特許第6335112号(P6335112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000002
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000003
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000004
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000005
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000006
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000007
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000008
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000009
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000010
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000011
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000012
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000013
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000014
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000015
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000016
  • 特許6335112-センサ付き表示装置及びセンサ装置 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335112
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】センサ付き表示装置及びセンサ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180521BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20180521BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G06F3/041 422
   G06F3/041 470
   G06F3/041 412
   G06F3/044 126
   G01B7/00 102C
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-247060(P2014-247060)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-194996(P2015-194996A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年6月15日
(31)【優先権主張番号】特願2014-59647(P2014-59647)
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 隼人
(72)【発明者】
【氏名】水橋 比呂志
(72)【発明者】
【氏名】石崎 剛司
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−008706(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0252608(US,A1)
【文献】 特開2013−058180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記表示領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記表示領域の外側の非表示領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えた表示パネルと、
前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、
前記検出電極は、前記リード線に接続され前記表示領域と前記非表示領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出し前記表示領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備え
前記センサ駆動電極は、第1方向に間隔をおいて並び第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延出した複数の分割電極を含み、
前記分割電極の各々は第1方向に第1電極幅を有し、前記拡幅部は前記表示領域において第1方向に第2電極幅を有し、前記第2電極幅は前記第1電極幅の半分以下である、センサ付き表示装置。
【請求項2】
画像を表示する表示領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記表示領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記表示領域の外側の非表示領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えた表示パネルと、
前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、
前記検出電極は、前記リード線に接続され前記表示領域と前記非表示領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出し前記表示領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備え、
前記拡幅部及び前記本体部は第1方向に並び、前記拡幅部は前記表示領域において第1方向に第2電極幅を有し、前記拡幅部は第1方向に交差する第2方向に前記本体部よりも突出した部分の第2方向に第3幅を有し、前記第2電極幅は前記第3幅よりも小さい、センサ付き表示装置。
【請求項3】
さらに、前記拡幅部と隣り合う第2拡幅部を備え、前記拡幅部及び前記第2拡幅部は、前記表示領域と前記非表示領域との境界に沿って並んで包囲部を形成する、請求項1または2に記載のセンサ付き表示装置。
【請求項4】
前記拡幅部に配置された第1検出線、及び、前記第2拡幅部に配置された第2検出線の各々は、同等の波高を有する波形に形成され、
前記拡幅部の前記第2拡幅部に隣接する前記第1検出線と、前記第2拡幅部の前記拡幅部に隣接する前記第2検出線との間隔は、前記波高と同等以下である、請求項3に記載のセンサ付き表示装置。
【請求項5】
前記検出電極は、前記拡幅部に配置され前記リード線に接続された接続線と、前記接続線に接続され前記拡幅部に配置された第1検出線と、前記接続線に接続され前記第1検出線よりも長く前記拡幅部及び前記本体部に亘って延出した第2検出線と、によって形成された、請求項1または2に記載のセンサ付き表示装置。
【請求項6】
前記接続線、前記第1検出線、及び、前記第2検出線は、金属材料によって形成された、請求項5に記載のセンサ付き表示装置。
【請求項7】
前記検出電極は、透明な導電材料によって形成された、請求項1または2に記載のセンサ付き表示装置。
【請求項8】
第1領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記第1領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記第1領域の外側の第2領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えたセンサパネルと、
前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、
前記検出電極は、前記リード線に接続され前記第1領域と前記第2領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出して前記第1領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備え
前記センサ駆動電極は、第1方向に間隔をおいて並び第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延出した複数の分割電極を含み、
前記分割電極の各々は第1方向に第1電極幅を有し、前記拡幅部は前記第1領域において第1方向に第2電極幅を有し、前記第2電極幅は前記第1電極幅の半分以下である、センサ装置。
【請求項9】
第1領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記第1領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記第1領域の外側の第2領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えたセンサパネルと、
