(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1乃至
図11を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、テーブルトップ型直交タイプの作業ロボット1の全体構成を示す斜視図である。上記作業ロボット1にはテーブル5が設けられている。このテーブル5は中空の箱であり、その内部には図示しない制御用の基板や電源装置等が設置されている。また、上記テーブル5の正面(
図1中左下側の面)には、コネクタ7、9、11や押釦スイッチ13、15、非常停止用押釦スイッチ17が設置されている。
【0010】
また、上記テーブル5には、X軸アクチュエータ19が設置されている。このX軸アクチュエータ19の下側部分(
図1中下側部分)は上記テーブル5内に収容・配置されており、上側部分(
図1中上側部分)は上記テーブル5の上方(
図1中上側)に露出・配置されている。
【0011】
上記X軸アクチュエータ19は、ハウジング21を備えていて、このハウジング21は、略U字型の断面形状を成し、上記テーブル5の長手方向(
図1中左下から右上に向かう方向、X軸方向)に延長されている。上記ハウジング21の上端部(
図1中上側端部)の幅方向(
図1中左下から右上に向かう方向)両側は、外側に向けて突出・形成され、板状の覆い部23、23となっている。
【0012】
上記ハウジング21内には、図示しないX軸モータと、このX軸モータによって回転される図示しないX軸ボールネジと、このX軸ボールネジに螺合されるX軸ボールナット(図示せず)が備えられている。そして、上記X軸ボールナットには図示しないX軸スライダが固着されている。この図示しないX軸スライダの上側部分(
図1中上側部分)は外部に露出・配置されており、ここに様々な対象物が設置される。この一実施の形態の場合は、上記図示しないX軸スライダにパレット25が設置されている。このパレット25上には、複数(この一実施の形態の場合は、5×5=25枚)の基板26が載置されている。
【0013】
また、上記ハウジング21内には、上記図示しないX軸スライダをガイドする図示しないガイド部材が設置されている。このガイド部材によって、上記X軸ボールナット(図示せず)ひいては上記図示しないX軸スライダが、上記図示しないX軸ボールネジの軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向、X軸方向)にガイドされる構成になっている。そして、上記図示しないX軸ボールネジの回転によって、上記X軸ボールナットと図示しないX軸スライダが、上記X軸ボールネジの軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向、X軸方向)にガイドされながら移動されるようになっている。
【0014】
また、上記ハウジング21の上方(
図1中上側)には上部カバ27が設置されている。この上部カバ27は、上記ハウジング21の図示しない上側(
図1中上側)の開口部を閉塞するように配置されている。また、上記図示しないX軸スライダは上記上部カバ27を跨ぐように配置されている。
【0015】
上記テーブル5には、
図1に示すように、柱体29が立設されている。そして、この柱体29には、Y軸アクチュエータ31が設置されている。
【0016】
このY軸アクチュエータ31は、ハウジング33を備えていて、このハウジング33内には図示しないY軸ボールネジと、このY軸ボールネジに螺合されるY軸ボールナット(図示せず)が備えられている。また、上記図示しないY軸ボールナットにはY軸スライダ35が固着されている。
【0017】
また、上記Y軸アクチュエータ31には駆動部カバ37が設置されている。この駆動部カバ37内には、図示しないY軸モータや、このY軸モータの出力軸に固着されたY軸モータ側タイミングプーリ(図示せず)や、上記図示しないY軸ボールネジの端部に固着されたY軸ボールネジ側タイミングプーリ(図示せず)、及び、上記Y軸モータ側タイミングプーリやY軸ボールネジ側タイミングプーリ間に巻回された図示しないタイミングベルト等が備えられている。上記Y軸モータが回転することにより、上記Y軸モータ側タイミングプーリ、タイミングベルト、Y軸ボールネジ側タイミングプーリを介して、上記Y軸ボールネジが回転されることになる。
【0018】
また、上記ハウジング33内には、上記Y軸スライダ35をガイドする図示しないガイド部材が設置されている。このガイド部材によって、上記Y軸スライダ35ひいてはY軸ボールナット(図示せず)が、上記Y軸ボールネジの軸方向(
図1中左上から右下に向かう方向、X軸方向に直交するY軸方向)にガイドされながら移動されるようになっている。
【0019】
また、上記ハウジング33にはカバ39が設置されている。このカバ39は、上記ハウジング33の開口部41を閉塞するように配置されている。上記Y軸スライダ35はこのカバ39を跨ぐように設置されている。
【0020】
上記Y軸スライダ35には、Z−R軸アクチュエータ36が設置されている。このZ−R軸アクチュエータ36は、次のような構成を成している。
【0021】
上記Z−R軸アクチュエータ36にはハウジング43が備えられている。このハウジング43は、ガイド部45とカバ部47とから構成されている。
上記ガイド部45は略U字形の断面形状を成しており、
図2、
図6、
図7に示すように、その内側の幅方向(
図6中紙面垂直方向)両側にはガイドレール49、49が設置されている。このガイドレール49には長さ方向(
図6中上下方向)に延長された凹部51が形成されている。
また、上記ガイド部45の長さ方向(
