(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の視認性前部及び視認性後部を少なくとも部分的に画定している横方向に延在する分離要素を含み、前記第2のチャネルは、前記横方向に延在する分離要素によって画定される軸線をまたいで延在しており、前記分配層は第3のチャネルを含み、前記第3のチャネルは前記視認性後部内に位置づけられ、排便ポケットを形成している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の視認性前部及び視認性後部を少なくとも部分的に画定する横方向に延在する分離要素を含み、前記第2のチャネルは、前記視認性前部内に位置づけられ、前記分配層は、前記視認性後部内に位置づけられた第3のチャネルを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示する、チャネルを有する吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理、並びにその作成方法についての全体的な理解を提供するため、本開示の各種非限定的な形態について以下に記載する。これらの非限定的な形態の1つ又は複数の実施例を添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書に記載し添付図面に例示する、チャネルを有する吸収性物品並びにその作成方法は非限定的な例示の形態であり、本開示の各種非限定的な形態の範囲は請求項によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの非限定的な形態に関して図示又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。そのような修正及び変形は本開示の範囲に含まれることが意図されている。
【0012】
序論
本明細書で使用する場合、用語「吸収性物品」は、乳児用おむつ、小児用おむつ又は大人用おむつ、パンツ型おむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、おむつインサートなど、着用者の身体に対して、又は着用者の身体に近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収し収容する使い捨て装置を指す。典型的には、これらの物品は、トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、捕捉システム(液体管理システムとも称されることもあり、1つ又は複数の層を含み得る)と、典型的な他の構成要素と、を含み、通常、吸収性コアがバックシートと捕捉システムとの間、又はトップシートとバックシートとの間に少なくとも一部に設けられる。本開示の吸収性物品について、以下の説明にて、及び図にて、テープ付きおむつの形態で更に説明することにする。しかし、説明におけるいかなる内容も、特許請求の範囲を制限するものと見なされるべきではない。したがって、本開示は、吸収性物品の任意の適した形態に適用する(例えば、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、生理用ナプキンなど)。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「不織布ウェブ」とは、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合させた、一方向に又はランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又は打延べ綿シートを意味し、紙、及び更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフト加工品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。繊維は、天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントでもよく、又はその場で形成されたものでもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mm超の範囲の直径を有してもよく、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの無撚糸束(トウ)、及び連続フィラメントの撚糸束(ヤーン)などのいくつかの異なる形態によって提供され得る。不織布ウェブは、メルトブロー法、スパンボンド法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、カーディング法、及びエアレイイング法などの多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル(g/m
2又はgsm)で表される。
【0014】
用語「接合された」又は「結合された」又は「付着された」は、本明細書で使用する場合、ある要素を別の要素に直接貼り付けることによりその要素が別の要素に直接固定される構成と、ある要素を中間部材(複数可)に貼り付け、次に中間部材を他の要素に貼り付けることにより、その要素が別の要素に間接的に固定される構成とを包含する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「チャネル」は、材料層の周囲材料よりも実質的に少ない坪量(例えば、50%未満、70%未満、90%未満)を有する材料層の領域又はゾーンである。チャネルは、材料を実質的に含まない材料層内の領域であってもよい(例えば、90%が材料非含有である、95%が材料非含有である、又は99%材料非含有である、若しくは完全に材料非含有である)。チャネルは、1つ又は複数の材料層を通して延在し得る。チャネルは、一般に、材料層の周囲領域よりも低い曲げ弾性率を有し、このため、材料層をより容易に屈曲させることができ、かつ/又は材料層の周囲面積よりもチャネル内により多くの身体排出物を含み得る。このため、チャネルは、チャネルの面積内の材料層に低減した坪量を作る材料層内の単なる窪部ではない。
【0016】
吸収性物品の概説
乳児用おむつの形態にある本開示による例示的な吸収性物品20を
図1〜3に表す。
図1は、例示的なおむつの平らに広げられた状態の平面図であり、構造の一部分を切り欠き、おむつの構造をより明瞭に示している。このおむつは、本開示が広範囲に及ぶ様々なおむつ又は他の吸収性物品を製造するために使用され得るため、例示目的のみで示される。
【0017】
吸収性物品は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート25、トップシート24とバックシート25との間に少なくとも部分的に配置された吸収性コア28と、バリアレッグカフ34とを含み得る。また、吸収性物品は、液体管理システム(「LMS」)50(
図2に示す)を含むことができ、表示した例は、分配層54及び捕捉層52を含み、これらは以下に更に詳細に記述する。様々な形態では、捕捉層52は、代わりに、身体排出物を分配することができ、また、分配層54は、代わりに、身体排出物を捕捉することができるか、又はいずれの層も、身体排出物の分配及び/又は捕獲が可能である。また、LMS 50は、単一層又は2層又は3層以上として提供され得る。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性ガスケットカフ32を含んでもよい。また、吸収性物品は、液体分配システム71(LDS 71)を含めて(例えば、
図4に示す)、流体を吸収し、はじめの充填点から離れた点に分配/再分配させる(更なる詳細は次に記述する)ことができる。
【0018】
また、図には、接着タブ42を備える締結システム又は吸収性物品20の後縁部に向かって取り付けられ、物品20の前方でランディングゾーン44と協働する他の機械的締結具などの典型的なテープ付きおむつ構成要素を示す。吸収性物品はまた、後側弾性腰部機構、前側弾性腰部機構、横方向バリアカフ(複数可)、及び/又はローションアプリケーションなど、図示されていない他の典型的な要素を含んでもよい。
【0019】
また、吸収性物品20は、前側腰部縁部10と、前側腰部縁部10に長手方向に対向する後側腰部縁部12と、第1の側縁部3と、第1の側縁部3に横方向に対向する第2の側縁部4とを含み得る。前側腰部縁部10は、着用されるときにユーザーの前方に向かって置かれるように意図された吸収性物品20の縁部であり、後側腰部縁部12はその反対側の縁部である。この吸収性物品は、吸収性物品を平らに置き、
図1のように上から見ると、前側腰部縁部10の側面中間点から吸収性物品20の後側腰部縁部12の側面中間点へと延在し、かつ、長手方向軸線80に対して、吸収性物品20を実質的に対称である2つの半分に分割している長手方向軸線80を有し得る。また、吸収性物品は、第1の側縁部3の長手方向中間点から第2の側縁部4の長手方向中間点まで延在する横軸90を有してもよい。吸収性物品20の長さLは、前側腰部縁部10から後側腰部縁部12へと長手方向軸線80に沿って測定され得る。吸収性物品20の股幅は、第1側縁部3から第2側縁部4へと横軸線90に沿って測定され得る。吸収性物品20は、本明細書において、吸収性物品20の前縁部10から始まってLの5分の2(2/5)の距離に長手方向軸線上に配置された点として定義された股点Cを含み得る。吸収性物品20は、前側腰部領域5と、後側腰部領域6と、股部領域7と、を含み得る。前側腰部領域、後側腰部領域及び股領域は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さの1/3を画定する。
【0020】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び他の物品構成要素は、種々の構成にて、例えば、特に糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。例示的おむつの構成は、概して、米国特許明細書第3,860,003号、米国特許明細書第5,221,274号、米国特許明細書第5,554,145号、米国特許明細書第5,569,234号、米国特許明細書第5,580,411号及び米国特許明細書第6,004,306号に記述されている。吸収性物品は、薄いものであってもよい。吸収性物品20の股点Cでの又は股領域7内でのキャリパーは、例えば、4.0mm〜12.0mmあるいは、6.0mm〜10.0mmであってもよい。
【0021】
吸収性コア28は、吸収性材料の全重量を基準にして、75重量%〜100重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%又は少なくとも99重量%(具体的に示すと、上記に指定した範囲内及びその中で又はそれによって形成された全範囲内において、いずれも0.1%増分ずつ)を含む吸収性材料及び吸収性材料を包囲するコアラップを含んでもよい。コアラップは、典型的には、2つの材料、基材、又はコアの上面に不織布材料16及び底面に不織布材料16’を備え得る。
【0022】
コアは、4つのチャネル26、26’及び27、27’として
図1に示す1つ又は複数のチャネルを含んでもよい。追加として、又は代替として、LMS 50は、
図1〜3のチャネル49、49’として表すように1つ又は複数のチャネルを含んでもよい。いくつかの形態では、LMS 50のチャネルは、吸収性コア28のチャネルと位置合わせする、実質的に位置合わせする、重なり合う、又は少なくとも部分的に重なり合うように、吸収性物品20内に配置されてもよい。吸収性物品のこれらの構成要素及び他の構成要素を、これから更に詳細に考察する。
【0023】
トップシート
トップシート24は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。トップシート24は、当該技術分野で既知のように、バックシート25、コア28、及び/又は他のいずれかの層に接合させることができる。通常、トップシート24及びバックシート25は、いくつかの箇所(例えば、物品の周辺部又はその近く)で互いに直接接合し、他の箇所では、吸収性物品20の1つ又は複数の他の要素へこれらを直接接合することにより、共に間接的に接合している。
【0024】
トップシート24は、柔軟であり、ソフトな感触を有し、着用者の皮膚に対する刺激がなくてよい。更に、トップシート24の少なくとも一部分は、液体透過性であり、液体がその厚さを通して容易に透過し得る。適したトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、あるいは天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はそれらを混ぜたもの)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布又は不織布材料などの幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシート24は、繊維を含む場合、スパンボンド繊維、カーディングした繊維、湿式繊維、メルトブローン繊維、水流交絡繊維、又は具体的に、スパンボンドPP不織布のように当該技術分野で既知の処理を施されたものであってもよい。ステープル長のポリプロピレン繊維のウェブを含む例示的トップシートは、Veratec,Inc.(Division of International Paper Company、Walpole,MA)によってP−8、P−9、P−10又はP−11の記号表示にて製造される。他の例示的トップシートは、Polymer Group Inc.によって、材料の商標名W5030NG、W5030TP及びW5030TOにて製造される。
【0025】
トップシート24の任意の部分が、一般に、当該技術分野において既知の、スキンケア組成物、抗菌剤又は他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。更に、トップシート24、バックシート25、又はトップシート若しくはバックシートのいずれかの部分には、より布に近い外観を持たせるためにエンボス加工及び/又はつや消し仕上げを施してもよい。
【0026】
トップシート24は、尿及び/又は糞便(固体、半固体、若しくは液体)など、それを通る排出物の浸透を容易にするための1つ又は複数の開口を備えていてもよい。典型的な吸収性物品のトップシートの坪量は、約5gsm〜約30gsm、約10〜約21gsm又は約12〜約18gsmであるが、他の坪量は、本開示の範囲内である。
【0027】
バックシート
バックシート25は、概して、吸収性コア28の衣類に面する表面に隣接して位置付けられ、その中に吸収して封じ込められた排出物がベッドシーツや下着などの物品を汚すのを防止する又は少なくとも阻害する、吸収性物品20の部分である。バックシート25は、典型的には、液体(例えば尿)に対して不透過性であるか、又は少なくとも実質的に不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm〜約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Richmond,VAを拠点とするTredegar Corporationによって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。他の適したバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品20から逃れるのを可能にする一方で滲出物がバックシート25を通り抜けるのを防止するか又は少なくとも阻害する通気性材料が挙げることができる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆された不織布ウェブなど複合材料、日本のMitsui Toatsu Co.により、名称ESPOIR NOで製造され、Tredegar Corporation(Richmond,VA)によって、名称EXAIREで販売されているような微孔性フィルム、及びHYTEL blend P18−3097の商品名にて、Clopay Corporation(Cincinnati,OH)により製造されているようなモノリシックフィルムを挙げることができる。
【0028】
バックシート25は、当該技術分野において既知のいずれかの付着方法によって、トップシート24、吸収性コア28、及び/又は吸収性物品20の他のいずれかの要素に接合してよい。適した取付方法は、トップシート24を吸収性物品20の他の要素に接合するための方法に関して上記で説明される。例えば、取り付け方法としては、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化された層、又は接着剤の分離した線、螺線、若しくは点の配列を用いることを挙げることができる。適した取り付け方法として、米国特許第4,573,986号に開示されるように、接着剤フィラメントの開放パターン網目構造(open pattern network)が挙げられる。他の適した取り付け方法として、米国特許第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号に示される装置及び方法により例示されるような、螺線パターンに渦を巻く接着剤フィラメントのいくつかの線を用いることが挙げられる。満足のいくものであることが判明した接着剤は、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minesota)が製造し、HL−1620及びHL1358−XZPの名称で市販されている。あるいは、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当該技術分野で既知の他のいかなる適した取り付け方法、若しくはこれら取り付け方法の組み合わせを含んでもよい。
【0029】
吸収性コア
本明細書で使用する場合、「吸収性コア」という用語は、吸収能力の大半を有する吸収性物品の個々の構成要素を指し、吸収性材料を含み得る。いくつかの形態では、吸収性コアは、吸収性材料を封じ込めるコアラップを含む。「吸収性コア」という用語には、液体管理システム、液体分配システム、又はコアラップの一体部分ではないか、若しくはコアラップ内に置かれていない吸収性物品のいかなる他の層も含まない。吸収性コアは、コアラップと、以下で定義される吸収性材料と、コアラップ内に封じ込まれる糊剤とを含むか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。コアラップの周辺部であり得る吸収性コアの周辺部は、例えば、「T」、「Y」、「砂時計」、又は「犬の骨」の形状など、任意の適した形状を画定してもよい。概して「犬の骨」又は「犬の骨」形状を有する吸収性コア周辺部は、その幅に沿ってコアの中央又は「股」領域に向かうその幅に沿って先が細くなっていてもよい。このようにして、吸収性物品の股領域内に置かれるように意図された吸収性コアの面積において、吸収性コアは、比較的狭い幅を有し得る。
