特許第6334942号(P6334942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334942医用画像処理装置及び医用画像処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334942
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】医用画像処理装置及び医用画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20180521BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20180521BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20180521BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20180521BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61B6/03 360D
   A61B5/00 D
   A61B5/05 380
   G01T1/161 C
   G06T1/00 290A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-25723(P2014-25723)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-150157(P2015-150157A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】木本 達也
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−531543(JP,A)
【文献】 特開2011−212314(JP,A)
【文献】 特表2008−529641(JP,A)
【文献】 特開2012−096085(JP,A)
【文献】 特開2011−212312(JP,A)
【文献】 特開2011−206155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/01
A61B 5/055
A61B 6/00 − 6/14
G01T 1/161 − 1/166
G06T 1/00
CSDB(日本国特許庁)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像から肺動脈領域を抽出する肺動脈抽出部と、
前記肺動脈抽出部で抽出した肺動脈領域から、気管支領域の存在確率を算出する存在確率算出部と、
前記存在確率算出部により算出された存在確率に基づいて、前記気管支領域を強調した画像を生成する強調画像生成部とを具備する医用画像処理装置。
【請求項2】
前記強調画像生成部で生成された画像を表示する表示部をさらに備える請求項1記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記強調画像生成部で生成された画像を用いて、気管支領域を抽出する気管支抽出部をさらに備え、
前記表示部は、前記気管支抽出部で抽出された気管支領域を、前記医用画像に重ね合わせて表示する請求項記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記存在確率算出部により算出された存在確率に基づいて、カラーマップ画像を生成するマップ画像生成部をさらに備え、
前記表示部は、前記マップ画像生成部で生成されたカラーマップ画像を表示する請求項記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記存在確率算出部は、前記肺動脈抽出部で抽出された領域の中心点及び直径から推定される気管支領域の中心点から放射に伸びる直線上で計算する請求項1記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
医用画像処理装置で使用される医用画像処理方法であって、
前記医用画像処理装置が、医用画像から肺動脈領域を抽出し、
前記医用画像処理装置が、前記抽出した肺動脈領域から、気管支領域の存在確率を算出し、
前記医用画像処理装置が、前記存在確率に基づいて、前記気管支領域を強調した画像を生成する医用画像処理方法。
【請求項7】
医用画像処理装置により実行されるプログラムであって、前記医用画像処理装置を
医用画像から肺動脈領域を抽出する肺動脈抽出部と、
前記肺動脈抽出部で抽出した肺動脈領域から、気管支領域の存在確率を算出する存在確率算出部と、
前記存在確率算出部により算出された存在確率に基づいて、前記気管支領域を強調した画像を生成する強調画像生成部と、
