(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技システムについて説明し、その後、遊技機の構成および処理について説明する。
【0013】
(遊技システムSの概念的な構成)
図1は、遊技システムSの概略的な構成を示した説明図である。遊技システムSは、遊技機100と、情報端末10と、通信基地局20が含まれた通信網21と、サーバ30とを含んで構成され、遊技機100における遊技結果とサーバ30のWebサイトとを連動させる、所謂、サイト連動型のサービスを提供する。
【0014】
遊技機100の具体的な構成については後述するが、遊技機100では、遊技者が操作ハンドルを回転させることにより遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入球したことを契機に実行される大役抽選において大当たりに当選すると、大役遊技が実行され、多くの賞球を獲得することができる。このとき、遊技機100に備えられた演出装置(演出表示装置、音声出力装置、演出役物装置、演出照明装置)においては、遊技の進行に合わせた演出が実行される。
【0015】
情報端末10は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等、Webブラウザを利用可能な電子機器等であり、通信基地局20および通信網21を介してサーバ30との通信を確立することができる。また、情報端末10は、遊技機100から遊技履歴情報を取得することが可能である。
【0016】
ここで、「遊技履歴情報」は、機種固有の情報と、全機種共通の情報とに分類される。機種固有の情報とは、リーチ演出、予告演出、大当たりの演出、図柄の変動回数、大当たりの種別、達成したミッション、大役抽選回数、大当たり回数、獲得賞球数、連荘回数(所定期間内に連続して大当たりに当選した回数)、遊技者が設定したキャラクタの種類、レベル値(経験値)等に係る情報である。また、全機種共通の情報とは、上記の各遊技履歴情報に応じて付与されるものであり、景品や、情報端末10上で利用したり遊技中に利用したりすることができる特典等と交換可能なポイント値に係る情報である。
【0017】
通信基地局20は、通信網21と接続され、情報端末10と無線によりデータの送受信を行うものである。また、通信基地局20は、情報端末10から無線により送信されたデータが入力され、入力されたデータを、通信網21を介してサーバ30に送信する。なお、サーバ30から情報端末10にデータを送信する場合も、通信経路は逆であるものの同様である。
【0018】
通信網21は、携帯電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、通信基地局20を介して情報端末10とサーバ30とを通信接続する。
【0019】
サーバ30は、Webサイトを管理し、情報端末10が取得した情報を蓄積する等、様々なサービスを提供する。ここで、Webサイト(ポータルサイト)は、サーバ30により特定されるドメイン下にあるWebページ群を言う。
【0020】
当該遊技システムSにおいて、遊技者は、例えば、任意の遊技機100における遊技開始から遊技終了までの遊技履歴情報等を、遊技者自身の情報端末10に取り込み、サーバ30に送信して蓄積させる。また、遊技者は、このようにサーバ30に蓄積された遊技履歴情報を、情報端末10において確認することができる。このような遊技システムSで実行される一連の機能を本実施形態では「打-WIN機能」と称する。
【0021】
(遊技システムSのブロック図)
図2は、遊技システムSの構成を示すブロック図である。なお、遊技機100のブロック図については、
図11で詳しく説明するので、打-WIN機能を有する遊技システムSを説明するにあたり、遊技機100については説明を簡略化する。
【0022】
遊技機100は、遊技制御部100Aと、払出装置100Bと、発射装置100Cと、演出表示装置100Dと、音声出力装置100Eと、演出役物装置100Fと、演出照明装置100Gと、演出操作装置100Hと、入賞装置100Iと、駆動装置100Jと、表示器100Kと、を含んで構成される。
【0023】
遊技制御部100Aは、少なくとも、主制御基板300と、払出制御基板310と、発射制御基板320と、副制御基板330と、画像制御基板340と、電飾制御基板350と、を含んで構成され、遊技機100の制御を行う制御部として機能する。
【0024】
ここで、主制御基板300は、遊技の基本動作を制御する制御部であり、払出制御基板310は、主制御基板300からの指示により払出装置100Bを制御する制御部である。また、発射制御基板320は、払出制御基板310との接続確認により発射装置100Cを制御する制御部であり、副制御基板330は、主制御基板300からの指示により演出を統括して制御する制御部である。また、画像制御基板340は、副制御基板330からの指示により演出表示装置100Dの制御を行う制御部であり、電飾制御基板350は、副制御基板330からの指示により、音声出力装置100E、演出役物装置100Fおよび演出照明装置100Gの制御を行う制御部である。
【0025】
払出装置100Bは、遊技球を払い出す払出モータ、払い出された遊技球を計数するスイッチ等で構成され、遊技球を払い出す機能を有する装置である。
【0026】
発射装置100Cは、遊技球を打ち出す発射用ソレノイド、遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ、操作ハンドルの操作角度を検出する操作ボリューム等で構成され、遊技者の操作に応じて遊技球を発射する機能を有する装置である。
【0027】
演出表示装置100Dは、液晶表示装置、有機ELディスプレイ等で構成され、画像を表示する機能を有する演出表示部を備えた表示装置である。特に、本実施形態では、演出表示装置100Dは、遊技の進行に合わせた演出画像を表示するだけではなく、遊技者の操作に応じて、所定の情報が含まれた二次元コードも表示する。
【0028】
ここで、「二次元コード」とは、例えば、QRコード(登録商標)や、文字や数字データからなるパスワードを意味するものである。本実施形態では、後述するように、二次元コードとして、QRコードについて説明しているが、QRコードに置き換え、バーコード、文字や数字列等の一次元コードを用いてもよい。
【0029】
音声出力装置100Eは、スピーカ等から構成され、BGM(Background music)、SE(Sound Effect)等の音声を出力する機能を有する装置である。
【0030】
演出役物装置100Fは、遊技の演出に用いる構造物、その構造物を駆動させるモータ等から構成され、かかる構造物を駆動する機能を有する装置である。
【0031】
演出照明装置100Gは、白熱電球、LED(Light Emitting Diode)、蛍光灯、冷陰極管等から構成され、光を発光する機能を有する装置である。
【0032】
本実施形態では、上記演出表示装置100D、音声出力装置100E、演出役物装置100F、演出照明装置100Gの全部または一部が、演出装置を構成している。
【0033】
演出操作装置100Hは、押しボタンスイッチ、ロータリースイッチ(ジョグダイヤル)等から構成され、遊技者の操作を検出する機能を有する装置である。特に、本実施形態では、演出操作装置100Hは、特定の操作を検出すると、演出表示装置100Dに二次元コードを表示させたり、情報端末10を介してサーバ30から取得したパスワードを入力させたりする。
【0034】
入賞装置100Iは、磁気センサ等で構成され、遊技機100の遊技領域に設けられた各種の入賞口(一般入賞口、始動口、大入賞口)またはゲートを遊技球が通過したことを検出する機能を有する装置である。
【0035】
駆動装置100Jは、ソレノイド、モータ等で構成され、始動口の可動片や大入賞口の開閉扉を駆動する機能を有する装置である。
【0036】
表示器100Kは、LED(例えば、7セグメント表示器)等で構成され、遊技の結果を示す各種図柄や、各種図柄の変動が保留されている保留個数を表示する機能を有する。
【0037】
次に、情報端末10の構成について説明する。
【0038】
情報端末10は、端末操作部11と、端末表示装置12と、撮像装置13と、端末通信装置14と、端末制御部15とを含んで構成される。
【0039】
端末操作部11は、キーボード、十字キー、タッチパネル等で構成され、遊技者の操作入力を受け付ける機能を有する装置である。
【0040】
端末表示装置12は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成され、任意の画像を表示する機能を有する表示装置である。特に、本実施形態では、端末表示装置12は、サーバ30から取得したパスワードの画像を表示したり、サーバ30に蓄積されている遊技機100の遊技履歴情報に対応する画像を表示したりする。
【0041】
撮像装置13は、撮像レンズや、撮像レンズを通じて入射した光を光電変換し画像データにA/D変換してデータ化する撮像素子等で構成され、遊技機100の演出表示装置100Dに表示された二次元コードを撮像し、二次元コードに含まれた情報を抽出する機能を有する装置である。また、このような撮像装置13による二次元コードの撮像に代え、赤外線通信、近距離通信、Bluetooth(登録商標)等を利用して、遊技機100から情報を取得してもよい。
【0042】
端末通信装置14は、通信網21を介してサーバ30と通信を確立する機能を有する通信装置である。
【0043】
端末制御部15は、中央処理装置(CPU)、端末制御部15を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により構成され、情報端末10全体を管理および制御する機能を有する制御部である。
【0044】
次に、サーバ30の構成について説明する。
【0045】
サーバ30は、蓄積装置31と、サーバ通信装置32と、サーバ制御部33とを含んで構成される。
【0046】
蓄積装置31は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、主として、複数の遊技者固有情報を管理し、それぞれの遊技者固有情報に関連付けて遊技機100からの遊技履歴情報を蓄積する機能を有する装置である。
【0047】
サーバ通信装置32は、通信網21を介して情報端末10との通信を確立する機能を有する通信装置である。
【0048】
サーバ制御部33は、中央処理装置(CPU)、サーバ制御部33を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により構成され、サーバ30全体を管理および制御する機能を有する制御部である。
【0049】
(遊技システムSのシーケンス図)
図3、
図4は、本実施形態による遊技システムSのシーケンス図である。なお、ここでは、遊技機100に関する処理について簡単に説明することとし、遊技機100に関する処理の詳細については後述する。
【0050】
(打-WIN機能の事前登録)
遊技者は、打-WIN機能を利用する場合には、遊技者自身の情報端末10を介してサーバ30にアクセスして、サーバ30に遊技者を特定する遊技者固有情報を事前に登録しておかなければならない。以下、具体的な処理について説明する。
【0051】
(ステップS1)
遊技機100は、遊技者から演出操作装置100Hに対して第1の操作が行われると、情報端末10からサーバ30にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を含む第1二次元コードを生成する。
【0052】
(ステップS2)
そして、遊技機100は、上記ステップS1で生成した第1二次元コードを演出表示装置100Dに表示する。すなわち、遊技者は、遊技機100の演出操作装置100Hに対して第1の操作を行い、遊技機100の演出表示装置100Dに第1二次元コードを表示させる。
【0053】
(ステップS3)
情報端末10の撮像装置13は、端末操作部11からの操作に応じて、演出表示装置100Dに表示された第1二次元コードを撮像し、第1二次元コードに含まれた第1のコード情報(URL)を生成する。そして、情報端末10の端末制御部15は、その第1のコード情報(URL)を用い、端末通信装置14を介して登録要求コマンドをサーバ30に送信する。すなわち、遊技者は、情報端末10の端末操作部11を操作して、情報端末10の撮像装置13により、演出表示装置100Dに表示された第1二次元コードを読み取り、読み取った第1二次元コードに基づいてサーバ30にアクセスする。
【0054】
(ステップS4)
サーバ30のサーバ制御部33は、登録要求コマンドを受信すると、遊技者を特定するために、アクセスしている情報端末10のICCID(Integrated Circuit Card ID)、IPアドレス、携帯電話番号等の遊技者固有情報を取得する。そして、サーバ制御部33は、取得した遊技者固有情報が登録されていないと、取得した遊技者固有情報を登録し、蓄積装置31内に、登録した遊技者固有情報に関連付けて情報を蓄積する領域を確保する。こうして、打-WIN機能を利用する準備が整う。
【0055】
なお、本実施形態では、遊技機100の演出表示装置100Dに表示された第1二次元コードを介して、サーバ30にアクセスし遊技者固有情報を登録するように構成したが、第1二次元コードを介さずに、直接的にサーバ30にアクセスして遊技者固有情報を登録してもよい。
【0056】
(打-WIN機能を利用した遊技の開始)
遊技者は、打-WIN機能を利用して遊技を開始する場合には、遊技者自身の情報端末10を介してサーバ30にアクセスし、サーバ30からパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機100に入力する。以下、具体的な処理について説明する。
【0057】
(ステップS5)
情報端末10の端末制御部15は、端末操作部11からの操作に応じて、パスワード要求コマンドを、端末通信装置14を通じてサーバ30に送信する。
【0058】
(ステップS6)
サーバ30のサーバ制御部33は、パスワード要求コマンドを受信すると、パスワード生成処理を行う。このパスワード生成処理では、アクセスしている情報端末10のICCID等が、事前登録時に記憶したICCID等と一致するかの認証を行う。そして、認証に成功した場合に、遊技者固有情報と関連付けられた蓄積装置31内の記憶領域へのアクセスを許可するとともに、当該アクセス時のアクセス時間情報、機種別情報、ポイント値情報を取得する。そして、当該取得した情報を、所定アルゴリズムに基づいてパスワード(例えば、複数の英数字からなる記号)に暗号化変換する。なお、暗号化変換に際して予測し難いアクセス時間情報を含ませることで、セキュリティ性を向上させたユニークなパスワードが生成されることとなる。
【0059】
(ステップS7)
サーバ30のサーバ制御部33は、上記ステップS6で生成されたパスワードを、サーバ通信装置32を通じて情報端末10に送信する。
【0060】
(ステップS8)
情報端末10の端末制御部15は、端末通信装置14を通じて、サーバ30から受信したパスワードを端末表示装置12に表示させる。
【0061】
(ステップS9)
遊技機100は、端末表示装置12に表示されたパスワードが演出操作装置100Hを介して入力されると、所定アルゴリズムに基づいて、アクセス時間情報、遊技履歴情報を復号化変換し、打-WIN機能を開始するための打-WIN情報設定処理を行う。この打-WIN情報設定処理では、以後の遊技機100の遊技履歴情報を蓄積させていく蓄積開始処理等が行われる。また、遊技機100は、打-WIN情報設定処理を行うことで、遊技履歴情報に基づいて遊技者の識別が可能となる。
【0062】
(ステップS10)
遊技機100では、遊技者によって遊技が行われると、大役抽選、大役遊技の処理、各種の演出装置における演出の処理等の様々な遊技処理が行われる。
【0063】
(ステップS11)
そして、上記ステップS10での遊技処理が行われる毎に、遊技履歴情報が蓄積されていく。なお、ポイント値は、大役抽選(特別図柄の変動)が1回行われるたびに、予め設定された加算条件を満たすことによって加算される。このとき、加算されるポイント値の下限は「1」であり、加算条件を満たしたときの状況に応じて、さらにポイント値が上乗せされるようにしている。
【0064】
例えば、大役抽選が行われたときの遊技状態(後述する高確率遊技状態、低確率遊技状態、時短遊技状態、非時短遊技状態)、後述する変動パターン番号(リーチ態様等)、特別図柄の種別、実行された変動演出の具体的な内容等に応じて、上乗せされるポイント値が予め設定されている。
【0065】
(打-WIN機能を利用した遊技の終了)
遊技者は、打-WIN機能を利用した遊技を終了する場合には、取得したアクセス時間情報、更新された遊技履歴情報を、所定アルゴリズムに基づいて、サーバ30へのアクセス情報(URL)を含む第2二次元コードに暗号化変換する。そして、遊技機100の演出表示装置100Dに第2二次元コードを表示させ、情報端末10により演出表示装置100Dに表示された第2二次元コードを読み取らせてサーバ30にアクセスさせる。そして、読み取った第2二次元コードの復号化変換に基づいて、更新された遊技履歴情報をサーバ30に蓄積する。以下、具体的な処理について説明する。
【0066】
(ステップS12)
遊技機100は、遊技者から演出操作装置100Hに対して第2の操作が行われると、少なくとも、遊技機100に蓄積された遊技履歴情報と、サーバ30のURLと、を含む第2二次元コードを生成する。
【0067】
(ステップS13)
そして、遊技機100は、上記ステップS12で生成した第2二次元コードを演出表示装置100Dに表示する。
【0068】
(ステップS14)
情報端末10の撮像装置13は、端末操作部11からの操作に応じて、演出表示装置100Dに表示された第2二次元コードを撮像し、第2二次元コードに含まれた第2のコード情報(遊技履歴情報、URL)を抽出する。
【0069】
(ステップS15)
そして、情報端末10の端末制御部15は、その第2のコード情報(遊技履歴情報、URL)を用い、端末通信装置14を介して遊技履歴情報をサーバ30に送信する。
【0070】
(ステップS16)
サーバ30のサーバ制御部33は、遊技履歴情報(経験値、レベル値情報、ポイント値情報等)やキャラクタ情報等を受信すると、アクセスしている情報端末10のICCID等の遊技者固有情報も併せて取得する。そして、サーバ制御部33は、取得した遊技者固有情報の認証により、本人確認ができたことを条件に、当該遊技者固有情報と関連付けされた蓄積装置31の記憶領域にアクセスし、遊技履歴情報を蓄積させる。
【0071】
これにより、当該遊技機100において、パスワードを入力した時点(打-WIN機能の遊技の開始)から第2二次元コードの演出表示装置100Dへの表示を指示した時点(打-WIN機能の遊技の終了)までの遊技履歴情報をサーバ30に蓄積させることができる。
【0072】
(打-WIN機能のメニュー表示)
遊技者は、打-WIN機能で用意された各種のメニューを使用する場合には、情報端末10によりサーバ30にアクセスして、情報端末10の端末操作部11を操作して、各種のメニューを選択していく(各種コマンドをサーバ30に送信していく)。以下、具体的な処理について、
図4を用いて説明する。
【0073】
(ステップS17)
サーバ30のサーバ制御部33は、情報端末10によりアクセスがあると、アクセスしている情報端末10からICCID等の遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報の認証を行うとともに、認証に成功した場合には、当該遊技者固有情報と関連付けされた蓄積装置31の記憶領域に記憶されているキャラクタ情報、予め設定されたメニュー情報等から、打-WIN機能のトップメニュー情報(トップメニューの画像データ)を生成する。
【0074】
(ステップS18)
サーバ30のサーバ制御部33は、上記ステップS17で生成されたトップメニュー情報を、サーバ通信装置32を通じて情報端末10に送信する。
【0075】
(ステップS19)
情報端末10の端末制御部15は、端末通信装置14を通じて、サーバ30から受信したトップメニュー情報を端末表示装置12に表示させる。
【0076】
これ以降、遊技者は、端末表示装置12に表示されたトップメニューの画像データから、各種のメニューを選択していくことができる。
【0077】
(打-WIN機能の閲覧表示)
遊技者は、打-WIN機能を利用して、サーバ30に蓄積された遊技履歴情報を閲覧する場合には、情報端末10によりサーバ30にアクセスして、サーバ30に蓄積された遊技履歴情報に対応する閲覧情報(画像データ)を端末表示装置12に表示させる。以下、具体的な処理について説明する。
【0078】
(ステップS20)
情報端末10の端末制御部15は、端末操作部11からの操作に応じて、閲覧要求コマンドを、端末通信装置14を通じてサーバ30に送信する。
【0079】
(ステップS21)
サーバ30のサーバ制御部33は、閲覧要求コマンドを受信すると、アクセスしている情報端末10からICCID等の遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報の認証を行うとともに、認証に成功した場合には、取得した遊技者固有情報に関連付けられた蓄積装置31の記憶領域に記憶されている遊技履歴情報に基づいて閲覧情報を生成する。
【0080】
(ステップS22)
サーバ30のサーバ制御部33は、上記ステップS21で生成された閲覧情報を、サーバ通信装置32を通じて情報端末10に送信する。
【0081】
(ステップS23)
情報端末10の端末制御部15は、端末通信装置14を通じて、サーバ30から受信した閲覧情報を端末表示装置12に表示させる。