前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、
前記検出電極は、前記リード線に接続され前記第1領域と前記第2領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出して前記第1領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備え、
前記拡幅部及び前記本体部は第1方向に並び、前記拡幅部は前記第1領域において第1方向に第2電極幅を有し、前記拡幅部は第1方向に交差する第2方向に前記本体部よりも突出した部分の第2方向に第3幅を有し、前記第2電極幅は前記第3幅よりも小さい、センサ装置。
【請求項10】
前記センサパネルは、画像を表示する表示領域及び前記表示領域の外側の非表示領域を有する表示装置に対して、前記第1領域が前記表示領域に対向するとともに、前記第2領域が前記非表示領域に対向する、請求項8または9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記検出電極は、前記拡幅部に配置され前記リード線に接続された接続線と、前記接続線に接続され前記拡幅部に配置された第1検出線と、前記接続線に接続され前記第1検出線よりも長く前記拡幅部及び前記本体部に亘って延出した第2検出線と、によって形成された、請求項8または9に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記接続線、前記第1検出線、及び、前記第2検出線は、金属材料によって形成された、請求項11に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記検出電極は、透明な導電材料によって形成された、請求項8または9に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ付き表示装置及びセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物体の接触あるいは接近を検出するセンサ(あるいは、タッチパネルと称される場合もある)を備えたセンサ付き表示装置が実用化されている。センサの一例として、静電容量の変化に基づいて物体の接触あるいは接近を検出する静電容量型センサがある。このようなセンサを構成する検出電極及びセンサ駆動電極は、画像を表示する表示領域に配置され、誘電体を介して対向している。検出電極は、表示領域の外側に位置するリード線と電気的に接続されている。
【0003】
表示領域が拡大する一方で表示装置の小型化への要求が高まっており、表示領域よりも外側の周辺は狭額縁化する傾向にある。このため、センサ駆動電極とリード線とが接近して配置されることがある。この場合、センサ駆動電極とリード線との間の容量結合によって、リード線がセンサの如く機能してしまう。例えば、表示領域の最外周付近に被検出物が接触あるいは接近した場合に、当該リード線での静電容量の変化が検出されてしまう。このため、本来被検出物を検出すべき位置の検出電極とは異なる位置で、当該リード線に接続された検出電極があたかも被検出物を検出したかの如く、誤動作してしまう。
【0004】
そこで、センサ駆動電極と外周配線(リード線)との間の表示領域外に、接地された導電体素材を設け、センサ駆動電極と外周配線との容量結合を遮る技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−208749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態の目的は、センサの誤動作を抑制することが可能なセンサ付き表示装置及びセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、
画像を表示する表示領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記表示領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記表示領域の外側の非表示領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えた表示パネルと、前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、前記検出電極は、前記リード線に接続され前記表示領域と前記非表示領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出し前記表示領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備えた、センサ付き表示装置が提供される。
【0008】
本実施形態によれば、
画像を表示する表示領域に配置された共通電極及び画素電極と、前記表示領域において前記共通電極と対向する検出電極と、前記表示領域の外側の非表示領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えた表示パネルを備え、前記検出電極は、前記非表示領域に配置され前記リード線に接続された接続線と、前記接続線に接続された複数の検出線と、によって形成され、前記表示領域と前記非表示領域との境界を跨ぐ拡幅部における前記検出線の本数は、前記表示領域に位置する本体部における前記検出線の本数よりも多い、センサ付き表示装置が提供される。
【0009】
本実施形態によれば、
第1領域に配置されたセンサ駆動電極と、前記第1領域において前記センサ駆動電極と対向する検出電極と、前記第1領域の外側の第2領域に配置されるとともに前記検出電極と電気的に接続されたリード線と、を備えたセンサパネルと、前記センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極から当該センサ駆動電極に供給されたセンサ駆動信号に基づく検出信号を読み出す駆動部と、を備え、前記検出電極は、前記リード線に接続され前記第1領域と前記第2領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、前記拡幅部に繋がり前記リード線から離間する方向に延出して前記第1領域に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備えた、センサ装置が提供される。
【0010】
本実施形態によれば、
画像を表示する表示領域に配置された共通電極及び画素電極と、前記表示領域において前記共通電極と対向する第1検出電極及び第2検出電極と、を備えた表示パネルを備え、前記第1検出電極は、前記表示領域の外側の非表示領域に配置された第1接続線と、前記第1接続線に接続された複数の第1検出線と、によって形成され、前記表示領域と前記非表示領域との境界を跨ぐ第1拡幅部における前記第1検出線の本数は、前記表示領域に位置する第1本体部における前記第1検出線の本数よりも多く、前記第2検出電極は、前記非表示領域に配置された第2接続線と、前記第2接続線に接続された複数の第2検出線と、によって形成され、前記境界を跨ぎ前記第1拡幅部に隣り合う第2拡幅部における前記第2検出線の本数は、前記表示領域に位置する第2本体部における前記第2検出線の本数よりも多く、しかも、前記境界に沿って前記第1検出線及び前記第2検出線が等間隔に並んでいる、センサ付き表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係るセンサ付き表示装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した液晶表示装置DSPの基本構成及び等価回路を概略的に示す図である。
図3図3は、図2に示した画素PXを示す等価回路図である。
図4図4は、液晶表示装置DSPの一部の構造を概略的に示す断面図である。
図5図5は、本実施形態におけるセンサSEの構成を概略的に示す平面図である。
図6A図6Aは、図5に示したセンサSEの一部を拡大して概略的に示す平面図である。
図6B図6Bは、図6Aに示した2つの検出電極Rxのそれぞれの拡幅部RSLを拡大した概略平面図である。
図6C図6Cは、図6Aに示した2つの検出電極Rxのそれぞれの拡幅部RSLを拡大した他の概略平面図である。
図7図7は、図6Aに示したセンサSEの一部を含む液晶表示パネルPNLの構造を概略的に示す断面図である。
図8図8は、センシング方法の一例の原理を説明するための図である。
図9図9は、本実施形態の一例である機種A及び機種Bについて、第1電極幅W1と第2電極幅W2との比に対する配線ノイズ量を測定した実験の実験結果を示す図である。
図10図10は、本実施形態の一例である機種A及び機種Bについて、第1電極幅W1と第2電極幅W2との比に対するタッチシグナルを測定した実験の実験結果を示す図である。
図11図11は、本実施形態の一例である機種A及び機種Bについて、第3幅WR3と第2電極幅W2との差分に対するタッチシグナルを測定した実験の実験結果を示す図である。
図12図12は、図5に示したセンサSEの一部を拡大して概略的に示す他の平面図である。
図13図13は、本実施形態におけるセンサSEの他の構成を概略的に示す平面図である。
図14図14は、本実施形態におけるセンサSEの他の構成を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
