(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の統制局、子局、統制局の制御方法及び子局の制御方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
<第1の実施形態>
先ず、
図1を用いて、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の衛星通信を利用した門扉制御システム1000のシステム構成を示す図である。以下の説明では、緊急情報として、J−ALERTの津波発生を報知する津波情報を例に説明する。
門扉制御システム1000は、第1統制局1−1、第2統制局1−2、制御所2及び子局3を備える。第1統制局1−1及び第2統制局1−2と制御所2、若しくは第1統制局1−1及び第2統制局1−2と、複数の子局3(図で代表として1つのみ図示)が設けられ、通信衛星7を介した衛星通信で互いに通信可能に接続される。子局3には、複数の門扉制御装置6−1〜6−n(nは2以上の整数)が接続される。ここで、門扉とは、例えば、水門又は陸閘である。なお、以下の説明では、第1統制局1−1及び第2統制局1−2について特に区別しない場合には統制局(「統制局システム」という場合もある。)1と記載する。また、以下の説明では、門扉制御装置6−1〜6−nについて特に区別しない場合には門扉制御装置6と記載する。
【0009】
第1統制局1−1は、例えば、都道府県の中心となる役所(例えば、都庁、道庁、府庁及び県庁)に備えられる設備である。第1統制局1−1は、当該統制局が管轄している(例えば、県単位のシステムの場合、当該県内)全ての水門・陸閘を動作させる。第1統制局1−1は、J−ALERTの受信、又は、制御所2からの指示に応じて、水門・陸閘を閉鎖させるための制御情報を子局3に対して送信する。
【0010】
第2統制局1−2は、前記第1統制局とは地理的に離れた、例えば合同庁舎に備えられる設備である。第2統制局1−2は、第1統制局1−1と同様に、当該統制局が管轄している全ての水門・陸閘を動作させる。例えば、第2統制局1−2は、J−ALERTの受信、又は、制御所2からの指示に応じて制御情報を子局3に対して送信する。ここで、統制局を複数配置することにより、統制局に不具合が発生した場合においても可用性及び信頼性を向上させることができる。また、第1統制局1−1の設置位置と第2統制局1−2の設置位置は、地震等災害発生時の影響や、ゲリラ豪雨等の影響で衛星回線がダウンするリスクを考慮して、地理的に離れていることが望ましいが、設置位置の距離や設置場所を限定するものではない。
【0011】
制御所2は、例えば市町村等の地方公共団体の庁舎、又は地域の消防署などに配置される。制御所2は、それぞれ自所の管轄内の子局3に接続される門扉を管理する。制御所2は、各子局3に接続された門扉の開閉状況を把握し、閉鎖または開放の必要があると判断した場合、制御所の所員の指示に従って、制御情報を第1統制局1−1及び第2統制局1−2に門扉の閉鎖または開放のための制御信号を送信する。
子局3は、門扉制御装置6を含む。子局3は、統制局設備1からの指示に従って、自局の門扉制御装置6に対して門扉の開閉を制御する情報を送出する。例えば、子局3は、門扉閉鎖の制御情報に応じて自局の門扉制御装置6に対して門扉を閉鎖または開放する制御を行う。
ここで、本実施形態において制御対象となる門扉は、例えば河川や港湾の水路を閉鎖する水門、通路を閉鎖する陸閘である。水門や陸閘等の門扉は、津波等の発生時には閉鎖されることにより堤防の一部を形成する。
【0012】
次に、
図2を用いて、統制局の機能構成を説明する。
図2は、第1の実施形態の統制局の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図2において、統制局は、統制局装置1及びアンテナ装置10を持つ。統制局装置1は、遠方監視制御装置11、監視端末12、監視操作卓13、及び電源設備14を持つ。なお、統制局装置を以下、「統制局」と省略して記載する。
【0014】
アンテナ装置10は、J−ALERTの信号の受信と、制御所又は子局との信号の送受信を行う。アンテナ装置10は、ODU(Out Door Unit)101を持つ。ODU101は、アンテナの前面に取り付けられて、アンテナで反射される通信衛星と送受信される信号の送信処理と受信処理(送受信処理)を行う。ODU101は、通信衛星から受信した信号を、後述する衛星通信装置(IDU)(以下、「衛星通信装置」と省略する。)112に出力する。また、ODU101は、衛星通信装置112から受信した信号を通信衛星に出力する。
【0015】
アンテナ装置10には、電源設備14から非常用電源系としてのAC100Vの電源が屋外分電盤102を介して供給される(※1で図示)。また、アンテナ装置10には、電源設備14から常用電源系としてのAC100Vの電源が屋外分電盤102を介して供給される(※4で図示)。常用電源としての商用電源が停止等した場合であっても、非常用電源系の電源が供給されることにより、アンテナ装置10は、動作を継続することが可能となる。
【0016】
遠方監視制御装置11は、衛星通信装置112、回線接続制御装置113、VSAT(Very Small Aperture Terminal)遠方監視端末114、中央一斉指令監視装置115、L2−SW(Layer 2 Switch)116、J−ALERT受信装置117、故障自動通報装置(ルータ含む)119、時刻管理装置120、電源部121、及び警報表示盤122を持つ。
【0017】
衛星通信装置112は、アンテナ装置10のODU101が受信した、J−ALERTの信号と制御所又は子局からの信号とを分離する。衛星通信装置112は、分離したJ−ALERTの信号をJ−ALERT受信装置117に出力する。また、衛星通信装置112は、分離した制御所2又は子局3から取得した信号を回線接続制御装置113に出力する。また、衛星通信装置112は、回線接続制御装置113から取得した信号をアンテナ装置10に出力する。
【0018】
また、衛星通信装置112は、ODU101が送受信する通信衛星との送受信信号を変復調するIDU(In Door Unit)として機能する。衛星通信装置112は、信号が制御所2又は子局3から送信された制御信号であるときには、復調した信号を回線接続制御装置113に出力する。また、衛星通信装置112は、受信した信号が電話に係る信号であるときには、復調した信号を電話機125に出力する。同様に、衛星通信装置112は、回線接続制御装置113から取得した制御信号と電話機125から取得した衛星電話に係る信号を変調してODU101に出力する。
【0019】
回線接続制御装置113は、制御所2又は子局3との通信回線の接続を制御する。回線接続制御装置113は、衛星通信装置112から取得した信号が制御所2又は子局3から送信された制御信号に基づき、信号を送信した制御所2又は子局3との通信回線を確立する。また、回線接続制御装置113は、中央一斉指令監視装置115から制御所2又は子局3に制御信号を送信する際に、中央一斉指令監視装置115から取得した制御信号に基づき、送信先の制御所2又は子局3との通信回線を確立する。
【0020】
VSAT遠方監視端末114は、例えば、制御所2及び子局3との通信状況を監視して、通信状況に異常がないか否かを表示する。通信状況に異常があるか否かの判定方法は、例えば、制御所及び子局に所定のコマンドを送信して、送信したコマンドに対する応答の有無によって判断することができる。通信状況に異常があるか否かは、所定の時間間隔において定期的に判断するようにしてもよい。
【0021】
J−ALERT受信装置117は、衛星通信装置112が分離して出力したJ−ALERTの信号を取得する。J−ALERT受信装置117は、J−ALERTの受信を確実に行うため、通信衛星から取得するとともに、図示しないLGWAN(Local Government Wide Area Network:総合行政ネットワーク)や、図示しないインターネットを経由してJ−ALERTの信号を取得するようにしてもよい。
【0022】
J−ALERT受信装置117は、取得したJ−ALERTの信号に基づく警告情報を中央一斉指令監視装置115に対して出力する。例えば、J−ALERTの情報が津波警報(大津波)である場合、津波警報の範囲、各地の津波の高さ、各地の津波の到達時刻等の情報を含んでいてもよい。
【0023】
中央一斉指令監視装置115は、監視対象の子局に対して、一斉閉鎖指令を出力する。
【0024】
また、中央一斉指令監視装置115は、統制局1の監視操作卓13からの指示に基づき、一斉閉鎖指令を出力するようにしてもよい。更に、中央一斉指令監視装置115は、制御所からの指示に基づき、一斉報知指令を出力してもよい。
【0025】
また、中央一斉指令監視装置115は、J−ALERTの情報(例えば、津波が発生する旨、津波が発生する地域)が含まれている場合は、J−ALERTの情報に基づき、閉鎖すべき門扉(後述する起動情報を送信する子局)を選択するようにしてもよい。更に、制御所2、子局3、有線放送、防災放送等の設備に送信してもよい。
【0026】
また、中央一斉指令監視装置115は、PLC(Programmable Logic Controller)を用いて実現(構成)されている。すなわち、中央一斉指令監視装置115は、上述した機能を有する機能ブロックとして説明しており、機能ブロックは例えばソフトウェアやハードウェアの機能によって実現することができる。本実施形態において中央一斉指令監視装置115の機能は、PLCで実行されるプログラムによって実現することができる。以下の説明においても機能ブロックで図示する機能を実現する方法としてPLCやFA(Factory Automation)−PCを用いる場合を例示する。
【0027】
また、中央一斉指令監視装置115は、後述する非常用発電機141から監視信号(※3で図示)が入力される。監視信号は、非常用発電機141を監視する信号であり、例えば、非常用発電機141の運転状態を監視する。
