(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334977
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】水切りゴミ袋
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20180521BHJP
D04B 1/16 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
B65F1/00 102F
D04B1/16
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-58325(P2014-58325)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-182827(P2015-182827A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】592197315
【氏名又は名称】ユニチカトレーディング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川元 宏之
【審査官】
大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3082169(JP,U)
【文献】
特開2001−130703(JP,A)
【文献】
特開2003−312803(JP,A)
【文献】
特開2012−091904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00
D04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
総繊度が11〜33デシテックス、フィラメント数が1〜3本からなる合成フィラメント糸(A)と、
総繊度が44〜84デシテックス、フィラメント数が7〜48本からなる合成マルチフィラメント糸(B)によって編成された緯編地によって構成され、
合成フィラメント糸(A)を構成するフィラメントは非着色であり、
合成マルチフィラメント糸(B)を構成するフィラメントは着色されてなり、
非着色の合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースと、着色された合成フィラメント糸(B)によって編成されるコースとが、少なくとも1コース以上毎に交互に編成されてなり、
合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースである非着色箇所と、合成マルチフィラメント糸(B)によって編成されるコースである着色箇所とが、交互に現れてなることにより、
袋全体において、非着色箇所と着色箇所とが縞模様として現れていることを特徴とする水切りゴミ袋。
【請求項2】
合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースと、合成マルチフィラメント糸(B)によって編成されるコースとが、
合成フィラメント糸(A)によって編成される2〜5コースと、合成マルチフィラメント糸(B)によって編成される1コースとが、交互に編成していることを特徴とする請求項1記載の水切りゴミ袋。
【請求項3】
合成マルチフィラメント糸(B)が染色により着色されていることを特徴とする請求項1または2記載の水切りゴミ袋。
【請求項4】
合成マルチフィラメント糸(B)は仮撚加工が施された仮撚加工糸であり、合成フィラメント糸(A)は仮撚加工が施されていない糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の水切りゴミ袋。
【請求項5】
抗菌加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の水切りゴミ袋。
【請求項6】
緯編地が、筒編であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の水切りゴミ袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所のコーナーや排水口に設けられた生ごみ等を収容する容器等に取り付けて使用する水切りゴミ袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水切りゴミ袋としては、例えば、合成樹脂フィルム製や不織布製の水切り袋が知られている(特許文献1、2)。合成樹脂フィルム製や不織布製の水切り袋は、水切れ性を考慮して、小孔が設けられている。しかしながら、収容するゴミが溜まると、水切り用の孔が塞がれてしまい、水切れ性が極端に劣ることになり、使用しにくいという問題がある。また、孔が大きい場合は、小さいゴミを捕集できないという問題がある。
【0003】
また、編地で構成された水切りゴミ袋も知られている(特許文献3)。編地で構成された水切り袋は、編地の特徴として、ある程度、伸びる性質があり、大量のゴミを収納した場合は、ゴミの重みにより編目が多少大きくなり、水切り性が向上する。しかしながら、このようにゴミの重みにより編目が大きくなると、収容したゴミが袋を通して視認しやすくなり快適とはいい難く、美観の上で課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−169346号公報
【特許文献2】特開平6−270361号公報
