(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたレール取付構造100には、次のような問題があった。
すなわち、
図19に示すように、第1係合部103は、機器101の底面の幅方向の一部に配置されている。そのため、機器101を支持レールに取り付けたとき、支持レールを押圧する部位の長さが短いため、機器101の安定性に問題があった。
そこで本出願人は、
図17、18に示すように、第1係合部202を機器201の全幅に設けたレール取付構造200を考案した。第1係合部202の内部には、S字形状の付勢部材203が形成されている。付勢部材203は、第1係合部202のケース204に固定された第1円弧部203aと、第1円弧部203aに延設された第2円弧部203bを有する。
【0005】
しかし、
図18に示すように、機器201を支持レールに取り付ける際、第2円弧部203bの先端部203cが機器201の底面に形成された係止部201aに当接することにより、第2円弧部203bは弾性変形する。このとき、第1円弧部203aは固定されているため、第2円弧部203bの方が変形しやすく、第2円弧部203bが変形した後でなければ第1円弧部203aは弾性変形しない。そのため、変形しやすい第2円弧部203bに応力集中が発生し、付勢部材203が塑性変形、または破損する恐れがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、付勢部材にかかる応力を分散させ、付勢部材全体を均一にバランスよく変形させることができるレール取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のレール取付構造は、次のような構成を有している
。
【0008】
(
1)
長尺のレール本体と、該レール本体に沿って張り出した一対の係合片とを備えた支持レールに、機器を取り付けるレール取付構造において、前記機器は、機器本体と取付部とを有し、前記取付部は、前記係合片の一方と係合する第1係合部と、前記係合片の他方と係合する第2係合部とを有すること、前記第1係合部は、前記取付部を前記係合片に対して押圧する付勢部材と、前記支持レールと直交する方向に摺動可能に保持され、前記付勢部材を覆うケースとを有すること、前記付勢部材は、前記付勢部材の動きに制限を加える制限部を有し、前記付勢部材の一端は、前記ケースに固定され、前記付勢部材の他端は、円弧状に形成された自由端であること、前記付勢部材は、S字形状であり、前記ケースに固定された第1円弧部と、
前記第1円弧部から延設し、自由端である第2円弧部とを有すること、前記第2円弧部は、前記制限部を有すること、を特徴とする。
【0009】
(
2)(
1)に記載のレール取付構造において、前記制限部は、前記第2円弧部の先端に対向する位置に形成された凸部であること、を特徴とする。
【0010】
(
3)(
1)に記載のレール取付構造において、前記第1円弧部の断面積は、前記第2円弧部の断面積より小さく形成されていること、を特徴とする。
【0011】
(
4)(1)乃至(
3)のいずれか1つに記載のレール取付構造において、前記第2係合部は、前記係合片に対して垂直方向に押圧する一対の付勢部材を有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
(1)長尺のレール本体と、該レール本体に沿って張り出した一対の係合片とを備えた支持レールに、機器を取り付けるレール取付構造において、前記機器は、機器本体と取付部とを有し、前記取付部は、前記係合片の一方と係合する第1係合部と、前記係合片の他方と係合する第2係合部とを有すること、前記第1係合部は、前記取付部を前記係合片に対して押圧する付勢部材と、前記支持レールに直交する方向に摺動可能に保持され、前記付勢部材を覆うケースとを有すること、前記付勢部材は、前記付勢部材の動きに制限を加える制限部を有し、前記付勢部材の一端は、前記ケースに固定され、前記付勢部材の他端は、円弧形状に形成された自由端であること、を特徴とするので、付勢部材が撓んだとき、付勢部材は変形しやすい部分と変形しにくい部分があるが、制限部により変形しやすい部分の変形を適切に止めることができ、変形しにくい部分を変形させることができる。これにより、付勢部材の応力を分散させ、付勢部材全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0013】
