特許第6334806号(P6334806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334806
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】包装アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20180521BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20180521BHJP
   B65D 47/40 20060101ALI20180521BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20180521BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20180521BHJP
   B65D 25/48 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B65D47/06 400
   B65D47/32 100
   B65D47/40 200
   B65D47/12 200
   B65D1/02 212
   B65D25/48 B
   C11D17/08
   C11D17/04
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-503045(P2017-503045)
(86)(22)【出願日】2015年2月25日
(65)【公表番号】特表2017-515765(P2017-515765A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2015073262
(87)【国際公開番号】WO2015158183
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2016年10月4日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2014/075693
(32)【優先日】2014年4月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー、クリスチャン、フランシス、ダグネリエ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ユベール、エム、デ、ワイルド
(72)【発明者】
【氏名】クリス、ファン、デン、ワウウェル
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ、ミゲル、デ、タバレス、デュアルテ、ノゲイラ
(72)【発明者】
【氏名】ロブ、エリック、オルセン
(72)【発明者】
【氏名】シ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】チァン、メンディ
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05251788(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0204099(US,A1)
【文献】 米国特許第06398076(US,B1)
【文献】 米国特許第06221825(US,B1)
【文献】 特開昭59−152160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
B65D 1/00− 1/48
B65D 23/00−25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)オリフィス(101)と、反対側の下面(102)とを含み、前記下面(102)は前記下面(102)に垂直な長手方向軸線を画定する、容器(100)であって、前記長手方向軸線が前記オリフィス(101)を通過する、容器(100)と、
b)前記オリフィス(101)に係合する移行部品(200)であって、
i)前記オリフィス(101)に近接した基端部(202)と、円周方向に一体の開口部(204)を有する反対側の注液端部(203)と、を有する注ぎ口(201)と、
ii)前記基端部(202)に隣接して位置する脱気孔(209)、を含む移行部品(200)と、を含み、
前記注ぎ口(201)及び前記脱気孔(209)が、前記オリフィス(101)と流体連通しており、前記脱気孔(209)が、前記注ぎ口開口部(204)の断面積の1/20〜1/3である断面積を有し、
前記注ぎ口開口部(204)が傾斜しており、前記注ぎ口開口部(204)に沿って円周方向に対向する第1の頂き部(207)と第1の最下点(208)とを含み、前記注ぎ口開口部(204)が、前記長手方向軸線に対して15°〜85°の角度とされ、前記注ぎ口(201)が前記注ぎ口開口部(204)に向かって先細になり、かつ前記第1の頂き部(207)に向かって傾いているものであり、
前記脱気孔(209)及び前記注ぎ口開口部(204)は、前記脱気孔(209)と前記第1の最下点(208)とが、前記長手方向軸線を中心に互いに約45度(約0.25πラジアン)以内の角度となり、かつ、前記脱気孔(209)と前記第1の頂き部(208)とが、前記長手方向軸線を中心に互いに135〜180度(0.75π〜1πラジアン)の角度となるように、位置合わせされ
c)前記移行部品(200)に取り外し可能に密封係合し、かつ前記注ぎ口(201)を包囲するように構成されたキャップ(300)であって、前記移行部品(200)に密封係合されると前記注ぎ口(201)と流体連通する、キャップ(300)を更に含み、 前記(キャップ)が次のa)〜d)の4つ全てを特徴とする:
a)前記キャップ(300)は注出キャップであり、かつ10mL〜250mLの内部容積を有し、前記キャップ(300)は少なくとも部分的に透明であり、かつ1つ以上の容積測定のためのしるしがつけられており、
b)前記キャップ(300)は、自立しているときに前記長手方向軸線に沿って測定して20mm〜100mmの高さを有し、前記注ぎ口(201)は、前記長手方向軸線に沿って前記基端部(202)から前記注ぎ口開口部(204)まで測定して20mm〜80mmの長さを有し、前記キャップ(300)の前記高さは、前記注ぎ口(201)の前記長さよりも長いものであり、
c)前記キャップ(300)はキャップ開口部(301)を含み、前記注ぎ口開口部(204)は、前記キャップ開口部(301)の前記断面積の50%未満である断面積を有し、
d)前記キャップ(300)は、前記移行部品(200)に密封係合したときに倒円錐形状を有する、包装アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記注ぎ口開口部(204)が、20mm〜400mmの断面積を有する、請求項1に記載の包装アセンブリ。
【請求項3】
前記移行部品(200)が、前記基端部(202)を取り囲む環状溝(210)と、前記溝(210)を取り囲む、径方向に突出するシュラウド(213)と、を更に含み、前記脱気孔(209)が前記溝(210)の中に位置決めされる、請求項1又は2に記載の包装アセンブリ。
【請求項4】
前記溝(210)が傾斜しており、前記溝(210)に沿って円周方向に対向する第2の頂き部(211)と第2の最下点(212)とを含み、前記脱気孔(209)が前記第2の最下点(212)に位置し、前記溝(210)が、前記長手方向軸線に対して5°〜85°の角度とされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項5】
前記シュラウド(213)が、外部表面(215)と、前記外部表面(215)の反対側の内部表面(214)と、外部表面(215)と内部表面(214)との間のショルダー(217)と、前記外部表面(215)の裏側の締結面(218)と、を含み、前記シュラウド外部表面(215)が一連の線状の刻み目(216)を有し、前記シュラウド締結面(218)が、前記移行部品(200)を前記容器(100)で密封するように構成された第1の密封手段(220)を有し、前記ュラウド内部表面(214)が、前記移行部品(200)をキャップで密封するように構成された第2の密封手段(221)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項6】
