特許第6335034号(P6335034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335034
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20180521BHJP
   B60P 1/46 20060101ALI20180521BHJP
   B60P 1/43 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B60P1/44 B
   B60P1/46 B
   B60P1/43 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-123897(P2014-123897)
(22)【出願日】2014年6月17日
(65)【公開番号】特開2016-2851(P2016-2851A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松崎 良彦
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3045975(JP,U)
【文献】 実開昭54−028224(JP,U)
【文献】 特開2006−000175(JP,A)
【文献】 特開2005−014689(JP,A)
【文献】 米国特許第05253973(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/00− 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降手段によって車両に対して昇降可能な荷受台を備え、当該荷受台の先端部においてその幅方向を軸方向として回動可能で金属製プレート材を含んでなるフラップが設けられた荷受台昇降装置であって、
前記フラップは、前記幅方向における端部において、当該幅方向と略直交方向を長手方向とするとともに前記金属製プレート材が折り曲げられてなる突条部を有し、
さらに、前記フラップは、前記先端部に設けられて前記幅方向を軸方向として回動する回動アームに対して、前記突部の折り曲げられている部位を介して設けられているとともに、水平姿勢の前記荷受台に対して展開された際、前記先端部の一部の上側に重なるように設けられている
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記折り曲げられてなる突部は、前記フラップにおける車両前後方向の長さ全体にわたって設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に架装された荷受台昇降装置の荷受台、特に、荷受台の先端側で地面に対する道板として利用されるフラップに関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台昇降装置は主に車両後方に架装され、昇降可能な荷受台を備えている。例えば、車両の荷台後方に立設された左右一対の支柱に沿って荷受台が昇降する荷受台昇降装置には、図4(a)のように、荷受台91の先端部91aに車両前後方向(X軸方向)に回動するフラップ92が設けられたものがある。フラップ92は、荷受台91の幅方向(Y軸方向)を軸方向とする軸部93を介して先端部91aに取り付けられており、荷受台昇降装置を使用する際には図示する展開状態とされ、荷物載置面91bと地面との間の道板として機能する(例えば、特許文献1)。荷受台昇降装置を使用しない際にはフラップ92は車両前方側(X軸負方向側)に回動されて荷受台に重なるように折り畳まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4204286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このフラップ92に関しては、折り畳みや展開の作業が手で行われるため、軽量なフラップ92が好まれる。そのため、フラップ92は薄いプレート材で構成されている。
【0005】
この場合、図4(b)に示すように、経年変化でフラップ92が角度αだけ折れ曲がることがある。薄いプレート材でフラップ92が構成されているため、台車等の積みおろしを繰り返す間に、重畳する荷受台91の先端部91aの端部910aを支点として、荷受台91から突出するフラップ92が下方に屈折することが要因である。