【0030】
本開示の吸収性コア28はまた、多量の超吸収性ポリマー(本明細書では「SAP」と略す)がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。SAP含有量は、コアラップ内に包含された吸収性材料の70重量%〜100重量%又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%又は100重量%を示してもよい。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的では吸収性材料とは見なされない。
【0031】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維及び合成繊維など、何らかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。通常、吸収性コアの作製に使用される糊剤は、吸収特性を有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、上述のように、コアラップに包含された吸収性材料の80重量%超、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、更には100重量%以下となり得る。これにより、通常は40%〜60%のSAPと例えば高含量のセルロース繊維とを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。吸収性材料は、15重量%未満若しくは10重量%未満の天然繊維若しくは合成繊維、又は5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満の天然繊維及び/若しくは合成繊維を含まないか、若しくは実質的に含まないか、若しくは含まない可能性さえあり、具体的には、特定の範囲内及びその中又はそれによって形成された全ての範囲内において全て0.1%の増分であることを示す。吸収性材料は、有利にも、エアフェルト(セルロース)繊維をほとんど又はまったく含まなくてもよく、特に吸収性コアは、15重量%未満、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%、1重量%のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又はセルロース繊維を実質的に含まない、若しくは含まない可能性さえあり、具体的には、特定の範囲内及びその中又はそれによって形成された全ての範囲内において全て0.1%の増分であることを示す。
【0032】
図4及び
図5の吸収性物品の例示的吸収性コア28を、
図6〜8に単独で示す。吸収性コア28は、前側部280と、後側部282と、前側部280及び後側部282を結合する2つの長手方向側部284、286とを含むことができる。吸収性コアはまた、概して平面である上面及び概して平面である底面を備え得る。コア28の前側部280は、吸収性物品の前側腰部縁部10に向けて配置されるように意図されるコア28の側部である。コア28は、
図1においてのように平面図で上部から見て、吸収性物品の長手方向軸線80に実質的に対応する長手方向軸線80’を有してもよい。ある形態では、特定の物品では、前側にてより高い吸収性が要求され得るのに従って、吸収性材料は、後側に向かうよりも前側に向かって、より多くの量が分配されてもよい。別の形態では、吸収性材料は、コアの任意の部分にわたって不均一の坪量又は均一の坪量を有し得る。ある形態では、コアの前側部及び後側部は、コアの長手方向側部よりも短くてもよい。コアラップは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止され得る2つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料16、16’によって形成されてもよい。コアラップは、吸収性コアラップから漏出する吸収性材料が実質的にないように、その前側部280、後側部282及び2つの長手方向側部284、286に沿って少なくとも部分的に封止され得る。第1の材料、基材、又は不織布16は、
図7に示すように、コアラップを形成するために、第2の材料、基材、又は不織布16’を少なくとも部分的に取り囲み得る。第1の材料16は、第1及び第2の側縁部284及び286に近接する第2の材料16’の一部分を取り囲み得る。
【0033】
本開示の吸収性コアは、特にコアラップが2つ以上の基材から作製されている場合、例えば、コアラップ内のSAPを不動化するのを助けるために、及び/又は、コアラップの一体化を確実にするために、接着剤を更に含んでもよい。コアラップは通常、吸収性材料を内部に収容するのに厳密に必要となるよりも大きな面積へと延在してもよい。
【0034】
様々なコア設計を有する比較的多量のSAPを含有するコアは、米国特許明細書第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開出願第95/11652号(Tanzer)、米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)及び国際公開出願第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0035】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する1つ又は複数の連続層であってもよい。他の形態において、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプからなってもよい。第1の事例において、吸収性材料は例えば、吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得られてもよい。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料適用パターンを有する2つ以上の吸収性層を組み合わせることによって得られてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)で開示されるように、吸収性の粒状ポリマー材料面積の全体にわたって実質的に連続的に分配されている。吸収性コア28は、第1の吸収層と、第2の吸収層とを含み得る。第1の吸収層は、第1の材料16及び100%又はそれ未満のSAPであり得る吸収性材料の第1の層61を含んでもよい。第2吸収層は、第2の材料16’及び100%又はそれ未満のSAPであり得る吸収性材料の第2の層62を含んでもよい。吸収性コア28は、また、吸収性材料の各層61、62をそれぞれの材料16、16’に、少なくとも部分的に接合させる繊維状熱可塑性接着材料51を含み得る。一例として、これは
図7及び
図8に例示されており、ここで、第1及び第2のSAP層は、横断ストライプつまり「ランド区域」として適用されており、これらは、組み合される前は、それぞれの基材上の所望の吸収性材料堆積領域と同じ幅を有するものである。ストライプ(複数)は、コア80の長手方向軸線に沿って所定の側断面秤量を提供するように、異なる量の吸収性材料(SAP)を含んでもよい。第1の材料16及び第2の材料16’はコアラップを形成し得る。
【0036】
繊維状の熱可塑性接着材料51は、ランド区域において少なくとも部分的に吸収性材料61、62に接触してもよく、及び接合領域において材料層16及び16’に少なくとも部分的に接触してもよい。これによって、長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的薄い厚さのそれ自体は本質的に2次元構造である、熱可塑性接着材料51の繊維層に、本質的に3次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着材料は、ランド区域において吸収性材料を被覆するようにキャビティを提供でき、それにより、100%以下のSAPであり得るこの吸収性材料を不動化する。
【0037】
熱可塑性接着材料51はその全体で、ASTM法D−36−95「環球法」によって測定された軟化点が50℃〜300℃の範囲である単一の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドを含んでもよく、及び/又は、熱可塑性接着材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤など、他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。
【0038】
繊維層に使用される熱可塑性接着剤は、エラストマー特性を有してもよく、これにより、SAPが膨潤するにつれてSAP層上に繊維により形成されたウェブが延伸することができる。これらの種類のエラストマーホットメルト接着剤は、1988年3月15日出願の米国特許第4,731,066号(Korpman)に、より詳細に記載される。熱可塑性接着剤材料は、繊維として塗布されてもよい。
【0039】
超吸収性ポリマー(SAP)
本明細書で使用する場合、「超吸収性ポリマー」(「SAP」)は、遠心分離保水容量(CRC)試験(EDANA法WSP 241.2−05E)を使用して測定したとき、0.9%生理食塩水溶液を、重量の少なくとも10倍吸収可能な架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるSAPは、CRC値20g/g超、24g/g超、20〜50g/g、20〜40g/g、又は24〜30g/gを有してもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内のすべての0.1g/gの増分である。本開示で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーが挙げることもできる。
【0040】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから形成され得る。しかしながら、澱粉系の粒子状吸収性ポリマー材料も使用でき、更に、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルの澱粉グラフトコポリマーも使用できる。超吸収性ポリマーは、内部及び/又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。適した材料が、例えば、国際公開出願第07/047598号、国際公開出願第07/046052号、国際公開出願第2009/155265号、国際公開出願第2009/155264号で説明される。いくつかの形態では、適した超吸収性ポリマー粒子は、例えば、国際公開出願第2006/083584号に記述されている、一般的に公知の製造プロセスによって得られ得る。
【0041】
本開示に有用なSAPは、様々な形状であってもよい。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに超吸収性ポリマー粒子の、当業者に既知のその他の形状及び形態のことを指す。いくつかの形態では、SAP粒子は、繊維の形状、すなわち細長い針状の超吸収性ポリマー粒子であってもよい。こうした形態において、超吸収性ポリマー粒子繊維は、約1mm未満、通常、約500μm未満、又は250μm未満〜50μmの小さい寸法(すなわち、繊維の直径)を有してもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内の全ての1μmの増分である。繊維の長さは、約3mm〜約100mmであってもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内の全ての1μmの増分である。また、繊維は、織られている長いフィラメントの形態であってもよい。
【0042】
SAPは、球状粒子であってもよい。繊維とは対照的に、「球状粒子」は、微粒子の最長粒子寸法対最短粒子寸法の比が1〜5の範囲内である、最長及び最短の寸法を有し、値1は完全な球形粒子と等しく、値5は、かかる球形粒子から幾分か逸脱する。超吸収性ポリマーは、EDANA法WSP 220.2−05に従って測定されたように、850μm未満、50〜850μm、100〜710μm、又は150〜650μmの粒子を有してもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内の全ての1μmの増分である。比較的小さな粒径を有するSAPは、液体排出物と接する吸収性材料の表面積の増加に役立ち、したがって液体排出物の素早い吸収を助け得る。
【0043】
SAPは、45μm〜4000μmの範囲の粒径、より具体的に、45μm〜約2000μm、又は約100μm〜約1000μm、850μm又は600μmの範囲内の粒径分布を有してもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内の全ての1μmの増分である。粒子形態での材料の粒径分布は、例えば、乾式篩分け分析試験(EDANA 420.02「Particle Size distribution」)によって決定され得る。SAPの表面は、例えば、カチオン性ポリマーでコーティングされてもよい。特定のカチオン性ポリマーは、ポリアミン又はポリイミン材料を含んでもよい。吸収性コアは、1種以上のSAPを含み得る。
【0044】
大部分の吸収性物品の場合、着用者からの液体放出は、特におむつの場合、主に吸収性物品の前半部にて生じる。したがって、吸収性物品の前半部(前縁部と、横軸線90との間の領域によって画定される通り)は、コアの吸収能力の大部分を備え得る。したがって、SAPの少なくとも60%、又はSAPの少なくとも65%、70%、75%、80%若しくは85%が吸収性物品の前半部に存在し、残りのSAPが吸収性物品の後半部に配設されてもよい。他の形態では、SAPの分配は、コアを通して一定でなくてもよいか、又は、他の適した分配を有し得る。
【0045】
吸収性コアに存在するSAPの合計量は、想定されるユーザーに応じて変動してもよい。新生児用のおむつは、乳幼児用、小児用又は成人用失禁おむつほどSAPが必要でない場合がある。コア中のSAPの量は、約5〜60g又は5〜50gであってもよく、具体的には、上述の範囲及びその範囲中又はその範囲によって形成される任意の範囲内のすべての0.1μmの増分である。SAPの堆積区域8(又は複数存在する場合は「少なくとも1つの」)内の平均SAP坪量は、少なくとも50g/m
2、100g/m
2、200g/m
2、300g/m
2、400g/m
2、500g/m
2又はそれ以上であり得る。この平均坪量を算出するために、吸収性材料の堆積面積8に存在するチャネルの面積(例えば、27、27’)は吸収性材料の堆積面積から推定される(deduced from)。
【0046】
コアラップ
コアラップは、吸収性材料の周りで折り重ねられた単一の基材、材料又は不織布から作製されてもよく、又は互いに付着される2つ(又はそれ以上)の基材、材料又は不織布を備えてもよい。典型的な取り付けは、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップにおいて、例えば、
図2及び
図7に示すように、一方の基材の長手縁部及び/又は横断縁部が他方の基材に折り重ねられて、フラップを形成する。これらのフラップは次いで、通常は糊剤接着によって、他方の基材の外部表面に結合される。他の技術を用いて、コアラップを形成してもよい。例えば、基材の長手縁部及び/又は横断縁部は、結合されてもよく、次に、吸収性コア28の下で折り畳まれ、その場所で結合されてもよい。
【0047】
コアラップは、吸収性材料を受容及び包含するのに適した任意の材料によって形成され得る。従来のコアを生産するのに使用される典型的な基材材料、特に紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体又は複合体を用いることができる。コアラップは、カード不織布、スパンボンド不織布(「S」)又はメルトブローン不織布(「M」)、及びこれらのいずれかの積層体などの不織布ウェブから形成され得る。例えば、スパンメルトされたポリプロピレン不織布は、具体的には、積層体ウェブのSMS、SMMS、又はSSMMS型の構造を有するもの、及び坪量が約5gsm〜約15gsmの範囲を有するものが適し得る。適した材料は、米国特許第7,744,576号、米国特許公開第2011/0268932A1号、米国特許公開第2011/0319848A1号及び米国特許公開第2011/0250413A1号に開示されている。例えば、PE、PET、及び/又はPPなどの合成繊維から得られる不織布材料が用いられてもよい。
【0048】
コアラップが第1の基材、不織布又は材料16と第2の基材、不織布又は材料16’とを備える場合、これらは同じタイプの材料から作製されてもよく、異なる材料から作製されてもよく、あるいは、いずれか一方の基材が他方とは異なって処理されて、異なる特性が与えられてもよい。不織布の製造に使用されるポリマーは、本質的に疎水性であるので、吸収性コアの流体受容側に配置されている場合は、親水性コーティングで被覆されていてもよい。コアラップの上面、すなわち吸収性物品の中で着用者により接近して設置される側が、コアラップの下面よりも親水性であることが有益であり得る。耐久性のある親水性コーティングを用いて不織布を製造するための考えられる方法は、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗布し、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久性の親水性コーティングした不織布の生産の可能な代替的方法は、例えば国際公開第02/064877号で説明されるような、不織布を親水性ナノ粒子でコーティグする方法である。
【0049】
恒久的に親水性の不織布も、いくつかの形態では有用である。表面張力は、米国特許第7,744,576(Busamら)に記述されている通り、どれほど恒久的に特定の親水性レベルが達成されるのかを測定するために用いられ得る。米国特許第7,744,576号に記述されている液体滲み出し(liquid strike through)を使用して親水性レベルを測定することができる。第1及び/又は第2の基材は、生理食塩水溶液で湿潤される場合、少なくとも55mN/m、少なくとも60mN/m、又は少なくとも65mN/m以上の表面張力を有してもよい。基材はまた、液体の5回の噴出に対し、5秒未満の液体滲み出し時間を有してもよい。これらの値は、米国特許第7,744,576B2号、「Determination Of Surface Tension」及び「Determination of Strike Through」にそれぞれ記載される試験方法を使用して測定することができる。