【0028】
L2−SW116は、レイヤ2(データリンク層)において機器同士を接続するネットワークスイッチである。L2−SW116は、遠方監視制御装置11において、中央一斉指令監視装置115、時刻管理装置120、及び警報表示盤122を接続する。また、L2−SW116は、監視端末12の監視端末制御装置126、及び監視操作卓13の監視操作卓処理装置131を通信可能に接続する。
【0029】
L2−SW116は、無停電電源装置143から停電信号が入力される(※2で図示)。停電信号は、無停電電源装置143から出力されて商用停電の停止を通知する。停止信号が入力されると、L2−SW116は、例えば監視端末制御装置126等にシャットダウン処理を実行するための信号を出力する。信号を受信した監視端末制御装置126等は、停電する前にシャットダウン処理を実行することにより、停電による故障を防止することができる。
【0030】
故障自動通報装置119は、遠方監視制御装置11の内部の故障を検出して、検出した故障の情報を電話回線等を通じて外部に出力する。
時刻管理装置120は、時刻を管理する。時刻管理装置120は、遠方監視制御装置11で使用する時間情報を、例えばネットワーク上のサーバから取得した情報に基づき修正するようにしてもよい。
電源部121は、電源設備14からAC100Vの電源の供給を受ける(※1で図示)。すなわち、遠方監視制御装置11は、電源設備14によって常時電源が供給されて、商用電源が停止した場合であっても動作を継続することが可能となる。
【0031】
警報表示盤122は、J−ALERTの情報基づく警告情報を表示する。警報表示盤122は、例えば、津波情報、地震情報、気象情報等を表示してもよい。
【0032】
監視端末12は、電話機125、監視端末制御装置126、モニタ127、及び電源部128を持つ。
電話機125は、衛星通信装置112を介してVSATシステムを利用した衛星電話信号の着呼を行うとともに発呼を行う。なお、VSATシステムを利用した電話機は、後述する制御所及び子局に配置されており、統制局、制御所及び子局は、VSATシステムを利用した通話が可能であるものとする。
【0033】
監視端末制御装置126は、モニタ127を持つ、監視端末制御装置126は、例えば、遠方監視制御装置11から取得した機器情報や図示しないネットワークを経由して取得した情報をモニタ127にグラフィカルに表示する。また、子局から取得したテレビカメラの映像をモニタに表示するようにしてもよい。監視端末制御装置126には、FA−PCが用いられるものとする。FA−PCは、通信機能や画像処理機能が優れている特徴があるため、監視端末制御装置126は、FA−PCの特徴を生かした目的で利用することができる。例えば、監視端末制御装置126は、後述する制御所システムに配置されたFA−PCと通信を行い、機器情報の共有等、PC間で実行可能なデータ通信を行うようにしてもよい。
電源部128は、電源設備14からAC100Vの電源の供給を受ける(※1で図示)。すなわち、監視端末12は、電源設備14によって常時電源が供給されて、商用電源が停止した場合であっても動作を継続することが可能となる。
【0034】
監視操作卓13は、監視操作卓処理装置131、タッチモニタ132、警報操作表示器133、及び電源部134を持つ。
【0035】
監視操作卓処理装置131は、タッチモニタ132を持つ。監視操作卓処理装置131は、遠方監視制御装置11から取得した監視結果や機器情報をタッチモニタ132に表示する。タッチモニタ132には、例えば、統制局1が管理する門扉の開閉状況、遠方監視制御装置11が子局に対して出力する一斉報知指令の出力状況、一斉閉鎖指令の出力状況等を表示する。例えば、一斉閉鎖指令によって閉鎖されるべき門扉が閉鎖されていない場合、監視操作卓処理装置131は、閉鎖されていない門扉を表示等して、異常を作業者(オペレータ)に報知する。作業者は、タッチモニタ132に表示された門扉の情報に基づき、監視操作卓処理装置131の操作を行ってもよい。
【0036】
タッチモニタ132には、個々の門扉を手動で開閉するための画面を表示するようにしてもよい。また、タッチモニタには、一斉起報知指令又は一斉閉鎖指令の対象となる子局を選択するための画面、又はそれぞれの子局において一斉閉鎖指令の対象となる門扉を選択するための画面を表示するようにしてもよい。また、タッチモニタには、門扉以外の装置を制御するための画面を表示するようにしてもよい。また、タッチモニタには、統制局から制御できない門扉の開閉状況を示す画面を表示するようにしてもよい。
また、監視操作卓処理装置131は、スイッチ、ランプ等で構成される操作パネルを持ってもよい。操作パネルには、例えば門扉の開閉操作を行うスイッチや門扉の動作状況を示すランプを配置してもよい。監視操作卓処理装置131にはPLCが用いられる。
【0037】
警報操作表示器133は、一斉起報知指令又は一斉閉鎖指令を手動で送信できるようにしてもよい。また、警報操作表示器133は、個々の子局に対して情報設備の起動を指令できるようにしてもよい。例えば、選択した子局に対してスピーカからサイレン音を出力するように指令する操作ができるようにする。
電源部134は、電源設備14からAC100Vの電源の供給を受ける(※1で図示)。すなわち、監視操作卓13は、電源設備14によって常時電源が供給されて、商用電源が停止した場合であっても動作を継続することが可能となる。
【0038】
電源設備14は、非常用発電機141、分電盤142、及び無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)143、耐雷トランス144を持つ。
電源設備14は、それぞれの負荷設備(アンテナ装置10、遠方監視制御装置11、監視端末12、及び監視操作卓13)に対して、※1で図示する無停電系のAC100Vの電源を供給する。また、アンテナ装置10に対して、※4で図示する停電系のAC100Vの電源を供給する。また、L2−SW116に対して、※2で図示する停電信号を出力する。
【0039】
電源設備14は、無停電電源装置143によって、常時電源を供給することが可能であるので、それぞれの負荷設備は、商用電源が停止した場合であっても動作を継続することが可能となる。非常用発電機141が起動に数秒間を要するのに対して、無停電電源装置143は数msで電源供給が可能であるので、迅速な電源の供給が可能となる。一方、非常用発電機141は、無停電電源装置143に比べて長時間の電源供給が可能であるため、長時間の電源の供給が可能となる。本実施形態では、電源設備14は、非常用発電機141及び無停電電源装置143を持つことにより、短時間及び長時間において安定的に電源の供給を可能としている。
【0040】
非常用発電機141は、監視信号(※3で図示)を中央一斉指令監視装置115に出力する。また、無停電電源装置143は、停電信号(※2で図示)をL2−SW116に出力する。
分電盤142は、商用電源からの電源と無停電電源装置143からの電源を切り替える切替盤の機能を有する。すなわち、分電盤142は、停電系の電源(※4で図示)と無停電系の電源(※1で図示)とを切り替えて出力することが可能である。
耐雷トランス144は、落雷に対する耐性が高いトランスであり、落雷によるサージ電圧を低減する。
【0041】
本実施形態における電源設備14は、商用電源が正常なときは商用電源をそのまま負荷に供給する。一方、商用電源が停止したとき、商用電源を切り離し無停電電源装置143のインバータから電源を供給する。
【0042】
本実施形態において、遠方監視制御装置11が門扉制御を行う場合において、中央一斉指令監視装置115は、通信衛星を介して伝達される緊急情報に基づく警告情報を取得する警告情報取得機能を持つ。また、中央一斉指令監視装置115は、警告情報に基づき、報知設備を起動するための起動情報を送信する起動情報送信機能を持つ。また、中央一斉指令監視装置115は、起動情報が送信されてから所定条件が満たされたか否かを判断する判断機能を持つ。また、中央一斉指令監視装置115は、所定条件が満たされた場合に、門扉を制御するための制御情報を送信する制御情報送信機能を持つ。
【0043】
次に、
図3を用いて、制御所2の機能構成を説明する。
図3は、第1実施形態の制御所2の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態においては、
図3で図示する全体を制御所システムとして説明する。
【0044】
図3において、制御所2は、遠方監視制御装置21、監視端末22、監視操作卓23、及び電源設備24を持つ。なお、
図2で説明した機能と同様の機能は説明を省略する。
【0045】
遠方監視制御装置21は、衛星通信装置211、衛星通信制御装置212、L2−SW214.電源部215、及び無停電電源装置217を持つ。
【0046】
衛星通信装置211は、アンテナ装置20と接続される。衛星通信装置211は、IDUの機能を有し、アンテナ装置20のODU201が送受信する通信衛星との送受信信号を変復調する。
【0047】
衛星通信制御装置212は、遠方監視制御装置11が子局に送信した一斉報知指令の情報を取得したときには、監視端末22に対して、当該情報を出力する。衛星通信制御装置212は、遠方監視制御装置11が送信した機器情報を取得したときには、監視端末22に対して、当該情報を出力する。
また、衛星通信制御装置212は、遠方監視制御装置11が子局に送信した一斉閉鎖指令の情報を取得したときには、監視操作卓23に対して、当該情報を出力する。
また、衛星通信制御装置212は、監視操作卓23から、子局が制御する門扉の開閉等の制御指示を取得した場合には、遠方監視制御装置11に対して衛星通信装置211を介して門扉の制御指示を出力する。なお、衛星通信制御装置212はPLCを用いて実現している。
また、衛星通信制御装置212には、非常用発電機243から監視信号(※1で図示)が入力される。
