特許第6334971号(P6334971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334971
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】給油口蓋の開閉ロック及び解除構造
(51)【国際特許分類】
   E05B 83/34 20140101AFI20180521BHJP
   B60K 15/05 20060101ALI20180521BHJP
   E05D 11/08 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   E05B83/34
   B60K15/05 B
   E05D11/08 Z
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-52904(P2014-52904)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2015-175173(P2015-175173A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 健一
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06231107(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
B60K 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を、上記車体に取付ける上記給油口蓋の開閉ロック及び解除構造において、
上記給油口蓋は、上記車体に取付けられた給油口蓋取付部材に蓋取付ピンで取り付けられ、
上記給油口蓋取付部材は、上記車体に取付けられる取付部材ケースと、該取付部材ケースの中に摺動自在に収納された取付ヒンジを有し、
上記給油口蓋又は上記取付ヒンジを上記給油口の外方に付勢する付勢部材を有し、
上記給油口蓋が上記給油口を塞いでいるときは、上記給油口蓋及び上記取付ヒンジを上記給油口の所定位置に固定するロック機構を有し、
該ロック機構は、上記取付ヒンジに形成された取付ヒンジロックピン溝と、該取付ヒンジロックピン溝に、先端が進退自在に侵入可能に形成されたロックピンと、該ロックピンに係合して、上記取付ヒンジの摺動を規制する機構を有し、
上記取付ヒンジの摺動を規制する機構は、上記ロックピンを係合する回転体を収納する取付部材回転体凹部を形成し、上記取付ヒンジロックピン溝と上記取付部材回転体凹部は連通し、
上記回転体は、上記ロックピンの先端を保持する回転体溝を半径方向に複数個設け、上記回転体の内部に、上記回転体の回転を規制する内部スライド部材を進退自在に取付けて、
上記ロック機構が上記取付ヒンジをロックするときは、上記回転体は、上記内部スライド部材で回転が規制され、上記取付ヒンジロックピン溝に上記回転体溝が開口して、上記ロックピンの先端が上記回転体溝に係止されて、上記回転体により上記取付ヒンジの摺動を規制し、
上記ロック機構がロックするときは、上記取付ヒンジロックピン溝に上記ロックピンの先端が侵入して上記取付ヒンジの摺動を規制し、
上記ロック機構が解除されるときは、上記ロックピンの先端が、上記回転体溝と上記取付ヒンジロックピン溝から退出し、上記取付ヒンジの摺動を可能にして、上記ロック機構を解除し、
上記ロック機構が解除されると、上記給油口蓋と上記取付ヒンジが上記給油口の外方に移動し、上記給油口蓋が上記給油口から浮き上がり、上記給油口蓋が上記取付ヒンジに取り付けられた上記蓋取付ピンを中心に回動可能とすることを特徴とする給油口蓋の開閉ロック及び解除構造。
【請求項2】
上記給油口蓋を閉じてロックするときは、上記取付ヒンジの下降とともに、上記ロックピンの先端が上記取付ヒンジロックピン溝の内部に入り、上記回転体溝に上記ロックピンの先端が係合し、上記回転体が上記取付ヒンジの下降により回転して、所定の位置で上記内部スライド部材により上記回転体の回転が規制されて、上記回転体と上記ロックピンにより上記取付ヒンジの摺動が規制される請求項1に記載の給油口蓋の開閉ロック及び解除構造。
