【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による前述の目標は、OLEDインターフェースによって実現され、このOLEDインターフェースは、
−パネル層と、
−アノード電極層と、
−カソード電極層と、
−アノード電極層とカソード電極層との間に配列される有機発光層構造と、
−解釈回路と
を備え、
−解釈回路は、少なくともアノード電極層および/またはカソード電極層との相互作用において、ユーザがOLEDインターフェースまたはOLEDインターフェースを被覆するパネル要素にタッチせずに、あるいはタッチする前にパネル層の前方の領域の中におけるユーザの指または手を検出するためのセンサシステムを解釈回路が実現するように形成される。
【0005】
したがって、有利なことに、静電または電界効果によって、OLED構造の前方の領域の中におけるユーザの指または手の移動を検出可能にするOLED構造と関連しているユーザインターフェースを実現し、これにより、OLED構造の少なくとも1つの電極システムを使用することが提供される。解釈回路を介して検出される位置または移動情報は、マウス制御信号を生成するため、または他のスイッチングおよび制御信号を生成するために使用されてもよい。
【0006】
特に、OLED構造に対するユーザの指の移動また位置の空間検出によって、OLED構造の機能に直接的に関連する制御作用を実施するように実行可能でもある。したがって、検出される移動は、OLED構造またはそれを収容する機器に物理的にタッチする必要なしに、スイッチオン、スイッチオフ、および明るさ制御を同調させるジェスチャを検出するために使用されてもよい。
【0007】
LCDまたはTFT構造と関連して、OLED構造は、ディスプレイデバイスを形成してもよい。OLED構造の電極層のうちの1つ、好ましくは、アノード電極層を、LCDまたはTFT構造のVCOM電極として使用するように実行可能である。
【0008】
本発明の特定の側面によると、アノード電極層、カソード電極層、またはOLED構造のTFT構造との統合において、TFT構造上に、したがってOLED構造の反対側の側面上に提供されさらなる電極層が企図され、さらなる電極層は、これらの電極セグメントがセグメント行およびセグメント列を備えるセグメントアレイを形成するように、複数の電極セグメントに細分割される。解釈回路は、電極セグメントと結合され、接触時において、位置検出が電極層の電極セグメントを介して実施される回路状態を取得し得、さらに、ユーザの指の非接触位置または移動検出がOLED構造の前方の領域の中において実施され得る回路状態を取得し得るように形成される。
【0009】
解釈回路はさらに、それによって、接触モードにおけるユーザの指の位置の検出のために使用されるその電極セグメントの部分が、非接触モードにおける検出のためにも使用され、非接触位置または移動検出は、セグメントアレイのいくつかの電極セグメントが電極グループに統合されることで実施されるようにさらに設計されてもよい。
【0010】
それによって、有利なことに、OLED構造と関連したディスプレイデバイスを実現し、少なくともOLED構造の一部が、OLED構造と関連してユーザの手または指の空間位置または移動の検出を果たすセンサシステムを実現するために使用されるように実行可能である。
【0011】
電極セグメントは、一時的に電極システムとして動作させられ、それによって、ユーザの指の位置または移動の検出が、OLED構造にタッチする前に実施されてもよい。OLED構造あるいはOLED構造を備えるディスプレイまたは照明デバイスの物理的構成要素への接触が実施されるとすぐに、直接接している電極セグメントまたは相互に横断する接している電極セグメントの行および列によって、位置分析がタッチモードで実施されてもよい。電極グループは、好ましくは、OLEDインターフェースの中に細長い鎖を形成する電極セグメントを備える。非タッチモードにおいて指の位置の検出のために使用される鎖は、好ましくは、OLED構造またはOLED構造を備えるディスプレイデバイスの縁領域に沿って、比較的に近接して延在する。位置または移動検出のために、一時的にセンサ電極システムとして動作させられるセグメント鎖は、相互に対して異なる向きを有してもよく、特に、相互に対して平行であり、離間されてもよい。また、解釈結果は、位置検出に導入されてもよく、解釈結果は、相互に対して横断する態様で向けられた、特に、相互に対して垂直である電極セグメント鎖から導出される検出事象に基づいている。
