特許第6334736号(P6334736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334736
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】予熱電極とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F23Q 7/00 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   F23Q7/00 605A
   F23Q7/00 605Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-566769(P2016-566769)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-515088(P2017-515088A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015059296
(87)【国際公開番号】WO2015173019
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年11月3日
(31)【優先権主張番号】1454233
(32)【優先日】2014年5月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】クフィナール,ジャン−マーク
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−324141(JP,A)
【文献】 特開2003−059624(JP,A)
【文献】 特開2002−039532(JP,A)
【文献】 特開2007−292444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23Q7/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック製カートリッジを有する予熱プラグであって、
エンジンのヘッドにネジ締めされるネジ切り部を備え、カートリッジ内に加熱部材を有する管状金属製本体を含み、この本体には、加熱部材の一方端子に接続された中央電極が貫通し、他方端子が接地接続をする本体に接続され、
本体は、その他方端部にメーカーのコネクターを受容する一次コネクターを有し、
中央電極(3)は、気密ジョイント(41)と電気絶縁リング(42)で形成された組立部(4)によって後部で管状本体を介して保持され、
一次コネクターは、絶縁リング(42)に対して支持され気密ジョイント(41)を圧縮する止めフランジ(52)を前部に有し、
当該予熱プラグにおいて、
鋼鉄製一次コネクター(5)が貫通孔(51)をする管状形状であり
中央電極(3)が一次コネクター()の貫通孔(51)に収納された滑らかな端部を有し、
中央電極(3)の端部が一次コネクター(5)の貫通孔(51)の途中まで挿入されており、
レーザーによる溶接部(32)がコネクター(5)の内部に貫通孔(51)の端部の開口部(55)を介して電極(3)の端部を固定することを特徴とする予熱プラグ。
【請求項2】
セラミック製カートリッジ又は金属管を有する予熱プラグの製造方法であって、
予熱プラグは、エンジンのヘッドにネジ締めされるネジ切り部を備えてカートリッジ内に加熱部材を有する管状金属製本体を含み、この本体には、加熱部材の一方端子に接続された中央電極が貫通し、他方端子が接地接続を行う本体に接続され、
本体は、その他方端部にメーカーのコネクターを受容する一次コネクターを有し、
電極に設置されてそれに接続された一次コネクターは、電気絶縁リングによって本体から絶縁され、
当該方法において、
プラグ(100)の本体(1)を製造し、
鋼鉄製の開放した管状一次コネクター(5)を製造し、
鋼鉄製の中央電極(3)を製造し、
本体(1)に組み込まれた中央電極(3)と共にプラグ(100)の前部部分を組み立て、
本体(1)のフランジ(122)に対して支持された絶縁リング(42)を介在させて中央電極(3)に一次コネクター(5)を中央電極(3)の後端部が一次コネクター(5)の貫通孔の途中に位置するように嵌め込み、
一次コネクター(5)の貫通孔(51)の端部の開口部(55)を介して中央電極(3)の後端部を一次コネクター(5)にレーザーで溶接することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属管の又はセラミック製の加熱部材を有するディーゼルエンジンのための予熱プラグに関し、エンジンのヘッドにネジ締めされるネジ切り部を備えカートリッジに加熱部材を有する管状金属製本体を一様に含み、本体は、加熱部材の一方端子に接続された中央電極で貫通され、加熱部材の他方端子は接地接続をする本体に接続されており、本体は、その他方端部に、メーカーのコネクターを受容する一次コネクターを有する。電極に設けられ、これに接続された一次コネクターは、電気絶縁リングによって本体から絶縁される。
【0002】
