPの不適切な活性に基づき心疾患を治療するため、位置が決定された少なくとも1つのGPのアブレーション用システムをセットアップするステップをさらに含む。
【0079】
任意選択で、心疾患は心房細動を含む。
【0080】
任意選択で、治療用又は他の診断用EPカテーテルに対するGPの位置を表示するため、位置が決定されたGPの座標が生体内ナビゲーションシステムにロードされる。
【0081】
任意選択で、CARTO(登録商標)システムの治療用カテーテルに対するGPの位置を表示するため、位置が決定されたGPの座標がCARTO(登録商標)システムにロードされる。
【0082】
任意選択で、本方法は、CARTO(登録商標)システムに基づき患者体内でカテーテルをナビゲートするステップをさらに含む。
【0083】
任意選択で、本方法は、CARTO(登録商標)システムに基づきGPアブレーションの治療ポイントを機能的に検証するステップをさらに含む。
【0084】
任意選択で、本方法は、位置が決定されたGPをCARTO(登録商標)システムでアブレーションするステップをさらに含む。
【0085】
任意選択で、本方法は、GPのアブレーションをCARTO(登録商標)システムで確認するステップをさらに含む。
【0086】
任意選択で、位置を決定するステップは、機能的イメージングモダリティデータに基づき心臓の脂肪パッド又は他の周囲組織において少なくとも1つのGPの位置を決定するステップを含む。任意選択で、システムをセットアップするステップは、周囲の脂肪パッドの大部分をアブレーションすることなしに脂肪パッド内の少なくとも1つのGPをアブレーションするためシステムをセットアップするステップを含む。
【0087】
任意選択で、本方法は、心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的画像モダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを取得するステップをさらに含み、ここで位置を決定するステップは、機能的イメージングモダリティデータ及び解剖学的イメージングモダリティデータのレジストレーションに基づき心臓の生体内ボリュームにおける又は生体内ボリュームに隣接する少なくとも1つのGPの位置を決定するステップを含む。
【0088】
任意選択で、本方法は、位置が決定された少なくとも1つのGPを解剖学的イメージングモダリティデータ上にマーキングするステップをさらに含む。
【0089】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティデータが蛍光透視による治療手技中にリアルタイムで取得され、位置を決定するステップが、CTによる治療手技の前に及び/又はその最中にリアルタイムで実施され、及び少なくとも1つのGPの位置が、治療手技を実施している操作者に提示される。
【0090】
任意選択で、本方法は、ANSシナプス及びGPの一方又は両方の分布及び/又は活性を含むANSマップを生成するステップと、表示のためANSマップを提供するステップとをさらに含む。
【0091】
任意選択で、ANSマップは、再構成された解剖学的画像及びCARTO(登録商標)マッピング画像と同じスペース内において、心臓内の治療プローブ又はイメージングプローブを含む心臓の再構成された解剖学的画像上にオーバーレイされる。
【0092】
任意選択で、位置を決定するステップは、連続性分裂心房電位(CFAE)部位と収縮力(CF)部位との間の共通部分を同定するステップを含み、ガイドするステップは、この共通部分のアブレーションをガイドするステップを含む。
【0093】
任意選択で、位置を決定するステップは、連続性分裂心房電位(CFAE)部位とドミナント周波数(DF)部位との間の共通部分を同定するステップを含み、ガイドするステップは、この共通部分のアブレーションをガイドするステップを含む。
【0094】
任意選択で、位置を決定するステップは、連続性分裂心房電位(CFAE)部位と少なくとも1つのGPとの間の共通部分を同定するステップを含み、ガイドするステップは、この共通部分のアブレーションをガイドするステップを含む。
【0095】
任意選択で、位置を決定するステップは、連続性分裂心房電位(CFAE)部位とドミナント周波数(DF)と少なくとも1つのGPとの間の共通部分を同定するステップを含み、ガイドするステップは、この共通部分のアブレーションをガイドするステップを含む。
【0096】
任意選択で、位置を決定するステップは、連続性分裂心房電位(CFAE)部位と収縮力(CF)部位と少なくとも1つのGPとの間の共通部分を同定するステップを含み、ガイドするステップは、この共通部分のアブレーションをガイドするステップを含む。
【0097】
任意選択で、位置を決定するステップは、少なくとも1つのGPをイメージングするステップと、位置が決定されたGPの周りをマッピングしてGPの位置を検証するステップとを含む。
【0098】
任意選択で、本方法は、患者が心臓ANSの不適切な活性を受けているという仮説に基づき患者を選択するステップをさらに含む。
【0099】
任意選択で、取得するステップは、少なくとも1つの心周期の間にデータ複数フレームを含むように取得するステップと、単一画像を再構成するステップとを含む。
【0100】
任意選択で、本方法は、心臓に対するアブレーションの効果をモニタするステップをさらに含む。
【0101】
任意選択で、本方法は、生成されたANSモデルに基づきアブレーションの効果を確認するステップをさらに含む。
【0102】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、患者の心臓の画像内でANS組織を同定するシステムが提供され、このシステムは、心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを受け取るモジュールであって、患者は、心臓の自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されており、ANSは少なくとも1つのGPを含む、モジュールと;心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的イメージングモダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを受け取るモジュールと;機能的イメージングモダリティデータに基づき、心臓を神経支配する少なくとも1つのGPの位置を決定するモジュールと;位置が決定された少なくとも1つのGPを解剖学的イメージングデータ上に位置付けるモジュールとを含む。
【0103】
任意選択で、ANSは、左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、右下GP(IRGP)、及びマーシャルGPのうちの1つ以上を含む少なくとも1つのGPを含む。
【0104】
任意選択で、ANSは、左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、右下GP(IRGP)、及びマーシャルGPのうちの2つ又は3つ又はそれ以上からの2つ、3つ又はそれ以上のGPを含む。
【0105】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティデータは治療手技の前及び/又はその最中に受け取られる。
【0106】
任意選択で、本システムはカテーテル心臓ナビゲーションシステムをさらに含み、カテーテル心臓ナビゲーションシステムは、位置決定された神経組織を受け取り表示することにより、神経組織のアブレーションのため心臓内で生体内治療プローブをガイドする。
【0107】
任意選択で、カテーテル心臓ナビゲーションシステムはCARTO(登録商標)である。
【0108】
任意選択で、カテーテル心臓ナビゲーションシステムは3D電気生理学的(EP)システムである。
【0109】
任意選択で、本システムは、心臓内での神経組織のアブレーション用生体内治療プローブをさらに含む。
【0110】
任意選択で、生体内治療プローブは、高周波(RF)治療プローブ、冷凍外科手術治療プローブ、及び毒素又は薬物を注入するプローブのうちの少なくとも1つである。
【0111】
任意選択で、本システムは、イメージングされた神経組織の分布を1つ以上の予想分布セットと比較し、且つ比較に基づき異常なシナプス分布及び/又は活性を検出するための診断モジュールをさらに含む。
【0112】
任意選択で、本システムは、イメージングされた神経組織の分布の経時的変化をトラッキングするトラッキングモジュールをさらに含む。
【0113】
任意選択で、本システムは、生成されたANSモデル及び診断のうちの少なくとも一方を保存するリポジトリをさらに含む。
【0114】
任意選択で、本システムは、機能的画像の測定された取込みに基づきアブレーション手技の成功の予測を推定するモジュールをさらに含む。
【0115】
任意選択で、本システムは、使用者から手動入力を受け取るユーザ入力要素と、受け取った手動入力に基づき、位置決定された神経組織に注釈を付ける治療計画モジュールとをさらに含む。
【0116】
任意選択で、本システムは、特定の生体内エリアにおける神経組織を刺激すること、及び刺激に応答した1つ以上の神経応答を同定することのうちの少なくとも一方のための機能検証モジュールをさらに含む。
【0117】
任意選択で、本システムは、生成されたANSモデルに基づき治療後の神経組織の刺激の効果を治療前の神経組織の刺激の効果と比較して治療を確認するモジュールをさらに含む。
【0118】
任意選択で、本システムのモジュールは分散している。
【0119】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、患者の心臓の画像内においてANS成分を同定するためのシステムが提供され、このシステムは、心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを受け取るため(患者は、心臓の自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されており、ANSは、左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、右下GP(IRGP)、及びマーシャルGPのうちの1つ以上を含む少なくとも1つのGPを含む);心臓を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的イメージングモダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを受け取るため;及び機能的イメージングモダリティデータ及び解剖学的イメージングモダリティデータに基づき心臓の生体内ボリュームにおいて少なくとも1つのGPの位置を決定するための少なくとも1つのモジュールを含む。
【0120】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、神経組織をイメージングする方法が提供され、この方法は、身体部位を有する患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを取得するステップであって、患者は、自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されている、ステップと;機能的イメージングモダリティデータに基づき生体内ボリュームにおける神経組織の位置を決定するステップとを含む。
【0121】
任意選択で、本方法は、活性レベルを有する位置決定された神経組織に基づきANSの画像を生成するステップをさらに含む。
【0122】
任意選択で、画像は、位置決定された神経組織の活性レベルを示す。
【0123】
任意選択で、本方法は、位置決定された神経組織の不適切な活性に基づき疾患を治療するための位置決定された神経組織の治療用システムをセットアップするステップをさらに含む。
【0124】
任意選択で、本方法は、身体部位を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的画像モダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを取得するステップをさらに含み、ここで位置を決定するステップは、機能的イメージングモダリティデータ及び解剖学的イメージングモダリティデータに基づき心臓の生体内ボリュームにおける神経組織の位置を決定するステップを含む。
【0125】
任意選択で、本方法は、位置決定された神経組織を解剖学的イメージングモダリティデータ上に位置付けるステップをさらに含む。
【0126】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティデータが治療手技中にリアルタイムで取得され、位置を決定するステップが治療手技の前に及び/又はその最中にリアルタイムで実施され、及び神経組織の位置が治療手技を実施している操作者に提示される。
【0127】
任意選択で、位置を決定するステップは、最大直径が1〜20mmのサイズの、ANSの少なくとも1つの神経節叢(GP)の位置を決定するステップを含む。
【0128】
任意選択で、位置を決定するステップは、最大直径が1〜20mmのサイズの、ANSの少なくとも2つの神経節叢(GP)の位置を決定するステップを含む。
【0129】
任意選択で、本方法は、ANSシナプス及びGPの一方又は両方の分布及び/又は活性を含むANSマップを生成するステップと、表示のためANSマップを提供するステップとをさらに含む。
【0130】
任意選択で、本方法は、ANSマップを、神経組織を含む臓器の画像表現とオーバーレイするステップをさらに含む。
【0131】
任意選択で、本方法は、患者を診断するステップをさらに含み、診断するステップが、臓器に関するシナプス及び/又は神経節の活性及び分布の一方又は両方に基づき、臓器に対するANSの効果を推定するステップを含む。
【0132】
任意選択で、本方法は、ANSをその画像と連動して刺激するステップと、刺激及びイメージングに基づき求心性活性と遠心性活性とを区別するステップとをさらに含む。
【0133】
任意選択で、本方法は、治療前、治療中及び/又は治療後に、臓器に関するシナプス及び/又は神経節の活性及び分布の一方又は両方に基づき自律神経系及び/又は臓器の効果又は効果及び/又は応答の変化を推定するステップをさらに含む。
【0134】
任意選択で、本方法は、臓器に関連するデータに基づき神経組織シナプス及び/又は神経支配を同定する臓器の構造のモデルに従い機能的イメージングモダリティデータを空間的位置に割り当てるステップをさらに含む。
【0135】
任意選択で、本方法は、参照動態学的挙動の生体内ボリュームにおいて少なくとも1つの領域をマッピングするマッピング関数を提供するステップと、生体内ボリュームにおける神経組織の位置を決定するため機能的データにマッピング関数を適用するステップとをさらに含む。
【0136】
任意選択で、本方法は、参照取込み値に関連する神経応答を惹起するため患者の生体内ボリュームにおける神経組織を刺激するステップと、神経応答中に、生体内ボリュームをイメージングする機能的モダリティから機能的データを取得するステップと、参照取込み値に従い生体内ボリュームにおける神経組織の位置を特定するステップとをさらに含む。
【0137】
任意選択で、本方法は、患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的イメージングモダリティから解剖学的データを取得するステップと、機能的データ及び解剖学的データの両方に基づき生体内ボリュームにおける標的神経組織の位置を特定するステップとをさらに含む。
【0138】
任意選択で、本方法は、臓器の参照取込み率を表す参照値との一致に従い生体内エリアにおける少なくとも1つの目的の領域(ROI)を同定するステップをさらに含む。
【0139】
任意選択で、位置を特定するステップは、参照値との一致に基づき機能的データにおける生体内ボリュームの表現の少なくとも一部をフィルタリングするステップを含む。
【0140】
任意選択で、位置を特定するステップは、生体内ボリュームにおける少なくとも1つの目的の領域(ROI)を同定するため機能的データからのデータを分析するステップを含み、分析するステップは生体内ボリュームの解剖学的構造の三次元(3D)モデルに基づく。
【0141】
任意選択で、位置を特定するステップは、機能的データのそれぞれの位置の分析に基づき少なくとも1つの解剖学的目印を同定するステップであって、それにより解剖学的画像にレジスタリングするステップを含む。
【0142】
任意選択で、位置を特定するステップは、生体内エリアの少なくともある領域における造影剤の所定の動的挙動パターンを同定するステップを含む。
【0143】
任意選択で、本方法は、医学的治療の標的として生体内エリアにおけるサブ領域を標的化するステップをさらに含む。
【0144】
任意選択で、機能的データは、患者に提供される治療の前、その最中、その後、及び/又はその後に捕捉される。
【0145】
任意選択で、本方法は、生体内ボリュームにおける生体内治療プローブの位置を取得するステップと、医療手技中に操作者に機能的データ及びプローブ位置の両方を提示するステップとをさらに含む。
【0146】
任意選択で、本方法は、機能的データに基づきアブレーション用のカテーテル留置手技をガイドするステップをさらに含み、ここでガイドするステップは、生体内エリアの機能的データと解剖学的データとの組み合わせに従い実施される。
【0147】
任意選択で、本方法は、生体内ボリュームにおける神経組織の位置に基づき、力を加えてカテーテル上のアブレーション素子を位置決めするステップ、及び/又はアブレーションエネルギーのレベルを選択するステップをさらに含む。
【0148】
任意選択で、神経組織は、頸動脈小体神経組織、大動脈弓神経組織、肺神経組織、腎臓神経組織、脾臓神経組織、肝臓神経組織、下腸間膜神経組織、上腸間膜神経組織、筋肉神経組織、胃、及び陰茎神経組織からなる群から選択される。
【0149】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティデータは治療手技の前及び/又はその最中に受け取られる。
【0150】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、患者の生体内ボリュームの画像内でANS成分を同定するためのシステムが提供され、このシステムは、神経組織を含む身体部位を有する患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを受け取るモジュールであって、患者は、自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されている、モジュールと;身体部位を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的画像モダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを取得するモジュールと;機能的イメージングモダリティデータに基づき生体内ボリュームにおける神経組織の位置を決定するモジュールとを含む。
【0151】
任意選択で、本システムは、位置決定された神経組織を解剖学的イメージングモダリティデータ上に位置付けるモジュールをさらに含む。
【0152】
任意選択で、機能的イメージングモダリティは、心電図ゲートSPECT(GSPECT)モダリティ、SPECT−CTモダリティ及びD−SPECTモダリティ、及び/又はA−SPECTからなる群から選択される。
【0153】
任意選択で、本システムは、神経組織を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的イメージングモダリティから解剖学的画像を受け取るモジュールと、解剖学的画像を機能的画像と組み合わせるモジュールとをさらに含む。
【0154】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティは、陽電子放出型断層撮影(PET)モダリティ、コンピュータ断層撮影(CT)モダリティ、磁気共鳴画像(MRI)モダリティ、及び超音波モダリティからなる群から選択される。
【0155】
任意選択で、本システムは、ANSシナプス及びGPの一方又は両方の分布及び/又は活性を含むANSマップを生成するモジュールをさらに含む。
【0156】
任意選択で、造影剤はメタヨードベンジルグアニジン(mIBG)である。
【0157】
任意選択で、神経組織は神経線維である。
【0158】
任意選択で、神経組織はシナプスで構成される。
【0159】
任意選択で、神経組織は末梢神経組織の一部である。
【0160】
任意選択で、神経組織は副交感神経組織及び交感神経組織のうちの少なくとも一方の一部である。
【0161】
任意選択で、神経組織は少なくとも1つの神経節叢(GP)を含む。
【0162】
任意選択で、神経組織は、頸動脈小体神経組織、大動脈弓神経組織、肺神経組織、腎臓神経組織、脾臓神経組織、肝臓神経組織、下腸間膜神経組織、上腸間膜神経組織、筋肉神経組織、胃、及び陰茎神経組織からなる群から選択される。
【0163】
任意選択で、本システムは、神経組織の術中アブレーション用生体内治療プローブをさらに含む。
【0164】
任意選択で、本システムは、生体内治療プローブ用のナビゲーションシステムであって、位置決定された神経組織を表示するように構成されたナビゲーションシステムをさらに含む。
【0165】
任意選択で、本システムは、神経支配を受ける組織における神経節及びシナプス密度の一方又は両方を同定するため、注入、取得及び/又は再構成のうちの1つ以上を制御するようにプログラムされたイメージング装置をさらに含む。
【0166】