(2)(1)に記載のレール取付構造において、前記付勢部材は、S字形状であり、前記ケースに固定された第1円弧部と、前記取付部に対し搖動可能に保持された第2円弧部とを有すること、前記第2円弧部は、前記制限部を有すること、を特徴とするので、第2円弧部が制限部を有することにより、変形しやすい第2円弧部の変形を適切に止めることができ、変形しにくい第1円弧部を変形させることができる。これにより、第1円弧部と第2円弧部の応力を分散させ、全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0014】
(3)(2)に記載のレール取付構造において、前記制限部は、前記第2円弧部の先端に対向する位置に形成された凸部であること、を特徴とするので、第2円弧部が撓むと、凸部が第1円弧部に当接する。凸部が第1円弧部に当接することにより、変形しやすい第2円弧部の変形を適切に止め、変形しにくい第1円弧部を変形させることができる。これにより、第1円弧部と第2円弧部の応力を分散させ、全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0015】
(4)(2)に記載のレール取付構造において、前記第1円弧部の断面積は、前記第2円弧部の断面積より小さく形成されていること、を特徴とするので、第2円弧部が撓んでも、断面積が第1円弧部よりも大きいことにより、第2円弧部の変形を適切に止めることができ、変形しにくい第1円弧部を変形させることができる。これにより、第1円弧部と第2円弧部とがバランスよく変形されるため、応力集中を防止することができる。
【0016】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載のレール取付構造において、前記第2係合部は、前記係合片に対して垂直方向に押圧する一対の付勢部材を有すること、を特徴とするので、水平方向と垂直方向から機器を保持するための力が働くため、機器の保持力を確実に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のレール取付構造1について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態のレール取付構造1の構成について、
図1から
図7を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレール取付構造1の正面図であり、
図2はその底面図である。
図3は、支持レール2を外した状態の取付部5の正面図であり、
図4は、その左側面図である。
図5は、第1係合部6のケース62の正面図である。
図6は、
図5の矢印X方向から見た図であり、
図7は、
図5の矢印Y方向から見た図である。なお、
図1から
図4においては、第1係合部6及び第2係合部7の内部の構成を点線で示している。
【0019】
レール取付構造1は、
図1に示すように、支持レール2と機器3の組み合わせたものである。支持レール2は、長尺のレール本体21と、レール本体21に沿って張り出した一対の第1係合片22、第2係合片23とを有する。機器3は、機器本体4と取付部5を有する。取付部5は、第1係合片22と係合する第1係合部6と、第2係合片23と係合する第2係合部7を有する。
【0020】
第1係合部6は、
図2に示すように、略S字形状に形成された付勢部材61と、付勢部材61を覆うケース62と、中空状に形成され、中空部にケース62を収納するホルダ63と、付勢部材61の先端を係止するための係止部64を有する。
付勢部材61は、取付部5を第1係合片22に対して押圧している。付勢部材61は、
図2に示すように、ケース62に固定された第1円弧部61aと、第1円弧部61aから延設し、自由端である第2円弧部61bとを有する。第2円弧部61bの先端には、円弧状の先端部61cが形成され、後述する係止部64に対し搖動可能に保持されている。先端部61cに対向する位置には、第1円弧部61aに向かって突出する制限凸部61dが形成されている。制限凸部61dは、付勢部材61の動きに制限を加える。
【0021】
図2、3に示すように、ケース62のうち、第1円弧部61aが固定されている側には、機器3の全幅にかかるテーパ形状の第1係合面62aと、第1係合片22が挿入される第1係合溝62bが形成されている。第1係合面62aと第1係合溝62bの面と対向する面には、
図6に示すように、付勢部材61を覆うカバー62cと、ホルダ63と当接する当接面62gが形成されている。カバー62cは、ホルダ63の内面と摺動可能に保持されている。カバー62cは、付勢部材61にごみ等の異物が混入して付着することを防いでいる。カバー62cは、
図5に示すように、中央付近から機器3の外側に向かって2つに分岐している。分岐した一方62dは、カバー62cの一面と一体的に形成されており、他方62eは、先端に一対の係合凸部62fが形成されている。係合凸部62fは、後述するホルダ63の係合凹部63cと係合し、ケース62がホルダ63から外れないようにしている。