【0082】
これにより、遊技者は、これまでに遊技機100で実行された演出等の遊技履歴情報を、情報端末10において確認することができる。
【0083】
(打-WIN機能のキャラクタ設定)
また、サーバ30の蓄積装置31に蓄積されたそれぞれの遊技者固有情報には、上記の遊技履歴情報だけではなく、遊技者が設定可能な遊技機100固有のキャラクタ情報も関連付けられて記憶されている。遊技者は、このキャラクタ情報を設定する場合には、情報端末10によりサーバ30にアクセスして、サーバ30に設定するキャラクタ情報を送信する。以下、具体的な処理について説明する。
【0084】
(ステップS24)
情報端末10の端末制御部15は、端末操作部11からの操作に応じて、複数種類のキャラ設定コマンドの中から、遊技者の希望に応じて選択されたキャラクタに関連付けられたキャラ設定コマンドを、端末通信装置14を通じてサーバ30に送信する。
【0085】
(ステップS25)
サーバ30のサーバ制御部33は、キャラ設定コマンドを受信すると、アクセスしている情報端末10からICCID等の遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報の認証を行うとともに、認証に成功した場合には、取得した遊技者固有情報に関連付けられた蓄積装置31の記憶領域に、受信したキャラ設定コマンドに対応したキャラクタ情報を記憶する。
【0086】
(ステップS26)
サーバ30のサーバ制御部33は、上記ステップS25で設定されたキャラクタ情報を、サーバ通信装置32を通じて情報端末10に送信する。
【0087】
(ステップS27)
情報端末10の端末制御部15は、端末通信装置14を通じて、サーバ30から受信したキャラクタ情報を端末表示装置12に表示させる。
【0088】
以上のように、本実施形態によれば、遊技者の遊技者固有情報とキャラクタ情報とが関連付けてサーバ30に記憶される。そして、サーバ30で設定されたキャラクタ情報をパスワードに含めることにより、遊技機100側でも、サーバ30で設定されたキャラクタに応じた演出を実行することで、より遊技の興趣を向上させることができる。
【0089】
(その他の打-WIN機能)
その他、遊技者は、情報端末10によりサーバ30にアクセスして、様々な特典を得ることができる。例えば、サーバ30から、遊技機100の攻略情報、未公開情報、遊技機100の基本仕様、遊技機100に関するメロディーや音声等の着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報といった特典を得ることができる。
【0090】
(打-WIN機能により情報端末10に表示される表示画像)
次に、
図5、
図6を用いて、上記遊技システムSのシーケンス図で説明した情報端末10に表示される表示画像の一例について説明する。
【0091】
遊技者は、打-WIN機能の事前登録を行った後、情報端末10を用いてサーバ30にアクセスすると、情報端末10の端末表示装置12では、
図5に示すように、打-WIN機能で用意された各種のメニューが表示される。なお、
図5(a)は、打-WIN機能のトップメニュー画面の1ページ目を示し、
図5(b)は、打-WIN機能のトップメニュー画面の2ページ目を示しており、情報端末10の端末操作部11によりスクロール表示される。
【0092】
具体的には、サーバ30は、アクセスしている情報端末10からICCID等の遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報の認証を行うとともに、認証に成功した場合には、取得した遊技者固有情報に関連付けられた蓄積装置31の記憶領域に記憶されているキャラクタ情報、予め設定されたメニュー情報等からトップメニュー情報(画像データ)を生成して、生成したトップメニュー情報を、情報端末10に送信する(ステップS17〜S19参照)。
【0093】
これにより、情報端末10の端末表示装置12では、
図5(a)に示すように、「ステータス」として、遊技者が設定したキャラクタ情報に対応する画像が表示され、
図5(b)に示すように、「メニュー」として、「パスワード発行」、「遊技履歴」、「ミッション確認」、「キャラクタ設定」、「特典ダウンロード」の項目が表示される。
【0094】
そして、遊技者が、情報端末10の端末操作部11を操作して、「メニュー」から「パスワード発行」を選択すると、打-WIN機能の遊技を行うためのパスワードを取得できる。
【0095】
具体的には、情報端末10の端末操作部11を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「パスワード発行」を選択することで、パスワード要求コマンドが、サーバ30に送信される(ステップS5参照)。サーバ30は、パスワード要求コマンドを受信すると、パスワードを生成するとともに、当該生成したパスワードを、情報端末10に送信する(ステップS6、ステップS7参照)。
【0096】
これにより、情報端末10の端末表示装置12では、
図6(a)に示すように、パスワードが表示される。
【0097】
次に、遊技者が、情報端末10の端末操作部11を操作して、「メニュー」から「遊技履歴」を選択すると、サーバ30に蓄積された遊技履歴情報の閲覧をできる。
【0098】
具体的には、情報端末10の端末操作部11を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「遊技履歴」を選択することで、閲覧要求コマンドが、サーバ30に送信される(ステップS20参照)。サーバ30は、閲覧要求コマンドを受信すると、閲覧情報を生成して、生成した閲覧情報を、情報端末10に送信する(ステップS21、ステップS22参照)。
【0099】
これにより、情報端末10の端末表示装置12では、
図6(b)に示すように、遊技履歴の閲覧画像が表示される。
【0100】
次に、遊技者が、情報端末10の端末操作部11を操作して、「メニュー」から「キャラクタ設定」を選択すると、遊技者固有情報に関連付けられたキャラクタ情報を設定(変更)できる。
【0101】
具体的には、情報端末10の端末操作部11を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「キャラクタ設定」を選択することで、キャラ設定コマンドが、サーバ30に送信される(ステップS24参照)。サーバ30は、キャラ設定コマンドを受信すると、キャラクタ情報を決定して、決定したキャラクタ情報を、情報端末10に送信する(ステップS25、ステップS26参照)。
【0102】
これにより、情報端末10の端末表示装置12では、
図6(c)に示すように、キャラクタ情報の画像が表示される。
【0103】
(打-WIN機能により遊技機100に表示される表示画像)
次に、
図7、
図8を用いて、上記遊技システムSのシーケンス図で説明した遊技機100に表示される表示画像の一例について説明する。
【0104】
詳しい制御処理については後述するが、遊技者が、遊技機100においてデモ表示が行われているときに、演出操作装置100Hの操作を行うと、
図7(a)に示すように、演出表示装置100Dに「打-WINメニュー」の画面が表示される。この「打-WINメニュー」には、少なくとも「新規登録」、「パスワード入力」、「遊技終了」、「戻る」のメニュー項目が表示されている。
【0105】
「打-WINメニュー」において、演出操作装置100Hの操作によって「新規登録」を選択すると、遊技機100では、サーバ30のURLを含む第1二次元コードが生成される。そして、
図7(b)に示すように、遊技機100では、生成された第1二次元コードが演出表示装置100Dに表示される(ステップS1、ステップS2参照)。
【0106】
この第1二次元コードを情報端末10で読み取ってサーバ30にアクセスすることで、打-WIN機能の事前登録(新規登録)を行うことができる(ステップS3、ステップS4参照)。
【0107】
また、「打-WINメニュー」において、演出操作装置100Hの操作によって「パスワード入力」を選択すると、
図8(a)に示すように、パスワードを入力する入力画面が表示される(ステップS9参照)。
【0108】
この入力画面で、演出操作装置100Hを操作することにより、サーバ30から発行されたパスワードを入力することができる。
【0109】
また、「打-WINメニュー」において、演出操作装置100Hの操作によって「遊技終了」を選択すると、遊技機100では、遊技機100に蓄積された遊技履歴情報と、サーバ30のURLと、を含む第2二次元コードが生成される。そして、
図8(b)に示すように、遊技機100では、生成された第2二次元コードが演出表示装置100Dに表示される(ステップS12、ステップS13参照)。
【0110】
この第2二次元コードを情報端末10で読み取り、その第2二次元コードに含まれた遊技履歴情報をサーバ30に送信することで、遊技機100の演出に関する遊技履歴情報をサーバ30に蓄積させることができる。
【0111】
なお、「打-WINメニュー」において、演出操作装置100Hの操作によって「戻る」を選択すると、演出表示装置100Dから「打-WINメニュー」の画面が消去される。
【0112】
(遊技機100の説明)
次に、本実施形態の遊技機100について詳細に説明する。ここでは理解を容易にするため、まず、遊技機100の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0113】
図9は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0114】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0115】
図10は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
【0116】
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0117】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
【0118】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0119】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0120】
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122に対して、鉛直真上から流下する遊技球のみが入球可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときにも当該第2始動口122に遊技球が一定の頻度で入球することとしたが、例えば、振分装置150を設けずに、第2始動口122が閉状態にある場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球を不可能としてもよい。
【0121】
さらに、遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0122】
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
【0123】
ここで、本実施形態においては、第1始動口120および第2始動口122の鉛直上方に、これら第1始動口120および第2始動口122に交互に遊技球を振り分ける振分装置150が設けられている。この振分装置150は、遊技領域116を流下する遊技球が進入可能な導入路152を鉛直上方に開口させている。この導入路152は、その幅を遊技球の直径よりも僅かに大きくしており、当該導入路152に導かれた遊技球が、必ず揺動部材154に向けて落下するようにしている。
【0124】
この揺動部材154は、底板156aと、この底板156aの長手方向中心部から直角に起立する振分板156bと、によって構成される逆T字形の部材からなり、振分板156bを境に線対称に構成されている。そして、揺動部材154は、底板156aと振分板156bとが交差する揺動支点156cにおいて、遊技盤108に揺動自在に取り付けられている。
【0125】
そして、底板156aの長手方向両端には不図示の重りが設けられており、通常、図示のように、底板156aの一端(図中左端)がストッパー158aに接触した状態で静止しているか、もしくは、図示の状態から時計回り方向に揺動して、底板156aの他端(図中右端)がストッパー158bに接触した状態で静止することとなる。このような静止状態においては、振分板156bよりも図中反時計回り方向に区画形成される揺動部材154の第1空間156d、または、振分板156bよりも図中時計回り方向に区画形成される揺動部材154の第2空間156eのいずれかが導入路152に臨むこととなる。
【0126】
上記の構成からなる振分装置150によれば、図示のように、第2空間156eが導入路152に臨んで静止している状態で、遊技球が導入路152に進入すると、第2空間156eに遊技球が落下するとともに、当該遊技球の自重によって、揺動部材154が時計回り方向に揺動する。これにより、導入路152から振分装置150内に進入した遊技球は、第2始動口122に向けて振分装置150内を落下するとともに、揺動部材154が時計回り方向に揺動して、底板156aの他端(図中右端)がストッパー158bに接触した状態で静止する。
【0127】
そして、第1空間156dが導入路152に臨んで静止している状態で、次なる遊技球が導入路152に進入すると、今度は第1空間156dに遊技球が落下するとともに、当該遊技球の自重によって、揺動部材154が反時計回り方向に揺動する。これにより、導入路152から振分装置150内に進入した遊技球は、第1始動口120に向けて振分装置150内を落下するとともに、揺動部材154が、再び、図示の状態で静止することとなる。このように、振分装置150内に進入した遊技球は、揺動部材154によって第1始動口120と第2始動口122とに交互に振り分けられることとなる。
【0128】
なお、第2始動口122の可動片122bが開状態にあるときには、揺動部材154によって第2始動口122の鉛直上方に振り分けられた遊技球のみならず、振分装置150の外方を流下する遊技球も、第2始動口122に導かれることとなる。ただし、第1始動口120や第2始動口122の配置は一例にすぎず、具体的な盤面構成は特に限定されるものではなく、また、振分装置150も必須の構成ではない。
【0129】
そして、遊技盤108には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
【0130】
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
【0131】
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0132】
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0133】
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
【0134】
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンと、遊技者の回転操作を受け付けるジョグダイヤルで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。また、遊技が中断している間、つまり、デモ中に操作されると、上記の打-WIN機能に拘わる処理が行われる。
【0135】
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0136】
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0137】
(制御手段の内部構成)
図11は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0138】
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0139】
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。なお、これら一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、大入賞口検出スイッチ128sが、上記の入賞装置100Iに相当する。
【0140】
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。なお、これら普通電動役物ソレノイド122c、大入賞口ソレノイド128cが、上記の駆動装置100Jに相当する。
【0141】
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。なお、これら第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が、上記の表示器100Kに相当する。
【0142】
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
【0143】
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0144】
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
【0145】
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0146】
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0147】
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
【0148】
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。なお、払出モータ314、払出球計数スイッチ316s、皿満タン検出スイッチ318sが、上記の払出装置100Bに相当する。
【0149】
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。なお、タッチセンサ112s、操作ボリューム112a、発射用ソレノイド112cが、上記の発射装置100Cに相当する。
【0150】
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板340または電飾制御基板350に送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0151】
画像制御基板340は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。なお、この演出表示部200a(演出表示装置200)が、上記の演出表示装置100Dに相当する。
【0152】
電飾制御基板350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板350は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置208の押下ボタンが押下操作されたことを検出する押下操作検出スイッチ208s
1、および、回転操作部が回転操作されたことを検出する回転操作検出スイッチ208s
2から操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板330に送信する。なお、音声出力装置206が上記の音声出力装置100Eに相当し、演出役物装置202が上記の演出役物装置100Fに相当し、演出照明装置204が上記の演出照明装置100Gに相当し、演出操作装置208、押下操作検出スイッチ208s
1および回転操作検出スイッチ208s
2が、上記の演出操作装置100Hに相当する。
【0153】
上記の各基板は、遊技盤108の背面に固定されており、通常、遊技者が接触不可能となっている。また、遊技盤108の背面には、音声出力装置206から出力される出力音声の初期音量を設定する初期音量設定スイッチ210sが設けられている。詳しくは後述するが、初期音量設定スイッチ210sは、音量スイッチSW0〜7を備えており、これら音量スイッチSW0〜7それぞれから出力されるオンオフ信号が副制御基板330に入力される。
【0154】
副制御基板330では、音量スイッチSW0がオンしている場合には出力音声を消音し、以降、音量スイッチSW1から音量スイッチSW7まで、オンしている音量スイッチSWの序数が大きくなるにしたがって、出力音声が大きくなるように制御する。したがって、本実施形態では、音声出力装置206から出力される出力音声の初期音量が、8段階で設定されることとなる。
【0155】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
【0156】
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
【0157】
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0158】
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
【0159】
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
【0160】
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
