【文献】
Cancer Research, 2012.03, Vol. 72, No. 6, p. 1494-1503
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0038】
アンドロゲン受容体(AR)は、ステロイド及び核内受容体スーパーファミリーの一員である。この大きいタンパク質ファミリーの中で、脊椎動物ステロイド受容体が5種類のみ知られており、アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、糖質コルチコイド受容体、及び鉱質コルチコイド受容体が挙げられる。ARは、細胞内転写因子として機能する可溶性タンパク質である。ARの機能は、アンドロゲンの結合によって制御されており、この結合によって、受容体−タンパク質相互作用、及び受容体−DNA相互作用に影響を及ぼす、受容体の連続的な立体配座の変化が起きる。
【0039】
ARは、アンドロゲン標的組織、例えば、前立腺、骨格筋、肝臓、及び中枢神経系(CNS)で主に発現されており、前立腺、副腎、及び副睾丸で最も発現レベルが高い。ARは、テストステロン及び5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)を含む内因性アンドロゲンの結合によって活性化され得る。
【0040】
Xq11−12に位置するアンドロゲン受容体(AR)は、アンドロゲンによって活性化されると、前立腺上皮細胞の成長及び分化を調節する標的遺伝子の転写を媒介する、110kDの核内受容体である。他のステロイド受容体と同様に、非結合型のARは、主に細胞質内に存在し、リガンド結合ドメインとの相互作用によって、熱ショックタンパク質(HSP)複合体と会合している。アゴニストが結合すると、ARは一連の立体配座の変化を起こして、熱ショックタンパク質がARから解離し、変形したARは、二量体化、リン酸化、及び、核移行シグナルによってもたらされる核への移行を受ける。次いで、移行した受容体は、アンドロゲン応答エレメント(ARE)と結合し、このAREは、3つのランダムなヌクレオチドによって隔てられた6ヌクレオチドのハーフサイトコンセンサス配列5'−TGTTCT−3'を特徴とし、AR遺伝子標的のプロモーター領域又はエンハンサー領域に位置する。他の転写コレギュレーター(コアクチベーター及びコリプレッサーを含む)並びに転写機構が動員されることにより、AR調節遺伝子発現のトランス活性化が更に確保される。これらの全プロセスは、リガンドによって誘導されるリガンド結合ドメインの立体配座の変化によって開始される。
【0041】
遺伝的に機能喪失AR突然変異を有している男性及びARが欠損するように改変されたマウスは、前立腺又は前立腺癌を発現しないので、ARのシグナル伝達は、前立腺を含む男性の生殖器官の発生及び維持にとって非常に重要である。この前立腺細胞のARシグナル伝達への依存は、腫瘍性形質転換においても継続する。(GnRHアゴニストを用いることなどにより)アンドロゲンを枯渇させることは、依然として前立腺癌治療の中心である。しかし、アンドロゲン枯渇は、通常、限定された期間において有効であり、前立腺癌は、血中アンドロゲンが低レベルであっても成長能を取り戻すように進化する。去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)は、致死性表現型であり、患者のほとんど全てが前立腺癌によって死亡する。興味深いことに、ごく少数のCRPCは、ARシグナル伝達を必要としないのに対し、「アンドロゲン非依存性前立腺癌」又は「ホルモン不応性前立腺癌」と呼ばれる大半のCRPCは、多くの場合、ARシグナル伝達に対するその系列依存性を保持する。
【0042】
前立腺癌は、米国において男性の癌による死亡原因の第二位であり、米国人男性6人に約1人が、生涯にその疾患であると診断される。腫瘍の根絶を目的とする治療は、通常、まず血漿中の前立腺特異的抗原(PSA)の増加が認められた後遠隔部位に広がる再発性疾患を発症している男性の30%において成功していない。前立腺癌細胞が、その増殖及び生存についてアンドロゲン受容体(AR)に依存していることから考えると、これらの男性は、テストステロンの産生をブロックする薬剤(例えば、GnRHアゴニスト)の、単独で又は任意の残留テストステロンのARに対する作用に拮抗する抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド)との併用により治療される。このアプローチは、一部の患者においてPSAの減少及び可視腫瘍(存在する場合)の退縮によって証明される通り、有効であるが、この後去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼ばれる再増殖が起こり、大部分の患者は、最終的にこのために死に至る。CRPCの分子的機序に関する最近の研究によって、CRPCがARシグナル伝達に依存し続けることと、ARタンパク質のレベル上昇が獲得耐性の重要な機序であることが実証されている(Nat.Med,2004,10,33〜39)。去勢感受性及び去勢抵抗性前立腺癌において活性を有するARターゲティング剤は、この致死性疾患の治療において大いに有望である。
【0043】
前立腺癌の診断から死亡までの経過は、疾患の程度、ホルモン状態、及び検出可能な転移、すなわち限局性疾患の有無、放射線治療又は術後の検出可能な転移を伴わない前立腺特異的抗原(PSA)レベルの上昇、及び非去勢又は去勢状態における臨床的転移に基づく一連の臨床状態として最もよく分類される。手術、放射線、又はその両方の組み合わせによって限局性疾患に罹患している患者を治癒させることができるが、これら患者のかなりの割合が、PSAレベルの増加によって証明される通り、再発性疾患を有しており、これにより、特に高リスク群において転移の発生、すなわち疾患の致死性表現型への移行が起こり得る。
【0044】
アンドロゲン枯渇は、概して予測可能な転帰、すなわちPSAの減少、腫瘍が増殖しない安定期を伴う標準治療であるが、この後にPSAの増加及び去勢抵抗性疾患としての再増殖が起こる。去勢抵抗性前立腺癌の分子プロファイルリング研究は、一般的に、アンドロゲン受容体(AR)発現の増加を示し、これは、AR遺伝子の増幅又は他の機序を通して生じ得る。
【0045】
抗アンドロゲン剤は、初期段階の前立腺癌を治療するのに有用である。しかし、前立腺癌は、アンドロゲンの継続的除去又は抗アンドロゲン療法を行っていても疾患が進行する「ホルモン不応性」状態に進行することが多い。また、抗アンドロゲン剤離脱症候群の事例も、抗アンドロゲン剤による長期治療後に報告されている。抗アンドロゲン剤離脱症候群は、臨床で一般的にみられ、抗アンドロゲン療法の休止時にみられる腫瘍退縮又は症状の軽減の観点で定義される。受容体に混乱を来たすARの変異、及びこれら抗アンドロゲン剤がアゴニスト活性を示すことができることが、少なくとも部分的にこの現象が起こる原因である可能性がある。例えば、ヒドロキシフルタミド及びビカルタミドは、それぞれ、T877A及びW741L/W741C AR変異体においてARアゴニストとして作用する。
【0046】
ARが過剰発現したため前立腺癌細胞が去勢抵抗性となった状況では、特定の抗アンドロゲン化合物(例えば、ビカルタミド)が、アンタゴニスト/アゴニスト混合プロファイルを有することが示されている(Science,2009 May 8;324(5928):787〜90)。このアゴニスト活性は、ARアンタゴニスト剤による治療中に進行した男性の約30%が、治療を中止したときに血清中PSAの減少を経験する抗アンドロゲン剤離脱症候群と呼ばれる臨床知見を説明するのに役立つ(J Clin Oncol,1993.11(8):p.1566〜72)。
【0047】
前立腺癌病期
前立腺癌の初期段階では、癌は、前立腺に限局している。これらの初期段階では、治療は、典型的に、前立腺の外科切除若しくは前立腺に対する放射線治療のいずれかを含むか、又は一部の患者では積極介入治療を行わずに観察するのみである。前立腺癌が限局しており且つ介入を必要とする初期段階では、手術又は放射線治療は、癌細胞を根絶することにより治癒的である。約30%の割合でこれら手技は失敗し、典型的にPSAレベルの増加によって証明される通り、前立腺癌は進行し続ける。これら初期治療計画後に前立腺癌が進行した男性は、進行又は再発前立腺癌を有すると言われる。
【0048】
前立腺癌細胞は、その増殖及び生存についてアンドロゲン受容体(AR)に依存しているので、進行性前立腺癌に罹患している男性は、テストステロンの産生をブロックする薬剤(例えば、GnRHアゴニスト)の、単独で、又は任意の残留テストステロンのARに対する作用に拮抗する抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド)との併用により治療される。これら治療は、血清中テストステロンを去勢レベルに低下させ、これは、概して、ある期間疾患の進行を遅らせる。このアプローチは、一部の患者においてPSAの低下及び可視腫瘍の退縮によって証明される通り、有効である。しかし、最終的には、この後に去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼ばれる再増殖が起き、大部分の患者は、最終的にこのために死に至る。
【0049】
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)は、前立腺癌が身体の他の部分に転移しているかどうかによって、非転移性又は転移性に分類される。
【0050】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)での治療前、非転移性CRPCである男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.転移の発生について高リスクである前立腺の腺癌であると組織診又は細胞診で確認されている。
2.持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に去勢抵抗性前立腺癌であることが示されている。例えば、1週間間隔で連続して3回PSAが上昇し、そのうち2回は最低値より50%増加し、最後は、PSA>2ng/mLであるとして定義され、テストステロンの去勢レベルは(<50ng/dL(1.72nmol/L))である。
3.骨スキャン、CT、又はMRIスキャンによって遠隔転移が存在しない。
【0051】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)での治療前、転移性CRPCである男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.PSAに基づいて、又は骨スキャン、CT、若しくはMRIスキャンでの放射線像による進行の証拠基づいて、進行性の転移性疾患を有する前立腺の腺癌であることが組織診又は細胞診で確認されている。
2.持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に去勢抵抗性前立腺癌であることが示されている。例えば、1週間間隔で連続して3回PSAが上昇し、そのうち2回は最低値より50%増加し、最後は、PSA>2ng/mLであるとして定義され、テストステロンの去勢レベルは(<50ng/dL(1.72nmol/L))である。
【0052】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)での治療前に、酢酸アビラテロン治療後に転移性CRPCである男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.酢酸アビラテロンで少なくとも6ヶ月の治療後に、PSAに基づいて、又は骨、CT、若しくはMRIスキャンでの放射線像による進行の証拠に基づいて、進行性の転移性疾患を有する前立腺の腺癌であることが組織診又は細胞診で確認されている。
2.持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に去勢抵抗性前立腺癌であることが示されている。例えば、1週間間隔で連続して3回PSAが上昇し、そのうち2回は最低値より50%増加し、最後は、PSA>2ng/mLであるとして定義され、テストステロンは去勢レベル(<50ng/dL(1.72nmol/L))である。
【0053】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドでの治療前に、転移性去勢感受性前立腺癌である男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.骨スキャン、CT、又はMRIスキャンでの放射線像による証拠に基づいて、転移性疾患を有する前立腺の腺癌であることが組織診又は細胞診で確認されている。
2.アンドロゲン枯渇療法(ADT)に対して反応性が存続している前立腺癌である。
【0054】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドでの治療前に、非転移性去勢感受性前立腺癌である男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.転移の発生について高リスクである前立腺の腺癌であると組織診又は細胞診で確認されている。
2.骨スキャン、CT、又はMRIスキャンによって遠隔転移が存在しない。
3.アンドロゲン枯渇療法(ADT)に対して反応性が存続している前立腺癌である。
【0055】
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドでの治療前に、高リスク限局性前立腺癌である男性は、以下であるとして特徴付けられる:
1.骨スキャン、CT、又はMRIスキャンによって遠隔転移が存在しない。
2.外科手術又は放射線療法による局所治療後の疾患再発について高リスクである局所限局性前立腺癌である。
【0056】
抗アンドロゲン剤
本明細書で使用するとき、用語「抗アンドロゲン薬」は、体内の正常な反応を示す組織に対するアンドロゲンの生物学的作用を、防止又は阻害することができるホルモン受容体アンタゴニスト化合物の群を指す。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、低分子である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、ARアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、AR完全アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、第一世代抗アンドロゲン剤である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、第二世代抗アンドロゲン剤である。
【0057】
本明細書で使用するとき、用語「ARアンタゴニスト」又は「AR阻害剤」は、本明細書で互換的に使用され、ARポリペプチドの少なくとも1つの活性を阻害する又は低下させる薬剤を指す。代表的なAR活性として、コアクチベーター結合、DNA結合、リガンド結合、又は核移行が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書で使用するとき、「完全アンタゴニスト」は、有効濃度において、ARポリペプチドの活性を本質的に完全に阻害するアンタゴニストを指す。本明細書で使用するとき、「部分アンタゴニスト」は、ARポリペプチドの活性を部分的に阻害可能であるが、最高濃度においても完全アンタゴニストではないアンタゴニストを指す。「本質的に完全に」とは、ARポリペプチドの活性の少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上の阻害を意味する。
【0059】
本明細書で使用するとき、用語「第一世代抗アンドロゲン剤」とは、野性型ARポリペプチドに対してアンタゴニスト活性を示す薬剤を指す。しかし、第一世代抗アンドロゲン剤は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)においてアゴニストとして潜在的に作用し得るという点で第二世代抗アンドロゲン剤とは異なる。例示的な第一世代抗アンドロゲン剤としては、フルタミド、ニルタミド、及びビカルタミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
本明細書で使用するとき、「第二世代抗アンドロゲン剤」とは、野性型ARポリペプチドに対して完全なアンタゴニスト活性を示す薬剤を指す。第二世代抗アンドロゲン剤は、例えば、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)において、ARを高レベルで発現している細胞で完全アンタゴニストとして作用する点で第一世代抗アンドロゲン剤とは異なる。例示的な第二世代抗アンドロゲン剤としては、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(ARN−509としても知られている;CAS No.956104−40−8);4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(MDV3100又はエンザルタミドとしても知られている;CAS No:915087−33−1)及びRD162(CAS No.915087−27−3)が挙げられる。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、ARポリペプチドのリガンド結合部位、又はその近傍でARポリペプチドに結合する。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法において意図される抗アンドロゲン剤は、ARの核移行、アンドロゲン応答エレメントに対するDNAの結合、及びコアクチベーターの動員を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法において意図される抗アンドロゲン剤は、AR過剰発現前立腺癌細胞においてアゴニスト活性を示さない。
【0062】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(I)は、ARのリガンド結合ドメインに直接結合し、核移行、DNAに対するARの結合、及びAR標的遺伝子の調節を損なわせ、それによって腫瘍増殖を阻害し、アポトーシスを促進する第二世代抗アンドロゲン剤である。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ビカルタミドよりも高い親和性でARに結合し、非去勢ホルモン感受性及びビカルタミド抵抗性ヒト前立腺癌異種移植モデルにおいて部分的に又は完全な腫瘍退縮を誘導する(Clegg et al.Cancer Res March 15,2012 72;1494)。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ARが過剰発現している状況においてビカルタミドでみられる部分アゴニスト活性を有さない。
【0063】
ヒトの転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療には、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0064】
ヒトの化学療法未実施の転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、化学療法未実施のヒトの転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療には、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0065】
酢酸アビラテロン治療後のヒトの転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、酢酸アビラテロン治療後のヒトの転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0066】
ヒトの去勢感受性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの去勢感受性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0067】
ヒトの去勢抵抗性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの去勢抵抗性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0068】
ヒトの高リスク限局性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの高リスク限局性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0069】
ヒトの非転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの非転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0070】
ヒトの転移性去勢感受性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの転移性去勢感受性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加のl治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0071】
ヒトの非転移性去勢感受性前立腺癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの非転移性去勢感受性前立腺癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0072】
ヒトの乳癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの乳癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0073】
ヒトのアンドロゲン依存性多毛症の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトのアンドロゲン依存性多毛症の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0074】
ヒトの男性型脱毛症の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの男性型脱毛症の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0075】
ヒトの子宮筋腫の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの子宮筋腫の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0076】
ヒトの平滑筋腫の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの平滑筋腫の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0077】
ヒトの子宮内膜癌の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの子宮内膜癌の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0078】
ヒトの子宮内膜症の治療における4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、ヒトの子宮内膜症の治療は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて少なくとも1つの追加の治療薬を含む(すなわち、併用療法)。
【0079】
