(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る医用画像表示装置は、表示部と、患者を特定する患者情報に基づいて、患者が罹患した疾病に関する罹患情報を取得する罹患情報取得部と、患者の疾病に関する時期と、疾病に関する罹患情報を分類した疾病分類名とに対応する二次元座標上の座標位置に、罹患情報を示す縮小画像を配置して、その縮小画像を表示部に一覧表示させる表示制御部と、を備えるものである。
【0013】
ここで、本実施形態に係る医用画像表示装置を説明する前に、従来技術の問題点について、従来の検査履歴など(検査結果レポートを含む。)のリスト(以下、これを検査結果リストともいう。)を用いて説明する。
【0014】
図16は、従来において、ある患者(患者T)についての病歴や検査履歴を示す検査結果リストの説明図である。
【0015】
図16に示すように、この検査結果リストでは、医用画像(画像データ)や検査結果レポートが病院間で共有化された患者Tの検査結果リストの一例を示している。
【0016】
この患者Tの検査結果リストには、患者ID(identification)、検査日、検査ID、疾病コード、疾病分類名、担当医師名、主訴・症状、病院名の各欄が設けられている。
【0017】
ここで、患者IDとは、診察券に記載(記録)された患者(例えば、患者T)を識別するための患者固有識別情報のことをいう。
【0018】
検査日とは、患者Tが検査を受けた検査日または担当医の受診を受けた受診日のことである。
【0019】
検査IDとは、検査や診察の種別を示す固有識別情報のことである。
【0020】
疾病コードとは、患者が病気や怪我などに疾病したときに、その疾病または検査などの分類を示すコードである。
【0021】
疾病分類名とは、患者が通院したときの通院理由となる疾病(症状)や、患者の病状を示した分類名である。
【0022】
担当医師名とは、患者に対して診察や検査を担当した医師の名前のことである。
【0023】
主訴・症状とは、患者が医師に対して主張した症状や、医師に状況を説明した主な内容のことである。
【0024】
病院名とは、ネットワークで接続された近隣の病院や検査機関などの医療機関名、または複数の診療科を有する病院名などのことである。
【0025】
図16に示す患者Tの検査結果リストでは、患者Tがとある病院に通院した際、その病院にネットワークで接続された近隣の病院から、患者Tの病歴や検査履歴を取得するとともに、取得したその病歴や検査履歴が時系列で表示されている。
【0026】
この検査結果リストでは、検査日が示す一行に一つの病歴または検査履歴が記載されているため、担当医は、患者Tが来院した際、過去の履歴からどの病歴や検査履歴を選択すれば良いか判断できなかった。すなわち、どの病歴を参照すべきか、またはどの検査履歴を参照すべきか、関連のある検査結果を容易に選択することができなかった。
【0027】
そこで、従来では、この検査結果リストにおいて、疾病分類名(疾病コード)に従って、病歴や検査履歴を並び替えたり、任意の疾病だけ選択することが行われていた。
【0028】
図17は、疾病分類名を示す疾病コードに基づいて、患者Tが過去に罹患した検査結果リストを並び替えた説明図である。
図17は、
図16と同様の欄を有しているため、欄の説明は省略する。
【0029】
図17に示すように、この検査結果リストでは、疾病分類名(疾病コード)に基づいて、患者Tが過去に罹患した疾病や検査ごとに分類されて、病歴や検査履歴が表示されている。
【0030】
しかしながら、疾病分類名(疾病コード)に基づいて病歴や検査履歴が分類されても、過去に患者が罹患した疾病に関する罹患情報と、現在来院している患者Tの罹患状況との関係性は、簡単には把握できなかった。
【0031】
図18は、患者Tが過去に罹患した検査結果リストにおいて、任意の病歴や検査履歴を選択する方法を示した説明図である。
【0032】
図18に示すように、この検査結果リストでは、
図16に示した検査結果リストの一番左側に表示という選択欄をさらに設け、担当医が任意に病歴や検査履歴を選択することができるようになっている。
【0033】
図19は、
図18において、担当医によって選択された病歴や検査履歴のみを表示した場合の検査結果リストの説明図である。
【0034】
図19に示すように、この検査結果リストでは、
図18において選択された病歴や検査履歴のみが表示されている。
【0035】
図19では、担当医によって選択された病歴や検査履歴が表示されているものの、他に選択すべき候補との関係や選択漏れなどについては判断できなかった。
【0036】
このため、担当医によって選択された病歴や検査履歴を検査結果リストとして表示することができても、患者Tの過去の検査結果リストと現在来院している罹患状況との関係性は、簡単には把握できなかった。
【0037】
