特許第6335172号(P6335172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335172テノホビルプロドラッグおよびその医薬用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335172
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】テノホビルプロドラッグおよびその医薬用途
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6561 20060101AFI20180521BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20180521BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20180521BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20180521BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20180521BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   C07F9/6561 ZCSP
   A61K31/675
   A61P1/16
   A61P31/18
   A61P31/20
   A61P43/00 123
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-528848(P2015-528848)
(86)(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公表番号】特表2015-531771(P2015-531771A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2013079123
(87)【国際公開番号】WO2014032481
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年6月24日
(31)【優先権主張番号】201210315565.X
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201310041647.4
(32)【優先日】2013年2月1日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509152219
【氏名又は名称】ジエンス ハンセン ファーマセウティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100153394
【弁理士】
【氏名又は名称】謝 卓峰
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、フーヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ドン
【審査官】 新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−504402(JP,A)
【文献】 特表2009−542697(JP,A)
【文献】 Bioorg. Med. Chem. Lett.,2001年,Vol.11,pp.1053-1056
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物;
【化1】
式中:
およびRはそれぞれC1−6アルキルであり;
は水素、C1−6アルキル、置換もしくは無置換C6−10アリールまたは6〜10員のヘテロアリールであり;
Arは置換もしくは無置換C6−10アリールまたは6〜10員のヘテロアリールであり、
リン原子がキラルであり、立体配置がSである。
【請求項2】
化合物が、
【化2】
から成る群から選択される、請求項1に記載の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項3】
式(Ia1)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物;
【化3】
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項5】
薬学的に許容される担体が注射用の水、凍結乾燥した粉末賦形剤または経口製剤用賦形剤から成る群から選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ウイルス感染症の治療用の薬剤の製造における、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の使用。
【請求項7】
HIV感染症、B型肝炎もしくはB型肝炎ウイルスによって引き起こされた疾患の治療用の薬剤の製造における、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の使用。
【請求項8】
ウイルス感染症の治療用の薬剤の製造における、請求項4または5に記載の医薬組成物の使用。
【請求項9】
HIV感染症、B型肝炎もしくはB型肝炎ウイルスによって引き起こされた疾患の治療用の薬剤の製造における、請求項4または5に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テノホビルのプロドラッグおよびその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、並びにそれらの医療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎ウイルス(HBV)はヒトの急性または慢性肝炎を引き起こすDNAウイルスの一種である。HBV感染は人における肝硬変や肝細胞癌などの重篤な肝疾患の直接の原因であるため、B型肝炎は人間の健康にとって大きな脅威である。HBV‐DNA(デオキシリボ核酸)は、HBVのコアであり、ウイルス複製のベースである。ヌクレオシドは直接天然のデオキシリボース基質に競合的に結合することによってウイルスのポリメラーゼを阻害し、DNAを挿入することによりDNA鎖を終結させることができる。従って、シドホビル、アデホビル、ラミブジン、およびテノホビルなどのヌクレオシドはB型肝炎を治療するための主要な薬剤である。テノホビルは、ウイルス感染症の治療において様々なウイルスに対して効果がある新規なヌクレオチド逆転写酵素阻害薬である。テノホビルは生理的pHでリン酸基のジアニオンの形で存在するため、テノホビルは細胞膜透過性が低く、バイオアベイラビリティも低く、そして用量依存性の腎毒性があり、これがその治療効果を制限している。それ故、テノホビルは、臨床適用のためにエステル化や塩化などの様々な技術的手段によりホスホネートプロドラッグの形態に調製しなければならない。例えば、Gilead Sciences Inc. により開発されたフマル酸テノホビルジソプロキシルはHIV感染症およびB型肝炎の治療用の第一世代の経口活性テノホビルプロドラッグである。
【化1】
【0003】