【請求項3】
上記付勢部材は、上記取付部材ケース内部に収納され上記取付ヒンジを上記給油口の外方に付勢するバネ部材であり、上記ロック機構は、上記取付ヒンジを上記取付部材ケース内で摺動を止める機構を有し、
上記給油口蓋が上記給油口を塞いでいるときは、上記ロック機構により上記取付ヒンジは上記取付部材ケース内に固定され、上記ロック機構が解除されると、上記取付ヒンジが上記取付部材ケース内から摺動して、上記給油口蓋が上記給油口から浮き上がり、上記給油口蓋が上記取付ヒンジの蓋取付ピンを中心に回動する請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の給油口蓋の開閉ロック及び解除構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を、給油時に給油口から浮かせてから開く給油口蓋の開閉ロック及び解除構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合に、車体に設けられた給油口を塞ぐ給油口蓋101を開いて、給油口から燃料を給油する。
このとき、図16に示すように、給油口蓋101は、裏面に蓋インナ部材110が取付けられて、車体に取付けられたアーム部材120が蓋インナ部材110を回動自在に取付けることにより車体に取付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このアーム部材120による蓋インナ部材110の取付けは、アーム部材120のアーム部材保持腕121の先端に、蓋インナ部材110に取付けられた蓋取付軸114を回動自在に取付ける。これにより、給油口蓋101を開けるときには、給油口蓋101と蓋インナ部材110は、蓋取付軸114を中心に回動して、給油口から給油することができる。
【0004】
しかしながら、この場合には、蓋取付軸114が給油口蓋101の内面の端部よりも内側に設けられるため、給油口蓋101を開いたときに、給油口蓋101の端部が車体と接触しないようにするために、給油口蓋101の形状に合わせて蓋取付軸114の位置を変える必要がある。
【0005】
また、給油口蓋101の端部が車体と接触しないように、給油口蓋101を浮き上がらせてから開くようにする場合には、給油口蓋101が浮き上がらせるための機構や、給油口蓋101を閉じるときは、給油口蓋101を確実にロックし、給油口蓋101を開くときは、容易に開く機構が複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−112686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、給油口蓋を開くときに容易にロックを外し、給油口蓋が浮き上がってから開き、給油口蓋1が閉じるときは給油口蓋を確実にロックし、取扱いの容易な給油口蓋の開閉ロック及び解除構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を、車体に取付ける給油口蓋の開閉ロック及び解除構造において、
給油口蓋は、車体に取付けられた給油口蓋取付部材に蓋取付ピンで取り付けられ、
給油口蓋取付部材は、車体に取付けられる取付部材ケースと、取付部材ケースの中に摺動自在に収納された取付ヒンジを有し、
給油口蓋又は取付ヒンジを給油口の外方に付勢する付勢部材を有し、
給油口蓋が給油口を塞いでいるときは、給油口蓋及び取付ヒンジを給油口の所定位置に固定するロック機構を有し、
ロック機構は、取付ヒンジに形成された取付ヒンジロックピン溝と、取付ヒンジロックピン溝に、先端が進退自在に進入可能に形成されたロックピンと、ロックピンに係合して、取付ヒンジの摺動を規制する機構を有し、
取付ヒンジの摺動を規制する機構は、ロックピンを係合する回転体を収納する取付部材回転体凹部を形成し、取付ヒンジロックピン溝と取付部材回転体凹部は連通し、