こうした変化が生じると、フラップ92の耐久性が低下するだけでなく、フラップ92を折り畳んだ際にフラップ先端部92aが荷受台91から浮いてしまう。
【0006】
車両走行中にフラップ92が揺動することがないように、折り畳んだ際にフラップ先端部92aを係止部材で係止して、フラップ92aが荷受台91に対して相対的に固定されることが多いが、フラップ先端部92aが浮いてしまうと係止部材が届かなくなって固定させることが困難となる。
【0007】
また、車両を走行可能な状態とする際、荷受台91は荷台下方に収納状態や、車両後方で起立状態とされる。フラップ先端部92aが浮いてしまうと、荷受台92の厚みはフラップ92だけでなく、浮いたフラップ先端部92aの分も嵩増しされてしまう。荷台下方での収納状態や車両後方で起立状態のいずれであっても、狭小なスペースで収納又は起立されるため、上記嵩増しによって、収納状態では上方に位置する車両フレームに干渉する恐れ、又は起立状態では前方に位置する荷箱に干渉する恐れがある。
【0008】
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、荷受台の先端部に回動可能に設けられて経年変化に伴う形状変化を抑制できるフラップを備えた荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために荷受台昇降装置において以下の手段を採る。
【0010】
昇降手段によって車両に対して昇降可能な荷受台を備え、当該荷受台の先端部においてその幅方向を軸方向として回動可能なフラップが設けられた荷受台昇降装置であって、前記フラップは、前記幅方向における端部において、当該幅方向と略直交方向を長手方向とする突条部を有している構成とする。
前記フラップは、金属製プレート材を含んでおり、前記突条部は、前記金属製プレート材が折り曲げられてなる構成を有する。
【0011】
また、前記先端部には、前記幅方向を軸方向として回動する回動アームが設けられており、前記フラップは、前記幅方向の端部において、前記回動アームによって支持されている構成とすることもできる。なお、前記フラップが水平姿勢の前記荷受台に対して展開された際、前記回動アームが前記先端部から突出状態となるように設けられている。
さらに、前記フラップは、水平姿勢の前記荷受台に対して展開された際、前記先端部の一部の上側に重なるように設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の荷受台昇降装置に係る荷受台は、先端部に設けられた回動可能なフラップが幅方向端部に突条部を有していることで、平板形状のフラップとは異なり、幅方向と略直交する方向を長手方向とするリブが設けられた状態となり、フラップの撓みを防止できる。つまり、フラップ強度の低下を防止するととともに、フラップを折り畳んだ際にフラップ先端部が浮いてしまうことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る荷受台に設けられたフラップを示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る荷受台に設けられたフラップを示す平面図及び側面図である。
図4】従来形態に係る荷受台に設けられたフラップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一例として、車両後方に架装された荷受台昇降装置100について、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は荷受台昇降装置100の側面図を示している。荷受台昇降装置100は、昇降手段Mによって荷受台2が車両に対して昇降可能に設けられた構成となっており、昇降手段Mは、車両の後端部で左右それぞれに立設された支柱1と、左右の支柱1に架設されたクロスメンバ3と、そのクロスメンバ3内に収容された油圧シリンダ4とを備えている。荷受台2は、支柱1に沿って鉛直方向に昇降(矢印A1)する。荷受台2には、先端部21にフラップFが設けられており、フラップFは車両幅方向(紙面に垂直な方向)を軸方向として回動可能(矢印A2)となっている。図1では、左側が車両前方側、図中の右側が車両後方側となっており、クロスメンバ3及び油圧シリンダ4は、いずれも車両幅方向を長手方向としている。
