(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334726
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】対称軸を有する半導体発光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01S 5/40 20060101AFI20180521BHJP
H01S 5/02 20060101ALI20180521BHJP
H01S 5/10 20060101ALI20180521BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20180521BHJP
F21V 9/00 20180101ALI20180521BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20180521BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20180521BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20180521BHJP
F21V 3/08 20180101ALI20180521BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20180521BHJP
F21V 3/12 20180101ALI20180521BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20180521BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20180521BHJP
【FI】
H01S5/40
H01S5/02
H01S5/10
H01S5/343 610
F21V9/16 100
F21V9/08 200
F21V3/02 400
F21V3/04 500
G02B5/20
F21Y115:30
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-555550(P2016-555550)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公表番号】特表2017-510986(P2017-510986A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】RU2015000137
(87)【国際公開番号】WO2015133936
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年10月6日
(31)【優先権主張番号】2014108564
(32)【優先日】2014年3月5日
(33)【優先権主張国】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】513192328
【氏名又は名称】ユーリー・ゲオルギヴィッチ・シュレター
(73)【特許権者】
【識別番号】513192339
【氏名又は名称】ユーリー・トーマソヴィッチ・レバネ
(73)【特許権者】
【識別番号】513192340
【氏名又は名称】アレクセイ・ウラディミロヴィッチ・ミロノフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ユーリー・ゲオルギヴィッチ・シュレター
(72)【発明者】
【氏名】ユーリー・トーマソヴィッチ・レバネ
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ・ウラディミロヴィッチ・ミロノフ
【審査官】
村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−243951(JP,A)
【文献】
特開2001−085790(JP,A)
【文献】
特開2001−077463(JP,A)
【文献】
特開平08−078778(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0143338(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のレーザーダイオードを備える半導体発光デバイスであって、
各レーザーダイオードが対称軸を有することを特徴とし、それらの対称軸が一致するように前記レーザーダイオードが発光デバイスの対称軸上に直列に配置され、前記レーザーダイオードの面が、それらが電気的及び機械的に接触してレーザーダイオードのバーを形成するように接続され、その指向特性は前記発光デバイスの前記対称軸と一致する対称軸を有し、かつ前記発光デバイスの前記対称軸と垂直に向けられ、