任意選択で、本システムは、イメージングデータに基づき、組織ボリューム又は臓器に関するシナプス及び/又は神経節の分布の2D又は3D又はそれより高次元のマップを表示するようにプログラムされた出力要素をさらに含む。
【0167】
任意選択で、本システムは、臓器に対する自律神経系の効果を推定するモジュールをさらに含む。
【0168】
任意選択で、本システムは、交感神経組織、神経支配を受ける組織、求心性経路、遠心性経路及び副交感神経組織のうちの1つ以上を選択的に同定及び/又は測定及び/又は表示するようにプログラムされたイメージング装置をさらに含む。
【0169】
任意選択で、2〜6個のGPが同定される。
【0170】
任意選択で、同定されるGPのサイズは約2×2×2mm〜約4×4×4mmの範囲である。
【0171】
任意選択で、本システムは、同定された神経組織の再構成画像を保存するための記憶装置をさらに含む。
【0172】
任意選択で、本システムは、解剖学的画像上に個別化されたGPマップを表示するモジュールをさらに含む。
【0173】
任意選択で、解剖学的画像上に活性レベルが表示される。
【0174】
本発明の一部の実施形態のある態様によれば、患者の生体内ボリュームの画像内でANS成分を同定するためのシステムが提供され、このシステムは、神経組織を含む身体部位を有する患者の生体内ボリュームをイメージングする機能的イメージングモダリティから機能的イメージングモダリティデータを受け取るため(患者は、自律神経系(ANS)による神経組織内取込みを有する造影剤を注入されている);身体部位を含む患者の生体内ボリュームをイメージングする解剖学的画像モダリティから解剖学的イメージングモダリティデータを取得するため;及び機能的イメージングモダリティデータ及び解剖学的イメージングモダリティデータに基づき生体内ボリュームにおける神経組織の位置を決定するための少なくとも1つのモジュールを含む。
【0175】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本発明の実施形態の実施又は試験においては、本明細書に記載されるものと同様の又は均等な方法及び材料を使用し得るが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。矛盾が生じた場合、定義を含め、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、及び例はあくまでも説明上のものに過ぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0176】
本発明の実施形態の方法及び/又はシステムの実装は、選択された作業を手動で、自動で、又はそれらの組み合わせで実施又は遂行することを伴い得る。さらに、本発明の方法及び/又はシステムの実施形態の実際の計装及び設備に従い、いくつかの選択された作業が、ハードウェアによるか、ソフトウェアによるか又はファームウェアによるか又はそれらの組み合わせによりオペレーティングシステムを用いて実装され得る。
【0177】
例えば、本発明の実施形態に係る選択された作業を実施するためのハードウェアは、チップ又は回路として実装されてもよい。ソフトウェアのように、本発明の実施形態に係る選択された作業が、任意の好適なオペレーティングシステムを用いるコンピュータにより実行される複数のソフトウェア命令として実装されてもよい。本発明のいくつかの例示的実施形態では、本明細書に記載されるとおりの方法及び/又はシステムの例示的実施形態に係る1つ以上の作業が、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行するための計算プラットフォームにより実施される。任意選択で、データプロセッサには、命令及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ及び/又は命令及び/又はデータを記憶するための不揮発性記憶装置、例えば磁気ハードディスク及び/又は取外し可能媒体が含まれる。任意選択で、ネットワーク接続もまた提供される。ディスプレイ及び/又はユーザ入力デバイス、例えばキーボード又はマウス又はタッチスクリーンもまた任意選択で提供される。
【0178】
本発明の一部の実施形態が、単に例として、添付の図面を参照しながら本明細書に記載される。ここで具体的に図面を詳細に参照するが、示される詳細はあくまでも例であり、本発明の実施形態の説明的考察を目的とすることが強調される。この点で、記載を図面と合わせて考慮することにより、当業者には、本発明の実施形態を如何に実施し得るかが明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0180】
本発明は、その一部の実施形態において、イメージング方法及びシステムに関し、より詳細には、限定はされないが、機能的イメージングモダリティ、例えば単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を使用した医用位置特定及び/又はモニタリング及び/又はイメージング及び/又はマッピング方法及びシステムに関する。
【0181】
本明細書で使用されるとき、機能的イメージングモダリティという語句は、(例えば、生体内臓器又はその一部分の)機能に基づくデータ及び/又は画像を生成するように設計され又は他の形でそのように構成されたイメージングモダリティ、例えば、核ベースのモダリティ、例えば単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、陽電子放出型断層撮影法(PET)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、又は他のモダリティを意味する。画像は、組織内の変化、例えば、化学組成(例えば、神経シナプスにおける)、放出される化学物質(例えば、シナプスにおける)、代謝、血流、吸収、又は他の変化に基づき得る。画像は生理学的機能データ、例えば神経系組織の活性を提供し得る。
【0182】
本明細書で使用されるとき、解剖学的イメージングモダリティという語句は、構造に基づくデータ及び/又は画像(例えば、解剖学的画像)を生成するように設計されたイメージングモダリティ、例えば、X線、超音波(US)、コンピュータ断層撮影(CT)、例えばX線又はガンマ線、磁気共鳴画像法(MRI)、又は他のモダリティを意味する。臓器、組織及び/又は他の構造は、解剖学的画像によって検出され得る。
【0183】
本発明は、その一部の実施形態において、自律神経系をイメージング及び/又は位置特定(例えば、医用位置特定)及び/又はモニタリング及び/又はマッピングし(例えば、それにより臓器におけるシナプス分布を入手する)(及びより詳細には、神経組織、GP、又は他の構造を同定し)及びそれを診断及び/又は治療するための放射性標識トレーサー(放射性トレーサー又は放射性薬剤又はトレーサーとも称される)及び/又は放射性医薬品、例えば、メタヨードベンジルグアニジン(mIBG)トレーサー又は別の造影剤の使用に関する。任意選択で、放射性標識トレーサーは、例えばノルエピネフリン(NE)などの神経伝達物質の活性を指示する神経活性組織マーカーである。本明細書で使用されるとき、用語のマーカー、造影剤、及び放射性トレーサー、及び放射性標識トレーサーは、全て同義的である。任意選択で、神経組織が検出され、例えば重要でない神経組織(例えば、他の臓器を神経支配するGP)と比べて重要な神経組織(例えば、目的の臓器を神経支配するGP)の存在が検出される。
【0184】
本発明の一部の実施形態のある態様は、自律神経系(ANS)の入力又は介入によって引き起こされ、増悪し又は持続し、又は他の形で罹患し得る疾患、医学的状態及び/又は疾患状態(本明細書では同義的に使用され得る)に関する。かかる疾患状態の例としては、高血圧症、心不整脈、糖尿病及び過敏性腸症候群が挙げられる。本発明の一部の実施形態では、かかる疾患状態は診断及び/又はモニタされ得る。一部の実施形態では、かかる疾患状態は自律神経系の入力又は介入、例えばGPアブレーションによって治療され得る。
【0185】
本発明の一部の実施形態は、自律神経系と自律神経系の不適切な活性化に影響される臓器(例えば、神経支配を受ける臓器)との間の関係を、例えば機能的イメージングデータと任意選択で解剖学的イメージングデータとの組み合わせに基づき検出する手段及び/又はかかる手段の使用方法に関する。
【0186】
本発明の一部の実施形態は、ANSの障害及び/又は不適切な活性化を、例えば、取得された機能的イメージングデータ又はそれから得られる情報を参照データセット(例えば、参照画像−例えば:同じ患者又は健常者のもの)と比較することにより診断する手段及び/又はかかる手段の使用方法に関する。
【0187】
本発明の一部の実施形態は、疾患の治療を、例えば、解剖学的画像にレジストレーションするための神経組織の位置を同定する再構成された機能的イメージングデータを(例えば、CartoMerge(商標)モジュールなどの治療ナビゲーションシステムに)提供することにより決定及び/又はガイドする手段及び/又はかかる手段の使用方法に関する。
【0188】
また、本発明の一部の実施形態において、治療をモニタ又はガイドし及び/又は治療される患者を(例えば、数日、数週間、数ヵ月及び/又は数年おきに及び/又は疾患の進行及び/又は治療レジメンの変更に応じて)経過観察する手段及び/又は方法も提供される。例えば、経過観察には、神経組織をモニタすること、例えば経時的な位置決定及びトラッキングにより変化を検出することが含まれ得る。任意選択で、治療は経過観察で得られるデータに基づき修正され、例えば、中止、継続、増加及び/又は変更され得る。
【0189】
本発明の一部の実施形態のある態様は、神経組織、例えば心臓関連神経組織、胃腸関連神経組織、平滑筋関連神経組織、及び/又は他の臓器及び/又は組織に関連する神経組織を同定することに関する。本発明の一部の例示的実施形態では、検出及び/又は同定される神経組織には、標的組織、例えば、心臓、膀胱、眼、胃腸器官(例えば、胃、腸)、呼吸関連組織、筋肉、腺、肝臓、膵臓、副腎、腎臓、生殖器官、膀胱、又は他の臓器及び/又は組織を神経支配するシナプス及び/又は神経組織が含まれる。
図1を参照して、神経支配を受ける組織のさらなる例を提供する。
【0190】
本発明の一部の例示的実施形態では、神経支配する組織は、神経組織によって選択的に取り込まれるマーカー(例えば、mIBG)を注入することにより自動的に同定され及び/又は他の形で視覚的に提示され及び/又は測定される。任意選択で、解剖学的セグメンテーションを使用して、(例えば、標的臓器に対する)神経支配する神経組織と、(例えば、標的臓器以外に対する)別個の神経組織との間、及び/又はその一方又は両方が他の組織(非神経組織、例えば、脂肪、筋肉、結合組織、腺)と区別される。任意選択で、両方のタイプの神経組織が示される。任意選択で、又は代わりに、別個の神経組織に関する構造的及び/又は機能的制限、例えばサイズ、位置及び/又は形状などを使用して、神経支配する神経組織、別個の神経組織、及び他の組織の間が区別される。本発明の一部の例示的実施形態では、注入した放射性同位元素−例えば、神経活性組織マーカーに関して、前記組織の異なる部分における活性の相対量を計算することにより、神経支配の相対量及び/又は神経支配する神経組織の活性が決定され得る。
【0191】
本発明の一部の例示的実施形態では、臓器(例えば、心臓)及び神経系(例えば、その臓器を神経支配する神経)の機能的詳細及び構造的詳細の両方を示す画像が表示され得る。本発明の一部の例示的実施形態では、神経系の機能的詳細はシナプス及び神経節の両方を含む。任意選択で、又は代わりに、心臓の機能的詳細は代謝(例えば、例えばセスタミビの取込みに基づく)を含む。
【0192】
本発明の一部の実施形態のある態様は、求心性神経活性を遠心性神経活性と区別することに関する。本発明の一部の実施形態では、神経系の伝導経路に沿った2点にある神経組織、例えばシナプス及び/又は神経節のイメージングが、その神経系のうちそれらの2点間にない部分が刺激される間に提供される。2つのイメージングされる点が刺激によって影響を受ける順序及び/又は強度が、求心性神経又は遠心性神経のいずれが刺激されているか及び/又はそれらの具体的な経路(例えば、シミュレーション点が位置する接続ネットワーク)及び/又は位置を指示し得る(例えば、刺激点にある神経の位置を確認し及び/又は刺激点に接続する神経の位置を決定し得る)。例えば、求心性神経は、臓器、例えば、心臓、腸、眼、膀胱、平滑筋、又は他の臓器を刺激するとき、ベースライン状態(例えば、刺激前の状態)と比較してシナプスが明るくなり得る(放射性トレーサーの取込みの増加を示す)。任意選択で、神経回路及び/又は伝導経路は、神経組織の興奮の順序及び/又は刺激の位置に対するその個別的な位置(例えば、中枢又は末梢)に注目することにより同定され得る。求心性神経と遠心性神経との区別は、組み合わされた解剖学的及び機能的イメージングデータに基づき、及び/又は本明細書に記載されるとおりの、神経構造の位置を位置決定するための方法に基づき得る。例えば、刺激された神経の位置は解剖学的画像上に表示され得る。
【0193】
本発明の一部の実施形態は、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECTを使用したシナプス分布のイメージング及び/又はかかるイメージングにおける放射性標識メタヨードベンジルグアニジン(mIBG)トレーサー又は別の造影剤の使用を含み得る。
【0194】
本発明の一部の実施形態のある態様は、臓器(例えば、心臓)のシナプス分布に基づく診断及び/又は治療管理に関する。
【0195】
本発明の一部の例示的実施形態では、異常なシナプス分布及び/又は活性は、イメージングした分布を、予想される又は「正常な」分布の1つ以上のセットと比較することにより決定され得る。任意選択で、性別、年齢、国籍、病状、薬物療法、ストレス、運動、1つ又は複数の刺激などによる違いがある状況下で比較するため、異なる予想分布が提供され得る。任意選択で、疾患は、イメージングされた分布及び/又は活性と疾患及び/又は病態を特徴付ける分布の1つ以上のセットとの間の一致に基づき同定され得る。任意選択で、様々な患者について、疾患及び/又は病態を特徴付けるシナプス分布の参照セットが取得され得る。同様に、様々な健常者について、健常者を特徴付けるシナプス分布の参照セットが取得され得る。特定の患者からイメージングされた分布のセットが、その特定の患者の状態を診断するため1つ以上の参照セットと比較され得る。かかる比較は、参照セット及び特定の患者からイメージングされたセットの、例えばホットスポット(例えば、神経の活性を示す比較的強度が高いエリア)の相対的な強度、位置及び/又はサイズ、及び/又はコールドスポット(例えば、強度が低いエリア、神経の活性欠如又は低活性を示す)の強度、位置及び/又はサイズによる特徴付けに基づき得る。
【0196】
ある場合には、シナプス分布(例えば、密度)が、疾患過程に関して及び/又は神経系が受けている又は経た可能性のある任意のリモデリングに関して教示し得る。多くの患者において神経系が本質的に極めて動的であり、系及び系の成分(例えば、神経節、シナプス、交感神経性、副交感神経性、遠心性及び求心性)の密度及び活性が疾患に応答し、且つ疾患又は治療の結果としての体の反応に応答する点に留意することは重要である。一部の実施形態では、疾患及び/又は状態は、2つのイメージングセッション間における神経組織の変化に基づき、及び/又は合間に提供される治療を考慮して同定され得る。
【0197】
本発明の一部の実施形態では、診断は、イメージングされた領域におけるシナプスの分布及び活性の両方を考慮し得る。例えば、シナプス分布が、神経支配を受ける組織の潜在的応答性を示し得るとともに、シナプス活性が当該の潜在能力の利用程度を示し得る。分布と活性との組み合わせはまた、神経支配の一様性及び/又は神経による組織の、例えば神経系のイメージング部分による心臓の刺激/制御も示し得る。
【0198】
本発明の一部の実施形態では、診断を用いて心筋梗塞からの損傷及び/又は治癒の予後が推定され得る。例えば、神経組織の損傷が心筋の損傷と異なる場合及び/又は異なる組織において及び/又は異なる神経タイプについて神経再生が異なる場合が時にある。心臓のイメージングにより、例えば、好適に神経支配されていない、従って心室リモデリング、僧帽弁逆流、心不全及び/又は心非同期性の原因となり得る心臓の一部分が示され得る。
【0199】
本発明の一部の実施形態では、神経組織に作用することを意図した治療、例えばβ遮断薬及び/又は腎臓の(又は他の)除神経の効果が、任意選択で神経活性を、臓器の(例えば、機械的、電気的、化学的)応答(例えば、心臓について:壁の移動量及び/又は移動速度)と比較することにより測定及び/又はトラッキングされ得る。任意選択で、測定に基づき治療が修正され、例えば、中止、継続、増加及び/又は変更され得る。
【0200】
本発明の一部の実施形態では、シナプス分布及び/又は活性の一方又は両方を、任意選択で神経節活性及び/又は心臓の応答と併せてトラッキングすることにより、慢性病態、例えば、高血圧症、糖尿病及び/又はストレスなどの効果がトラッキングされ得る。
【0201】
本発明の一部の実施形態では、本明細書に記載される機能測定及び/又は診断を用いてペースメーカー又は他の心臓電気制御器電極の配置が選択され得る。例えば、不整脈治療に使用される電極は、それらの電極が高度に活性化した組織を抑制し、減退させ及び/又は捕捉し得るところに任意選択で配置され得る。
【0202】
別の例において、ペースメーカー電極は、神経活性及び/又は伝導に対する電気刺激の予想される効果に従い配置され得る。別の例において、電極は、あるエリアから別のエリアへの刺激の伝導を遮断するように、及び/又は神経組織の過活性による心臓組織の応答性を低減するように配置され得る。
【0203】
他の例では、機能測定を用いて神経線維、神経節及び/又は臓器−例えば心臓の外表面のアブレーションがガイドされ得る。任意選択で、測定はアブレーション後に(可能性としてはアブレーション手技中に)適用されてもよく、それによりアブレーションの効果が決定され、任意選択で必要に応じて繰り返され又は修正され得る。
【0204】
本発明の一部の実施形態では、機能測定を用いて、例えば、心臓及び/又は神経組織に対して刺激性又は阻害性の化学物質を溶出する及び/又は神経組織の成長を促進する物質を溶出する薬物溶出パッチの位置が選択され得る。
【0205】
本発明の一部の実施形態では、診断は、臓器に対する要求量が増加したときに所望のとおりに応答しない臓器(例えば、心臓)の部位を、例えば活性の低下及び/又は機械的応答の低下に基づき同定することを含み得る。本発明の一部の実施形態では、活性化時間及び/又は伝導速度の遅延を示すマップが神経活性化と相関付けられ得る。かかる相関マップを使用して、例えば、心臓が活性化及び/又は伝導の遅延の問題を補償しようとして過活性になる位置が同定され得る。本発明の一部の実施形態では、治療は、例えば神経組織入力を調節し及び/又は根底にある若しくは関連する心臓病態に作用することにより、特定の領域の活性を平衡させること(又は平衡を所望の形で変化させること)を含み得る。
【0206】
本発明の一部の実施形態では、かかる機能測定を用いて、神経支配を受ける臓器の一部又は全てにおける肥大及び/又は発育不全の原因が評価され得る。例えば、右心室心不全患者は弱まった組織が代償性の神経活性化を呈することもあり、ある場合には、それが正常組織にスピルオーバー効果を及ぼし得る。あるレベルを超える神経活性は心臓活動の低下を引き起こし、これは代償性神経刺激の不適切な増加を局所的に遮断することにより治療し得る。かかるスピルオーバーはまた、例えば不整脈にも関与する。
【0207】
本発明の一部の実施形態のある態様は、機能的(例えば、SPECT)データにおいて神経節を検出又は位置特定する方法に関する。この方法は、複数の分解能(例えば、以下に記載するとおり異なるサイズの画像マスク)及び/又は物体フィルタサイズ(例えば、最小サイズ閾値を上回る物体を選択する)で機能的データを(例えば、プロセッサにより)表示及び/又は分析するステップと、複数のフィルタサイズに現れる物体を神経節として同定するステップとを含み得る。この方法の1つ以上の部分はハードウェア及び/又はソフトウェアによって自動的に実施され得る。本発明の一部の実施形態は、造影剤、例えば放射性標識薬剤、例えば、メタヨードベンジルグアニジン(mIBG)トレーサー、又は他の好適な造影剤を使用することにより神経節を検出する方法に関する。
【0208】
本発明の一部の実施形態によれば、例えば治療手技(例えば、心臓治療手技)の前及び/又はその最中及び/又はその後に、任意選択で解剖学的イメージングデータ(例えば、解剖学的データ)と組み合わせた機能的イメージングモダリティデータ(例えば、機能的画像)に基づき神経組織、例えば神経節を位置特定し又は検出する方法及びシステムが提供される。
【0209】
神経節などの神経組織エリアは比較的小さく、周囲組織と比べて造影剤の取込みが限られている。機能的(例えば、SPECT)データを解剖学的データと組み合わせることにより、再構成用のデータ(例えば、神経組織を位置特定し又は検出するためのデータ)が集められ得るエリアを限定する目的の領域(ROI)を選択することが可能となり得る。ROIは解剖学的データに基づき選択され得る。かかる選択により、周囲組織からのノイズがフィルタリングされるため信号対雑音比(SNR)が増加し得る。解剖学的データは任意選択で、他のイメージングモダリティ、例えば、CT、MRI、蛍光透視モダリティ、超音波などを使用して集められる。それに加えて又は代えて、SPECTデータの分析から1つ以上の解剖学的目印が、例えば神経組織に摂取されるように設定される造影剤の取込み及び/又は取込み率に基づき、及び/又は神経組織に摂取されない造影剤により検出され得る。検出された解剖学的目印は、解剖学的画像へのレジストレーションに用いられ得る。任意選択で、モニタリング期間中の造影剤の動的挙動が、神経組織の位置の区別をもたらす因子として用いられ得る。一部の実施形態では、機能的データ(例えば、SPECTデータ)には、例えば標的生体内ボリュームの1つ以上のROIにおける、モニタリング期間中の取込み率を示す動態学的データが含まれ得る。例えば、SPECTデータには、造影剤、例えば放射標識メタヨードベンジルグアニジン又は放射標識メタヨードベンジルグアニジンを含むカクテルの取込み率をモニタすることにより取得される機能的データが含まれ得る。
