(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334672
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ラッチコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20180521BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/629
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-501123(P2016-501123)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公表番号】特表2016-511523(P2016-511523A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014022996
(87)【国際公開番号】WO2014150346
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年11月12日
(31)【優先権主張番号】13/834,616
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503147217
【氏名又は名称】アンフェノル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ・ヘザー・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリア・カライアニ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・アーヴィン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート・クラーク
【審査官】
山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−178838(JP,A)
【文献】
実開平07−018378(JP,U)
【文献】
特開2008−010339(JP,A)
【文献】
特開平04−206370(JP,A)
【文献】
特開平09−283212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629−13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタであって、メイン本体と、固定部材と、第1係合部材とを含み、前記固定部材がインデント部分を含む、第1コネクタと、
前記第1コネクタを受容するように構成された第2コネクタであって、前記第2コネクタがメイン本体と、前記第2コネクタの前記メイン本体に対してスライド可能であるラッチ部材と、を含み、前記ラッチ部材は、付勢部材と、前記第1係合部材を受容するように構成された第2係合部材と、を含む、第2コネクタと、
を備える電気コネクタアセンブリであって、
前記第1コネクタの前記固定部材は、前記第1コネクタが前記第2コネクタ内へ挿入される場合に、前記第2コネクタの前記付勢部材を偏向するように構成され、前記付勢部材が前記固定部材の前記インデント部分を係合し、それによって、固定位置において前記固定部材を保持し、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの適切な嵌合を示し、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタをしっかりと嵌合するために前記第2係合部材が前記第1係合部材を受容するまで、前記ラッチ部材は、前記第2コネクタの前記メイン本体に対してラッチ位置まで並進運動でスライドすることを特徴とする、電気コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1コネクタがプラグであることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記第2コネクタがソケットであることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記第1係合部材がバイヨネットであることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第2係合部材がバイヨネットトラックであることを特徴とする請求項4に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記付勢