(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、用途が制限された可搬デバイスにおいて、制限によって購入が拒否された商品に関する情報を効果的に提示するための技術が現在のところ存在しない。そのため、例えば親が子供に可搬デバイスを貸与して使用させている場合でも、子供が可搬デバイスを用いてどのような商品の購入を欲しているかを親が把握することが難しい。可搬デバイスの持ち主(親)には、可搬デバイスの使用者(子供)がどのような用途での使用を欲しているか知ることへのニーズが存在する。
【0009】
例えば、特許文献1に関する技術では、電子バリューの使用の可否を判断しているだけであり、ある商品の対価としての電子バリューの使用を不可と判定した場合、当該商品の情報を、可搬デバイスの持ち主にわかりやすく知らせるような要素を備えない。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決しようとするものであり、使用用途が制限された可搬デバイスの使用者が、その可搬デバイスにより購入を希望している商品を示す情報を、可搬デバイスの持ち主に簡易に伝達することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る店頭端末は、
対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスとの間で近接通信による決済を行う店頭端末であって、
購入対象である商品を示す商品識別符号を取得する商品識別符号取得部と、
前記可搬デバイスから、当該可搬デバイスのデバイス識別符号を取得するデバイス識別符号取得部と、
前記取得されたデバイス識別符号にかかる可搬デバイスにて前記取得された商品識別符号の商品を購入可能であるか否かを、サーバに問い合わせる問合せ部と、
前記サーバにより商品が購入不可と判定された場合、当該商品が購入不可である旨を示す情報を出力する出力部と、
を備える。
【0012】
上記第1の観点に係る店頭端末において、
前記出力部は、さらに、前記サーバにより購入不可と判定された商品を、前記可搬デバイスにて購入可能であることを前記サーバに登録するためのセッション情報を出力する、
ものであってもよい。
【0013】
上記第1の観点に係る店頭端末において、
前記出力部は、前記取得された商品識別符号と、前記取得されたデバイス識別符号との組み合わせに対応付けられる前記セッション情報を出力する、
ものであってもよい。
【0014】
上記第1の観点に係る店頭端末は、
前記サーバにより商品が購入可能であると判定された場合、当該商品を購入するための決済を前記可搬デバイスにより実行する決済部、をさらに備える、
ものであってもよい。
【0015】
上記第1の観点に係る店頭端末において、
前記出力部は、前記サーバにより商品が購入可能であると判定された場合、前記取得されたデバイス識別符号に係る可搬デバイスにて、前記取得された商品識別符号の商品を購入可能である旨を示す情報を出力する、
ものであってもよい。
【0016】
上記第1の観点に係る店頭端末は、
前記サーバにより購入不可と判定された商品の前記商品識別符号を蓄積し、前記サーバからの要求に応じ、前記蓄積された商品識別符号の一覧を提供する提供部、をさらに備える、
ものであってもよい。
【0017】
上記第1の観点に係る店頭端末において、
前記提供部は、操作入力に応じ、前記蓄積された商品識別符号の一覧を提示する、
ものであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る情報処理装置は、
購入対象である商品の対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスとの間で近接通信による決済を行う店頭端末から、当該可搬デバイスにて、当該商品を購入可能であるか否かの問合せを受け付ける情報処理装置であって、
前記店頭端末から、前記商品を示す商品識別符号と、前記可搬デバイスのデバイス識別符号を含む問合せを受信する受信部と、
前記受信された問合せに含まれるデバイス識別符号および商品識別符号に基づき前記可搬デバイスにて前記商品を購入可能であるか否かを判定し、前記店頭端末に応答する応答部と、
前記応答部により購入可能でないと判定された商品の前記商品識別符号の一覧を提示する提示部と、
を備える。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る制御方法は、
対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスとの間で近接通信による決済を行う店頭端末の制御方法であって、
購入対象である商品を示す商品識別符号を取得する商品識別符号取得ステップと、
前記可搬デバイスから、当該可搬デバイスのデバイス識別符号を取得するデバイス識別符号取得ステップと、
前記取得されたデバイス識別符号にかかる可搬デバイスにて前記取得された商品識別符号の商品を購入可能であるか否かを、サーバに問い合わせる問合せステップと、
前記サーバにより商品が購入不可と判定された場合、当該商品が購入不可である旨を示す情報を出力する出力ステップと、
を備える。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る非一時的な記録媒体は、
対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスとの間で近接通信による決済を行うコンピュータに、
購入対象である商品を示す商品識別符号を取得する商品識別符号取得手順、
前記可搬デバイスから、当該可搬デバイスのデバイス識別符号を取得するデバイス識別符号取得手順、
前記取得されたデバイス識別符号にかかる可搬デバイスにて前記取得された商品識別符号の商品を購入可能であるか否かを、サーバに問い合わせる問合せ手順、
前記サーバにより商品が購入不可と判定された場合、当該商品が購入不可である旨を示す情報を出力する出力手順、
を実行させるプログラムを記録する。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
