特許第6335023号(P6335023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335023
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】切替開閉器
(51)【国際特許分類】
   H01H 31/02 20060101AFI20180521BHJP
   H01H 21/02 20060101ALI20180521BHJP
   H01H 31/28 20060101ALI20180521BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01H31/02 C
   H01H21/02 A
   H01H31/28 A
   H01H9/16 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-108245(P2014-108245)
(22)【出願日】2014年5月26日
(65)【公開番号】特開2015-225715(P2015-225715A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕明
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−045310(JP,A)
【文献】 特開2010−282745(JP,A)
【文献】 特開2015−225716(JP,A)
【文献】 特開2003−123597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 31/02
H01H 9/16
H01H 21/02
H01H 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前後方向へ回動操作可能な操作ハンドルの摘み部が、前記操作窓を介して前記本体ケースから上方へ突出しており、
前記摘み部を前側に傾倒させることにより2系統の回路のうち一方の回路と接続した第1オン状態となり、前記摘み部を後側に傾倒させることにより前記2系統の回路のうち他方の回路と接続した第2オン状態となり、更に前記摘み部を前後方向での中間位置で起立させることにより前記2系統の回路の両方と接続していないオフ状態となる切替開閉器であって、
前記摘み部を挿通可能な第1挿通孔を有するとともに、前記第1挿通孔の前側に、前記一方の回路と接続されていないことを表示する第1オフ表示部を、前記第1挿通孔の後側に前記他方の回路と接続されていないことを表示する第2オフ表示部を夫々備えたオフ表示部材と、
前記摘み部を挿通可能な第2挿通孔を有するとともに、前後方向の長さが前記オフ表示部材よりも長く形成されており、更に前記第2挿通孔の後側に、前記一方の回路と接続されていることを表示する第1オン表示部を、前記第2挿通孔の前側に前記他方の回路と接続されていることを表示する第2オン表示部を夫々備えたオン表示部材とを設け、
前記オン表示部材の上側に前記オフ表示部材を重ねた状態で、前記オン表示部材の下方から前記摘み部を前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔に挿通させることにより、前記オフ表示部材及び前記オン表示部材を、前記本体ケース内における前記操作窓の下方において、前記操作ハンドルの回動操作に応じ、前記操作ハンドルの回動軸を中心とした円周上を前後方向へスライド可能に設置しており、
前記第1オン状態では、前記第2オフ表示部及び前記第1オン表示部が前記操作窓内に露出し、前記第2オン状態では、前記第1オフ表示部及び前記第2オン表示部が前記操作窓内に露出し、更に前記オフ状態では、前記オフ表示部材が前記オン表示部材を被覆して前記第1オフ表示部及び前記第2オフ表示部のみが前記操作窓内に露出することを特徴とする切替開閉器。
【請求項2】
前記第1挿通孔を、その開口縁が前記摘み部の周面に当接するような孔とする一方、
前記第2挿通孔を、前記摘み部の前後方向での移動を許容する遊挿孔とし、
さらに、前記オン表示部材の前後両端部に、前記オフ表示部材の前端部若しくは後端部が当接可能な被押圧部を設け、
前記オン表示部材は、前記操作ハンドルの回動操作に直接連動する前記オン表示部材により、前記被押圧部が前方若しくは後方へ押圧されることによって前後方向へスライドすることを特徴とする請求項1に記載の切替開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2系統の回路の切り替えを行うための切替開閉器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、接続先を2系統の回路のうちの何れか一方へ切り替える切替開閉器には、前後方向へ回動操作可能な操作ハンドルが設けられている(たとえば特許文献1)。また、切替開閉器には、2系統の回路のうちの何れの回路と接続した状態にあるのかを表示する表示部も設けられている。