(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
全般的には、本開示は、複数の個別の高分子層を有する多層高分子フィルムなどの、多層フィルムを作製するために利用することができる、装置及び技術に関する。説明の目的上、本開示の実施形態は、全般的には、多層光学高分子フィルムの製造に関連して説明される。しかしながら、本開示の実施形態は、光学フィルムに限定されないことが理解されよう。例えば、本開示の実施形態は、フィードブロックなどの装置が、1種以上の高分子フィルム材料を受け取って、個別の高分子層を有する多層フローストリームを創出し、その多層フローストリームを、多層フィルムへと更に加工処理することができる、任意の多層フィルムの製造に関して有用であり得る。そのような多層高分子フィルムの例としては、光学高分子フィルム及び非光学高分子フィルムの双方を挙げることができる。
【0015】
多層高分子フィルムは、それぞれが1つ以上のタイプの高分子材料で形成される、複数の個別層を含み得る。例えば、特定の多層光学フィルムは、高指数の高分子材料と低指数の高分子材料とが交互に繰り返される、数百個の個別の高分子層を含み得る。そのような高分子層の形成は、一般的には高分子溶融ストリームの形態の、好適な高分子材料を受け取って、その高分子材料を、個別層の積み重ね体を含む多層高分子フローストリームへと配向する、フィードブロック装置を介して、達成することができる。フィードブロックから出た後、この多層フローストリームは、次いで、フィルムのライン内部で更に加工処理して、多層光学フィルムを作り出すことができる。多層光学フィルムを製造するように構成された、フィードブロック及びフィルムのラインの実施例は、例えば、「Apparatus for Making Multilayer Optical Films」と題され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,783,349号(Neavinら)で説明されている。
【0016】
フィードブロックによって、高分子材料を、積み重ねられた個別層へと最初に配向することから得られる、多層フローストリームは、1次パケット又は親パケットと称される場合がある。通常は、フィードブロックから出て行く多層フローストリームの個別層の数は、フィードブロックによって作り出される1次パケットの数とほぼ等しい。多層フィルムの物理的特性及び/又は光学的特性のうちの1つ以上は、フィルム内の個別の高分子層の数に応じて変化し得るため、1次パケットによって保有される層の数を制御することが望ましい場合がある。
【0017】
しかしながら、フィードブロック内で作り出される1次パケットによって保有することが可能な、個別の高分子層の数は、多数の因子によって制限される場合がある。例示的な因子としては、物理的寸法、重量、及び/又は所望の数の高分子層を作り出すことが可能なフィードブロックのコストなどの、フィードブロックの設計並びに/あるいは実際的な考慮を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、フィードブロックが、多層フィルムの諸タイプに関して所望される層の数以上の、多数の個別層を有する1次パケットを作り出すことは、必ずしも実行可能ではない場合がある。
【0018】
更には、多層光学フィルムの個別層の数を制御することに加えて、多層光学フィルムを構成する個別層の厚さを正確に制御することもまた、望ましい場合があり、その厚さの組み合わせは、全般的には、層厚さプロファイルと称される場合がある。例えば、多層光学フィルムの、1つ以上の物理的特性及び/又は光学的特性は、フィルム内の個別層の数に加えて、その多層光学フィルムの層厚さプロファイルに応じて変化し得る。一部の場合には、多層フィルムは、多層フィルムの全体にわたって、層厚さの単調な変動又は勾配が存在するような、層厚さプロファイルを保有することが望ましい場合がある。標的の層厚さプロファイルからの、多層光学フィルム内部の層厚さの逸脱は、そのフィルムの性能の劣化をもたらす恐れがある。
【0019】
したがって、フィードブロックによって作り出される多層フローストリームの層厚さプロファイルを、正確に制御することが一般的に望ましく、様々な技術を、製造プロセス内に実装して、多層フローストリーム内の層厚さプロファイルの制御又は「同調」を、少なくとも部分的に提供することができる。例えば、米国特許第6,783,349号(Neavinら)で説明されるように、フィードブロック内部の、高分子溶融ストリームを送達する導管の近位に配置される、1つ以上の軸方向棒状ヒータを使用して、追加的な熱を導管に供給し、局所的に高分子の粘度を低下させ、導管内部の更なるフローを促進することができる。そのような場合には、場所ごとに追加される熱の量を調節及び制御して、フィードブロックによって作り出される1次パケットから製造される多層フィルムの、望ましい層厚さ及び/又は光学スペクトルを獲得することができる。
【0020】
多層光学フィルムに必要とされる、個別の高分子層の数が、フィードブロックによって直接作り出すことができる、実際の層の数を超過する場合、層増倍デバイス(界面表面生成装置(generator)と称される場合もある)を使用して、多層フィルムを形成する多層フローストリーム内の層の数を、増大させることができる。この増倍デバイスは、フィードブロックによって創出される親パケットの層の数と、ほぼ等しい層の数を有する多層フローストリームを、フィードブロックから受け取り、そのフローストリームを、2つ以上のサブストリームへと分割することができる。これらのサブストリームのそれぞれは、2次パケットと称される場合がある。次いで、増倍デバイスは、その2つ以上の2次パケットを、互いの上にパケットを積み重ねることによって再配向し、次いで、その2次パケットを結合して、増大した数の個別層を有する多層フローストリームを作り出すことができる。このプロセスは、所望の数の個別層を有する多層フローストリームが達成されるまで、得られるフローストリームに対して繰り返すことができる。
【0021】
一部の多層光学フィルムの用途では、増倍デバイスは、2次パケット間の一定の厚さの比率に従って、その層を分割及び分離することが必要とされる場合がある。2次パケット「A」の、2次パケット「B」に対する質量流量の比率は、増倍比率と称される場合がある。一部の実施例では、増倍比率は、約1.0〜約2.0の範囲とすることができる。増倍デバイスを使用して、パケット間の所望の増倍比率を達成するために、増倍装置の物理的寸法は、フローチャネルの抵抗を正確に制御することにより、そのチャネルを通過する質量流量の、得られる比率が、所望の標的増倍比率と等しくなるように設計することができる。
【0022】
一部の状況では、フィードブロック内部で、複数の層を有する単一の親パケットを作り出し、次いで、増倍デバイスを使用して、層の数を増大させる上述の手法は、一部の多層光学フィルムを製造するためには好適であり得るが、一部の場合には、そのようなプロセスは、1つ以上の望ましくない制限を提示する恐れがある。例えば、非1次パケット、例えば2次パケットのそれぞれは、フィードブロック内で作り出される単一の親パケットに由来するため、層の数は、一般的には、各非1次パケット内で同じである。それゆえ、そのような範囲では、多層光学フィルム内に存在する層の正確な数は、フィードブロックによって作り出される1次パケット内に存在する層の数に大きく依存する。
【0023】
更には、別の例としては、最適な増倍デバイスの設計は、例えば粘度などの、具体的な高分子樹脂特性、並びに、例えば温度及び流量などの、具体的なプロセス条件を前提として、実行される場合がある。結果として、異なる高分子材が使用されるか、又は加工処理条件が、本来の設計で使用される前提とは異なる場合には、パケット間の、得られる増倍比率は、本来の標的比率から逸脱する可能性が高くなる。更には、新たな増倍比率が所望される場合には、増倍デバイスのフローチャネルを、機械的に変更、例えば、機械加工して、所望の増倍比率に相当する、正しい流動抵抗を獲得することが必要な場合がある。
【0024】
別の例としては、1次パケット内で生じる、層厚さプロファイルの誤差は、層と共に増倍され、各2次パケット内に存在する。更には、増倍プロセスの間に、誤差の振幅は、多くの場合、パケットが増倍される回数に比例して増大し、ウェブ交差方向での誤差からの影響範囲も、同様に増大する恐れがある。
【0025】
更に別の例としては、増倍デバイスの設計機能は、多層光学フィルムの生産の間の、プロセス条件の変動又は樹脂特性のロット間変動に対して、増倍比率を補正するための、いずれの手段も可能にすることができない。結果として、パケット間の光学漏洩により、及び/又はそれぞれのパケットの層厚さの重なり合いにより、製造される多層フィルム内には、標的スペクトルからの逸脱が存在する恐れがある。更には、増倍設計への典型的な手法により、標的の増倍比率と、ウェブ交差方向での層の均一な延展を提供することとの双方を、同時に達成するフロー形状を獲得することが、困難になる恐れがある。
【0026】
本開示の実施形態は、上述の制限のうちの1つ以上に対処することができる。以下でより詳細に説明されるように、一部の実施形態では、フィードブロックは、複数の1次パケットを作り出すように構成される、パケット創出装置区域を含み得る。1次パケットは、互いに独立して作り出すことができ、このことにより、各1次パケットの1つ以上の特性が、互いに独立して、制御又は「同調」されることを可能にすることができる。1次パケットを作り出した後、パケット結合装置内で、1次パケットを互いに結合して、多層フローストリームを創出することができる。この方式では、一部の実施形態では、フィードブロックは、単一の1次パケット内にフィードブロックが作り出すことが可能な数よりも多い、多数の個別層を有する、多層フローストリームを創出することができる。
【0027】
図1は、多層高分子フィルムを製造するために使用することができる、例示的なフィルムのライン10を示す概略図である。全般的には、フィルムのライン10は、1種以上の高分子材料を受け取り、その高分子材料を加工処理して、例えば、多層光学フィルムなどの、フィルムの個別層が1種以上の高分子材料を含む、多層高分子フィルムを形成するように構成することができる。
【0028】
図1の実施例では、フィルムのライン10は、第1押出機12、第2押出機14、フィードブロック16、増倍装置18、押出ダイ20、流延成形ホイール22、配向装置24、及び巻き取りロール26を含む。図示の実施形態では、フィルムのライン10は、全般的には、第1高分子材料28又は第2高分子材料30のいずれかを含む個別の高分子層を有する、多層フィルムを製造するように構成される。しかしながら、以下で説明されるように、本開示の実施形態は、第1高分子及び第2高分子を有する多層フィルムを生産することに限定されるものではなく、むしろ、一部の実施例では、3種以上の高分子を含み得る。
【0029】
構成されるように、第1高分子材料28及び第2高分子材料30は、それぞれ、第1押出機12及び第2押出機14を介して、それらの加工処理温度以上、例えば、溶融及び/又はガラス転移温度以上の温度まで加熱して、フィードブロック16内に送り込むことができる。フィードブロック16は、第1高分子材料28及び第2高分子材料30を加工処理して、第1材料28及び第2材料30の複数の個別層を含む、多層フローストリーム32を形成する。
【0030】
多層フローストリーム32がフィードブロック16から出て行く際、ストリーム32は、任意選択的に、層増倍装置18内に送り込むことができる。増倍装置18は、多層フローストリーム32を、2つ以上のサブストリーム、すなわち、2次パケットへと分割し、次いで、1つ以上のサブストリームを別のサブストリームの上に積み重ねた後に、それぞれのサブストリームのうちの2つ以上を再結合して、多層フローストリーム32内の層の数を、より大きい、多層フローストリーム42内の層の数へと増倍することができる。他の実施形態では、増倍装置18は、フィルムのライン10内で利用されない場合がある。
【0031】
増倍装置18から、多層フローストリーム42は、フィルム押出ダイ20内に入る。典型的には溶融形態である、フィルム押出ダイ20からの押出物44は、流延成形ホイール22に押出物44をピン止めする、1つ以上のピン止めワイヤ又はピン止めバンドを通過して回転する、流延成形ホイール22上で冷却される。一部の場合には、多層フローストリーム42は、1つ以上のスキン層を含み得る。
【0032】
流延成形ホイール22から、フィルム46を、配向装置24によって配向することができる。例えば、配向装置24は、フィルム46を縦(機械)方向で延伸することができる、引張ロールなどの、長さ配向装置を含み得る。別の例としては、配向装置24は、更に、又は代替として、フィルム46を横断(ウェブ交差)方向で延伸することができるか、又はフィルム46(film 24)を二軸延伸することができる幅出機を含み得る。フィルム46は、フィルム48に関して所望される特性に応じた、適切な延伸比に従って、配向装置によって延伸することができる。フィルム48は、次いで、配向装置24から、巻き取りロール26上に収集することができる。
【0033】
更に
図1を参照すると、フィードブロック16は、パケット創出装置区域34、及びパケット結合装置36を含む。パケット創出装置区域34は、第1パケット創出装置35、及び第2パケット創出装置37を含む。以下で更に詳細に説明されるように、各パケット創出装置は、単一の1次パケットを独立して作り出すように、すなわち、個別のパケット創出装置のそれぞれが、
図1の個別の1次パケット38及び1次パケット40に相当する、単一の1次パケットを作り出すように構成することができる。1次パケット38及び1次パケット40のそれぞれは、第1高分子材料28及び第2高分子材料30とが交互に繰り返される、複数の個別の高分子層を含み得る。一部の実施形態では、パケット創出装置区域34は、3つ以上のパケット創出装置、例えば、3つ、4つ、又は5つ以上のパケット創出装置などを含み得、そのそれぞれが、単一の1次パケットを作り出すように構成される。したがって、フィードブロック16は、上述のように、1つのみの1次パケットではなく、複数の1次パケットを創出することが可能である。1次パケット38及び1次パケット40が、共通の高分子材料を含む実施例では、第1パケット創出装置35及び第2パケット創出装置37には、それぞれのパケット創出装置に固有の個別の押出機から、樹脂を供給することができ、又は、共通の押出機が、パケット創出装置35及びパケット創出装置37の双方に、同様の樹脂を供給することができる。
【0034】
パケット創出装置区域34を介して、第1材料28及び第2材料30から作り出された後、1次パケット38及び1次パケット40は、パケット結合装置36によって受け取ることができる。以下で更に詳細に説明されるように、パケット結合装置36は、1次パケット38及び1次パケット40を、単一の多層ストリーム32へと結合することができる。例えば、パケット結合装置36は、パケット創出装置区域34から、パケット38及びパケット40を受け取り、次いで、パケット38及びパケット40の一方又は双方のフローを、単一の多層ストリーム32へと適切に結合することができるように、再方向付けすることができる。多層フィルム内の層の所望の量に応じて、多層ストリーム32は、任意選択的に、
図1に示すように増倍装置18によって加工処理するか、又は増倍装置18によって加工処理することなく、押出ダイ20に送り込むことができる。
【0035】
一部の実施形態では、パケット結合装置36は、それぞれの1次パケットの少なくとも一部分が、結合装置36によって結合される際に積み重ねられるように、それぞれのパケットのフローを、互いに対して再配向することによって、パケット38とパケット40とを結合することができる。パケット38及びパケット40の少なくとも一部分が、互いに結合される際に積み重ねられる場合には、得られる多層ストリーム32の少なくとも一部分は、パケット38及びパケット40内の個別の高分子層の数の合計とほぼ等しい、個別層の総数を含む。実質的に完全な積み重ね構成での、パケットの結合から得られる多層フローストリームの一実施例は、
図7に関連して更に説明される。
【0036】
パケット38とパケット40とを結合することによって、フィードブロック16によって創出される多層ストリーム32の積み重ね部分内の個別層の数は、増倍装置18を使用しない場合であっても、個別の1次パケット38及び1次パケット40のいずれよりも、多くすることができる。一部の実施形態では、フローストリーム32内の個別の高分子層の数が、製造されている所望のフィルムに関して好適である場合には、フィルムのライン10は、増倍装置18の使用を必要としない場合がある。その代わりに、多層フローストリーム32は、増倍装置18を介した層の増倍を伴うことなく、押出ダイ20によって加工処理することができる。他の場合には、所望の数の層を有する多層フローストリームを生産するために、増倍装置18によって多層フローストリーム32を加工処理しなければならない回数は、フィードブロック16内で、2つ以上の1次パケットを作り出し、次いで、それらの1次パケットを多層フローストリーム32へと結合することによって、低減される。
【0037】