光は前記半導体発光デバイスの前記対称軸と垂直な全方向に均一に放射される、半導体発光デバイス。
【請求項2】
前記各レーザーダイオードがディスク光共振器を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項3】
前記各レーザーダイオードが中空ディスク光共振器を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項4】
前記各レーザーダイオードがリング光共振器を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項5】
前記各レーザーダイオードが多角形光共振器を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項6】
前記各レーザーダイオードが中空多角形光共振器を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項7】
前記各レーザーダイオードがIII−窒化物からなることを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の発光デバイスが、蛍光体の光学的励起のための可視光源または紫外光源として使用されていることを特徴とする、蛍光体を有するレーザーランプ。
【請求項9】
前記レーザーランプが、透明なシリンダー体の側壁上に適用された蛍光体を有する透明なシリンダー体を備えることを特徴とする、請求項8に記載のレーザーランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光デバイスに関連し、特に、レーザーダイオードのバーのベースに作られた高効率固体発光デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、レーザーダイオードのバーは、多くの産業及び医薬の分野における様々な材料の切断、溶接、研磨、及び表面の熱処理のために用いられる強力な固体レーザーを励起するのに広く用いられている。
【0003】
通常、レーザーダイオードのバーは、ヒートシンクとして使用される共通基板上に互いに平行に配置された、1セットの単一のストリップ形状のレーザーダイオードからなる(RU2150164、RU2455739)。これらのストリップ形状のレーザーダイオードのバーは1セットの平行光線として所定の方向に発光する。
【0004】
円筒状に対称な共振器を有し、共振器の対称軸と平行または対称軸と垂直な任意の所定の方向に光抽出される単一のレーザーダイオードも提案され(US5343490、US6134257、US6333944、US6519271、US8326098、RU2423764、RU2431225)、軸方向に対称なレーザーダイオードの対称軸に垂直な方向に幾何学的に分岐したアレイも提案された(RU2465699、US2011/0163292Al)。
【0005】
蛍光体と組み合わされたレーザーダイオードを照明目的の白色光源で使用する可能性は、かなりの関心を示している(AIP ADVANCES 3、072107 (2013))。
【0006】
光学素子を形成することなく、様々な方向に発光可能であり、軸方向に対称に近い、遠くの照射野の指向特性を有する小型なレーザー光源を提供するために、照射軸に垂直な平面内で互いに曲げられたストリップ形状のレーザーダイオードのユニットのセットを用いることが提案され(RU2187183)、プロトタイプとして選択された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】RU2150164
【特許文献2】RU2455739
【特許文献3】US5343490
【特許文献4】US6134257
【特許文献5】US6333944
【特許文献6】US6519271
【特許文献7】US8326098
【特許文献8】RU2423764
【特許文献9】RU2431225
【特許文献10】RU2465699
【特許文献11】US2011/0163292Al
【特許文献12】RU2187183
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】AIP ADVANCES 3、072107、2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在存在するレーザーダイオード及びレーザーダイオードのバーの欠点は、レーザー光源中の放出要素としてこれらのダイオードを使用する際に、軸方向に対称なレーザーランプ中の蛍光体の均一な閃光(flare)を提供することができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために、本発明は2またはそれ以上のレーザーダイオードを備える半導体発光デバイスを提案する。請求されるデバイスは、各レーザーダイオードが対称軸を有し、このレーザーダイオードは、それらの対称軸が一致するように発光デバイスの対称軸上で直列に配置されており、レーザーダイオードの面は、それらが電気的及び機械的に接触してレーザーダイオードのバーを形成するように接続され、その放射の指向特性は発光デバイスの対称軸と一致する対称軸を有することを特徴とする。