そして、その表示部は、本体ケースの上面で、操作ハンドルの摘み部を本体ケースの外側へ突出させるため操作窓に隣接した位置に設けられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−123597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本体ケースの上面は、表示部として確保できるスペースに限りがあることが多く、上記従来よく見受けられる位置では表示部が小さくなってしまい、2系統の回路のうちの何れの回路と接続されているのか判別しづらいといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、2系統の回路のうちの何れの回路と接続されているのか判別しやすい切替開閉器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前後方向へ回動操作可能な操作ハンドルの摘み部が、前記操作窓を介して前記本体ケースから上方へ突出しており、前記摘み部を前側に傾倒させることにより2系統の回路のうち一方の回路と接続した第1オン状態となり、前記摘み部を後側に傾倒させることにより前記2系統の回路のうち他方の回路と接続した第2オン状態となり、更に前記摘み部を前後方向での中間位置で起立させることにより前記2系統の回路の両方と接続していないオフ状態となる切替開閉器であって、前記摘み部を挿通可能な第1挿通孔を有するとともに、前記第1挿通孔の前側に、前記一方の回路と接続されていないことを表示する第1オフ表示部を、前記第1挿通孔の後側に前記他方の回路と接続されていないことを表示する第2オフ表示部を夫々備えたオフ表示部材と、前記摘み部を挿通可能な第2挿通孔を有するとともに、前後方向の長さが前記オフ表示部材よりも長く形成されており、更に前記第2挿通孔の後側に、前記一方の回路と接続されていることを表示する第1オン表示部を、前記第2挿通孔の前側に前記他方の回路と接続されていることを表示する第2オン表示部を夫々備えたオン表示部材とを設け、前記オン表示部材の上側に前記オフ表示部材を重ねた状態で、前記オン表示部材の下方から前記摘み部を前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔に挿通させることにより、前記オフ表示部材及び前記オン表示部材を、前記本体ケース内における前記操作窓の下方において、前記操作ハンドルの回動操作に応じ、前記操作ハンドルの回動軸を中心とした円周上を前後方向へスライド可能に設置しており、前記第1オン状態では、前記第2オフ表示部及び前記第1オン表示部が前記操作窓内に露出し、前記第2オン状態では、前記第1オフ表示部及び前記第2オン表示部が前記操作窓内に露出し、更に前記オフ状態では、前記オフ表示部材が前記オン表示部材を被覆して前記第1オフ表示部及び前記第2オフ表示部のみが前記操作窓内に露出することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1挿通孔を、その開口縁が前記摘み部の周面に当接するような孔とする一方、前記第2挿通孔を、前記摘み部の前後方向での移動を許容する遊挿孔とし、さらに、前記オン表示部材の前後両端部に、前記オフ表示部材の前端部若しくは後端部が当接可能な被押圧部を設け、前記オン表示部材は、前記操作ハンドルの回動操作に直接連動する前記オン表示部材により、前記被押圧部が前方若しくは後方へ押圧されることによって前後方向へスライドすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作窓内で切替開閉器における回路のオン/オフ状態を表示する、すなわち2系統の回路のうちの何れの回路と接続されているのか、それともどちらの回路とも接続されていないのかを表示することができる。そのため、表示部に係るスペースを確保しやすく、作業者にしてみると切替開閉器における回路のオン/オフ状態の判別がしやすい。
また、請求項2に記載の発明によれば、オン表示部材もオフ表示部材同様に操作ハンドルの回動操作に直接連動するような構成と比較して、オン表示部材の前後方向での長さを短く形成することができ、本体ケース内における表示部に係るスペースの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】切替開閉器を示した説明図であって、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
図2】本体ケースを構成する第1ケース部材を示した斜視説明図である。
図3】オフ状態にある切替開閉器の内部構造を示した側面説明図である。
図4】オフ状態にある切替開閉器の内部構造を示した側面説明図である。
図5】第1オン状態にある切替開閉器の内部構造を示した斜視説明図である。
図6】第1オン状態にある切替開閉器の内部構造を示した側面説明図である。
図7】第2オン状態にある切替開閉器の内部構造を示した斜視説明図である。
