【文献】
Bioorg. Med. Chem. Lett.,2001年,Vol.11,pp.1053-1056
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
当業者に本発明をより明確に理解させることができる以下の実施例により本願発明を説明する。これらの実施例は単に本発明の技術的課題の解決を説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
実施例1
工程1:
トリメチルクロロシラン(6.0g)を、0℃でフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.1mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液を20℃に温度を上げた後、18時間撹拌した。白色固形物を取り除いて、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を合わせて、溶媒を溜去し、フェノキシトリメチルシラン(4.2g)を無色オイルとして得た。
【0023】
工程2:
【化7】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g、Suzhou Henderson Pharmaceutical Co., Ltd.より購入)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、フェノキシトリメチルシラン(0.70g)を急いで添加し、混合液はさらに1.5時間100℃で撹拌を続けた。次いで溶媒を溜去して、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールにとかし、45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形物IIa(0.7g)を得た。
MS (m/z) 363.96 (MH+)
【0024】
工程3:
【化8】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を、60℃で化合物IIa(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(750mg、Shanghai Darui Fine Chemicals Co., Ltd.より購入)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ia(150mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.34 (m, 1H), 8.05 (m, 1H), 7.36〜6.95 (m, 5H), 6.49 (b, 2H), 6.22〜5.84 (m, 1H), 5.01 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.40〜3.60 (m, 3H), 1.52〜1.18 (m, 15H). MS (m/z) 491.13 (MH
+).
【0025】
キラル化合物Ia1およびIa2の調製:
方法1:non-chiralカラムでの調製
粗生成物Ia(150mg)を分取HPLC(分取カラム:Waters Symmetry C18、移動相:A:0.02%リン酸水溶液;B:メタノール)により分離し、化合物Ia1(50mg、保持時間:50.65分):MS (m/z) 491.17(MH
+)および化合物Ia2(61mg、保持時間:47.57分):MS (m/z) 491.10 (MH+)を得た。
【0026】
方法1:キラルカラムでの調製
粗生成物Ia(150mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ia1(62mg、保持時間:6.53分)および化合物Ia2(78mg、保持時間:6.11分)を得た。
【化9】
【0027】
実施例2
【化10】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を60℃で化合物IIa(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステIIIb(760mg、Shanghai Darui Fine Chemicals Co., Ltd.より購入)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ib(221mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.38 (m, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.34〜6.95 (m, 5H), 6.48〜6.18 (m, 1H), 5.84 (b, 2H), 5.01〜4.82 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.20〜3.60 (m, 5H), 2.68 (m, 1H), 1.41〜1.10 (m, 12H).
【0028】
粗生成物Ib(100mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ib1(35mg)を得た。
MS (m/z) 489.26 (MH
+).
【化11】
【0029】
実施例3
工程1:
トリメチルクロロシラン(6.3g)を0℃でp−クロロフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.8mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液は温度を20℃に上げた後、18時間撹拌した。溶媒を溜去し、p−クロロフェノキシトリメチルシラン(5.1g)を無色オイルとして得た。
【0030】
工程2:
【化12】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、p−クロロフェノキシトリメチルシラン(0.77g)を急いで添加し、混合液は1.5時間100℃で撹拌を続けた。溶媒を溜去して、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールに溶解し、次いで45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形体IIc(800mg)を得た。
MS (m/z) 398.05 (MH
+)
【0031】
工程3:
【化13】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(343mg)を60℃で化合物IIc(600mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(731mg)およびジイソプロピルアミン(452mg)のジクロロメタン(7mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、これをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Ic(121mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.35 (m, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.15〜7.13 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 5.88 (b, 2H), 5.07 (m, 2H), 4.42 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.90〜3.81 (m, 2H), 3.71〜3.54 (m, 1H), 1.56〜1.24 (m, 15H).