して動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、X線CT装置、MRI装置などの画像診断機器を用いて得られた画像データを処理する医用画像処理装置及び医用画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などの画像診断機器を用いて得られた画像データに対する画像フィルタがある。この画像フィルタは、特に、画像データ上で気管支領域を強調する際に使用されるものである。例えば、気管支の診断では、気管支の壁厚や狭窄を定量的に診断する場合があるが、この画像フィルタ後の画像を用いることで、気管支内腔及び気管支壁のセグメンテーション精度が向上することが期待できる。
【0003】
従来の方法として、一般的な強調フィルタを用いる方法がある。具体的には、まず、ソーベルフィルタなどの輪郭強調フィルタを適用する。その後、原画像にフィルタ画像を足し込むことで、画像輪郭付近を強調した画像を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−136765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の方法では、画像全体にフィルタ処理を施すため、処理時間がかかる。また、解剖学的な情報が考慮されていないので、ノイズに弱い傾向にある。
【0006】
目的は、気管支領域の定量的な診断の際に、より精度の高い診断支援を提供し得る医用画像処理装置及び医用画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、医用画像処理装置は、肺動脈抽出部と、存在確率算出部と、強調画像生成部とを備える。肺動脈抽出部は、医用画像から肺動脈領域を抽出する。存在確率算出部は、肺動脈抽出部で抽出した肺動脈領域から、気管支領域の存在確率を算出する。強調画像生成部は、存在確率算出部により算出された存在確率に基づいて、前記気管支領域を強調した画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る医用画像診断システムの構成の一例を示す構成図。
図2】本実施形態における医用画像処理装置の処理手順を示すフローチャート。
図3】上記図2のステップST2eの詳細な処理手順を示すフローチャート。
図4】本実施形態において、肺動脈領域の芯線に直交する断面の画像を示す図。
図5】本実施形態において、肺動脈と気管支の解剖学的な位置関係を示す図。
図6】本実施形態において、気管支の中心点を決めるための候補を示す図。
図7】本実施形態において、気管支強調フィルタの処理範囲の定義を示す図。
図8】本実施形態において、気管支壁と気管支内腔との位置関係を示す図。
図9】本実施形態において、実際にある直線上の画素についてフィルタ処理を行った結果を示す図。
図10】本実施形態において、気管支内腔に関する存在確率のカラーマップ画像を示す図。
図11】本実施形態において、気管支強調フィルタが施された肺動脈領域の芯線に直交する断面の画像を示す図。
【0009】
気管支内腔に関する存在確率のカラーマップ画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る医用画像診断システムの構成の一例を示す構成図である。医用画像診断システムは、医用画像処理装置100と、医用画像撮影装置200と、医用画像データベース300とを有する。医用画像処理装置100と、医用画像撮影装置200と、医用画像データベース300とは、ネットワーク(図示せず)を介して電気的に接続される。なお、ネットワークの代わりに無線で接続されてもよい。
【0012】
医用画像撮影装置200は、例えば、X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:以下、CTと呼ぶ)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:以下、MRIと呼ぶ)装置、核医学診断装置などである。医用画像撮影装置200は、ネットワークを介して画像データを医用画像データベース300に転送し、記憶する。
【0013】
医用画像処理装置100は、入力部110と、肺動脈抽出部120と、存在確率算出部130と、画像生成部140と、表示部150と、気管支領域抽出部160とを備えている。入力部110は、医用画像データベース300に記憶された画像データを読み込む。
【0014】
肺動脈抽出部120は、入力部110により読み込まれた画像データから肺動脈領域を抽出する。存在確率算出部130は、肺動脈抽出部120で抽出した肺動脈領域から、気管支領域の存在確率を算出する。画像生成部140は、存在確率算出部130により算出された存在確率に基づいて、気管支領域を強調した画像を生成する。