対価として支払われる電子バリューの支払いに供される可搬デバイスとの間で近接通信による決済を行うコンピュータに、
購入対象である商品を示す商品識別符号を取得する商品識別符号取得手順、
前記可搬デバイスから、当該可搬デバイスのデバイス識別符号を取得するデバイス識別符号取得手順、
前記取得されたデバイス識別符号にかかる可搬デバイスにて前記取得された商品識別符号の商品を購入可能であるか否かを、サーバに問い合わせる問合せ手順、
前記サーバにより商品が購入不可と判定された場合、当該商品が購入不可である旨を示す情報を出力する出力手順、
を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、使用用途が制限された可搬デバイスの使用者が、その可搬デバイスにより購入を希望している商品を示す情報を、可搬デバイスの持ち主に簡易に伝達することが可能となる。また、可搬デバイスの持ち主は、可搬デバイスに設定されている使用用途の制限を簡易に管理できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0025】
<実施形態1>
電子マネーシステムにおける電子バリューは、現金に類する価値を有するものである。電子バリューは、現金と相互もしくは一方から他方へ交換が可能なように、同じ通貨単位で管理されることもあるし、独自の単位を採用して交換の際に換算することもある。また、ユーザのアクション(商品の購入やアンケートへの回答、店舗への来店等)に応じて付与される各種のポイントを、電子バリューとして利用することも可能である。
【0026】
本実施形態は、ストアドバリュー(stored-value)型と呼ばれる電子マネーシステムに適用が可能である。ストアドバリュー型システムでは、ユーザが取引において対価として支払うことが可能な電子バリュー(「残高」とも称される。)を、電子回路を組み込んだカードや携帯電話、スマートフォンなどの各種の可搬デバイスに対応付けて管理する。
【0027】
ストアドバリュー型システムでは、可搬デバイスが有する電子回路に、利用可能な電子バリューの数値を記憶させるのが一般的である。この態様は、財布に現金が入っている状態に相当する。以下では、可搬デバイスに対応付けられるバリューを、「財布の中に残っている現金」になぞらえて、「残存バリュー(remaining value)」と呼ぶ。
【0028】
商品やサービスの提供者は、可搬デバイスと通信可能なリーダ/ライタを利用することにより、ユーザからの対価の支払を受け付ける。ユーザが可搬デバイスをリーダ/ライタに翳すと、可搬デバイスとリーダ/ライタとの通信が可能となり、リーダ/ライタから可搬デバイスへ、各種のコマンドを送信すると、そのコマンドの実行結果が可搬デバイスからリーダ/ライタへ送信される。
【0029】
たとえば、問い合わせコマンドを利用することにより、実行結果として、現在可搬デバイスに対応付けられている残存バリューの数値を取得することができる。
【0030】
減少コマンドでは、当該コマンドに指定された電子バリューだけ、可搬デバイスに対応付けられている残存バリューを減少させる。これは、財布から現金を取り出したことに対応する。すなわち、減少コマンドは、商品やサービスの提供を受ける取引において、対価を支払う際、すなわち「課金」の際に利用される。
【0031】
増加コマンドは、当該コマンドに指定された電子バリューだけ、可搬デバイスに対応付けられている残存バリューを増加させる。これは、財布に現金を入れることに対応する。増加コマンドは、たとえば店頭で、ユーザが店員に現金を支払うかわりに、当該現金に相当する電子バリューを可搬デバイスにチャージする際に利用される。
【0032】
なお、可搬デバイスが、インターネット等のコンピュータ通信網を介した通信を行う機能を有する場合には、可搬デバイス内で動作するアプリケーションが、コンピュータ通信網を介して送られたコマンドに呼応して、可搬デバイスに対応付けられる残存バリューの取得や増減を行うことも可能である。この場合には、リーダ/ライタを利用せずに、対価の支払や残存バリューのチャージが可能となる。
【0033】
減少コマンドや増加コマンドなどで、電子バリューの増減が行われる、ということは、支払者と提供者との間でバリューの移動が起きたことを意味する。提供者は、このバリューの移動の情報を、電子マネーの管理サーバに伝達する。電子マネーの管理サーバは、電子マネーサービス全体の運営者により運営されている。電子マネーの管理サーバに蓄積された決済情報を合算すれば、提供者がその期間内に得た、あるいは、失った電子バリューの総額が得られる。
【0034】
提供者は、電子バリューを獲得しているのであれば、運営者から現金等に交換して手に入れることができる。一方、電子バリューを失っているのであれば、提供者は、運営者に対して、当該電子バリューに対する現金等の支払いをする責務を負う。
【0035】
なお、提供者と、電子マネーサービス全体の運営者との間に、中間的な業者が介在することもある。この業者は、電子マネーサービスの事業者と呼ばれ、提供者が電子バリューによる支払を受けるために必要なインフラストラクチャの準備や電子バリューの取扱いについての助言やサポートを行う。
【0036】
本実施形態では、リーダ/ライタとして機能する店頭端末と、その通信可能範囲に入っている可搬デバイスと、の通信にはNFCを採用するが、赤外線通信やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を採用してもよい。
【0037】
なお、本実施形態は、サーババリュー方式と呼ばれる電子マネーシステムに適用することも可能である。サーババリュー方式では、可搬デバイスからは、電子バリューの財布に相当するアカウントの識別情報が取得され、運営者もしくは事業者のサーバ内において、当該アカウントと、当該アカウントにおける残存バリューと、が管理される。すなわち、サーババリュー方式では、可搬デバイスは、アカウントを識別するための識別タグとして機能するが、残存バリューそのものを記憶することはない。
【0038】
