特許第6334937号(P6334937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334937
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   A61B8/00
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-21583(P2014-21583)
(22)【出願日】2014年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-168680(P2014-168680A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】特願2013-22073(P2013-22073)
(32)【優先日】2013年2月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】望月 史生
(72)【発明者】
【氏名】長野 玄
(72)【発明者】
【氏名】中田 一人
(72)【発明者】
【氏名】宇南山 憲一
(72)【発明者】
【氏名】深澤 雄志
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 幸治
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−000527(JP,A)
【文献】 特許第4176892(JP,B2)
【文献】 特開2003−135470(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0232257(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部、ケーブル部、コネクタ部を有する超音波プローブと、前記超音波プローブに前記コネクタ部を介して接続される超音波診断装置本体と、を有する超音波診断装置であって、
前記超音波プローブに設けられたデバイスと、
前記ケーブル部を通り、一端が前記デバイスに接続され、別の一端が前記コネクタ部に接続される第1の信号線と、
前記超音波診断装置本体に設けられ、前記デバイスの作動電圧を発生する電源回路と、
前記超音波診断装置本体に設けられ、一端が前記電源回路に接続され、前記超音波診断装置本体が前記超音波プローブと接続される場合において他端が前記第1の信号線に接続される第2の信号線と、
一端が前記第1の信号線に接続され、他端が前記コネクタ部に接続される第3の信号線と、
前記超音波診断装置本体に設けられ、入力電圧を利用して前記デバイスへの電圧の供給状況を監視する電圧監視回路と、
前記超音波診断装置本体に設けられ、一端が前記電圧監視回路に接続され、前記超音波診断装置本体が前記超音波プローブに接続される場合において他端が前記第3の信号線に接続される第4の信号線と、
を具備する超音波診断装置。
【請求項2】
前記超音波プローブは、超音波を送受信するための複数の超音波振動子と、
前記超音波診断装置本体は、前記複数の超音波振動子を駆動するための駆動信号を発生する送信回路をさらに備え、
前記デバイスは、前記複数の超音波振動子と前記送信回路との間の接続を切り替える超音波振動子切替回路である、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記超音波プローブは、監視電圧切替回路を備え、
前記デバイスは、複数の電子デバイスを有し、
前記電源回路は、前記複数の電子デバイスのための複数の作動電圧を発生し、
前記監視電圧切替回路は、前記複数の作動電圧のうちの監視用の作動電圧を前記電圧監視回路に供給するために、前記複数の電子デバイスと前記電圧監視回路との間の接続を切り替える、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記超音波診断装置本体は、参照電圧切替回路と参照電圧用信号線とをさらに備え、
前記電源回路は、前記複数の作動電圧のための複数の参照電圧を発生し、
前記参照電圧用信号線は、前記参照電圧切替回路と前記電圧監視回路とを接続する第1の参照電圧用信号線と、前記電源回路と前記参照電圧切替回路とを接続し前記複数の参照電圧にそれぞれ対応する複数の第2の参照電圧用信号線とを有し、
前記参照電圧切替回路は、前記複数の参照電圧のうちの前記監視用の作動電圧に対応する監視用の参照電圧を前記電圧監視回路に供給するために、前記複数の第2の参照電圧用信号線と前記第1の参照電圧用信号線との間の接続を切り替える、
請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記超音波診断装置本体は、さらに報知部を備え、
前記電圧監視回路は、前記入力電圧と前記電源回路からの参照電圧との大小関係に従って前記デバイスへの電圧の供給状況を判断し、
前記報知部は、前記電圧の供給状況を報知する、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記超音波プローブは、超音波を送受信するための複数の超音波振動子と、
前記超音波診断装置本体は、前記複数の超音波振動子を駆動するための駆動信号を発生する送信回路をさらに備え、