【0015】
表示部150は、画像生成部140で生成された画像を表示する。気管支領域抽出部160は、画像生成部140で生成された画像を用いて、気管支領域を抽出し、表示部150に供給する。すると、表示部150は、気管支領域抽出部160で抽出された気管支領域を、医用画像データベース300から読み込んだ画像データに重ね合わせて表示する。
【0016】
また、画像生成部140は、存在確率算出部130により算出された存在確率に基づいて、カラーマップ画像を生成し、表示部150に供給する。
【0017】
次に、上記構成における動作について説明する。
図2は、上記医用画像処理装置100の処理手順を示すフローチャートである。図3は、上記医用画像処理装置100の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【0018】
本手法では、気管支の抽出精度向上のために、気管支に併走する肺動脈の情報を用いる。肺動脈領域は、気管支領域に比べ周囲とのコントラスト差があり、抽出が容易である。以下に詳細を記述する。
【0019】
医用画像処理装置100は、上記医用画像撮影装置200で得られた画像データを医用画像データベース300から読み込む(ステップST2a)。そして、医用画像処理装置100は、上記ステップST2aで読み込んだデータから肺動脈領域を抽出するが(ステップST2b)、その方法については既存の技術を利用することができる。例えば、領域拡張法などがある。
【0020】
続いて、医用画像処理装置100は、上記ステップST2bで抽出された肺動脈領域の芯線を検出するが(ステップST2c)、その方法については既存の技術を利用することができる。例えば、細線化などがある。医用画像処理装置100は、図4に示すように、上記ステップST2cで検出した芯線に直交する断面を定義するが(ステップST2d)、その方法については既存の技術を利用することができる。以降、この断面をクロスカットと呼ぶ。
そして、医用画像処理装置100は、上記ステップST2dで定義したクロスカット断面に対し、気管支強調フィルタを施すが(ステップST2e)、その詳細については後述する。
【0021】
(気管支領域の強調フィルタの詳細 )
図3は、気管支領域の強調フィルタの詳細な処理フローを示している。本手法では、図5に示すように、肺動脈と気管支の解剖学的な位置関係を用いる。具体的には、まず、肺動脈の直径から、気管支の中心点、直径、および壁厚を推定する。推定した気管支中心点の近傍画素について、気管支内腔および、気管支壁厚である確率を求める。その確率と原画像の画素値を用いて、フィルタ画像を得る。以下に詳細を記述する。
【0022】
医用画像処理装置100は、上記ステップST2dで定義したクロスカット断面を読み込む(ステップST3a)。そして、医用画像処理装置100は、クロスカット断面から肺動脈直径を算出する(ステップST3b)。この直径をAと定義する。
【0023】
続いて、医用画像処理装置100は、上記ステップST3bで算出したAに対し、図5(a) に示す係数sを乗算することにより気管支内径Bを算出する(ステップST3c)。なお、係数sは、0.65<s<0.7の範囲で任意に設定される。
【0024】
そして、医用画像処理装置100は、式(1)に示すように、推定される気管支外径(気管支の直径)Dから上記算出された気管支内径Bを差し引き、1/2を乗算することにより気管支壁厚Tを算出する(ステップST3d)。
【数1】
【0025】
このとき、上記ステップST3dの処理では、気管支外径Dを算出する必要が生じる。なお、気管支外径と気管支壁厚は、図5(b)に示すように、T=0.2*Dと予め決められているため、T=0.2*Dと式(1)との連立方程式を解くことにより気管支壁厚Tを算出できる。
【0026】
医用画像処理装置100は、上記算出された気管支壁厚Tに2を乗算して、気管支内径Bを加算することにより気管支外径Dを算出し、すでに上記で求めた肺動脈の中心点kと、気管支外径D及び肺動脈直径Aを用いて、式(2)により気管支の中心点Ciを算出する(ステップST3e)。
【数2】
【0027】
つまり、図6に示すように、kから距離 (A+D)/2離れた点(図6中点線上が候補点)がすべて気管支の中心点の候補となる( 0 <= i <= 2π)。医用画像処理装置100は、iを0から2πまで変化させて図6の円周上(図6中点線上)の各気管支の中心点Ciに対して図7に示す処理を行う。具体的には、図7に示す処理は、各気管支の中心点Ciから直線を放射状に伸ばし、各気管支の中心点Ciから直線上に存在する画素を、フィルタ処理の対象に決定する。そして、決定されたフィルタ処理の対象となる画素のうち、気管支の中心点Ciから距離D/2以内の画素を処理対象として決定する。以降、処理対象画素と呼ぶ。
【0028】