本実施形態に係る店頭端末は、店舗の店頭において、消費者が提示した商品の決済を、消費者が提示する可搬デバイスに対応付けられている残存バリューにより行う機能を備えるものである。また、この店頭端末は、決済に先立ち、消費者が提示した商品の識別符号と、消費者が提示した可搬デバイスの識別符号とを読み取り、提示された可搬デバイスにて、提示された商品を購入可能であるか否かをサーバに問い合わせる機能を持つ。もし、サーバから、購入可能でない旨の応答があった場合、この店頭端末は決済を拒否し、可搬デバイスに対応付けられている電子バリューを減少させることを防ぐ。このように、この店頭端末は、用途の制限された可搬デバイスが、指定された用途以外の決済に用いられることを防止する。
【0039】
可搬デバイスは、NFCチップに記録された固有のID番号(デバイス識別番号)を備える。デバイス識別番号は、発行元により他の可搬デバイスと重複しないように管理されたうえでチップに記録されており、発行元以外は編集することができない。本実施形態においては、サーバは、デバイス識別番号を用いることにより、可搬デバイスの使用用途を制限する。
【0040】
具体的には、本実施形態に係るサーバは、デバイス識別番号に、購入可能な商品の商品識別番号(JANコードなど)を対応付けたテーブルを記録する。サーバは、店頭端末から、商品識別番号とデバイス識別番号とを対応付けた問合せ信号を受けると、その商品識別番号とデバイス識別番号との組み合わせがテーブルに記録されているか否かを判定する。すなわち、問合せ信号に含まれる商品識別番号とデバイス識別番号との組み合わせが、サーバの記録するテーブルに含まれている場合、サーバは、問合せ信号に、購入可能である旨を応答する。一方、問合せ信号の商品識別番号とデバイス識別番号との組み合わせが、テーブルに含まれていない場合、サーバは、問合せ信号に、購入可能ではないと応答する。
【0041】
本実施形態の店頭端末は、可搬デバイスにかけられた使用用途の制限に基づいて決済を拒否した場合に、その決済に係る商品の情報、特に、使用用途の制限を管理するための情報を、使用者または持ち主に報告する。そのため、持ち主は、使用者がどのような商品において当該可搬デバイスにおける決済を望んでいるか知ることができる。また、持ち主は、報告された内容を参照することで、簡易に、当該商品を、今後は同管理デバイスで決済することができるように制限を変更することができる。こういった仕組みを提供するための技術について、以下で説明する。
【0042】
本実施形態に係る店頭端末100は、一例として、店舗にて商品の決済に用いられるPOS(point of sales)端末である。店頭端末100は、
図1に示すように、機能部として商品識別符号取得部11、デバイス識別符号取得部12、問合せ部13、出力部14を備える。
【0043】
店頭端末100がある店舗内では、各商品が、その商品を識別するための商品識別番号を示すバーコードが印刷されたラベルを貼付された状態で陳列されている。また、店頭端末100は、バーコードリーダなどバーコードを読み取る機能を備える。例えば、陳列されている商品の一つである商品1を、使用者Uが店頭端末100に提示すると、店頭端末100は、商品1に付されたラベルからバーコードを読み取り、商品1の商品識別番号を取得する。店頭端末100は、取得した商品識別番号に基づいて、商品1につけられた価格を読み出し、使用者Uに提示する。価格を提示された使用者Uが、提示された価格と同額の対価を店舗に支払うことにより、決済が行われ、使用者Uは商品1を購入することができる。このように、店頭端末100は、商品識別符号取得部11として機能する。
【0044】
また、店頭端末100は、可搬デバイス2のリーダ/ライタとしての機能を持ち、可搬デバイス2に対応付けられた電子バリューによる対価の支払いを受け付けることができる。また、その際に、可搬デバイス2に付与されているデバイス識別符号を読み取る機能を備える。すなわち、店頭端末100は、デバイス識別符号取得部12として機能する。
【0045】
店頭端末100は、商品識別符号およびデバイス識別符号を取得すると、外部のサーバ200に、取得されたデバイス識別符号の可搬デバイスにおいて、取得された商品識別符号の商品を購入可能であるかを問い合わせる。このように、店頭端末100は、問合せ部13として機能する。
【0046】
店頭端末100は、サーバ200への問い合わせの結果、購入可能ではない旨の応答があった場合には、商品1の、可搬デバイス2による決済を拒否する。店頭端末100は、対象商品(商品1)が購入不可であることを示す情報を記載した報告3を出力し、使用者Uに報告する。即ち、店頭端末100は、出力部14として機能する。
【0047】
店頭端末100は、報告3に、拒否された決済にかかる商品(商品1)について説明する情報を記載して出力する。使用者Uは、その後、商品1の購入を希望する場合、可搬デバイス2の持ち主Oに報告3を提示し、決済が拒否されたことを説明し、商品1の購入を希望することを主張することができる。持ち主Oとしては、報告3を参照することで、使用者Uが購入を希望する商品(商品1)に関する情報を取得することができる。そのため、持ち主Oは、使用者Uに商品1の購入を許可することが妥当であるか否かを適切に判断することができる。
【0048】
店頭端末100は、ここまで述べた各機能部(商品識別符号取得部11、デバイス識別符号取得部12、問合せ部13、出力部14)を備えることにより、本願発明の目的を達成するものである。これらの機能部は、後述するように店頭端末100のROMまたはRAM等に格納されたプログラムに含まれる指令を、CPUが実行することにより実現される。
【0049】
本実施形態にかかる店頭端末100は、
図2に示すように、ハードウェアとして、制御部110、記録装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150、デバイスインターフェース160、カードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163といった構成を備える。制御部110、記録装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150、デバイスインターフェース160は、互いに内部バス190を介して接続されている。デバイスインターフェース160は、ケーブル164を介してカードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163と接続されている。