回転体は、ロックピンの先端を保持する回転体溝を半径方向に複数個設け、回転体の内部に、回転体の回転を規制する内部スライド部材を進退自在に取付けて、
ロック機構が取付ヒンジをロックするときは、回転体は、内部スライド部材で回転が規制され、取付ヒンジロックピン溝に回転体溝が開口して、ロックピンの先端が回転体溝に係止されて、回転体により取付ヒンジの摺動を規制し、
ロック機構がロックするときは、取付ヒンジロックピン溝にロックピンの先端が侵入して取付ヒンジの摺動を規制し、ロック機構が解除されるときは、ロックピンの先端が、回転体溝と取付ヒンジロックピン溝から退出し、記取付ヒンジの摺動を可能にして、ロック機構を解除し、
ロック機構が解除されると、給油口蓋と取付ヒンジが給油口の外方に移動し、給油口蓋が給油口から浮き上がり、給油口蓋が取付ヒンジに取り付けられた蓋取付ピンを中心に回動可能とすることを特徴とする給油口蓋の開閉ロック及び解除構造である。
【0009】
請求項1の本発明では、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を、車体に取付ける給油口蓋の開閉ロック及び解除構造において、給油口蓋は、車体に取付けられた給油口蓋取付部材に蓋取付ピンで取り付けられる。このため、給油口蓋は、給油口蓋取付部材に取り付けられた蓋取付ピンを回転中心として開閉することができる。
【0010】
給油口蓋取付部材は、車体に取付けられる取付部材ケースと、取付部材ケースの中に摺動自在に収納された取付ヒンジを有し、給油口蓋又は取付ヒンジを給油口の外方に付勢する付勢部材を有する。このため、ロック機構が解除されると給油口蓋、取付ヒンジ及び蓋取付ピンは、車体の給油口から一緒に浮き上がることができる。
【0011】
給油口蓋が給油口を塞いでいるときは、給油口蓋及び取付ヒンジを給油口の所定位置に固定するロック機構を有する。このため、給油口蓋を閉じるとロック機構が働き、給油口蓋を閉じているときは、給油口蓋が車体から浮き上がることがない。
【0012】
ロック機構は、取付ヒンジに形成された取付ヒンジロックピン溝と、取付ヒンジロックピン溝に、先端が進退自在に進入可能に形成されたロックピンと、ロックピンに係合して、取付ヒンジの摺動を規制する機構を有する。このため、ロックピンを取付ヒンジロックピン溝に挿入すると、ロックピンが取付ヒンジの摺動を確実に規制して、取付ヒンジと給油口蓋が浮き上がることがない。
取付ヒンジの摺動を規制する機構は、取付ヒンジにロックピンの先端が進退自在に侵入する取付ヒンジロックピン溝と、ロックピンを係合する回転体を収納する取付部材回転体凹部を形成し、取付ヒンジロックピン溝と取付部材回転体凹部は連通する。このため、取付部材回転体凹部に収納された回転体は、取付ヒンジロックピン溝に一部を張り出すことができ、回転体でロックピンの先端を係合することができ、回転体に係合して取付ヒンジの摺動を規制することができる。
回転体は、ロックピンの先端を保持する回転体溝を半径方向に複数個設け、回転体の内部に、回転体の回転を規制する内部スライド部材を進退自在に取付ける。このため、回転体溝でロックピンの先端を係合するとともに、回転体の回転と内部スライド部材による回転の規制により、ロックとその解除を交互に行うことができる。
ロック機構が取付ヒンジをロックするときは、回転体は、内部スライド部材で回転が規制され、取付ヒンジロックピン溝に回転体溝が開口して、ロックピンの先端が回転体溝に係止されて、回転体により取付ヒンジの摺動を規制する。このため、回転が規制された回転体の回転体溝にロックピンの先端が係止され、ロックされ、取付ヒンジの摺動を規制することができる。
【0013】
ロック機構がロックするときは、取付ヒンジロックピン溝にロックピンの先端が侵入して取付ヒンジの摺動を規制し、ロック機構が解除されるときは、ロックピンの先端が、回転体溝と取付ヒンジロックピン溝から退出し、記取付ヒンジの摺動を可能にして、ロック機構を解除する。このため、ロックピンが取付ヒンジロックピン溝に進入と退出により、容易にロック機構のロックと解除を行うことができる。ロック機構が解除されるときは、ロックピンの先端が、回転体溝と取付ヒンジロックピン溝から退出し、取付ヒンジが摺動する。このため、ロックピンの先端が、回転体溝と取付ヒンジロックピン溝から退出することにより、容易にロックを解除することができる。