図6中上下方向)両端側底部にはストッパ53、53が設置されている。上記ストッパ53は、上記ストッパ53を貫通されるボルト55を上記ガイド部45の底部に螺合することによって固定されている。
【0022】
また、上記カバ部47は、
図8に示すように、略U字形の断面形状を成しており、
図2、
図3に示すように、開口部としての2つのスリット56、56が形成されている。
【0023】
上記ハウジング43の後端側(
図6中上側)には、ベアリングケース57が設置されている。上記ベアリングケース57には貫通孔59が形成されており、この貫通孔59内には軸受61、61が内装されている。上記軸受61は、外輪63と、この外輪63の内側に配置された内輪65と、上記外輪63と内輪65との間に転動可能に設置された複数の鋼球67と、これら鋼球67を保持するリテイナ69とから構成されている。
また、上記軸受61、61は、軸受押え70によって押えられている。
【0024】
また、上記ハウジング43の前端側(
図6中下側)には、ベアリングケース71が設置されている。上記ベアリングケース71には貫通孔73が形成されており、この貫通孔73内には軸受75、75が内装されている。この軸受75も、前述した軸受61と同様に、外輪77、内輪79、複数の鋼球81、リテイナ83とから構成されている。
また、上記軸受75、75は軸受押え84によって押えられている。
【0025】
また、上記ハウジング43内にはZ軸ボールネジ85が回転可能に設置されている。上記Z軸ボールネジ85の後端側は上記軸受61、61によって回転可能に支持されている。また、上記Z軸ボールネジ85の外周面には螺旋状の雄ネジ部87が形成されている。
【0026】
上記Z軸ボールネジ85にはZ軸ボールナット89が螺合・配置されている。このZ軸ボールナット89の内周面には螺旋状の雌ネジ部91が形成されている。また、上記Z軸ボールナット89内には図示しない無負荷循環路が形成されている。また、上記Z軸ボールナット89の前後両端(
図6中上下方向両端)にはエンドキャップ93、93が設置されており、これらエンドキャップ93、93にはそれぞれ図示しないリターン路が形成されている。そして、上記Z軸ボールナット89の雌ネジ部91と上記Z軸ボールネジ85の雄ネジ部87との間の空間(転動路)、上記無負荷循環路、及び、上記リターン路内には、複数の鋼球95が転動・循環している。この鋼球95によって、上記Z軸ボールナット89の移動が円滑なものとされる。
【0027】
また、上記Z軸ボールナット89にはZ軸スライダ97が固着されている。このZ軸スライダ97には貫通孔99が形成されており、この貫通孔99の後端側(
図6中上側)に上記Z軸ボールナット89が固着されている。
【0028】
また、上記Z軸スライダ97の前後両端(
図6中上下方向両端)の
図6中紙面垂直方向奥側にはエンドキャップ101、101が設置されている。また、上記Z軸スライダ97の前後両端(
図6中上下方向両端)の
図6中紙面垂直方向手前側にも、
図7に示すように、それぞれエンドキャップ101、101が設置されている。これらエンドキャップ101、101、101、101内にはそれぞれ図示しないリターン路が形成されている。
【0029】
また、上記Z軸スライダ97の幅方向両側(
図6中紙面垂直方向両側)には凹部が形成された図示しないガイドレールが備えられている。また、上記Z軸スライダ97内には
図6中紙面垂直方向奥側と
図6中紙面垂直方向手前側それぞれに図示しない無負荷循環路が形成されている。
【0030】
そして、
図6中紙面垂直方向奥側において、上記Z軸スライダ97内の図示しない無負荷循環路と上記エンドキャップ101、101内のリターン路、及び、上記Z軸ガイドレール49の凹部51と上記Z軸スライダ97の図示しないガイドレールの凹部との間の空間(転動路)内には、図示しない複数の鋼球が循環している。また、
図6中紙面垂直方向手前側においても同様に、上記Z軸スライダ97内の図示しない無負荷循環路と上記エンドキャップ101、101内のリターン路、及び、上記Z軸ガイドレール49の凹部51と上記Z軸スライダ97の図示しないガイドレールの凹部との間の空間(転動路)内に、図示しない複数の鋼球が循環している。
【0031】
この図示しない複数の鋼球によって上記Z軸スライダ97の移動が円滑なものとなる。また、上記図示しない複数の鋼球とガイド部45のZ軸ガイドレール49や上記Z軸スライダ97の
図6中紙面垂直方向奥側の図示しないガイドレールとの相互作用、及び、上記図示しない複数の鋼球とガイド部45の図示しないガイドレールや上記Z軸スライダ97の
図6中紙面垂直方向手前側の図示しないガイドレールとの相互作用により、上記Z軸スライダ97ひいては上記Z軸ボールナット89のZ軸ボールネジ85軸心周りの回転が防止されている。そして、上記Z軸ボールネジ85の回転によって、上記Z軸ボールナット89やZ軸スライダ97が前後方向(
図6中上下方向、X軸及びY軸に直交するZ軸方向)に移動される。
【0032】
また、例えば、
図8に示すように、上記Z軸スライダ97の反ガイド部45側(
図8中左側)には、取付対象物固定部102、102が突出・形成されている。これら取付対象物固定部102、102は、カバ部47のスリット26、26を貫通して、ハウジング43外部へと突出・配置されている。すなわち、上記Z軸スライダ97の一部が、上記スリット26、26を貫通して、上記ハウジング43の外部に露出されている。
また、
図2に示すように、上記取付対象物固定部102、102には、複数(この一実施の形態の場合には、1つの上記取付対象物固定部102につき2つ)の位置決め用穴102a、102aと、複数(この一実施の形態の場合には、1つの上記取付対象物固定部102につき3つ)の雌ネジ部102b、102b、102bが形成されている。
