(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334739
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】触媒ユニット、触媒ユニットの製造方法、及び、排ガス触媒コンバータ
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20180521BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
F01N3/28 301U
F01N3/28 311S
F01N3/28 311U
F01N3/28 311M
F01N3/28 301W
B01D53/94 300
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-570278(P2016-570278)
(86)(22)【出願日】2015年6月11日
(65)【公表番号】特表2017-523336(P2017-523336A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】EP2015001175
(87)【国際公開番号】WO2016012067
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】102014010857.0
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・デーリング
【審査官】
石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭58−113812(JP,U)
【文献】
米国特許第03978567(US,A)
【文献】
特開2014−066219(JP,A)
【文献】
特開平01−060711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが貫流するセラミックの触媒本体(12)と、前記触媒本体(12)の貫流方向(11)に対して垂直に見て、前記触媒本体(12)を少なくともいくつかのセクションにおいて包囲する金属製のハウジング(13)とを有している、排ガス触媒コンバータのための触媒ユニット(10)であって、前記触媒本体(12)の前記貫流方向(11)に対して垂直に見て、前記触媒本体(12)と前記ハウジング(13)との間に、少なくとも1つの支持マット(15)が配置されている触媒ユニット(10)において、
前記触媒本体(12)は、その前記貫流方向に対して垂直に、前記支持マット(15)を間に配置した状態で、前記触媒本体(12)の前記貫流方向(11)に見て、前記ハウジングと前記触媒本体との間の圧入が、決定された軸方向位置のみにおいて形成されているように保持されており、前記ハウジング(13)は、前記決定された軸方向位置において、前記ハウジング(13)の内側横断面(17)をいくつかのセクションにおいて減少させるために、溝様の凹部(16)を有しており、前記ハウジング(13)と前記触媒本体(12)との間の圧入は、溝様の前記凹部(16)の領域のみに形成されており、
少なくとも1つの支持マット(15)が、前記触媒本体(12)と、前記ハウジング(13)における溝様の前記凹部(16)が形成される部分と、の間のみに配置されていることを特徴とする触媒ユニット(10)。
【請求項2】
前記ハウジング(13)が、前記触媒本体(12)の前記貫流方向(11)に対して垂直に見て、溝様の前記凹部(16)の間において、決定された外側横断面(20)を有することを特徴とする、請求項1に記載の触媒ユニット(10)。
【請求項3】
前記ハウジング(13)には、前記触媒本体(12)の貫流方向(11)に見て、最初の溝様の前記凹部(16)の下流かつ最後の溝様の前記凹部(16)の上流に、間隙(21)が導入されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の触媒ユニット(10)。
【請求項4】
溝様の前記凹部(16)の領域にのみ、支持マット(15)が挿入されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒ユニット(10)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒ユニット(10)を複数有している排ガス触媒コンバータ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒ユニット(10)を製造するための方法であって、
a)セラミックの触媒本体を供給するステップ;
b)金属製のハウジングを供給するステップ;
c)少なくとも1つの支持マットを供給するステップ;
d)セラミックの前記触媒本体と、前記支持マットとを、金属製の前記ハウジング内に配置し、前記ハウジングと前記触媒本体との間に圧入を形成するステップ、を少なくとも備えている方法。