【0210】
任意選択で、機能的(例えば、SPECT)データが、神経節神経叢のアブレーション手技中、例えば患者の心臓の心房に近接した神経節叢の除神経、腎除神経、肝臓治療、脾臓治療、及び/又は腸治療の最中に捕捉された解剖学的データと組み合わされ得る。任意選択で、機能的データは、診断のため、例えば、心臓不整脈、うっ血性心不全及び虚血性心疾患を含めた種々の病状を治療するための神経調節又はアブレーションなどの心臓治療を実施するかどうかを決定するため、解剖学的データと組み合わされ得る。
【0211】
任意選択で、機能的(例えば、SPECT)データは予め捕捉され、例えば治療手技、例えば心臓治療手技の最中及び/又はその前に解剖学的データと組み合わせるためワークステーションに転送され得る。例えば、組み合わせは、CartoMerge(商標)モジュールを使用して実施され得る。任意選択で、SPECTデータと解剖学的データ、例えば蛍光透視データとがカテーテル留置手技の実施のため組み合わされ、操作者が標的神経組織を同定及び/又は位置特定し、任意選択で治療プローブを標的神経組織に近接して(例えば、標的神経組織に接触させるように)ナビゲート及び/又はガイドすることが可能となる。治療プローブは、例えば、アブレーションデバイス、例えば術中アブレーションデバイス、非侵襲性アブレーションデバイス、及び/又は最小侵襲性アブレーションデバイスであり得る。それに代えて又は加えて、治療デバイスは高周波(RF)プローブ、磁気ベースのカテーテル及び/又は冷凍外科手術プローブを含み得る。
【0212】
一部の実施形態では、機能的データと解剖学的データとがカテーテル留置手技の実施のため組み合わされてもよく、操作者が治療プローブ又はイメージングプローブをナビゲートすることが可能となる。
【0213】
一部の実施形態では、機能的データは、解剖学的イメージング単独によっては位置を特定できない組織(例えば、神経構造)の位置を特定することを可能にし得る。例えば、それらの機能を視覚化することにより、臓器の隠れた機能部分が位置特定され得る。一部の実施形態では、これが、例えば、解剖学的イメージングの隠れた機能部分を含むと予想される領域に機能的イメージングを絞り込むことにより、機能的イメージングの分解能の増強と組み合わされ得る。これらの領域は、一部の実施形態では、構造イメージングに基づき同定され得る。
【0214】
任意選択で、解剖学的データを使用して、機能的(例えば、mIBG)活性をマッピングする機能的画像の再構成が、神経構造(例えば、GP、神経節)が位置するエリアの分解能を増加させる形で指図される。任意選択で、再構成は、解剖学的に様々なゲーティング、例えば解剖学的に様々な画像マスクで実施される。
【0215】
例えば、心房における神経組織、例えば個々の神経節は、一般的に心外膜筋に密に隣接した脂肪性結合組織に取り囲まれている。心房における他の神経節は、左心房の後面を覆う脂肪パッド及び/又は房室溝に埋もれている。これらの神経節と脂肪層とがこのように密接しているため、操作者(手動)又は処理モジュール(自動)が解剖学的データに基づき神経節を位置特定することが妨げられ得る。しかしながら(例えば)SPECTデータによって提供される機能的データと組み合わせることで、造影剤の取込み率、動態学的データ及び/又は動的挙動に基づく神経節と周囲組織との分別が可能となり得る。
【0216】
任意選択で、脂肪パッドではなく神経構造(例えば、GP)が同定される。任意選択で、周囲の脂肪パッドを同定するのではなく、脂肪パッド内で神経構造それ自体が同定される。それに代えて又は加えて、脂肪パッドが、例えば以下に記載する画像マスク方法(例えば、
図2B)に関連して、脂肪パッド内のGPを検出するための解剖学的ガイドとして使用され、脂肪パッドと一致するように解剖学的画像を使用して画像マスクが生成され得る。次に脂肪パッド内にある又はそれに隣接するGPが、GPに対する画像マスクの適用に基づき機能的データ内において同定される。
【0217】
任意選択で、アブレーションの間、脂肪パッド内のGPがアブレーションの標的にされる。任意選択で、アブレーションは、周囲の脂肪パッドではなくGPをアブレーションするように選択される。周囲の脂肪パッドは完全に除去されなくてもよく、例えば脂肪パッドの大部分、又は脂肪パッドの一部、例えば、脂肪パッドの約25%、又は約50%、又は約70%、又は約90%以下が残ってもよい。脂肪パッドアブレーションは、脂肪パッドの内部及び/又はその近傍のGPをアブレーションする必要に応じて実施され得る。全ての脂肪パッドが、例えば一次標的であるよりむしろGPをアブレーションする副次的効果として除去されてもよい。
【0218】
本発明の一部の実施形態のある態様は、組織内(例えば、心臓、胃、腸、腎臓、大動脈、又は他の臓器若しくは構造内)の神経(例えば、GP)を同定及び/又は位置決定するため機能的画像を処理する方法に関する。任意選択で、機能的画像の再構成及び/又は機能的データの処理に使用される解剖学的画像が機能的画像と組み合わされ、組み合わされた画像がGPの位置を決定する基礎として使用され得る。この方法は、GP及び/又は臓器の神経支配を含む解剖学的画像の領域に対応する画像マスクを生成するステップを含み得る。GPは解剖学的画像上で見ることができず、例えば、心臓GPは心臓を含むCTスキャン上では見ることができない。選択された画像マスクが機能的画像上の対応する位置に、例えばレジストレーションプロセスによって適用される。適用されたマスクにより指図されて、機能的画像内のGP特徴が再構成される。機能的画像に適用された選択の画像マスク内のGPが、所定の規則、例えば周囲強度に対する(例えば平均値に対する)活性スポットのサイズ及び/又は活性スポットの強度に基づき同定され得る。このように、解剖学的情報は、機能的画像内のGPの活性を再構成するために使用される。マスクの形態の解剖学的情報は、機能的画像の特定の領域へと処理をガイドするために用いられ、目的のGPの位置決定を助け得る。同定されたGPは、解剖学的画像又は組み合わされた機能的及び解剖学的画像上に表示されてもよく、及び/又は疾患(例えば、不整脈などの心障害)の治療用電気生理学的カテーテルナビゲーションシステムなどの患者治療用ナビゲーションシステムにレジスタリングされてもよい。このように、解剖学的画像は、関連する神経構造を同定するために機能的データ内のどこを探すべきかについてのガイドとして働くことができ、ここで体内の神経構造の大まかな位置は、例えば所定の解剖学図譜に基づき予め分かっている。
【0219】
任意選択で、この画像マスク方法を使用することにより、神経支配を受ける臓器がどこに位置するかを決定し、及び/又はどこに目的の物体を探すべきかを定義し得る。
【0220】
画像マスクのサイズ及び/又は形状は、例えば、ソフトウェアが解剖学的画像をセグメンテーションする能力によるか、解剖学的及び/又は機能的画像の分解能によるか、アブレーション治療の分解能によるか、同定される構造のサイズによるか、又は他の方法により定義され得る。
【0221】
画像マスク方法は、神経構造(例えば、GP)を検出することに限定されない。画像マスク方法は他の小構造、例えば癌の小塊及び/又は組織に隣接するリンパ節の検出に用いられ得る。
【0222】
任意選択で、1つ以上の管腔、体液及び/又は空気が充満した及び/又は潜在的な腔所を有する臓器(例えば、膀胱、心臓、胃、腸、大動脈)について画像マスクが生成される。任意選択で、画像マスクを生成することにより、管腔及び/又は腔所内ではなく、組織それ自体における構造(例えば、神経、GP)が同定される。任意選択で、臓器及び/又は組織の輪郭、例えば、心腔、胃、膀胱、大動脈、又は他の臓器の内壁が、解剖学的画像に基づき同定される。任意選択で、画像マスクは解剖学的画像に基づき生成され、神経構造を同定するための機能的データ内の探索がガイドされる。
【0223】
図面の
図2〜
図47に示すとおりの本発明の一部の実施形態をより良く理解する目的で、初めに、
図1に示されるとおり哺乳動物(例えば、ヒト)の自律神経系(ANS)の解剖学的構造及び機能が参照される。
図1は、ANS1000の構成要素を概略的な形で示す。見て分かるとおり、ANSは、神経節神経叢(GP)とも称される神経節のネットワークを含む。神経節で神経線維が合流し、シナプス結合する。
【0224】
人体は、ホルモン系、中枢神経系及び自律神経系(ANS)を含め、いくつかの制御システムを有する。従来示されるとおり、自律神経系は(ほとんど)意識的には制御されず、様々な身体機能、例えば生命維持機能を調節する働きをする。例えば、基礎心拍数、呼吸及び消化は自律神経系によって制御される。一部の分類では、消化に関係する自律神経系の一部は腸管神経系(ENS)と呼ばれる。
【0225】
脊柱102は、交感神経及び副交感神経の両方の神経切除を提供する。図示されるとおり、副交感神経切除106は直接臓器114まで及び/又は二次神経節110まで続く。交感神経切除は脊髄神経節によって調節され、次に二次神経節110又は臓器114へと送り込まれ得る。多くの場合、交感神経及び副交感神経切除は、(例えば、毛様体、腹腔等の)二次神経節110で相互作用する。二次神経節110は、臓器(例えば、114)における神経終末に直接接続し得る。ある場合には、中間的な神経節網又は神経節鎖もまた存在する(図示せず)。
【0226】
ANSは、概して2つの主要な機能層、即ち、概して興奮性の且つ亢進した反応性及び制御に関与する交感神経系(SNS)と、概して反応性及び制御を弱めることに関与する副交感神経系(PNS)とを含むと考えられる。例えば、心拍数はSNSの活性増加により増加し、PNSの活性増加により低下する。心臓などの一部の臓器では、SNSの神経線維とPNSの神経線維とが特定の神経節で合流する。SNS線維及びPNS線維の両方を含む神経節は、SNSの興奮とPNSの興奮との間の均衡を利用してその挙動を決定する。
【0227】
ANSは、求心性線維(神経支配を受ける組織に向かって進む)及び遠心性線維(神経支配を受ける組織から離れる方に進む)の両方を含む。
【0228】
診断の観点からは、ANSの活性不良が身体の機能不全、例えば心房細動を引き起こし得ることが認識されている。さらに、全般的なANS緊張が、高血圧などのある種の疾患に関連すると考えられている。時にANSの損傷が起こることがあり、例えば移植臓器における臓器不全が引き起こされ得る。
【0229】
治療の観点からは、ANSの一部をアブレーションすることにより望ましくない状態を治療するいくつかの例が提案されている。
【0230】
本願全体を通して、用語のGP及び/又は神経節は、神経節とGPとを区別することが困難であり得るため、神経節以外の領域(神経が臓器に達するところなど)を包含してシナプス中心もまた指し得ることが注記される。ある場合には、個々の神経節と複数の神経節を含むシナプス中心(例えば神経節神経叢)との違いは単に語義上のものであり(例えば、異なる当業者は異なる用語を使用する)、及び/又は有意味な医学的重要性はない。
【0231】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用が必ずしも以下の記載に示し及び/又は図面及び/又は実施例に説明する構成要素及び/又は方法の構造詳細及び構成に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、又は様々な方法で実施し若しくは実行することが可能である。
【0232】
ここで
図2Aを参照し、この
図2Aは、本発明の一部の実施形態に係る、機能的データ(例えば、SPECTデータ)と任意選択で解剖学的データとを組み合わせることにより生体内ボリュームにおける神経組織を位置特定及び/又は検出及び/又は同定する、例えば、イメージング及び/又はマッピングする方法のフローチャートである。ある場合には、例えば神経構造の位置を表すデータの生成を参照するとき、位置特定、検出及び同定は同義的に使用されることが注記される。他の場合には、位置特定、検出及び同定は、例えば
図2Bを参照すると、神経構造の位置のデータを生成するプロセスの間は同義的でなく、この場合、これらの用語はプロセスの異なる段階を表し得る。
【0233】
任意選択で、方法200は、位置特定された及び/又は検出された神経組織に基づき患者を治療する方法を含む。任意選択で、方法200の少なくとも一部のブロックはコンピュータに実装される。任意選択で、少なくとも一部のブロックは操作者により手動で実施される。また、
図3も参照され、この
図3は、本発明の一部の実施形態に係る、機能的データと解剖学的データとを組み合わせることにより生体内ボリュームにおける神経組織及び/又は他のANS成分を位置特定し及び/又は検出するためのシステム500である。
図2Aの方法の1つ以上のブロックが
図3のシステム500によって実施され、例えば1つ以上のモジュール502がこの方法の諸部分に対応し得る。任意選択で、システム500又はシステム500の1つ以上の構成要素は、画像データ処理ユニットである。
【0234】
任意選択で、本方法及び/又はシステムはナビゲーションシステム、例えばBiosense Webster(登録商標)製のCARTO(登録商標)システム、及び/又はSt.Jude Medical(商標)製のMediGuide(商標)システムと統合される。ナビゲーションシステムは、以下の機能の1つ以上を実行し得る:心臓における電気的活性をマッピングする、アブレーションが実施されたところを示す、アブレーションのためマップが到達を指図するところへの(例えば、治療用カテーテルの)ナビゲーションを可能にする、マット(mat)上に指示されたポイントの周りでGPの位置をさらに狙うようにナビゲートする。任意選択で、
図2Aの(例えば、治療に関する)方法の1つ以上のブロックがナビゲーションシステム(例えば、CARTO(登録商標)システム)によって駆動される。治療はナビゲーションシステムを使用して実施され、それにより本明細書に記載されるシステム及び/又は方法を用いて同定された神経構造がアブレーションされ得る。例えば、本明細書に記載されるシステム及び/又は方法により、標的神経構造に対応するCARTO(登録商標)システム空間内の座標が提供される。或いは、ナビゲーションは、蛍光透視イメージング(又は他のイメージング)下で、機能的及び/又は解剖学的構造を示すマップに基づき実施される。
【0235】
システム500は、プロセッサ504により実行するための命令を有する1つ以上のモジュール502を含み得る。一部の実施形態では、1つ以上のモジュール502がプロセッサ504内に統合され得る。モジュール502は、
図2の方法又は本明細書に記載される他の方法の1つ以上のブロックを実行するためのプログラム命令を含み得る。モジュール502は、メモリ506などの非一時的コンピュータ可読媒体に保存され得る。
【0236】
本明細書で使用されるとき、用語「プロセッサ」又は「モジュール」は、1つ又は複数の入力に関する論理演算を実施する電気回路を含み得る。例えば、かかるプロセッサ/モジュールは、1つ以上の集積回路、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置(CPU)の全て又は一部、グラフィック処理装置(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は命令の実行若しくは論理演算の実施に好適な他の回路を含み得る。
【0237】
プロセッサ/モジュールにより実行される命令は、例えば、プロセッサに予めロードされてもよく、又は別個の記憶装置、例えばRAM、ROM、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の永久メモリ、固定メモリ、又は揮発性メモリ、又はプロセッサ/モジュール用の命令を保存可能な任意の他の機構(例えば、メモリ506)に保存されてもよい。1つ又は複数のプロセッサ/モジュールは、特定の用途向けにカスタマイズされてもよく、又は汎用的な用途向けに構成することができ、異なるソフトウェアを実行することにより異なる機能を実施し得る。
【0238】
2つ以上のプロセッサが用いられる場合、全てが同様の構成であってもよく、又はそれらは互いに電気的に接続又は切断される異なる構成であってもよい。2つ以上のプロセッサは別個の回路であっても、又は単一の回路に統合されてもよい。2つ以上のプロセッサが使用されるとき、それらは独立して動作するようにも、又は協働して動作するようにも構成され得る。それらは、電気的、磁気的、光学的、音響的、機械的に又はそれらの相互作用を可能にする他の手段により結合され得る。
【0239】
任意選択で、1つ以上のプロセッサ504は機能的イメージングモダリティ508と電気的に連通している。任意選択で、プロセッサ504は解剖学的イメージングモダリティ510と連通している。
【0240】
任意選択で、プロセッサ504は、例えば検出された神経組織のデータ及び/又は他の処理結果を保存するためのデータリポジトリ512と電気的に連通している。
【0241】
任意選択で、プロセッサ504は、例えば患者の血管系内部でカテーテルをナビゲートするためのナビゲーションシステム514と電気的に連通している。ナビゲーションシステム514の操作者は、検出された神経組織に基づきカテーテルをナビゲートし得る。任意選択で、ナビゲーションシステム514は心臓用の電気生理学的(EP)ナビゲーションシステム、又は身体の他の領域用の別のナビゲーションシステムである。
【0242】
任意選択で、プロセッサ504は、1つ以上の出力要素516、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、画像を表示するためのスクリーン、プリンタ、又は他の出力デバイスと電気的に連通している。
【0243】
任意選択で、プロセッサ504は、1つ以上の入力要素518、例えば、キーボード、マウス、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、音声認識用マイクロホン、又は他の入力デバイスと電気的に連通している。入力要素は、システム500の操作者、例えば医師から入力を受け取るように構成され得る。
【0244】
任意選択で、プロセッサ504は、ネットワーク520、例えば、インターネット、ローカル院内ネットワーク、分散型臨床ネットワーク、又は他のネットワークと電気的に連通している。1つ以上のリモートサーバが処理の一部又は全てを実施してもよく、データを保存してもよく、更新を提供してもよく、及び/又は遠隔の操作者により使用されてもよい。
【0245】
システム500の構成要素はまとめて販売されても及び/又は分けて販売されてもよい。例えば、モジュール502は、既存のワークステーションにインストールするための、例えばネットワーク520からダウンロードされ及び/又はメモリ506に提供されるソフトウェアとして販売されてもよい。別の例では、プロセッサ504、メモリ506、及びモジュール502はまとめて、例えばワークステーションとして販売される。別の例では、システム一式が販売される。
【0246】
一部の実施形態では、システム500の構成要素は異なる場所に及び/又は別個のデバイスとして提供されてもよく、例えば、検出された神経組織のデータが1つ又は複数のモジュール502により入手され、データリポジトリ512に保存され、且つナビゲーションシステム514に送られてもよい。検出された神経組織のデータは治療開始前に入手され得る。
【0247】
本明細書で使用されるとき、機能的データ(例えば、SPECTデータ)は、好適なSPECTモダリティ、例えば、心電図ゲートSPECT(GSPECT)モダリティ、A−SPECT、SPECT−CT、及び/又はSpectrum DynamicsモダリティのD−SPECT(商標)によって捕捉されるSPECT画像であり得る。これらのモダリティの仕様書は、参照により本明細書に援用される。
【0248】
本明細書で使用されるとき、神経組織という語句は、神経節(即ち、神経節神経叢、GP)、神経線維、神経シナプス、神経サブシステム、及び/又は臓器特異的神経組織を意味する。神経サブシステムの例としては、末梢サブシステム、及び/又は自律神経サブシステム、例えば交感及び副交感自律神経サブシステムが挙げられる。臓器特異的神経組織の例としては、頸動脈小体、大動脈弓、肺、腎臓、脾臓、肝臓、下腸間膜、上腸間膜、筋肉及び/又は陰茎神経組織を挙げることができる。位置特定又は検出は、機能的データに基づく画像の再構成を伴い及び/又は伴わずに実施され得ることに留意しなければならない。例えば、位置特定又は検出は、機能的データを再構成することによる空間画像の形成なしに機能的データにおいて造影剤シグネチャを同定することにより実施され得る。それにも関わらず、機能的データから再構成された画像を分析して神経組織を位置特定し及び/又は検出し得る。かかる実施形態において、機能的データは標的神経組織の造影剤シグネチャを同定するように処理され得る。この標的組織シグネチャは、標的神経組織の位置を示すものであり得る。造影剤シグネチャには、動態学的情報、1つ以上の造影剤の取込み情報、1つ以上の造影剤の流失情報、及び/又はこれらの1つ以上の組み合わせが含まれ得る。標的神経組織シグネチャは、(例えば、画像マスクにより提供されるとおりの)生体内ボリュームにおけるバックグラウンドと比べて、及び/又は最も可能性の高い位置、数、及び/又はサイズなどの以前捕捉された機能的データを使用して測定され得る。