一部の実施例では、多層ストリーム32は、パケット38及びパケット40の層の他にも、1つ以上の追加層を含み得る。例えば、パケット創出装置区域34内では、1次パケット38及び1次パケット40を形成するために使用される高分子のうちの1種以上の、比較的厚い保護境界層を、第1パケット創出装置35及び/又は第2パケット創出装置37内で、1次パケット38及び1次パケット40に追加することができ、これらを、その後に、フィルム46内のスキン層にすることができる。別の実施例では、パケット38とパケット40とが結合される前に、パケット結合装置36の内部で、1つ以上のスキン層を、パケット38及び/又はパケット40に追加することができる。そのようなスキン層は、パケット38とパケット40とが結合され、多層フローストリーム32を形成した後に、追加することができる。更には、又は代替として、コア層を追加することにより、そのコア層は、多層ストリーム32内でパケット38とパケット40とを隔てることができる。そのようなスキン層は、追加的な押出機(図示せず)から、パケット38、40に使用される同じ高分子の一方若しくは双方で作製することができ、又は、それらのスキン層は、異なる高分子で作製することもできる。
【0038】
一部の実施例では、互いに結合して多層ストリーム32を形成する前に、パケット38、パケット40、又は任意の追加層のストリームのうちの1つ以上を、例えば延展マニホールドを介して、ウェブ交差方向で延展することができる。更には、又は代替として、多層ストリーム32は、パケット38及びパケット40、並びに任意の他の追加層のストリームの結合を介して形成された後に、ウェブ交差方向で延展することができる。
【0039】
図2A及び
図2Bは、例示的なフィードブロック50を示す概念図である。フィードブロック50は、
図1のフィルムのライン10などの、多層高分子フィルムを製造するように構成されるフィルムのライン内の、フィードブロック16として使用することができる。例えば、フィードブロック50は、上述のように、1つ以上の押出機から高分子材料を受け取り、その受け取った高分子材料を個別層として含む、多層フローストリームの産出を作り出すことができる。図示のように、フィードブロック50は、パケット創出装置区域52及びパケット結合装置54を含み、それらは共同して作動し、受け取った高分子材料から、上述の多層フローストリームの産出を作り出す。
【0040】
図2Aを参照すると、パケット創出装置区域52は、ハウジング57内部に、第1パケット創出装置56を含み、ハウジング59内部に、第2パケット創出装置58を含む。第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58は、それぞれ、単一の1次パケットを独立して作り出すように構成される。図示のように、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58が、そのそれぞれの個別の1次パケットを作り出した後、パケット結合装置54が、各1次パケットを受け取り、それらの1次パケットを、単一の多層フローストリームへと結合する。
【0041】
第1パケット創出装置56は、第1フローチャネル60a、第2フローチャネル62a、第1の複数の導管64a、第2の複数の導管66a(
図2Aには示さず)、スロットダイ区域68a、熱的同調機構70a及び熱的同調機構72a、並びに圧縮区域74aを含む。同様に、第2パケット創出装置58は、第1フローチャネル60b、第2フローチャネル62b、第1の複数の導管64b、第2の複数の導管66b(
図2Aには示さず)、スロットダイ区域68b、熱的同調機構70b及び熱的同調機構72b、並びに圧縮区域74bを含む。
【0042】
第1パケット創出装置56に関しては、第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aは、それぞれのフローチャネルに適切な高分子材料を供給する、1つ以上の押出機(図示せず)と流体連通する。図示の実施例では、第1フローチャネル60aは、第1押出機(図示せず)から、樹脂の形態の第1高分子材料を受け取ることができ、第2フローチャネル62aは、第2押出機(図示せず)から、第2高分子材料を受け取ることができる。
【0043】
第1フローチャネル60aはまた、複数の第1導管64aとも流体連通しており、第2フローチャネル62aはまた、複数の第2導管66aとも流体連通する。
図2Bに示すように、複数の第1導管64aは、7つの個別の第1導管を含み、複数の第2導管66aは、6つの個別の第2導管を含む。それぞれの各個別の導管は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット内の複数の高分子層の、個別の高分子層に対応し得る。したがって、
図2A及び
図2Bの実施例では、第1パケット創出装置56は、第1高分子材料を含む7つの高分子層と、第2高分子材料を含む6つの高分子層とを備える、総計13個の個別の高分子層を有する1次パケットを作り出すように構成される。しかしながら、以下で更に説明されるように、パケット創出装置によって作り出される1次パケットの個別層の数は、そのような数に限定されるものではない。
【0044】
複数の第1導管64a内の個別の導管のそれぞれは、スロットダイ区域68aの諸部分と流体連通しており、複数の第2導管66a内の個別の導管のそれぞれもまた、スロットダイ区域68aの諸部分と流体連通する。したがって、第1フローチャネル60aによって受け取られた第1高分子材料は、複数の第1導管64aを介して、スロットダイ区域68aの対応する部分に送り込むことができる。同様に、第2フローチャネル62aによって受け取られた第2高分子材料は、複数の第2導管66aを介して、スロットダイ区域68aの対応する部分に送り込むことができる。複数の第1導管64a及び複数の第2導管66aは、
図2Aでは、第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aを、2つの区域の「L」字形状の構成で、スロットダイ区域68aに接続するように示されるが、実施形態は、そのように限定されるものではない。例えば、一部の実施形態では、第1導管64a及び第2導管66aは、第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aを、傾斜構成を有する単一の区域を介して、スロットダイ区域68aに接続することができる。第1パケット創出装置区域並びに第2パケット創出装置区域の、第1フロー導管及び第2フロー導管に関する傾斜構成を呈する実施例は、以下で更に説明される、
図6C及び
図6Hに示される。
【0045】
一部の実施形態では、それぞれのフローチャネル60a及びフローチャネル62aの形状は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの、層厚さ分布に影響を及ぼすように、設計することができる。例えば、フローチャネル60a及びフローチャネル62aの断面積は、一定に維持することができ、又は、例えば面積を増大若しくは減少させて、変化させることにより、適切な圧力勾配を提供することができ、フローチャネル60a及びフローチャネル62aの断面積によって提供される圧力勾配は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの、層厚さ分布に影響を及ぼし得る。
【0046】
任意選択的に、複数の導管64a及び複数の導管66aの近位に、熱的同調機構70a及び熱的同調機構72aが存在する。図示の実施例では、熱的同調機構70a及び熱的同調機構72aは、複数の導管64a及び複数の導管66aを流れる高分子材料に、選択的に熱を提供するために使用される、1つ以上の軸方向棒状ヒータを含む。必要に応じて、この軸方向棒状ヒータの長さに沿った範囲内で、温度を変化させることができる。この方式では、複数の導管64a及び複数の導管66aのうちの1つ以上の導管を通過する、高分子材料の流量は、熱的同調機構70a及び熱的同調機構72aによって提供されている熱の量に従って調節することができ、それにより、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット内の個別層の厚さに影響を及ぼす。
【0047】
スロットダイ区域68aは、第1高分子材料及び第2高分子材料を、それぞれ複数の第1導管64a及び複数の第2導管66aから受け取るように構成される。一部の実施形態では、1次パケットの個別層は、スロットダイ区域68aの内部で形成することができる。スロットダイ区域68aは、対応する複数の導管64a及び複数の導管66aから、高分子材料を受け取り、その高分子材料を、スロットダイ区域68aの幅方向(x−方向)で、ほぼ所望のパケット幅まで延展するように構成される、拡張マニホールド区域を含み得る。スロットダイ区域68aはまた、拡張マニホールド区域から高分子材料を受け取り、その高分子材料から個別の高分子層を形成することを更に支援する、スロット区域も含み得る。高分子材料がスロットダイ区域68aから出て行くまでには、第1パケット創出装置56によって作り出される第1の1次パケットの、複数の層を構成する個別層は、それらの層の主要平面が、ほぼウェブ交差方向(x−方向)で延在する状態で、実質的に形成され、すなわち、それらの層は、
図2Bに示すように、ほぼy−方向で積み重ねられる。
【0048】
図2Bに示すように、複数の第1導管64aの個別の導管は、スロットダイ区域68aの深さに沿って(y−方向で)、複数の第2導管66aの個別の導管と、交互配置される。結果として、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットは、その個別層が、実質的に第1高分子と第2高分子とを交互に繰り返すように、形成される。一部の場合には、高分子層を、例えば、特に、高指数の高分子層と低指数の高分子層とを、交互に繰り返すことによって、フィルムは、1つ以上の望ましい光学的特性を呈することができる。第1パケット創出装置56によって形成される、13個の個別の高分子層は、A/B/A/Bのパターンで交互に繰り返されるが、実施形態は、そのように限定されるものではない。例えば、一部の実施形態では、第1パケット創出装置56は、A/B/B/A、A/A/A/B/B/B、A/B/B/B/Aなどのような、他のパターンに従って、構成することができる。スロットダイ区域68a内の隣接するスロットに、同様の材料が送り込まれる場合には、このことにより、2つの個別層ではなく、単一の高分子層を生じさせることができ、この層は、単一の導管によって送り込まれる、単一のスロットのみを介して形成される高分子層よりも、大きい厚さを有し得る。したがって、第1パケット創出装置56によって創出される1次パケットは、13個の交互に繰り返される高分子層を有する1次パケットを作り出すことに限定されるものではない。この方式では、第1パケット創出装置56は、第1パケット創出装置56が創出する、対応する1次パケットの、特性及び組成の多大な柔軟性を提供する。更には、第1パケット創出装置56及び/又は第2パケット創出装置58は、3つ以上のタイプの高分子層を有する1次パケットを作り出すように構成することができるため、上述以外のパターンが想到される。例えば、3つの異なるタイプの高分子層を有する1次パケットの場合には、第1パケット創出装置56及び/又は第2パケット創出装置58は、A/B/C又はA/C/Bのパターン、並びに3つの異なるタイプの高分子層の任意の他の可能な組み合わせを有する1次パケットを作り出すように構成することができる。
【0049】
スロットダイ区域68aから出ると、第1の1次パケットに相当する多層高分子ストリームは、圧縮区域74a内に送り込むことができ、この圧縮区域74aで、1次パケットの層は、横断方向(y−方向)で圧縮されて、その1次パケットの厚さが減少する。圧縮区域74a内で圧縮された後、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットは、パケット結合装置54に送り込まれ、このパケット結合装置54が、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットと、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットとを結合する。
【0050】
前述のように、第2パケット創出装置58は、第1フローチャネル60b、第2フローチャネル62b、第1の複数の導管64b、第2の複数の導管66b(
図2Aには示さず)、スロットダイ区域68b、熱的同調機構70b及び熱的同調機構72b、並びに圧縮区域74bを含む。これらの機構のそれぞれは、第1パケット創出装置56の、同様の番号及び名称が付される機構に関連して説明されるものと、実質的に同じか、又は同様であるように構成することができる。したがって、第2パケット創出装置58は、第1パケット創出装置56による1次パケットの生成に関連して説明されるプロセスと、実質的に同じか、又は同様のプロセスに従って、1次パケットを作り出すように構成することができる。第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットに相当する、多層高分子ストリームが、圧縮区域74b内で圧縮された後、その1次パケットは、第1パケット創出装置56からの1次パケットと共に、パケット結合装置54に送り込まれる。
【0051】
パケット結合装置54は、パケット結合装置ハウジング78によって画定される、第1チャネル76a及び第2チャネル76bを含む。第1チャネル76aは、圧縮区域74aと流体連通しており、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットに相当する、多層高分子ストリームを、入口80aを介して受け取ることができる。同様に、第2チャネル76bは、圧縮区域74bと流体連通しており、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットに相当する、多層高分子ストリームを、入口80bを介して受け取ることができる。
【0052】
パケット結合装置54は、第1の1次パケットと第2の1次パケットとを互いに結合して、
図2A及び
図2Bでは、数字82によって全般的に表される、単一の多層ストリームを形成するように構成することができる。例えば、
図2A及び
図2Bに示すように、第1チャネル76a及び第2チャネル76bは、それぞれ入口80a及び入口80bを介して受け取られる1次パケットに相当する多層フローストリームが、パケット結合装置54内部で、その1次パケットがパケット結合装置54によって受け取られた元の相対位置から再配向されて、次いで、単一の多層フローストリーム82へと結合されるように、互いに対して構成することができる。具体的には、第1チャネル76a及び第2チャネル76bは、それぞれのパケットが結合される際に、そのパケットの少なくとも一部分が、互いに対して積み重ねられるように、それぞれの1次パケットを再配向することができる。例えば、それぞれの1次パケットが再配向されて、適切に積み重ねられている場合、それらのパケットの最も外側の表面を互いに接触させ、それぞれの1次パケットを、溶融積層加工を介して、単一のフローの、多層フローストリーム82へと結合することができる。
【0053】
この方式では、上述のように1次パケットを結合することによって、多層フローストリーム82は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの少なくとも一部分、及び第2パケット創出装置58によって作り出される第2パケットの少なくとも一部分を、積み重ね構成で含み得る。したがって、多層フローストリーム82の少なくとも一部分によって保有される個別層の数は、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58によって作り出される、それぞれの1次パケット内の、個別の高分子層の数の合計とほぼ等しい。例えば、多層フローストリーム82は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット、及び第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットが、それぞれ総計13個の個別の高分子層を有すると仮定すると、
図2A及び
図2Bの実施例では、総計26個の個別層を含み得る。しかしながら、一部の場合には、1次パケットを結合する際に互いに接触させる、それぞれの各1次パケットの外側層が、実質的に同じ高分子材料で形成される場合には、その2つの外側層は、一体に結合して、多層フローストリーム82内で、単一の高分子層を有効に形成することができる。そのような場合には、多層フローストリーム82は、総計25個の個別層を含み得る。そのような場合の層の総数は、一般的に、式x+y−1によって説明することができ、式中、xは、第1パケット創出装置によって作り出される1次パケット内の層の数に等しく、yは、第2パケット創出装置によって作り出される1次パケット内の層の数に等しい。
【0054】
