(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の空気調和装置では、上記電磁ユニットを、室外機のパッケージ外に設けているから、現地施工の際に電磁ユニット(ストレーナ)の取付け場所を確保しなければならず、施工性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、現地施工の際にガス側フィルタおよび液側フィルタの取付け場所を確保する必要がなく、施工性を向上できるヒートポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明のヒートポンプは、
圧縮機および室外熱交換器をパッケージに収納する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを、ガス管および液冷媒管で接続するヒートポンプにおいて、
ガス冷媒側のガス側閉鎖弁および液冷媒側の液側閉鎖弁を上記室外機の上記パッケージ内に設け、
上記ガス側閉鎖弁よりも上記室内機側でかつ上記室外機の上記パッケージ内にガス冷媒側のガス側フィルタを取付けると共に、上記液側閉鎖弁よりも上記室内機側でかつ上記室外機の上記パッケージ内に液冷媒側の液側フィルタを取付けたことを特徴としている。
【0007】
尚、上記パッケージを、外部に対して圧縮機を収納する室を画定するケース(シールド)として定義する。したがって、本発明では、上記ガス側閉鎖弁、液側閉鎖弁、ガス側フィルタおよび液側フィルタは、圧縮室を収納する室内に配置されることになる。
【0008】
本発明によれば、従来、現地施工で室外機のパッケージ外に取付けていたガス冷媒側のガス側フィルタおよび液冷媒側の液側フィルタを、室外機のパッケージ内に設けたので、現地施工の際に室外機の外部にガス側フィルタおよび液側フィルタの取付け場所を確保する必要がない。したがって、施工性が向上する。
【0009】
また、一実施形態では、
上記ガス側閉鎖弁および上記ガス側フィルタの夫々が、上下方向に延在するように、上記ガス側閉鎖弁および上記ガス側フィルタを配置し、
上記ガス側閉鎖弁の少なくとも一部が存在する高さの範囲は、上記ガス側フィルタが存在する高さの範囲と重なる。
【0010】
尚、この明細書では、上記「上下方向に延在する」とは、室外機を使用状態における姿勢で水平面に載置した場合で、高さ方向の成分が、水平方向の成分よりも大きい延在方向に延在していることをいう。また、以下、本明細書で、水平方向や鉛直方向や高さ方向といった高さに関係がある文言(表現)を使用した場合、それは、室外機を水平面に載置した状態での方向等を指すものとする。
【0011】
上記実施形態によれば、ガス側閉鎖弁の少なくとも一部が存在する高さの範囲が、ガス側フィルタが存在する高さの範囲と重なるから、パッケージ内に、高さ方向を有効利用してガス側閉鎖弁およびガス側フィルタを収納できる。したがって、ガス側フィルタをパッケージ内に内蔵でき、かつ、パッケージの設置面積の増大も抑制できる。
【0012】
また、一実施形態では、
上記ガス側フィルタより上記室内機側でかつ上記パッケージの外部から上記ガス管を接続可能な箇所にガス冷媒管接続部材を設け、上記ガス側フィルタより上記ガス冷媒管接続部材に近い部分に上記ガス側閉鎖弁を設け、上記ガス閉鎖弁および上記ガス冷媒接続部材の夫々に、圧力検出部として圧力取り出し用ポートを設けている。
【0013】
上記実施形態によれば、ガス閉鎖弁およびガス冷媒接続部材の夫々に、圧力取り出し用ポートを設けているから、ガス側フィルタにおけるガス冷媒の流れの上流側および下流側に、圧力計を設置できる。したがって、ガス側フィルタの上流側および下流側のガスの圧力を計測できるから、ガス側フィルタの目詰まりを確認する際の作業性が向上する。
【0014】
また、一実施形態では、
上記液側閉鎖弁が上下方向に延在するように、上記液側閉鎖弁を配置し、上記液側フィルタが水平方向に延在するように、上記液側フィルタを配置している。
【0015】