図1は、本実施形態に係るセンサ付き表示装置の構成を概略的に示す斜視図である。なお、本実施形態においては、表示装置が液晶表示装置である場合について説明するが、これに限らず、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパ型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置であっても良い。
【0014】
液晶表示装置DSPは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルPNL、液晶表示パネルPNLを駆動する駆動ICチップIC1、静電容量型のセンサSE、センサSEを駆動する駆動ICチップIC2、液晶表示パネルPNLを照明するバックライトユニットBL、制御モジュールCM、フレキシブル配線基板FPC1、FPC2、FPC3などを備えている。
【0015】
液晶表示パネルPNLは、平板状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された平板状の第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持された液晶層(後述する液晶層LQ)と、を備えている。なお、本実施形態において、第1基板SUB1をアレイ基板と、第2基板SUB2を対向基板と、それぞれ言い換えることができる。液晶表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域(アクティブエリア)DAを備えている。この液晶表示パネルPNLは、バックライトユニットBLからの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。なお、液晶表示パネルPNLは、透過表示機能に加えて、外光や補助光といった表示面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型であっても良い。また、これらの透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型(refractive)であっても良い。
【0016】
バックライトユニットBLは、第1基板SUB1の背面側に配置されている。このようなバックライトユニットBLとしては、種々の形態が適用可能である。また、光源は、発光ダイオード(LED)や冷陰極管(CCFL)などのいずれでも適用可能である。これらの詳細な構造については説明を省略する。なお、液晶表示パネルPNLが反射表示機能のみを備えた反射型である場合には、バックライトユニットBLは省略される。
【0017】
センサSEは、複数の検出電極Rxを備えている。これらの検出電極Rxは、例えば液晶表示パネルPNLの表示面上に設けられている。ここでは、検出電極Rxは概略的に図示されており、図示した例では、各検出電極Rxは、概ね第1方向Xに延出し、第2方向Yに並んでいる。なお、各検出電極Rxは、第2方向Yに延出し第1方向Xに並んでいても良いし、島状に形成され第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されていてもよい。ここでは、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交している。なお、第1方向X及び第2方向Yは、90°以外の角度で交差していても良い。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれと互いに直交している。
【0018】
駆動ICチップIC1は、液晶表示パネルPNLの第1基板SUB1上に搭載されている。フレキシブル配線基板FPC1は、液晶表示パネルPNLと制御モジュールCMとを接続している。フレキシブル配線基板FPC2は、センサSEの検出電極Rxと制御モジュールCMとを接続している。駆動ICチップIC2は、フレキシブル配線基板FPC2上に搭載されている。フレキシブル配線基板FPC3は、バックライトユニットBLと制御モジュールCMとを接続している。ここで、制御モジュールCMをアプリケーションプロセッサと言い換えることができる。
【0019】
駆動ICチップIC1及び駆動ICチップIC2は、フレキシブル配線基板FPC2等を介して接続されている。例えば、フレキシブル配線基板FPC2が第1基板SUB1上に接続された分岐部FPCBを有している場合、駆動ICチップIC1及び駆動ICチップIC2は、上記分岐部FPCBに含まれる配線及び第1基板SUB1上の配線を介して接続されていてもよい。また、駆動ICチップIC1及び駆動ICチップIC2は、フレキシブル配線基板FPC1及びフレキシブル配線基板FPC2のそれぞれに含まれる配線を介して接続されていてもよい。駆動ICチップIC1及び駆動ICチップIC2は、いずれか一方の駆動ICチップでセンサSEの駆動時期を知らせるタイミング信号を生成し、このタイミング信号を他方の駆動ICチップに与えることができる。駆動ICチップIC1及び駆動ICチップIC2は、いずれか一方の駆動ICチップで後述する共通電極CEの駆動時期を知らせるタイミング信号を生成し、このタイミング信号を他方の駆動ICチップに与えることができる。又は、制御モジュールCMは、駆動ICチップIC1及びIC2にタイミング信号を与えることができる。上記タイミング信号により、駆動ICチップIC1の駆動と、駆動ICチップIC2の駆動との同期化を図ることができる。
【0020】
図2は、図1に示した液晶表示装置DSPの基本構成及び等価回路を概略的に示す図である。
【0021】
液晶表示装置DSPは、液晶表示パネルPNLなどに加えて、表示領域DAの外側の非表示領域NDAにおいて、ソース線駆動回路SD、ゲート線駆動回路GD、共通電極駆動回路CDなどを備えている。一例では、ソース線駆動回路SD及び共通電極駆動回路CDの少なくとも一部は、駆動ICチップIC1に内蔵されている。なお、非表示領域NDAは、表示領域DAを囲む額縁状に形成されている。
【0022】
液晶表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に設けられ、m×n個配置されている(但し、m及びnは正の整数である)。第1方向Xに並んだ複数の画素PXは画素行を構成し、第2方向Yに並んだ複数の画素PXは画素列を構成する。また、液晶表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、n本のゲート線G(G1〜Gn)、m本のソース線S(S1〜Sm)、共通電極CEなどを備えている。
【0023】
ゲート線Gは、第1方向Xに略直線的に延出し、表示領域DAの外側に引き出され、ゲート線駆動回路GDに接続されている。また、ゲート線Gは、第2方向Yに間隔を置いて並べられている。ソース線Sは、第2方向Yに略直線的に延出し、表示領域DAの外側に引き出され、ソース線駆動回路SDに接続されている。また、ソース線Sは、第1方向Xに間隔を置いて並べられ、ゲート線Gと交差している。なお、ゲート線G及びソース線Sは、必ずしも直線的に延出していなくても良く、それらの一部が屈曲していてもよい。共通電極CEは、表示領域DAの外側に引き出され、共通電極駆動回路CDに接続されている。この共通電極CEは、複数の画素PXで共用されている。共通電極CEの詳細については後述する。
【0024】
図3は、図2に示した画素PXを示す等価回路図である。
【0025】
各画素PXは、画素スイッチング素子PSW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LQ等を備えている。画素スイッチング素子PSWは、例えば薄膜トランジスタで形成されている。画素スイッチング素子PSWは、ゲート線G及びソース線Sと電気的に接続されている。画素スイッチング素子PSWは、トップゲート型あるいはボトムゲート型のいずれであっても良い。また、画素スイッチング素子PSWの半導体層は、例えば、ポリシリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体などによって形成されていても良い。画素電極PEは、画素スイッチング素子PSWに電気的に接続されている。画素電極PEは、共通電極CEと対向している。共通電極CE、絶縁膜及び画素電極PEは、保持容量CSを形成している。
【0026】
図4は、液晶表示装置DSPの一部の構造を概略的に示す断面図である。
【0027】
すなわち、液晶表示装置DSPは、上述した液晶表示パネルPNL及びバックライトユニットBLに加えて、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2等も備えている。なお、図示した液晶表示パネルPNLは、表示モードとしてFFS(Fringe Field Switching)モードに対応した構成を有しているが、他の表示モードに対応した構成を有していても良い。例えば、液晶表示パネルPNLは、FFSモード等の主として基板主面に略平行な横電界を利用するIPS(In−Plane Switching)モードに対応した構成を有していても良い。横電界を利用する表示モードでは、例えば第1基板SUB1に画素電極PE及び共通電極CEの双方が備えられた構成が適用可能である。又は、液晶表示パネルPNLは、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モード等の主として基板主面に交差する向きに生じる縦電界を利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。縦電界を利用する表示モードでは、例えば第1基板SUB1に画素電極PEが備えられ、第2基板SUB2に共通電極CEが備えられた構成が適用可能である。なお、ここでの基板主面とは、互いに直交する第1方向Xと第2方向Yとで規定されるX−Y平面と平行な面である。