一部の実施形態では、パケット結合装置54の1つ以上の部分、例えば、チャネル76a及びチャネル76bのフロー形状は、1次パケットの少なくとも一部分が、互いに結合される際に積み重ねられるように、それぞれのパケットを再配向することに加えて、それぞれの1次パケットの、ウェブ交差方向(x−方向)での均一な延展を達成するように設計することができる。例えば、第1チャネル76a及び/又は第2チャネル76bは、受け取った1次パケットを、ウェブ交差方向で延展するように設計することができる。以下で更に説明されるように、一部の実施例では、第1チャネル76a及び第2チャネル76bは、それぞれのパケットのフローストリームを結合して、多層フローストリーム82を形成する前に、それぞれのパケットを、ウェブ交差方向で延展するように構成することができる。
【0055】
更に
図2A及び
図2Bを参照すると、受け取った1次パケットの結合から得られる、多層フローストリーム82は、出口84を介して、パケット結合装置54から出て行く。製造される多層高分子フィルムに関して所望される、個別層の数に応じて、多層フローストリーム82は、押出ダイを介して加工処理される前に、フローストリーム82の層の数を増大させるために、更なる加工処理を施される場合があり、又は施されない場合もある。例えば、多層フローストリーム82内の高分子層の数、すなわち、第1の1次パケット及び第2の1次パケット内の層の合計の数と実質的に等しい数が、所望の多層フィルムに関して好適である場合には、多層フローストリーム82は、増倍デバイスによる層の増倍を伴うことなく、押出ダイに送り込むことができる。必要とされる程度まで、フローストリーム82は、押出ダイ内部の延展マニホールドによって、ウェブ交差方向で延展することができる。一部の実施例では、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットは、互いに結合されて多層ストリーム82を形成する前に、別個に押出ダイに送り込み、次いで、延展マニホールドによって、ウェブ交差方向で延展することができる。
【0056】
あるいは、一部の実施形態では、多層フローストリーム82は、例えば、多層フローストリーム82内の層の数が、製造されている多層フィルムに関して所望される層よりも少ない場合には、押出ダイによって加工処理される高分子フローストリーム内の層の数を増大させるために、増倍装置によって加工処理することができる。しかしながら、少なくとも、増倍デバイスによる層の増倍に関連する前述の理由により、一部の実施形態では、得られる多層フローストリーム82内の層の数が、更なる層の増倍を伴うことなく、好適な層の数を提供するように、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58を構成することが望ましい場合がある。そのような場合には、前述の、増倍デバイスに関連する問題のうちの1つ以上を、回避することができる。
【0057】
図2A及び
図2Bの実施形態は、13個の個別の高分子層を有する1次パケットを作り出すように構成されているとして、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58を説明するが、実施形態は、そのような構成に限定されるものではない。むしろ、一部の実施形態では、パケット創出装置は、13個よりも多いか、又は少ない個別の高分子層を含む、1次パケットを作り出すように構成することができる。例えば、一部の実施形態では、パケット創出装置56及び/又はパケット創出装置58は、少なくとも4つの個別の高分子層を有する、1次パケットを作り出すように構成することができる。一部の実施形態では、第1パケット創出装置56及び/又は第2パケット創出装置58は、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケット内の、個別の高分子層の数が、少なくとも4つの個別層、例えば、少なくとも20個の個別層、少なくとも50個の個別層、少なくとも125個の個別層、又は少なくとも300個の個別層などとすることができるように構成することができる。一部の実施例では、第1パケット創出装置56及び/又は第2パケット創出装置58は、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケット内の、個別の高分子層の数が、約50個の高分子層〜約1000個の高分子層の範囲、例えば、約100個の高分子層〜約500個の高分子層などの範囲であるように構成することができる。一部の実施例では、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58は、実質的に同じ数の個別の高分子層を有する、1次パケットを作り出すように構成することができる。他の実施例では、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット内の、個別層の数は、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケット内の、個別層の数とは異なるものにすることができる。いずれの場合にも、そのような1次パケットは、本開示で説明されるように積み重ねて結合し、例えば、各1次パケットの層の数の合計とほぼ等しい数の層を有する、多層フローストリームを創出することができる。フィードブロック50は、2つのパケット創出装置区域のみを含む実施形態に限定されるものではなく、一部の実施形態では、3つ以上のパケット創出装置区域、例えば、3つのパケット創出装置、又は4つのパケット創出装置などを含み得る。個別のパケット創出装置のそれぞれは、本開示による別個の1次パケットを作り出すことができる。
【0058】
第1パケット創出装置56内のフロー画定区域、例えば、フローチャネル60a及びフローチャネル62a、導管64a及び導管66a、並びにスロットダイ区域68aの、実質的に全ての設計パラメータは、第2パケット創出装置58内のフロー画定区域、例えば、フローチャネル60b及びフローチャネル62b、導管64b及び導管66b、並びにスロットダイ区域68bからは独立し得る。第1パケット創出装置56内で使用される、スロットのギャップ高さ、スロットの長さ、導管の直径、チャネルの幅などのパラメータは、第2パケット創出装置58内の同様のパラメータの選択に影響を及ぼすことなく、選択することができる。このことにより、フィードブロック50内のそれぞれのパケット創出装置のフロー画定区域の、設計及び/又は機械加工の著しい柔軟性を可能にすることができる。
【0059】
更には、
図2A及び
図2Bに示すように、一部の実施形態では、フィードブロック50は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの、1つ以上の特性が、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの、1つ以上の特性からは実質的に独立し得るように、また逆も同様に、構成することができる。例えば、フィードブロック50は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット内の、高分子層の数が、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケット内の、高分子層の数からは実質的に独立し得るように、また逆も同様に、構成することができる。
図2A及び
図2Bで構成されるように、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケット内の層の数は、主として、スロットダイ区域68aの構成、並びにスロットダイ区域68aに送り込む複数の第1導管64a及び複数の第2導管66aの、個別の導管の数に応じて変化し得る。同様に、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケット内の層の数は、主として、スロットダイ区域68bの構成、並びにスロットダイ区域68bに送り込む複数の第1導管64b及び複数の第2導管66bの、個別の導管の数に応じて変化し得る。
【0060】
いずれの場合にも、第1の1次パケットによって保有される個別層の数、及び第2の1次パケットによって保有される個別層の数は、フィードブロック50内の他方のパケット創出装置の1つ以上の態様ではなく、主として、1次パケットを作り出す、それぞれのパケット創出装置の構成要素に応じて変化する。1つの結果として、フィードブロック50は、それぞれの1次パケット内の層の数が、実質的に互いに独立するために、多層ストリーム82によって保有される個別層の全範囲の、またそれゆえ、ストリーム82から製造される多層フィルムの、より多大な柔軟性を可能にすることができる。
【0061】
別の実施例としては、一部の実施形態では、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの、高分子層の組成物と、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの、高分子層の組成物とは互いに独立し得る。
図2A及び
図2Bに示すように、第2パケット創出装置58の第1フローチャネル60b及び第2フローチャネル62bは、第1パケット創出装置56の第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aとは、別個の異なるものとすることができる。したがって、第1フローチャネル60b及び第2フローチャネル62b内に送り込まれる高分子材料は、第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62a内に送り込まれる高分子材料とは異なるものにすることができる。
【0062】
この方式では、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの個別層を構成する、高分子材料は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの個別層を構成する、高分子材料からは独立し得る。結果として、一部の場合には、フィードブロック50は、例えば、パケット創出装置56が、高分子A及び高分子Bから1次パケットを作り出し、パケット創出装置58が、高分子C及び高分子Dから1次パケットを作り出す場合、異なる組成物をそれぞれが有する4つの個別層を含む、多層ストリーム82を生産することが可能であり得る。高分子A〜Dのそれぞれは、固有の特性、例えば、延伸された場合の、屈折率の値及び/又は複屈折の可能性を保有し得るため、フィードブロック50は、2つの異なる高分子層のみを有する多層フローストリームを作り出すように構成されたフィードブロックと比較して、製造される多層フィルムによって保有される特性を調整するための、より多大な能力を提供することができる。1次パケットの個別の高分子層は、単一の高分子材料のみを含むものとして、本明細書では説明される場合があるが、一部の実施形態では、個別の高分子層は、単一の高分子材料ではなく、3種以上の好適な材料の混合物を含み得ることが理解されよう。
【0063】
別の実施例としては、一部の実施形態では、フィードブロック50は、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルと、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルとが、実質的に互いに独立するように構成することができる。
図2A及び
図2Bで構成されるように、例えば、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルに影響を及ぼす、第1パケット創出装置56の構成要素(例えば、スロットダイ区域68a、第1の複数の導管64a及び第2の複数の導管66a、並びに第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62a)は、第2パケット創出装置58の対応する構成要素とは、実質的に別個の異なるものである。同様に、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルに影響を及ぼす、第2パケット創出装置58の構成要素(例えば、スロットダイ区域68b、第1の複数の導管64b及び第2の複数の導管66b、並びに第1フローチャネル60b及び第2フローチャネル62b)は、第1パケット創出装置56の対応する構成要素とは、実質的に別個の異なるものである。結果として、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58は、実質的に互いに独立する層厚さプロファイルを有する、別個の1次パケットを作り出すことが可能であり得る。
【0064】
更には、パケット創出装置56及びパケット創出装置58によって作り出される、それぞれの1次パケットの層厚さプロファイルが、互いに独立し得るばかりではなく、それぞれの1次パケットの層厚さプロファイルはまた、互いに独立して、制御又は「同調」することもできる。例えば、
図2A及び
図2Bでは、第1パケット創出装置56の同調機構70a及び同調機構72aは、第2パケット創出装置58の同調機構70b及び同調機構72bとは、実質的に別個のものである。前述のように、同調機構70a及び同調機構72aは、複数の導管64a及び複数の導管66a内を流れる高分子材料に、選択的に熱を提供することができ、同調機構70b及び同調機構72bは、複数の導管64b及び複数の導管66b内を流れる高分子材料に、選択的に熱を提供することができる。そのような構成では、同調機構70a及び同調機構72aは、上述のように、選択的に熱を提供して、例えば、同調が必要とされる場合の、パケット間の「クロストーク」を最小限に抑えるか、又は防止することによって、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルに、実質的に影響を及ぼすことなく、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルを、制御又は「同調」することができ、逆もまた同様である。一部の実施形態では、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58とは、実質的に、互いに熱的に分離することができる。
図2Aに示すように、フィードブロック50は、第1パケット創出装置ハウジング57と第2パケット創出装置ハウジング59との間に提供される、分離区域86を含み得る。分離区域86は、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58との間に、実質的な熱的分離を提供することができる。一部の実施形態では、分離区域86は、単に、第1パケット創出装置ハウジング57と第2パケット創出装置ハウジング59との間の、物理的な空隙スペースとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、分離区域86は、上述のように、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58との間に、適切な熱的分離を提供する、1種以上の材料を含み得る。いずれの場合にも、分離区域86の組成物(又は、区域86が物理的空隙スペースである実施形態では、組成物の欠如)及び/又は相対寸法は、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58との間に、適切な量の熱的分離を提供するように設計することができ、このことにより、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルを、実質的に互いに独立して制御又は「同調」することができるが、これは、少なくとも部分的には、分離区域86によって提供される相対的な熱的分離によるものである。更には、別個のパケット創出装置を使用して、フィードブロック50内で作り出される各1次パケットに関する、流入高分子の温度を、それぞれのパケット創出装置間で、異なるものにすることができる。同様に、各パケット創出装置の温度、及びパケット創出装置内部のフローは、それぞれのパケット創出装置間で、異なるものにすることができる。
【0065】
構成されるように、第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットと、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットとの厚さの比率、すなわち増倍比率は、前述のように、例えば、層増倍デバイスのチャネル形状の流動抵抗によってではなく、それぞれの各パケット創出装置に供給される材料の質量流量によって、決定することができる。結果として、稼働中に、増倍比率を直接調節して、本来の設計の間に立てられた前提からの、材料特性の変動又はプロセス条件の逸脱を、補正することができる。
【0066】
図3Aは、
図2Aの線A−Aに沿った、フィードブロック50を示す例示的な断面図である。具体的には、
図3Aは、分離区域86によって隔てられる、フィードブロック50のスロットダイ区域68a及びスロットダイ区域68bを示す。前述のように、分離区域86は、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58との間に、実質的な熱的分離を提供することができる。
【0067】