図8】第2オン状態にある切替開閉器の内部構造を示した側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となる切替開閉器について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、切替開閉器50を示した説明図であって、(a)は斜視図、(b)は上面図である。図2は、本体ケース10を構成する第1ケース部材10aを示した斜視説明図である。図3及び図4は、オフ状態にある切替開閉器50の内部構造を示した側面説明図である。図5は、第1オン状態にある切替開閉器50の内部構造を示した斜視説明図であり、図6は、第1オン状態にある切替開閉器50の内部構造を示した側面説明図である。図7は、第2オン状態にある切替開閉器50の内部構造を示した斜視説明図であり、図8は、第2オン状態にある切替開閉器50の内部構造を示した側面説明図である。
【0011】
切替開閉器50は、3線からなる2系統の回路(図示せず)を切り替えるものであって、本体ケース10の前部には、電線を接続可能な3つの端子金具1a〜1cを有する切替元端子1、及び同じく電線を接続可能な3つの端子金具2a〜2cを有し、2系統のうちの一方の回路が接続される第1系統端子2が設けられている。一方、本体ケース10の後部には、電線を接続可能な3つの端子金具3a〜3cを有し、2系統のうちの他方の回路が接続される第2系統端子3が設けられている。また、本体ケース10は、左右に4分割して形成されており、本体ケース10の前側から見て左側の3部材(第1ケース部材10a、第2ケース部材10b、及び第3ケース部材10c)が、3線からなる回路に対する切替機構を収容している。一方、本体ケース10の前側から見て右端の第4ケース部材10dは、本体ケース10の右側面を閉塞する閉塞板として構成されている。さらに、この本体ケース10の上面に操作窓5が開設されており、本体ケース10内で切替機構9に連結されている操作ハンドル4の摘み部4aが、当該操作窓5を介して本体ケース10の外側(上側)へ突出している。なお、6(図3等に示す)は、切替機構9等を介して操作ハンドル4に連結され、操作ハンドル4の回動操作に応じて前後方向へ移動する可動接点部である。また、7(図3等に示す)は、第1系統端子2に接続された第1固定接点であり、8(図3等に示す)は、第2系統端子3に接続された第2固定接点である。
【0012】
そして、切替開閉器50では、操作ハンドル4の摘み部4aを前側へ傾倒させることにより、可動接点部6が前側へ傾倒して第1固定接点7と接触し、切替元端子1と第1系統端子2とが接続された第1オン状態となる。また、摘み部4aを後側へ傾倒させることにより、可動接点部6が後側へ傾倒して第2固定接点8と接触し、切替元端子1と第2系統端子3とが接続された第2オン状態となる。さらに、摘み部4aを前後方向での中間位置にて起立させることにより、可動接点部6が両固定接点7、8から離隔し、切替元端子1が第1系統端子2と第2系統端子3との何れにも接続されないオフ状態となる。
【0013】
ここで、本発明の要部となる切替開閉器50のオン/オフ状態の表示に係る構成について詳細に説明する。
切替開閉器50のオン/オフ状態の表示部は、操作ハンドル4の摘み部4aに嵌着されて操作ハンドル4の回動操作に直接連動するオフ表示部材21と、操作ハンドル4の回動操作に直接連動することはなく、オフ表示部材21の移動に応じて動作するオン表示部材31とを備えてなる。オフ表示部材21は、前後方向及び左右方向の長さが操作窓5と略同じ長さ(厳密にはどちらも僅かに長い)を有する帯状に形成された上面部22と、上面部22の左右両側縁から下方へ延設された側面部23、23とを有している。そして、オフ表示部材21は、上面部22の前後方向での中央部が前後両端部よりも上方へ膨出する側面視円弧状、言い換えるなら操作ハンドル4の回動軸を中心とした円弧状に形成されている。また、上面部22の前後方向での中央部には、先細り状に形成された摘み部4aの所定の高さ位置までを挿通可能とした挿通孔24が開設されている。さらに、挿通孔24の前側には、切替元端子1と第1系統端子2とがオフ状態にあることを表示する第1オフ表示部25が設けられている。加えて、挿通孔24の後側には、切替元端子1と第2系統端子3とがオフ状態にあることを表示する第2オフ表示部26が設けられている。
【0014】
オン表示部材31は、オフ表示部材21同様、上面部32の前後方向での中央部が前後両端部よりも上方へ膨出する側面視円弧状に曲げられており、上面部32上をオフ表示部材21が相対的に摺動可能となっている。また、上面部32の前後方向への長さはオフ表示部材21の上面部22よりも長く、上面部32の左右方向の長さはオフ表示部材21の側面部23、23間と略同じとなっており、上面部32の前後両端部には、オフ表示部材21の前端面若しくは後端面が当接可能な操作突条33が設けられている。さらに、オン表示部材31の前後方向での中央部には、前後方向にあそびがある状態で摘み部4aを挿通可能な遊挿孔34が設けられている。さらにまた、遊挿孔34の後側には、切替元端子1と第1系統端子2とがオン状態にある(第1オン状態にある)ことを表示する第1オン表示部35が設けられている。加えて、遊挿孔34の前側には、切替元端子1と第2系統端子3とがオン状態にある(第2オン状態にある)ことを表示する第2オン表示部36が設けられている。