【0014】
ロック機構が解除されると、給油口蓋と取付ヒンジが給油口の外方に移動し、給油口蓋が給油口から浮き上がり、給油口蓋が取付ヒンジに取り付けられた蓋取付ピンを中心に回動可能とする。このため、ロック機構が解除されると給油口蓋、取付ヒンジ及び蓋取付ピンは、一緒に浮き上がることができ、給油口蓋が浮き上がった後に、浮き上がった蓋取付ピンを中心に給油口蓋を開くことができ、給油口蓋の端部が車体と接触することがない。
【0020】
請求項2の本発明は、給油口蓋を閉じてロックするときは、取付ヒンジの下降とともに、ロックピンの先端が取付ヒンジロックピン溝の内部に入り、回転体溝にロックピンの先端が係合し、回転体が取付ヒンジの下降により回転して、所定の位置で内部スライド部材により回転体の回転が規制されて、回転体とロックピンにより取付ヒンジの摺動が規制される給油口蓋の開閉ロック及び解除構造である。
【0021】
請求項2の本発明では、給油口蓋を閉じてロックするときは、取付ヒンジの下降とともに、ロックピンの先端が取付ヒンジロックピン溝の内部に入り、回転体溝にロックピンの先端が係合し、回転体が取付ヒンジの下降により回転して、所定の位置で内部スライド部材により回転体の回転が規制されて、回転体とロックピンにより取付ヒンジの摺動が規制される。このため、給油口蓋を閉じて、押すことのみにより確実に給油口蓋と取付ヒンジをロックすることができる。
【0022】
請求項3の本発明は、付勢部材は、取付部材ケース内部に収納され取付ヒンジを給油口の外方に付勢するバネ部材であり、ロック機構は、取付ヒンジを取付部材ケース内で摺動を止める機構を有し、
給油口蓋が給油口を塞いでいるときは、ロック機構により取付ヒンジは取付部材ケース内に固定され、ロック機構が解除されると、取付ヒンジが取付部材ケース内から摺動して、給油口蓋が給油口から浮き上がり、給油口蓋が取付ヒンジの蓋取付ピンを中心に回動する給油口蓋の開閉ロック及び解除構造である。
【0023】
請求項3の本発明では、付勢部材は、取付部材ケース内部に収納され取付ヒンジを給油口の外方に付勢するバネ部材であり、ロック機構は、取付ヒンジを取付部材ケース内で摺動を止める機構を有する。このため、取付ヒンジは常に車外方向に浮き上がる力が働くが、給油口蓋が閉じられているときは、ロック機構が働き、給油口蓋が車体から浮き上がることがない。取付ヒンジをバネ部材で付勢するため、取付ヒンジと給油口蓋がスムースに摺動して、浮き上がることができる。
【0024】
給油口蓋が給油口を塞いでいるときは、ロック機構により取付ヒンジは取付部材ケース内に固定され、ロック機構が解除されると、取付ヒンジが取付部材ケース内から摺動して、給油口蓋が給油口から浮き上がり、給油口蓋が取付ヒンジの蓋取付ピンを中心に回動する。このため、給油口蓋が閉じられているときは、ロック機構により取付ヒンジを取付部材ケースの内部に保持して、給油口蓋が車体から浮き上がることがなく、ロック機構が解除されると取付ヒンジを浮き上がらせて、給油口蓋を車体の給油口から浮き上がらせることができる。給油口蓋が浮き上がってから、給油口蓋を回転させて、開くことができる。
【発明の効果】
【0025】
給油口蓋が給油口を塞いでいるときは、給油口蓋及び取付ヒンジを給油口の所定位置に固定するロック機構を有するため、給油口蓋を閉じているときは、給油口蓋が車体から浮き上がることがない。
ロック機構は、取付ヒンジに形成された取付ヒンジロックピン溝と、取付ヒンジロックピン溝に、先端が進退自在に進入可能に形成されたロックピンと、ロックピンに係合して、取付ヒンジの摺動を規制する機構を有するため、ロックピンを取付ヒンジロックピン溝に挿入すると、ロックピンが取付ヒンジの摺動を確実に規制して、取付ヒンジと給油口蓋が浮き上がることがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態を示すもので、給油口蓋を閉じた状態と開いた状態の車体の給油口付近の断面図である。