前記シュラウド(213)が、前記シュラウドショルダー(217)の裏側に配設されたプラグシール(222)を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項7】
前記容器(100)が、前記長手方向軸線を含む長手方向断面に沿って左右対称であり、前記注ぎ口(201)と前記脱気孔(209)との両方が、前記長手方向断面に沿って左右対称であり、かつ前記長手方向断面内の前記長手方向軸線から反対方向にオフセットされている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項8】
前記注ぎ口開口部(204)が、楕円形、円形、半円形、三角形、長方形、台形、五角形、又は六角形から選択される形状を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項9】
ハンドル(400)を更に含み、前記ハンドル(400)が、前記ハンドル(400)と前記脱気孔(209)とが、前記長手方向軸線を中心に互いに約45度(約0.25πラジアン)の角度以内となるように、前記脱気孔(209)と位置合わせされる、請求項1〜のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項10】
前記包装アセンブリ(10)が、前記基端部(202)に隣接して並んで位置決めされる複数の脱気孔(209)を含み、前記複数の脱気孔(209)が、前記注ぎ口開口部(204)の前記断面積の1/20〜1/3である総断面積を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の包装アセンブリ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装アセンブリと、前記包装アセンブリ内に収容されている液体洗剤組成物と、を含む液体洗剤製品であって、前記液体洗剤組成物が、剪断速度20/秒及び温度21℃において200〜3,000センチポアズ(「cps」)の粘度値を有し、前記液体洗剤組成物を前記包装アセンブリから10mL/s〜40mL/sの流速で注出させることが可能であり、
好ましくは、前記液体洗剤組成物が、水酸基含有結晶性物、ポリアクリレート、多糖類、ポリカルボキシレート、アミンオキシド、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、C12〜C20脂肪アルコール、ジベンジリデンポリオールアセタール誘導体、ジアミドゲル化剤、メタクリルアミドから誘導された第1の構造単位とジアリルジメチルアンモニウムクロリドから誘導された第2の構造単位とを含むカチオン性ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるレオロジー変性剤を含む、液体洗剤製品。
【請求項12】
布地を洗浄する際の、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装アセンブリ、あるいは請求項11に記載の液体洗剤製品のいずれかの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装アセンブリに関する。本発明はまた、包装アセンブリと、包装アセンブリ内に収容されている液体洗剤と、を含む液体洗剤製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーは固形洗剤よりも液体洗剤の方をますます好むようになってきており、これは主として、洗濯サイクル中の液体洗剤の改善された水溶性によるものである。更に、粘稠な液体洗剤(例えば、容器から注ぎ出されるときの粘度が500センチポア(「cps」)である液体洗剤組成物)は、高品質な製品であることを暗に示す傾向があるので望ましい。しかしながら、粘度の増加に伴って包装からの注出の困難性が高まることから、そのような粘稠な液体洗剤は、包装に関わる難題をもたらす。例えば、液体洗剤の流速が、ユーザーが許容し得ないほど遅くなり過ぎる場合があり、又は液体洗剤がバルクを形成し、このバルクが包装の開口部をブロックする場合がある。
【0003】
従来、粘稠な液体洗剤に伴う分注に関する問題は、注ぎ口の長さに沿って延びる長手方向スロット又はトラフを備えた注ぎ口(すなわち、注ぎ口自体は円周方向に一体ではない)を有する容器を提供することによって解決される。確かに、そのようなスロット付き開口部により、許容不可能ほど遅い流速又はバルクの形成は回避される。しかしながら、液体洗剤は、そのようなスロット付き注ぎ口から流れ出るのが速過ぎて、それによって望ましくない乱流を引き起こす場合がある。更に、液体洗剤の流速が速いと通気が不十分になる、すなわち、液体洗剤が容器から注出されるのと同時に十分な空気を容器内に通気することができない。従って、容器内の空気圧が有意に減少するので、注出中に流れが好ましくない方法で停止する可能性、又は少なくとも不連続流を有する可能性がある。また、従来技術は、脱気孔とかかる注ぎ口との組み合わせを開示している。しかしながら、当該技術分野において、脱気孔のサイズ及び位置は注ぎ口と良好に位置合わせされておらず、その結果、脱気孔の通気機能には一貫した信頼性がない、すなわち、注出中に液体洗剤が脱気孔からも流れ出てしまう場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、包装アセンブリからの液体洗剤組成物(特に粘稠な液体洗剤組成物)の制御された注出をもたらす、すなわち、適切な流速、連続流、十分な通気、又は乱流を生じさせないといった液体洗剤組成物の所望の流れをもたらす、包装アセンブリが求められている。
【0005】
多種多様な容器に適合する移行部品、並びに、開詮トルクの変動を低く維持しながら様々な容器とキャップとを組み合わせることが可能な移行部品を含む包装アセンブリを提供することが、本発明の利点である。
【0006】
注出後に残留液体組成物を開口部から容器へと完全かつ効率的に逆流させ、それによって液体組成物が蓄積及び乾燥するのを防止することが可能である包装アセンブリを提供することが、本発明の別の利点である。
【0007】
いくつかの構成要素を有する包装アセンブリであって、該構成要素が、独立して又は相互に組み合わされて、包装アセンブリ内に収容されている液体洗剤組成物を注出する際の最も能率的なやり方の、ユーザーに対する視覚的合図としての役割を果たす、包装アセンブリを提供することが、本発明の更に別の利点である。
【0008】
液体組成物、特に濃縮された液体組成物の正確な投与を可能にする、移行部品と注出キャップとを含む包装アセンブリを提供することが、本発明の更に別の利点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は包装アセンブリを目的とし、該包装アセンブリは、
a)オリフィスと、反対側の下面とを含み、下面は該下面に垂直な長手方向軸線を画定する、容器であって、長手方向軸線がオリフィスを通過する、容器と、
b)オリフィスに係合する移行部品であって、
i)オリフィスに近接した基端部と、円周方向に一体の開口部を有する反対側の注液端部と、を有する注ぎ口と、
ii)基端部に隣接して位置する脱気孔、を含む移行部品と、を含み、
注ぎ口及び脱気孔は、オリフィスと流体連通しており、脱気孔は、注ぎ口開口部の断面積の約1/20〜1/3である断面積を有する。
【0010】
別の態様では、本発明は液体洗剤製品を目的とし、該液体洗剤製品は、包装アセンブリと、包装アセンブリ内に収容されている液体洗剤組成物と、を含み、液体洗剤組成物は、剪断速度20/秒及び温度21℃において、約200〜約3,000cp、好ましくは約300〜約2,000cps、より好ましくは約500〜約1,000cpsの粘度値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による包装アセンブリの正面図である。
図2A】本発明の好ましい一実施形態による移行部の断面図である。
図2B図2Aの移行部品の上面図である。
図2C図2Aの移行部品の底面図である。
図3】本発明の別の実施形態による二重密封システムを含む移行部品の断面図である。
図4】本発明の好ましい一実施形態による移行部品及びキャプの斜視図である。
図5】キャップが移行部品に密封係合したときの、図4の移行部品及びキャップの斜視図である。