【0012】
OLED構造またはOLED構造を備えるディスプレイデバイスと連動した指の位置の検出は、2つの直接接している電極セグメントの電場結合が、検出および評価されることにおいて実施されてもよい。接している電極セグメントのこの短い電場結合を検出するために、セグメントアレイは、好ましくは、電極セグメントの第1の部分が、別個のセグメント行に統合され、第2の部分が、別個のセグメント列に統合されるように設計される。セグメント行とセグメント列とは、相互に対して絶縁されている。それぞれの電極セグメント行の連続した電極セグメント間の接続経路は、セグメント列の連続した電極セグメントの接続索に対して絶縁されている。それぞれの交差点が、絶縁ブリッジとして形成され、それによって、交差セグメントにおけるこれらの接続索のガルバニック接続が保存される。好ましくは、電極アレイは、近接して接している菱形、六角形、多角形、またはその他、あるいは他の近接して咬合され、接している区画を備える電場の様式において形成される。したがって、電極セグメントは、セグメント列の一部を構成する電極セグメントに隣接して、直接近傍内に位置し、セグメント行の一部を形成する。OLED構造またはそのOLED構造を備えるディスプレイへの接触点は、それによって、最高の容量結合を生じさせるそのセグメント行とそのセグメント列との交差点と相関する。接触検出モードでは、したがって、XおよびY位置の決定は、高容量結合を備える交差点を検出することによって実施される。タッチモードにおける接触点はさらに、どのセグメント行およびどのセグメント列がユーザの指と最高容量結合を有するかを決定することによって検出されてもよい。接触位置は、そこで、このセグメント行とそのセグメント列との交差点に関連する。しかしながら、非タッチモードでは、XおよびY位置の検出は、いくつかのセグメント列といくつかのセグメント行との容量結合に対して、それぞれのセグメント行およびそれぞれのセグメント列からの指の距離を示すそれぞれの位置依存信号レベルが検出されることで実施される。これらのレベル値から、次いで、指の位置が計算されてもよく、または少なくとも指の移動経路が説明されてもよい。好ましくは、この計算は、好ましくは、相互間で加重されたいくつかの基本的手法、例えば、異なる電極セグメントグループおよびグループの統合に適合される三角測量および三辺測量手法を処理することによって実施される。最初に、接地に対する容量結合、またはセグメント行およびセグメント列を横断する別の電圧結合が、アナログ値として検出される。このアナログレベルは、次いで、ADCシステムによって変換され、デジタルデータ処理を受ける。
【0013】
実質的に長方形のOLED構造またはOLED構造を備えるディスプレイデバイスを有する、本発明の特に好ましい実施形態では、非タッチモードにおける位置または移動の決定は、縁領域に近接して位置するセグメント行およびセグメント列を使用して実施される。縁領域に近接して位置するこれらのセグメント行およびセグメント列は、電極フレームを形成する。この電極フレームは、ユーザの指のX位置を決定することを可能にし、それは、接地電位に対するか、またはOLED構造の電極の電位に対する、縁領域に近接して位置するセグメント列の容量指誘導結合の解釈によっている。指のY位置は、接地電位に対するか、またはOLED構造の電極の電位に対する上側および下側水平方向セグメント行の指誘導容量結合によって決定されてもよい。接地に対する電位は、好ましくは、アノード電極として作用するOLED構造の電極層に適用され、それは、ユーザに対して反対側の平面層の背面上の全面にわたって、すなわち、ユーザに対して反対側の電極セグメントアレイの背面にわたって実質的に延在する。
【0014】
好ましくは、第1の回路状態と第2の回路状態との間の切替は、マルチプレクサデバイスによって実施される。このマルチプレクサデバイスは、非タッチモードのための時間段階およびタッチモードのための時間段階を留保する時分割マルチプレクサデバイスとして設計されてもよい。適用可能である場合、プログラム制御された態様で、かつ連続的に、電極セグメントのあるグループはまた、非タッチモードでの位置および移動検出のための電極セグメント鎖として使用されてもよく、同時に、ある電極セグメント鎖は、タッチモードでの2次元位置検出のために使用されてもよい。ユーザインターフェースは、次いで、好ましくは、ユーザインターフェースが、ある領域の電極セグメント鎖が非タッチ位置検出のために使用される場合に、その領域に対してタッチ検出機能を必要としないように設計される。