高リスク非転移性CRPC、治療未実施の転移性CRPC及び酢酸アビラテロン(Zytiga(登録商標))での前治療後に進行した転移性CRPCであるヒト男性の第II相臨床試験において、240mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを連日投薬計画で経口投与することは、十分に忍容され、強固で持続的なPSA反応、並びに目的の反応の証拠が得られることは明白である。標準的なアンドロゲン枯渇療法時に進行した合計25人の化学療法及び酢酸アビラテロン未処置の転移性CRPC患者(治療未実施(TN)コホート)、及び酢酸アビラテロンでの処置後に進行した21人の患者(PAコホート)に、240mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを連日投薬計画で経口投与した。その主目的は、Prostate Cancer Clinical Trials Working Group(PCWG2)基準によって定義されるように抗癌活性及びPSA動態を評価することであった。予備試験結果として、12週でのPSAは、88%のTNコホート及び29%のPAコホートにおいて、ベースラインから50%以上減少したことを示した。予備試験である12週間中、TNコホートはPSA無増悪期間の中央値に到達せず、PAコホートにおいては16週間であった。加えて、奏功率(RECISTによる)は、ベースラインにおいて測定可能な疾患を示したTN患者において63%であり、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの抗腫瘍活性を更に確認した。
【0080】
合計47名の非転移性CRPCである患者に、240mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを連日投薬計画で経口投与した。12週間の治療で、91%の患者において、ベースラインと比較してPSAが50%以上減少した。24週目において、PSAが50%以上減少した患者の割合は91%を維持し、PSAが90%以上減少した患者の割合は55%であり、これによって4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに対する反応の持続性が確認された。PSA無増悪期間の中央値は、この観察期間中では到達しなかった。
【0081】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、進行性前立腺癌、並びに本明細書に記載される他の疾患又は病状の単剤療法及び併用療法として好適である。
【0082】
特定の用語
用語「癌」とは、本明細書で使用するとき、無制御に増殖し、場合によっては、転移する(広がる)傾向がある細胞の異常な成長を指す。
【0083】
本明細書で使用するとき、用語「前立腺癌」とは、組織診又は細胞診で確認された前立腺の腺癌を指す。
【0084】
用語「アンドロゲン枯渇療法(ADT)」は、テストステロンの去勢レベル(<50ng/dL)まで前立腺癌患者のアンドロゲンレベルを低減することを指す。かかる治療には、精巣摘出又は性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト若しくはアンタゴニストの使用が含まれ得る。
【0085】
用語「局所進行性前立腺癌」は、全ての活性癌細胞が前立腺及び関連器官又は近接器官(例えば、精嚢、膀胱頸部及び直腸壁)に限定されると考えられる前立腺癌を指す。
【0086】
用語「高リスク限局性前立腺癌」は、治癒を目的とした一次療法の後に、疾患の転移又は再発が起こる可能性がある、局所進行性前立腺癌を指す。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、20ヶ月間以内、19ヶ月間以内、18ヶ月間以内、17ヶ月間以内、16ヶ月間以内、15ヶ月間以内、14ヶ月間以内、13ヶ月間以内、12ヶ月間、又は11ヶ月間以内、10ヶ月間以内、9ヶ月間以内、8ヶ月間以内、7ヶ月間以内、6ヶ月間以内、5ヶ月間以内、4ヶ月間以内、3ヶ月間以内、2ヶ月間以内、又は1ヶ月間以内の前立腺特異的抗原倍加時間(PSADT)として定義される。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、10ヶ月間以内の前立腺特異的抗原倍加時間(PSADT)として定義される。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、高いグリソンスコア又は巨大腫瘍を有するものとして定義される。
【0087】
用語「去勢感受性前立腺癌」は、限局性疾患、生化学的再発又は転移性環境のいずれかとして、アンドロゲン枯渇療法(ADT)に反応する癌を指す。
【0088】
用語「転移性去勢感受性前立腺癌」は、骨、リンパ節又は男性の身体の他の部位に広がった(転移した)、アンドロゲン枯渇療法(ADT)に反応する癌を指す。
【0089】
用語「非転移性去勢感受性前立腺癌」は、骨、リンパ節又は男性の身体の他の部位に広がっていない(転移していない)、アンドロゲン枯渇療法(ADT)に反応する癌を指す。いくつかの実施形態において、非転移性去勢感受性前立腺癌は、骨スキャン及びコンピュータートモグラフィー(CT)又は磁気共鳴像(MRI)スキャンで評価される。
【0090】
本明細書で使用するとき、用語「CRPC」は、去勢抵抗性前立腺癌を指す。CRPCは、前立腺癌細胞の増殖を激化させる男性ホルモンの抑制にも関わらず増殖し続ける前立腺癌である。
【0091】
用語「転移性去勢抵抗性前立腺癌」は、ヒトの身体の他の部位に転移した去勢抵抗性前立腺癌を指す。
【0092】
本明細書で使用するとき、用語「NM−CRPC」とは、非転移性去勢抵抗性前立腺癌を指す。いくつかの実施形態において、NM−CRPCは、骨スキャン及びコンピュータートモグラフィー(CT)又は磁気共鳴像(MRI)スキャンを用いて評価される。
【0093】
用語「化学療法未実施転移性去勢抵抗性前立腺癌」とは、前もって化学療法薬で治療されていない転移性去勢抵抗性前立腺癌を指す。
【0094】
用語「酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌」とは、酢酸アビラテロンで既に治療した転移性去勢抵抗性前立腺癌を指す。
【0095】
本明細書で使用するとき、用語「高リスクNM−CRPC」とは、NM−CRPCに罹患している男性に転移が発生する確率を指す。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、20ヶ月間以内、19ヶ月間以内、18ヶ月間以内、17ヶ月間以内、16ヶ月間以内、15ヶ月間以内、14ヶ月間以内、13ヶ月間以内、12ヶ月間、又は11ヶ月間以内、10ヶ月間以内、9ヶ月間以内、8ヶ月間以内、7ヶ月間以内、6ヶ月間以内、5ヶ月間以内、4ヶ月間以内、3ヶ月間以内、2ヶ月以内、又は1ヶ月間以内の前立腺特異的抗原倍加時間(PSADT)として定義される。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、10ヶ月間以内の前立腺特異的抗原倍加時間(PSADT)として定義される。いくつかの実施形態において、転移の発生について高リスクとは、局所限局的再発(例えば、原発腫瘍床、膀胱頸部、吻合領域、骨盤リンパ節)を有するものとして定義される。
【0096】
用語「同時投与」などとは、本明細書で使用するとき、1人の患者に対する選択された治療剤の投与を包含することを意味し、同じ若しくは異なる投与経路によって、又は同時に若しくは異なる時点で薬剤が投与される治療計画を含むことを意図する。
【0097】
本明細書で使用するとき、用語「医薬配合物」は、1つを超える活性成分を混合又は混和して得られ、決められた活性成分の組み合わせと、決められていない活性成分の組み合わせの両方を含む製剤を意味する。用語「決められた組合せ」は、活性成分、例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド及び助剤が、単一の単位又は用量の形態で同時に患者に投与されることを意味する。用語「決められていない組合せ」は、活性成分、例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド及び助剤が、特定の時間制限はない中、個別の単位として同時に、平行して、又は連続してのいずれかで患者に投与され、かかる投与によって、患者の身体に2つの化合物の有効レベルがもたらされることを意味する。後者は、カクテル療法(例えば、3つ以上の活性成分の投与)にも適用される。
【0098】
本明細書で使用するとき、用語「有効量」又は「治療有効量」とは、治療される疾患又は病状の症状のうちの1つ以上をある程度緩和するのに十分な抗アンドロゲン剤の投与量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、又は原因の低減及び/又は緩和、あるいは生体系の任意の他の望ましい変化であり得る。例えば、抗アンドロゲン剤の有効量は、前立腺癌であるヒト男性に3ヶ月間投与した後、PSA50若しくはPSA90をもたらすか、又は(例えば、FDHT−PETにより)強固な(例えば、90%以上)ARブロックを示す、抗アンドロゲン剤の量である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤の有効量は、前立腺癌であるヒト男性に6ヶ月間投与した後、PSA50又はPSA90をもたらす、抗アンドロゲン剤の量である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤の有効量は、前立腺癌であるヒト男性に6ヶ月間投与した後、前立腺癌の進行を遅らせる、抗アンドロゲン剤の量である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤の有効量は、前立腺癌であるヒト男性に6ヶ月間投与した後、ヒト男性の生存率を上昇させる抗アンドロゲン剤の量である。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤は、連日投薬計画で投与される。任意の個々の症例において適切な「有効な」量は、用量漸増試験などの技術を用いて決定することができる。
【0099】
用語「FDHT−PET」とは、18F−16β−フルオロ−5α−ジヒドロテストステロン陽電子放出断層撮影を指し、ジヒドロテストステロンに基づくトレーサーを用いる技術であり、患者におけるアンドロゲン受容体に対するリガンド結合の視覚的評価を可能にする。これを用いて、アンドロゲン受容体に対する治療法を薬力学的に評価することができる。
【0100】
用語「連日投薬計画」とは、特定の治療薬の休薬日を設けずに特定の治療薬を投与することを指す。いくつかの実施形態において、特定の治療薬の連日投薬計画には、各日だいたい同じ時刻に特定の治療薬を毎日投与することが含まれる。
【0101】
用語「治療する」、「治療している」、又は「治療」とは、本明細書で使用するとき、疾患若しくは病状の少なくとも1つの症状を軽減、寛解、若しくは改善する、更なる症状を予防する、疾患若しくは病状を阻害する、例えば、疾患若しくは病状の発症を抑止する、疾患若しくは病状を緩和する、疾患若しくは病状の退縮を引き起こす、病状の進行を遅らせる、疾患若しくは病状によって引き起こされる状態を緩和する、又は予防的に及び/若しくは治療的に疾患の症状若しくは病状を停止させることを含む。いくつかの実施形態において、前立腺癌であるヒト男性に対して抗アンドロゲン剤を投与する状況において、治療は、以下のうちの任意の1つ又は組み合わせを含む:3ヶ月目にプラシーボと比較したとき前立腺癌である男性においてPSA50又はPSA90をもたらす;6ヶ月目にプラシーボと比較したとき前立腺癌である男性においてPSA50又はPSA90をもたらす;プラシーボ(すなわち、第二世代抗アンドロゲン剤を投与しない)と比較したとき、前立腺癌である男性の無転移生存期間(MFS)において優位性を示す;プラシーボと比較したとき、前立腺癌である男性の全生存期間(OS)が増加する;プラシーボと比較したとき、前立腺癌である男性における無転移期間(TTM)が増加する;プラシーボと比較したとき、前立腺癌である男性における無増悪生存期間(PFS)が増加する;プラシーボと比較したとき、前立腺癌である男性におけるPSA無増悪期間(TTPP)が増加する;プラシーボと比較したとき、前立腺癌である男性における健康に関連する生活の質及び前立腺癌特異的症状が増加する。いくつかの実施形態において、前立腺癌は、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌である。
【0102】
用語「無転移生存期間」又は「MFS」とは、ある試験において、規定の期間癌が広がることなく又は死亡することなく生存している対象の割合を指す。MFSは通常、試験において、登録、無作為化又は治療の開始からの時間として報告される。MFSは、個人又は試験集団について報告される。抗アンドロゲン剤によってCRPCを治療する状況では、無転移生存期間の増加は、プラシーボによる治療と比較したとき、癌が広がるか又は死亡するうちのどちらかが起こるまで観察される追加時間である。いくつかの実施形態において、無転移生存期間の増加は、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約13ヶ月、約14ヶ月、約15ヶ月、約16ヶ月、約17ヶ月、約18ヶ月、約19ヶ月、約20ヶ月、又は20ヶ月超である。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「プラシーボ」とは、第二世代抗アンドロゲン剤を含まない医薬組成物の投与を意味する。CRPCの治療の状況では、抗アンドロゲン剤又はプラシーボを投与した男性は、GnRHアゴニスト/アンタゴニストの同時投与又は精巣摘出によって、去勢レベルのテストステロンを維持し続けることが必要となる。
【0104】
本明細書で使用するとき、用語「延命効果」は、投与される薬剤の試験における無作為化から死に至るまでの患者の生存時間が増加することを意味する。いくつかの実施形態において、延命効果は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約80、約100ヵ月又は100ヵ月超である。
【0105】
本明細書で使用するとき、用語「疾患進行に関連する症状の遅延」は、投与される薬剤の試験における無作為化の時点から痛み、尿路閉塞などの症状の発生、及び生活の質の検討までの時間の増加を意味する。
【0106】
臨床試験に言及するものである場合用語「無作為化」は、患者が臨床試験に適していることを確認され、治療群に割り当てられる時間を指す。
【0107】
用語「キット」及び「製品」は、同義語として使用される。
【0108】
用語「対象」及び「患者」及び「ヒト」は、同じ意味で使用される。
【0109】
投与経路及び医薬組成物
本明細書に記載される治療薬は、任意の好適な方法又は好適な処方で投与される。治療薬の好適な投与経路としては、経口及び非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)が挙げられるが、これらに限定されない。全ての処方物は、ヒトへの投与に好適な用量で存在する。医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins 1999)に見出すことができ、このような開示について参照により本明細書に援用される。
【0110】
投与される治療薬の治療有効量は、疾患の重篤度、対象の年齢及び相対的な健康度、使用される他の治療薬の効力、及び他の要因に依存して広く変動し得る。
【0111】
本明細書で使用するとき、処方物、組成物、又は成分に関する用語「許容される」とは、治療されるヒト男性の全般的健康に持続的な有害な作用を有さないことを意味する。
【0112】
本明細書に記載されるように、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ヒトにカプセルの形態で経口投与される。いくつかの実施形態において、カプセルはソフトゲルカプセルである。本明細書に記載される医薬組成物によって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの全身投与が可能となる。
【0113】
ソフトゲル(ソフトゼラチン又は軟カプセルとも呼ばれる)カプセルは、一体型の密閉ソフトシェルからなる。いくつかの実施形態において、ソフトゼラチンカプセルは、グリセリン又は多価アルコール(例えば、ソルビトール)などの可塑剤をゼラチンに加えることで調製される。可塑剤は、ゼラチンに弾性を与える。ソフトゼラチンカプセルは、球形、楕円形、及び長楕円形などの様々な形状になる。これらは、非水性液体又は懸濁液を含有し得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、ソフトゲルカプセルは、構成成分#1及び構成成分#2からの構成成分を含む:
【0115】
構成成分#1:ソフトゲルカプセルシェル−例としては、ゼラチン、デンプン、及びカラギーナンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
構成成分#2:ソフトゲルカプセル可塑剤−例としては、ソルビトール、グリセリン、キシロース、マルチトール、及びポリエチレングリコール(PEG)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
いくつかの実施形態において、ソフトゲルカプセルシェルは、ゼラチン(NF/EP)、50:50ソルビトール/グリセリンブレンド(USP/EP)、及び精製水(USP/EP)を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、外側シェルは、着色添加剤又は風味添加剤などの任意の成分を含む。
【0119】
ソフトゲルカプセルには、3種類の内部充填材料:未希釈物質、液体充填剤及び懸濁液充填剤、がある。
【0120】
未希釈物質は、油性液体に適している。
【0121】
液体充填剤は、担体に溶解した活性物質を含む。担体としては、油(大豆油及びMiglyol 812など(中性油、中鎖脂肪酸のトリグリセリド))、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400〜600)、ゼラチンシェルを分解又は可溶化しない任意の他の溶媒(ジメチルイソソルビド、界面活性剤、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)が挙げられるがこれらに限定されない。任意の成分としては、水又はアルコール(溶解のために必要な場合、最大10%(w/w))、グリセリン(グリセリンがシェルから充填剤に移動するのを遅らせるために1〜4%(w/w))、ポリビニルピロリドン(PEGと組み合わせて最大10%(w/w)を使用すると、薬剤溶解性が上昇し、薬剤の再結晶を阻害することによって安定性も向上し得る)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
懸濁液充填剤は、担体に分散した活性物質を含む。担体としては、油性混合物、ポリエチレングリコール、及びグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。油性混合物としては、蜜蝋(4〜10%(w/w)及びレシチン(2〜4%(w/w)を含む大豆油などの従来の油性混合物);ゲル化油(例えば、GeloilR(登録商標)SC)、大豆油と、懸濁化剤と、湿潤剤とで構成されるすぐに使用できる系、が挙げられるがこれらに限定されない。ポリエチレングリコールとしては、PEG 800〜1000(半固体充填剤)、PEG 10,000〜100,000(固体充填剤)、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。グリセリドは、長鎖脂肪酸のグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。任意成分としては、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80又はレシチンなどのソルビタン誘導体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの医薬組成物とは、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと他の化学成分(すなわち、医薬的に許容される不活性成分)との混合物を指す。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドのソフトゲルカプセル医薬組成物には、以下の賦形剤:(a)ゼラチン;(b)柔軟剤(可塑剤)(例えば、ソルビトール、キシロース、マルチトール、グリセリン、PEG、水);(c)防腐剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチル化ヒドロキシアニリン、EDTA、安息香酸ナトリウム);(d)染料、色素(例えば、酸化チタン、酸化第二鉄);(e)極性溶媒(例えば、グリセリン、PEG、PEG 400、PEG 3350、エタノール、PPG、水);(f)非極性溶媒(例えば、蜜蝋、ココナッツ油、トリグリセリン、コーン油、鉱油、大豆油、D,L−α−トコフェロール);(g)pH−調整添加剤;(h)風味剤及び芳香剤及び(i)固化防止剤(例えば、二酸化ケイ素);(j)保湿剤(例えば、ポリオール)、のうちの少なくとも1つを含む。
【0124】
1つの態様において、本明細書に記載されるのは、ソフトゲルカプセル中に4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの非水性脂質ベース溶液を含む医薬組成物である。
【0125】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの非水性脂質ベース溶液は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、ビタミンE d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩NF(ビタミンE TPGS)、ポリエチレングリコール400NF/EP(PEG 400)、グリセロールモノカプリロカプレートEP(Capmul MCM)及びカプリロカプロイルマクログリセリドEP/NF(Acconon MC8−2)を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの非水性脂質ベース溶液は、約3%の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、一回単位用量の医薬組成物には、約30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドが含まれる。いくつかの実施形態において、約30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含む一回単位用量の医薬組成物は、ヒトに複数回投与される。
【0128】
いくつかの実施形態において、一回単位用量の医薬組成物は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、以下の化合物:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−N−メチルベンズアミド、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−チオキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸メチル、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド、2−クロロ−4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−N−メチルベンズアミド、5−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル、1−((4−(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸又は1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニルアミノ)シクロブタンカルボン酸、のうちの少なくとも1つとを含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、一回単位用量の医薬組成物は、約30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、以下の化合物:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−N−メチルベンズアミド、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−チオキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸メチル、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド、2−クロロー4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−N−メチルベンズアミド、5−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル、1−((4−(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸又は1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニルアミノ)シクロブタンカルボン酸、のうちの少なくとも1つとを含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、一回単位用量の医薬組成物は、約30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、以下の化合物:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−N−メチルベンズアミド、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−チオキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸メチル、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、5−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル、1−((4−(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸又は1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニルアミノ)シクロブタンカルボン酸、のうちの少なくとも1つとを含む。