医用画像処理装置100は、すべての処理対象画素について、多変数確率分布関数P(x) を算出する(ステップST3f)。ここでは、例として正規分布を扱う。なお、多変数確率分布は他の確率分布関数を用いてもよい。
【数3】
【0029】
また、変数ベクトルの例としては、以下などが挙げられる。
【0030】
(a1)処理対象画素における原画像の画素値
(a2)処理対象画素と気管支中心点Ci の距離値
(a3)気管支中心点Ci から距離 (B+T)/2 離れた位置における原画像の画素値
(a4)気管支中心点Ci から距離 -(B+T)/2 離れた位置における原画像の画素値
上記4つの変数を用いた場合、次元dは4,平均ベクトルμは以下のように定義できる。
【数4】
【0031】
さらに、分散共分散行列 S は、以下のように定義できる。
【数5】
【0032】
医用画像処理装置100は、上記ステップST3fで求めた存在確率から、各画素のフィルタ値F(x) を算出する(ステップST3g)。各画素のフィルタ後の画素値は、原画像の画素値に、存在確率を定数倍したものを加算することで定義する。なお、加算ではなく積算などでもよい。
【数6】
【0033】
ここで、定数αは例えば以下のように与えることができる(Tr1,Br,Tr2については、図8を参照)。Tr1,Tr2は気管支壁を示し、Brは気管支内腔を示す。
【数7】
【0034】
参考として、図9は、実際にある直線上の画素についてフィルタ処理を行った結果を示す。グラフ上実線で表される曲線が、原画像のプロファイルである。Filter1(図9中点線)とFilter2(図9中一点鎖線)は(7)式のαの値を変化させたものである。また、グラフ上において塗りつぶされた黒丸のマーカの画素が気管支内腔の画素であり、白抜きの白丸のマーカの画素が気管支壁の画素である。よって、黒丸のマーカは原画像より値が小さく、白丸のマーカは原画像より値が大きくなればフィルタの効果を確認できる。
【0035】
図9から、Filter1、Filter2ともにフィルタの効果が反映されていることがわかる。さらに、(3)式で得られた存在確率から、カラーマップ画像を作成することもできる。図9と同様に、ある直線上の画素に注目し、気管支内腔に関する存在確率のカラーマップ画像を生成すると、図10のようになる。図10において、縦軸は存在確率の値を示し、横軸は気管支内腔及び気管支壁の画素位置を示す。ここでは、3〜7までが気管支内腔の画素位置となり、1〜3,7〜9付近が気管支壁の画素位置となる。
【0036】
図9と同様に、グラフ上において塗りつぶされた黒丸のマーカが気管支内腔の画素を示し、白抜きの白丸のマーカが気管支壁の画素を示す。黒丸のマーカの画素において存在確率の値が高くなっていることがわかる。
【0037】
上記図4に示したクロスカット断面は、気管支強調フィルタが施されることで、図11に示すように、気管支領域が白く強調された画像となる。
【0038】
以上のように上記実施形態によれば、医用画像処理装置100において、気管支の抽出精度向上のために、気管支に併走する肺動脈の情報を利用して、医用画像撮影装置200で得られ医用画像データベース300に記憶された画像データから、気管支領域に比べて周囲とのコントラスト差がある肺動脈領域を抽出し、この肺動脈領域から気管支領域の存在確率を求め、この存在確率に基づいて、気管支領域を強調した画像を生成するようにしているので、気管支領域のセグメンテーション精度の向上が期待でき、これにより観察者間の診断誤差を軽減できる。また、画像処理時間を低減できるため、診断速度が向上する。
【0039】
また、上記実施形態によれば、気管支領域抽出部160により画像生成部140で生成された強調画像から気管支領域を抽出し、この気管支領域を画像データに重ね合わせて表示部150に表示するので、画像を観察しやすくなり、診断速度の向上を期待できる。
【0040】
さらに、上記実施形態によれば、存在確率算出部130により算出された存在確率に基づいて、画像生成部140でカラーマップ画像を生成するようにしているので、観察者はカラーマップ画像を見て、気管支壁及び気管支狭窄の定量的な診断を高精度に行えるようになる。
【0041】
(その他の実施形態)
上記実施形態において、肺動脈抽出部120、存在確率算出部130、画像生成部140、表示部150、気管支領域抽出部160で説明した個々の処理は、コンピュータプログラムによってソフトウェア処理することが可能である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
100…医用画像処理装置、110…入力部、120…肺動脈抽出部、130…存在確率算出部、140…画像生成部、150…表示部、160…気管支領域抽出部、200…医用画像撮影装置、300…医用画像データベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11