特許第6334795号(P6334795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334795ダブルベルトプレス装置および誘導加熱プレスモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6334795
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ダブルベルトプレス装置および誘導加熱プレスモジュール
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/06 20060101AFI20180521BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20180521BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20180521BHJP
   H05B 6/44 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B30B5/06 A
   B30B15/34 Z
   H05B6/10 381
   H05B6/44
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-169945(P2017-169945)
(22)【出願日】2017年9月5日
【審査請求日】2017年10月25日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、国立研究開発法人科学技術振興機構研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム「革新材料による次世代インフラシステムの構築〜安全・安心で地球と共存できる数世紀社会の実現〜」委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】317018088
【氏名又は名称】プロセスシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】北田 純一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 擁
(72)【発明者】
【氏名】石田 応輔
(72)【発明者】
【氏名】布谷 勝彦
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−094347(JP,A)
【文献】 特表2013−517970(JP,A)
【文献】 特開平03−264316(JP,A)
【文献】 特開昭62−248601(JP,A)
【文献】 特開平05−200591(JP,A)
【文献】 特開昭62−169611(JP,A)
【文献】 特開昭47−012192(JP,A)
【文献】 特開昭63−303697(JP,A)
【文献】 特開2014−221490(JP,A)
【文献】 特開2014−151349(JP,A)
【文献】 米国特許第04017248(US,A)
【文献】 米国特許第05088398(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 5/06
B30B 15/34
H05B 6/10
H05B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第1ベルトと、
第1ベルトの下側で、複数の第2駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第2ベルトと、
該第1ベルトと該第2ベルトとが対向する加圧領域に、該複数の第1駆動ローラの間および該複数の第2駆動ローラの間にそれぞれ配置された加圧装置と、を含み、
該加圧装置により該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品をプレスするダブルベルトプレス装置であって、
該加圧装置は、
筐体と、
該筐体に取り付けられ、該第1ベルトまたは該第2ベルトと接触する複数の加圧ローラと、を含み、
さらに、上記筐体から分離され、上記第1ベルトの上を転がる台車に載置され、該加圧ローラの間に配置されて、該第1ベルトまたは該第2ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱機と、を含むことを特徴とするダブルベルトプレス装置。
【請求項2】
上記加圧装置の少なくとも一方が、上記第1ベルトまたは該第2ベルトに向かって押圧されることを特徴とする請求項1に記載のダブルベルトプレス装置。
【請求項3】
上記第1ベルトおよび第2ベルトは、析出硬化系ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1または2に記載のダブルベルトプレス装置。
【請求項4】
複数の第1駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第1ベルトと、
第1ベルトの下側で、複数の第2駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第2ベルトと、を含み、
該第1ベルトと該第2ベルトとが対向する加圧領域で、該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品をプレスするダブルベルトプレス装置用の誘導加熱プレスモジュールであって、
該誘導加熱プレスモジュールは、
筐体と、
該筐体に取り付けられ、該第1ベルトまたは該第2ベルトと接触する複数の加圧ローラと、を含む加圧装置を有し、
さらに、上記筐体から分離され、上記第1ベルトの上を転がる台車に載置され、該加圧ローラの間に配置されて、該第1ベルトまたは該第2ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱機、を有し、