前記電圧監視回路は、前記入力電圧が許容範囲内か否かを判定し、前記入力電圧が前記許容範囲内にないと判定した場合、前記送信回路を停止させる、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第1の信号線と前記第3の信号線との接続点は、前記ヘッド部に設けられる、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記第1の信号線と前記第3の信号線との接続点は、前記ケーブル部に設けられる、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第1の信号線と前記第3の信号線との接続点は、前記コネクタ部に設けられる、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記デバイスは、前記ヘッド部又は前記コネクタ部に設けられる、請求項1記載の超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、超音波診断装置、超音波診断装置本体、及び超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブ内には超音波を送受波するための超音波振動子が設けられている。超音波プローブの一タイプとして、超音波振動子と駆動信号を発生する送信回路とを高圧スイッチ回路を介して信号線で接続し、駆動信号の供給先の超音波振動子を切替可能なものがある。高圧スイッチ回路は、超音波診断装置本体の電源回路からの高圧の作動電圧の印加により作動する。しかし、何らかの不具合のために作動電圧が印加されないまま駆動信号が供給されると高圧スイッチ回路が破損してしまう場合がある。従って、高圧スイッチ回路内蔵タイプの超音波プローブを接続可能な超音波診断装置は、典型的には、超音波診断装置本体に電圧監視回路を設けている。電圧監視回路は、超音波診断装置本体の電源回路から高圧スイッチ回路への作動電圧の供給線を監視し、エラーを検知した場合、送信回路を制御して駆動信号の供給を停止している。しかしながら、高圧スイッチ回路への信号線がプローブコネクタ部で接触不良を起こした場合であっても作動電圧が電圧監視回路へと供給されるため、超音波診断装置本体に設けられた電圧監視回路ではエラーを検知することができない。
【0003】
特許文献1には、超音波プローブに電圧監視回路を設ける技術が開示されている。このタイプの超音波診断装置は、高圧スイッチ回路への信号線がプローブコネクタで接触不良を起こした場合であっても、電圧監視回路でエラーを検知することができる。しかしながら、超音波プローブ毎に電圧監視回路を搭載する必要があり、超音波プローブ単体及び超音波診断装置全体のコストが増加してしまう。この問題は、高圧スイッチ回路の作動電圧の監視に限らず、超音波プローブに設けられたデバイスの作動電圧を監視する場合に共通して発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4176892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態の目的は、超音波プローブ内のデバイスの作動電圧を低コストで正確に監視可能な超音波診断装置、超音波プローブ、及び超音波診断装置本体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る超音波診断装置は、ヘッド部、ケーブル部、コネクタ部を有する超音波プローブと、前記超音波プローブに前記コネクタ部を介して接続される超音波診断装置本体と、を有する超音波診断装置であって、前記超音波プローブに設けられたデバイスと、前記ケーブル部を通り、一端が前記デバイスに接続され、別の一端が前記コネクタ部に接続される第1の信号線と、前記超音波診断装置本体に設けられ、前記デバイスの作動電圧を発生する電源回路と、前記超音波診断装置本体に設けられ、一端が前記電源回路に接続され、前記超音波診断装置本体が前記超音波プローブと接続される場合において他端が前記第1の信号線に接続される第2の信号線と、一端が前記第1の信号線に接続され、他端が前記コネクタ部に接続される第3の信号線と、前記超音波診断装置本体に設けられ、入力電圧を利用して前記デバイスへの電圧の供給状況を監視する電圧監視回路と、前記超音波診断装置本体に設けられ、一端が前記電圧監視回路に接続され、前記超音波診断装置本体が前記超音波プローブに接続される場合において他端が前記第3の信号線に接続される第4の信号線と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る超音波診断装置の概略的な外観を示す図
図2】第1実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置本体の構成を示す図
図3】第1実施形態の変形例に係る超音波プローブ及び超音波診断装置本体の構成を示す図
図4】第1実施形態の他の変形例に係る超音波プローブ及び超音波診断装置本体の構成を示す図