【0015】
タッチ検出モードおよび非タッチ検出モードは、回路式方法によって連続的に実施されてもよく、または同時に実施されてもよい。
【0016】
連続的な有効化によって、それぞれのモードの周期についての固定された規定の代わりに、それぞれのモード同士の間の切替が、例えば、接触が検出されている限り、(非タッチモードの)第2の動作状態を取得するためのサイクルの部分が、ゼロに設定されるか、または低減されるように調節されてもよい。好ましくは、電極セグメント行と電極セグメント列との容量結合が、相互に対して、またはいずれの場合も接地に対して、特定の限界を超えると、接触が検出される。非タッチ分析モードを抑制することによって、タッチモードにおける信号解釈が、非タッチモードよりも粗くかつ単純な解釈動作を使用して実施され得るので、信号処理が簡略化され得る。同様に、有利なことに、第1の動作状態を取得するためのサイクルの部分は、接触が検出されない限り、低減される。しかしながら、接触事象は、特に、信頼性高く検出されることができるが、好ましくは、その場合にも、例えば、限界基準を示す接触を満たす接近が検出されないときは、機能的な安全性においける利得を獲得するために、ある時間距離の間に、しかしながら、好ましくは、比較的に大きな時間距離の間に、接触検出が実施される。
【0017】
好ましいことに、非タッチモードは、少なくとも2つのサブモードに細分割されてもよい。第1のサブモードは、遠距離モードである。この場合、例えば、Z軸距離(実質的に、ディスプレイに垂直な方向の距離)のウェイクアップ機能および粗い検出のみが決定される。Z方向における最小距離を下回るときにのみ、第2のサブモードの処理が実施される。この場合、より感度の高い位置検出が、接地に対する、電極セグメントによって構成される電極グループの結合の解釈によって、またはこの電極グループに結合される電場の解釈によって実施される。距離限界の値を下回ることが、例えば、X、Y、およびZ位置の検出につながるが、その距離限界は、縁領域に近接して位置するセグメント行およびセグメント列が十分に精密な位置検出を既に可能にしている距離に対応する。実験的検証によると、これらの条件は、ディスプレイからの指の距離が、ディスプレイの対角線寸法の約2/3よりも小さいときに、常に与えられる。
【0018】
第2のスイッチング状態の状況において、最小距離を下回るとき、異なる電極セグメントグループが連続的に有効にされてもよい。非タッチモードにおける位置検出のために使用される電極セグメント行および電極セグメント列は、したがって、ディスプレイ上で「遷移」してもよく、したがって、それぞれの指位置に対して最適化された検出位置を取得してもよい。また、いくつかの電極セグメント行および電極セグメント列は、同時に、有効にされ、解釈されてもよい。同時に有効にされる電極セグメントグループは、相互に離間された行または列、あるいはまた、相互に横断する方向に延在する行および列であってもよい。中間距離、すなわち、ディスプレイ対角線の25%〜50%の距離に対して、指の位置は、三角測量および三辺測量によって、特に、縁領域に近接して位置するセグメント行およびセグメント列のアナログ信号レベルの解釈によって決定されてもよい。さらなる接近の間は、指の位置は、接地電位に対するか、または好ましくは、OLED電極からの他の有意な電位からの最高容量結合を備えるセグメント列とセグメント行との交差点として決定されてもよい。Z距離は、次いで、接地電位または電位のレベルに対する容量結合のそれぞれのレベルから決定されてもよい。交差点の概念および三辺測量法の概念もまた、位置検出のためにともに併用されてもよく、特に、結合様式において加重されてもよい。
【0019】
好ましくは、第2のスイッチング状態、すなわち、非タッチモードにおいて、縁領域に近接して位置する上側水平方向セグメント鎖を構成する第1の電極グループが有効にされ、縁領域に近接して位置する水平方向セグメント鎖を構成する第2の電極グループが有効にされる。次いで、これらの水平方向の境界の間に位置する指のY位置は、これらの2つの電極セグメントグループによって計算されてもよい。
【0020】
第2のスイッチング状態(非タッチモード)におけるX位置の検出のために、好ましくは、縁領域に近接して位置する左側垂直方向セグメント鎖と、縁領域に近接して位置する右側垂直方向セグメント鎖とを構成する電極グループが使用される。
【0021】