【0050】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部110のCPUが、ROMまたはRAMに記録されているプログラムを実行することにより、制御部110は、店頭端末100全体の動作を制御する。制御部110は、必要に応じて記録装置120からプログラム等のデータを読み出し、また記録装置120にデータを保存する。
【0051】
記録装置120は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記録装置を備え、店頭端末100が稼動するために必要なデータを記憶する。
【0052】
操作デバイス130は、キーボードやマウス等を備え、操作者による入力操作を受け付けて制御部110に伝達する。
【0053】
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイ等を備え、店頭端末100が操作者に提示すべき情報を表示する。また、店頭端末100は、液晶タッチパネルなど画面を表示する機能と、当該画面表示に対応する操作を受け付ける機能とを同時に実現するデバイスを備え、このデバイスが操作デバイス130とディスプレイ140の機能を並行して提供するものであってもよい。
【0054】
ネットワークインターフェース150は、店頭端末100をネットワーク(図示せず)に接続する。店頭端末100が、ネットワークを介して他機器に情報を送信し、あるいは他機器から情報を受信する際、ネットワークインターフェース150は、制御部110から後述する内部バス190を介して受信した情報を、ネットワークを介して他機器へ送信し、また他機器からネットワークを介して受信した情報を、内部バス190を介して制御部110へ送信する。特に、店頭端末100は、ネットワークを介し、サーバ200との間で情報を送受信する。具体的な例として、店頭端末100は、取得した商品識別符号およびデバイス識別符号を含む信号を、ネットワークを介してサーバ200に送信し、取得されたデバイス識別符号の可搬デバイスにおいて、取得された商品識別符号の商品を購入可能であるかを問い合わせる。また、店頭端末100は、サーバ200から送信された、購入が可能であることを示す信号、および、購入が可能でないことを示す信号を、ネットワークを介して受信する。
【0055】
ネットワークインターフェース150は、例えばケーブルを介して店頭端末100をネットワークに接続してもよいし、あるいは無線通信により店頭端末100をネットワークに接続してもよい。ケーブルによる場合も無線通信による場合も、その通信規格は任意である。
【0056】
デバイスインターフェース160は、カードリーダ161、バーコードリーダ162、およびプリンター163を、ケーブル164および内部バス190を介して制御部110に接続する。すなわち、デバイスインターフェース160は、内部バス190を介して制御部110から受信した信号を、ケーブル164を介してカードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163のそれぞれに伝達する。また逆に、デバイスインターフェース160は、カードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163のそれぞれからケーブル164を介して受信した信号を、内部バス190を介して制御部110に伝達する。
【0057】
カードリーダ161は、可搬デバイス2とNFCによる通信が可能なカードリーダである。制御部110は、カードリーダ161を介して可搬デバイス2に決済に必要な各種コマンドを送信することにより、デバイス識別符号の取得処理および決済処理を行う。例えば、制御部110は、決済の前に、カードリーダ161を介して可搬デバイス2に問い合わせコマンドを送信し、可搬デバイス2のデバイス識別符号を取得する。また、のちにサーバ200から購入可能である旨の応答を受けた後、決済の冒頭にあたり、制御部110はカードリーダ161を介して可搬デバイス2に問い合わせコマンドを送信し、残存バリューが商品1の対価を支払うのに十分であるかを検証する。残存バリューが商品1の対価を支払うのに十分であれば、制御部110は、カードリーダ161を介して可搬デバイス2に減少コマンドを発行することにより、可搬デバイス2からの対価の支払いを受け付ける。
【0058】
バーコードリーダ162は、赤外線光源と光センサを持ち、バーコードを走査して読み取る機能を備える。バーコードリーダ162は、商品1に貼付されているラベルのバーコードを読み取ると、そのバーコードが示す商品識別符号を、制御部110に通知する。
【0059】
プリンター163は、制御部110による制御に従い、ロール紙等の紙媒体に、指示された内容を印刷する。例えば、店頭端末100が報告3を出力する際、制御部110は、プリンター163に、商品1を説明する情報を印刷する指示信号を送信する。プリンター163が、受信した指示信号に基づき、紙媒体に情報を印刷して出力することにより、店頭端末100から報告3が出力される。
【0060】
ケーブル164は、カードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163といった各デバイスをデバイスインターフェース160に接続する。
図2においては、一つのケーブル164が複数のデバイス(カードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163)をデバイスインターフェース160に接続しているが、これに限られない。例えば、それぞれ個別のケーブルが、カードリーダ161、バーコードリーダ162、プリンター163の各デバイスをデバイスインターフェース160に接続するものであってもよい。