部材が片持ちばね部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、前記第1係合部材が前記第2係合部材から外れるように前記ラッチ部材を非ラッチ位置までスライドさせることによって分離されることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第1コネクタ内に挿入可能である張力緩和アセンブリをさらに備え、前記張力緩和アセンブリは、前記第1コネクタにワイヤを固定するためのクランプを備えることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記ラッチ部材を前記ラッチ位置まで付勢する、前記メイン本体と前記ラッチ部材との間の抵抗力を提供するための第2付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記第2付勢部材は、円錐ばねであることを特徴とする請求項9に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記付勢部材は成形端部を含み、前記成形端部は、前記固定部材のインデント部分を係合し、それによって、前記固定部材を前記固定位置において保持することを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記固定部材は、前記第1コネクタの前記メイン本体の外側端部に位置することを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記付勢部材は、前記第2コネクタの端部の内側部分に位置することを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記第2コネクタの前記メイン本体内で接触子を位置合わせするために前記第2コネクタの前記メイン本体に連結された位置合わせインサートをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記第2コネクタの前記メイン本体に連結された係合インサートであって、前記メイン本体に対して前記位置合わせインサートの反対側に位置する係合インサートをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
極性キーは、前記係合インサートの両端部に位置することを特徴とする請求項15に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項17】
メイン本体、固定くさび、及び第1係合部材を含むプラグであって、前記固定くさびがインデント部分を含む、プラグと、
前記プラグを受容するために構成されたソケットであって、前記ソケットが、メイン本体と、前記ソケットの前記メイン本体に対してスライド可能であるラッチ部材とを含み、前記ラッチ部材が、片持ちばねと、前記第1係合部材を受容するように構成された第2係合部材と、を備える、ソケットと、
を備える、ばね荷重式ラッチ型電気コネクタアセンブリであって、
前記プラグが前記ソケット内に挿入される場合に、前記プラグの前記固定くさびは、前記ソケットの前記片持ちばねを偏向させるように構成され、前記片持ちばねが前記固定くさびの前記インデント部分を係合し、それによって、固定位置において前記固定くさびを保持し、前記プラグと前記ソケットとの適切な嵌合を示し、
前記プラグ及び前記ソケットをしっかりと嵌合するために前記第1係合部材及び前記第2係合部材が互いに係合するまで、前記ラッチ部材が前記ソケットの前記メイン本体に対してラッチ位置まで並進運動でスライドすることを特徴とする、ばね荷重式ラッチ型電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気コネクタアセンブリに関する。特に、本願発明は、片手でコネクタアセンブリの第1コネクタ及び第2コネクタを容易に機械的且つ電気的に接続するためのスライドラッチ機構を有する電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
プラグ及びソケットを含むコネクタアセンブリ等の従来のコネクタアセンブリは、幅広い異なる用途のための幅広い構成を含む。人間オペレータがプラグ及びソケットを嵌合し分離する必要がある用途において、オペレータが片手で且つ大きな物理的な力を必要とすることなくそれらの機能を実行することを可能にすることが望ましい場合がある。オペレータが容易にコネクタを嵌合し分離することを可能にすることに加えて、オペレータに対する成功した嵌合(又は失敗した嵌合)の視覚的表示又は非視覚的表示を提供することも望ましい場合がある。
【0003】