【特許文献3】実開平5−37307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ゴミ捕捉性と水切り性との相反する要求性能を満足し、かつ、収容した不快な生ゴミが袋を通して目立ちにくい水切りゴミ袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、上記課題を達成するものであり、総繊度が11〜33デシテックス、フィラメント数が1〜3本からなる合成フィラメント糸(A)と、
総繊度が44〜84デシテックス、フィラメント数が7〜48本からなる合成マルチフィラメント糸(B)によって編成された緯編地によって構成され、
合成フィラメント糸(A)を構成するフィラメントは非着色であり、
合成マルチフィラメント糸(B)を構成するフィラメントは着色されてなり、
非着色の合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースと、
着色された合成フィラメント糸(B)によって編成されるコースとが、少なくとも1コース以上毎に交互に編成され
てなり、
合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースである非着色箇所と、合成マルチフィラメント糸(B)によって編成されるコースである着色箇所とが、交互に現れてなることにより、
袋全体において、非着色箇所と着色箇所とが縞模様として現れていることを特徴とする水切りゴミ袋を要旨とするものである。
【0007】
以下、本発明の水切りゴミ袋について詳細に説明する。
【0008】
本発明の水切りゴミ袋は、緯編地により構成される袋であり、総繊度が11〜33デシテックス、フィラメント数が1〜3本からなる合成フィラメント糸(A)と、総繊度が44〜84デシテックス、フィラメント数が7〜48本からなる合成マルチフィラメント糸(B)との2種の糸により編成されている。
【0009】
合成フィラメント糸(A)は、総繊度が11〜33デシテックス、フィラメント数が1〜3本であり、総繊度およびフィラメント数(フィラメント糸を構成する連続繊維の数)が、合成マルチフィラメント糸(B)と比較して、いずれも小さいことを必須の要件としている。すなわち、合成フィラメント糸(A)によって編成された領域(コース)は、フィラメント糸が形成するループ間およびループ内の空隙(糸が存在しない箇所)がより大きく形成されるため、ゴミ袋においては、水切り性を向上させることができる。なお、フィラメント糸の本数が1本の場合は、モノフィラメント糸となる。モノフィラメント糸の場合は、マルチフィラメント糸のごとくフィラメント糸を構成するフィラメント間(連続繊維間)の空隙が生じることもないため、水切り性がより向上するため好ましい。なお、総繊度の下限は、実用強度を考慮した値である。
【0010】
合成マルチフィラメント糸(B)は、総繊度が44〜84デシテックス、フィラメント数が7〜48本であり、上記した合成フィラメント糸(B)と比較して、総繊度およびフィラメント数がいずれも大きい。合成マルチフィラメント糸(B)により編成された箇所(コース)は、マルチフィラメント糸が形成するループ間およびループ内の空隙が小さくなるため、ゴミ袋においては、ゴミの捕集性・捕捉性を向上させることができる。また、1本の糸が、多数の7〜48本のフィラメント(連続繊維)で構成されることから、連続繊維同士の空隙においても細かいゴミを捕捉できる。
【0011】
合成マルチフィラメント糸(B)は、着色されている。着色の方法は、染色であっても、フィラメントを構成する合成樹脂が顔料を含有してなる、いわゆる原着であってもよい。染色方法は、フィラメントを構成する合成樹脂の素材に応じて適宜設計すればよい。合成マルチフィラメント糸(B)が着色されていることにより、袋に収容したゴミを外側から見えにくくする隠ぺい性を発揮する。すなわち、合成マルチフィラメント糸(B)によって編成される箇所は、より空隙が小さく、内容物を見通しにくいうえに、着色により、より隠ぺい性が向上する。また、合成マルチフィラメント糸(B)が着色され、かつ、合成フィラメント糸(A)が着色してないため、合成マルチフィラメント糸(B)で編成されるコースと、合成フィラメント糸(A)で編成されるコースとが、交互に編成されてなるため、着色箇所と非着色箇所が、交互に縞模様のごとく現れるため、視覚的に優先して縞模様を認識することとなり、美観性も具備する。なお、合成マルチフィラメント糸(B)の着色とは、白色以外の色に着色していることをいい、着色されていない合成フィラメント糸(A)は白色を呈するものであってもよい。
【0012】
また、本発明において、合成マルチフィラメント糸(B)は仮撚加工が施された仮撚加工糸であり、合成フィラメント糸(A)は仮撚加工が施されていない糸であることが好ましい。仮撚り加工とは、ストレートの糸に一旦撚りを掛け、その状態で熱を加えてセットし、また撚りを戻す加工であり、仮に撚りを加えた後に戻すことから仮撚りと呼ばれる。仮撚加工糸は、羊毛のようなバルキー性・捲縮性を有することから、仮撚加工をウーリー加工と呼ぶこともある。仮撚加工を施した合成マルチフィラメント糸(B)は、細かい捲縮やクリンプを有することにより、嵩高性が向上し、また、染色性も向上する。このように仮撚加工を施した合成マルチフィラメント糸(B)により編成される箇所は、より細かいゴミの捕捉性に優れ、また、隠ぺい性も向上することになる。一方、合成フィラメント糸(A)は、仮撚加工が施されず、ストレートな形状であるため、合成フィラメント糸(A)により編成される箇所においては、水切り性が向上するのである。