【0050】
親水性及び湿潤性は、典型的には、接触角、及び例えば不織布布地を通過する流体の滲み出し時間に関して定義される。これに関しては、「Contact angle,wettability and adhesion」と題する、Robert F.Gouldにより編集された、American Chemical Societyの刊行物(Copyright 1964)に詳述されている。水と基材表面との間の接触角が小さい基材は、他の基材よりも親水性が高いと言ってもよい。
【0051】
基材はまた、空気透過性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは微小孔を含み得る。基材は、EDANA法140−1−99(125Pa、38.3cm
2)によって決定されるように、空気透過率が、40又は50〜300又は200m
3/(m
2×分)のものであってもよい。あるいは、コアラップの材料は、例えば真空を含む移動表面での取り扱いを容易にするために、より低い空気透過性、例えば非空気透過性を有してもよい。
【0052】
コアラップは、コアから漏出する吸収性材料が実質的にないように、吸収性コアの全側部に沿って、少なくとも部分的に封止され得る。「吸収性材料が実質的にない」は、コアラップから漏出する吸収性材料が5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は約0重量%であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。コアラップの縁部全体に沿って封止は、連続的である必要はないが、線上に離間配置された一連の封止点によって形成されるなど、コアラップの部分又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊付け及び/又は熱結合によって形成され得る。
【0053】
コアラップが2つの基材16、16’によって形成される場合は、4つの封止を使用して、吸収性材料60をコアラップ内に封入し得る。例えば、第1の基材16は、コアの一面に(図では上面として示される)配置されていてもよく、コアの反対の底面を少なくとも部分的に包み込むようにコアの長手方向の縁部の周りに延在する。第2の基材16’は、第1の基材16の包み込まれたフラップと吸収性材料60との間に存在してもよい。強力な封止をもたらすために、第1の基材16のフラップを第2の基材16’に糊付けしてもよい。このいわゆるCラップ構造は、サンドイッチ封止(sandwich seal)と比較して、湿潤負荷状態(wet loaded state)での耐破裂性を向上させるなどの利益を提供することができる。コアラップの前側部及び後側部も、その後、第1の基材及び第2の基材を互いに糊付けすることによって封止されてもよく、コアの周辺部の全体にわたる吸収性材料の完全な封入をもたらし得る。コアの前側及び後側については、第1及び第2の基材が延在し、及び実質的に平面の方向で共に接合され得ることで、これらの縁部に対していわゆるサンドイッチ構成体を形成し得る。いわゆるサンドイッチ構成体では、第1及び第2の基材はまた、コアの全側部上で外向きに延在することができ、また、典型的には糊付け及び/又は熱/圧力結合によって、典型的にコアの周辺部の全体又は部分に沿って平坦に又は実質的に平坦に封止され得る。ある形態では、第1及び第2の基材のいずれも、製造を簡易にするために矩形に切断する必要はないが、その他の形状は、本開示の範囲内である。
【0054】
また、コアラップは、その基材は、小包ラップにおいて見られるように吸収性材料を封入し得、及びコアの前側及び後側並びに一方の長手方向封止部に沿って封止され得る単一の基材によって形成されてもよい。
【0055】
SAP堆積区域
吸収性コアの上面から見られるように、吸収性材料の堆積区域8は、コアラップ内の吸収性材料60によって形成される層の外周によって画定され得る。吸収性材料の堆積区域8は、様々な形状、特に、いわゆる「犬の骨」又は「砂時計」形状を有してもよく、この形状は、コアの中央又は「股」領域に向かうその幅に沿って先細りしていることが示されている。このように、吸収性材料の堆積区域8は、
図1に示すように、吸収性物品の股領域内に置かれるように意図されたコアの区域において、比較的狭い幅を有し得る。これにより、更に良好な着用感がもたらされ得る。そのため、吸収性材料堆積区域8は、約100mm未満、90mm未満、80mm未満、70mm未満、60mm未満、又は更に約50mm未満であるその最も狭い点での幅(横断方向に測定した場合)を有し得る。この最も狭い幅は更に、堆積区域8の前部領域及び/又は後部領域における最も大きい点での堆積区域8の幅よりも例えば、少なくとも5mm、又は少なくとも10mm小さくてもよい。また、吸収性材料堆積区域8は、概して、例えば、
図4〜
図6に示す通り、矩形であってもよく、また、「T」、「Y」「砂時計」又は「犬の骨」形状など他の堆積区域は、本開示の範囲内である。
【0056】
SAPの坪量(表面の単位当たり堆積される量)はまた、コアの長手方向、同横方向、又はその両方の方向に吸収性材料(特にSAP)の所定の断面分布を作るように、堆積区域8に沿って変化してもよい。よって、コアの長手方向軸線に沿って、並びに横方向軸線に沿って、又はこれらの軸線のいずれかに平行であるいずれの軸線に沿って、吸収性材料の坪量は異なってもよい。したがって、相対的に高い坪量の区域におけるSAPの坪量は、相対的に低い坪量の区域よりも、少なくとも10%、又は20%、又は30%、又は40%、又は50%高くてもよい。ある形態では、股点Cのレベルで吸収性材料堆積区域8中に存在するSAPは、吸収性材料堆積区域8の別の区域と比較して、堆積された表面の単位当たり、より多いSAPを有し得る。
【0057】
吸収性材料は、相対的に高速でSAPを相対的に正確に堆積させ得る既知の技術を用いて堆積することができる。特に、米国特許公開第2008/0312617号及び米国特許公開第2010/0051166A1号(いずれもHundorf et al.)に記載されているSAP印刷技術を使用してもよい。この技術は、印刷ロールを用いて支持体のグリッド上に配置された基材上にSAPを堆積させることであって、支持体は、複数のクロスバーの間に広がるチャネルを形成するように互いに実質的に平行に、かつ離間して広がっている複数のクロスバーを含み得る。この技術は、基材上への高速かつ正確なSAPの堆積を可能にする。吸収性コアのチャネルは、例えば、チャネルに対応する区域において、SAPが塗布されないように、グリッドのパターンを修正し、ドラムを受容することによって形成され得る。欧州特許出願第11169396.6号には、この修正法がより詳細に開示されている。
【0058】
吸収性コア内のチャネル
吸収性材料の堆積区域8は、少なくとも1つのチャネル26を備えてもよく、吸収性物品80の長手方向(すなわち、長手方向ベクター要素を有する)に少なくとも部分的に配向されている。他のチャネルは、少なくとも一部横方向(すなわち、側部ベクトル要素を有する)又は任意の他の方向に配向されてもよい。以下で複数形の「チャネル(channels)」は、「少なくとも1つのチャネル」を意味するために用いられる。チャネルは、吸収性物品の長さLの少なくとも10%である吸収性物品の長手方向軸80上に突き出る長さL’を有してもよい。また、チャネルは、円形、楕円形又は様々な他の閉多角形の形状であってもよい。チャネルは、様々な方法で形成されてよい。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にSAPを実質的に含有しない又は含有しないものとなり得る吸収性材料堆積区域8内のゾーンによって形成されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、チャネル(複数可)はまた、吸収性材料の堆積区域を介して、コアラップの上側をコアラップの下側に連続的に又は不連続的に結合することによって形成されてもよい。チャネルは連続的であってよいが、チャネルが断続的であり得ることも考えられる。また、液体管理システム50又は吸収性物品の別の層はチャネルを含んでもよく、以下に詳細に示すように、吸収性コアのチャネルに対応しても、対応しなくてもよい。
【0059】
いくつかの形態では、長手方向に延在する2つのチャネル26、26’を有する
図1に示すように、チャネルは吸収性物品の股点C又は横方向軸線90と少なくとも同じ長手方向の高さに存在し得る。チャネルはまた、股領域7から延在してもよく、又は吸収性物品の前側腰部領域5及び/若しくは後側腰部領域6に存在してもよい。
【0060】
吸収性コア28はまた、3つのチャネルを超える、例えば少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つ以上のチャンネルを備えてもよい。短いチャネルも、
図1の一対のチャネル27、27’によって表される通り、吸収性物品の前部に向かって、例えば、コアの後側腰部領域6又は前側腰部領域5内に存在し得る。チャネルは、長手方向軸線80に対して対称的に配置されたか、又は別の方法にて配置された一対又は複数対のチャネルを含んでもよい。
【0061】
チャネルは、SAPの堆積区域が矩形である場合、チャネルが非矩形(形状)のコアを使う利点が少なくなるまでコアの可撓性を向上できるため、吸収性コア内において特に有用であり得る。無論、チャネルは、ある形状を有する堆積区域を有するSAPの層にも存在してもよい。
【0062】
チャネルは、実質的に長手方向に延在し得るが、これは、各チャネルが横方向よりも長手方向により延在するか、又は横方向よりも長手方向に少なくとも2倍ほど延在する(それぞれの軸線上で突き出した後に測定して)という意味である。他の形態では、チャネルは、実質的に横方向に延在し得るが、これは、各チャネルが、長手方向よりも横方向により延在するか、又は(それぞれの軸線上で突き出した後に測定して)長手方向よりも横方向に少なくともちょうど2倍延在するという意味である。
【0063】
チャネルは、長手方向及び長手方向軸線に平行に完全に配向し得るか、又は横断方向にかつ横軸線に平行に完全に配向し得るが、湾曲していてもよい。様々な形態では、いくつかの又は全てのチャネル、特に、股領域7に存在するチャネルは、例えば、
図1に表されるように、一対のチャネル26、26’に関する限りでは、長手方向軸線80に向かって屈曲するように、長手方向軸線80に対して凹型であってもよい。また、チャネル26、26’は、長手方向軸線80から離れて屈曲するか、又は任意の他の適した配置を有するように、凸型であってもよい。曲率半径は、典型的には、吸収層の平均横断寸法と少なくとも等しくあってもよく(この平均横断寸法の少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍であってもよい)、かつ真っ直ぐであるが、1辺が長手方向軸線に平行で、(例えば5°から)最大30°、又は例えば最大20°、又は最大10°の角度をなしていてもよい。チャネルに関して、曲率半径は一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。これは、更に、チャンネルの2つの部分の間の角度が少なくとも120°、少なくとも150°である場合、またこれらのいずれかの場合において、チャンネルの長手方向延在が横断方向延在を超える場合、その内部に角度を有するチャンネルを含んでもよい。また、チャネルは、分岐していてもよい。例えば、股領域7の長手方向軸線で重なり合っている中心チャネルは、吸収性物品の後側腰部縁部12及び/又は前側腰部縁部10に向かって分岐する。
【0064】
いくつかの形態では、吸収性物品又はコアの長手方向軸線80に一致するチャネルであってもよく、他の形態では、吸収性物品又はコアの長手方向軸線80に一致するチャネルでなくてもよい。長手方向軸線80に対して、対称対として存在するとき、それらの全長手方向寸法にわたって相互に離間配置されてもよい。最小の間隔距離は、例えば、少なくとも5mm、少なくとも10mm、又は少なくとも15mmであり得る。
【0065】
更に、流体漏出の危険性を低減するために、長手方向の主要チャネルは通常、吸収性材料の堆積区域8の縁部のいずれかに達するまでは延在していなくてもよく、また、このため、コアの吸収性材料の堆積区域8内に完全に包囲されてもよい。チャネルと吸収性材料の堆積区域8の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも5mmであってよい。
【0066】
チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って幅Wc1を有し得るが、この幅Wc1は、例えば、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、最大で例えば20mm、16mm又は12mmである。チャネルの幅は、実質的にチャネルの全長にわたって一定であってもよく、又はその長さ方向に沿って変動してもよい。チャネルが、吸収性材料の堆積区域8内の吸収性材料非含有ゾーンによって形成される場合、チャネルの幅は、材料非含有ゾーンの幅であると見なされ、チャネル内にコアラップが存在する可能性は無視される。チャネルが吸収性材料非含有ゾーンによって形成されるのではなく、例えば主として、吸収性材料ゾーンを通じたコアラップの結合によって形成される場合、チャネルの幅はこの結合部の幅である。
【0067】
チャネルの少なくとも一部又は全てが耐久性チャネルであってもよく、それの意味するところは、それらの一体性が、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に保たれるということである。耐久性チャネルは、例えば、接着材料の繊維性層、又はチャネルの壁内の吸収性材料と基材との粘着を補助する構成糊剤など、1つ又は複数の接着材料を提供することにより得られてもよい。耐久性チャネルはまた、特に、コアラップの上側と下側(例えば、第1の基材16と第2の基材16’)及び/又はトップシート24とをバックシート24に、チャネルを介して互いに結合することによって形成されてもよい。典型的には、チャンネルを介してコアラップの両側又はトップシート及びバックシートを結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合され得る。コアラップ又はトップシート24及びバックシート25は、チャネルに沿って連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。チャネルは有利にも、吸収性材料が流体を完全に充填されるとき、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通じて依然として視認可能であるか、又は視認可能となり得る。これは、SAPを実質的に含まないチャネルを作製することによって得られ得る(SAPは膨張せず、湿潤したときに接近することのないほど十分な大きさであるので)。さらに、チャネルによる、コアラップとそれ自体との結合又はトップシートとバックシートとの結合は、有利になり得る。
【0068】
図1を参照すると、ある形態では、吸収性コア28は、少なくとも3つのチャネル又は4つのチャネルを含んでもよい(例えば、26、26’、27、27’)。これらのチャネルは、超吸収性ポリマーを含まないか、又は実質的に含まず(例えば、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満)、少なくとも部分的に長手方向に配向されていてもよく、かつ/又は少なくとも部分的に横方向に配向されていてもよい。各種形態では、長手方向軸線80周囲のチャネル26及び26’の長手方向長さは、同じか、実質的に同じであってもよく(例えば、お互いに2mm以下以内)、又は異なってもよく、長手方向軸線80周囲のチャネル27及び27’の長手方向長さは、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。チャネル26及び26’の長手方向長さは、チャネル27及び27’の長手方向長さよりも長くてもよい。チャネル27及び27’の長手方向長さを超える平均横幅は、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。同様に、チャネル26及び26’の長手方向長さを超える平均横幅は、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。任意のチャネル26、26’、27及び27’の平均横幅は、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。
【0069】
いくつかの形態では、第1のチャネル26及び第2のチャネル26’に加えて、吸収性コア28は、股領域7及び/又は後側腰部領域6にポケット(図示せず)、後側腰部領域6及び/又は股領域7に1つ又は複数のチャネルを備えてもよい。別の形態では、ポケットは、股領域7及び/又は前側腰部領域5内にあってもよく、また、1つ又は複数のチャネルは、股領域7及び/又は前側腰部領域5内にあってもよい。ポケット及び1つ又は複数のチャネルは、BMポケット又はチャネル及び/又は尿管理ポケット及び/又はチャネルであってもよい。
【0070】
バリアレッグカフ
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ34を備えてもよい。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品に結合される一つの材料によって形成することができるため、吸収性物品の内側表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴及び脚の接合部近位で液体及び他の身体排出物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリアレッグカフ34は、典型的にはトップシート24及び/又はバックシート25に直接的に又は間接的に接合される近位縁64及び自由末端縁66とによって範囲を定められ、着用者の皮膚と接触し、封止を形成することが意図される。バリアレッグカフ34は、少なくとも部分的に、吸収性物品の前側腰部縁部10と後側腰部縁部12との間に長手方向軸80の反対側の側面に存在し、少なくとも、股点(C)又は股領域のレベルで存在する。バリアレッグカフ34は、近位縁64で、例えば、糊付け、融合結合、又は他の適した結合プロセスの組み合わせによってなされ得る結合65によって吸収性物品のシャーシと接合され得る。近位縁64での結合65は、連続的又は断続的であってもよい。レッグカフ34の隆起区間に最も近い結合65は、レッグカフ34の立ち上がり区間の近位縁64の範囲を定める。