図5】第2実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置本体の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置、超音波診断装置本体、及び超音波プローブを説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る超音波診断装置の概略的な外観を示す図である。図1に示すように、第1実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と超音波診断装置本体3とを有している。超音波プローブ1は、プローブヘッド5、プローブケーブル7、及びプローブコネクタ9を装備している。プローブヘッド5には複数のデバイスが内蔵されている。プローブヘッド5の基部にはプローブケーブル7が接続されている、プローブケーブル7の他端はプローブコネクタ9が取り付けられている。プローブコネクタ9は、超音波診断装置本体3に設けられた差込口(図示せず)に着脱可能に接続される。プローブコネクタ9が超音波診断装置本体3に装着されている状態において、超音波プローブ1と超音波診断装置本体3との間で種々の電気信号の送受信が行われる。
【0010】
図2は、第1実施形態に係る超音波プローブ1と超音波診断装置本体3との構成を示す図である。なお図2において受信回路系は説明の簡単のため省略している。
【0011】
図2に示すように、超音波プローブ1は、プローブコネクタ9、複数の超音波振動子11、高圧スイッチ回路(以下、HVSW回路と呼ぶ)13を有している。超音波診断装置本体3は、システム制御部15を中枢として電源回路17、送信回路19、電圧監視回路21、及び報知部23を有している。
【0012】
超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3内の各デバイスは、信号線SLを介して接続されている。特に、電源回路17とHVSW回路13との間を接続する信号線をHVSW用信号線SL1と呼び、HVSW回路13と電圧監視回路21との間を接続する信号線を監視電圧用信号線SL2と呼び、送信回路19とHVSW回路13とを接続する信号線を駆動信号供給用信号線SL3と呼ぶことにする。なお本実施形態において信号線とは、電流を流す導体を指すものとする。信号線を流れる電気信号はアナログ信号であってもデジタル信号であっても良い。
【0013】
HVSW用信号線SL1は、電源回路17とHVSW回路13とをプローブコネクタ9を経由して接続する。より詳細には、HVSW用信号線SL1は、超音波診断装置本体3内において電源回路17とプローブコネクタ9のピン9aとの間を接続する第1部分SL1−1と、超音波プローブ1内においてHVSW回路13とプローブコネクタ9のピン9aとの間を接続する第2部分SL1−2とを有する。
【0014】
監視電圧用信号線SL2は、超音波プローブ1内においてHVSW用信号線SL1から分岐接続され、HVSW回路13と電圧監視回路21とをプローブコネクタ9を経由して接続する。より詳細には、監視電圧用信号線SL2は、超音波診断装置本体3内において電源回路17とプローブコネクタ9のピン9bとの間を接続する第1部分SL2−1と、超音波プローブ1内においてHVSW回路13とプローブコネクタ9のピン9bとの間を接続する第2部分SL2−2とを有する。信号線SL1−2は分岐点P1において信号線SL2−2に接続される。
【0015】
複数の駆動信号供給用信号線SL3は、送信回路19とHVSW回路13内の複数のスイッチ13aとをプローブコネクタ9を経由して接続している。より詳細には、駆動信号供給用信号線SL3は、超音波診断装置本体3内において送信回路19とプローブコネクタ9のピン9cとの間を接続する第1部分SL3−1と、超音波プローブ1内においてHVSW回路13とプローブコネクタ9cとの間を接続する第2部分SL3−2とを有する。駆動信号供給用信号線SL3は、例えば、HVSW回路13のスイッチ13aの数と同数の信号線を有している。
【0016】
電源回路17は、超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3に内蔵された複数のデバイスを作動させるための複数種類の作動電圧を発生する。例えば、電源回路17は、HVSW回路13を作動するための作動電圧(以下、HVSW用作動電圧と呼ぶ)を発生する。HVSW用作動電圧は、HVSW用信号線SL1を介してHVSW回路13に供給される。また、電源回路17は、送信回路19を作動するための作動電圧も発生することもできる。さらに、電源回路17は、作動電圧以外に、電圧監視回路21に供給される参照電圧を発生することもできる。
【0017】
送信回路19は、電源回路17から信号線SLを介して供給される作動電圧を受けて作動する。送信回路19は、超音波振動子11を駆動するための駆動信号(以下、送信駆動信号と四部)を発生する。具体的には、送信回路19は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路は、所定のレート周波数 fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。遅延回路は、送信方向及び送信焦点位置に応じた遅延時間をチャンネル毎に各レートパルスに印加する。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで複数の超音波振動子11に送信駆動信号を印加する。送信駆動信号の印加により、遅延時間に応じた送信方向及び送信焦点位置に関する超音波が複数の超音波振動子11から送信される。