さらに、指の位置の検出のために、連続的に交互する電極グループを使用することが実行可能であり、それにより、例えば、それぞれの解釈される電極セグメントグループは、適応的に切り替えられる、例えば、行を垂直方向に遷移させるか、または列を水平方向に遷移させる様式で、OLEDインターフェースを横断して、特に、OLEDディスプレイを横断して遷移する。
【0022】
さらに、相互に横断して整列させられた、特に、相互に対して略垂直に延在する電極セグメント鎖のレベル値は、それぞれの解釈概念によって解釈されてもよい。
【0023】
X、Y、およびZ情報の検出は、好ましくは、電極グループを形成することによって、および接地に対するこれらの電極グループの結合を検出することによって、第2のスイッチング状態(非タッチモード)の状況における前述のように実施される。このそれぞれの近接結合は、それぞれの電極グループからの指の距離と相関する。接地に対するそれぞれの結合値から、またはユーザの指によって生じる電位の別の結合および指の距離との相関によって、次いで、それぞれの電極グループからの距離が決定されてもよく、指の位置が、異なる距離値から検出されてもよい。
【0024】
実施例として、解釈回路は、ASICとして設計されてもよく、OLED構造のパネル層に直接近接して位置してもよい。電極セグメントの離散した導体経路への解釈回路の接続は、例えば、可撓性導体経路によって、クリップ接触構造によって、またはパネル層上へのASICの直接配列によって、実施されてもよい。パネル層上に配列される電極セグメントは、導体経路セグメントを介してASICに接続される。既にパネル層の領域の中において、垂直方向に連続および水平方向に連続の電極セグメントが、電極行および電極列に統合されていてもよく、これらの列と行とは、相互に対して絶縁され、それぞれ電極セグメントグループとして、ASICまたはマルチプレクサに接続される。
【0025】
好ましくは、電極セグメントは、円形ディスク、菱形、六角形、八角形、新月状構造、または近接して接している他の多角形として設計されるか、あるいは部分的に、相互に咬合する幾何学形状を有する。それぞれのセグメントとして、特に、菱形として設計されるとき、菱形鎖が形成されてもよい。菱形の一部は、水平方向の菱形鎖を形成するために使用され、菱形の残りの部分は、垂直方向の菱形鎖を形成するために使用される。電極セグメント同士の間には、狭い分割間隙が走っているので、電極セグメント行のセグメントと交差する電極セグメント列の電極セグメントとのガルバニック接触を防止する。電極セグメントは、したがって、近接して配列された様式で形成され、電極セグメントのみが、行または列の鎖を形成する伝導性様式において、相互に接続される。
【0026】
好ましくは、ASICは、ASICが電極セグメント行と電極セグメント列との接続を設定するように内部的に設計されることにより、タッチモードを処理するため、および非タッチモードを処理するために使用され得る。好ましくは、設定は、ASIC内に提供され、電極グループのあるシステム特性ならびに動作モード同士の間で変化させるときの移行現象、またはグループ構造の変化が考慮されることを可能にする。
【0027】
特に、例えば、携帯電話等の片手で保持され得るデバイスに対して、信号処理の状況において、較正ルーチンを実施可能であり、較正ルーチンによって、最初に、デバイスを保持することによって生じる電場の影響が少なくとも大幅に補償される。非タッチモードにおけるジェスチャ検出は、最初に、あるジェスチャ、例えば、ディスプレイの対角線の約66%の距離の中においてディスプレイの前方において実施される時計回り方向の仮想円形経路に沿った指先の移動を必要としてもよい。この特殊ジェスチャによって、非タッチ検出モードが有効にされてもよく、さらに、センサシステムの較正が実施されてもよい。
【0028】
好ましくは、検出された位置と相関するビューが、ユーザインターフェースを介して実施される。グラフィカルユーザインターフェースの中のあるウィンドウまたはメニューアイテムの移行が、音響的に通信されてもよく、好ましくは、機械的フィードバックによって、例えば、電磁気的にシフトされた質量要素が触覚的となってもよい。
【0029】
指の接近がまた、OLEDディスプレイとの接触につながる場合、非タッチ接近段階の間に決定された位置は、タッチモードで後に検出された接触点と比較されてもよい。非タッチ段階の間に最初に決定された情報を用いて、およびタッチモードにおいて非常に信頼性が高いと決定された位置情報を介して、連続した検出事象に対する解釈パラメータが、内部的に実装された較正手順によって適応されてもよい。同じことは、ディスプレイデバイスから指を持ち上げる場合にも該当する。非タッチモードにおける位置検出に対して、自動内部微調整が、最後に最終的に決定された接触点に基づいて、内部パラメータのそれぞれの修正によって実施されてもよい。
