特許第6334934号(P6334934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334934ネットワーク管理装置、ネットワーク装置、ネットワーク管理システム、プログラムおよびネットワーク管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334934
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ネットワーク管理装置、ネットワーク装置、ネットワーク管理システム、プログラムおよびネットワーク管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20180521BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04L12/70 100A
   G06F13/00 353B
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-16952(P2014-16952)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-144355(P2015-144355A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松野 淳
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 雅典
(72)【発明者】
【氏名】林 通秋
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−259319(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0083693(US,A1)
【文献】 特開2013−081053(JP,A)
【文献】 松野 淳 Jun Matsuno,網情報管理のための分散グラフデータベースの評価 Evaluation of Distributed Graph Database for Network Information Management,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.113 No.294 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,第113巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/28,12/44−12/955
H04M3/00,3/16−3/20,3/38−3/58,7/00−7/16,11/00−11/10
G06F13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理装置であって、
ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶するグラフ記憶部と、
前記各ネットワーク装置で収集されたMIB(Management Information Base)から不要なデータが除去されたネットワーク構成情報を取得し、前記取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すグラフデータベースAPI(Application Programming Interface)と、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するグラフ表示部と、を備えることを特徴とするネットワーク管理装置。
【請求項2】
前記グラフ記憶部は、前記各ネットワーク装置から前記ネットワーク構成情報が記憶済みのデータであるか否かの問い合わせを取得し、前記ネットワーク構成情報が記憶されていない場合は、前記ネットワーク構成情報を記憶することを特徴とする請求項1記載のネットワーク管理装置。
【請求項3】
前記グラフ記憶部は、前記各ネットワーク装置から、前記ネットワーク構成情報が削除対象とすべきネットワーク構成情報であるか否かの問い合わせを取得し、前記ネットワーク構成情報が削除対象とすべきネットワーク構成情報であると判断した場合、削除対象と判断された前記ネットワーク構成情報を削除することを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク管理装置。
【請求項4】
ネットワーク管理装置に対してネットワーク構成情報を送信するネットワーク装置であって、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBから不要なデータを除去し、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報のみを抽出するデータ収集部と、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するグラフ構造定義部と、を備え、
前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項5】
前記グラフ構造定義部は、前記ネットワーク管理装置に対し、前記ネットワーク構成情報が登録済みのデータであるか否か、を確認し、前記ネットワーク構成情報が登録されていない場合は、前記ネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理装置に送信することを特徴とする請求項4記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記グラフ構造定義部は、前記ネットワーク管理装置に対し、前記ネットワーク構成情報が削除対象とすべきネットワーク構成情報であるか否か、を確認し、前記ネットワーク構成情報が削除対象とすべきネットワーク構成情報であると判断した場合、前記ネットワーク管理装置に対し、削除対象と判断された前記ネットワーク構成情報を送信することを特徴とする請求項4または請求項5記載のネットワーク装置。
【請求項7】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理システムであって、
前記ネットワーク管理装置は、
ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶するグラフ記憶部と、
前記各ネットワーク装置で収集されたMIB(Management Information Base)から不要なデータが除去されたネットワーク構成情報を取得し、前記取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すグラフデータベースAPI(Application Programming Interface)と、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するグラフ表示部と、を備え、
前記各ネットワーク装置は、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBから不要なデータを除去し、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報のみを抽出するデータ収集部と、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するグラフ構造定義部と、を備えることを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項8】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化するプログラムであって、
ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶する処理と、