【0022】
ホルダ63は、
図3に示すように、取付部5に一体的に形成されている。ホルダ63は中空状に形成され、中空部63aには、ケース62が摺動可能に保持される。ホルダ63は、
図4に示すように、左側面に略コの字状の開口部63bが形成されている。開口部63bの両端には、ケース62の係合凸部62fと係合する係合凹部63cが形成されている。
取付部5には、
図4に示すように、付勢部材61の先端部61cを係止するための係止部64が形成されている。係止部64の、先端部61cが係止される係止面64aは、
図2に示すように、付勢部材61の先端部61cが搖動可能となるように円弧状に形成されている。
【0023】
第2係合部7は、
図2に示すように、取付部5の幅方向に、第2係合片23に対して垂直方向に押圧する一対の付勢部材71、72を有する。一対の付勢部材71、72の間には、取付部5に固定された固定部73が配置している。付勢部材71、72は、
図3に示すように、支持レール2が取り付けられていないとき、下方に向かって滑らかな斜面を形成している。支持レール2が取り付けられているときは、付勢部材71、72の下面は、固定部73の面と同じ位置に配置され、
図3の下方に向かって付勢している。また、第2係合部7は、テーパ形状の第2係合面7aと、第2係合片23が挿入される第2係合溝7bを有する。固定部73には、第2係合片23の先端が一時挿入されるための挿入部73aが形成されている。
【0024】
次に、レール取付構造1の作用について、図面を参照しながら以下に説明する。
図8は、支持レール2を外した状態の取付部5の底面図であり、
図9は、支持レール2を取り付けた状態の取付部5の底面図である。
図10は、支持レール2を取り付ける途中の状態の取付部5の底面図であり、
図11は、支持レール2を取り付ける途中、付勢部材61が最大圧縮されている状態の取付部5の底面図である。
図12は、支持レール2を機器3に取り付ける手順を、
図13は、支持レール2を機器3から取り外す手順を、それぞれ時系列で示した図である。
図12(1)〜(3)、
図13の(5)の取付部5は、
図8と対応している。
図12(4)の取付部5は、
図10と対応している。
図12(5)、
図13(2)〜(4)の取付部5は、
図11と対応している。
図13(1)の取付部5は、
図9と対応している。
なお、
図8から
図12においては、第1係合部6及び第2係合部7の内部の構成を点線で示している。また、通常、支持レール2が固定された状態で機器3を脱着するが、
図12及び
図13においては、取付部5の作用を明確にするため、取付部5を固定した状態で図示している。
【0025】
はじめに、レール取付構造1において、機器3を支持レール2に取り付ける際の作用について説明する。
図12(1)に示すように、支持レール2を矢印A方向にスライドさせ、支持レール2の第2係合片23を第2係合部7の第2係合溝7bに挿入させる。このとき、付勢部材71、72は、突起がなく、滑らかな斜面を形成しているため、第2係合片23を容易に装着することできる。次に、
図12(2)に示すように、矢印B方向に第2係合片23を挿入部73aへ挿入しつつ、
図12(3)に示すように、第1係合片22を矢印D方向に移動させる。また、第2係合片23を第2係合部7の付勢部材71、72に対し矢印C方向に押圧する。このとき、第2係合溝7bと第2係合片23とが接する点を始点として、モーメントで回転できるため、小さな力で付勢部材71、72を押圧することができる。
図12(1)から(3)のときの第1係合部6の付勢部材61は、
図8に示すように、全く応力集中は生じていない。
【0026】
次に、
図12(4)に示すように、第2係合片23を矢印E方向に、第1係合片22を矢印F方向に押圧する。第2係合片23は、付勢部材71、72を第2係合片23の垂直方向に押圧する。一方、第1係合片22は、第1係合部6の第1係合面62aに沿って進むと、ケース62はホルダ63内で摺動して機器3の外側(矢印G方向)へ向かって移動する。
図12(4)のときの付勢部材61は、
図10に示すように、制限凸部61dが第1円弧部61aに当接している。このとき、
図9に示す支持レール2が取り付けられた状態の付勢部材61と比較すると、制限凸部61dと第1円弧部61aの開口距離R1は、
図10では制限凸部61dと第1円弧部61aは当接しているため、0(ゼロ)となる。一方、変形しにくい第1円弧部61aは、
図9では、第1円弧部61aの開口距離R2であるのに対し、