【0032】
粗生成物Ic(70mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、化合物Ic1(21mg)を得た。
MS (m/z) 525.26 (MH
+)
【化14】
【0033】
実施例4
トリメチルクロロシラン(6.3g)を0℃でp−メトキシフェノール(5g)とトリエチルアミン(10.8mL)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下した。滴下後、反応混合液は20℃に温度を上げた後、18時間撹拌した。溶媒を溜去し、p−メトキシフェノキシトリメチルシラン(4.7g)を無色オイルとして得た。
【0034】
工程2:
【化15】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(0.73g)をテノホビル(1g)のスルホラン(2.5mL)懸濁液に70℃で添加し、次いで温度を100℃に上げた。反応混合液は透明な溶液が得られるまで100℃で1.5時間撹拌した。次いで、p−メトキシフェノキシトリメチルシラン(0.75g)を急いで添加し、混合液は1.5時間100℃で撹拌を続けた。次いで溶媒を溜去し、粘稠な黄色オイルを得た。このオイルをメタノールに溶解し、次いで45%水酸化カリウム水溶液でpH3に調整した。析出物をろ過し、乾燥して白色粉末固形物IId(600mg)を得た。
MS (m/z) 394.11 (MH
+)
【0035】
工程3:
【化16】
DMF(0.1mL)とジクロロスルホキシド(181mg、1.52mmol)を、60℃で化合物IId(300mg)のスルホラン(1mL)混合液に添加した。混合液は次いで透明な溶液が得られるまで60℃で30分間撹拌した。得られた溶液は0℃でアミノ酸エステルIIIa(386mg)およびジイソプロピルアミン(343mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に添加した。混合液は20℃で2時間撹拌し、次いで5%リン酸二水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して、黄色オイル状の粗生成物を得、次いでこれをカラムクロマトで精製して、オイル状生成物Id(40mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.35 (m, 1H), 8.04 (m, 1H), 7.12〜6.85 (m, 4H), 5.86 (b, 2H), 5.06 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.08〜3.94 (m, 3H), 3.82 (m, 3H), 3.77〜3.61 (m, 1H), 1.55〜1.17 (m, 15H)
【0036】
粗生成物Id(30mg)を分取HPLC(分取カラム:Chiralpak AS-H、移動相:A:n−ヘキサン;B:エタノール)により分離し、12mgの化合物Id1を得た。
MS (m/z) 521.23 (MH
+).
【化17】
【0037】
実施例5
化合物IeおよびIe1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化18】
Ie:
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.27 (m, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.96 (m,1H), 7.84 (m, 1H), 7.62(m, 1H), 7.52〜7.33 (m, 4H), 5.78 (b, 2H), 5.04〜4.98 (m, 1H), 4.38〜3.71 (m, 6H), 1.57〜1.06 (m, 15H).
Ie1: MS (m/z) 541.11.
【0038】
実施例6
化合物IfおよびIf1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化19】
If:
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.33 (m, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.81〜7.66 (m, 4H), 7.49〜7.41 (m, 2H), 7.31〜7.06 (m, 1H), 5.72 (b, 2H), 5.06〜4.99 (m, 1H), 4.43〜4.35 (m, 1H), 4.19〜3.91 (m, 4H), 3.74〜3.65 (m, 1H), 1.57〜1.20 (m, 15H).
If1: MS (m/z) 541.10.
【0039】
実施例7
化合物IhおよびIh1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化20】
Ih:
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ 8.33 (m, 1H), 7.95 (m, 1H), 7.00〜6.95 (m, 3H), 5.83 (b, 2H), 5.05〜4.99 (m, 2H), 4.35〜4.31 (m, 1H), 4.23〜4.17 (m, 1H), 4.01〜3.83 (m, 3H), 3.80〜3.77 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.33〜1.19 (m, 15H).
Ih1: MS (m/z) 519.15.
【0040】
実施例8
化合物IiおよびIi1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化21】
Ii:
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.36 (m, 1H), 8.00 (m, 1H), 7.17 (m, 1H), 7.02 (m, 1H), 6.97 (m, 2H), 5.71 (b, 2H), 5.06 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.06〜3.84 (m, 3H), 3.72〜3.61 (m, 1H),1.56〜1.22 (m, 15H).
Ii1: MS (m/z) 509.25.
【0041】
実施例9
化合物IjおよびIj1は、化合物IcおよびIc1と同様の製造法に従って製造した。
【化22】
Ij:
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.32 (m, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.52 (m, 2H), 5.89 (b, 2H), 5.02〜4.96 (m, 1H), 4.43〜4.36 (m, 2H), 4.04〜3.91 (m, 4H), 1.58〜1.23 (m, 15H).
IJ1: MS (m/z) 559.08.
【0042】
実施例10 化合物Ia1のフマレートの調製
化合物Ia1(480mg)、フマル酸(120mg)およびアセトニトリルを20℃で一つ口のフラスコに続けて添加した。混合物を60℃に温め、固形物が完全に溶解するまでこの温度で撹拌した。撹拌をさらに5分間継続し、次いで溶液を20℃に冷却して、ろ過し、化合物Ia1のフマレートを白色顆粒状固形物として得た(490mg)。
1H NMR (400MHz, D
2O) δ 7.21 (m, 2H),7.11 (m, 1H), 6.67 (m, 2H), 6.57 (s, 2H), 4.77 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 1.07 (m, 6H), 1.21 (m, 9H).