従来のコネクタアセンブリはしばしば、プラグ及びソケットを嵌合する又は分離するために2つの手の使用を必要とする。例えば、いくつかの従来の固定機構は、プラグ及びソケットが嵌合される場合に、オペレータが片手でソケットをしっかりと保持しなければならないように、且つコネクタを分離するために、プラグを引き寄せる間に固定機構と相互作用しなければならないように設計される。
【0004】
さらに、多くの従来のコネクタアセンブリは、適切な嵌合の表示を提供しない。例えば、いくつかの従来のコネクタは、コネクタが適切に嵌合されたか又は不適切に嵌合されたかに応じて、それらの外観を変化させず、又は嵌合する又は分離するために必要とされた物理的な力の量を変化させない。このことは、接続が行われたかどうかを他の手段を介して決定し、且つ不適切に嵌合された接続を見つけることをより困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、プラグ及びソケットを嵌合するために、固定具を使用せず、又は大きな量の物理的な力を必要としないコネクタであって、オペレータに対する成功した嵌合(又は失敗した嵌合)の視覚的表示及び/又は非視覚的表示を提供するコネクタの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明のそれらの目的及び特徴並びに他の目的及び特徴は、第1コネクタ及び第2コネクタを備える電気コネクタによって達成される。第1コネクタは、メイン本体と、固定部材と、第1係合部材とを含む。固定部材がインデント部分を含む。第2コネクタは、第1コネクタを受容するように構成される。第2コネクタは、メイン本体と、メイン本体に対してスライド可能であるラッチ部材と、を含む。ラッチ部材は、付勢部材と、第1係合部分を受容するように構成された第2係合部材と、を含む。第1コネクタの固定部材は、第1コネクタが第2コネクタ内へ挿入される場合に、第2コネクタの付勢部材を偏向するように構成され、付勢部材は、固定部材のインデント部分を係合し、それによって、固定位置において固定部材を保持し、第1コネクタと第2コネクタとの適切な嵌合を示す。第1コネクタ及び第2コネクタをしっかりと嵌合するために、第2係合部材が第1係合部材を受容するまで、ラッチ部材は、第2コネクタのメイン本体に対してラッチ位置までスライドする。
【0007】
他の実施形態によれば、ばね荷重式ラッチ型電気コネクタアセンブリが開示される。ばね荷重式ラッチ型電気コネクタアセンブリは、プラグ及びソケットを含む。プラグは、メイン本体と、固定くさびと、第1係合部材と、を含む。固定くさびは、インデント部分を含む。ソケットは、プラグを受容するように構成される。ソケットは、メイン本体と、メイン本体に対してスライド可能であるラッチ部材と、を含む。ラッチ部材が、付勢部材と、第1係合部材を受容するように構成された第2係合部材と、を含む。プラグの固定くさびは、プラグがソケット内に挿入される場合に、ソケットの片持ちばねを偏向させるように構成され、片持ちばねが固定くさびのインデント部分を係合し、それによって、固定位置において固定くさびを保持し、プラグ及びソケットの適切な嵌合を示す。プラグ及びソケットをしっかりと嵌合するために、バイヨネットトラックがバイヨネットを受容するまで、ラッチ部材はソケットのメイン本体に対してラッチ位置までスライドする。
【0008】
この後明確になり得る本願発明のそれらの目的、利点及び特徴並びに他の目的、利点、及び特徴により、本願発明の本質は、以下の発明の詳細な説明、添付した特許請求の範囲、及び、本願明細書に添付した様々な図面を参照することによってより明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願発明の例示的な実施形態によるコネクタアセンブリの分解斜視図である。
【
図2】本願発明の例示的な実施形態による第1コネクタの分解斜視図である。
【
図3】本願発明の例示的な実施形態による第2コネクタの分解斜視図である。
【
図4A】本願発明の例示的な実施形態による嵌合前のコネクタアセンブリを示す
図1に図示されたコネクタアセンブリの側面図である。
【
図4B】本願発明の例示的な実施形態による嵌合後のコネクタアセンブリを示す
図1に図示されたコネクタアセンブリの側面図である。
【
図5A】サブアセンブリが第1コネクタ内へ挿入される前の、張力緩和特徴を示す本願発明の例示的な実施形態によるケーブル及び張力緩和サブアセンブリの斜視図である。
【
図5B】サブアセンブリが第1コネクタ内へ挿入された後の、張力緩和特徴を示す
図5Aに図示されたケーブル及び張力緩和サブアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の様々な好ましい実施形態は、図示の目的で記載される。本願発明が図面に具体的に示されない他の形態において実現されてもよいことが理解される。