そこで、本実施形態に係る医用画像表示装置は、表示部と、患者を特定する患者情報に基づいて、患者が罹患した疾病に関する罹患情報を取得する罹患情報取得部と、患者の疾病に関する時期と、疾病に関する罹患情報を分類した疾病分類名とに対応する二次元座標上の座標位置に、罹患情報を示す縮小画像を配置して、その縮小画像を表示部に一覧表示させる表示制御部と、を備えるようにした。
【0038】
これにより、本実施形態に係る医用画像表示装置は、患者に関する病歴や検査履歴の一覧性を保ちながら、担当医にその患者の病歴や検査履歴を容易に認識させるとともに、過去の病歴や検査履歴の選択を担当医に容易にさせることができる。
【0039】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100について、添付図面を参照して説明する。
【0040】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100を備えた医療コミュニティ700の概略の構成の一例を示した概略構成図である。
【0041】
図1に示すように、医療コミュニティ700は、医用画像表示装置100、モダリティ200、画像サーバ300、読影装置400、レポート管理サーバ500およびネットワーク600などを備えて構成されている。
【0042】
医用画像表示装置100は、例えば、医師が患者を診察する際に利用する病歴や検査履歴を表示する情報処理装置である。
【0043】
モダリティ200は、被検体を撮影するための装置(撮影装置)を分類するときに使用される医用システム名である。例えば、モダリティ200として、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置(磁気共鳴診断装置)、超音波診断装置、核医学診断装置などがある。本実施の形態では、いずれの装置であってもモダリティ200として適用することができる。
【0044】
画像サーバ300は、医用画像管理システムを構成する画像管理サーバであり、モダリティ200によって被検体を撮影することにより得られた画像データを、保管、閲覧、管理するサーバである。
【0045】
読影装置400は、モダリティ200によって被検体を撮影することにより得られた画像データに対し、読影医師が読影を行う装置である。具体的には、読影装置400は、画像データの読影結果を、所見記述としてコメント欄に記入するための装置である。また、読影装置400は、読影医師により読影が行われると、読影対象の画像と所見記述とからなる所見により検査結果レポートを作成し、その検査結果レポートをレポート管理サーバ500に格納する。
【0046】
レポート管理サーバ500は、読影装置400で作成された検査結果レポートを格納するサーバである。レポート管理サーバ500は、医用画像表示装置100の要求に応じて、ネットワーク600を介して、検査結果レポートを医用画像表示装置100に送信することができるようになっている。
【0047】
ネットワーク600は、医療コミュニティ700に接続されている各装置を相互に接続し、画像データや検査結果レポートを共有したり、アプリケーションの取得を可能とするとともに、仮想的な医療コミュニティ(Virtual Hospital)を構成するようになっている。
【0048】
なお、本実施形態では、医療コミュニティ700は、画像サーバ300、読影装置400またはレポート管理サーバ500が、病院、検査機関、診療所または歯科などにおける各医療機関の装置によって構成され、画像データや検査結果レポートを共有することができる。
【0049】
次に、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の機能について説明する。
【0050】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0051】
図2に示すように、この医用画像表示装置100は、罹患情報取得部110、表示単位受付部130、表示制御部140および表示部150などを備えて構成されている。
【0052】
罹患情報取得部110は、患者を特定する患者情報に基づいて、患者が罹患した疾病に関する罹患情報を取得するようになっている。具体的には、患者名と、患者名に割り当てられた診察券の番号(ID(Identification)番号)とに基づいて、画像サーバ300やレポート管理サーバ500から画像データや検査結果レポートを罹患情報として取得するようになっている。
【0053】
表示単位受付部130は、縮小画像を表示するための複数の表示単位の指定を受け付けるようになっている。具体的には、例えば、表示単位受付部130は、1日単位、1ヶ月単位または1年単位ごとによる表示単位の指定を2以上受け付ける。また、縮小画像とは、罹患情報取得部110において取得した画像データや検査結果レポートの縮小画像を意味し、画像データや検査結果レポートを示す罹患情報を表示部150に表示するための縮小画像(シンボルやサムネイル画像)である。
【0054】
表示制御部140は、患者の疾病に関する時期と、疾病に関する罹患情報を分類した疾病分類名とに対応する二次元座標上の座標位置に、罹患情報を示す縮小画像を配置して、その縮小画像を表示部150に一覧表示させるようになっている。