【0028】
液晶表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、液晶層LQを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは所定の間隙を形成した状態で貼り合わされている。液晶層LQは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の間隙に封入されている。
【0029】
第1基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。第1基板SUB1は、第1絶縁基板10の第2基板SUB2に対向する側に、ゲート線、画素スイッチング素子、ソース線S、共通電極CE、画素電極PE、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第1配向膜AL1などを備えている。
【0030】
第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に配置されている。なお、詳述しないが、本実施形態では、例えばトップゲート構造の画素スイッチング素子が適用されている。このような実施形態では、第1絶縁膜11は、第3方向Zに積層された複数の絶縁層を含んでいる。例えば、第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10と画素スイッチング素子の半導体層との間に介在するアンダーコート層、半導体層とゲート電極との間に介在するゲート絶縁層、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極を含む複数の電極との間に介在する層間絶縁層などの各種絶縁層を含んでいる。ゲート線は、ゲート電極と同様に、ゲート絶縁層と層間絶縁層との間に配置されている。ソース線Sは、第1絶縁膜11の上に形成されている。また、画素スイッチング素子のソース電極及びドレイン電極なども第1絶縁膜11の上に形成されている。図示した例では、ソース線Sは、第2方向Yに延出している。
【0031】
第2絶縁膜12は、ソース線S及び第1絶縁膜11の上に配置されている。共通電極CEは、帯状を呈して第2絶縁膜12の上に形成されている。このような共通電極CEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。なお、図示した例では、共通電極CEの上に金属層MLが形成され、共通電極CEを低抵抗化しているが、金属層MLは省略してもよい。
【0032】
第3絶縁膜13は、共通電極CE及び第2絶縁膜12の上に配置されている。画素電極PEは、第3絶縁膜13の上に形成されている。各画素電極PEは、隣接するソース線Sの間にそれぞれ位置し、共通電極CEと対向している。また、各画素電極PEは、共通電極CEと対向する位置にスリットSLを有している。このような画素電極PEは、例えば、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び第3絶縁膜13を覆っている。
【0033】
このように、共通電極CEは、ゲート線Gやソース線S、或いは画素電極PEとは異なる層に設けられている。このため、共通電極CEは、X−Y平面において、ゲート線Gやソース線S、或いは画素電極PEと交差する位置関係で配置することが可能となる。すなわち、共通電極CEは、隣り合う画素PXに亘って設けることができる。本実施形態では、共通電極CEは、複数列の画素列と対向可能な幅を有する帯状を呈して第2方向に延在している。
【0034】
一方、第2基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。第2基板SUB2は、第2絶縁基板20の第1基板SUB1に対向する側に、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0035】
ブラックマトリクスBMは、第2絶縁基板20の内面に形成され、各画素を区画している。カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ第2絶縁基板20の内面に形成され、それらの一部がブラックマトリクスBMに重なっている。カラーフィルタCFRは、赤色画素に配置された赤色カラーフィルタであり、赤色の樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFGは、緑色画素に配置された緑色カラーフィルタであり、緑色の樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFBは、青色画素に配置された青色カラーフィルタであり、青色の樹脂材料によって形成されている。図示した例は、カラー画像を構成する最小単位である単位画素が赤色画素、緑色画素、及び、青色画素の3個の色画素によって構成された場合に相当する。但し、単位画素は、上記の3個の色画素の組み合わせによるものに限らない。例えば、単位画素は、赤色画素、緑色画素、青色画素に加えて、白色画素の4個の色画素によって構成されても良い。この場合、白色あるいは透明のカラーフィルタが白色画素に配置されても良いし、白色画素のカラーフィルタそのものを省略しても良い。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0036】
検出電極Rxは、第2絶縁基板20の外面ES側に形成されている。図示した例では、検出電極Rxは、第2絶縁基板20の外面ESに接しているが、外面ESから離間していても良い。検出電極Rxが外面ESから離間している構成では、外面ESと検出電極Rxとの間に絶縁部材が介在している。この検出電極Rxの詳細な構造については後述する。また、ここでは、簡略化して図示しており、後述するリード線Lの図示を省略している。このような検出電極Rxは、例えば、後述するアルミニウムなどの金属材料によって形成されている。検出電極Rxの電気抵抗値を低くすることにより、検出に要する時間を短縮することができる。このため、検出電極Rxを金属で形成することは、液晶表示パネルPNLの大型化及び高精細化に対して有利になる。なお、検出電極Rxは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されていてもよく、さらには、金属材料(例えば、微細な金属線)と透明な導電材料(例えば、帯状の導電層)との組合せ(集合体)によって形成されていてもよい。各検出電極Rxは、第3絶縁膜13、第1配向膜AL1、液晶層LQ、第2配向膜AL2、オーバーコート層OC、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、第2絶縁基板20といった誘電体を介して共通電極CEと対向している。
【0037】
第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10とバックライトユニットBLとの間に配置されている。第2光学素子OD2は、検出電極Rxの上方に配置されている。第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、それぞれ少なくとも偏光板を含んでおり、必要に応じて位相差板を含んでいても良い。第1光学素子OD1に含まれる偏光板及び第2光学素子OD2に含まれる偏光板は、例えば、それぞれの吸収軸が直交するクロスニコルの位置関係となるように配置される。
【0038】
次に、本実施形態の液晶表示装置DSPに搭載される静電容量型のセンサSEについて説明する。
【0039】
図5は、本実施形態におけるセンサSEの構成を概略的に示す平面図である。本実施形態では、センサSEは、第1基板SUB1の共通電極CE及び第2基板SUB2の検出電極Rxを備えている。つまり、共通電極CEは、画素電極PEとの間で電界を発生させることにより表示用の電極として機能するとともに、検出電極Rxとの間で容量を発生させることでセンサ駆動電極として機能する。
【0040】
液晶表示パネルPNLは、上記の共通電極CE及び検出電極Rxに加えて、さらにリード線Lを備えている。共通電極CE及び検出電極Rxは、表示領域DAに配置されている。図示した例では、共通電極CEは、表示領域DAにおいて、それぞれ第1方向Xに間隔を置いて並び、第2方向Yに略直線的に延出した複数の帯状の分割電極Cを備えている。これに対し、検出電極Rxは、表示領域DAにおいて、それぞれ第2方向Yに間隔をおいて並び、第1方向Xに略直線的に延出している。つまり、ここでは、検出電極Rxは、分割電極Cと交差する方向に延出している。これらの共通電極CE及び検出電極Rxは、上記の通り、各種誘電体を挟んで対向している。X−Y平面において、1個の分割電極Cは、図2に示した複数の画素列及び複数のソース線Sと対向し、複数のゲート線Gと交差している。一方、1個の検出電極Rxは、図2に示した複数の画素行及び複数のゲート線Gと対向し、複数のソース線Sと交差している。
【0041】
なお、分割電極Cの個数やサイズ、形状は特に限定されるものではなく種々変更可能である。また、共通電極CEは、後述する例のように、第2方向Yに間隔を置いて並び、第1方向Xに略直線的に延出していても良い。さらには、共通電極CEは、分割されることなく、表示領域DAにおいて連続的に形成された単個の平板電極であっても良い。
【0042】