【0033】
また、上記Z軸スライダ97の貫通孔99の前端側(
図6中下側)には、軸受103、103が内装されている。これら軸受103、103も、前述した軸受61と同様に、外輪105、内輪107、複数の鋼球109、リテイナ111とから構成されている。
また、上記軸受103、103は軸受押え112によって押えられている。
【0034】
上記Z軸スライダ97には、中空ロッド113が回転可能に設置されている。この中空ロッド113は、その後端側(
図6中上側)を上記Z軸スライダ97の軸受103、103によって回転可能に支持されている。上記中空ロッド113の内側には中空部115が形成されており、この中空部115内部に上記Z軸ボールネジ85が収容・配置されている。
また、この中空ロッド113は、いわゆる、スプラインシャフトでもあり、外周側には、
図3、
図8に示すように、長さ方向(
図3中上下方向)に延長された、4本のスプライン溝117、117、117、117が形成されている。
【0035】
また、
図6に示すように、上記中空ロッド113の外周面にはスプラインナット119が設置されていて、これら中空ロッド113とスプラインナット119は、軸方向に対しては相互に移動可能な状態にあり、回転方向に対しては相互に拘束された状態にある。このスプラインナット119はフランジ付の円筒形状を成しており、
図9に示すように、内周面には長さ方向(
図9中紙面垂直方向)に延長された4本のスプライン溝121、121、121、121が形成されている。
【0036】
また、上記スプラインナット119の内部には、
図9に示すように、上記スプライン溝121、121の前端側(
図9中紙面垂直方向手前側)と後端側(
図9中紙面垂直方向奥側)に連通された無負荷循環路123、123が形成されている。また、上記中空ロッド113のスプライン溝117と上記スプラインナット119の内周面のスプライン溝121との間の空間(転動路)と上記スプラインナット119の無負荷循環路123の前端側(
図9中紙面垂直方向手前側)と後端側(
図9中紙面垂直方向奥側)は、それぞれ図示しないリターン路によって連通されている。
【0037】
この一実施の形態の場合には、上記無負荷循環路と上記リターン路が設けられた図示しない保持部材が上記スプラインナット119に4つ内装されている構成になっている。
なお、リターン路を備えたリターンキャップを両端に設置して、上記中空ロッド113のスプライン溝117と上記スプラインナット119の内周面のスプライン溝121との間の空間(転動路)と上記無負荷循環路123とを連通させる構成であってもよい。
【0038】
また、上記中空ロッド113のスプライン溝117と上記スプラインナット119の内周面のスプライン溝121との間の空間(転動路)、上記リターン路、及び、上記スプラインナット119の無負荷循環路123内には複数の鋼球125が転動・循環している。この複数の鋼球125の転動・循環により、上記中空ロッド113の上記スプライン溝117に沿った移動、すなわち、Z軸方向への円滑な移動が保障される。
【0039】
また、上記中空ロッド113の先端(
図6中下端)には、取付部127が設置されている。この取付部127には取付対象物が取り付けられる。この一実施の形態では、後述するように、上記取付部127に、取付用フレーム34aを介して、半田ごて34bが取り付けられる。
また、この取付部127には、その他にも、工具等の各種作業具が取り付けられる場合が考えられる。
【0040】
また、上記ハウジング43の後端側(
図6中上側)には、上記Z軸ボールネジ85を回転・駆動するためのZ軸モータユニット129がブラケット131を介して設置されている。
上記Z軸モータユニット129には、まず、Z軸ボールネジ用モータ133が備えられている。このZ軸ボールネジ用モータ133は、モータハウジング135と、このモータハウジング135の内周面側に設置されたステータ137と、このステータ137の内側に回転可能に配置されたロータ139と、上記モータハウジング135の前後側に突出されると共に上記ロータ139が固着され、上記モータハウジング135内に回転可能に設けられた出力軸141とから構成されている。
【0041】
また、上記Z軸ボールネジ用モータ133の後端側(
図6中下側)には、エンコーダ143が設置されている。このエンコーダ143には、上記Z軸ボールネジ用モータ133の出力軸141の後端側(
図6中下側)に固着されるとともに図示しないスケールが設けられたエンコーダホイール145と、このエンコーダホイール145の後方側(
図6中下側)に設置されるとともに上記エンコーダホイール145に光を照射する図示しない発光部や上記エンコーダホイール145による反射光を検出する図示しないセンサ等の電子部品が実装された基板147が備えられている。また、上記エンコーダホイール145や上記基板147は、上記Z軸ボールネジ用モータ133の後端側(
図6中後側)に取り付けられたエンコーダカバ149によって覆われている。
【0042】
上記Z軸ボールネジ用モータ133の出力軸141が回転されると、上記基板147上の図示しないセンサによって検出される上記エンコーダホイール145による反射光の強度が変化し、これにより上記Z軸ボールネジ用モータ133の回転を検出する。
【0043】
また、上記Z軸ボールネジ用モータ133の前端側(
図6中上側)には、ベアリングケース151が備えられている。このベアリングケース151は、上部ケース153と下部ケース155とから構成されている。
【0044】
上記上部ケース153には貫通孔157が形成されている。この貫通孔157の前端側(