フマル酸テノホビルジソプロキシルは血清酵素に媒介された加水分解反応に非常に敏感であるため、その薬物濃度は活性サイトで効果的に増加させることができない。さらに、潜在的に毒性のあるホルムアルデヒドの2当量が代謝で放出されて、乳酸アシドーシス、重篤な肝腫大および脂肪委縮症などの副作用が臨床使用中に見いだされている。血漿中におけるテノホビルプロドラッグの安定性を改善し、代謝体‐テノホビルを減少させて薬物毒性を減少させるために、多くの製薬会社が次世代テノホビルプロドラッグの研究開発を行っており、幾つかの成果をあげている。幾つかの新しいプロドラッグが第I/II相臨床試験に入っている。例えば、特許文献1(国際特許出願WO0208241)は天然アミノ酸(モノ置換)で合成したテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグ(例、GS−7340)を開示し、特許文献2(国際特許出願WO2009105513)は新規なテノホビルリン酸塩ビスアミドプロドラッグの1つを開示している。テノホビルリン酸ジエステルと比べると、これらの新規なプロドラッグは血漿安定性が改善されており、それにより末梢血単核球(PBMCs)における活性代謝物‐テノホビルの累積濃度を増加し、治療効果を高めている。例えば、PBMCsにおいてGS−7340によって産生される活性成分の全濃度は、テノホビルジソプロキシルの10倍であり、テノホビルの30倍である。しかしながら、GS−7340は血漿中で一定量分解し、1−2%の代謝物‐テノホビルが血漿中で検出される。それ故、GS−7340がテノホビルジソプロキシルによって生じる副作用として毒性を有することは不可避であり、このことが薬物の安全性の問題を生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願WO0208241
【特許文献2】国際特許出願WO2009105513
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、更に効果が高く、毒性が低いテノホビルプロドラッグを開発することは重要である。血漿中におけるテノホビルジソプロキシルの安定性をさらに改良するために、本発明は二置換アミノ酸を用いて一連のテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグを合成した。この種のプロドラッグは血漿中で非常に安定であることが判り、そして代謝物‐テノホビルは血漿中には全く見いだされない。一方、PBMCsにおける活性代謝物‐テノホビルの濃度はGS−7340に比べ有意に増加している。従って、本発明は効果が高く、毒性が低い、新しい世代のテノホビルプロドラッグを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、本発明者らは従来のものより効果が高くそして毒性が低い一連の化合物を見い出した。GS−7340に比べて、本発明の化合物は血漿中で十分に安定であり、そして代謝物‐テノホビルは血漿中には完全に検出されない。一方、PBMCsにおいてはテノホビルの濃度は大きく改善されている。このような結果は当業者には全く予想外である。
【0007】
本発明は、一般式(I)の化合物およびその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物に関する;
【化2】
式中:
およびRはそれぞれC1−6アルキルであるか、またはRおよびRがそれらが結合する炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成し;
は水素、C1−6アルキル、置換もしくは無置換C6−10アリールまたは6〜10員のヘテロアリールであり;
Arは置換もしくは無置換C6−10アリールまたは6〜10員のヘテロアリールである。
【0008】
本発明の一般式(I)の化合物はテノホビルのプロドラッグとして用いることができる。このプロドラッグは血漿中で安定であり、そしてPBMCsにおける活性代謝物‐テノホビルの濃度はGS−7340のものと比べて著しく改善されている。
【0009】
本発明の一般式(I)の化合物においては、リン原子はキラルであり、立体配置はSまたはRであるか、またはRとSの混合物である。
【0010】
本発明の実施態様中、一般式(I)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物において、立体異性体は、互変異性体、シス−トランス異性体、立体配座異性体、メソマーまたはエナンチオマーもしくはジアステレオマー光学異性体を含む。
【0011】
本発明の好ましい実施態様において、以下の構造を持つ化合物が提供されるが、本発明の一般式(I)の化合物は以下の構造に限定されるものではない:
【化3】
【0012】
本発明の他の好ましい実施態様において、次の構造を持つキラル化合物が開示されるが、本発明の一般式(I)の化合物は以下の構造に限定されるものではない:
【化4】
【0013】
本発明の一般式(I)の化合物は、以下の方法に従って製造してもよい:
【化5】
式中、一般式(II)の化合物は、中国特許ZL01813161.1の方法および他の慣用的な方法に従ってテノホビルから製造できる。
【0014】
キラル異性体(II)は、逆相カラムまたはキラルカラムを用いて異性体(I’)の混合物から分離することができる。
【化6】
【0015】
本発明はまた一般式(I)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供するが、該薬学的に許容される担体は注射用の水、凍結乾燥した粉末賦形剤または経口製剤用賦形剤から成る群から選択される。
【0016】
本発明はまたウイルス感染症、好ましくはB型肝炎もしくはB型肝炎ウイルスによって引き起こされた疾患の治療用の薬剤の製造における一般式(I)の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物または該医薬組成物の使用に関する。
【0017】
特に明記しない限り、本発明における事項は以下の意味を有する。用語「アルキル」は1−6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖から成る飽和の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキルの例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチルなどが挙げられる。アルキルは置換されていてもまたは無置換であってもよく、置換されている場合、置換基はいかなる置換可能な位置で置換していてもよい。該置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ、およびオキソから成る群から独立して選択される1以上の基である。
【0018】
用語「シクロアルキル」は、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素基をいい、3−7個の炭素原子を含有する。単環式シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニルなどが挙げられる。多環式シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、スピロ環シクロアルキル、縮合環シクロアルキル、および架橋環シクロアルキルが挙げられる。該シクロアルキルは置換されていてもまたは無置換であってもよく、置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から独立して選択される1以上の基である。
【0019】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチルなどの、6−10個の全て炭素の単環または縮合多環(即ち、隣り合った炭素原子対を共有している環)および共役したπ電子系を有する多環(即ち、隣接した炭素原子対を持つ環)を意味する。該アリールは置換されていてもまたは無置換であってもよく、置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオから成る群から独立して選択される1以上の基である。
【0020】