リード線Lは、第2基板SUB2上の非表示領域NDAに配置され、検出電極Rxと一対一で電気的に接続されている。リード線Lの各々は、検出電極Rxからのセンサ出力値を出力する。図示した例では、リード線Lは、表示領域DAを挟んで非表示領域NDAの両側にそれぞれ配置されている。例えば、第2方向Yに並んだ検出電極Rxのうち、奇数番目の検出電極Rxに接続されたリード線Lは図面の左側の非表示領域NDAに配置され、また、偶数番目の検出電極Rxに接続されたリード線Lは図面の右側の非表示領域NDAに配置されている。このようなリード線Lのレイアウトは、非表示領域NDAの両側の幅の均一化、及び、狭額縁化に対応したものである。このようなリード線Lは、例えば、検出電極Rxと同様に、第2基板SUB2に配置されている。
【0043】
なお、リード線Lは、表示領域上にY方向に並ぶ複数の検出電極Rxに対し、上半分の複数の検出電極Rxに対応するリード線Lを非表示領域NDAの一方の端部に配置し、下半分の複数の検出電極Rxに対応するリード線Lを非表示領域NDAの他方の端部に配置する構成を採用することも可能である。
【0044】
液晶表示装置DSPは、非表示領域NDAに配置された共通電極駆動回路CDを備えている。分割電極Cのそれぞれは、共通電極駆動回路CDに電気的に接続されている。一例では、共通電極駆動回路CDの少なくとも一部は、駆動ICチップIC1に内蔵されているが、この例に限らない。例えば、共通電極駆動回路CDは、駆動ICチップIC1の外部に設けられても良い。共通電極駆動回路CDは、共通電極CEに対して、画像を表示する表示駆動時にコモン駆動信号を供給し、センシングを行うセンシング駆動時にセンサ駆動信号を供給する駆動部として機能する。
【0045】
フレキシブル配線基板FPC2は、第2基板SUB2に接続され、リード線Lの各々と電気的に接続されている。検出回路RCは、例えば、駆動ICチップIC2に内蔵されている。この検出回路RCは、共通電極CEからのセンサ駆動信号を検出電極Rxで検出信号として検出させ、検出信号の変化をセンサ出力値として読み出す駆動部として機能する。このような機能を有する検出回路RCは、検出電極Rxからのセンサ出力値に基づいて、液晶表示装置DSPへの被検出物の接触あるいは接近を検出する。さらに、検出回路RCは、被検出物が接触あるいは接近した箇所の位置情報を検出することも可能である。なお、検出回路RCは、制御モジュールCMに備えられていても良い。
【0046】
図6Aは、図5に示したセンサSEの一部を拡大して概略的に示す平面図である。
【0047】
非表示領域NDAには、周辺遮光層LSが配置されている。この周辺遮光層LSは、非表示領域NDAの略全域に亘って延在している。共通電極CEの各分割電極Cは、表示領域DAにおいて、第1方向Xに並んでいる。分割電極Cは、それぞれ第1方向Xに第1電極幅W1を有している。ここでは、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界Bは、周辺遮光層LSの表示領域側のエッジの位置に相当する。表示領域DAの端部とは、表示領域内の領域のうち、境界Bの近傍の領域である。なお、共通電極CEのうち、最も非表示領域NDAに近い分割電極Cの端辺は、図示した例では、境界Bと重なる位置に配置されているが、その端辺は表示領域DAまたは非表示領域NDAのいずれに位置していても良い。
【0048】
リード線Lは、非表示領域NDAに配置されている。つまり、リード線Lは、周辺遮光層LSと重なる位置に配置されている。リード線Lの各々は、非表示領域NDAにおいて、概ね第2方向Yに延出し、第1方向Xに略等間隔に並んでいる。
【0049】
検出電極Rxは、拡幅部RSL及び本体部RRを備えている。拡幅部RSLは、リード線Lに接続され、しかも、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界Bに沿って配置されている。図示した例では、拡幅部RSLは、境界Bを跨いで配置されている。なお、拡幅部RSLの少なくとも一部は、図6Aに示したX−Y平面内において、最も非表示領域NDAに近い分割電極Cの端辺とリード線Lとの間に位置している。このような拡幅部RSLは、第2方向Yに第1幅WR1を有している。本体部RRは、拡幅部RSLに繋がり、表示領域DAに配置されている。このような本体部RRは、第2方向Yに第2幅WR2を有している。第2幅WR2は、第1幅WR1よりも小さい。図示した例では、拡幅部RSLは、本体部RRに対して第1方向Xに並び、本体部RRに対して第2方向Yの両方向に突出するような領域に亘って形成されている。図示した検出電極Rxの一部に着目すると、検出電極Rxは略T字状に形成されている。なお、図示しない表示領域DAの反対側についても同様の形状であり、1つの検出電極Rxは略I字状に形成されている。拡幅部RSLは、本体部RRよりも第2方向Yに突出した第3幅WR3を有している。
【0050】
表示領域DAに位置する拡幅部RSLは、第1方向Xに第2電極幅W2を有している。第2電極幅W2は、第1電極幅W1を超えない範囲で種々設定可能である。後述する発明者による検討結果によれば、第2電極幅W2は、電極幅W1の半分以下であることが望ましい。また、第2電極幅W2は、第3幅WR3よりも小さいことが望ましい。但し、第1電極幅W1及び第2電極幅W2は、いずれも画素PXの第1方向Xに沿った画素ピッチPuの整数倍であることが望ましい。ここでの画素ピッチPuとは、図4に示した隣接するソース線Sの中心の第1方向Xのピッチである。
【0051】
本実施形態では、検出電極Rxは、接続線LC、及び、複数の検出線LBによって形成されている。接続線LCは、非表示領域NDAに位置する拡幅部RSLに配置されている。なお、検出電極Rxの端部に相当する接続線LCは、図示した例のように、非表示領域NDAに配置されてもよいし、境界Bと重なる位置に配置されていても良い。この接続線LCは、リード線Lに接続されている。また、接続線LCは、第2方向Yに延出し、その両端がそれぞれ接続線LCの一端及び他端に相当する。複数の検出線LBは、いずれも非表示領域NDAから表示領域DAに亘って配置されている。検出線LBの各々は、非表示領域NDAにおいて接続線LCの一端側から他端側に亘って接続され、表示領域DAにおいて概ね第1方向Xに延出している。図示した例では、検出線LBの各々は、第1方向Xに沿って、波形(より具体的には三角波形)に形成されている。これらの検出線LBは、境界Bに沿って第2方向Yに略等間隔に並んでいる。なお、第2方向Yに隣り合う検出電極Rxの各々の検出線LBについても、境界Bに沿って第2方向Yに略等間隔に並んでいる。このような検出線LBは、拡幅部RSLのみに配置された第1検出線LB1、及び、第1検出線LB1よりも長く拡幅部RSL及び本体部RRに亘って延出した第2検出線LB2を含んでいる。図示した例では、2本の第1検出線LB1が接続線LCの一端側及び他端側にそれぞれ接続され、4本の第2検出線LB2は接続線LCの中央部に接続されている。
【0052】
換言すると、拡幅部RSLは、第1検出線LB1、及び、第2検出線LB2の基端部の集合体によって形成されている。また、本体部RRは、拡幅部RSLから延びた第2検出線LB2の集合体によって形成されている。つまり、拡幅部RSLにおける検出線LBの本数(第1検出線LB1及び第2検出線LB2の総数であり、例えば8本)は、本体部RRにおける検出線LBの本数(第2検出線LB2の総数であり、例えば4本)よりも多い。
【0053】
ここで、拡幅部RSLの第1幅WR1、及び、本体部RRの第2幅WR2とは、いずれも、接続線LCの一端側及び他端側にそれぞれ接続された検出線LB間の第2方向Yに沿った距離に相当する。図示した例では、第1幅WR1は、接続線LCの一端側に接続された第1検出線LB1a(第1検出線LB1aのうちの図面の上側に凸の頂点部分)と、接続線LCの他端側に接続された第1検出線LB1b(第1検出線LB1bのうちの図面の下側に凸の頂点部分)との第2方向Yに沿った第1距離である。第2幅WR2は、接続線LCの一端側に接続された第2検出線LB2a(第2検出線LB2aのうちの図面の上側に凸の頂点部分)と、接続線LCの他端側に接続された第2検出線LB2b(第2検出線LB2bのうちの図面の下側に凸の頂点部分)との第2方向Yに沿った第2距離である。第1距離は、第2距離よりも長い。
【0054】
隣接する検出電極Rxの間には、ダミー電極DRが配置されている。ダミー電極DRは、検出線LBと平行に、且つ、略等間隔に配置されている。このようなダミー電極DRは、リード線Lなどの配線には接続されず、電気的にフローティング状態にある。図示した例では、ダミー電極DRは、隣接する本体部RRの間に配置され、隣接する拡幅部RSLの間には配置されていない。
【0055】
複数の検出電極Rxは、第2方向Yに並んでいる。隣り合って配置される検出電極Rxの各々の拡幅部RSLは、互いに電気的に絶縁され、隣り合って配置されている。
【0056】
図6Bは、図6Aに示した2つの検出電極Rxのそれぞれの拡幅部RSLを拡大した概略平面図である。
【0057】
すなわち、検出電極Rx1は、本体部RR1及び拡幅部RSL1を有している。検出電極Rx2は、本体部RR2及び拡幅部RSL2を有している。拡幅部RSL1及び拡幅部RSL2は、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界Bに沿って第2方向Yに並んでいる。
【0058】