上記実施形態によれば、液側閉鎖弁の延在方向が、液側フィルタの延在方向と大きく異なるから、液側閉鎖弁と、液側フィルタを、略互いに独立に配置できる。したがって、液側閉鎖弁と、液側フィルタを、互いに異なる狭いスペースに配置できるから、液側閉鎖弁および液側フィルタの夫々を、狭いスペース(隙間)を有効に活用して配置できる。
【0016】
また、一実施形態では、
上記液側フィルタより上記室内機側でかつ上記パッケージの外部から上記液冷媒管を接続可能な箇所に液冷媒接続部材を設け、上記液側閉鎖弁および上記液冷媒接続部材の夫々に、圧力検出部として圧力取り出し用ポートを設けている。
【0017】
上記実施形態によれば、上記液側閉鎖弁および液冷媒接続部材の夫々に、圧力取り出し用ポートを設けているから、液側フィルタにおける液冷媒の流れの上流側および下流側に、圧力計を設置できる。したがって、液側フィルタの上流側および下流側の液冷媒の圧力を計測できるから、液側フィルタの目詰まりを確認する際の作業性が向上する。また、ガス側フィルタの差圧検知と液側フィルタの差圧検知を、同じパッケージの外板を外すだけで実行できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のヒートポンプによれば、現地施工の際にガス側フィルタおよび液側フィルタの取付け場所を確保する必要がなく、施工性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態のガスエンジン駆動式ヒートポンプの簡略化した冷媒回路図である。
【0022】
図1に示すように、このヒートポンプは、室外機50、室内機100、ガス管110および液冷媒管120を備える。また、このヒートポンプは、室外機50用の制御装置60を備える。尚、
図1に参照番号80で示す点線は、室外機50のパッケージを示している。
図1に示すように、ガス管110および液冷媒管120の夫々は、室外機50と室内機100とを接続している。
【0023】
室外機50は、第1圧縮機1、第2圧縮機2、オイルセパレータ3、四方弁4、ガス側閉鎖弁5、ガス側フィルタ6、液側フィルタ9、液側閉鎖弁10、第1逆止弁11、第2逆止弁12、第3逆止弁13、第4逆止弁14、レシーバ17および過冷却熱交換器18を有する。また、室外機50は、第1電子膨張弁20、第2電子膨張弁21、第1室外熱交換器23、第2室外熱交換器24、アキュムレータ26、サブエバポレータ(冷媒補助蒸発器)27、第3電子膨張弁35、第4電子膨張弁36、電磁弁38および第5逆止弁39を有する。一方、室内機100は、室内熱交換器8を有する。
【0024】
制御装置60は、第1圧縮機1、第2圧縮機2、四方弁4、第1電子膨張弁20、第2電子膨張弁21、第3電子膨張弁35、第4電子膨張弁36および電磁弁38に制御信号を出力し、それらの機器を制御する。図示はしないが、制御装置60は、信号線を介してこれらの機器の夫々と電気接続されている。
【0025】
図1に示すように、第1圧縮機1、第2圧縮機2、ガス側閉鎖弁5、液側閉鎖弁10、ガス側フィルタ6および液側フィルタ9は、室外機50のパッケージ80内に設けられている。第1圧縮機1、第2圧縮機2、ガス側閉鎖弁5、液側閉鎖弁10、ガス側フィルタ6および液側フィルタ9は、パッケージ80によって画定された同一の室内に配置されている。
【0026】
図1に示すように、第1圧縮機1と、第2圧縮機2は、並列に配置され、第1および第2圧縮機1,2の吐出側のラインは、オイルセパレータ3の冷媒流入口に接続されている。オイルセパレータ3の冷媒流出側は、四方弁4の第1ポート30に接続されている。四方弁4の第2ポート31は、ガス側閉鎖弁5およびガス側フィルタ6を経由して室内熱交換器8のガス側のポートに接続されている。ガス側フィルタ6は、ガス側閉鎖弁5よりも室内機100側でかつ室外機50のパッケージ80内に配置されている。
【0027】
室内熱交換器8の液側のポートは、液側フィルタ9および液側閉鎖弁10を介して、第1逆止弁11の冷媒流出側のポートと第2逆止弁12の冷媒流入側のポートとを接続するライン25に接続されている。液側フィルタ9は、液側閉鎖弁10よりも室内機100側でかつ室外機50のパッケージ80内に配置されている。第1逆止弁11の冷媒流出側のポートは、ライン55を介してレシーバ17の冷媒流入側のポートに接続されている。レシーバ17の冷媒流出側のポートは、過冷却熱交換器18を介して、第2および第4逆止弁12,14の夫々の冷媒流入側のポートに接続されている。