【0043】
実施例11 抗ウイルス試験
1.In vitro抗B型肝炎ウイルス活性の試験
HepG 2.2.15細胞をB型肝炎ウイルス媒体として用い、HBVのDNA複製について化合物の阻害効果を確認した。
試験方法:HepG 2.2.15細胞を96穴培養プレートに播種した。24時間後に試験サンプルとポジティブコントロールの種々の希釈液をそれぞれ添加し、細胞コントロールウェルをセットした。培地は72時間後に試験サンプルの種々の希釈液を含む培養液と交換した。6日間の培養後、上澄み液とHepG 2.2.15細胞を集めた。HBVのDNA複製はドットブロット法により検定し、IC
50を計算した(結果は表1に示す)。
【0044】
2.細胞毒性試験
試験方法:HepG 2.2.15細胞を96穴培養プレートに播種し、試験サンプルとポジティブコントロールの種々の希釈液をそれぞれ添加した。CellTiter-Blue(Promega, Catalog #G8081)を投与後6日目に加えた。蛍光の読み取りはFlexstation 3を用いて行い、CC
50を計算した(結果は表1に示した)
【表1】
ポジティブコントロールは中国特許ZL01813161.1の実施例2および3に開示されているGS-7171およびGS-7340である。GS-7171はジアステレオマーGS-7340とGS-7339に分割することができるが、GS-7340の方がより良い有効性を持っている。
【0045】
3.結論
試験結果は、化合物Ia1、Ib1、Ic1、Id1、Ie1、If1、Ih1、Ii1およびIj1が細胞毒性がなくてHBVのDNA複製に対して大きな阻害効果を有し、なかでも化合物Ia1、Ic1、Id1、Ie1、If1、Ih1、Ii1およびIj1のHBVのDNA複製に対する阻害効果はポジティブコントロールGS-7340のものより良いことを示している。
【0046】
実施例12 酸性媒体および人工胃液における安定性試験
1.物質、試薬および製造者
2.試薬の調製
2.1 塩酸溶液(pH2.0)
36%塩酸4.5mLを1Lのメスフラスコに移し、水で1Lに希釈して保存溶液を調製した。次いで上記溶液の10mLを50mLのメスフラスコに移し、水で50mLに希釈してpH2.0の塩酸溶液を調製した。
2.2 人工胃液(pH2.0)
保存溶液10mLとペプシン500.0mgを50mLのメスフラスコに移して、水で50mLに希釈し、これを超音波にかけてペプシンを溶解し(現時点で溶液は清澄ではない)、次いでろ過して人工胃液として清澄な溶液を得た。
2.3 サンプル溶液の調製
2.3.1 GS−7340の塩酸溶液
5.0mgのGS−7340を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加してGS−7340を溶解し、次いで塩酸溶液(pH2.0)を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.2 GS−7340の人工胃液
5.0mgのGS−7340を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加してGS−7340を溶解し、次いで人工胃液を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.3 化合物Ia1の塩酸溶液
5.0mgの化合物Ia1を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加して化合物Ia1を溶解し、次いで塩酸溶液(pH2.0)を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.3.4 化合物Ia1の人工胃液
5.0mgの化合物Ia1を5mLのメスフラスコに移して、2.5mLのイソプロピルアルコールを添加して化合物Ia1を溶解し、次いで人工胃液を添加して5mLにした。溶液は使用時によく振って、ろ過した。
2.4 サンプリング
調製したサンプルは初期サンプルとしてクロマト用バイアルに充填し、直ちに注入した。一方、サンプルの残りは37℃の恒温槽に入れ、6時間後にHPLC装置に注入した。
酸性媒体および人工胃液における化合物Ia1とGS−7340の安定性試験の結果を表2に示した。
【表2】
3.結論
試験結果は、アミノ酸で二置換されたテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグ(Ia1)の酸性媒体および人工胃液における安定性は一つのアミノ酸で置換されているテノホビルアミドリン酸エステルプロドラッグ(GS-7340)に比べ有意に改善されていることを示している。
【0047】
実施例13:テノホビルプロドラッグの新鮮なヒト全血中における代謝安定性とPBMCs細胞における分布試験
1.物質
化合物:Ia1およびGS-7340
2.試験方法