【0055】
具体的には、例えば、表示制御部140は、患者の疾病に関する時期を横軸に対応させる一方、疾病分類名の区分を縦軸に対応させた直交座標のマトリクス上に縮小画像を表示させる。なお、第1の実施形態では、縮小画像を直交座標のマトリクス上に表示させた表示例を示し、第2の実施形態では、患者の疾病に関する時期を動径方向に対応させる一方、疾病分類名の区分を偏角方向に対応させた円座標の円周上に縮小画像を表示させた表示例を示す。
【0056】
表示部150は、画像データや検査結果レポートなどの罹患情報を縮小画像として一覧表示する表示部である。本実施形態では、表示単位受付部130で受け付けた複数の表示単位の指定に基づいて、縮小画像を一覧表示するようになっている。
【0057】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の構成を示すハードウエアブロック図である。
【0058】
図3に示すように、医用画像表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)160、ROM(Read Only Memory)165、RAM(Random Access Memory)170、ネットワークインターフェース部175、操作部180、表示部150、記憶部185、内部バス190などを備えて構成されている。
【0059】
CPU160は、ROM165に格納されている各種プログラムをRAM170にロードして、そのプログラムを展開することにより、各種プログラムの機能を実現することできる。RAM170は、ワークエリア(作業用メモリ)として利用されるようになっている。ROM165は、各種プログラムを格納するようになっている。ROM165に格納されている各種プログラムには、
図2で示した罹患情報取得部110、表示単位受付部130、表示制御部140などの機能を実現するためのプログラムが含まれている。
【0060】
ネットワークインターフェース部175は、ネットワーク600(
図1)を介して、画像サーバ300(
図1)から画像データを取得したり、レポート管理サーバ500(
図1)から検査結果レポートを取得するためのインターフェース部である。
【0061】
操作部180は、縮小画像を表示するための複数の表示単位の指定の入力や、表示部150に表示する期間(時期的範囲)の入力を行ったり、プログラムの入力、編集、登録などを行う入力装置により構成されている。例えば、操作部180は、キーボードやマウスなどにより構成されている。
【0062】
表示部150は、
図2で説明した表示部であり、画像サーバ300から取得した画像データやレポート管理サーバ500から取得した検査結果レポートなどの縮小画像を、一覧表示する表示部として構成されている。なお、表示部150は、液晶ディスプレイやモニタなどによって構成されている。
【0063】
記憶部185は、記憶メモリを構成する記憶部であり、RAMやハードディスクなどによって構成されている。本実施の形態では、記憶部185は、例えば、画像データや検査結果レポートなどを格納するようになっている。
【0064】
これにより、第1の実施の形態では、医用画像表示装置100は、ROM165に格納されているプログラムを実行することにより、
図2の医用画像表示装置100に示した機能を実現することができるようになっている。
【0065】
(縮小画像マトリクス表示処理)
次に、本実施形態に係る医用画像表示装置100が、ネットワーク600を経由して、画像データや検査結果レポートなどを取得して、直交座標のマトリクス上に縮小画像を一覧表示する縮小画像マトリクス表示処理について、説明する。
【0066】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100が、ネットワーク600を経由して、画像サーバ300やレポート管理サーバ500から画像データや検査結果レポートを取得して、その罹患情報を示す縮小画像を直交座標のマトリクス上に一覧表示する縮小画像マトリクス表示処理を示したフローチャートである。
図4において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
【0067】
まず、医用画像表示装置100は、罹患情報取得部110において、患者を特定する患者情報に基づいて、患者が罹患した疾病に関する罹患情報を取得する(ステップS001)。具体的には、医用画像表示装置100は、患者名と、患者名に割り当てられた診察券の番号(ID番号)(または生年月日)とに基づいて、画像サーバ300やレポート管理サーバ500から画像データや検査結果レポートなどを罹患情報として取得する。
【0068】
なお、医用画像表示装置100は、ネットワーク600を経由して、医療コミュニティにおいて画像データや検査結果レポートを取得できればよく、医療コミュニティを構成する複数の医療機関から、その患者を特定する患者情報に基づいて、その患者の画像データや検査結果レポートを医用画像表示装置100は取得する。