【0161】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
【0162】
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、8つの記憶部(第1〜第8記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、特図保留記憶領域の第1〜第8記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留または特2保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。なお、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第1記憶部〜第8記憶部の中で、特1保留および特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
【0163】
ただし、特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
【0164】
図12は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
【0165】
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、
図12(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6となる。
【0166】
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、
図12(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜11640であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/39.96となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
【0167】
図13は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図13(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、
図13(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
【0168】
図13(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、
図13(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。なお、ここでは、特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、特2用当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、同一の大当たり図柄がそれぞれ異なる確率で決定されることとした。しかしながら、両テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよいし、保留種別を問わず、1の当たり図柄乱数判定テーブルを参照して特別図柄の種別(大当たり図柄)を決定してもよい。
【0169】
また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
【0170】
図14は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態等に応じて、予め設定されたテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
【0171】
例えば、通常遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留および特2保留の合計数(以下、単に「保留数」という)が0〜2個であれば、
図14(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、通常遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの保留数が3〜4個であれば、
図14(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が5〜7個であれば、
図14(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、
図14において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
【0172】
なお、ここでは、通常遊技状態において、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出されたときに参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについて説明したが、メインROM300bには、この他にも多数のリーチグループ決定乱数判定テーブルが記憶されている。
【0173】
また、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
【0174】
図15は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図15(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図15(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図15(c)に示す。
【0175】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、
図15(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、
図15(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0176】
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、
図15において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、
図15〜
図17に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
【0177】
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、
図14に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、
図15に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0178】
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、
図15に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
【0179】
図16は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
【0180】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
【0181】
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
【0182】
図17は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、
図17(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
【0183】
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、
図17(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
【0184】
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなるが、その詳細については後述する。
【0185】
図18は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
【0186】
特別図柄A〜Eが決定されると、
図18に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口128の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0187】
図19は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。
図19に示すとおり、特別図柄A〜Eが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は70回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大役抽選結果が70回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大役抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が70回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
【0188】
また、大役遊技の終了後には、時短遊技状態または非時短遊技状態の設定がなされる。特別図柄Aが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に応じて次のようにして遊技状態が設定される。すなわち、非時短遊技状態に設定されているときに大当たりに当選した場合には、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定され、時短遊技状態に設定されているときに大当たりに当選した場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定される。このとき、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は70回に設定される。これは、時短遊技状態が、大役抽選結果が70回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、時短回数の設定が行われることとなる。
【0189】
また、特別図柄B〜Eが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に拘わらず、必ず時短遊技状態に設定され、このときの時短回数は70回に設定される。なお、ここでは、大役遊技の終了後の遊技状態や高確回数、時短回数が、特別図柄の種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて決定されることとしたが、特別図柄の種別に基づいてのみ、大役遊技の終了後の遊技状態を決定することとしてもよい。
【0190】
図20は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0191】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
【0192】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図20(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
【0193】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図20(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
【0194】
図21(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、
図21(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
【0195】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、
図21(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
【0196】
当たり図柄が決定されると、
図21(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0197】
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
【0198】
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
【0199】
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0200】
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図22は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
【0201】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
【0202】
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
【0203】
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
【0204】
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
【0205】
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
【0206】
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
【0207】
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
【0208】
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0209】
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
【0210】
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
【0211】
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
【0212】
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
【0213】
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0214】
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
【0215】
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
【0216】
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
【0217】
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
【0218】
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
【0219】
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
【0220】
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
【0221】
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
【0222】
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0223】
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
【0224】
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
【0225】
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図23は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
【0226】
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0227】
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0228】
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
【0229】
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
【0230】
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
【0231】
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
【0232】
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
【0233】
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
【0234】
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
【0235】
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0236】
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
【0237】
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
【0238】
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
【0239】
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
【0240】
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図24は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
【0241】
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0242】
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0243】
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
【0244】
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
【0245】
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
【0246】
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
【0247】
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
【0248】
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
【0249】
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
【0250】
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
【0251】
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
【0252】
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
【0253】
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
【0254】
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
【0255】
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
【0256】
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
【0257】
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
