(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の排ガス浄化用触媒は、セリウム含有酸化物に銅が担持される第1触媒と、アルミナに白金が担持される第2触媒とを備えている。
【0012】
1.第1触媒について
セリウム含有酸化物としては、例えば、酸化セリウム(CeO
2)、下記一般式(1)で示されるセリア系複合酸化物などが挙げられる。
一般式(1)
Ce
1−(a+b)Zr
aL
bO
2−c (1)
(式中、Lは、希土類元素(ただし、Ceを除く。)および/またはアルカリ土類金属を示し、aは、Zrの原子割合を示し、bは、Lの原子割合を示し、1−(a+b)は、Ceの原子割合を示し、cは、酸素欠陥量を示す。)
一般式(1)において、Lで示される希土類元素としては、例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)などが挙げられる。
【0013】
一般式(1)において、Lで示されるアルカリ土類金属としては、例えば、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)などが挙げられる。
【0014】
このようなLで示される希土類元素およびアルカリ土類金属のなかでは、好ましくは、希土類元素、さらに好ましくは、Y(イットリウム)が挙げられる。これら希土類元素およびアルカリ土類金属は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0015】
また、一般式(1)において、aで示されるZrの原子割合は、0.2〜0.7の範囲であり、好ましくは、0.2〜0.5(好ましくは、0.5未満)の範囲である。
【0016】
また、一般式(1)において、bで示されるLの原子割合は、0〜0.2の範囲であり、好ましくは、0.01〜0.1の範囲である。すなわち、Lは必須成分ではなく任意成分であり、含まれる場合には、0.2以下の原子割合である。bで示されるLの原子割合が0.2を超えると、相分離や他の複合酸化物相を生成する場合がある。
【0017】
また、一般式(1)において、1−(a+b)で示されるCeの原子割合は、好ましくは、aより多く、具体的には、0.3〜0.8の範囲であり、好ましくは、0.5〜0.6の範囲である。
【0018】
さらに、一般式(1)において、cは酸素欠陥量を示し、これは、Ce、ZrおよびLの酸化物が通常形成するホタル石型の結晶格子において、その結晶格子にできる空孔の割合を意味する。
【0019】
セリア系複合酸化物は、特に制限されることなく、例えば、特開2004−243305号公報の段落番号[0090]〜[0102]の記載に準拠して、複合酸化物を調製するための適宜の方法、例えば、共沈法、クエン酸錯体法、アルコキシド法などの製造方法によって、製造することができる。
【0020】
このようなセリウム含有酸化物のなかでは、好ましくは、上記一般式(1)で示されるセリア系複合酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、Ce
1−(a+b)Zr
aY
bO
2−cで示されるセリア−ジルコニア系複合酸化物が挙げられる。
【0021】
セリウム含有酸化物に銅を担持させる方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
【0022】
より具体的には、例えば、まず、銅を含む塩の溶液を調製し、この銅を含む塩の溶液をセリウム含有酸化物に含浸させた後、必要により乾燥させ、焼成する。
【0023】
銅を含む塩としては、例えば、銅の無機酸塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、りん酸塩など)、銅の有機酸塩(例えば、酢酸塩、しゅう酸塩など)などが挙げられる。
【0024】
また、銅を含む塩の溶液は、例えば、上記の塩を、所定の化学量論比となるような割合で水に加えて、攪拌混合することにより調製することができる。
【0025】
また、銅を含む塩の溶液として、実用的には、例えば、硝酸銅(II)水溶液(硝酸銅(II)・3水和物塩の水溶液など)などが挙げられる。
【0026】
そして、このような銅を含む塩の溶液の、銅濃度(銅含有量)を調整することにより、排ガス浄化用触媒における銅の担持割合を、調整することができる。
【0027】
また、セリウム含有酸化物に、銅を含む塩の溶液を含浸させた後の焼成温度は、例えば、350〜1000℃、好ましくは、400〜800℃であり、焼成時間が、例えば、0.5〜5時間、好ましくは、0.5〜3時間である。
【0028】
これによって、セリウム含有酸化物に銅(より具体的には銅酸化物)が担持され、第1触媒が調製される。
【0029】
第1触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、例えば、0.83質量%以上、好ましくは、1質量%以上、さらに好ましくは、2質量%以上、例えば、24質量%以下、好ましくは、21質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下、とりわけ好ましくは、7質量%以下である。
【0030】
2.第2触媒について
アルミナとしては、例えば、αアルミナ、θアルミナ、γアルミナなどが挙げられ、好ましくは、θアルミナが挙げられる。
【0031】
αアルミナは、結晶相としてα相を有し、例えば、AKP−53(商品名、高純度アルミナ、住友化学社製)などが挙げられる。このようなαアルミナは、例えば、アルコキシド法、ゾルゲル法、共沈法などの方法によって得ることができる。