図6中上側)には軸受159、159が内装されている。この軸受159も、前述した軸受61と同様に、外輪161、内輪163、複数の鋼球165、リテイナ167とから構成されている。
また、上記軸受159、159は軸受押え168によって押えられている。
【0045】
また、上記貫通孔157の後端側(
図6中下側)には電磁ブレーキ169が内装されている。この電磁ブレーキ169には、本体171と、この本体171を貫通するとともに上記軸受159によって回転可能に支持された電磁ブレーキ回転軸173が備えられている。そして、この電磁ブレーキ回転軸173には略円板状のブレーキ板175が固着されている。
【0046】
上記本体171内には電磁石177が内装されている。また、上記本体171には複数(本実施の形態の場合には3本)のネジ179が立設されており、このネジ179と上記電磁ブレーキ回転軸173を貫通するアーマチュア181とサイドプレート183が設置されている。上記ブレーキ板175は上記アーマチュア181と上記サイドプレート183との間に配置されている。
【0047】
また、上記本体171内には上記電磁ブレーキ回転軸173に貫通されたコイルバネ185が設置されている。また、上記本体171の先端側(
図6中上側)にはバネ押え184が設置されており、上記コイルバネ185は上記バネ押え184と上記アーマチュア181との間に介挿されている。
【0048】
上記アーマチュア181は、常時は上記コイルバネ185の弾性力によって
図6中下側に付勢されている。このときは、上記アーマチュア181は上記ブレーキ板175に押し付けられており、上記電磁ブレーキ回転軸173の回転が規制されている。しかし、上記電磁石177に通電を行うと、上記コイルバネ185の弾性力に抗して上記アーマチュア181が
図6中上側に移動し、上記アーマチュア181と上記ブレーキ板175との接触が解除される。これにより、上記電磁ブレーキ回転軸173の回転の規制が解除される。
【0049】
また、上記下部ケース155には貫通孔187が形成されている。この貫通孔187内には上記電磁ブレーキ回転軸173の後端部(
図6中下側部分)が配置されている。
上記電磁ブレーキ回転軸173と上記Z軸ボールネジ用モータ133の出力軸171とは、上記下部ケース155の貫通孔187内において、カップリング188によって連結されている。
【0050】
また、上記電磁ブレーキ回転軸173の前端側(
図6上側部分)には、Z軸モータ側タイミングプーリ189が固着されているとともに、Z軸ボールネジ85の後端側(
図6中上側)にはZ軸ボールネジ側タイミングプーリ191が固着されている。このZ軸モータ側タイミングプーリ189とZ軸ボールネジ側タイミングプーリ191との間にはタイミングベルト193が巻回され、上記Z軸ボールネジ用モータ133の出力軸141の回転が上記Z軸ボールネジ85へと伝達される。
【0051】
また、上記下部ケース155は、下部ケース155を貫通し、上記上部ケース153に螺合されるボルト195、195、195、195によって固定されている。
なお、
図1に示すように、上記Z軸モータユニット129、Z軸モータ側タイミングプーリ189、及び、Z軸ボールネジ側タイミングプーリ191は駆動部カバ197によって覆われている。
【0052】
また、ハウジング43の前端側(
図6中下側)のベアリングケース71には、ブラケット199を介して、中空ロッド用モータユニット201が設置されている。
まず、この中空ロッド用モータユニット201には、中空ロッド用モータ203が備えられている。
この中空ロッド用モータ203は、モータハウジング205と、このモータハウジング205の内周面側に設置されたステータ207と、このステータ207の内側に配置されたロータ209と、上記モータハウジング205の前後側に突出されると共に上記ロータ209が固着され、上記モータハウジング205内に回転可能に設けられた出力軸211とから構成されている。
【0053】
また、上記中空ロッド用モータ203の後端側(
図6中上側)には、エンコーダ213が設置されている。このエンコーダ213には、上記中空ロッド用モータ203の出力軸211の後端側(
図6中上側)に固着されるとともに図示しないスケールが設けられたエンコーダホイール215と、このエンコーダホイール215の後方側(
図6中上側)に設置されるとともに上記エンコーダホイール215に光を照射する図示しない発光部や上記エンコーダホイール215による反射光を検出する図示しないセンサ等の電子部品が実装された基板217が備えられている。また、上記エンコーダホイール215や上記基板217は、上記中空ロッド用モータ203の後端側(
図6中上側)に取り付けられたエンコーダカバ219によって覆われている。
なお、この一実施の形態の場合は、上記エンコーダ213として、インクリメンタル方式のエンコーダが用いられている。
【0054】
上記中空ロッド用モータユニット201の前端側(
図6中下側)には、ベアリングケース221が備えられている。このベアリングケース221には貫通孔223が形成されており、この貫通孔223内には軸受225、225が内装されている。この軸受225も、前述した軸受61と同様に、外輪227、内輪229、複数の鋼球231、リテイナ233とから構成されている。
また、上記軸受225、225は軸受押え234によって押えられている。
【0055】
上記中空ロッド用モータ203の出力軸211にはタイミングプーリ取付軸235が連結されている。このタイミングプーリ取付軸235は上記軸受225、225に回転可能に支持されている。
また、上記タイミングプーリ取付軸235の前端側(
図6中下側)には中空ロッド用モータ側タイミングプーリ237が固着されている。
