特許第6334955号(P6334955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334955回転速度検出装置及び回転速度検出装置を用いた回転速度検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334955
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】回転速度検出装置及び回転速度検出装置を用いた回転速度検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 3/489 20060101AFI20180521BHJP
   G01P 1/08 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G01P3/489 D
   G01P1/08 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-40754(P2014-40754)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-166687(P2015-166687A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000177058
【氏名又は名称】三友工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】岡田 圭司
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−266340(JP,A)
【文献】 特開2011−007651(JP,A)
【文献】 実開昭58−129154(JP,U)
【文献】 米国特許第04800508(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 3/489
G01P 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリューの側面方向に突出し、前記スクリューと一体となって回転する複数の被検出部と、
前記スクリューの回転に伴って、複数の前記被検出部をそれぞれ検出し、前記被検出部を検出したことを示す検出信号を出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記検出信号と連続する前記検出信号との間隔を検出間隔時間として算出する検出間隔時間算出手段と、
連続する前記検出信号の間隔に基づいて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出手段と、
予め定めた所定の検出限界時間に基づいて、前記スクリューの回転速度を算出する仮回転速度算出手段と、
を備え、
複数の前記被検出部のうちの1つを検出した後に、前記検出限界時間前に他の前記被検出部を検出した場合には、前記回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、前記検出限界時間が経過するまでに他の前記被検出部を検出できなかった場合には、前記検出限界時間経過時に前記仮回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、
前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることを特徴とする、
回転速度検出装置。
【請求項2】
複数の前記検出部は、前記スクリューの回転軸から等距離となる位置であって、かつ、隣接する前記被検出部同士がなす角度が等角となる位置に設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の回転速度検出装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記回転速度を算出した際、前記回転速度が予め定められた正常回転速度範囲に含まれない場合には、光源を点灯することで異常を報知することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の回転速度検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転速度検出装置と、
スクリューと、
を備えたことを特徴とする、
回転速度検出装置付きスクリュー。
【請求項5】
スクリューの側面方向に突出し、前記スクリューと一体となって回転する複数の被検出部と、前記スクリューの回転に伴って、複数の前記被検出部をそれぞれ検出し、前記被検出部を検出したことを示す検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記検出信号と連続する前記検出信号との間隔を検出間隔時間として算出する検出間隔時間算出手段と、連続する前記検出信号の間隔に基づいて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出手段と、予め定めた所定の検出限界時間に基づいて、前記スクリューの回転速度を算出する仮回転速度算出手段と、を備えた、回転速度検出装置を用いて回転速度を検出する回転速度検出方法において、