【0032】
θアルミナは、結晶相としてθ相を有し、αアルミナに遷移するまでの中間(遷移)アルミナの一種であって、例えば、SPHERALITE 531P(商品名、γアルミナ、プロキャタリゼ社製)などの活性アルミナ(γアルミナ)を、大気中にて、900〜1100℃で、1〜10時間熱処理することによって得ることができる。
【0033】
γアルミナは、結晶相としてγ相を有し、特に限定されず、例えば、排ガス浄化用触媒などに用いられている公知のものが挙げられる。
【0034】
また、これらのアルミナにLaおよび/またはBaが含まれるアルミナを用いることもできる。Laおよび/またはBaを含むアルミナは、特開2004−243305号の段落番号[0073]の記載に準拠して、製造することができる。
【0035】
アルミナに白金を担持させる方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
【0036】
より具体的には、例えば、まず、白金を含む塩の溶液を調製し、この白金を含む塩の溶液をアルミナに含浸させた後、必要により乾燥させ、焼成する。
【0037】
白金を含む塩としては、例えば、ジニトロジアンミン白金、塩化白金などが挙げられる。
【0038】
また、白金を含む塩の溶液は、例えば、上記の塩を、所定の化学量論比となるような割合で無機酸に加えて、攪拌混合することにより調製することができる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。
【0039】
白金を含む塩の溶液として、実用的には、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液(いわゆるPt−Pソルト硝酸溶液)などが挙げられる。
【0040】
そして、このような白金を含む塩の溶液の、白金濃度(白金含有量)を調整することにより、排ガス浄化用触媒における白金の担持割合を、調整することができる。
【0041】
また、アルミナに白金を含む塩の溶液を含浸させた後の焼成温度は、例えば、350〜1000℃、好ましくは、400〜800℃であり、焼成時間が、例えば、0.5〜5時間、好ましくは、0.5〜3時間である。
【0042】
これによって、アルミナに白金が担持され、第2触媒が調製される。
【0043】
第2触媒において、白金(金属換算)の担持割合は、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.025質量%以上、さらに好ましくは、0.03質量%以上、例えば、10質量%未満、好ましくは、1.1質量%以下、さらに好ましくは、0.07質量%以下である。
3.排ガス浄化触媒
そして、排ガス浄化用触媒は、第1触媒と第2触媒とを粉砕混合することにより調製される。
【0044】
第1触媒の配合割合は、第1触媒および第2触媒の総和に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、40質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
【0045】
第2触媒の配合割合は、第1触媒および第2触媒の総和に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、60質量%以下、さらに好ましくは、50質量%以下である。
【0046】
第1触媒および第2触媒のそれぞれの配合割合が上記の範囲であれば、排ガス浄化性能の向上を確実に図ることができる。
【0047】
また、銅(金属換算)の担持割合は、第1触媒および第2触媒の総和に対して、0.75質量%以上、好ましくは、1.0質量%以上、さらに好ましくは、1.5質量%以上、例えば、12質量%以下、好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下、とりわけ好ましくは、4質量%以下である。
【0048】
銅の担持割合が上記の範囲であれば、排ガス浄化性能の向上を確実に図ることができる。
【0049】
また、白金(金属換算)の担持割合は、第1触媒および第2触媒の総和に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.02質量%以上、1質量%未満、好ましくは、0.04質量%以下である。
【0050】
白金の担持割合が上記下限値以上であれば、排ガス浄化性能の向上を確実に図ることができ、白金の担持割合が上記上限値未満であれば、白金の使用量の低減を図ることができる。
【0051】
また、排ガス浄化用触媒における、白金と銅との質量比率(白金:銅)は、例えば、1:20〜1:500、好ましくは、1:30〜1:400、さらに好ましくは、1:100〜1:200である。
【0052】
また、排ガス浄化用触媒の比表面積(BET比表面積)は、例えば、65m
2/g以上、好ましくは、70m
2/g以上、さらに好ましくは、71m
2/g以上、例えば、80m
2/g以下、好ましくは、75m
2/g以下、さらに好ましくは、73m
2/g以下である。
【0053】
排ガス浄化用触媒の比表面積が上記の範囲であれば、排ガス浄化性能の向上を確実に図ることができるとともに、優れた加工性を得ることができる。また、排ガス浄化用触媒を後述するようにコート層として形成した場合の剥離を抑制することができる。
【0054】
そして、このようにして得られる排ガス浄化用触媒は、そのまま用いることもできるが、例えば、触媒担体上に担持(コート)させることもできる。
【0055】