無停電電源装置217は、L2−SW214に無停電系の電源を供給するとともに、※3で図示する無停電系の電源を監視端末22及び監視操作卓23に供給する。
【0048】
電源部215、及び警報表示盤216及び無停電電源装置217は、
図2で説明した遠方監視制御装置11における電源部121、警報表示盤122及び無停電電源装置217と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0049】
監視端末22は、電話機221、監視端末制御装置(FA−PC)222、モニタ223、及び電源部224を持つ。
【0050】
電話機221は、
図2で説明した監視端末12の電話機125と接続されて、災害時においても通信衛星を介して通話が可能となる。
【0051】
監視端末制御装置222は、例えば、遠方監視制御装置21から取得した機器情報や図示しないネットワークを経由して取得した情報をモニタ223に表示する。また、統制局1から取得した子局のテレビカメラの映像をモニタに表示するようにしてもよい。監視端末制御装置222には、
図2で説明した監視端末制御装置126と同様にFA−PCが用いられるものとする。監視端末制御装置222は、統制局の監視端末制御装置126と通信を行い、監視端末制御装置126と情報を共有等するようにしてもよい。
電源部224は、
図2で説明した電源部128と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0052】
監視操作卓23は、監視操作卓処理装置231、タッチモニタ232、警報操作表示器233、及び電源部234を持つ。
【0053】
監視操作卓処理装置231は、
図2で説明した監視操作卓処理装置131と同様にタッチモニタ232を持つ。タッチモニタ232には、例えば、その制御所において監視する子局の門扉の情報を表示する。監視操作卓処理装置231は、タッチモニタ232に表示された門扉を個別に制御できるようにしてもよい。例えば、統制局1からの一斉閉鎖指令で閉鎖される門扉と、一斉閉鎖指令で閉鎖されない門扉とを識別可能に表示してもよい。また、タッチモニタ232には、統制局1から送信された機器情報を表示するようにしてもよい。
また、監視操作卓処理装置231は、何らかの原因で統制局からの一斉閉鎖指令で閉鎖出来なかった門扉について個別に制御できるようにしてもよい。
また、監視操作卓処理装置231は、スイッチ、ランプ等で構成される操作パネルを持ってもよい。操作パネルには、例えば門扉の開閉操作を行うスイッチや門扉の動作状況を示すランプを配置してもよい。
監視操作卓処理装置231は、門扉に対する制御の指示を衛星通信制御装置212を介して統制局の遠方監視制御装置11に送信する。すなわち、制御所が個別に門扉を制御する場合であっても、門扉の制御の指示は統制局から門扉に送信されることになる。なお、監視操作卓処理装置231はPLCを用いて実現している。
警報操作表示器233及び電源部234は、
図2で説明した警報操作表示器133及び電源部134と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0054】
電源設備24は、分電盤241及び耐雷トランス244を持つ。また、分電盤241には、耐雷トランス244を介した商用電源から電源の供給を受けるとともに、燃料タンクを内蔵した非常用発電機243から電源の供給を受ける。分電盤241は、負荷設備に対して停電系のAC100V(「※2」で図示)を供給する。
電源設備24は、非常用発電機243を屋外に設置する。非常用発電機243は屋外に設置することにより屋内に設置する場合に比べて設置スペースによる制限を受けにくくなる。なお、分電盤241から供給される電源は、非常用発電機243からも電源の供給を受けるため、停電系であっても、非常用発電機243によって商用電源の代わりに電源を供給することが可能である。
【0055】
次に、
図4を用いて、子局3の機能構成を説明する。
図4は、第1の実施形態の子局3の機能構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態における子局3は、統制局が受信した緊急情報に基づく情報を取得すると、即座に門扉の閉鎖は行わずに周辺へ門扉を閉鎖することを報知するための報知設備を起動する。
ここで、統制局から受信する報知設備を起動するための情報を起動情報というものとする。また、子局3は、取得した情報に基づき、門扉を開放又は閉鎖(開閉)する。統制局から受信する門扉を開閉するための情報を制御情報というものとする。なお、本実施形態では、制御情報によって子局3が門扉を閉鎖する場合を説明する。
【0056】
図4において、子局3は、門扉制御システム5及び門扉制御装置6−1〜6−nと通信可能に接続されている。門扉制御装置6−1〜6−nは、門扉制御装置6−nとして説明する。
【0057】
子局装置(「子局」と省略する。)3は、遠方監視制御装置30、電源設備4、及びアンテナ装置300を持つ。遠方監視制御装置30は、衛星通信制御装置(SAT−G−PLC)31、入出力中継部33、L2−SW34、電話機35、MC(Media Converter)36、光成端37、UPS38を持つ。
【0058】
アンテナ装置300は、衛星通信装置301及び融雪装置302を持つ。衛星通信装置301は、
図2で説明したODUの機能及びIDUの機能を持つ。融雪装置302はアンテナに付着する雪を融かす。アンテナ装置300は、遠方監視制御装置30から電源の供給を受けるものとする。
【0059】
衛星通信制御装置31は、SAT−PLCの機能及びG−PLC機能を持つ、SAT−PLCの機能は、衛星通信において取得した情報に基づき、門扉制御システム5等に対する情報を出力し、また、門扉制御システム5等から取得した情報に基づき、衛星通信で統制局1に情報を送信するものである。また、G−PLC機能は、衛星通信制御装置31から門扉制御システム5等に対して制御指示を出力するとともに、門扉制御システム5等から機器情報を収集する。本実施形態においては、衛星通信制御装置31は、SAT−PLCの機能とG−PLC機能を併せ持つSAT−G−PLC機能を有するものとする。但し、SAT−PLCの機能とG−PLC機能はそれぞれ別の装置で実現するようにしてもよい。
【0060】
入出力中継部33は、遠方監視制御装置30と門扉制御システム5等の間を所定の通信方式で中継する。
MC36は、光ファイバケーブルの信号と電気ケーブルの信号を変換する。光成端37は光ケーブルの末端(接続部)である。遠方監視制御装置30と門扉制御システム5等の間を接続する「SM−2C」は、2芯の光ファイバケーブルを示している。但し、遠方監視制御装置30と門扉制御システム5等の間を接続する光ファイバケーブルは、これに限定されるものではない。子局システムにおいては、所定の領域(例えば、港湾、集落等)に配置された遠方監視制御装置30と門扉制御システム5等との間を光ファイバケーブルで接続して制御することにより、広帯域でノイズに強い通信が可能になる。
なお、L2−SW34、電話機35、及びUPS38の説明は省略する。
【0061】
電源設備4は、耐雷トランス41を持つ。電源設備4は、商用電源と燃料タンクを搭載した自家発電装置42から電源を供給される。電源設備4は、遠方監視制御装置30にAC100Vの電源(遠隔系電源)を供給するとともに、遠方監視制御装置30の電源状態を監視する。
【0062】
門扉制御システム5は、機側操作盤51、放送制御盤52、水門ゲート53、水位計54、回転灯55、スピーカ56、集音マイク57、サイレン集音マイク58、及び電光表示板59を持つ。機側操作盤51は、ゲート制御回路511、回転灯制御部512、及び水位計変換機513を持つ。放送制御盤52は、放送・警報制御521、電光表示板制御522を持つ。
機側操作盤51は、遠方監視制御装置30の衛星通信制御装置31のG−PLC機能によって制御されるとともに、監視のための機器情報を衛星通信制御装置31に出力する。放送制御盤52は、衛星通信制御装置31のG−PLC機能によって制御されるとともに、監視のための機器情報を衛星通信制御装置31に出力する。
【0063】
ゲート制御回路511は、水門ゲート(門扉)53の開閉制御を行う制御回路である。また、ゲート制御回路511は、水門ゲート53から門扉の状態を示す情報を取得する。門扉の状態とは、例えば、門扉が開動作中である状態、門扉が閉動作中である状態、門扉が開状態、門扉が閉状態、門扉に何らかの異常が発生した状態等である。本実施形態では、ゲート制御回路511は、水門ゲート53に対して閉鎖信号を送信することができ、さらに門扉が閉動作中であることを示す情報(閉動作中)を取得できるものとする。門扉が閉動作中であることは、例えば、門扉の位置を検出するセンサ等によって検出することができる。ゲート制御回路511は、水門ゲート53に対して閉鎖信号を送信した後に閉動作中になったことを遠方監視制御装置30に送信する。遠方監視制御装置30は、門扉の状態を、アンテナ装置300を介して統制局1に送信するようにしてもよい。
【0064】
門扉を開閉する複数の手段は、例えば、門扉のモータ駆動、空気圧駆動、重力を利用した駆動等である。モータ駆動においては、例えば、門扉を移動させる車輪等をモータで駆動することにより門扉を開閉する。空気圧駆動においては、門扉を移動させるシリンダにボンベの空気圧を印加することにより門扉を開閉(閉鎖)してもよい。また、重力を利用した駆動においては、上下に開閉する門扉の自重等を支えるストッパを電磁弁等で外すことにより門扉を閉鎖してもよい。
【0065】
回転灯制御部512は、回転灯55の動作をオンオフ制御する。水位計変換機513は、水位計54の水位を電気信号に変換する。水位計54は、門扉の内側の水位と門扉の外側の水位を測定できる。放送・警報制御521は、安全周知設備として例示する、スピーカ56、集音マイク57、及びサイレン集音マイク58を制御する。スピーカ56は、警報を報知するサイレン音、又は音声を出力することにより音声情報を門扉の周囲に提供する。集音マイク57は、例えば門扉周辺に設置されて、音声で門扉の状況を把握するための音声情報を収集することにより音声情報を統制局1に対して提供する。サイレン集音マイク58は、スピーカ56から出力されるサイレン音を収集して、サイレン音が正しく出力有れていることをモニタするために使用することができる。電光表示板制御522は、電光表示板59に所定の表示をさせる制御を行うことにより表示情報を提供する。