図1〜3、4A、及び4Bを参照すると、本願発明は、偶然に分離されることができないコネクタアセンブリ100を提供する。また、このコネクタアセンブリ100は、アセンブリの適切な嵌合の視覚的表示及び/又は物理的表示を提供する。そして、コネクタアセンブリ100は、工具の使用なしに手によって操作されることができ、オペレータがコネクタを引き離すことを必要とするというよりも、コネクタアセンブリの一部を押し込むことによって、オペレータが比較的小さな力(例えば、15〜20ポンド)を使用してコネクタを完全に分離することを可能にする。
【0011】
本願明細書で使用されるように、「嵌合する」、「嵌合」、及び「嵌合シーケンス」との用語は、第1コネクタ(例えばプラグ)と第2コネクタ(例えばソケット)とを機械的に且つ電気的に接続する工程に言及する。それに対して、「分離する」及び「分離」との用語は、プラグ及びソケットを機械的に且つ電気的に切り離す反対の工程に言及する。
【0012】
図1は、本願発明の例示的な実施形態によるコネクタアセンブリ100の斜視図である。
図1を参照すると、コネクタアセンブリ100は、プラグとされてもよい第1コネクタ102と、ソケットとされてもよい第2コネクタ108と、を含む。プラグ102がソケット108内に挿入可能であり、複数の電気部品(例えばPCボードとケーブル)の間の信頼性のある物理的且つ電気的接続を確実にする。
【0013】
以下に非常に詳細に記載されるように、プラグ102は固定部材104を含み、前記固定部材104は、固定位置にある場合に、偶然の分離を防止するためにくさびとされてもよい。プラグ102とソケット108との適切な嵌合を示すために、固定くさび104は、ノッチ部分400(
図4A)を含む。このノッチ部分400において、ソケット108の付勢部材310は、固定くさび104を固定位置に保持するために載置する。プラグ102はまた、1つ以上の第1係合部材106を含む。前記第1係合部材106は好ましくは、バイヨネットであり、対応する第2係合部材110と係合するためのものである。前記第2係合部材110は、コネクタを固定位置に固定するために、ソケット108上に位置するバイヨネットトラックとされてもよい。
【0014】
ソケット108は、その中にプラグ102を受容するように構成される。上述したように、ソケット108はまたは、嵌合シーケンス中にプラグの1つ以上のバイヨネット106を受容するための1つ以上のバイヨネットトラック110を含んでもよい。プラグ102及びソケット108の具体的な特徴は、以下に非常に詳細に記載されるであろう。コネクタがバイヨネットと対応するバイヨネットトラックとの係合によって嵌合することが好ましいけれども、任意の適切な係合部材は、本願明細書に記載された主題の技術的範囲から逸脱することなく使用されてもよい。
【0015】
図2は、本願の実施形態によるプラグ102の分解図である。
図2を参照すると、プラグ102はプラグメイン本体200と、1つ又は複数の極性キー202と、張力緩和外側部分204と、エラストマーパッド206と、張力緩和インサートサブアセンブリ208と、を含む。固定くさび104は好ましくは、
図1に見られるように、メイン本体200の端部に位置する。極性キー202は、コネクタの間の適切な軸方向極性位置合わせ(axial polarization alignment)を維持する。極性キー202は、対応する極性キー306と相互嵌合し(intermate)、それによって、キー方向が整合した状態で正しいプラグ102のみがソケット108と嵌合するであろう。エラストマーパッド206は、張力緩和インサートアセンブリ208によって固定されたケーブルワイヤを緩和し、擦傷を防止するために、メイン本体200とサブアセンブリ208との間に挿入されてもよい。張力緩和インサートアセンブリ208は、プラグメイン本体200の後方で開口部210内に挿入可能である。サブアセンブリ208は取り外し可能であり、メイン本体200に対して適所にはめ込むように構成されてもよい。
【0016】
図3は、本願の実施形態によるソケット108の分解図である。