【0056】
また、スプラインナット119には、中空ロッド側タイミングプーリ239が固着されている。この中空ロッド側タイミングプーリ239と上記中空ロッド用モータ側タイミングプーリ237にはタイミングベルト241が巻回されており、上記中空ロッド用モータ203の出力軸211の回転が中空ロッド113に伝達されるようになっている。上記中空ロッド側タイミングプーリ239は、上記スプラインナット119のフランジ部243を貫通し上記中空ロッド側タイミングプーリ239に螺合されるボルト245、245、245、245によって固定されている。
【0057】
また、スプラインナット119は中空ロッド側タイミングプーリ239を介して軸受75、75によって回転可能に支持されるとともに、上記中空ロッド113に鋼球125を介して回転方向に対して相互に拘束された状態で取り付けられている。そのため、上記中空ロッド側タイミングプーリ239の回転により上記中空ロッド113はZ軸心周りに回転される。
【0058】
また、上記スプラインナット119の近傍にはセンサ249が配置されている。このセンサ249は、例えば、上記中空ロッド113をZ軸心周りの回転について原点復帰動作を行った際、上記中空ロッド113の回転角度が原点に戻っているか否かを確認するためのものである。
【0059】
また、上記中空ロッド113の取付部127には、円板状の半田ごて用取付フレーム261が固着されている。また、この半田ごて用取付フレーム261の外周部には、Z軸方向下側(
図1中下側)にZ軸(
図1中上下方向の軸、X軸方向及びY軸方向に直交する軸)に対して傾斜された状態で、半田ごて263が設置されている。この半田ごて263は、上記中空ロッド113の移動によりZ軸方向(
図1中上下方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向)へ移動されるとともに、上記中空ロッド113の回転によりその向きが適宜変更される。また、この半田ごて263によって、パレット25上の基板26に対して半田付けを行う。
【0060】
また、前述したようにZ軸スライダ97の取付対象物固定部102、102は、カバ部47のスリット26、26を貫通して、ハウジング43外部へと突出・配置されているが、上記取付対象物固定部102、102には、カメラ用取付フレーム265を介してカメラ267が設置されている。上記取付対象物固定部102の位置決め用穴102aは、上記カメラ用取付フレーム265に形成された図示しないボスが挿入され、上記Z軸スライダ97に対する上記カメラ用取付フレーム265の位置決めが行われる。また、図示しない固定ねじを上記カメラ用取付フレーム265の図示しない貫通孔を貫通させて上記雌ネジ部102bに螺合させ、それによって、上記カメラ用取付フレーム265を上記Z軸スライダ97に対して固定する。また、上記カメラ267によって、上記半田ごて263による半田付け作業が終了した基板26を撮像し、半田付け作業が適切に行われているか否かを確認する。
【0061】
また、
図7、
図10に示すように、上記中空ロッド側タイミングプーリ239の外周面には、ロッド側ストッパ271が設置されている。このロッド側ストッパ271の基端側(
図7中右側)には、雄ネジ部273が形成されているとともに、上記中空ロッド側タイミングプーリ239には、雌ネジ部275が形成されており、上記ロッド側ストッパ271の雄ネジ部273が上記雌ネジ部275に螺合されることにより、上記ロッド側ストッパ271が上記中空ロッド側タイミングプーリ239に着脱可能に取り付けられている。
また、
図10に示すように、上記ロッド側ストッパ271には、弾性材料からなる緩衝材271aが被冠されている。
【0062】
また、前述したように、上記ロッド側ストッパ271が設置されている上記中空ロッド側タイミングプーリ239はスプラインナット119に固着されており、上記中空ロッド113は上記スプラインナット119に対して軸方向に対しては相互に移動可能な状態にあるが、回転方向に対しては相互に拘束された状態にある。そのため、上記ロッド側ストッパ271は、上記中空ロッド113のZ軸心周りの回転に伴う上記スプラインナット119と上記中空ロッド側タイミングプーリ239のZ軸心周りの回転により、上記中空ロッド113の外周側の円形の軌道上を移動することになる。
【0063】
また、上記中空ロッド側タイミングプーリ239の外周側であって、上記ロッド側ストッパ271より
図7中上側には、樹脂製の滑り軸受け部材276を介して回転部材277が設置されている。この回転部材277は、上記中空ロッド側タイミングプーリ239に対して回転可能となっている。
図10に示すように、上記回転部材277の上記ロッド側ストッパ271側(
図10中紙面垂直方向手前側)には、回転部材側第1ストッパ279が設置されている。この回転部材側第1ストッパ279の基端側(
図10中紙面垂直方向奥側)には図示しない雄ネジ部が形成されているとともに、上記回転部材277には図示しない雌ネジ部が形成されている。上記回転部材側第1ストッパ279の雄ネジ部を上記回転部材277の図示しない雌ネジ部に螺合することにより、上記回転部材側第1ストッパ279が上記回転部材277に対して着脱可能に取り付けられる。
また、
図10に示すように、上記回転部材側第1ストッパ279には、弾性部材からなる緩衝材279aが被冠されている。
【0064】
また、
図7、
図10に示すように、上記回転部材277の反ロッド側ストッパ271側(
図7中上側、
図10中紙面垂直方向奥側)であって、上記回転部材側第1ストッパ279に対して180°隔たった位置には、回転部材側第2ストッパ281が設置されている。この回転部材側第2ストッパ281の基端側(