【0030】
特に、比較的に小型のタッチスクリーンにおいて、位置検出は、ディスプレイデバイスからの指のより遠い距離に対して、指の位置の検出のための検出範囲がディスプレイデバイスよりも大きな寸法を有するように、実施されてもよい。
【0031】
XおよびY位置の処理は、特にY方向において、オフセットがここで生成され、現在、ディスプレイ上に配置されているカーソルまたは選択されたメニューアイテムが、ユーザの指によって被覆されない結果を生じさせるように実施されてもよい。
【0032】
この説明の状況において、ディスプレイ接触として理解されるものは、OLEDパネル構造上への、特に、ディスプレイパネル上への指のソフトな接触である。これにより、OLEDインターフェースの中へ一体化される電極システムは、接触されないか、または少なくともガルバニック様式で接触されることを必要とされない。ここでは、指は、絶縁パネルまたは膜あるいは箔要素に接触する。典型的には、OLEDインターフェースの中に提供される全ての電極システムは、絶縁透明ガラスまたはプラスチック層によって被覆される。接触状態は、この状態を十分に指示する信号レベルによって検出されてもよい。接触状態および非接触状態もまた、Z軸までの距離を示す特定の動的特性によって検出されてもよい。典型的には、指を下方に着地させると、Z動態がゼロに近接するか、または圧力の増加の間の指先の平坦化を表す。この現象は、選択のための指標として使用されてもよい。また、非タッチモードにおいて、Z動態またはあるZ動態基準が、選択のための指標として使用されてもよい。例えば、Z動態基準は、急速な下向き移動、再び、ディスプレイに略垂直な短い距離に沿った指先の上向き移動の間に充足されるように定義されてもよい。このZ動態基準は、次いで、「仮想マウスクリック」を説明する。
【0033】
タッチモードまたは非タッチモードが、有効にされるかどうかに応じて、ユーザインターフェースは変動してもよく、これにより、それぞれのモードに対する特定の取扱いの利点を提供する特性を有してもよい。例えば、非タッチモードでは、タッチモードにおけるよりも広範囲のグラフィカルメニューアイテム構造または減少されたカーソル動態が、提供されてもよい。
【0034】
本発明による概念に基づいて、それぞれの横方向および長手方向に配列された電極セグメント鎖をアクティブ化することにより、多点検出、特に、2本の指の検出がそれによって可能にされることが実行可能である。そうするために、例えば、いくつかの区域が生成されてもよく、それらの各々が、指位置に対する値を提供する。この多点検出モードの有効化は、ある距離基準の充足に依存してもよく、または、ある内部的に必要とされる軌道経路、すなわち、ジェスチャに依存してもよい。多点検出モードの状況において、有利なことに、例えば、画像内容のスケーリング動作、回転、ならびにドラッグおよびドロップ作用等の同調され得る直感的相互作用は、これにより、ディスプレイがタッチされずに、同調され得る。
【0035】
さらなる解決策の概念によると、本発明はまた、バックライト付きタッチパッド構成要素に関する。これは、支持層と、OLED構造と、支持層に接続される電極層とを備える。電極層は、複数の電極セグメントに細分割され、これらの電極セグメントは、セグメント行およびセグメント列を備えるセグメントアレイを形成する。OLED構造によって照明されるタッチパッド構成要素は、接触検出が電極層の電極セグメントによって実施される回路状態を取得し得るように設計される解釈回路をさらに備える。加えて、解釈回路は、ユーザの指の非接触位置または移動検出が、タッチパッド構成要素の前方の領域の中で実施され得る回路状態を取得することを可能にする。非接触位置または移動検出は、行または列の電極セグメントグループへのセグメントアレイのいくつかの電極セグメントの統合において実施される。このタッチパッド構成要素構造は、ディスプレイデバイスに関して前述されたように設計されてもよい。このタッチパッド構成要素は、非接触位置検出をさらに可能にするタッチパッドを実現するために使用されてもよい。そのようなタッチパッドは、例えば、ノートブックの中の、これまでの従来のタッチパッドのための一体化場所において一体化されてもよい。タッチモードにおいて、および非タッチモードにおいても、指位置の統合された検出をするための本発明による構造はまた、他のデバイス、特に、家具および車両内部に一体化されてもよく、その結果、空間的に制限された領域の中のこのような場所に、それぞれの入力域、すなわち、非タッチ相互作用も可能にする入力域を実現する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
