(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出口開口(O)と、その出口開口(O)の床面(f)のピット溝(P)内に収容されて、前記防水シート(S)を折り畳み収納するケーシング(C)と、そのケーシング(C)の左右両端より起立される前記側部フレーム(F)とを備え、前記側部フレーム(F)は、前記サイドレール(1)と、前記レールカバー(2)とよりなることを特徴とする、前記請求項1に記載の防水装置。
前記アジャスト機構(A)は、前記レールカバー(2)に回動可能に支持される回動板(31)と、この回動板(31)にスライド調整可能に設けられる調整板(32)と、この調整板(32)に張出、格納可能に設けられる係合板(33)とを備え、前記係合板(33)は、その張出時に、前記サイドレール(1)の凹部(11)内の内側面(11b)に設けた係合溝(16a)に係合可能とされていることを特徴とする、前記請求項1または2に記載の防水装置。
前記可撓性防水シート(S)は、その下縁が前記ケーシング(C)内に設けたシート固定金具(40)により固定され、その上縁に桟(43)が固定されて、前記出口開口(O)に張り出すようにされ、前記桟(43)は前記サイドレール(1)に係脱可能に支持され、前記防水シート(S)は前記レールカバー(2)とサイドレール(1)間に挟持されることを特徴とする、前記請求項1、2、または3に記載の防水装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、防水シートを工具を使用せずに素早く前記出入口に設置でき、しかも部品点数が少なく、かつ構造簡単で廉価に提供することができ、その上、通常時に、出入口の側部フレームとして使用されているレールカバーを利用して防水カバーを設置できるようにした、新規な防水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、地下鉄、地下道、建物などの出入口を塞いで外部からの異常増水の出入口内への浸入を防止できるようにした防水装置において、
前記出入口に通じる出口開口の左右側部フレームを、サイドレールと、そこに着脱自在に固着されるレールカバーとより構成し、前記サイドレールより取り外したレールカバーを利用して前記出口開口に可撓性防水シートを張設可能としたものであって、
前記レールカバーに、そのレールカバーを前記サイドレール内に予め締め具合を調整して取り付け得るアジャスト機構が設けられ、前記レールカバーの外面には、前記サイドレール内のシート受との間で、前記出口開口に張設された前記防水シートの側部を挟持し得るシート押え面が形成されていることを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、請求項2の発明は、請求項1の発明の特徴に加えて、前記出口開口と、その出口開口の床面のピット溝内に収容されて、前記防水シートを折り畳み収納するケーシングと、そのケーシングの左右両端より起立される前記側部フレームとを備え、前記側部フレームは、前記サイドレールと、前記レールカバーとよりなることを特徴としている。
【0009】
さらに、上記目的を達成するために、請求項3の発明は、請求項1または2の発明の特徴に加えて、前記アジャスト機構は、前記レールカバーに回動可能に支持される回動板と、この回動板にスライド調整可能に設けられる調整板と、この調整板に張出、格納可能に設けられる係合板とを備え、前記係合板は、その張出時に、前記サイドレールの凹部内の内側面に設けた係合溝に係合可能とされていることを特徴としている。
【0010】
さらにまた、上記目的を達成するために、請求項4の発明は、請求項1、2または3の発明の特徴に加えて、前記可撓性防水シートは、その下縁が前記ケーシング内に設けたシート固定金具により固定され、その上縁に桟が固定されて、前記出口開口に張り出すようにされ、前記桟は前記サイドレールに係脱可能に支持され、前記防水シートは前記レールカバーとサイドレール間に挟持されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異常増水の発生した非常時には、出口開口に防水シートを素早く張り出して、出入口への水の浸入を未然に防止することができ、特に、防水シートは、何らの工具も必要とすることなく、簡単な操作で、出口開口に張り出して固定できるので、防水シートの設置時間が短縮され、咄嗟の場合にも防水シートの設置が間に合わないことがなく、防水装置を常に確実に機能させることができる。また、防水シートを設置するのに工具などを必要としないので、工具などの紛失で、防水シートが設置できなくなる虞れがなく、さらに側部フレームを構成するレールカバーを利用して防水シートの設置ができるので、防水シートを設置するのに別途に部品を用意する必要がない。