【0028】
図1に示すように、第4逆止弁14の冷媒流出側のポートと第3逆止弁13の冷媒流入側のポートとは、ライン56で接続されている。第1および第2電子膨張弁20,21は、ライン56から分岐したライン57に並列に接続されている。第1および第2電子膨張弁20,21の逆止弁13,14接続側とは異なる側から出たライン58には、第1および第2室外熱交換器23,24が並列に接続されている。第1および第2電子膨張弁20,21は、第1および第2室外熱交換器23,24に直列に接続されている。
【0029】
第1および第2室外熱交換器23,24の電子膨張弁20,21接続側とは異なる側から出たライン59は、四方弁4の第3ポート32に接続されている。
図1に示すように、四方弁4の第4ポート33は、アキュムレータ26に接続されている。アキュムレータ26は、圧縮機1,2の吸入側に接続されている。
【0030】
また、第4逆止弁14の冷媒流入側のポートは、第3電子膨張弁35を経由してサブエバポレータ27に接続されている。サブエバポレータの第4逆止弁14接続側とは異なる側は、四方弁の第4ポート33とアキュムレータ26を接続しているライン61に接続されている。
【0031】
第4逆止弁14の冷媒流入側のポートと、第3電子膨張弁35を接続するライン62からは、新たなライン63が分岐している。その分岐したライン63は、第4電子膨張弁36を介して、過冷却熱交換器18に接続されている。
図1に示すように、過冷却熱交換器18は、アキュムレータ26と圧縮機1,2を接続するライン40に、ライン41を介して直接的に接続されている。過冷却熱交換器18を通過した冷媒は、過冷却熱交換器18を通過した後、ライン41を通って圧縮機1,2の方に流動する。
【0032】
図1に示すように、室外熱交換器23,24と、電子膨張弁20,21とを接続するライン58は分岐し、ライン58から分岐したライン53は、第1および第3逆止弁11,13をレシーバ17に接続するライン55に接続されている。電磁弁38および第5逆止弁39は、上記分岐したライン53の経路上に配置されている。
図1に示すように、電磁弁38は、ライン53上において第5逆止弁39よりも室外熱交換器23,24側に位置している。制御装置60は、電磁弁38を全開か全閉の状態に制御する。
【0033】
上記構成において、このヒートポンプは、次のように冷暖房運転を行う。
【0034】
先ず、暖房運転では、制御装置60が、四方弁4を制御して、四方弁4の第1ポート30と第2ポート31とを接続し、第3ポート32と第4ポート33とを接続する。
【0035】
暖房運転において、圧縮機1,2から吐出された高圧の冷媒ガスは、先ず、オイルセパレータ3に流入する。オイルセパレータ3は、冷媒ガスから圧縮機1,2の潤滑油を分離する。詳述しないが、オイルセパレータ3で冷媒ガスから分離された潤滑油は、図示しないラインを介して圧縮機1,2に戻される。
【0036】
冷媒ガスは、オイルセパレータ3を通過した後、四方弁4、ガス側閉鎖弁5、ガス側フィルタ6を、この順に通過して、室内熱交換器8に流入する。ガス側閉鎖弁5は、手動(工具を使用する場合もある)で開閉される弁である。ガス側閉鎖弁5は、主に施工時に室外機50を室内機100に接続する際に開放される。ガス側閉鎖弁5は、施工時に外部からの異物が室外機50に混入することを防止する役割を担っている。また、ガス側フィルタ6は、施工時に外部からの異物を取り除く役割を担っている。ガス側フィルタ6は、室外機50を保護するために設けられている。
【0037】
ガス冷媒は、室内熱交換器8に熱を与えることにより、自らは液化して液冷媒となる。その後、液冷媒は、液側フィルタ9、液側閉鎖弁10、第1逆止弁11をこの順に経由して、レシーバ17に流入する。液側閉鎖弁10は、手動(工具を使用する場合もある)で開閉される弁である。液側閉鎖弁10は、主に施工時に室外機50を室内機100に接続する際に開放される。液側閉鎖弁10は、施工時に外部からの異物が室外機50に混入することを防止する役割を担っている。液側フィルタ9は、施工時に外部からの異物を取り除く役割を担っている。液側フィルタ9は、室外機50を保護するために設けられている。