図示のように、スロットダイ区域68a及びスロットダイ区域68bは、それぞれ、対応するパケット創出装置によって作り出される1次パケット内の、複数の個別の高分子層に対応する、複数のスロット90a及び複数のスロット90bを、それぞれ含む。第1パケット創出装置56によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルは、スロットダイ区域68a内部の複数のスロット90aの相対的な形状に応じて変化し得る。同様に、第2パケット創出装置58によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルは、スロットダイ区域68b内部の複数のスロット90bの相対的な形状に応じて変化し得る。前述のように、スロットダイ区域68aとスロットダイ区域68bとを物理的に隔てることは、第1パケット創出装置56と第2パケット創出装置58との間に、実質的な熱的分離を提供することを支援することができ、前述のように、個別の1次パケットのそれぞれの、独立した制御又は「同調」を可能にする。
【0068】
図3B及び
図3Cは、A−Aに沿った、フィードブロック50を示す、代替の例示的な断面図を示す。
図3B及び
図3Cに示す実施例は、
図3Aに示す実施例と、実質的に同様である。しかしながら、
図3Aでは、スロットダイ区域68a内部の複数のスロット90aは、スロットダイ区域68b(slot die section 68a)内部の複数のスロット90bと、横断方向(y−方向)で位置合わせされる。
図3Bでは、スロットダイ区域68a内部の複数のスロット90aは、ススロットダイ区域68b(slot die section 68a)内部の複数のスロット90bと、横断方向(y−方向)で位置合わせされるが、互いに対してy−方向でオフセットされる。そのような構成では、スロットダイ区域68a及びスロットダイ区域68b内部の、個別のスロットのそれぞれは、複数のスロット90aの頂部スロット、及び複数のスロット90bの底部スロットを除いては、隣接するスロットダイ区域内の対応するスロットの真横にスロットを有する。
図3Cでは、複数のスロット90aと複数のスロット90bとは、
図3Bに示すオフセットの約半分で、互いにオフセットされる。そのような構成の場合には、複数のスロット90aは、互いに横断方向(y−方向)で位置合わせされているのではなく、本質的に、複数のスロット90bと交互配置される。
図3A〜3Cによって示されるように、スロットダイ区域68a及びスロットダイ区域68bは、複数のスロット90aと複数のスロット90bとが互いにオフセットされるように配向される場合も、又は配向されない場合もあり、またy−方向で互いに位置合わせされる場合もあり、又は互いに交互配置される場合もある。
【0069】
図4A及び
図4Bは、例示的なフィードブロック150を示す概念図である。
図2A及び
図2Bのフィードブロック50と同様に、フィードブロック150は、
図1のフィルムのライン10などの、多層高分子フィルムを製造するように構成されるフィルムのライン内で使用することができる。一部の態様では、フィードブロック150は、フィードブロック50と同じか、又は同様に構成することができ、
図2A及び
図2Bのフィードブロック50に関連して前述された機構と実質的に同様の、1つ以上の機構を含み得る。したがって、フィードブロック150の同様の機構は、フィードブロック50の機構と同様に標識される。例えば、フィードブロック150は、フィードブロック50の、それぞれ第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aと実質的に同じか、若しくは同様の、第1フローチャネル160a及び第2フローチャネル162aをそれぞれ含む。
【0070】
図4A及び
図4Bに示すように、フィードブロック150は、パケット創出装置区域152及びパケット結合装置154を含み、それらは共同して作動し、受け取った高分子材料から、上述の多層フローストリームの産出を作り出す。パケット創出装置区域152は、ハウジング157内部に、第1パケット創出装置156を含み、ハウジング159内部に、第2パケット創出装置158を含む。
【0071】
第1パケット創出装置156は、第1フローチャネル160a、第2フローチャネル162a、第1の複数の導管164a、第2の複数の導管166a(
図4Aには示さず)、スロットダイ区域168a、熱的同調機構170a及び熱的同調機構172a、並びに圧縮区域174aを含む。同様に、第2パケット創出装置158は、第1フローチャネル160b、第2フローチャネル162b、第1の複数の導管164b、第2の複数の導管166b(
図4Aには示さず)、スロットダイ区域168b、層厚さ同調機構170b及び層厚さ同調機構172b、並びに圧縮区域174bを含む。
【0072】
第1パケット創出装置156及び第2パケット創出装置158は、それぞれ、単一の1次パケットを独立して作り出すように構成される。第1パケット創出装置156及び第2パケット創出装置158が、そのそれぞれの個別の1次パケットを作り出した後、パケット結合装置154が、それぞれ、第1チャネル176aの入口180a、及び第2チャネル176bの入口180bを介して、1次パケットを受け取り、それらの1次パケットを、単一の多層フローストリーム182へと結合する。
【0073】
フィードブロック150は、1つ以上の態様で、
図2A及び
図2Bのフィードブロック50とは異なり得る。例えば、
図4A及び
図4Bに示すように、フィードブロック150のパケット創出装置区域152は、フィードブロック50のパケット創出装置区域52とは異なるように構成することができる。具体的には、第1パケット創出装置ハウジング157及び第2パケット創出装置ハウジング159の構成により、第1パケット創出装置156及び第2パケット創出装置158を、フィードブロック50の第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58よりも、相対的に、より近接して定置することが可能になる。更には、フィードブロック150は、第1パケット創出装置156と第2パケット創出装置158との間の境界に沿って、分離区域を含み得ない。
【0074】
第1パケット創出装置156及び第2パケット創出装置158を、x−方向に対して互いに近接して定置することによって、第1パケット創出装置156及び第2パケット創出装置158によってそれぞれ作り出される1次パケットを積み重ねて結合するために必要とされる、ウェブ交差方向の変化(x−方向)の相対量は、フィードブロック50で必要とされる量と比較して、低減される。そのような構成は、それぞれの1次パケット及び多層フローストリーム182内の、ウェブ交差方向の層の不均一性を低減し得ると考えられる。
【0075】
図5A〜5Cは、別の例示的なフィードブロック250を示す概念図である。
図2A及び
図2Bのフィードブロック50と同様に、フィードブロック250は、
図1のフィルムのライン10などの、多層高分子フィルムを製造するように構成されるフィルムのライン内で使用することができる。一部の態様では、フィードブロック250は、フィードブロック50と同じか、又は同様に構成することができ、
図2A及び
図2Bのフィードブロック50に関連して前述された機構と実質的に同様の、1つ以上の機構を含み得る。したがって、フィードブロック250の同様の機構は、フィードブロック50の機構と同様に標識される。例えば、フィードブロック250は、フィードブロック50の、それぞれ第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aと実質的に同じか、若しくは同様の、第1フローチャネル260a及び第2フローチャネル262aをそれぞれ含む。
【0076】
図5A〜5Cに示すように、フィードブロック250は、パケット創出装置区域252、及びパケット結合装置254を含み、それらは共同して作動し、受け取った高分子材料から、上述の多層フローストリームの産出を作り出す。パケット創出装置区域252は、ハウジング257内部に取り囲まれる、第1パケット創出装置256を含み、ハウジング259内部に取り囲まれる、第2パケット創出装置258を含む。
【0077】
第1パケット創出装置256は、第1フローチャネル260a、第2フローチャネル262a、第1の複数の導管264a、第2の複数の導管266a(
図5Aには示さず)、スロットダイ区域268a、熱的同調機構270a及び熱的同調機構272a、並びに圧縮区域274aを含む。同様に、第2パケット創出装置258は、第1フローチャネル260b、第2フローチャネル262b、第1の複数の導管264b、第2の複数の導管266b(
図5Aには示さず)、スロットダイ区域268b、熱的同調機構270b及び熱的同調機構272b、並びに圧縮区域274bを含む。
【0078】
第1パケット創出装置256及び第2パケット創出装置258は、それぞれ、単一の1次パケットを独立して作り出すように構成される。第1パケット創出装置256及び第2パケット創出装置258が、そのそれぞれの個別の1次パケットを作り出した後、パケット結合装置254が、それぞれ、第1チャネル276aの入口280a、及び第2チャネル276bの入口280bを介して、1次パケットを受け取り、それらの1次パケットを、単一の多層フローストリーム282へと結合する。
【0079】
フィードブロック250は、1つ以上の態様で、
図2A及び
図2Bのフィードブロック50とは異なり得る。例えば、
図5A〜5Cに示すように、第1パケット創出装置区域256は、スロットダイ区域268aの近位に、熱的同調デバイス292a及び熱的同調デバイス294aを含む。同様に、第2パケット創出装置区域258は、スロットダイ区域268bの近位に、熱的同調デバイス292b及び熱的同調デバイス294bを含む。一部の実施形態では、同調デバイス292a及び同調デバイス294aは、スロットダイ区域268aの全て、又は諸部分に、選択的に熱を提供することができる。同様に、同調デバイス292b及び同調デバイス294bは、スロットダイ区域268bの全て、又は諸部分に、選択的に熱を提供することができる。いずれの場合にも、同調デバイスを介してスロットダイ区域に提供される熱は、対応するパケット創出装置によって創出される1次パケットの1つ以上の特性、例えば、1次パケットのウェブ交差方向の層厚さプロファイルなどを、制御又は「同調」するように作用することができる。同調デバイス292a、292b、294a、及び/又は同調デバイス294bは、前述のような同調デバイス270a、270b、272a、及び/又は同調デバイス272bに加えて、若しくはそれらの代わりに、使用することができる。
【0080】
図5Aに示すように、第1パケット創出装置ハウジング257と第2パケット創出装置ハウジング259とは、分離区域286によって隔てられ、この分離区域286は、第1パケット創出装置256と第2パケット創出装置258との間に、実質的な熱的分離を提供することができる。一部の実施形態では、分離区域286は、単に、第1パケット創出装置ハウジング257と第2パケット創出装置ハウジング259との間の、物理的な空隙スペースとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、分離区域286は、上述のように、第1パケット創出装置256と第2パケット創出装置258との間に、適切な熱的分離を提供する、1種以上の材料を含み得る。いずれの場合にも、分離区域286の組成物(又は、区域286が物理的空隙スペースである実施形態では、組成物の欠如)及び/又は相対寸法は、第1パケット創出装置256と第2パケット創出装置258との間に、適切な量の熱的分離を提供するように設計することができ、このことにより、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケットの層厚さプロファイルを、実質的に互いに独立して制御又は「同調」することができるが、これは、少なくとも部分的には、分離区域286によって提供される相対的な熱的分離によるものである。
【0081】
フィードブロック50との別の例示的な相違としては、第1パケット創出装置256及び第2パケット創出装置258は、フィードブロック50内で、作り出されたパケットをパケット結合装置54が結合するフロー方向と、実質的に平行なフロー方向に沿って、1次パケットを形成するのではなく、前述のように、作り出された1次パケットをパケット結合装置254が単一の多層フローストリーム282へと結合するフロー方向とは、非平行なフロー方向(
図5Aの線296a及び線296bによって近似的に表す)に実質的に沿って、1次パケットが形成されるように構成される。
【0082】
図示のように、第1パケット創出装置256が第1の1次パケットを作り出す、相対的なフロー方向296aは、パケット結合装置254が、それぞれの1次パケットを結合して、多層フローストリーム282を形成する、長手方向軸線300と、角度298aを形成する。同様に、第2パケット創出装置258(first packet creator 258)が第2の1次パケットを作り出す、相対的なフロー方向296bは、パケット結合装置254が、それぞれの1次パケットを結合して、多層フローストリーム282を形成する、長手方向軸線300と、角度298bを形成する。
【0083】
角度298a(angles 296a)及び/又は角度298b(angles 296b)がゼロよりも大きく、すなわち、フロー方向300と非平行となるように、フィードブロック250を構成することによって、例えば分離区域286を介した、パケット創出装置256とパケット創出装置258との間の、十分な熱的分離が提供され、それぞれの1次パケットの、実質的に独立した制御又は「同調」が可能になる一方で、パケット結合装置254内部で必要とされる、それぞれの1次パケットのフローの、x−方向での再配置の相対的程度もまた、最小限に抑えることができる。一部の実施形態では、角度298a(angles 296a)及び/又は角度298b(angles 296b)は、0度超〜90度未満とすることができる。一部の実施形態では、角度298a(angles 296a)及び/又は角度298b(angles 296b)は、約5度〜約60度、例えば、約5度〜約30度などの範囲とすることができる。一部の実施形態では、角度298a(angles 296a)は、角度298b(angles 296b)とほぼ等しいものにすることができるが、他の実施形態では、角度298a(angles 296aは、角度298b(angles 296b)とは異なるものにすることができる。
【0084】
図5Cを参照すると、圧縮区域274a(packet combiners 274a)及び圧縮区域274b(packet combiners 274b)は、それぞれ、スロットダイ区域268a及びスロットダイ区域268bからの、それぞれの1次パケットのフローを再方向付けして、1次パケットの厚さを(y−方向で)圧縮する一方で、ウェブ交差方向(x−方向)での層の幅の均一性を実質的に維持するように、機能することができる。圧縮区域274aは、第1パケット創出装置256内の1次パケットのフローを、第1中心線296aに圧縮し、圧縮区域274bは、第2パケット創出装置258内の1次パケットのフローを、第2中心線296bに圧縮する。図示のように、一部の実施形態では、第1中心線296aと第2中心線296bとは、y−方向に対して、互いにオフセットさせることができる。この方式では、フィードブロック50は、前述のように、パケット結合装置254内部での、1次パケットの再方向付けから生じる恐れがある歪みを、最小限に抑えることができる。
【0085】
図6A〜6Kは、それぞれ、例示的なフィードブロック350a〜350kを示す概念図であり、そのそれぞれが、2つの別個のパケット創出装置を介して、2つの1次パケットを作り出すように設計される。
図6Lは、側面からの、例示的なフィードブロック350kを示す概念図である。
【0086】
フィードブロック50(
図2A及び
図2B)、フィードブロック150(
図4A及び
図4B)、及びフィードブロック250(
図5A〜5C)と同様に、フィードブロック350a〜350kのそれぞれは、
図1のフィルムのライン10などの、多層高分子フィルムを製造するように構成されるフィルムのライン内で使用することができる。一部の態様では、フィードブロック350a〜350kは、フィードブロック50、150、及び/又はフィードブロック250と同じか、若しくは実質的に同様に構成することができ、フィードブロック50、150、及び/又はフィードブロック250に関連して前述された機構と実質的に同様の、1つ以上の機構を含み得る。説明の容易性のために、フィードブロック350a〜350kの同様の機構は、全般的に、フィードブロック50の機構と同様の名称及び番号が付される。例えば、フィードブロック350a〜350kは、それぞれ、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aを含み、それらのフローチャネルは、フィードブロック50の、それぞれ第1フローチャネル60a及び第2フローチャネル62aと、実質的に同じか、若しくは同様のものとすることができる。
【0087】
同じく、説明の容易性のために、フィードブロック350a〜350kのそれぞれの同様の機構は、適用可能な場合、