【0015】
そして、オフ表示部材21及びオン表示部材31は、オン表示部材31上にオフ表示部材21を載置して重ねた状態で、摘み部4aをオン表示部材31の下方から遊挿孔34及び挿通孔24に挿通させた状態で、本体ケース10内の上部における操作窓5の下側に設けられた収納空間Sに設置されている。この設置状態にあっては、挿通孔24の開口縁が摘み部4aの周面に当接しており、オフ表示部材21は、操作ハンドル4の回動操作に直接連動して、操作ハンドル4の回動軸を中心とした円周上を前後方向へスライドすることになる。また、オフ表示部材21の上面部22がオン表示部材31の上面に、オフ表示部材21の側面部23、23がオン表示部材31の側面に夫々当接しており、オン表示部材31の上面部32及び側面が、オフ表示部材21のスライドを案内する案内部として機能するようになっている。一方、オン表示部材31に関しては、操作ハンドル4を回動操作したとしても摘み部4aは遊挿孔34内を移動することになり、操作ハンドル4の回動操作に直接連動はしない。ただ、操作ハンドル4と共にスライドするオフ表示部材21の前端面若しくは後端面が操作突条33に当接し、更に操作ハンドル4と共にオフ表示部材21が前方若しくは後方へスライドすることにより操作突条33がオフ表示部材21に押圧されることになり、オン表示部材31も操作ハンドル4の回動軸を中心とした円周上を前方若しくは後方へスライドすることになる。
【0016】
上記オフ表示部材21及びオン表示部材31の動作を具体的に説明すると、オフ状態である場合、オン表示部材31の操作窓5内に位置する箇所はオフ表示部材21により被覆されており、オフ表示部材21のみが操作窓5内に露出する格好となる。すなわち、操作窓5内において、摘み部4aの前側に第1オフ表示部25が、摘み部4aの後側に第2オフ表示部26が夫々露出しており、作業者にしてみると、両オフ表示部25、26が視認可能となる。このオフ状態において、第1オン状態からオフ状態にした場合、オン表示部材31は図3に示すような第1オン表示部35が操作窓5の下方に位置する前側位置にある一方、第2オン状態からオフ状態にした場合、オン表示部材31は図4に示すような第2オン表示部36が操作窓5の下方に位置する後側位置にある。
【0017】
ここで、図3に示すオフ状態から操作ハンドル4を前側に回動操作して第1オン状態に切り替えると、図5及び図6に示すように、オフ表示部材21は前方へスライドし、第1オフ表示部25が操作窓5よりも前方へ移動して本体ケース10により被覆される格好となり、操作窓5内には第2オフ表示部26のみが摘み部4aの後側に露出することになる。一方、オン表示部材31に関しては、摘み部4aが遊挿孔34内を前側へ移動するのみとなり、前側位置から移動しないものの、オフ表示部材21の移動に伴って、操作窓5の下方に位置している第1オン表示部35が操作窓5内に露出することになる。
【0018】
また、図4に示すオフ状態から操作ハンドル4を前側に回動操作して第1オン状態に切り替えると、オフ表示部材21は上記同様に動作する。一方、オン表示部材31に関しては、オフ表示部材21の前方へのスライドに伴い、前側の操作突条33が前方へ押圧されることになり、後側位置から前側位置へ移動し、上記図5及び図6に示すような状態(すなわち第1オン表示部35が操作窓5内に露出した状態)となる。
【0019】
このように、操作ハンドル4を前側に回動操作して第1オン状態とすると、第2オフ表示部26及び第1オン表示部35が視認可能となり、切替元端子1と第1系統端子2とがオン状態であり、且つ、切替元端子1と第2系統端子3とがオフ状態である旨が表示される。
なお、第1オン状態から操作ハンドル4を後側へ回動操作してオフ状態へ切り替えると、オフ表示部材21は、両オフ表示部25、26が操作窓5内に露出する上記位置に復帰する。また、オン表示部材31に関しては、摘み部4aが遊挿孔34内を後側へ移動するのみとなり、前側位置のまま移動せず、図3に示す状態となる。
【0020】
一方、図3に示すオフ状態から操作ハンドル4を後側に回動操作して第2オン状態にすると、図7及び図8に示すように、オフ表示部材21は後方へスライドし、第2オフ表示部26が操作窓5よりも後方へ移動して本体ケース10により被覆される格好となり、操作窓5内には第1オフ表示部25のみが摘み部4aの前側に露出することになる。また、オン表示部材31に関しては、オフ表示部材21の後方へのスライドに伴い、後側の操作突条33が後方へ押圧されることになるため、前側位置から後側位置へ移動し、第2オン表示部36が操作窓5内に露出することになる。
【0021】
さらに、図4に示すオフ状態から操作ハンドル4を後側に回動操作して第2オン状態に切り替えると、オフ表示部材21は上記同様に動作する。一方、オン表示部材31に関しては、摘み部4aが遊挿孔34内を後側へ移動するのみとなり、後側位置から移動しないものの、オフ表示部材21の移動に伴って、操作窓5の下方に位置している第2オン表示部36が操作窓5内に露出することになる。
【0022】