本発明はまた、上記のような予熱電極の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術によると、種々の予熱プラグが知られている。それらの電極の一つ200は、その後部に関して図2の断面図で示されており、それは、エンジン室において、及びメーカーのコネクターを受容するためにそれを超えた部分においてプラグの本体201を固定するレベルに位置している。このコネクターは、一般に、メーカーに固有のものであり、一方、予熱プラグのその他の部分は、それを使用する、すなわち、予熱プラグを設置する自動車メーカーの如何を問わず、同一である。
【0004】
図2によると、予熱プラグは、図示されていないが前部に、加熱電気フィラメントを含む例えば、セラミック製カートリッジである加熱前端部を備えた本体で構成され、そのフィラメントは、その一方の接続部が、エンジン内のネジ切り部によってそれ自体が接地接続された導電体の管状本体201に接続され、他方の接続部が、管状本体201を貫通する中央電極203に接続されてその本体から絶縁され、その他方端部を介して、メーカーのコネクターを受容する一次コネクター205に接続され、それによって加熱部材を給電する。中央電極203の後端部は、刻み目のある部分231を備え、一次コネクター205のブラインドホール251に嵌め込まれて収納される。嵌め込み232は、プラク200の軸xxに垂直の方向(S,S)に沿った横方向の圧縮によって実現される。
【0005】
この解決方法には幾つかの不利な点がある。中央電極203の端部231へのコネクター205の嵌め込みは比較的長い作業であり、これによって製造効率が低下する。作業の性質及び使用される工具のために、嵌め込み部は、製造シリーズの変更の観点から堅固である。予熱プラグの一つのシリーズから種々の寸法の他のシリーズへ変更するには、嵌め込みを実現する工具を変更する必要がある。
【0006】
嵌め込みは、製造だけでなくプラグの使用に対しても同様に不利な点と支障がある。
【0007】
嵌め込みの際に、コネクター205と中央電極203の間に正確な抵抗率又は電気伝導性を得ることができない。抵抗率は、嵌め込みのために加えられる圧力の変化、一次コネクター205のブラインドホール251の表面処理の品質と性質に関連する変化、並びに電極203の刻み目231の品質と特性によって、一方の電極から他方電極に対し大きくばらつきを生じる。従って、これらの抵抗率の変化が、プラグの作動中に電界強度の変動を生じる。このような差異によって、今度は加熱温度の差異を生じ、ディーゼルエンジン内の燃焼に負の影響を与えることとなる。
【0008】
動作時及び経年劣化と共に、嵌め込み部232は、次のような支障をも生じる。すなわち、嵌め込み部232のレベルで、コネクター205のブラインドホール251と中央電極203の刻み目231の間の接触面が、エンジンの振動で誘発される一次コネクター205と電極203の間の微動によって生じる電気的マイクロアークによって劣化を受けることである。この劣化は、元に戻すことができず、前述の影響と同様な影響を有する抵抗率を増加させる。それに加えて、例えばニッケルベースの表面処理で覆われた芯を有する真鍮又はアルミニウム合金のコネクター205と、鋼鉄製中央電極の間の接触によって、二つの金属の異なる電気化学的ポテンシャルによって蓄積効果を生じ、電気的接触の摩耗を誘発させる。
【発明の目的】
【0009】
本発明は、予熱プラグの製造を簡素化すると共に、製造時及び経年劣化における信頼性と効率を改善することを目的とする。
【発明の説明及び利点】
【0010】
この目的で、本発明は、以下を特徴とする前記で規定したタイプの予熱プラグを目的とする。すなわち、鋼鉄製の一次コネクターが開放的な管状形状であり、中央電極が一次電極の貫通孔に収納された滑らかな端部を有し、レーザー溶接部が、開口部を通ってコネクターの内部に電極端部を固定する。
【0011】
本発明によるプラグは、特に簡単な構造を有しており、組み立てが容易な少ない数の部材で構成され、従って自動的製造を簡素化する。コネクターと中央電極の間の接触は特に信頼度が高く、経年劣化とは無関係である。なぜならば、レーザーで実施された溶接部であり、これは一方で管状一次コネクターに、他方でメーカーのコネクターに保護されるように収納されるのでそれ自体腐食から保護されるからである。この溶接部は、一次コネクターの貫通孔に収納され、一次コネクターの外部表面上に実施される一次コネクターとメーカーのコネクターの間の電気的接触の品質に全く影響を及ぼさない。プラグは、同じ製造シリーズの全てのプラグに対して非常に正確で特に同一の遷移抵抗性を示す。従って、本発明のプラグによる予熱効率は、特に規則的である。
【0012】
本発明はまた、セラミック製カートリッジ又は金属管を有する上記のような予熱プラグの実施方法をも目的とし、このプラグは、エンジンのヘッドにネジ締めされるネジ切り部を備える管状金属製本体を含み、カートリッジに加熱部材を有し、本体は、加熱部材の一方端子が接続された中央電極によって貫通され、加熱部材の他方端子が接地接続をする本体に接続され、本体は、その他方端部にメーカーのコネクターを受容する一次コネクターを有し、この一次コネクターは、電極上に設けられ、電気絶縁リングによって本体から絶縁されて電極に接続されており、本方法において、プラグ本体、鋼鉄製の開放管状コネクター、鋼鉄製中央電極を製造し、プラグの前部部分を本体に組み込まれた中央電極と共に組み立てることを特徴とする。本体のフランジに対して支持された絶縁リングを介在させて一次コネクターを中央電極に嵌め込み、中央電極の後部端部を、一次コネクターの開口部を介して一次コネクターにレーザーで溶接することを特徴とする。
【0013】