【0069】
表示単位受付部130は、画像データや検査結果レポートなどの罹患情報を示す縮小画像を表示するための複数の表示単位の指定を受け付ける(ステップS003)。具体的には、表示単位受付部130は、1日単位、1ヶ月単位または1年単位ごとによる表示単位の指定を2以上受け付ける。
【0070】
また、表示単位受付部130は、操作部180(
図3)を用いて、縮小画像を一覧表示する時期的範囲の設定を受け付ける。例えば、時期的範囲の指定として、縮小画像を一覧表示する2010年から2015年までの時期的範囲の指定を受け付ける。
【0071】
表示制御部140は、患者の疾病に関する時期と、疾病に関する罹患情報を分類した疾病分類名とに対応する二次元座標上の座標位置に、その罹患情報を示す縮小画像を配置して、縮小画像を表示部150に一覧表示させる。これにより、表示部150は、表示単位受付部130で受け付けた表示単位に基づいて、縮小画像を一覧表示し(ステップS005)、縮小画像マトリクス表示処理を終了する。
【0072】
ここで、第1の実施形態の一例として、表示単位受付部130において、1日単位、1ヶ月単位および1年単位ごとによる3つの表示単位の指定を受け付けた場合について説明する。この場合、表示制御部140は、時期的範囲に属する縮小画像を、1日単位、1ヶ月単位および1年単位ごとに応じて表示部150に一覧表示させる。
【0073】
次に、第1の実施形態に係る表示部150が、取得した罹患情報を示す縮小画像を用いて、直交座標のマトリクス上に一覧表示する縮小画像マトリクス表示方法の表示例について、図面を用いて説明する。なお、患者名は、Tとする。
【0074】
図5は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、患者Tの罹患情報を示す縮小画像を、直交座標のマトリクス上に一覧表示したときの表示例を示した説明図である。
【0075】
図5に示すように、第1の実施形態の一覧表示の表示例では、横軸を患者Tの疾病に関する時期とし、縦軸を疾病分類名(疾病コード)の区分に対応させて、縮小画像を直交座標のマトリクス上に一覧表示している。
【0076】
具体的には、この二次元の座標表示の表示例における時間軸は、左側から、1日単位で過去5日間分の表示と、1ヶ月単位で過去5ヶ間月分の表示と、1年単位で過去5年間分が指定されている。
【0077】
一方、この一覧表示の表示例における疾病分類名(疾病コード)は、一例として、インフルエンザ(J11)、齲蝕(K02)、慢性肝炎(K73)、頭痛(R51)、画像診断異常所見(R93)、機能検査異常所見(R94)および一般健康診断(Z10)が記載されている。
【0078】
そして、
図5において、1日単位の表示では、2013年2月20日から2月16日までの過去5日間における罹患情報を示しており、2月16日にはインフルエンザに罹患した罹患情報を示す縮小画像が、二次元の座標表示で示されている。
【0079】
また、1ヶ月単位の表示は、1日単位の表示の右側の位置に表示され、2013年2月1日から2012年10月31日までの過去5ヶ月間における罹患情報を示している。例えば、2012年10月には、齲蝕(K02)のためX線によるレントゲン写真を撮影したことを示す縮小画像が、二次元の座標表示で示されている。また、同月に、慢性肝炎(K73)のためX線CTによる画像データを撮像したことを示す縮小画像が、二次元の座標表示で示されている。なお、同一の検査のため複数枚の画像データを撮像した場合には、代表図を示す縮小画像で表示するものとする。
【0080】
この他、患者Tは、2012年12月および11月に、頭痛(R51)のため通院した通院履歴が記されており、特に、2012年11月には、複数通院したことを示すマークCO1(図中の数字2のことを示す。)が付され、複数の検査結果レポートが存在することを示す縮小画像が、二次元の座標表示で示されている。
【0081】
また、1年単位の表示は、1ヶ月単位の表示の右側の位置に表示され、2012年1月1日から2008年12月31日までの過去5年間における罹患情報を示している。また、例えば、2010年には、画像診断異常所見(R93)があったため5回の検査が実施され、5回画像データを撮像したことを示すマークCO2(図中の数字5のことを示す。)が縮小画像に付されている。なお、他の罹患情報についても同様な意味であるため、他の説明については省略する。
【0082】
このように、第1の実施形態では、患者Tの病歴を、1日単位、1ヶ月単位および1年単位ごとの3段階で表示しているので、例えば、直近の罹患情報を1日単位とすることにより、最近の罹患情報について一覧性を確保したまま、最近の罹患情報の詳細を見やすくすることができる。
【0083】
また、表示方法は3段階に限定されるものではなく、1日単位、1ヶ月単位または1年単位ごとの表示単位のうち2以上の表示単位を用いて表示すればよく、また、上期/下期、学期、四半期など任意の表示単位を設定することもできる。