図6A〜6Kの全体を通じて、同様の名称及び番号が付される。例えば、フィードブロック350a〜350kのそれぞれは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358を含む。しかしながら、フィードブロック350a〜350kの間での、同様の名称付け及び番号付けは、必ずしも、フィードブロック350a〜350kによって保有される様々な機構間での、同一の構成を意味するものではない。むしろ、以下のフィードブロック350a〜350kの説明から明らかとなるように、フィードブロック350a〜350kの間には、様々な設計の差異が存在し、それらの差異は、互いに比較される、フィードブロック350a〜350kのそれぞれの動作に影響を及ぼし得る。
【0088】
図6A〜6Kに示すように、フィードブロック350a〜350kのそれぞれは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358を含む。第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358は、それぞれ、実質的に互いに独立した方式で、単一の1次パケットを作り出すように構成される。特に注記のない限り、第1パケット創出装置356は、第1フローチャネル360a、第2フローチャネル362a、第1の複数の導管364a、第2の複数の導管366a(図示せず)、スロットダイ区域368a、熱的同調機構370a及び熱的同調機構372a、並びに圧縮区域374aを含む。同様に、第2パケット創出装置358は、第1フローチャネル360b、第2フローチャネル362b、第1の複数の導管364b、第2の複数の導管366b(図示せず)、スロットダイ区域368b、熱的同調機構370b及び熱的同調機構372b、並びに圧縮区域374bを含む。
【0089】
説明の容易性のために、フィードブロック350j(
図6J)並びにフィードブロック350k(
図6L)の、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358は、フローチャネル360、362、導管364、366、及び/又は熱的同調機構370、372の代わりに、それぞれ、第1層生成要素375a及び第2層生成要素375bを、全般的に含むように示される。全般的には、フィードブロック350j並びにフィードブロック350kの、第1層生成要素375a及び第2層生成要素375bは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358が、独立して、圧縮区域374a及び圧縮区域374bと共同して1次パケットを作り出すことを可能にする方式で、それぞれ、スロットダイ区域368a及びスロットダイ区域368bに送り込むことができる。したがって、一部の実施形態では、第1層生成要素375a及び第2層生成要素375bは、本開示で説明される例示的な構成のうちの1つ以上を含めた、フローチャネル360、362、導管364、366、及び/又は熱的同調機構370、372の、任意の好適な構成を含み得る。更には、フィードブロック350jは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される1次パケットと結合される、第3の1次パケットを作り出すための、第3パケット創出装置361を含む。第3パケット創出装置361は、第3層生成要素375c及びスロットダイ区域368cを含み、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358と同じか、若しくは実質的に同様のものとすることができる。
【0090】
上記の説明の1つの例外としては、
図6Hのフィードブロック350hに関して示すように、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358は、それぞれ、第1の複数の導管364a及び第1の複数の導管364b(second plurality of conduits 364b)の一方の側に隣接する、単一の熱的同調機構(それぞれ、熱的同調機構370a及び熱的同調機構370b)のみを、それぞれ含む。同様に、
図6Cのフィードブロック350cの、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358は、それぞれ、第1パケット創出装置356内の第1導管364aと第2導管366a(図示せず)との間、及び第2パケット創出装置358の第1導管364bと第2導管366b(図示せず)との間に配置されて示される、単一の熱的同調機構(それぞれ、熱的同調機構370a及び熱的同調機構370b)のみを含む。しかしながら、他の実施例では、フィードブロック350h並びにフィードブロック350cの、第1パケット創出装置356及び/又は第2パケット創出装置358は、2つ以上の熱的同調機構を含み得る。そのような実施例では、熱的同調機構は、第1導管364a及び第1導管364b(second conduits 364b)の両側に隣接して、配置することができる。
【0091】
第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358の構成要素は、フィードブロック50、150、及びフィードブロック250に関連して上述された方式と同じか、若しくは実質的に同様の方式で、双方の1次パケットを作り出すように、機能することができる。第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358が、それぞれの個別の1次パケットを作り出した後、1次パケットは、下流の、ある地点で結合されて、単一の多層フローストリーム382を形成する。一部の実施形態では、第1パケット及び第2パケットは、結合されて多層フローストリーム382を形成する前に、一方又は双方のパケットを、ウェブ交差方向(x−方向)で実質的に延展することなく、互いに結合させることができる。そのような機構は、例えば、
図6A〜6F及び
図6H〜6Jにそれぞれ示すような、フィードブロック350a〜350f及びフィードブロック350h〜350j内に具体化することができる。
【0092】
他の実施形態では、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によってそれぞれ作り出される、第1の1次パケット及び第2の1次パケットのうちの1つ以上は、第1パケットと第2パケットとが互いに結合される前に、ウェブ交差方向で延展することができる。そのような実施形態の一実施例を
図6Gに示し、この実施例では、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によってそれぞれ作り出される、第1パケット及び第2パケットの双方が、互いに結合されて単一の多層ストリーム382を形成する前に、ウェブ交差方向(x−方向)で延展される。第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出されるパケットが、互いに結合される前に、ウェブ交差方向で延展される場合の実施例は、例えば、
図10、11、13、及び
図15に関連して、以下で更に説明される。
【0093】
一部の実施形態では、フィードブロックのパケット創出装置区域は、パケット創出装置の内部の複数の導管及びスロット、例えば、第1パケット創出装置356内部の、第1導管364a及び第2導管366a、並びにスロットダイ区域368aのスロット部分を画定する、1つ以上の挿入部材を含み得る。
図6A〜6Kでは、説明の容易性のために、そのような挿入部材は、個別に、挿入部材390a又は挿入部材390bと称される場合があり、また全般的に、挿入部材390と称される場合もある。挿入部材390は、パケット創出装置区域のハウジングによって画定される、対応する受容部分内に、着脱可能に挿入されるように設計される、1つ以上のプレートとすることができる。この方式では、挿入部材390は、導管364a、366a、及び/又はスロット368aの修正(例えば、機械加工を介した)のために取り外すことができ、あるいは、導管364a、366a、及び/又はスロット368aを通過する異なるフローを提供するように設計された、別の挿入部材390と交換することができる。したがって、挿入部材390は、第1パケット創出装置区域356の導管364a及びスロット368aによって規定されるフロー特性を調節するための、より追加的な柔軟性を提供することができる。
【0094】
一部の実施形態では、共通の挿入部材を使用して、フィードブロックの第1パケット創出装置区域並びに第2パケット創出装置区域の双方に関する、導管及びスロットの双方を画定することができる。例えば、
図6Cのフィードブロック350cに関して示すように、第1パケット創出装置区域356の、第1の複数の導管364a及び第2の複数の導管366a、並びにスロットダイ区域368aは、第1挿入部材390aによって画定され、この第1挿入部材390aはまた、第2パケット創出装置区域358の、第1の複数の導管364b及び第2の複数の導管366b、並びにスロットダイ区域368bも画定する。同様のフィードブロックの実施例を、
図6D、6E、6H、及び
図6Iに示す。
【0095】
あるいは、別個の挿入部材を使用して、フィードブロックの2つのパケット創出装置区域に関する、導管及びスロットを画定することができる。例えば、
図6Aのフィードブロック350aに関して示すように、第1パケット創出装置区域356は、第1導管364a及び第2導管366a、並びにスロットダイ区域368aを画定する、第1挿入部材390aを含み、第2パケット創出装置区域358は、第1導管364b及び第2導管366b、並びにスロットダイ区域368bを画定する、第1挿入部材390bを含む。挿入部材390aは、挿入部材390bとは独立して、取り外し、交換、及び/又は修正することができ、逆もまた同様である。同様の実施例を、
図6B、6F、6G、6J、及び
図6Kに示す。
【0096】
複数のパケット創出装置の導管及びスロットを、共通の挿入部材又は別個の挿入部材のいずれかによって画定するという選択肢に加えて、1つのパケット創出装置区域の導管及びスロットを、別個の挿入部材又は共通の挿入部材によって画定することができる。例えば、単一の挿入部材が、第1パケット創出装置区域356の、第1導管364a及び第2導管366a、並びにスロットダイ区域368aを画定することができる。あるいは、第1導管364a及び第2導管366aは、スロットダイ区域368aの挿入部材とは別個の挿入部材によって画定することができる。そのような実施例を
図6Bに示し、この実施例では、第1挿入部材390aが、第1導管364a及び第2導管366aを画定し、第2挿入部材390bが、第1導管364a及び第2導管366aを画定し、第3挿入部材390cが、スロットダイ区域368aを画定し、第4挿入部材390dが、スロットダイ区域368bを画定する。導管364a、366a、及びスロットダイ区域368aを画定するために、別個の挿入部材を使用することができる場合には、それらの挿入部材は、第2パケット創出装置358の、導管364b、366b、及び/又はスロットダイ区域368bを画定するために使用される、1つ以上の挿入部材と、共通のものとすることができ、又は別個のものとすることもできる。
【0097】
同様の方式で、一部の実施形態では、フィードブロックのパケット創出装置区域は、パケット創出装置のフローチャネル、例えば、第1パケット創出装置356内部の第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aなどを画定する、1つ以上の勾配プレートマニホールドを含み得る。
図6A〜6Kでは、説明の容易性のために、そのような勾配プレートマニホールドは、個別に、勾配プレートマニホールド392a又は勾配プレートマニホールド392bと称される場合があり、また全般的に、勾配プレートマニホールド392と称される場合もある。勾配プレートマニホールド392は、パケット創出装置区域のハウジングから取り外すことができる。この方式では、勾配プレートマニホールド392は、例えばフローチャネル360a、362aの修正のために取り外すことができ、又はフローチャネル360a、362aを通過する異なるフローを提供するように設計された、別の勾配プレートマニホールド392と交換することができる。したがって、勾配プレートマニホールド392は、第1パケット創出装置区域356の第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aによって規定されるフロー特性を調節するための、より追加的な柔軟性を提供することができる。
【0098】
一部の実施例では、共通の勾配プレートマニホールドを使用して、フィードブロックの第1パケット創出装置区域並びに第2パケット創出装置区域の、第1フローチャネル及び第2フローチャネルの双方を画定することができる。例えば、
図6Cのフィードブロック350cに関して示すように、第1パケット創出装置区域356の第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aは、第1勾配プレート392aによって画定され、この第1勾配プレート392aはまた、第2パケット創出装置区域358の第1フローチャネル360b及び第2フローチャネル362bも画定する。同様のフィードブロックの実施例を、
図6D及び
図6Eに示す。
【0099】
あるいは、別個の勾配プレートマニホールドを使用して、フィードブロックの2つのパケット創出装置区域に関する、フローチャネルを画定することができる。例えば、
図6Aのフィードブロック350aに関して示すように、第1パケット創出装置区域356は、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aを画定する、第1勾配プレートマニホールド392aを含み、第2パケット創出装置区域358は、第2パケット創出装置358の第1フローチャネル360b及び第2フローチャネル362bを画定する、第1勾配プレートマニホールド392bを含む。同様の実施例を、
図6B、6F、6G、6H、6I、6J、及び
図6Kに示す。
【0100】
勾配プレートマニホールドによって画定されるフローチャネルの場所は、フローチャネルを通過するフローが送り込まれる導管に対して変化させることができる。例えば、
図6Aのフィードブロック350aでは、第1パケット創出装置356の勾配プレートマニホールド392aによって画定される、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される1次パケットのフロー方向に対して、導管364a、366aの上方の位置から、第1導管364a及び第2導管366aに送り込むように構成される。同様の構成が、フィードブロック350aの第2パケット創出装置358によって呈される。フィードブロック350b、350c、350d、350f、350g、並びにフィードブロック350kの、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358もまた、同様の設計構成を呈する。
【0101】
代替的な設計としては、フィードブロック350h(
図6H)では、第1パケット創出装置356の勾配プレートマニホールド392aによって画定される、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される1次パケットのフロー方向に対して、導管364a、366aの横の位置から、第1導管364a及び第2導管366aに送り込むように構成される。同様の構成が、フィードブロック350hの第2パケット創出装置358によって呈される。フィードブロック350iもまた、同様の設計構成を呈する。
【0102】
別の代替的な設計としては、フィードブロック350e(
図6E)では、第1パケット創出装置356の勾配プレートマニホールド392aによって画定される、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される1次パケットのフロー方向に対して、導管364a、366aの下方の位置から、第1導管364a及び第2導管366aに送り込むように構成される。同様の構成が、フィードブロック350eの第2パケット創出装置358によって呈される。
【0103】
第1導管364a及び第2導管366aは、第1パケット区域356内のスロットダイ区域368aに送達される際の、第1フローチャネル360a及び第2フローチャネル362aからの高分子溶融ストリームの、フロー方向を規定する。一部の実施形態では、第1導管364a及び第2導管366aは、導管内部のフローが、スロットダイ区域368aに送達される際に、スロットダイ368a及び/又は圧縮区域374a内部のフローと、実質的に平行となるように構成される。そのような例示的構成が、フィードブロック350a、350b、350d、350f、350g、350i、並びにフィードブロック350kの、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって呈される。
【0104】
他の実施形態では、第1導管364a及び第2導管366aは、導管364a、366a内部のフローが、スロットダイ区域368aに送達される際に、スロットダイ368a及び/又は圧縮区域374a内部のフローと、実質的に非平行となるように構成される。そのような実施例が、フィードブロック350e(この場合、フロー方向は、スロットダイ区域368a、368bに送達される際に、スロットダイ区域368a、368b内部のフローと、実質的に直交する)、並びにフィードブロック350c及びフィードブロック350h(この場合、フロー方向は、スロットダイ区域368a、368bに送達される際に、スロットダイ区域368a、368b内部のフローに対して、実質的に傾斜している)の、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって呈される。