【請求項7】
その決定された軸方向位置において溝様の凹部を有するハウジングが、供給され、前記ハウジングの内側横断面は、溝様の前記凹部の領域において、前記支持マットによって包囲された前記触媒本体の、前記ハウジングと前記触媒本体との間に圧入が形成されるべき軸方向位置における外側横断面より小さいので、前記触媒本体と前記支持マットとを、前記ハウジング内に配置する際に、前記ハウジングと前記触媒本体との間に、自動的に圧入が形成されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
その決定された軸方向位置において溝様の凹部を有するハウジングが、供給され、前記ハウジングの内側横断面は、溝様の前記凹部の領域において、前記支持マットによって包囲された前記触媒本体の、前記ハウジングと前記触媒本体との間に圧入が形成されるべき軸方向位置における外側横断面より大きく、前記触媒本体と前記支持マットとを、前記ハウジング内に配置した後、前記ハウジングは、溝様の前記凹部の領域において、前記ハウジングと前記触媒本体との間の圧入を形成して、いくつかのセクションで圧迫され、それによって、塑性的に変形することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
溝様の凹部を有さないハウジングが供給され、前記ハウジングの内側横断面は、前記支持マットによって包囲された前記触媒本体の外側横断面より大きく、前記触媒本体と前記支持マットとを、前記ハウジング内に配置した後、前記ハウジングは、いくつかのセクションにおいて、溝様の前記凹部を形成しかつ前記ハウジングと前記触媒本体との間の圧入を形成して圧迫されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ハウジングの流入領域及び流出領域における外側寸法は、成形によって、特に襞付けすること又は拡大することによって、決められた寸法に調整されることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書き部に記載の排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットに関する。本発明は、排ガス触媒コンバータと、排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットを製造するための方法とにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば固定して運転される大型ディーゼルエンジン又は船舶用ディーゼルエンジンのような大型エンジンのための排ガス触媒コンバータは、典型的に、複数の触媒ユニットを備えており、各触媒ユニットは、排ガスが貫流するセラミックの触媒本体と、金属製のハウジングとを有しており、金属製のハウジングは、触媒本体の貫流方向に対して垂直に見て、触媒本体を少なくともいくつかの部分において包囲している。触媒ユニットのセラミックの触媒本体は、ハニカムとも、触媒ユニットのハウジングは、キャニングとも説明される。
【0003】
触媒ユニットのためのセラミックの触媒本体は、製造理由に起因して、数ミリメートルの範囲で公差を有している。しかしながら、金属製のハウジングは、決定された外側横断面又は決定された外側輪郭を有さなければならず、それによって、触媒ユニットの、内燃機関の排ガス系の他のアセンブリとの、例えば排ガスを案内する2つのライン又は2つのリアクターハウジング等との、最適な接続が保証される。この理由のために、各触媒ユニットの領域では、触媒本体とハウジングとの間に、公差を補償するために、少なくとも1つの支持マットが配置され、当該支持マットは、触媒本体の貫流方向に見て、その軸方向の延在部分全体にわたって、各触媒ユニットの触媒本体とハウジングとの間に延在している。
【0004】
触媒本体の公差は、その貫流方向に見ると、その軸方向において変化し得るので、必要に応じて、複数の支持マット又は厚さの異なる支持マットを、触媒本体の軸方向に沿って、触媒本体とハウジングとの間に配置しなければならない。その結果、触媒ユニットの製造の負担が大きくなり、従って、製造費用も高くなる。
【0005】
同様に、実践からは、触媒ユニットの触媒本体と触媒ユニットのハウジングとの間の公差を補償するために、少なくとも1つの支持マットを間に配置した状態で、ハウジングを触媒本体と、すなわちハウジング又は触媒ユニットの軸方向の延在部分全体にわたって着ける(verpressen)ことがすでに知られている。その際、触媒ユニット、すなわちそのハウジングが、もはや決定された外側横断面を有さないので、触媒ユニットの、内燃機関の排ガス系の他のアセンブリへの接続が困難になるという問題が生じる。特に、排ガス触媒コンバータが、特にリアクターハウジング内に互いに隣り合って配置されたそのような触媒ユニットを複数有している場合、幾何学的偏差は合計でセンチメートルの範囲になり得るので、排ガス触媒コンバータを内燃機関の排ガス系の他のアセンブリに接続するための、さらなる複雑な調節作業が必要になる。その結果、組み立て費用又は製造費用も高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここから出発して、本発明の課題は、排ガス触媒コンバータのための新式の触媒ユニット、当該触媒ユニットを有する排ガス触媒コンバータ、及び、当該触媒ユニットの製造方法を創出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、請求項1に記載の触媒ユニットによって解決される。