図6】本発明の別の好ましい実施形態による包装アセンブリの斜視図である。
図7】左から右に(順番に)、本発明による比較例2A及び2B並びに実施例1B及び1Aの移行部品の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の包装アセンブリは、包装アセンブリからの液体洗剤組成物の制御された注出を提供する。驚くべきことに、円周方向に一体である開口部を有する注ぎ口(すなわち、当該技術分野のスロットを有する注ぎ口とは対照的に、注ぎ口の一部又は全長に沿って延びる長手方向スロットを有しない)を、開口部に対して特定の位置に位置決めされた特定の大きさの脱気孔と併せて提供することによって、本明細書の包装アセンブリは、通気に伴う問題に対処し、それによって液体洗剤組成物の望ましい一定の流れが可能となることが見出された。更に、脱気孔を注ぎ口の基端部に隣接して(すなわち、注ぎ口開口部から離して)位置決めすることによって、液体組成物経路(すなわち、注ぎ口開口部)が空気経路(すなわち、脱気孔)と競合せず、それによって注出の間の乱流が低減される。
【0013】
定義
本明細書で使用するとき、用語「液体洗剤組成物」は、布地ケア、ホームケア、及びヘアケアの分野において、布地、硬質若しくは軟質表面、毛髪、又は任意のその他の表面の洗浄又は処理に関する液体組成物を意味する。洗剤組成物の例としては、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、布地柔軟剤、カーペットクリーナー、床クリーナー、風呂場クリーナー、トイレクリーナー、シンククリーナー、食器洗浄洗剤、空気ケア(air care)、車ケア、シェービングクリーム、毛髪用シャンプー、毛髪用コンディショナーなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、液体洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物、液体布地柔軟剤組成物、液体食器洗浄洗剤組成物、又は液体硬質表面洗浄組成物であり、より好ましくは、液体洗濯洗剤組成物又は液体布地柔軟剤組成物であり、更により好ましくは、液体洗濯洗剤組成物である。液体洗剤組成物は、水性であっても非水性であってよく、異方性、等方性、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「容器」は、組成物、具体的には液体組成物を収容するのに適した包装を指す。容器の非限定的例としては、ボトル、トトル、ジャー、カップ、キャップなどが挙げられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、組成物が特定の成分を「実質的に含まない」ときとは、その組成物が、微量に満たない、あるいは組成物の0.1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%の特定成分を含むことを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲で使用されるとき、特許請求又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的である、すなわち、最終結果に影響を及ぼすことのない他の工程及び他の成分を加えることができることを指す。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0018】
包装アセンブリ
図1は、本発明の包装アセンブリ10の好ましい実施形態を示す。包装アセンブリ10は、容器100の内部容積と流体連通し、かつそこから収容されている液体組成物が流出することができるオリフィス101と、オリフィス101の反対側の下面102と、を有する容器100を含む。容器100は、下面102からオリフィス101まで延在する外周壁部104を含む。下面102は、下面102に垂直な長手方向軸線(図1に示す「L軸線」)を画定し、この長手方向軸は、好ましくはオリフィス101の中心点と交差してオリフィス101を通過する。特定の実行例では(例えば、押出吹込成形(EBM))、容器100はその下面102に中心線(図示せず)を有する。好ましくは、長手方向軸線は、下面102の中心線に垂直であり、長手方向軸線と中心線とが一緒になって長手方向断面(図示せず)を画定する。好ましくは、容器100は、長手方向断面に沿って左右対称である。
【0019】
本明細書の容器100は、当該技術分野において既知の任意の好適なサイズであってよい。一実施形態では、容器は、250mL〜8,000mL、あるいは500mL〜3,000mL、あるいは800mL〜2,000mLの内部容積を有するように構成される。
【0020】
図1に示すように、包装アセンブリ10は、容器100のオリフィス101に係合することができる移行部品200を含む。移行部品200は透明又は半透明又は不透明であり得るが、好ましくは不透明であり、かつ容器100と同じ色を有し、それによって、意図される用途のもとで移行部品200を容器100から取り外すべきではないことをユーザーに示す。移行部品200は、オリフィス101に近接した基端部202と、円周方向に一体の開口部204を有する反対側の注液端部203と、を有する注ぎ口201と、基端部202に隣接する脱気孔209と、を含む。注ぎ口201及び脱気孔209は、オリフィス101と流体連通している。注ぎ口201は、容器100から流れてきた液体組成物を、オリフィス101を介して注出するように構成されており、注ぎ口201は、液体組成物と接触する内部表面205と、反対側の外部表面206と、を含んでいる。好ましくは、注ぎ口の内部表面205は、注ぎ口201の全長に沿って延在する1つ以上のリブ223(図2B及び図2Cに示す)を有し、それによって注ぎ口201の強度を強化する。脱気孔209は、注出中に容器100の中に空気を通すように構成されており、更に、注出後に移行部品200内に残った残留液体洗剤組成物が容器100の中に逆流できるようにする排水孔として機能し得る。
【0021】
好ましくは、本明細書の注ぎ口開口部204は比較的小さい。一実施形態では、注ぎ口開口部204は、20mm〜400mm、より好ましくは50mm〜300mm、更により好ましくは100mm〜200mmの断面積を有する。そのような比較的小さい注ぎ口開口部204は、容器100からの液体組成物の一定の流れを可能にする。これに対し、当該技術分野において比較的大きい開口部を有する容器注ぎ口は、典型的には、注出中に激しい乱流を引き起こす。
【0022】
注ぎ口開口部204は、断面積に関して、脱気孔209に対する特定の比率を有する。具体的には、脱気孔209は、注ぎ口開口部204の断面積の1/20〜1/3、好ましくは1/15〜1/4、より好ましくは1/10〜1/5である断面積を有する。脱気孔209の最小寸法は、概して、容器100内に収容される液体組成物、特に該組成物の粘度と相関する。脱気孔209は、抽出している間に液体組成物が容易に塞ぐことができる程小さくないのが好ましい。一実施形態では、脱気孔209は、2mm〜50mm、好ましくは10mm〜40mm、より好ましくは20mm〜30mmの断面積を有する。注ぎ口201は複数の脱気孔209を含んでいてもよい。複数の脱気孔の実行例では、複数の脱気孔209は、注ぎ口開口部204に対する比率要件を満たす総断面積を有しなければならない。こうした複数の脱気孔209は、個別に配置されても、並んで配置されてもよいが、注ぎ口201の基端部202に隣接して並んで配置されるのが好ましい。
【0023】
ここで図2A図2B、及び図2Cを参照すると、本発明の移行部品200の好ましい実施形態が示されている。注ぎ口201と脱気孔209とは、長手方向断面に沿って左右対称である。好ましくは、注ぎ口開口部204は、長手方向断面内の長手方向軸線からオフセットして位置付けられ、同様に脱気孔209は、長手方向断面内の長手方向軸線から(注ぎ口開口部204に対して)反対方向にオフセットして位置付けられる。このように、注ぎ口開口部204の位置と脱気孔209の位置をできる限り離すことによって、包装アセンブリ10は、液体組成物経路と空気経路との間の競合を防ぎ、それによって抽出している間の乱流を低減させる。
【0024】