【0012】
また、特に請求項2の発明によれば、防水装置は、部品点数が少なく構造が簡素化されて、廉価に提供することができる。
【0013】
また、特に請求項3の発明によれば、前記アジャスト機構は、前記レールカバーに回動可能に支持される回動板と、この回動板にスライド調整可能に設けられる調整板と、この調整板に張出、格納可能に設けられる係合板とよりなるので、コンパクトに薄く形成することができ、前記レールカバー内に容易に収納することができる。
【0014】
また、特に請求項4の発明によれば、可撓性防水シートは、その上縁に桟が固定されて、出口開口に張り出すようにされ、その桟はサイドレールに係脱可能に支持されので、その張出操作およびレールカバーとサイドレール間への挟持操作が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0017】
地下鉄、地下道、建物などの出入口Eには、その出入口Eを随時に塞いで、ゲリラ豪雨等による異常増水の外部からの浸入を防止できるようにした、本発明にかかる防水装置が設けられる。
【0018】
防水装置は、ケーシングCと、そのケーシングCの左右両端部より一体に立設される左右側部フレームFと、ケーシングCと左右側部フレームFとで画成される出口開口Oを開閉する可撓性防水シートSにより構成され、前記側部フレームFは、サイドレール1と、そこに着脱可能に固着されるレールカバー2とより構成されている。
【0019】
前記出口開口Oの床面f下には、コンクリート製のピット溝Pが一体に埋設され、そのピット溝P内に横断面凹状の前記ケーシングCが一体に設けられる。ケーシングCの開口上面は、床面fと面一とされている。
【0020】
図1(A)、2、3に示すように、通常時(異常増水が発生していないとき)には、前記ケーシングC内には、前記可撓性防水シートSがジグザグ状に折り畳んで格納される。また、ケーシングCの開口上面は、蓋板3によって開閉可能に閉じられ、出口開口Oの床面fは出入口Eの床面と面一とされる。
【0021】
ケーシングCの側壁下部には、ドレンパイプ4が接続され、このドレンパイプ4はピット溝Pを貫通して図示しない排水溝に連通されており、ケーシングC内の貯溜水は、ドレンパイプ4を通して排水される。
【0022】
出口開口Oの左右両側部には、前記ケーシングCの左右両端部より一体に起立される、サイドレール1がそれぞれ配置される。各サイドレール1の対向内面10には横断面凹状の凹部11がそれぞれ形成されており、その対向内面10に、シート押えに兼用される、レールカバー2が着脱可能に固着される。
【0023】
一対のサイドレール1は、出入口E側の外側面に固定されており、それらの隙間にはコーキング材6が装填されて、それら間は止水される。
【0024】
図1(A)、2に示すように、通常時(異常増水の発生しない時)は、サイドレール1と、レールカバー2とは着脱可能に一体に結合されて、防水装置の左右側部フレームFを形成している。すなわち、各サイドレール1の内面10(レールカバー2との対向内面)の上部および側部には、雌ボールキャッチ14がそれぞれ固着され、一方、レールカバー2の内面(サイドレール1との対向内面)の上部および側部には、雄ボールキャッチ24がそれぞれ設けられ、それらの雌、雄ボールキャッチ14、24を連結して、各サイドレール1に各レールカバー2がそれぞれ着脱可能に連結されて、通常時の防水装置の左右側部フレームFが構成される。
【0025】
また、
図2、8、11に示すように、各レールカバー2 の上部には、従来公知のポップアップつまみ15が設けられる。このポップアップつまみ15は押すことにより外方に突出するので、このポップアップつまみ15を摘んで外方に牽引することで、雌、雄ボールキャッチ14、24が外れてレールカバー2をサイドレール1から取り外すことができる。
【0026】
各レールカバー2は、サイドレール1から取り外した後は、非常時(異常増水時)に張り出される防水シートSのシート押えとして兼用される。
【0027】
レールカバー2を防水シートSのシート押えとして利用するときは、
図1(A)に鎖線で示すように、このレールカバー2をサイドレール1から取り外したのち、上下方向の軸回りに略90°転向させ、
図1(B)に示すように、サイドレール1に位置を調整して取り付けるようにする。
【0028】
レールカバー2の下部には、切欠よりなる係止凹部20(
図13参照)が形成され、この係止凹部20は、このレールカバー2をシート押え位置に配置したとき、サイドレール1内のシート固定金具40のボルト41に係合して、レールカバー2の下部がその幅方向に移動しないように係止され(