本発明による方法は、プラグの構成部品の製造に関してだけでなく、それらの組立、特に、一次コネクターに対する中央電極の溶接による最終組み立てに関して特に簡素な製造であるという利点を有する。溶接領域への接近は、レーザー光束が一次コネクターの開口部を通るので非常に簡単である。コネクターが貫通孔を有するので、コネクターの中央電極への設置、気密ジョイント及び電気絶縁片目ジョイントの圧縮は、コネクターへの電極の端部の位置決めに影響を及ぼさない。この位置決めは、溶接には影響しない。溶接は、常にコネクターの開口部を介して行われ、プラグの溶接領域の生じうる位置の変動によって影響されないからである。
【0014】
この製造方法は、すなわち、電極と一次コネクターの間の溶接は、電極と一次コネクターの接続を実現するのに特別の工具を要せず、予熱プラグのサイズとは実際に無関係である。接続は常にレーザー溶接で行われるからである。
【0015】
従って、この溶接方法の実施は、同時に、中央電極の後部部分上の刻み付け作業を省略することを可能とする。これによって、製造が簡素化され、機械類の投資が減少し、経済的な生産管理が改善する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、公知の予熱プラグとの対比でより詳細に、かつ、下記の添付図面で示すように、以下に記載される。
図1】本発明による予熱プラグの前部部分の軸方向断面における予熱プラグの部分的断面図である。
図2】背景技術の予熱プラグの前部部分の軸方向断面図である。
【本発明の実施態様の説明】
【0017】
図1では、本発明による予熱プラグは管状本体1で構成され、その前端部11(AV側)は、セラミック製又は金属管の加熱カートリッジ2を備え、それは加熱する抵抗フィラメントを収容し、その一方の接続部は搭載された回路の接地接続を実現する管状本体1と接続され、他方の接続部は、中央電極3へ接続される。中央電極3のみ、及び予熱プラグの後方の管状本体1が断面で表示されている。
【0018】
後部側12(AR)の管状本体1は、エンジンヘッドにネジ締めされるネジ切り部121を有し、この接触で管状本体の接地のための電気接続を実現する。
【0019】
ネジ切り部121を越えて、管状本体1は、工具差込口122、例えば六角形の取込口を有する。
【0020】
内部では、管状本体には、中央電極3が貫通し、これは、気密ジョイント41と電気絶縁リング42で形成された組立部4によって後部で管状本体を介して保持される。予熱プラグの後部は、一次コネクター5を有し、これは管状で、貫通孔51を備え、これらの全体はプラグの軸xxに沿って整列されている。この貫通孔51は、中央電極3の後端部31を収容する。中央電極3は、滑らかで、刻み目や特別の加工がない。
【0021】
一次コネクター5は、前部に止めフランジ52を有し、これは、絶縁リング42に対して支持され、気密ジョイント41を圧縮する。コネクター5はまた固定フランジ53を有し、これは、プラグをエンジンに設置する自動車メーカーの図示されていない特別のコネクターを受容する位置54を制限する。
【0022】
コネクター5の開孔51は、貫通しており、すなわち、前部だけでなく、後部にも開放され、開口部55が与えられる。
【0023】
中央電極3は、一次コネクター5の後端部近くまで達する。一次コネクター5の後部部分54は、外部で、メーカーに適したメーカーのコネクターを受容し、同一の一次コネクター5が、メーカーの種々のコネクターに対する予熱プラグの適合を可能としている。
【0024】
一次コネクター5は、レーザーで実施された溶接部32によって中央電極3に接続され、そのレーザーの光束は開口部55を通って軸xx(方向L)に沿って向けられ一次コネクター5の開孔51の内部で中央電極3の端部を溶接する。溶接部は塊Wによって図式化されている。この溶接部では、一方でメーカーのあらゆるコネクターに適合した通常の形状と、他方で電気的交換の品質を保持するために、外部表面54は元のまま残される。一次コネクター5は鋼鉄製で、中央電極3の材料と一次コネクター5の材料が実際に同一であり、確実で安定した溶接を実現する。
【0025】
溶接部32は、最終的にかつ外部の材料を用いることなく組み立てられる中央電極3と一次コネクター5の電気的接続を確実に実現する。溶接部は、抵抗率の観点から不可逆的で非常に安定した接続であり、エンジンの振動による劣化にも影響されない。
【0026】
前記の組立は、構成部品、すなわち、管状本体1、気密ジョイント41、電気絶縁リング42、中央電極3及びコネクター5を溶接部32によって定位置に維持する。
【0027】
鋼鉄製中央電極3は、特別の機械加工を要しない滑らかな電極である。
【0028】
前記予熱プラグ100の実施方法は、鋼鉄製管状本体を製造ことからなり、そこにおいて、加熱カートリッジ2を組み込み、次いで接地のため管状本体1と加熱カートリッジとの接続を実現する。加熱カートリッジ2の他の接続は、管状本体1に設置する中央電極3の前端部のレベルで実現される。次いで、プラグの前部部分とその中央電極3との組立の後、管状本体1の後部に対して支持された気密ジョイント41と絶縁リング42を介在させて一次コネクター5を中央電極3に嵌め込む。さらに、一次コネクター5の後部開口部55を介して中央電極の後端部を一次コネクター5にレーザーで溶接する。
【符号の説明】
【0029】
1 管状本体
2 加熱カートリッジ
3 中央電極
5 一次コネクター
図1
図2