用語「ヘテロアリール」は、ピリジニル、ピリミジニル等のO,SまたはNなどの1,2,3または4個のヘテロ原子を含有する、6−10個の環原子、好ましくは5−6個の環原子の複素芳香環系を意味する。「ヘテロアリール」は、任意に置換されていてもまたは無置換であってもよく、置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオから成る群から独立して選択される1以上の基である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
当業者に本発明をより明確に理解させることができる以下の実施例により本願発明を説明する。これらの実施例は単に本発明の技術的課題の解決を説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
実施例1
工程1:
トリメチルクロロシラン(6.0g)を、0℃でフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.1mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液を20℃に温度を上げた後、18時間撹拌した。白色固形物を取り除いて、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を合わせて、溶媒を溜去し、フェノキシトリメチルシラン(4.2g)を無色オイルとして得た。
【0023】
工程2:
【化7】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g、Suzhou Henderson Pharmaceutical Co., Ltd.より購入)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、フェノキシトリメチルシラン(0.70g)を急いで添加し、混合液はさらに1.5時間100℃で撹拌を続けた。次いで溶媒を溜去して、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールにとかし、45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形物IIa(0.7g)を得た。
MS (m/z) 363.96 (MH+)
【0024】
工程3:
【化8】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を、60℃で化合物IIa(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(750mg、Shanghai Darui Fine Chemicals Co., Ltd.より購入)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ia(150mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (m, 1H), 8.05 (m, 1H), 7.36〜6.95 (m, 5H), 6.49 (b, 2H), 6.22〜5.84 (m, 1H), 5.01 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.40〜3.60 (m, 3H), 1.52〜1.18 (m, 15H). MS (m/z) 491.13 (MH+).
【0025】
キラル化合物Ia1およびIa2の調製:
方法1:non-chiralカラムでの調製
粗生成物Ia(150mg)を分取HPLC(分取カラム:Waters Symmetry C18、移動相:A:0.02%リン酸水溶液;B:メタノール)により分離し、化合物Ia1(50mg、保持時間:50.65分):MS (m/z) 491.17(MH+)および化合物Ia2(61mg、保持時間:47.57分):MS (m/z) 491.10 (MH+)を得た。
【0026】
方法1:キラルカラムでの調製
粗生成物Ia(150mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ia1(62mg、保持時間:6.53分)および化合物Ia2(78mg、保持時間:6.11分)を得た。
【化9】
【0027】
実施例2
【化10】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を60℃で化合物IIa(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステIIIb(760mg、Shanghai Darui Fine Chemicals Co., Ltd.より購入)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ib(221mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.38 (m, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.34〜6.95 (m, 5H), 6.48〜6.18 (m, 1H), 5.84 (b, 2H), 5.01〜4.82 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.20〜3.60 (m, 5H), 2.68 (m, 1H), 1.41〜1.10 (m, 12H).
【0028】
粗生成物Ib(100mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ib1(35mg)を得た。
MS (m/z) 489.26 (MH+).
【化11】
【0029】
実施例3
工程1:
トリメチルクロロシラン(6.3g)を0℃でp−クロロフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.8mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液は温度を20℃に上げた後、18時間撹拌した。溶媒を溜去し、p−クロロフェノキシトリメチルシラン(5.1g)を無色オイルとして得た。
【0030】
工程2:
【化12】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、p−クロロフェノキシトリメチルシラン(0.77g)を急いで添加し、混合液は1.5時間100℃で撹拌を続けた。溶媒を溜去して、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールに溶解し、次いで45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形体IIc(800mg)を得た。
MS (m/z) 398.05 (MH+)
【0031】
工程3:
【化13】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を60℃で化合物IIc(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(731mg)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ic(121mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (m, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.15〜7.13 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 5.88 (b, 2H), 5.07 (m, 2H), 4.42 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.90〜3.81 (m, 2H), 3.71〜3.54 (m, 1H), 1.56〜1.24 (m, 15H).