【0066】
門扉制御装置6−1〜6−nは、その他の門扉制御装置を示す。門扉制御装置6−1〜6−nは全て同じ構成である。
【0067】
門扉制御装置6−1〜6−nは、遠隔機側盤60を有する以外は、門扉制御システム5と、基本的に同じ構成を擁している。遠隔機側盤60は、MC601、G−PLC部602、UPS603、及び入出力中継部604を持つ。MC601、G−PLC部602、UPS603、及び入出力中継部604は、遠方監視制御装置30における、MC36、G−PLC部32、UPS38、及び入出力中継部33と同じ構成である。すなわち、門扉制御システム5は、遠方監視制御装置30の近くに設置されるため、MC、G−PLC、UPS、及び入出力中継部の機能は、遠方監視制御装置30に収納されている。一方、門扉制御装置6−nは、遠方監視制御装置30から離れた位置に設置されて光ファイバケーブルによる通信を行うため、MC、G−PLC、UPS、及び入出力中継部の機能を持っている。なお、遠方監視制御装置30の近くに複数の門扉制御装置を設置する場合には、門扉制御システム5の構成とすることにより、コストの削減を図ることができる。
【0068】
なお、門扉制御システム5及び門扉制御装置6−nは、電源設備4(自家発電装置42を含む)と同じ装置を持ち、図示する※2及び※3で図示する構成に対して電源が供給される。なお、電源設備4は、門扉制御システム5及び門扉制御装置6−nのそれぞれが持ってもよく、また、門扉制御システム5及び門扉制御装置6−nで電源設備4を共用するようにしてもよい。
【0069】
<システム全体の信号の流れ>
次に、
図5を用いて、門扉制御システム1000の信号の流れについて説明する。
図5は、第1の実施形態における門扉制御システム1000の通信を示す図である。
図5に示されるように、統制局1から制御所2及び子局3への回線が下り、制御所2及び子局3から統制局1への回線が上りとして説明する。また、第1統制局が使用する帯域を1系、第2統制局が利用する帯域を2系として、説明する。
【0070】
本実施形態における門扉制御システム1000では、第1統制局1−1及び第2統制局1−2は、J−ALERT(例えば、津波発生の通知)をそれぞれ受信する。
【0071】
第1統制局1−1は、J−ALERT(例えば、津波発生の通知)を受信すると、1系の下りの帯域を利用した一斉指令回線90を利用して子局3に閉鎖指令を送信する。この時、第2統制局1−2は、1系の下りの帯域の一斉指令回線90を監視する。この結果、第2統制局1−2において、第1統制局1−1の動作状況の把握ができるようになる。
また、これとは独立して第2統制局1−2は、J−ALERT(例えば、津波発生の通知)を受信すると、2系の下りの帯域を利用した一斉指令回線91を利用して子局3に閉鎖指令を送信する。この時、第1統制局1−1は、2系の下りの帯域の一斉指令回線91を監視する。この結果、第1統制局1−1において、第2統制局1−2の動作状況の把握ができるようになる。
【0072】
子局3は、第1統制局1−1及び第2統制局1−2から送信された制御情報に従って門扉制御装置6に対して門扉開閉の制御を指示して、門扉の開閉制御を行う。門扉を閉鎖するための制御情報を受信した子局3は、門扉の状態(例えば、開閉状況)を示す応答を、通信衛星を介して第1統制局1−1及び第2統制局1−2に送信する。例えば、子局3は、1系の上りの帯域を利用して第1統制局1−1に応答を送信する。また、例えば、子局3は、2系の上りの帯域を利用して第2統制局1−2に応答を送信する。第1統制局1−1及び第2統制局1−2は、子局3から送信された応答を受信し、受信した応答を制御所2に送信する。
【0073】
例えば、第1統制局1−1は、1系の下りの帯域を利用した一斉指令回線92を利用して制御所2に応答を送信する。第2統制局1−2は、1系の下りの帯域の一斉指令回線92を監視する。
また、例えば、第2統制局1−2は、2系の下りの帯域を利用した一斉指令回線93を利用して制御所2に応答を送信する。第1統制局1−1は、2系の下りの帯域の一斉指令回線93を監視する。
【0074】
<第1の自動門扉操作処理>
次に、
図6を用いて、第1の自動門扉操作処理を説明する。
図6は、第1の実施形態の第1の自動門扉操作処理の一例を示すシーケンス図である。
第1の自動門扉操作処理は、J−ALERTを受信した統制局1が、子局3のSAT―G−PLC部31(「SAT−G−PLC」で図示。
図7〜
図11においても同じ。)に対して、自動的に一斉閉鎖指示を送信し、子局3から水門・陸閘に対して閉鎖指示を送信する場合を例示する。一斉閉鎖指示とは、一斉に送信される門扉を閉鎖するための制御指示である。本実施形態では、一斉閉鎖指示の信号を衛星通信の一斉送信を用いて送信する。
【0075】
なお、
図6で説明するSAT−G−PLC部31は、
図4で説明した衛星通信制御装置31のSAT−G−PLC機能によって実現されるため、同じ符号を用いて説明する。また、
図6においては、1つの子局3を図示しているが、子局3は複数配置されており、他の子局3は図示を省略している。それぞれの子局3において同様の処理がされるものとする。
【0076】
図6において、先ず、所定の官庁として例示する消防庁100から、通信衛星を介して送信されたJ−ALERTを統制局1が取得する(ステップS101)。
【0077】
J−ALERTを受信した統制局1は、一斉閉鎖信号(一斉閉鎖指令)を、全ての子局3のSAT−G−PLC部31に送信するとともに(ステップS102)、制御所2(「制御所」で図示。
図7〜
図11においても同じ。)に対して送信する(ステップS103)。一斉閉鎖信号の送信は、
図2で説明した統制局1の中央一斉指令監視装置115が行う。
【0078】
一斉閉鎖信号を取得した制御所2は、
図4で説明した通り、一斉閉鎖信号が送信された子局3及び一斉閉鎖信号によって閉鎖される門扉(水門・陸閘)の情報をタッチモニタ232等に表示してもよい。
【0079】
また、一斉閉鎖信号を取得した子局3のSAT−G−PLC部31は、安全周知設備を起動制御するための起動情報を送信する(ステップS104)。安全周知設備が起動されることにより、門扉が閉鎖されることがサイレンやアナウンス等により門扉周辺に報知される。門扉が閉鎖されること報知することにより、門扉周辺の人に門扉の内側への退避を促すことが可能となる。
【0080】
一斉閉鎖信号を受信した子局3のSAT−G−PLC部31は、制御信号を送信したときにタイマをスタートさせて、タイマによるカウントダウンで制御信号を送信してから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS105)。制御信号を送信してから所定の時間が経過したか否かを判断するのは、門扉の閉鎖に対する退避時間を確保(門扉閉鎖の所定条件)するためである。
【0081】
なお、タイマでカウントする所定の時間は、予め定められた固定の時間(例えば、5分間等)であってもよい。また、津波の到達時間等、J−ALERTの情報に基づき設定されるものであってもよい。また、タイマで設定される時間は、門扉によって異なる値が設定されてもよい。
【0082】
本実施形態では、門扉の閉鎖に対する退避時間を確保するための所定条件として、安全周知設備を起動制御するための起動情報を送信してから所定の時間の経過を確認する場合を示したが、退避時間を確保するための所定条件はこれに限定されない。所定条件は、例えば、テレビカメラ、センサ等により門扉の閉鎖に支障となる人や車両が検知されていないことを条件に含んでいてもよい。
SAT−G−PLC部31は、所定の時間が経過したときに、門扉(水門又は陸閘)を閉鎖制御するための制御情報を、門扉を動作させる装置である機側操作盤(51、61)に送信する(ステップS106)。
【0083】
<第2の自動門扉操作処理>
次に、
図7を用いて、第2の自動門扉操作処理を説明する。
図7は、第1の実施形態の第2の自動門扉操作処理の一例を示すシーケンス図である。
図7において、第2の自動門扉操作処理は、子局と門扉制御装置が離れて設置されている場合に、子局から門扉制御装置への一斉閉鎖制御信号を、報知信号と閉鎖信号を分けずに伝送する方法である。なお、本実施形態においては、門扉制御装置6によって実施されるため、同じ符号を用いるものとする。
【0084】
図7で説明するSAT−G−PLC部31は、
図5で説明した衛星通信制御装置31のSAT−PLC機能によって実現される。また、
図7で説明するG−PLC部602は、
図5で説明した、遠隔機側盤制御装置32のG−PLC機能、及び門扉制御装置6−nのG―PLC部602によって実現される。
【0085】
図7においては、1つの門扉制御装置6を図示しているが、門扉制御装置6は複数配置されており。他の門扉制御装置6は図示を省略している。それぞれの門扉制御装置6において同様の処理がされるものとする。
【0086】
図7において、先ず、所定の官庁として例示する消防庁100から、通信衛星を介して送信されたJ−ALERTを統制局1が取得する(ステップS201)。
J−ALERTを受信した統制局1は、一斉閉鎖信号を、子局3のSAT−G−PLC部31に送信する(ステップS202)。さらに、一斉閉鎖信号を送信した子局3を管理する制御所2に対して送信する(ステップS203)。一斉閉鎖信号を取得した制御所2は、一斉閉鎖信号が送信された子局3及び一斉閉鎖信号によって閉鎖される門扉(水門・陸閘)の情報をタッチモニタ232等に表示してもよい。
【0087】
一斉報知指令を取得した子局3(子局1)のSAT−G−PLC部31は、門扉制御装置6のG−PLC部602に対して、一斉報知指令に基づく一斉閉鎖指示を送信する(ステップS204)。