【0131】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−N−メチルベンズアミドとを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載されている。
【0132】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−チオキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドとを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載されている。
【0133】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸メチルとを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載される。
【0134】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸とを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載される。
【0135】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドとを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載される。
【0136】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、1−((4−メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸とを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載される。
【0137】
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、1−(3−フルオロ−4−メチルカルバモイル)フェニルアミノ)シクロブタンカルボン酸とを含む、非水性脂質ベース溶液が充填されたソフトゲルカプセルを含むソフトゲル医薬組成物が本明細書に記載される。
【0138】
これらの処方物は、従来の処方技術によって製作される。平板プロセス、ロータリーダイプロセス、及びレシプロダイプロセスなどのソフトゼラチンカプセルを調製するためのいくつかの手順がある。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドのソフトゲルカプセルは、実施例で概説されるように調製される。
【0139】
経口投与用の全ての処方物は、このような投与に好適な投与量である。
【0140】
1つの態様において、化合物1−(3−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル)ウレイド)−シクロブタンカルボン酸が記載される。いくつかの実施形態において、1−(3−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル)ウレイド)−シクロブタンカルボン酸の医薬的に許容される塩が記載されている。いくつかの実施形態において、1−(3−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル)ウレイド)−シクロブタンカルボン酸、又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物が記載されている。
【0141】
別の態様において、化合物4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドが記載されている。いくつかの実施形態において、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの医薬的に許容される塩が記載されている。いくつかの実施形態において、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物が記載されている。
【0142】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1−(3−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−1−(3−フルオロ−4−(メチルカルバモイル)フェニル)ウレイド)−シクロブタンカルボン酸、又はその医薬的に許容される塩で置換される。
【0143】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−6,8−ジオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩で置換される。
【0144】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩で置換される。
【0145】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ安息香酸、又はその医薬的に許容される塩で置換される。
【0146】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、4−(7−(6−シアノ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩で置換される。
【0147】
投薬方法及び治療計画
1つの態様において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドによる治療を必要とするヒトに、毎日投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日に1回投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日に2回投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日に3回投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日おきに投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1週間に2回投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、毎週投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、隔週で投与される。
【0148】
一般的には、ヒトにおける本明細書に記載される疾患又は病状の治療に用いられる4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量は、典型的には10mg〜1000mg/日である。1つの実施形態において、所望の用量は、1回用量で与えられることが都合がよく、又は同時に(若しくは短時間のあいだに)若しくは適切な間隔で(例えば、1日当たり2、3、4回又はそれ以上のサブ用量として)投与される分割用量で与えられることが都合がよい。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日に1回、同時に(又は短時間のあいだに)投与される分割用量で与えられることが都合がよい。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日に2回、同量に分けて投与される分割用量で与えられることが都合がよい。
【0149】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ヒトに毎日投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約30mg/日〜約960mg/日の用量でヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約30mg/日〜約480mg/日の用量でヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約180mg/日〜約480mg/日の用量でヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約30mg/日、約60mg/日、約90mg/日、約120mg/日、約180mg/日、約240mg/日、約300mg/日、約390mg/日、約480mg/日、約600mg/日、約780mg/日、又は約960mg/日、の用量でヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量でヒトに経口投与される。いくつかの実施形態において、240mg/日を超える4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドが、ヒトに投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、連日投薬計画でヒトに経口投与される。
【0150】
いくつかの実施形態において、その量の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日1回投与される。いくつかの他の実施形態において、その量の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、1日2回投与される。
【0151】
ヒトにおける疾患又は病状の状態の改善が観察されない特定の実施形態において、4−[3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの1日量を増加する。いくつかの実施形態において、1日1回の投薬計画を1日2回の投薬計画に変更する。いくつかの実施形態において、投与される4−[3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量を増加するために、1日3回の投薬計画が用いられる。
【0152】
いくつかの実施形態において、ヒトに与えられる4−[3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量は、限定はされないが、疾患又は病状の状態及び重篤度、ヒトの特性(例えば、体重)などの要因、及び投与される特定の追加の治療薬(必要な場合)によって変化する。
【0153】
併用療法
場合によっては、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)と別の治療薬とを併用して投与するのが適切である。
【0154】
1つの特定の実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、追加の治療薬と同時投与され、第二世代抗アンドロゲン剤及び追加の治療薬は、治療される疾患又は病状における異なる態様を調節し、それによってどちらかの治療薬が単剤で投与されるよりも優れた全体利益がもたらされる。
【0155】
いかなる場合においても、治療される疾患、障害、又は病状に関わらず、患者が得られる全体利益は、単なる2つの治療薬の相加効果であり得るか、又は患者は、相乗的利益が得られ得る。
【0156】
緩和が望まれる病状を治療、予防、又は改善するための薬物投与計画は、様々な要因に従って変更される。これらの要因としては、対象が罹患している疾患、障害又は病状、並びに対象の年齢、体重、性別、及び健康状態が挙げられる。したがって、場合によっては、実際に用いられる薬物投与計画は多様となり、いくつかの実施形態においては、本明細書に明記される薬物投与計画から逸脱している。
【0157】
併用療法において、複数の治療薬(そのうちの1つは、本明細書に記載の化合物の1つである)は、任意の順序で、又は更には同時に投与される。併用療法は、2つのみの薬剤の使用に限定されるものではなく、複数の治療の組み合わせの使用も想定される。
【0158】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される前立腺癌の治療方法には、少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて第二世代抗アンドロゲン剤のヒトへの投与を含む。いくつかの実施形態において、癌は、進行性前立腺癌である。更なる実施形態において、癌は、去勢感受性である。更なる実施形態において、癌は、去勢抵抗性前立腺癌である。更なる実施形態において、癌は高リスク限局性前立腺癌である。いくつかの実施形態において、併用療法は、酢酸アビラテロン及び/又はMDV−3100に対して内因性耐性又は後天性耐性を示す去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)であると特定された患者を対象にしている。
【0159】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、別の治療薬と併用して、ヒトの前立腺癌を治療するために使用される。1つの実施形態において、前立腺癌は、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌である。前立腺癌の発生及び進行におけるARの中心的役割を考慮すると、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、単剤で、又はIGF1R、PI3K/AKT/mTOR軸、若しくはHSP90を標的とする薬剤(限定はされない)などの前立腺癌における他の重要な経路を調節し得る他の薬剤と併用して、進行性前立腺癌の治療において有用である。
【0160】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタ−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド又はその医薬組成物は、限定はされないが、PI3K阻害剤、TORC阻害剤、CYP17阻害剤、GNRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニスト、骨保護剤、放射線、キナーゼ阻害剤(例えば、MET、VEGFR、EGFR、MEK、SRC、AKT、RAF、FGFR、CDK4/6)、免疫療法、タキサン、チューブリン阻害剤、STEAP−1抗体薬物コンジュゲート(ADC)、HSP90/HSP27経路調節剤などの追加の治療薬と併用投与される。
【0161】
場合によっては、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)を、TORC阻害剤、PI3K阻害剤、CYP17阻害剤、GNRHアゴニスト又はアンタゴニスト、骨保護剤、Syk阻害剤、RANKL阻害剤、MET阻害剤、VEGFR阻害剤、EGFR阻害剤、FGFR阻害剤、MEK阻害剤、Src阻害剤、AKT阻害剤、RAF阻害剤、CDK4阻害剤、又はCDK6阻害剤と併用投与するのが適切である。
【0162】
場合によっては、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)を、酢酸アビラテロン、エベロリムス、GDC−0980、GDC−0068、(GDC−0980+GDC−0068)、GSK−2636771、BEZ−235、BKM120、BGT226、BYL−719、GDC0941、GDC0032、INK1117、MK−2206、OSI−027、CC−223、AZD8055、SAR245408、SAR245409、PF04691502、WYE125132、GSK2126458、BAY806946、PF−05212384、SF1126、PX866、AMG319、ZSTK474、Cal101、PWT33597、LY−317615(塩酸エンザスタウリン)、CU−906、CUDC−907、Abi、TAK700、TOK−001(ガレテロン)、VT−464、Lupron、Zoladex(ゴセレリン−LHRHアゴニスト)、デガレリクス(GNRHアンタゴニスト)、オザレリクス、ABT−620(エラゴリクス)、TAK−385(レルゴリクス)、TAK−448、EP−100、KLH−2109、デノスマブ(RANKL Ab)、ゾレドロン酸(ビスホスホネート)、OCIF(OPG)、AMG−0007、CEP−37251、ALX−0141、アレンドロン酸ナトリウム(Fosamax)、パミドロン酸ナトリウム(Aredia)、ネリドロン酸(Nerixia)、ミノドロン酸(Recalbon)、リセドロン酸ナトリウム(Actonel)、Alpharadin、177Lu−J59(PSMAモノクローナル抗体J591−放射性免疫複合体)、体外照射療法、近接照射療法、カボザンチニブ(XL184)Met/VEGR2、PF−2341066(クリゾチニブ)、ARQ−197(チバンチニブ)、MK−2461、JNJ−38877605、MK−8033、INCB−28060、BMS−777607、AMG−208、LY−2801653、EMD−1214063、EMD−1204831、AMG−337、HM−5016504(ボリチニブ)、SAR−125844、LY2875358、ABR−215050(タスキニモド)、CHIR−258(ドビチニブ)、EXEL−7647、OSI−930、BIBF−1120、BAY−73−4506、BAY−73−4506、BMS−582664(ブリバニブ)、RO−4929097、JNJ−26483327、AZD−2171(セジラニブ)、ソラフェニブ、アフリベルセプト、エンザスタウリン、AG−013736(アキシチニブ)、GSK−786034(パゾパニブ)、GSK−786034(パゾパニブ)、AP−23573、BMS−354825(ダサチニブ)、Provenge、Prostvac−VF、イピリムマブ、CTLA4阻害剤、PD1阻害剤、ChK阻害剤、ドセタキセル、カバジタキセル、タキサン、チューブリン阻害剤、抗−STEAP1ADC、STEAP−1、Tarceva(EGFRi)、トラメチニブ(MEK阻害剤GSK)、セツキシマブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、OSI−632、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、MP−412、AEE−788、ネラチニブ、XL−647、AC−480、ダコミチニブ、AZD−8931、CUDC−101、AP−26113、CO−1686、セルメチニブ、MEK−162、レファメチニブ、TAK−733、RO−5126766、BI−847325、AZD6244、GSK1120212、PF−5208763(ボスチニブ)、AZD−0530(サラカチニブ)、OGX−11(クスチルセン、抗−クラステリン)、OGX−427(抗−HSP27)、AUY922、HSP990、AT13387、GDC0068、MK−2206、AT7867、GSK2110183、GSK2141795、GSK690693、PLX4032/RG7204、GSK2118436、GSK208436、LGX818、RAF265、LY2780301、LY2584702、ドビチニブ(TKI258)、BGJ398、AZD4547、PD−0332991又はLEE011;又はこれらの組み合わせ、と併用投与するのが適切である。
【0163】
場合によっては、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)を、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例えば、ロイプロリド)と併用投与するのが適切である。
【0164】
場合によっては、第二世代抗アンドロゲン剤、抗癌剤及び/又は放射線療法の使用により起こり得る悪心又は嘔吐を治療するために、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)を制吐薬と併用投与することが適切である。制吐薬としては、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト(オンダセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、及びザチセトロンなど)、GABA
B受容体アゴニスト(バクロフェンなど)、コルチコステロイド(デキサメサゾン、プレドニゾン、プレドニゾロンなど他)、ドーパミンアンタゴニスト(限定はされないが、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミドなど)、抗ヒスタミン剤(限定はされないが、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンなどのH1ヒスタミン受容体アンタゴニスト)、カンナビノイド(限定はされないが、大麻、マリノール、ドロナビノールなど)、及びその他(限定はされないが、トリメトベンズアミド;ショウガ、エメトロール、プロポフォールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
PI3K/TORC阻害剤との併用
いくつかの実施形態において、前立腺を有する患者は、酢酸アビラテロン、MDV−3100、及び4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドなどの第二世代抗ホルモン療法に対して内因性耐性又は後天性耐性を示し得る。内因性又は後天性の内分泌療法耐性の双方において、他の重要な経路を介するシグナル伝達が、耐性表現型の重要な決定因子であると考えられる。PI3K経路の調節解除(例えば、PTEN欠失)は、前立腺癌において見出される最も高頻度で起こる変化の1つである。近年、PI3K経路を活性化することで、前立腺癌のPTENノックアウトモデルにおいてホルモン療法に対する内因性耐性が与えられることが示されている(Carverら、「Reciprocal feedback regulation of PI3K and androgen receptor signaling in PTEN−deficient prostate cancer」(Cancer Cell.2011 May 17;19(5)):575〜86;Mulhollandら、「Cell autonomous role of PTEN in regulating castration−resistant prostate cancer growth」(Cancer Cell.2011 Jun 14;19(6):792〜804))。いくつかの実施形態において、CRPC患者における、完全アンドロゲン遮断療法(CAB)(GNRH+4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)とPI3K経路阻害剤との併用は、第二世代ホルモン療法に対する内因性耐性及び後天性耐性の両方を克服する可能性を有する。
【0166】