【0258】
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
【0259】
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
【0260】
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
【0261】
図25は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
【0262】
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
【0263】
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
【0264】
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
【0265】
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
【0266】
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
【0267】
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
【0268】
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口128に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
【0269】
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
【0270】
図26は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
【0271】
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
【0272】
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
【0273】
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0274】
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0275】
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
【0276】
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
【0277】
図27は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
【0278】
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
【0279】
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0280】
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
【0281】
図28は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
【0282】
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
【0283】
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0284】
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
【0285】
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
【0286】
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
【0287】
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
【0288】
図29は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
【0289】
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
【0290】
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
【0291】
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
【0292】
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
【0293】
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0294】
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の8つの記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0295】
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
【0296】
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
【0297】
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理については、
図30を用いて後述する。
【0298】
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
【0299】
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図9保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図10保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0300】
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。
【0301】
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0302】
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
【0303】
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
【0304】
図30は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
【0305】
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを識別する確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)をリセット(0に)する。なお、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)=0は低確率遊技状態を示し、カウンタ値(j)=1は高確率遊技状態を示す。
【0306】
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、カウンタ値(j)が「0」であれば、低確時大当たり決定乱数判定テーブル(
図12(a)参照)を選択し、カウンタ値(j)が「1」であれば、高確時大当たり決定乱数判定テーブル(
図12(b)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
【0307】
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(
図13参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する取得時図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0308】
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、上記ステップS536−3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536−9に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−11に処理を移す。
【0309】
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(
図15(b)、(c)参照)をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
【0310】
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(
図14参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
【0311】
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11で導出されたグループ種別が、保留数に応じて異なるグループ種別が決定されるか否かを判定する。より詳細に説明すると、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、各リーチグループ決定乱数判定テーブルにおいては、リーチグループ決定乱数の値が所定値以上である場合には、いずれのテーブルによっても同一のグループ種別が決定されるように置数が割り振られている。したがって、ここでは、リーチグループ決定乱数の値が所定値未満であれば、グループ種別が保留数で変化すると判定し、リーチグループ決定乱数の値が所定値以上であれば、グループ種別は保留数で変化しないと判定する。そして、グループ種別が保留数で変化すると判定した場合にはステップS536−15に処理を移し、グループ種別は保留数で変化しないと判定した場合にはステップS536−17に処理を移す。
【0312】
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンドを先読み指定コマンドとして送信バッファにセットし、ステップS536−27に処理を移す。
【0313】
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11で導出されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(
図15(a)参照)をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
【0314】
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−9または上記ステップS536−17でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
【0315】
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
【0316】
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
【0317】
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−23で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
【0318】
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)が最大(1)であるかを判定し、最大であると判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了し、最大ではないと判定した場合には、ステップS536−29に処理を移す。
【0319】
(ステップS536−29)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)を、現在のカウンタ値(j)に「1」を加算した値に更新し、上記ステップS536−3から処理を繰り返す。これにより、新たに記憶された保留が、低確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号と、高確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号とが、当該保留の記憶時に導出されることとなる。
【0320】
図31は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
【0321】
図31に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0322】
図32は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
【0323】
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
【0324】
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
【0325】
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0326】
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
【0327】
図33は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0328】
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値の合計、すなわち、特1保留数(X1)および特2保留数(X2)の合計値を確認する。
【0329】
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、上記ステップS610−1で確認した合計値が「0」でないかを判定する。その結果、合計値が「0」ではないと判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、合計値は「0」であると判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
【0330】
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0331】
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の第1記憶部〜第8記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第8記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、第1記憶部〜第7記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留および特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。さらに、ここでは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する。
【0332】
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
【0333】
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0334】
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
【0335】
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
【0336】
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
【0337】
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。
【0338】
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
【0339】
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図9保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図10保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0340】
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0341】
図34は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
【0342】
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS611−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
【0343】
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0344】
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値の合計、すなわち、特1保留数(X1)および特2保留数(X2)の合計値を確認する。
【0345】
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、上記ステップS611−5で確認した合計値、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
【0346】
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0347】
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3または上記ステップS611−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0348】
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−13で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
【0349】
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
【0350】
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
【0351】
図35は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0352】
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
【0353】
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0354】
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
【0355】
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0356】
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0357】
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0358】
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、当該特別図柄変動中処理を終了する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
【0359】
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
【0360】
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
【0361】
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0362】
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0363】
図36は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0364】
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
【0365】
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
【0366】