前記被検出部の1つを検出した後、次に検出される前記被検出部の1つを検出するまでの時間を検出する検出ステップと、
複数の前記被検出部のうちの1つを検出した後に、前記検出限界時間前に他の前記被検出部を検出した場合には、前記回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、前記検出限界時間が経過するまでに他の前記被検出部を検出できなかった場合には、前記検出限界時間経過時に前記仮回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出ステップと、
を含み、
前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることを特徴とする、
回転速度検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転速度検出装置及び回転速度検出装置を用いた回転速度検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転速度を検出するための回転速度検出装置として、種々の回転速度検出装置が知られている。例えば、特許文献1には、センサ2個を任意の位置に配置し、任意の回転次成分ないしは検出誤差を解消した回転速度を検出することができる回転速度検出装置が記載されている。この回転速度検出装置では、モータの回転力を伝達する回転伝達機構に連結されたスクリューの回転軸を中心に環状に配設した複数の被検出部と、スクリューの回転時に検出部を検知するために第1の検出器と第2の検出器を有し、第1の検出器に対して第2の検出器を回転軸の中心に角度θを成すように配設した検出手段と、第1の回転速度と第2の回転速度の差分速度を求める回転速度差分手段と、差分速度から回転周期変動を生成する周期変動生成手段と、回転周期変動の振幅を1/2sin(θ/2)倍に補正する振幅補正手段と、回転周期変動の位相を(π−θ)/2だけ進めて補正する位相補正手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−163199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした回転速度検出装置の出力結果は、検出器で検出した回転速度に基づいて回転速度の差分速度を検出するものであるため、回転速度が急速に低下した場合等、直前で検出した差分速度と比較して次に検出する差分速度が遅い場合には、出力される回転速度の値が急速に低下することになる。このため、出力された回転速度の値に応じて制御する場合には、回転速度の微少な変化に対応することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、回転速度が急激に低下した場合であっても、回転速度検出装置から出力される回転速度の値が急激に変化する可能性を未然に低減することができる回転速度検出装置及びこの回転速度検出装置を用いた回転速度検出方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の回転速度検出装置は、
スクリューの側面方向に突出し、前記スクリューと一体となって回転する複数の被検出部と、
前記スクリューの回転に伴って、複数の前記被検出部をそれぞれ検出し、前記被検出部を検出したことを示す検出信号を出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記検出信号と連続する前記検出信号との間隔を検出間隔時間として算出する検出間隔時間算出手段と、
連続する前記検出信号の間隔に基づいて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出手段と、
予め定めた所定の検出限界時間に基づいて、前記スクリューの回転速度を算出する仮回転速度算出手段と、
を備え、
複数の前記被検出部のうちの1つを検出した後に、前記検出限界時間前に他の前記被検出部を検出した場合には、前記回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、前記検出限界時間が経過するまでに他の前記被検出部を検出できなかった場合には、前記検出限界時間経過時に前記仮回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、
前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることを特徴とする、
ものである。
【0008】
この回転速度検出装置では、スクリューと一体となって回転する複数の被検出部を検出手段が検出して検出信号を発信すると、この検出信号の間隔に基づいて検出間隔時間算出手段が検出間隔時間を算出する。このとき、1の被検出部が検出されてから次の被検出部が検出されるまでの検出時間が予め定められた検出限界時間より短い場合には、検出間隔時間に基づいてスクリューの回転速度を算出し、1の被検出部が検出されてから次の被検出部が検出されるまでの検出時間が検出限界時間より長い場合には、検出限界時間経過時に検出限界時間に基づいてスクリューの仮の回転速度を仮回転速度算出手段が仮回転速度として算出する。こうすることにより、検出限界時間の間に、必ず回転速度又は仮回転速度が算出されることになるため、これらの値を出力することで、必ず所定の値が回転速度検出装置から出力されることになる。このため、スクリューの回転速度が遅くなった場合であっても、出力される値の変化量を小さくすることができる。このため、回転速度検出装置から出力される値が、急激に変化することを未然に低減することができる。