【0249】
再び
図2Aを参照すると、任意選択で、202において、神経組織の同定に基づき疾患のスクリーニング、評価及び/又は治療のための患者が選択される。任意選択で、患者は、患者がANSの不適切な活性、例えば過剰活性化及び/又は不適切な活性化を受けているという仮説に基づき選択される。任意選択で、患者は、患者がアブレーション又は治療薬の注射、及び/又はANSの同定された部分の他の治療法により処置され得るという仮説に基づき選択される。例えば、患者は、心臓を神経支配するANSの不適切な活性に続発する心房細動(AFIB)に罹患していてもよい。患者は、例えば医師により手動で選択され、及び/又はソフトウェア、例えば患者の電子カルテ内の1つ以上の組入れ基準を検出するソフトウェアにより自動的に選択されてもよい。
【0250】
任意選択で、204において、神経系の検出用(例えば、ANSの1つ以上の構成要素−GPなどの同定用)の画像又は他のデータを入手するため、選択された患者がイメージング外来に送られる。
【0251】
任意選択で、206において、患者皮膚面及び/又は容積上における患者の生体内ボリューム(例えば、患者臓器)の解剖学的画像、例えば蛍光透視画像を任意選択で含む解剖学的データが、例えば、解剖学的イメージングモダリティ(例えば、モダリティ510)、例えば、蛍光透視モダリティ、CT及び/又は他の解剖学的イメージングモダリティを使用することにより捕捉され得る。簡略には、解剖学的データという用語は、生体内治療プローブの位置データ及び/又は生体内治療プローブを使用して集められた位置データを含み得る。かかる実施形態では、データの組み合わせを使用してリアルタイムで治療がガイドされ得る。
【0252】
任意選択で、解剖学的画像は、動的周期中、例えば心周期中の複数フレームを含むように取得される。任意選択で、動的周期、例えば心電図(ECG)と相関付けるためさらなる同期データが収集される。
【0253】
任意選択で、動的周期と相関付けるため収集される同期データは、機能的データの強度読取り値を組織構造(例えば、心臓壁)とより良好にマッチングさせるために用いられる。任意選択で、
図2Bの画像マスク方法が同期データで用いられ得る。任意選択で、単一の解剖学的画像(周期中のある時点で得られたもの)の場合、モデルにより、検出された強度点を関連性のある組織点(例えば、隣接する心臓壁)にマイグレーション(migration)させることが可能となる。例えば、心臓壁は心周期中に動く。実際にはその強度が隣接する壁のGPに関係していたとしても、機能的データが心腔内に現れ得る。例えば、セスタミビデータをマイグレーションさせてもよい。セスタミビデータと同時レジスタリングされるmIBGデータをマイグレーションさせてもよい。マイグレーションはデータレジストレーション及び画像構築の両方を提供し得る。
【0254】
任意選択で、208において、機能的イメージングモダリティ、例えば機能的イメージングモダリティ508によって患者から機能的データが収集される。
【0255】
解剖学的イメージング(ブロック206)及び機能的イメージング(ブロック208)は異なる時点で行われてもよく、又は同時に同じ時点で実施されてもよい。
【0256】
任意選択で、機能的及び/又は解剖学的画像は動的周期中、例えば心周期中の複数のフレームを含むように取得される。任意選択で、動的周期、例えば心電図(ECG)と相関付けるためさらなる同期データが収集される。
【0257】
患者は、造影剤、例えば放射性トレーサー及び/又は放射性トレーサーの組み合わせ、例えば放射標識メタヨードベンジルグアニジン(mIBG)及び/又は1つ以上の他の放射性トレーサーとのその組み合わせ、例えばTCとmIBG及びTLとmIBGを注入され得る。例えば、I−123 mIBG、I−124 mIBG、及び/又はTc−99mテクネチウム(99mTc)セスタミビ(Mibi)トレーサーとの同時同位体取得用カクテル。造影剤は特定の標的病的組織、例えば癌性細胞に摂取されて取り込まれ得る。mIBGと他の放射性トレーサーとの組み合わせが、位置特定又はモニタリング又はイメージング情報を提供し得る。
【0258】
1つ以上の放射線検出器を有する機能的モダリティ(例えば、SPECT)を使用して、生体内ボリュームの機能的データ(例えば、SPECTデータ)、例えばSPECT画像が取得され得る。造影剤により、イメージングされた取込み率に従い特定の部位を位置特定することが可能になり得る。例えば、mIBGはアドレナリン作動性神経、例えばGPに対して親和性を有し、Shankar Vallabhajosula et al.、PhD、「放射性ヨウ素化メタヨードベンジルグアニジン(MIBG):放射化学、生物学、及び薬理学(Radioiodinated Metaiodobenzylguanidine(MIBG):Radiochemistry,Biology,and Pharmacology)」、Semin Nucl Med 41:324−333(これは参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
【0259】
任意選択で、生体内ボリュームのSPECTデータなどの機能的データはSPECTモダリティを使用して取得され得る。SPECTデータは、一組のコリメータ、例えばスケールディビジョン(scale division:SD)コリメータを含む例示的SPECTモダリティを使用して取られ得る。任意選択で、実施例14について10〜20個のコリメータが使用される。任意選択で、SPECTモダリティ走査パターンは周囲360度にわたり約360個の位置を含む。任意選択で、使用される再構成アルゴリズムは、サブセット化による期待値最大化法(ordered−subsets expectation maximization:OSEM)及び/又は深さ依存分解能補正(resolution recovery:RR)である。任意選択で、ピクセルサイズは約2.5ミリメートル
3〜約4.9mm
3である。
【0260】
一部の実施形態では、機能的又は解剖学的データ又は画像は、侵襲的医療手技の開始前、例えば患者がカテーテル処置室(CathLab)に入る前に捕捉される。例えば、SPECTデータ又は画像は、カテーテル留置プロセスの前にワークステーションに取り込まれる。
【0261】
機能的データ及び解剖学的データは、医療手技、例えば診断又は治療手技、例えば、ここに例えば記載するとおりのカテーテル留置プロセスの最中に取得され得る。
【0262】
任意選択で、機能的データは、個々のトレーサー取込み、全体のトレーサー取込み、トレーサー取込み率、血流、血管における血流予備量比、トレーサー流失、周囲平均値を上回る等の所定の閾値(例えば、静的及び/又は動的閾値)を上回るエリアなどのうちの1つ以上の指標を提供する。任意選択で、機能的データは数センチメートルの寸法のセグメント毎に生成される。
【0263】
任意選択で、機能的データは、壁に沿って、例えば腔内表面に沿って特定の分解能で再構成される。それに代えて又は加えて、機能的データは壁の厚さに沿って特定の分解能で再構成される。これらの2つの分解能は同様であっても又は異なってもよい。
【0264】
任意選択で、機能的データは、約1cm×1cm×1cm又はそれ以上、例えば7mm×7mm×7mm又はそれ以上、5mm×5mm×5mm又はそれ以上の品質分解能で再構成される。任意選択で、機能的データは非立方体ボクセル構造で再構成される。任意選択で、機能的データは、イメージングする物体のモデル(心筋壁の幾何学的形状など)と整列するボクセル、及び/又はそれらの組み合わせで再構成される。
【0265】
任意選択で、1つ以上のROIが、機能的データにおいて、例えば機能的データにおけるセグメントの暗示及び/又は指示されるmIBG取込み、サイズ及び/又は形状に基づき、例えば1つ以上の参照アイテム、例えばそれぞれのROIの所定のモデルとの一致に基づき、及び/又は心室などの既知の臓器のフィルトレーション(filtration)により同定される。ROIの同定に関するさらなる詳細は、本明細書に、例えば
図2Bに関連して記載される。任意選択で1つ以上のROIが解剖学的画像により、例えば1つ以上の画像マスクを画定することにより同定される。
【0266】
任意選択で、例えば以下に記載するとおり、例えば解剖学的イメージングデータに基づき、GPが位置するそれぞれのROIに関して放射性トレーサー(例えば、mIBG)の取込み率が測定され、分析される。ROIが神経節を含む位置を示す場合、取込みは任意選択で神経節の生理学的条件に関する指標として用いられる。
【0267】
一部の実施形態では、心房のエリアにおけるROIを解剖学的にセグメンテーションすることにより、異なる心房取込み活性を個別に分析し、心房の全体としての取込み活性のみならず、心房における種々のROIの取込み活性を区別することが可能となり得る。例えば、解剖学的イメージング源からの解剖学的入力を使用して、SPECT画像の種々のセグメントを種々の臓器又は組織と関連付けることができ、例えば、SPECT画像のあるセグメントが心房筋壁(例えば、筋層)と関連付けられてもよく、且つSPECT画像の別のセグメントが心房心外膜と関連付けられてもよい。本発明の一部の実施形態によれば、1つ又は複数のROIが1つ以上の神経節を含む。任意選択で、ROIにおけるモニタリング期間中の造影剤の動的挙動が分析され、標的位置を周囲組織と分けるための区別をもたらす因子が同定される。動的挙動は任意選択で1つ以上の所定のパターン及び/又は一組の規則とマッチングされ、治療、例えばアブレーションの標的部位が同定され得る。
【0268】
任意選択で、210において、解剖学的データと機能的データとが組み合わされ、例えば組み合わせモジュール502Aによる神経組織の位置特定又は検出が可能となり得る。GPの検出は任意選択である。任意選択で、神経系及び/又は他の構造をイメージングするときGPの探索はされない。例えば、解剖学的データ及び機能的データを組み合わせることにより、組み合わされた解剖学的−機能的画像が得られてもよく、例えばこの画像は2つのレイヤー−解剖学的レイヤーと機能的レイヤーとを含み得る。画像は臓器全体又はその一部分の画像であってもよい。組み合わされた解剖学的−機能的画像又はデータは操作者に対し、例えば出力要素516によって提示され得る。組み合わされた解剖学的−機能的画像又はデータはさらなる処理のためプロセッサ504に送られ−例えば、それによりその1つ以上のANS成分が同定され得る。
【0269】
任意選択で、212において神経節の位置が、例えば位置決定モジュール502Cにより決定される。可能性のある位置が同定され得る。神経節の機能的挙動が抽出され得る。任意選択で、標的臓器のANSマップ及び/又は画像が生成される。ANSマップは1つ以上のANS成分の位置並びに任意選択でサイズ及び活性レベルを含み得る。可能性のある位置を示すため同定された神経組織が解剖学的画像上に提示されてもよく、GPの実際の位置は不確かであり得るため、代わりにいくつかの別の可能性及び/又は密度マップが示される。例えば、白黒画像上に色付けされる。ナビゲーションツール(例えば、カテーテル)に対して座標が提供されてもよい。任意選択で、神経組織の選択された部分が、例えば、所定の閾値を上回る局所サイズに基づき、局所的機能活性に基づき、及び/又は他の所定の規則に基づき同定され及び/又は位置決定される。一部の実施形態では、画像それ自体は生成されず、むしろ同定された神経組織のANSデータ−例えば、同定された神経組織情報、例えば:位置、サイズ及び/又は活性レベルを含むファイルが生成され得る。
【0270】
同定されるGPの数は、例えば、1、2、3、5、8、10、又は他の中間の若しくはより大きい数、又は、2〜6、又は3〜8、又は4〜10、又は他の範囲である。同定されるGPのサイズは、例えば、約2mm×2mm×2mm〜約4mm×4mm×4mm、又は約1mm×1mm×1mm〜約3mm×3mm×3mm、又は他のより小さい、中間の若しくはより大きいサイズである。
【0271】
ANS画像又はデータは臓器全体又はその一部分のものであってよい。ANS画像又はデータは操作者に対し、例えば出力要素516によって提示され得る(又は他の形で提供され得る)。ANS画像又はデータはナビゲーションシステム514に送られ及び/又はさらなる使用のためメモリ506に保存され得る。
【0272】
本発明の一部の実施形態によれば、例えば:心房において神経節神経叢(GP)の位置を特定するため機能的データを解剖学的データと組み合わせ得る。これにより、医療手技をガイドすることが可能となり、例えばそれにより解剖学的構造を使用してカテーテルがどこに位置するかを示し、及び機能的データを使用して標的を同定し得る。例えば、この位置特定により、カテーテルの先端に位置するアブレーションユニットの操作のため操作者をガイドすることが可能となり得る。
【0273】
ここで
図2Bを参照し、この
図2Bは、本発明の一部の実施形態における、1つ以上のANS成分(例えば、神経節)を同定及び/又は位置決定する(ブロック212に対応し得る)ための機能的画像の処理方法のフローチャートである。
図2Bの方法は1つ又は複数のANS成分の同定及び/又は位置特定に限定されないことに留意しなければならず、例えば:これは、例えば以下で考察するとおり、画像マスクの適用に基づき機能的及び解剖学的画像又はデータから他の情報を抽出するために用いられ得る。
【0274】
任意選択で、本方法は機能的画像と解剖学的画像とを組み合わせてもよい(ブロック210に対応し得る)。或いは、解剖学的画像が、GPを含む機能的画像の選択部分を再構成するための基礎を提供し得る。本方法は、例えば、
図3のデータ組み合わせモジュール502A及び/又はプロセッサ504、画像データ処理ユニット、又は他のモジュール及び/又はシステムにより実施され得る。本方法は解剖学的イメージングモダリティからの画像(これは臓器構造を示すが、GPは十分に詳細には又は全く示さない)を使用して機能的イメージングモダリティからの画像(これはANS成分−例えばGP又は活性レベルを示し得るが、臓器構造は十分に詳細には又は全く示さない)を再構成し得る。再構成された機能的画像は、臓器構造上にオーバーレイされたGPを示し得る。
【0275】
任意選択で、本方法は、(出力として)GPが位置する一般的領域を提供する。それに代えて又は加えて、本方法は、GPが位置しない領域を提供する。GPの正確な位置は種々の患者間で解剖学的に異なり得る。GPの具体的な位置はアブレーション手技中に、例えば高頻度刺激(HFS)を使用して同定され得る。それに代えて又は加えて、本方法はGPの正確な位置を、例えば座標系を使用して提供する。一部の実施形態では、GPの実際の位置から本方法により提供されるGPの位置までに小さいずれが(例えば、画像のノイズ、レジストレーションに起因して)あることもあり、これはアブレーション手技中に操作者によって修正され得る。
【0276】
任意選択で、機能活性(例えば、mIBG活性)は、予め選択された組織領域において同定される。画像マスクは、検出されている機能活性に対応する解剖学的画像内の予め選択された組織領域に基づき画定される。例えば、心臓において、GPは心臓壁内又は近傍、及び/又は脂肪パッドに位置する。任意選択で、脂肪パッドサイズ及び/又は形状を使用して探索ウィンドウ及び/又は画像マスクが画定される。GP検出を伴い又は伴わず、脂肪パッド内でのmIBGの分布が目的とされ得る。解剖学的画像について、心臓壁内又は近傍のGPを探すため画像マスクが画定される。次に生成された画像マスクが機能的データに適用され、マスク内−例えば心臓壁内又は近傍での活性に基づきGPが同定される。
【0277】
任意選択で、再構成は、例えば所定の解剖学図譜に基づき、例えば通常の解剖学的構造におけるGPの位置に基づき、(例えば、GPからの)機能活性が予想される解剖学的領域が対象とされる。かかるデータは数人の患者から、例えばイメージング及び/又は剖検切開により収集され得る。
【0278】
任意選択で、画像マスクは、神経、例えば、GP、シナプス、軸索、神経本体、又は他の神経構造及び/又は異なる種類の神経の一部又は全ての活性を同定するように画定される。画像マスクは異なっても、及び/又は同じであってもよい。
【0279】
このように、画像マスクは、神経構造を同定する対象を機能的画像及び/又はデータ内の特定の領域に向けるためのガイドを提供し得る。機能的データ内には強度の領域が多数あり得るが、ANS成分の位置の同定に関連性があるのは−例えば:アブレーションにおいて用いられることになるのは、そのうちのごく一部のみであり得る。生体臓器及び/又は組織に対する神経構造の大まかな位置は(例えば、図譜により)既知であり得るが、解剖学的画像上には視覚化されず、神経構造の探索は、機能的画像上の対応する領域が対象とされ得る。探索は、関連性のある神経構造を表す強度読取り値の大部分を有する領域に集中され得る。
【0280】
本方法を用いて、例えば本明細書に記載されるとおり、体の異なる位置(組織、臓器)における異なる種類のGPが検出され得る。
【0281】
本方法は、目的の領域内で計算を実施して神経組織を同定するため、システムパフォーマンスを改善し得る。神経組織のない領域では計算の実施は不要であり得る。
【0282】
本方法は患者の放射線被曝を低減し得る。イメージングする神経組織を含む領域にさらなる放射線を加え、そうした領域においてより高い分解能を提供し得る。神経組織を含まない領域に対しては、加えられる放射線を少なくすることができる。
【0283】
本方法は分析結果及び/又は画像を改善し得る。選択された領域内の神経組織が分析及び/又はイメージングされ得る。選択された領域外にある神経組織は分析及び/又はイメージングされないことになり得る。選択された領域外の神経組織による干渉及び/又は画像の複雑さが低減され又は防止され得る。このように、患者の医学的状態に寄与しない神経組織及び/又はアブレーション療法の標的でない神経組織は、さらなる分析から除外され得る。或いは、非標的神経組織は、アブレーションの標的にされる神経組織とは別に同定され得る。
【0284】
任意選択で、4802において、機能的イメージングモダリティデータ及び/又は画像、例えばD−SPECT画像又は他の画像が受け取られる。これらの画像は身体部位、例えば、胴部、腹部、心臓、又は他の身体部位(例えば、走査プロトコルに基づく)の画像であり得る。身体部分には、イメージングする神経組織及び/又は神経支配を受ける臓器、例えば心臓、腸又は他の臓器のGPが含まれる。任意選択で、機能的画像は、例えば放射性トレーサー(例えば、mIBG)の取込みから神経組織(例えば、GP)を表す活性の領域を含む。
【0285】
任意選択で、神経活性が予想される領域、及び神経活性が予想されない領域を有する身体部位から機能的データが収集される。例えば、心臓をイメージングする間、心臓壁及び/又は周囲組織からは神経活性を表すデータが予想され、中空の腔(血液が含まれる)の内部からは神経活性が予想されない。心腔の内部に対応するエリアからは、活性が予想されないとしてもノイズを受け取り得る。任意選択で、このノイズは、対応する解剖学的画像に基づき(例えば、画像レジストレーション後に)機能的データから除去される。任意選択で、血液(又は他の体液)で充満した腔内及び/又は管内のノイズを表す強度が除去される。例えば、心腔及び/又は周囲の血管に対応する機能的データの強度読取り値が、例えば機能的画像に1つ以上の画像マスクを適用することにより除去される。
【0286】
任意選択で、4804において、画像から解剖学的領域が抽出される。任意選択で、組織(これは神経構造を含み得る)が中空の空間(これは神経構造を含まず、体液を含み得る)と分けられる。例えば、心臓のイメージングには、左心室(LV)の壁が抽出され得る。それに代えて又は加えて、LV内の中空の空間が抽出され得る。抽出された領域は、例えばLV内部の中空の腔を含むLVではなく、LV壁を形成する組織層などの組織の層であり得ることが注記される。例えば、腎臓のイメージングには、腎動脈の壁が抽出されてもよく、及び/又は動脈の内部が抽出されてもよい。他の臓器をイメージングする場合、その臓器の主要な部分が選択され得る。
【0287】
任意選択で、4806において、画像から1つ以上のレジストレーションキューが抽出される。レジストレーションキューは、目的の臓器、及び/又は周囲の解剖学的構造、例えば、LV軸、肝臓、心臓中隔、RV、胴部からのものであってもよい。レジストレーションキューを使用して解剖学的画像を機能的画像とマッチングさせ、及び/又は生理学的周期(例えば、心周期)の間の解剖学的画像をマッチングさせ得る。
【0288】
任意選択で、4808において、解剖学的画像モダリティデータ及び/又は画像が、例えば、CT、MRI、3D US、2D US、又は他のモダリティから受け取られる。解剖学的画像は、神経組織(例えば、GP)の神経支配を受ける組織及び/又は臓器の構造を表す。解剖学的画像は、神経組織(例えば、GP)の位置に対応する組織及び/又は臓器構造を表す。解剖学的画像は、イメージングされる同じ神経組織及び/又は同じ神経支配を受ける臓器を含み得る。
【0289】
或いは、患者に個別化されていない解剖学的データが、例えば一般的な解剖学的モデルから受け取られる。
【0290】
任意選択で、解剖学的イメージングモダリティからの解剖学的データを受け取ることにより、患者の体のある領域の解剖学的画像が再構成される。任意選択で、この領域は、標的神経組織に隣接する少なくとも1つの体内部位の一部分を含む。
【0291】
解剖学的画像及び機能的画像は、同定及び/又は位置特定のためのGPを含む対応する身体領域を表す。例えば、両方のモダリティが、心臓、腎臓、又は他の臓器の写真を撮影し得る。
【0292】
例えば、心臓のGPのイメージングには、心臓の解剖学的画像及び/又は機能的画像が入手される。例えば、腎臓のGPのイメージングには、腎臓、腎動脈及び/又は大動脈の解剖学的画像及び/又は機能的画像が入手される。
【0293】