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−15に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
【0367】
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
【0368】
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
【0369】
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0370】
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
【0371】
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0372】
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
【0373】
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
【0374】
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
【0375】
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0376】
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
【0377】
図37は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
【0378】
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−19でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
【0379】
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0380】
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0381】
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
【0382】
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
【0383】
図38は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0384】
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
【0385】
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
【0386】
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0387】
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
【0388】
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0389】
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0390】
図39は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
【0391】
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
【0392】
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
【0393】
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
【0394】
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
【0395】
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口128が閉鎖状態となる。
【0396】
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
【0397】
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
【0398】
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
【0399】
図40は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
【0400】
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
【0401】
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
【0402】
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
【0403】
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
【0404】
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
【0405】
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
【0406】
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0407】
図41は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
【0408】
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
【0409】
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−17でセーブした特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタをロードして、状態データをセーブする。また、ここでは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、普通図柄時短状態フラグおよび時短回数切りカウンタに所定の状態データをセーブする。
【0410】
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0411】
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
【0412】
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0413】
図42は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
【0414】
図42に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0415】
図43は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
【0416】
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0417】
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
【0418】
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0419】
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
【0420】
図44は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0421】
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
【0422】
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0423】
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
【0424】
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
【0425】
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
【0426】
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
【0427】
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0428】
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
【0429】
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0430】
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0431】
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
【0432】
図45は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0433】
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
【0434】
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0435】
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0436】
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
【0437】
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
【0438】
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
【0439】
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0440】
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0441】
図46は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0442】
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
【0443】
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
【0444】
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
【0445】
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0446】
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
【0447】
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
【0448】
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
【0449】
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0450】
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
【0451】
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
【0452】
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0453】
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
【0454】
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
【0455】
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0456】
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
【0457】
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
【0458】
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0459】
図49は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
【0460】
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
【0461】
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0462】
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
【0463】
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
【0464】
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
【0465】
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0466】
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
【0467】
図50は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
【0468】
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
【0469】
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0470】
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0471】
図51は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
【0472】
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
【0473】
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0474】
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、大役抽選の抽選結果を報知する変動演出について説明した後、変動演出等に出力される出力音声の音量設定について詳細に説明する。
【0475】
(演出の一例)
図52は、リーチなしパターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)される。そして、最終的に演出表示部200aに停止表示された演出図柄210a、210b、210cの組み合わせ表示態様によって、大役抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御される。
【0476】
本実施形態の変動演出は、リーチなしパターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなしパターンの変動演出では、演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、
図52(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、
図52(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの矢印は、演出図柄210a、210b、210cが縦方向にスクロール表示されていることを示している。
【0477】
そして、
図52(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、
図52(d)に示すように、演出図柄210aと異なる図柄(態様)で演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、
図52(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このとき停止表示されている3つの演出図柄210a、210b、210cの組み合わせによって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
【0478】
なお、本実施形態では、大当たり当選時には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示され、その後に特別遊技が実行される。一方、大役抽選結果がハズレであった場合には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示されることはない。
【0479】
図53は、リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。リーチ変動パターンの変動演出では、例えば、
図53(a)に示すように、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始された後、
図53(b)に示すように、演出図柄210aが仮停止表示される。その後、
図53(c)に示すように、演出図柄210cが仮停止表示される。このとき、演出図柄210cは、演出図柄210aと同一の図柄(態様)で仮停止表示される。
【0480】
このように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cが特定態様(同一の図柄(態様))、所謂「リーチ態様」で表示されると、
図53(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの形状を、特定態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、その後、演出表示部200aには、
図53(e)に示すように、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるとともに、最終的に、演出図柄210a、210b、210cが停止表示されて大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0481】
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、変動演出の態様を分類するための演出モードが複数設けられている。副制御基板330においては、これら複数の演出モードの中から、主制御基板300で設定されている遊技状態等に応じて、いずれかの演出モードが設定され、当該設定されている演出モードに対応する変動演出の態様が決定される。具体的には、演出表示部200aに表示される背景画像や、演出図柄210a、210b、210cの表示パターン等が、演出モードごとに多数設けられている。そして、変動演出の態様を決定する際には、設定されている演出モードを参照するとともに、当該設定中の演出モードに対応する背景画像や演出図柄210a、210b、210cの表示パターンの中から、いずれかの表示パターンが決定される。したがって、演出表示部200aには、主制御基板300において設定されている遊技状態に応じて異なる画像が表示されることとなり、遊技者は、演出表示部200aに表示される画像によって、現在の遊技状態、例えば、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを把握することが可能となる。
【0482】
(演出決定テーブルの一例)
次に、上記の変動演出の態様の決定方法について説明する。
図54(a)は、前半変動演出決定テーブルを説明する図であり、
図54(b)は、後半変動演出決定テーブルを説明する図である。本実施形態では、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出の態様が決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半の変動演出の態様が決定される。具体的には、リーチ変動パターンの変動演出においては、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるまでの変動演出の態様(演出表示部200aに表示される画像パターン)が、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定され、動画(リーチ発展演出)の画像パターンが、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定される。したがって、例えば、