【0009】
このとき、前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることにより、回転速度検出装置から出力される値の変化量が105%以上115%以下となるため、回転速度検出装置から出力される値が急激に変化することを未然に防ぐことができる。なお、105%以上115%以下に限定されるものではなく、例えば、107%以上112%以下であっても良いし、110%であってもよい。
【0010】
本発明の回転速度検出装置において、複数の前記検出部は、前記スクリューの回転軸から等距離となる位置であって、かつ、隣接する前記被検出部同士がなす角度が等角となる位置に設けられていることを特徴としてもよい。こうすれば、n個の被検出部が設けられている場合には、n分の1回転分の回転により、スクリューの回転速度を算出することができる。言い換えると、回転速度を算出する際に、単一の被検出部を有する回転速度検出装置と比較して、n分の1の時間で回転速度を算出することができるため、回転速度を素早く検出することができる。また、スクリューの回転速度が変化する場合であっても、n分の1の距離で回転速度を検出することができるため、より高精度で回転速度を検出することができる。
【0011】
本発明の回転速度検出装置では、前記算出手段は、前記回転速度を算出した際、前記回転速度が予め定められた正常回転速度範囲に含まれない場合には、光源を点灯することで異常を報知することを特徴としてもよい。こうすることにより、予め正常な回転速度範囲を定めておくことで、現在の回転速度が正常回転速度範囲に含まれているか否かを容易に報知することができる。
【0012】
本発明のスクリューは、上述したいずれかに記載の回転速度装置と、スクリューと、を備えたことを特徴とする。このスクリューは、上述したいずれかに記載の回転速度装置を備えているため、上述した回転速度装置が有する効果、例えば、n個の被検出部が設けられている場合に、n分の1回転分の回転により、スクリューの回転速度を算出するという効果を得ることができる。
【0013】
本発明の回転速度検出方法は、
スクリューの側面方向に突出し、前記スクリューと一体となって回転する複数の被検出部と、前記スクリューの回転に伴って、複数の前記被検出部をそれぞれ検出し、前記被検出部を検出したことを示す検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記検出信号と連続する前記検出信号との間隔を検出間隔時間として算出する検出間隔時間算出手段と、連続する前記検出信号の間隔に基づいて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出手段と、予め定めた所定の検出限界時間に基づいて、前記スクリューの回転速度を算出する仮回転速度算出手段と、を備えた、回転速度検出装置を用いて回転速度を検出する回転速度検出方法において、
前記被検出部の1つを検出した後、次に検出される前記被検出部の1つを検出するまでの時間を検出する検出ステップと、
複数の前記被検出部のうちの1つを検出した後に、前記検出限界時間前に他の前記被検出部を検出した場合には、前記回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出し、前記検出限界時間が経過するまでに他の前記被検出部を検出できなかった場合には、前記検出限界時間経過時に前記仮回転速度算出手段を用いて前記スクリューの回転速度を算出する回転速度算出ステップと、
を含み、
前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることを特徴とする、
ものである。
【0014】
この回転速度検出方法は、スクリューと一体となって回転する複数の被検出部を検出手段が検出して検出信号を発信すると、この検出信号の間隔に基づいて検出間隔時間算出手段が検出間隔時間を算出する。このとき、1の被検出部が検出されてから次の被検出部が検出されるまでの検出時間が予め定められた検出限界時間より短い場合には、検出間隔時間に基づいてスクリューの回転速度を算出し、検出限界時間が経過するまでに他の被検出部を検出できなかった場合には、検出限界時間経過時に検出限界時間に基づいてスクリューの仮の回転速度を仮回転速度算出手段が仮回転速度として算出する。こうすることにより、検出限界時間の間に、必ず回転速度又は仮回転速度が算出されることになるため、これらの値を出力することで、必ず所定の値が回転速度検出装置から出力されることになる。このため、スクリューの回転速度が遅くなった場合であっても、出力される値の変化量を小さくすることができる。このとき、前記検出限界時間は、直前の検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値であることにより、回転速度検出装置から出力される値の変化量が105%以上115%以下となるため、回転速度検出装置から出力される値が急激に変化することを未然に防ぐことができる。