前記各ネットワーク装置で収集されたMIB(Management Information Base)から不要なデータが除去されたネットワーク構成情報を取得し、前記取得したネットワーク構成情報をグラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出す処理と、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
ネットワーク管理装置に対してネットワーク構成情報を送信するプログラムであって、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBから不要なデータを除去し、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報のみを抽出する処理と、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換する処理と、
前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理方法であって、
前記各ネットワーク装置において、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBから不要なデータを除去し、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報のみを抽出するステップと、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するステップと、
前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信するステップと、
前記ネットワーク管理装置において、
前記ネットワーク構成情報としてのグラフ情報をグラフ記憶部に記憶するステップと、
ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すステップと、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するステップと、
前記ネットワーク管理者端末において、
グラフ化されたネットワーク構成情報を表示するステップと、を含むことを特徴とする
ネットワーク管理方法。
【請求項11】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理方法であって、
前記各ネットワーク装置において、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するステップと、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するステップと、
前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信するステップと、
前記ネットワーク管理装置において、
前記ネットワーク構成情報としてのグラフ情報をグラフ記憶部に記憶するステップと、
ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すステップと、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するステップと、
前記ネットワーク管理者端末において、
グラフ化されたネットワーク構成情報を表示するステップと、を含み、
前記各ネットワーク装置から前記ネットワーク管理装置へ送信されたグラフ情報が、前記グラフ記憶部に記憶済みのデータであるか否か、を確認するステップと、
前記各ネットワーク装置から送信されたグラフ情報が前記グラフ記憶部に登録されていない場合は、前記確認したグラフ情報をグラフ記憶部へ記憶するステップと、を更に含むことを特徴とするネットワーク管理方法。
【請求項12】
複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理方法であって、
前記各ネットワーク装置において、
自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するステップと、
前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するステップと、
前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信するステップと、
前記ネットワーク管理装置において、
前記ネットワーク構成情報としてのグラフ情報をグラフ記憶部に記憶するステップと、
ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すステップと、
前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するステップと、
前記ネットワーク管理者端末において、
グラフ化されたネットワーク構成情報を表示するステップと、を含み、
前記各ネットワーク装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報を判断するステップと、
前記判断の結果、前記各ネットワーク装置から前記ネットワーク管理装置に対し、削除対象とすべきネットワーク構成情報を送信するステップと、
前記ネットワーク管理装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報としてのグラフ情報を、前記グラフ記憶部から削除するステップと、を更に含むことを特徴とするネットワーク管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から行なわれているネットワークの管理では、集権的な機能を果たすネットワーク管理装置が、SNMP(Simple Network Management Protocol)によってネットワーク内の装置(ネットっワーク装置)と接続し、各ネットワーク装置の管理情報であるMIB(Management Information Base)を収集および統合し、ネットワーク構成情報を生成していた。
【0003】
しかし、SDN(Software Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)等のリソースの仮想化技術が目覚ましい発展を遂げていることから、管理情報が複雑化・肥大化してきている。そのため、集権的なネットワーク管理装置の負荷が上昇し、ネットワーク構成情報の変化をリアルタイムに管理することが困難となってきている。また、ネットワーク管理者がネットワークの変化を発見し、問題に対処するためには、ネットワーク構成情報をグラフ情報として表示する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、ネットワーク内に複数の監視サーバを配置し、ネットワーク装置の監視を分担することによって、ネットワーク管理装置の負荷を削減している。また、特許文献2に記載された技術では、ネットワーク構成情報をグラフとして表示するために、ネットワーク管理装置にグラフ構造を取得させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−114471号公報