【0011】
好ましい実施形態において、各レーザーダイオードは、ディスク光共振器、中空光共振器、リング光共振器、多角形光共振器、または中空多角形光共振器を備える。
【0012】
好ましい実施形態において、各レーザーダイオードはIII−窒化物からなる。
【0013】
本発明は、蛍光体を含み、蛍光体の光学的励起用の可視光源または紫外光源として、提案された半導体発光デバイスが使用されることを特徴とするレーザーランプも提案する。
【0014】
提案された半導体発光デバイスの対称軸に垂直な全方向に発光する能力は、蛍光体が堆積された円筒状に対称な表面の閃光の高い均一性を提供するために提案されたレーザーランプ内で使用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図2に示されたレーザーダイオードの縦バーの構成要素であるディスク光共振器を有する単一のレーザーダイオードを示す図である。
【
図2】対称軸を有し、
図1に示された単一のレーザーダイオードから成るレーザーダイオードの円筒状バーを示す図である。
【
図3】白色光を発光し、紫外放射または青色放射を白色光に変換するための蛍光体を使用し、紫外放射または青色放射の発生器として
図2に示されたレーザーダイオードのバーも使用する、円筒状に対照的なランプの概略図を示す図である。
【
図4】
図5に示されたレーザーダイオードの縦バーの構成要素である中空ディスク光共振器を有する単一のレーザーダイオードを示す図である。
【
図5】対称軸を有する貫通空洞を有し、
図4に示された単一のレーザーダイオードから成る、レーザーダイオードの円筒状バーを示す図である。
【
図6】
図7に示されたレーザーダイオードの縦バーの構成要素であるリング光共振器を有する単一のレーザーダイオードを示す図である。
【
図7】対称軸を有する貫通空洞を有し、
図6に示された単一のレーザーダイオードから成る、レーザーダイオードの円筒状バーを示す図である。
【
図8】
図9に示されたレーザーダイオードの縦バーの構成要素である六角形共振器を有する単一のレーザーダイオードを示す図である。
【
図9】六回対称軸を有する貫通六角形空洞を有し、
図8に示された単一のレーザーダイオードから成る、レーザーダイオードの六角形バーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は以下の幾つかの実施形態によって明確になるだろう。これらの実施形態の後続の記載は例示的なものに過ぎず、網羅的なものではないことに注意されたい。
【0017】
[実施例1]円筒状レーザーランプ内の光源として使用された青色レーザーダイオードの円筒状バー
【0018】
この実施例ではレーザーダイオードの軸対称なバーは、ディスク光共振器を有するGaN/Al
0.2Ga
0.8N/GaN/ln
0.25Ga
0.75N/GaN/In
0.25Ga
0.75N/GaN/Al
0.2Ga
0.8N/GaNの構造を有する単一のレーザーダイオードからなる。
【0019】
ディスク光共振器を有する単一のレーザーダイオードが
図1に示されている。それは、金属n接点1、シリコンが5・10
18cm
−3の濃度でドープされたn型窒化ガリウムの厚さ2μの接触層2、シリコンが10
19cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのn型の固溶体Al
0.2Ga
0.8Nのクラッディング3、幅2.5nmの二つのIn
0.2Ga
0.8N量子井戸を備える窒化ガリウムの導波層4、マグナム(magnum)が5・10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのp型の固溶体Al
0.2Ga
0.8Nのクラッディング層5、マグネシウムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.1μのp型窒化ガリウムの接触層6、及び金属p接点7からなる。
【0020】
ディスク光共振器を有する垂直に統合されたレーザーダイオードの円筒状バーが
図2に示されている。垂直に統合された単一のダイオードの円筒状バーを満たす電圧は、上部のレーザーダイオードのn接点1及び下部のレーザーダイオードのp接点7を通して印加される。レーザーダイオードのバーの供給電圧はV=n・V
LDと等しく、ここでnはバー内のレーザーダイオードの数であり、V