【0061】
内部バス190は、店頭端末100内の構成要素(制御部110、記録装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150、デバイスインターフェース160等)間での情報のやり取りを中継する。例えば、制御部110は、アクセス対象のデータを、内部バス190を介して記録装置120から読み出す。
【0062】
一般に、制御部110で実行されるプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、店頭端末100のハードウェアとは独立して配布・販売することもできる。
【0063】
図3は、店頭端末100により実行される購入時プロセスの処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。上記のように、本処理は、制御部110がプログラムを実行することにより開始され、この処理によって店頭端末100が実現される。
【0064】
店頭端末100は、使用者Uにより、購入対象の商品1および決済に用いられる可搬デバイス2が提示されると、
図3に示される購入時プロセスを開始する。
【0065】
店頭端末100は、認証決済プロセスの最初に、商品識別情報を取得する(ステップS11)。店頭端末100は、ディスプレイ140を介し、バーコードリーダ162に商品1に付されたラベルを提示するように使用者Uに指示する。バーコードリーダ162に、商品1に付されたラベルが提示されると、制御部110は、バーコードリーダ162から、読み取ったバーコードが示す商品識別符号を取得する。
【0066】
次に店頭端末100は、デバイス識別情報を取得する(ステップS12)。店頭端末100は、ディスプレイ140を介し、決済に用いる可搬デバイス2をカードリーダ161に近接させる指示を使用者Uに提示する。可搬デバイス2がカードリーダ161に近接すると、制御部110は、カードリーダ161を介し、可搬デバイス2からデバイス識別符号を取得する。
【0067】
次に店頭端末100は、サーバ200に、取得されたデバイス識別符号にかかる可搬デバイスにて、取得された商品識別符号の商品を購入可能であるか否かを問い合わせる(ステップS13)。店頭端末100は、ネットワークインターフェース150を介し、サーバ200に、商品識別符号およびデバイス識別符号を含む問合せ信号を送信する。
【0068】
次に店頭端末100は、サーバ200による応答が、購入可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS14)。店頭端末100は、ステップS13で送信した問合せ信号に対するサーバ200からの応答を、ネットワークインターフェース150を介して受信する。店頭端末100は、受信したサーバ200からの応答が、購入可能である旨を示すものであるか否かを判定する。
【0069】
サーバ200からの応答が、購入可能を示すものであると判定した場合(ステップS14:YES)、店頭端末100は、対象商品(商品1)を対象の可搬デバイス(可搬デバイス2)により決済する(ステップS15)。すなわち、店頭端末100は、商品1の商品識別番号に基づき、商品1に与えられた販売価格を記録装置120から読み出す。店頭端末100は、読み出した販売価格に等しい電子バリューを、可搬デバイス2に対応付けられた残存バリューから差し引く。これにより、店頭端末100は、商品1の対価を可搬デバイス2に対応付けられた電子バリューから引き出し、決済処理を実行する。ステップS15を終えると、店頭端末100は購入時プロセスを終了する。
【0070】
一方、サーバ200からの応答が、購入可能を示すものでないと判定した場合(ステップS14:NO)、店頭端末100は、対象商品(商品1)について、対象の可搬デバイス(可搬デバイス2)による決済を拒否する旨を表示する(ステップS16)。店頭端末100は、ディスプレイ140を介し、使用者Uに、商品1は、可搬デバイス2に設定された使用用途制限のために、購入することができない旨を提示する。
【0071】
続いて店頭端末100は、サーバにより購入可能でないと回答された商品を説明する情報などを含む報告を出力する(ステップS17)。店頭端末100は、ステップS11で取得した商品識別情報に対応する商品説明情報を記録装置120から読み出す。店頭端末100は、読み出した商品説明情報に、購入時プロセスが実行された日時、店頭端末100の所在地、商品1に店舗が付与した販売価格などを付加し、報告3を生成する。店頭端末100は、生成した報告3を、プリンター163により紙媒体に印刷し、使用者Uに出力する。ステップS17を終えると、店頭端末100は購入時プロセスを終了する。
【0072】
店頭端末100が購入時プロセスを実行し、ステップS16で決済が拒否された場合、使用者Uは、報告3を受領する。報告3には、
図4に示すように、拒否された決済にかかる情報が印刷されている。使用者Uは、報告3を用いて持ち主Oに事情を説明することが可能となる。具体的には、報告3には、以下に示すような各情報が含まれる。
【0073】
報告3には、拒否された決済の日時および場所(A10)が記録される。また、報告3には、拒否された決済において、対象となった商品の名称および当該商品に店舗が付与した販売価格(A11)、などが記録される。これらは、店頭端末100が、POS端末として、通常の決済を実行した際と同様のデータとして出力する。
【0074】
また報告3には、A11に提示された商品は、提示されたカードでは購入不可である旨を示す情報(A12)が記録される。
【0075】
また、店頭端末100は、報告3に、商品説明情報(A13)を印刷して出力する。持ち主Oは、商品説明情報を参照することにより、拒否された決済において対象となっていた商品の性質などを知ることができる。
【0076】
また、店頭端末100は、報告3に、可搬デバイス2に設定されている使用用途の制限を変更するための手続きを記載した情報(A14)や、商品識別番号(A15)、デバイス識別番号(A16)を示すものを含めてもよい。こういった情報が報告3に含まれることで、持ち主Oとしては、対象商品の購入可否を判断するだけでなく、対象商品を購入可能とする手続きを容易に行うことができるようになる。