【0038】
レシーバ17は、液冷媒を、貯留する役割を担っている。その後、液冷媒は、レシーバ17の底を抜け、過冷却熱交換器18を通過して、第4逆止弁14を、通り抜けて、第1および第2電子膨張弁20,21の方に流動する。
【0039】
尚、レシーバ17の底から抜けた液冷媒の圧力は、経路圧損により、第2逆止弁12の流出側の液冷媒の圧力や、第1および3逆止弁11,13の流出側の液冷媒の圧力よりも低圧になる。これにより、レシーバ17の底を抜けた液冷媒は、基本的に第2逆止弁12や第3逆止弁13を通過しない。
【0040】
その後、液冷媒は、第1および第2電子膨張弁20,21で膨張されて、噴霧され、霧状になる。第1および第2電子膨張弁20,21の開度は、制御装置60によって自在に制御される。尚、冷媒の圧力は、第1および第2電子膨張弁20,21の通過前には、高圧である一方、第1および第2電子膨張弁20,21の通過後には、低圧になる。
【0041】
その後、霧状の湿った液冷媒は、第1および第2室外熱交換器23,24によって外気と熱交換して、外気から熱をもらってガス化する。このように、冷媒は、室内熱交換器8に熱を付与する一方、室外熱交換器23,24から熱を付与される。その後、ガス化した冷媒は、四方弁4を通過して、アキュムレータ26に到達する。アキュムレータ26は、ガスの冷媒と、霧状の冷媒とを分離し、冷媒を、完全にガス化する。仮に、霧状のままの冷媒が、圧縮機1,2に戻ると、圧縮機1,2の摺動部が、損傷する虞がある。アキュムレータ26は、そのような事態を防止する役割も担っている。その後、アキュムレータ26を通過した冷媒ガスは、圧縮機1,2の吸込口に流入する。
【0042】
制御装置60からの制御によって、第3電子膨張弁35が部分的または完全に開いている場合には、過冷却熱交換器18を通過した液冷媒の一部が、第3電子膨張弁35で霧状になった後、サブエバポレータ27に流入する。サブエバポレータ27には、ガスエンジンの暖かい冷却水(60度から90度の冷却水)が導入される。
【0043】
サブエバポレータ27に流入した霧状の液冷媒は、上記暖かい冷却水と間接的に熱交換して、気体となり、その後、アキュムレータ26に到達する。このようにして、熱の受け渡しの性能を高くしている。尚、暖房運転を行っているときには、第4電子膨張弁36は、全閉に制御される。
【0044】
一方、冷房運転では、制御装置60が、四方弁4を制御して、四方弁4の第1ポート30と第3ポート32を接続し、第2ポート31と第4ポート33を接続する。以下、冷房の場合については、熱の流れを簡潔に述べる。
【0045】
冷房運転の場合、第1および第2圧縮機1,2から吐出されたガス冷媒は、オイルセパレータ3を通過した後、四方弁4を通過して、第1および第2室外熱交換器23,24に到達する。この際、冷媒の温度は、高温であるので、冷媒は、夏場の酷暑の空気(30〜40度の空気)でも、第1および第2室外熱交換器23,24によって冷却される。そして、ガス冷媒は、第1および第2室外熱交換器23,24で熱を奪われて、液冷媒となる。
【0046】
冷房運転時には、制御装置60は、第1および第2電子膨張弁20,21の開度を適切な開度に制御し、電磁弁38を全開に制御する。第1および第2室外熱交換器23,24を通過した液冷媒は、基本的には、電磁弁38および逆止弁39を通過して、レシーバ17に到達する。その後、液冷媒は、レシーバ17の底を抜けて、過冷却熱交換器18を経由して、第2逆止弁12と第1逆止弁11との間から液側閉鎖弁10の方に流れる。
【0047】
その後、液冷媒は、液側閉鎖弁10および液側フィルタ9を経由して、室内熱交換器8に流入する。室内熱交換器8に流入した低温の液冷媒は、室内熱交換器8から熱を奪って、室内の空気を冷却する一方、室内熱交換器8から熱を付与されて気化する。このように、冷媒は、室内熱交換器8から熱を奪う一方、第1および第2室外熱交換器23,24に熱を放出する。その後、気化したガス冷媒は、ガス側フィルタ6、ガス側閉鎖弁5、四方弁4、アキュムレータ26を、この順に通過して、圧縮機1,2の吸入口に流入する。