図53に示すリーチ変動パターンの変動演出においては、
図53(a)〜
図53(d)に示す変動演出の態様(画像パターン)が変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定されており、
図53(e)に示す変動演出の態様(動画)が変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されている。
【0483】
なお、リーチなしパターンの変動演出は、前半の変動演出が実行されないことを示す変動モード番号(変動モードコマンド)と、所定の変動パターン番号(変動パターンコマンド)とが決定された場合に実行される。例えば、前半の変動演出が実行されないことを示す「00H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半の変動演出の態様として「なし」が決定される。また、同時に受信した変動パターンコマンドに基づいて、開始から終了までの変動演出の態様が決定される。したがって、
図52に示す変動演出の態様(画像パターン)は、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されることとなる。
【0484】
図54(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半の変動演出の態様が対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。この前半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半の変動演出の態様が決定される。
【0485】
なお、
図54(a)において、変動モード番号と前半の変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の態様として、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の態様として、必ず、「リーチA」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の態様として、必ず、「リーチB」の変動演出が決定されることとなる。
【0486】
ここで、前半の変動演出の態様のうち「なし」は、前半の変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半の変動演出のみが実行されることとなる。また、
図54(a)において、前半の変動演出の態様における「リーチA」や「リーチB」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの、演出表示部200aに表示される画像パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されている。
【0487】
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
【0488】
また、
図54(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半の変動演出の態様が対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。この後半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半の変動演出の態様が決定される。
【0489】
なお、
図54(b)において、変動パターン番号と後半の変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、
図54(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ4秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ8秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ12秒」の変動演出が実行されることとなる。
【0490】
なお、「ハズレ4秒」、「ハズレ8秒」、「ハズレ12秒」の変動演出の態様は、演出図柄210a、210b、210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ4秒、8秒、12秒で、ハズレを報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半の変動演出の態様として「なし」が決定されるように、必ず、「00H」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
【0491】
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=04Hが決定された場合には、後半の変動演出の態様として、「パターン1」および「パターン2」のいずれかが決定される。「パターン1」、「パターン2」は、
図53(e)に示す動画の種類を示すものであり、演出表示部200aに表示される画像は異なるものの、その構成時間は、変動パターン番号=04Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
【0492】
上記のように、副制御基板330においては、設定されている演出モードに応じて、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルが選択され、当該選択したテーブルに基づいて、演出表示部200aに表示される変動演出の態様が決定される。
【0493】
ここで、上記の変動演出中においては、演出表示部200aに表示される変動演出画像に合わせて演出用の音声が音声出力装置206から出力される。音声出力装置206から出力される出力音声の音量は、上記したように、初期音量設定スイッチ210sによって設定されるが、本実施形態では、この初期音量設定スイッチ210sによって設定される音量をあくまでも初期音量と位置付け、遊技者自身の好みや、開発段階での使用環境等に応じて、音量を適宜調整することができるようにしている。
【0494】
(音量の設定)
図55は、初期音量レベルおよび音量レベル調整可能範囲について説明する図である。既に説明したように、初期音量設定スイッチ210sは、音量スイッチSW0〜7の8つのスイッチで構成され、いずれの音量スイッチSWがオンしているかに応じて、初期音量レベルが設定される。初期音量レベルは、図示のように、0〜7の8段階設けられているが、消音もしくは相対的に小音量となる初期音量レベル0〜2は、主に設計開発時に設定されることを想定し、相対的に大音量となる初期音量レベル3〜7は、通常の遊技時に設定されることを想定している。
【0495】
そして、遊技機100の電源を投入すると、そのときにオンしている音量スイッチSWに応じた音量レベルに設定(初期設定)され、このとき設定された音量レベルにしたがって、音声出力装置206から音声が出力される。一方で、本実施形態の遊技機100においては、遊技の行われていない待機状態、すなわち、客待ち状態であるときに、演出操作装置208の回転操作部を回転させて音量変更操作をすることで、出力音声の音量を調整、変更することができる。
【0496】
ただし、音量変更操作によって変更可能な音量レベルの範囲、すなわち、音量レベル調整可能範囲は、初期音量設定スイッチ210sによって設定されている初期音量レベルに応じて異なる。具体的には、音量スイッチSW0〜2がオンしている場合、つまり、初期音量レベルが0〜2の場合には、音量変更操作によって、通常の演出音声、下皿134の満タン状態をはじめとする所定の異常状態を報知するエラー音声、磁気検知や扉開放等の異常があることを報知する異常検知音声のいずれに対しても、音量レベル0〜7の範囲で調整、変更が可能となっている。
【0497】
なお、本実施形態では、遊技の進行に影響を及ぼす異常や不正行為の可能性がある異常状態として、相対的に警戒レベルの高い第1異常状態と、相対的に警戒レベルの低い第2異常状態とを区別している。具体的には、異常検知センサ174から検知信号が出力された場合、より詳細には、電波、磁気、扉の開放を検知する各種の検知信号が異常検知センサ174から出力された場合や、主制御基板300におけるエラー処理において、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128等への異常入賞や不正入賞の判定がなされた場合には、警戒レベルの高い第1異常状態と判定し、異常検知音声を出力する。これに対して、皿満タン検出スイッチ318sから皿満タン検知信号が出力された場合には、警戒レベルの低い第2異常状態と判定し、エラー音声を出力する。
【0498】
そして、音量スイッチSW3〜7がオンしている場合、つまり、初期音量レベルが3〜7の場合には、音量変更操作によって、通常の演出音声およびエラー音声に対して、音量レベル3〜7の範囲でのみ調整、変更が可能であり、音量レベル0〜2に調整、変更することはできない。また、異常検知音声については、初期音量レベルおよび音量変更操作後の設定音量レベルに拘わらず、常に、調整可能範囲よりも大音量である音量レベル8に設定され、この音量レベルを変更することはできない。
【0499】
以上のように、本実施形態の遊技機100においては、演出操作装置208から音量変更操作が入力された際に、初期音量が予め定められた閾値以上に設定されている場合(初期音量レベル≧3)には、当該音量変更操作に応じて、出力音声の設定音量を第1の範囲内(音量レベル≧3)で変更し、初期音量が閾値未満に設定されている場合(初期音量レベル<3)には、当該音量変更操作に応じて、出力音声の設定音量を、第1の範囲内よりも広い第2の範囲内(音量レベル≧0)で変更する。
【0500】
これにより、遊技機100の設計、開発段階では、初期音量レベルを0〜2の範囲で設定しておくことで、容易に音量レベルを変更することが可能となり、出力音声の確認、検証を、各音量レベルで適宜行うことができる。
【0501】
なお、本実施形態では、初期音量が閾値未満に設定されている場合(初期音量レベル<3)の調整可能範囲(第2の範囲)に、初期音量が閾値以上に設定されている場合(初期音量レベル≧3)の調整可能範囲(第1の範囲)に属する音量(音量レベル3〜7)が全て含まれ、かつ、当該第1の範囲に属する音量よりも小音量および消音(音量レベル0〜2)がさらに含まれることとした。しかしながら、初期音量が閾値未満に設定されている場合(初期音量レベル<3)の調整可能範囲(第2の範囲)は、初期音量が閾値以上に設定されている場合(初期音量レベル≧3)の調整可能範囲(第1の範囲)よりも広ければよく、例えば、上記の第2の範囲を、音量レベル0〜6や音量レベル0〜8の範囲としてもよい。
【0502】
また、遊技機100には、異常検知センサ174が設けられており、異常が検知された場合、より詳細には、異常の可能性があることが検知された場合に、初期音量が閾値以上に設定されていれば(初期音量レベル≧3)、初期音量および音量変更操作後の設定音量に拘わらず、一定の音量(第1の範囲に属する音量よりも大音量)で異常検知音声が出力される。これにより、遊技場等において、異常検知音声が周囲の音にかき消されてしまい、容易に不正が行われてしまうことがないようにしている。一方で、初期音量が閾値未満に設定されている場合(初期音量レベル<3)には、初期音量もしくは初期音量から変更された設定音量で異常検知音声が出力されるので、設計、開発段階において、突然、大音量の音声が出力されてしまうといった事態が起こらないようにしている。
【0503】
次に、上記の音量変更操作に関わる演出の一例について説明する。
【0504】
図56は、打−WINメニューの表示および設定音量の変更が可能であることを報知する報知演出、および、現在設定されている音量を報知する設定音量演出の一例を説明する図である。変動演出が終了したときに、次なる保留が記憶されていない場合には、
図56(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示されたままの状態となる。主制御基板300では、特別図柄の変動表示が終了したとき、次なる保留が記憶されていない場合には、客待ち処理が行われ、客待ちコマンドを副制御基板330に送信する。副制御基板330では、客待ちコマンドを受信すると、当該客待ちコマンドを受信してからの経過時間を計時し、客待ち状態に移行してから所定時間が経過すると、
図56(b)に示すように、演出表示部200aの下部に、情報バー211を表示する報知演出を開始する。
【0505】
この報知演出では、情報バー211において、演出操作装置208を押下操作すると、「打−WINメニュー」の画面が表示されることを伝達するとともに、演出操作装置208を回転操作すると、設定音量の変更が可能であることを報知する。その後、演出操作装置208が操作されることなく、さらに一定時間が経過すると、演出表示部200aにデモ画面が表示され、さらにその後、
図56(c)に示すように、省電力化を図るべく、演出表示部200aが消灯する。
【0506】
なお、上記のように、情報バー211が演出表示部200aに表示された後は、常に、演出操作装置208の操作が有効となっており、この操作有効期間中に演出操作装置208を回転させて音量変更操作を行うと、現在設定されている音量を報知する設定音量演出が実行される。この設定音量演出では、
図56(d)に示すように、演出表示部200aに、演出操作装置208の回転操作を想起させる画像と、現在設定されている音量レベルに応じた音量メーターが表示される。ここでは、演出操作装置208を時計回り方向に回転させると、調整可能範囲内で設定音量が大きくなり、演出操作装置208を反時計回り方向に回転させると、調整可能範囲内で設定音量が小さくなる。設定音量演出では、演出操作装置208による音量変更操作に伴って音量メーターが可変表示され、現在設定されている音量レベルが報知されることとなる。なお、操作有効期間中に演出操作装置208を押下操作させると、
図56(e)に示すように、「打−WINメニュー」の画面が演出表示部200aに表示され、遊技機100における打-WIN機能を作動させるための打-WINメニュー処理が実行される。
【0507】
ここで、上記の報知演出の開始タイミングが早すぎると、換言すれば、客待ちコマンドを受信してからすぐに報知演出を開始すると、遊技者に不快感を与えるおそれがある。すなわち、遊技の進行中においては、遊技者が遊技球を発射させても、遊技球が第1始動口120および第2始動口122のいずれにも入球しないといった事態が、短時間のうちに頻繁に生じる場合がある。このように、実際には遊技が行われているにも拘わらず、遊技機100が客待ち状態(待機状態)に頻繁に移行し、そのたびに報知演出が実行されてしまうと、遊技者に不快感を与えるとともに、遊技の継続意欲を低下させてしまうこととなる。
【0508】
従来の遊技機においては、客待ち状態にあるときに演出表示部200aに対する画像の表示や、音量変更操作の受け付けを、客待ちコマンドを受信して即座に開始するのではなく、一定時間が経過してから行うことで、遊技者に与える不快感を低減するようにしていた。しかしながら、一方では、遊技中に音量の変更を行うべく、遊技者が意図的に遊技球の発射を停止させて客待ち状態(待機状態)に移行させることもある。ところが、上記の理由から、客待ち状態に移行した後、一定時間が経過するまでの間、音量変更操作を行うことができないとなると、その間、遊技者が倦怠感を覚えてしまい、やはり遊技の継続意欲が低減してしまうおそれがある。
【0509】
そこで、本実施形態の遊技機100は、遊技者に与える不快感、および、遊技の継続意欲の低減を抑制しつつ、最適なタイミングで音量の調整を実行することができるように、報知演出の開始タイミング、および、音量変更操作の有効期間を次のように設定している。
【0510】
図57は、報知演出の開始タイミング、および、音量変更操作の有効期間を説明する図である。この図に示すように、報知演出(情報バー211の表示)は、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過すると開始され、60秒が経過すると終了となり、以後、デモ画面が表示される。これに対して、音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととしており、5秒経過後は、常に、音量変更操作を有効に受け付ける。
【0511】
つまり、客待ちコマンドを受信してからの経過時間が5〜20秒である場合、および、60秒経過後は、報知演出は実行されていないものの、演出操作装置208に対する音量変更操作が有効となっている。この間に演出操作装置208に対して回転操作を行うと、
図56(b)に示すように、まず演出表示部200aに情報バー211が表示され、演出操作装置208を回転操作することで、
図56(d)に示すように、設定音量演出が実行され、音量変更操作に応じて設定音量が変更されることとなる。
【0512】
なお、客待ちコマンドを受信してからの経過時間が20〜60秒である場合は、既に報知演出が実行中であることから、演出操作装置208に対して音量変更操作を行うと、
図56(d)に示す設定音量演出が即座に実行され、設定音量が変更されることとなる。このように、出力音声の設定音量は、報知演出の実行中に演出操作装置208から音量変更操作が入力された場合、および、報知演出の開始前に演出操作装置208から音量変更操作が入力された場合の双方で実行可能となっている。これにより、遊技者が遊技球を発射させているにも拘わらず、頻繁に報知演出が実行されることで生じる不快感や遊技の継続意欲の低下を抑制しつつも、遊技者が設定音量を変更するために意図的に客待ち状態(待機状態)に移行させた場合には、速やかに設定音量の変更が可能となる。
【0513】
なお、本実施形態では、客待ちコマンドを受信してから報知演出が開始されるまでの時間(20秒)よりも短い所定時間(5秒)が経過するまでの間、音量変更操作を無効化する操作無効期間に設定され、この間に、音量変更操作がなされても、報知演出が実行されたり、設定音量が変更されたりすることがないようにしている。変動演出中は、演出操作装置208の操作がたびたび要求され、遊技者による演出操作装置208の操作に応じて、種々の演出が実行される。そのため、例えば、変動演出の終了間際に、変動演出の一環として演出操作装置208の操作が要求された場合に、遊技者が変動演出の終了後も継続して演出操作装置208を操作してしまう可能性がある。
【0514】
客待ちコマンドを受信して即座に音量変更操作を有効にしてしまうと、上記のように、変動演出中からの流れで演出操作装置208を操作してしまった場合に、意図せずに設定音量の変更がなされてしまう。本実施形態のように、客待ち状態に移行した直後は、音量変更操作を無効にすることで、遊技者の誤操作を未然に防止することが可能となっている。ただし、変動演出中に音量変更操作と同一の操作を要求しない場合や、変動演出の終了間際に演出操作装置208の操作要求を行わない場合等は、客待ちコマンドを受信して即座に、音量変更操作を有効に受け付けることとしてもよい。
【0515】
上記のように、設定音量の変更が可能な遊技機100が多数設置されると、例えば、多数の遊技機100に対して、出力音声を最低音量に変更するといった悪戯がなされるおそれがある。こうした悪戯がなされると、各遊技機100の音量を、再度、適切な音量に設定しなければならないといった煩雑な作業が遊技場の係員に強いられるため、客待ち状態に移行してから所定時間が経過したところで、設定音量を初期音量レベルに復帰させることが望ましい。
【0516】
一方で、一般的に、遊技機100が設置される遊技場においては、多数の遊技機100が併設されることから、個々の遊技機100から出力される音声が聞き取りにくいという実態があり、音量調整が可能な遊技機100で遊技を行う遊技者は、自身の遊技機100から出力される出力音声の音量を大きくするという傾向がある。遊技者は、休憩をはさみながら長時間に亘って遊技を行う場合があるが、上記のように、客待ち状態に移行してから所定時間が経過したところで設定音量が初期音量レベルに復帰してしまうと、音量変更操作を頻繁に遊技者に強いることとなり、操作性が低下する。
【0517】
そこで、不必要に音量を変更する悪戯によってもたらされる係員の作業の煩雑化を防止しつつ、何度も同じ操作を遊技者に強いることによる操作性の低下を抑制すべく、音量レベルの変更タイミングを次のように設定している。
【0518】
図58は、音量レベルの変更タイミングを説明する図である。
図58(a)は、打-WIN機能を用いて遊技が行われていない場合の客待ち状態での音量レベルの変更タイミングを説明する図である。
図58(b)は、打-WIN機能を用いて遊技が行われている場合の客待ち状態での音量レベルの変更タイミングを説明する図である。
【0519】
図58(a)に示すように、打-WIN機能を用いて遊技が行われていない場合、すなわち遊技者が打-WIN機能により識別されている遊技者識別期間でない場合であって、現在の設定音量レベルが初期音量レベルよりも小音量に変更されている場合には、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)に達すると、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させる。これとは逆に、遊技者識別期間でない場合であって、設定音量レベルが初期音量レベルよりも大音量に変更されている場合には、客待ち時間(待機時間)が、9時間(第2の時間)に達すると、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させる。このようにして設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させることで、遊技場の係員の作業の煩雑化と、遊技者の操作性の低下とを同時に抑制することが可能となる。