任意選択で、4810において、動的周期中の異なる時点に対応する画像が抽出される及び又は取得される。例えば、心臓については、心周期に従い、例えば拡張末期容積(EDV)及び/又は収縮末期容積(ESV)の画像が抽出される。別の例において、膀胱については、充満した膀胱及び排尿時膀胱の画像が抽出され得る。
【0294】
平均画像が計算されてもよく、例えば、(EDV+ESV)/2。
【0295】
任意選択で、4812において、1つ以上の画像がセグメンテーションされる。セグメンテーションは完全に自動であってもよく、及び/又は手動のユーザ介入が必要であってもよい。
【0296】
任意選択で、4814において、解剖学的領域が抽出される。任意選択で、この解剖学的領域は、4804で抽出された解剖学的領域に対応する。任意選択で、この解剖学的領域は、ブロック4812のセグメンテーション画像から抽出される。
【0297】
任意選択で、4816において、画像から1つ以上のレジストレーションキューが抽出される。レジストレーションキューは、目的の臓器、及び/又は周囲の解剖学的構造、例えば、LV軸、肝臓、心臓中隔、RV、胴部からのものであってもよい。
【0298】
任意選択で、4818において、機能的画像又はデータと解剖学的画像又はデータとがレジスタリングされる。任意選択で、画像は、ブロック4804及び4814の抽出された解剖学的領域の位置合わせに基づきレジスタリングされる。レジストレーションは手動、自動及び/又は半自動で実施され得る。
【0299】
任意選択で、レジストレーションは臓器の動力学、例えば心臓の動きを考慮に入れるように実施される。例えば、動的周期中の解剖学的画像が互いに位置合わせされてもよく、及び/又は機能的データが動的動きに合わせて補正されてもよく、例えば、心腔内の強度読取り値が、隣接する動いている心臓壁に合わせて補正されてもよい。
【0300】
任意選択で、4820において、解剖学的画像及び/又はデータに基づき画像マスクが生成される。任意選択で、画像マスクは、神経組織の処理及び/又は画像表示の対象を、画像マスク内に位置する画像の特定の位置に向けさせる。例えば、適用された画像マスクのボリューム内においてGPが表示及び/又は処理される。画像マスクのボリューム外にあるGPは、処理及び/又は表示されなくてもよい。画像マスクのボリューム外にあるGPは、画像マスク内部にあるGPと別様に処理及び/又は表示され得る。
【0301】
任意選択で、解剖学的画像は、少なくとも1つの体内部位、例えば心腔壁の寸法に対応する画像マスクを生成するように処理される。例えば、特定の患者の体内部位の寸法が計算され、それを使用してマスクが画定され得る。
【0302】
任意選択で、画像マスクは、中空の腔を取り囲む組織について選択及び/又は画定され、例えば、画像マスクは心腔壁の形状に基づき画定され、腔内の中空領域を含まず、画像マスクは動脈壁の形状に基づき、動脈内の中空領域を含まず、画像マスクは膀胱壁の形状に基づき、膀胱内の中空領域を含まない。神経構造は、画像マスクにより画定される組織内に存在し得るが、中空の空間内(体液、例えば、血液、尿又は他の体液が充満していてもよい)には存在しない可能性があることが注記される。画像マスクは、目的の臓器を取り囲む組織を含み得る。
【0303】
画像マスクは、例えば、画像セグメンテーションに基づくか(例えば、システムが画像をセグメンテーションする能力に従う)、組織型(例えば、筋肉組織対結合組織)に基づくか、臓器サイズに基づくか、臓器内の部分構造(例えば、心腔、肝葉、腎臓の一部分)に基づくか、又は他の方法に基づき画定される。
【0304】
異なる組織型及び/又は臓器内の異なる位置のGPに対して異なる画像マスクが生成され得る。例えば、心外膜内のGPに対して一組の画像マスクが生成される。心筋内のGP(例えば、GP)に対して別の一組の画像マスクが生成され得る。脂肪パッドについて画像マスクが生成されてもよい。
【0305】
画像マスクは、解剖学的画像内で組織及び/又は臓器部分に基づき選択された形状及び/又はサイズを有する2D及び/又は3Dボリュームであってもよい。画像マスクは、イメージングする1つ又は複数の神経組織(例えば、GP)を含むと考えられる解剖学的部位に対応し、例えば、4つの心腔の壁に対応し、腸壁、膀胱壁、腎動脈、腎動脈の大動脈分枝領域、腎臓、又は他の構造に対応し得る。いくつかの例において、画像マスクは、心臓の心外膜組織及び/又は心筋組織内におけるGPを含むように生成され得る。別の例において、画像マスクは、大動脈−腎動脈接合部における腎臓を神経支配するGPを含むように生成され得る。GPは多くの場合に解剖学的画像上に見えないため、画像マスクはGPの(例えば、通常の患者の解剖学)推定位置に基づき生成されることが注記される。画像マスクは、GPの推定位置に基づき、及び解剖学的画像から推測され得るとおりの体内部位の寸法に基づき生成され得る。
【0306】
任意選択で、生成された画像マスクは解剖学的画像のセグメントに対応する。例えば、心臓はいくつかの心腔壁(例えばアブレーションのためのGPを有するもの)にセグメンテーションされ、生成される画像マスクは目的の心腔壁に対応する。
【0307】
例えば、各心腔の壁について第1の画像マスクが生成される。ある種の画像(例えば、CT)では、小さい内腔ほど、その厚さの測定が困難になり得ることが注記される。そのような場合、各内腔の第1の画像マスクの厚さはLVなどの測定可能な解剖学的領域に基づき得る。或いは、内腔の厚さが別のイメージングモダリティ(例えば、US、MRI)を用いて測定され、及び/又は推定される。測定は解剖学的画像を使用して実施されてもよく、例えば、画像マスクの厚さはCT画像上で測定するときのLVの厚さに基づき得る。次にLV測定値に基づきその内腔の例示的画像マスク厚さが推定されてもよく、例えば:LV、右心室(RV)、右心房(RA)及び左心房(LA)の画像マスクは0.3〜0.5×LV厚さである。或いは、例えば乗算係数は、0.3、0.7、1.2、1.5、2.0、又は他の、より小さい、中間の又はより大きい値であり得る。GPを探索するゾーンは、壁から測った及び/又はmm単位のLV厚さの関数であってもよい。
【0308】
異なる壁が異なるマスクとなる。画像マスクはGP及び/又は周囲組織を含むように位置決めされ得る。画像マスクは壁の中心に置かれてもよく、又は壁の一端の方に位置決めされてもよい。例えば、心外膜GPの探索には、マスクは壁の外縁にあり得る。心筋GPの探索には、マスクは中央にあり得る。
【0309】
任意選択で、画像マスクはテンプレートに基づき生成及び/又は適用される。テンプレートは以下を定義し得る:神経支配を受ける臓器(又は組織)の位置及び/又は神経支配を受ける臓器内及び/又はその近傍、臓器外部のGPの位置。テンプレートは、例えば体の組織及び/又は臓器に神経構造を位置付ける所定の解剖学図譜に基づき生成され得る。
【0310】
任意選択で、生成された画像マスクは互いに隣接する。それに代えて又は加えて、生成された画像マスクは互いに重なり合う。それに代えて又は加えて生成された画像マスクは互いに離間されている。テンプレートは、心臓壁から約1mmより大きい距離、又は約2mm、又は約3mm、又はそれ以上離れてGPの位置を定義し得る。
【0311】
任意選択で、生成された画像マスクは互いに隣接し、例えば、それによりGPの探索において広いエリアが網羅される。それに代えて又は加えて、生成された画像マスクが互いにオーバーレイされ、例えば、それによりGPと組織型との、及び/又は心臓などの動いている臓器においてGPを同定する際のマッチングが改善する。それに代えて又は加えて、生成された画像マスクが互いに離間される。例えば、異なるエリアでGPを探索するとき、例えば、それによりエリア間での誤った同定が防止される。
【0312】
任意選択で、4822において、画像マスクが機能的画像に適用される。それに代えて又は加えて、画像マスクは機能データに適用される。それに代えて又は加えて、画像マスクは、組み合わされた機能的及び解剖学的画像及び/又はデータ、例えばオーバーレイ画像に適用される。
【0313】
任意選択で、画像マスクはレジストレーションプロセス(ブロック4818)に基づき適用される。解剖学的情報が、選択された画像マスクを使用して機能的画像内のGPに関するデータを選択的に再構成するためのガイドとして働く。画像マスクは、1つ又は複数の神経組織を有する解剖学的構造を含むように画像と相関付けられ得る。適用は、例えば共通の座標系に基づき適用される画像レジストレーションに基づき得る。画像マスクは、神経組織を含む特定のタイプの組織に適用され得る。例えば、画像マスクは心臓の心外膜に適用され得る。画像マスクは、その内表面を腔壁の心外膜表面と整列させるように適用されてもよく、腔を囲む心外膜空間を画像マスクが包含することになる。
【0314】
任意選択で、生成された画像マスクは、標的神経組織を描出する機能的画像の再構成をガイドするため機能的データと相関付けられる。
【0315】
任意選択で、4824において、適用された画像マスク空間内で機能活性が計算される。任意選択で、機能活性平均値が計算される。任意選択で、機能活性の標準偏差が計算される。心臓例については、機能活性は各心腔に関して個別に計算され、及び心臓全体に関して計算される。心腔の活性平均値はA1LV、A1RV、A1LA、A1RAにより表され得る。心臓の活性平均値はA1Hにより表され得る。活性の標準偏差はSD1LV、SD1RV、SD1LA、SD1RA、SD1Hにより表され得る。任意選択で、機能的画像又はデータ全体について平均活性及び/又は標準偏差が計算され得る。任意選択で、平均活性及び/又は標準偏差は、例えば同じ患者の以前のイメージングに基づいたり、「正常な」患者の活性に基づいたりする等して予め設定され得る。
【0316】
任意選択で、4826において、4820、4822及び/又は4824の1つ以上が繰り返される。或いは、4820、4822、4824、4828、4830、4832、4834、4836及び/又は4838の1つ以上が繰り返される。或いは、
図42Bの全てのブロックのうちの1つ以上が繰り返される。任意選択で、別の解剖学的部位(例えば、別の心腔、別の組織層)、任意選択で神経組織を含む別の組織型について、さらなる画像マスクが生成される。任意選択で、先に分析された解剖学的部位の近傍にある及び/又はそれに隣接する解剖学的組織及び/又は解剖学的部位について、さらなる画像マスクが生成される。異なる画像マスクを生成し、次に共に適用することにより、臓器を神経支配する1つ又は複数のGPが同定され得る。例えば、異なるタイプのGPは異なる組織を神経支配し得る。或いは、異なる画像マスクを個別に処理することにより、例えば、(例えば臓器の異なる組織内に位置する)異なるGPが区別される。
【0317】
それに代えて又は加えて、任意選択で動的周期(例えば心周期)の画像毎に、異なる時間フレームの画像マスクが生成される。マスクは動的であってもよい。マスクは、時間レジストレーション後、時間の経過に伴い変化してもよい。任意選択で、マスクは時空間マスクである。動的画像マスクが周期中の目的の解剖学的領域と相関付けられ得る。例えば、画像マスクは心周期の間の心臓に伴い動き、しかし同じ相対位置を維持し得る。例えば、LV壁に適用される画像マスクは心臓の収縮及び弛緩に伴い前後に動き(及び/又は大きくなったり小さくなったりし)、しかしLV壁に対する相対位置は維持する。
【0318】
それに代えて又は加えて、解剖学的画像及び機能的画像の両方について画像マスクが生成される。例えば、画像マスクは組み合わされた及び/又はレジスタリングされた画像(これは単一の画像を形成し得るか、又は2つの別個の(任意選択でリンクした画像)を形成し得る)に基づき生成される。
【0319】
任意選択で、解剖学的画像は周期性の生理学的過程(例えば、心周期、排尿、腸蠕動)の間に入手される。任意選択で、生理学的過程の間に入手される異なる画像について、異なる時空間画像マスクが選択される。任意選択で、異なる時空間画像マスクが生理学的過程と、組織の同じ位置が対応するように同期される。このようにして、生理学的過程の間に組織が動くことに伴う組織の位置が維持され得る。
【0320】
例えば、4820(繰り返し)においてさらなる画像マスクが生成され、心筋内の神経組織が検出される。心筋マスクのサイズ及び/又は形状は心外膜マスクのサイズ及び/又は形状と異なり得るとともに、心臓内の異なる領域に対応し得る。例えば、心外膜画像マスクは腔壁の心外膜表面と位置合わせされてもよく、従ってマスクは、心腔を包含する心外膜(epicadial)空間を含み得る。心筋画像マスクは各心腔の壁を包含し得る。
【0321】
例示的心筋画像マスク厚さとしては、以下が挙げられる:LVの画像マスクについて1.2×LV厚さ、RVについて0.7×LV厚さ、RAについて0.4×LV厚さ、LAについて0.4×LV厚さ、又は(各厚さについての)他の乗算係数、例えば、0.4、0.7、1.0、1.2、1.5、又は他のより小さい、中間の又はより大きい値。
【0322】
別の例において、神経構造は中隔内に同定される。中隔について画像マスクが作成され得る。
【0323】
例えば、4822(繰り返し)において画像に画像マスクが適用され、心筋が相関付けられ及び/又は含められる。
【0324】
例えば、4824(繰り返し)において心筋画像マスクに関して機能活性の平均値及び/又は標準偏差が計算され得る。心腔の活性平均値はA2LV、A2RV、A2LA、A2RAにより表され得る。心臓の平均活性はA2Hにより表され得る。活性の標準偏差はSD2LV、SD2RV、SD2LA、SD2RA、SD2Hにより表され得る。
【0325】
任意選択で、計算された活性レベルは、例えば、体のある点又はボリュームに対して、画像マスク空間内のある点又はボリュームに対して、又は他の方法で正規化される。正規化は、例えば隔膜内のGPの同定を可能にし得る。
【0326】
任意選択で、4828において、適用された画像マスク空間内でGPが同定される。「GP」という用語は議論を簡単にするために使用され、本方法が、1つ又は複数のANS成分の同定又は神経活性に関する他の情報、若しくは他の組織の抽出若しくは同定に適用され得ることに留意しなければならない。それに代えて又は加えて、臓器ボリューム及び/又は近傍組織内でGPが同定される。任意選択で、組み合わされて、全ての同定されたGP、例えば臓器内で同定されたGPの単一画像にされる、複数の異なる画像マスク内に同定されたGP。それに代えて又は加えて、時間の経過に伴う複数のフレームの対応する画像マスク(例えば、心周期の間におけるLV心筋の全ての画像マスク)内に同定されたGPが組み合わされる。
【0327】
任意選択で、GPは、画像マスクの位置及び/又はサイズ及び/又は形状を調整することにより同定される。任意選択で、画像マスクは対応する解剖学的画像に基づき調整される。任意選択で、画像マスクは、GPを物理的に含まない領域を除外するように調整される。任意選択で、調整された画像マスクの代わりに、及び/又はそれに加えて、及び/又はそれに基づき機能的データが調整される。例えば、神経構造を含まない可能性のある解剖学的領域、例えば、心腔及び/又は血管などの中空の(例えば、体液が充満している)空間の内部から得られる機能的強度データ。心腔それ自体は神経を含まないこともある。心腔において(例えば心臓壁に隣接して)強度読取り値が検出されるとき、画像データ及び/又は画像マスクがそれらの強度読取り値の推定位置を反映するように調整され得る。マスク調整は、例えば、解剖学的画像データと機能的画像データとの間のレジストレーションが不正確及び/又は不完全であるとき必要となり得る。例えば、解剖学的画像データと機能的画像データとが異なる角度で入手されている。
【0328】
任意選択で、画像マスク及び/又は臓器ボリューム内のGPの位置が決定される。あるGPの別のGPに対する相対位置が、例えば2D及び/又は3Dで計算されてもよい。
【0329】
任意選択で、GPが共に組み合わされてANSマップ(又はANS)データとされる。任意選択で、GP間の接続性が決定される。接続しているGPは同じ画像マスク内にあっても、異なる空間的位置にある異なる画像マスク内にあっても、及び/又は異なる時点における(しかし同じ対応する位置にある)異なる画像マスク内にあってもよい。任意選択で、GP間の空間的関係が決定される。例えば、第1のGPの第2のGPの位置に対する相対位置。
【0330】
任意選択で、極度の活性のエリアが同定される。例えば、心外膜GP(EGP)及び/又は心筋GP(MGP)が極度のmIBG活性に基づき同定される。
【0331】
任意選択で、GPは1つ以上の所定の閾値及び/又は規則に基づき同定される。任意選択で、GPはサイズに基づき同定される。それに代えて又は加えて、GPは、平均活性及び/又は周囲の活性と比べた活性レベルに基づき同定される。それに代えて又は加えて、GPはGP間の接続性に基づき同定される。
【0332】
任意選択で、GPは、少なくとも約4×4×4ミリメートル(mm)(例えば、EGPについて)、又は約2×2×2mm(例えば、MGPについて)のサイズの物体として同定され得る。それに代えて又は加えて、GPは、同じ画像マスクにおいて特定の領域の計算された活性(例えば、画像強度)を周囲の活性と比較することにより同定され得る。
それに代えて又は加えて、GPは、画像マスク内の計算された活性(例えば、画像強度)を別の画像マスクの活性と比較することにより同定され得る。例えば、EGPは、EGPの総活性が標準偏差(SD1及び/又はSD2)の所定の倍数だけ平均活性(A1及び/又はA2)を上回る、及び/又はその周囲の隣接する活性が(例えば、容積について相関付けられる)EGP活性の半分未満であるという規則を満たすものとして同定され得る。任意選択で、使用者は所定の倍数を選択及び/又は変更し得る。例えば、MGPは、MGPの総活性が標準偏差(SD1及び/又はSD2)の別の所定の倍数だけ平均活性(A1及び/又はA2)を上回る、及び/又はその周囲の隣接する活性が(例えば、容積について相関付けられる)MGP活性の半分未満であるという規則を満たすものとして同定され得る。任意選択で、使用者は所定の倍数を選択及び/又は変更し得る。
【0333】
任意選択で、GPの同定はフレーム毎、任意選択で動的周期(例えば、心周期)のフレーム毎に実施される。
【0334】
任意選択で、同定された1つ又は複数のGPは、組織型と自動的に関係付けられる。任意選択で、同定された1つ又は複数のGPは、適用された画像マスクに基づき組織型と関係付けられる。それに代えて又は加えて、同定された1つ又は複数のGPは強度読取り値の特徴に基づき組織型と関係付けられ、例えば、大きいサイズ(大きいGPを表す)は特定の組織においてのみ見出され得る。任意選択で、異なるタイプのGPが異なる組織と関係付けられる。例えば、心筋GPは心筋と関係付けられ及び/又は心外膜GPは心外膜と関係付けられる。
【0335】
任意選択で、4830において、同定されたGPの1つ以上のパラメータ(本明細書ではGPパラメータとも呼ばれる)が計算される。パラメータの例としては以下が挙げられる:平均サイズ、特異的活性(例えば、GPのボクセル当たりのカウント/対応する画像マスクボリュームにおける平均カウント)、パワースペクトル(例えば、1Hz未満のパワー、1〜5Hzのパワー、高周波と低周波との比)、正規化パワースペクトル、GP接続マップ(例えば、異なるGP間の接続性及び相互作用)、所定面積当たりのGPの数(例えば、GP密度数/平方センチメートル)。
【0336】
例えば、同定されたEGPについて、以下のパラメータの1つ以上が計算され得る:EGPサイズ、EGP特異的活性、EPGパワースペクトルグラフ、EGP正規化パワースペクトル(即ち、種々の周波数におけるEGPパワーから心筋画像マスク空間からの総カウントのパワーを引いた差)、EGP接続マップ。
【0337】
例えば、同定されたMGPについて、以下の1つ以上のパラメータが計算され得る:あるエリア中のMGP数及び各所定エリア(例えば、マーシャルの靱帯、左下LA壁、右下LA壁、他のエリア)の平均サイズ、MGP特異的活性、MGPパワースペクトル、MGP正規化パワースペクトル(即ち、種々の周波数におけるMGPパワーから心筋画像マスク空間からの総カウントのパワーを引いた差)。
【0338】
任意選択で、GPパラメータの計算はフレーム毎、任意選択で動的周期(例えば、心周期)のフレーム毎に実施される。
【0339】
任意選択で、4832において、計算されたパラメータ及び/又は他のパラメータが正規化され得る。正規化は本方法の1つ以上のブロックで、例えば、機能的画像及び/又は解剖学的画像の取得中及び/又は取得後、機能活性の計算時、GPの同定時、GPのパラメータの計算時、経時的なデータ比較時、又は他のブロックで行われ得る。
【0340】
1つ以上の正規化技法の例としては、以下が挙げられる:生データ、生データを、略同じ時点で取得された既知の一定の解剖学的位置における生データ値(例えば、患者の縦隔におけるトレーサーの活性)で除したもの、正常な患者データセットに対する正規化、一連の取得における最初又は最後の画像取得時の活性の値に対する正規化、異なる生理学的状態(例えば、安静、ストレス)で取得された値に対する正規化、上記の一部又は全ての組み合わせ、及び/又は他の方法。
【0341】
或いは、4832の正規化は、代わりに及び/又は加えて、このプロセスの別のブロックの前、例えば、ブロック4828でGPが同定される前に実施される。正規化は、1つ又は複数のGPを同定する助けとなり得る。例えば、局所領域における活性レベル(例えばmIBGレベル)が、臓器ボリューム全体にわたる、画像マスク空間内の及び/又は所定の閾値に対する平均及び/又は標準偏差と比較される。
【0342】