【0018】
複数の超音波振動子11は、プローブヘッド5の先端側に内蔵されている。複数の超音波振動子11は、一次元状または2次元状に配列されている。複数の超音波振動子11は、送信回路19からプローブコネクタ9を経由して供給された送信駆動信号を受けて超音波を送信する。複数の超音波振動子11は、被検体により反射された超音波を受信し、受信された超音波に応じたエコー信号を発生する。発生されたエコー信号は、図示しない信号線を通りプローブコネクタ9を経由して超音波診断装置本体3に供給される。その後、超音波診断装置本体3は、エコー信号に信号処理を施して超音波画像を発生する。発生された超音波画像は、超音波診断装置本体3に設けられた表示装置により表示される。
【0019】
高圧スイッチ回路(HVSW回路)13は、HVSW用作動電圧を受けて作動する。HVSW回路13は、送信駆動信号の供給対象の超音波振動子11を選択するために、複数の超音波振動子11と送信回路19との間の接続を切り替える。HVSW回路13による接続の切替は、超音波送受信毎に行われる。例えば、HVSW回路13は、送信開口が超音波送受信毎に超音波振動子1個分ずつシフトするように超音波振動子11と送信回路19との間の接続を切り替える。ここで、駆動信号供給信号線SL3がN本、超音波振動子11がM個(M>N)であるとする。最初の超音波送信ビームは、1〜N番目の超音波振動子11に送信駆動信号が供給され、1〜N番目の超音波振動子11から超音波が送信される。次の超音波送信ビームは、2〜N+1番目の超音波振動子11に送信駆動信号が供給され、2〜N+1番目の超音波振動子11から超音波が送信される。すなわち、前回の超音波送信において1番目の超音波振動子11に供給された送信駆動信号がN+1番目の超音波振動子11に供給されるように接続が切り替えられる。このようにして、送信開口が順番にシフトされることにより、超音波振動子11へ送信駆動信号を供給するための駆動信号供給用信号線SL3の数が超音波振動子11の数より少ない場合であっても全ての超音波振動子11を使用して超音波走査を実行することができる。
【0020】
なお、HVSW回路13は、超音波プローブ1のプローブヘッド5に内蔵されても良いし、プローブコネクタ9に内蔵されても良い。HVSW回路13がプロ−ブヘッド5に内蔵される場合、分岐点P1はプローブヘッド5、プローブケーブル7、又はプローブコネクタ9に設けられる。図3に示すように、HVSW回路13がプロ−ブコネクタ9に内蔵される場合、分岐点P1はプローブコネクタ9に設けられる。
【0021】
電圧監視回路21は、監視電圧用信号線SL2からの電圧を入力電圧とする。具体的には、電圧監視回路21は、HVSW用作動電圧を供給しているHVSW用信号線SL1を、超音波プローブ1内部から再び超音波診断装置本体3に引き戻した信号線SL2からの電圧を入力電圧とする。電圧監視回路21は、超音波プローブ1からの入力電圧を利用して、電源回路17からHVSW回路13への電圧の供給状況を監視する。電圧監視回路21の詳細については後述する。
【0022】
報知部23は、電圧監視回路21により判断された電圧の供給状況を報知する。例えば、報知部23は、表示装置やスピーカ、ランプ等を介して供給状況を報知する。
【0023】
システム制御部15は、本実施形態に係る超音波診断装置の中枢として機能する。具体的には、システム制御部15は、ユーザにより操作部(図示せず)を介して指定された超音波走査モードや走査条件に従って、超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3内の各デバイス及び回路の制御データを計算し各デバイスに伝送する。
【0024】
次に、第1実施形態に係る超音波診断装置の動作例について説明する。上述のように電圧監視回路21は、監視電圧用信号線SL2からの電圧を入力電圧とする。電源回路17とHVSW回路13とが正常に接続されている場合、HVSW回路13に印加された作動電圧が電圧監視回路21への入力電圧となる。反対に、電源回路17とHVSW回路13とが正常に接続されていない場合、HVSW回路13に印加された作動電圧が電圧監視回路21への入力電圧とはならない。電源回路17とHVSW回路13とが正常に接続されていない場合としては、例えば、超音波プローブ1内のHVSW用信号線SL1−2と超音波診断装置本体3内のHVSW用信号線SL1−1とがプローブコネクタ9において接触不良を起こしている場合が挙げられる。
【0025】
電圧監視回路21は、プローブコネクタ9における接触不良を検出するために、監視電圧用信号線SL2からの入力電圧が許容範囲に収まっているか否かを判定する。許容範囲内に収まっていないと判定した場合、電圧監視回路21は、その旨の電気信号(以下、エラー信号と呼ぶ)を発生する。許容範囲内に収まっていると判定した場合、電圧監視回路21は、エラー信号を発生しない。なお、許容範囲内に収まっていないと判定した場合、電圧監視回路21は、その旨の電気信号(以下、許容信号と呼ぶ)を発生しても良い。許容信号とエラー信号とは、信号線SLを介してシステム制御部15と送信回路19とに供給される。なお、以下の説明において電圧監視回路21は、許容範囲内に収まっていると判定した場合、電圧監視回路21は、エラー信号と許容信号とを発生しないものとする。