図2】本発明の実施の形態を示すもので、給油口蓋と、給油口蓋取付部材を給油口蓋の蓋取付部側からみた組み立て斜視図である。
図3】本発明の実施の形態を示すもので、給油口蓋と、給油口蓋取付部材を給油口蓋の先端側からみた組み立て斜視図である。
図4】本発明の実施の形態を示すもので、取付ヒンジの正面図である。
図5】本発明の実施の形態を示すもので、取付ヒンジの平面図である。
図6】本発明の実施の形態を示すもので、取付ヒンジの断面図であり、図5のA−A線に沿った断面図である。
図7】本発明の実施の形態を示すもので、回転体の正面図である。
図8】本発明の実施の形態を示すもので、回転体の断面図であり、図7のB−B線に沿った断面図である。取付ヒンジの平面図である。
図9】本発明の実施の形態を示すもので、回転体の断面図であり、図7のC−C線に沿った断面図である。
図10】本発明の実施の形態を示すもので、取付部材ケースにロックピンを挿入した状態を示す斜視図である。
図11】本発明の実施の形態を示すもので、取付部材ケースにロックピンを挿入して、回転体が内部スライド部材にロックされた状態を示す、回転体と内部スライド部材の部分の断面図である。
図12】本発明の実施の形態を示すもので、取付部材ケースの回転体からロックピンが外れた状態を示す斜視図である。
図13】本発明の実施の形態を示すもので、取付部材ケースの回転体からロックピンが外れた状態の回転体と内部スライド部材の部分を示す拡大斜視図である。
図14】本発明の実施の形態を示すもので、取付部材ケースの回転体からロックピンが外れ、取付部材ケースが摺動した状態を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態を示すもので、回転体から内部回転体先端部が外れた状態の回転体と内部スライド部材の部分を示す拡大斜視図である。
図16】従来の給油口蓋を開いた状態における、アーム部材に給油口蓋と蓋インナ部材を取付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、車体3の給油口2を塞ぐ給油口蓋1を、車体3に取付けられた給油口蓋取付部材10で取付ける開閉ロック及び解除構造とそのロック機構に関するものである。本発明の実施の形態を図1図15に基づき説明する。
まず、図1図9に基づき、給油口蓋1と給油口蓋1に取付けられる給油口蓋取付部材10についてそれぞれ説明し、給油口蓋1の回動と給油口蓋取付部材10のロック機構の作動については後述する。
【0028】
図1に示すように、給油口蓋1は、車体3のインレットボックス7に取り付けられたフィラーパイプ6の給油口2を塞ぐものであり、板金或いは合成樹脂で製造され、表面は車体3の色に合わせて塗装されている。
自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合に、車体3に設けられたインレットボックス7を塞ぐ給油口蓋1を開いて、タンクキャップ4を外して、フィラーパイプ6の先端の給油口2から燃料を給油する。給油口蓋1の開口方法については後述する。
【0029】
車体3の外面から凹んで形成されたインレットボックス7には、給油口蓋取付部材10の給油口2とタンクキャップ4が取り付けられている。インレットボックス7とフィラーパイプ6の給油口2の間にはシールド5が設けられている。給油口蓋1は、このインレットボックス7の全体を覆うように設けられている。
【0030】
図2に示すように、給油口蓋1は、裏面の一方の端に蓋取付部1aが形成されている。本実施の形態では、蓋取付部1aは2本の脚状に形成され、その中心には蓋取付ピン19を挿入する蓋取付ピン孔1cが形成されている。
蓋取付ピン19は、後述する取付ヒンジ13の先端に形成された取付ヒンジ孔13aにも挿入され、蓋バネ18と合わせて給油口蓋1を回転自在に取り付けている。
【0031】
給油口蓋1の裏面の他方の端には、蓋突起部1bが形成され、給油口蓋1が閉じられているときは、インレットボックス7の張り出し部分に当接している。本実施の形態では、後述するように、給油口蓋1と取付ヒンジ13を給油口蓋1の外方に付勢する付勢部材は、ヒンジバネ12であるが、蓋突起部1bの近傍に付勢部材を取り付けることができる。