【0048】
また、夏場の暑い時等に、制御装置60が、ユーザのリモコン操作による信号を、室内機100の制御装置(図示せず)および信号線(図示せず)を介して受けると、制御装置60が、第4電子膨張弁36の開度を適切な開度に制御する。そうすると、レシーバ17および過冷却熱交換器18を通過した液冷媒の一部が、第4電子膨張弁36の通過によって冷却されて、過冷却熱交換器18に流入する。このようにして、レシーバ17から第4電子膨張弁36を経ずに過冷却熱交換器18に流入した液冷媒と、第4電子膨張弁36を通過して過冷却熱交換器18に流入した液冷媒とで、熱交換を行う。そして、室内熱交換器8に送られる液冷媒を更に冷却する一方、第4電子膨張弁36を通過した液冷媒を温めて、ガス化して、圧縮機1,2側に流動させる。
【0049】
図2は、室外機50のパッケージ80を示す模式図である。また、
図3は、室外機50を、上部から見た図である。
【0050】
図2を参照して、パッケージ80の内部において、上半分には、第1および第2室外熱交換器23,24(
図1参照)が配置され、下半分には、それ以外の殆どの部位(圧縮機1,2(
図1参照)等)が配置される。また、
図2を参照して、パッケージ80の内部の紙面の手前側には、主に、制御部品が配置され、奥側には、主に、各種弁等が配置される。
図2では、パッケージ80の見えない奥側の側面には、冷媒を、室内機100に送るための接続口と、冷媒を、室内機100から受けるための接続口が存在する。
図2を参照して、パッケージ80の上部の側面88は、空気が通り抜け可能な構造となっている。
【0051】
図3に示すように、この室外機50は、パッケージ80内の上部に複数のファン70が配置されている。また、室外機50の上面は、空気が通り抜け可能な構造となっている。各ファン70を駆動して、空気をパッケージ80の上部の側面88から吸い込んで、室外機50の上部から排出することにより、吸い込んだ空気と、冷媒とで熱交換を行う。
【0052】
図4は、パッケージ80を取り外した状態の室外機50を示す斜視図であり、室外機50の内部構造の一部を示す斜視図である。
【0053】
この斜視図では、オイルセパレータ3、レシーバ17および四方弁4は、紙面の奥側に位置する一方、サブエバポレータ27、アキュムレータ26、二つのうちの一方の圧縮機1、液側閉鎖弁10、液側フィルタ9、ガス側閉鎖弁5およびガス側フィルタ6は、紙面の手前側に位置している。
【0054】
また、
図4において、参照番号81は、四方弁4からのラインを、2階に配置される室外熱交換器1,2(
図4では、図示せず)に接続するための小判フランジを示し、参照番号82は、室外熱交換器1,2からのラインを、レシーバ17側に接続するための小判フランジを示す。また、アキュムレータ26よりも、
図4に矢印Aで示す室外機50の幅方向の一方側には、ガスエンジン(図示せず)が配置される。換言すれば、室外機50の幅方向を、ガスエンジン等の室外機50の動力源が室外機50に対して隣接配置される方向として定義する。
【0055】
図5は、パッケージ80を取り外した状態の室外機50の一部を、ガスエンジン搭載側から見たときの斜視図である。
【0056】
図5において、参照番号83は、ガスエンジンのフライホイールであり、参照番号84は、第1圧縮機1への動力の断続を行う電磁クラッチであり、参照番号85は、巻回ベルトであり、参照番号86は、第2圧縮機2への動力の断続を行う電磁クラッチである。
図5に示すように、巻回ベルト85は、フライホイール83、電磁クラッチ84および電磁クラッチ86にかけ回されている。ガスエンジンの回転動力を、フライホイール83、巻回ベルト85を介して、電磁クラッチ84,86に伝達し、電磁クラッチ84,86から圧縮機1,2に回転動力を伝達する。
【0057】
再度、