【0013】
本発明において、合成フィラメント糸(A)および合成マルチフィラメント糸(B)は、熱可塑性合成樹脂により構成されるものであり、合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、生分解性を有する樹脂であるポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステル、ビニロン等が挙げられる。本発明においては、機械的強度に優れるポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエス
テルを好ましく用いる。また、捕集したゴミは、袋ごと焼却処分等されるため、生分解性を有する樹脂を用いることも好ましい。
【0014】
本発明の水切りゴミ袋は、緯編地によって構成されるものであり、合成フィラメント糸(A)によって編成されるコースと、合成フィラメント糸(B)によって編成されるコースとが、少なくとも1コース毎に交互に編成されている。上記したように、合成フィラメント糸(A)により編成される領域(コース)は、優れた水切り性を主として担う箇所であり、一方、合成マルチフィラメント糸(B)により編成される領域(コース)は、優れたゴミ捕集・捕捉性を担い、また、隠ぺい性も発揮する箇所である。このようにそれぞれの機能を交互に配することにより、水切り性とゴミ捕集性との相反する機能を、袋全体として機能させることを可能とする。なお、ゴミ袋を構成する編地が緯編地であるため、編地を構成する糸は、緯方向にループを形成しながら編成される。ゴミ袋としたときの袋の横方向が、緯編地の緯方向であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、合成フィラメント糸(A)が編成するコース(以下、「Aコース」と略記することもある。)と合成マルチフィラメント糸(B)が編成するコース(以下、「Bコース」を略記することもある。)とが、少なくとも1コース以上毎に交互に編成している。例えば、合成フィラメント糸(A)のコースと合成マルチフィラメント糸(B)のコース)が、1コース毎に交互に編成した場合は、「Aコース」「Bコース」「Aコース」「Bコース」「Aコース」・・・と編成することになる。また、2コース毎に交互に編成した場合は、「Aコース」「Aコース」「Bコース」「Bコース」「Aコース」「Aコース」「Bコース」「Bコース」「Aコース」・・と編成する。
【0016】
また、交互に編成する場合に、「Aコース」と「Bコース」とは、必ず同じコース数が交互編成することを要せず、編密度等も考慮して適宜設計すればよい。水切り性を主として担う「Aコース」1コースに対して、捕集性を主として担う「Bコース」複数コースからなるBコース領域とし、「Aコース」「Bコース領域(複数コース)」「Aコース」「Bコース領域(複数コース)」・・と交互に編成し、捕集性を向上させることもできる。また、これの逆として、水切り性を向上させることを考慮して、「Aコース」複数コースからなるAコース領域に対して、「Bコース」を1コース編成し、「Aコース領域(複数コース)」「Bコース」「Aコース領域(複数コース)」「Bコース」・・と交互に編成してもよい。
【0017】
編組織にもよるが、袋全体における水切り性と捕集性とのバランスを考慮すると、「Aコース」を2〜5コースのAコース領域に対して、「Bコース」を1コース編成することが好ましい。
【0018】
また、ゴミ袋の底部とゴミ袋の口部、口部と底部の間の部とそれぞれにおいて、Aコースの領域とBコースの領域とを編成コース数を変化させて適宜設計してもよい。例えば、ゴミの底部は、水切り性がより求められるために、Aコースの領域を多く設けることが挙げられる。あるいは、底部におけるゴミの隠ぺい性を考慮して、Bコースの領域を設けた後、Aコースを編み入れることも好ましい。両者のコース数等については、編成する際の編み密度も考慮して、適宜自由に設計するとよい。
【0019】
水切りゴミ袋を構成する緯編地の編目は、0.2mm程度の細かい編目から、2〜3mm程度の粗い編目まで、適宜選択すればよい。本発明の水切りゴミ袋は、通常の丸編機を用いて緯編である筒編地を得、これを所定の長さに裁断した後、底部を縫糸で縫製して封じることにより得ることができる。また、平型編機(横編機等)を用いて緯編地を得、この緯編地二枚を重ねて両側部と底部を縫糸で縫製して、水切りゴミ袋を得ることができる。この際、緯編地は、緯方向に伸縮性を有するため、ゴミの捕集性を考慮して、緯編地の緯方向が、袋の横方向と一致するように袋を形成するとよい。
【0020】
本発明の水切りゴミ袋は、袋の開口部の部分に弾性糸を組み込むとよい。開口部に弾性糸を組み込んだ水切りゴミ袋は、使用時に、弾性糸が組み込まれた開口部を拡げて三角コーナーや排水口バスケット等のゴミ入れカゴに固定するため、ゴミ袋が収納カゴ等に固定しやすいためである。用いられる弾性糸としては、ゴム糸やスパンデックス糸、ポリエステル弾性糸、あるいはポリエステル繊維やナイロン繊維のストレッチ仮撚加工糸等、伸縮性の良好な糸条であればいかなるものでも用いることができる。弾性糸を袋体に組み込むには、袋体の形成後に手作業で弾性糸を編目に通す方法、編地に縫い付ける方法等があ
るが、編地の編成時に弾性糸を同時に編み込む方法が合理的である。
【0021】