図3を参照すると、ソケット108はソケット108の一部を一緒に固定するために、ソケットメイン本体300を含んでもよい。位置合わせインサート302は、接触子を位置合わせするために、ソケットメイン本体300に連結されてもよい。スライド部材308は、ラッチ位置と非ラッチ位置との間で、ソケットメイン本体300にスライド可能に連結される。係合インサート304はまた、スライドラッチ機構308を係合し、且つ接触子を固定するために、位置合わせインサート302と反対側のソケットメイン本体300に連結されてもよい。極性キー306は係合インサート304を固定するために、係合インサート304及びソケットメイン本体300の両端部に設けられてもよい。極性キー306は、対応する極性キー202と相互嵌合しており、正しいプラグ102は、キー方向が整合した状態でソケット108と嵌合するであろう。スライド部材308は第1付勢部材310を含み、第1付勢部材は、プラグ及びソケットの成功した嵌合時に、固定位置内にプラグの固定くさび104の固定のために使用されてもよい。スライド部材308のさらなる詳細は、例示的な嵌合及び分離工程に対して、以下の非常に詳細に記載されるであろう。
【0017】
第1付勢部材310は好ましくは、片持ちばねである。ばねは好ましくは、
図3に見られるように、その端部で、ラッチ部材308の内側に配置される。第1付勢部材310は、成形端部314を含んでもよい。当該成形端部314は、プラグの固定くさび104に位置したノッチ400に対応しており、プラグとソケットとが成功した嵌合時に完全に係合された場合に、第1付勢部材310の成形端部314は固定くさび104に位置したノッチ400内に載置する。
【0018】
スライド部材308は付勢部材312をさらに含み、付勢部材312はソケットメイン本体300とスライド部材308との間に抵抗力を提供するために使用されてもよい。第2付勢部材312は好ましくは、円錐ばねである。第1係合部材106を第2係合部材110と位置合わせするために、スライド部材308がソケットメイン本体300から離れてスライドする場合に、第2付勢部材312の抵抗力は増加してもよい。そのようなものとして、人間オペレータ―は、コネクタを分離するために、スライド部材308を引き寄せることによってこの力に抵抗しなければならない。このことは、コネクタの嵌合中にプラグのバイヨネット106がソケットのバイヨネットトラック110と係合することを可能にするために、スライド部材308がラッチ位置までスライドすることを可能にしてもよい。オペレータがスライド部材308を解放する場合に、第2付勢部材312の抵抗力は、スライド部材308をラッチ位置に戻してもよい。
【0019】
プラグ102をソケット108と嵌合させる間に、プラグの固定くさび104は、嵌合されたプラグ102とソケット108との間のクランプ力を増加するために、ソケット108の第1付勢部材310を偏向する。例えば、第1付勢部材310が偏向されると、第1付勢部材310は、偏向と関連した力に対向する抵抗力を生み出す。
図4A及び
図4Bで最も良く見られるように、固定くさび104が一方の端部で狭くなっており、他方の端部で広くなっている(つまり、楔である)ので、成形端部314がノッチ400を係合する固定位置内へ固定くさび104が押し込まれると、固定くさび104が第1付勢部材310をさらに偏向するにつれて、この抵抗力が増加する。しかしながら、第1付勢部材310は、固定くさび104に位置したノッチ400に到達すると、偏向量が減るので、抵抗力はわずかに減少する。第1付勢部材310の成形端部314が固定くさび104に位置したノッチ400内に載置する場合に、これは、固定位置である。第1付勢部材310の成形端部314をノッチの外側へ移動させるために抵抗力が増大するので、第1付勢部材310によって適用された力は、クランプ力として言及されてもよい。
【0020】
固定位置において、固定くさび104は、コネクタアセンブリ100が固定位置にあるとの視覚的表示を、オペレータに提供する。また、固定位置において、スライド部材308のトラック110は、プラグバイヨネット106と係合される。例えば、バイヨネットトラック110は、固定位置にある場合に、バイヨネット106が載置される部分316を含むことができる。バイヨネットトラック110のこの部分316はスライド部材308の突出部分318を含んでもよく、この突出部分318は、バイヨネット106を妨害することによって、第1コネクタ102が第2コネクタ108から分離される(例えば、引き離される)ことを防止する。第1コネクタ102と第2コネクタ108との間の任意の間隙は、電気的係合を確実にするために所定の隙間内に制御されてもよい。
【0021】
図4A及び
図4Bは、プラグ102をソケット108と嵌合する前/後のコネクタアセンブリを示す本願発明の実施形態による例示的な嵌合シーケンスの側面図である。
図4A及び