注ぎ口開口部204は、傾斜していても、長手方向軸線に垂直であってもよいが、傾斜しているのが好ましい。図2Aに示すように、注ぎ口開口部204は傾斜しており、かつ、第1の頂き部207と、注ぎ口開口部204に沿って円周方向に対向する第1の最下点208と、を含んでいる。傾斜している実行例では、注ぎ口開口部204は、長手方向軸線に対して任意の鋭角、好ましくは15°〜85°、より好ましくは45°〜80°とすることができる。注ぎ口201は、長手方向軸線に平行であってもよく、又は傾いていてもよいが、第1の頂き部207に向かって傾いているのが好ましい。そのような傾斜した注ぎ口開口部204により、包装アセンブリ10は、包装アセンブリ10内に収容されている液体組成物を注出する際の(すなわち、包装アセンブリ10を傾斜した注ぎ口開口部204の第1の頂き部207に向けて傾ける際の)最も能率的なやり方のはっきりとした視覚的合図を、ユーザーに提供することが可能となる。更に、注ぎ口開口部204を傾斜させ、それに応じて注ぎ口201を傾けることによって(すなわち、傾斜した注ぎ口開口部204の第1の頂き部207に向けて)、本発明の包装アセンブリ10は、液体組成物を注出するために容器を傾けなければならない角度を小さくし、それによって投与経験を容易にする。加えて、そのような傾斜した注ぎ口開口部204は、より大きな断面寸法を可能にする。
【0025】
一実施形態では、注ぎ口開口部204は、特に第1の頂き部207において又はその近くで鋭角であるので、外部表面206上に留まっている又は脱気孔209を介して容器100に逆流する組成物残留物を防ぐ又は低減する方法で、容器100から注がれている液体組成物の流れを急に止めることができ、それによって、使用中に包装アセンブリ10を清潔に維持することができる。注ぎ口開口部204の鋭さは、好ましくは、注ぎ口開口部204の面取り縁部(図示せず)を特徴とする。そのような面取り縁部は、長手方向軸線に対して30°〜90°の角度で真っ直ぐであるのが好ましい。
【0026】
脱気孔209及び注ぎ口開口部204は、長手方向軸線に対して概ね位置合わせされるのが好ましい。図2A及び図2Bに示すように、脱気孔209及び注ぎ口開口部204は、脱気孔209と第1の最下点208とが、長手方向軸線を中心に互いに45度(0.25πラジアン)の角度以内、好ましくは18度(0.1πラジアン)の角度以内となるように位置合わせされる。脱気孔209と注ぎ口開口部204とはまた、脱気孔209と第1の頂き部207とが、長手方向軸線を中心に互いに135〜180度(0.75π〜1πラジアン)の角度、好ましくは162〜180度(0.9π〜1πラジアン)となるように位置合わせされるのが好ましい。脱気孔209は断面積を有するので(すなわち、一点ではなく、複数の点を含む)、定義上、脱気孔209上の任意の点が、第1の最下点208又は第1の頂き部207に対する角度要件を満たす場合には、脱気孔は、第1の最下点208又は第1の頂き部207と規定された角度であるとする。脱気孔209と傾斜した注ぎ口開口部204とを位置合わせすることによって、包装アセンブリ10は、ユーザーが傾斜した注ぎ口開口部204によって提供される視覚的合図に従って組成物を意図的に注出した後の、容器100からの液体組成物の即時かつ一定の流れを確実にする。
【0027】
長手方向軸に沿って基端部202から注ぎ口開口部204まで測定した注ぎ口201は、容器100内に収容されている液体洗剤組成物の粘度、注ぎ口開口部204及び脱気孔209のサイズなどの要因に応じて、任意の好適な長さであってよい。一実施形態では、注ぎ口は、長手方向軸に沿って基端部202から注ぎ口開口部204まで測定して、20mm〜80mm、あるいは20mm〜60mm、あるいは20mm〜40mm、あるいは40mm〜60mmの長さを有する。更に、注ぎ口201は、長手方向軸線に沿って、長手方向軸線に垂直である同一の又は異なる断面積であり得るが、図2Aに示すように、注ぎ口開口部204に向かって先細となる(すなわち、長手方向軸線に垂直な断面積が次第に狭くなる)のが好ましい。そのようなテーパ状の注ぎ口は、注出時の乱流を更に低減させる。
【0028】
注ぎ口開口部204及び脱気孔209は共に、対称又は非対称のいずれかの任意の好適な幾何学的形状であり得る。一実施形態では、注ぎ口開口部204は、楕円形、円形、半円形、三角形、長方形、台形、五角形、又は六角形から選択される形状を有する。好ましくは、注ぎ口開口部204は、図2Bに示すように、楕円形状を有する。同様に、脱気孔209は、環状、環状扇形、楕円形、円形、半円形、三角形、長方形、台形、五角形、又は六角形から選択される形状を有する。以降に示すように脱気孔209が溝210に位置決めされる実行例では、脱気孔209は、溝と位置合わせされた形状を有し、好ましくは図2B及び図2Cに示す環状扇形状を有する。
【0029】
図2A図2B、及び図2Cに示すように、移行部品200は、注ぎ口201の基端部202を取り囲む溝210、好ましくは環状溝210と、溝210を取り囲む、径方向に突出するシュラウド213と、を更に含む。脱気孔209は溝210に位置決めされる。シュラウド213は、外部表面215と、反対側の内部表面214と、それらの間のショルダー217と、を含む。シュラウド内部表面214は注ぎ口の外部表面206と対向しており、それによってシュラウド213と注ぎ口201との間に間隙219が形成される。溝210は、間隙219の底面境界を画定する。好ましくは、溝210及びシュラウド213は共に、長手方向軸線を中心とする環状である。
【0030】
注ぎ口開口部204と同様に、溝210は、傾斜していても、長手方向軸線に垂直であってもよいが、傾斜しているのが好ましい。図2Aに示すように、溝210は傾斜しており、かつ、溝210に沿って円周方向に対向する第2の頂き部211と第2の最下点212とを含んでいる。傾斜している実行例では、溝210は、長手方向軸線に対して任意の鋭角、好ましくは5°〜85°、より好ましくは20°〜70°とすることができる。脱気孔209は、直立位置であるときに液体組成物が容器100の中に重力によって逆流できるように、溝210の第2の最下点212に位置決めされる。脱気孔209及び溝210は更に、脱気孔209と第2の頂き部211とが、長手方向軸線を中心に互いに135〜180度(0.75π〜1πラジアン)の角度、好ましくは162〜180度(0.9π〜1πラジアン)となるように位置合わせされるのが好ましい。脱気孔209は断面積を有するので(すなわち、一点ではなく、複数の点を含む)、定義上、脱気孔209上の任意の点が、第2の頂き部211に対する角度要件を満たす場合には、脱気孔及び第2の頂き部211は規定された角度であるとする。脱気孔が複数の実行例では、複数の脱気孔209のうちの少なくとも1つが溝210に位置するのが好ましく、複数の脱気孔209のうちの1つが溝210の第2の最下点212に位置するのがより好ましい。更により好ましくは、複数の脱気孔210は、溝210に並んで配置され、複数の脱気孔209のうちの1つは、溝210の第2の最下点212に位置決めされる。溝210を(好ましくは適切な角度で)傾斜させ、脱気孔209を特定の位置に位置決めすることによって、本発明の包装アセンブリ10は、注出後に液体洗剤組成物の残留物が該アセンブリの開口部から容器まで、完全に及び効率的に逆流するのを可能にし、それによって残留物が蓄積して乾燥するのが防止される。
【0031】
一実施形態では、移行部品200は二重密封システムを含み、第1の密封手段220は、移行部品200を容器100で密封するように構成され、第2の密封手段221は、移行部品200をキャップ300で密封するように構成されている。第1の密封手段220及び第2の密封手段221は、移行部品200の任意の好適な場所に位置決めされ得る。従って、容器100は、図1に示すように容器外周壁部104のオリフィス101近くに配設された、対応する容器密封手段103を含み、キャップ300は、図4に示すようにキャップ外周壁部305のキャップ開口部301近くに配設された、対応するキャップ密封手段304を含む。
【0032】