該加圧装置により該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品を加熱プレスすることを特徴とする誘導加熱プレスモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブルベルトプレス装置およびダブルベルトプレス装置に用いる誘導加熱プレスモジュールに関し、特に、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)等の成形品を加熱プレスするダブルベルトプレス装置およびダブルベルトプレス装置に用いる誘導加熱プレスモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固定ローラ式加熱プレス装置では、ローラに巻き掛けられたベルトが対向配置され、その間に、FRTPやラミネートシートのような成形品を通すことにより、加熱およびプレスを行い、成形を行っていた。成形品の加熱は、ベルトに熱風を吹き付けることによりベルトを加熱する間接加熱方式で行われていた。また、熱風に代えて、熱流体を用いる場合もあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−147280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、熱風や熱流体を用いてベルトを加熱する間接加熱方式では、加熱できる温度の上限や加熱装置の配置場所の制約により、加熱能力に限界があった。ダブルベルトプレス装置では、通常、ベルトの進行方向に沿って複数の加熱装置を配置してベルトを加熱するが、ベルトの温度が所定の設定温度に達するには、ベルトが移動して複数の加熱装置で加熱されることが必要であり、装置が大型化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、固定ローラ式加熱プレス装置の加熱方式を、間接加熱から直接加熱に変更することにより、急速な加熱を可能にし、小型化、高効率化されたダブルベルトプレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
複数の第1駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第1ベルトと、
第1ベルトの下側で、複数の第2駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第2ベルトと、
該第1ベルトと該第2ベルトとが対向する加圧領域に、該複数の第1駆動ローラの間および該複数の第2駆動ローラの間にそれぞれ配置された加圧装置と、を含み、
該加圧装置により該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品をプレスするダブルベルトプレス装置であって、
該加圧装置は、
筐体と、
該筐体に取り付けられ、該第1ベルトまたは該第2ベルトと接触する複数の加圧ローラと、
該加圧ローラの間に配置され、該第1ベルトまたは該第2ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱機と、を含むことを特徴とするダブルベルトプレス装置である。
【0007】
また、本発明は、
複数の第1駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第1ベルトと、
第1ベルトの下側で、複数の第2駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第2ベルトと、を含み、
該第1ベルトと該第2ベルトとが対向する加圧領域で、該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品をプレスするダブルベルトプレス装置用の誘導加熱プレスモジュールであって、
該誘導加熱プレスモジュールは、
筐体と、
該筐体に取り付けられ、該第1ベルトまたは該第2ベルトと接触する複数の加圧ローラと、
該加圧ローラの間に配置され、該第1ベルトまたは該第2ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱機と、を含む加圧装置を有し、
該加圧装置により該第1ベルトと該第2ベルトとの間で成形品を加熱プレスすることを特徴とする誘導加熱プレスモジュールでもある。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかるダブルベルトプレス装置およびダブルベルトプレス装置用の誘導加熱プレスモジュールでは、電磁誘導加熱を用いてベルトを直接加熱することにより、高効率で成形品の加熱が可能となる。この結果、ダブルベルトプレス装置の小型化、生産コストの削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1にかかるダブルベルトプレス装置の概略図である。
図2】本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュールの概略図である。
図3】本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュールを用いた場合の加熱速度を示すグラフである。
図4】温風加熱プレモジュールと誘導加熱プレモジュールの加熱特性を比較したグラフである。
図5】成形品の先端部が導入された場合の誘導加熱プレスモジュールの概略図である。
図6】本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱プレスモジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1は、全体が1000で表される、本発明の実施の形態1にかかるダブルベルトプレス装置の概略図である。図1に示すダブルベルトプレス装置1000では、複数のシート50a〜50eのラミネート構造からなる成形品50を加熱プレスして、ラミネートシートを形成する。矢印は成形品50の移動方向を示す。
【0011】