OLEDインターフェースであって、該インターフェースは、
パネル層と、
アノード電極層と、
カソード電極層と、
該アノード電極層と該カソード電極層との間に配列された有機発光層構造と、
解釈回路と
を備え、
該解釈回路は、少なくとも該アノード電極層および/または該カソード電極層との相互作用において、ユーザが該OLEDインターフェースもしくはそれを被覆するパネル要素にタッチすることなしに、またはタッチする前に、該パネル層の前方の領域の中の該ユーザの指または手を検出するためのセンサシステムが実現されるように、設計および接続される、OLEDインターフェース。
(項目2)
前記位置検出は、電圧レベルの解釈によって実施され、これらの電圧レベルは、前記電極層(A、K)のうちの一方とセンサ電極デバイス(EL)との間で測定されることを特徴とする、項目1に記載のOLEDインターフェース。
(項目3)
前記位置検出は、電圧レベルの解釈によって実施され、これらの電圧レベルは、前記アノード電極層(A)とセンサ電極デバイス(EL、2)との間で測定されることを特徴とする、項目1に記載のOLEDインターフェース。
(項目4)
OLEDインターフェースであって、該インターフェースは、
パネル層(1)と、
OLED層構造(O)と、
該パネル層(1)に接続された透明電極層であって、この電極層は、複数の電極セグメント(2)に細分割され、これらの電極セグメント(2)は、これにより、セグメント行およびセグメント列を備えるセグメントアレイを形成する、透明電極層と、
ユーザの指の非接触位置または移動検出が、該パネル層の前方の領域の中において実施され得るように形成された解釈回路(10)と
を備え、
該非接触位置または移動検出は、該セグメントアレイのいくつかの電極セグメント(2)の、行または列の電極セグメントグループ(Z1...Z5;S1...S9)への統合を使用して実施される、OLEDインターフェース。
(項目5)
前記解釈回路(10)は、接触検出が前記電極層の前記電極セグメント(2)を介して実施されている回路状態を取得し得るように形成されることを特徴とする、項目4に記載のOLEDインターフェース。
(項目6)
接触時の位置検出のための前記回路状態と接触を伴わない位置または移動検出のためのスイッチング状態との間の切替が、マルチプレクサデバイスによって実施されることを特徴とする、項目5に記載のOLEDインターフェース。
(項目7)
接触を伴わない位置または移動検出のための動作状態を取得するためのサイクルの部分は、接触が検出される限り、ゼロに設定されるか、または低減されることを特徴とする、項目6に記載のOLEDインターフェース。
(項目8)
位置検出のための前記動作状態を取得するための前記サイクルの部分は、接触が検出されない限り、前記インターフェースへの接触時に低減されることを特徴とする、項目6または7に記載のOLEDインターフェース。
(項目9)
最初に、接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、粗い接近検出が実施され、十分に顕著な接近状態の検出時にのみ、より感度の高い位置検出が実施されることを特徴とする、項目1〜8のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目10)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、可変の電極セグメントグループが、センサ電極として作用することを特徴とする、項目1〜9のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目11)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、Y位置を決定するために、上側水平方向セグメント鎖を構成する電極セグメントグループ(Z1)がアクティブ化され、および/または接触を伴わない位置または移動検出のために意図された該スイッチング状態の状況において、Y位置を決定するために、下側水平