図3は、容器密封手段103及びキャップ密封手段304で密封されるそのような二重密封システムを有する移行部品200の好ましい実施形態を示す。シュラウド213は、シュラウド外部表面215の裏側に締結面218を更に含んでおり、第1の密封手段220はシュラウド締結面218上に配設される。移行部品200が容器100によって密封されると、容器外周壁部104の、オリフィス101に近接した部分が、シュラウド内部表面214とシュラウド外部表面215との間に挿入され、容器密封手段103が第1の密封手段220とぴったり一致する。第2の密封手段221はシュラウド内部表面214上に配設される。好ましくは、キャップ密封手段304は、間隙219に挿入されて第2の密封手段221で密封するように、移行部品200の間隙219と位置合わせされる。一実施形態では、キャップは、キャップ密封手段304に隣接するショルダー303を更に含み、キャップショルダー303は、キャップショルダー303とシュラウドショルダー217とが接続するか又は互いに平行になり、それによって移行部品200とキャップ300との間の連結が強化されるように、シュラウドショルダー217と位置合わせされるのが好ましい。
【0033】
密封手段の各対(すなわち、第1の密封手段220とその対応する容器密封手段103、及び第2の密封手段221とその対応するキャップ密封手段304)は、対応するねじ山を噛み合わせる又は突起と溝の組み合わせなど、当該技術分野における任意の好適な密封技術とすることができる。好ましくは、密封手段の各対は、図3に示すように、シュラウド締結面218上及び容器100上、又はシュラウド内部表面214上及びキャップ300上にらせん状に配設された対応するねじ山を噛み合わせることを含む。
【0034】
好ましい一実施形態では、シュラウド213は、第1及び第2の密封手段220、221に加えて、補助的な密封手段を更に備える。補助的な密封手段は、移行部品200と容器100又はキャップ300との連結を強化するように構成されるのが好ましい。補助的な密封手段は、シュラウド213の任意の好適な場所に配設され得るが、第1の密封手段220の上方に配設されるのが好ましい。補助的な密封手段は、任意の種類の屈曲面など、当該技術分野における任意の好適な密封技術とすることができる。屈曲する表面は、対向する表面と連続的に接続してその長さ全体に最小圧力を付与する屈曲リングであってもよく、あるいは密封されるべき2つの対向する部品の表面を平行に位置合わせする封止部であってもよい。屈曲リングの例は、図3に示すようなプラグシール222として知られている(すなわち、シュラウド213から突出し、対応する密封手段によって封止されると屈曲する障害物)。2つの位置合わせされた表面の間に形成される封止部の例は、フラットウォールシール(flat wall seal)として知られている(すなわち、シュラウド213の表面の一体部分を構成し、対応する密封手段によって封止されると変形するフラットウォール。図示せず。)好ましくは、補助的な密封手段は、図3に示すように、シュラウドショルダー217の裏側で、第1の密封手段220の上方に配設された、プラグシール222である。容器100によって密封される場合、プラグシール222は曲がるが、その変形は移行部品200の任意の他の部分には及ばない、すなわち、プラグシール222以外の移行部品200を変形させない。これは、障害物と対応する部品(この場合は移行部品200)との間の接触領域が薄いプラグシール222の性質によるものであり、これに対して、フラットウォールシールは接触面が密封を形成するので、移行部品200全体にわたる曲げを可能にする。よって、プラグシール222は、移行部品200が多様な寸法の容器のネックに適合するのを可能にする。多種多様な容器100に対する移行部品200のこの改善された適用可能性は、ボトルが複数のプラスチック樹脂で製造される場合に大量生産において見られる工業プロセス変動(例えば、寸法変動)を有意に低減する(こうした大量生産では、プラスチック樹脂の性質により、広範な寸法変動を有する)。更に、移行部品200が変形しないことにより、キャップ300によって密封されるように構成されている第2の密封手段221が変形による悪影響を受けることがないので、キャップ300との連結に関して、開栓トルクの変動が確実に比較的低くなる。従って、プラグシール222を補助的な密封手段として採用することによって、本発明の包装アセンブリ10は、開詮トルクの変動を低く維持しながら、様々な容器とキャップの組み合わせを可能にする。これ対し、当該技術分野ではそのような独立した移行部品が使用されておらず、したがって、容器とキャップの直接相互作用には、容器とキャップとの間の完全一致が必要となり、異なる容器とキャップを組み合わせる場合の開栓トルクの変動が望ましくなく高くなる。
【0035】
一実施形態では、図4及び図5から分かるように、シュラウド外部表面215は一連の線状の刻み目216を有する。そのような一連の線状の刻み目216は、シュラウド外部表面215の周りに円周方向に、又はシュラウド外部表面215の一部に存在しもよいが、シュラウド外部表面215の周りに円周方向に存在するのが好ましい。一連の線状の刻み目を設けることで摩擦を大きくすることができるが、このことは、ユーザーが移行部品200を把持して包装アセンブリ10を手に持つとき、又はユーザーがキャップ300及び移行部品200を反対方向に回してキャップ300を取り外す(例えば、キャップ300をねじって取り外す)ときに望ましい。
【0036】
ここで図4及び図5を参照すると、本発明の包装アセンブリ10の好ましい実施形態が示されており、この実施形態は、移行部品200に取り外し可能に密封係合されたキャップ300を更に含んでいる。図4は、移行部品200から係合解除されたキャップ300を示し、図5は、移行部品200に密封係合されたキャップを示す。密封係合されるとは、包装アセンブリ10及びその中に収容されている液体洗剤組成物の製造、梱包、出荷、取り扱い、保管、及び使用中に生じる、キャップ300又は容器100又は移行部品200に対する典型的な応力下で、キャップ300が容器100又は移行部品200から大量の液体洗剤組成物を漏出させないことを意味する。典型的な応力は、例えば、完全にキャップを閉じた容器の側面又は底面に対して行われる、1.5m以下、好ましくは0.8m以下の高さからの落下試験として、あるいは5000kPaの密閉圧力に打ち勝つために必要な圧力を下回る、キャップを閉じた容器の内部の圧力増大として定量化される。キャップ300は注ぎ口201を包囲するように構成されており、キャップ300は、移行部品200に密封係合されると、注ぎ口201と流体連通する。
【0037】
一実施形態では、キャップ300は注出キャップである、すなわち、ユーザーは、最初に液体洗剤組成物を容器100から注出キャップに抽出した後、組成物を注出キャップから洗濯機又は洗濯たらいに注出する。キャップ300は、10mL〜250mL、好ましくは30mL〜150mL、より好ましくは50mL〜100mLの内部容積を有するのが好ましい。キャップ300の内部容積は、容器100の内部容積及び/又は容器100内に収容される液体洗剤組成物の濃度などの要因に依存し得る。例えば、容器100内の液体洗剤組成物が高濃度であり、洗濯サイク中に必要な投与量が少量である場合には、キャップ300の内部容積は小さくてもよい(例えば、40mL)。驚くべきことに、本発明において、注出キャップ300と、円周方向に一体の開口部204を有する注ぎ口(201)とを組み合わせることにより、液体洗剤組成物、特に濃縮された液体洗剤組成物の正確で迅速な投与が可能となることが見出された。キャップ300の少なくとも一部、好ましくはキャップ300全体は、透明又は半透明又は不透明であり得るが、好ましくは透明であり、それによってユーザーによる正確な投与が可能となる。好ましくは、キャップ300には、例えば、15mL、50mL、及び65mLを示すしるしのような、1つ以上の容積測定のためのしるしがつけられる。
【0038】
図4に見られるように、キャップ300は、開口部301と、基部302と、基部302から開口部301まで延在する外周壁部305とを含む。キャップ外周壁部305は、外部表面と、反対側の内側表面と、を含み得る。好ましくは、キャップの外部表面は、概して粗く、より好ましくは表面を粗面化するために多くのドット(図示せず)を有しており、それによって、ユーザーがキャップ300を移行部品200に密封係合する又はキャップ300を移行部品200から取り外そうとするときに、所望の摩擦を可能にする。
【0039】