図4を参照して、ガス側閉鎖弁5は、上下方向に延在している。詳しくは、ガス側閉鎖弁5を通過する冷媒は、上下方向に流動する。正確には、ガス側閉鎖弁5を通過する冷媒は、高さ方向に流動する。ガス側閉鎖弁5の冷媒が通過する通路の中心軸は、高さ方向に延在している。
【0058】
図4に示すように、ガス側フィルタ6も上下方向に延在している。詳しくは、ガス側フィルタ6を通過する冷媒は、上下方向に流動する。正確には、ガス側フィルタ6を通過する冷媒は、高さ方向に流動する。ガス側フィルタ6の冷媒が通過する通路の中心軸は、高さ方向に延在している。ガス側フィルタ6は、円筒外周面89を有し、その円筒外周面89の中心軸は、高さ方向に延在している。
【0059】
図6は、パッケージ80を取り外した状態の室外機50における液側フィルタ9周辺の拡大斜視図である。
【0060】
図6において、H1は、ガス側フィルタ6の高さ方向の存在範囲を示し、H2は、ガス側閉鎖弁5の高さ方向の存在範囲を示している。
図6に示すように、ガス側フィルタ6の高さ方向の存在範囲の長さは、ガス側閉鎖弁5の高さ方向の存在範囲の長さよりも長い。ガス側閉鎖弁5は、水平方向にガス側フィルタ6に重なる部分を有している。ガス側閉鎖弁5の高さ方向の存在範囲の全ては、ガス側フィルタ6の高さ方向の存在範囲に含まれている。ガス側閉鎖弁5は、
図4に矢印Bに示す奥行き方向で、ガス側フィルタ6に重なる部分を有している。
【0061】
図6に示すように、このヒートポンプは、ガス冷媒接続部材の一例としてのフランジ90を有し、このフランジ90は、室内機(図示せず)側の配管(図示せず)との接続のために設けられている。フランジ90は、ガス側フィルタ6より室内機側に存在する。フランジ90は、パッケージ80(
図1,2参照)の外部からガス管110(
図1参照)を接続可能な箇所に設けられている。パッケージ80には、ガス管110を接続するための穴が設けられている。その穴を用いることによって、ガス管110をフランジ90に接続するようになっている。
図4および6に示すように、ガス側閉鎖弁5は、ガス側フィルタ6よりもフランジ90に近い箇所に設けられている。
【0062】
図6において、参照番号91は、ガス側閉鎖弁5に設けられた圧力取り出し用ポートを示し、参照番号92は、フランジ90の上部に設けられた圧力取り出し用ポートを示す。圧力取り出し用ポート91および圧力取り出し用ポート92の夫々は、圧力検出部を構成している。このヒートポンプは、ガス閉鎖弁5に圧力取り出し用ポート91を設け、ガス冷媒接続部材としてのフランジ90に、圧力取り出し用ポート92を設けている。
【0063】
再度、
図4を参照して、液側閉鎖弁10は、上下方向に延在している。詳しくは、液側閉鎖弁10を通過する冷媒は、高さ方向に流動する。正確には、液側閉鎖弁10を通過する冷媒は、高さ方向に流動する。液側閉鎖弁10の冷媒が通過する通路の中心軸は、高さ方向に延在している。
【0064】
一方、
図4に示すように、液側フィルタ9は、水平方向に延在している。液側フィルタ9は、奥行き方向と略平行な方向に延在している。
図6を参照して、このヒートポンプは、液冷媒接続部材としてのフレア接続用部材97を有する。フレア接続用部材97は、液側フィルタ9より室内機側(
図1に100で示す)に位置する。フレア接続用部材97は、パッケージ80(
図1,2参照)の外部から冷媒管120(
図1参照)を接続可能な箇所に設けられている。パッケージ80には、冷媒管120を接続するための穴が設けられている。その穴を用いることによって、冷媒管120をフレア接続用部材97に接続するようになっている。
【0065】
図6において、参照番号95は、液側閉鎖弁10に設けられた圧力取り出し用ポートを示し、参照番号96は、フレア接続用部材97において雄ねじ部98よりも液側閉鎖弁10側に位置する圧力取り出し用ポートを示す。圧力取り出し用ポート95および圧力取り出し用ポート96の夫々は、圧力検出部を構成している。このフレア接続用部材97の圧力取り出し用ポート96は、フレア接続用部材97の上部に位置し、この圧力取り出し用ポート96に圧力計(図示せず)を取付ける。このヒートポンプは、液側閉鎖弁10に圧力取り出し用ポート95を設け、液冷媒接続部材としてのフレア接続用部材97に、圧力取り出し用ポート96を設けている。