【特許文献2】特開2007−259319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、ネットワークに複数の監視サーバを配置するため、ネットワークの規模が大きくなればなるほど、より多くの監視サーバが必要となり、コストが増加するという問題がある。また、特許文献2記載の技術では、ネットワーク管理装置にグラフ構造の取得機能を持たせているため、ネットワーク管理装置の負荷の増加を招いてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コストを増加させることなく、また、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報をグラフ情報として表示することができるネットワーク管理装置、ネットワーク装置、ネットワーク管理システム、プログラムおよびネットワーク管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するため、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のネットワーク管理装置は、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理装置であって、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶するグラフ記憶部と、前記各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すグラフデータベースAPI(Application Programming Interface)と、前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するグラフ表示部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このように、各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報をグラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出し、読み出されたネットワーク構成情報をネットワーク管理者端末に出力するので、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明のネットワーク装置は、ネットワーク管理装置に対してネットワーク構成情報を送信するネットワーク装置であって、自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するデータ収集部と、前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するグラフ構造定義部と、を備え、前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信すること、を特徴とする。
【0011】
このように、自装置のMIBを収集し、収集したMIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出し、抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換し、APIの記述形式に変換したグラフ情報をネットワーク管理装置に送信するので、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることが無くなる。そして、ネットワーク構成情報をグラフ情報として表示することが可能となる。
【0012】
(3)また、本発明のネットワーク管理システムは、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理システムであって、前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶するグラフ記憶部と、前記各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すグラフデータベースAPI(Application Programming Interface)と、前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するグラフ表示部と、を備え、前記各ネットワーク装置は、自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するデータ収集部と、前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するグラフ構造定義部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
このように、各ネットワーク装置が、自装置のMIBを収集し、収集したMIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出し、抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換し、APIの記述形式に変換したグラフ情報をネットワーク管理装置に送信する。一方、ネットワーク管理装置が、各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報をグラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出し、読み出されたネットワーク構成情報をネットワーク管理者端末に出力する。この構成により、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することが可能となる。
【0014】
(4)また、本発明のプログラムは、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化するプログラムであって、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶する処理と、前記各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出す処理と、前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
このように、各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報をグラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出し、読み出されたネットワーク構成情報をネットワーク管理者端末に出力するので、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することが可能となる。
【0016】
(5)また、本発明のプログラムは、ネットワーク管理装置に対してネットワーク構成情報を送信するプログラムであって、自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出する処理と、前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換する処理と、前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
このように、自装置のMIBを収集し、収集したMIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出し、抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換し、APIの記述形式に変換したグラフ情報をネットワーク管理装置に送信するので、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることが無くなる。そして、ネットワーク構成情報をグラフ情報として表示することが可能となる。
【0018】