【0026】
許容範囲は、超音波プローブ1内のHVSW用信号線SL1−2と超音波診断装置本体3内のHVSW信号線SL1−1とがプローブコネクタ9において接触不良を起こした場合と起こしていない場合とを識別可能な電圧値に設定される。許容範囲は、具体的には、参照電圧により規定される。参照電圧は、電源回路17により発生され、電源回路17から参照電圧用信号線SL4を介して電圧監視回路21に供給される。上述のように、超音波プローブ1内のHVSW用信号線SL1−2と超音波診断装置本体3内のHVSW信号線SL1−1とがプローブコネクタ9において接触不良を起こした場合、電源回路17からHVSW回路13に作動電圧が供給されない。この場合、入力電圧は、許容範囲外、すなわち、参照電圧よりも小さくなる。反対に、プローブコネクタ9において接触不良を起こしていない場合、電源回路17からHVSW回路13に作動電圧が供給される。この場合、入力電圧は、許容範囲内、すなわち、参照電圧よりも大きくなる。電圧監視回路21は、入力電圧を参照電圧とリアルタイムに比較し、入力電圧が参照電圧よりも大きい場合、エラー信号を発生せず、入力電圧が参照電圧よりも小さい場合、エラー信号を発生する。なお、参照電圧の電圧値は、任意の値に設定可能である。
【0027】
なお、上述において入力電圧と参照電圧とが比較されるとしたが、電圧監視回路21の負担を軽減するために、分圧された入力電圧と分圧された参照電圧とが比較されても良い。入力電圧と参照電圧との分圧は、例えば、電圧監視回路21により行われる。
【0028】
プローブコネクタ9において接触不良を発生している場合にHVSW回路13に送信駆動信号が供給されると、HVSW回路13が破損する虞がある。HVSW回路13の破損を防止するため、電圧監視回路21は、接触不良が起きていると判断した場合、送信回路19に送信駆動信号の供給を停止させる。具体的には、エラー信号を発生した場合、電圧監視回路21は、送信回路19を制御して、送信駆動信号をHVSW回路13に供給することを停止する。反対に、電圧監視回路21は、エラー信号を発生しない場合、送信回路19を制御して、送信駆動信号をHVSW回路13に供給する。
【0029】
また、システム制御部15は、エラー信号が供給された場合、監視用の作動電圧の供給を受ける電子デバイス25,27,29に応じたエラー処理を実行する。例えば、システム制御部15は、HVSW回路13への作動電圧の供給状態を報知部23により報知される。具体的には、システム制御部15を介して電圧監視回路21からエラー信号が供給された場合、報知部23は、作動電圧が正常にHVSW回路13に供給されていない旨を報知する。例えば、超音波診断装置本体3に設けられた表示装置により、「プローブコネクタの接触不良の可能性あり」等の作動電圧が正常にHVSW回路13に供給されていない旨のメッセージが表示されるとよい。また、報知部23は、超音波診断装置本体3に設けられたランプを点灯することにより、作動電圧が正常にHVSW回路13に供給されていない旨を報知しても良い。また、報知部は23、スピーカを介して「プローブコネクタの接触不良の可能性あり」等の音声を発生させたり、警告音を発生したりすることにより、作動電圧が正常にHVSW回路13に供給されていない旨を報知しても良い。システム制御部15を介して電圧監視回路21からエラー信号が供給されない場合、報知部23は、作動電圧が正常にHVSW回路13に供給されている旨を報知する。なお、エラー信号が供給されない場合、報知部23は、何も報知しなくても良い。
【0030】
上記の実施形態において電圧監視回路21は、超音波プローブ1の内部から超音波診断装置本体3に引き戻した信号線SL2からの電圧のみを入力とするものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、電圧監視回路21は、監視電圧用信号線SL2に加え、超音波診断装置本体3において信号線SL1に分岐接続された信号線(図示せず)からの電圧を入力としても良い。この信号線は、超音波診断装置本体3内に設けられたHVSW用信号線SL1の分岐点と電圧監視回路21とを接続する。これにより電圧監視回路21は、超音波プローブ1からの入力電圧と電源回路17からの入力電圧との両方を利用することにより、電圧の供給状況の把握をより正確に行うことができる。
【0031】
上記の実施形態において電源回路17と電圧監視回路21とは超音波診断装置本体3に内蔵されているとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。
【0032】