このように、操作ハンドル4を後側に回動操作して第2オン状態とすると、第1オフ表示部25及び第2オン表示部36が視認可能となり、切替元端子1と第1系統端子2とがオフ状態であり、且つ、切替元端子1と第2系統端子3とがオン状態である旨が表示される。
なお、第2オン状態から操作ハンドル4を前側へ回動操作してオフ状態へ切り替えると、オフ表示部材21は、両オフ表示部25、26が操作窓5内に露出する上記位置に復帰する。また、オン表示部材31に関しては、摘み部4aが遊挿孔34内を前側へ移動するのみとなり、後側位置のまま移動せず、図4に示す状態となる。
【0023】
以上のように構成される切替開閉器50によれば、摘み部4aを挿通可能な挿通孔24を有するとともに、挿通孔24の前側に、切替元端子1と第1系統端子2とがオフ状態にあることを表示する第1オフ表示部25を、挿通孔24の後側に、切替元端子1と第2系統端子3とがオフ状態にあることを表示する第2オフ表示部26を夫々備えたオフ表示部材21と、摘み部4aを挿通可能な遊挿孔34を有するとともに、前後方向の長さがオフ表示部材より21も長く形成されており、更に遊挿孔34の後側には、第1オン状態にあることを表示する第1オン表示部35を、遊挿孔34の前側に、第2オン状態にあることを表示する第2オン表示部36を夫々備えたオン表示部材31とを設け、オン表示部材31の上側にオフ表示部材21を重ねた状態で、オン表示部材31の下方から摘み部4aを挿通孔24及び遊挿孔34に挿通させることにより、オフ表示部材21及びオン表示部材31を、本体ケース10内における操作窓5の下方において、操作ハンドル4の回動操作に応じ、操作ハンドル4の回動軸を中心とした円周上を前後方向へスライド可能に設置している。そして、第1オン状態では、第2オフ表示部26及び第1オン表示部35が操作窓5内に露出し、第2オン状態では、第1オフ表示部25及び第2オン表示部36が操作窓5内に露出し、更にオフ状態では、オフ表示部材21がオン表示部材31を被覆して第1オフ表示部25及び第2オフ表示部26のみが操作窓5内に露出するようにした。したがって、操作窓5内で切替開閉器50における回路のオン/オフ状態を表示する、すなわち2系統の回路のうちの何れの回路と接続されているのか、それともどちらの回路とも接続されていないのかを表示することができる。そのため、表示部に係るスペースを確保しやすく、作業者にしてみると切替開閉器50における回路のオン/オフ状態の判別がしやすい。
【0024】
また、オフ表示部材21の挿通孔24を、その開口縁が摘み部4aの周面に当接するような孔とする一方、オン表示部材31の遊挿孔34を、前後方向にあそびがある状態で摘み部4aを挿通可能な孔、すなわち摘み部4aの前後方向での移動を許容する孔とし、さらに、オン表示部材31の前後両端部に、オフ表示部材21の前端部若しくは後端部が当接可能な操作突条33を設け、オン表示部材31を、操作ハンドル4の回動操作に直接連動するオフ表示部材21により、操作突条33が前方若しくは後方へ押圧されることによって前後方向へスライドするように構成している。したがって、オン表示部材31もオフ表示部材21同様に操作ハンドル4の回動操作に連動するような構成と比較して、オン表示部材31の前後方向での長さを短く形成することができ、本体ケース10内における表示部に係るスペースの省スペース化を図ることができる。
【0025】
なお、本発明に係る切替開閉器は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、切替開閉器の全体的な構成は勿論、表示部等の構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0026】
たとえば、上記実施形態では、オフ表示部材のみを操作ハンドルの回動操作に直接連動するように構成しているが、オン表示部材に設ける第2挿通孔を、その開口縁が摘み部の周面に当接するような挿通孔とし、オン表示部材についても、オフ表示部材同様、操作ハンドルの回動操作に直接連動するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、被押圧部を、オン表示部材の前後両端に設けているが、被押圧部の位置や形状、更には有無についても適宜設計変更可能である。
さらに、上記実施形態では、3極からなる切替開閉器としているが、2線からなる回路を切り替える場合は2極で構成すれば良いし、本体ケースについても2つのケース部材を組み付ける等としても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0027】
1・・切替元端子、2・・第1系統端子、3・・第2系統端子、4・・操作ハンドル、4a・・摘み部、5・・操作窓、6・・可動接点部、7・・第1固定接点、8・・第2固定接点、9・・切替機構、10・・本体ケース、21・・オフ表示部材、24・・挿通孔(第1挿通孔)、25・・第1オフ表示部、26・・第2オフ表示部、31・・オン表示部材、33・・操作突条(被押圧部)、34・・遊挿孔(第2挿通孔)、35・・第1オン表示部、36・・第2オン表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8