【0015】
本発明の回転速度検出方法は、上述したいずれかの回転速度検出装置が備えている各種構成を備えていても良いし、また、上述したいずれかの回転速度検出装置の機能を実現するようなステップを追加しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、スクリュー10にとり付けられた回転速度検出装置20の構成の概略を示す模式図である。
図2図2は、制御手段30の電気的な接続の概略を示すブロック図である。
図3図3は、回転速度を算出するための回転速度算出処理ルーチンの1例を示すフローチャートである。
図4図4は、仮回転速度を算出するための仮回転速度算出処理ルーチンの1例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態の一例として、回転速度検出装置20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付す。
【0018】
回転速度検出装置20は、図1に示すように、スクリュー10の側面側に取り付けられる3つの被検出部22a、被検出部22b及び被検出部22c(以下、「被検出部22」とも言う。)と、被検出部22を検出する検出手段24と、検出手段24から出力された検出信号に基づいて回転速度を回転する制御手段30(図3参照)と、制御手段30によって点灯及び消灯が制御される光源26と、を備えている。こうすることにより、スクリュー10の回転に伴って3つの被検出部22が回転する際、検出手段24によって被検出部22が検出されることにより、スクリュー10の回転を検出することができる。このとき、検出手段24から出力された検出信号に基づいて制御手段30で回転速度を算出し、予め定められた回転速度にあわせて光源26を点灯及び消灯することができる。こうすることにより、スクリュー10の回転速度を高精度で算出し、報知することができる。
【0019】
被検出部22は、図1に示すように、スクリュー10の軸部分の側面側に、スクリュー10の本体部から所定の距離だけ離れた位置に設けられている。また、被検出部22aと被検出部22bとがなす角度及び被検出部22aと被検出部22bとがなす角度は、それぞれ120°となる位置に被検出部22はそれぞれ配置されている。言い換えると、それぞれの被検出部22は、それぞれ等角度となる位置に配置されている。このため、スクリュー10が等速度で回転した場合には、隣接する被検出部22が検出される間隔は、等間隔となるように検出されることになる。
【0020】
検出手段24は、公知のパルスジェネレータであり、被検出部22がスクリュー10の回転に伴って回転する際に描く軌跡の外側となる位置であって、スクリュー10といずれかの被検出部22とを結ぶ直線の延長線上となる位置に配置される。この検出手段24は、制御手段30と電気的に接続されており、検出手段24と対抗する位置に被検出部22のいずれかが位置すると、検出信号を制御手段30に発信する。このため、スクリュー10が回転すると、スクリュー10の回転に伴って、被検出部22a、被検出部22b及び被検出部22cの順に検出手段24によってそれぞれの被検出部22が検出され、検出信号が制御手段30に送信される。
【0021】
光源26は、公知の赤色発光ダイオードであり、制御手段30からの制御信号により、点灯及び消灯が制御される。なお、赤色発光ダイオードに限定されることなく、青色、緑色、白色等の種々の発光ダイオードを使用しても良いし、豆電球等の白熱灯等を使用しても良い。
【0022】
制御手段30は、図2に示すように、CPU31を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種プログラム(後述する回転速度算出処理ルーチン等)が記憶されたROM32と、検出手段24から出力された検出信号や受信時間に関する情報等を一時的に記憶するRAM33と、制御手段30に設けられた各種回路等と通信を可能とするインタフェイス34(以下、「I/F34」という。)と、を備え、これらはバス35を介して互いに信号のやりとりが可能なように接続されている。また、制御手段30には、図示しないタイマカウンタや、各種入出力用のインタフェイスが設けられており、複数の各種信号の入出力が可能である。
【0023】
次に、回転速度を算出する回転速度算出処理ルーチンについて、図3を用いて詳しく説明する。ここで、図3は、回転速度を算出するための回転速度算出処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、この回転速度算出処理ルーチンは、図示しない電源スイッチがONとなり、制御手段30に電力が供給された際に、ROM32から読み出され、CPU31によって実行される。この回転速度算出処理ルーチンが実行されると、図3に示すように、CPU31からの命令に従って、RAM33の所定領域に初期値が設定される(ステップS110)。具体的には、第1受信時刻の初期値として変数FTに図示しないタイマカウンタより取得した現時刻を、検出限界時間の初期値として変数LIMに値4を、それぞれ代入する。