図4は、本実施形態の変形例に係る超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3の構成を示す図である。図4に示すように、電源回路17は、超音波診断装置本体3の外側に設けられている。具体的には、電源回路17は、コネクタを介して直接的に接続されても良いし、図示しないケーブルを介して接続されても良い。また、電圧監視回路21は、超音波診断装置本体3の外側に設けられている。具体的には、電圧監視回路21は、コネクタを介して直接的に接続されても良いし、図示しないケーブルを介して接続されても良い。電源回路17と電圧監視回路21との両方が超音波診断装置本体3の外側に設けられている態様のみならず、電源回路17と電圧監視回路21との何れか一方が超音波診断装置本体3の外側に設けられても良い。なお、電源回路17と電圧監視回路21とが超音波診断装置本体3の外に設けられている場合であっても、HVSW回路13は、プローブコネクタ9に設けられていても良い。
【0033】
(第2実施形態)
第1実施形態において電源回路から作動電圧が供給される超音波プローブ内のデバイスは、HVSW回路であるとした。しかしながら、本実施形態において作動電圧の供給先はHVSW回路のみに限定されない。第2実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブにHVSW回路以外の電子デバイスを内蔵している。以下、第2実施形態について説明する。なお以下の説明において、第1実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0034】
図5は、第2実施形態に係る超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3の構成を示す図である。なお図5において受信回路系は説明の簡単のため省略している。
【0035】
図5に示すように、第2実施形態に係る超音波プローブ1は、プローブコネクタ9及び複数の超音波振動子11に加え、さらに複数の電子デバイス25,27,29及び監視電圧切替回路31を有している。超音波プローブ1に内蔵される電子デバイス25としては、FPGA(field programmable gate array)25、IC(integrated circuit)27、ROM(read only memory)29が挙げられる。これら電子デバイス25,27,29は、例えば、エコー信号を信号処理したり、送信駆動信号に遅延時間を与えたりするために設けられる。これら電子デバイス25を作動するための電圧値は異なる。なお、第2実施形態に係る電子デバイスは、FPGAやIC、ROMに限定されず、CPU(central processor unit)やASIC(application specific integrated circuit)等の電源回路17からの作動電圧を要するあらゆる電子デバイスが適用可能である。第2実施形態に係る超音波診断装置本体3は、システム制御部15を中枢として電源回路17、送信回路19、電圧監視回路21、及び報知部23に加え、参照電圧切替回路33を有している。
【0036】
第2実施形態においては、説明の簡単のため、HVSW回路が設けられていないとする。この場合、送信回路19と複数の超音波振動子11との間は、超音波振動子11と同数の複数の駆動信号供給用信号線SL3を介して接続されている。より詳細には、駆動信号供給用信号線SL3は、超音波診断装置本体3において送信回路19とピン9aとの間を接続する第1部分SL3−1と、超音波プローブ1内において超音波振動子11とプローブコネクタ9のピン9aとの間を接続する第2部分SL3−2とを有する。
【0037】
第2実施形態に係る超音波プローブ1及び超音波診断装置本体3内の各デバイスは、信号線SLを介して接続されている。特に、電源回路17と電子デバイス25,27,29との間を接続する信号線を電子デバイス用信号線SL5と呼ぶ。
【0038】
電子デバイス用信号線SL5は、各電子デバイス25,27,29と電源回路17とをプローブコネクタ9を経由して個別に接続する。より詳細には、電子デバイス用信号線SL5は、超音波診断装置本体3内において電源回路17とプローブコネクタ9のピン9dとの間を接続する第1部分SL5−1と、超音波プローブ1内において電子デバイス25,27,29とプローブコネクタ9のピン9dとの間を接続する第2部分SL5−2とを有する。
【0039】
第2実施形態に係る監視電圧用信号線SL2は、第1監視電圧用信号線SL21と第2監視電圧用信号線SL22とを有する。第1監視電圧用信号線SL21は、超音波プローブ1内において複数の電子デバイス25,27,29と監視電圧切替回路31との間を接続する。各第1監視電圧用信号線SL21は、各電子デバイス用信号線SL5に分岐接続され、各電子デバイス25,27,29と監視電圧切替回路31とを接続する。より詳細には、各第1監視電圧用信号線SL21は、信号線SL5−2からの分岐点P2と監視電圧切替回路31との間を接続する。第2監視電圧用信号線SL22は、監視電圧切替回路31と電圧監視回路21との間をプローブコネクタ9を経由して接続する。より詳細には、第2監視電圧用信号線SL22は、超音波プローブ1内において監視電圧切替回路31とプローブコネクタ9のピン9eとの間を接続する第1部分SL22−2と、超音波診断装置本体3内において電圧監視回路21とプローブコネクタ9のピン9eとの間を接続する第2部分SL22−1とを有する。
【0040】