いくつかの実施形態において、LNCaP(LNCaP/AR)細胞株における野生型のアンドロゲン受容体の3〜5倍の過剰発現は、インビトロ及びインビボの両方で去勢抵抗性表現型を与える。いくつかの実施形態において、10〜30mg/kg/日の用量での4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドにより、治療されたLNCaP/AR腫瘍の全てにおいてほぼ完全な退縮がもたらされる一方、1mg/kg/日の用量では、平均的な腫瘍停滞反応がもたらされることが観察された。いくつかの実施形態において、PI3K阻害剤SAR245408若しくはBKM120、又はTORC1阻害剤エベロリムス(それぞれ、最大有効用量又は有効用量に近い量)による治療は、腫瘍増殖阻害から腫瘍停滞までの広範囲の効能を示す。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(1mg/kg/日)と、上述の化合物を介するPI3K経路阻害との併用によって、どちらか一方の薬剤を単独で使用するのと比べて、効能(腫瘍の退縮)が増加した。
【0167】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の遺伝子組み換えPTENノックアウトマウスモデルにおいて、アンドロゲン遮断又はCAB(去勢+MDV3100又は去勢と4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)の併用とは、ごくわずかな効能を示す。いくつかの実施形態において、BEZ−235によるpan−PI3K経路阻害の単剤療法もまた、ごくわずかな抗腫瘍活性を有する。それとは対照的に、いくつかの実施形態において、CABとBEZ−235との併用により、治療した全動物において腫瘍体積の著しい減少がもたらされた。
【0168】
1つの態様において、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、ホスホイノシチド−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤と、第二世代抗アンドロゲン剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0169】
1つの態様において、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤は、エベロリムス、BEZ−235、BKM120、BGT226、BYL−719、GDC0068、GDC−0980、GDC0941、GDC0032、MK−2206、OSI−027、CC−223、AZD8055、SAR245408、SAR245409、PF04691502、WYE125132、GSK2126458、GSK−2636771、BAY806946、PF−05212384、SF1126、PX866、AMG319、ZSTK474、Cal101、PWT33597、LY−317615(塩酸エンザスタウリン)、CU−906、又はCUDC−907である。
【0171】
いくつかの実施形態において、TORC阻害剤はエベロリムスである。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約5mg/日〜約20mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約5mg/日又は約10mg/日の用量で投与される。
【0172】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0173】
CYP17阻害剤との併用
いくつかの実施形態において、標的又は経路の抑制が不完全であれば、最適より劣る治療応答が起こり得る。これを克服し、治療転帰を最大限とする1つの方法は、所与の経路内の複数のノードを阻害するものである。いくつかの実施形態において、前立腺癌におけるホルモン治療は、GNRHアゴニスト(例えば、Lupron)と抗アンドロゲン剤(ビカルタミド、MDV3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)との併用を含む。いくつかの実施形態において、アンドロゲンレベルを去勢レベル以下へ更に抑制するためには、CYP17阻害剤とGNRHアゴニスト及び抗アンドロゲン剤との併用を含む。
【0174】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤とCYP17阻害剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0175】
いくつかの実施形態において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、CYP17阻害剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載される。
【0176】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、CYP17阻害剤は、酢酸アビラテロン(Zytiga)、TAK−700(orteronel)、TOK−001(ガレテロン)又はVT−464である。
【0178】
いくつかの実施形態において、CYP17阻害剤は酢酸アビラテロン(Zytiga)である。いくつかの実施形態において、酢酸アビラテロン(Zytiga)は、約500mg/日〜約1000mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、酢酸アビラテロン(Zytiga)は、約1000mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、酢酸アビラテロンはプレドニゾンと併用投与される。いくつかの実施形態において、酢酸アビラテロンは1日に1回投与され、プレドニゾンは1日に2回投与される。
【0179】
いくつかの実施形態において、CYP17阻害剤はTAK−700(orteronel)である。いくつかの実施形態において、TAK−700(orteronel)は、約300mg×2回/日〜約600mg×2回/日の用量で投与される。
【0180】
いくつかの実施形態において、TAK−700(orteronel)は、約300mg×2回/日〜約600mg×2回/日の用量で、約5mg×2回/日のプレドニゾンと一緒に投与される。
【0181】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0182】
GnRHアゴニスト又はアンタゴニストとの併用
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤と性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストとを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0183】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストと併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載される。
【0184】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)としても既知である。
【0185】
いくつかの実施形態において、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストは、Lupron、Zoladex(ゴセレリン)、デガレリクス、オザレリクス、ABT−620(エラゴリクス)、TAK−385(レルゴリクス)、EP−100又はKLH−2109である。
【0186】
いくつかの実施形態において、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストはLupronである。いくつかの実施形態において、Lupronは、蓄積注射として4週間毎に約7.5mg、又は3ヵ月毎に22.5mg、又は4ヶ月毎に約30mg、又は約6ヶ月毎に約45mgの用量で投与される。
【0187】
いくつかの実施形態において、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストは、Zoladex(ゴセレリン)である。いくつかの実施形態において、Zoladex(ゴセレリン)は、皮下埋込として4週間毎に約3.6mg又は12週間毎に10.8mgの用量で投与される。
【0188】
いくつかの実施形態において、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストはデガレリクスである。いくつかの実施形態において、デガレリクスは、皮下注射として約240mgの用量で投与され、その後4週間毎に約80mgの用量で投与される。
【0189】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0190】
骨保護剤との併用
骨転移による骨格の病的状態は、去勢抵抗性前立腺癌である患者における主な死因である。更には、長期間のアンドロゲン枯渇療法によって、骨塩量が減少し、骨折の可能性が上昇する。いくつかの実施形態において、骨保護剤は、アンドロゲン枯渇療法(ADT)時の男性における骨格事象を予防/遅延し、ADT+4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド治療時の男性での骨格事象を予防/遅延する可能性を有する。破骨細胞は、パラクライン効果を通して骨転移の増殖に影響し得る。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲンと骨保護剤とを併用することで、骨転移の形成及び/又は既に確認されている骨転移の増殖が予防され得る。
【0191】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤と骨保護剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0192】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、骨保護剤と共に投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0193】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0194】
いくつかの実施形態において、骨保護剤は、デノスマブ、AMG−0007、CEP−37251、ALX−0141、ゾレドロン酸、アレンドロン酸ナトリウム(Fosamax)、パミドロン酸二ナトリウム(Aredia)、ネリドロン酸(Nerixia)、ミノドロン酸(Recalbon)又はリセドロン酸ナトリウム(Actonel)である。
【0195】
いくつかの実施形態において、骨保護剤はデノスマブである。いくつかの実施形態において、デノスマブは、4週間毎〜6ヶ月毎に約60mg〜約120mgの用量で皮下注射によって投与される。
【0196】
いくつかの実施形態において、骨保護剤はゾレドロン酸である。いくつかの実施形態において、ゾレドロン酸は、約4週間毎〜12週間毎に約4mgの用量で静脈内注入によって投与される。
【0197】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0198】
放射線治療との併用
放射線は、DNA損傷後にアポトーシスを誘導することにより腫瘍細胞死を誘発する。アンドロゲン受容体シグナル伝達経路を阻害することにより前立腺上皮及び前立腺癌細胞においてアポトーシスが誘導されることは、前臨床モデル及び患者の両方において十分に確立されている。アンドロゲン受容体はDNA修復機構を調節し得るため、放射線とAR阻害とを組み合わせることは、DNA損傷媒介性のアポトーシスを増加させる可能性を有し、及びそれによる抗腫瘍効能を有することが最近示されている。
【0199】
放射線を癌細胞に送達する技術は、直接、腫瘍又は体腔に線源を埋め込むというものである。これは、内部放射線治療(近接照射療法、組織内照射、及び腔内照射は、内部放射線の一種である)と呼ばれる。内部放射線治療を使用することで、放射線量は、狭い領域で濃縮される。
【0200】
用語「放射線療法」又は「電離放射線」としては、α、β、及びγ放射線及び紫外線などの放射線の全形態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
放射線の別の送達法は、放射線医薬品を使用するものである。放射線医薬品は、DNA損傷後のアポトーシス誘導により腫瘍細胞死を誘導する。Alpharadin(塩化223−ラジウム)は、カルシウム模倣物として作用するα粒子エミッタであるために骨に向かう性質があり、そのために骨転移に極近接する。最近終了した第三相試験では去勢抵抗性前立腺癌の患者において、生存期間の延長が示されている。
177Lu−J591は、放射性金属
177ルチウム(βエミッタ)にコンジュゲートされた前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに特異的な脱免疫化モノクローナル抗体である。PSMAの発現パターンの制限によって、前立腺癌細胞に選択的に
177ルチウムが送達され、理論上、効能が向上し、副作用が減少する。
【0202】
アンドロゲン受容体シグナル伝達は、前立腺癌細胞に、原発腫瘍及び転移腫瘍の増殖に必要とされる生存シグナルをもたらす。抗アンドロゲン療法は、CRPCの前臨床モデルにおいて腫瘍のアポトーシスを増加させ、男性において抗腫瘍効能を示すことが示されている。抗アンドロゲン治療によって生存シグナル伝達が減少することで、アポトーシス閾値が低下し、それによって放射線医薬品の細胞死誘導効果が増加する。いくつかの実施形態において、抗アンドロゲン剤と
177Lu−J591とを併用することで、PSMAがアンドロゲン受容体の負の転写制御下にある(アンドロゲンPSMAレベルの上昇がない)という点で利益が追加される。したがって、前立腺癌を第二世代抗アンドロゲン剤で治療することで、PSMAタンパク質レベルが上昇し、それによって、細胞あたりの
177Lu−J591結合が増えるために放射線誘導細胞死がおそらく増加する。
【0203】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤と放射線療法とを併用して投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0204】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、放射線療法と併用して投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0205】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、放射線治療は、Alpharadin、
177Lu−J591、体外照射療法(陽子ビームなど)、又は近接照射療法である。
【0207】
いくつかの実施形態において、放射線療法はAlpharadinである。いくつかの実施形態において、Alpharadinは、4週間毎に約25〜約50kBq/kgの用量で静脈内注入によって投与される。
【0208】
いくつかの実施形態において、放射線療法は、
177Lu−J591で行う。いくつかの実施形態において、
177Lu−J591は、約1×10
9壊変毎秒/m2〜約26×10
8壊変毎秒/m2(30mCi/m2〜約70mCi/m2)の用量で静脈内注入によって投与される。
【0209】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0210】
キナーゼ阻害剤との併用
EGFR及びRAS/RAF/Mekなどの増殖因子シグナル伝達経路は、腫瘍細胞の成長及び生存のメディエータである。いくつかの実施形態において、これらの経路は、前立腺癌(又は少なくとも1つのサブセット)において調節解除されており、アンドロゲン受容体シグナル伝達と同時に機能して疾患の進行を促進する。いくつかの実施形態において、ARシグナル伝達及び増殖因子シグナル伝達の同時阻害によって、前立腺癌の疾患スペクトルに対する治療の効能が増加する。
【0211】
前立腺癌患者における骨への転移は、重篤な疼痛及び死亡に関連する。cMetは、腫瘍細胞の成長、生存及び転移に関与し、VEGFR2シグナル伝達は腫瘍の血管新生を促進する。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤と好適なキナーゼ阻害剤との併用は、腫瘍におけるアンドロゲン受容体及びcMetシグナル伝達の活性、並びに腫瘍内皮におけるVEGFR2の活性を同時に阻害し、前立腺癌関連骨転移の形成、並びに確認された骨転移の成長の両方を強固に阻害する。
【0212】
1つの態様において、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、キナーゼ阻害剤と、第二世代抗アンドロゲン剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0213】
1つの態様において、酢酸アビラテロンでの治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、キナーゼ阻害剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0214】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0215】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、血管新生又は骨転移を標的とする。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、MET又はVEGFRキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、カボザンチニブ(XL184)、PF−2341066(クリゾチニブ)、ARQ−197(チバンチニブ)、MK−2461、JNJ−38877605、MK−8033、INCB−28060、BMS−777607、AMG−208、LY−2801653、EMD−1214063、EMD−1204831、AMG−337、HMPL−504(ボリチニブ)、SAR−125844、LY2875358、ABR−215050(タスキニモド)、CHIR−258(ドビチニブ)、EXEL−7647、OSI−930、BIBF−1120、BAY−73−4506(レゴラフェニブ)、BMS−582664(ブリバニブ)、JNJ−26483327、AZD−2171(セジラニブ)、ソラフェニブ、アフリベルセプト、エンザスタウリン、AG−013736(アキシチニブ)、OSI−632、又はGSK−786034(パゾパニブ)である。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤はカボザンチニブである。いくつかの実施形態において、カボザンチニブは、約40mg/日〜約100mg/日の用量で経口投与される。
【0216】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、EGFR、MEK、又はSRCキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、MP−412、AEE−788、ネラチニブ、XL−647、AC−480、ダコミチニブ、AZD−8931、CUDC−101、AP−26113、CO−1686、トラメチニブ、セルメチニブ、MEK−162、レファメチニブ、TAK−733、RO−5126766、BI−847325、AZD6244、GSK1120212、PF−5208763(ボスチニブ)、又はAZD−0530(サラカチニブ)である。
【0217】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤はエルロチニブである。いくつかの実施形態において、エルロチニブは、約100mg〜約150mgの用量で経口投与される。
【0218】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤はゲフィチニブである。いくつかの実施形態において、ゲフィチニブは、約250mgの用量で経口投与される。
【0219】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤はトラメチニブである。いくつかの実施形態において、トラメチニブは、約1mg〜約2mgの用量で経口投与される。
【0220】
いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、AKT、RAF、FGFR、又はCDK4/6キナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、GDC0068、MK−2206、AT7867、GSK2110183、GSK2141795、GSK690693、ベムラフェニブ(PLX4032/RG7204)、GSK2118436、ダブラフェニブ(GSK208436)、LGX818、RAF265、LY2780301、ドビチニブ(TKI258)、BGJ398、AZD4547、PD−0332991又はLEE011である。
【0221】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0222】
免疫療法との併用
細胞障害性T細胞応答の増強は、ほとんどの免疫療法の基礎である。アンドロゲン除去によって、免疫機能の調節が起こり、これによって腫瘍標的化免疫療法を更に増強し得ることが示されている。これらの効果としては、前立腺へのCD4+T細胞湿潤の増加;前立腺におけるCD8+T細胞及びマクロファージ数の増加;様々な動物モデルにおける胸腺でのT細胞生成の増加及び免疫療法の全体的な向上、が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(アンドロゲン除去に加えて)の併用によって、アンドロゲン除去誘導免疫効果が更に増加し、免疫療法の効能を増加させ得る。加えて、免疫療法が細胞障害性T細胞の応答を介して機能して腫瘍細胞のアポトーシスが誘導されることを考慮すると、第二世代抗アンドロゲン剤のアポトーシス促進活性によって、免疫療法に基づくT細胞応答のアポトーシス閾値が低下するはずである。
【0223】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤とProvenge、Prostvac、イピリムマブ、又はPD−1阻害剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0224】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、Provenge、Prostvac、イピリムマブ、又はPD−1阻害剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0225】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0226】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、イピリムマブと併用投与される。いくつかの実施形態において、イピリムマブは、約1.5mg/kg〜約3.0mg/kg(IV)の用量で、3週間毎に合計で4回静脈内注入によって投与される。
【0227】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、PD−1阻害剤と併用投与される。いくつかの実施形態において、PD−1阻害剤はBMS−936558である。いくつかの実施形態において、PD−1阻害剤はBMS−936558であり、約1.0mg/kg〜約10mg/kgの用量で、6週間のサイクルで1日目、15日目及び29日目に静脈内注入によって投与される。
【0228】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、Provengeと併用投与される。いくつかの実施形態において、Provengeは約2週間間隔で3回投与される。
【0229】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、Prostvacと併用投与される。いくつかの実施形態において、Prostvacは、皮下注射によって投与される。
【0230】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0231】
タキサン又はチューブリン阻害剤との併用
ドセタキセル及びカバジタキセルなどのタキサンは、腫瘍細胞増殖を阻害し、腫瘍細胞アポトーシスを誘導する抗有糸分裂剤である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤とタキサン又はチューブリン阻害剤との併用によって、CRPCにおけるアポトーシス及び抗増殖性応答が増加し、それによって療法に対する抗腫瘍応答が増加する。