ダブルベルトプレス装置1000は、2つの第1駆動ローラ500aに巻き掛けられて周回走行する第1ベルト10aと、第1ベルト10aの下側で、2つの第2駆動ローラ500bに巻き掛けられて周回走行する第2ベルト10bとを有する。第1ベルト10aおよび第2ベルト10bは、エンドレスベルトからなることが好ましい。また、第1ベルト10aおよび第2ベルト10bは、電磁誘導加熱が可能な材料からなり、例えばステンレス鋼、特に、低炭素、マルテンサイト系、析出硬化系ステンレス鋼からなることが好ましい。
【0012】
また、ダブルベルトプレス装置1000は、成形品50を、所定の温度まで急速に加熱する誘導加熱プレスモジュール100と、所定の温度で成形品50を加熱プレスする加熱プレスモジュール200と、加熱プレスした成形品50を冷却する冷却ユニット300を有する。
【0013】
図2は、誘導加熱プレスモジュール100の概略図である。誘導加熱プレスモジュール100は、第1ベルト10aの上側で、2つの第1駆動ローラ500aの間に配置された第1加圧装置20aと、第2ベルト10bの下側で、2つの第2駆動ローラ500bの間に配置された第2加圧装置20bとを有する。
【0014】
第1加圧装置20aは、第1筐体23aと、第1筐体23aに取り付けられて、第1ベルト10aと接触する複数の第1加圧ローラ25aを有する。第1加圧ローラ25aは、成形品50の移動に伴い転がる。第1加圧ローラ25aは、例えば鉄からなる。
【0015】
第1加圧ローラ25aの間には、第1誘導加熱機21aが設けられている。第1誘導加熱機21aは、コイル(図示せず)を含み、コイルに高周波電流を供給することにより、ステンレス鋼からなる第1ベルト10aを電磁誘導加熱する。
【0016】
同様に、第2加圧装置20bは、第2筐体23bと、第2筐体23bに取り付けられて、第2ベルト10bと接触する複数の第2加圧ローラ25bを有し、第2加圧ローラ25bは、成形品50の移動に伴い転がる。第2加圧ローラ25bの間には、第2誘導加熱機21bが設けられ、第2ベルト10bを電磁誘導加熱する。
【0017】
図2では、第1加圧装置20aの第1筐体23a、および第2加圧装置20bの第2筐体23bは、それぞれ4つの第1加圧ローラ25a、第2加圧ローラ25bと、その間に設けられた3つの第1誘導加熱機21a、第2誘導加熱機21bを有するが、これらの数に限定されるものではない。
【0018】
第1加圧装置20aの上には、第1筐体23aを第1ベルト10a方向(矢印31の方向)に押すためのシリンダ30が設けられている。シリンダ30は、例えばエアシリンダや油圧シリンダからなる。シリンダ30以外の加圧手段を用いても構わない。
【0019】
シリンダ30で第1筐体23aを第1ベルト10a方向(矢印31の方向)に押すことにより、第1加圧ローラ25aと第2加圧ローラ25bとの間で成形品50がプレスされる。
【0020】
誘導加熱プレスモジュール100で、プレスしながら所定の成形温度まで加熱された成形品50は、所定の成形温度に維持された加熱プレスモジュール200に送られる。加熱プレスモジュール200では、ローラと加熱手段(図示せず)を用いて加熱プレスを行い、シート50a〜50eをプレス接合して、ラミネート構造の成形品(ラミネートシート)50とする。
【0021】
加熱プレスモジュール200で加熱プレスされた成形品50は、最後に、冷却ユニット300に送られ、例えば液圧式プレスにより、プレスしながら冷却される。以上により、ラミネート構造の成形品(ラミネートシート)50が完成する。
【0022】
なお、ここでは、複数のシート50a〜50eのラミネート構造からなる成形品50を加熱プレスして、ラミネートシートを形成する場合について説明したが、成形品50は、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維、その他無機系繊維、または高分子ポリマー繊維などの連続繊維もしくは長繊維を強化繊維に用いた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)シートやフィルム、プラスチックシート、プリント基板の他、粉体や粒体、ラバー複合材料等であっても良い。また、ラミネートシートのラミネートプロセス、繊維強化熱可塑性プラスチックの含浸プロセスの他、加硫プロセス等のプロセスにも適用できる。
【0023】
図3は、図2に示す誘導加熱プレスモジュール100を用いた場合の、第1ベルト10aと成形品50の温度変化を示す。実線Aは第1ベルト10aの温度、破線Bは成形品50の温度、矢印は成形品50の移動方向を示す。
【0024】
図3では、成形品50の温度を、予備加熱温度Tm1から、加熱プレスの設定温度Tm2まで昇温する。このため、第1ベルト10aの設定温度は、Tm2より高いTb1としている。第1ベルト10aは成形品50と共に、矢印の方向に一定の速度Vbで移動する。成形品50には、膜厚tmの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)シートを用いる。
【0025】
図3に示すように、矢印方向に移動する第1ベルト10aが、3つの第1誘導加熱機21aにより電磁誘導加熱されることにより、設定温度のTb1に達する。これに伴って、成形品50の温度も、設定温度Tm2に達する。
【0026】
図4は、従来の温風加熱プレスモジュールと、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュール100を用いた場合の、プレスモジュール内での成形品50の移動距離と、その位置における第1ベルト10aと成形品50の温度を示す。図4において、縦軸は温度、横軸はプレスモジュールの入口からの距離(プレスモジュール内での移動距離)を示す。図4中、実線Aは第1ベルト10aの温度、破線Bは成形品50の温度を示す。
【0027】
プレスモジュール内では、成形品50は、一定の速度Vbで、矢印の移動方向に移動しながら、予備加熱温度Tm1から設定温度Tm2(上述のように第1ベルト10aの設定温度はTb1)まで加熱される。
【0028】