【0520】
なお、ここでいう客待ち時間(待機時間)には、主制御基板300の待機時間のみならず、客待ち状態において音量変更操作がなされた場合に、最後に音量変更操作がなされてからの経過時間をも含むものであり、遊技が行われていない時間を広く含むものである。
【0521】
しかしながら、遊技者の中には、設定音量レベルを初期音量レベルよりも小音量に変更させて遊技を行う者もいるが、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)に達して、設定音量レベルが初期音量レベルに復帰されてしまうと、休憩後に遊技を再開する際に再び音量変更操作を行わなければならず、操作性が低下してしまう。そこで、本実施形態では、打-WIN機能により遊技者を識別できている場合には、設定音量レベルが初期音量レベルから変更されていても当該設定音量レベルを維持するようにしている。
【0522】
図58(b)に示すように、打-WIN機能を用いて遊技が行われている場合、すなわち遊技者が打-WIN機能により識別されている遊技者識別期間である場合であって、現在の設定音量レベルが初期音量レベルよりも小音量に変更されている場合には、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)に達しても設定音量レベルが維持される。また、遊技者識別期間である場合であって、設定音量レベルが初期音量レベルよりも大音量に変更されている場合にも、客待ち時間(待機時間)が9時間(第2の時間)に達しても設定音量レベルが維持される。このように、打-WIN機能を用いて遊技が行われている遊技者識別期間である場合には、設定音量レベルを客待ち時間に関係なく維持することで、何度も同じ操作を遊技者に強いることによる操作性の低下を抑制することが可能となる。
【0523】
以下に、上記の設定音量の変更に拘わる副制御基板330における処理について簡単に説明する。
【0524】
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図59は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
【0525】
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。また、ここでは、初期音量設定スイッチ210sを構成する音量スイッチSW0〜7のいずれがオンしているかを判定し、設定音量を、オンされている音量スイッチSWに対応する音量に設定する処理がなされる。
【0526】
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0527】
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図60は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
【0528】
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
【0529】
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0530】
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0531】
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0532】
(ステップS1300)
サブCPU330aは、客待ち時間(待機時間)を計時するために必要な各種のフラグを設定する客待ち用フラグ設定処理を実行する。この客待ち用フラグ設定処理の詳細は後述する。
【0533】
(ステップS1400)
サブCPU330aは、設定音量を変更するための音量変更処理を実行する。この音量変更処理の詳細は後述する。
【0534】
(ステップS1500)
サブCPU330aは、設定音量を初期音量レベルに復帰するための音量復帰処理を実行する。この音量復帰処理の詳細は後述する。
【0535】
(ステップS1600)
サブCPU330aは、報知演出を実行するための報知演出制御処理を実行する。この報知演出制御処理の詳細は後述する。
【0536】
(ステップS1700)
サブCPU330aは、打-WIN機能の設定を行う打-WIN処理を実行する。この打-WIN処理の詳細は後述する。
【0537】
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、サブRAM330cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板340や電飾制御基板350へ送信する。
【0538】
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
【0539】
図61は、上記コマンド解析処理のうち、異常検知コマンドを受信した際に実行される異常検知コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したように、遊技機100には異常検知センサ174が設けられており、異常検知センサ174によって異常や不正が検知されると、主制御基板300において割込み処理が行われ、この割込み処理において異常検知コマンドを副制御基板330に送信するための処理が実行される。また、主制御基板300において、異常入賞であると判定された場合にも、異常検知コマンドが副制御基板330に送信される。
【0540】
(ステップS1210−1)
異常検知コマンドを受信すると、サブCPU330aは、初期音量レベルが3未満であるかを判定する。その結果、初期音量レベル<3であると判定した場合にはステップS1210−3に処理を移し、初期音量レベル≧3であると判定した場合にはステップS1210−7に処理を移す。
【0541】
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、現在の設定音量レベルを確認する。
【0542】
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−3で確認した現在の設定音量レベルで異常検知音声を出力するための処理を実行し、当該異常検知コマンド受信処理を終了する。ここでは、受信した異常検知コマンドの種別、および、音声レベルについての識別情報を有する異常検知音声出力コマンドを送信バッファにセットする。この異常検知音声出力コマンドが電飾制御基板350に送信されると、電飾制御基板350において、所定の異常検知音声を出力するための処理が実行される。
【0543】
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、初期音量レベルおよび現在の設定音量レベルに拘わらず、音量レベル8で異常検知音声を出力するための異常検知音声出力コマンドを送信バッファにセットし、当該異常検知コマンド受信処理を終了する。
【0544】
なお、電飾制御基板350において異常検知コマンドの受信時に出力される異常検知音声には、警告音が含まれている。このように、警告音を出力することで、異常検知音声が周囲の雑音によって消されてしまうことをなくすとともに、周囲への注意喚起を行うようにしている。
【0545】
また、詳細な説明は省略するが、皿満タン検出スイッチ318sから皿満タン検出信号が出力された場合等、警戒レベルが比較的低い第2異常状態と判定された場合には、エラーコマンドが電飾制御基板350に入力される。このエラーコマンドを受信した場合には、初期音量レベルに拘わらず、現在の設定音量レベルで、エラー音声が出力される。
【0546】
図62は、上記コマンド解析処理のうち、客待ちコマンドを受信した際に実行される客待ちコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したように、客待ちコマンドは、主制御基板300において、ステップS610−5(
図33参照)でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(
図22参照)によって副制御基板330に送信される。
【0547】
(ステップS1220−1)
客待ちコマンドを受信すると、サブCPU330aは、客待ちタイマ計時開始処理を実行し、当該客待ちコマンド受信処理を終了する。この客待ちタイマ計時開始処理では、客待ちタイマカウンタのカウンタ値を0にリセットするとともに、以後、サブタイマ割込み処理が実行されるたびに、上記ステップS1100−5のタイマ更新処理において、客待ちタイマカウンタのカウンタ値が加算更新されるように、必要な処理を実行する。
【0548】
図63は、副制御基板330における上記の客待ち用フラグ設定処理(S1300)を説明するフローチャートである。
【0549】
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、客待ち中操作フラグがオンしているかを判定する。この客待ち中操作フラグは、客待ち状態に移行してから、すなわち、客待ちコマンドを受信した後、演出操作装置208が有効に操作されるとオンされ、特図保留が新たに記憶されたことを示す特図保留指定コマンドを受信した際にオフされる。つまり、客待ち中操作フラグは、客待ち状態において演出操作装置208が有効に操作されたか否かを識別するフラグである。ここでは、客待ち中操作フラグがオンしていると判定した場合には当該客待ち用フラグ設定処理を終了し、客待ち中操作フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1300−3に処理を移す。
【0550】
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、客待ちタイマカウンタのカウンタ値に基づき、客待ち時間が5秒を経過しているか否かを判定する。その結果、客待ち時間が5秒を経過していると判定した場合にはステップS1300−5に処理を移し、客待ち時間は5秒を経過していないと判定した場合には当該客待ち用フラグ設定処理を終了する。
【0551】
(ステップS1300−5)
サブCPU330aは、操作入力有効フラグがオンしているかを判定する。この操作入力有効フラグは、客待ち状態において、演出操作装置208に対する音量変更操作を有効に受け付ける操作有効期間であることを示すものである。操作入力有効フラグが既にオンしていると判定した場合には当該客待ち用フラグ設定処理を終了し、操作入力有効フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1300−7に処理を移す。
【0552】
(ステップS1300−7)
サブCPU330aは、操作入力有効フラグをオンして当該客待ち用フラグ設定処理を終了する。なお、ここでオンされた操作入力有効フラグは、特図保留指定コマンドの受信を契機にオフされる。
【0553】
図64は、副制御基板330における上記の音量変更処理(S1400)を説明するフローチャートである。
【0554】
(ステップS1400−1)
サブCPU330aは、演出操作装置208から音量変更操作が入力されたかを判定する。その結果、音量変更操作が入力されたと判定した場合にはステップS1400−3に処理を移し、音量変更操作は入力されていないと判定した場合には当該音量変更処理を終了する。
【0555】
(ステップS1400−3)
サブCPU330aは、操作入力有効フラグがオンしているか、つまり、現在、演出操作装置208の音量変更操作を有効に受け付ける操作有効期間に設定されているかを判定する。その結果、操作入力有効フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1400−5に処理を移し、操作入力有効フラグはオンしていないと判定した場合には当該音量変更処理を終了する。
【0556】
(ステップS1400−5)
サブCPU330aは、客待ちタイマカウンタのカウンタ値を0にリセットする。ここでカウンタ値がリセットされると、以後、サブタイマ割込み処理が実行されるたびに、上記ステップS1100−5において、再度、0からカウンタ値が加算更新されることとなる。これにより、客待ち状態において有効に音量変更操作がなされた場合には、最後に音量変更操作がなされてからの時間を客待ち時間として引き続き計時することとなる。
【0557】
(ステップS1400−7)
サブCPU330aは、客待ち中操作フラグをオンする。
【0558】
(ステップS1400−9)
サブCPU330aは、初期音量レベルが3未満に設定されているかを判定する。その結果、初期音量レベルが3未満であると判定した場合にはステップS1400−11に処理を移し、初期音量レベルは3未満ではない(3以上である)と判定した場合にはステップS1400−13に処理を移す。
【0559】
(ステップS1400−11)
サブCPU330aは、入力された音量変更操作に応じて、音量レベルを0〜7の範囲で変更して設定するための処理を実行する。
【0560】
(ステップS1400−13)
サブCPU330aは、入力された音量変更操作に応じて、音量レベルを3〜7の範囲で変更して設定するための処理を実行する。
【0561】
(ステップS1400−15)
サブCPU330aは、上記ステップS1400−11または上記ステップS1400−13で設定した音量レベルに基づいて設定音量演出を実行する設定音量演出実行処理を行う。ここでは、上記ステップS1400−11または上記ステップS1400−13で設定した音量レベルを識別する情報を有する設定音量演出実行コマンドが送信バッファにセットされる。この設定音量演出実行コマンドが画像制御基板340に送信されると、画像制御基板340において、
図56(d)に示す画像を演出表示部200aに表示するための処理が実行される。
【0562】
図65は、副制御基板330における上記の音量復帰処理(S1500)を説明するフローチャートである。
【0563】
(ステップS1500−1)
サブCPU330aは、打-WIN機能を用いて遊技が行われていることを示す打-WINフラグがオンしているかを判定する。その結果、打-WINフラグがオンしていると判定した場合には当該音声復帰処理を終了し、打-WINフラグがオンしていないと判定した場合にはステップS1500−3に処理を移す。なお、打-WINフラグは、後述する打-WINメニュー処理のステップS1720−37でオンされる(
図69)。
【0564】
(ステップS1500−3)
サブCPU330aは、現在設定されている設定音量レベルが、初期音量レベル未満であるかを判定する。その結果、設定音量レベル<初期音量レベルと判定した場合にはステップS1500−5に処理を移し、設定音量レベル≧初期音量レベルと判定した場合にはステップS1500−9に処理を移す。
【0565】
(ステップS1500−5)
サブCPU330aは、客待ちタイマカウンタのカウンタ値を確認し、客待ち時間が5分を経過したかを判定する。その結果、客待ち時間が5分を経過したと判定した場合にはステップS1500−7に処理を移し、客待ち時間は5分を経過していないと判定した場合には当該音量復帰処理を終了する。
【0566】
(ステップS1500−7)
サブCPU330aは、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰するための処理、すなわち、設定音量レベルを初期音量レベルまで上げるための処理を実行し、当該音量復帰処理を終了する。
【0567】
(ステップS1500−9)
サブCPU330aは、現在設定されている設定音量レベルが、初期音量レベルよりも大きいかを判定する。その結果、設定音量レベル>初期音量レベルであると判定した場合にはステップS1500−11に処理を移し、設定音量レベル>初期音量レベルではないと判定した場合には当該音量復帰処理を終了する。したがって、設定音量レベルが初期音量レベルと同一の場合には、音量レベルが、初期音量レベルに、または、遊技者の操作によって最終的に設定された設定音量レベル(=初期音量レベル)に維持されることとなる。
【0568】
(ステップS1500−11)
サブCPU330aは、客待ちタイマカウンタのカウンタ値を確認し、客待ち時間が9時間を経過したかを判定する。その結果、客待ち時間が9時間を経過したと判定した場合にはステップS1500−13に処理を移し、客待ち時間は9時間を経過していないと判定した場合には当該音量復帰処理を終了する。
【0569】
(ステップS1500−13)
サブCPU330aは、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰するための処理、すなわち、設定音量レベルを初期音量レベルまで下げるための処理を実行し、当該音量復帰処理を終了する。
【0570】
このように、サブCPU330aは、音量復帰処理を実行することで、打-WIN機能を用いて遊技が行われている場合(打-WINフラグがオンしている場合)には、経過時間に関わらず設定音量レベルを初期音量レベルに戻さないようにしている。
【0571】
図66は、副制御基板330における報知演出制御処理を説明するフローチャートである。
【0572】
(ステップS1600−1)
サブCPU330aは、客待ち中操作フラグがオンしているかを判定する。その結果、客待ち中操作フラグがオンしていると判定した場合には当該報知演出制御処理を終了し、客待ち中操作フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1600−3に処理を移す。
【0573】
(ステップS1600−3)
サブCPU330aは、客待ち時間が20秒であるかを判定する。その結果、客待ち時間が20秒であると判定した場合にはステップS1600−5に処理を移し、客待ち時間は20秒ではないと判定した場合にはステップS1600−7に処理を移す。
【0574】
(ステップS1600−5)
サブCPU330aは、報知演出を開始するための報知演出開始処理を実行し、当該報知演出制御処理を終了する。ここでは、
図56(b)に示す報知演出を実行するための報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた報知演出実行コマンドが画像制御基板340に送信されると、画像制御基板340において、演出表示部200aに情報バー211を表示するための処理が実行され、当該報知演出制御処理を終了する。
【0575】
(ステップS1600−7)
サブCPU330aは、客待ち時間が60秒であるかを判定する。その結果、客待ち時間が60秒であると判定した場合にはステップS1600−9に処理を移し、客待ち時間は60秒ではないと判定した場合には当該報知演出制御処理を終了する。
【0576】
(ステップS1600−9)
サブCPU330aは、報知演出を終了して、デモ画面を演出表示部200aに表示するための報知演出終了処理を実行し、当該報知演出制御処理を終了する。ここでは、報知演出終了コマンドが送信バッファにセットされる。この報知演出終了コマンドが画像制御基板340に送信されると、画像制御基板340において、情報バー211を消去してデモ画面を演出表示部200aに表示するための処理が実行される。
【0577】
図67は、上記ステップS1700の打-WIN処理を説明するフローチャートである。
【0578】
(ステップS1700−1)
サブCPU330aは、操作入力有効フラグがオンされているかを判定する。その結果、操作入力有効フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1700−3に処理を移し、操作入力有効フラグはオンされていないと判定した場合には当該打-WIN処理を終了する。
【0579】
(ステップS1700−3)
サブCPU330aは、演出操作装置208の押下操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板350を介して演出操作装置208が押下操作されたことを示す操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置208の押下操作があったと判定した場合にはステップS1710に処理を移し、演出操作装置208の押下操作がないと判定した場合には当該打‐WIN処理を終了する。
【0580】
(ステップS1710)
サブCPU330aは、後述するステップS1720の打-WINメニュー処理を行うための打-WIN起動処理を行い、当該打-WIN処理を終了する。この打-WIN起動処理については、
図68において後述する。
【0581】
(ステップS1720)
サブCPU330aは、遊技機100における打-WIN機能を作動させるための打-WINメニュー処理を行う。この打-WINメニュー処理については、
図69および
図70において後述する。
【0582】
図68は、上記ステップS1710における打-WIN起動処理を説明するフローチャートである。
【0583】
(ステップS1710−1)
サブCPU330aは、起動フラグがオンされているか否かを判定する。ここで、「起動フラグ」とは、後述する打-WINメニュー処理を実行させることを許可するためのフラグである。その結果、起動フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1710−3に処理を移し、起動フラグがオンされていると判定した場合には打-WIN起動処理を終了する。