キャップ300は任意の好適な高さとすることができる。好ましくは、キャップ300は、注ぎ口201の長さと関連性を有する高さ、特に注ぎ口201の長さよりも長い高さを有する。一実施形態では、キャップ300は、自立しているとき、すなわち、キャップ300がその基部302で立っているときに長手方向軸線に沿って測定して、20mm〜100mm、好ましくは30mm〜80mm、より好ましくは40mm〜70mmの高さを有する。好ましくは、注ぎ口201は、長手方向軸線に沿って基端部202から注ぎ口開口部204までを測定して20mm〜80mmの長さを有し、キャップ300の高さは、注ぎ口201の長さよりも長い、好ましくは若干長い。
【0040】
キャップ開口部301は任意の幾何学的形状とすることができるが、形状に関して、移行部品200の間隙219と位置合わせされるのが好ましく、より好ましくは円形形状である。キャップ開口部301は、注ぎ口開口部204の断面積よりも大きい断面積を有するのが好ましく、それによって、注ぎ口201がキャップ300に挿入されて、キャップ300が移行部品200に密封係合されたときに包囲されるのを確実にする。一実施形態では、注ぎ口開口部204は、キャップ開口部301の断面積の50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の断面積を有するので、移行部品200からキャップ100までの液体組成物の所望の流れが可能となる。
【0041】
キャップ開口部301は、キャップ300からの液体洗剤組成物の流量を抑制することによって該組成物をより正確に送達するように構成された堰(図示せず)を有してもよい。堰は、V字形、半円形、台形、動水半径を記述する不連続関数を有するマルチレベルの堰、又は洗剤組成物の流量を抑制する任意の他のかかる形状を含む、堰に適した任意の一般的な形状であってもよい。
【0042】
キャップ基部302は、キャップ300が液体組成物で充填されるときに、すなわち、キャップ300が図4に示すように実施形態から逆さまになったときに、スタンドとしての役割を果たす。キャップ基部302は、好ましくは概ね平坦である。より好ましくは、図5に示すように、キャップ基部302はその中心に向かってわずかに凹状となっており、それによってキャップ300を安定して立てることが可能となる。
【0043】
キャップ300は、倒円錐形状、円筒形状、球状、立体形状、直方体形状などの任意の好適な形状とすることができる。移行部品200に密封係合したとき(すなわち、キャップ密封手段304が視界から隠れたとき)、キャップ300は、好ましくは倒円錐形状又は円筒形状を有し、より好ましくは図5に示すように倒円錐形状を有する。そのような倒円錐形状は、移行部品200からキャップ300を係合解除するのを容易にし、更に、特にキャップ300を液体組成物で充填するときにキャップ300がしっかりと直立するのを助長する。
【0044】
本発明の包装アセンブリ10はハンドル400を更に含む。ハンドル400は、貫通ハンドル(すなわち、そこを通して指及び/又は親指を挿入することができる完全に開いた空間)あるいは非貫通ハンドル(すなわち、容器の特定部分が凹状になって把持部を形成しており、完全に開いた空間を有さない)のいずれかであり得る。そのような非貫通ハンドルは、米国特許出願第2013/0270280A1号に記載されている。好ましくは、図6に示すように、ハンドル400は貫通ハンドルである。一実施形態では、貫通ハンドル400は、5cm〜50cm、好ましくは10cm〜35cm、より好ましくは15cm〜30cmの断面積を有する。
【0045】
ハンドル400は、容器100の任意の好適な場所、例えば、容器100の上部、容易100の底部、容器100の一側部に位置決めされ得る。好ましくは、ハンドル400は、容器100の一側部に位置決めされるが、ただし長手方向断面に沿って左右対称となる。一実施形態では、ハンドル400及び脱気孔209は、概して長手方向軸線に対して位置合わせされ、好ましくは、ハンドル400と脱気孔209とが、長手方向軸線を中心に互いに45度(0.25πラジアン)の角度以内、好ましくは18度(0.1πラジアン)の角度以内となるように、位置合わせされる。同様に、傾斜した注ぎ口開口部204の実行例では、ハンドル400及び注ぎ口開口部204は、ハンドル400と第1の頂き部207とが、長手方向軸線を中心に互いに135〜180度(0.75π〜1πラジアン)の角度、好ましくは162〜180度(0.9π〜1πラジアン)となるように、位置合わせされる。ハンドル400及び脱気孔209は共に断面積を有するので(すなわち、一点ではなく、複数の点を含む)、定義上、ハンドル400又は脱気孔209上の任意の点が上記角度要件を満たす場合には、関連対象物(ハンドル400、脱気孔209、及び第1の頂き部207)は規定された角度であるとする。そのような一側部に位置決めされたハンドル400により、包装アセンブリ10は、包装アセンブリ10内に収容されている液体組成物を注出する際の(すなわち、容器100の、ハンドル400を有する側を持ち上げることによって包装アセンブリ10を傾ける際の)最も能率的なやり方のはっきりとした視覚的合図を、ユーザーに提供することが可能となる。更に、ハンドル400と、脱気孔209及び傾斜した注ぎ口開口部204とを位置合わせすることによって、包装アセンブリ10は、ユーザーが傾斜した注ぎ口開口部204によって提供される視覚的合図に従って組成物を意図的に注出した後、容器100からの液体組成物の即時かつ一定の流れを確実にする。
【0046】
本発明の包装アセンブリ10の各構成要素は、ガラス、金属、ポリマー等などの任意の好適な材料で作製され得るが、ポリマーで作製されるのが好ましい。具体的には、容器100、移行部品200、及びキャップ300は、同一の又は異なる材料で作製されてもよい。好ましくは、該構成要素のそれぞれは、独立して、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料で作製される。
【0047】
本発明の包装アセンブリ10の各構成要素は、構成要素の材料又は構成要素に必要な特性基準などの要因に応じて、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセスによって作製され得る。プロセスの非限定的な例としては、押出吹込成形(EBM)、射出成形(IM)、射出吹込成形(IBM)、及び射出延伸吹込成形(ISBM)、熱成形、圧縮成形、圧縮吹込成形、射出吹込(I&B)が挙げられる。一実施形態では、容器100はEBMによって作製され、移行部品200はIMによって作製され、キャップ300はISBMによって作製される。
【0048】
好ましくは、移行部品200の、液体組成物と接触することが予想される部分(例えば、注ぎ口の内部表面205、脱気孔209、溝210)は、比較的平滑であり、より好ましくは工業的に平滑に製造される。一実施形態では、移行部品200を製造するための金型は、好適な金型仕上げを有し、12〜35、好ましくは20〜28、より好ましくは22〜26のVDI 3400金型仕上げ基準を有するのが好ましい。本明細書における「金型仕上げ」という用語は、金型の表面の表面質感及び/又は平滑性を指す。VDI 3400仕上げ基準は、金型仕上げにおける磨き基準を定義するために業界において広く受け入れられている基準である。VDI 3400仕上げ基準は、0〜45の金型仕上げ尺度を含み、数が増えるに従って、表示された金型の表面は粗くなる。好ましい金型仕上げは、液体組成物との摩擦が低減し、それによって注出中の乱流が少なくなり、加えて注出後の残留物が少なくなる移行部品200を可能にする。同様に、キャップ300及び容器100の、液体組成物と接触することが予想される部分(例えば、それぞれの内部表面)は平滑であることが好ましく、比較的平滑な金型仕上げで製造される。
【0049】
液体洗剤組成物
本発明の包装アセンブリは、任意の一般的な液体洗剤組成物を収容し、かつ様々な組成物粘度に適合し得る。好ましい一実施形態では、液体洗剤組成物は、包装アセンブリから適切に注出されるように特定の粘度を有する。好ましくは、液体洗剤組成物は、剪断速度20/秒及び温度21℃において、200〜3,000cps、より好ましくは300〜2,000cps、更により好ましくは500〜1,000cpsの粘度値を有する。液体組成物を容器から注出する剪断速度は約20/秒であるので、剪断速度20/秒での粘度は「注ぎ粘度(pouring viscosity)」とも呼ばれる。加えて、典型的に、200cpsを超える注ぎ粘度を有する液体組成物は「粘稠な液体組成物」と呼ばれることは、注目に値する。