図10では、開口距離R3はR2よりも小さくなる(R3<R2)。すなわち、制限凸部61dにより変形しやすい第2円弧部61bを適切に止めることができ、変形しにくい第1円弧部61aを変形させることができる。これにより、第1円弧部61aと第2円弧部61bに応力を分散させ、全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0027】
そして、
図12(5)に示すように、第1係合面62aと第1係合片22の先端同士が当接すると、ケース62の当接面62gは、ホルダ63と当接し、矢印H方向に最大限に外側に移動する。
図12(5)のときの付勢部材61は、
図11に示すように、制限凸部61dは、第1円弧部61aに当接している。このとき、制限凸部61dと第1円弧部61aの開口距離は0(ゼロ)となる。一方、変形しにくい第1円弧部61aは、制限凸部61dが第1円弧部61aに当接することにより、第1円弧部61aも変形するため、第1円弧部61aの開口距離R4は、
図10の開口距離R3よりも小さくなる(R4<R3)。このとき、第2円弧部61bに応力が発生しているが、第2円弧部61bが塑性変形したり、破損したりする恐れのない範囲内である。
【0028】
第1係合片22は、第1係合面62aを超えると、第1係合溝62bに係合する。こうして、
図13(1)に示すように、支持レール2は取付部5に取り付けられる。このとき、第1係合溝62bは、機器3の全幅にあり、第1係合片22を押さえるので、支持レール2は斜めになりにくく、安定した保持力を得ることができる。
また、第1係合部6では、付勢部材61が支持レール2に直交する方向に付勢し、第2係合部7では、付勢部材71、72が支持レール2の垂直方向に付勢しているため、2方向から支持レール2を支持している。そのため、支持レール2が取付部5から容易に外れることはない。
【0029】
次に、レール取付構造1において、機器3を支持レール2から取り外す際の作用について、
図13を用いて説明する。
図13(1)は、支持レール2が取り付けられた状態である。この状態から、
図13(2)に示すように、支持レール2を矢印J方向へ押圧すると、ケース62はホルダ63内で摺動して機器3の外側へ向かって移動する。このとき、ケース62の内部にある付勢部材61は、
図11に示すように、撓んでいる。すなわち、第2円弧部61bは変形しやすいため、始め変形をする。しかし、第2円弧部61bにある制限凸部61dが第1円弧部61aに当接すると、変形しにくい第1円弧部61aが変形を始める。これにより、第2円弧部61bにかかる応力を分散することができ、付勢部材61に対する応力集中を均一にバランスよく分散することができる。
そして、
図13(3)に示すように、支持レール2が矢印L方向に押圧されることにより、第2係合片23の係合が解除され、第2係合片23は矢印K方向に移動させる。
図13(4)に示すように、第1係合片22を矢印N方向に押圧しつつ、第2係合片23を矢印M方向に移動することにより、第1係合片22の係合も解除される。そして、
図13(5)に示すように、矢印P方向に移動することにより、支持レール2を取付部から完全に取り外すことができる。
【0030】
ここで、第1係合部6では、付勢部材61が支持レール2に直交する方向に付勢し、第2係合部7では、付勢部材71、72が支持レール2の垂直方向に付勢しているため、2方向から支持レール2を支持している。そのため、取付時の保持力を分散することができるため、各々の力を軽減させることができ、脱着時の第1係合部6及び第2係合部7にかかる力を軽減することができる。これにより、取り外す際の脱着力を小さくでき、支持レール2の脱着性を向上することができる。よって、わずかな力で機器3を支持レール2に取り付けることができ、取付時の安定性と保持力を維持することができる。
また、先端部61cは、係止部64の係止面64aと搖動可能に保持されているため、付勢部材61のねじれを防止することができ、スムーズに変形することができる。そのため、安定した保持力を得ることができる。また、繰り返し使用しても、保持力の低下はほとんどないため、安定した保持力を得ることができる。
【0031】