【0024】
次に、CPU31は、検出手段24から出力された検出信号を受信したか否かを判定する(ステップS120)。ここで、CPU31が検出信号を受信していないと判定した場合には、検出信号を受信するまで所定時間待機する。
【0025】
一方、ステップS120において、CPU31が検出信号を受信したと判定した場合には、図示しないタイマカウンタより現時刻を取得し、第2受信時刻として変数STに図示しないタイマカウンタより取得した現時刻を代入し、RAM33に記憶する(ステップS130)。続いて、CPU31は、RAM33から変数STの値及び変数FTの値をそれぞれ読み出し、変数STの値から変数FTの値を減算することによって検出信号と検出信号の間隔である検出間隔時間を算出し(ステップS150)、この間隔に基づいて回転速度を算出する(ステップS160)。具体的には、検出間隔時間はスクリュー10が3分の1回転するために必要な時間に相当することから、検出間隔時間の値に3を乗じた値の逆数を算出することで、回転速度である回毎分(rpm)を算出する。
【0026】
次に、CPU31は、ステップS160で算出した回転速度が11rpm以上であるか否かを判定し(ステップS170)、回転速度が11rpmであると判定した場合には、CPU31は、0.5秒ごとに0.1秒間点灯するように光源26を制御する(ステップS180)。なお、ここで光源26を制御する制御方法については、種々の制御方法で実行することが可能であり、例えば、0.5秒毎に0.1秒間光源26に電力を供給してもよいし、光源26のON及びOFFを切り替える図示しないスイッチを0.5秒ごとに0.1秒間ONにしてもよい。
【0027】
CPU31がステップS170において、ステップS160で算出した回転速度が11rpm未満であると判定した場合には、この回転速度が1以上10以下であるか否かを判定し(ステップS190)、回転速度が1以上10以下であると判定した場合には、CPU31は、1秒ごとに0.1秒間点灯するように光源26を制御する(ステップS200)。なお、光源26を制御する制御方法は、ステップS180と同様の方法で行うことができる。
【0028】
CPU31がステップS190において、ステップS160で算出した回転速度が1未満であると判定した場合には、CPU31は、ステップS160で算出した回転速度が0であるか否かを判定し(ステップS210)、回転速度が0であると判定した場合には、CPU31は、2秒ごとに0.1秒間点灯するように光源26を制御する(ステップS220)。なお、光源26を制御する制御方法は、ステップS180と同様の方法で行うことができる。
【0029】
一方、CPU31は、ステップS180、ステップS200及びステップS220終了後には、図示しない電源がOFFであるか否かを判定し(ステップS230)、電源がONの場合には、再びステップS120を実行する。こうすることにより、電源がONである限り、繰り返し回転速度を検出することができる。また、ステップS230において、電源がOFFであるとCPU31が判定した場合には、本ルーチンを終了する。
【0030】
このように、回転速度に応じて光源26が点灯する間隔を変えることにより、光源26が点灯する間隔によって、回転速度がどの程度であるかを報知することができる。このとき、スクリュー10が3文の1回転毎に回転速度を算出するため、スクリュー10が1回転毎に回転速度を検知する場合と比較して、高精度で検知することができる。
【0031】
次に、回転速度算出処理ルーチンへの割り込み処理である仮回転速度算出処理ルーチンについて説明する。ここで、図4は、仮回転速度算出処理ルーチンの1例を示すフローチャートである。この仮回転速度算出処理ルーチンは、CPU31が最後に検出信号を受信してから検出限界時間が経過するまでに次の検出信号を受信できなかった場合に、検出限界時間経過時に回転速度算出処理ルーチンに割り込んで繰り返し実行され、仮回転速度算出処理ルーチンが終了した際には、回転速度算出処理ルーチンのステップS120から再度実行される。
【0032】
この仮回転速度算出処理ルーチンが実行されると、CPU31は、仮回転速度を算出する(ステップS310)。具体的には、検出限界時間をスクリュー10が3分の1回転するために必要な時間として、検出限界時間から第1受信時刻を減算した値に3を乗じた値の逆数を算出することで、仮回転速度として回毎分(rpm)を算出する。
【0033】
次に、CPU31は、ステップS160で算出した回転速度が11rpm以上であるか否かを判定し(ステップS320)、回転速度が11rpmであると判定した場合には、CPU31は、0.5秒ごとに0.1秒間点灯するように光源26を制御して(ステップS330)、本ルーチンを終了する。なお、ステップS320からステップS370については、ステップS170からステップS220とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0034】
このように、最後に検出信号を受信してから検出限界時間を経過するまでに次の検出信号を受信できなかった場合には、次の検出信号の受信を待つことなく、検出限界時間に基づいて仮回転速度を算出し、この仮回転速度に基づいて報知することで、回転速度が低下している場合に、回転速度が低下することをより早く報知することができる。言い換えると、より高速で、かつ、高精度に回転速度を検出することができる。