本発明の水切りゴミ袋は、抗菌加工が施されていることが好ましい。抗菌加工は、糸の段階で施されたものであっても、編地の段階でも、製袋した後の袋形状の段階のいずれでもよい。また、糸を構成する熱可塑性樹脂自体に、抗菌剤が練り込まれたものであってもよい。抗菌性としては、静菌活性値(JIS L 1902(菌液吸収法))が2.2以上であることが好ましい。抗菌加工を施すことにより、三角コーナーやバスケット等の収容カゴに雑菌が繁殖するのを抑制する効果が期待できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水切りゴミ袋によれば、ゴミ捕捉性と水切り性との相反する要求性能を両方満たし、収容した生ゴミが袋を通して目立ちにくく、快適な水切りゴミ袋を提供することができる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における水切り性、ゴミ捕集性、美観性の評価については、次の方法で行った。
【0024】
(1)水切り性
1) 金網製の収容カゴに水切りゴミ袋を設置し、下記の基準ゴミを投入する。
基準ゴミ:
茶葉+湯(乾燥茶葉10gを200ccの熱湯中15分浸漬したもの)、
コーヒーの出し殻(乾燥重量30g)、
ごはん(炊飯済みレトルトごはん30g)、
米ぬか(10g)
2)さらに、下記の調整追加ゴミを、投入する。
調整追加ゴミ:
市販のレトルトカレーと水との分散体(ハウス食品社製 商品名「ククレカレー」より具を取り除いたもの30gを水1000cc中に分散するように混ぜたもの)。
3)上2)を投入後、5分放置した後、2)〜3)の操作を3回繰り返す。
4)3回目の投入後、経時的にゴミ袋からの排水量を測定する(15秒後、45秒後、90秒後)。
測定した排水量について、下記に基づき3段階評価した。
◎:3回目の排水量(各測定時間毎)が850g以上あり、水切り性は良好。
〇:3回目の排水量(各測定時間毎)が650g〜850gであり水切り性は普通。
×:3回目の排水量(各測定時間毎)が650g未満で水切り性が悪い。
【0025】
(2)ゴミ捕集性
水切りゴミ袋にコーヒーの出し殻30g(乾燥重量)を入れて、1リットルの水を投入する。袋より排出された排出液の状態を目視で確認し、下記に基づき3段階評価した。
◎:出し殻の流出はあまりなく捕集性は良好。
〇:出し殻の流出は少なく捕集性は普通。
×:出し殻の流出が多く捕集性が悪い。
【0026】
(3)美観性
金網製の収容カゴに水切りゴミ袋を設置し、上記(1)水切り性評価で用いた基準ゴミを投入し、さらに、上記(1)で用いた調整追加ゴミを投入後、該水切り袋を取り出し、被験者5人により目視で外観を観察し、下記2段階評価した。
◎:良好(被験者3人以上が、外観が悪くないと評価)。
×:悪い(被験者3人以上が、外観が悪く不快と評価)。
【0027】
実施例1
合成フィラメント糸(A)として、ポリエチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸(23デシテックス/1フィラメント)を準備した。また、合成マルチフィラメント糸(B)として、仮撚加工が施され、かつ染色してなるポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸(56デシテックス/24フィラメント)を準備した。
【0028】
筒編機を用いて、編密度を35コース×23ウェール、72ゲージとして、合成フィラメント糸(A)で編成されるコース 2コースに対して、合成マルチフィラメント糸(B)で編成されるコースを1コースの比率となるように、それぞれの糸を交互に供給し、天竺編み組織にて、筒状の緯編地を得た。なお、緯編地の口部には、ポリウレタンモノフィラメント糸(156デシテックス)とポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/36フィラメント)を配した。次いで、筒状の緯編地の一方の開口部を袋の底部とすべく、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/36フィラメント)を用いて縫製し、水切り袋を得た。得られた水切り袋のサイズ(吊り時 荷重なし)は、幅100mm、長さ210mm、編目0.8mm角であった。
【0029】
実施例2
実施例1で得られた水切り袋に抗菌加工を施して、実施例2の水切り袋とした。すなわち、アセチル化度15%のキトサン(高松油脂株式会社製,SA−50)18gと水982gとを攪拌、溶解して得たキトサン水溶液に、実施例1の水切り袋を15分間浸漬し、その後、脱水、乾燥(乾燥機にて150℃で1分間)を行った。得られた水切り袋の静菌活性値(JIS L 1902(菌液吸収法))は、3.7であり、抗菌防臭性に優れると評価できるものであった。
【0030】
比較例1
緯編地を構成する糸として、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメント糸(23デシテックス/1フィラメント)のみを用いて編成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の水切り袋を得た。
【0031】
比較例2
緯編地を構成する糸として、仮撚加工が施され、かつ染色してなるポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸(56デシテックス/24フィラメント)のみを用いて編成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の水切り袋を得た。
【0032】
得られた実施例1,2、比較例1,2の水切り袋について評価した結果を表1に示した。
【0033】
【表1】