図7中下側、
図10中紙面垂直方向手前側)には雄ネジ部283が形成されているとともに、上記回転部材277には雌ネジ部285が形成されていて、上記回転部材側第2ストッパ281の雄ネジ部283を上記雌ネジ部285に螺合させることにより、上記回転部材側第2ストッパ281が上記回転部材277に対して着脱可能に取り付けられている。
また、上記回転部材側第2ストッパ281にも、弾性材料からなる緩衝材281aが被冠されている。
【0065】
上記回転部材277は、上記中空ロッド側タイミングプーリ239が回転され、上記ロッド側ストッパ271が上記回転部材側第1ストッパ279に当接されると、上記中空ロッド側タイミングプーリ239によって付勢され、上記中空ロッド側タイミングプーリ239の回転方向と同方向に回転される。また、上記中空ロッド側タイミングプーリ239の回転方向によって、上記回転部材側第1ストッパ279は、
図11(a)に示すように、2つの方向(
図11(a)中上側及び下側)から、上記ロッド側ストッパ271により当接される。
【0066】
このような構成により、上記中空ロッド側タイミングプーリ239ひいては上記中空ロッド113は、上記回転部材277に対して、ロッド側ストッパ271が上記回転部材277の回転部材側第1ストッパ279に当接するまで回転することができる。本実施の形態の場合は、
図11(a)に示すように、上記中空ロッド側タイミングプーリ239(中空ロッド113)は、上記回転部材277に対して340°回転できるようになっている。
なお、上記中空ロッド側タイミングプーリ239(中空ロッド113)の上記回転部材277に対する回転可能な角度は、例えば、上記回転部材側第1ストッパ279の大きさによって設定される。
【0067】
また、
図7、
図10に示すように、ベアリングケース71の先端側の面(
図7中下側の面、
図10中紙面垂直方向手前側の面)には、回転範囲規制部材287が着脱可能に設置されている。この回転範囲規制部材287は、略コの字型の形状を成しており、その両端には第1回転規制部288、第2回転規制部290がそれぞれ設けられている。上記回転部材側第2ストッパ281は、上記回転範囲規制部材287の内側に配置されている。すなわち、上記回転範囲規制部材287の上記第1回転規制部288、第2回転規制部290は、上記回転部材側第2ストッパ281の軌道上に位置している。そのため、上記回転部材277は、上記回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287の第1回転規制部288(
図11(b)中上側)又は上記回転範囲規制部材287の第2回転規制部290(
図11(c)中下側)に当接される範囲内で回転可能に構成されている。この一実施の形態の場合は、
図11(b)及び
図11(c)に示すように、上記回転部材277は、40°回転できるようになっている。
なお、この上記回転部材277の回転可能な角度は、例えば、上記回転範囲規制部材287の内側部分の寸法によって設定される。
【0068】
既に説明したように、上記中空ロッド側タイミングプーリ239(中空ロッド113)は、上記回転部材277に対して340°回転できるようになっている。
そして、上記回転部材277は、上記したように、40°回転できるようになっているので、結局、上記中空ロッド113は、340°+40°=380°回転できることになる。
【0069】
また、上記中空ロッド113が回転可能範囲の何れかの端まで回転されたときに、エンコーダ213をリセットすることで、上記中空ロッド113の回転位置の原点が設定される。
【0070】
また、
図1に示すように、上記中空ロッド用モータユニット201、中空ロッド用モータ側タイミングプーリ237、及び、中空ロッド側タイミングプーリ239は駆動部カバ291によって覆われている。
【0071】
次に、この一実施の形態による作用について説明する。
上記作業ロボット1は、X軸アクチュエータ19の図示しないX軸モータを駆動させて図示しないX軸スライダをX軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向)に移動させる。これにより、上記図示しないX軸スライダ上に固着されたパレット25、及び、このパレット25上に載置された複数(この一実施の形態の場合は、5×5=25枚)の基板26をX軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向)に移動させる。
【0072】
また、上記作業ロボット1は、Y軸アクチュエータ31の図示しないY軸モータを駆動させてY軸スライダ35をY軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向)に移動させる。これにより、Z−R軸アクチュエータ36をY軸方向(
図1中左下から右上に向かう方向)に移動させる。
【0073】
そして、上記作業ロボット1は、上記Z−R軸アクチュエータ36のZ軸ボールネジ用モータ133を駆動させることにより、Z軸スライダ97ひいては中空ロッド113をZ軸方向(
図1中上下方向)に移動させる。これにより、上記中空ロッド113に半田ごて用取付フレーム261を介して取り付けられた半田ごて263と、上記Z軸スライダ97にカメラ用取付フレーム265を介して取り付けられたカメラ267がZ軸方向(
図1中上下方向)に移動される。
【0074】
また、上記Z−R軸アクチュエータ36の中空ロッド用モータ203を駆動させることにより、スプラインナット119ひいては上記中空ロッド113を、Z軸心周り(