【0071】
バリアレッグカフ34は、トップシート24若しくはバックシート25と一体であるか、又は、吸収性物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフ34の材料は、おむつの全長に延在し得るが、これらの区間において、バリアレッグカフ材料がトップシート24とぴったり重なり合ったままであるように、吸収性物品の前側腰部縁部10及び後側腰部縁部12に向かってトップシートに「タック結合」され得る。
【0072】
各バリアレッグカフ34は、この自由末端縁66に近接して、フィルム35の1つ、2つ、又はそれ以上の弾性ストランド又はストリップを含み、より優れた封止をもたらし得る。
【0073】
バリアレッグカフ34に加えて、吸収性物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート25に接合されたガスケットカフ32を備えてもよく、バリアレッグカフ34に対して外側に配置されてもよい。ガスケットカフ32は、着用者の大腿の周りにより優れた封止をもたらすことができる。各ガスケットレッグカフは、脚部開口部領域のトップシート24とバックシート25との間の吸収性物品のシャーシに1つ又は複数の弾性ストリング又は弾性要素を含み得る。バリアレッグ及び/又はガスケットカフの全て又は一部分は、ローション又はスキンケア組成物で処理してもよい。バリアレッグカフは、米国特許出願公開第2012/0277713号に記載されるものを含む、多くの異なる構成で作製され得る。
【0074】
締結システム
吸収性物品は、締結システムを備えてもよい。この締結システムは、テープ付きおむつでは一般的であるように、吸収性物品の周囲に横方向の張力を与えて、着用者において吸収性物品を保持するために使用され得る。これらの吸収性物品の腰部領域は既に結合されているため、この締結システムはトレーニングパンツ物品又はパンツ型物品には必須ではない場合もある。締結システム50は、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は雌雄同体締結要素などの締結具を含んでよいが、他の適したいかなる締結機構も、本開示の範囲内でもある。通常、ランディング区域44は、締結具が取り外し可能に取り付けられるように、前側腰部領域5の衣類に面する表面に設けられる。
【0075】
また、締結システムは、米国特許第4,699,622号に開示されるように、一次及び二次締結システムも含み、米国特許明細書第5,242,436号、米国特許明細書第5,499,978号、米国特許明細書第5,507,736号及び米国特許明細書第5,591,152号に開示されているように、重なり合った部分の移動性を低減するか、又はフィット性改善することができる。
【0076】
前部耳部及び後部耳部
ある形態では、吸収性物品は、前部耳部46及び後部耳部40を含んでよい。耳部は、サイドパネルとして、トップシート24及び/又はバックシート25から形成されるなど、シャーシの一体部分であってもよい。あるいは、
図1に表すように、耳部(46、40)は、糊剤接着及び/又は熱エンボス加工若しくは圧力結合により付着される分離型要素であってもよい。後部耳部40は、ランディングゾーン44にタブ42の付着が簡易に行えて、かつ着用者の腰部周りにテープ付きおむつを適所に維持できるように伸縮可能であってもよい。また、後耳部40は、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、こうした弾性のある耳部は、吸収性物品の側部を拡張及び収縮させることができるため、吸収性物品が排出物を含んだときに、相当後でも着用している間中このフィット感を維持することによって、より快適かつ体に巻き付くようなフィット感を提供するために、弾性又は伸長可能であってもよい。
【0077】
弾性腰部機構
吸収性物品は更に、改善したフィット及び封じ込めを提供する上で役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構(図示せず)を備え得る。弾性腰部機構は、一般的に、弾性的に伸縮して、着用者の腰に動的にフィットするように意図したものである。この弾性腰部機構は、吸収性コア28の少なくとも一方の腰部縁部から少なくとも長手方向に外側に延在してもよく、吸収性物品の末端縁部の少なくとも一部を概ね形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性腰部機構を有するように構成され得るが、一方は、前側腰部領域に定置され、他方は、後側腰部領域に定置される。弾性腰部機構は、米国特許第4,515,595号、米国特許第4,710,189号、米国特許第5,151,092号、米国特許第5,221,274号、米国特許出願公開第2012/0330262号、米国特許出願公開第2012/0330263号及び米国特許出願公開第2012/0330264号に記載されたものを含め、多くの様々な構成で構築されてもよい。
【0078】
各層同士の関係
通常、隣接する層及び構成要素は、層の表面の全体若しくは一部へのスロットコーティング若しくは吹き付けによる接着剤コーティング、又は、熱結合、圧力結合、若しくはそれらの組み合わせなど、従来の結合法を用いて互いに接合され得る。吸収性物品の層同士の結合は、存在していても、存在していなくてもよい。結合は、明瞭性及び可読性のために、図示していない(レッグカフ34の直立型要素とトップシート24との結合を除く)。接着剤は、バックシート25とコアラップとの間で、種々の層の接着性を改善するために使用され得る。糊剤は、当該技術分野で既知の任意の適したホットメルト糊剤であってよい。
【0079】
捕捉層52がLMS 50内に存在する場合、この捕捉層が、長手方向及び/又は横方向寸法が分配層54より大きいか、又は少なくとも同じ大きさであることは、所望され得る。このため、分配層54は、捕捉層52の上に配設され得る。これにより、捕捉層がストック材料のロールから広げられ得る不織布である場合に、特に取り扱いが簡略化される。分配層54はまた、吸収性コアのコアラップの上面又は吸収性物品の別の層に直接配設されてもよい。また、分配層よりも大きい捕捉層52を有することで、捕捉層を貯蔵コアに直接糊付けすることが可能になる(より大きい面積で)。このことにより、増大したパッチ一体性及びより優れた液体連通が提供され得る。
【0080】
吸収性コア、及び特にその吸収性材料堆積区域8は、液体管理層と少なくとも同じ大きさ及び長さであってもよく、また、液体管理層よりも少なくとも部分的に大きい及び/又は長くてもよい。これは、コア中の吸収性材料が、より効果的に流体を保持し、LMS 50よりも大きい面積にわたって乾燥性の利益をもたらすことができるためである。吸収性物品は、矩形のSAP層及び非矩形(成形)LMS 50を有してもよい。吸収性物品はまた、矩形(非成形)LMS 50及びSAPの矩形層を有してもよい。
【0081】
液体管理システム
本開示のLMS 50は、捕捉−分配システム(「ADS」)又は捕捉システムと称されることもある。LMS 50の1つの機能は、効率的な方式で流体を迅速に捕捉し、それを吸収性コアに分配することである。LMS 50は、1つ、2つ、又はそれ以上の層を備えてもよく、それらの層は一体の層を形成してもよく、あるいは互いに付着され得る個別の層として残っていてもよい。ある形態において、LMS 50は2つの層、つまり、分配層54と捕捉層52とを備え、捕捉層52は吸収性コアとトップシートとの間に配設されているが、本開示はこの形態に限定されない。
【0082】
LMS 50は流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るために、SAPを含み得る。他の形態では、LMSは、SAPを実質的に含まなくてもよい(例えば、80%、85%、90%、95%又は99%非含有である)か、又は完全に含まなくてもよい。また、LMSは、例えば、連続気泡発泡体、エアレイド繊維又はカーディングされた樹脂結合不織布材など、1つ又は複数の様々な他の適した種類の材料を含んでもよい。LMSの適した例は、例えば、国際出願公開第2000/59430号(Daley)、国際出願公開第95/10996号(Richards)、米国特許明細書第5,700,254号(McDowall)及び国際出願公開第02/067809号(Graef)に記述されている。本明細書に開示する任意の実施例LMS 50も、吸収性物品内の(1)液体透過性材料若しくはトップシート又は第2のトップシートと吸収性コアとの中間、(2)吸収性コアと液体不透過性材料又はバックシートとの間、(3)吸収性コアと液体分配層との中間、(4)液体分配層と液体不透過性材料若しくはバックシートと中間に位置付けることができるか、又は他の方法で吸収性物品中に配置されてもよい。ある形態では、二つ以上のLMS 50が吸収性物品内に提供されてもよい。1つ又は複数のLMS 50は、1つ又は複数の吸収性コア上及び下に提供されてもよい。
【0083】
分配層
特定の形態では、LMS 50は分配層54を含んでもよい。分配層54は例えば、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は捲縮されるか、撚り合わされるか、若しくはカールされてもよく、又は、捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。この種類の材料は、米国特許出願公開第2008/0312622 A1号(Hundorf)に開示されている。架橋セルロース繊維は、製品パッケージ内の圧縮に対して、又は、例えば、赤ちゃんの重量下での使用状況下において、第1の吸収性層に対して、高い復元力、及びそれ故高い耐性を付与する。これにより、コアに、高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用が付与されるので、漏れが減り、乾燥状態が改善される。
【0084】
分配層に適した例示的化学架橋セルロース繊維は、米国特許明細書第5,549,791号、同第5,137,537号、国際公開第9534329号、又は米国特許出願公開第2007/118087号に開示されている。例示的な架橋剤は、クエン酸などのポリカルボン酸並びに/又はアクリル酸及びマレイン酸コポリマーなどのポリアクリル酸を含む。
【0085】
本開示の架橋セルロース繊維を含む分配層54は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、有利にも、層の重量に対して、少なくとも50%、又は60%、又は70%、又は80%、又は90%、又は更には100%以下の架橋セルロース繊維(架橋剤を含む)を含んでもよい。このような架橋セルロース繊維の混合層の例としては、約70重量%の化学架橋セルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)繊維、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を挙げることができる。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約70重量%、リヨセル繊維を約20重量%、及びPET繊維を約10重量%含んでもよい。別の例では、層は、化学架橋セルロース繊維を約68重量%、未処理のパルプ繊維を約16重量%、及びPET繊維を約16重量%含んでもよい。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約90〜100重量%含んでもよい。
【0086】
分配層54は、米国特許明細書第5,137,537号で開示されている手順に示されている通りに測定して、25〜60、又は30〜45の保水値を有する材料であってもよい。
【0087】
分配層は、典型的には、平均坪量30〜400g/m
2又は100〜300g/m
2を有してもよく、具体的には、上述の範囲又はその中又はそれによって形成される任意の範囲内で全て1.0g/m
2の増分である。分配層の密度は、吸収性物品の圧縮度に応じて変化し得るが、その密度は、0.03〜0.15g/cm
3又は0.08〜0.10g/cm
3であってもよく、具体的には、上述の範囲又はその中又はそれによって形成される任意の範囲内で全て1.0g/cm
3の増分であり、2.07kPa(0.30psi)にて測定される。
【0088】
捕捉層
特定の形態では、LMS 50は、代替的に又は追加的に分配層52を含んでもよい。ある形態では、捕捉層52は、例えば、分配層54とトップシート24との間に配設されてもよい。捕捉層52は、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又は、それとは代わりに、カーディングを施された化学接合された不織布を含む、SMS又はSMMS材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの形態では、捕捉層52は、エアレイド又は湿式レイドセルロース、架橋セルロース、若しくは合成繊維、又はこれらのブレンドを含んでもよい。特定の形態では、捕捉層52は、合成繊維のロールストックウェブ(中実形態の形成によるなど、空隙を増加させるために処理されてもよい)、又は嵩高材料を形成するために接着された合成繊維及びセルロース繊維の組み合わせを含んでもよい。あるいは、捕捉層52は、吸収性連続気泡発泡体を含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。捕捉層の例は、米国特許第7,786,341号に開示されている。用いられる繊維が、中実で円形又は円形で中空のPETステープル繊維(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60の混合)である場合は特に、カーディングされた樹脂結合不織布が用いられてもよい。例示的な結合剤は、ブタジエン/スチレンラテックスである。不織布は、加工ラインの外側で製造され、ロール材料として保管及び使用され得るという利点を有している。捕捉層52は、例えば、スチレンーブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)などラッテクス結合剤により安定化されてもよい。
【0089】
上述した第1の捕捉層に加えて、更なる獲得層が使用されてもよい。例えば、ティッシュ、不織布又は他の層が、第1の捕捉層と分配層との間に置かれてもよい。ティッシュは、上述した捕捉層と比較して、毛管現象による分配特性を向上させ得る。ティッシュ、不織布又は他の層及び第1捕捉層は、同じサイズ又は異なるサイズであってもよい。例えば、ティッシュ、不織布又は他の層は、第1捕捉層よりも吸収性物品の後部に更に延在してもよい。親水性ティッシュの例は、供給業者Havixによるセルロース繊維から作製された、13〜15gsmの高湿潤強度である。
【0090】
捕捉層52のベース基材の繊維を形成するために使用される組成物には、熱可塑性ポリマー材料及び非熱可塑性ポリマー材料が含まれ得る。熱可塑性ポリマー材料は、溶融紡糸に適したレオロジー特性を有する必要がある。ポリマーの分子量は、ポリマー分子間の絡み合いを可能にするうえで充分でなければならず、なおかつ溶融紡糸を可能とするだけ充分に低くなければならない。溶融紡糸のためには、熱可塑性ポリマーは、約1,000,000g/mol未満、約5,000g/mol〜約750,000g/mol、約10,000g/mol〜約500,000g/mol、及び約50,000g/mol〜約400,000g/molの分子量を有する。他に特に断らない限りは、示される分子量は数平均分子量である。
【0091】
熱可塑性ポリマー材料は、短繊維用の紡糸延在プロセス又はスパンボンド連続繊維プロセスなどの既知のプロセスで典型的に見られるように、比較的急速に、好ましくは延在流動の下で固化して、熱安定性である繊維構造を形成することが可能である。ポリマー材料としては、これらに限定されるものではないが、ポリプロピレン及びポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン及びポリエチレンコポリマー、ポリエステル及びポリエステルコポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリアクリレート、並びにこれらのコポリマー及びこれらの混合物が挙げらることができる。他の適したポリマー材料としては、米国特許出願公開第2003/0109605(A1)号及び同第2003/0091803号に詳細に述べられるような熱可塑性デンプン組成物が挙げられる。その他の適したポリマー材料としては、エチレンアクリル酸、ポリオレフィンカルボン酸のコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリマーについては、米国特許第6,746,766号、同6,818,295号、同6,946,506号、米国特許出願公開第03/0092343号に開示されている。一般的な熱可塑性ポリマー繊維等級の材料が使用されてもよく、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート系樹脂、及びポリエチレン系樹脂、並びにこれらの組み合わせがある。いくつかの形態は、ポリエステル及びポリプロピレン系樹脂を使用する。
【0092】
本開示における使用に適した熱可塑性ポリマーの非限定的な例としては、脂肪族ポリエステルアミド;脂肪族ポリエステル;ポリエチレンテレフタレート(PET)及びコポリマー(coPET)、ポリブチレンテレフタレート及びコポリマーを含む芳香族ポリエステル;ポリトリメチレンテレフタレート及びコポリマー;ポリプロピレンテレフタレート及びコポリマー;ポリプロピレン及びプロピレンコポリマー;ポリエチレン及びポリエチレンコポリマー;脂肪族/芳香族コポリエステル;ポリカプロラクトン;ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヘキサノエート)、又は本明細書に参照により援用するNodaに付与された米国特許第5,498,692号に参照される他の高分子量(ヒドロキシブチレート−コ−アルカノエート)を含むポリ(ヒドロキシアルカノエート);脂肪族ポリオール(すなわち、ジアルカノイルポリマー)から誘導されたポリエステル及びポリウレタン;ポリアミド;ポリエチレン/ビニルアルコールコポリマー;乳酸ホモポリマー及び乳酸コポリマーを含む乳酸ポリマー;ラクチドホモポリマー及びラクチドコポリマーを含むラクチドポリマー;グリコリドホモポリマー及びグリコリドコポリマーを含むグリコリドポリマー;並びにこれらの混合物が挙げられる。更なる例には、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステル、脂肪族/芳香族コポリエステル、乳酸ポリマー、及びラクチドポリマーが含まれる。