LDは単一のレーザーダイオードの供給電圧である。バー内のレーザーダイオードの数nを選択することによってバーの供給電圧Vを変えることができ、供給電圧Vの供給源との適切な調和及び電力網を提供する。隣接するレーザーダイオードの上部p接点と下部n接点は機械的に押し付けられ、n接点1とp接点7との間に電気的接続9を形成する。従って、レーザーダイオードのバーを満たす電流はレーザーダイオードのn接点1及びp接点7を通り、それから接触層2及び6、クラッディング層3及び5を通り、そして導波層4も通って流れ、全てのレーザーダイオードの活性量子井戸はバー内に垂直に統合されている。この場合、レーザーダイオードの円筒状バーは対称軸8を有するので、そこからの光10は対称軸8と垂直な全方向に均一に放出される。
【0021】
レーザーダイオードの円筒状バーの円筒状レーザーランプ内における光源としての使用が
図3に示されている。
【0022】
この円筒状レーザーランプは、シリンダーの側壁上に適用された蛍光体14を有する透明なプラスチックシリンダー13からなり、その内部にレーザーダイオードの円筒状バー12が置かれている。
【0023】
開口17を通してシリンダー13の内部を通り、レーザーダイオードの円筒状バー12の上部接点及び下部接点に接続された外部ワイヤ15及び16に供給電圧Vを印加するとき、レーザーバーを通って流れる電流は対称軸と垂直な全方向に均一に放出される青色光10を生み出す。この場合、青色光を黄色光に部分的に変換する蛍光体14の均一な閃光が提供され、青色光と黄色光の混合の結果、白色光18が外部に出る。レーザーランプ全体が円筒対称性を有するので、白色光18はその対称軸と垂直な全方向に均一に放射される。
【0024】
[実施例2]円筒状レーザーランプ内の光源として使用された紫外レーザーダイオードの中空円筒状バー
【0025】
この実施例ではレーザーダイオードの軸対称なバーは、中空ディスク光共振器を有するGaN/Al
0.4Ga
0.6N/Al
0.2Ga
0.8N/GaN/Al
0.2Ga
0.8N/Al
0.4Ga
0.6N/GaNの構造を有する単一のレーザーダイオードからなる。
【0026】
中空ディスク光共振器を有する単一のレーザーダイオードが
図4に示されている。それは、金属n接点1、シリコンが5・10
18cm
−3の濃度でドープされたn型窒化ガリウムの厚さ2μの接触層2、シリコンが10
19cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのn型の固溶体Al
0.4Ga
0.6Nのクラッディング層3、幅3nmのGaN量子井戸を備えるAl
0.2Ga
0.8Nの導波層4、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのp型の固溶体Al
0.4Ga
0.6Nのクラッディング層5、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.1μのp型窒化ガリウムの接触層6、及び金属p接点7からなる。レーザーダイオードはその構造の全層を通過し、対称軸に沿って配置された円筒状の空洞11を備える。
【0027】
中空ディスク光共振器を有する垂直に統合されたレーザーダイオードの円筒状バーが
図5に示されている。垂直に統合された単一のダイオードの円筒状バーを満たす電圧は上部レーザーダイオードのn接点1を通って、そして下部レーザーダイオードのp接点7を通って印加される。レーザーダイオードのバーの供給電圧はV=n・V
LDと等しく、ここでnはバー内のレーザーダイオードの数であり、V
LDは単一のレーザーダイオードの供給電圧である。バー内のレーザーダイオードの数nを選択することによってバーの供給電圧Vを変えることができ、供給電圧Vの供給源との適切な調和及び電力網を提供する。隣接するレーザーダイオードの上部p接点と下部n接点は機械的に押し付けられ、n接点1とp接点7との間に電気的接続9を形成する。従って、レーザーダイオードのバーを満たす電流はレーザーダイオードのn接点1及びp接点7を通り、それから接触層2及び6、クラッディング層3及び5を通り、そして導波層4も通って流れ、全てのレーザーダイオードの活性量子井戸はバー内に垂直に統合されている。この場合、レーザーダイオードの円筒状バーは対称軸8を有するので、そこからの光10は対称軸8と垂直な全方向に均一に放出される。レーザーダイオードの中空円筒状バーは、対称軸に沿って配置され全てのレーザーダイオードを通過する円筒状の空洞11を備える。空洞11が存在することによって、レーザーダイオードのバーを通って冷却液をポンプでくみ上げ、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去することが可能となる。
【0028】
円筒状レーザーランプ内の光源としてのレーザーダイオードの中空円筒状バーの使用が
図3に示されている。
【0029】