【0050】
注ぎ粘度とは異なり、「静止粘度」は、液体組成物が静止しているとき、すなわち、剪断速度約1/秒での液体組成物の粘度を特徴付ける。液体組成物の静止粘度の値は、該組成物の注ぎ粘度の値と同じであっても異なっていてもよく、該組成物を構成している成分に依存する。一実施形態では、本明細書の液体洗剤組成物は、剪断速度1/秒及び温度21℃において、500〜6,000cps、好ましくは800〜3,000cps、より好ましくは1,500〜2,500cpsの粘度値を有する。
【0051】
本明細書の液体洗剤組成物は、1つ以上の成分を含み得る。好適な材料としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、脂肪酸、ビルダー、レオロジー変性剤、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ欠失/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光漂白剤、構造伸縮性付与剤、布地柔軟剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、色調剤、抗菌剤、香油、香料マイクロカプセル、並びに/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助剤の好適な例及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号、及び同第6,326,348号に見出される。液体洗剤組成物中におけるこれら成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の具体的な種類、及び組成物が使用される洗浄操作の性質などの要因によって決まる。
【0052】
一実施形態では、液体洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、好ましくはC10〜C16LAS;C10〜C20の一級分枝鎖−ランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート;硫酸化脂肪アルコールエトキシレート(AES)、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、好ましくは、xは1〜30であり、より好ましくは、xは1〜3である);好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含む、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されている中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されている中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、及び同第99/05244号に記載されている変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。好ましくは、組成物は、LAS、AES、AS、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、より好ましくはLAS、AES、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、アニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤の総濃度は、液体洗剤組成物の5重量%〜95重量%、あるいは8重量%〜70重量%、あるいは10重量%〜50重量%、あるいは12重量%〜40重量%、あるいは15重量%〜30重量%であってよい。
【0053】
好ましい一実施形態では、本発明の液体洗剤組成物は、レオロジー変性剤(特定の状況では「構造化剤」とも呼ばれる)を含み、このレオロジー変性剤は、組成物が包装アセンブリにより適用可能となるように該組成物の粘度を調節するように機能する。本明細書のレオロジー変性剤は、米国特許出願第2006/0205631A1号、同第2005/0203213A1号、及び米国特許第7294611号、同第6855680号に開示されているもののような、液体組成物のレオロジーを調節することができる任意の既知の成分であってよい。好ましくは、レオロジー変性剤は、水酸基含有結晶性物、ポリアクリレート、多糖類、ポリカルボキシレート、アミンオキシド、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、C12〜C20脂肪アルコール、ジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPa)、ジアミドゲル化剤、メタクリルアミドから誘導された第1の構造単位とジアリルジメチルアンモニウムクロリドから誘導された第2の構造単位とを含むカチオン性ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0054】
好ましくは、レオロジー変性剤は、概して結晶質であることを特徴とする水酸基含有結晶性物、ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪エステル、並びにヒマシ油及びヒマシ油誘導体などの脂肪ワックスである。より好ましくは、レオロジー変性剤は硬化ヒマシ油(HCO)である。
【0055】
レオロジー変性剤は、液体洗剤組成物中に任意の好適な濃度で存在してよい。好ましくは、レオロジー変性剤は、組成物中に、組成物の0.05重量%〜5重量%、好ましくは0.08重量%〜3重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%存在する。
【0056】
液体洗剤製品
本発明の別の態様は、上述した包装アセンブリと液体洗剤組成物とを含む液体洗剤製品を目的とする。好ましくは、液体洗剤組成物は、所望の流速、好ましくは流速10mL/s〜40mL/s、あるいは15mL/s〜38mL/s、あるいは20mL/s〜約35mL/sで包装アセンブリから流出させることができる。
【0057】
好ましくは、本明細書の包装アセンブリは、特定の粘度値(注ぎ粘度)を有する液体洗剤組成物を、最も望ましい流速で包装アセンブリから注出するように設計される。理論に束縛されることを望むものではないが、一般に、液体洗剤組成物の粘度が低いほど、流速が速くなり、注ぎ口が長くなり、脱気孔が大きくなると考えられる。これに対して、液体洗剤組成物の粘度が高いほど、流速は遅くなり、注ぎ口は短くなり、脱気孔は小さくなる。換言すれば、本発明の液体洗剤製品は、特定の粘度値を有する液体洗剤組成物を、好適な設計を有する包装アセンブリとマッチさせるように構成される。
【0058】
一実施形態では、液体洗剤組成物は、剪断速度20/秒及び温度21℃において300〜800cpsの粘度値を有し(すなわち、注ぎ粘度は比較的低い)、注ぎ口は、長手方向軸線に沿って基端部から注ぎ口開口部までを測定して40mm〜60mmの長さを有し、脱気孔は、25mm〜50mmの断面積を有し、液体洗剤組成物を包装アセンブリから30mL/s〜40mL/sの流速で注出させることが可能である。
【0059】
あるいは、液体洗剤組成物は、剪断速度20/秒及び温度21℃において800〜3,000cpsの粘度値を有し(すなわち、注ぎ粘度は比較的高い)、注ぎ口は、長手方向軸線に沿って基端部から注ぎ口開口部までを測定して30mm〜40mmの長さを有し、脱気孔は、15mm〜25mmの断面積を有し、液体洗剤組成物を包装アセンブリから15mL/s〜30mL/sの流速で注出させることが可能である。
【0060】
液体組成物の粘度を判定する方法
特に指定のない限り、粘度は、AR G2レオメータ(TA Instrument Ltd.)を使用して測定し、切頭円錐スピンドルの角度は1°59’24”及びギャップは49マイクロメートルである。剪断速度は、1s−1から500s−1に増大し、レオロジーは、それぞれの剪断速度において測定が5%未満(<5%)の変動を達成したときに読み出される。全ての測定は、21℃で行われる。
【実施例】
【0061】