【0105】
スロットダイ区域368aは、第1導管364a及び第2導管366aからのフローが、ウェブ交差方向(x−方向)での、スロットダイ区域368aのほぼ中心で、スロットダイ区域368a内に入る、中心送り込み設計を有し得る。そのような構成が、フィードブロック350a、350b、350c、350f、350g、350h、並びにフィードブロック350iの、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって呈される。
【0106】
他の実施形態では、スロットダイ区域368aは、第1導管364a及び第2導管366aからのフローが、ウェブ交差方向(x−方向)での、スロットダイ区域368aのほぼ中心以外の位置で、スロットダイ区域368a内に入る、非中心送り込み設計を有し得る。例えば、スロットダイ区域368aは、第1導管364a及び第2導管366aからのフローが、ウェブ交差方向(x−方向)での、スロットダイ区域368aの側方部又は縁部で、スロットダイ区域368a内に入る、側方送り込み設計を有し得る。そのような構成が、フィードブロック350d並びにフィードブロック350eの、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって呈される。
【0107】
パケット創出装置区域の導管に対する、1つ以上の熱的同調機構の位置は、変化させることができる。例えば、フィードブロック350a(
図6A)の第1パケット創出装置区域356の内部では、熱的同調機構370a、372aは、第1導管364a及び第2導管366aの両側上で、対称的に位置決めされる。同様の構成が、フィードブロック350aの第2パケット創出装置358によって呈される。フィードブロック350b、350d〜350g、350i、及びフィードブロック350kもまた、同様の設計構成を呈する。フィードブロック350c(
図6C)及びフィードブロック350h(
図6H)は、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358が、それぞれ、第1導管364a、364b、及び第2導管366a、366bの、一方の側に隣接して配置される、単一の熱的同調機構370a、370bのみを含む、代替的な設計を呈する。
【0108】
それぞれのパケット創出装置区域の圧縮区域の内部での、複数の層のフロー方向は、互いに平行とすることができ、又は非平行とすることもできる。例えば、フィードブロック350aでは、第1パケット創出装置356の圧縮区域374a内部のフローは、第2パケット創出装置358の圧縮区域374b内部のフローと、実質的に平行である。フィードブロック350b、350c、350d、350e、350g、350h、350i、並びにフィードブロック350kの、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374bは、同じ構成か、又は実質的に同様の構成を呈する。フィードブロック350j(
図6J)では、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374b内部のフローは、実質的に平行であるが、互いに対向する。フィードブロック350j及びフィードブロック350kのそれぞれでは、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374bは、並行して配置されるのではなく、y−方向で互いに対して積み重ねられる。フィードブロック350f(
図6F)では、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374b内部のフローは、互いに非平行であり、双方とも、多層フローストリーム382のフローとは、非平行のフロー方向を規定し、この多層フローストリーム382は、第1パケット創出装置356によって作り出される第1の1次パケットと、第2パケット創出装置358によって作り出される第2の1次パケットとの結合である。更には、フィードブロック350jは、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374bの双方の内部のフローと、実質的に直行するフロー方向に沿って、第3の1次パケットを作り出すための、第3パケット創出装置361を含む。
【0109】
第1パケット創出装置356の第1圧縮区域374aと第2パケット創出装置358の第2圧縮区域374bとが、互いに並行である実施形態では、例えば、各圧縮区域374a、374b(並びにスロットダイ区域368a、368b)の間の、ウェブ交差方向(x−方向)での相対距離を、設計考慮事項とすることができる。例えば、第1圧縮区域374aと第2圧縮区域374bとの距離は、第1パケット創出装置356によって作り出される第1の1次パケットのフローと、第2パケット創出装置358によって作り出される第2の1次パケットのフローとが、例えばパケット結合装置区域の内部で、互いに積み重ね構成で結合され、多層フロー382を形成するために、交差ウェブ方向(x−方向)で再方向付けされなければならない相対的程度を決定し得る。フィードブロック350e並びにフィードブロック350dの、第1圧縮区域374a及び第2圧縮区域374bは、例えば、フィードブロック350aと比較して、ウェブ交差方向で、相対的に、より互いに近接している。そのような構成は、上述のような、フィードブロック350d、350eのスロットダイ区域368a、368bの、側方送り込み設計によって可能にすることができる。フィードブロック350j及びフィードブロック350kの設計は、第1パケット創出装置356の第1圧縮区域374aと、第2パケット創出装置358の第2圧縮区域374bとが、ウェブ交差方向で、互いに位置合わせされるか、又は積み重ねられることを可能にする。そのような実施例では、第1のフロー及び第2のフローは、積み重ね構成で多層フロー382を形成するために、例えば、パケット結合装置区域内で互いに結合される前に、交差ウェブ方向で、著しく再方向付けされる必要がない。
【0110】
一部の実施形態では、第1パケット創出装置及び第2パケット創出装置が、それぞれ第1の1次パケット及び第2の1次パケットを作り出す相対的な場所は、実質的に互いに同じとすることができ、又はフローストリーム方向(例えば、z−方向)に対して、互いに食い違いに配置することもできる。例えば、フィードブロック350a(
図6A)に関しては、第1パケット創出装置356は、フローストリーム方向に対して、第2パケット創出装置358が第2パケットを作り出す位置と実質的に同じ位置で、第1の1次パケットを作り出すように構成される。そのような実施例では、各1次パケットが、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出された後、互いに結合されて多層フローストリーム382を形成する前に移動する距離は、実質的に等しい。反対に、フィードブロックの第1パケット創出装置区域及び第2パケット創出装置区域は、第1の1次パケットが第2パケットと結合するために移動する距離が、第2の1次パケットが第1の1次パケットと結合するために移動する距離よりも大きくなるように、互いに食い違いに配置することができる。そのような構成は、フィードブロック350a(
図6A)を、第1パケット創出装置区域356の構成要素が、第2パケット創出装置区域358の構成要素とは、z−方向に沿って異なる位置で配置されるように修正することによって、表すことができる。
【0111】
複数のパケット創出装置を含むフィードブロック内で、個別のパケット創出装置を、互いに離隔することができる程度は、1つ以上の設計因子に基づいて変動し得る。上述のように、フィードブロックの第1パケット創出装置と第2パケット創出装置との間の熱的分離の程度は、第1パケット創出装置及び第2パケット創出装置による1次パケットの生成に関連して、各1次パケットを独立して「同調」又は制御することができる程度に、影響を及ぼし得る。例えば、パケット創出装置の1つ以上の部分(例えば、第1パケット創出装置356の第1導管364a及び第2導管366a)を通過する高分子材料のフロー、またそれゆえ、層厚さプロファイルは、パケット結合装置区域の内部の、1つ以上の場所での温度を制御することによって、制御することができる。したがって、少なくともある程度までは、それぞれのパケット創出装置区域間の熱的分離の程度が増大するにつれて、複数パケット創出装置フィードブロックの内部で、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケットの熱依存特性を、互いに独立して制御することができる程度も増大する。
【0112】
一部の実施形態では、パケット創出装置区域間の熱的分離は、第1パケット創出装置の構成要素(例えば、第1導管及び第2導管、スロットダイ区域、圧縮区域、並びに/あるいは熱的同調機構)と第2パケット創出装置の構成要素との距離を増大させることによって、増大させることができる。具体的には、それぞれのパケット創出装置区域間の熱的分離の程度は、1つのパケット創出装置の熱的同調機構(例えば、第1パケット創出装置356の熱的同調機構370a、372a)を、別のパケット創出装置のフロー規定構成要素(例えば、第2パケット創出装置358の第1導管364b及び第2導管366b)から隔てる、物理的距離に応じて変化し得る。
【0113】
したがって、ウェブ交差方向(x−方向)での、第1パケット創出装置の構成要素と第2パケット創出装置の構成要素との物理的距離を増大させて、パケット創出装置間の熱的分離を増大させることができる。一部の実施例では、フィードブロックは、任意選択的に、第1パケット創出装置と第2パケット創出装置との間に、熱的分離区域を組み込んで、パケット創出装置間の熱的クロストークを低減することができる。例えば、上述のように、第1パケット創出装置と第2パケット創出装置との間の熱的分離のレベルを増大させるために、フィードブロック50は、分離区域86(
図2A)を含み得、フィードブロック250は、分離区域286(
図5A)を含み得る。しかしながら、第1パケット創出装置の構成要素と第2パケット創出装置の構成要素との距離を増大させること、及び/又はフィードブロックのパケット創出装置間に熱的分離区域を含むことにより、第1パケット創出装置と第2パケット創出装置との間の熱的分離のレベルを増大させることができるが、そのような離隔はまた、それぞれのパケット創出装置によって作り出される1次パケットのフローが、結合されて多層フローを形成する前に、再方向付けされなければならない程度を、増大させる恐れもある。一部の実施例では、2つのパケットを結合させるために再方向付けしなければならない角度が、増大するにつれて、ウェブ交差方向の層の均一性を達成及び/又は維持することは、より困難になる恐れがある。
【0114】
更には、又は代替として、第1パケット創出装置356と第2パケット創出装置358との距離は、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358が、実質的にフロー方向で互いに同じ位置で、それぞれの1次パケットを作り出す構成と比較して、例えば、上述のように、それぞれのパケット創出装置の構成要素を、フロー方向(z−方向)で食い違いに配置することによって、増大させることができる。したがって、食い違い配置のパケット創出装置の構成は、フィードブロックのそれぞれのパケット創出装置間の、熱的分離を増大させることができる。
【0115】
第1パケット創出装置と第2パケット創出装置との間の熱的分離のレベルはまた、フィードブロックの設計が、異なるパケット創出装置区域に関して、別個の、あるいは共通の、導管/スロット挿入部材及び/又は勾配プレートマニホールドを含むか否かに応じても、変化し得る。上述のように、例えば
図6Aのフィードブロック350aなどの、フィードブロックは、第1パケット創出装置356の、第1導管364a及び第2導管366a並びに/あるいはスロットダイ区域368aが、第2パケット創出装置358の、第1導管364b及び第2導管366b並びに/あるいはスロットダイ区域368bを画定する、挿入部材390bとは別個の、挿入部材390aによって画定されるように設計することができるが、
図6Cのフィードブロック350cなどの、フィードブロックは、実質的に同じ構成要素が、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358に共通して、挿入部材390aによって画定されるように設計することができる。一部の実施例では、別個のパケット創出装置区域の、導管及びスロットダイ区域に関して、別個の挿入部材が利用される設計は、共通の挿入部材を使用して、パケット創出装置区域に関する、導管及びスロットダイ区域を画定する設計と比較して、それぞれのパケット創出装置区域間の熱的分離の増大を、可能にすることができる。同様に、別個のパケット創出装置区域の、第1フローチャネル及び第2フローチャネルに関して、別個の勾配プレートマニホールドが利用される設計は、共通の勾配プレートマニホールドを使用して、パケット創出装置区域に関する、第1フローチャネル及び第2フローチャネルを画定する設計と比較して、それぞれのパケット創出装置区域間の熱的分離の増大を、可能にすることができる。
【0116】
複数の1次パケットを作り出すための、本開示で説明される例示的なフィードブロック構成は、第1パケット創出装置及び第2パケット創出装置の双方に関して実質的に同じ構成を含む実施形態に関して、主として説明される。そのような実施例では、それぞれのパケット創出装置は、本質的に、互いの鏡像とすることができる。しかしながら、複数のパケット創出装置を含み、それぞれのパケット創出装置が互いに異なるフィードブロックに関しては、他の実施形態が想到される。例えば、その後互いに下流で結合される、2つの1次パケットを作り出すための、第1パケット創出装置及び第2パケット創出装置を含む、フィードブロックに関する一実施形態では、第1パケット創出装置は、フィードブロック350a(
図6A)の第1パケット創出装置356と実質的に同じものとすることができ、第2パケット創出装置は、フィードブロック350c(
図6C)の第2パケット創出装置358と実質的に同じものとすることができる。全般的には、複数の個別のパケット創出装置を含む、例示的なフィードブロックに関しては、パケット創出装置は、本明細書で説明される任意の例示的なパケット創出装置と、実質的に同じように構成することができ、例示的なフィードブロックの複数のパケット創出装置は、実質的に互いに同じ構成を有する場合があり、又は互いに異なる構成を有する場合もある。
【0117】
上述のように、一部の実施形態では、複数パケット生成フィードブロックは、複数の1次パケットを作り出し、次いで、実質的にウェブ交差方向でパケットを延展することなく、作り出された1次パケットを結合するように構成することができる。例えば、フィードブロック350aは、第1パケット創出装置356によって作り出される第1の1次パケットと、第2パケット創出装置358によって作り出される第2の1次パケットとが、第1の1次パケット又は第2の1次パケットのいずれも、ウェブ交差方向(x−方向)で延展されることなく、パケット結合装置区域354内で互いに結合されて、多層フローストリーム382を形成する、構成を示す。
【0118】
反対に、一部の実施形態では、複数パケット生成フィードブロックは、それぞれのパケット創出装置区域によって作り出される1次パケットが、互いに結合されて多層フローストリームを形成する前に、ウェブ交差方向で延展されるように構成することができる。例えば、
図6Gのフィードブロック350gは、第1パケット創出装置356によって作り出される第1の1次パケット、及び第2パケット創出装置358によって作り出される第2の1次パケットが、互いに結合されて多層フローストリーム382を形成する前に、ウェブ交差方向で延展される、構成を示す。そのような場合には、多層フローストリーム382は、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される際の、第1の1次パケット及び第2の1次パケットのウェブ交差幅よりも大きい、ウェブ交差幅を有する。以下で更に説明されるように、一部の実施例では、第1の1次パケット及び第2の1次パケットは、押出ダイ(
図6Gでは標識せず)の別個の延展マニホールドを介して、ウェブ交差方向で、個別に延展することができる。
【0119】
図6Gに示すように、第1パケット創出装置356によって作り出される第1の1次パケットと、第2パケット創出装置358によって作り出される第2の1次パケットとの、ウェブ交差方向(x−方向)での位置合わせは、第1パケット及び第2パケットが、結合される前に、ウェブ交差方向で非対称的に延展されるというものである。すなわち、各1次パケットは、一方のウェブ交差方向で、反対のウェブ交差方向よりも、更に延展される。この方式では、第1の1次パケットと第2の1次パケットとは、結合される前に、ウェブ交差方向で互いに位置合わせされる。他の実施例では、第1の1次パケット及び第2の1次パケットは、ウェブ交差方向で再配置されて、実質的に互いに位置合わせされ、次いで、互いに結合されて多層フローストリーム382を形成する前に、ウェブ交差方向で対称的に延展することができる。あるいは、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358が、並行式ではなく、互いに積み重ねられることにより(例えば、