【0084】
また、第1の実施形態では、さらに操作部180を構成するキーボードやマウスの操作によって縮小画像を選択することにより、該当する画像データや検査結果レポートを原寸大の大きさに表示したり、該当するデータに関する別の縮小画像やマトリクスを表示するようにしてもよい。
【0085】
図6は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、2010年に撮像された画像診断異常所見(R93)について、5つの画像データの各縮小画像(例えば、サムネイル)を表示したときの表示例を示した説明図である。
【0086】
図6では、2010年2月25日および3月3日において、X線CTによる画像データが撮像されたことを縮小画像で示している。また、2010年3月20日、4月21日および8月9日において、超音波による画像データが撮像されたことを縮小画像で示している。
【0087】
このように表示することにより、第1の実施形態では、画像データや検査結果レポートの罹患情報を示す縮小画像で表示して、担当医に選択させやすくなっている。
【0088】
図7は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、担当医によって検査結果レポートや画像データの罹患情報を示す縮小画像が選択された状態を示す説明図である。
【0089】
図7では、第1の実施形態における二次元の座標表示の表示例において、3つの検査結果レポートに対応する縮小画像と、1つの画像データに対応する縮小画像が選択されたことを示している。
【0090】
具体的には、
図7に示す二次元の座標表示の表示例では、2013年2月16日のインフルエンザ(J11)の検査結果レポートを示す縮小画像と、2012年12月の頭痛(R51)の検査結果レポートを示す縮小画像と、2012年の機能検査異常所見(R94)の検査結果レポートを示す縮小画像が選択されていることを示している。また、2010年8月9日の画像診断異常所見(R93)の超音波による画像データを示す縮小画像が選択されている。
【0091】
なお、2010年の画像診断異常所見(R93)のマトリクスでは、左上に画像データの撮像回数を示すマークCO3(図中の数字5のことを示す。)が縮小画像に付されると同時に、その縮小画像の右上には1つの画像データを示す縮小画像が選択されていることを示すマークCO4(図中の数字1のことを示す。)が付されている。
【0092】
また、
図7では、担当医によって選択された検査結果レポートや画像データを示す縮小画像が表示されているが、この選択された検査結果レポートや画像データを示す縮小画像に対し、他のアプリケーションでも利用可能となるように検査結果レポートや画像データを抽出するようにしてもよい。
【0093】
また、第1の実施形態では、さらに疾病分類名(疾病コード)において、他の病院などから取得した罹患情報を、治療の状態に応じて段階的に分類するようにしてもよい。
【0094】
図8は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、罹患情報の分類として、現在治療中の状態により、インフルエンザ(J11)と慢性肝炎(K73)を、他の疾病分類名(疾病コード)と区別して分類したときの説明図である。
【0095】
図8では、患者Tは、インフルエンザ(J11)と慢性肝炎(K73)が現在治療中の状態であることから、インフルエンザ(J11)と慢性肝炎(K73)については、直交座標のマトリクス上において、最上段に分類されている。
【0096】
なお、
図8で説明した表示例では、検査結果レポートや画像データが示す縮小画像を、他の項目(例えば、撮像部位や撮像方法(CT撮影、StressEcho等))により多段階に分類して表示するようにしてもよい。
【0097】
また、第1の実施形態では、患者Tの罹患情報をネットワーク600を経由して、他の病院などが取得するようになっていたが、患者Tの罹患状況を示す一覧表示において、取得した罹患情報を示す縮小画像を病院別に抽出するようにしてもよい。
【0098】
図9は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、患者Tの罹患状況を示す一覧表示の表示例において、取得した罹患情報を示す縮小画像を病院別に抽出した説明図である。
【0099】
図9では、疾病コード(疾病分類名)の上段に、ネットワーク600を経由して取得した病院名や検査機関名がプルダウンにより選択できるようになっている。そして、
図9では、複数の病院名からHP1という病院名が選択され、そのHP1という病院名から取得した罹患情報を示す縮小画像が、一覧表示において色分けされて表示されていることを示している。
【0100】