本明細書の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の範囲を制限又は他の方法で定義するために使用するものではない。実施例1A〜1Bは、本発明による包装アセンブリであり、実施例3A〜3Dは、本発明による液体洗濯洗剤組成物の実施例であり、実施例2A〜2Bは、当該技術分野のある特定の包装アセンブリの比較例である。図7は、順番に(左から右に)、比較例2A及び2B、並びに実施例1B及び1Aの移行部品を示す。
【0062】
実施例1A〜1B:本発明の包装アセンブリ
実施例1Aは、図6に示される包装アセンブリである。具体的には、実施例1Aの容器は、2000mLの内部容積を有し、実施例1Aのキャップは、80mLの内部容積を有する。実施例1Aにおいて用いられる移行部品は、図2A図2B、及び図2Cに示すものと全く同じである。移行部品の注ぎ口開口部は、約177mmの断面積を有し、脱気孔は、約30mmの断面積を有する。注ぎ口は、長手方向軸線に沿って基端部から注ぎ口開口部までを測定して約55mmの長さを有する。
【0063】
実施例1Bの包装アセンブリは、実施例1Aと同じ容器及びキャップを含んでいるが、わずかに異なる移行部品を有する。図7に示されている(左から)3番目の移行部品は、実施例1Bで使用されたものである。この移行部品は、円周方向に一体の注ぎ口開口部と、並べて配設された5つの小さな脱気孔と、を有している。その中の注ぎ口開口部は、約154mmの断面積を有し、5つの脱気孔は、約12mmの総断面積を有する。注ぎ口は、長手方向軸線に沿って基端部から注ぎ口開口部までを測定して約45mmの長さを有する。
【0064】
実施例1において、容器はEBMによって作製され、移行部品はIMによって作製され、キャップはISBMによって作製される。
【0065】
比較例2A〜2B:当該技術分野における包装アセンブリ
比較例2A〜2Bの包装アセンブリは、実施例1と同じ容器及びキャップを含んでいるが、図7に示すように、異なる移行部品を有する。具体的には、実施例2Aの移行部品は、比較的大きな注ぎ口開口部を有しており(約320mmの断面積を有する)、その中の開口部注ぎ口は、注ぎ口の全長に沿って長手方向スロットを有している(即ち、注ぎ口自体は円周方向に一体でない)。実施例2Aと同様に、実施例2Bの移行部品は、注ぎ口の全長に沿って長手方向スロットを有しているが、注ぎ口開口部は比較的小さい(約110mmの断面積を有する)。図7に示すように、実施例1A及び1Bにおいて見られるように脱気孔が注ぎ口から分離しているのとは対照的に、実施例2A及び2Bの移行部品のそれぞれは、その中の注ぎ口のスロットと当接する脱気孔を有している。実施例2A〜2Bの移行部品の注ぎ口の、長手方向軸線に沿って基端部から注ぎ口開口部までを測定した長さは、それぞれ、約45mm及び50mmである。実施例2A〜2Bの移行部品は共に、IMによって作製されている。
【0066】
実施例3:液体洗濯洗剤組成物の処方
列挙された成分を列挙された比率(重量%)で含む、表1に示す以下の液体洗濯洗剤組成物を作製する。
【0067】
【表1】
a Neodol(登録商標)25−7は、非イオン性界面活性剤としての、Shellから入手可能な平均7モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC12〜C15アルコールである
bキレート剤としての、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩
【0068】
実施例3A〜3Dの液体洗濯洗剤組成物の調製
実施例3A〜3Dの液体洗剤組成物を以下の工程によって調製する。
a)NaOHと水との組み合わせを、200rpmの剪断力を加えることによって、バッチ容器内で混合する。
b)クエン酸(もしあれば)、ホウ酸(もしあれば)、C11〜C13LAS、及びNaOHをバッチ容器に加え、200rpmの剪断力を加えることによって混合し続ける。
c)工程b)で得られた混合物の温度を25℃まで冷却する。
d)C12〜14AE1−3S、Na−DTPA、Neodol(登録商標)25−7、C12〜C18脂肪酸、1,2プロパンジオール(もしあれば)、モノエタノールアミン、C〜C15ジメチルアミンオキシド(もしあれば)、及び塩化カルシウム(もしあれば)、クメンスルホン酸ナトリウム(もしあれば)、シリコーンエマルション(もしあれば)、ポリアクリル酸ナトリウム(もしあれば)をバッチ容器に加え、250rpmの剪断力を加えることによって混合物が均一に混合されるまで混合し、pHを8に調整する。
e)増白剤(もしあれば)、プロテアーゼ(もしあれば)、アミラーゼ(もしあれば)、染料(もしあれば)、及び香油(もしあれば)をバッチ容器に加え、250rpmの剪断力を加えることによって混合する。
f)硬化ヒマシ油(もしあれば)をバッチ容器に加え、このようにして液体洗濯洗剤組成物を形成する。
このとき、組成物中の各成分は、表1の実施例3A〜3Cに示す濃度で存在する。
【0069】
注出流速に関する実施例1〜2の比較データ
実施例3A〜3Cの液体洗濯洗剤組成物の流速を評価するための比較実験を、実施例1A〜1B及び実施例2A〜2Bの包装アセンブリからそれぞれ該液体洗濯洗剤組成物を注出することによって行う。具体的には、各容器を液体洗濯洗剤組成物で満たす。液体洗濯洗剤組成物を容器(具体的には各移行部品)からキャップに注出する。注出する際、容器を長手方向軸線に対して約30°の角度で傾ける。
【0070】
注出流速及び組成物の粘度を表2に示す。粘度は、上述した液体組成物の粘度を決定するための方法に従って、剪断速度20/秒及び温度21℃において測定される。
【0071】
【表2】
【0072】
表2に示すように、本発明による包装アセンブリ(実施例1A及び1B)は、試験した全ての液体洗濯洗剤組成物にわたって望ましい流速(例えば、10mL/s〜40mL/sの流速)を示している。これに対して、比較例2Aの包装アセンブリは、速過ぎる注出流速をもたらし、それによって注出中に望ましくない乱流を引き起こす。比較例2Bの包装アセンブリは、許容できないほど遅い流速を示している。
【0073】
全ての百分率、比率、及び割合は、特に指示がない限り、全組成物の重量を基準として計算される。全ての温度は、特に断らない限り、摂氏温度(℃)である。構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0074】
本明細書の全体を通じて与えられるすべての最大の数値限界は、すべてのより小さい数値限界を、あたかもかかるより小さい数値限界が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むことは理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、より高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、そのような狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
【0075】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0076】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは特許出願を含む、本明細書に引用される文献はすべて、明白に除外又は限定されている場合を除いて、本明細書中にその全容を援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の任意の参照文献との任意の組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを教示、示唆、又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する場合には、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先するものとする。
【0077】
本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行い得ることは当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるこうした変更及び改変のすべてを、添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7