図6K及び
図6Lのフィードブロック350kの方式と同じか、若しくは同様の方式で)、第1の1次パケット及び第2の1次パケットは、ウェブ交差方向での実質的な再配置を伴わずに、第1パケット創出装置356及び第2パケット創出装置358によって作り出される際に互いに位置合わせすることができる。そのような実施形態では、第1パケット及び第2パケットは、ウェブ交差方向で対称的に延展され、次いで、それぞれのパケットが、互いに結合される前にウェブ交差方向で再配置されることなく、結合されて、多層フローストリーム382を形成することができる。
【0120】
図7は、例示的な多層フローストリーム304を示す概念図である。具体的には、
図7は、フィードブロックのパケット結合装置内部の、多層フローストリーム304を表すものであり、
図2Aに示す、線B−Bに沿った、フィードブロック50のパケット結合装置54の、例示的な断面図を示し得る。そのような断面図は、2つの1次パケットが、パケット結合装置54内で、積み重ね構成で互いに結合された後の地点に相当する。したがって、フローストリーム304は、第1パケット創出装置、例えば第1パケット創出装置56によって作り出される、1次パケットに相当する、第1部分306、及び第2パケット創出装置、例えば第2パケット創出装置58によって作り出される、1次パケットに相当する、第2部分308を含む。
【0121】
前述のように、パケット結合装置36は、それぞれの1次パケットの少なくとも一部分が、結合装置36によって結合される際に積み重ねられるように、それぞれのパケットのフローを、互いに対して再配向することによって、パケット38とパケット40とを結合することができる。パケット38及びパケット40の少なくとも一部分が、互いに結合される際に積み重ねられる場合には、得られる多層ストリーム32の少なくとも一部分は、パケット38及びパケット40内の個別の高分子層の数の合計とほぼ等しい、個別層の総数を含む。
【0122】
図7を参照すると、多層フローストリーム304は、パケット結合装置54(packet creator 54)が、第1の1次パケット及び第2の1次パケットの配向を、互いに対して変化させることにより、第1部分306と第2部分308とが、結合される際に互いに対して実質的に完全に積み重ねられている実施形態を表す。具体的には、第1部分306及び第2部分308のウェブ交差幅(x−方向)は、実質的に等しく、図示のように、部分306及び部分308の縁部は、実質的にウェブ交差方向で互いに位置合わせされる。この方式では、実質的に全ての多層フローストリーム304は、y−方向に沿って、第1部分306及び第2部分308内の層の数の合計と等しい、多数の個別の高分子層を含む。
図7は、実質的に完全な積み重ね構成での、第1部分306及び第2部分308を示すが、一部の実施形態では、パケット結合装置54は、第1部分306と第2部分308とが、結合される際に、実質的に完全に積み重ねられるのではなく、互いに対して部分的にのみ積み重ねられるように設計することができる。例えば、第1部分306及び第2部分308のウェブ交差幅(x−方向)は、実質的に互いに等しくない場合があり、かつ/又は、部分306及び部分308の縁部は、実質的にウェブ交差方向で互いに位置合わせされない場合がある。いずれの場合にも、この積み重ね構成は、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58の双方から形成され、互いに対して積み重ねられる高分子層を含む、多層フローストリームを可能にし得る。
【0123】
図7に示すように、第1部分306及び第2部分308は、第1多層パケット及び第2多層パケットが、互いに結合される前にウェブ交差方向で延展されることなく、結合されて、多層フローストリーム304を形成する、実施例を示し得る。すなわち、第1部分306及び第2部分308の双方のウェブ交差幅は、それぞれ、第1パケット創出装置56及び第2パケット創出装置58を介して作り出される1次パケットのウェブ交差幅と、実質的に同じである。そのような実施例では、第1パケットと第2パケットとが結合されて多層フローストリーム304を形成した後に、次いで、フローストリーム304を、ウェブ交差方向で延展することができる。例えば、一部の場合には、押出ダイ20(
図1)内部で、多層フローストリーム304は、押出ダイ20から出て行く前に、その多層フローストリームをウェブ交差方向で延展するように構成される、延展マニホールド内に入ることができる。
【0124】
図10、11、13、及び
図15に関連して以下で説明される実施形態などの、他の実施形態では、1つ以上の1次パケット、又はそれらに由来するパケット(例えば、増倍デバイスを介して、1次パケットに由来する、多層パケット)は、互いに結合されて多層フローストリーム304を形成する前に、ウェブ交差方向で延展することができる。一部の実施形態では、フローストリーム304は、個別のパケットが、ウェブ交差方向で個別に延展された後、互いに結合された後に、更にウェブ交差方向で延展することができる。あるいは、多層フローストリーム304は、多層フローストリーム304を形成するために互いに結合される前に、個別を基準としてウェブ交差方向で延展されていない、多層パケットを結合することによって、形成することができる。
【0125】
図8は、例示的なパケット結合装置401及び押出ダイ403を示す概念図である。パケット結合装置401は、多層パケット400、402が、互いに結合されて単一の多層フローストリーム410を形成する近位で、1つ以上の補足層を、第1多層パケット400及び第2多層パケット402に追加することができるように構成される。具体的には、パケット結合装置401内部に画定される様々なチャネルは、第1多層パケット400(個別層は図示せず)、第2多層パケット402(個別層は図示せず)、第1スキン層404、第2スキン層406、及びコア層408のフローを、個別のフローが互いに結合されて多層フローストリーム410を形成するように規定する。そのような構成は、例えば、本明細書で説明される例示的なフィードブロックのうちの1つ以上が含まれるが、それらに限定されない、任意のフィードブロックのパケット結合装置区域(例えば、フィードブロック50のパケット結合装置区域54)の内部に実装することができる。第1多層パケット400及び第2多層パケット402は、本明細書で説明される任意のフィードブロック装置の構成を使用して、作り出すことができるが、2つ以上の多層1次パケットを作り出すことが可能な、任意の他の好適な構成もまた、使用することができる。
【0126】
図8に示すように、パケット結合装置401内部での、第1パケット400と第2パケット402との結合の前に、コア層408のフロー経路が、第1パケット400と第2パケット402との間に方向付けられる。次いで、パケット結合装置401は、コア層408、第1パケット400、及び第2パケット402を、単一のフローへと結合するように、それらのフローを方向付けし、この単一のフローは、引き続き、スキン層404及びスキン層406のフローと結合されて、多層フロー410を形成する。多層フロー410が、パケット結合装置401によって作り出された後、多層フロー410は、押出ダイ403内に入る。押出ダイ403は、
図1の押出ダイ20と同じか、又は実質的に同様のものとすることができる。押出ダイ403の内部で、多層フロー410は、延展マニホールドを使用して、ウェブ交差方向(x−方向)で延展され、次いで、y−方向で圧縮されて、多層フロー410の厚さが低減される。各フローは、ウェブ交差方向で、実質的に互いに同時に(図示のように)延展することができ、逐次的に延展することができ、又はそれらの一部の組み合わせで延展することもできる。更には、フローは、実質的に同時に、延展及び結合することができ、又は逐次的に、延展してから結合することもできる。
【0127】
図9は、
図8に示す断面C−Cに沿った、押出ダイ403内の多層フロー410の断面図を示す概念図である。多層フロー410は、コア層408によって隔てられる、第1パケット400及び第2パケット402に相当する部分を含む。多層フロー410の第1スキン層404は、コア層408側からは反対側の、第1パケット400上にある。同様に、多層フローの第2スキン層406は、コア層408側からは反対側の、第2パケット402上にある。
【0128】
図8の構成を使用して、パケット結合装置401は、多層フロー410の各部分に関して、個別のフロー(第1パケット400及び第2パケット402、スキン層404、406、並びにコア層408)を、押出ダイ403を介してウェブ交差方向で延展される前に、結合することができる。他の実施形態では、パケット結合装置401及び押出ダイ403は、第1多層パケット400、第2多層パケット402、第1スキン層404、第2スキン層406、及び/又はコア層408が、ウェブ交差方向で個別に延展され、次いで、一体に結合されて多層フロー410を形成するように構成することができる。
【0129】
図10は、例示的なパケット運搬装置413及び押出ダイ415を示す概念図である。パケット運搬装置413及び押出ダイ415は、第1多層パケット412及び第2多層パケット414が、互いに結合されて多層フローストリーム416を形成する前に、ウェブ交差方向で延展されるように構成される。この場合も同様に、第1多層パケット412及び第2多層パケット414は、本明細書で説明される任意のフィードブロック装置の構成を使用して、作り出すことができるが、2つ以上の多層1次パケットを作り出すことが可能な、任意の他の好適な構成もまた、使用することができる。
【0130】
図10に示すように、パケット運搬装置区域413は、第1多層パケット412と第2多層パケット414とを結合するようには構成されない。その代わりに、パケット運搬装置413は、第1パケット412及び第2パケット414のフローを、それらのフローが、パケット運搬装置413内部で互いに離間して維持され、押出ダイ415に別個に送達されるように、規定する。パケット412、414のフローは、双方とも、実質的に矩形の形状を有し、その角部は、フローストリームの幅及び厚さによって規定される押出ダイ415内に入る際には、丸みを帯びたものにすることができる。押出ダイ415の内部で、第1パケット412及び第2パケット414の双方は、次いで、例えば押出ダイ415の延展マニホールドを介して、ウェブ交差方向で延展され、また、y−方向で圧縮することもできる。そのような延展及び圧縮により、フローの幅及び厚さの双方が、互いに結合される前に変化する。押出ダイ415の内部で、ウェブ交差方向で個別に延展された後、第1パケット412及び第2パケット414は、互いに結合されて多層フローストリーム416を形成する。
【0131】
押出ダイ415は、パケット412及びパケット414を、逐次的に、又は同時に延展するように構成することができる。一部の実施形態では、第1パケット412及び第2パケット414は、ウェブ交差方向で、実質的に同じ寸法、又は異なる寸法に延展することができ、すなわち、第1パケット412及び第2パケット414は、ウェブ交差方向で延展された後に、実質的に同じ幅、又は異なる幅を有し得る。一部の実施形態では、第1パケット412及び第2パケット414は、多層フローストリーム416に関して所望されるウェブ交差幅まで、押出ダイ415の内部で延展して、フィルムのライン10(
図1)内の下流の1つ以上の装置によって、更に加工処理することができる。
【0132】
一部の実施例では、ウェブ交差プロファイルの不均一性は、第1パケット412と第2パケット414とを、互いに結合した後ではなく、個別に延展することによって、低減することができる。一部の場合には、複数のパケットのフローストリーム、並びに任意の追加層のフロー(例えば、コア層のフロー)が結合された後の、速度プロファイルの急速な再構成が、フィルムのライン10(
図1)内で生産される最終フィルムの、ウェブ交差プロファイルの不均一性に寄与する場合がある。他の場合には、結果的に生じる剪断応力の増大の可能性が、一部の層の構造を、フローストリームが一体に結合される際に惹起される、流動不安定性に対して脆弱にさせる恐れがあり、その程度は、それぞれの層を形成するために使用されている、プロセス条件及び/又は高分子樹脂に応じて変化し得る。パケットが結合される前に延展されない場合に関する、パケット結合区域内部の、フローチャネルの形状を操作して、上記の問題のうちの1つ以上に対処することができるが、多層パケット並びに任意の追加層のフローが、ウェブ交差方向で延展されることなく結合される構成は、ウェブ交差方向の層の均一性、最大プロセス速度、及び/又は、2つのパケットを隔てるコア層などの追加層の厚さを、制限する恐れがある。
【0133】
第1パケット412及び第2パケット414、並びに任意の追加層(例えば、
図11に示すコア層418など)を、それぞれのフローを結合する前に、ウェブ交差方向で延展することによって、均一性の改善をもたらすことができる。例えば、パケット412、414、並びに任意の追加層の結合から得られるフローストリームを、単一の延展マニホールドを使用して延展するのではなく、別個の延展マニホールドを使用して、各フローをウェブ交差方向で延展することができる。したがって、別個のマニホールドのそれぞれは、各フローに固有とすることができる材料特性(例えば、粘度、弾性、密度)及びプロセス条件(例えば、流量、温度)を考慮することによって、各フローストリームに合わせて調整することができる。
【0134】
図11は、別の例示的なパケット運搬装置417及び押出ダイ419を示す概念図である。パケット運搬装置417及び押出ダイ419は、
図10のパケット運搬装置413及び押出ダイ415と同様のものとすることができる。例えば、パケット運搬装置417は、第1多層パケット412を、第2多層パケット414とは別個に、押出ダイ419に送達し、その地点で、第1パケット412及び第2パケット414は、ウェブ交差方向で別個に延展され、次いで、互いに結合されて多層フローストリーム420の一部分を形成する。
【0135】
しかしながら、
図10に示すものとは異なり、パケット運搬装置417はまた、コア層418のフローも規定する。コア層418の組成物は、コア層408(
図8)の組成物と、実質的に同じか、又は同様のものとすることができる。図示のように、コア層418は、パケット運搬装置417によって、第1パケット412と第2パケット414との間に、かつ第1パケット412及び第2パケット414とは別個に、押出ダイ419に送達される。次いで、押出ダイ419は、ウェブ交差方向で、コア層418を延展し、またy−方向でも、コア層418を圧縮する。再配向された後、コア層418は、第1パケット412及び第2パケット414と結合されるが、それらの各パケットもまた、結合されて多層フローストリーム420を形成する前に、ウェブ交差方向で延展されている。第1パケット412、第2パケット414、及びコア層418は、多層ストリーム420を形成するために、押出ダイ419内部で、実質的に互いに同時に結合することができ(
図11に示すように)、又は逐次的に結合することもできる。
【0136】
コア層418が、ウェブ交差方向で延展され、次いで、第1パケット412及び第2パケット414と結合される構成は、例えば、コア層418が、比較的厚く、かつ/又は共押出しが比較的困難な材料で構成される場合に、使用することができる。
図11では、コア層418に関する延展マニホールドは、コア層の材料の、具体的な速度及び/又は材料特性を考慮するように、具体的に調整することができる。この方式では、コア層418が、パケット412、414のフローと共押出しされる場合と比較して、より広範囲の高分子樹脂材料を使用して、コア層418を形成することができる。そのような構成により、フローストリームが高い剪断応力及び/又は伸長速度で接合される際の、弾性樹脂に伴う流動不安定性を惹起する可能性に、対処することができる。同様に、そのような構成により、同じマニホールド内で複数の樹脂を延展することによって引き起こされる恐れがあり、かつ剪断減粘性樹脂の使用によって悪化する恐れがある、望ましくない層の再構成に、対処することができる。
【0137】
図12は、
図11に示す断面D−Dに沿った、押出ダイ419内の多層フロー420の断面図を示す概念図である。多層フロー420は、コア層418によって隔てられる、第1パケット412及び第2パケット414に相当する部分を含む。一部の実施例では、コア層418は、パケット412、414が、例えば、幅出し後作業で、単一の多層フローストリーム420から、2つの別個の多層フィルムを形成するために、互いに分離されることが意図される場合に、多層フローストリーム420内の第1パケット412と第2パケット414との間に挿入することができる。そのような実施例では、コア層の材料は、その後のある時点での、例えば、ロール26(