それに代えて又は加えて、計算されたデータ(例えばブロック4824、4828、4830)及び/又は測定された機能的強度が感度に関して補正される。任意選択で、感度補正は各画像マスク内で及び/又は関連する画像マスクにおいて実施される。例えば、エリアによっては放射性薬剤の取込みに対して比較的高い感度を有し得ることもあれば、放射性薬剤の取込みに対して比較的低い感度を有し得ることもある。任意選択で、解剖学的データが感度と相関付けられる。任意選択で、画像マスクが異なる感度レベルに基づき生成され(ブロック4820)、例えば、より高感度の神経構造についてある一組の画像マスクが生成され、及びより低感度の神経構造について別の一組の画像マスクが生成される。任意選択で、異なる感度は共通のベースラインに対して正規化される。
【0343】
それに代えて又は加えて、機能的データの測定値が正規化され、例えば、放射性薬剤の取込みの測定値が患者における対応する化学物質のレベルに対して正規化される。任意選択で、同定されているGPの活性レベルに従い強度測定値が正規化される。任意選択で、GPの活性を表す測定値が取られる。例えば、mIBGの場合、測定値は患者のノルエピネフリン(NE)(及び/又はアドレナリン及び/又はエピネフリン)のレベルに対して正規化され得る。例えば、血中(例えば、血液試料による)、尿中、又は他の体液中のNEのレベルが測定される。この測定されたNEに基づき、取り込まれたmIBGの強度が正規化される。それに加えて又は代えて、mIBG測定値は、(例えば、mIBGの注入からの)mIBGの経時的な崩壊関数に対して正規化されてもよい。別の例では、非化学的方法により活性のレベルが測定される。例えば、心臓ストレス試験中に(例えば、ECG測定値、心拍数、心拍出量、又は他の測定値に基づき)取られた測定値に基づきmIBGの正規化が実施される。これらの測定値は、同定されるGPの活性レベルと(例えば、表、数学的方程式、又は他の方法によって)相関付けられ得る。
【0344】
任意選択で、4834において、データが経時的に比較される。GPパラメータの経時的変化が同定される。任意選択で、異なる取得時点間のパラメータ計算値の動的変化が決定される。例えば、注入から注入6時間後まで、この時間ウィンドウの間に画像取得を数回繰り返すことにより、GP(例えば、EGP)活性の経時的変化が計算され得る。機能的画像はトレーサー注入後2回以上取得され得る。
【0345】
任意選択で、4836において、機能的データ及び/又は画像に適用されたマスクに基づき機能的画像が再構成される。それに代えて又は加えて、組み合わされた機能的及び解剖学的データ及び/又は画像に適用されたマスクに基づき画像が再構成される。再構成された画像は、同定された1つ又は複数のGPを、例えば強度が高い領域として含み得る。再構成画像は解剖学的画像上にオーバーレイされてもよく、1つ又は複数のGPの物理的位置が示され得る。
【0346】
それに代えて又は加えて、機能的画像内の1つ又は複数のGPの特徴が再構成される。再構成は画像マスクにより指図される。
【0347】
任意選択で、4838において、計算結果(例えば、ブロック4828、4830、4832、4834)及び/又は再構成画像(ブロック4836)が、操作者に対して提示のため提供されるか又は他の形で提供される。例えば、医師に向けてモニタ上に提示される。それに加えて又は代えて、計算結果及び/又は再構成画像は、さらなる使用(例えば、診断)のためメモリに保存され得る。これらの計算結果は、(例えば、ブロック216を参照して記載されるとおりの)患者の診断及び/又は(例えば、ブロック228を参照して記載されるとおりの)治療のガイドに役立ち得る。
【0348】
任意選択で、結果は、特定のフレーム、例えば収縮終期フレームでの提示用に提供される。或いは、結果は、複数のフレーム、例えば心周期のビデオでの提示用に提供される。
【0349】
任意選択で、再構成された機能的画像又は組み合わされた機能的及び解剖学的画像が治療手技中のレジストレーション用に提供される。再構成された機能的画像は、治療手技中に得られる解剖学的画像上にオーバーレイされ及び/又はそれにレジスタリングされ得る。オーバーレイ及び/又はレジスタリングされた画像は、操作者によって治療中に1つ又は複数のGPの位置を物理的に決定するために用いられ得る。
【0350】
図2Bの方法は心臓を参照して説明されている。この方法は心臓に限定されず、他の臓器、体液が充満した中空臓器(例えば、胃、大動脈、膀胱)及び/又は実質臓器(例えば、腎臓、肝臓)に用いられ得る。他の臓器においてGP及び/又は神経終末が同定され得る。例えば、大動脈が周囲構造(骨、筋肉、分枝動脈)に基づきセグメンテーションされ、それに応じて画像マスクが生成されてもよい。例えば、肝臓が解剖学的肝葉区画に基づきセグメンテーションされてもよい。
【0351】
ここで再び
図2Aを参照すると、それに代えて又は加えて、イメージングされる生体内ボリュームの1つ以上の領域の参照動態学的挙動及び/又は取込み率をマッピングする1つ以上のマッピング関数により神経節の位置が決定される。
【0352】
例えば、レジストレーションは、機能的データ及び解剖学的データにおけるイメージングされる特定の生体内ボリュームに対して予め計算され得る相関行列によって実施され得る。一部の実施形態では、神経組織は、取込み及び/又は動力学的情報の1つ以上のユニークな特性及び/又は周囲組織及び/又は臓器の取込み及び/又は動力学的情報との関係を同定することにより位置決定され得る。例えば、積層された画像が形成され、ここでは機能的データが追加的なレイヤーとして解剖学的画像、例えば蛍光透視画像の上に加えられ、任意選択でANSマップを形成する。組み合わせは、機能的データを解剖学的データと並べて提示し、それにレジスタリングし及び/又はその上にオーバーレイすることにより実施され得る。
【0353】
解剖学的データと機能的データとを組み合わせると機能的データのSNRが増加し得ることに留意しなければならない。機能的データ及び解剖学的データの(例えば、単一の座標系に対する)レジスタリングにより、異なる取込みの指標を明らかにし得る解剖学的領域が指示され得る。これにより、(例えば、
図2Bを参照して考察されるとおり画像マスクを使用することにより)標的神経組織が位置する解剖学的データ中の推定ボリュームに従い機能的データをフィルタリングすることが可能になり得る。
【0354】
任意選択で、位置特定及び/又はイメージング及び/又は同定は、造影剤の注入前に及び/又はそれと同時に開始され得る。別の例において、イメージングは造影剤の注入直後に始まる。一例では、イメージングは注入後最長約5分、約10分、約30分、約1時間、約1〜約10分、約5〜約20分、約10〜約30分、約15〜約60分、約30〜約120分、約1〜約6時間、又は約5〜約48時間の遅延を置いて始まる。
【0355】
任意選択で、位置特定のため3段階以上のイメージングステップが提供され得る。任意選択で、位置特定は、動的生理学的過程、例えば動的灌流、動的トレーサー取込み、動的トレーサー流失などの取得を含む。
【0356】
任意選択で、214において、神経節接続のANSモデルが、例えばANS生成モジュール502Dにより生成される。モデルは、同定され及び/又は位置決定された神経節(ブロック212)に基づき、例えばANSマップ又はデータに基づき生成され得る。任意選択で、ANSモデルはANSマップ又はANSデータである。モデルは、例えば本明細書に記載されるとおり生成され得る。モデルは、同定された神経節間を連結することにより生成され得る。任意選択で、モデルは、空間的に位置が決定されたGP間を連結する。
【0357】
それに代えて又は加えて、マップが生成される。
【0358】
マップ及び/又は再構成画像は、例えば、GP、組織における神経終末密度、組織機能、組織の解剖学的構造、神経の周囲組織(例えば、脂肪パッド)、解剖学的データ、他のデータ、例えば、電気的活性、MRIに基づく機能、CTに基づく物理的データ、及び/又は他のデータを含み得る。
【0359】
画像は、例えば、2D、3Dであって、解剖学的レジストレーション目印、画像パッチ、核医学データ、及び/又は他のデータを有する3Dであり得る。
【0360】
生成されたマップは表示されてもよく、治療のナビゲーションに用いられてもよく、さらに分析されてもよく、及び/又は転送されても(例えば、物理的媒体を使用して及び/又はダウンロードされても)よい。
【0361】
任意選択で、ANSモデルは、(例えば4836を参照して考察するとおりの)1つ以上の再構成された画像を含み得る。一部の例において、再構成画像は、特定の組織領域、又は目的のボリューム若しくは選択領域のものである。一部の例において、再構成は、ボクセル、セグメントに基づくか、又はモデルベースか又はそれらの組み合わせである。一部の例において、画像の再構成は、1つ以上の放射性トレーサーの取込みの強度、又は神経支配を受ける組織、神経組織における及び/又は血管中での造影剤の動的挙動に対応する動態学的パラメータを提供し得る。
【0362】
任意選択で、216において、診断が実施され及び/又は患者に割り当てられる。任意選択で、診断は、患者の症状及び/又は疾患に寄与している及び/又はそれを引き起こしていると考えられる、根底にある解剖学的神経構造を含む。それに代えて又は加えて、患者の状態に対する神経組織の寄与が除外され、例えば、イメージング分析は正常な神経組織を指示し得る。診断は医師により手動で行われてもよく、及び/又はソフトウェアにより自動的に行われてもよい。例えば、ソフトウェアが、イメージングされた組織の生成された分布を1組以上の予想分布(例えば、正常な患者のもの及び/又は同じ患者の以前の分布)と比較し得る。この比較に基づき異常な活性が検出され得る。
【0363】
任意選択で、218において、生成されたANSモデル(ブロック214)が、例えばデータリポジトリ512に保存される。任意選択で、診断(ブロック216)が保存される。他のデータ、例えば機能的及び/又は解剖学的原画像もまた保存され得る。
【0364】
任意選択で、220において、患者を治療するための治療法が選択される。任意選択で、治療法は診断(ブロック216)に基づき選択される。
【0365】
任意選択で、機能的データと解剖学的データとの組み合わせに基づく1つ又は複数のANS成分の位置特定は、例えば本明細書に記載されるとおりの医学的治療、例えば、腎除神経又は心房における神経節の除神経などの除神経手技、(例えば心房壁及び/又は心室壁の)筋アブレーション手技、神経支配調節手技、血液治療及び/又は(血管における)ステント留置手技の選択及び/又はガイドに用いられ得る(器具のガイダンスがこの位置特定に基づき得る)。例えば、位置特定は、例えば心房細動(AF)を治療する手技としての、心房における神経節のアブレーションのガイドにおいて、例えばカテーテル留置手技中に、任意選択でSPECTデータと解剖学的データとの組み合わせに基づき用いられ得る。任意選択で、ガイドされるカテーテルは心内心エコー(ICE)カテーテルである。かかる実施形態において、ICEカテーテルからのイメージングデータは、SPECTデータ又は画像及び/又は再構成画像と組み合わされ得る解剖学的データを含み得る。
【0366】
任意選択で、アブレーション手技の推定成功予測が、例えば測定された取込みに基づき提供され、ここで例えば不成功の推定が不整脈の再発を示してもよく、及び成功した推定とは、不整脈の低減及び/又は除去を意味する。かかる実施形態において、取込み率が測定される1つ又は複数の位置に対して値があり得る。例えば、ROIが左心室(LV)及び/又は心房にあり得る。任意選択で、ROIは画像マスクを使用することにより得られる。mIBGについて、全体的な心房取込みはLVにおける取込みよりはるかに少ないことに留意しなければならない。例えば、ある位置におけるGPが比較的高いアブレーション成功率を表し得る一方、他の位置におけるGPが比較的低いアブレーション成功率を表し得る。他の例としては、GPのマップ(ANSマップ)に基づく予測が挙げられ、例えば、高度に相互接続したGPのアブレーション成功率は、相互接続性が低いGPのアブレーションより低くなり得る。任意選択で、推定モジュールが推定成功予測を自動で計算する。
【0367】
任意選択で、222において、ANSモデル及び/又はマップ(例えば、2D及び/又は3Dなどの、解剖学的目印とリンクしたデータの表面)及び/又は診断が、カテーテルナビゲーションシステム(例えば、ナビゲーションシステム314)にロードされる。任意選択で、ナビゲーションシステムは3D電気生理学的(EP)システムである。任意選択で、ナビゲーションシステムはGPアブレーションガイダンス用に設計される。任意選択で、ナビゲーションシステム514はCARTO(登録商標)システムである。任意選択で、CARTO(登録商標)システムの治療用カテーテルに対するGP及び/又はマップの位置を表示するため、GPの座標及び/又はGP間リンクのマップがCARTO(登録商標)システムにロードされる。
【0368】
任意選択で、モデルはサーバに送られ、ナビゲーションシステム(例えば、CARTO(登録商標)システム)にマージされる。任意選択で、使用毎に請求が、例えば利用回数制課金モデルに基づき実施される。それに代えて又は加えて、モデルは携帯型媒体に、その媒体(例えば、メモリカード、CD)に保存されるデータと共にロードされ、例えば、患者には、次の提供者に渡すCD上のモデルが提供される。
【0369】
任意選択で、請求は、ロードされた診断及び/又は計画された治療に基づき診断及び/又は治療について自動的に実施される。例えば、利用回数制課金方法、マップ生成毎の課金、又は他の方法。
【0370】
任意選択で、データはカテーテルナビゲーションシステムへのロード時に解読される。データは、患者のプライバシーの確保に役立つように暗号化されていてもよい。解読されたデータは、例えば画像として表示され得る。
【0371】
機能的データは、医療手技の開始前、例えば治療手技(例えば、心臓治療手技)の数時間前及び/又は前日に取得され得る。例えば、SPECTデータが電気解剖学的マップに、例えばCartoMerge(商標)モジュールを使用して(例えば、データ組み合わせモジュール502Aにより)レジスタリングされ得る。カテーテルナビゲーションシステムにANSモデルがロードされると、治療中、例えばアブレーション手技中に操作者に正確なガイダンスが提供され得る。カテーテルナビゲーションシステムにロードすることは、操作者がカテーテルの挿入前に治療を計画する助けとなり得る。
【0372】
任意選択で、224において、ANSモデルが、例えば入力要素518を使用してデータを入力する使用者により手動で、及び/又はソフトウェアによって自動的に、マークアップされる。任意選択で、使用者が入力したデータ及び/又は自動的に生成されたデータに基づき治療計画に注釈が付けられる。マークアップ及び/又は注釈付けは、操作者がカテーテルの挿入前に治療を計画する助けとなり得る。
【0373】
任意選択で、マップ及び/又はデータは単純にCARTO(登録商標)システム上にオーバーレイされ、システムにより任意の他のオーバーレイとして処理される。医師は、オーバーレイされたマップが何を意味するかを理解し得る。
【0374】
任意選択で、治療を行う医師は、GP画像に基づきアブレーションのポイント及び/又は領域をマークする。任意選択で、CARTO(登録商標)(又は他のシステム)はデータ及び/又はマップを理解し、GPのアブレーションをトラッキングする。任意選択で、ナビゲーションシステムはトラッキングし、ガイドし及び/又は操作者にリマインドしてもよく、例えば、どのGPをアブレーションしたかをトラッキングし、アブレーションの前後にアブレーションポイントを試験するようリマインドし、治療されたポイントを自動的にマークし、又は他の機能を果たし得る。任意選択で、CARTO(登録商標)は、加えられた接触圧及びパラメータをトラッキングして、組織のどの程度の深さまでアブレーションが加えられているかを示す。
【0375】
任意選択で、ナビゲーションシステム(例えば、CARTO(登録商標))は最新医学実践に従い、例えば、GPそれ自体に加えて、肺静脈(PV)の周りのアブレーションをリマインドし及び/又はトラッキングする。
【0376】
任意選択で、CARTO(登録商標)は記載されるものの1つ以上をトラッキングしてもよく、それにより操作者がGP(壁から離れている又は離れていない)を首尾よくアブレーションした確率が推定される(又はその成否が提供される)。任意選択で、CARTO(登録商標)は、例えばGPの位置、アブレーション方法、組織タイプ、又は他の要因に基づき、GPをアブレーションするため適用するべきパラメータ及び/又はゲートアブレーションを提案する。
【0377】
任意選択で、CARTO(登録商標)は、標的組織(例えば、GP)に到達するため操作者が心臓、動脈、及び/又は他の内腔の内表面からどの程度の深くまでアブレーションする必要があるかをトラッキングする。
【0378】
任意選択で、記載されるCARTO(登録商標)手技のトラッキングは、他の文脈で、例えば心室壁の中央における生組織のアブレーションに用いられ得る。
【0379】
任意選択で、電気的データが収集され、モデルに電気的データがマークアップされる。例えば、心臓の電気マッピング。CARTO(登録商標)システムを使用して電気的データが収集され、及び/又はマークアップが実施されてもよい。
【0380】
任意選択で、治療は、得られた解剖学的画像上にオーバーレイされたGP及び/又はANS接続マップを示す再構成された機能的画像(例えば、
図2Bの方法)に基づき計画される。それに代えて又は加えて、治療は、再構成された機能的画像単独に基づき計画される。解剖学的画像上へのオーバーレイは治療中にリアルタイムで、例えば機能的画像を蛍光透視鏡画像上にオーバーレイして実施され得る。
【0381】
任意選択で、位置が決定されたGPのアブレーション用にシステムがセットアップされる。例えば、治療用カテーテルが選択されてもよく、適用される治療の出力レベルが選択及び/又は設定されてもよく、又は他のパラメータが選択及び/又は設定されてもよい。
【0382】
ナビゲーションシステムの一部であるワークステーションにSPECTデータが転送されると、ワークステーションはリアルタイム電気解剖学的マップ(治療前及び/又は治療中に入手される)を上記に記載したとおり取得されるSPECTデータとマージし得る。例えば、ワークステーションはANSマップ(例えば、1つ又は複数のANS成分を示すSPECTデータを含むCTマップ)を電気解剖学的マップとマージしてANSモデルをマークアップし得る。結果は操作者に対し、電気解剖学的マップ上の色付けされた標的の注釈として(例えば、出力要素516上に)提示され得る。例えば、心臓治療について、異なる情報源からの画像における左心室(LV)を、(セグメンテーションされた解剖学的画像毎に)雲塊状のスポットからのSPECT mIBGスポットが心房壁に含まれるように位置合わせすることにより画像レジストレーションが行われる。
【0383】
本発明の一部の実施形態によれば、機能的データ、例えばSPECT画像の種々の領域が、種々の臓器又は組織、例えば1つ以上のマッピング関数によりマッピングされた神経組織及び周囲組織と関連付けられる。マッピング関数は、例えばSPECTデータ、例えばDynamic SPECTデータ及び血管造影データの多変量解析により予め定義され得る。このマップにより、イメージングされた生体内ボリュームの種々の領域間を動態学的挙動及び/又は取込み率に基づき区別することが可能になり得る。
【0384】
例えば、
図12は、本発明の一部の実施形態に係る、マッピング関数に基づく機能的(例えば、SPECT)画像又はデータにおける種々の領域と種々の臓器及び/又は組織との関連性に基づき神経組織の位置を特定する方法100のフローチャートである。102’、103’は、
図2Aのブロック208を参照して上記に記載したとおりである。311では、マッピング関数が、例えば計算デバイスのメモリ(例えば、メモリ506に保存されたマッピングモジュール502B)から提供され得る。312に示されるとおり、マッピング関数を使用して機能的(例えば、SPECT)画像における1つ以上の領域が1つ以上の臓器及び/又は組織と関連付けられ得る。313に示されるとおり、マッピングによって周囲組織に対する標的組織の位置を特定することが可能になり、例えば神経組織(例えば、神経節)を周囲のエリアと分けることができる。
【0385】
再び
図2Aを参照する。任意選択で、226において、患者の体内にカテーテルが挿入される。カテーテルは血管(例えば、心臓に達する大腿動脈)から挿入されてもよい。単一のカテーテルが挿入されても(例えば、デュアル機能)、又は2本のカテーテル、例えば、治療ポイントの検証用(例えば、電気刺激用)の1本のカテーテル及び/又はアブレーション用の1本のカテーテルが挿入されてもよい。
【0386】
任意選択で、アブレーション治療用カテーテルはCARTO(登録商標)システムと適合性を有し、又はCARTO(登録商標)システムと共に提供される。
【0387】
任意選択で、228において、カテーテルが第1の治療ポイントまで、注釈に基づき、例えば解剖学的注釈に基づきナビゲートされる。例えば、操作者にANSマップがオーバーレイされたリアルタイム蛍光透視画像が提示され、従ってカテーテルをリアルタイムで正しい位置に(例えば、特定のGPに)ナビゲートし得る。
【0388】
任意選択で、カテーテルは患者体内でCARTO(登録商標)システムに基づきナビゲートされる。任意選択で、カテーテルは、CARTO(登録商標)システムを使用して表示されるGPのアブレーション用に位置決めされる。
【0389】
任意選択で、カテーテルは、解剖学的画像上に予めオーバーレイされた再構成機能的画像に基づきナビゲートされ、例えば、レジスタリングされ及び/又はオーバーレイされた画像がナビゲーションシステムにロードされている。それに代えて又は加えて、カテーテルは、リアルタイム解剖学的画像(例えば、蛍光透視画像)上にオーバーレイされた再構成機能的画像に基づきナビゲートされ、例えば、再構成機能的画像がナビゲーションシステムにロードされ、ナビゲーションシステムがリアルタイム解剖学的画像を入手する。それに代えて又は加えて、カテーテルは、再構成機能的画像のみに基づきナビゲートされ、例えば、ナビゲーションは位置センサに基づき得る。