図5中時計回り方向又は反時計回り方向、R方向)に回転させる。これにより、上記中空ロッド113に半田ごて用取付フレーム261を介して取り付けられた半田ごて263がZ軸心周り(
図5中時計回り方向又は反時計回り方向、R方向)に回転される。また、上記半田ごて263は、Z軸(
図1中上下方向の軸、X軸方向及びY軸方向に直交する軸)に対して傾斜された状態で設置されているため、上記中空ロッド113のZ軸心周り(
図5中時計回り方向又は反時計回り方向、R方向)の回転により、上記半田ごて263の向きを変えることができる。
【0075】
また、上記中空ロッド113の回転可能な角度は、回転部材側第1ストッパ279と回転部材側第2ストッパ281が設置された回転部材277を介して、回転範囲規制部材287によって規制されている。
例えば、
図11(a)に実線で示すように、上記中空ロッド113が一方向(
図11(a)中時計方向)に回転されると、中空ロッド側タイミングプーリ239も回転されるが、このとき上記中空ロッド側タイミングプーリ239に設置されたロッド側ストッパ271が上記回転部材277の回転部材側第1ストッパ279に当接され、上記回転部材277も付勢されて回転される。そして、
図11(b)に示すように、上記回転部材277の回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287の第1回転規制部288に当接され、上記中空ロッド側タイミングプーリ239ひいては上記中空ロッド113の一方向への回転量が規制されることになる。
【0076】
また、
図11(a)中仮想線で示すように、上記中空ロッド113が他方向(
図11(a)中反時計方向)に回転されると、中空ロッド側タイミングプーリ239も回転されるが、このとき上記中空ロッド側タイミングプーリ239に設置されたロッド側ストッパ271が上記回転部材277の回転部材側第1ストッパ279に反対側から当接され、上記回転部材277も付勢されて回転される。そして、
図11(c)に示すように、上記回転部材277の回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287の第2回転規制部290に当接され、上記中空ロッド側タイミングプーリ239ひいては上記中空ロッド113の他方向への回転量が規制されることになる。
【0077】
なお、上記中空ロッド113の回転量は、上記回転部材277の回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287の第1回転規制部288、第2回転規制部290に当接される手前の範囲でソフト的手法により制御されるように構成されている。すなわち、上記中空ロッド113の回転角度は、エンコーダ213によって検出され、それに基づいて、上記制御、すなわち、上記回転部材277の回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287の第1回転規制部288、第2回転規制部290に当接される手前の範囲で規制される制御が行われるように構成されている。
【0078】
次に、この一実施の形態による効果について説明する。
まず、ハウジング43のカバ部47にスリット26、26を形成するとともに、Z軸スライダ97に取付対象物固定部102、102を形成し、上記Z軸スライダ97の取付対象物固定部102、102が上記スリット26、26を貫通して上記ハウジング43の外部に露出されているので、中空ロッド113の取付部127に取付対象物を取付けるだけでなく、上記Z軸スライダ97にも、取付対象物固定部102、102を介して取付対象物を取付けることができる。
この一実施の形態の場合には、上記中空ロッド113に半田ごて34bを設置し、上記Z軸スライダ97にカメラ34dを設置しており、半田付け作業と確認作業の両方を同時に行わせることができる。
よって、中空ロッド113に取り付けられる取付対象物とは別の取付対象物を取り付けるために別のアクチュエータを設置する必要はなく、構成を簡略化・小型化させ、コストの低減を図ることができる。
【0079】
また、例えば、上記中空ロッド113の取付部127に機器を取付け、この機器の付属物やケーブルを上記Z軸スライダ97に取り付けることもできる。この場合、上記機器の付属物やケーブルを上記Z軸スライダ97に取り付けることにより、上記機器と上記付属物やケーブル等の干渉等を防止して作業空間の有効利用を図ることができ、上記ケーブルの撓みや断線を防止することもできる。
また、上記中空ロッド113は上記Z軸スライダ97に設置されているため、上記中空ロッド113と上記Z軸スライダ97のZ軸(
図1中上下方向の軸、X軸方向及びY軸方向に直交する軸)方向の移動は同期されており、よって、同期のための新たな構成は不要であり、また、同期を実現するための煩雑な制御も不要であり、構成の簡略化、制御の容易化を図ることができる。
【0080】
また、中空ロッド113の回転可能な角度は、回転部材側第1ストッパ279と回転部材側第2ストッパ281が設置された回転部材277を介して、回転範囲規制部材287によって規制されているため、簡易な構成により、上記中空ロッド113の回転を360°以上の所定の範囲で規制することができる。
なお、上記中空ロッド113の回転を360°以上の所定の範囲で規制することができるのは、上記中空ロッド113のロッド側ストッパ271が上記回転部材277回転部材側第1ストッパ279に当接しても、上記回転部材277の回転部材側第2ストッパ281が上記回転範囲規制部材287に当接するまでは、更に回転できることによる。
【0081】