【0093】
適した乳酸ポリマー及びラクチドポリマーとしては、一般に約10,000g/mol〜約600,000g/mol、約30,000g/mol〜約400,000g/mol、約50,000g/mol〜約200,000g/molの範囲の重量平均分子量を有する、乳酸及び/又はラクチドのホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。市販のポリ乳酸ポリマーの例としては、コロラド州ゴールデン所在のChronopol Incorporationより販売される各種のポリ乳酸、及びEcoPLA(登録商標)の商品名で販売されるポリラクチドが挙げられる。適した市販のポリ乳酸の例としては、Cargill DowからのNATUREWORKS及び三井化学株式会社からのLACEAがある。約160℃〜約175℃の溶融温度を有するポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーが使用され得る。ポリL−乳酸、及びD異性体レベルが最大で75%であるポリD,L−乳酸などの修飾ポリ乳酸及び異なる立体配置を使用することもできる。高溶融温度のPLAポリマーを作り出すためのD異性体及びL異性体の任意のラセミ混合物も使用され得る。これらの高溶融温度PLポリマーは、180℃を超える溶融温度の特別なPLAコポリマーである(尚、D−異性体及びL−異性体は異なるステレオモノマーとして取り扱われることは理解されよう)。これらの高い溶融温度は、平均的な溶融温度を上げるために結晶子径の特別な制御によって実現される。
【0094】
使用される特定のポリマー、プロセス、及び繊維の最終用途に応じて、1種類よりも多いポリマーが望ましい場合もある。本開示のポリマーは、繊維の機械的特性、繊維の不透明度を高め、繊維と流体の相互作用を最適化し、溶融物の加工性を高め、繊維の細径化性を高める量で存在する。ポリマーの選択及び量は、繊維が熱的に結合可能であるか否かを更に決定し、最終製品の柔軟性及びテクスチャに影響する。本開示の繊維は、単一のポリマー、ポリマーのブレンドを含むか、あるいは2種類以上のポリマーを含む複合繊維であってよい。本開示における繊維は熱結合性のものである。
【0095】
多組成ブレンドが望ましい場合もある。例えば、この方法を用いてポリエチレンとポリプロピレンのブレンド(以後、ポリマーアロイと呼ぶ)を混合及び紡糸することができる。別の例は、粘性又はモノマー含量が異なるポリエステルのブレンドである。区別可能な化学種を各要素に含有する多成分繊維を製造することもできる。その非限定的な例としては、25メルトフローレート(MFR)のポリプロピレンと50MFRのポリプロピレンとの混合物、及び25MFRのホモポリマーポリプロピレンと、コモノマーとしてのエチレンとポリプロピレンとの25MFRのコポリマーとの混合物が挙げられる。
【0096】
ポリマー材料は、110℃超、130℃超、145℃超、160℃超、又は200℃超の溶融温度を有してもよい。高いガラス転移温度のポリマーが望ましい場合がある。最終用途形態の繊維において、ガラス転移温度は、−10℃超で使用される場合があり、これは、0℃超、20℃超、又は50℃超である。こうした特性の組み合わせは、高温において安定である繊維を生成する。この種の材料の例としては、ポリプロピレン、ポリ乳酸系ポリマー、及びポリエステルテレフタレート(PET)系のポリマー系がある。
【0097】
液体管理システム内のチャネル
吸収性物品20のLMS 50は、一般に、着用者の解剖学的構造に対して吸収性物品をより良く一致させることが可能であるチャネルを含んでもよく、これによって動作の自由度が増し、間隙が減少する。LMS 50の1つ又は複数のチャネルは、上述のように吸収性コア28内の様々なチャネルに合わせて動作するように構成されていてもよい。更に、LMS 50内のチャネルは、また、吸収性物品内で、尿、糞便又は他の体内排出物を保持し、分配させるために、空隙の増加がもたらされてもよく、これによって、漏出及び皮膚の接触の低減に繋がる。いくつかの形態では、LMS 50内のチャネルも、特に、テクスチャ、色、及び/又はパターンの物理的相違を介して強調表示されるとき、内部の有用なしるしを提供し、着用者において、正確な吸収性物品の位置合わせを容易に行うことができる。このため、こうした物理的相違は、例えば、視覚及び/又は触覚により顕著であってもよい。
【0098】
吸収性コア28内のチャネルと同様に、LMS 50内のチャネルも、層内における任意の領域であってもよく、又は、2つ以上の層から延在していてもよく、上記「チャネル」の定義に記載の通り、周囲材料よりも、実質的に低い坪量又は厚さを有する。また、LMS 50内のチャネルは、制御された屈曲を有効にする張力の低減させ、及びLMS 50を吸収性コア28にごく近接させて保持するのに役立ち得る。このため、LMS 50内にチャネルが存在することによって(これは、下にある吸収性コア28内の任意のチャネルと位置合わせされていても、されていなくてもよい)、概して、ヒンジとして機能することができ、より柔軟な複合構造が可能になる。例えば、いくつかの場合には、LMS 50のチャネルにより、制御された屈曲配置にあるLMS 50は吸収性コア28に向かって移動することが可能になり、これによってLMS 50と吸収性コア28との間の分離が制限される。更に、特定の形態では、LMS 50内のチャネルは、流体又は他の身体排出物を吸収性物品20の1つの領域から吸収性物品20の別の領域への経路を指定する補助をし得る。こうした経路の指定により、吸収性物品20を介する流体の全体の分配が望ましく改善され得、また、物品の快適性、耐久性又は寿命の向上に繋がり得る。
【0099】
多層LMSでは、チャネルはLMS 50の1つ又は複数の層に存在してもよく、3つ全ての基準面で寸法が変化してもよい。ある形態では、LMS 50内の所与のチャネル幅は、長手方向(すなわち、吸収性物品の長手方向軸線に実質的に平行な方向)において変動し得る。また、チャネルは、吸収性物品の横軸線又は横方向分離要素の正面では、横軸線又は横方向分離要素の背部とは異なる幅、長さ、及び/又は容積を有し得る。LMS 50のチャネルは、吸収性コア28に関する上記のチャネルに類似している幅、長さ、形状、量及びパターンの範囲を有してもよい。
【0100】
特定の形態では、吸収性物品の後部のLMS 50内のチャネルは、排便「BM」チャネル又はBMポケットと称されてもよく、また、概して、吸収性物品の後部において、長手方向中心線と位置合わせするか、又は重なり合ってもよいか、又は他の方法で配置されてもよい。チャネルのある部分は、概して、着用者の坐骨と位置合わせされるようにLMS 50内に位置付けられてもよく、また、例えば、約10mm〜約30mmの範囲の幅を有してもよい。この位置の後部では、チャネル幅は、徐々に又は急激に、例えば、約25mm〜約150mm増大していても、又はしていなくてもよい。ある形態では、チャネル幅は、吸収性物品の後側腰部領域に近づくにつれて、再び減少してもよい。チャネルの容積は、例えば、約10cm
3〜約200cm
3の範囲内であってもよい。最大チャネル幅と着用者の坐骨の幅との比率は、約1.5〜約15の範囲であってもよい。ある形態では、LMS内の全てのチャネルの全容積の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%又は少なくとも約85%は、横方向中心線の後部にあってもよい。ある形態では、LMS内の全てのチャネルの全容積の少なくとも約60%〜約85%は、横方向中心線の後部にあってもよい。
【0101】
LMS 50中の1つ又は複数のチャネルは、吸収性コア28内のチャネルと少なくとも部分的に重なっていてもよく、又は完全に重なっていてもよく、重なっている領域では、より深い凹部が形成される。LMS 50が二つ以上の層を含む形態では、吸収性コア28に最も近い層はチャネルを含み得る。トップシート24、捕捉層52、分配層54又は他の層などの構造内の1つ又は複数の層は、この領域における吸収性コア28の要素に結合させて、組み合わせたチャネルの深さを増大させ得る。ある形態では、LMS 50の捕捉層52内のチャネル及び吸収性コア28内のチャネルは、チャネルが完全に重なり合うように一致する。別の形態では、LMS及び貯蔵層内のチャネルに重なり合う領域は有していない。他の形態は、部分的に重なり合うような介入範囲を包含する2つの層内のチャネル間に垂直の重なりを有する。チャネルの例示的配置は、これらは、
図13〜
図28を参照して以下により詳細に記載される。
【0102】
トップシート24が開口部を含む形態では、開口部は、LMS 50内の少なくとも1つのチャネルにと完全に又は部分的に位置合わせしていてもよく、又はLMS 50内の少なくとも1つのチャネルと重なり合ってもよく、他の形態では、開口部は、LMS 50内の任意のチャネルと位置合わせしていなくてもよい。いくつかの形態では、吸収性物品20の衣類に面する側面上及び/若しくは着用者側面上又は吸収性物品20の衣類に面する側面及び/若しくは着用者側面に近接する少なくとも1つの層は、パターン、画像、色又は色合いを含んでもよく、その結果、LMS 50のチャネルの視覚的独自性が増大し、内部の有用なしるしとして役立ち、着用プロセス中の着用者に対して吸収性物品の更に正確な位置合わせを容易に行うことができる。
【0103】
再び
図1〜5を参照すると、図示した実施例形態のLMS 50が、2つのチャネル49、49’を画定していることがわかる。チャネル49、49’は、吸収性物品80の長手方向(すなわち、長手方向ベクター要素を有する)に少なくとも部分的に配向されている。LMS内の他のチャネルは、少なくとも一部横方向又は任意の他の方向に配向されてもよく(すなわち、側部ベクトル要素を有する)、LMS 50内のチャネルは、連続していても、断続していてもよい。LMS内のいくつかのチャネルは、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形又は他の適した形状であってもよい。チャネルは、吸収性物品の長さLの少なくとも10%である吸収性物品の長手方向軸線80上に突き出る長さを有してもよい。チャネルは、様々な方法で形成されてよい。例えば、チャネルは、捕捉材料又は分配材料を実質的に含まないか、又は含まなくてもよいLMS 50内のゾーンによって形成されていてもよい。
【0104】
いくつかの形態では、LMS 50のチャネルは、長手方向に延在する2つのチャネル49、49’により
図1に示すように、吸収性物品の股点C又は横方向軸線90と同じ長手方向の平面に少なくとも存在し得る。チャネルはまた、股領域7から延在してもよく、又は吸収性物品の前側腰部領域5及び/若しくは後側腰部領域6に存在してもよい。
図1では、チャネル49、49’は、概して、チャネル26、26’と一致し、チャネル26、26’は、吸収性物品20の前側腰部縁部10に向かって長手方向により長い長さを有する。
【0105】
LMS 50は、少なくとも1つ、3つ以上のチャネル、少なくとも3つのチャネル、少なくとも4つのチャネル、少なくとも5つのチャネル、又は少なくとも6つ以上のチャネルなど、任意の適した数のチャネルを画定し得る。例えば、LSM 50の後側腰部領域6又前側腰部領域5に、より短いチャネルがまた存在してもよい。LMS 50のチャネルは対称的に配置された1対以上のチャネルを含んでもよいか、又は別の方法で、長手方向軸線80及び/又は横軸線90又は他の横軸線に対して配置されてもよい。
【0106】
LSM 50のチャネルは、実質的に長手方向に延在し得るが、これは、各チャネルが横方向よりも長手方向により延在し、(それぞれの軸線上で突き出した後に測定して)横方向よりも長手方向に少なくとも2倍延在するという意味である。他の形態では、LSM 50のチャネルは、実質的に横方向に延在し得るが、これは、各チャネルが、長手方向よりも横方向により延在し、(それぞれの軸線上で突き出した後に測定して)長手方向よりも横方向に少なくとも2倍延在するという意味である。
【0107】
吸収性コア内のチャネルに類似して、LMS 50のチャネルは、完全に長手方向及び長手方向軸線に対して平行に配向されてもよく、若しくは完全に横方向にかつ横軸線に対して平行に配向されてもよいが、湾曲しているか、又は曲面要素と直線要素とを組み合わせたものを有してもよい。様々な形態では、いくつかの又は全てのチャネル、特に股領域7に存在するLMS 50のチャネルは、一対のチャネル49及び49’については、例えば
図1に表されるように、長手方向軸線80に向かって屈曲するように、長手方向軸線80に対して凹型であってもよい。また、チャネル49、49’は、長手方向軸線80から離れて屈曲するか、又は任意の他の適した配置を有するように、凸型であってもよい。チャネル49、49は、概して、吸収性コアにおいて、チャネル26、26’と位置合わせしてもよいが、本開示は、そのように限定するものではない。曲率半径は、典型的には、吸収層の平均横断寸法と少なくとも等しくあってもよく(この平均横断寸法の少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍であってもよい)、かつ真っ直ぐであるが、1辺が長手方向軸線に平行で、(例えば5°から)最大30°、又は例えば最大20°、又は最大10°の角度をなしていてもよい。チャネルに関して、曲率半径は一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。これは、更に、チャンネルの2つの部分の間の角度が少なくとも120°、少なくとも150°である場合、またこれらのいずれかの場合において、チャンネルの長手方向延在が横断方向延在を超える場合、その内部に角度を有するチャンネルを含んでもよい。また、LMS 50のチャネルは、分岐していてもよい。例えば、股領域7の長手方向軸線で重なり合っている中心チャネルは、吸収性物品の後側腰部縁部12及び/又は前側腰部縁部10に向かって分岐する。いくつかの形態では、吸収性物品の長手方向軸線80に一致するLMS 50内にチャネルはない。長手方向軸線80に対して、対称対として存在するとき、チャネルは、それらの全長手方向寸法にわたって相互に離間配置されてもよい。最小の間隔距離は、例えば、少なくとも5mm、少なくとも10mm、又は少なくとも15mmであり得る。
【0108】
更に、このため、流体漏出リスクを低減するために、LMS 50のチャネルは完全にLMS 50内に包含されてもよい。チャネルとLMS 50の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも5mmであってよい。
【0109】
LMS 50のチャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って幅Wc2(
図1)を有し得るが、この幅Wc2は、少なくとも2mm又は少なくとも3mm又は少なくとも4mm、最大で例えば20mm、又は16mm又は20mmである。チャネルの幅は、実質的にチャネルの全長にわたって一定であってもよく、又はその長さに沿って変動してもよい。LMS 50のチャネルは、吸収性コア28内のチャネルの幅Wc1と類似であるか、又は異なる幅Wc2を有し得る。
図1に示す形態では、Wc1は実質的にWc2と同じであり、吸収性コア28内のチャネルの長さは、チャネル26、26’が前側腰部縁部10により接近して延在するように、LMS 50内のチャネルの長さを超えてもよい。しかし、他の形態では、チャネル49、49’は、前側腰部縁部10により接近して延在してもよい。
【0110】
LMS 50内のチャネルが材料含有ゾーンによって形成される場合、チャネルの幅(Wc2)は材料非含有の幅であると見なされ、チャネル内にトップシート24又は他の層が場合によっては存在することが無視される。チャネルは低減された坪量のゾーンによって形成されている場合、チャネルの幅は低減された坪量のゾーンの幅であってもよい。
【0111】
LMS 50内のチャネルの少なくとも一部又は全てが耐久性チャネルであり、それの意味するところは、それらの完全性が乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に保たれるということである。耐久性チャネルは、例えば、接着材料の繊維性層、又はチャネルの壁内の吸収性材料と基材との粘着を補助する構成糊剤など、1つ又は複数の接着材料を提供することにより得られてもよい。また、耐久性チャネルは、LMS 50のチャネルを介して、トップシート24がバックシート25と一緒に結合することによって形成されてもよい。典型的には、チャンネルを介してトップシート24及びバックシートを結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合されてもよい。トップシート24及びバックシート25は、チャネルの一部又は全部に沿って、又はチャネルの一部又は全部内で連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。吸収性材料に流体が完全に充填されると、チャネルは、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通じて依然として視認可能であるか、又は視認可能となり得る。いくつかの形態では、チャネルが尿又は糞便を含むと、又は身体排出物が少なくともチャネルに最も近いと(身体排出物がトップシート24上にあるが、チャネル内にはないように)、衣類に面する面を介してチャネルが見えるように、LMS 50のチャネルは吸収性コア28のチャネルと位置合わせしてもよい。こうしたチャネルは、吸収性物品を交換する必要のある介護者に可視表示を提供し得る。他の形態では、図形によるインジケータ又は単に図形は、チャネル内に含まれる身体排出物が視覚的に不明瞭であるために、チャネルの近位にて、チャンネルを超えた又はチャネルを一部超えた外側表面又は吸収性物品の他の層に印刷される。
【0112】
特定の形態では、インジケータは、例えば、吸収性物品の交換が必要なときに目視で示されるように、1つ又は複数のバックシート、バックシートフィルム及び/又は不織布ダスティング層上に含まれてもよい。インジケータは、尿及び/又は糞便の存在下で状態を切り換えるように構成されていてもよい。インジケータは、例えば、白色又は透明から青色に変化する線又は図形であってもよい。また、インジケータは、一旦尿がチャネル内に存在すると消失する「乾燥」などの文字であってもよい。インジケータは、尿の存在下において表示される「濡れている」という文字であってもよい。他の任意の適したインジケータ又はインジケータの複数も利用可能である。
【0113】