【0077】
さらに、店頭端末100は、報告3に、サーバ200により購入可能でないと回答された商品(商品1)を、可搬デバイス2にて購入可能であることを登録するためのセッション情報を報告するものであってもよい。具体的には、
図4に示すように、例えばインターネットを介してサーバ200にアクセスし、対象商品が対象可搬デバイスで購入可能であることを登録するためのセッション情報(A17)が、文字列として報告3に記載されていてもよい。持ち主Oは、A17に記載されたセッション情報を用いてサーバ200にアクセスすることにより、煩雑な手続きを経ずに、可搬デバイス2で商品1を購入できるように登録できる。
【0078】
セッション情報を文字列で表現する場合、多数(一般的には、30文字以上)の文字による文字列になるケースもある。多数の文字からなる長い文字列を取り扱うことは、持ち主Oにとって簡単ではない。そこで、店頭端末100は、報告3に記載するセッション情報を、長い文字列を集約して表す技術を用いて表示するものであってもよい。具体的には、店頭端末100は、セッション情報をQRコード(登録商標)などで表したもの(A18)を報告3に印刷するものであってもよい。
【0079】
QRコード(登録商標)を解読するための製品は広く一般に普及している。例えば、撮像機能を備えた携帯端末に、QRコード(登録商標)読み取り用のプログラムをダウンロードして実行することにより、QRコード(登録商標)で記載された文字列を解読することができる。上述のように、店頭端末100がQRコード(登録商標)の形式で印刷したセッション情報を、持ち主Oは、携帯端末などのQRコード(登録商標)リーダにより読み取ることができる。このようにすることで、長い文字列がそのまま報告3に記載された場合に比べ、持ち主Oは、簡単に可搬デバイス2の使用用途の設定を変更することができる。
【0080】
図4に示した例においては、セッション情報(A17)に、デバイス識別番号と商品識別番号の両方が含まれる。しかし、本実施形態に係るセッション情報は、商品識別符号とデバイス識別符号との組み合わせに対応付けられた情報であり、両識別符号を特定できるものであれば、任意のものが可能である。
【0081】
例えば、サーバ200が、接続する店頭端末100から問合せがあると、
図5に一例を示すログ情報51を記録するものとする。すなわちサーバ200は、接続する店頭端末100から問合せを受けると、当該問合せに対し、固有のセッションIDを割り当てる。そのうえでサーバ200は、問合せの合った日時B10、問合せを送信した店頭端末IDB11、問合せに割り当てたセッションIDB12、問合せに含まれるデバイス識別符号B13、問合せに含まれる商品識別符号B14、および応答内容B15などを記録する。応答内容B15には、当該問合せに対するサーバ200からの応答が購入可能であるか否かを示す情報が記録される。
【0082】
店頭端末100がサーバ200に問合せ信号を発すると、サーバ200は、その問合せ信号に応じた内容を、固有に割り当てた番号(セッションID)とともにログ情報51に記録する。また、サーバ200は、店頭端末100への応答において、割り当てたセッションIDも合わせて店頭端末100に通知するものであってもよい。店頭端末100は、割り当てられたセッションIDを含むセッション情報を報告3に印刷して出力する。この例では、出力された報告3に記録されたセッション情報には、商品識別符号とデバイス識別符号は含まれない。それに代え、報告3には、商品識別符号とデバイス識別符号との組み合わせに対応付けられた情報(セッションID)が記載される。そのため、のちに持ち主Oから、サーバ200に、セッションIDを伴うアクセスがあると、サーバ200は、セッションIDをもとに対象の商品識別符号とデバイス識別符号との組み合わせを特定することができる。
【0083】
本実施形態に係る店頭端末100は、上述したように、バーコードリーダ162を備え、商品に貼付されたラベルに印刷されているバーコードから商品識別番号を取得する。しかし、店頭端末100が商品識別番号を取得する手段はこれに限定されない。例えば、自動販売機である店頭端末100が、販売可能な商品それぞれに対応するボタンを備えるものであってもよい。この場合、店頭端末100が備えるボタンには、それぞれ対応する商品の商品識別番号が対応付けられて、記録装置120に記録される。購入者がボタンを押すと、店頭端末100は、押されたボタンに対応付けられた商品識別番号を記録装置120から読み出すことにより、商品識別番号を取得する。このような形態で商品識別番号を取得するものであってもよい。
【0084】
本実施形態に係る店頭端末100は、商品を説明するための商品説明情報を、記録装置120から読み出す。しかし、商品説明情報が記録される箇所は任意であり、例えばサーバ200が商品説明情報を記録するものであってもよい。その場合、例えばサーバ200は、店頭端末100へ、購入可能ではない旨を応答する際に、当該商品に対応付けられた商品説明情報を付加して応答するものであってもよい。
【0085】
また、上述した例においては、サーバ200は、デバイス識別番号に、購入可能な商品の商品識別番号(JANコードなど)を対応付けたテーブルを記録する。すなわち、サーバ200が記録するテーブルには、デバイス識別番号に、当該デバイス識別番号に対応付けられる可搬デバイスで購入可能な商品の商品識別番号が、対応付けられて記録される(いわゆるホワイトリスト形式)。しかし、本実施形態はこれに限定されない。例えば、サーバ200が、デバイス識別番号に、当該デバイス識別番号に対応付けられる可搬デバイスでは購入することができない商品の商品識別番号を対応付けてテーブルに記録する(いわゆるブラックリスト形式)ものであってもよい。この場合、サーバ200は、店頭端末100からの問合せに含まれる商品識別符号とデバイス識別符号との組み合わせが、テーブルに記録されていなければ、店頭端末100に購入可能である旨を応答する。また、上述したホワイトリスト形式とブラックリスト形式を組み合わせて利用するものであってもよい。