G−PLC部602は、門扉制御装置6が管理する安全周知設備を起動する制御信号を送信した後に、所定の時間が経過したか否かを判断するタイマをスタートさせて所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS206)。
門扉制御装置6のG−PLC部602は、所定の時間が経過したと判断したときに、閉鎖対象の門扉(水門又は陸閘)を閉鎖する制御指示を各門扉に送信する(ステップS207)。
【0088】
図7のSAT−G−PLC部31が配置される子局3は、上述の通り、G−PLC部602が配置される門扉制御装置6とは、離れた場所に配置されて光ケーブル等によって接続されている。従って、SAT−G−PLC部31とG−PLC部602は、災害発生等における光ケーブルの損傷等より通信不能となる可能性がある。
図7においては、門扉操作装置であるG−PLC部602は、通信衛星を介して伝達される緊急情報に基づく警告情報として一斉報知指示をSAT−G−PLC部31から取得して、一斉報知指示に基づき、安全周知設備を起動する制御信号を送信し、安全周知設備を起動する制御信号を送信してから所定条件が満たされたか否かとして所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過した場合に、門扉を閉鎖する制御指示を各門扉に送信する。従って、例えば、統制局1と子局3の間の衛星通信、又は子局3と門扉制御装置6との間の光通信に通信不能等のトラブルが発生した場合でも、門扉制御装置6は退避時間を確保して門扉を制御することができる。
【0089】
次に、
図8を用いて、機器情報の収集処理を説明する。
図8は、第1の実施形態の機器情報の収集処理の一例を示すシーケンス図である。
【0090】
図8において、門扉制御装置6のG−PLC部602は、水位計で測定される水位の情報、集音マイクが収集する音声情報、テレビカメラが撮影する映像情報、門扉に設置された開閉状況や開閉の障害物を検知するセンサの情報等の機器情報を収集する(ステップS301)。機器情報には、門扉等機器の故障の情報を含んでいてもよい。G−PLC部602は、収集した機器情報を子局3のSAT−G−PLC部31に送信する(ステップS302)。
【0091】
機器情報を取得したSAT−G−PLC部31は、収集した機器情報を統制局1に送信すべきか否かの送信判断を行い(ステップS303)、送信すべきと判断したときには、収集した機器情報を統制局1に送信する(ステップS304)。SAT−G−PLC部31は、送信判断として、例えば、収集した機器情報の中で予め定められた送信条件にあてはまる情報があるか否かの判断を行う。送信条件としては、例えば機器情報を収集した時間が所定の時間帯であるか否か、機器情報を送信する送信タイミングが所定のタイミングであるか否か、収集した機器情報が所定の種類であるか否か等である。所定のタイミングであるか否かは、例えば、収集した機器情報をバッチ処理によって所定時刻に送信する場合に所定の時刻になったか否かである。また、機器情報が所定の種類であるか否かは、例えば、機器情報が機器の故障に係る情報であるか否かである。
【0092】
SAT−G−PLC部31から機器情報を取得した統制局1は、取得した機器情報を表示する表示処理を行う(ステップS305)。機器情報の表示は、例えば、
図2で説明した監視端末制御装置126のモニタ127においてすることができる。統制局1は、取得した機器情報を制御所2に送信する(ステップS306)。
統制局1から機器情報を取得した制御所2は、取得した機器情報を表示する表示処理を行う(ステップS307)。機器情報の表示は、例えば、
図3で説明した監視端末制御装置222のモニタ223においてすることができる。
【0093】
本実施形態においては、統制局1、制御所2及び子局3は、機器の故障、門扉の状況等の機器情報を収集することができるので、安全かつ確実に門扉を遠隔地から制御することが可能となる。例えば、
図6〜
図7で説明した自動門扉操作処理において門扉を自動的に閉鎖する指示を送信したときに、自動的に閉鎖できなかった門扉の確認、門扉の状況、水位の状況等を統制局1又は制御所2において監視することができる。また、門扉の状況(例えば、門扉を開閉する装置が故障中等の状況)によって所定の門扉を一斉閉鎖の対象から外す設定を統制局1側で行ってもよい。
なお、収集した機器情報に基づいて、統制局1又は制御所2は、門扉の操作を手動で行う処理を実行してもよい。
【0094】
<第1の手動門扉操作処理>
次に、
図9を用いて、第1の手動門扉操作処理を説明する。
図9は、第1の実施形態の第1の手動門扉操作処理の一例を示すシーケンス図である。
第1の手動門扉操作処理は、統制局1において閉鎖対象の門扉を個別に設定し、統制局1から設定された門扉に対して一斉に閉鎖等の制御の指令を送信する処理である。
【0095】
図9において、統制局1は閉鎖対象の門扉を閉鎖するための閉鎖指令を子局3のSAT−G−PLC部31に一斉に送信する(ステップS401)。統制局1が子局3に送信する閉鎖指令は、例えば、
図2で説明した監視操作卓13を操作者が操作することにより送信される。統制局1の一斉送信を用いることにより、手動で指定した子局1に一斉に閉鎖指令を送信することが可能となる。
【0096】
統制局1は、送信した閉鎖指令の情報を制御所2に送信する(ステップS402)。統制局1から閉鎖指令の情報を取得した制御所2は、閉鎖対象の門扉の情報を表示するようにしてもよい。統制局1から閉鎖指令を取得したSAT−G−PLC部31は、各門扉を閉鎖する制御指示を出力する(ステップS403)。
【0097】
本実施形態においては、J−ALERTに基づき門扉を自動的に閉鎖できるとともに、統制局1から手動的に門扉を操作できるので、例えば、個別に門扉を閉鎖したり、一斉閉鎖した門扉を個別に開放したり、または、津波警報の解除によって門扉を一斉に開放したりする場合に、門扉の手動の操作を可能にする。なお、
図8で説明した、機器情報に基づき門扉を手動で操作するようにしてもよい。
【0098】
<第2の手動門扉操作処理>
次に、
図10を用いて、第2の手動門扉操作処理を説明する。
図10は、第1の実施形態の第2の手動門扉操作処理の一例を示すシーケンス図である。
第2の手動門扉操作処理は、制御所2において閉鎖対象の門扉を個別に設定し、制御所2から設定された門扉に対して一斉に閉鎖等の操作の指令を送信する処理である。
【0099】
図10において、制御所2は閉鎖対象の門扉を閉鎖するための閉鎖指令を、統制局1に送信する(ステップS501)。閉鎖指令は、例えば
図3の監視操作卓23を操作者が操作することによって送信される。
統制局1は、制御所2から取得した閉鎖指令に基づき、閉鎖対象の門扉を管理する子局3のSAT−G−PLC部31に一斉に閉鎖指令を送信する(ステップS502)。制御所2から送信する閉鎖指令を統制局1を介して子局3に送信することにより、統制局1において門扉の状況を集中して管理することが可能となる。また、制御所2において個々の門扉の制御を管理する必要がないため、制御所2の負荷を軽減することができる。
統制局1から閉鎖指令を取得したSAT−G−PLC部31は、各門扉を閉鎖する制御指示を出力する。
制御所2は、閉鎖対象の門扉の情報をモニタ127等に表示するようにしてもよい。
【0100】
本実施形態においては、J−ALERTに基づき門扉を自動的に閉鎖できるとともに、手動的にも操作できるので、例えば、一度閉鎖した門扉を個別に開閉することができる。また、津波警報の解除によって門扉を開放する場合に、統制局から手動の操作を可能にする。なお、
図8で説明した、機器情報に基づき門扉を手動で操作するようにしてもよい。
制御所2は、統制局1に対して管理する地域が限定されており、また子局3に距離的に近い場合が多い。従って、制御所2を管理する管理者は統制局1を管理する管理者に比べて、例えば、問題が発生した子局3に対して個別に対応がしやすい。制御所2から門扉を手動で操作できることで、地域毎に、門扉の管理を容易にすることができる。
【0101】
<第2の実施形態>
次に、
図11を用いて、第2の実施形態について説明する。
前記第1の形態では、統制局1から各子局3への一斉閉鎖指令は、J−ALART受信時に送信され、子局3側で、安全周知設備を起動して警報等を行った後、門扉の閉鎖制御を行っていた。これに対し、第2の実施形態では、一斉報知指令と閉鎖指令に分けて統制局1から指令を送信する。
図8は、第2の実施形態の自動門扉操作処理の一例を示すシーケンス図である。
なお、
図11で説明する統制局1の機能は、
図2で説明した中央一斉指令監視装置115によって実現することができる。また、
図11においては、1つの統制局1を図示しているが、統制局1は複数配置されてもよい。統制局1が複数配置されると、J−ALERTの受信並びに子局3及び制御所2との送受信において通信経路の2重化が可能となるため、統制局1、制御所2、及び子局3のシステム全体において可用性を向上させることが可能となる。
【0102】
図11において、先ず、統制局1は、所定の官庁として例示する消防庁100から通信衛星を介して送信されたJ−ALERTを取得する(ステップS601)。J−ALERTを取得した統制局1は、一斉報知指令を、子局3のSAT−G−PLC部31に送信し(ステップS602)、一斉報知指令を送信した子局3を管理する制御所2に対して送信する(ステップS603)。なお、一斉報知指令を送信する処理は、
図6で説明した処理と同様である。
【0103】
一斉報知指令を取得した制御所2は、一斉報知指令が送信された子局3及び一斉閉鎖指令によって閉鎖される門扉(水門・陸閘)の情報をタッチモニタ232に表示してもよい点についても
図6と同様である。
【0104】
一斉報知指令を取得した子局3のSAT−G−PLC部31は安全周知設備を起動する制御信号を送信する(ステップS604)。子局3は、安全周知設備を起動することにより、門扉が閉鎖されることを門扉周辺に報知することができる。