【0066】
上記実施形態によれば、ガス冷媒側のガス側フィルタおよび液冷媒側の液側フィルタを、室外機のパッケージ外に取付けていた従来技術と異なり、ガス冷媒側のガス側フィルタ6および液冷媒側の液側フィルタ9を、室外機50のパッケージ80内に設けたので、現地施工の際にパッケージ80の外側周辺にガス側フィルタ6および液側フィルタ9の取付け場所を確保する必要がない。したがって、施工性が向上する。
【0067】
また、上記実施形態によれば、ガス側閉鎖弁5およびガス側フィルタ6の夫々が高さ方向に延在し、かつ、ガス側閉鎖弁5が存在する高さの範囲が、ガス側フィルタ9が存在する高さの範囲と重なる部分を有している。したがって、パッケージ80内に、高さ方向を有効利用してガス側閉鎖弁5およびガス側フィルタ6を収納できる。したがって、ガス側フィルタ6をパッケージ80内に内蔵でき、かつ、パッケージ80の設置面積の増大も抑制できる。ガス側フィルタ6は、液側フィルタ9よりも長さが長いので、仮にガス側フィルタ6を水平方向に配置したとすると、パッケージの設置面積が大きくなる虞があるのである。
【0068】
また、上記実施形態によれば、ガス閉鎖弁5およびガス冷媒接続部材としてのフランジ90の夫々に、圧力取り出し用ポート91,92を設けているから、ガス側フィルタ6におけるガス冷媒の上流側および下流側に、圧力計を設置できる。したがって、ガス側フィルタ6の上流側および下流側のガスの圧力を計測できるから、ガス側フィルタ6の目詰まりを確認する際の作業性が向上する。
【0069】
また、上記実施形態によれば、液側閉鎖弁10が高さ方向に延在し、液側フィルタ9が、水平方向に延在している。したがって、液側閉鎖弁5の延在方向が、液側フィルタ9の延在方向と大きく異なるから、液側閉鎖弁10と、液側フィルタ9を、略互いに独立に配置できる。したがって、液側閉鎖弁10と、液側フィルタ9を、互いに異なる狭いスペースに配置できるから、液側閉鎖弁10および液側フィルタ9の夫々を、狭いスペース(隙間)を有効に活用して配置できる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、液側閉鎖弁10および液冷媒接続部材としてのフレア接続用部材97の夫々に、圧力取り出し用ポート95,96を設けているから、液側フィルタ9における液冷媒の流れの上流側および下流側に、圧力計を設置できる。したがって、液側フィルタ9の上流側および下流側の液冷媒の圧力を計測できるから、液側フィルタ9の目詰まりを確認する際の作業性が向上する。また、ガス側フィルタ6の差圧検知と液側フィルタ9の差圧検知を、同じパッケージの外板を外すだけで行うことができる。
【0071】
尚、上記実施形態では、ヒートポンプが、一つの室外機50と、一つの室内機100とを有していたが、この発明では、ヒートポンプは、一以上の如何なる数の室外機を有してもよく、また、一以上の如何なる数の室内機を有してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、ガス側閉鎖弁5、ガス側フィルタ6および液側閉鎖弁10のいずれもが、高さ方向に延在していた。しかしながら、この発明では、ガス側閉鎖弁、ガス側フィルタおよび液側閉鎖弁のうちの少なくとも一つは、高さ方向の成分が水平方向の成分よりも大きい延在方向に延在してもよく、鉛直方向に傾斜する方向に延在してもよい。また、ガス側閉鎖弁、ガス側フィルタおよび液側閉鎖弁のうちの少なくとも一つは、水平方向に延在してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、ガス側閉鎖弁5の高さ方向の存在範囲の全てが、ガス側フィルタ6の高さ方向の存在範囲に重なっていたが、この発明では、ガス側閉鎖弁の高さ方向の存在範囲の一部のみが、ガス側フィルタの高さ方向の存在範囲に重なってもよい。