【0232】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤とタキサン又はチューブリン阻害剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0233】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、タキサン又はチューブリン阻害剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0234】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ドセタキセルと併用投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、3週間毎に約35mg/m
2〜約75mg/m
2の用量で静脈内注入によって投与される。
【0235】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、カバジタキセルと併用投与される。いくつかの実施形態において、カバジタキセルは、3週間毎に約13mg/m
2〜約25mg/m
2の用量で静脈内注入によって投与される。
【0236】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0238】
抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートとの併用
抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲート(ADC)は、STEAP1を発現する前立腺細胞に抗有糸分裂剤を選択的に送達する。それによって、腫瘍細胞アポトーシスの腫瘍選択的増加がもたらされる。
【0239】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤と抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートとを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0240】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートと併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0241】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートと併用投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、RG7450(DSTP3086S)と併用投与される。
【0242】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0243】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0244】
HSP阻害剤との併用
熱ショックタンパク質ファミリーは、クライアントタンパク質機能のその調節を介した腫瘍細胞成長及び生存の重要な制御因子である。これらのクライアントタンパク質は、HER2及びRafなどのオンコプロテイン、並びにアンドロゲン受容体(AR)を含み、これらは全て、前立腺癌の増殖及び生存における推進要因である。
【0245】
いくつかの実施形態において、HSP90/HSP27(OGX−427)阻害剤と第二世代抗アンドロゲン剤との併用療法によって、2つの異なるノードにおけるARシグナル伝達経路が阻害されるため、CRPCのスペクトルに対する治療転帰向上させる可能性がある。
【0246】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、第二世代抗アンドロゲン剤と熱ショックタンパク質(HSP90)又は熱ショックタンパク質(HSP27)経路調節剤とを併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、MDV−3100又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤はMDV−3100である。いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。
【0247】
1つの態様において、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、熱ショックタンパク質90(HSP90)又は熱ショックタンパク質27(HSP27)経路調節剤と併用投与する工程を含む、ヒト男性における前立腺癌の治療方法が、本明細書に記載されている。
【0248】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、OGX−011(クスチルセン)、OGX−427、AUY922、HSP990、PF−04928473、PF−04929113(SNX−5422)、レタスピマイシン又はAT13387と併用投与される。
【0249】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、OGX−011(クスチルセン)と併用投与される。いくつかの実施形態において、OGX−011(クスチルセン)は、毎週約320mg〜約640mgの用量で静脈内注入によって投与される。
【0250】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、OGX−427と併用投与される。いくつかの実施形態において、OGX−427は、約300mg〜約600mgの初期投与量後に毎週約500mg〜約1000mgの静脈内注入によって投与される。
【0251】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の治療方法は、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む。
【0252】
いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、約240mg/日の用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される。
【0253】
他の併用戦略
1つの態様において、ヒトにおける乳癌の治療において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、乳癌の少なくとも1つの追加の治療選択肢と併用することが本明細書で開示されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢は、乳癌手術を含む。いくつかの実施形態において、乳癌手術には、乳腺腫瘍摘出術、乳房切断、センチネルリンパ節生検、又は腋窩リンパ節郭清が含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、放射線療法が含まれる。いくつかの実施形態において、放射線には、体外照射療法又は近接照射療法が含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、ホルモン療法(すなわち、ホルモン遮断療法)が含まれる。いくつかの実施形態において、ホルモン療法には、選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)(例えば、タモキシフェン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール(Arimidex)、レトロゾール(Femara)及びエキセメスタン(Aromasin))、又はフルベストラント(Faslodex)の使用が含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、卵巣を除去する手術か、又は卵巣がエストロゲンを生成するのを停止させる薬物治療が含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、トラスツズマブ(Herceptin)、ラパチニブ(Tykerb)、又はベバシズマブ(Avastin)の使用が含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、乳癌の再発を予防するための骨粗鬆症治療薬(例えば、ゾレドロン酸(Reclast、Zometa))の使用が含まれる。
【0254】
1つの態様において、ヒトにおける子宮筋腫の治療において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、子宮筋腫の少なくとも1つの追加の治療選択肢との併用使用が、本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又はアンタゴニスト、プロゲスチン放出型子宮内器具(IUD)、アンドロゲン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用、子宮摘出、又は筋腫摘出が含まれる。
【0255】
1つの態様において、ヒトにおける子宮内膜症の治療において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、子宮内膜症の少なくとも1つの追加の治療選択肢と併用使用することが本明細書で開示されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療選択肢には、鎮痛薬療法、及び/又はホルモン療法の使用が含まれる。いくつかの実施形態において、ホルモン療法には、ホルモン避妊薬、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn−RH)アゴニスト及びアンタゴニスト、ダナゾール、メドロキシプロゲステロン(Depo−Provera)及びアロマターゼ阻害剤が含まれる。
【0256】
キット/製品
本明細書に記載される治療に使用する方法で使用されるキット及び物品も本明細書に記載されている。かかるキットは、本明細書に開示される医薬組成物の1回以上の用量が入るように区分されたパッケージ又は容器を備える。好適な容器としては、例えば、瓶が挙げられる。1つの実施形態において、容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成される。
【0257】
本明細書で提供される製品は、パッケージ材料を含む。医薬製品をパッケージングするのに使用するパッケージ材料としては、例えば米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号及び同第5,033,252号に記載されているものが挙げられる。医薬品パッケージ材料の例としては、ブリスターパック、瓶、チューブ、袋、容器、瓶、並びに選択される処方物、及び投与及び治療の意図される様式に好適な任意のパッケージ材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0258】
キットは、典型的には、内容物を掲載したラベル及び/又は取扱説明書、並びに添付文書を備えている。典型的には、一組の説明書も含まれるであろう。
【0259】
1つの実施形態において、ラベルは、容器上にあるか又は容器に関連付けられている。1つの実施形態において、ラベルを形成する文字、数字又はその他の文字が容器自体に添付、成形又はエッチングされている場合、ラベルは容器上にあり、一方、ラベルが更にその容器を保持する置き場又は担体の内部に存在している場合(例えば、添付文書として)、ラベルは容器に関連付けられる。1つの実施形態において、ラベルは、内容物を特定の治療用途に使用すべきことを指示する目的に使用される。また、ラベルは、本明細書に記載の方法における使用など、内容物の使用法も指示する。
【0260】
特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物を含有する1つ以上の単位投与剤形を含むパック又はディスペンサー装置内に存在する。パックには、例えば、金属箔又はプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)が含まれる。1つの実施形態において、パック又はディスペンサー装置には投与における指示が付属している。1つの実施形態において、パック又はディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関が規定した形態にて、容器に関する注記が付属しており、この注記は、ヒトでの投与又は獣医学での投与のための薬物剤形の政府機関による承認を反映する。そのような注記は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局により承認された表示、又は承認済み製品文書である。1つの実施形態において、相溶性のある医薬担体中で配合される、本明細書で提供される化合物を含有する組成物は、調製され、適切な容器中に入れられ、指示された病状の治療に関してラベル付けされる。
【0261】
バイオマーカー
いくつかの実施形態において、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)による治療の効能は、以下:血中腫瘍細胞(CTC);[18F]−フルオロジヒドロテストステロン−陽電子放射断層撮影(FDHT−PET);PSA動態;原発腫瘍(術後/術前試験)、腫瘍生検及びCTCにおけるAR標的遺伝子調節;原発腫瘍(術後/術前試験)、腫瘍生検及びCTCにおける、Ki67、TUNEL、並びに増殖及びアポトーシスの他のマーカー;膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)−V−ets赤芽球症ウイルスE26癌遺伝子ホモログ(ERG)融合遺伝子(TMPRSS2:ERG融合遺伝子);又は根治的前立腺摘除又はCTガイド下生検時の原発腫瘍における前述のいずれか、のうちのいずれか1つを監視することで評価される。
【0262】
いくつかの実施形態において、血中腫瘍細胞(CTC)自体を算出することがバイオマーカーであり、転帰を予測し得る。ベースラインにおけるCTCの数及び不良(≧5 CTC/血液7.5mL)から良好(<5 CTC/血液7.5mL)への経時変化は、転移性CRPCの患者における生存の統計学的改善に相関があることが示されている。ベースラインにおけるCTC数は、死亡リスクとも関連している。ベースラインにおける高いCTC数は、前立腺癌による死亡の高リスクと相関がある。いくつかの実施形態において、PTEN/PI3K、PHLPP1、又はARの状態を決定するためにCTCを使用することは、患者の階級分け並びに転帰を示すために用いられる。いくつかの実施形態において、遺伝子変異に関してCTCを照合することが可能である。いくつかの実施形態において、ベースラインにおけるPTEN/PI3K及び/又はARの状態を評価することによって、適切な併用療法を設定するか(例えば、腫瘍においてPTENが欠損している患者におけるPI3K阻害剤との併用)、又は第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)に応答しないようにARが変化した患者において他の治療を選択することによって、転移性前立腺癌である患者における治療計画がパーソナライズされる可能性がある。
【0263】
FDHT−PETは、抗アンドロゲン薬の有用な薬力学バイオマーカーであるあることが示されている。いくつかの実施形態において、FDHT−PETは、第二世代抗アンドロゲン剤(例えば、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド)によって強固なアンドロゲン遮断がもたらされる最少用量レベルを導くことができる。
【0264】
CTCと同様に、前立腺癌の治療中PSA動態の変化は、治療利益に関する予後因子であり得る。ホルモン療法の7ヵ月後に、4ng/mL以下のPSAレベルを有する転移性前立腺癌である男性において、生存期間が延びることが示され、化学療法の3ヶ月目での30%のPSA減少は、より長い生存期間に関連している。
【0265】
以下の実施形態のリストは、上記記載を置き換えたり上記記載を破棄したりするのではなく、補完することを意図するものである。
【0266】
実施形態1.ヒト男性における進行性前立腺癌の治療方法であって、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(I)、又はその医薬的に許容される塩を、約30mg/日〜約480mg/日の用量で投与する工程を含む方法。
【0268】
実施形態2.実施形態1に記載の方法であって、去勢抵抗性前立腺癌が、転移性去勢抵抗性前立腺癌である方法。
【0269】
実施形態3.実施形態2に記載の方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌が、化学療法未処置の転移性去勢抵抗性前立腺癌又は酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌である方法。
【0270】
実施形態4.進行性前立腺癌であるヒト男性において、前立腺特異的抗原レベルを減少させる方法であって、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で投与する工程を含む方法。
【0271】
実施形態5.実施形態4に記載の方法であって、ヒト男性における前立腺特異的抗原レベルが、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を連日投薬計画で3ヵ月投与した後、ベースラインから少なくとも50%減少する方法。
【0272】
実施形態6.ヒトにおける乳癌、アンドロゲン依存性多毛症、男性型脱毛症、子宮筋腫、平滑筋腫、子宮内膜癌又は子宮内膜症の治療方法であって、乳癌、アンドロゲン依存性多毛症、男性型脱毛症、子宮筋腫、平滑筋腫、子宮内膜癌又は子宮内膜症であるヒトに4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で投与する工程を含む方法。
【0273】
実施形態7.実施形態1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態でヒトに経口投与される方法。
【0274】
実施形態8.実施形態1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約180mg/日〜約480mg/日の用量でソフトゲルカプセルの形態でヒトに経口投与される方法。
【0275】
実施形態9.実施形態1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約180mg/日、約240mg/日、約300mg/日、約390mg/日、又は約480mg/日の用量でソフトゲルカプセルの形態でヒトに経口投与される方法。
【0276】
実施形態10.実施形態1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量でソフトゲルカプセルの形態でヒトに経口投与される方法。
【0277】
実施形態11.実施形態7〜10のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、連日投薬計画でヒトに経口投与される方法。
【0278】
実施形態12.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤と併用投与する工程を含む方法。
【0279】
実施形態13.実施形態12に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0280】
実施形態14.実施形態12又は実施形態13に記載の方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤が、エベロリムス、BEZ−235、BKM120、BGT226、BYL−719、GDC0068、GDC−0980、GDC0941、GDC0032、MK−2206、OSI−027、CC−223、AZD8055、SAR245408、SAR245409、PF04691502、WYE125132、GSK2126458、GSK−2636771、BAY806946、PF−05212384、SF1126、PX866、AMG319、ZSTK474、Cal101、PWT33597、LY−317615(塩酸エンザスタウリン)、CU−906、又はCUDC−907である方法。
【0281】
実施形態15.実施形態12〜14のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0282】
実施形態16.実施形態12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0283】
実施形態17.実施形態12〜16のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0284】
実施形態18.実施形態12〜17のいずれか一項に記載の方法であって、TORC阻害剤がエベロリムスである方法。
【0285】
実施形態19.実施形態18に記載の方法であって、エベロリムスが、約5mg/日〜約20mg/日の用量で投与される方法。
【0286】
実施形態20.実施形態18に記載の方法であって、エベロリムスが、約5mg/日〜約10mg/日の用量で投与される方法。
【0287】
実施形態21.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、CYP17阻害剤と併用投与する工程を含む方法。
【0288】
実施形態22.実施形態21に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0289】
実施形態23.実施形態21又は実施形態22に記載の方法であって、CYP17阻害剤が、酢酸アビラテロン(Zytiga)、TAK−700(orteronel)、TOK−001(ガレテロン)又はVT−464である方法。
【0290】
実施形態24.実施形態21〜23のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0291】
実施形態25.実施形態21〜24のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0292】
実施形態26.実施形態21〜25のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0293】
実施形態27.実施形態21〜26のいずれか一項に記載の方法であって、CYP17阻害剤が酢酸アビラテロン(Zytiga)である方法。
【0294】
実施形態28.実施形態27に記載の方法であって、酢酸アビラテロン(Zytiga)が、約500mg/日〜約1000mg/日の用量で、約5mg×2回/日の用量のプレドニゾンとともに投与される方法。
【0295】
実施形態29.実施形態28に記載の方法であって、酢酸アビラテロン(Zytiga)が、約1000mg/日の用量で投与される方法。
【0296】
実施形態30.実施形態21〜26のいずれか一項に記載の方法であって、CYP17阻害剤がTAK−700(orteronel)である方法。
【0297】
実施形態31.実施形態30に記載の方法であって、TAK−700(orteronel)が、約300mg×2回/日〜約600mg×2回/日の用量で投与される方法。
【0298】
実施形態32.実施形態30又は実施形態31に記載の方法であって、TAK−700(orteronel)が、約300mg×2回/日〜約600mg×2回/日の用量で、約5mg×2回/日の用量のプレドニゾンとともに投与される方法。
【0299】
実施形態33.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストと併用投与する工程を含む方法。
【0300】
実施形態34.実施形態33に記載の方法であって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストは、Lupron、Zoladex(ゴセレリン)、デガレリクス、オザレリクス、ABT−620(エラゴリクス)、TAK−385(レルゴリクス)、EP−100又はKLH−2109である方法。
【0301】
実施形態35.実施形態33又は実施形態34に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0302】
実施形態36.実施形態33〜35のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0303】