図1)上に巻き付けられる前での、コア層418からの分離を可能にする、第1パケット412及び第2パケット414への接着の程度を提供するように、選択することができる。他の実施例では、製造されるフィルムの剛性を、例えば、第1パケット412と第2パケット414との結合によって提供される剛性を超えて増大させるために、コア層418を含めることができる。
【0138】
図13は、例示的なパケット運搬装置422及び押出ダイ424を示す概念図である。パケット運搬装置422及び押出ダイ424は、
図10のパケット運搬装置413及び押出ダイ415と同様のものとすることができる。具体的には、パケット運搬装置422は、第1多層パケット412、第2多層パケット414、コア層418のフローを、互いに別個に、押出ダイ424へ送達するように構成される。しかしながら、
図13に示すように、パケット運搬装置422はまた、第1スキン層404及び第2スキン層406が、押出ダイ424に送達される前に、それぞれ第1パケット412及び第2パケット414のフローと結合されるように、第1スキン層404及び第2スキン層406のフローも規定する。パケット運搬装置422内部での、スキン層404、406の、それぞれ第1パケット412及び第2パケット414との結合に続いて、得られたフローは、押出ダイ424内に入り、ウェブ交差方向で延展される。全体で、3つの別個のフローストリームが、押出ダイ424内に入り(すなわち、第1パケット412/第1スキン層404、コア層418、及び第2パケット414/第2スキン層406)、次いで、
図13に示すように、それぞれがウェブ交差方向で延展されて、互いに結合される。この方式では、パケット運搬装置422及び押出ダイ424は、様々なフローストリームの一部が、ウェブ交差方向で延展される前に互いに結合され、フローストリームの一部が、ウェブ交差方向で延展された後に結合されるように構成される。
【0139】
図14は、
図13に示す断面E−Eに沿った、押出ダイ424内の多層フロー426の例示的な断面図を示す概念図である。多層フロー426は、コア層418によって隔てられる、第1パケット412及び第2パケット414に相当する部分を含む。多層フロー426は、第1パケット412と結合される第1スキン層404、及び第2パケット414と結合される第2スキン層406に相当し、多層フロー426の外側層を形成する部分を、更に含む。
【0140】
図9、12、14に示す例示的な複数層のフローは、実質的に、スキン層404、406に関しては対称的であるが、他の実施例が想到される。一部の実施例では、パケット運搬装置は、多層フローの一方の側上のみに、スキン層を提供し得るように、多層フローの任意の所定の側上に、2つ以上のスキン層が存在し得るように、かつ/又は多層フローの各側上に、同じ数のスキン層、又は異なる数のスキン層が存在し得るように構成することができる。更には、多層フロー内のスキン層の数が、対称的である場合であっても、各スキン層が多層フローに追加される、z−方向での場所は、互いに同じか、又は異なるものとすることができる。
【0141】
図15は、例示的なパケット運搬装置428及び押出ダイ430を示す概念図である。パケット運搬装置428及び押出ダイ430は、
図11のパケット運搬装置417及び押出ダイ419と同様のものとすることができる。例えば、パケット運搬装置428は、第1多層パケット412、第2多層パケット414、及びコア層418を、互いに別個に、押出ダイ430へ送達するように構成される。押出ダイ430の内部で、第1パケット412、第2パケット414、及びコア層418は、次いで、ウェブ交差方向で別個に延展され、次いで、互いに結合されて、多層フローストリーム436の諸部分を形成する。
【0142】
しかしながら、
図11に示すものとは異なり、パケット運搬装置428はまた、第1スキン層432及び第2スキン層434のフローも規定する。第1スキン層432及び第2スキン層434の組成物は、それぞれ第1スキン層404及び第2スキン層406(
図8及び
図13)の組成物と、実質的に同じか、若しくは同様のものとすることができる。図示のように、第1スキン層432及び第2スキン層434のフローは、パケット運搬装置428を介して、第1パケット412、第2パケット414、及びコア層418のフローとは別個に、押出ダイ430に送達される。次いで、押出ダイ430は、第1パケット412、第2パケット414、及びコア層418の方式と同様の方式で、第1スキン層432及び第2スキン層434を、ウェブ交差方向で延展し、またy−方向でも、それらの層を圧縮する。ウェブ交差方向で延展された後、第1パケット412、第2パケット414、コア層418、第1スキン層432、及び第2スキン層434は全て、互いに結合されて多層フローストリーム436を形成する。第1パケット412、第2パケット414、コア層418、第1スキン層432、及び第2スキン層434は、押出ダイの内部で、実質的に同時に、逐次的に、又はそれらの一部の組み合わせで結合され、多層フローストリーム436を形成することができる。一部の実施例では、コア層418、第1スキン層432、及び第2スキン層434に関するフローのうちの1つ以上を、運搬装置428を経由してではなく、押出ダイ430に直接追加することができる。
【0143】
図16及び
図17は、
図15に示す断面F−Fに沿った、押出ダイ430内の多層フロー436の、2つの例示的な断面図を示す概念図である。
図16及び
図17に示す多層フロー436の全般的な構成は、
図14に示す多層フロー426の構成と実質的に同じである。例えば、第1パケット412及び第2パケット414に相当する部分は、コア層418によって隔てられ、第1スキン層432及び第2スキン層434に相当する部分は、それぞれ第1パケット412及び第2パケット414と結合されて、多層フロー436の外側層を形成する。しかしながら、多層フロー426(
図14)とは異なり、各部分(すなわち、第1パケット412及び第2パケット414のそれぞれ、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434)は、互いに結合されて多層フロー436を形成する前に、ウェブ交差方向で別個に延展された。この方式では、多層フロー436の別個の部分のそれぞれが、ウェブ交差方向で延展される程度を、独立して制御することができ、このことによって、各部分が、結合される前に押出ダイ430の内部で延展される程度の、より多大な柔軟性が可能になる。
【0144】
図16及び
図17に示すように、各部分(すなわち、第1パケット412及び第2パケット414のそれぞれ、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434に相当する層)の厚さ(y−方向)は、多層フローストリーム内部で、異なり得る。
図16は、コア層418が、第1パケット412及び第2パケット414、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434の厚さと比較して、相対的に小さい厚さを有する実施例を示す。反対に、
図17は、コア層418が、第1パケット412及び第2パケット414、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434の厚さと比較して、相対的に大きい厚さを有する実施例を示す。
図17では、第1スキン層432及び第2スキン層434はまた、第1パケット412及び第2パケット414の厚さと比較して、相対的により薄い。
【0145】
図16及び
図17では、多層フロー436内の、第1パケット412及び第2パケット414、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434の厚さは、コア層418の中心に対して対称的である。他の実施形態では、パケット運搬装置428及び押出ダイ430の構成は、第1パケット412及び第2パケット414、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434の、非対称的な厚さ構成を可能にすることができる。例えば、第1パケット412は、多層フロー436内部で、第2パケット414の厚さとは異なる厚さを有し得る。更には、又は代替として、第1スキン層432及び第2スキン層434の厚さは、多層フロー436内部で、互いに異なるものにすることができる。
【0146】
いずれの場合にも、第1パケット412及び第2パケット414、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434の厚さは、多層フロー436内部で、互いに対して異なり得る。押出ダイ430内で、第1パケット412及び第2パケット414、コアフロー418、並びに第1スキン層432及び第2スキン層434を、ウェブ交差方向で個別に延展することによって、多層フロー436内部の対応する層の、厚さ及びウェブ交差幅を、独立して制御することができる。この方式では、各層の厚さは、多層フロー436によって作り出される多層フィルムが、1つ以上の所望の特性を呈するように、多層フロー436内部の各層に関して、適切に制御することができる。
【0147】
本発明の様々な実施形態が説明されている。これらの実施形態、及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[23]に記載する。
[1]
多層フィルムを製造するためのアセンブリであって、前記アセンブリは、
第1の1次パケットを受け取るように構成される第1フローチャネルであって、前記第1の1次パケットが、第1の複数の高分子層を含む、第1フローチャネルと、
第2の1次パケットを受け取るように構成される第2フローチャネルであって、前記第2の1次パケットが、第2の複数の高分子層を含む、第2フローチャネルと、を含み、
前記第1チャネル及び前記第2チャネルが、前記第1の1次パケット及び前記第2の1次パケットの少なくとも一方を、ウェブ交差方向で延展して、前記第1の1次パケット及び前記第2の1次パケットの前記少なくとも一方を、前記ウェブ交差方向で延展した後、前記第1の1次パケットと前記第2の1次パケットとを結合して、前記第1の複数の高分子層及び前記第2の複数の高分子層を含む、多層フローストリームを形成するように構成される、アセンブリ。
[2]
前記第1チャネルが、前記第1の1次パケットを、前記ウェブ交差方向で延展するように構成される、第1延展マニホールドを含み、前記第2チャネルが、前記第2の1次パケットを、前記ウェブ交差方向で延展するように構成される、第2延展マニホールドを含む、項目1に記載のアセンブリ。
[3]
前記第1延展マニホールド及び前記第2延展マニホールドを含む押出ダイを更に含む、項目2に記載のアセンブリ。
[4]
追加層のフローを受け取るように構成される第3フローチャネルを更に含み、前記第3チャネルが、前記追加層のフローと前記第1パケット及び前記第2パケットとを結合して、前記多層フローストリームを形成するように構成される、項目1に記載のアセンブリ。
[5]
前記追加層のフローが、前記多層フローストリーム内で、前記第1の1次パケットと前記第2の1次パケットとの間にコア層を形成するための、コア層のフローを含む、項目4に記載のアセンブリ。
[6]
前記追加層のフローが、前記第1パケット又は前記第2パケットの少なくとも一方に隣接する、少なくとも1つのスキン層を形成するための、少なくとも1つのスキン層のフローを含む、項目4に記載のアセンブリ。
[7]
第3フローチャネルが、前記第1パケット又は前記第2パケットの少なくとも一方の、前記ウェブ交差方向での前記延展の前に、前記追加層のフローと前記第1パケット又は第2パケットの少なくとも一方とを結合するように構成される、項目4に記載のアセンブリ。
[8]
前記第3チャネルが、前記追加層のフローを、前記第1パケット及び前記第2パケットと結合される前に、前記ウェブ交差方向で延展するように構成される、項目4に記載のアセンブリ。
[9]
第1ウェブ交差幅を有する前記第1の1次パケットを作り出すように構成される、第1パケット創出装置、及び第2ウェブ交差幅を有する前記第2の1次パケットを作り出すための、第2パケット創出装置を更に含み、前記第1フローチャネルが、前記第1ウェブ交差幅を有する前記第1の1次パケットを受け取って、前記第1ウェブ交差幅よりも大きい第3ウェブ交差幅へと、前記第1の1次パケットを延展するように構成され、前記第2フローチャネルが、前記第2ウェブ交差幅を有する前記第2の1次パケットを受け取って、前記第2ウェブ交差幅よりも大きい第4ウェブ交差幅へと、前記第2の1次パケットを延展するように構成される、項目1に記載のアセンブリ。
[10]
前記第1パケット及び前記第2パケットが、互いに結合される際に、実質的に同じウェブ交差幅を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[11]
前記多層フローストリームが、多層光学フィルムへと製造される、項目1に記載のアセンブリ。
[12]
第1フローチャネルを介して、第1の1次パケットを受け取ることであって、前記第1の1次パケットが、第1の複数の高分子層を含むことと、
第2フローチャネルを介して、第2の1次パケットを受け取ることであって、前記第2パケットが、第2の複数の高分子層を含むことと、
前記第1の1次パケット及び第2の1次パケットの少なくとも一方を、ウェブ交差方向で延展することと、
前記第1パケット及び第2パケットの少なくとも一方を、前記ウェブ交差方向で延展した後に、前記第1の1次パケットと第2の1次パケットとを互いに結合して、前記第1の複数の高分子層及び前記第2の複数の高分子層を含む、多層フローを形成することと、を含む、方法。
[13]
前記第1チャネルが、前記第1の1次パケットを、前記ウェブ交差方向で延展するように構成される、第1延展マニホールドを含み、前記第2チャネルが、前記第2の1次パケットを、前記ウェブ交差方向で延展するように構成される、第2延展マニホールドを含む、項目12に記載の方法。
[14]
前記第1延展マニホールド及び前記第2延展マニホールドが、前記第1の1次パケットと前記第2の1次パケットとを結合するように構成される、押出ダイによって形成される、項目13に記載の方法。
[15]
第3フローチャネルを介して、追加層のフローを受け取ることと、
前記追加層のフローと前記第1の1次パケット及び前記第2の1次パケットとを結合して、前記多層フローストリームを形成することと、を更に含む、項目12に記載の方法。
[16]
前記追加層のフローが、前記多層フローストリーム内で、前記第1の1次パケットと前記第2の1次パケットとの間にコア層を形成するための、コア層のフローを含む、項目15に記載の方法。
[17]
前記追加層のフローが、前記多層フローストリーム内で、前記第1パケット又は前記第2パケットの少なくとも一方に隣接する、少なくとも1つのスキン層を形成するための、少なくとも1つのスキン層のフローを含む、項目15に記載の方法。
[18]
前記少なくとも一方の第1の1次パケット又は第2の1次パケットを、前記ウェブ交差方向で延展する前に、前記追加層のフローと前記第1の1次パケット又は第2の1次パケットの少なくとも一方とを結合することを更に含む、項目15に記載の方法。
[19]
前記追加層のフローと前記第1の1次パケット及び前記第2の1次パケットとを結合する前に、前記追加層のフローを、前記ウェブ交差方向で延展することを更に含む、項目15に記載の方法。
[20]
第1パケット生成装置を介して、前記第1の1次パケットを作り出すことであって、前記第1の1次パケットが、第1ウェブ交差幅を有することと、
第2パケット創出装置を介して、前記第2の1次パケットを作り出すことであって、前記第2パケットが、第2ウェブ交差幅を有することと、を更に含み、
前記第1フローチャネルを介して、前記第1の1次パケットを受け取ることが、前記第1フローチャネルを介して、前記第1ウェブ交差幅を有する前記第1パケットを受け取ることを含み、前記第2フローチャネルを介して、前記第2の1次パケットを受け取ることが、前記第2フローチャネルを介して、前記第2ウェブ交差幅を有する前記第2パケットを受け取ることを含み、
前記第1の1次パケット及び第2の1次パケットの前記少なくとも一方を、ウェブ交差方向で延展することが、前記第1ウェブ交差幅よりも大きい第3ウェブ交差幅へと、前記第1の1次パケットを延展することと、前記第2ウェブ交差幅よりも大きい第4ウェブ交差幅へと、前記第2の1次パケットを延展することと、を含む、項目12に記載の方法。
[21]
前記第1パケット及び前記第2パケットが、互いに結合される際に、実質的に同じウェブ交差幅を有する、項目12に記載の方法。
[22]
前記多層フローストリームを、多層光学フィルムへと製造することを更に含む、項目12に記載の方法。
[23]
多層フィルムを製造するためのアセンブリであって、前記アセンブリは、
第1フローチャネルを介して、第1の1次パケットを受け取るための手段であって、前記第1の1次パケットが、第1の複数の高分子層を含む、手段と、
第2フローチャネルを介して、第2の1次パケットを受け取るための手段であって、前記第2パケットが、第2の複数の高分子層を含む、手段と、
前記第1の1次パケット及び第2の1次パケットの少なくとも一方を、ウェブ交差方向で延展するための手段と、
前記第1パケット及び第2パケットの少なくとも一方を、前記ウェブ交差方向で延展した後に、前記第1の1次パケットと第2の1次パケットとを互いに結合して、前記第1の複数の高分子層及び前記第2の複数の高分子層を含む、多層フローを形成するための手段と、を含む、アセンブリ。