【0105】
統制局1は、子局3のSAT−G−PLC部31に一斉報知指令を送信した後にタイマをスタートさせて、タイマのカウントダウンによって一斉報知指令を送信した後に所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS605)。タイマによるカウントダウンで所定の時間が経過したか否かを判断する処理は、
図6で説明した処理と同様である。
統制局1は、所定の時間が経過したと判断したときに、閉鎖対象の門扉(水門又は陸閘)を閉鎖する制御指令を、SAT−G−PLC部31に送信し(ステップS606)、制御指令を送信した子局3を管理する制御所2に送信する(ステップS607)。一斉報知指令及び制御指令を制御所2にも送信することにより、統制局1から子局3に対して一斉報知指令及び制御指令が送信することをモニタすることが可能となる。
【0106】
SAT−G−PLC部31は、閉鎖対象の門扉(水門又は陸閘)を閉鎖する制御指示を各門扉に送信する(ステップS608)。すなわち、門扉は、安全周知設備が起動されてから所定の時間が経過した後に閉鎖される。
【0107】
図11において、統制局1は、通信衛星を介して緊急情報に基づく警告情報としてJ−ALERTの情報を受信すると、子局3に対して一斉報知指令を送信する。一斉報知指令を送信してから所定条件が満たされたか否かとして所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過した場合に、門扉を閉鎖するための制御指令を子局3に送信することにより、門扉の閉鎖に対する退避時間を確保して門扉を制御することができる。
【0108】
なお、
図2で説明した統制局1の中央一斉指令監視装置115は、一斉報知指令を出力した子局3における門扉の閉鎖状況等の機器情報を取得して監視するようにしてもよい。機器情報には、門扉の開閉状況の情報の他、例えば、門扉に設置された、水位計の値、マイクが集音した音声、テレビカメラで撮影された映像等を含んでもよい。また、制御所2や子局3の装置の故障を知らせる故障情報を含んでいてもよい。本実施形態においては、特に門扉が正しく閉鎖しているか否かの門扉の情報が重要である。例えば、一斉報知指令が送信されてから子局3によって閉鎖されるべき門扉が閉鎖されていないと、津波等の増水により堤防の内側に水が侵入する場合がある。中央一斉指令監視装置115は、門扉が閉鎖できたか否かを門扉に設置された近接センサ等の情報を子局3を通じて監視することにより判断することができる。中央一斉指令監視装置115は、取得した機器情報及び監視結果を、例えば、監視端末12に対して送信する。監視端末12は、送信された機器情報及び監視結果をモニタ127に表示してもよい。
【0109】
<第3の実施形態>
次に、
図12を用いて、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施形態は、
図6から
図7で説明した第1の実施形態の自動門扉操作処理において、統制局1が一斉閉鎖指示の信号送信をリトライ処理するものである。
図12は、第3の実施形態の統制局における信号送信のリトライ処理の一例を示すシーケンス図である。
【0110】
図12において、統制局1は、J−ALERTを受信する(ステップS701)。J−ALERTは、所定の官庁として例示する消防庁100から通信衛星を介して送信されるものとする。J−ALERTを受信した統制局1は、J−ALERTの内容に基づき、自らが管理する各子局である子局3−1〜子局30nに対して、門扉を起動するための起動情報を送信する(ステップS702−1〜ステップS702−n)。起動情報には、操作対象の門扉を特定するための特定情報と、操作対象の門扉に対する操作内容を示す操作情報を含む。本実施形態では、特定情報として、全ての門扉を操作対象として特定する一斉操作を行う場合を例示し、また、操作内容として、門扉を閉鎖する操作を行う場合を例示する。すなわち、統制局1は、起動情報として、門扉を一斉に閉鎖する一斉閉鎖信号を送信するものとする。統制局1は、衛星通信の一斉送信を用いて各子局(3−1〜3−n)に対して一斉閉鎖信号を同時に送信する。統制局1は、一斉閉鎖信号を送信したときにタイマをスタートさせる(ステップS702−0)。このタイマは後述するタイムアウトを測定するための計時手段である。一斉閉鎖信号の送信は、
図2で説明したアンテナ装置10を用いた衛星通信を介して行われる。なお、
図12においては、子局3に送信する一斉閉鎖信号とは通信周波数の異なる制御所2との通信の説明は省略している。一斉閉鎖信号の詳細は
図13を用いて後述する。
【0111】
一斉閉鎖信号を受信した各子局(3−1〜3−n)の遠方監視制御装置30は、一斉閉鎖信号に含まれる特定情報の中に自らが操作する門扉が操作対象として特定されているか否かを判断する。各子局は、特定情報の中に自らが操作する門扉が操作対象として特定されていない場合、受信した一斉閉鎖信号をそのまま無視(破棄)する。一方、各子局の遠方監視制御装置30は、特定情報の中に自らが操作する門扉が操作対象として特定されていた場合、門扉の起動(閉鎖)制御を実行するとともに(ステップS703−1〜ステップS703−2)、起動情報を送信した統制局1に対して起動応答信号を送信する(ステップS704−1〜ステップS704−n)。
図12において、子局3−1と子局3−nは、起動応答信号を統制局1に送信し、子局3−2は、起動応答信号を統制局1に送信していないことを示している。
【0112】
子局3−nは、
図4で説明した、門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2と接続されている遠方監視制御装置30の機能を持っている。上記動作を詳細に説明すると、遠方監視制御装置30は、一斉閉鎖信号を受信すると、一斉閉鎖信号に含まれる特定情報において門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2が操作をする門扉が特定されているか否かを確認する。遠方監視制御装置30は、特定情報において門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2が操作する門扉が特定されていることを確認した場合、門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2に対して放送設備を起動する起動情報と門扉を操作する操作情報を送信し(ステップS703−1〜ステップS703−2)、統制局1に対して起動応答信号を送信する(ステップS704−1〜ステップS704−n)。なお、子局3−1及び子局3−2の内部の機能は、子局3−nと同様であるため、記載を省略している。
【0113】
図12において、子局3−2は、統制局1に対して起動応答信号を送信していない(「(応答信号なし)」で図示)。一斉閉鎖信号に含まれる特定情報には、子局3−2が操作する門扉が特定されているものとする。統制局1は、一斉閉鎖信号を送信した後、所定の時間が経過しても起動応答信号の受信が確認できない子局との衛星通信において何らかのトラブルが発生したと推定することができる。衛星通信のトラブルの中には、例えば、ハードウェアやソフトウェアの不具合に起因する修理や修復が必要なトラブルがある一方、豪雨や落雷等の気象条件に起因する一時的なトラブルが含まれる。統制局1は、一斉閉鎖信号を送信した後、所定の時間が経過したときに、一斉閉鎖信号を再送信(リトライ送信)する(ステップS705、ステップS706等)。統制局1は、一斉閉鎖信号を再送信することによって、一時的なトラブルで衛星通信ができなかった子局に対して一斉閉鎖信号を送信することが可能となる。
【0114】
統制局1は、再送信する一斉閉鎖信号の特定情報から、最初に送信した一斉閉鎖信号に対する起動応答信号を送信した子局が操作する門扉を削除する更新を行う。従って、最初に送信した一斉閉鎖信号に対する起動応答信号を送信した子局は、再送信された一斉閉鎖信号の特定情報に基づき一斉閉鎖信号を無視することにより、信号処理の負荷が軽くなる。
【0115】
統制局1は、ステップS705の処理において一斉送信信号を再送信(1回目のリトライ送信)した後、所定の時間が経過したときに、ステップS706の処理において一斉送信信号を再送信(2回目のリトライ送信)する。2回目のリトライ送信においても、1回目のリトライ送信に対する起動応答信号を送信した子局が操作する門扉を特定情報から削除する更新を行う。統制局1は、全ての子局から起動応答信号を受信するとリトライ送信を終了する。このリトライ送信処理によって一時的に衛星通信ができなかった子局すべてについて一斉閉鎖信号を送信することが可能となる。一方、最初に一斉閉鎖信号を送信したときにスタートさせたタイマにおいて予め設定されたタイムアウト時間が経過したときにおいてもリトライ送信を終了する(ステップS707)。タイムアウト時間は任意に設定することができる。例えば、豪雨や落雷が発生する気象状況においては、気象状況に合せて適宜変更できるようにしてもよい。タイムアウト時間が経過しても衛星通信ができない子局については、例えばハードウェアの故障等の原因が発生している可能性がある。統制局1は、通信できなかった子局について、
図2のモニタ127に表示するようにしてもよい。タイムアウト時間でリトライ送信を終了することにより、無駄な衛星通信を低減させることができる。
【0116】
なお、リトライ送信するまでの時間間隔やリトライ回数は任意である。
図12においては、統制局1が1局であり、衛星通信の回線は1回線である場合を説明したが、
図1で説明したように統制局1が複数ある場合、又は衛星通信の回線が二重化された場合、上述したリトライ送信の方法を変更するようにしてもよい。
【0117】
次に、
図13を用いて、一斉閉鎖信号のリトライ送信における特定情報の更新について説明する。
図13は、実施形態の門扉操作のリトライ処理で送信される操作信号の更新の一例を示す図である。