実施形態37.実施形態33〜36のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0304】
実施形態38.実施形態33〜37のいずれか一項に記載の方法であって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストがLupronである方法。
【0305】
実施形態39.実施形態38に記載の方法であって、Lupronが、蓄積注射として4週間毎に約7.5mg、又は3ヵ月毎に22.5mg、又は4ヶ月ごとに約30mg、又は約6ヶ月毎に約45mgの用量で投与される方法。
【0306】
実施形態40.実施形態33〜37のいずれか一項に記載の方法であって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストがZoladex(ゴセレリン)である方法。
【0307】
実施形態41.実施形態40に記載の方法であって、Zoladex(ゴセレリン)が、皮下埋込として4週間毎に約3.6mg又は12週間毎に10.8mgの用量で投与される方法。
【0308】
実施形態42.実施形態33〜37のいずれか一項に記載の方法であって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストがデガレリクスである方法。
【0309】
実施形態43.実施形態42に記載の方法であって、デガレリクスが、皮下注射として約240mgの用量で投与され、その後4週間毎に約80mgの用量で投与される方法。
【0310】
実施形態44.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、骨保護剤と併用投与する工程を含む方法。
【0311】
実施形態45.実施形態44に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0312】
実施形態46.実施形態44又は実施形態45に記載の方法であって、骨保護剤が、デノスマブ、AMG−0007、CEP−37251、ALX−0141、ゾレドロン酸、アレンドロン酸ナトリウム(Fosamax)、パミドロン酸二ナトリウム(Aredia)、ネリドロン酸(Nerixia)、ミノドロン酸(Recalbon)又はリセドロン酸ナトリウム(Actonel)である方法。
【0313】
実施形態47.実施形態44〜46のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0314】
実施形態48.実施形態44〜47のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0315】
実施形態49.実施形態44〜48のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0316】
実施形態50.実施形態44〜49のいずれか一項に記載の方法であって、骨保護剤がデノスマブである方法。
【0317】
実施形態51.実施形態50に記載の方法であって、デノスマブが、4週間〜6ヶ月毎に約60mg〜約120mgの用量で皮下注射によって投与される方法。
【0318】
実施形態52.実施形態44〜49のいずれか一項に記載の方法であって、骨保護剤がゾレドロン酸である方法。
【0319】
実施形態53.実施形態52の方法であって、ゾレドロン酸が、4週間〜12週毎に約4mg〜約120mgの用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0320】
実施形態54.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、放射線療法と併用して投与する工程を含む方法。
【0321】
実施形態55.実施形態54に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0322】
実施形態56.実施形態54又は実施形態55に記載の方法であって、放射線療法が、Alpharadin、
177Lu−J591、体外照射療法(陽子ビームなど)、又は近接照射療法である方法。
【0323】
実施形態57.実施形態54〜56のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0324】
実施形態58.実施形態54〜57のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0325】
実施形態59.実施形態54〜58のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0326】
実施形態60.実施形態54〜59のいずれか一項に記載の方法であって、放射線療法がAlpharadinである方法。
【0327】
実施形態61.請求項60に記載の方法であって、Alpharadinが、4週間毎に約25〜約50kBq/kgの用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0328】
実施形態62.実施形態54〜59のいずれか一項に記載の方法であって、放射線療法が、
177Lu−J591である方法。
【0329】
実施形態63.実施形態62に記載の方法であって、
177Lu−J591が、約1×10
9壊変毎秒/m
2〜約26×10
8壊変毎秒/m
2(30mCi/m
2〜約70mCi/m
2)の用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0330】
実施形態64.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、酢酸アビラテロンでの治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、キナーゼ阻害剤と併用投与する工程を含む方法。
【0331】
実施形態65.実施形態64に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0332】
実施形態66.実施形態64又は実施形態65のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0333】
実施形態67.実施形態64〜66のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0334】
実施形態68.実施形態64〜67のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0335】
実施形態69.実施形態64〜68のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、血管新生又は骨転移を標的とする方法。
【0336】
実施形態70.実施形態64〜69のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害がMET又はVEGFRキナーゼ阻害剤である方法。
【0337】
実施形態71.実施形態70に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ(XL184)、PF−2341066(クリゾチニブ)、ARQ−197(チバンチニブ)、MK−2461、JNJ−38877605、MK−8033、INCB−28060、BMS−777607、AMG−208、LY−2801653、EMD−1214063、EMD−1204831、AMG−337、HMPL−504(ボリチニブ)、SAR−125844、LY2875358、ABR−215050(タスキニモド)、CHIR−258(ドビチニブ)、EXEL−7647、OSI−930、BIBF−1120、BAY−73−4506(レゴラフェニブ)、BMS−582664(ブリバニブ)、JNJ−26483327、AZD−2171(セジラニブ)、ソラフェニブ、アフリベルセプト、エンザスタウリン、AG−013736(アキシチニブ)、OSI−632、又はGSK−786034(パゾパニブ)である方法。
【0338】
実施形態72.実施形態64〜71のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤がカボザンチニブである方法。
【0339】
実施形態73.実施形態72に記載の方法であって、カボザンチニブが、約40mg/日〜約100mg/日の用量で投与される方法。
【0340】
実施形態74.実施形態64〜69のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、EGFR、MEK、又はSRCキナーゼ阻害剤である方法。
【0341】
実施形態75.実施形態74に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、MP−412、AEE−788、ネラチニブ、XL−647、AC−480、ダコミチニブ、AZD−8931、CUDC−101、AP−26113、CO−1686、トラメチニブ、セルメチニブ、MEK−162、レファメチニブ、TAK−733、RO−5126766、BI−847325、AZD6244、GSK1120212、PF−5208763(ボスチニブ)、又はAZD−0530(サラカチニブ)である方法。
【0342】
実施形態76.実施形態64〜69、74又は75のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤がエルロチニブである方法。
【0343】
実施形態77.実施形態76に記載の方法であって、エルロチニブが、約100mg〜約150mgの用量で経口投与される方法。
【0344】
実施形態78.実施形態64〜69、74又は75のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤がゲフィチニブである方法。
【0345】
実施形態79.実施形態78に記載の方法であって、ゲフィチニブが、約250mgの用量で経口投与される方法。
【0346】
実施形態80.実施形態64〜69、74又は75のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤がトラメチニブである方法。
【0347】
実施形態81.実施形態80に記載の方法であって、トラメチニブは、約1mg〜約2mgの用量で経口投与される方法。
【0348】
実施形態82.実施形態64〜69のいずれか一項に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、AKT、RAF、FGFR、又はCDK4/6キナーゼ阻害剤である方法。
【0349】
実施形態83.実施形態82に記載の方法であって、キナーゼ阻害剤が、GDC0068、MK−2206、AT7867、GSK2110183、GSK2141795、GSK690693、ベムラフェニブ(PLX4032/RG7204)、GSK2118436、ダブラフェニブ(GSK208436)、LGX818、RAF265、LY2780301、ドビチニブ(TKI258)、BGJ398、AZD4547、PD−0332991又はLEE011である方法。
【0350】
実施形態84.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、Provenge、Prostvac、イピリムマブ、又はPD−1阻害剤と併用投与する工程を含む方法。
【0351】
実施形態85.実施形態84に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0352】
実施形態86.実施形態84又は実施形態85のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0353】
実施形態87.実施形態84〜86のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0354】
実施形態88.実施形態84〜87のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0355】
実施形態89.実施形態84〜88のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、イピリムマブと併用投与される方法。
【0356】
実施形態90.実施形態89に記載の方法であって、イピリムマブが、約1.5mg/kg〜約3.0mg/kg IVの用量で、3週間毎に合計で4回静脈内注入によって投与される方法。
【0357】
実施形態91.実施形態84〜88のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、PD−1阻害剤と併用投与される方法。
【0358】
実施形態92.実施形態91に記載の方法であって、PD−1阻害剤がBMS−936558であり、約1.0mg/kg〜約10mg/kgの用量で、6週間のサイクルの1日目、15日目及び29日目に静脈内注入によって投与される方法。
【0359】
実施形態93.実施形態84〜88のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、Provengeと併用投与される方法。
【0360】
実施形態94.実施形態93に記載の方法であって、Provengeが、約2週間の間隔を空けて3回投与される方法。
【0361】
実施形態95.実施形態84〜88のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、Prostvacと併用投与される方法。
【0362】
実施形態96.実施形態95に記載の方法であって、Prostvacは皮下注射で投与される方法。
【0363】
実施形態97.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、タキサン又はチューブリン阻害剤と併用投与する工程を含む方法。
【0364】
実施形態98.実施形態97に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0365】
実施形態99.実施形態97又は実施形態98のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0366】
実施形態100.実施形態97〜99のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0367】
実施形態101.実施形態97〜100のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0368】
実施形態102.実施形態97〜101のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ドセタキセルと併用投与される方法。
【0369】
実施形態103.実施形態102に記載の方法であってドセタキセルが、3週間毎に約35mg/m
2によって〜約75mg/m
2の用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0370】
実施形態104.実施形態97〜101のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、カバジタキセルと併用投与される方法。
【0371】
実施形態105.請求項104に記載の方法であって、カバジタキセルが、3週間毎に約13mg/m
2〜約25mg/m
2の用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0372】
実施形態106.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを約30mg/日〜約480mg/日の用量で、抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートと併用投与する工程を含む方法。
【0373】
実施形態107.実施形態106に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0374】
実施形態108.実施形態106又は実施形態107に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0375】
実施形態109.実施形態106〜108のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0376】
実施形態110.実施形態106〜109のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0377】
実施形態111.実施形態106〜110のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートと併用投与される方法。
【0378】
実施形態112.実施形態106〜111のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、RG7450(DSTP3086S)と併用投与される方法。
【0379】
実施形態113.ヒト男性における前立腺癌の治療方法であって、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性に、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を約30mg/日〜約480mg/日の用量で、HSP90又はHSP27経路調節剤と併用投与する工程を含む方法。
【0380】
実施形態114.実施形態113に記載の方法であって、治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む方法。
【0381】
実施形態115.実施形態113又は実施形態114に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩が、約120mg/日〜約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0382】
実施形態116.実施形態113〜115のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、約240mg/日の用量で経口投与される方法。
【0383】
実施形態117.実施形態113〜116のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、ソフトゲルカプセルの形態で経口投与される方法。
【0384】
実施形態118.実施形態113〜117のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、OGX−011(クスチルセン)、OGX−427、AUY922、HSP990、PF−04928473、PF−04929113(SNX−5422)、レタスピマイシン又はAT13387と併用投与される方法。
【0385】
実施形態119.実施形態113〜118のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、OGX011(クスチルセン)と併用投与される方法。
【0386】
実施形態120.実施形態119の方法であってOGX−011(クスチルセン)が、毎週、約320mg〜約640mgの用量で静脈内注入によって投与される方法。
【0387】
実施形態121.実施形態113〜118のいずれか一項に記載の方法であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が、OGX−427と併用投与される方法。
【0388】
実施形態122.実施形態121に記載の方法であって、OGX−427が、約300mg〜約600mgの初期投与量に続いて毎週約500mg〜約1000mgで静脈内注入によって投与される方法。
【0389】
実施形態123.医薬組成物であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液をソフトゲルカプセル中に含む医薬組成物。
【0390】
実施形態124.実施形態123に記載の医薬組成物であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液が、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩、ビタミンE d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩(ビタミンE TPGS)、ポリエチレングリコール400NF/EP(PEG 400)、グリセロールモノカプリロカプレートEP及びカプリロカプロイルマクログリセリドEP/NFを含む医薬組成物。
【0391】
実施形態125.実施形態123又は実施形態124に記載の医薬組成物であって、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液が、約3%の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物。
【0392】
実施形態126.実施形態123〜125のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、ソフトゲルカプセルシェルが、ゼラチン(NF/EP)、50:50のソルビトール/グリセリンブレンド(USP/EP)、及び精製水(USP/EP)を含む医薬組成物。
【0393】
実施形態127.実施形態123〜126のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、一回単位用量に、約30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその医薬的に許容される塩が含まれる医薬組成物。
【実施例】
【0394】
これらの実施例は、本明細書に提供される特許請求の範囲を限定するものではなく、例示目的のみで提供される。
【0395】
実施例1:非水性脂質ベース配合物
1つの実施形態において、以下の一覧の成分を有する、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの非水性脂質ベース配合物を調製する。
【0396】
【表1】
【0397】
いくつかの実施形態において、脂質ベース溶液を経口硬ゼラチンカプセルに入れる。
【0398】
実施例2:ソフトゲルカプセル配合物
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを非水性脂質ベース溶液として配合し、経口投与用のサイズ18の長楕円形のソフトゲルカプセルに充填する。充填溶液は、ビタミンE d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩NF(ビタミンE TPGS)、ポリエチレングリコール400NF/EP(PEG 400)、グリセロールモノカプリロカプレートEP(Capmul MCM)及びカプリロカプロイルマクログリセリドEP/NF(Acconon MC8−2)中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドから構成される。ソフトゲルカプセルシェルは、ゼラチン(NF/EP)、50:50のソルビトール/グリセリンブレンド(USP/EP)、及び精製水(USP/EP)を含有する。ソフトゲルカプセル(各カプセルには、30mgの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドが含まれる)を、幼児用安全キャップ及び不正開封防止熱誘導シールを備えた100ccのHDPE瓶30個ずつ詰める。
【0399】
【表2】
【0400】
ソフトゲルカプセルの製造プロセス:
【0401】
充填配合物製造