【0086】
また、サーバ200が店頭端末100からの問合せに応答する際、サーバ200は、商品識別番号とデバイス識別番号との組み合わせだけでなく、さらに店頭端末IDも含めて購入の可否を判定するものであってもよい。すなわち、サーバ200は、デバイス識別番号と、当該デバイス識別番号に対応付けられる可搬デバイスでは購入することができる商品の商品識別番号と、当該デバイス識別番号および商品識別番号との組み合わせにより対象商品を購入することができる店頭端末の店頭端末IDと、を対応付けたテーブルを記録する。サーバ200は、店頭端末100からの問合せを受信すると、店頭端末100の店頭端末IDB11と、問合せに含まれるデバイス識別符号B13および商品識別符号B14との組み合わせが、テーブルに含まれるか否かを判定する。サーバ200は、店頭端末100に、判定結果を、問合せに対する応答として送信する。
【0087】
このように、サーバ200が、商品識別番号とデバイス識別番号と店頭端末IDとの組み合わせに応じて商品の購入可否を判定する場合、可搬デバイス2の持ち主Oは、使用者Uが可搬デバイス2において商品1を購入できる店頭端末を限定することができる。この場合、例えば、使用者Uは、同じ商品を同じ可搬デバイスで購入する場合であっても、事前に定められた店頭端末でしか購入することができない。持ち主Oは、使用者Uが、特定の場所(例えば、スポーツクラブでの休憩所)には可搬デバイスを用いて商品を購入できるように設定する一方、設定された場所以外(例えば、学校の帰路にある店舗)では商品を購入できないように設定することができる。
【0088】
また、サーバ200が記録するテーブルは、商品識別符号とデバイス識別符号との組み合わせだけでなくともよい。例えば、サーバ200は、商品識別符号だけでなく、商品の属するジャンルを識別するジャンル識別符号をテーブルに記録するものであってもよい。同様に、サーバ200は、商品のメーカーを識別するメーカー識別符号をテーブルに記録するものであってもよい。ほかにも、サーバ200が、問合せに含まれる商品識別符号とデバイス識別符号の組み合わせに基づき、対象商品が購入可能であるか否かを判定する基準として、任意のものを用いることができる。
【0089】
また、上述した例では、商品を販売する店頭端末100について説明した。ここでいう商品は、いわゆる有形物に限られず、例えばサービスを受けるための権利など無形の商品を含むものである。例えば、店頭端末100は、操作デバイス130を介し、操作者からサービスチケットなどを選択する操作を受け付けるものであってもよい。この場合、店頭端末100は、操作者が選択したサービスチケットの商品識別番号を取得し、また操作者が提示する可搬デバイスのデバイス識別番号を取得したうえで、サーバ200に当該サービスチケットを対象可搬デバイスで購入可能か問い合わせる。
【0090】
上述した例では、店頭端末100は、報告3を紙媒体に印刷して出力する。もっとも、報告3は印刷された紙媒体に限定されない。例えば、店頭端末100は、報告3の内容を示す電子メールを、可搬デバイスに対応付けられた電子メールアドレスに送信するものであってもよい。この場合、電子メールアドレスは、可搬デバイスの持ち主が、可搬デバイスに対応付け、サーバ200に登録するものであってもよい。店頭端末100は、サーバ200から対応する電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレスに、報告3の内容を示す電子メールを送信する。ほか、店頭端末100が報告3を使用者Uおよび持ち主Oに提示する手段は任意である。
【0091】
<変形例1>
上述した実施形態1では、店頭端末100は、サーバ200から購入可能である旨の応答があると、対象の商品を、対象の可搬デバイスで決済する(購入時プロセスのステップS15)。しかし、使用者Uは、貸与されている可搬デバイスで可能な商品を確認したうえで、商品を選択することを望む場合がある。そのようなケースに備え、本変形例に係る店頭端末100は、決済を行う前に、使用者Uに、問合せの結果を提示する。
【0092】
具体的には、店頭端末100は、使用者Uにより、購入対象の商品1および決済に用いられる可搬デバイス2が提示されると、
図6に示される購入時プロセスを開始する。変形例1に係る購入時プロセスにおいて、ステップS11からステップS14の処理は、実施形態1と同一であり、説明を割愛する。
【0093】
購入時プロセスのステップS14において、サーバ200からの応答が購入可能を示すものであると判定した場合(ステップS14:YES)、店頭端末100は、対象商品(商品1)が、対象の可搬デバイス(可搬デバイス2)によって購入可能である旨を、ディスプレイ140を介して使用者Uに表示する(ステップS21)。
【0094】
続いて、店頭端末100は、使用者Uからの購入の意思表示があるか否かを判定する(ステップS22)。店頭端末100は、ディスプレイ140を介し、使用者Uに、ステップS11で取得した商品識別情報の商品を購入するか否かを選択する画面を表示する。店頭端末100は、操作デバイス130を介し、使用者Uからの商品識別情報の商品を購入するか否かを選択する操作を受け付ける。使用者からの意思表示が、対象商品を購入するものであった場合(ステップS22:YES)、店頭端末100は、対象商品を対象の可搬デバイスで決済する処理を行う(ステップS15)。使用者からの意思表示が、対象商品を購入するものでなかった場合(ステップS22:NO)、店頭端末100はそのまま購入時プロセスを終了する。
【0095】
店頭端末100は、
図6に示す購入時プロセスにおいて、サーバ200からの応答が購入可能を示すものであった場合、購入可能である旨を使用者Uに提示し、使用者による購入するか否かの意思表示を受け付ける。そのため、使用者Uは、対象商品が、対象の可搬デバイスで購入可能であるか否かを、対象商品を購入せずに検証することができる。店頭端末100によれば、使用者Uは、購入可能である商品がどれであるかを認識したうえで、購入する商品を選択することができる。