図13(A)〜(C)は、リトライ回数に応じた一斉信号の内容を示している。
【0118】
図13(A)は、送信1回目で送信される一斉閉鎖信号の情報を示している。一斉閉鎖信号は、操作対象の門扉を特定するための特定情報と、操作対象の門扉に対する操作内容を示す操作情報を含む。
図13は、特定情報に門扉63−1〜門扉63−nまでのn機の門扉にそれぞれ対応したビットを割り当て、「0」と「1」のビット単位のフラグで門扉を特定している。例えば、(A)において、門扉63−1〜門扉63−nに対応するビットには全て「1」が入力されており、門扉63−1〜門扉63−nの全ての門扉が特定されていることを示している。操作情報には、門扉を閉鎖するための情報が含まれている。すなわち、一斉閉鎖信号は、特定情報で特定された門扉に対して操作情報で指定された門扉閉鎖の操作を行わせる門扉制御信号である。1局の子局は複数の門扉を操作する。したがって、一斉閉鎖信号を受信した子局は、自らが操作する門扉に対応したビットを予め記憶しておく。子局は予め記憶しておいたビットが特定情報に含まれていた場合、操作応答信号を送信する。
【0119】
なお、本実施形態では、子局は自らが操作する門扉が特定された一斉閉鎖信号を受信した後直ちに操作応答信号を統制局1に送信してもよく、閉動作中を検出してから操作応答信号を統制局1に送信してもよい。また、子局は、閉動作中を検出した門扉についての操作応答信号を送信するようにしてもよい。統制局1は、操作応答信号を受信していない門扉に対して一斉閉鎖信号を再送信するので、操作応答信号にもそれぞれの門扉から閉動作中を検出したか否かの情報を含ませることが望ましい。但し、後述のように子局は独自に門扉閉鎖のリトライをすることができるので、操作応答信号には、操作応答信号を受信していない門扉が含まれていてもよい。
【0120】
図13(B)は、送信2回目(1回目のリトライ送信(再送信))で送信される一斉閉鎖信号の情報を示している。
図13(B)は、1回目の送信で送信された一斉閉鎖信号に対して、門扉63−2について操作応答信号を受信せず、送信2回目の一斉閉鎖信号において門扉63−2を特定情報で特定していることを示している。
【0121】
図13(C)は、送信n回目(n−1回目のリトライ送信)で送信される一斉閉鎖信号の情報を示している。
図13(C)は、2回目以降の送信で送信された一斉閉鎖信号に対して、門扉63−2について操作応答信号が送信されず、門扉63−2を特定情報で特定していることを示している。すなわち、統制局1は、門扉63−2の操作応答信号を受信するまでリトライ送信を繰り返すことを示している。
【0122】
なお、
図13の特定情報においては、それぞれの門扉に対してビット単位で1又は0のフラグを立てて門扉を特定する場合を示したが、特定情報のデータ形式は任意である。例えば、門扉の特定はビット単位のフラグ以外の他の情報で行ってもよい。例えば、特定情報には、門扉を特定するための識別情報を含めてもよい。また、本実施形態では、1つの一斉閉鎖信号を1回送信する場合を示したが、一斉閉鎖信号は、複数の信号を組み合わせたものであっても、複数回送信されるものであってもよい。
【0123】
<第4の実施形態>
次に、
図14を用いて、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、統制局が制御所に対して信号を一斉送信する場合のリトライ処理する場合の動作を説明する。
図14は、第4の実施形態の統制局における信号送信のリトライ処理の他の一例を示すシーケンス図である。なお、
図14においては、制御所2に送信する一斉閉鎖信号とは通信周波数の異なる子局3との通信の説明は省略している。
【0124】
図14において、統制局1は、
図12と同様にJ−ALERTを受信する(ステップS801)。J−ALERTを受信した統制局1は、J−ALERTの内容に基づき、自らが管理する制御所2−1〜制御所2−nに対して、所定の情報を一斉送信する(ステップS802−1〜ステップS802−n)。送信信号には、制御所を特定するための特定情報と、送信する情報の内容を示す送信情報を含む。本実施形態では、特定情報として、統制局1が管理する全ての制御所を特定するものとする、また、操作内容として、門扉を閉鎖する手動操作を行う旨のテキスト情報を有するものとする。統制局1は、一斉送信信号を送信したときにタイマをスタートさせる(ステップS802−0)。タイマは、
図12と同様にタイムアウトを測定するための計時手段である。一斉送信信号の送信は、
図2で説明したアンテナ装置10を用いた衛星通信を介して行われる。
【0125】
一斉送信信号を受信した各制御所(2−1〜2−n)は、一斉送信信号に含まれる特定情報の中て自らが特定されているか否かを判断する。各制御所は、特定情報の中で自らが特定されていない場合、受信した一斉送信信号をそのまま無視する。一方、各制御所は、特定情報の中で自らが特定されていた場合、門扉の閉鎖を手動操作するように作業者に対して報知するとともに、一斉送信信号を送信した統制局1に対して応答信号を送信する(ステップS803−1〜ステップS803−n)。
図14において、制御所2−1と制御所2−nは、応答信号を統制局1に送信し、制御所2−2は、応答信号を統制局1に送信していないことを示している。
【0126】
統制局1は、一斉送信信号を送信した後、所定の時間が経過しても応答信号の受信が確認できない制御所との衛星通信において何らかのトラブルが発生したと推定することができる。衛星通信のトラブルは、
図12において説明した通り、修理や修復が必要なトラブルや一時的なトラブルが含まれる。統制局1は、一斉送信信号を送信した後、所定の時間が経過したときに、一斉送信信号を再送信(リトライ送信)する(ステップS804)。統制局1は、一斉送信信号を再送信することによって、一時的なトラブルで衛星通信ができなかった制御所に対して一斉閉鎖信号を送信することが可能となる。
【0127】
統制局1は、ステップS804の処理において再送信する一斉送信信号の特定情報から、最初に送信した一斉送信信号に対する応答信号を送信した制御所を削除する更新を行う。従って、最初に送信した一斉送信信号に対する応答信号を送信した制御所(例えば、制御所2−1)は、再送信された一斉送信信号を特定情報に基づき無視することにより、信号処理の負荷が軽くなる。
【0128】
統制局1は、一斉送信信号を再送信(1回目のリトライ送信)した後、所定の時間が経過したときに、一斉送信信号を再送信(2回目のリトライ送信)する(ステップS805)。2回目のリトライ送信においても、1回目のリトライ送信に対する応答信号を送信した制御所を特定情報から削除する更新を行う。統制局1は、全ての制御所から応答信号を受信するとリトライ送信を終了する。このリトライ送信処理によって一時的に衛星通信ができなかった制御所全てについて一斉送信信号を送信することが可能となる。一方、最初に一斉送信信号を送信したときにスタートさせたタイマにおいて予め設定されたタイムアウト時間が経過したときにおいてもリトライ送信を終了する(ステップS806)。タイムアウト時間は任意に設定することができる。統制局1は、通信できなかった制御所について、
図2のモニタ127に表示するようにしてもよい。タイムアウト時間でリトライ送信を終了することにより、無駄な衛星通信を低減させることができる。
【0129】
次に
図15を用いて、一斉閉鎖芯を受信した子局(子局システム)におけるリトライ処理を説明する。
図15は、第4の実施形態の子局における門扉閉鎖のリトライ処理の一例を示すシーケンス図である。
図15に示す子局は、
図5で説明した遠方監視制御装置30及び門扉制御装置6を持つ。
図15において子局は、門扉制御装置6として、門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2を持つ場合を例示している。門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2は、それぞれ遠隔機側盤60、放送制御盤62、及び機側操作盤61を持つ。なお、門扉制御装置6−1においては、遠隔機側盤60、放送制御盤62、及び機側操作盤61の記載を省略している。
【0130】
図15において、遠方監視制御装置30は、図示しない統制局1から一斉閉鎖信号を受信する(ステップS901)。一斉閉鎖信号を受信した遠方監視制御装置30は、一斉閉鎖信号の内容に基づき、自らが管理する門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2の遠隔機側盤60に対して、安全周知設備を起動するための起動信号を送信する(ステップS902−1〜ステップS902−2)。起動信号には、起動する安全周知設備と提供する情報の内容とが含まれているものとする。
【0131】
遠方監視制御装置30から起動信号を受信した遠隔機側盤60は、放送制御盤62に対して安全周知設備を起動するための起動信号を送信する(ステップS903)。安全周知設備は、例えば、
図4で説明したスピーカ56、集音マイク57、サイレン集音マイク58、又は電光表示板59等である。遠隔機側盤60が送信する起動信号には、例えば、スピーカ56から出力される音声の内容や電光表示板59に表示する文字情報を指定する情報が含まれている。
【0132】
遠方監視制御装置30は、起動信号を送信した後、所定の時間が経過するのを確認して、門扉制御装置6−1及び門扉制御装置6−2の遠隔機側盤60に対して門扉を閉鎖するための1回目の閉鎖信号を送信する(ステップS904−1〜ステップS904−2)。遠方監視制御装置30が送信する閉鎖信号には、例えば、閉鎖する門扉(機側操作盤61)を特定するための特定情報と、門扉に対する閉鎖操作を示す送信情報を含む。特定情報には門扉制御装置6−1を含むようにしてもよい。ステップS904の処理において、遠方監視制御装置30は、閉鎖信号に所定のレベルを示すフラグを含めることができる。フラグのレベルについては後述する。遠方監視制御装置30は、閉鎖信号を送信したときにタイマをスタートさせる(ステップS904−0)。このタイマは後述するタイムアウトを測定するための計時手段である。