【0016】
支柱1の内部には、荷受台2を支持するスライダ5が配され、支柱1又はクロスメンバ3の内部には、一端がスライダ5に止着されて油圧シリンダ4の伸縮に伴って繰り出されるワイヤWや、そのワイヤWを張設する滑車C11、C21などが配されている。なお、図1では、説明の便宜上、支柱1の内部に配されているスライダ5、ワイヤ、支柱1上部の滑車C21を実線で示している。
【0017】
スライダ5は、その後端部5aが支柱1の後面から突出した状態で配されている。後端部5aには、起立姿勢と水平姿勢との間で回動して姿勢変更できるように、荷受台2が支持されている。
【0018】
ワイヤWは、既知の状態で支柱1及びクロスメンバ3の内部で張設されている。ワイヤWは、その一端がスライダ5に止着されており、支柱1上部に固定された滑車C21を介して支柱1下方に折り返されている。さらに、ワイヤWはクロスメンバ3の両端部に固定された滑車C11を介してクロスメンバ3の内部に配設される。油圧シリンダ4のロッド先端にはクロスメンバ3を長手方向に移動する動滑車(不図示)が設けられている。クロスメンバ3内に引き込まれたワイヤWは、動滑車を介してクロスメンバ3に設けられた固定端に止着されている。油圧シリンダ4のロッドが伸縮すると、その伸縮力がワイヤWを介してスライダ5に伝播され、ワイヤWの繰り出しによってスライダ5が昇降し、スライダ5の昇降に伴って荷受台2が支柱1に沿って昇降する。
【0019】
荷受台2は、図示のとおり、水平姿勢で昇降される。荷受台2は、水平姿勢の際、荷受台幅方向(車両幅方向)と直交する車両前後方向に延びた状態となっており、この車両後方に向かってフラップFは展開された状態とされる。
【0020】
このフラップFについて、図2を用いて説明する。図2(a)は、折畳状態のフラップFを車両左前方側から見た水平姿勢の荷受台2の要部斜視図、図2(b)は折畳状態のフラップFを車両後方側から水平姿勢の荷受台2の要部斜視図、図2(c)は展開状態のフラップFを車両左後方側から見た水平姿勢の荷受台2の要部斜視図である。
【0021】
フラップFは、車両幅方向(Y軸方向)を長手方向となって略矩形状を有するアルミニウム合金製のプレート状部材であり、図2(a)のとおり、その車両幅方向の両端部が折り曲げられてなる。この折り曲げられてなる部位は、フラップFの主面に対して立設状態であるとともに、車両前後方向(X軸方向)を長手方向とする突条部F1である。この突条部F1には、鉄製のフラップ支持部6が取り付けられている。なお、フラップFの主面は、台車等による荷物の積みおろしに利用される(荷物や台車が乗り入れる)面を指している。
【0022】
フラップ支持部6は、車両幅方向(Y軸方向)端部よりも所定距離だけ内寄りとなる位置において、車両幅方向を軸方向として回動可能に荷受台2の先端部21に設けられており、先端部21に対して所定の回動半径で回動する回動アームとして機能する。フラップ支持部6は、略三角形状で荷受台2の荷物載置面2a上に固設された支持ブラケット61と、さらに内寄り位置で支持ブラケット61に隣接するとともに車両前後方向(X軸方向)に長尺であって略矩形状断面を有する取付ブラケット62と、支持ブラケット61に対して取付ブラケット62が車両幅方向を軸方向として回動可能となるように設けられた回動軸部63とを有する。
【0023】
支持ブラケット61は、同じく鉄製の荷受台2の荷物載置面21に溶着によって固定されており、図示のとおり、略三角形状の主面が車両幅方向側を向いた状態で立設されている。なお、荷受台2の先端部21は図示のとおり上面の一部がテーパ部21aとなっており、支持ブラケット61はこのテーパ部21aにも沿うようにして溶着されている。
【0024】
取付ブラケット62は、図示する荷受台2上に折り畳まれた状態から略180度だけ車両後方側(X軸正方向側)に回動軸部63を回動中心として回動可能となっている。この取付ブラケット62に対してフラップFが4つの締結手段(ボルト及びナット)Vで固定されている。なお、取付ブラケット62の回動先端側(X軸負方向側)には荷受台21の外側に向かって張り出された張出片62aが設けられている。荷受台2の荷物載置面2aには、鉛直上側(Z軸正方向側)に突出した回転軸部71と、この回転軸部71を中心に回転可能な回転片72とが設けられており、回転片72を図示のように張出片62a上に回転させることで、取付ブラケット62の回動及びフラップFの回動が規制される。