具体的には、HP1という病院名から取得した罹患情報として、2013年2月16の通院履歴が示すインフルエンザ(J11)の検査結果レポートを示す縮小画像と、2012年12月および11月の頭痛(R51)の検査結果レポートを示す縮小画像と、2009年のインフルエンザ(J11)の検査結果レポートを示す縮小画像が、そのマトリクスごと色分け(ハッチング)により区別されている。
【0101】
これにより、第1の実施形態では、病院ごとの罹患情報を区別することができるので、担当医は、病院ごとの罹患情報を容易に認識することができる。
【0102】
また、第1の実施形態では、医用画像表示装置100の表示単位受付部130において、縮小画像を表示する時期的範囲の変更を受け付けて、一覧表示される時期的範囲を変更することもできる。
【0103】
図10は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の表示部150が、患者Tの罹患状況を示す一覧表示の表示例において、縮小画像の表示されている時期的範囲を変更する表示例を示した説明図である。
【0104】
図10では、医用画像表示装置100の表示単位受付部130が、二次元のマトリクス上で操作部180を構成するマウスのホイールを動かすことにより、表示される時期的範囲(表示範囲)を変更することができることを示している。
【0105】
具体的には、表示単位が1日単位の場合において、現在の表示されている時期的範囲は、2月20日から2月16日までであるが、マウスのホイールを動かすことにより1日単位で時期的範囲を変更することができ、そのホイールの変化量に応じて、2月19日から2月15日、2月18日から2月14日、2月17日から2月13日と、表示される時期的範囲を変更することができる。
【0106】
同様に、表示単位が1ヶ月単位の場合には、現在の表示されている時期的範囲は、2013年2月から2012年10月までであるが、マウスのホイールを動かすことにより1ヶ月単位で時期的範囲を変更することができ、そのホイールの変化量に応じて、2013年1月から2012年9月、2012年12月から2012年8月、2012年11月から2012年7月、と表示される時期的範囲を変更することができる。
【0107】
同様に、表示単位が1年単位の場合には、現在の表示されている時期的範囲は、2012年から2008年までであるが、マウスのホイールを動かすことにより1年単位で時期的範囲を変更することができ、そのホイールの変化量に応じて、2011年から2007年、2010年から2006年、2009年から2005年、と表示される時期的範囲を変更することができる。
【0108】
なお、第1の実施形態において、一覧表示において過去の罹患情報が表示されるようになっていたが、第1の実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、検査の予約や通院の予約など将来の予定であっても入力することができる。
【0109】
また、
図7において、選択した検査結果レポートや画像データを抽出することができる旨を記載したが、さらに縮小画像が示す画像データを注目画像(注目すべき画像)として抽出するようにしてもよい。
【0110】
図11は、第1の実施形態において、表示された時期的範囲において、選択された縮小画像の画像データを注目画像として抽出する方法を示した説明図である。
【0111】
図11では、操作部180を構成するマウスを使用して、2013年2月から2012年10月において、抽出したい罹患情報を選択している状態を示している。この場合、医用画像表示装置100は、マウスで選択された範囲に属する縮小画像が示す画像データを注目画像として抽出することができる。なお、検査結果レポートの縮小画像についても同様に、縮小画像が示す検査結果レポートを抽出するようにしてもよい。
【0112】
なお、
図11における罹患情報の選択は、操作部180を構成するマウスを用いて、右上から左下にドラッグすることにより抽出したい範囲を選択した場合について説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、検査結果レポートや画像データが示す縮小画像にチェックを付し(いわゆるレ点)、そのチェックが付された縮小画像が示す検査結果レポートや画像データを抽出したり、キーボードを用いて抽出する時期的範囲を選択するようにしてもよい。
【0113】
以上説明したように、第1の実施形態では、縮小画像が示す検査結果レポートや画像データを注目画像や検査結果レポートとして抽出することもできるので、患者に関する病歴や検査履歴の一覧性を保ちながら、担当医にその患者の病歴や検査履歴を容易に認識させるとともに、過去の病歴や検査履歴の選択を容易にさせることができる。
【0114】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、横軸を時間軸とし、縦軸を疾病分類名(疾病コード)として、直交座標のマトリクス上に縮小画像を表示させるようになっていた。第2の実施形態では、円座標の円周上に縮小画像を一覧表示させる場合について説明する。
【0115】