【0096】
<変形例2>
ここまで述べた実施形態1および変形例1では、店頭端末は、応答結果に関する情報を記録しない。しかし、店頭端末において、商品の購入が拒否された商品に関する情報は、マーケティングの観点から価値が高い。商品購入の可否について店頭端末から問い合わせがなされ、かつ、サーバにより購入ができないと判定された商品は、使用者Uにとって購入したい商品でありながら、持ち主Oは購入を許可していない商品であるからである。一方、このような商品に関しては、店頭端末により決済が拒否されるため、可搬デバイスの取引履歴には記録されない。商品購入の可否について店頭端末から問い合わせがなされ、かつ、サーバにより購入ができないと判定された商品に関する情報については、一定のニーズが存在する。
【0097】
このようなニーズにこたえ、店頭端末が、サーバからの応答内容を蓄積し、のちに必要に応じて参照可能とするものであってもよい。変形例2に係る店頭端末102は、サーバ202により購入可能でないと回答された商品の商品識別符号を蓄積し、記録する。さらに、店頭端末102は、サーバ202からの要求に応じ、蓄積された商品識別符号の一覧をサーバ202に提示する。そのため、サーバ202の管理者は、店頭端末102において、どのような商品において、可搬デバイスに設定された制限による決済拒否が生じているかを知ることが可能となる。
【0098】
変形例2に係る店頭端末102は、
図7に示すように、機能部として、商品識別符号取得部11、デバイス識別符号取得部12、問合せ部13、出力部14、および提供部15を備える。このうち、商品識別符号取得部11、デバイス識別符号取得部12、問合せ部13、出力部14については、実施形態1に係る店頭端末100のものと同一であり、説明を割愛する。
【0099】
店頭端末102は、サーバ202への問い合わせの結果、購入可能ではない旨の応答があった場合には、問合せに係る商品の商品識別番号を記録装置120に記録し蓄積する。また、店頭端末102は、サーバ202からの要求に応じ、蓄積された商品識別符号の一覧を示すデータを、サーバ202に送信する。すなわち店頭端末102は、サーバにより購入可能でないと回答された商品の商品識別符号を蓄積し、サーバからの要求に応じ、蓄積された商品識別符号の一覧を提供する提供部15として機能する。
【0100】
サーバ202の管理者は、提供部15に提示される商品識別符号の一覧を参照できる。提示された商品識別符号の一覧に含まれる商品識別符号の商品は、使用者Uが購入を希望しており、かつ、可搬デバイスにおいて購入が可能と設定されていない商品である。サーバ202の管理者は、提示された商品識別符号の一覧を参照することにより、新たな商品開発や、可搬デバイスの持ち主Oに訴求するための広告戦略における参考とすることができる。
【0101】
また、サーバ202は、店頭端末102からの問合せの内容および判定結果をログ情報51に記録する。そこで、サーバ202が、ログ情報51から、購入不可と判定された問合せに関するデータを抽出し、提示するものであってもよい。
【0102】
具体的には、サーバ202は、
図8に示す各機能部を備えるものであってもよい。
図8において示した例では、サーバ202は、受信部21と、応答部22と、提示部23と、を備える。受信部21は、店頭端末102から、商品1を示す商品識別符号と、可搬デバイス2のデバイス識別符号を含む問合せを受信する。応答部22は、受信された問合せに含まれるデバイス識別符号および商品識別符号に基づき、可搬デバイス2にて商品1を購入可能であるか否かを判定し、店頭端末102に応答する。また、応答部22は、問合せの内容および判定結果をログ情報51に記録する。提示部23は、応答部22により購入可能でないと判定された商品の商品識別符号の一覧を、要求に応じて提示する。
【0103】
具体的には、提示部23は、ログ情報51から、応答内容B15に購入不可を示す情報が記録されているレコードを抽出する。提示部23は、抽出したレコードを、商品識別番号をキーにソートしたうえで、商品識別番号が重複するレコードを排除してリスト化する。提示部23は、リスト化されたレコードを、商品識別番号の一覧として、要求に応じて提示する。
【0104】
このように、サーバ202においては、購入可能でないと判定された商品の商品識別符号の一覧を提示する。サーバ202の管理者は、提示された商品識別符号の一覧を参照することにより、新たな商品開発や、可搬デバイスの持ち主Oに訴求するための広告戦略における参考とすることができる。
【0105】
店頭端末102の提供部15は、単にサーバ202からの要求に応じ、蓄積された商品識別符号の一覧をサーバ202に提供するだけにとどまらない。例えば、店頭端末102自身になされた操作入力に応じ、蓄積された商品識別符号の一覧を提示するものであってもよい。この場合、サーバ202の管理者でなく、店頭端末102が設置された店舗の管理者も、購入可能でないと判定された商品のリストを参照することができる。そのため、店頭端末102が設置された店舗における取扱商品をどうするかの選択における参考とすることができる。
【0106】
ここまで述べた、本発明の各実施形態にかかる店頭端末は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)など、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する店頭端末を構成しても良い。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0107】
また、本発明の各実施形態に係る店頭端末は、1台で実現されるものに限定されない。複数のコンピュータが上述した各部の機能を分担することにより、それらの複数のコンピュータからなる一つのシステムとして各機能を提供するものであってもよい。また、サーバに関しても同様であり、複数のコンピュータが協業することにより、上述の各サーバの機能を提供するものであってもよい。
【0108】
また、上述した各実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。