検出電極Rx1において、複数の検出線LB10は、1本の接続線LC1に接続されている。複数の検出線LB10は、拡幅部RSL1に配置された第1検出線LB11、及び、拡幅部RSL1及び本体部RR1に配置された第2検出線LB12を含んでいる。これらの複数の検出線LB10は、第2方向Yに沿って等間隔Dで並んでいる。
【0059】
検出電極Rx2において、複数の検出線LB20は、1本の接続線LC2に接続されている。複数の検出線LB20は、拡幅部RSL2に配置された第1検出線LB21、及び、拡幅部RSL2及び本体部RR2に配置された第2検出線LB22を含んでいる。これらの複数の検出線LB20は、第2方向Yに沿って等間隔Dで並んでいる。また、検出電極Rx1において検出電極Rx2と隣接する検出線LB111は、検出電極Rx2において検出電極Rx1と隣接する検出線LB211と、第2方向Yに沿って間隔Dをおいて並んでいる。これらの検出線LB10及び検出線LB20は、一例では上記の通り、三角波形に形成されている。ここでは、このような検出線において、第2方向Yに沿った正の方向(つまり、図面の下側)に向かって凸の頂点部分を『谷(bottom)』と称し、第2方向Yに沿った負の方向(つまり、図面の上方)に向かって凸の頂点部分を『山(top)』と称する。
【0060】
ここで、隣り合う検出線LB111と検出線LB211とに着目する。一例では、検出線LB111の谷BT1、及び、検出線LB211の山TP2は、図中の破線で示した同一直線LN上に位置している。検出線LB111が複数の谷BT1を有する場合、検出線LB211の山TP2は、複数の谷BT1を結ぶ直線LN上に位置している。または、検出線LB211が複数の山TP2を有する場合、検出線LB111の谷BT1は、複数の山TP2を結ぶ直線LN上に位置している。換言すると、図示した例では、検出線LB111と検出線LB211との第2方向Yに沿った距離Dは、検出線LB111の山TP1と谷BT1との第2方向Yに沿った距離D1(つまり、三角波形の検出線LB111の波高)、及び、検出線LB211の山TP2と谷BT2との第2方向Yに沿った距離D2(つまり、三角波形の検出線LB211の波高)と同等である。
【0061】
つまり、各検出電極Rxにおける拡幅部RSLの検出線LBのみならず、隣り合う拡幅部RSLの検出線LB同士についても互いに噛み合うように設けられている。このため、隣り合う拡幅部RSLの間についても、相互の検出線LBによって埋められ、当該拡幅部間の隙間からの電界の漏れがなくなる。
【0062】
これらの拡幅部RSLは、第2方向Yに沿った同一直線上に並んだ包囲部を形成している。つまり、隣り合う検出電極Rxにおいて、それらの本体部RR間に共通電極CEと対向する隙間が形成される一方で、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界B及びその周辺領域では、同一直線上に並んだ拡幅部RSLによって本体部間の当該隙間が包囲されている。このような拡幅部RSLによって形成された包囲部は、共通電極CEとリード線Lとの間での寄生容量の発生を抑制する、これらの間のいわば障壁として機能する。このため、本体部間の隙間を通じて、共通電極CEと検出電極Rxの拡幅部RSLとの間で静電容量が形成され、結果として、当該隙間を通じての共通電極CEとリード線Lとの間での容量形成(ひいては被検出物を検出する際のノイズ抽出)を抑制することができる。また、境界B及びその周辺領域では、共通電極CEと拡幅部RSLとの間で静電容量が形成されることとなり、当該領域における被検出物も確実に検出できるものとなる。
【0063】
図6Cは、図6Aに示した2つの検出電極Rxのそれぞれの拡幅部RSLを拡大した他の概略平面図である。
【0064】
図6Cに示した例は、図6Bに示した例と比較して、検出線LBがより密の等間隔Dで並んでいる点で相違している。すなわち、検出電極Rx1において、接続線LC1に接続された複数の検出線LB10は、第2方向Yに沿って等間隔Dで並んでいる。検出電極Rx2において、接続線LC2に接続された複数の検出線LB20は、第2方向Yに沿って等間隔Dで並んでいる。また、検出電極Rx1において検出電極Rx2と隣接する検出線LB111は、検出電極Rx2において検出電極Rx1と隣接する検出線LB211と、第2方向Yに沿って間隔Dをおいて並んでいる。
【0065】
一例では、検出線LB111と検出線LB211との第2方向Yに沿った距離Dは、検出線LB111の山TP1と谷BT1との第2方向Yに沿った距離D1(つまり、三角波形の検出線LB111の波高)、及び、検出線LB211の山TP2と谷BT2との第2方向Yに沿った距離D2(つまり、三角波形の検出線LB211の波高)よりも小さい。換言すると、検出線LB211の山TP2は、検出線LB111の谷BT1を通り図中に破線で示した直線LNよりも検出線LB111側に位置している。検出線LB111が複数の谷BT1を有する場合、検出線LB211の山TP2は、複数の谷BT1を結ぶ直線LNよりも検出線LB111の山TP1に近接する側に位置している。
【0066】
このように検出線LBがより密に配置された場合であっても、図6Bを参照して説明したのと同様の効果が得られる。
【0067】
図7は、図6Aに示したセンサSEの一部を含む液晶表示パネルPNLの構造を概略的に示す断面図である。なお、ここでは説明に必要な主要部のみを図示している。
【0068】
共通電極CE及び画素電極PEは、第1基板SUB1の第2基板SUB2と対向する内面側に位置している。すなわち、共通電極CEは、第2絶縁膜12の上に形成され、第3絶縁膜13によって覆われている。画素電極PEは、第3絶縁膜13の上に形成され、共通電極CEと対向している。なお、共通電極CEの直上に位置する画素電極PEの個数はこの例に限らない。なお、ソース線などの各種配線や第1配向膜の図示は省略している。
【0069】
ブラックマトリクスBM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、及び、周辺遮光層LSは、第2基板SUB2の第1基板SUB1と対向する内面側に位置している。すなわち、表示領域DAにおいては、各画素電極PEと対向する位置にカラーフィルタCFR、CFG、CFBが形成されている。ブラックマトリクスBMは、これらのカラーフィルタCFR、CFG、CFBの境界に位置している。非表示領域NDAにおいて、周辺遮光層LSは、第2絶縁基板20の内面に形成されている。この周辺遮光層LSは、ブラックマトリクスBMと同様の材料によって形成されている。オーバーコート層OCは、表示領域DA及び非表示領域NDAに亘って延在している。なお、第2配向膜の図示は省略している。
【0070】
検出電極Rx及びリード線Lは、第2基板SUB2の第1基板SUB1と対向する側とは反対の外面側に位置している。検出電極Rx及びリード線Lは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料によって形成されている。検出電極Rxにおいて、本体部RRのみならず、表示領域DAに位置する拡幅部RSLは、共通電極CE及び画素電極PEの上方に位置している。なお、表示領域DAに位置する検出電極Rxは、上記の不透明な金属材料によって形成されているが、例えば3〜5μm程度の幅の細線からなる検出線LBによって形成されているため、各画素の透過率を著しく低下させることはない。また、各検出線LBは、画素の配列方向(第1方向X及び第2方向Y)とは異なる方向に延出した細線からなるため、画素レイアウトとのモアレが抑制され、表示品位の劣化が抑制されている。なお、検出電極Rxは、金属材料からなる複数の検出線LBに代えて、後述すように、ITOなどの透明な導電材料からなる帯状電極によって構成されていても良い。
【0071】
次に、上記したFFSモードの液晶表示装置DSPにおいて画像を表示する表示駆動時の動作について説明する。
【0072】
まず、液晶層LQにフリンジ電界が形成されていないオフ状態について説明する。オフ状態は、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成されていない状態に相当する。このようなオフ状態では、液晶層LQに含まれる液晶分子は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2の配向規制力によりX−Y平面内において一方向に初期配向している。バックライトユニットBLからのバックライト光の一部は、第1光学素子OD1の偏光板を透過し、液晶表示パネルPNLに入射する。液晶表示パネルPNLに入射した光は、偏光板の吸収軸と直交する直線偏光である。このような直線偏光の偏光状態は、オフ状態の液晶表示パネルPNLを通過した際にほとんど変化しない。このため、液晶表示パネルPNLを透過した直線偏光のほとんどが、第2光学素子OD2の偏光板によって吸収される(黒表示)。つまり、バックライトユニットBLからの光は、表示に寄与せず、表示領域DAには黒画面が表示される。このようにオフ状態で液晶表示パネルPNLが黒表示となるモードをノーマリーブラックモードという。
【0073】
続いて、液晶層LQにフリンジ電界が形成されるオン状態について説明する。オン状態は、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成された状態に相当する。つまり、共通電極CEに対しては共通電極駆動回路CDからコモン駆動信号が供給される。その一方で、画素電極PEには、コモン電位に対して電位差を形成するような映像信号が供給される。これにより、オン状態では、画素電極PEと共通電極CEとの間にフリンジ電界が形成される。
【0074】