【0008】
本発明によると、触媒本体は、その貫流方向に対して垂直に、支持マットを間に配置した状態で圧入によりハウジング内に圧力ばめされるように保持されている。すなわち、触媒本体は、触媒本体の貫流方向に見て、ハウジングと触媒本体との間の圧入が、専ら決定された軸方向位置において形成されているように保持されている。当該ハウジングは、決定された軸方向位置において、ハウジングの内側横断面をいくつかのセクションにおいて減少させるために、溝様の凹部を有しており、ハウジングと触媒本体との間の圧入は、専ら溝様の凹部の領域に形成されている。
【0009】
本発明によって、製造に起因する公差を有する触媒ユニットの触媒本体を、圧入を通じて、少なくとも1つの支持マットを間に配置した状態で、圧力ばめされるようにハウジング内に、触媒本体の貫流方向に見て当該圧入が専ら決定された軸方向位置において形成されているように保持することが初めて提案される。このために、ハウジングは、決定された軸方向位置においていくつかのセクションでハウジングの内側横断面を減少させるために溝様の凹部を有しており、ハウジングと触媒本体との間の圧入は、専らこれらの溝様の凹部の領域に形成されている。溝様の凹部の間では、ハウジングは、触媒本体のフロー方向に見て、決定された外側横断面を有しており、それによって、触媒ユニット又は少なくとも1つの触媒ユニットを含む排ガス触媒コンバータの、内燃機関の排ガス系の他のアセンブリとの問題の無い接続が可能である。
【0010】
特に、貫流方向において互いに隣り合って平行に配置された複数の触媒ユニットを含む大型エンジンのための排ガス触媒コンバータを供給する際には、これによって、排ガス触媒コンバータを、大型エンジンの排ガス系の他のアセンブリに容易に接続することが可能になる。
【0011】
有利なさらなる構成によると、触媒本体の貫流方向に見て、専らハウジングの溝様の凹部の領域において、少なくとも1つの支持マットが、触媒本体とハウジングとの間に配置されている。特に、支持マットが、専らハウジングの溝様の凹部の領域において、触媒本体とハウジングとの間に配置されている場合、先行技術に比べて、このような支持マットの使用を顕著に減少させることが可能である。それによって、触媒ユニットの製造費用を削減することが可能である。
【0012】
別の有利なさらなる構成によると、ハウジングには、触媒本体の貫流方向に見て、最初の溝様の凹部の下流かつ最後の溝様の凹部の上流に、間隙が導入されている。それによって、触媒ユニットを軽い重量で、使用する材料をより少なく、従ってより少ない費用で製造することが可能になる。
【0013】
本発明に係る排ガス触媒コンバータは請求項5に、本発明に係る排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットの製造方法は請求項6に定義されている。
【0014】
本発明の好ましいさらなる構成は、従属請求項及び以下の説明から明らかになる。本発明の例示的な実施形態を、これに限定されることなく、図面を用いてより詳細に説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットの、著しく概略化された横断面の図である。
【
図2】本発明に係る排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットの、著しく概略化された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、内燃機関、特に、固定して運転される大型ディーゼルエンジン又は船舶用ディーゼルエンジンのための排ガス触媒コンバータのための触媒ユニットに関する。
【0017】
図1は、本発明に係る排ガス触媒コンバータのための触媒ユニット10の横断面を著しく概略化して示した図であり、触媒ユニット10は、排ガスが貫流方向11において貫流するセラミックの触媒本体12と、金属製のハウジング13とを有しており、当該金属製のハウジングは、触媒本体12の貫流方向11に対して垂直に見て、触媒本体12を外側で少なくともいくつかのセクションにおいて包囲している。セラミックの触媒本体12は、ハニカムとも呼ばれ、金属製のハウジング13は、キャニングとも説明される。
図1には、セラミックの触媒本体12が、製造に起因して公差を有し得る外側輪郭又は外側横断面14を有しており、当該公差は、触媒本体12の貫流方向11に見て変化し得ることが、非常に概略的に、かつ、誇張して描写されている。