【0032】
粗生成物Ic(70mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ic1(21mg)を得た。
MS (m/z) 525.26 (MH+)
【化14】
【0033】
実施例4
トリメチルクロロシラン(6.3g)を0℃でp−メトキシフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.8mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液は20℃に温度を上げた後、18時間撹拌した。溶媒を溜去し、p−メトキシフェノキシトリメチルシラン(4.7g)を無色オイルとして得た。
【0034】
工程2:
【化15】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、p−メトキシフェノキシトリメチルシラン(0.75g)を急いで添加し、混合液は1.5時間100℃で撹拌を続けた。次いで溶媒を溜去し、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールに溶解し、次いで45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形物IId(600mg)を得た。
MS (m/z) 394.11 (MH+)
【0035】
工程3:
【化16】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(181mg、1.52mmol)を、60℃で化合物IId(300mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(386mg)およびジイソプロピルアミン(343mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、次いでこれをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Id(40mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (m, 1H), 8.04 (m, 1H), 7.12〜6.85 (m, 4H), 5.86 (b, 2H), 5.06 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.08〜3.94 (m, 3H), 3.82 (m, 3H), 3.77〜3.61 (m, 1H), 1.55〜1.17 (m, 15H)
【0036】
粗生成物Id(30mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、12mgの化合物Id1を得た。
MS (m/z) 521.23 (MH+).
【化17】
【0037】
実施例5
化合物IeおよびIe1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化18】
Ie: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.27 (m, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.96 (m,1H), 7.84 (m, 1H), 7.62(m, 1H), 7.52〜7.33 (m, 4H), 5.78 (b, 2H), 5.04〜4.98 (m, 1H), 4.38〜3.71 (m, 6H), 1.57〜1.06 (m, 15H).
Ie1: MS (m/z) 541.11.
【0038】
実施例6
化合物IfおよびIf1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化19】
If: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.33 (m, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.81〜7.66 (m, 4H), 7.49〜7.41 (m, 2H), 7.31〜7.06 (m, 1H), 5.72 (b, 2H), 5.06〜4.99 (m, 1H), 4.43〜4.35 (m, 1H), 4.19〜3.91 (m, 4H), 3.74〜3.65 (m, 1H), 1.57〜1.20 (m, 15H).
If1: MS (m/z) 541.10.
【0039】
実施例7
化合物IhおよびIh1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化20】
Ih: 1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.33 (m, 1H), 7.95 (m, 1H), 7.00〜6.95 (m, 3H), 5.83 (b, 2H), 5.05〜4.99 (m, 2H), 4.35〜4.31 (m, 1H), 4.23〜4.17 (m, 1H), 4.01〜3.83 (m, 3H), 3.80〜3.77 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.33〜1.19 (m, 15H).
Ih1: MS (m/z) 519.15.
【0040】
実施例8
化合物IiおよびIi1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化21】
Ii: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.36 (m, 1H), 8.00 (m, 1H), 7.17 (m, 1H), 7.02 (m, 1H), 6.97 (m, 2H), 5.71 (b, 2H), 5.06 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.06〜3.84 (m, 3H), 3.72〜3.61 (m, 1H),1.56〜1.22 (m, 15H).
Ii1: MS (m/z) 509.25.
【0041】
実施例9
化合物IjおよびIj1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化22】
Ij: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.32 (m, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.52 (m, 2H), 5.89 (b, 2H), 5.02〜4.96 (m, 1H), 4.43〜4.36 (m, 2H), 4.04〜3.91 (m, 4H), 1.58〜1.23 (m, 15H).
IJ1: MS (m/z) 559.08.
【0042】
実施例10 化合物Ia1のフマレートの調製
化合物Ia1(480mg)、フマル酸(120mg)およびアセトニトリルを20℃で一つ口のフラスコに続けて添加した。混合物を60℃に温め、固形物が完全に溶解するまでこの温度で撹拌した。撹拌をさらに5分間継続し、次いで溶液を20℃に冷却して、ろ過し、化合物Ia1のフマレートを白色顆粒状固形物として得た(490mg)。
1H NMR (400MHz, D2O) δ 7.21 (m, 2H),7.11 (m, 1H), 6.67 (m, 2H), 6.57 (s, 2H), 4.77 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 1.07 (m, 6H), 1.21 (m, 9H).