また、この発明では、ガス側閉鎖弁の高さ方向の存在範囲の全てが、ガス側フィルタの高さ方向の存在範囲に重ならなくてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、ガス側閉鎖弁5が、奥行き方向で、ガス側フィルタ6に重なる部分を有していたが、この発明では、ガス側閉鎖弁は、奥行き方向で、ガス側フィルタに重ならなくてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、液側フィルタ9が、水平方向でかつ奥行き方向に延在していた。しかしながら、この発明では、液側フィルタは、水平方向でかつ奥行き方向に傾斜する方向に延在してもよく、または、水平方向でかつ幅方向に延在してもよい。また、この発明では、液側フィルタは、高さ方向に延在しても良く、高さ方向成分および水平方向成分を有する方向に延在してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、ガス側閉鎖弁5を、ガス側フィルタ6よりもガス冷媒管接続部材としてのフランジ90に近い部分に設けた。しかしながら、この発明では、ガス側閉鎖弁を、ガス側フィルタよりもガス冷媒管接続部材に遠い箇所に設けてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、ガス側フィルタ6のガス冷媒の上流側と下流側の両方に圧力取り出し用ポート91,92を設けた。しかしながら、この発明では、ガス側フィルタのガス冷媒の上流側および下流側のうちの一方または両方の圧力取り出し用ポートを圧力センサ取付け部としてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、液側フィルタ9の液冷媒の上流側と下流側の両方に圧力取り出し用ポート95,96を設けた。しかしながら、この発明では、液側フィルタの液冷媒の上流側および下流側のうちの一方または両方の圧力取り出し用ポートを圧力センサ取付け部としてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、室外熱交換器23,24が、空気を側面から吸い込んで、上部から排出する構造であったが、この発明では、室外熱交換器において、空気を吸入する箇所は如何なる箇所であってもよく、空気を排出する箇所も如何なる箇所であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、ガス冷媒接続部材が、フランジ90であり、液冷媒接続部材が、フレア接続用部材97であった。しかしながら、この発明では、ガス冷媒接続部材は、フレア接続を行うためのフレア接続用部材であってもよく、エルボ、ベンド、レジューサー、ティー、クロス、ソケット、カップリング、キャップ、プラグ、ユニオン等の配管継手を担う部材であってもよい。また、この発明では、液冷媒接続部材は、フランジであってもよく、エルボ、ベンド、レジューサー、ティー、クロス、ソケット、カップリング、キャップ、プラグ、ユニオン等の配管継手を担う部材であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、ヒートポンプが、ガスエンジン駆動式のヒートポンプであったが、この発明のヒートポンプは、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等のガスエンジン以外のエンジンで駆動するヒートポンプであってもよい。また、この発明のヒートポンプは、電気駆動式のヒートポンプであってもよい。
【0082】
また、この発明では、上記実施形態との比較において、上記実施形態を構成した電装部品および部位うちの一以上の電装部品や部位を適宜省略することができる。また、逆に、この発明では、上記実施形態との比較において、上記実施形態を構成した電装部品および部位に、更なる電装部品や部位を追加することもできる。
【0083】
また、この発明では、エンジンや電動モータ等の圧縮機の動力源と、圧縮機とを、敷居で区切って、圧縮機の動力源の熱い熱が、冷媒側に行かないようにしてもよく、または、エンジンや電動モータ等の圧縮機の動力源と、圧縮機とを、敷居で区切らなくてもよい。また、上記実施形態および変形例で説明した全ての構成のうちの二以上の構成を組み合わせて新たな実施形態を構築できることは、勿論である。