この円筒状レーザーランプは、シリンダーの側壁上に適用された蛍光体14を有する透明なプラスチックシリンダー13からなり、その内部にレーザーダイオードの中空円筒状バー12が置かれている。
【0030】
開口17を通ってシリンダー13の内部を通り、レーザーダイオードの中空円筒状バー12の上部接点及び下部接点に接続された外部ワイヤ15及び16に供給電圧Vを印加するとき、レーザーバーを通って流れる電流は対称軸と垂直な全方向に均一に放出される紫外光10を生み出す。この場合、紫外光を白色光に完全に変換する蛍光体14の均一な閃光が提供され、結果として、白色光18が外部に出る。レーザーダイオードのバーを通過し、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去する冷却液もまた開口17を通って円筒状バー12へと供給される。
【0031】
レーザーランプ全体が円筒対称性を有するので、白色光18はその対称軸と垂直な全方向に均一に放射される。
【0032】
[実施例3]円筒状レーザーランプ内の光源として使用された青色レーザーダイオードのリング円筒状バー
【0033】
この実施例ではレーザーダイオードの軸対称なバーは、リング光共振器を有するGaN/Al
0.2Ga
0.8N/GaN/In
0.2Ga
0.8N/GaN/Al
0.2Ga
0.8N/GaNの構造を有する単一のレーザーダイオードからなる。
【0034】
リング光共振器を有する単一のレーザーダイオードが
図6に示されている。それは、金属n接点1、シリコンが5・10
18cm
−3の濃度でドープされたn型窒化ガリウムの厚さ2μの接触層2、シリコンが10
19cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのn型の固溶体Al
0.2Ga
0.8Nのクラッディング層3、幅3nmのIn
0.2Ga
0.8N量子井戸を備える窒化ガリウムの導波層4、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのp型の固溶体Al
0.2Ga
0.8Nのクラッディング層5、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.1μのp型窒化ガリウムの接触層6、及び金属p接点7からなる。リング光共振器を有するレーザーダイオードは、その構造の全層を通過し、対称軸に沿って配置された円筒状の空洞11を備える。
【0035】
リング光共振器を有する垂直に統合されたレーザーダイオードのリング円筒状バーが
図7に示されている。垂直に統合された単一のダイオードのリング円筒状バーを満たす電圧は上部レーザーダイオードのn接点1を通って、そして下部レーザーダイオードのp接点7を通って印加される。レーザーダイオードのバーの供給電圧はV=n・V
LDと等しく、ここでnはバー内のレーザーダイオードの数であり、V
LDは単一のレーザーダイオードの供給電圧である。バー内のレーザーダイオードの数nを選択することによってバーの供給電圧Vを変えることができ、供給電圧Vの供給源との適切な調和及び電力網を提供する。隣接するレーザーダイオードの上部p接点と下部n接点は機械的に押し付けられ、n接点1とp接点7との間に電気的接続9を形成する。従って、レーザーダイオードのバーを満たす電流はレーザーダイオードのn接点1及びp接点7を通り、それから接触層2及び6、クラッディング層3及び5を通り、そして導波層4(?)も通って流れ、全てのレーザーダイオードの活性量子井戸はバー内に垂直に統合されている。この場合、レーザーダイオードの円筒状バーは対称軸8を有するので、そこからの光10は対称軸8と垂直な全方向に均一に放出される。レーザーダイオードのリング円筒状バーは、対称軸に沿って配置され全てのレーザーダイオードを通過する円筒状の空洞11を備える。空洞11が存在することによって、レーザーダイオードのバーを通って冷却液をポンプでくみ上げ、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去することが可能となる。
【0036】
円筒状レーザーランプ内の光源としてのレーザーダイオードのリング円筒状バーの使用が
図3に示されている。
【0037】
円筒状レーザーランプは、シリンダーの側壁上に適用された蛍光体14を有する透明なプラスチックシリンダー13からなり、その内部にレーザーダイオードのリング円筒状バー12が置かれている。
【0038】
開口17を通ってシリンダー13の内部を通り、レーザーダイオードの円筒状バー12の上部接点及び下部接点に接続された外部ワイヤ15及び16に供給電圧Vを印加するとき、レーザーバーを通って流れる電流は対称軸と垂直な全方向に均一に放出される青色光10を生み出す。この場合、青色光を黄色光に部分的に変換する蛍光体14の均一な閃光が提供され、青色光と黄色光の混合の結果、白色光18が外部に出る。レーザーダイオードのバーを通過し、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去する冷却液もまた開口17を通ってリング円筒状バー12へと供給される。