図12は、第2の実施形態に係る医用画像表示装置の表示部150が、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を、円座標の円周上に表示したときの表示例を示した説明図である。
【0116】
図12では、ネットワーク600を経由して取得した画像データや検査結果レポートを示す縮小画像を円座標の円周上に表示することにより、患者Tの罹患情報を円グラフのように一覧表示させている。
【0117】
この場合、円の中心Pに最新の日または指定日を設定することができ、円の中心Pから外側に向かって過去の罹患情報を示す縮小画像が一覧表示される。また、疾病分類名(疾病コード)は、担当医が任意で設定することができ、
図12の場合、インフルエンザ(J11)、齲蝕(K02)、慢性肝炎(K73)、頭痛(R51)、画像診断異常所見(R93)、機能検査異常所見(R94)、一般健康診断(Z10)に分類されて表示されている。
【0118】
また、第2の実施形態では、内円R1までは、1日単位で患者Tの罹患情報を示す縮小画像を表示するとともに、その外側の円R2までは、1ヶ月単位で患者Tの罹患情報を示す縮小画像を表示している。また、外円R3までは、1年単位で患者Tの罹患情報を示す縮小画像を表示している。
【0119】
第2の実施形態によれば、古い罹患情報(過去の罹患情報)を示す縮小画像を円の外側に多数表示することができるので、患者が高齢な場合や過去の病歴が多数ある患者の場合には、その患者の病歴や検査履歴を容易に認識することができる。
【0120】
また、第2の実施形態の場合であっても第1の実施形態と同様に、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を選択することにより、検査結果レポートや画像データを選択することができる。
【0121】
図13は、第2の実施形態において、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を選択する始点を決定する決定方法を示した説明図である。
【0122】
具体的には、操作部180を構成するマウスを用いて、選択する範囲の始点を設定する。始点とは、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像の属する時期的範囲の時間的な始点を意味しており、時間と分類開始点を決定する。なお、
図13は、5ヶ月前の一般健康診断が選択されている。
【0123】
図14は、第2の実施形態において、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を選択する終点を決定する決定方法を示した説明図である。
【0124】
具体的には、操作部180を構成するマウスを用いて、終点を設定する。終点とは、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像の属する時期的範囲の時間的な終点を意味しており、分類の終点を決定する。なお、
図14では、5ヶ月前の一般健康診断(Z10)から齲蝕(K02)までの分類が選択されており、最近のインフルエンザの検査結果レポートや年単位の検査結果レポートおよび画像データなどの縮小画像は選択されていない。
【0125】
このように、第2の実施形態では、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を円座標の円周上に表示させることにより、担当医にその患者の病歴や検査履歴を容易に認識させ、過去の病歴や検査履歴を容易に選択させることができる。
【0126】
また、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を円座標の円周上に表示する場合、
図12などでは、外円に行くほど過去の罹患情報を示す縮小画像が表示されるようになっていたが、第2の実施形態では、これに限定されるものではない。
【0127】
図15は、第2の実施形態の表示例において、分類を時間で分割し、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を表示したときの変形例を示した説明図である。
【0128】
図15では、
図14に示した説明図において、1年単位の画像診断異常所見(R93)の欄を2ヶ月単位で分割し、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を表示するようになっている。
【0129】
このように、第2の実施形態の表示例において、検査結果レポートや画像データを示す縮小画像を円座標の円周上に一覧表示させる表示方法は、円の中心Pから時間軸を取る表示方法に限定されるものではなく、円周に沿って分類を時間で分割するようにしてもよい。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0131】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。