【0043】
実施例11 抗ウイルス試験
1.In vitro抗B型肝炎ウイルス活性の試験
HepG 2.2.15細胞をB型肝炎ウイルス媒体として用い、HBVのDNA複製について化合物の阻害効果を確認した。
試験方法:HepG 2.2.15細胞を96穴培養プレートに播種した。24時間後に試験サンプルとポジティブコントロールの種々の希釈液をそれぞれ添加し、細胞コントロールウェルをセットした。培地は72時間後に試験サンプルの種々の希釈液を含む培養液と交換した。6日間の培養後、上澄み液とHepG 2.2.15細胞を集めた。HBVのDNA複製はドットブロット法により検定し、IC50を計算した(結果は表1に示す)。
【0044】
2.細胞毒性試験
試験方法:HepG 2.2.15細胞を96穴培養プレートに播種し、試験サンプルとポジティブコントロールの種々の希釈液をそれぞれ添加した。CellTiter-Blue(Promega, Catalog #G8081)を投与後6日目に加えた。蛍光の読み取りはFlexstation 3を用いて行い、CC50を計算した(結果は表1に示した)
【表1】
ポジティブコントロールは中国特許ZL01813161.1の実施例2および3に開示されているGS-7171およびGS-7340である。GS-7171はジアステレオマーGS-7340とGS-7339に分割することができるが、GS-7340の方がより良い有効性を持っている。
【0045】
3.結論
試験結果は、化合物Ia1、Ib1、Ic1、Id1、Ie1、If1、Ih1、Ii1およびIj1が細胞毒性がなくてHBVのDNA複製に対して大きな阻害効果を有し、なかでも化合物Ia1、Ic1、Id1、Ie1、If1、Ih1、Ii1およびIj1のHBVのDNA複製に対する阻害効果はポジティブコントロールGS-7340のものより良いことを示している。
【0046】
実施例12 酸性媒体および人工胃液における安定性試験
1.物質、試薬および製造者
2.試薬の調製
2.1 塩酸溶液(pH2.0)
36%塩酸4.5mLを1Lのメスフラスコに移し、水で1Lに希釈して保存溶液を調製した。次いで上記溶液の10mLを50mLのメスフラスコに移し、水で50mLに希釈してpH2.0の塩酸溶液を調製した。
2.2 人工胃液(pH2.0)
保存溶液10mLとペプシン500.0mgを50mLのメスフラスコに移して、水で50mLに希釈し、これを超音波にかけてペプシンを溶解し(現時点で溶液は清澄ではない)、次いでろ過して人工胃液として清澄な溶液を得た。
2.3 サンプル溶液の調製
2.3.1 GS−7340の塩酸溶液
5.0mgのGS−7340を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加してGS−7340を溶解し、次いで塩酸溶液(pH2.0)を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.2 GS−7340の人工胃液
5.0mgのGS−7340を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加してGS−7340を溶解し、次いで人工胃液を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.3 化合物Ia1の塩酸溶液
5.0mgの化合物Ia1を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加して化合物Ia1を溶解し、次いで塩酸溶液(pH2.0)を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.4 化合物Ia1の人工胃液
5.0mgの化合物Ia1を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加して化合物Ia1を溶解し、次いで人工胃液を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.4 サンプリング
調製したサンプルは初期サンプルとしてクロマト用バイアルに充填し、直ちに注入した。一方、サンプルの残りは37℃の恒温槽に入れ、6時間後にHPLC装置に注入した。
酸性媒体および人工胃液における化合物Ia1とGS−7340の安定性試験の結果を表2に示した。
【表2】
3.結論
試験結果は、アミノ酸で二置換されたテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグ(Ia1)の酸性媒体および人工胃液における安定性は一つのアミノ酸で置換されているテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグ(GS-7340)に比べ有意に改善されていることを示している。
【0047】
実施例13:テノホビルプロドラッグの新鮮なヒト全血中における代謝安定性とPBMCs細胞における分布試験
1.物質