以上、説明したように、本発明のレール取付構造1によれば、長尺のレール本体21と、該レール本体21に沿って張り出した第1係合片22、第2係合片23とを備えた支持レール2に、機器3を取り付けるレール取付構造1において、機器3は、機器本体4と取付部5とを有し、取付部5は、第1係合片22と係合する第1係合部6と、第2係合片23と係合する第2係合部7とを有すること、第1係合部6は、取付部5を第1係合片22に対して押圧する付勢部材61と、支持レール2と直交する方向に摺動可能に保持され、付勢部材61を覆うケース62とを有すること、付勢部材61は、付勢部材61の動きに制限を加える制限凸部61dを有し、付勢部材61の一端は、ケース62に固定され、付勢部材61の他端は、円弧状に形成された自由端であること、を特徴とするので、付勢部材61が撓んだとき、付勢部材61は変形しやすい部分と変形しにくい部分があるが、制限凸部61dにより変形しやすい部分の変形を適切に止めることができ、変形しにくい部分を変形させることができる。これにより、付勢部材61の応力を分散させ、付勢部材61全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0032】
付勢部材61は、S字形状であり、ケース62に固定された第1円弧部61aと、取付部5に対し搖動可能に保持された第2円弧部61bとを有すること、第2円弧部61bは、制限凸部61dを有すること、を特徴とするので、第2円弧部61bが制限凸部61dを有することにより、変形しやすい第2円弧部61bの変形を適切に止めることができ、変形しにくい第1円弧部61aを変形させることができる。これにより、第1円弧部61aと第2円弧部61bの応力を分散させ、全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0033】
制限凸部61dは、第2円弧部61bの先端部61cに対向する位置に形成された凸部であること、を特徴とするので、第2円弧部61bが撓むと、制限凸部61dが第1円弧部61aに当接する。制限凸部61dが第1円弧部61aに当接することにより、変形しやすい第2円弧部61bの変形を適切に止め、変形しにくい第1円弧部61aを変形させることができる。これにより、第1円弧部61aと第2円弧部61bの応力を分散させ、全体を均一にバランスよく変形させることができる。
【0034】
第2係合部7は、第2係合片23に対して垂直方向に押圧する一対の付勢部材71、72を有すること、を特徴とするので、水平方向と垂直方向から機器3を保持するための力が働くため、機器3の保持力を確実に維持することができる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のレール取付構造1の構成について、
図14から
図16を用いて説明する。
図14から
図16は、本発明の第2実施形態に係るレール取付構造1の取付部5の底面図である。
図14は、支持レール2を外した状態を、
図15は、支持レール2を取り付けた後の状態を、
図16は支持レール2を取り外す際の状態をそれぞれ示す。なお、
図14から
図16においては、第1係合部8及び第2係合部7の内部の構成を点線で示している。
第1実施形態と第2実施形態の主な相違点は、第1係合部の付勢部材の形状である。なお、第1実施形態に係るレール取付構造1と同じ構造は、同じ引用番号を付すことにより、説明を省略する。
【0036】
第1係合部8は、
図14に示すように、付勢部材81とケース82とを有する。付勢部材81は、S字形状であり、ケース82に固定された第1円弧部81aと、取付部5に対し搖動可能に保持された第2円弧部81bとを有する。第1円弧部81aの断面積は、第2円弧部81bの断面積より小さく形成されている。断面積の大きい第2円弧部81bは、制限部を有する。また、第2円弧部81bの先端には、取付部5に対し搖動可能に保持された先端部81cが形成されている。
支持レール2を取り付けるとき、または外すとき、
図16に示すように、第1係合部8のケース82は機器3の外側に摺動する。このとき、第1係合部8の内部の付勢部材81は、変形しやすい第2円弧部81bが変形し始める。しかし、第2円弧部81bは断面積が大きく形成されているため、変形しにくく、始めの段階では、断面積の小さい第1円弧部81aが大きく変形する。そして第1円弧部81aの変形量が大きくなると、第2円弧部81bが変形する。これにより、第1円弧部81aと第2円弧部とがバランスよく変形されるため、応力集中を防止することができる。
【0037】
第1円弧部81aの断面積は、第2円弧部81bの断面積より小さく形成されていること、を特徴とするので、第2円弧部81bが撓んでも、断面積が第1円弧部81aよりも大きいことにより、第2円弧部81bの変形を適切に止めることができ、変形しにくい第1円弧部81aを変形させることができる。これにより、第1円弧部81aと第2円弧部81bとがバランスよく変形されるため、応力集中を防止することができる。
【0038】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
例えば、本実施形態では、付勢部材の形状はS字形状であるが、機器の幅が大きければ、C字形状でも良い。