図13参照)、またレールカバー2の上部は、後述する桟43に設けたレールカバー止め47(
図12参照)と係合してその幅方向に移動しないように係止される。
【0029】
図5に示すように、レールカバー2には、その長手方向に間隔をあけて複数(3つ)のアジャスト機構Aが設けられる。これらのアジャスト機構Aは、レールカバー2の押え位置を、サイドレール1に対し調整できるようにしたものであり、以下に、
図6〜10を参照して、アジャスト機構Aの構成について説明する。
【0030】
各アジャスト機構Aは、レールカバー2の格納凹部21内に格納される格納位置(
図9(A)参照)と、そこから略90°展開する使用位置(
図9(B)参照)との間で回動できるように、レールカバー2に回動可能に支持されている。
【0031】
レールカバー2の幅方向の基端側には、その長手方向に延びて、格納凹部21を貫通する支持軸30が固着されており、この支持軸30にアジャスト機構Aが略90°回動できるように支持される。アジャスト機構Aは、いずれも矩形板よりなる、回動板31、調整板32および係合板33を重ね合わせてレールカバー2の格納凹部21内に収納できるように薄く形成されている。前記回動板31は、その基部に一体に設けた一対の軸受板31aが、前記支持軸30に、その軸線L1−L1まわりに回動可能に支持され、前記調整板32は、前記回動板31に、その幅を略同じにしてスライド可能に重ね合わされており、その中間部に長孔よりなる調整孔32aが開口され、この調整孔32aに、回動板31を貫通した一対のボルト34が挿通され、それらのボルト34にナット35が螺着されており、ボルト・ナット34、35の締着によれば、回動板31と調整板32とが固定され、またボルト・ナット34、35の弛緩によれば、調整板32を回動板31に対してその長手方向(レールカバー2の幅方向)に、前記調整孔32aに長さ範囲でスライド調整可能とされている。また前記係合板33は、回動板31および調整板32と幅を略同じにして、調整板32に回動可能に重ね合わされており、調整板32の先部と係合板33の基部にはボルト36が貫通され、そのボルト36にナット37が螺着され、ボルト・ナット36、37の締着によれば調整板32と係合板33とが固着され、またボルト・ナット36、37の弛緩によれば、係合板33を調整板32に対してボルト・ナット36、37の軸線回りに回動することができる。係合板33の先部一側には、把手33aが一体に屈曲形成されており、この把手33aを把持して係合板33を手動により回動させることができる。
【0032】
一方、サイドレール1の凹部11の他方(出入口Eに対して外側)の内側面11bには、前記係合板33の自由端33bが係脱し得る係合溝16aを設けた係合板16が固着されている。
【0033】
図6、
図10(B)に示すように、アジャスト機構Aを使用位置に回動し、回動板31に対して調整板32の相対位置を調整し、ついで、係合板33を展開位置に回動してその自由端33bを係合溝16aに係合(
図6参照)すれば、レールカバー2をシート押え位置に、その位置を調整して固定することができる。
【0034】
図10に示すように、レールカバー2の基部の外面には、シート押え面22が形成されている。このシート押え面22は、サイドレール1の凹部11の一方の内側面11a(出入口Eの内側面)に設けた、止水ゴム17aを有するシート受17に対向しており、シート押え面22とシート受17との間に防水シートSの側部を水密に挟持することができる。
【0035】
図2、3に示すように、通常時に、ケーシングC内に折り畳み収納されている可撓性シートSは、その下縁が、ケーシングC内の下面に複数のボルト41により固定されるシート固定金具40により挟持固定されている。そして可撓性防水シートSは、使用時(異常増水発生時)には、手動により蓋板3を外して外部に引き出されるようにされる。
【0036】
図1、8、11、12に示すように、可撓性防水シートSの上縁は、その全幅に亘って延長される、アングル鋼よりなる桟43と、同じくアングル鋼よりなる挟持部材43aとの間に挟まれ、それらに設けた複数のボルト・ナットよりなる固着具44により固定されている。桟43と挟持部材43aの左右両端部には、それぞれ掛止孔45が穿設されており、一方、左右サイドレール1の一方の内側面11aの上部には、それぞれフック46が固定されており、そのフック46に、前記掛止孔45を嵌入することにより、防水シートSを左右一対のサイドレール1に掛止することができる(
図12(B)参照)。
【0037】
また、前記挟持部材43aの左右両端寄りの部分には、アングル材よりなるレールカバー止め47が固着されており、このレールカバー止め47に、使用位置にあるレールカバー2の上縁を係合させる(
図8参照)ことにより、そのレールカバー2をサイドレール1と桟43との間に固定することができる。