図4から分かるように、第1ベルト10aの温度が設定温度Tb1になるまでに成形品50が移動する距離は、従来の温風加熱モジュールではW2であるが、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュール100では、W2の約1/10のW1となる。即ち、誘導加熱プレスモジュール100では、第1ベルト10aを所定の設定温度Tb1に加熱するための移動距離(ベルト昇温長)が、従来の温風加熱モジュールに比べて約10分の1となる。言い換えれば、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュール100の加熱能力は、従来の温風加熱モジュールの約10倍となる。
【0029】
これに伴い、成形品50が予備加熱温度Tm1から設定温度Tm2に到達するまでの移動距離も、従来の温風加熱モジュールの2lに比較して、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュール100では約2分の1のlに低減できる。
【0030】
このように、所定の設定温度になるまでの移動距離が短くなると、成形品50の移動方向におけるプレスモジュールの長さも短縮できる。
【0031】
上述のように、本発明の実施の形態1では、成形品50が予備加熱温度Tm1から設定温度Tm2に到達するまでの移動距離が、従来の温風加熱プレスモジュールの約2分の1となる。このため、誘導加熱プレスモジュール100の長さも約2分の1にすることができ、この結果、ダブルベルトプレス装置1000の小型化が可能となる。
【0032】
なお、ここでは、成形品50が予備加熱温度Tm1から設定温度Tm2まで加熱される場合に、誘導加熱プレスモジュール100の長さが約2分の1に短縮できる場合について説明したが、設定温度等により、短縮できる長さは変わる。しかしながら、いずれの場合においても、誘導加熱プレスモジュール100の長さは従来より短縮でき、ダブルベルトプレス装置1000の小型化が可能となる。
【0033】
また、熱風や熱流体を用いる間接加熱方式に比較して、本発明の実施の形態1のような、電磁誘導加熱装置を用いてベルト自体を直接加熱する直接加熱方式では、加熱効率が向上し、省エネ化、低コスト化が可能となる。
【0034】
なお、予備加熱温度Tm1や設定温度Tm2、第1ベルト10aの移動速度Vb等の設定条件は、ダブルベルトプレスによって成形される繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の強化繊維の種類、形状、膜厚、マトリックスとなる樹脂の加工条件、生産速度要求等に応じて決定される。
【0035】
<実施の形態2>
図5は、実施の形態1にかかる誘導加熱プレスモジュール100において、成形品50の先端部を第1ベルト10aと第2ベルト10bの間に挿入した状態を示す。図5中、図2と同一符合は同一または相当箇所を示す。
【0036】
連続した成形品50の生産開始時には、成形品50は先端部ほど膜厚が薄くなり、この膜厚の薄い先端部が誘導加熱プレスモジュール100に挿入される。このため、成形品50の加熱プレス開始時においては、図5のように、第1ベルト10aが撓んで、成形品50の上面に載る。この結果、第1加圧装置20aと第1ベルト10aの距離が大きくなり、第1誘導加熱機21aでは十分に第1ベルト10aを加熱できない場合が生じる。この場合、成形品50の加熱が不十分となり、成形品50の特性が劣化する場合もある。
【0037】
そこで、本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱プレスモジュール150では、図6に示すように、第1誘導加熱機121aを台車構造とする。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱プレスモジュール150の一部の概略図であり、図6中、図2と同一符合は、同一または相当箇所を示す。実施の形態2にかかる誘導加熱プレスモジュール150では、第1誘導加熱機121aは、車輪122aを備えた台車構造となっている。第1誘導加熱機121aは、第1筐体23aには固定されず上下方向に自由に移動できるようになっている。
【0039】
本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱プレスモジュール150では、成形品50の膜厚が薄く、第1ベルト10aが第1筐体23aから離れた場合でも、第1誘導加熱機121aは、車輪122aにより常に第1ベルト10aの上に載った状態になっている。このため、第1誘導加熱機121aと第1ベルト10aとの距離をほぼ一定に保持でき、第1ベルト10aを制御性良く電磁誘導加熱できる。
【符号の説明】
【0040】
10a、10b 第1、第2ベルト
20a、20b 第1、第2加圧装置
21a、21b 第1、第2誘導加熱機
23a、23b 第1、第2筐体
25a、25b 第1、第2加圧ローラ
30 シリンダ
50 成形品
100、150 誘導加熱プレスモジュール
500a、500b 第1、第2駆動ローラ
1000 ダブルベルトプレス装置
【要約】
【課題】急速な加熱を可能にし、小型化、高効率化されたダブルベルトプレス装置を提供する。
【解決手段】複数の第1駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第1ベルトと、第1ベルトの下側で、複数の第2駆動ローラに巻き掛けられて周回走行する第2ベルトと、第1ベルトと第2ベルトとが対向する加圧領域に、複数の第1駆動ローラの間および複数の第2駆動ローラの間にそれぞれ配置された加圧装置とを含み、加圧装置により第1ベルトと第2ベルトとの間で成形品をプレスするダブルベルトプレス装置において、加圧装置は、筐体と、筐体に取り付けられ、第1ベルトまたは第2ベルトと接触する複数の加圧ローラと、加圧ローラの間に配置され、第1ベルトまたは第2ベルトを電磁誘導加熱する誘導加熱機とを含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6