このようなオン状態では、液晶分子は、X−Y平面内において、液晶層内に形成されるフリンジ電界の影響を受けて初期配向方向とは異なる方位に配向する。オン状態では、第1光学素子OD1の偏光板の吸収軸と直交する直線偏光は、液晶表示パネルPNLに入射し、その偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子の配向状態に応じて変化する。このため、オン状態においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2光学素子OD2の偏光板を透過する(白表示)。
【0075】
このような構成により、ノーマリーブラックモードが実現される。表示領域DAにおいては、共通電極CEと画素電極PEとが対向する領域が表示に寄与する。
【0076】
次に、上記した液晶表示装置DSPにおいて被検出物の接触あるいは接近を検出するためのセンシングを行うセンシング駆動時の動作について説明する。
【0077】
すなわち、共通電極CEに対しては、共通電極駆動回路CDからセンサ駆動信号が供給される。このような状態で、センシングが行われる。ここで、センシング方法の一例の原理について図8を参照しながら説明する。
【0078】
分割電極Cと検出電極Rxとの間には、容量Ccが存在する。分割電極Cの各々には、順次、所定の周期でパルス状の書込信号(センサ駆動信号)Vwが供給される。この例では、被検出物となる利用者の指が特定の検出電極Rxと分割電極Cとが交差する位置に近接して存在するものとする。検出電極Rxに近接している被検出物により、容量Cxが生ずる。分割電極Cにパルス状の書込信号Vwが供給されたときに、特定の検出電極Rxからは、他の検出電極から得られるパルスよりもレベルの低いパルス状の読取信号(センサ出力値)Vrが得られる。
【0079】
図5に示した検出回路RCでは、書込信号Vwが分割電極Cに供給されるタイミングと、各検出電極Rxからの読取信号Vrとに基づいて、センサSEのX−Y平面内での被検出物の2次元位置情報を検出することができる。また、上記の容量Cxは、被検出物が検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。このため、読取信号Vrのレベルも被検出物が検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。したがって、検出回路RCでは、読取信号Vrのレベルに基づいて、センサSEに対する被検出物の近接度(センサSEの法線方向の距離)を検出することもできる。
【0080】
上記の表示駆動及びセンシング駆動は、例えば1フレーム期間内に行われる。一例では、1フレーム期間は、第1期間と、第2期間とに分けられる。第1期間では、表示領域DAの全ての画素に映像信号を書き込む表示駆動が行われる。また、第1期間に続く第2期間では、表示領域DAの全域において被検出物を検出するセンシング駆動が行われる。
【0081】
また、他の例では、1フレーム期間はさらに複数の期間に分けられる。また、表示領域DAは複数のブロックに分けられ、ブロック毎に表示駆動及びセンシング駆動が行われる。すなわち、1フレーム期間の第1期間では、表示領域DAのうちの第1表示ブロックの画素に映像信号を書き込む第1表示駆動が行われる。第1期間に続く第2期間では、表示領域DAの第1センシングブロックにおいて被検出物を検出する第1センシング駆動が行われる。第1センシングブロックと第1表示ブロックとは同一の領域であっても良いし、異なる領域であっても良い。第2期間に続く第3期間では、第1表示ブロックとは異なる第2表示ブロックの画素に映像信号を書き込む第2表示駆動が行われる。第3期間に続く第4期間では、第1センシングブロックとは異なる第2センシングブロックにおいて被検出物を検出する第2センシング駆動が行われる。このように、1フレーム期間内に表示駆動とセンシング駆動とを交互に行い、表示領域DAの全ての画素に映像信号を書き込む一方で、表示領域DAの全域において被検出物を検出することも可能である。
【0082】
本実施形態によれば、隣り合って配置される検出電極Rxにおいて、隣り合う本体部RRの間には共通電極CEと対向する隙間が形成される一方で、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界B及びその周辺領域では、複数の拡幅部RSLが隣り合って並んでいる。このため、本体部間の隙間を通じて、共通電極CE〜検出電極Rxの拡幅部RSLでの静電容量が形成され、結果として、当該隙間を通じての共通電極CE〜リード線Lでの容量形成(ひいては被検出物を検出する際のノイズ抽出)が抑制される(シールドされる)こととなる。このため、狭額縁化の要望によって共通電極CEとリード線Lとが接近して配置された構成であっても、共通電極CEとリード線Lとの不所望な容量形成を抑制することが可能となる。したがって、センシング駆動時において、共通電極CEとリード線Lとの間の容量結合に起因したセンサSEの誤動作を抑制することが可能となる。
【0083】
また、境界B及びその周辺領域では、拡幅部RSLは、共通電極CEと対向し、共通電極CE〜拡幅部RSL間で容量形成される。このため、センシング駆動時において、本体部RRのみならず、拡幅部RSLも検出電極として機能する。したがって、境界B及びその周辺領域においても、高精度の被検出物の検出が可能となる。しかも、拡幅部RSLは、本体部RRとともに検出電極Rxとして形成されるため、拡幅部RSLを形成するための別途の工程が不要である。
【0084】
また、検出電極Rxの検出線LB及びリード線Lは、第2絶縁基板20の外面に配置されるため、これらは同一材料を用いて同一工程で形成することが可能である。しかも、検出線LB及びリード線Lは、透明導電材料よりも電気抵抗値の非常に低い金属材料で形成可能であるため、線幅を細くすることができ、しかも、細い線幅を維持しつつ長い距離を引き回すことが可能である。
【0085】
検出線LBの線幅が細いため、表示領域DAにおいて各画素の透過率を著しく低下させることはない。また、各検出線LBは、画素の配列方向(第1方向X及び第2方向Y)とは異なる方向に延出しているため、画素レイアウトとのモアレが抑制され、表示品位の劣化が抑制されている。また、リード線Lの線幅が細いため、非表示領域NDAに接触あるいは接近した被検出物との間に不所望な容量の形成を抑制することができ、ノイズを低減することが可能となる。
【0086】
本実施形態において、拡幅部RSLの第2電極幅W2は、分割電極Cの第1電極幅W1の半分以下であることが望ましい。また、第2電極幅W2は、第3幅WR3よりも小さいことが望ましい。すなわち、共通電極CEの各分割電極Cは、等ピッチで配置され、しかも、均一な電極幅W1を有している。拡幅部RSLの第2電極幅W2が大きいほど、共通電極CEとリード線Lとの電界シールド効果が高まり、共通電極CEとリード線Lとの容量に起因したノイズを低減することが可能である一方、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界Bから拡幅部RSLの表示領域側端部が遠ざかってしまうこととなり、表示領域DAの端部付近でのセンシング感度の低下を招く。
【0087】
そこで、発明者は、第1電極幅W1を一定値とし、第2電極幅W2を種々変更して、リード線Lでの配線ノイズ量、及び、表示領域DAの端部付近で被検出物が接触した際のタッチシグナルを測定する実験を行った。図9は、本実施形態の一例である機種A及び機種Bについて、第1電極幅W1と第2電極幅W2との比に対する配線ノイズ量を測定した実験の実験結果を示す図である。図の縦軸は配線ノイズの相対値であり、横軸はW2/W1の値である。図10は、本実施形態の一例である機種A及び機種Bについて、第1電極幅W1と第2電極幅W2との比に対するタッチシグナルを測定した実験の実験結果を示す図である。図の縦軸はタッチシグナルの相対値であり、横軸はW2/W1の値である。
【0088】
まず、第1電極幅W1を4250μmに設定した機種Aにおいて、第2電極幅W2を0μm〜3000μmの範囲で変更し、配線ノイズ量及びタッチシグナルを測定した。この実験結果によれば、W2/W1の値が0.5以下の場合に配線ノイズ量が略ゼロとなり、且つ、タッチシグナルの劣化を抑制できることが確認できた。但し、W2/W1の値が0.2以下の場合には、共通電極CEとリード線Lとの電界シールド効果が低減するため、配線ノイズを生ずることが確認された。
【0089】
また、第1電極幅W1を2350μmに設定した機種Bにおいて、第2電極幅W2を0μm〜1800μmの範囲で変更し、配線ノイズ量及びタッチシグナルを測定した。この実験結果においても、機種Aと同様に、W2/W1の値が0.5以下の場合に配線ノイズ量が略ゼロとなり、且つ、タッチシグナルの劣化を抑制できることが確認できた。但し、W2/W1の値が0.13以下の場合には、配線ノイズを生ずることが確認された。
【0090】
上記の実験結果によれば、配線ノイズ及びセンシング感度の観点から、第2電極幅W2は、第1電極幅W1の0.5倍以下であることが望ましく、さらには、0.2倍以上であることが望ましい。
【0091】
次に、発明者は、第3幅WR3及び第2電極幅W2を種々変更して、表示領域DAの端部付近で被検出物が接触した際のタッチシグナルを測定する実験を、上記の機種A及び機種Bの双方について行った。図11に実験結果を示す。図の縦軸はタッチシグナルの相対値であり、横軸は(WR3−W2)の値である。
【0092】
上記の実験結果によれば、(WR3−W2)が正の場合に、タッチシグナルの劣化を抑制できることが確認できた。したがって、第2電極幅W2は、第3幅WR3よりも小さいことが望ましい。