図1を参照すると、ある形態では、LMS 50は、少なくとも2つのチャネルを含んでもよい(例49、49’)。これらのチャネルは、不織布材料又は架橋セルロース繊維を含まないか、又は実質的に含まず(例えば、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満)、少なくとも部分的に長手方向に配向されていてもよく、かつ/又は少なくとも部分的に横方向に配向されていてもよい。様々な形態では、長手方向軸線80周囲のチャネル49及び49’の長手方向長さは、同じか、実質的に同じであってもよく(例えば、お互いに2mm以下以内)、又は異なってもよく、長手方向軸線80周囲のチャネル49及び49’の長手方向長さは、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。チャネル49及び49’の長手方向長さを超える平均横幅は、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。
【0114】
図4〜5の吸収性物品の例LMS 50は、
図9〜10に切り離して示し、
図10は、
図9の10−10線周囲で切り取ったLMS 50の断面図である。LMS 50は、前側281と、後側283と、前側281及び後側283を結合する2つの長手方向側285、287とを含むことができる。LMS 50はまた、概して平面である上面及び概して平面である底面を備え得る。LMSの前側281は、吸収性物品の前側腰部縁部10に向けて配置されるように意図されるLMSの側部である。LMS 50は、
図1においてのように平面図で上部から見て、吸収性物品の長手方向軸線80に実質的に対応する長手方向軸線80’’を有してもよい。LMS 50は、1つ又は複数の層を含み得る。図示した形態では、LMS 50は、チャネル49、49’を画定するために協働する分配層54及び捕捉層52を含む。他の形態では、LMS 50の一部の層は、LMS 50の少なくとも1つの層が連続であり、LMS 50の別の層は不連続であるように、チャネルを画定し得る。
【0115】
特定の形態では、LMS 50は粒子を保持するように構成されている上述のコアラップと類似したラップ又はバッグを含み得る。一実施例では、ラップは、概して、吸上/捕捉材料として機能する機能性吸収性材料(「FAM」)を含んでもよい。特定の形態では、FAMは連続気泡発泡体を含んでもよく、コヒーレントウェブ又はシートの形態若しくは特定の形態では、高内相エマルション(以下、「HIPE」と称する)から調製され、これらは、((1994年7月9日発行米国特許出願第5,331,015(DesMarais et al.)、1993年11月9日発行同第5,260,345号(DesMarais et al.)、1993年12月7日発行同第5,268,224号(DesMarais et al.)、1997年5月27日発行同第5,632,737号(Stone et al.)、1995年2月7日発行同第5,387,207号(Dyer et al.)、1998年7月28日同第5,786,395号(Stone et al.)、1998年8月18日発行同第5,795,921号(Dyer et al.)、1998年7月23日発行(米国特許出願第5,770,634(Dyer et al.)、1998年5月19日発行同第5,753,359号(Dyer et al.)、及び1997年5月27日発行同第5,633,291号(Dyer et al.))、(Bhumgara,Z.Filtration & Separation、1995年3月同第245〜251号;Walsh et al.J.Aerosol Sci.1996,27,同第5629〜5630号、10月16日公開国際公開出願第97/37745号、Shell Oil Co.)に記述される通りである。
【0116】
液体分配システム
また、収性物品は、液体分配システム(「LDS」)71を含み得る(例えば、一般に、
図4、
図5、
図11及び
図12に示す通り)。LDS 71は、吸収性物品の各種の層の間に配置されてもよい。例えば、ある形態では、LDS 71は、LMSと液体透過性材料との間に位置し得る。別の形態では、LDS 71は、吸収性コアと液体不透過性材料との間に位置し得る。更に他の形態では、LDS 71は、LMSと吸収性コアとの間に位置し得る。LDS 71は、吸収性コアの異なる層の間に、又は第1の吸収性コアと第2の吸収性コアとの間に配置されてもよい。LDS 71は、1つ、2つ、又はそれ以上の層を備えてもよく、それらの層は一体の複合構造を形成してもよく、あるいは互いに付着され得る個別の層として残っていてもよい。ある形態では、二つ以上のLDS 71が、任意の適した位置で吸収性物品内に提供されてもよい。更に、LDS 71は、任意の適したサイズであってもよく、また、周辺部は、矩形、楕円形、円形、「T」形状、「Y形状」「砂時計」形状、「犬の骨」形状、任意の他の閉多角形形状、又は任意の他の開形状又は閉じ形状など、任意の適した形状を画定し得る。
【0117】
LDS 71は、流体(例えば、尿)を最初の流体充填点から離れた点に吸収させ、分配するために機能し得る。LDS 71は、縦方向に吸上げするために機能することができ、これは、重力と反対の方向の流体吸上げである。LDS 71の別の例示的特性は、LDS 71が接触している構造又は層と競合している吸収性構造又は層からの流体の捕捉/排出(例えば、捕捉材料、吸収性コア)を行うその能力である。例えば、LDS 71は、吸収性物品内で流体を分配し、その技術は、米国特許明細書第6,570,057号、米国特許明細書第6,083,210号、米国特許明細書第5,827,253号、米国特許明細書第5,549,589号、及び米国特許明細書第5,800,416号に記述されている技術と類似している。
【0118】
LDS 71は、例えば、連続気泡発泡体、エアレイド繊維、湿式レイド繊維、不織布材、エアフェルト、又はカーディング処理樹脂結合不織布材料など、1つ又は複数の様々な適した種類の材料を含んでもよい。いくつかの形態では、LDS 71は、マイクロファイバー又は他の適した繊維を含み得る。適した例示的マイクロファイバーは、米国特許明細書第3,525,338号、米国特許明細書第3,525,338号、米国特許明細書第6,590,136号及び米国特許明細書第6,107,538号に記述されている。LDS 71は、高表面積繊維、高表面積連続気泡発泡体、親水性ポリマー発泡体を含む高表面積材料、又は他の適した高表面積材料を含んでもよい。いくつかの形態では、LDS 71は、例えば、架橋セルロース繊維の少なくとも30重量%、少なくとも50重量%、少なくとも70重量%を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、カールされてもよく、又は捲縮、撚り合わせ、及び/又はカールを含む組み合わせであってもよい。この種類の材料は、米国特許出願公開第2008/0312622号に開示されている。LDS 71に適した例示的化学的架橋セルロース繊維は、米国特許明細書5,549,791号、同5,137,537号、国際公開出願9534329号及び米国特許出願公開第2007/118087号に開示されている。例示的な架橋剤は、クエン酸などのポリカルボン酸並びに/又はアクリル酸及びマレイン酸コポリマーなどのポリアクリル酸を含む。また、LDS 71は、湿潤まで薄い(TUW)材料を含んでもよく、その例は、米国特許明細書第4,898,642号、米国特許明細書第4,888,093号、米国特許明細書第5,137,537号、米国特許明細書第5,217,445号及び米国特許明細書第4,822,453号に記述されている。いくつかの形態では、LDS 71は、様々な種類の発泡体又は繊維を含んでもよく、その適した例は、米国特許明細書第6,603,054号、米国特許明細書第6,521,812号、米国特許明細書第6,590,136号、国際公開出願01/80916号、米国特許明細書第3,563,243号、米国特許明細書第4,554,297号、米国特許明細書第4,740,520号及び米国特許明細書第5,563,179号に開示されている。例示的液体分配材料に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2008/0110775号、欧州特許明細書第809991号、欧州特許明細書第810078号及びコロンビア特許明細書第4650275号に開示されている。
【0119】
液体分配システム内のチャネル
図4、
図5、
図11及び
図12に示されている吸収性物品20など、吸収性物品20のLDS 71は、一般に、着用者の解剖学的構造に対して吸収性物品のより良い立体配置が可能であるチャネルを含んでもよく、これによって動作の自由が増し、間隙が減少する。LDS 71のチャネル75、75’(
図5)の1つ以上は、吸収性コア28、LMS 50又は両者を組み合わせたものの中の様々なチャネルに合わせて動作するように構成されていてもよい。更に、LDS 71内のチャネルは、また、吸収性物品内で、尿、糞便又は他の体内排出物を保持し、分配するために、空隙の増加がもたらされてもよく、これによって、漏出及び皮膚の接触の低減を招く。いくつかの形態では、LDS 71内のチャネルも、特に、テクスチャ、色及び/又はパターンの物理的相違によって強調表示されるとき、内部の有用なしるしを提供して、着用者において、吸収性物品20の正確な位置合わせが容易になることもある。
【0120】
また、LDS 71内の1つ又は複数のチャネルは、張力の低減に有用であり、屈曲の制御を可能にし、また、吸収性コア、LMS又は他の層若しくは材料にごく近接させて、LDS 71を維持し得る。このため、LDS 71内にチャネルが存在する(吸収性物品の他の層において、任意のチャネルと位置合わせしても、位置合わせしていなくてもよい)ことによって、概して、ヒンジとして機能することができ、更に柔軟な複合材料構造体が可能になる。更に、他の形態では、LDS 71内のチャネルは、吸収性物品20の1つの領域から吸収性物品20の別の領域へ、又は吸収性コア28の1つの領域から吸収性コアの別の領域へ流体又は他の体内排出物の経路を指定する補助をし得る。こうした経路指定により、吸収性物品20を介する流体の全体の分配が所望により改善されてもよく、また、物品の快適性の増大、摩耗性又は寿命の向上を招く可能性もある。
【0121】
図5のLDS 71は、単一層として図示するが、他の形態では、LDS 71は多層であってもよい。多層LDS 71では、チャネルはLDS 71の1つ又は複数の層に存在してもよく、また、3つ全ての基準面で寸法が変化し得る。ある形態では、LDS 71内の所与のチャネル幅は、長手方向(すなわち、吸収性物品の長手方向軸線に実質的に平行な方向)において変化し得る。また、チャネルは、吸収性物品の横軸線又は横方向分離要素の正面では、横軸線又は横方向分離要素の背部とは異なる幅、長さ、及び/又は容積を有し得る。チャネルの厚さは、Z方向にも変化し得る。LDS 71のチャネルは、例えば、LMS 50に関する上記のチャネルに類似している幅、長さ、形状、量及びパターンの範囲を有してもよい。
【0122】
いくつかの形態では、吸収性物品の後部のLDS内のチャネルは、排便「BM」チャネル又はBMポケットと称されてもよく、また、概して、吸収性物品の後部において、長手方向中心線と位置合わせするか、又は重なり合ってもよいか、又は他の方法で配置されてもよい。チャネルのある部分は、概して、着用者の坐骨と位置合わせするように、LDS 71内に配置されてもよく、また、例えば、約10mm〜約30mmの範囲の幅(具体的には、特定の範囲内で全て1mmの増分)を有してもよい。この位置の後部では、チャネル幅は、徐々に又は急激に、例えば、約25mm〜約150mmまで増大していても、していなくてもよい(具体的には、特定の範囲内で全て1mmの増分)。ある形態では、チャネル幅は、吸収性物品の後側腰部領域又は後側腰部縁部に近づくにつれて、再び減少していてもよい。チャネルの容積は、例えば、約10cm
3〜約200cm
3の範囲内であってもよく、具体的には、特定の範囲内で全て1cm
3の増分である。最大チャネル幅と着用者の坐骨の幅との比率は、約1.5対約15の範囲又はその範囲内の任意の数値であってもよい。ある形態では、LDS内の全てのチャネルの全容積の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%又は少なくとも約85%は、横方向中心線の後部又は全部にあってもよい。ある形態では、LDS内の全てのチャネルの全容積の少なくとも約60%〜約85%は、横方向中心線の後部又は前部にあってもよい。
【0123】
再び
図4、
図5、
図11及び
図12を参照すると、LDS 71内の1つ又は複数のチャネルは、吸収性コア28内のチャネルと少なくとも一部重なっているか、又は完全に重なっていてもよく、重なっている領域では、より深い凹部が形成される。それに替わって、又はそれに追加して、LDS 71内の1つ又は複数のチャネルは、LMS 50内のチャネルと少なくとも一部重なっていてもよく、又は完全に重なっていてもよく、重なっている領域では、より深い凹部が形成される。他の形態では、吸収性コア28及びLMS 50内の1つ又は複数のチャネルは互いに重なってもよいが、LDS 71内の任意のチャネルとは重なっていない。一形態では、LMS 50内のチャネル及びLDS 71内のチャネルは、チャネルが完全に重なり合うように一致する。他の形態では、LMS 50内のチャネルのある部分は、LDS 71内のチャネルのある部分と一致し得る。チャネルの例示的配置は、
図26〜
図28、
図30及び
図35を参照して以下により詳細に記載される。
【0124】
トップシート24が開口部を含む形態では、開口部は、完全に又は一部、LDS 71内の少なくとも1つのチャネルに位置合わせされるか、又はLDS 71内の少なくとも1つのチャネルと重なりあってもよく、他の形態では、開口部は、LDS 71内の任意のチャネルと位置合わせされていなくてもよい。いくつかの形態では、吸収性物品20の衣類に面する側面上及び/若しくは着用者側上又は吸収性物品20の衣類に面する側面及び/若しくは着用者側に最も近い少なくとも1つの層は、パターン、像、色又は色合いを含んでもよく、その結果、LDS 71のチャネルの視覚的独自性が増大し、内部の有用なしるしとして役立ち、着用中、着用者における吸収性物品の更に正確な配置を容易に行うことができる。
【0125】
図4及び
図5を参照すると、図示した例示的形態のLDS 71が、概して、チャネル49、49’及びチャネル26、26’の少なくとも一部と位置合わせされている2つのチャネル75、75’を画定していることがわかる。チャネル75、75’は、吸収性物品20の長手方向(すなわち、長手方向ベクター要素を有する)に少なくとも部分的又は完全に配向されている。LDS 71内の他のチャネルは、少なくとも一部又は完全に横方向(すなわち、側部ベクトル要素を有する)又は任意の他の方向に配向されてもよく、LDS 71内のチャネルは、連続していても、断続していてもよい。LDS内のいくつかのチャネルは、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形又は他の任意の適した形状であってもよい。チャネルは、吸収性物品20の長さLの少なくとも10%以上である吸収性物品20の長手方向軸線80上に突き出る長手方向の長さを有してもよい。チャネルは、様々な方法で形成されてよい。例えば、チャネルは、材料を実質的に含まないか、又は含まなくてもよいLDS 71内のゾーンによって形成されていてもよい。
【0126】
いくつかの形態では、LDS 71のチャネルは、
図4に示すように、少なくとも、吸収性物品の股点C又は横方向軸線90と同じ長手方向のレベルに存在し得る。チャネルはまた、股領域7から延在してもよく、また、吸収性物品の前側腰部領域5及び/若しくは後側腰部領域6に存在してもよい。
図5では、チャネル75、75’は、概して、チャネル49、49’と一致し、チャネル26、26’は、吸収性物品20の前側腰部縁部10に向かって長手方向に、チャネル75、75’よりも長い長さを有する。他の形態では、チャネル75及び75’は、チャネル49、49’及び/又はチャネル26、26’と同じ、又は実質的に同じ長手方向長さを有し得る。
【0127】
LDS 71は、少なくとも1つ、2つ、3つ以上のチャネル、少なくとも3つのチャネル、少なくとも4つのチャネル、少なくとも5つのチャネル、少なくとも6つ以上のチャネルなど、任意の適した数のチャネルを画定し得る。また、例えば、LDS 71の後側腰部領域6又前側腰部領域5に、より短いチャネルが存在してもよい。LDS 71のチャネルは、対称的に配置された1対又は複数対のチャネルを含んでもよいか、又は別の方法で、長手方向軸線80及び/又は横軸線90又は他の横軸に対して配置されてもよい。
【0128】
LDS 71のチャネルは、実質的に長手方向に延在し得るが、これは、各チャネルが横断方向よりも長手方向により延在するか、又は横断方向よりも長手方向に少なくとも2倍延在する(それぞれの軸から突き出した後に測定して)という意味である。他の形態では、LDS 71のチャネルは実質的に横方向に延在し得るが、これは、各チャネルが長手方向よりも横方向により延在し、長手方向よりも横方向に少なくとも2倍延在する(それぞれの軸から突き出した後に測定して)という意味である。
【0129】
LMS 50内のチャネルに類似して、LDS 71のチャネルは完全に長手方向に配向されても、長手方向軸線に対して平行に配向されてもよく、若しくは完全に横断方向に配向されてもよく、横軸に対して平行に配向されてもよいが、更に湾曲しているか、又は曲面要素と直線要素とを組み合わせたものを有してもよい。様々な形態において、いくつかの又は全てのチャネル、特に股領域7内に存在するLDS 71のチャネルは、長手方向軸線80に対して凹状であってもよい。また、チャネルは、長手方向軸線80から離れるように屈曲するか、又は任意の他の適した配置を有するように凸状であってもよい。曲率半径は、典型的には、吸収層の平均横断寸法と少なくとも等しくあってもよく(この平均横断寸法の少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍であってもよい)、及び真っ直ぐであるが、長手方向軸線に平行な線と、(例えば5°〜)最大30°、最大20°、最大10°の角度をなしていてもよい。チャネルに関して、曲率半径は一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。これは、更に、チャンネルの2つの部分の間の角度が少なくとも120°、少なくとも150°である場合、またこれらのいずれかの場合において、チャンネルの長手方向延伸が横断方向延伸を超える場合、その内部に角度を有するチャンネルを含み得る。また、LDS 71のチャネルは、分岐していてもよい。例えば、股領域7の長手方向軸線で重なり合っている中心チャネルは、吸収性物品の後側腰部縁部12及び/又は前側腰部縁部10に向かって分岐する。いくつかの形態では、吸収性物品20の長手方向軸線80に一致するLDS 71内にチャネルがなくてもよい(there is may not be)。長手方向軸線80に対して、チャネルが対称対として存在するとき、チャネルはそれらの全長手方向寸法にわたって互いに離間配置されてもよい。最小の間隔距離は、例えば、少なくとも5mm、少なくとも10mm、又は少なくとも15mmであり得る。更に、流体漏出リスクを低減するには、このため、LDS 71のチャネルは、LDS 71内に完全に包含されてもよい。チャネルとLMS 50の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも50mm又は5mm未満であってよい。