【0018】
触媒本体12は、その貫流方向に対して垂直に見て、少なくとも1つの支持マット15を間に配置した状態で圧入によりハウジング13内に圧力ばめされるように保持されている。すなわち、触媒本体12は、触媒本体12の貫流方向に見て、ハウジング13と触媒本体12との間の圧入が、専ら触媒本体12又はハウジング13の決定された軸方向位置において形成されているように保持されている。このために、ハウジング13は、決定された軸方向位置において、溝様の凹部16を有しており、当該凹部によって、ハウジング13の内側輪郭又は内側横断面17がいくつかのセクションにおいて減少し得る。ハウジング13と触媒本体12との間の圧入は、専らこれら溝様の凹部16の領域に形成されており、触媒本体12の貫流方向11に見て、支持マット15が、専らこれらの溝様の凹部16の領域において、触媒本体12とハウジング13との間に配置されている。
【0019】
本発明に係る触媒ユニット10の形態によって、触媒ユニット10を供給することが可能であり、触媒ユニット10のハウジング13は、溝様の凹部16の間に位置する全ての軸方向位置において、特にフロー流入側の端面18の領域と、フロー流出側の端面19の領域とにおいて、外側輪郭又は外側横断面20を有しており、当該外側横断面は、正確に決定されており、実質的に公差を有さない。
【0020】
特に、複数の当該触媒ユニット10が互いに隣り合って排ガス触媒コンバータ内に配置される場合、排ガス触媒コンバータも、決定された、正確に調節された、実質的に公差を有さない外側横断面又は対応する外側輪郭を有している。この理由のために、排ガス触媒コンバータを、内燃機関の排ガス系の他のアセンブリに問題無く接続することが可能になる。
【0021】
従って、本発明によると、正確に決定された外側輪郭又は正確に決定された外側横断面20を備えたハウジング13を有する触媒ユニット10のセラミックの触媒本体12における公差の影響を受けた外側輪郭14は、ハウジング13が、決定された軸方向位置において、溝様の凹部16を有しており、当該凹部は、ハウジング13の内側横断面17と、従ってハウジング13の外側横断面とを、専ら決定された軸方向位置において変化させ、それによって、これらの決定された軸方向位置において、セラミックの触媒本体12が、専らこれらの決定された軸方向位置において支持マット15を間に配置した状態で金属製のハウジング13内での圧入により、固定され、さらに保持されることによって補償される。
【0022】
特にフロー流入側の端面18及びフロー流出側の端面19の領域と、溝様の凹部16以外のハウジング13の残りの全ての軸方向位置とにおいて、ハウジング13は、実質的に公差の無い、決定された外側横断面20を有している。
【0023】
図2は、触媒ユニット10のさらなる構成の斜視図を示し、
図2によると、ハウジング13には、触媒本体12の貫流方向11に見て、最初の溝様の凹部16の下流かつ最後の溝様の凹部16の上流に、間隙21が導入されている。当該間隙21は、任意の寸法の丸い間隙でも良いし、角張った間隙でも良い。これら間隙21によって、触媒ユニット10の重量が減少し得る。さらに、それによって、触媒ユニット10が金属製のハウジング13の領域において必要とする材料がより少なくなるので、触媒ユニット10をよりコスト効率よく製造することが可能である。
【0024】
本発明に係る触媒ユニット10を製造するために、まずセラミックの触媒本体12、金属製のハウジング13、及び、少なくとも1つの支持マット15が供給される。次に、セラミックの触媒本体12が、支持マット15と共に、金属製のハウジング13内に配置され、圧入が、ハウジング13と触媒本体12との間で、決定された軸方向位置において形成される。
【0025】
この手順へのアプローチは、溝様の凹部16を決定された軸方向位置において有するハウジング13が供給され、このハウジング13において、ハウジング13の内側横断面17が、溝様の凹部16の領域においてすでに、支持マット15によって包囲された触媒本体12の、ハウジング13と触媒本体12との間に圧入が形成されるべきこれらの軸方向位置における外側横断面より小さいようになされる。そして、触媒本体12と支持マット15とを、ハウジング13内に配置する際に、自動的に、溝様の凹部16の領域において、ハウジング13と触媒本体12との間に圧入が形成される。
【0026】
この触媒ユニット10を製造するための手順は、特に、
図1及び
図2が示すように、触媒本体12もハウジング13も双方が、横断面が矩形に形成されている場合に適している。
【0027】
この場合、長手方向の壁部がまず開放されたハウジング13を提供することが可能であり、それによって、触媒本体12を、支持マット15と共にハウジング13内に配置し、次に、ハウジング13の開放された長手方向の壁部の領域に、ハウジング13の1つの壁部を配置し、ハウジング13の他の壁部と、例えば溶接によって固定されるように接続する。ハウジング13の接合によって、ハウジング13と触媒本体12との間の圧入が、溝様の凹部16の決定された軸方向位置において、自動的に得られる。