【0584】
(ステップS1710−3)
サブCPU330aは、起動フラグをオンにする。これにより、打-WINメニュー処理を実行させる準備が整う。
【0585】
(ステップS1710−5)
サブCPU330aは、演出表示部200aに「打-WINメニュー」の画像を表示させるため、打-WINメニュー表示コマンドを画像制御基板340に送信する打-WINメニュー表示処理を行い、当該打-WIN起動処理を終了する。これにより、
図7(a)および
図56(e)に示すように、演出表示部200aに「打-WINメニュー」の画像が表示される。
【0586】
図69は、上記ステップS1720における打-WINメニュー処理を説明する第1のフローチャートであり、
図70は、上記ステップS1720における打-WINメニュー処理を説明する第2のフローチャートである。
【0587】
(ステップS1720−1)
まず、サブCPU330aは、演出操作装置208に対しての決定操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板350から演出操作装置208に対して決定操作がされたことを示す決定操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置208に対しての決定操作がないと判定した場合にはステップS1720−3に処理を移し、演出操作装置208に対しての決定操作があると判定した場合にはステップS1720−11に処理を移す。
【0588】
ここで、「演出操作装置208に対しての決定操作」とは、演出操作装置208の押しボタンに対する押下操作を意味し、「演出操作装置208に対しての選択操作」とは、演出操作装置208のジョグダイヤルに対する回転操作を意味している。ただし、本実施形態のように演出操作装置208を押しボタンおよびジョグダイヤルで構成することに限定されず、複数のボタン(所謂、決定ボタン、選択ボタン)を用いて演出操作装置208を構成し、ボタンの種別によって決定操作と選択操作を識別するように構成してもよい。
【0589】
(ステップS1720−3)
サブCPU330aは、演出操作装置208に対しての選択操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板350から演出操作装置208に対して選択操作がなされたことを示す選択操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置208に対しての選択操作があると判定した場合にはステップS1720−5に処理を移し、演出操作装置208に対しての選択操作がないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0590】
(ステップS1720−5)
サブCPU330aは、PASS入力フラグがオンされているかを判定する。この「PASS入力フラグ」は、パスワード入力状態であることを示すものであり、後述するステップS1720−23でオンされる。その結果、PASS入力フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1720−7に処理を移し、PASS入力フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1720−9に処理を移す。
【0591】
(ステップS1720−7)
サブCPU330aは、打-WINメニューの「選択情報」を更新する選択情報更新処理を行い、打-WINメニュー処理を終了する。ここで、「選択情報」は、
図7(a)および
図56(d)に示すように、「新規登録」、「パスワード入力」、「遊技終了」、「戻る」、「キャラ変更」のそれぞれのメニュー項目に対応付けられた複数の選択情報を有している。そして、仮選択された選択情報に対応するメニュー項目の画像を演出表示部200aの手前側に大きく表示させる打-WINメニュー表示コマンドを画像制御基板340に送信する。これにより、演出操作装置208に対して選択操作することで、打-WIN機能によるメニュー項目を仮選択することができる。
【0592】
(ステップS1720−9)
サブCPU330aは、パスワードの文字情報を更新するパスワード文字更新処理を行い、打-WINメニュー処理を終了する。ここで、文字情報には、「A〜Z」の26個のアルファベットと、「0〜9」の10個の数字が対応付けられている。これにより、演出操作装置208に対して選択操作することで、パスワードの文字を仮選択することができる。
【0593】
(ステップS1720−11)
サブCPU330aは、「新規登録」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1720−13に処理を移し、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1720−19に処理を移す。
【0594】
(ステップS1720−13)
サブCPU330aは、サブROM330bからサーバ30にアクセスするためのURLを取得する第1コード情報取得処理を行う。
【0595】
(ステップS1720−15)
サブCPU330aは、上記ステップS1720−13で取得したURLの情報が含まれた第1二次元コードを生成する第1二次元コード生成処理を行う。
【0596】
(ステップS1720−17)
サブCPU330aは、生成した第1二次元コードを演出表示部200aに表示させる第1二次元コード表示処理を行い、打-WINメニュー処理を終了する。具体的には、上記ステップS1720−15で生成した第1二次元コードを演出表示部200aに表示させる二次元コード表示コマンドを生成し、生成した二次元コード表示コマンドを画像制御基板340に送信する処理を行う。これにより、
図7(b)に示すように、演出表示部200aには、第1二次元コードとしての第1のQRコードが表示される。
【0597】
(ステップS1720−19)
サブCPU330aは、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1720−21に処理を移し、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1720−39に処理を移す。
【0598】
(ステップS1720−21)
サブCPU330aは、PASS入力フラグがオンされているか否かを判定する。その結果、PASS入力フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1720−23に処理を移し、PASS入力フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1720−27に処理を移す。
【0599】
(ステップS1720−23)
サブCPU330aは、PASS入力フラグをオンにする。これにより、パスワード入力状態であることが示され、これ以降に演出操作装置208に対して選択操作をすることで、パスワードの入力を行うことができる。
【0600】
(ステップS1720−25)
サブCPU330aは、演出表示部200aに「パスワード入力」の画像を表示させるためのパスワード入力表示処理を行い、打-WINメニュー処理を終了する。具体的には、パスワード入力表示処理では、「パスワード入力」の画像を表示させるための「パスワード入力表示コマンド」を画像制御基板340に送信する。これにより、
図8(a)に示すように、演出表示部200aには、「パスワード入力」の画像が表示される。
【0601】
(ステップS1720−27)
サブCPU330aは、上記ステップS1720−9で仮選択されている文字情報を決定するパスワード文字決定処理を行う。
【0602】
(ステップS1720−29)
サブCPU330aは、全てのパスワードの入力が完了したか否かを判定する。その結果、全てのパスワードの入力が完了したと判定した場合にはステップS1720−31に処理を移し、全てのパスワードの入力が完了していないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0603】
(ステップS1720−31)
サブCPU330aは、入力されたパスワードの認証処理を行う。この認証処理では、入力されたパスワードが所定のアルゴリズムから構成されたパスワードであるか否かの判定を行う。
【0604】
(ステップS1720−33)
サブCPU330aは、入力されたパスワードの認証が成功したか否かの判定を行う。その結果、パスワードの認証が成功したと判定した場合にはステップS1720−35に処理を移し、パスワードの認証が成功してないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0605】
(ステップS1720−35)
サブCPU330aは、遊技機100における打-WIN機能を作動させるため、打-WIN情報設定処理を行う。この打-WIN情報設定処理では、遊技機100のサブRAM330cに、演出に関する遊技履歴情報を蓄積させることを許可する。さらに、所定アルゴリズムに基づいて復号化変換したパスワード情報に基づいて、遊技履歴情報、パスワード発行時のアクセス時間情報を取得して、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶する。
【0606】
(ステップS1720−37)
サブCPU330aは、遊技機100における打-WIN機能を用いた遊技が開始したことを示す打-WINフラグをオンにし、打-WINメニュー処理を終了する。これにより、サブCPU330aは、打-WIN機能により遊技者を識別している遊技者識別期間を設定することとなる。
【0607】
(ステップS1720−39)
図70に示すように、サブCPU330aは、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1720−41に処理を移し、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1720−51に処理を移す。
【0608】
(ステップS1720−41)
サブCPU330aは、サブROM330bからサーバ30にアクセスするためのURLを取得するとともに、サブRAM330cに記憶されている遊技履歴情報、キャラクタ情報、特別図柄の変動回数、高期待値演出出現カウンタに記憶された「虎柄」を有する予告演出の出現回数、プレミアカウンタに記憶されたプレミア情報を有する予告演出の出現回数および、入力されたパスワードの復号化時に記憶したアクセス時間情報を取得する第2コード情報取得処理を行う。
【0609】
(ステップS1720−43)
次に、サブCPU330aは、上記ステップS1720−41で取得したURL、遊技履歴情報、アクセス時間情報が含まれた第2二次元コードを生成する第2二次元コード生成処理を行う。
【0610】
(ステップS1720−45)
サブCPU330aは、上記ステップS1720−43で生成した第2二次元コードを演出表示部200aに表示させる第2二次元コード表示処理を行う。具体的には、上記ステップS1720−43で生成した第2二次元コードを演出表示部200aに表示させる二次元コード表示コマンドを生成し、生成した二次元コード表示コマンドを画像制御基板340に送信する処理を行う。これにより、
図8(b)に示すように、演出表示部200aには、第2二次元コードとしての第2のQRコードが表示される。
【0611】
(ステップS1720−47)
サブCPU330aは、次の遊技者に遊技履歴情報等が引き継がれないようにするために、打-WIN情報消去処理を行う。この打-WIN情報消去処理では、サブRAM330cに記憶されている遊技履歴情報、キャラクタ情報、特別図柄の変動回数、高期待値演出出現カウンタに記憶された「虎柄」を有する予告演出の出現回数、プレミアカウンタに記憶されたプレミア情報を有する予告演出の出現回数等をクリアする。
【0612】
(ステップS1720−49)
次に、サブCPU330aは、遊技機100における打-WIN機能を用いた遊技を終了するため、打-WINフラグをオフし、打-WINメニュー処理を終了する。これにより、サブCPU330aは、遊技者識別期間の設定を解除することとなる。
【0613】
(ステップS1720−51)
サブCPU330aは、「戻る」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「戻る」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1720−53に処理を移し、「戻る」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合には当該打-WINメニュー処理を終了する。
【0614】
(ステップS1720−53)
サブCPU330aは、打-WINメニュー処理の実行を終了させるため、起動フラグをオフにする。
【0615】
(ステップS1720−55)
サブCPU330aは、演出表示部200aに「打-WINメニュー」の画像を消去させるための打-WINメニュー消去処理を行い、打-WINメニュー処理を終了する。具体的には、打-WINメニュー消去処理では、「打-WINメニュー」の画像を消去させるための「打-WINメニュー消去コマンド」を画像制御基板340に送信し、当該打-WINメニュー処理を終了する。
【0616】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0617】
例えば、上記実施形態においては、遊技の進行を制御する主制御基板300と、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて演出を実行制御する副制御基板330とにおいて、上記のとおりに協働することで各種の演出が実行されることとした。しかしながら、主制御基板300および副制御基板330において、上記の各機能をどのように分担するかは適宜設計することが可能である。
【0618】
また、上記実施形態では、大役遊技の実行可否と、大役遊技が実行された場合における当該大役遊技の終了後の遊技状態とを、遊技者に付与する遊技利益として、保留情報に基づいて決定することとしたが、保留情報に基づいて決定する遊技利益はこれに限らず、適宜設定可能である。したがって、上記実施形態では、大当たりの当選確率を異にする2つの遊技状態と、第2始動口122への遊技球の入球容易性を異にする2つの遊技状態とを組み合わせた4つの遊技状態が設けられているが、遊技状態の内容や種類はこれに限定されるものではない。いずれにしても、予め設定された条件で遊技が進行するものであれば、具体的な遊技の内容等は特に限定されるものではない。
【0619】
また、上記実施形態では、特別遊技に係る処理が実行されていない場合に、客待ち状態(待機状態)であると判定することとしたが、客待ち状態(待機状態)であると判定する条件はこれに限らない。例えば、特別遊技および普通遊技の双方に係る処理が実行されていない場合に、客待ち状態(待機状態)と判定してもよいし、普通遊技に係る処理が実行されていない場合に、客待ち状態(待機状態)と判定してもよい。
【0620】
また、上記実施形態における報知演出や設定音量演出の内容、各演出の時間や実行タイミング、演出操作装置208の操作有効時間や具体的な操作態様等は一例に過ぎず、適宜設計可能であることは言うまでもない。
【0621】
また、上記実施形態においては、相対的に警戒レベルが高く設定された第1異常状態と、第1異常状態よりも警戒レベルが低く設定された第2異常状態とを識別可能に検知し、第1異常状態が検知された場合には、設定音量に拘わらず一定の音量で異常検知音声を出力し、第2異常状態が検知された場合には、設定音量に応じた音量でエラー音声を出力するとした。しかしながら、遊技の進行に影響を及ぼす異常または不正が検知された場合に、設定音量に拘わらず一定の音量で検知音声を出力しても構わない。さらには、異常状態の内容に応じてエラー音声や異常検知音声を出力することとしたが、同一内容の検知音声を一様に出力してもよい。
【0622】
また、上記実施形態においては、初期音量が予め定められた閾値(3)以上に設定されている場合には、初期音量および設定音量に拘わらず、一定の音量で異常検知音声を出力し、初期音量が閾値(3)未満に設定されている場合には、初期音量もしくは初期音量から変更された設定音量で異常検知音声を出力することとした。しかしながら、初期音量の設定値に拘わらず、常に、異常検知音声やエラー音声を一定の音量で出力してもよいし、また、異常検知音声であっても、例えば、警戒レベルの低いもの等に関しては、エラー音声と同様に、設定音量に応じて音量レベルが可変されるとしてもよい。
【0623】
また、上記実施形態においては、1回の音量変更操作により、通常演出音声の音量レベルとエラー音声の音量レベルとを同時に変更することとしたが、通常演出音声の音量レベルとエラー音声の音量レベルとを、それぞれ別個に変更操作できるようにしてもよい。これにより、例えば、通常演出音声の音量レベルを大きく設定し、エラー音声の音量レベルを低く設定すれば、エラー音声による演出効果の低下を抑制することが可能となる。なお、通常演出音声の音量レベルが初期音量レベルよりも大きく、エラー音声の音量レベルが初期音量レベルよりも低く設定された場合、上記の実施例によれば、通常演出音声とエラー音声とで、初期音量レベルに復帰するまでの時間(通常演出音声は9時間、エラー音声は5分)が異なる。この場合には、遊技の進行中に主に出力される通常演出音声を基準とし、通常演出音声が初期音量レベルに復帰するまでの時間(例えば9時間)を、エラー音声が初期音量レベルに復帰するまでの時間とすればよい。
【0624】
また、上記実施形態においては、打-WIN機能を用いた遊技を開始することで遊技者識別期間を開始し、打-WIN機能を用いた遊技を終了することで遊技者識別期間を終了するようにした。しかしながら、遊技者が遊技機100に対して演出操作装置208を所定操作することで、遊技者を識別する遊技者識別期間を開始し、当該遊技者が遊技機100に対して演出操作装置208を所定操作することで遊技者識別期間を終了するようにしてもよい。つまり、上記実施形態では、遊技履歴情報を蓄積する期間を、同一の遊技者が遊技を行っている期間であると推定したが、遊技履歴情報の蓄積とは無関係に、同一の遊技者が継続して遊技を行っているであろうと推定することができれば、上記の遊技者識別期間の特定方法は特に限定されるものではない。
【0625】
また、上記実施形態においては、打-WIN機能を用いた遊技を開始する以前の設定音量レベルが、打-WIN機能を用いた遊技を開始した後にも維持され、また、打-WIN機能を用いた遊技中に設定された設定音量レベルが、打-WIN機能を用いた遊技を終了した後にも維持され、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)または9時間(第2の時間)に達したら設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させるようにした。しかしながら、打-WIN機能を用いた遊技を終了した時点で、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させるようにしてもよい。また、遊技履歴情報に、遊技者が任意に設定した設定音量レベルが記憶され、打-WIN機能を用いた遊技を開始する際に、当該遊技履歴情報に基づいて設定音量レベルを変更するようにしてもよい。
【0626】
また、上記実施形態においては、打-WIN機能を用いた遊技中、すなわち遊技者識別期間においては、設定音量レベルが初期音量レベルから変更されている場合、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)または9時間(第2の時間)に達しても設定音量レベルを維持するようにした。しかしながら、遊技者識別期間において、設定音量レベルが小音量に変更されている場合には、客待ち時間(待機時間)が5分(第1の時間)に達しても設定音量レベルを維持し、設定音量レベルが大音量に変更されている場合には、客待ち時間(待機時間)が9時間(第2の時間)に達したら、設定音量レベルを初期音量レベルに復帰させるようにしてもよい。
【0627】
なお、上記実施形態において、主に
図24の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技進行手段に相当する。
また、上記実施形態における音声出力装置206が本発明の音声出力手段に相当する。
また、上記実施形態における初期音量設定スイッチ210sおよび上記ステップS1000−1の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の初期音量設定手段に相当する。
また、上記実施形態における演出操作装置208が本発明の操作部に相当する。
また、上記実施形態において、
図64に示す処理を実行するサブCPU330aが、本発明の設定音量変更手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図60のステップS1100−5に示す処理を実行するサブCPU330aが、本発明の計時手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図65に示す処理を実行するサブCPU330aが、本発明の音量復帰手段に相当する。
また、上記実施形態における
図69のステップS1720−37、および
図70のステップS1720−49が本発明の遊技者識別期間設定手段に相当する。