触媒担体としては、特に限定されず、例えば、コージェライトなどからなるハニカム状のモノリス担体など、公知の触媒担体が挙げられる。
【0056】
触媒担体上に担持(コート)させるには、例えば、まず、得られた排ガス浄化用触媒に、水を加えてスラリーとした後、触媒担体上にコーティングし、乾燥させ、その後、約300〜800℃、好ましくは、約300〜600℃で熱処理する。
【0057】
なお、このような場合には、本発明の排ガス浄化用触媒は、必要により、アルミナや複合酸化物(例えば、ペロブスカイト型複合酸化物、蛍石型複合酸化物など)などの公知の耐熱性酸化物と併用することができる。
【0058】
このような排ガス浄化用触媒は、セリウム含有酸化物に銅が担持される第1触媒、および、アルミナに白金が担持される第2触媒を備えている(のみからなる)。
【0059】
そして、銅の担持割合が、第1触媒と第2触媒との総和に対して、0.75質量%以上であるので、白金の担持割合を第1触媒と第2触媒との総和に対して1質量%未満となるように低減しても、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど)から排出される排ガス(一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NO
x)など、とりわけ、CO)を良好に浄化することができる。そのため、白金の使用を低減することができながら、排ガス浄化性能の向上を図ることができる。
【0060】
このような排ガス浄化用触媒は、エンジンから排出される排ガスを浄化するための触媒、とりわけ、ディーゼルエンジンから排出される排ガスを浄化するための触媒として、好適に用いることができる。
【実施例】
【0061】
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。また、以下の説明において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。なお、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
【0062】
製造例1
セリウムメトキシプロピレート[Ce(OCH(CH
3)CH
2OCH
3)
3]をCe換算で0.1molと、ジルコニウムメトキシプロピレート[Zr(OCH(CH
3)CH
2OCH
3)
3]をZr換算で0.09molと、イットリウムメトキシプロピレート[Y(OCH(CH
3)CH
2OCH
3)
3]をY換算で0.01molと、トルエン200mLとを配合して、攪拌して溶解させることにより、混合アルコキシド溶液を調製した。
【0063】
さらに、この混合アルコキシド溶液に、脱イオン水80mLを滴下して、加水分解した。加水分解された溶液から、トルエンおよび脱イオン水を留去・蒸発させ、乾固した固体を得た。この得られた固体を、60℃で24時間通風乾燥させた後、電気炉にて、450℃で3時間熱処理(焼成)することにより、Ce
0.50Zr
0.45Y
0.05O
2で示されるセリア−ジルコニア系複合酸化物(以下、CZYとする。)の粉末を得た。
【0064】
実施例1
CZYの粉末4.98質量部に、硝酸銅(II)水溶液(詳しくは、銅含有量26.04質量%の硝酸銅(II)・3水和物塩0.29質量部を水30質量部に溶解して調製した水溶液)30.3質量部を含浸させ、110℃で1昼夜乾燥後、電気炉にて、大気中において650℃で1時間熱処理(焼成)することにより、銅を担持するCZY粉末(第1触媒、以下、Cu担持CZYと略する。)5.00質量部を得た。Cu担持CZYにおいて、銅(金属換算)の担持割合は、1.5質量%であった。
【0065】
θアルミナ5.00質量部に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液(詳しくは、白金含有量4.511質量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液0.055質量部を、水30質量部に溶解して調製した硝酸水溶液)30.1質量部を含浸させ、110℃で1昼夜乾燥後、電気炉にて、大気中において650℃で1時間熱処理(焼成)することにより、白金を担持するθアルミナ粉末(第2触媒、以下、Pt担持アルミナと略する。)5.00質量部を得た。Pt担持アルミナにおいて、白金(金属換算)の担持割合は、0.05質量%であった。
【0066】
そして、Cu担持CZY5.00質量部と、Pt担持アルミナ5.00質量部とを、乳鉢で10分間粉砕混合することで、Cu担持CZYおよびPt担持アルミナの混合粉末である排ガス浄化触媒10.00質量部を得た。
【0067】
排ガス浄化触媒の比表面積は、74.5m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、0.75質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0068】
実施例2
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩0.57質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、実施例2において、排ガス浄化触媒の比表面積は、71.7m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、1.50質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0069】