(6)また、本発明のネットワーク管理方法は、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク管理装置がネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理方法であって、前記各ネットワーク装置において、自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するステップと、前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するステップと、前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク装置に送信するステップと、前記ネットワーク管理装置において、前記ネットワーク構成情報としてのグラフ情報をグラフ記憶部に記憶する記憶するステップと、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すステップと、前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するステップと、前記ネットワーク管理者端末において、グラフ化されたネットワーク構成情報を表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
このように、各ネットワーク装置が、自装置のMIBを収集し、収集したMIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出し、抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換し、APIの記述形式に変換したグラフ情報をネットワーク管理装置に送信する。一方、ネットワーク管理装置が、各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報をグラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出し、読み出されたネットワーク構成情報をネットワーク管理者端末に出力する。そして、ネットワーク管理者端末が、グラフ化されたネットワーク構成情報を表示する。この構成により、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することが可能となる。
【0020】
(7)また、本発明のネットワーク管理方法は、前記各ネットワーク装置から前記ネットワーク管理装置へ送信されたグラフ情報が、前記グラフ記憶部に記憶済みのデータであるか否か、を確認するステップと、前記各ネットワーク装置から送信されたグラフ情報が前記グラフ記憶部に登録されていない場合は、前記確認したグラフ情報をグラフ記憶部へ記憶するステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
このように、各ネットワーク装置からネットワーク管理装置へ送信されたグラフ情報が、グラフ記憶部に記憶済みのデータであるか否か、を確認し、各ネットワーク装置から送信されたグラフ情報がグラフ記憶部に登録されていない場合は、確認したグラフ情報をグラフ記憶部へ記憶するので、未登録のデータのみを記憶することができると共に、無駄な重複登録を回避することが可能となる。
【0022】
(8)また、本発明のネットワーク管理方法は、前記各ネットワーク装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報を判断するステップと、前記判断の結果、前記各ネットワーク装置から前記ネットワーク管理装置に対し、削除対象とすべきネットワーク構成情報を送信するステップと、前記ネットワーク管理装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報としてのグラフ情報を、前記グラフ記憶部から削除するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
このように、各ネットワーク装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報を判断し、判断の結果、各ネットワーク装置からネットワーク管理装置に対し、削除対象とすべきネットワーク構成情報を送信し、ネットワーク管理装置において、削除対象とすべきネットワーク構成情報としてのグラフ情報を、グラフ記憶部から削除するので、リソースの有効利用を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係るネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るネットワーク管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図3】MIBの構成を示す図である。
図4】節オブジェクトのモデルを示す図である。
図5】枝オブジェクトのモデルを示す図である。
図6】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5にネットワーク構成情報を登録する処理を示すフローチャートである。
図7】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図8】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図9】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図10】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図11】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図12】グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。
図13】ネットワーク管理者端末9がネットワーク管理装置1からネットワーク構成のグラフ情報を取得し、グラフを表示した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、SDN(Software Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)等の飛躍的な進歩に伴って、ネットワークの管理情報が複雑化・肥大化し、集権的なネットワーク管理装置の負荷が上昇していることに着目し、各ネットワーク装置が、自装置のMIBを収集し、収集したMIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出し、抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換し、APIの記述形式に変換したグラフ情報をネットワーク管理装置に送信することで、ネットワーク管理装置の負荷を削減することができることを見出し、本発明をするに至った。
【0027】
すなわち、本発明のネットワーク管理装置は、複数のネットワーク装置が収集した情報に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフ化するネットワーク管理装置であって、ネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を記憶するグラフ記憶部と、前記各ネットワーク装置からネットワーク構成情報を取得し、取得したネットワーク構成情報を前記グラフ記憶部に記憶させる一方、ネットワーク管理者端末からのリクエストに応じて、前記グラフ記憶部からネットワーク構成情報を読み出すグラフデータベースAPI(Application Programming Interface)と、前記読み出されたネットワーク構成情報を前記ネットワーク管理者端末に出力するグラフ表示部と、を備えることを特徴とする。
【0028】
また、本発明のネットワーク装置は、ネットワーク管理装置に対してネットワーク構成情報を送信するネットワーク装置であって、自装置のMIB(Management Information Base)を収集し、収集した前記MIBからネットワーク管理上必要なネットワーク構成情報を抽出するデータ収集部と、前記抽出されたネットワーク構成情報について、グラフ情報を定義し、定義したグラフ情報をAPIの記述形式に変換するグラフ構造定義部と、を備え、前記APIの記述形式に変換したグラフ情報を前記ネットワーク管理装置に送信すること、を特徴とする。