【0025】
フラップFがフラップ支持部6に取り付けられた構成を有していることで、フラップFは回動軸部63を中心に回動可能となっている。さらに、このフラップ支持部6によって、荷受台2は図2(b)のとおり、フラップFの設置領域Sにおいて滑らかな平滑面を有している。具体的には、フラップ支持部6が、設置領域S内ではなく、フラップFに対して車両幅方向(Y軸方向)外側に設けられていることで、フラップF及び荷受台2の荷物載置面2aの両面において、凹凸が抑制され、台車等による荷物の積みおろし作業を阻害しない。特に、フラップFは荷物載置面2aに対して傾斜しており、平坦面(荷物載置面2a)と傾斜面(フラップF)との間における円滑な積みおろしに貢献し、作業効率だけでなく作業安全性も確保できる。さらに、図2(b)で図示されているフラップFの裏面Frも平滑面となっている。フラップFの裏面Fr及び荷受台2の荷物載置面2aが互いに平滑面となっているので、フラップFを車両後方に回動した際に、対向する面の間に干渉部材(例えば、フラップFを荷受台2に固定する部材等)を介さず、フラップFが浮いた状態にもならず、良好な展開状態となる。
【0026】
フラップFは展開状態となると、図2(c)のとおり、その先端部F2が荷受台2の先端部21よりも車両後方側(X軸正方向側)に延出する。上述した突条部F1は図示のとおり、フラップFの車両前後方向に沿った長さLF全体にわたって設けられている。取付ブラケット62に対して、突条部F1の外側面が当接した状態でフラップFは締結手段Vによって締結されている。延出したフラップFの下方部には地面との間に高さH1程度の空間が形成されるが、車両前後方向を長手方向とする突条部F1がフラップFの長さLFにおけるリブ機能を有するため、フラップFの撓み、特に車両前後方向に沿って生じる撓みや屈折等の形状変化を抑制する効果を生じる。よって、フラップFを介して荷受台と地面との間で台車等による荷物の積みおろしを行ったとしても、フラップFに経年変化による形状変化を抑制でき、フラップFを折り畳んだ際にもその先端部F2が荷受台2に対して浮いてしまうことも防止できる。
【0027】
フラップFは突条部F1によって上記形状変化を抑制できる強度を備えているので、フラップFの厚みを大きくすることもない。そのため、重量増加を回避し、手動で折畳み及び展開の作業をする簡易性が維持される。また、図3(a)の平面図で示すように、フラップFは斜線を付した長さL1の荷受台2の先端部21に対する重畳部Pが設けられているが、荷物の積みおろしが長年行われても、重畳部Pのうちの車両後方側端部P1を支点としてフラップFにおいて荷受台2の先端部21から延出した部位が屈折するような形状変化も防止できる。したがって、重畳部Pを有する状態でフラップFが荷受台2に設けられた構成とすることで、荷受台2におけるフラップFが安定して支持され、その安定性を維持しつつフラップFの一定強度も確保できる。
【0028】
さらに、フラップ支持部6が設けられていることで、荷受台2に対する高い溶接強度を確保することができる。荷受台2には、図示するキャスタストッパCSが荷受台2の先端部21に設けられている。当該キャスタストッパCSは図3(b)に示すように、倒伏状態(実線部分)と起立状態(一点鎖線部分)との間で姿勢変更可能な既知の構成を有している。キャスタストッパCSに対して、フラップFは図3(a)のように展開状態で距離L2だけ離れた近接状態で荷受台2に設けられている。このように展開状態のフラップFに台車等が乗り入れられると、フラップ支持部6には車両後方側(X軸正方向側)に引っ張り力が生じるが、フラップ支持部6における支持ブラケット61が上記距離L2よりも大きな長さL3にわたって荷受台2に溶着されているので、支持ブラケット61は上記引っ張り力に抗して強固に溶着されている。つまり、キャスタストッパCSとフラップFとの間における狭小なスペース上の制限を受けることなく、支持ブラケット61の車両幅方向の少なくとも外側で長い溶接領域を確保できるので、上記引っ張り力に対してもフラップFは荷受台2に安定して支持されている。そのため、上記L2の大きさが縮小され、上記L3の大きさを拡大することもできる。したがって、上記重畳部Pを有する状態でフラップFが荷受台2に設けられた構成とすることができ、さらに、キャスタストッパCSも荷受台2の先端部21に近接した状態で設けられた構成にすることができる。