【0035】
以上詳述した本実施の形態の回転速度検出装置によれば、スクリュー10と一体となって回転する被検出部22を検出手段24が検出して検出信号を発信すると、この検出信号を受信し(ステップS120)、検出信号の間隔時間を算出する(ステップS140)。このとき、先の被検出部22が検出されてから次の被検出部22が検出されるまでの検出時間が予め定められた検出限界時間より短い場合には、回転速度が算出される(ステップS150)。一方、検出時間が検出限界時間より長い場合には、検出限界時間経過時に、仮回転速度算出処理ルーチンがCPU31によって割り込み処理され、仮回転速度が算出される(ステップS310)。こうすることにより、スクリューの回転速度が遅くなった場合であっても、被検出部33が検出される間隔が長くなり、回転速度が算出される間隔が長くなることを未然に防止し、回転速度検出装置20から出力される値が急激に変化する可能性を未然に低減することができる。
【0036】
また、被検出部22は、スクリュー10の回転軸を中心として等距離で、かつ、等間隔となる位置に3つ設けられており、これらの被検出部22が検出手段24によってそれぞれ検出されることで、検出手段24から制御手段30に検出信号が出力される。この検出信号に基づいて回転速度検出処理ルーチンで回転速度が算出されるため、被検出部22が一つの場合と比較して、より高精度で回転速度を検出することができる。
【0037】
更に、回転速度検出処理ルーチンで算出された回転速度が11rpm以上の場合、1〜10rpmの場合及び0rpmの場合のそれぞれの場合において、異なる間隔で光源26を点灯させることにより、光源26の点灯間隔を視認することで、容易にスクリュー10の回転速度を確認することができる。
【0038】
更にまた、スクリュー10と一体となって回転する被検出部22がスクリュー10の回転軸を中心として等距離で、かつ、等間隔となる位置に3つ設けられており、これらの被検出部22が検出手段24によってそれぞれ検出されることで、検出手段24から制御手段30に検出信号が出力される。この検出信号に基づいて回転速度検出処理ルーチンで回転速度が算出されるため、スクリュー10が3分の1回転する毎に回転速度を算出することができる。このため、回転速度を高速、かつ、高精度で検出することができる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上述した実施の形態では、検出限界時間を予め定めておくこととしたが、検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値に定めても良い。具体的には、ステップS140において、検出間隔時間を算出した際に、この検出間隔時間の値の105%以上115%以下の値を乗算して得られた値を変数LIMの値に代入するステップを追加しても良い。こうすれば、検出限界時間の値が、常に直前の検出間隔時間の105%以上115%以下となるため、検出間隔が大きく変化することを未然に防ぐことができる。
【0041】
上述した実施の形態では、被検出部22が3つ設けられているものとしたが、この数は3つに限定されるものではなく、2つであっても良いし、4以上であってもよい。被検出部22の数が多くなればなるほど、より高速、かつ、高精度で回転速度を検出することができる。
【0042】
上述した実施の形態では、検出手段24は1つ設けられているものとしたが、複数設けられていても良い。このような場合には、複数の検出手段24からの検出信号に基づいてそれぞれ回転速度を検出することができるため、検出手段24に不具合が発生した場合であっても、高精度で回転速度を検出することができる。
【0043】
上述した実施の形態では、回転速度が11rpm以上、1〜10rpm、0rpmの3種類に分けて光源26を点灯させるものとしたが、回転速度はこれらの回転速度に限定されるものではなく、適宜所望の回転速度を設定することができる。また、3種類に限定されるものではなく、2種類であってもよし、4種類以上であってもよい。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0044】
上述した実施の形態において、光源26を点灯させる時間を0.1秒としたが、これに限定されるものではなく、適宜所望の時間を点灯させることができる。また、点灯する間隔も、0.5秒ごと、1秒ごと、2秒ごとに限定されるものではなく、適宜所望の間隔であってもよい。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述した実施の形態で示すように、回転速度の測定分野、特に、回転速度を高精度で測定する測定装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…スクリュー、20…回転速度検出装置、22…被検出部、22a…被検出部、22b…被検出部、22c…被検出部、24…検出部、26…光源、30…制御手段、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…インタフェイス、35…バス。
図1
図2
図3
図4