【0029】
これにより、本発明者らは、ネットワーク管理装置の負荷を増加させることなく、ネットワーク構成情報を取得し、グラフ情報として表示することを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。ネットワーク管理装置1は、グラフデータベースAPI3と、グラフ記憶部5と、グラフ表示部7とから構成されている。ネットワーク管理装置1は、ネットワーク管理者端末9のリクエストに応じて、グラフ情報を提供する。ネットワーク管理装置1には、複数のネットワーク装置10−1〜10−nが接続される。各ネットワーク装置10−1〜10−nは、ネットワーク20に接続するためのネットワークI/F11と、データ収集部12と、グラフ構造定義部13とから構成されている。各ネットワーク装置10−1〜10−nは、同様の構成を取るため、ネットワーク装置10−1を例にとってその構成を説明する。
【0031】
ネットワーク装置10−1のデータ収集部12は、ネットワークI/F11を介して、ネットワーク20から自装置のMIBを取得する。そして、MIBから不要なデータを除去し、ネットワーク構成情報をグラフ構造定義部13に出力する。一方、ネットワーク管理装置1のグラフデータベースAPI3は、このネットワーク構成情報をグラフ記憶部5に書き込む。
【0032】
ネットワーク管理者が、ネットワーク管理者端末9を介して、ネットワーク構成のグラフ情報をネットワーク管理装置1に要求すると、グラフデータベースAPI3は、グラフ記憶部5からグラフ情報を取得し、グラフ表示部7を介して、ネットワーク管理者端末9において、グラフを表示する。
【0033】
この構成により、各ネットワーク装置10−1〜10−nにおいて、自装置で取得したMIBから不要なデータを除去したネットワーク構成情報を得るため、監視サーバなどの新たな装置を設けるコストを削減することができる。また、各ネットワーク装置10−1〜10−nから提供されたネットワーク構成情報を、ネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5に書き込むため、ネットワーク管理装置1内にネットワーク構成情報のグラフ構造を取得する機能を持たせる必要がなくなる。その結果、ネットワーク管理装置1の負荷を軽減させることが可能となる。
【0034】
本実施形態に係るネットワーク管理システムは、SNMPを用いて自装置のMIBからネットワーク管理者にとって不要であると定義されている情報を除去する。また、ネットワーク管理システムは、SNMPだけでなくCLI(Command Line Interface)などを用いることによっても、MIBを取得することができる。また、ネットワーク管理システムは、グラフデータモデルの定義に基づいて、ネットワーク構成情報をグラフデータベースAPI3を通じて、変換した情報をネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5に書き込。
【0035】
また、ネットワーク管理システムは、ネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5に記憶済みの情報を検知するため、複数のネットワーク装置10−1〜10−nから得られる重複したネットワーク構成情報をグラフ記憶部5に記憶しない。また、ネットワーク管理システムは、ネットワーク管理者端末において、グラフデータベースAPI3を通じて、ネットワーク構成情報をグラフ情報として表示する。
【0036】
次に、本実施形態に係るネットワーク管理システムの基本動作について、図2図5を参照して説明する。まず、ネットワーク管理装置1が、各ネットワーク装置10−1〜10−nからネットワーク構成のグラフ情報を取得するまでの処理について説明する。図2は、本実施形態に係るネットワーク管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。ネットワーク装置10−1〜10−n内のデータ収集部12は、SNMPを用いて自装置のMIBを収集する。例えば、図3に示すMIBを収集する。そして、収集したMIBからネットワーク管理者にとって不要な情報を除去する。これにより、ネットワーク構成情報Nを生成する(ステップS1)。ネットワーク構成情報Nを、グラフ構造定義部13に出力する(ステップS2)。
【0037】
グラフ構造定義部13は、Nから節オブジェクト集合Oを生成する(ステップS4)。すなわち、図4で示された節オブジェクトのモデルに基づいて、グラフを形成する節として定義し、定義した情報をグラフデータベースAPI3の記述形式に変換し、グラフデータベースAPI3を通じて、変換した情報をネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5に書き込む。また、図5で示された枝オブジェクトのモデルに基づいて、節間を適当な枝オブジェクトによって接続する。
【0038】
すなわち、図2において、各節オブジェクトoが、Oに含まれている場合、oのオブジェクト名nを取得し(ステップS5)、nがNetworkである場合は、oがグラフ記憶部5に登録済みであるかどうかを確認し、確認結果を得る(ステップS6、S7)。oが登録済みでない場合は、グラフ記憶部5にoを登録する(ステップS8)。nがNetworkでない場合(ステップS9)、グラフ記憶部5にoの近隣であって、まだ接続されていない節集合Vを要求し、応答結果を得る(ステップS10、S11)。
【0039】
また、各節オブジェクトvがVに含まれている場合、oとvを接続する枝オブジェクトeを生成する(ステップS12)。そして、グラフ記憶部5にeを登録する(ステップS13)。
【0040】
図6は、グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶部5にネットワーク構成情報を登録する処理を示すフローチャートである。図6においては、既に登録済みとなっているデータを検知し、登録しないようにしているため、複数のネットワーク装置10−1〜10−nから得られる重複するネットワーク構成情報(Networkオブジェクト)をグラフ記憶部5に登録することはない。
【0041】
図6において、まず、MIBから不要な情報を除去したネットワーク構成情報の集合Nを生成する(ステップT1)。次に、節オブジェクトのモデルに基づいて、Nから節オブジェクト集合Oを生成する(ステップT2)。次に、Oが空であるかどうかを判断し(ステップT3)、Oが空である場合は終了する。
【0042】
一方、Oが空でない場合は、Oに含まれる要素oを取り出し(ステップT4)、oのオブジェクト名nを取得する(ステップT5)。次に、nがNetworkであるかどうかを判断し(ステップT6)、nがNetworkである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5にoが登録済みであるかどうかを問い合わせる(ステップT7)。oが登録済みである場合は、ステップT11に遷移し、oが登録済みでない場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5にoを登録する(ステップT9)。一方、ステップT6において、nがNetworkでない場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5にoを登録する(ステップT10)。
【0043】