電子デバイス25,27,29は、超音波プローブ1のプローブヘッド5に内蔵されても良いし、プローブコネクタ9に内蔵されても良い。電子デバイス25,27,29がプロ−ブヘッド5に内蔵される場合、分岐点P2はプローブヘッド5、プローブケーブル7、又はプローブコネクタ9に設けられる。電子デバイス25,27,29がプロ−ブコネクタ9に内蔵される場合、分岐点P2はプローブコネクタ9に設けられる。
【0041】
また、電圧監視回路21とシステム制御部15との間をプローブコネクタ9を経由して接続する信号線を第1制御用信号線SL61と呼び、参照電圧切替回路33とシステム制御部15との間を接続する信号線を第2制御用信号線SL62と呼ぶことにする。第2制御用信号線SL6は、より詳細には、超音波プローブ1内において監視電圧切替回路31とプローブコネクタ9のピン9fとの間を接続する第1部分SL62−2と、超音波診断装置本体3内においてシステム制御部15とプローブコネクタ9のピン9fとの間を接続する第2部分SL62−1とを有する。また、電源回路17と参照電圧切替回路33との間を接続する複数の信号線を第1参照電圧用信号線SL81と呼び、参照電圧切替回路33と電圧監視回路21との間を接続する信号線を第2参照用信号線SL82と呼ぶことにする。各第1参照電圧用信号線SL81は、単一の参照電圧を参照電圧切替回路33に供給する。
【0042】
電源回路17は、送信回路19を作動するための作動電圧に加え、複数の電子デバイス25,27,29を作動するための複数種類の作動電圧(電子デバイス用作動電圧を呼ぶ)を発生する。複数種類の電子デバイス用作動電圧は、電子デバイスの種類に応じて異なる値を有している。また、電源回路17は、作動電圧以外に、電圧監視回路21に供給される複数種類の参照電圧を発生することもできる。複数種類の参照電圧は、それぞれ複数種類の電子デバイス用作動電圧に応じた電圧値を有している。
【0043】
監視電圧切替回路31は、システム制御部15からプローブコネクタ9を経由して供給される制御信号に従って、複数の第1監視電圧用信号線SL21から供給される複数の作動電圧のうちの監視用の作動電圧を選択する。選択された監視用の作動電圧は、第2監視電圧用信号線SL22を介して電圧監視回路21に供給される。
【0044】
参照電圧切替回路33は、システム制御部15から供給される制御信号に従って、複数の第1参照電圧用信号線SL81から供給される複数種類の参照電圧のうちの監視用の参照電圧を選択する。監視用の参照電圧は、監視電圧切替回路31により選択された監視用の作動電圧に対応する。選択された監視用の参照電圧は、第2参照電圧用信号線SL82を介して電圧監視回路21に供給される。
【0045】
電圧監視回路21は、第2監視電圧用信号線SL22からの電圧を入力電圧とする。すなわち、電圧監視回路21は、電子デバイス用作動電圧を供給している電子デバイス用信号線SL5を、超音波プローブ1内部から再び超音波診断装置本体3に引き戻した信号線SL21,SL22からの電圧を入力電圧とする。電圧監視回路21は、超音波プローブ1からの入力電圧を利用して、電源回路17から電子デバイス25,27,29への電圧の供給状況を監視する。電圧監視回路21の詳細については後述する。
【0046】
次に、第2実施形態に係る超音波診断装置の動作例について説明する。上述のように電圧監視回路21は、監視電圧切替回路31により選択された監視用の作動電圧のみを入力電圧とする。これは、既存のプローブコネクタ9を本実施形態に利用する場合、プローブコネクタ9のピン数が限られており、全ての作動電圧を電圧監視回路21に入力することが構造的及びコスト的に困難であることが理由に挙げられる。また、全ての作動電圧について並列して監視する場合、電圧監視回路21の負担が増大してしまい、ひいては電圧監視回路21の寿命が著しく低下してしまう。このことも監視用の作動電圧のみを入力電圧することの一因に挙げられる。
【0047】
超音波診断装置1の作動中、システム制御部15は、監視用の作動電圧を選択するための制御信号(以下、作動電圧選択信号と呼ぶ)を発生する。作動電圧選択信号は、第1制御用信号線SL5を介して監視電圧切替回路31に供給される。監視用の作動電圧の種類は、ユーザにより操作部(図示せず)を介して選択されても良いし、自動的に一定時間毎に順番に選択されても良い。
【0048】
作動電圧選択信号が供給されると監視電圧切替回路31は、複数の第1監視用信号線SL31のうちの制御信号に応じた監視用の作動電圧のための第1監視電圧用信号線SL21と第2監視電圧用信号線SL22との接続を閉じ、その他の第1監視電圧用信号線SL21と第2監視電圧用信号線SL22との間の接続を開く。これにより監視用の作動電圧のみが第2監視電圧用信号線SL22を介しプローブコネクタ9を経由して電圧監視回路21に供給されることとなる。
【0049】
また、超音波診断装置1の作動中、システム制御部15は、監視用の作動電圧に対応する監視用の参照電圧を選択するための制御信号(以下、参照電圧選択信号と呼ぶ)を発生する。参照電圧選択信号は、第2制御用信号線SL7を介して参照電圧切替回路33に供給される。監視用の参照電圧は、監視用の作動電圧に応じて一意的に選択される。
【0050】