実施例3
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩1.14質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、実施例3において、排ガス浄化触媒の比表面積は、72.4m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、3.00質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0070】
実施例4
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩1.71質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、実施例4において、排ガス浄化触媒の比表面積は、70.7m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、4.50質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0071】
実施例5
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩2.28質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、実施例5において、排ガス浄化触媒の比表面積は、68.2m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、6.00質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0072】
実施例6
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩3.80質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、実施例6において、排ガス浄化触媒の比表面積は、66.9m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、10.00質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0073】
比較例1
硝酸銅(II)水溶液を、硝酸銅(II)・3水和物塩0.10質量部を水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒を調製した。なお、比較例1において、排ガス浄化触媒の比表面積は、77.6m
2/gであった。排ガス浄化触媒において、銅(金属換算)の担持割合は、0.25質量%であり、白金(金属換算)の担持割合は、0.025質量%であった。
【0074】
比較例2
実施例1のPt担持アルミナ5質量部のみを排ガス浄化触媒とした。つまり、Pt担持アルミナに、Cu担持CZYを混合しなかった。
【0075】
比較例3
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を、白金含有量4.511質量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液0.55質量部を、水30質量部に溶解して調製した点以外は、実施例1と同様にして、Pt担持アルミナを調製し、そのPt担持アルミナ5質量部のみを排ガス浄化触媒とした。つまり、Pt担持アルミナに、Cu担持CZYを混合しなかった。なお、排ガス浄化触媒において、白金(金属換算)の担持割合は、0.50質量%であった。
【0076】
比較例4
実施例2のCu担持CZY5質量部のみを排ガス浄化触媒とした。つまり、Cu担持CZYに、Pt担持アルミナを混合しなかった。
【0077】
評価
1)耐久処理(Air750℃・5h)
各実施例および各比較例において得られた排ガス浄化触媒を、次の条件で高温耐久処理した。
【0078】
この高温耐久処理では、各実施例および各比較例において得られた排ガス浄化用触媒を、水10%含有空気(O
2:20%、H
2O:10%、N
2:Balance)の雰囲気条件に、750℃で5時間曝露し、室温まで冷却した。
2)浄化率評価(T50)
上記耐久処理後の各実施例および各比較例の排ガス浄化用触媒を、0.5mm〜1.0mmのサイズのペレットに成型して試験片を調製した。
【0079】
ディーゼルエンジンから排出される排ガスのモデルガスとして、下記表1に示す組成のガスを用いた。そして、このモデルガスの燃焼によって排出される排気ガスの温度を、室温から750℃まで、30℃/分の割合で上昇させつつ、モデルガスを各試験片に供給し、排ガス中のCOが、50%浄化されるときの温度(50%浄化温度(T50):℃)を測定した。
【0080】
【表1】
【0081】
その結果を、表2、
図1および
図2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
考察
図1に示すように、銅の担持割合が0.75質量%以上である排ガス浄化用触媒(実施例1〜6)は、銅の担持割合が0.75質量%未満である触媒(比較例1および比較例2)と比較して、優れた排ガス浄化率を有していた。
【0084】
また、
図2に示すように、第1触媒および第2触媒を備える排ガス浄化用触媒(実施例1〜6)は、第1触媒のみからなる触媒(比較例4)および第2触媒のみからなる触媒(比較例2)のそれぞれと比較して、優れた排ガス浄化率を有していた。