ポリエチレングリコール400NF/EP(PEG 400)及びカプリロカプロイルマクログリセリドEP/NF(Acconon MC8−2)を、予熱(30℃)した30LのBecomixミキサー及びホモジナイザーに真空下で移す。真空下で撹拌及びホモジナイズしながら、混合物を35℃まで温める。ステンレス鋼製容器中でビタミンE d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩NF(ビタミンE TPGS)を35〜45℃まで温めた後、真空下で30LのBecomixに移す。35℃の真空下で15分ものあいだ、混合物を撹拌し、ホモジナイズする。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、及びグリセロールモノカプリロカプレートEP(Capmul MCM)の全量の1/3を、窒素充填されたグローブバッグに移す。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドをステンレス鋼製のビーカーに移し、Capmul MCM(アリコート1)で湿潤して懸濁液を得る。混合物を15分ものあいだホモジナイズし、凝集物のない微細な懸濁液を得る。懸濁液をグローブバッグから取り出した後、真空下で30LのBecomixに移す。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、及びCapmul MCMの入っていたステンレス製容器を、別の1/3部分量のCapmul MCM(アリコート2)で濯いだ後、真空下で30LのBecomixに移す。このプロセスを最後の1/3部分量のCapmul MCM(アリコート3)で繰り返す。真空下で60分以下、35℃で混合物を撹拌し、ホモジナイズする。透明な溶液が得られたら、ホモジナイザーを停止し、35℃で60分以下撹拌しながら真空下で脱気する。次に、溶液を75mmステンレス鋼製のインラインフィルターで濾過し、好適なインプロセス保存容器に移す。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド最終充填溶液を秤量し、調整する。
【0402】
ソフトゲルカプセル封入
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド充填溶液、及びソフトゲル体(ゼラチン)をソフトゲル封入装置に移す。潤滑しながらソフトゲル体を2本のリボンに鋳造する。潤滑化されたソフトゲルリボンを回転ダイの間に通し、窒素ガス(NF)下、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド充填溶液をカプセル封入ポンプに重力充填する。容積型ポンプを駆動させて、目的重量の充填物を加熱された(30℃)充填ウェッジを通して回転ダイの間に送ると、ゲルリボンが伸長してサイズ18の長楕円形のソフトゲルカプセルが形成される。連続密封プロセスにおいて、ダイは封止を形成し、リボンからカプセルが切断される。封止後、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドソフトゲルカプセルを回転式乾燥機中で風乾し、その後、薄型乾燥トレイに移す。ソフトゲルカプセルを、乾燥トレイ中で単層に広げ、環境制御されたトンネル乾燥機中で乾燥する。乾燥後、ソフトゲルカプセルを深い保持トレイに移す。ソフトゲルカプセルを、カプセル封入に使用される離型剤を除去し、仕上げ製品における寸法のばらつきを削減するのに役立つように仕上げプロセスによって加工した後、2種のポリエチレンライナーを含むバルク貯蔵カートンに手作業でパッキングする。ソフトゲルカプセルを秤量し、調整し、臨床用パッケージングがなされるまで冷蔵条件下(2〜8℃)で貯蔵する。
【0403】
ソフトゲルカプセルパッケージング
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドソフトゲルカプセルを、幼児用安全キャップ(CRC)を備えた100ccのHDPE瓶に30個ずつ詰める。各瓶を封止するために適切なトルクを加え、誘導シールを活性化し、1.1〜1.8ニュートンメートル(10〜16インチポンド)の範囲が直ちに除去されるように、封止を増し締めする。瓶ラベルを、充填し、封止した瓶に瓶ラベルを貼る。瓶を調整し、検査し、冷蔵条件下(2℃〜8℃(36°F〜46°F))で貯蔵する。
【0404】
実施例3:MDA MB453:乳癌異種移植アッセイ
徐放性ペレット(12.5mgの5α−ジヒドロテストステロン/60日)を、SCID無毛非近交系(SHO)雌性マウスの皮下に埋め込む。MDA MB 453細胞を、5% CO
2、37℃で10% FBS、10μg/mLインスリン、10mMピルビン酸ナトリウム、10mM非必須アミノ酸を含有するRPMI中で成長させた。細胞を遠心分離し、1×10
7細胞/mLで、50% RPMI(血清を含まない)及び50% Matrigel(BD、フェノールレッドを含有し、高濃度)中に浮遊させた。ペレット埋め込みの2〜3日後、右側腹にMDA MB 453細胞を皮下注射した(100μL/動物)。腫瘍体積(長さ×幅
2/2)を隔週で観察した。腫瘍が約350mm
3の平均体積に到達したら、動物を無作為化し、治療を開始した。ビヒクル又は4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドで、28日間、毎日動物を治療した。試験を通して腫瘍体積及び体重を隔週で観察した。治療期間の終了時、薬物動態分析及び薬力学分析のために、血漿及び腫瘍のそれぞれのサンプルを採取した。
【0405】
【表3】
【0406】
実施例4:多毛症モデル
約11週齢の雌性シリアンゴールデンハムスター(Lak:LVG(SYR)(非近交))を購入する。5日間連続で毎日、10匹の動物の臭腺上及び付近の背毛を電気バリカンで刈り、Surgex脱毛クリームで除毛する。この手順並びにそれに続く治療の間、ハムスターをエーテル麻酔下に置く。各群10匹のハムスターの頚部背側部又は肩甲部に、400μg、135μg、45μg、15μg、0μgのうちのいずれかの用量(0.05mLの落花生油中)のプロピオン酸テストステロン(TP)/動物を皮下注射する。週末を除き、3週間、毎日注射をする。治療開始日から22日目に、二酸化炭素吸入によってハムスターを死亡させる。再成長した臭腺の毛のうちの1cm以内の全毛衣を、皮膚に小型のハサミをできるだけ近付けて切断する。次に、その毛衣から粗さと色素沈着によって識別された、TPで刺激された臭腺の毛をワックスで採取する。ワックスをキシレンで溶解し、湿度平衡化されたタール付きのガラス繊維フィルターで捕捉することで毛を回収する。毛のワックスを洗い流し、残留キシレンを蒸発させた後、毛とフィルターを再び湿度平衡化し、秤量する。TP刺激動物の臭腺での毛の成長に及ぼす局所投与4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効果を判定するのに使用されるハムスターは、実験開始時に12週齢である。これらのハムスターは、約3週間、200μgのTPを毎日皮下注射して刺激されるが、この量は、プロビット解析により、試験動物の臭腺の毛重量を少なくとも倍加させると推定される用量である。注射直後、各ハムスターの片側の臭腺にアセトンなどの担体中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドによる局所治療を行い、反対側の臭腺に対照(すなわち、アセトンのみ)による局所治療を行う。対照群はTPを受けておらず、アセトンビヒクルのみである。治療群及び対照群からの毛を、上述の通りに回収し、秤量する。
【0407】
実施例5:平滑筋腫試験
12週齢の健康な雌性Ekerラットを試験製品群及びビヒクル群に無作為化し、平滑筋腫に及ぼす4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効果を試験する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド治療群において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、12月齢及び10匹の14月齢のラットに毎日投与する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドで治療された動物を、非外科的に挿入した皮下トランスポンダを使用して個別に追跡する。腫瘍発生率データの統計分析はカイ二乗分析を使用して実行し、群間における腫瘍寸法の比較は、Fisher正確確率検定を使用する分割表分析によって実行する。屠殺の2時間前、各群のラットに100mg/kgの5'−ブロモ−2'−デオキシウリジン(BrdU)を注射する。動物をCO
2(g)で安楽死させ、肉眼で観察できる生殖器系の腫瘍を検査する。膣、卵巣、及び子宮を10%の中性緩衝ホルマリン(NBF)で固定する。肉眼で観察できる子宮腫瘍の計測を行い、腫瘍切片を10%のNBFで固定する。十分な寸法の腫瘍の一部分を液体窒素中で急速冷凍する。組織を10% NBF中で48時間放置し、通常の方法でパラフィン包埋する。全サンプルを切片にしてヘマトキシリン及びエオシンで染色する。子宮の顕微鏡的病変を記録し、全腫瘍をその形態に基づいて分類する。組織学スライドガラスを暗号化化し、2人の別の病理学者によって読み取る。
【0408】
実施例6:乳癌臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用を含む、ヒトにおける乳癌臨床試験の非限定的な例が以下で記載される。
【0409】
目的:本研究の目的は、ARが腫瘍増殖の促進因子であり得る乳癌の第一選択又は第二選択治療として、単剤又は併用投与としての4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効能を評価し、単剤又は併用投与として起こり得る化合物の任意の副作用に関する情報を収集し、単剤又は併用投与としての化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0410】
介入:単剤又は併用投与として、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、最大で480mg/日で患者に投与する。
【0411】
評価基準:主要評価基準:腫瘍応答及び/又は疾患制御。
【0412】
二次評価基準:(a)副作用;(b)薬物動態的特性;(c)無増悪期間及び全生存期間;及び(d)臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0413】
詳述:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、単剤又は併用投与として、1日1回患者に経口投与する。各投与サイクルの前に、身体検査、血液検査及び任意の副作用の評価を行う。8〜12週毎に、CTスキャン若しくはMRIで患者の腫瘍を再評価し、治療が効いているかどうかを判定する。本研究への参加は、疾患が進行するまで、又は許容できない毒性が生じるまで続ける。
【0414】
適格条件:18歳以上の女性対象。
【0415】
組み入れ基準:侵襲性乳癌(第IV期)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;局所療法で以前に治療されていないRECISTによって定義される少なくとも1つの測定可能な標的病変がある;閉経後状態;AR陽性乳癌;HER2−陰性乳癌又はHER2−陽性乳癌(HER−2標的化剤での治療後);進行性又は転移性疾患に関するホルモン前治療が最大で1回である;ECOGパフォーマンスステータスが0〜1である;余命>12週;適切な肝臓及び骨髄機能;AST<2.5×ULN;ビリルビン<1.5×ULN;ANC>1,500/uL;血小板数>100,000/uL;正常PT及びPTT;前回の放射線照射から少なくとも2週間が経ち、治療に関する毒性から回復している。
【0416】
除外基準:転移性疾患において以前に化学療法を受けている;脳転移の既往又は存在;同時の治験薬治療を受けている;根治的治療を施行された子宮頸部上皮内癌又は非黒色腫皮膚癌を除く、過去5年以内の他の悪性腫瘍の既往;制御困難な感染症;活動性出血、又は輸血を必要とする出血の既往;活動性の心疾患;重篤な医学的又は精神医学的疾病。
【0417】
実施例7:子宮内膜癌臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用を含む、ヒトにおける子宮内膜癌臨床試験の非限定例を以下に記載する。
【0418】
目的:本研究の目的は、進行性又は転移性の子宮内膜癌の治療における、単剤又は併用投与としての4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効能を評価し、単剤又は併用投与として起こり得る化合物の任意の副作用の情報を収集し、単剤又は併用投与としての化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0419】
介入:単剤又は併用投与として、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを最大480mg/日で患者に投与する。
【0420】
評価基準:主要評価基準:腫瘍応答及び/又は疾患制御。二次的な評価基準:(a)副作用;(b)薬物動態特性;(c)無増悪期間及び全生存期間;及び(d)臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0421】
詳述:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、単剤又は併用投与として、1日に1回患者に経口投与する。各投与サイクルの前に、身体検査、血液検査及び任意の副作用の評価を行う。8〜12週毎に、CTスキャン若しくはMRIで患者の腫瘍を再評価し、治療が効いているかどうかを判定する。本研究への参加は、疾患が進行するまで、又は許容できない毒性が生じるまで続ける。
【0422】
適格条件:18歳以上の女性対象。
【0423】
組み入れ基準:進行性又は転移性子宮内膜癌であると組織診又は細胞診で確定診断されている;局所療法で以前に治療されていないRECISTによって定義される少なくとも1つの測定可能な標的病変がある;ホルモン受容体陽性子宮内膜癌;ECOGパフォーマンスステータスが0〜1である;余命>12週;適切な肝臓及び骨髄機能:AST<2.5×ULN;ビリルビン<1.5×ULN;ANC>1,500/uL;血小板数>100,000/uL;正常PT及びPTT;前回の放射線照射から少なくとも2週間が経ち、治療に関する毒性から回復している。
【0424】
除外基準:脳転移の既往又は存在;同時の治験薬治療を受けている;根治的治療を施行された子宮頸部上皮内癌又は非黒色腫皮膚癌を除き、過去5年以内の他の悪性腫瘍の既往;制御困難な感染症;活動性出血、又は輸血を必要とする出血の既往;活動性の心疾患;重篤な医学的又は精神医学的な疾病。
【0425】
実施例8:子宮内膜症臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用を含む、ヒトにおける子宮内膜症臨床試験の非限定例を以下に記載する。
【0426】
目的:本研究の目的は、症候性/重症の子宮内膜症である患者の治療において、単剤又は併用投与としての4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効能を評価し、単剤又は併用投与として起こり得る化合物の任意の副作用の情報を収集し、単剤又は併用投与としての化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0427】
介入:単剤又は併用投与として、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを最大480mg/日で患者に投与する。
【0428】
評価基準:本研究の評価基準は、症状の改善及び/又は痛みの緩和、経血の損失量、及び子宮内膜組織の収縮である。
【0429】
詳述:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、単剤又は併用投与として、1日に1回又は2回患者に経口投与する。各投与サイクルの前に、身体検査、血液検査及び任意の副作用の評価を行う。
【0430】
適格条件:18歳以上の女性対象。
【0431】
組み入れ基準:症候性子宮内膜症の診断を受けている;閉経前又は閉経前後の状態;ECOGパフォーマンスステータスが0〜1である;適切な肝臓及び骨髄機能:AST<2.5×ULN;ビリルビン<1.5×ULN;ANC>1,500/uL;血小板数>100,000/uL;通常PT及びPTT;以前に受けた手術又は治療の毒性から少なくとも2週間が経っている。
【0432】
除外基準:妊娠中又は授乳中;根治的治療を施行された子宮頸部上皮内癌又は非黒色腫皮膚癌を除き、過去5年以内の他の悪性腫瘍の既往;同時の治験薬治療を受けている;制御困難な感染症;活動性の心疾患;重篤な医学的又は精神医学的疾病。
【0433】
実施例9:子宮平滑筋腫臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの使用を含む、ヒトにおける子宮平滑筋腫臨床試験の非限定例を以下に記載する。
【0434】
目的:本研究の目的は、症候性の子宮平滑筋腫である患者の治療において、単剤又は併用投与としての4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの効能を評価し、単剤又は併用投与として起こり得る化合物の任意の副作用の情報を収集し、単剤又は併用投与としての化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0435】
介入:単剤又は併用投与として、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを480mg/日で患者に投与する。
【0436】
評価基準:本研究の評価基準は、症状の改善及び/又は痛みの緩和、及び平滑筋腫の収縮である。
【0437】
詳述:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、単剤又は併用投与として、1日に1回又は2回患者に経口投与する。各投与サイクルの前に、身体検査、血液検査及び任意の副作用の評価を行う。
【0438】
適格条件:18歳以上の女性対象。
【0439】
組み入れ基準:症候性子宮平滑筋腫の診断;閉経前又は閉経前後の状態;ECOGパフォーマンスステータスが0〜1である;適切な肝臓及び骨髄機能:AST<2.5×ULN;ビリルビン<1.5×ULN;ANC>1,500/uL;血小板数>100,000/uL;通常PT及びPTT;以前に受けた手術又は治療の毒性から少なくとも2週間が経っている。
【0440】
除外基準:妊娠中又は授乳中;根治的治療を施行された子宮頸部上皮内癌又は非黒色腫皮膚癌を除き、過去5年以内に他の悪性腫瘍の既往;同時の治験薬治療を受けている;制御困難な感染症;活動性の心疾患;重篤な医学的又は精神医学的な疾病。
【0441】
実施例10:併用療法による去勢抵抗性前立腺癌の異種移植試験のためのLNCaP/ARモデル
6〜7週齢の雄性SCID無毛非近交系マウス(SHO、Charles Rivers Laboratories)を、イソフルラン麻酔下で両側精巣摘除を行った。LNCaP/AR細胞を、5% CO
2(37℃)でRPMI中で成長させた。細胞を遠心分離し、1×10
7細胞/mLで、50%無血清RPMI及び50% Matrigel中に浮遊させた。去勢した3〜5日後の右側腹に、LNCaP/AR細胞を皮下注射した(100μL/動物)。腫瘍体積(長さ×幅
2/2)を毎週観察した。腫瘍が約200mm
3の平均体積に到達したら、動物を治療群に無作為化した。治療期間中、腫瘍体積を隔週で観察した。試験終了時、更なる分析のために腫瘍を収集し、保管した。全化合物は、強制経口投与によって連日投与した。Graphpad Prismを使用して、統計分析を行った。
【0442】
例としては、1つの実施形態において、CRPCのこのLNCaP/ARモデルにおいて4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(ARN−509)と、BKM120(5−(2,6−ジモルホリノピリミジン−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン)としても既知であるPI3K阻害剤)とを併用投与した。
【0443】
【表4】
【0444】
別の実施形態において、CRPCの本LNCaP/ARモデルにおいて、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(ARN−509)を、エベロリムスと併用投与した。
【0445】
【表5】
【0446】
実施例11:前立腺癌のPTENノックアウトモデル
Ptenlox/lox;治療の完了前及び完了時に、小動物MRIイメージングコアによってPB−Creマウス(6〜8月齢)を撮像する。全マウスを去勢する。イソフルラン麻酔下で、外科的去勢を行う。手術後の回復に関して、マウスを監視する。
【0447】
月曜から金曜までのスケジュールで35日間、強制経口投与によって、マウスに対照ビヒクル又は試験製品を連日投与する。各マウスにおいて、試験開始時である時点ゼロ(T0)及び試験完了時である時点35日目(T35)におけるMRI腫瘍体積を記録する。T0〜T35間の腫瘍体積の変化を、個々のマウスにおいて算出し、ウォータフォールプロットで記録する。試験終了時、マウスをCO
2窒息で安楽死させ、組織構造、mRNA分析、タンパク質分析及び他の分析のために組織を収集した。
【0448】
実施例12:抗アンドロゲン剤とPI3K阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、PI3K阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0449】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、PI3K阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC二重阻害剤との併用の安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0450】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。TORC阻害剤であるエベロリムスを、5mg/日の用量で投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、エベロリムスの用量調整(5mg〜20mg/日)を考慮する。
【0451】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから>50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有する、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0452】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0453】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;、1週間間隔で連続して3回PSAが上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後は、PSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化の4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む無作為化の前の他の任意の抗癌治療から少なくとも4週間経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0454】
除外基準:発作の既往、中枢神経系転移。
【0455】
実施例13:抗アンドロゲン剤とCYP17阻害剤との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、CYP17阻害剤との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0456】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドとCYP17阻害剤との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用に関する情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態的特性を評価することである。
【0457】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。CYP17阻害剤である酢酸アビラテロンを、1日に1回、1000mgの用量で投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、酢酸アビラテロンの用量調整(500mg〜1000mg/日)を考慮する。酢酸アビラテロンを投与される患者には、1日に2回、プレドニゾン(5mg)も投与する。
【0458】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答する、または安定疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0459】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0460】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0461】