【0133】
閉鎖信号を受信した遠隔機側盤60は、機側操作盤61に対して、1回目の閉鎖信号を送信する(ステップS905)。遠隔機側盤60が送信する閉鎖信号には、遠方監視制御装置30から送信された所定のレベルを示す情報が含まれる。所定のレベルを示す情報は、例えば閉鎖信号の所定のビットに送信回数に応じてフラグを付加することによって付加される。ここで、閉鎖信号に含まれるレベルの情報について説明する。
【0134】
閉鎖信号に含まれるレベルの情報とは、門扉を開閉する緊急性、門扉の故障レベル等によって変更されるレベルである。レベルの情報の用途は任意である。本実施形態では、レベルを変更することによって門扉を閉鎖する手段を変更する場合を例示する。
【0135】
図4で説明した通り、機側操作盤61は、門扉を閉鎖するために、モータ駆動、空気圧駆動、重力を利用した駆動の3つの閉鎖手段を用いることができるものとする。機側操作盤61は、閉鎖信号の送信回数に応じたレベルの情報に応じて閉鎖手段を変更する。閉鎖信号の送信回数は、閉鎖信号の再送信によって更新される。閉鎖信号は、門扉の閉鎖に何らかのトラブルが発生したときに再送信される。例えば、閉鎖信号を送信してから所定の時間が経過しても門扉が閉動作中となった場合、機側操作盤61は閉動作中であることを示す応答信号を遠方監視制御装置30に送信する(ステップS906−1)。一方、閉鎖信号を送信してから所定の時間が経過しても門扉が閉動作中とならない場合、機側操作盤61は閉動作中であることを遠方監視制御装置30に送信しない。閉動作中であることを受信できない場合、門扉の閉鎖にトラブルが発生したと推定し、遠方監視制御装置30は、閉鎖信号を再送信する(ステップS907)。遠方監視制御装置30は、送信回数に応じてレベルを変更した閉鎖信号を再送信(リトライ)する。遠方監視制御装置30は、門扉の閉動作中を検出するまで再送信を繰り返す。
【0136】
例えば、ステップS904の処理において遠方監視制御装置30は、第1レベルのフラグを含む、1回目の閉鎖信号を遠隔機側盤60に送信する(ステップS905)。機側操作盤61は、遠方監視制御装置30から、1回目の閉鎖信号を受信したときには、第1レベルの重要性に基づき、モータ駆動を用いて門扉を閉鎖する。第1レベルは、門扉が通常の閉鎖動作が可能な場合の情報である。
【0137】
機側操作盤61は、門扉の閉鎖を開始した後に、門扉が閉動作中であるか否かを確認し、門扉が閉動作中であることを確認した場合、遠隔機側盤60に対して応答信号を送信する。門扉が閉動作中であることは、例えば、門扉の位置を検出するセンサ等によって検出することができる。例えば、門扉が開状態から閉状態に徐々に移動する場合、門扉の位置を検出するセンサは、門扉が開状態から移動開始したことを検出する移動開始検出センサ、門扉が閉状態まで移動完了したことを検出する移動完了検出センサ、又は移動開始検出センサと移動完了検出センサの組み合わせであってもよい。門扉の位置を検出するセンサが移動開始検出センサと移動完了検出センサの組み合わせであった場合、機側操作盤61は、門扉の閉鎖を開始後の第1の時間以内に移動開始検出センサが門扉の移動を検出するとともに、門扉の閉鎖を開始後の第1の時間より長い第2の時間以内に移動完了検出センサが門扉の移動を検出した場合に門扉が閉動作中であると検出するようにしてもよい。遠隔機側盤60は、機側操作盤61から受信した応答信号を遠方監視制御装置30に送信する。
【0138】
一方、機側操作盤61は、門扉の閉鎖を開始した後に、門扉が閉動作中であることを確認できない場合、遠隔機側盤60に対して応答信号を送信しない。
図15は、門扉制御装置6−2の機側操作盤61が応答信号を送信していないことを示している。
【0139】
遠方監視制御装置30は、1回目の閉鎖信号を送信した後に所定の時間が経過しても機側操作盤61から閉動作中の信号を受信しない場合、第2レベルのフラグを含む2回目の閉鎖信号(1回目のリトライ信号)を遠隔機側盤60に送信し(ステップS907)、遠隔機側盤60は第2レベルのフラグを含む2回目の閉鎖信号を機側操作盤61に送信する(ステップS908)。機側操作盤61は、遠隔機側盤60から、2回目の閉鎖信号を受信したときには、第2レベルに基づき、モータ駆動を再度用いて門扉を閉鎖する(モータ駆動のリトライ)。例えば、門扉に錆等が付着して開閉負荷が大きくなっている等の軽微なトラブルの場合、再度のモータ駆動によって門扉が動作する場合がある。第2レベルはモータ駆動のリトライで解決できるレベルのトラブルに対処するための情報である。
【0140】
なお、2回目の閉鎖信号は、1回目の閉鎖信号を送信した後、門扉毎に異なる時間間隔で送信するようにしてもよい。門扉が閉動作中であることを検出できるタイミングは、センサの位置、門扉が閉鎖する速度、又は門扉が閉動作中であることを検出できるまでの門扉の移動距離等、門扉毎に異なる場合がある。従って、2回目の閉鎖信号は、門扉が閉動作中であることを検出できるタイミングに応じて門扉毎に適宜設定することが望ましい。以下に説明する3回目の閉鎖信号又はそれ以降に送信する閉鎖信号においても同様である。
【0141】
遠方監視制御装置30は、再送信する閉鎖信号の特定情報から、最初に送信した閉鎖信号に対する応答信号を送信した門扉制御システムが操作する門扉(機側操作盤61)を削除する更新を行う。従って、最初に送信した閉鎖信号に対する応答信号を送信した門扉制御システムは、再送信された閉鎖信号の特定情報に基づき閉鎖信号を無視することにより、信号処理の負荷が軽くなる。
【0142】
遠方監視制御装置30は、2回目の閉鎖信号を送信した後に所定の時間が経過しても機側操作盤61から閉動作中の信号を受信しない場合、第3レベルのフラグを含む3回目の閉鎖信号(2回目のリトライ信号)を遠隔機側盤60に送信し(ステップS909)、遠隔機側盤60は、第3レベルのフラグを含む3回目の閉鎖信号を機側操作盤61に送信する(ステップS910)。3回目の閉鎖信号送信においても、2回目の閉鎖信号の送信に対する応答信号を送信した門扉制御システムが操作する門扉を特定情報から削除する更新を行う。
【0143】
機側操作盤61は、遠隔機側盤60から、3回目の閉鎖信号を受信したときには、第3レベルに基づき、空気圧駆動を用いて門扉を閉鎖する。空気圧駆動は、モータ駆動と併用して用いてもよい。例えば、モータの故障等の中程度のトラブルの場合、モータ駆動に代替する方法によって門扉の閉鎖を実行する。本実施形態では、モータ駆動の代わりに空気圧駆動を用いる場合を例示する。第3レベルはモータ駆動の代わりに空気圧駆動で門扉が閉鎖できるレベルのトラブルに対処するための情報である。
【0144】
遠方監視制御装置30は、3回目の閉鎖信号を送信した後に所定の時間が経過しても機側操作盤61から閉動作中の信号を受信しない場合、第4レベルのフラグを含む4回目の閉鎖信号(3回目のリトライ信号)を遠隔機側盤60に送信し(ステップS911)、遠隔機側盤60は第4レベルのフラグを含む4回目の閉鎖信号を機側操作盤61に送信する(ステップS912)。4回目の閉鎖信号送信においても、3回目の閉鎖信号の送信に対する応答信号を送信した門扉制御システムが操作する門扉を特定情報から削除する更新を行う。
【0145】
機側操作盤61は、遠隔機側盤60から、4回目の閉鎖信号を受信したときには、第4レベルに基づき、重力を利用した駆動を用いて門扉を閉鎖する。重力を利用した駆動は、モータ駆動又は空気圧駆動と併用して用いてもよい。例えば、モータやシリンダのアクチュエータの故障等のトラブルの場合、アクチュエータ駆動に代替する方法によって門扉の閉鎖を実行する。本実施形態では、アクチュエータ駆動の代わりに門扉の自重を用いる場合を例示する。第4レベルはアクチュエータ駆動の代わりに自重で門扉が閉鎖できるレベルのトラブルに対処するための情報である。
【0146】
遠方監視制御装置30は、全ての門扉制御システムから応答信号を受信すると閉鎖信号の送信を終了する(ステップS914)。遠方監視制御装置30は、重要性を示すフラグを変更した閉鎖信号を送信することにより、トラブルのレベルに応じた門扉の動作等を可能にする。
【0147】
一方、最初に閉鎖信号を送信したときにスタートさせたタイマにおいて予め設定されたタイムアウト時間が経過したときにおいても閉鎖信号の送信を終了する。タイムアウト時間は任意に設定することができる。タイムアウト時間が経過しても応答信号を送信しないに門扉制御システムついては、例えば門扉の故障等の原因が発生している可能性がある。遠方監視制御装置30は、応答信号を送信しないに門扉制御システムについて、
図1のモニタ127に表示するようにしてもよい。タイムアウト時間で閉鎖信号の送信を終了することにより、無駄な通信を低減させることができる。
【0148】
なお、閉鎖信号を送信する時間間隔や回数は任意である。
図15においては、遠方監視制御装置30が1台であり、門扉制御システムが2台である場合を説明したが、子局システムの構成はこれに限定されない。
【0149】
なお、本実施形態では、モータ駆動等の手段により門扉を閉鎖する場合を説明したが、門扉を閉鎖する手段はこれらに限定されるものではない。例えば、予備の蓄電池に電源を切換えて門扉を閉鎖する等の手段を用いてもよい。また、レベルも4段階以外のものであってもよい。また、本実施形態では、閉鎖信号にレベルを示す情報を含めて、重要性に応じで門扉を閉鎖する手段を変更する場合を示したが、レベルは、例えば放送、警報、表示等の報知情報を変更するために用いてもよい。
【0150】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の統制局は、統制局及び子局を含む門扉の動作を制御する門扉制御システムの当該統制局であって、情報取得部と、制御情報送信部とを持つことにより、退避時間を確保して門扉を閉鎖制御することができる。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。