図4Bを参照すると、バイヨネット106がバイヨネットトラック110の上部開口部内へスライドしプラグ102の前面端部がソケット本体300の開口部と係合する場合に、プラグ102及びソケット108の成功した嵌合は開始される。プラグ102のさらなる係合は、バイヨネット106がバイヨネットトラック110の傾斜面に対してスライドし、且つ付勢部材312からの付勢力に対してスライド部材308を押す。バイヨネット106は、バイヨネットトラック110の保持特徴318を通過して押され、付勢部材312の付勢力は、スライド部材308が固定位置へ戻るようにさせる。固定くさび104は、固定地位内へ下向きに押され、固定くさび104は付勢部材310を偏向し、一旦嵌合すると、プラグ102とソケット108との間のクランプ力を増大させる。スライド部材308のトラック110は、プラグバイヨネット106と完全に係合していない場合に、次いで、固定くさび104は、その固定位置にならないだろう、及び/又は要求される設置力は異常に高くなるであろう。それ故に、固定くさび104、スライド部材108、付勢部材310、第1係合部材106及び/又は第2係合部材110の位置によって、オペレータは、コネクタアセンブリ100の不適切な嵌合を警告されるであろう。
【0022】
プラグ102をソケット108から解放するために、固定くさび104は、その固定位置から引っ張り出されなければならない。スライド部材308は、ばね312の付勢に対してそのラッチ位置と非ラッチ位置とからスライドされてもよい(例えば、
図4Bの右側)。スライド部材308が解放されると、バイヨネット106は、バイヨネットトラック110の開口部と一致してもよく、それによって、プラグ102は持ち上げられ、ソケット108から分離されてもよい。スライド部材308は非ラッチ位置へ適切に移動されない場合に、プラグバイヨネット106は、バイヨネット106がバイヨネットトラック110によって妨害されるので、プラグ102がソケット108から分離されることを防止するであろう。
【0023】
図5Aは、サブアセンブリがプラグアセンブリ内に挿入される前の、張力緩和特徴を示す本願発明の実施形態によるケーブル及び張力緩和サブアセンブリの斜視図である。
図5Bは、サブアセンブリがプラグアセンブリ内へ挿入された後の、張力緩和特徴を示す本願発明の実施形態によるケーブル及び張力緩和サブアセンブリの斜視図である。コネクタアセンブリの従来の張力緩和特徴は一般的に、突出部又は丸みを帯びた孔を含み、これらはワイヤタイストラップ(wire tie strap)(例えばジップタイ(zip tie))のためのアンカーとして作用しており、これらは適所にねじ留めされる。例えば、いくつかの従来の張力緩和特徴は、別個の部品を使用してワイヤを固定するためにゴム片を有する複数のバーを使用する。追加のステップ及び/又は部品を必要とする従来の張力緩和特徴に対して、本願明細書に記載された張力緩和特徴204〜208は、別のステップ及び/又は部品なしにケーブルワイヤ500を固定するゴム片206A及び206Bを採用する。その代わりに、張力緩和インサート206はヒンジ接続されてもよく、工具の使用なしにプラグメイン本体200のスナップ結合/解除(つまり、挿入)のように構成されてもよい。
図5Aを参照すると、張力緩和インサート206は、非挿入位置に示される。このことは、従来の張力緩和特徴より大きな適応性を可能にすることができる。
図5Bを参照すると、張力緩和インサート206は、追加のねじ又は工具の使用なしにワイヤ500をしっかりと保持するために、プラグメイン本体200内へ完全に挿入されるように示される。
【0024】
開示された発明のいくつかの現在好ましい実施形態が本願明細書に具体的に記載されるけれども、本願発明に関連する当業者にとって、本願に示され、且つ記載された様々な実施形態の変形及び修正が本願発明の精神及び技術的範囲から逸脱することなく行われることができることは明らかであるであろう。それ故に、本願発明が、添付した特許請求の範囲及び適用可能な法規によって必要とされる範囲にのみ制限されることを意図している。
【符号の説明】
【0025】
100 コネクタアセンブリ
102 プラグ、第1コネクタ
104 固定部材
106 第1係合部材、プラグバイヨネット、バイヨネット
108 スライド部材、ソケット、第2コネクタ
110 トラック、バイヨネットトラック、第2係合部材
200 メイン本体、プラグメイン本体
202 極性キー
204 張力緩和外側部分
206張力緩和インサート、エラストマーパッド
206A、206B ゴム片
208 サブアセンブリ、張力緩和インサートアセンブリ、張力緩和インサートサブアセンブリ
210 開口部
300 ソケット本体、ソケットメイン本体
302 インサート
304 係合インサート
306 極性キー
308 ラッチ部材、スライド部材、スライドラッチ機構
310 第1付勢部材、付勢部材
312 第2付勢部材、付勢部材
314 成形端部
316 部分
318 突出部分
400 ノッチ、ノッチ部分
500 ケーブルワイヤ、ワイヤ