参照電圧選択信号が供給されると参照電圧切替回路33は、複数の第1参照電圧用信号線SL81のうちの制御信号に応じた監視用の作動電圧のための第1参照電圧用信号線SL81と第2参照電圧用信号線SL82との間の接続を閉じ、その他の第1参照電圧用信号線SL81と第2参照電圧用信号線SL82との間の接続を開く。これにより監視用の参照電圧のみが第2参照電圧用信号線SL82を介して電圧監視回路21に供給される。
【0051】
電圧監視回路21は、各電子デバイス用信号線SL5のプローブコネクタ9における接触不良を検出するために、第2監視電圧用信号線SL22からの入力電圧(監視用の作動電圧)が許容範囲に収まっているか否かを判定する。許容範囲は、監視用の作動電圧、換言すれば、電子デバイス25,27,29の種類に応じて設定される。各許容範囲は、各作動電圧に対応する参照電圧に応じて設定される。
【0052】
第1実施形態と同様に、電圧監視回路21は、監視電圧切替回路31により選択された入力電圧(監視用の作動電圧)をリアルタイムに、参照電圧切替回路33により選択された参照電圧と比較し、入力電圧が参照電圧よりも小さい場合、エラー信号を発生し、入力電圧が参照電圧よりも大きい場合、エラー信号を発生しない。なお、参照電圧の値は、ユーザにより任意の値に設定可能である。エラー信号は、システム制御部15に供給される。
【0053】
システム制御部15は、エラー信号が供給された場合、監視用の作動電圧の供給を受ける電子デバイス25,27,29に応じたエラー処理を実行する。例えば、システム制御部15は、電源回路17と各電子デバイス25,27,29とがプローブコネクタ9において接触不良を起こしている旨を、報知部23を介して報知する。具体的には、報知部23は、第1実施形態と同様に、電圧監視回路21からエラー信号が供給された場合、監視用の作動電圧に対応する電子デバイス25,27,29に作動電圧が供給されていない旨を報知する。また、報知部23は、システム制御部15を介して電圧監視回路21からエラー信号が供給されない場合、監視用の作動電圧に対応する電子デバイス25,27,29に正常に作動電圧が供給されている旨を報知する。
【0054】
なお、上記の第2実施形態において電源回路17と電圧監視回路21とは超音波診断装置本体3に内蔵されているとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。第1実施形態と同様に、電源回路17と電圧監視回路21との各々は、個別に超音波診断装置本体3の外側に設けられても良い。
【0055】
上記の説明の通り、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と超音波プローブ1にプローブコネクタ9を介して着脱可能に接続された超音波診断装置本体3とを有している。電源回路17は、超音波診断装置本体3に内蔵され、超音波プローブ1内の種々のデバイス13,25,27,29を作動させるための作動電圧を発生する。信号線SL1,SL4は、電源回路17からの作動電圧をデバイス13,25,27,29に供給するために電源回路17とデバイス13,25,27,29とをプローブコネクタ9を経由して接続する。電圧監視回路21は、超音波診断装置本体3に内蔵され、超音波プローブ1からの入力電圧を利用してデバイス13,25,27,29への電圧の供給状況を監視する。信号線SL2は、電圧監視回路21に入力電圧を供給するために超音波プローブ1内において信号線SL1,SL4に分岐接続されデバイス13,25,27,29と電圧監視回路21とをプローブコネクタ9を経由して接続する。
【0056】
上記構成により、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1の内部から超音波診断装置本体3に引き戻した信号線SL2からの電圧を電圧監視回路21により監視している。また、本実施形態に係る超音波診断装置は、特許文献1記載の超音波プローブとの対比で言えば、電圧監視回路21を超音波診断装置本体3内に設けている。これにより本実施形態に係る超音波診断装置は、デバイス13,25,27,29へ作動電圧を供給するための信号線SL1,SL5がプローブコネクタ9において接触不良が生じた場合であっても、デバイス13,25,27,29への作動電圧の供給状況を低コストで正確に把握することができる。また、複数のデバイス13,25,27,29の作動電圧を超音波診断装置本体3から超音波プローブ1に供給する場合であっても、電圧監視に伴うプローブコネクタ9のピン数の増加を2本で済ますことができる。
【0057】
かくして、本実施形態によれば、超音波プローブ内のデバイスの作動電圧を低コストで正確に監視することが可能となる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1…超音波プローブ、3…超音波診断装置本体、5…プローブヘッド、7…ケーブル、9…プローブコネクタ、11…超音波振動子、13…高圧スイッチ回路(HVSW回路)、15…システム制御部、17…電源回路、19…送信回路、21…電圧監視回路、23…報知部、25…FPGA、27…IC、29…ROM、31…監視電圧切替回路、33…参照電圧切替回路
図1
図2
図3
図4
図5