また、上記中空ロッド113の回転を360°以上の所定の範囲で規制しているので、上記中空ロッド113の過剰な回転が防止され、例えば、取付部127に設置された半田ごて263の図示しない電源コードが上記Z−R軸アクチュエータ36等に絡まって断線してしまうこと等を防止することができる。
また、上記中空ロッド113の回転を、上記回転範囲規制部材287が設置された機械的な構成によって規制しているため、上記中空ロッド113の回転可能範囲の一方の端をエンコーダ213の原点位置として利用することができる。このように、機械的な構成によって上記エンコーダ213の原点を設定できるため、上記エンコーダ213はインクリメンタル方式のエンコーダでよく、コストを低減させることができる。
【0082】
また、上記回転範囲規制部材287は着脱可能に設置されているため、予め、第1回転規制部288と第2回転規制部290の間隔が異なる複数種類の回転範囲規制部材287を用意しておき、回転範囲規制部材287を適宜交換することにより、上記中空ロッド113の回転可能な角度範囲の変更を行うことができる。
また、上記ロッド側ストッパ271、上記回転部材側第1ストッパ279、上記回転部材側第2ストッパ281は、着脱可能に設置されているため、上記中空ロッド113の回転可能範囲が規制される状態と、上記中空ロッド113の回転可能範囲が規制されない状態とを容易に切り替えることができる。
【0083】
また、上記ロッド側ストッパ271、上記回転部材側第1ストッパ279、上記回転部材側第2ストッパ281には、弾性材料からなる緩衝材271a、279a、281aが被冠されているため、上記ロッド側ストッパ271と上記回転部材側第1ストッパ279、及び、上記回転部材側第2ストッパ281と上記回転範囲規制部材287の第1回転規制部288、第2回転規制部290が当接された際の衝撃や音を低減させることができる。
【0084】
また、本実施の形態によると、煩雑な制御を要することなく、構成の簡略化、装置の小型化を図ることができる。
すなわち、Z軸ボールネジ85と、このZ軸ボールネジ85とは別に回転される中空ロッド113が同軸上に配置されていて、且つ、中空ロッド113には中空部115が形成されており、この中空部内に上記Z軸ボールネジ85が収容されるようになっているので、上記Z−R軸アクチュエータ36の小型化と構成の簡略化を図ることができる。
【0085】
また、上記Z軸ボールネジ85はZ軸ボールネジ用モータ133によって回転され、上記中空ロッド113は中空ロッド用モータ203によって回転される。すなわち、上記Z軸ボールネジ85と上記中空ロッド113とは、それぞれ別々に回転可能となっている。そのため、例えば、上記中空ロッド113を回転させた場合に上記Z軸ボールネジ85までもが回転されて上記中空ロッド113の位置がずれてしまうことはなく、上記中空ロッド113の位置を調整するための複雑な制御を不要とすることができる。
【0086】
ちなみに、上記したように、中空ロッド113には中空部115が形成されており、この内部に上記Z軸ボールネジ85が収容されるようになっているので、上記中空ロッド113がZ軸方向に移動しても、上記中空ロッド113と同軸上に配置された上記Z軸ボールネジ85とが互いに干渉することはない。
【0087】
なお、本発明は、前記一実施の形態に限定されない。
まず、前記一実施の形態の場合には、二つのスリット56、56を設け、スライダ97の取付対象物固定部102、102を露出・配置させるようにしたが、大きな一つの開口部を設け、スライダ97の上面側を大きく露出・配置させるような構成でもよい。
また、前記一実施の形態では、上記中空ロッド113の回転可能範囲を380°に設定しているが、これに限定されるものではなく、回転範囲規制部材287の位置、形状、大きさなどを適宜変更することにより、様々な回転可能範囲を設定することができる。
また、上記中空ロッド113の回転可能範囲を設定するための構成としても様々なものが考えられ、例えば、回転範囲規制部材を2つの部材としてもよい。
【0088】
また、上記回転範囲規制部材287にも緩衝材を設置してもよい。
また、上記ロッド側ストッパ271と上記回転部材側第1ストッパ279の何れか一方に緩衝材を設けるようにしてもよい。
また、上記回転部材側第2ストッパ281と上記回転範囲規制部材287の何れか一方に緩衝材を設けるようにしてもよい。
【0089】
また、回転部材側第1ストッパ279のZ軸心周りの位置に対する回転部材側第2ストッパ281の位置も、様々な場合が考えられる。
例えば、Z軸ボールネジ85を回転・駆動させるZ軸ボールネジ用モータ133を備えたZ軸モータユニット129は上記Z軸ボールネジ85に平行に配置されているが、このZ軸モータユニット129を上記Z軸ボールネジ85と同軸上に配置する場合も考えられる。この場合、Z−R軸アクチュエータ36の上下方向(
図6中上下方向)での大きさが増加してしまうものの、水平方向(
図6中紙面に垂直な面に平行な方向)での小型化を図ることができる。
【0090】
また、前記一実施の形態ではZ軸ボールネジ85とZ軸ボールナット89を用いたが、その他のネジ・ナット機構を用いてもよい。勿論、X軸ボールネジとX軸ボールナット、Y軸ボールネジとY軸ボールナットについても同様である。
【0091】
また、上記Z軸モータユニット129には電磁ブレーキ169が備えられているが、中空ロッド用モータ203が備えられた中空ロッド用モータユニット201にも電磁ブレーキが備えられる構成も考えられる。
また、上記Z−R軸アクチュエータ36は、水平、垂直多関節ロボット(スカラーロボット)のZ−R軸アクチュエータ等、様々な種類のロボットの様々な用途のアクチュエータとして用いられることが考えられる。
その他、本発明は、図示した構成に限定されず、様々な変形が考えられる。