【0032】
図2に示すように、給油口蓋取付部材10は、取付部材ケース11と、ヒンジバネ12と、取付ヒンジ13及び後述するロック機構を有している。
取付部材ケース11は、箱状に形成され、取付ヒンジ13が摺動自在に挿入され、取付ヒンジ13は、取付部材ケース11内に取り付けられた付勢部材であるヒンジバネ12で給油口蓋1方向に付勢されている。図1に示すように、取付部材ケース11は、インレットボックス7に取り付けられている。
取付部材ケース11の外面には、後述するロックピン14が摺動する取付部材ロックピン孔11aが形成されている。
【0033】
取付ヒンジ13は、上記のように、上端には蓋取付ピン19を取付ける取付ヒンジ孔13aが形成されている。取付ヒンジ孔13aが形成されている部分は、上部が略逆L字形に屈曲して形成され、上面は給油口蓋1の下面が当接する。本実施の形態では、取付ヒンジ孔13aが形成されている部分は、取付ヒンジ13の上端から2本ずつ両端に合計4枚の板状に形成されている。
図2に示すように、取付ヒンジ13のロックピン14側の面に、ロックピン14が摺動する取付ヒンジロックピン溝13bが形成されている。
【0034】
図3に示すように、取付ヒンジロックピン溝13bが形成されたのと反対側の取付ヒンジ13には、後述する回転体15が回動可能に挿入される取付ヒンジ回転体凹部13cが形成されている。取付ヒンジ回転体凹部13cの底面(取付ヒンジ13のロックピン14側の側面)には、後述する内部スライド部材16を取付ける取付ヒンジ内部スライド部材取付ピン13dが形成されている。
【0035】
更に、図2図4に示すように、取付ヒンジ回転体凹部13cの取付ヒンジ内部スライド部材取付ピン13dが形成された根本付近には、後述する内部スライド部材16の内部スライド部材先端部16aが係合する取付ヒンジ内部スライド部材係合孔13eが形成されている。
【0036】
図5図6に示すように、取付ヒンジロックピン溝13bと取付ヒンジ回転体凹部13cは、連通して形成されており、取付ヒンジロックピン溝13bに挿入されたロックピン14が、取付ヒンジロックピン溝13bに張り出した回転体15の回転体溝15aと係合することができる。なお、図6図5のA−A線に沿った断面図である。
【0037】
図2図3に示すように、取付ヒンジ回転体凹部13cに取り付けられる回転体15は、円柱状に形成され、周囲に3個の回転体溝15aが放射状に形成され、取付部材ロックピン孔11aから挿入されたロックピン14が係合する。回転体溝15aのロックピン14が挿入される方向と反対側には、円盤状の回転体底板15fが形成され、ロックピン14の先端を止めることができる。
【0038】
図7図9に示すように、回転体15の中心には後述する内部スライド部材16が挿入される回転体中心穴15bが形成されている。回転体中心穴15bの底である回転体中心底15dには、内部スライド部材先端部16aが係合する回転体係止孔15cと回転体取付孔15eが形成され、回転体取付孔15eには、取付ヒンジ内部スライド部材取付ピン13dが挿入され、回転体15を取付けている。
【0039】
図2図3に示すように、取付ヒンジ内部スライド部材取付ピン13dに取付けられた、回転体15の回転体中心穴15bには、順に内部スライド部材16、スライドバネ17とスライドバネ止め具17aが、取付ヒンジ内部スライド部材取付ピン13dに挿入されて、スライドバネ17により内部スライド部材16は、回転体中心底15d方向に付勢されている。
【0040】
次に、給油口蓋1の開閉について図10図15に基づき説明する。
給油口蓋1の閉じたときは、図1に示すように、給油口蓋1を取付けた給油口蓋取付部材10の取付ヒンジ13は、取付部材ケース11の中に収納され、ロックピン14で、係止されている。給油口蓋1は、インレットボックス7の全体を覆うように車体3の外面と同一面状に閉じられて、給油口蓋1の先端裏面に形成された蓋突起部1bは、インレットボックス7の先端部分に当接している。
【0041】