【0130】
LDS 71内のチャネルが、材料非含有ゾーンによって形成される場合、チャネルの幅は、材料非含有ゾーンの幅であると見なされ、チャネル内にトップシート24又は他の層が存在する可能性が無視される。チャネルは低減された坪量のゾーンによって形成されている場合、チャネルの幅は、低減された坪量のゾーンの幅であってもよい。
【0131】
LDS 71内のチャネルの少なくとも一部又は全てが有利には耐久性チャネルであり、それの意味するところは、それらの一体性が、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に保たれるということである。耐久性チャネルは、例えば、接着材料の繊維性層、又はチャネルの壁内の吸収性材料と基材との粘着を補助する構成糊剤など、1つ又は複数の接着材料を提供することにより得られてもよい。また、耐久性チャネルは、LDS 71のチャネルによって、トップシート24をバックシート25と一緒に結合することによって形成されてもよい。典型的には、チャンネルによって、トップシート24及びバックシート25を結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合若しくは熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合されてもよい。トップシート24及びバックシート25は、チャネルの一部又は全部に沿って、又はチャネルの一部又は全部内で連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。吸収性材料に流体が完全に充填されると、チャネルは、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通じて依然として視認可能であるか、又は視認可能となり得る。いくつかの形態では、チャネルが尿又は糞便を収容とき、又は(身体排出物がトップシート24上にあるが、チャネル内にはないときなど)身体排出物が少なくともチャネルに近接しているとき、衣類に面する面を介してチャネルが見えるように、LDS 71のチャネルは吸収性コア28又はLSMのチャネルと位置合わせしてもよい。こうしたチャネルは、介護者に対して、吸収性物品を取り替える必要があるという視認表示を提供し得る。他の形態では、チャネル内に含まれる身体排出物を不明瞭にするために、図形によるインジケータ又は単に図形が、LDS 71内のチャネルに近接する、チャンネルをわたる又はチャネルを部分的にわたる外側表面又は吸収性物品の他の層に印刷される。
【0132】
図5を参照すると、ある形態では、LDS 71は、少なくとも2つのチャネルを含んでもよい(例75、75’)。これらのチャネルは、少なくとも部分的に長手方向に配向されてもよく、かつ/又は少なくとも部分的に横方向に配向されてもよい。各種形態では、(
図4の)長手方向軸線80周囲のチャネル75及び75’の長手方向長さは同じか、実質的に同じであってもよく(例えば、互いから2mm以下の範囲内で)、又は異なってもよく、長手方向軸線80周囲のチャネル75及び75’の長手方向長さは、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。チャネル75及び75’の長手方向長さを超える平均横幅は、同じか、実質的に同じか、又は異なっていてもよい。
【0133】
図11は、吸収性物品の様々な層の分解斜視図である。トップシート及びバックシート、並びに様々な他の構成要素は、
図11には示していない。特に、
図11では、本開示の非限定的な形態によるLMS 50、吸収性コア28及びLDS 71を示す。理解されるように、
図11に示される特定の層は、明瞭性のために簡素化している。例示された形態では、LMS 50は、一般に、吸収性物品28のチャネル26、26’、及び27と位置合わせされているチャネル49、49’、及び45を含む。チャネル26、26’は、一般に、長手方向軸線周囲で対称であり、長手方向軸線に向かって内側に湾曲する。チャネル26、26’は、その長さに沿って横方向距離によって分離される。図示された形態では、横方向距離W1は横方向の分離距離が最も短い場所で示されている。LDS 71は、図示される通り、横幅W2を有するチャネル75を有する。図示する通りチャネル75の構造に依存して、横幅W2は、チャネル75の長手方向の長さに沿って比較的一定であってもよく、又は変動していてもよい。いくつかの形態では、横方向距離W1及び横幅W2は、実質的に同じであってもよく、他の形態では、横方向距離W1は、横幅W2より長くあってもよく、又は横幅W2は、横方向距離W1より大きくてもよい。
【0134】
図12は、吸収性物品の様々な層の分解斜視図である。
図12では、本開示の非限定的な形態によるトップシート24、LMS 50、LDS 71、吸収性コア28及びバックシート25を示す。理解されているように、
図12に示される特定の層は、明瞭性のために簡素化している。図示した形態では、LMS 50では、任意のチャネルを画定せず(画定することはできるが)、LDS 71は、複数のチャネル75を含み、吸収性コア28は、チャネル26、26’を含む。また、トップシート24は、構造セパレータ73を含むか、又はその上に形成された構造セパレータを有する。
図29〜
図36に関して、更に詳細には以下に示す。図示した形態では、第1の部分75Aが構造セパレータ73から後側腰部縁部12に向かって延在し(
図1)、第2の部分75Bは、吸収性物品の前側腰部縁部10(
図1)に向かって延在するように、構造セパレータ73によって、LDS 71の複数のチャネル75の1つが第1の部分75Aと第2の部分75Bとに分離される。
図12は、構造セパレータ73によって画定されるように、実質的に類似した領域を有する第1の部分75A及び第2の部分75Bを示すが、他の形態では、1つの部分は、他の部分よりも広い領域を有してもよい。
【0135】
図1〜10に示す吸収性コア28のチャネル26、26’の部分及びLMS 50のチャネル49、49’は、概して、位置合わせされるが、本開示はそのように限定するものではない。実際に、理解されるように、LMS 50及び/又は吸収性コア28におけるチャネルの特定の配置は変化し得る。
図13〜28は、トップシート24、バックシート25、LMS 50及び吸収性コア28の例示的構成を示す例示的吸収性物品の簡略化した部分的断面図である。
図26〜28は、上述の通り、特に、LDS 71を含む例示的構成を示す。
図13〜28は、幅広いチャネル配置を示しているが、多数の他のチャネル配置は、本開示の範囲内であるため、こうした配置は、単に例示的配置であり、限定するものではない。更に、図のいくつかの様々な態様は、本開示の範囲に逸脱することなく、他の図の配置に組み込まれてもよい。
【0136】
まず
図13を参照すると、LMS 50がチャネル49を画定し、吸収性コア28はいかなるチャネルも画定しない例示的チャネル配置が図示されている。LMS 50は、
図13に、単一層システムとして図示され、他の図の中では、他の形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、多層LMSを含んでもよい点に留意のこと。
【0137】
図14では、LMS 50のチャネル49が、概して、吸収性コア28のチャネル26と位置合わせされている別の例示的チャネル配置を示す。チャネル49及びチャネル26は、類似の幅を有するものとして示しており、他の形態では、2つのチャネルの幅が異なっていてもよい。いくつかの形態では、例えば、チャネル49の幅は、長手方向に、位置合わせされている全ての部分に沿って、チャネル26より広いか、又は狭い。他の形態では、重なり合っている部分に沿ったいくつかのポイントでは、チャネル49及びチャネル26が類似の幅を有する一方で(
図14に示す通り)、重なり合っている部分に沿った他のポイントでは、チャネルは異なる幅を有するように、少なくとも1つのチャネル49及びチャネル26の幅は、長手方向に沿って変化してもよい。例えば、チャネル49は、その長手方向の全長に沿って同じ幅を有する一方でチャネル26は、先が細くなっているか又はフレア形状(逆もまた同様)である部分を有してもよい。いくつかの形態では、LMS 50のチャネル49又はLMS 50のチャネル49の少なくとも一部分は、吸収性コア26(the absorbent core 26)チャネル26と重なり合っていなくてもよい。こうした場合、チャネル49のチャネル幅は、チャネル26のチャネル幅と同じであっても又は異なっていてもよい。加えて、チャネル幅の相対的類似度又は相違度は、チャネル49、26のそれぞれの長手方向長さに沿って変化し得る。
【0138】
図15は、トップシート24のある部分がLMS 50によって画定されているチャネル49及び吸収性コア26(the absorbent core 26)によって画定されているチャネル26内に凹んでいる形態を示す。いくつかの形態では、トップシート24は、断続的に又は継続的にチャネルに沿ってバックシート25に結合され、吸収性物品の着用者に面する側から見える凹部又は溝部を形成している。チャンネルによって、トップシート24及びバックシートを結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合若しくは熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスを使用して、結合を形成してもよい。
【0139】
図16には、トップシート24が、概して、LMS 50によって画定されているチャネル49と位置合わせされている輪郭のある要素24’を含む形態を示す。輪郭のある要素24’は、溝部、隆起部又はトップシート24に形成される他の要素など、任意の適した三次元構造であってもよい。いくつかの形態では、トップシート24の輪郭のある要素24’は、トップシート24の他の領域とは異なる厚さ又は坪量を有する。いくつかの形態では、LMS 50など、吸収性物品の他の層及び/又は吸収性コア28は、それに加えて又はそれに替わって、概して、吸収性物品内のチャネルと位置合わせされている三次元構造を含む。
図15と比較することにより、例えば、
図16の輪郭のある要素24’は、チャネル49内のその相対的位置を維持するために、バックシート25に結合される必要はない。いくつかの形態では、輪郭のある要素24’は、チャネル49及びチャネル26の双方内に凹むように、図示されている実施例より深くてもよい。ある形態では、トップシート24及びバックシート25はいずれも、LMS 50のチャネル26及びチャネル49並びに吸収性コア28内にそれぞれ凹んでいる輪郭のある要素を含む。
【0140】
図17は、トップシート24及びバックシート25がいずれも、それぞれ、LMS50及び吸収性コア28によって画定されるチャネルに凹んでいる形態を示す。
図15に示す形態と同様に、トップシート24は、チャネルに沿って、バックシート25に断続的に又は連続的に結合し得る。任意の適した技法又は技法の組み合わせを使用して、トップシート24とバックシート25とを結合させることができる。更に、図示した形態においては、トップシート24及びバックシート25が、LMS 50と吸収性コア28との間の接合面の近位に結合しているが、本開示はこれに限定するものではない。換言すれば、いくつかの形態では、トップシート24は、バックシート25よりも更に凹んでチャネルとなっていてもよく、若しくは、バックシート25は、トップシート24よりも更に凹んでチャネルとなっていてもよい。
【0141】
図18は、チャネル49及びチャネル26は一部分のみが位置合わせされている形態を示す。この形態では、チャネル49の一部分のみがチャネル26の一部分に重なっている。このような部分的に重なり合っている配置は、長手方向に沿って連続していてもよい。あるいは、チャネル49及びチャネル26は、長手方向に沿って垂直に位置合わせされていてもよく、又はチャネルは、重なっている部分がないように、横方向に偏位させていてもよい。チャネル49とチャネル26との間に重なっている部分がない例示的構成は、
図19に示す。
図20は、LMS 50及び吸収性コア28のそれぞれが、2つのチャネル49、49’、26、27を画定している更に別の形態を示す。図示するように、チャネル49及びチャネル26は、任意の他のチャネルと重なり合っていないが、LMS 50のチャネル49’はチャネル27に重なり、この場合、完全にチャネル27と位置合わせされている。
【0142】
図21は、第1の層50’及び第2の層50’’を備える多層LMS 50を有する形態を示す。いくつかの形態では、第1の層50’は、不織布材料を含み、第2の層50’’は、架橋セルロース繊維を含む。図示した配置では、吸収性コア28がチャネル26を画定し、LMS 50の様々な層がまとまってチャネル49を画定する。第1の層50’は、チャネル49及びチャネル26内に凹んでおり、バックシート25に結合し、これによって、第1の層50’とトップシート24との間に空隙が形成される。
図22は、第1の層50’及び第2の層50’’を備えるLMS 50を有する別の形態を示す。図示した配置では、吸収性コア28はチャネル26を画定し、第1の層50’及び第2の層50’’はいずれもなく、LMS 50がチャネル49を画定する。他の形態では、LMS 50の1つ又は複数の層は、チャネル49内に凹んでいないか、又はLMS 50の1つ又は複数の層はチャネル49内に凹んでいるが、チャネル26には凹んでいない。
【0143】
図23は、第1の層50’が切断されて、チャネル49に沿って折り畳まれ、チャネル49の長手方向に沿って延在するフラップ63を形成する多層LMS 50の形態を示す。フラップ63は、吸収性物品の製造中、第1の層50’とトップシート24との間にサンドイッチ状になっていてもよい。あるいは、フラップ63は、チャネル49によって収容され、チャネル49の壁部に沿って配置されるように、バックシート25に向かって下向きに折り畳まれてもよい。いくつかの形態では、フラップは、チャネル49の長手方向中心線に沿って第1の層50’をスライシングし、その後、フラップを折り畳み、チャネルを露出させることによって形成され得るチャネル49のどちらか一方の側部に存在し得る。
【0144】
いくつかの形態では、チャネルの視覚的表示を提供することが望ましくあり得る。こうした視覚的表示は、任意の適した技法を用いて提供され得る。
図24は、視覚的に異なる層67を備える形態を示す。いくつかの形態では、視覚的に異なる層67は、LMS 50内の他の層のものとは異なるパターン、画像、色及び/又は色合いを含むLMS 50の衣類に面する側にある層であってもよい。視覚的に異なる層67は、トップシート24及びバックシート25のうちの少なくとも1つを通して視認され、チャネル49の視覚的独自性の増大をもたらす。視覚的独自性が増大することにより、内部の有用なしるしとして役立ち、着用プロセス中の着用者に対して吸収性物品の更に正確な位置合わせを容易に行うことができる。
図25は、視覚的に異なる層67を備える別の例示的形態を示す。図示された形態では、視覚的に異なる層67は、吸収性コア28とバックシート25との間に配置される。また、視覚的に異なる層67は、吸収性物品内の他の場所で提供されてもよい。
【0145】
LMS 50及び吸収性コア28に加えて、LDS 71など追加の層を吸収性物品に含むことが望ましい場合もあり、これには、1つ又は複数の層を含むこともある。
図26〜
図28は、LDS 71を含む形態を示す。LDS 71は、
図26及び
図28に示されるように連続していなくてもよく、又は
図27に示されるように連続していてもよい。このため、LDS 71は、吸収性物品内のチャネルを画定する補助を行ってもよいか、又はLMS 50及び/又は吸収性コア28によって画定されるチャネルにまたがってもよい。更に、LDS 71は、所望の液体分配を達成するために吸収性物品の任意の適した層に位置付けられてもよい。
図26及び
図27に示すように、例えば、LDS 71は吸収性コア28とバックシート25との間に位置付けられる。比較すると、
図28では、LDS 71は、LMS 50と吸収性コア28との間に位置付けられている。いくつかの形態では、LDSは、トップシート24とLMS 50との間に位置付けられていてもよい。いくつかの形態では、複数のLDSを有してもよい。
【0146】
分離要素
特定の形態では、吸収性物品の着用者に面する表面は、視認性前部及び後部を有してもよい。視認性前部及び視認性後部は、実質的に横方向に延在する分離要素により分離されていてもよい。例えば、実質的に横方向に延在している分離要素は、吸収性物品のトップシート又はトップシートを通して見える、吸収性物品の他の層に印刷された図形によるしるしであってもよい。いくつかの形態では、実質的に横方向に延在している分離要素は、着用者に面する表面を通して見える着色層の一部分である。更に、視認性前部は、色差及び/又は印刷パターンの差に基づいて、視認性後部とは視覚的に異なっていてもよい。視認性前部と視認性後部との間のこうした可視による分離により、着用中の吸収性物品の適切な配置を補助され得る。
【0147】
いくつかの形態では、実質的に横方向に延在している分離要素は、概して、着用者の会陰部に対応する吸収性物品の領域に配置される(すなわち、尿道及び肛門との間に配設される)構造的セパレータを含む。構造的セパレータにより、例えば、尿の吸収性物品の背部への表面移動及び糞便の吸収性物品の前部への表面移動が制限され得る。構造的セパレータは、任意の三次元機構、又は吸収性物品の着用者に面する表面の上方の1つ又は複数の突起部、着用者に面する表面の平面の下方の凹部及びこれらの組み合わせなど、横断方向バリア(TVB)として機能する構成要素を含んでもよい。一実施例としては、吸収性物品の着用者に面する表面に取り付けられた横方向に配向されたウェブ又はシート、及び立ち上がり型バリアレッグカフが挙げられる。
【0148】