化合物:Ia1およびGS-7340
2.試験方法
異なるテノホビルプロドラッグを新鮮なヒト全血と共に37℃でインキュベートした。1時間および2時間インキュベーション後、血漿とPBMCs細胞をそれぞれ全血から分離(Ficoll密度勾配遠心分離法)し、血漿およびPBMCsにおけるプロトタイプの薬物と代謝物‐テノホビルの濃度を測定した。PBMCs細胞はセルカウンターで計測し、各PBMCs細胞は200fLとして処理して、細胞内薬物濃度を計算した。
3.血漿/PBMCサンプル処理
20μLの内部標準液(400ng/mL SN-38溶液)、5.0μLのメタノール‐水(50:50,v/v)および200μLのアセトニトリルを、それぞれ100μLの血漿サンプルまたはPBMCサンプルに添加した。混合液を1分間かき混ぜ、5分間遠心分離を行った(14000rpm)。20μLの上澄み液と180μLの移動相を混合して1分間かき混ぜ、上記混合液10μLをLC/MS/MSに注入して分析を行った。
テノホビルプロドラッグの新鮮なヒト全血中における代謝安定性とPBMCs細胞における分布試験の結果を表3に示した。
【表3】
PAMAはプロドラッグの活性代謝物‐テノホビルである。
【0048】
4.結論
表3からわかるように、新鮮なヒト全血と共にインキュベートした後のポジティブコントロールGS-7340については、一定の活性代謝物‐テノホビルが血漿中に検出され、そして血漿中に放出された活性代謝物‐テノホビルはインキュベーション時間と共に増大した;しかしながら、新鮮なヒト全血と共にインキュベートした後であっても、本発明の化合物Ia1については活性代謝物‐テノホビルは血漿中には検出されず、そして全インキュベーション時間にわたって活性代謝物‐テノホビルは常に検出されず、このことは血漿中における化合物Ia1の安定性はポジティブコントロールGS-7340より著しく良いことを示している。従って、本発明の化合物Ia1は、ポジティブコントロールGS-7340に比べ、血漿中のテノホビルに起因する有害な副作用を減らすという重要な利点を持っている。
表3からまた、本発明の化合物Ia1について、末梢血単核球(PBMCs)における活性代謝物‐テノホビルの濃度は、インキュベーション時間全体にわたって大きく増加した;一方、化合物GS-7340については、末梢血単核球(PBMCs)における活性代謝物‐テノホビルの濃度は殆ど増加しなかったということが判る。2時間のインキュベーション後では、化合物Ia1についてはPBMCsにおける活性代謝物‐テノホビルの濃度は、ポジティブコントロールGS-7340の約3倍であった。従って、本発明の化合物Ia1は、ポジティブコントロールGS-7340に比べ、治療効果に関して著しい利点を有している。
【0049】
実施例14:抗AIDS(HIV)ウイルス試験
1.目的:3化合物の抗HIV活性および細胞毒性およびEC50とCC50値の評価
2.物質と方法
2.1 物質
化合物:化合物Ia1、GS-7340およびテノホビルジソプロキシル
RPMI培地(Invitrogen 21969-035)
DMEM 培地 (Invitrogen 21969-035)
グルタミン酸200mM(Invitrogen 25030)
ウシ胎児血清(Invitrogen 16000-044)
ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen 15140-122)
DPBS緩衝液(Invitrogen 14190-094)
トリプシン‐EDTA(Invitrogen 25200)
トリパンブルーSigma T8154
DMSO Sigma D2650
MUG Biochemika 69590
2.2 試験方法
1)MT-2細胞をHIV-1(IIIb)に感染させ、感染多重度(MOI)を細胞当たり0.01TCID50とした。
2)ウイルスと細胞の混合物を384穴プレートで3日間インキュベートした。
3)細胞毒性検出用の細胞を384穴プレートで3日間インキュベートした。
4)上清を新しいプレートに移し、レポーター細胞(Hela)とともに24時間インキュベートした。
5)抗HIV活性を評価するためにβ−GAL活性を検出する。
6)ウイルスフリーの細胞の発光シグナルを検出してインキュベーション3日後の細胞毒性を評価した。
7)抗ウイルス活性および細胞毒性は、次式に従って計算した。
抗ウイルス活性(%)=100−(検出値−最大値)/(最小値−最大値)100
細胞毒性(%)=100−(検出値−最大値)/(最小値−最大値)100
8)EC50およびCC50 は、Graphpad Prism 5のFit Curveで計算した(結果は表4に示した)。
【表4】
【0050】
3.結論
上記結果は、化合物Ia1がHIVウイルスについて強い抑制効果を有しているが、細胞毒性はないことを示している。
本発明を具体的な実施態様により記載し説明した。何らかの改良や等価な変更は当業者に自明であり、これらも本発明の範囲に含まれる。