【0093】
次に、本実施形態の液晶表示装置DSPに搭載される静電容量型のセンサSEの変形例について説明する。
【0094】
図12は、図5に示したセンサSEの一部を拡大して概略的に示す他の平面図である。
【0095】
図12に示した例は、図6Aに示した例と比較して、検出電極Rxを形成する検出線LBについて、第2方向Yに第1検出線LB1と第2検出線LB2とが交互に配置された点で相違している。
【0096】
すなわち、検出線LBは、拡幅部RSLのみに配置された第1検出線LB1、及び、第1検出線LB1よりも長く拡幅部RSL及び本体部RRに亘って延出した第2検出線LB2を含んでいる。図示した例では、4本の第1検出線LB1と、4本の第2検出線LB2とが交互に配置され、いずれも接続線LCに接続されている。
【0097】
検出電極Rxにおいて、拡幅部RSLは第2方向Yに第1幅WR1を有し、本体部RRは第2方向Yに第2幅WR2を有している。第2幅WR2は、第1幅WR1よりも小さい。図示した例では、拡幅部RSLは、本体部RRに対して第1方向Xに並び、本体部RRに対して第2方向Yの片側に突出するような領域に亘って形成されている。図示した検出電極Rxの一部に着目すると、検出電極Rxは略L字状に形成されている。
【0098】
図示した例では、第1幅WR1は、接続線LCの一端側に接続された第2検出線LB2a(第2検出線LB2aのうちの図面の上側に凸の頂点部分)と、接続線LCの他端側に接続された第1検出線LB1b(第1検出線LB1bのうちの図面の下側に凸の頂点部分)との第2方向Yに沿った第1距離である。第2幅WR2は、接続線LCの一端側に接続された第2検出線LB2a(第2検出線LB2aのうちの図面の上側に凸の頂点部分)と、接続線LCの他端側に接続された第2検出線LB2b(第2検出線LB2bのうちの図面の下側に凸の頂点部分)との第2方向Yに沿った第2距離である。第1距離は、第2距離よりも長い。
【0099】
隣接する第2検出線LB2の間(あるいは、第1検出線LB1の延長線上)には、ダミー電極DRが配置されている。表示領域DAにおいては、第2検出線LB2とダミー電極DRとが交互に配置されている。
【0100】
このような変形例においても、上記の例と同様の効果が得られる。加えて、図6Aに示した例と比較して、表示領域DAにおいて、第2検出線LB2とダミー電極DRとが交互に配置されているため、第2検出線LB2が横切る画素の分布を均一化することが可能となり、表示領域DAの透過率あるいは見栄えを均一化することが可能となる。
【0101】
図13は、本実施形態におけるセンサSEの他の構成を概略的に示す平面図である。
【0102】
図13に示した例は、上記した例と比較して、検出電極Rx及びダミー電極DRがいずれもITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された点で相違している。
【0103】
すなわち、共通電極CEは、表示領域DAにおいて、それぞれ第1方向Xに間隔を置いて並び、第2方向Yに略直線的に延出した複数の分割電極Cを備えている。検出電極Rxは、表示領域DAにおいて、それぞれ第2方向Yに間隔をおいて並び、第1方向Xに略直線的に延出している。リード線Lは、非表示領域NDAに配置され、検出電極Rxと電気的に接続されている。図示した例では、リード線Lは、表示領域DAを挟んで非表示領域NDAの両側にそれぞれ配置され、1個の検出電極Rxに対して、その両側で接続されている。なお、ここでは、共通電極駆動回路やフレキシブル配線基板の図示を省略している。
【0104】
検出電極Rxは、表示領域DAに位置する本体部RRと、本体部RRの両端に接続された拡幅部RSLと、を備えている。本体部RRは、第1方向Xに延出した帯状に形成されている。拡幅部RSLは、リード線Lに接続され、しかも、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界を跨いで配置されている。拡幅部RSLは、本体部RRよりも幅広に形成されている。図示した例では、拡幅部RSLの各々は、本体部RRに対して第2方向Yの両方向に突出している。このため、検出電極Rxは、略I字状に形成されている。
【0105】
隣接する検出電極Rxの間には、島状のダミー電極DRが配置されている。図示した例では、ダミー電極DRは、隣接する本体部RRの間に配置され、隣接する拡幅部RSLの間には配置されていない。
【0106】
このような変形例においても、検出電極Rxの拡幅部RSLにより、上記の例と同様の効果が得られる。加えて、金属材料によって形成された検出線LBからなる検出電極Rxを適用した上記の例と比較して、検出電極Rxが透明な導電材料によって形成されているため、表示領域DAにおける透過率のロスを低減することが可能となる。
【0107】
図14は、本実施形態におけるセンサSEの他の構成を概略的に示す平面図である。
【0108】
図14に示した例は、図13に示した例と比較して、共通電極CEの各分割電極Cが第1方向Xに延出し、検出電極Rxが概ね第2方向Yに延出している点で相違している。ここに示した例では、検出電極Rx及びダミー電極DRは、いずれも透明な導電材料によって形成されている。
【0109】
すなわち、共通電極CEは、表示領域DAにおいて、それぞれ第2方向Yに間隔を置いて並び、第1方向Xに略直線的に延出した複数の分割電極Cを備えている。検出電極Rxは、表示領域DAにおいて、それぞれ第1方向Xに間隔をおいて並び、第2方向Yに略直線的に延出している。これらの共通電極CE及び検出電極Rxは、上記の通り、各種誘電体を挟んで対向している。分割電極Cのそれぞれは、図示しない共通電極駆動回路に電気的に接続されている。リード線Lは、非表示領域NDAに配置され、検出電極Rxと一対一で電気的に接続されている。図示した例では、リード線Lは、表示領域DAの一端部に沿った非表示領域NDAに配置されている。
【0110】
検出電極Rxは、表示領域DAに位置する本体部RRと、本体部RRの一端に接続された拡幅部RSLと、を備えている。本体部RRは、第2方向Yに延出した帯状に形成されている。拡幅部RSLは、リード線Lに接続され、しかも、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界を跨いで配置されている。拡幅部RSLは、本体部RRよりも幅広に形成されている。図示した例では、拡幅部RSLの各々は、本体部RRに対して第1方向Xの両方向に突出している。このため、検出電極Rxは、略T字状に形成されている。
【0111】
隣接する検出電極Rxの間には、島状のダミー電極DRが配置されている。図示した例では、ダミー電極DRは、隣接する本体部RRの間に配置され、隣接する拡幅部RSLの間には配置されていない。
【0112】
このような変形例においても、検出電極Rxの拡幅部RSLにより、図13に示した例と同様の効果が得られる。加えて、図5などに示した例と比較して、各検出電極Rxに接続されるリード線Lの長さを短縮することができ、リード線Lのノイズをさらに低減することが可能となる。
【0113】
なお、検出電極Rx及びダミー電極DRは、金属材料によって形成されていても良い。この場合には、検出電極Rx及びダミー電極DRは細線によって形成される。また、検出電極Rx及びダミー電極DRは、いずれも透明な導電材料によって形成され、これらの上層または下層で金属材料によって形成される細線と積層されていても良い。
【0114】
上記の実施形態では、表示パネルPNLに内蔵された共通電極CEがセンサ駆動電極として機能し、さらにセンサ駆動電極と対向する検出電極及びこの検出電極と電気的に接続されたリード線を備えたセンサ付き表示装置について説明したが、センサ駆動電極や検出電極などのセンサ要素を備えていない表示パネルに貼り付けるなどして組み合わせられるセンサ装置についても、本実施形態を適用可能である。より具体的には、センサ装置は、センサ駆動電極、検出電極、及びリード線を備えたセンサパネルと、駆動部とを備えて構成される。センサ駆動電極は、表示装置の表示領域と対向する位置に設けられる。検出電極は、センサ駆動電極と対向している。リード線は、表示装置の表示領域の外側となる非表示領域と対向する位置に配置されるとともに、検出電極と電気的に接続され、検出電極からのセンサ出力値を出力する。駆動部は、センサ駆動電極にセンサ駆動信号を供給すると共に、当該センサ駆動電極からのセンサ駆動信号を検出電極で検出信号として検出させ、当該検出信号の変化を読み出す。このようなセンサ装置において、検出電極は、リード線に接続され表示領域と非表示領域との境界に沿って配置されるとともに第1幅を有する拡幅部と、当該拡幅部から離間する方向に延出して表示領域と対向する位置に配置されるとともに前記第1幅よりも小さい第2幅を有する本体部と、を備えている。このようなセンサ装置においても、上記の実施形態と同様の効果が得られる。
【0115】
以上説明したように、本実施形態によれば、センサの誤動作を抑制することが可能なセンサ付き表示装置及びセンサ装置を提供することができる。
【0116】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
DSP…液晶表示装置
SE…センサ Rx…検出電極 RR…本体部 RSL…拡幅部
LC…接続線 LB…検出線 L…リード線
PNL…液晶表示パネル DA…表示領域 NDA…非表示領域
CE…共通電極 C…分割電極
PE…画素電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14