構造的セパレータは、平らな水平表面上に、弛緩され、収縮した状態で平たく広げたとき、矩形又は正方形であってもよい。また、構造的セパレータは、平らな水平表面上に、弛緩され、収縮した状態で平たく広げたとき、台形であってもよい。構造的セパレータは、疎水性であってもよい(例えば、これは親水性であり、かつ既知の疎水性表面コーティングにより疎水性にされたものであってもよく、例えば、1つ又は複数のシリコーンポリマー若しくはフッ素化ポリマーを含むワックス、又は疎水性表面コーティングである)。いくつかの形態では、構造的セパレータは、横断方向又は他の方向に著しく弾性的に延伸性であり得るように、弾性挙動を有し得る。構造的セパレータは、使用中、Z方向の寸法を有する有効なセパレータ(バリア)を確実に形成するために特定の張力を有し、構造セパレータの背面から前側に糞便が移動するのを回避する又は少なくとも阻止することができる。構造セパレータの他の形態は、トップシートの立ち上がり部若しくは厚みのある部分、捕捉システム若しくは吸収性コアの要素、別々に適用した要素、又は1つ又は複数の吸収性コア要素における穴部若しくは凹部を含んでもよい。
【0149】
構造的セパレータは、任意の適した構造を有してもよく、また、構造的セパレータは、例えば、隆起部、突出部又はフラップであってもよい。構造的セパレータは、吸収性物品の横軸線に沿って配置されてもよく、又は横軸線に対して傾斜した任意の角度で位置付けられてもよい。いくつかの形態では、構造的セパレータは、LMS内のチャネルに概ね平行に位置付けられて、そのチャネルに流れ込む尿及び/又は糞便を制御するのに役立ってもよい。
【0150】
1つ又は複数の構造的セパレータは、上述の
図13〜
図28に示す任意の形態など、各種チャネル構成を有する吸収性物品に組み込まれてもよい。
【0151】
図29〜
図36は、構造的セパレータ73の例示的型を示す、長手方向軸線に沿って切り取ったチャネル49、26を含む吸収性物品の部分的断面図である。
図13〜
図28と同様に、
図29〜
図36の吸収性物品は、トップシート24、バックシート25、並びに様々なチャネルを画定するLMS 50及び吸収性コア28の様々な構成を含む。
図30及び
図35に示す形態など、いくつかの形態は、LDS 71を含む。また、図示した吸収性物品は、それぞれ、吸収性物品の着用者に面する表面の上方の突出部である構造的セパレータ73を含む。構造的セパレータ73は、例えば、弾性フィルム、不織布シート、弾性フィルム積層体及び不織布シート材料、ポリオレフィンフィルム又は任意の他の適した材料を含んでもよい。積層体の不織布シート材料は、着用者の皮膚に接触するように位置付けられ得る。こうした積層体の構成は、弾性フィルムが直接着用者の皮膚に接触するときよりも、着用者にとってより快適性をもたらし得る。更に、構造的セパレータ73は、その後、不織布シートになる複合繊維などの繊維にされるポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどの当該技術分野において既知のポリオレフィン製であってもよい。不織布シート材料はネック付き(necked)不織布であってもよい。不織布シート材料は、メルトブロー不織布又はスパンボンド不織布又はカード不織布であってもよい。いくつかの形態では、スパンボンドの積層体又はカード層(複数可)及びメルトブローン不織布層(複数可)であってもよい。
【0152】
図29は、構造的セパレータ73がトップシート24に結合されている形態を示す。構造的セパレータ73は、吸収性物品の前側腰部縁部10(
図1)とLMS 50によって画定されたチャネル49及び吸収性コア28によって画定されたチャネル26との間に位置付けられる。構造的セパレータ73は、バリアレッグカフ34(
図1)をまたがってもよく、またバリアレッグカフ34に結合されてもよい。構造的セパレータ73により、尿及び/又は糞便の表面移動が制限される一方で、糞便がチャネル49、26に向かうのを補助し得る。構造的セパレータ73は、尿及び/又は糞便が構造セパレータ73にわたって流れるのを防止する又は少なくとも阻止するのを補助するために、フランジ79を備えてもよい。
図29は、構造セパレータ73の片側にあるチャネルを示すが、他の形態では、構造セパレータの両側にチャネルを有してもよい。
図30は、トップシート24とLMS 50との間に位置付けられたLDS 71を含む形態を示す。他の形態では、LDS 71は、LMS 50と吸収性コア28との間及び/又は吸収性コア28とバックシートとの間に位置付けられてもよい。
図26から
図28に関するLDSに関する更なる詳細は、上記に記載している。
図31は、隆起部様の形状を有する例示的構造的セパレータ73を示す。構造的セパレータ73は、第1の結合部位73’及び第2の結合部位73’’にてトップシート24に結合され、その間にこぶ部を形成する。いくつかの形態では、AGM又は他の適した材料がトップシート24及び構造的セパレータ73によって画定される空洞内に含まれてもよい。
図32は、構造的セパレータ73の別の形態を示す。この形態では、構造的セパレータ73は、構造セパレータ73の上縁部85に沿って位置付けられた第1のフランジ77及び第2のフランジ79を含む。第1のフランジ77及び第2のフランジ79は、着用者に面する表面に沿って、身体排出物の好ましくない移動をブロックするか、又は少なくとも阻止する機能し得る。
【0153】
図29〜
図32は、吸収性物品のトップシート24に結合されている別個の構成要素としての構造セパレータ73を示すが、この開示によりそれを限定するものではない。
図33は、構造的セパレータ73では、層の第1の部分がトップシート24に結合され、第2の部分はバリアとしてトップシート24から上方向に延在するように、トップシート24に結合している層の構成要素である例示的形態を示す。
図34は、トップシート24が構造的セパレータ73と共に形成されている形態を示す。この形態では、構造的セパレータ73は、隆起部様の形状を有する。こうした形態では、LMS 50若しくはその部分、又はコア若しくはその部分は、隆起部様の形状によって画定される空洞内に延在し得る。いくつかの形態では、構造的セパレータ73は複数の層を有する。ここで
図35を参照すると、構造的セパレータ73は、LDS 71及びトップシート24によって形成される。他の形態では、吸収性物品の異なる層は、例えば、トップシート24及びLMS 50の少なくとも一部分など、構造セパレータ73を形成するために使用されてもよい。理解されるように、構造的セパレータは、様々なチャネルの型を有する吸収性物品と共に使用され得る。
図36は、トップシート24の一部がLMS 50によって画定されるチャネル49内に凹んでおり、及び吸収性コア28によって画定されるチャネル26に凹んでいる吸収性物品を示す。構造的セパレータ73はチャネル49に近接して位置付けられ、尿及び/又は糞便の移動の制御を補助する。本明細書に開示するいかなる構造的セパレータも、浸潤したとき、又は着用者によって力が加わったときに、構造セパレータがその形状を維持するように、更に硬く、剛性であってもよく、又は例えば、トップシート24の残りの部分よりも厚みのある厚さを有してもよい。
【0154】
本開示によると、吸収性物品は、LMS内の他のチャネルとは異なる物理的特性値を有する1つ又は複数のチャネルをLMS内に含んでもよい。物理的特性の例としては、チャネルの幅、長さ、配向、容積、色、テクスチャ、面積又は他の物理的特性が上げられる。吸収性物品は、実質的に横方向に延在している分離要素又は横方向に延在している分離要素によって画定されている視認性前部及び視認性後部を有し得る。実質的に横方向に延在している分離要素は、構造セパレータ73などの構造体であってもよいか、又は、トップシート上に印刷されているか、又は別の方法で着用者に面する表面を通して見える図形によるしるしであってもよい。視認性前部に位置付けられたれたチャネルは第1の物理的特性を有し得る一方で、視認性後部内のチャネルは第2の物理的特性を有し得る。チャネルの物理的特性のいくつかの相違は、着用者に面する表面から視認することができ、これは、所望の性能特性を提供することのみならず、介護者が吸収性物品を位置合わせするのを補助する。
【0155】
図37〜
図42は、視認性前部(「F」として識別される)に配置されるLMS内の1つ又は複数のチャネルの物理的特性値と視認性後部(「B」として識別される)に配置されるLMS内の1つ又は複数のチャネルの物理的特性との代表的な様々な相違を示す。
図37〜
図42に示す吸収性物品はおむつであるが、他の種類の吸収性物品(トレーニングパンツ、成人用失禁製品、生理用ナプキンなど)も、視認性前部と視認性後部とで異なる物理的特性値を有する、LMS内のチャネルを含み得ることが理解される。更に、明瞭性のために、LMS内のチャネルのみを
図37〜
図42に示す。吸収性コア内のいかなるチャネル及び/又は吸収性物品のLDSも図示していない。
図37〜
図42に示す吸収性物品は、明瞭化のために簡素化しており、したがって、バリアレッグカフなど、各種要素は省略している。また、実質的に横方向に延在する分離要素は、
図37〜
図42に構造的セパレータとして示すが、本開示がそれを限定するものではない。例えば、他の形態では、図形によるしるし又は他の非構造的分離要素を使用して、視認性前部と視認性後部との間に、視認性分離を提供してもよい。いくつかの形態では、実質的に横方向に延在している分離要素は、構造要素と印刷されたしるし又は着色層とを組み合わせたものであってもよい。更に、実質的に横方向に延在している分離要素は、任意の適した配向又は配置を有し得る。
図37では、例えば、湾曲し、実質的に横方向に延在している分離要素(構造セパレータ73として図示)は、他の形態では、構造セパレータ73は、例えば、直線(
図42)であってもよく、又は複数の線形要素(
図39)若しくは非線形要素から構成されていてもよい。更に、横方向に延在している分離要素は吸収性物品の全横幅にわたって延在しているように示すが、いくつかの形態では、横方向に延在している分離要素は、バリアレッグカフ間に延在することが理解される。
【0156】
まず
図37を参照すると、視認性前部(F)と視認性後部(B)とで異なるLMS内のチャネルの例証された物理的特性値は、チャネルが存在する点/不在である点である。図示するように、LMS内のチャネル49は、吸収性物品の視認性後部(B)に配置されるが、視認性前部(F)はチャネルを有さない。
図38は、視認性前部(F)におけるLMS内のチャネル数は、視認性後部(B)におけるLMS内のチャネル数とは異ってもよいことを示す。図示するように、2つのチャネル49、49’が視認性前部(F)に存在し、3つのチャネル49、49’、45が視認性後部(B)に存在する。例証された形態では、視認性後部(B)にあるチャネル45は、ポケット又はBMポケットと称されることもある。LMS内のこうしたポケットは、一般に、吸収性コア内に位置付けられている類似のポケットと位置合わせされてもよい。概して、BMポケットは、糞便を集結させ、その拡散を制限するように構成されていてもよい。
【0157】
ここで
図39を参照すると、視認性前部(F)内のチャネルの面積は、視認性後部(B)のチャネルの面積とは異なる。図示したように、チャネル49、49’の面積は、チャネル45、45’の面積よりも小さい。他の形態では、視認性前部(F)内のチャネルの面積は、視認性後部のチャネルの面積を超えていてもよい。同様に、いくつかの形態では、視覚的に、より大きいチャネルが視認性前部(F)及び視認性後部(B)のうちの1つに位置付けられるように、チャネルのサイズが変動してもよい。いくつかの形態では、視認性前部、視認性後部のいずれかにある複数のチャネル又は双方の部分にある複数のチャネルを有し得る。チャネルの総横幅は、ある点での総横幅を決定するために、その点での全てのチャネルの幅を計測し、その幅を累積することによって吸収性物品の長手方向軸線に沿った点で計測することができる。一例として、LMSによって、長手方向軸線のある部分に沿って、それぞれのチャネルが0.64センチメートル(0.25インチ)の幅を有する3つのチャネルが画定される場合、総横幅は1.9センチメートル(0.75インチ)となる。視認性前部(F)における長手方向軸線に沿った点での複数のチャネルの総横幅は、視認性後部(B)における長手方向軸線に沿った点での複数のチャネルの総横幅と異なってもよい。
【0158】
図40は、視認性前部(F)と視認性後部(B)とではチャネルの色が異なり得ることを示す。図示するように、49、49’は、視認性前部(F)及び視認性後部(B)の双方にまたがる。部分43として視認性後部(B)内に位置付けられたチャネル49、49’の部分は、着色されている。いくつかの形態では、チャネル49、49’の部分43は、例えば、
図24及び
図25に示すように、着色層を用いて着色されている。
図41は、視認性前部(F)内のチャネルのテクスチャは、視認性後部(B)のチャネルのテクスチャとは異なっている形態を示す。図示するように、チャネル49、49’の部分41は、視認性前部(F)のチャネル49、49’の部分のテクスチャとは異なるテクスチャを含む。例えば、部分41のテクスチャは、刻みが付いている、ひだが付いている又はくぼみが付いていてもよい。
【0159】
図42は、視認性前部(F)に存在するチャネルの物理的配向は、視認性後部(B)内のチャネルの物理的配向とは異なり得ることを示す。図示するように、視認性前部(F)は、3つのチャネル49、49’、49’’’を有し、視認性後部(B)はチャネル45、45’、45’’’を含む。視認性前部(F)におけるチャネルの数及び面積は、視認性後部(B)におけるチャネルの数及び面積と同じであるが、物理的配向は異なる。具体的には、チャネル49、49’、49’’’は、実質的には横方向に延在し、チャネル45、45’、45’’’は、実質的に長手方向に延在する。
【0160】
他の形態では、視認性前部(F)及び視認性後部(B)において、他の物理的相違であってもよい。例えば、視認性前部(F)における層の数は、視認性後部(B)の層の数とは異ってもよい。このため、前部では、チャネルは、2つの層によって画定されてもよく、また、後部では、3つの層によって画定される。視認性前部(F)におけるチャネルの形状、湾曲又は深さ及び/又はチャネルを画定する層の数は、視認性後部(B)におけるチャネルとは異なり得る。例えば、概して、視認性前部(F)は、視認性前部(F)に横方向に延在する一連のチャネルを有していてもよく、また、視認性後部(B)は、単一の円形チャネルを有してもよい。
【0161】
生理用ナプキンの特徴部
図43を参照すると、吸収性物品は生理用ナプキン3010であってもよい。生理用ナプキン3010は、液体透過性トップシート3014と、液体不透過性又は実質的に液体不透過性のバックシート3016と、吸収性コア3018と、を含み得る。吸収性コア3018は、吸収性コア28に関して本明細書で説明する特徴部のいずれか又は全てを有し得、いくつかの形態では、先に開示した液体管理システムの代わりに2次トップシート3019(STS)を有し得る。STS 3019は、上述の通り、1つ又は複数のチャネルを含み得る。いくつかの形態では、STS 3019内のチャネルは、吸収性コア3018内のチャネルと位置合わせされてもよい。また、生理用ナプキン3010は、生理用ナプキン3010の長手方向軸線3080に対して外向きに延在する羽根3020を含んでもよい。生理用ナプキン3010は、また、横軸3090を含み得る。羽根3020は、トップシート3014、バックシート3016、及び/又は吸収性コア3018に接合されていてもよい。生理用ナプキン3010は、また、前縁部3022と、前縁部3022と長手方向で対向する後縁部3024と、第1の側縁部3026と、第1の側縁部3026と長手方向で対向する第2の側縁部3028とを含み得る。長手方向軸線3080は、前側腰部縁部3022の中点から後縁部3024の中点まで延在し得る。横軸3090は、第1の側縁部3028の中点から第2の側縁部3028の中点まで延在し得る。生理用ナプキン3010は、当該技術分野において既知の通り、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴部を備えてもよい。
【0162】
物品の作製方法
本開示の吸収性物品(例えば、おむつ、生理用ナプキン、トレーニングパンツなど)は、当該技術分野において既知の任意の適した方法によって作製し得る。具体的には、物品は手作りであってもよく、又は高速で産業的に生産されてもよい。いくつかの形態では、本明細書に記載のチャネルは、関連層の穿孔、打抜き、スリット加工、又は延展によって作製し得る。一つの例示的製造プロセスでは、突出部を有するドラムが提供される。エアレイドされた繊維の層は、ドラムの表面に配設され、突出部の上方繊維は除去され、周囲の領域に堆積される。ある形態では、回転式スカーフロールを使用して繊維を除去する。別の例示的形態では、湿式レイド繊維ウェブ又は嵩高不織布など、ロールストック捕捉層材料内のチャネルは、穿孔/打抜き又はスリット加工及び延展によって作製されてもよい。ある形態では、形状を切断して、材料のフラップ部を形成し、材料のフラップ部はウェブの別の部分で折り返される。
図23に関するフラップ型構成体を使用する例示的形態は、上記に記述している。所望である場合、折り返されたフラップ部が結合され、その相対的位置を維持してもよい。例えば、形状は、「U」型であるか、又は閉多角形状の一部の側面であってもよい。
【0163】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に指定のない限り、それぞれのかかる寸法は、記載された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0164】
本明細書で引用されているあらゆる文献は、あらゆる相互参照特許又は関連特許を含め、明示的に除外されたり、別段に限定されたりしている場合を除き、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、その文献が本明細書において開示又は特許請求される任意の形態に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、その文献が、単独で、又は任意の他の単数又は複数の参考文献との任意の組み合わせにおいて、任意のこうした形態を教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、この文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により取り入れられた文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相容れない場合は、この文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義に従うものとする。
【0165】
本開示の特定の形態が図示及び説明されたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行い得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を、添付された特許請求の範囲に網羅するものとする。