ロック機構は、ロックピン14、取付ヒンジ13、取付ヒンジ13内の取り付けられた回転体15及び内部スライド部材16から構成される。
ロックピン14による給油口蓋取付部材10の係止状態は、取付部材ケース11の取付部材ロックピン孔11aに、ロックピン14の先端が挿入されて、図10に示すように、更に、ロックピン14の先端は取付ヒンジ13の取付ヒンジロックピン溝13bに挿入される。
【0042】
取付ヒンジロックピン溝13bには、回転体15の回転体溝15aが開口し、回転体溝15aは、ロックピン14が挿入されている。この時、図11に示すように、回転体15は内部スライド部材16により回転体中心底15dの斜面が押されて、回転しようとするが、回転体中心底15dの段差に係止されて、回転が止められている。回転体15が回転を止められて、回転体15と取付ヒンジ13がロックピン14により摺動が規制されて、取付ヒンジ13は、ヒンジバネ12の付勢にも関わらず、取付部材ケース11内で摺動が規制されている。
【0043】
図12に示すように、給油口蓋1を開くときは、ロック状態を解除するため、ロックピン14を回転体15の回転体溝15aから引き抜く。
そうすると、図11に示すように、回転体15の回転体中心底15dは傾斜して形成され、内部スライド部材16の内部スライド部材先端部16aが当接し、内部スライド部材16はスライドバネ17で付勢されている。そのため、内部スライド部材先端部16aに押されて、回転体15は回転を始める。
【0044】
図12図13に示すように、回転体15が所定の角度回転をすると、内部スライド部材先端部16aが、回転体係止孔15cに入り込み、回転体15の回転が止まり、ロックピン14は回転体15の回転体溝15a以外の平坦な部分に当接する。このため、ロックピン14の解除レバーを一旦戻しても、ロックは解除されたままになり、ロックピン14の解除レバーを引き続ける必要はない。
【0045】
ロックが解除されると、図14に示すように、ヒンジバネ12に付勢された取付ヒンジ13は、上方にスライドする。これによって、図1に示すように、給油口蓋1は、車体3の外面よりも浮き上がることができる。そのため、給油口蓋1の先端を持って容易に給油口蓋1を開くことができる。給油口蓋1が浮き上がっているため、給油口蓋1を開いたときに、給油口蓋1の取付ヒンジ13側の先端が車体3と接触することもなく、スムースに開くことができる。このとき、蓋バネ18により給油口蓋1を回動させることができる。
【0046】
給油口蓋1を閉じるときは、まず給油口蓋1を回転させて、取付ヒンジ13に当接するように、車体3と平行にする。その後、給油口蓋1を押すと、給油口蓋1と取付ヒンジ13は下方に移動する。
そうすると、図14に示すように、ロックピン14が取付部材ケース11の取付部材ロックピン孔11aから突出して、取付ヒンジロックピン溝13b内の回転体15の下方にいるため、回転体溝15aに入り込む。さらに、取付ヒンジ13の下降に伴い、ロックピン14の回転体15の回転体溝15aの上面に当接して、取付ヒンジ13の下降につれて回転体15を回転させる。
【0047】
回転体15が回転すると、図15に示すように、回転体中心底15dは傾斜面となっているため、内部スライド部材16がスライドバネ17のバネ力に抗して回転体中心底15dからせり上がり、回転体係止孔15cから内部スライド部材先端部16aが外れて、当初のロック状態の戻ることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 給油口蓋
10 給油口蓋取付部材
11 取付部材ケース
13 取付ヒンジ
14 ロックピン
15 回転体
15a 回転体溝
15c 回転体係止孔
16 内部スライド部材
16a 内部回転体先端部
図1
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図3
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図5
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