【0039】
レーザーランプ全体が円筒対称性を有するので、白色光18はその対称軸と垂直な全方向に均一に放射される。
【0040】
[実施例4]円筒状レーザーランプ内の光源として使用された紫外レーザーダイオードの中空六角形バー
【0041】
この実施例ではレーザーダイオードのバーは、中空六角形光共振器を有するGaN/Al
0.4Ga
0.6N/Al
0.2Ga
0.8N/GaN/AI
0.2Ga
0.8N/Al
0.4Ga
0.6N/GaNの構造を有する単一のレーザーダイオードからなる。
【0042】
中空六角形光共振器を有する単一のレーザーダイオードが
図8に示されている。それは、金属n接点1、シリコンが5・10
18cm
−3の濃度でドープされたn型窒化ガリウムの厚さ2μの接触層2、シリコンが10
19cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのn型の固溶体Al
0.4Ga
0.6Nのクラッディング層3、幅3nmのGaN量子井戸を備えるAl
0.2Ga
0.8Nの導波層4、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.5μのp型の固溶体Al
0.4Ga
0.6Nのクラッディング層5、マグナムが10
20cm
−3の濃度でドープされた厚さ0.1μのp型窒化ガリウムの接触層6、及び金属p接点7からなる。レーザーダイオードは、その構造の全層を通過し、対称軸に沿って配置された六角形の空洞11を備える。
【0043】
中空六角形光共振器を有する垂直に統合されたレーザーダイオードの中空六角形バーが
図5に示されている。垂直に統合された単一のダイオードの円筒状バーを満たす電圧は上部レーザーダイオードのn接点1を通って、そして下部レーザーダイオードのp接点7を通って印加される。レーザーダイオードのバーの供給電圧はV=n・V
LDと等しく、ここでnはバー内のレーザーダイオードの数であり、V
LDは単一のレーザーダイオードの供給電圧である。バー内のレーザーダイオードの数nを選択することによってバーの供給電圧Vを変えることができ、供給電圧Vの供給源との適切な調和及び電力網を提供する。隣接するレーザーダイオードの上部p接点と下部n接点は機械的に押し付けられ、n接点1とp接点7との間に電気的接続9を形成する。従って、レーザーダイオードのバーを満たす電流はレーザーダイオードのn接点1及びp接点7を通り、それから接触層2及び6、クラッディング層3及び5を通り、そして導波層4も通って流れ、全てのレーザーダイオードの活性量子井戸はバー内に垂直に統合されている。この場合、レーザーダイオードの中空六角形バーは対称軸8を有するので、そこからの光10は対称軸8と垂直な全方向にほぼ均一に放出される。レーザーダイオードの中空六角形バーは、対称軸に沿って配置され全てのレーザーダイオードを通過する六角形の空洞11を備える。空洞11が存在することによって、レーザーダイオードのバーを通って冷却液をポンプでくみ上げ、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去することが可能となる。
【0044】
円筒状レーザーランプ内の光源としてのレーザーダイオードの中空六角形バーの使用が
図3に示されている。
【0045】
円筒状レーザーランプは、シリンダーの側壁上に堆積された蛍光体14を有する透明なプラスチックシリンダー13からなり、その内部にレーザーダイオードの中空六角形バー12が置かれている。
【0046】
開口17を通ってシリンダー13の内部を通り、レーザーダイオードの中空円筒状バー12の上部接点及び下部接点に接続された外部ワイヤ15及び16に供給電圧Vを印加するとき、レーザーバーを通って流れる電流は対称軸と垂直な全方向にほぼ均一に放出される紫外光10を生み出す。この場合、紫外光を白色光に完全に変換する蛍光体14のほぼ均一な閃光が提供され、その結果、白色光18が外部に出る。レーザーダイオードのバーを通過し、光発生のプロセスで生じた熱を効率的に除去する冷却液もまた開口17を通って中空六角形バー12へと供給される。
【0047】
レーザーランプ全体が六回対称軸を有するので、白色光18はその対称軸と垂直な全方向にほぼ均一に放射される。
【0048】
本発明は発明の実施形態の実施例によって記述され表現されてきたという事実にもかかわらず、本発明はいかなる場合も与えられた実施例によって制限されないことに注意されたい。
【符号の説明】
【0049】
1 金属n接点
2、6 接触層
3、5 クラッディング層
4 導波層
7 金属p接点
8 対称軸
9 電気的接続
10 光