【0038】
図10(A)に示すように、防水シートSの左右両側縁は、紐条48を巻いて縫製されて玉縁49とされており、防水シートSの側縁が、サイドレール1のシート受17とレールカバー2のシート押え面22とで挟持されたとき、防水シートSの側縁が抜け出ないようにされている。
【0039】
つぎに、本発明にかかる前記実施形態の作用について説明する。
【0040】
[通常時]
通常時は、
図1(A)に示すように、人や乗り物が自由に行き来できるように、防水装置の出口開口Oは常時開放されており、防水シートSは防水装置のケーシングC内に折り畳んで収納されている(
図3参照)。ケーシングCの開口上面は蓋板3により閉じられており、蓋板3の上面は、出口開口Oの床面fと面一にされている。出口開口Oの左右両側部は、左右サイドレール1の対向内面10(出口開口Oと対向する面)にそれぞれレールカバー2が固定されて、防水装置の側部フレームFを構成している。
【0041】
[非常時]
ゲリラ豪雨、高潮等による異常増水が出入口E内に浸入する虞れが生じた非常時には、その浸入を未然に防止できるように防水装置を使用位置に設置する。
【0042】
(1) まず、レールカバー2のホップアップつまみ15をプッシュして、これを外部に引き出し(
図2参照)、これを摘んで、左右サイドレール1から左右レールカバー2をそれぞれ取り外す。
【0043】
(2) つぎに、蓋板3をケーシングCの開口上面より取り外したのち、ケーシングC内の可撓性防水シートSを取り出し、これを出口開口O内に張り出して、防水シートS上縁の桟43および挟持部材43aに穿設した左右掛止孔45を左右サイドレール1のフック46にそれぞれ係合して、防水シートSを左右サイドレール1に支持させる(
図12参照)。この状態では、防水シートSは張り出されて出口開口Oを塞ぐ。
【0044】
(3) 取り外した左右レールカバー2を、左右サイドレール1に対して使用位置にそれぞれ取り付ける。左右レールカバー2の左右サイドレール1へ取り付ける要領は同じであるので、以下に、その一方について、
図10を参照して説明すると、
図10(A)に示すように、レールカバー2を使用位置、すなわちその幅方向を防水シートSに沿う方向に配置して、そのレールカバー2のシート押え面22を、サイドレール1の凹部11の一方の内側面11aに対向させ、それらの間に、防水シートSの挟持間隙を形成したのち、複数のアジャスト機構Aを支持軸30回りに略90°回動させて、サイドレール1の凹部11内に位置させる。
【0045】
(4) つぎに、
図10(B)に示すように、予め締め具合を調整してあるアジャスト機構Aの係合板33を回動し、その自由端33bを、サイドレール1の他方の内側面11bに設けた係合板16の係合溝16aに係合する(
図6参照)。これによりアジャスト機構Aはサイドレール1の凹部11内に固定され、レールカバー2のシート押え面22とサイドレール1のシート受17間に防水シートSの側部を水密に締め付け挟持することができる。
【0046】
この場合、アジャスト機構Aは、その長さ、すなわち防水シートSの締め具合を予め調整しておくことにより、防水シートSを挟持する際に、アジャスト機構Aを調整する必要がない。
【0047】
以上により、
図1(B)に示すように、防水シートSは、出口開口Oに張出設置されて、その出口開口Oを塞ぐことができ、水の出入口Eへの浸入を未然に防止することができる。
【0048】
防水シートSを、防水装置の出口開口Oから外すときは、前記(1) 〜(4) の操作を逆に行えばよい。
【0049】
以上のように、本発明にかかる実施形態の防水装置によれば、異常増水の発生した非常時には、その出口開口Oに防水シートSを素早く設置して、出入口Oへの水の浸入を未然に防止することができ、特に、防水シートSは、何らの工具も必要とすることなく、簡単な操作で、出口開口Oに張り出して固定できるので、防水シートSの設置時間が短縮され、咄嗟の場合にも防水シートSの設置が間に合わないことがなく、防水装置を常に確実に機能させることができる。また、防水シートSを設置するのに工具などを必要としないので、工具などの紛失で、防水シートSが設置できなくなる虞れがない。
【0050】
さらに、防水装置の側部フレームFを構成するレールカバー2を利用して防水シートSの設置ができるので、部品点数の削減して構造の簡素化を図ることができ、防水装置を廉価に提供することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
たとえば、前記実施形態では、サイドレール1とレールカバー2よりなる側部フレームFは、出入口Eの外側に露出状態で固定されているが、側部フレームFを出入口Eの両側面に埋設するようにしてもよい。