方向セグメント鎖を構成する電極セグメントグループ(Z5)がアクティブ化されることを特徴とする、項目1〜10のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目12)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、X位置を決定するために、左側垂直方向セグメント鎖(S1)を構成する電極セグメントグループがアクティブ化されることを特徴とする、項目1〜11のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目13)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、X位置を決定するために、右側垂直方向セグメント鎖(S9)を構成する電極セグメントグループがアクティブ化されることを特徴とする、項目1〜9のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目14)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、XおよびY位置を決定するために、相互に横断するように向けられた、特に相互に対して垂直に向けられた電極セグメントグループから導出されるレベル値が、使用されることを特徴とする、項目1〜13のうちのいずれか一項に記載のOLEDインターフェース。
(項目15)
非タッチモードにおける前記指の位置の検出のために使用される前記電極セグメントグループ(Z1...Z5;S1...S9)は、連続する行または連続する列の様式におけるそれぞれのアクティブ電極セグメントグループ(Z1...Z5;S1...S9)が、前記インターフェースを横断して遷移するように適応的に入れ替えられる、例えば、連続的に入れ替えられることを特徴とする、項目1〜14のうちのいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
(項目16)
接触を伴わない位置または移動検出のために意図された前記スイッチング状態の状況において、いずれの場合も、2つの電極セグメントグループが形成されること、およびこれらの2つの電極セグメントグループの容量結合が検出され、前記接近状態がこの容量結合から決定されることを特徴とする、項目1〜15のうちのいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
(項目17)
OLEDインターフェースであって、該インターフェースは、
支持層(1)と、
該支持層(1)に接続された電極層と、
OLED機能層(O)と、
解釈回路(10)と
を備え、
該電極層は、複数の電極セグメント(2)に細分割され、これらの電極セグメント(2)は、これにより、セグメント行およびセグメント列を備えるセグメントアレイを形成し、
該解釈回路(10)は、
それが、該電極層の該電極セグメント(2)を介して接触検出が実施される回路状態を取得することと、
それが、該ユーザの指の非接触位置または移動検出が該OLEDインターフェースの前方の領域の中で実施され得る回路状態を取得することと
を行い得るように形成され、
該非接触位置または移動検出は、該セグメントアレイのいくつかの電極セグメント(2)を、行または列の電極セグメントグループ(Z1...Z5;S1...S9)に統合することを介して実施される、OLEDインターフェース。
(項目18)
タッチパッド構成要素上でのユーザの指の移動と関連した入力信号を生成するための方法であって、このタッチパッド構成要素は、OLED層構造と、支持層と、該支持層に接続された電極層とを備え、この電極層は、複数の電極セグメントに細分割され、これらの電極セグメントは、これにより、セグメント行およびセグメント列を備えるセグメントアレイを形成し、該セグメント行およびセグメント列を介して検出される信号の解釈は、それが、それにより、該電極層の該電極セグメントを介して接触検出が実施される回路状態を取得し得、および該ユーザの指の非接触位置または移動検出が該タッチパッド構成要素の前方の領域の中で実施され得るさらなる回路状態を取得し得るように形成された解釈回路によって実施され、該非接触位置または移動検出は、該セグメントアレイのいくつかの電極セグメントを、行または列の電極セグメントグループに統合することを介して実施される、方法。
【0036】
本発明のさらなる詳細および特性は、図面と併せて、以下の説明からもたらされる。