【0029】
また、図3(b)のとおり、フラップFを支持して回動アームとして機能するフラップ支持部6が、展開状態のフラップFの形状変化を抑制する効果も備えている。具体的には、取付ブラケット62が荷受台2の先端部21から車両後方(X軸正方向)側に長さL4だけ延出した状態でフラップFは展開される。取付ブラケット62も突条部F1と同様に車両前後方向を長手方向とする形状で同方向に沿って一定の長さを有しており、当該長手方向に沿ってフラップFが固定されているので、取付ブラケット62もフラップFが車両前後方向に撓む形状変化を抑制する機能を備えている。さらに、図示のとおり、取付ブラケット62は重畳部Pのうちの車両後方側端部P1に当接するので、フラップFに台車等が乗り入れた際の負荷を抑制できる。したがって、取付ブラケット62もフラップFにおけるリブとしての効果を備えている。
【0030】
その他にも、フラップ支持部6によってフラップFが支持された構成によって、上述のとおり、フラップFと荷物載置面2aとの間での凹凸を抑制できる構成(図2(b)参照)なので、フラップFが展開状態の際にその先端部F2が浮くこともない。さらに、上記凹凸が抑制されていることで、フラップFに切り欠きを設ける加工等も不要で、フラップFの強度低下も防止できるとともにフラップFの傾斜角度も抑制できる。
以上のとおり、突条部F1を有することで、手動による操作性を確保するために薄いプレート状部材からなるフラップFは、所定の強度を維持できる。
【0031】
この突条部F1に関しては、折り曲げられてなる構成となっているが、平板のプレート部材の端部に別に長尺状のブラケットを立設状態で固定した構成でも良い。長尺状のブラケットに関しては、矩形状に限らず、丸棒状や他の断面形状を有するものでも構わない。固定手段に関しては、溶接や締結等が用いられ、適宜設定可能である。なお、車両幅方向を長手方向とする突条部をさらにも設けても構わない。
【0032】
突条部F1が設けられている位置に関しては、図2で示すようなフラップFの車両幅方向における縁部に限らず、当該縁部から離れた幅方向内寄り位置に設けられていてもフラップFの撓み、特に車両前後方向における撓みの抑制効果を奏するため、適用可能である。
【0033】
突条部F1の車両前後方向の長さに関しては、この車両前後方向におけるフラップFの全体にわたって設けられている(図2(c)における長さLF)ことが好ましいが、車両前後方向を長手方向とする形状であれば、上記長さLFよりも僅かに短くても、フラップFの先端部F2が浮いてしまう形状変化を抑制できる。さらに突条部F1は左右(車両幅方向端部)にそれぞれ1本ずつに限定するものでもなく、フラップFの所望強度に合わせて適宜設定可能である。
【0034】
また、鉄製の荷受台2に対して、軽量なアルミニウム合金製のフラップFとしたが、これらの材質の組み合わせについても金属製の部材であれば適宜変更可能であり、互いに異なる材質でも同じ材質でも構わない。
【0035】
フラップ支持部6の位置に関しても、荷受台2の端部から内寄りに離れた位置に設けたが、荷受台2の端面に設けてさらにフラップFが拡幅された構成としても良い。
【0036】
さらに、荷受台昇降装置100は、荷受台2が支柱1に沿って昇降される昇降手段Mを備えた構成としたが、他の昇降手段で荷受台2が昇降される構成としても良い。例えば、車両に対して上下回動されるアーム部材と、当該アーム部材を上下回動させる油圧シリンダ等を備えた既知の昇降手段を備えた荷受台昇降装置も適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、車両に架装された荷受台昇降装置であって、荷受台の先端部にフラップを備えた全てのタイプに対して有用である。
【符号の説明】
【0038】
1 支柱
2 荷受台
3 クロスメンバ
4 油圧シリンダ
5 スライダ
6 フラップ支持部
21 先端部(荷受台)
21a テーパ部(荷受台)
61 支持ブラケット
62 取付ブラケット
63 回動軸部
100 荷受台昇降装置
M 昇降手段
F フラップ
F1 突条部(フラップ)
F2 先端部(フラップ)
P 重畳部
図1
図2
図3
図4