【0028】
しかしながら、上述の手順は、横断面が円形であるセラミックの触媒本体と、横断面が円形である金属性のハウジングとを有する触媒ユニットが供給される場合にも用いることが可能である。
【0029】
この場合、例えば、すでに溝様の凹部を有し、横断面が円形である、管状のハウジング13を、2つのハーフシェルから組み立てることが可能であり、触媒本体12は、まずハウジング13の第1のハーフシェル内に配置され、引き続いて、第2のハーフシェルをフィットさせ、第2のハーフシェルをすでに触媒本体12が挿入された第1のハーフシェルと、例えば溶接によって、固定されるように接続する。
【0030】
ここでも、ハウジング13と触媒本体12との間の圧入が、ハウジング13の溝様の凹部16の決定された軸方向位置において、自動的に形成される。
【0031】
本発明の第2の変型例によると、触媒ユニット10は、溝様の凹部16を有するハウジング13が、決定された軸方向位置において供給されることによって供給され得る。その際、溝様の凹部16の領域におけるハウジング13の内側横断面17は、ハウジング13と触媒本体12との間に圧入が形成されるべきこれらの軸方向位置における、支持マット15によって包囲された触媒本体12の外側横断面よりもまだ大きい。触媒本体12を、ハウジング13内に、支持マット15と共に配置した後、ハウジング13を、溝様の凹部の領域において、ハウジング13と触媒本体12との間の圧入を形成していくつかのセクションで、すなわち溝様の凹部16の領域においてのみ圧迫するので、溝様の凹部16の間では、ハウジング13の決定された外側輪郭又は決定された外側横断面20は不変のままである。
【0032】
この手順においては、触媒本体12は、選択的に、ハウジング13の溝様の凹部16による圧入が形成されるべきこれらの軸方向位置において寸法設計され、それによって、溝様の凹部16が、触媒本体12を支持マット15と共にハウジング13内に配置した後の力の作用によって圧迫されることになる寸法が前もって正確に決定される。
【0033】
さらなる変型例によると、触媒ユニット10は、まず溝様の凹部を有さないハウジングが供給されることによって製造され得る。そして、このようなハウジング13の内側横断面17は、支持マット15によって包囲された触媒本体12の外側横断面よりも大きい。触媒本体12と支持マット15とをハウジング13内に配置した後、ハウジング13は、溝様の凹部16を形成しかつハウジング13と触媒本体12との間の圧入を形成して溝様の凹部16の領域においていくつかのセクションで圧迫される。
【0034】
当該変型例では、ハウジングを圧縮するために、より大きな力が必要である。なぜなら、溝様の凹部16は、ハウジング13の決定された軸方向位置においてそれでも形成されるものでなければならないからである。この場合、溝様の凹部16以外の、ハウジング13の決定された外側輪郭又は決定された外側横断面20の変形を防止するためには、特に、フロー流入側の端面18及びフロー流出側の端面19の領域におけるハウジング13の支持が必要になる。
【0035】
従って、本発明では、セラミックの触媒本体12と金属製のハウジング13とを含む触媒ユニット10上で、金属製のハウジング13を、いくつかのセクションにおいて、溝様の凹部16を通じて引き込むことを意図しており、それによって、凹部16の領域において、ハウジング13を触媒本体12と着けることを提供する。これらの溝様の凹部16以外では、ハウジング13の決定された外側横断面20は不変のままである。従って、触媒ユニット10の排ガス触媒コンバータへの問題の無い統合と、排ガス触媒コンバータの、内燃機関の排ガス系の他のアセンブリとの問題の無い接続とが可能である。ハウジング13と触媒本体12との間の圧入が、専ら溝様の凹部16の領域において形成されているという事実に起因して、貫流方向に見て、又は、軸方向に見て、連続する支持マット15を省略することができる。従って、支持マット15は、触媒本体12を、専ら触媒本体12と金属製のハウジング13との間の圧入が形成されている領域において包囲している。さらに、ハウジング13には、軸方向に見て、溝様の凹部16の間に、穴及び/又はスロットの形態の間隙を導入することが可能であり、それによって、金属製のハウジング13の重量と材料費とを、最終的には、触媒ユニットの重量と材料費とをさらに削減することが可能である。
【0036】
ハウジング13の流出部及び/又は流入部は、外側寸法に関して、成形によって、特に襞付けすること又は拡大することによって、決められた寸法に調整され得る。
【符号の説明】
【0037】
10 触媒ユニット
11 貫流方向
12 触媒本体
13 ハウジング
14 外側横断面
15 支持マット
16 凹部
17 内側横断面
18 端面
19 端面
20 外側横断面
21 間隙