【0390】
任意選択で、カテーテルのナビゲーションは位置センサに基づく。位置センサは、再構成された機能的画像及び/又はANSマップと相関付けられ得る。或いは、カテーテルのナビゲーションは位置センサに基づかない。例えば、ナビゲーションは視覚的画像、例えば、標的とされる神経支配を受ける組織の内部におけるカテーテルのリアルタイム画像上にオーバーレイされた再構成機能的画像に基づき得る。
【0391】
任意選択で、カテーテルは位置決定された治療部位までナビゲートされる。任意選択で、位置特定は、同時に又は実質的に同時に及び/又は治療期間中、例えば医学的治療中に捕捉される機能的データ及び/又は解剖学的データに基づくリアルタイム位置特定であり得る。
【0392】
任意選択で、230において、1つ又は複数の治療ポイントにおけるカテーテルの位置が機能的に検証される。機能検証は操作者により手動で実施さてもよく、及び/又は検証プロセスの1つ以上を実施するようにプログラムされた検証モジュールにより自動で実施されてもよい。例えば、操作者が刺激を加え、モジュールが結果を分析する。別の例では、モジュールが自動で刺激を加えるとともに結果も分析する。さらに別の例では、モジュールが刺激を加え、使用者が結果を分析する。
【0393】
任意選択で、治療ポイントはCARTO(登録商標)システムによって機能的に検証される。例えば、高頻度刺激をポイントに加えて反応を測定することにより、ポイントが確認され得る。任意選択で、高頻度刺激はポイント及びそれらの周囲に加えられ、例えば、それによりANSマップにおける(例えば、ノイズ又はレジストレーションに起因する)任意の軽微な誤りが補償される。
【0394】
本発明の一部の実施形態によれば、1つ以上の神経組織の位置は、特定の生体内エリアにおいて神経組織を刺激し、且つ刺激に応答した1つ以上の神経応答を同定することにより特定され得る。刺激は薬理学的、機械的、熱的、及び/又は電気的刺激、例えば高頻度刺激(HFS)であってもよい。かかる実施形態において、患者の生体内ボリュームにおける神経組織が刺激され、特定の参照取込み値に関連する神経応答が惹起された後、機能的モダリティからの機能的データが、例えば上記に記載したとおり取得され得る。次に機能的データが分析され、生体内ボリュームにおける神経組織の位置が参照取込み値に従い特定され得る。
【0395】
任意選択で、再構成画像を使用して領域に到達する。その領域において1つ以上のポイントで試験が実施され、例えば、それによりHFS、DF、又は他の試験方法に対する応答が決定される。
【0396】
任意選択で232において、同定され及び/又は位置決定された治療ポイント(例えば、GP)が、例えばカテーテルを使用して、例えば、電気的、化学的、クライオ、及び/又は他のアブレーション方法でアブレーションされる。
【0397】
アブレーションは不可逆的(例えば、組織の壊死)であっても又は可逆的(例えば、ボトックスを使用する)であってもよい。
【0398】
アブレーションは、心臓壁におけるGPに対して隣接組織から、例えば心腔内部から実施され得る。アブレーションは、GPそれ自体の範囲内で、又はGPに隣接して、例えば心臓壁からGPそれ自体又は近傍へと針を挿入することにより実施され得る。GPそれ自体の範囲内でのアブレーションでは周囲組織が温存され得る。
【0399】
任意選択で、GPはCARTO(登録商標)システムを使用してアブレーションされる。例えば、CARTO(登録商標)システムを使用してエネルギーが送られ及び/又は制御される。
【0400】
任意選択で、GPがアブレーションされる。任意選択で、GPを含む領域がアブレーションされる。任意選択で、心臓壁及び/又は周囲の血管系の領域がアブレーションされる。任意選択で、肺静脈の領域がアブレーションされる。
【0401】
任意選択で、カテーテルはアブレーション素子を、例えばカテーテル先端に含む。任意選択で、カテーテルは、アブレーション素子を標的組織に押し付け及び/又は標的組織中に押し込む力が加わるように設計される。例えば、アブレーション素子は、心臓壁内に挿入されるか、又は壁から挿入されて脂肪パッドに達し、永久的な毒(例えば、アルコール)又は一時的な毒(例えば、ボツリヌス毒素)などの化学物質を注入する針及び/又は心臓壁に対して位置決めされる電極である。
【0402】
任意選択で、アブレーション素子は、同定されたGPの位置に基づき位置決めされ及び/又は方向付けられる。任意選択で力が(例えば、ロボットにより自動的に及び/又は使用者により手動で)加えられる。任意選択で、アブレーションエネルギーが加えられる。加えられる力及び/又はアブレーションエネルギーの大きさは、任意選択で、例えば、表、数学的関係、又は他の方法により、アブレーションされるべき同定されたGPの位置と関係付けられ、及び/又は(例えば、カテーテル先端によって)測定される。例えば、心腔の内表面から0.5cm離れて位置するGPは、心臓内壁の表面に位置するアブレーション素子により特定のエネルギーを加えてアブレーションされ得る。内壁から1cm、又は他の距離だけ離れて位置する別のGPは、より高い適用エネルギーにより、及び/又はアブレーション素子のより強い力を内壁に加えることによりアブレーションされ得る。別の例において、アブレーションは、カテーテルによって集束される高出力超音波により、深さに基づき集束を変化させて実施され得る。任意選択で、234において、アブレーションの効果がモニタされる。直接の標的臓器に対する効果がモニタされてもよい。体の他の臓器に対する効果がモニタされてもよい。例えば、心臓及び/又はGPのアブレーションに対する心臓の応答に対する効果がモニタされてもよい。
【0403】
任意選択で、モニタリングは、ANSのイメージングの少なくとも一部を繰り返すことにより実施される。それに代えて又は加えて、モニタリングは、刺激の少なくとも一部を繰り返すことにより実施される。アブレーション後の刺激の結果がアブレーション前の刺激の効果と比較され得る。アブレーションの効果はこの比較によってモニタされ得る。
【0404】
任意選択で、モニタリングは臨床的に及び/又は機器を使用して、例えば、患者を臨床的に観察することにより、測定を実施することにより(例えば、血圧、心拍出量、ECG)、及び/又は他の方法で実施される。
【0405】
本発明の一部の実施形態によれば、機能的データ(SPECTデータとも称される)は、例えば以下に記載するとおり、アブレーション手技、例えば心房に近接した神経組織のアブレーションのため解剖学的データと組み合わされ得る。例えば、ここで
図4もまた参照され、この
図4は、本発明の一部の実施形態に係る、心房における1つ以上のGPを神経調節するための臨床プロトコルのフローである。初めに、上記に記載したとおり、患者にI−123標識mIBGが、例えば約3mCi〜8mCi又は約2mCi〜12mCi、例えば約5mCiの用量で注入され得る。高感度のmIBGトレーサーのデータ又は画像(高分解能スキャナ、例えばD−SPECTを使用する)により、例えば心房のROIにおける活性GPの位置を区別し得る形での位置特定が可能となり得る。患者にはまた、例えばセスタミビ−Tc−99m、テトロホスミン−Tc−99m、及びテボロキシム−Tc−99mなどのトレーサーに基づく補助的放射性医薬品、例えば心臓灌流マッピング用のTc−99m標識トレーサーもまた注入され得る。例えば、Tc−99m標識トレーサーの用量は、約6mCi〜12mCi、約3mCi〜10mCi、又は約2mCi〜15mCi、例えば約10mCi、約8mCi及び約5mCiである。一部の例において、GPの位置特定は安静時及び/又はストレス時に行う。
【0406】
位置特定は、(I−123標識及びTc−99m標識された)放射性トレーサーの取込みに関して順々に行われてもよく、例えば、初めにI−123標識mIBGが注入され、次にイメージングされ、次にTc−99m標識トレーサーが注入され、次にイメージングされる。別の例において、位置特定は両方の(I−123標識及びTc−99m標識された)放射性トレーサーに関して同時に行われてもよく、従ってトレーサーの完全にレジスタリングされた画像をより短い時間フレームで得ることが可能となる。一部の例では、両方のトレーサーがTc−99m標識トレーサーとI−123標識トレーサーとの間の約2:1の用量比で、例えば、約10mCiのTc−99m(セスタミビ−Tc99mなど)が約5mCiのmIBG−I−123と同時に注入される。他の例では、約1:1〜3:1の比が用いられ、又は約1.5:1〜2.5:1の比が用いられる。
【0407】
任意選択で、機能的イメージング(例えば、GP位置特定のための)及び/又は同時の複数トレーサー位置特定は、約10分、約5分、約3分、最長約2分、約8分、約2〜8分、最長約10分、最長約15分、及び/又は最長約20分の時間にわたる光子取得を含み得る。
【0408】
任意選択で、236において、ANSモデルに一致する治療の効果が確認される。確認後、治療は継続され得るか、又は全てのポイントを治療し終えた及び/又は(完全な又は部分的な)所望の効果が実現した場合には終了され得る。或いは、効果がANSモデルに一致せず、その場合、例えば、操作者が治療の中止を判断し、又は次の治療ポイントを再評価し得る。
【0409】
任意選択で、アブレーション治療の効果はCARTO(登録商標)システムを使用して確認される。任意選択で、CARTO(登録商標)システムによって治療エリアにHFSが適用される。負の応答がGPのアブレーションの成功を示し得る。
【0410】
任意選択で、効果は、ANSのイメージングの少なくとも一部を繰り返すことに基づき決定される。それに代えて又は加えて、効果は、刺激の少なくとも一部を繰り返すことに基づき決定される。アブレーション後のイメージング及び/又は刺激の結果がアブレーション前のイメージング及び/又は刺激の効果と比較され得る。アブレーションの効果は比較によってモニタされ得る。
【0411】
任意選択で、238において、治療計画に基づき及び/又はモニタされた効果に基づきさらなる位置がアブレーションされる。或いは、同じポイントで治療が継続される。
【0412】
任意選択で、本方法のブロックの一部が繰り返され、任意選択で、カテーテルは別の位置に動かされ若しくは回転される(228)か、又は同じ位置に留まる;ポイントが検証され(230)又は同じポイントが維持される;ポイントがアブレーションされ(232)、効果がモニタされ(234)及び/又は効果が確認される(236)。
【0413】
任意選択で、240において、治療セッションが完了した後、進行がモニタされる。患者は外来患者として、例えば、臨床検査、血液検査、ECG、又は他の方法によりモニタされ得る。患者は機能的及び/又は解剖学的画像の繰り返しによりモニタされ得る。患者は1つ以上のさらなる治療セッションに組み入れられ得る。
【0414】
任意選択で、位置特定は、例えば治療期間中、例えば:1日、1週間、1ヶ月、1年又は任意の中間的な若しくはより短い期間の治療期間中に行われる複数のセッションにおける神経組織のモニタリングに用いられ得る。
【0415】
本明細書に記載される方法及び/又はシステムは、患者の体における神経構造の同定及び/又は治療を参照する。本方法及び/又はシステムは、体における他の構造のアブレーションに用いられ得る。その他の構造は、解剖学的イメージングモダリティを使用して見えないもの(例えば、小さ過ぎる、分解能の高さが不十分である、周囲組織と類似している)、例えば、リンパ節、癌転移、又は他の構造であり得る。例えば、転移性甲状腺癌の検出には、標準的なLT4休薬又はrhTSH刺激のいずれかによる血清チログロブリンを用いたTSH刺激低用量131I全身スキャンが用いられ得る。例えば、骨転移の検出には99m Tcメチレンジホスホネート(MDP)が用いられ得る。例えば、リンパ節のイメージングには18F−FDGが用いられ得る。任意選択で、本システム及び/又は方法は、核医学画像などの別の画像にレジスタリングされ得る機能的モダリティ及び/又は解剖学的モダリティを使用してマッピングされ得る解剖学的目印に対してあるウィンドウ内に位置する予想されるサイズ及び/又は形状及び/又は活性の物体の同定に用いられ得る。CT及び核医学を組み合わせたイメージングを実施することにより解剖学的レジストレーションを入手し、次に
図2Bを参照して記載される方法を適用し得ることが注記される。
【0416】
図2Aの方法200のブロックの1つ以上をここでさらに詳細に考察する。
【0417】
ブロック212を参照すると、任意選択で、
図4に示されるとおり、複数のセッションで位置特定が行われ、例えばそれにより早期像及び後期像が提供され得る(反復ブロック206、208及び/又は210)。例えば、約10分の第1の位置特定ステップに続いて待機期間があり、それにさらに約10分の第2のイメージングステップが続く。一部の例において、イメージングステップの間の待機期間は約5、約10、約20、約30、約45、約60、約90、及び約120分又は任意の中間的な又はそれより長い期間である。例えば、待機期間は約5〜約30分、約20〜約60分、約30〜約120分、約1〜約5時間、又は約2〜約48時間である。
【0418】
ブロック228を参照すると、操作者は治療のため心臓内へとカテーテルをナビゲートし得る。例えば、ここで
図5を参照し、この
図5は、ヒト心臓300並びにヒト心臓300の一組の4つの神経節叢(GP)301〜304及びそれぞれ左上GP(SLGP)、左下GP(ILGP)、右前GP(ARGP)、及び右下GP(IRGP)にあるそれらの軸索の概略図である。この画像はまた、心房との接続を有する筋肉線維に覆われている冠状静脈洞306、並びに冠状静脈洞から左上肺静脈(LSPV)と左心耳(left trial appendage)(LAA)との間の領域に走り、且つマーシャルGPを含むマーシャルの静脈及び靱帯305を示す。GPは脂肪パッドに位置する。1つのGPが右心房と右肺静脈との接合部に位置する右肺静脈(RPV)脂肪パッドに位置し、洞房(SA)結節の直接的な迷走神経阻害を提供する。別のGPは、IVCとILAとの接合部にある下大静脈及び下左心房(IVC−ILA)脂肪パッドに位置し、房室(AV)結節領域を選択的に神経支配し、AV伝導を調節する。別のGPは、内側上大静脈(SVC)と右肺動脈の上の大動脈根との間の、両心房とIVC−ILA及びPV脂肪パッドとに投射する迷走神経線維の「ヘッド・ステーション(head station)」であるSVC−AO脂肪パッドに位置する。
【0419】
ナビゲーション及び/又は治療のため、操作者に対して心臓神経構造の1つ以上が表示され得る。機能的データと解剖学的データとの間の組み合わせにより、アブレーションプロセスの(例えば、ANSマップ又はデータを作成することによる)ガイドが、例えばGPがどこに位置するかを操作者に指示する(ブロック224)ことにより可能となり、操作者は上記に記載したとおりアブレーションユニットを操作してその一部又は全てをアブレーションする(ブロック232)ことが可能となり得る。アブレーションユニットは、任意選択で、上記のGP及び/又は別の神経節エリアの一部又は全ての近くにガイドされるとき、高頻度刺激に使用される。任意選択で、予め取得済みのセグメンテーション画像、例えば、CartoMerge(商標)モジュールなどの画像積分モジュールを例えば介してインポートされた(ブロック222)、上記のGPの一部又は全ての位置を指示するモデルからの解剖学的イメージングデータが使用される。任意選択で、治療されるGPに関連するデータ、例えば周囲のエリアにおける心外膜脂肪、例えばGPが位置する脂肪パッドの空間分布及び/又は厚さが取得され、イメージング及び/又は治療プロセスのガイドに使用される。例えば、GPのアブレーションは、発作性又は持続性心房細動を有する患者の治療オプションであり得る(ブロック220)。
【0420】
ブロック210に関連して、任意選択で機能的データは、それを解剖学的データと組み合わせる前にセグメンテーションされる。例えば、肺静脈(PV)セクション、左心房(LA)セクション、及び/又はGPが、例えばモデルとの一致に基づきセグメンテーションされる。
【0421】
ここで
図6を参照し、これは、本発明の一部の実施形態に係る、標的エリアとして心房における連続性分裂心房電位(CFAE)部位、収縮力(CF)部位、及び/又はドミナント周波数(DF)部位をマッピングすることによりアブレーション治療を実施するための別の方法800のフローチャートである。
図6の方法に従い
図2Aの方法が改変されてもよい。初めに、801に示されるとおり、CFAE、CF、及びDF部位がマッピングされてもよく、例えばANSモデルが生成されてもよく(ブロック214)、及び/又はモデル上にそれらの部位が表示されてもよい(ブロック224)。次に、802に示されるとおり、CFAE、CF、及びDFの間及び/又はCFAE、CF、及びDF並びにGPの間の共通部分が計算されてもよい。共通部分は、解剖学的に既知のGP、例えば上述のGPの予測部位を含むものであってもよく、予め取得された位置特定済みのGP、例えばSPECTデータで同定されるGPを含むものであってもよく、及び/又は高頻度刺激によりリアルタイムで位置が決定されるGPを含む共通部分であってもよい。次に、803に示されるとおり、共通部分がアブレーションの標的エリアとして選択されてもよい(例えば、ブロック224)。
【0422】
例えば、ここで
図7A〜
図7D、
図8A〜
図8D、
図9A〜
図9D、
図10A〜
図10D及び
図11A〜
図11Dを参照する。共通の数字を有する一組の図それぞれが、本発明の一部の実施形態に係る、例えば
図6に記載される方法を用いて同定され得るCFAE、CF、及び/又はDF部位及び/又はCFAE、CF、及び/又はDF部位の共通部分を、4つのビュー(時計回りに):右前斜位(RAO)、前後(PA)ビュー、右外側ビュー(左側)及び後側ビュー(右側)で含む。
図7A〜
図7Dは、CFAEエリア707のマッピングを示す。
図8A〜
図8Dは、CFAEエリア909、並びにARGP911、SLGP912、ILBP913、及びIRGP914とのその共通部分のマッピングを示す。
図9A9〜
図9Dは、CFAEエリア909、並びにARGP911、SLGP912、ILBP913、及びIRGP914と、DF部位、例えば部位920との両方との共通部分のマッピングを示す。
図10A〜
図10Dは、CFAEエリア909、及びCF部位921とのその共通部分のマッピングを示す。任意選択で、CFAEエリア、DF部位、及びGPの間の共通部分がアブレーションの標的位置として同定され、例えば、RAO、PA、右外側、及び後側ビューである
図11A〜
図11Dに示す塗り潰された点、例えば塗り潰された点950を参照のこと。任意選択で、部分的な共通部分と比べて完全な共通部分が好ましい。
【0423】
GP検出それ自体に加えて、又はその代わりに、神経組織は典型的にはニューロン、軸索及びシナプスで構成され、典型的には高脂肪組成を含み、及び/又は脂肪組織内に及び/又はそれに近接して位置する。結果として、神経組織の構造イメージングは少なくとも難題となる。神経組織の神経節を検出又は位置決定する方法は上記に記載される。本発明の一部の例示的実施形態では、かかる方法は、本明細書に記載されるとおりの標的組織、例えば心臓、GI管、又は他の組織及び/又は終末器を神経支配するシナプス及び/又は他の神経組織を検出するため、拡張され及び/又は補足される。
【0424】
本発明の一部の実施形態では、機能的イメージャ(例えば、SPECT又はPET)は、自律神経系に関連する機能(例えば、ノルエピネフリン産生、分泌又はプロセシング、アセチルコリン産生、分泌又はプロセシング及び/又はドーパミン産生、分泌又はプロセシング)のうちの1つに対して親和性を有する組織特異的トレーサー(例えばmIBG又は別のトレーサー)を使用し得る。好適なトレーサーのさらなる詳細は、例えば、本願と同時出願の「NERVE IMAGING AND TREATMENT」と題されるPCT出願(代理人整理番号第58463号)を参照して見出すことができる。
【0425】
本発明の一部の実施形態では、特異的トレーサーが標的神経組織により選択的に取り込まれ、機能情報が(例えば、放射線カウントとして)取得され得る。ある場合には、取得は、神経系の刺激又は他の調節、例えば、薬物供給、電気刺激、機械的刺激、体の相互作用(例えば、手又は顔に冷水をかける)及び/又は運動にタイミングが合わされ、従って取得されたデータは体の定常状態を反映するのみならず、さらに、又はその代わりに、刺激に対する応答を反映し得る。
【0426】
これらのトレーサーを注入してその生体内取込み画像を受け取る様々な方法が、当該技術分野において公知である。しかしながら、イメージング機械の低い分解能及び感度と関係付けられる、これらのトレーサーの信号対雑音が、小さい標的、例えば、組織脱神経及び/又は神経節を同定及び位置特定する際の障壁であると(不明であるが、その可能性が生じる限りにおいて)考えられた。本発明の一部の例示的実施形態では、例えば本明細書に記載されるとおり、最大延在範囲が例えば20mm、10mm、5mm、3mm及び/又は2mmより小さい神経組織が同定される。任意選択で、又は代わりに、神経支配を受ける組織であって、表面サイズが例えば10平方cm未満、5平方cm、4平方cm又はそれより小さいものが、例えば同定される。
【0427】
本発明の一部の例示的実施形態では、自律神経系(ANS)の活性が、例えば、神経節(例えば、<10mm、<5mm)及び/又はシナプス、例えば、ANSの組織内シナプスの分布を同定するのに十分に良好な分解能で同定され及び/又は位置特定される。
【0428】