異なるテノホビルプロドラッグを新鮮なヒト全血と共に37℃でインキュベートした。1時間および2時間インキュベーション後、血漿とPBMCs細胞をそれぞれ全血から分離(Ficoll密度勾配遠心分離法)し、血漿およびPBMCsにおけるプロトタイプの薬物と代謝物‐テノホビルの濃度を測定した。PBMCs細胞はセルカウンターで計測し、各PBMCs細胞は200fLとして処理して、細胞内薬物濃度を計算した。
3.血漿/PBMCサンプル処理
20μLの内部標準液(400ng/mL SN-38溶液)、5.0μLのメタノール‐水(50:50,v/v)および200μLのアセトニトリルを、それぞれ100μLの血漿サンプルまたはPBMCサンプルに添加した。混合液を1分間かき混ぜ、5分間遠心分離を行った(14000rpm)。20μLの上澄み液と180μLの移動相を混合して1分間かき混ぜ、上記混合液10μLをLC/MS/MSに注入して分析を行った。
テノホビルプロドラッグの新鮮なヒト全血中における代謝安定性とPBMCs細胞における分布試験の結果を表3に示した。
【表3】
PAMAはプロドラッグの活性代謝物‐テノホビルである。
【0048】
4.結論
表3からわかるように、新鮮なヒト全血と共にインキュベートした後のポジティブコントロールGS-7340については、一定の活性代謝物‐テノホビルが血漿中に検出され、そして血漿中に放出された活性代謝物‐テノホビルはインキュベーション時間と共に増大した;しかしながら、新鮮なヒト全血と共にインキュベートした後であっても、本発明の化合物Ia1については活性代謝物‐テノホビルは血漿中には検出されず、そして全インキュベーション時間にわたって活性代謝物‐テノホビルは常に検出されず、このことは血漿中における化合物Ia1の安定性はポジティブコントロールGS-7340より著しく良いことを示している。従って、本発明の化合物Ia1は、ポジティブコントロールGS-7340に比べ、血漿中のテノホビルに起因する有害な副作用を減らすという重要な利点を持っている。
表3からまた、本発明の化合物Ia1について、末梢血単核球(PBMCs)における活性代謝物‐テノホビルの濃度は、インキュベーション時間全体にわたって大きく増加した;一方、化合物GS-7340については、末梢血単核球(PBMCs)における活性代謝物‐テノホビルの濃度は殆ど増加しなかったということが判る。2時間のインキュベーション後では、化合物Ia1についてはPBMCsにおける活性代謝物‐テノホビルの濃度は、ポジティブコントロールGS-7340の約3倍であった。従って、本発明の化合物Ia1は、ポジティブコントロールGS-7340に比べ、治療効果に関して著しい利点を有している。
【0049】
実施例14:抗AIDS(HIV)ウイルス試験
1.目的:3化合物の抗HIV活性および細胞毒性およびEC50とCC50値の評価
2.物質と方法
2.1 物質
化合物:化合物Ia1、GS-7340およびテノホビルジソプロキシル
RPMI培地(Invitrogen 21969-035)
DMEM 培地 (Invitrogen 21969-035)
グルタミン酸200mM(Invitrogen 25030)
ウシ胎児血清(Invitrogen 16000-044)
ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen 15140-122)
DPBS緩衝液(Invitrogen 14190-094)
トリプシン‐EDTA(Invitrogen 25200)
トリパンブルーSigma T8154
DMSO Sigma D2650
MUG Biochemika 69590
2.2 試験方法
1)MT-2細胞をHIV-1(IIIb)に感染させ、感染多重度(MOI)を細胞当たり0.01TCID
50とした。
2)ウイルスと細胞の混合物を384穴プレートで3日間インキュベートした。
3)細胞毒性検出用の細胞を384穴プレートで3日間インキュベートした。
4)上清を新しいプレートに移し、レポーター細胞(Hela)とともに24時間インキュベートした。
5)抗HIV活性を評価するためにβ−GAL活性を検出する。
6)ウイルスフリーの細胞の発光シグナルを検出してインキュベーション3日後の細胞毒性を評価した。
7)抗ウイルス活性および細胞毒性は、次式に従って計算した。
抗ウイルス活性(%)=100−(検出値−最大値)/(最小値−最大値)
*100
細胞毒性(%)=100−(検出値−最大値)/(最小値−最大値)
*100
8)EC
50およびCC
50 は、Graphpad Prism 5のFit Curveで計算した(結果は表4に示した)。
【表4】
【0050】
3.結論
上記結果は、化合物Ia1がHIVウイルスについて強い抑制効果を有しているが、細胞毒性はないことを示している。
本発明を具体的な実施態様により記載し説明した。何らかの改良や等価な変更は当業者に自明であり、これらも本発明の範囲に含まれる。