次に、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からoの近隣であって、まだ枝で接続されていない節集合Vを取得する(ステップT11)。そして、Vが空であるかどうかを判断し(ステップT12)、Vが空である場合は、ステップT3に遷移する。ステップT12において、Vが空でない場合は、Vに含まれる要素vを取り出し(ステップT13)、枝のオブジェクトモデルに基づいて、oとvとを接続する枝オブジェクトeを生成し(ステップT14)、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5にeを登録して(ステップT15)、ステップT12に遷移する。ステップT12において、Vが空であり、ステップT3において、Oが空となった場合は、終了する。
【0044】
図7図12は、グラフ構造定義部13がネットワーク管理装置1内のグラフ記憶装置からネットワーク構成情報を削除する処理を示すフローチャートである。削除対象が「Interfaceオブジェクト」である場合は、その「Interfaceオブジェクト」に接続された「IP Addressオブジェクト」を削除する必要がある。また、その「IP Addressオブジェクト」に接続された「Networkオブジェクト」が他の「IP Addressオブジェクト」と接続されていない場合は、そのNetworkオブジェクトも削除する必要がある。
【0045】
削除対象が「IP Addressオブジェクト」である場合は、その「IP Addressオブジェクト」に接続された「Networkオブジェクト」が他の「IP Addressオブジェクト」と接続されていない場合は、その「Networkオブジェクト」も削除する必要がある。
【0046】
削除対象が「Networkオブジェクト」である場合は、その「Networkオブジェクト」を削除するのみである。全ての場合で、削除されるオブジェクトに接続されている枝も削除する必要がある。以下、図7図12を参照して、具体的に説明する。
【0047】
まず、削除対象のネットワーク構成情報nを設定し(ステップP1)、節オブジェクトのモデルに基づいて、nから節オブジェクト集合Oを生成する(ステップP2)。次に、oのオブジェクト名nを取得し(ステップP3)、nがInterfaceであるかどうかを判断する(ステップP4)。nがInterfaceでない場合は、nがIP Addressであるかどうかを判断する(ステップP5)。nがIP Addressでない場合は、nがNetworkであるかどうかを判断する(ステップP6)。nがNetworkでない場合は、終了し、nがNetworkである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からoに接続されている枝集合Eを取得する(ステップP7)。次に、Eが空であるかどうかを判断し(ステップP8)、Eが空である場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からoを削除して(ステップP9)、終了する。
【0048】
一方、ステップP8において、Eが空でない場合は、Eに含まれる要素eを取り出し(ステップP10)、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からeを削除して(ステップP11)、ステップP8に遷移する。
【0049】
一方、ステップP5において、nがIP Addressである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からoの近隣の節集合Vを取得し(ステップP12)、Vが空であるかどうかを判断する(ステップP13)。Vが空である場合は、ステップP7に遷移する一方、Vが空でない場合は、Vに含まれる要素vを取り出し(ステップP14)、vのオブジェクト名n’を取得し(ステップP15)、n’がNetworkであるかどうかを判断する(ステップP16)。n’がNetworkでない場合は、ステップP13に遷移する一方、n’がNetworkである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からV’に隣接している節集合Rを取得する(ステップP17)。次に、R−{V’}が空であるかどうかを判断し(ステップP18)、R−{V’}が空で無い場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からVとv’との間の枝を削除し(ステップP19)、ステップP7に遷移する。
【0050】
一方、ステップP18において、R−{V’}が空である場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からV’を削除し(ステップP20)、ステップP19に遷移する。
【0051】
ステップP4において、nがInterfaceである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からoの近隣の節集合Vを取得し(ステップP21)、Vが空であるかどうかを判断する(ステップP22)。Vが空である場合は、ステップP7に遷移する一方、Vが空でない場合は、Vに含まれる要素vを取り出し(ステップP23)、vのオブジェクト名n’を取得し(ステップP24)、n’がAddressであるかどうかを判断する(ステップP25)。n’がAddressで無い場合は、ステップP22に遷移する一方、n’がAddressである場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からvの近隣の節集合V’を獲得し(ステップP26)、V’が空であるかどうかを判断する(ステップP27)。
【0052】
ステップP27において、V’が空である場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からvに接続されている枝集合E’を取得する(ステップP28)。次に、E’が空であるかどうかを判断し(ステップP29)、E’が空である場合は、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からVを削除して(ステップP30)、ステップP7に遷移する。一方、ステップP29において、E’が空でない場合は、E’に含まれる要素e’を取り出し(ステップP31)、グラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からe’を削除して(ステップP32)、ステップP29に遷移する。
【0053】
なお、ステップP4において、nがInterfaceではなく、ステップP5において、nがIP Addressではなく、ステップP6において、nがNetwork出ない場合は、終了する。
【0054】
図13は、ネットワーク管理者端末9がネットワーク管理装置1からネットワーク構成のグラフ情報を取得し、グラフを表示した状態を示す図である。ネットワーク管理者端末9が、ネットワーク管理装置1内のグラフデータベースAPI3を通じて、グラフ記憶部5からデータを読み込み、読み込んだデータをグラフ表示部7がグラフ情報として表示する。図13は、グラフ表示部7によるグラフ情報の表示例を示している。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、ネットワーク装置内で自装置のMIBを取得し、取得したMIBを加工することで形成したネットワーク構成情報をグラフデータとしてネットワーク管理装置1内のグラフデータベースであるグラフ記憶部5に保存することによって、コストを増加させることなく、ネットワーク管理装置1の負荷を軽減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1 ネットワーク管理装置
3 グラフデータベースAPI
5 グラフ記憶部
7 グラフ表示部
9 ネットワーク管理者端末
10−1〜10−n ネットワーク装置
11 ネットワークI/F
12 データ収集部
13 グラフ構造定義部
20 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13