本発明の一部の例示的実施形態では、機能的データは、解剖学的モデル(例えば、構造イメージャ又は解剖学的イメージャ−例えば:X線CT画像)を使用してセグメンテーションされ得る。本発明の一部の実施形態では、機能的データの再構成は、構造イメージャ(例えば、CT)により提供される構造モデルを使用して実施される。本発明の一部の実施形態では、機能的データがセグメンテーションに従い組織に割り当てられる。本発明の一部の実施形態では、仮定再神経支配(assumption re innovation)に従い臓器内の活性組織が分析される。例えば、分解能を犠牲にして、感度に関し処理が最適化される。分解能を重視して臓器外部の組織が任意選択で処理され、例えば、それにより神経節の解剖学的予想と一致するサイズ、形状及び/又は位置の物体が検出される。本発明の一部の実施形態では、位置は、臓器上の解剖学的目印に対する位置及び/又は臓器の境界からの距離の関数としての位置である。
【0429】
心臓の一部の例では、CTイメージャなどからの解剖学的データが機能的データ(例えば、mIBGデータ及び/又は心臓トレーサーからのデータ)と組み合わされてもよく、様々なアルゴリズム(例えば、例えば米国特許第8000773号明細書及び関連出願に記載されるアルゴリズム)を使用して心臓の4つの腔及び/又は関連構造の心筋の境界が検出され得る。次に異なるモダリティからの異なる画像のレジストレーションが実施され、それを使用して心筋の対応するボリューム内の関連性のあるmIBG活性が区別され得る。
【0430】
本発明の一部の実施形態では、1つ又は複数のANS成分(例えば、神経節)が、上記に記載したとおりの方法を用いて、例えば
図2Bの方法を用いて同定又は検出又は位置特定される。任意選択で、又は代わりに、以下の方法が用いられてもよい。mIBGの全般的な(例えば、平均の)活性が(様々なサイズで再適用される)領域において測定され、その領域におけるmIBG活性のばらつきの関数(例えば、領域活性の2、3、4標準偏差、又はその中間)であり得る閾値と比較され得る。任意選択で、又は代わりに、例えば、複数の(例えば、2回、3回、又はそれ以上のランに(例えば、様々な領域サイズ及び/又は位置で)現れる1、2、3、4、5、6、7、8、9mm又はそれ以上のサイズ又は中間サイズの本体が、神経節として同定され得る。本発明の一部の実施形態では、見出された疑われる神経節より少なくとも2、4、6、8、10、20倍又は中間的な大きさの倍数だけボリュームが大きいサイズの領域に同じ本体位置が少なくとも2回見出される必要がある。
【0431】
本発明の一部の実施形態では、交感及び副交感神経節及びシナプスが、一方のみに作用する刺激で刺激して、どの神経節及び/又はシナプスが作用を受けるかを検出することにより区別され得る。例えば、かかる刺激はトレーサーの注入と同時に提供され、トレーサーの取込みが標準速度と比較され得る。
【0432】
本発明の一部の実施形態では、求心性神経伝導路と遠心性神経伝導路とが、1点を選択的に刺激し、且つ上流及び/又は下流の効果を比較し及び/又は伝導路に沿った2点における活性化又は他の効果の順序を決定することにより区別され得る。例えば、遠心性伝導路では、活性は神経節において最初に及び/又はより強く現れるものと予想される。神経節を、例えば好適な電気的及び/又は薬学的刺激を使用して遮断すると、シナプス活性が阻止され及び/又は低減し得る。副交感神経組織では逆の効果が予想される。
【0433】
図13〜
図15は、本発明の例示的実施形態における、X線CT画像を使用して心臓がセグメンテーションされた、ヒト患者に関してイメージングしたときの心臓上の交感神経シナプスの分布を示す。
【0434】
一般に、これらの画像では、相対的mIBG活性に従い色がキャリブレーションされ、赤色は高い活性であり、緑色は低い活性である。これらの画像には神経節は示されない。
【0435】
図13は左心房1304及び左心室1302の画像を示し、ここでは左心房が本発明の例示的実施形態に係るmIBG活性に従い色付けされており、左下肺静脈1306において最大活性レベルを示している;
図14は右心室1704及び左心室1302の画像を示し、ここでは右心室が本発明の例示的実施形態に係るmIBG活性に従い色付けされており、心室中隔1706において最大活性レベルを示し、これは中隔内ホットスポットである。1706におけるアブレーションにより肥大型心筋症(HCM)及び/又は閉塞性肥大型心筋症(HOCM)が治療され得る;及び
図15は、本発明の例示的実施形態に係る、mIBG活性に従い色付けされた1906左心房1304の画像を示す。特に、心室中隔(inter−ventricular speta)近傍の活性のホットスポットは興味深く、これは当該技術分野において一見したところ知られておらず、治療及び/又は診断の計画に用いられていない。本発明の一部の実施形態では、活性化エリアの分解能は、カウントにより測定したときの、mIBG活性のヒストグラムにおける種々の数十のパーセンタイルの位置間を分けるため、直線分解能が1〜10mm(例えば3mm、5mm、7mm又は中間の分解能)である。
【0436】
また、脂肪パッド位置とシナプス位置との間には何らかの相関があり得るとともに、これを用いて画像の再構成をガイドし、例えば、それによりmIBGカウントをそれらの領域に優先的に割り当て得るが、脂肪パッドは必ずしもシナプスの密度の正確なパターンを指示しないことも注記される。
【0437】
ここで、本発明の一部の実施形態に係る、標的エリアである神経節叢を含む心臓部位のイメージング及び治療のため実施される一組のイメージングセッション及びアブレーションを参照する。
【0438】
標的エリアは、上記の方法により、例えば
図2に示される生体内ボリュームの解剖学的データと機能的データ−例えばSPECTデータとの組み合わせに基づき神経組織の位置を特定する方法により、及び/又は
図3に示されるシステムを使用して同定されている。本発明の一部の実施形態では、以下の手順が用いられ得る:心臓及びその周囲のCT解剖学的画像並びに心臓及びその周囲のmIBG核医学(NM)画像が取得され得る。任意選択で、CT画像で同定される心臓の形状がNM画像の再構成に使用される。本発明の一部の実施形態では、心臓外部のホット領域が神経節として同定され得る。神経節の指標を含む、再構成された組み合わせ画像が、画像ナビゲーションシステム、例えば心臓におけるカテーテルのナビゲーション及び以前取得された画像に対するカテーテル位置のオーバーレイを可能にするBiosense Webster(登録商標)によるCartoシステムで使用され得る。任意選択で、かかるシステムを使用して、神経節に隣接する心臓の一部(例えば、心房)にアブレーションカテーテルがガイドされる。神経節の存在を確認するため、高頻度刺激(HFS)の刺激(又は他の種類の刺激)が用いられ得る。確認された時点で、又は任意選択でHFS刺激なしに(以下の結果が示唆するには余分であり得る)、同定された神経節又はそれに隣接するアブレーションが実行され得る。任意選択で、正確なナビゲーションが用いられることにより、低出力及び/又は少ないアブレーション回数の使用が可能となる。例えば、心臓及び/又は神経節につき20、10、5回より少ない又は中間の回数のアブレーションが適用され得る。任意選択で、低出力、例えば40ワット(例えば、RFアブレーションについて)、30W、20W、10W、5W又は中間の又はより低い出力レベルが用いられる。任意選択で、又は代わりに、より短い時間、例えば、アブレーションにつき60秒、50秒、30秒、20秒、10秒又は中間の秒数又はそれより少ない秒数が用いられる。
【0439】
第1の例では、BMI22(176cm/69kg)並びに心室性不整脈、胸部不快感、低EF(LVEF35%)及び非虚血性心筋症の病歴を有する60歳男性を位置特定し、即ちCTスキャンを実施し、及び本明細書においてGP1、GP2、及びGP3と称される一組の心臓部位が、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムに従い同定された。GP1、GP2、及びGP3は
図21A、
図21B、及び
図21Cに示され、これらの図のそれぞれが、左から右に、横断像、冠状断像、及び矢状断像を含む。GP1、GP2、及びGP3は、推定位置が心臓における典型的な解剖学的GP位置のマップと相関付けられた後、
図22A及び
図22Bにおいても位置特定される。GP1、GP2、及びGP3は、交感神経シナプス密度マップ上にオーバーレイされると
図22Cにおいても位置特定される。赤色の点は主要なGP(比較的大きいサイズ)を表し、及び心筋上の赤色のエリアは軽微なGP部位(比較的小さいサイズ)を表す。
【0440】
第2の例では、PVI及びCVIに対する発作性心房細動カテーテルアブレーションの病歴及び正常LV収縮、LVEF=60%、LDDd=47、及びLAD(左心房の寸法)=36を有する47歳男性を位置特定し、即ちCTスキャンを実施し、及び本明細書においてGP1、GP2、GP3、及びGP4と称される一組の心臓部位が、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムに従い同定される。GP1、GP2、GP3、及びGP4は
図23A23B、
図23B、
図23C及び
図23Dに示され、これらの図のそれぞれが、左から右に、横断像、冠状断像、及び矢状断像を含む。
図23A、
図23B、
図23C及び
図23Dの画像は、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムにより捕捉された画像とそれぞれのCT画像とを組み合わせる画像である。位置特定されたGP部位の位置を、例えば
図24に示されるとおり、アブレーションガイダンスのためCartoシステムに組み込んだ。この図は、レンダリングされた解剖学的画像上のGP部位の位置を示す。操作者は、GP部位のアブレーションのため、このレンダリングされた解剖学的画像に基づきカテーテルをナビゲートし得る。
【0441】
ここで、患者の心臓の3Dシミュレーション上に心臓GP部位をイメージングする一連の提示を参照する。GP部位は、10ミリメートル(mm)未満、例えば5mm、例えば3mmの直径の容積を例えば有する標的部位の、マッピングされたGP部位のそれぞれにおけるHFSに対する応答を測定することにより検証された。ここでアブレーションそれ自体は、最大30ワット(W)、例えば最大20W、例えば10Wの低出力により、例えば5セッション、及び例えば3セッション、約20〜30秒間の20回未満の適用、例えば約3回の反復適用で実施される。この手順では、心房細動のフラグメンテーションの変化及び終結がモニタされる。
図25は、患者の心臓の3Dシミュレーション上におけるHFS適用部位(斜線で網掛けした丸で示される)を示す。適用部位は非GP部位である。この適用(appliance)に対する負の応答が
図26に実証される。
図27A及び
図27Bは、患者の心臓の3Dシミュレーション上におけるHFS適用部位(斜線で網掛けした丸で示される)を示す。適用部位はRIPV GP部位である。この適用(appliance)に対する正の応答が
図28に実証される。
図29及び
図30は、RIPV GP部位における反復的なHFS適用を示す。この反復に対する正の応答が
図31に実証される。
【0442】
図32及び
図33は、患者の心臓の3Dシミュレーション上におけるHFS適用部位(斜線で網掛けした丸で示される)を示す。この適用部位はLIPV GP部位である。この部位を、上記に記載したとおりのカテーテルを使用して、5セッションの低出力適用(最大20W)を適用することによりアブレーションした。この適用(appliance)に対する正の応答が
図34に実証される。
図35及び
図36で位置特定されたLIPV GP部位におけるアブレーション結果が、アブレーション後測定で負のHFS応答を示す
図37及び
図38によって実証される。この応答は、標的エリアが限られた出力により限られたアブレーションセッション回数で治療された場合であっても、このアブレーション方法が成功したことを示す。
図39で位置特定されたRIPV GP部位におけるアブレーション結果が、アブレーション後測定で負のHFS応答を示す
図40及び
図41により実証される。この部位は、上記に記載したとおりのカテーテルを使用して、低出力(最大20W)を適用する3セッションを適用することによりアブレーションした。
図42及び
図43におけるRSPV GP部位(斜線で網掛けした丸で示される)もまたアブレーションした。この部位は、上記に記載したとおりのカテーテルを使用して、低出力(最大20W)を適用する3セッションを適用することによりアブレーションした。
【0443】
第3の例では、発作性心房細動/高血圧症/脂質異常症の病歴を有する、LV収縮がほぼ正常の、LVEF=66%、LVDd=40mm、及びLAD(左心房の寸法)=42mmの72歳男性を位置特定し、即ちCTスキャンを実施し、及び本明細書においてGP1、GP2、GP3、及びGP4と称される一組の心臓部位が、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムに従い同定された。イメージングはアブレーションの前に実施した。GP1、GP2、GP3、及びGP4は
図44A、
図44B、
図44C及び
図44Dに示され、これらの図のそれぞれが、左から右に、横断像、冠状断像、及び矢状断像を含む。
図44A、
図44B、
図44C及び
図44Dの画像は、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムにより捕捉された画像とそれぞれのCT画像とを組み合わせる画像である。例えば
図45に示されるとおり、GP部位の位置をアブレーションガイダンスのためCartoシステムに組み込んだ。
【0444】
第4の例では、発作性心房細動/高血圧症の病歴を有する、LV収縮が正常の、LVEF=58%、LDDd=37、及びLAD(左心房の寸法)=37の72歳男性を位置特定し、即ちCTスキャンを実施し、本明細書においてGP1、GP2、及びGP3と称される一組の心臓部位が、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムに従い同定される。イメージングは電気生理学(EP)試験の前に実施した。EP試験は患者の状態の評価に役立ち、例えば、それにより患者が本明細書に記載される方法及び/又はシステムを使用した治療に好適であるかどうかを決定し得る。GP1、GP2、及びGP3は
図46A、
図46B、
図46B、及び
図46Cに示され、これらの図のそれぞれが、左から右に、横断像、冠状断像、及び矢状断像を含む。
図46A、
図46B、及び
図46Cの画像は、
図2〜
図3を参照して上記に記載される方法及び/又はシステムにより捕捉された画像と、それぞれのCT画像とを組み合わせる画像である。例えば
図47に示されるとおり、位置特定されたGP部位の位置(斜線で網掛けした丸で示される)をアブレーションガイダンスのためCartoシステムに組み込んだ。
【0445】
上記の実験では、本発明者らは、GP部位での限られたセッション回数のHFSの適用に応答して、100%正の応答を受け取った。さらに、本発明者らは、非GP部位−同定されたGP部位の外側において同じHFSを適用することにより、複数回、例えば50回より多い回数であっても、負の応答が実現することを突きとめた。
【0446】
さらに別の例では、持続性心房細動(AF)を有する患者が、
図2〜
図3を参照して記載される方法及び/又はシステムに基づき治療される。
図16〜
図20は、本発明の一部の実施形態における、本方法の様々な時点で生成された画像である。患者はカテーテルアブレーションの前に123ImiBG D−SPECTイメージングを受けた。
図16は、高頻度刺激(HFS)前の左心房(LA)におけるmIBGの取込みを示す。5つの心外膜GP位置が同定される。
図17は、HFS前の、
図16の画像の飽和した状態を示す。
図18は、アブレーション手技前の正のHFSの位置を示す。正のHFSにより心外膜GP位置が確認される。
図19はアブレーションの位置を示す。アブレーションはGP位置に対応する位置で実施した。
図20は、GPがアブレーションされる部位における反復的HFSに対する負の応答を示す。負の応答は、GPが治療されたことを示す。心房細動が制御され及び/又は防止され得る。
【0447】
上記の記載はほとんどが神経組織の位置特定に重点を置いていることに留意しなければならない;しかしながら、上記のプロトコル、方法、及びシステムは、エンドクリン分泌器官及び/又は外分泌物分泌器官又は他の情報の位置特定に用いられ得る。
【0448】
本出願から特許成立までの期間に多くの関連技術及びシステムが開発され、用語アブレーションユニット、イメージングシステム及び方法、カテーテル及びモダリティの範囲には、事前にかかる新規技術が全て含まれることが意図される。
【0449】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は±10%を指す。
【0450】
用語「〜を含む(comprises)」、「〜を含んでいる(comprising)」、「〜を含む(includes)」、「〜を含んでいる(including)」、「〜を有する(having)」及びこれらの活用形は、「限定はされないが、〜を含む」を意味する。この用語は、用語「〜からなる(consisting of)」及び「〜から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。
【0451】
語句「〜から本質的になる(consisting essentially of)」は、組成物又は方法がさらなる成分及び/又はステップを含み得るが、但しそれはそのさらなる成分及び/又はステップが特許請求される組成物又は方法の基本的な且つ新規の特徴を実質的に変化させない場合に限られることを意味する。
【0452】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に明確に指示されない限り複数形の参照を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」又は「少なくとも1つの化合物」は複数の化合物を、それらの混合物を含めて含み得る。
【0453】
語句「例示的」は、本明細書では、「一例、事例又は例示として提供される」ことを意味して使用される。「例示的」と記載される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態と比べて好ましい又は有利である及び/又は他の実施形態からの特徴を取り入れることを排除すると解釈されるべきものではない。
【0454】
語句「任意選択で」は、「一部の実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味して使用される。本発明の任意の特定の実施形態は複数の「任意選択の」特徴を、かかる特徴が矛盾を生じない限り含み得る。
【0455】
本願全体を通して、本発明の種々の実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上のもので、簡潔にするために過ぎないことが理解されなければならず、本発明の範囲に関する柔軟性のない限定として解釈されてはならない。従って、ある範囲の記載は、具体的に開示される全ての可能な部分範囲並びに当該の範囲内にある個々の数値を有するものと考えるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等の具体的に開示される部分範囲、並びに当該の範囲内にある個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6を有するものと考えるべきである。これは、その範囲の広さに関わらず適用される。
【0456】
本明細書において数値の範囲が指示される場合は常に、指示される範囲内の任意の挙げられる数値(分数又は整数)を含むことが意図される。第1の指示数値と第2の指示数値と「の間を範囲としている/範囲とする」、及び第1の指示数値「から」第2の指示数値「までを範囲としている/範囲とする」という語句は、本明細書では同義的に使用され、第1及び第2の指示数値並びにそれらの間の全ての分数値及び整数値を含むことが意図される。
【0457】
明確にするため別個の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡略にするため単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴がまた、別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで、又は本発明の任意の他の記載される実施形態において好適なものとして提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、それらの要素なしにはその実施形態が実施不可能でない限り、それらの実施形態の不可欠な特徴であると考えるべきではない。
【0458】
本発明はその具体的な実施形態と併せて記載されているが、多くの代替例、改良例及び変形例が当業者に明らかであろうことは明白である。従って、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広義の範囲の中に含まれるかかる代替例、改良例及び変形例が全て包含されることが意図される。
【0459】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、本明細書において、それぞれ個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的且つ個々に参照により本明細書に援用されることが示されたものとするのと同程度に全体として参照により本明細書に援用される。加えて、本願における任意の参考文献の引用又は特定は、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されてはならない。節の見出しが使用される限りにおいて、それらが必然的に限定するものであると解釈されてはならない。