除外基準:化学療法の治療歴、CYP17又は第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0462】
実施例14:抗アンドロゲン剤とGnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストとの併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストとの併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0463】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストとの併用に関する効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0464】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストも患者に投与する。いくつかの実施形態において、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストを、蓄積注射として4週間毎に約7.5mg、又は3ヵ月毎に22.5mg、又は4ヶ月ごとに約30mg、又は約6ヶ月毎に約45mgの用量で投与する。他の実施形態において、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストは、皮下埋込として、4週間毎に約3.6mg又は12週間毎に約10.8mgの用量で投与されるzoladex(ゴセレリン)である。いくつかの他の実施形態において、GnRH/LHRHアゴニスト/アンタゴニストは、約240mgの用量の皮下注射に続いて約80mgの用量を4週間毎に投与されるデガレリクスである。
【0465】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0466】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0467】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化の前に前回の抗癌療法を受けた患者は、治療による急性毒性から回復していなければならない;無作為化の前に受けた大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0468】
除外基準:CYP17の治療歴、CYP17又は第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0469】
実施例15:抗アンドロゲン剤と骨保護剤との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、骨保護剤との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0470】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと骨保護剤との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0471】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、骨保護剤も患者に投与する。いくつかの実施形態において、骨保護剤は、4週間〜6ヵ月毎に約60mg〜約120mgの用量で皮下注射によって投与されるデノスマブである。他の実施形態において、骨保護剤は、約4週間〜12週間毎に約4mgの用量で、静脈内注入として投与されるゾレドロン酸である。
【0472】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA双効率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0473】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0474】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法の使用から少なくとも4週間経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0475】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0476】
実施例16:抗アンドロゲン剤と放射線療法との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、放射線療法との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0477】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと放射線療法との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態的特性を評価することである。
【0478】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、第二の治療薬も患者に投与する。いくつかの実施形態において、第二の治療薬は、4週間毎に約25〜約50kBq/kgの用量で投与されるAlpharadinである。他の実施形態において、第二の治療薬は、約1×10
9壊変毎秒/m
2〜約26×10
8壊変毎秒/m
2(30mCi/m
2〜約70mCi/m
2)の用量で静脈内注入によって投与される
177Lu−J591である。
【0479】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0480】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0481】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0482】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0483】
実施例17:抗アンドロゲン剤とキナーゼ阻害剤との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、キナーゼ阻害剤との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0484】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、キナーゼ阻害剤との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態的特性を評価することである。
【0485】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、キナーゼ阻害剤も患者に投与する。いくつかの実施形態において、キナーゼ阻害剤は、約40mg/日〜約100mg/日の用量で経口投与されるカボザンチニブである。他の実施形態において、キナーゼ阻害剤は、約100mg〜約150mgの用量で経口投与されるエルロチニブである。いくつかの他の実施形態において、キナーゼ阻害剤は、約250mg/日の用量で経口投与されるゲフィチニブである。更にいくつかの他の実施形態において、キナーゼ阻害剤は、約1mg〜2mgの用量で経口投与されるトラメチニブである。
【0486】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA双効率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0487】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0488】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化の4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間が経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0489】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0490】
実施例18:抗アンドロゲン剤と免疫療法との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、免疫療法との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0491】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であるヒトにおける、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、Provenge、Prostvac、イピリムマブ、又はPD−1阻害剤との併用による安全性及び有効性を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0492】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、第二の治療薬も患者に投与する。いくつかの実施形態において、追加の治療薬は、約1.5mg/kg〜約3.0mg/kg(IV)の用量で、3週間毎に全部で4回静脈内注入によって投与されるイピリムマブである。他の実施形態において、追加の治療薬は、約1.0mg/kg〜約10mg/kgの用量で、6週間のサイクルで1日目、15日目及び29日目に静脈内注入によって投与されるPD−1阻害剤であるBMS−936558である。いくつかの他の実施形態において、追加の治療薬は、約2週間隔で3回分用量として投与されるProvenge(登録商標)(シプロイセル−T)である。更に他の実施形態において、追加の治療薬は、1、14、28、56、84、112、及び140日目に皮下注射によって投与されるProstvacである。rV−PSA−TRICOM(2×10
8pfu)で免疫化をプライミングし、続いて、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子100μgをワクチン接種日に皮下投与するか、又は皮下投与せずにrF−PSA−TRICOM(1×10
9pfu)を使用して追加免疫する。
【0493】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0494】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0495】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化の4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間が経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0496】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0497】
実施例19:抗アンドロゲン剤と化学療法との併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、化学療法との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0498】
目的:本研究の目的は、転移性去勢抵抗性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌である男性における、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドとタキサン又はチューブリン阻害剤との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況での化合物の薬物動態特性を評価することである。
【0499】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、第二の治療薬を患者に投与する。いくつかの実施形態において、第二の治療薬は、3週間毎に約35mg/m
2〜約75mg/m
2の用量で投与されるドセタキセルである。他の実施形態において、第二の治療薬は、3週間毎に約13mg/m
2〜約25mg/m
2の用量で投与されるカバジタキセルである。
【0500】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから>50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0501】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0502】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間が経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0503】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0504】
実施例20:抗アンドロゲン剤と抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートとの併用に関する臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートとの併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0505】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)である男性における、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートとの併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況における化合物の薬物動態的特性を評価することである。
【0506】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。抗STEAP−1抗体薬物コンジュゲートも患者に投与する。
【0507】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA奏功率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0508】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0509】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化の4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されていなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤の中止により持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間が経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0510】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0511】
実施例21:抗アンドロゲン剤と熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤との併用における臨床試験
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、HSP阻害剤との併用を含む、ヒトにおける前立腺癌臨床試験の非限定例を以下で記載する。
【0512】
目的:本研究の目的は、前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)である男性における、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、HSP阻害剤(例えば、HSP90又はHSP27)との併用に関する安全性及び効能を評価し、併用療法で起こり得る任意の副作用の情報を収集し、併用療法の状況における化合物の薬物動態的特性を評価することである。
【0513】
介入:240mg/日の用量で、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを患者に投与する。しかしながら、必要とみなされるときは、試験中、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの用量調整(120mg〜480mg/日)を考慮する。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに加えて、HSP阻害剤も患者に投与する。いくつかの実施形態において、HSP阻害剤は、毎週約320mg〜約640mgの用量で、静脈内注入によって投与されるOGX−011(クスチルセン)である。他の実施形態において、HSP阻害剤は、毎週、約300mg〜約600mgに続いて約500mg〜約1000mgの負荷量で静脈内注入によって投与されるOGX−427である。
【0514】
評価基準:奏功率及び12週でのPSA双効率(ベースラインから≧50%のPSA減少);PSA無増悪期間;全生存期間(OS);PFS(CT/MRI/放射性トレーサーによる無増悪生存期間);生活の質(QOL);副作用;薬物動態(PK);腫瘍応答及び/又は疾患制御;定義される時点において完全若しくは部分応答を有するか、又は安定な疾患を有する患者の割合;臨床応答を予測するバイオマーカー。
【0515】
適格条件:18歳以上の男性対象。
【0516】
組み入れ基準:前立腺癌(例えば、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌)であると組織診又は細胞診で確定診断されている;1週間間隔でPSAが連続して3回上昇し、2回は最低値より50%増加して、最後はPSA>2ng/mLであるとして定義される、持続的アンドロゲン枯渇療法(ADT)中/精巣摘出後に証明された去勢抵抗性前立腺癌;無作為化の4週間以内及び試験を通して、テストステロンの去勢レベルを維持する(<50ng/dL(1.72nmol/L));骨保護剤(例えば、ビスホスホネート、デノスマブ(Prolia(登録商標))による骨損失予防治療を現在受けている患者は、無作為化の前少なくとも4週間のあいだ一定の用量を投与されなければならない;初期複合アンドロゲン遮断療法の一環として、又は第二選択ホルモン療法として、第一世代抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド)を投与された患者は、無作為化の前に少なくとも4週間、抗アンドロゲン剤を投与しない場合、持続的な疾患(PSA)の進行を示さなければならない;5−α還元酵素阻害剤(例えば、デュタステライド、フィナステリド、アミノグルテタミド)の使用、エストロゲンの使用、及び術後/術前に受ける化学療法(例えば、臨床試験)を含む、無作為化前の任意の他の抗癌療法から少なくとも4週間が経過していなければならない;無作為化の前の大手術又は放射線療法から少なくとも4週間経過していなければならない。
【0517】
除外基準:第二世代抗アンドロゲン療法の治療歴、中枢神経系転移、発作の既往。
【0518】
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示の目的のみであって、様々な修正又は変更が当業者に提示され、本出願の趣旨及び範囲、並びに添付の特許請求の範囲内に含まれる。
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1] 進行性去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌であるヒト男性患者の治療方法であって、前記方法は、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を、かかる治療を必要とするヒト男性患者に対して、約30mg/日〜約480mg/日の用量範囲で投与する工程を含む、方法。
【化3-1】
[2] 式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の連日投与計画において、前記治療によって、3ヶ月後に、患者の前立腺特異的抗原のレベルがベースラインから少なくとも50%減少する、上記[1]に記載の方法。
【化3-2】
[3] ヒト男性患者における酢酸アビラテロン治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌の治療方法であって、前記方法は、式(I)の化合物:
【化3-3】
又はその医薬的に許容される塩を、ソフトゲルカプセルの形態で、約30mg/日〜約480mg/日、好ましくは約240mg/日の用量で、かかる治療を必要とするヒト男性患者に対して:
(a)ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、TORC阻害剤、又はPI3K/TORC同時阻害剤であり、好ましくは、エベロリムス、BEZ−235、BKM120、BGT226、BYL−719、GDC0068、GDC−0980、GDC0941、GDC0032、MK−2206、OSI−027、CC−223、AZD8055、SAR245408、SAR245409、PF04691502、WYE125132、GSK2126458、GSK−2636771、BAY806946、PF−05212384、SF1126、PX866、AMG319、ZSTK474、Cal101、PWT33597、LY−317615(塩酸エンザスタウリン)、CU−906、又はCUDC−907であり、TORC阻害剤がエベロリムスである場合、約5mg/日〜約20mg/日の用量で投与され;又は、
(b)キナーゼ阻害剤であり、好ましくは前記キナーゼ阻害剤は:
(i)MET又はVEGFRキナーゼ阻害剤であり、より好ましくは、Cabozantinib(XL184)、PF−2341066(Crizotinib)、ARQ−197(Tivantinib)、MK−2461、JNJ−38877605、MK−8033、INCB−28060、BMS−777607、AMG−208、LY−2801653、EMD−1214063、EMD−1204831、AMG−337、HMPL−504(Volitinib)、SAR−125844、LY2875358、ABR−215050(Tasquinimod)、CHIR−258(Dovitinib)、EXEL−7647、OSI−930、BIBF−1120、BAY−73−4506(Regorafenib)、BMS−582664(Brivanib)、JNJ−26483327、AZD−2171(Cediranib)、Sorafenib、Aflibercept、Enzastaurin、AG−013736(Axitinib)、OSI−632、又はGSK−786034(Pazopanib)であり、Cabozantinibの場合、約40mg/日〜約100mg/日の用量で経口投与され;又は、
(ii)EGFR、MEK、又はSRCキナーゼ阻害剤であり、より好ましくは、Erlotinib、Cetuximab、Gefitinib、Canertinib、Panitumumab、Nimotuzumab、Lapatinib、Vandetanib、Afatinib、MP−412、AEE−788、Neratinib、XL−647、AC−480、Dacomitinib、AZD−8931、CUDC−101、AP−26113、CO−1686、Trametinib、Selumetinib、MEK−162、Refametinib、TAK−733、RO−5126766、BI−847325、AZD6244、GSK1120212、PF−5208763(Bosutinib)、又はAZD−0530(Saracatinib)であり、Erlotinibである場合、約100mg〜約150mgの用量で経口投与され;Gefitinibである場合、約250mgの用量で経口投与され;及びTrametinibである場合、約1mg〜約2mgの用量で経口投与され;又は、
(iii)AKT、RAF、FGFR、又はCDK4/6キナーゼ阻害剤であり、より好ましくは、GDC0068、MK−2206、AT7867、GSK2110183、GSK2141795、GSK690693、Vemurafenib(PLX4032/RG7204)、GSK2118436、Dabrafenib(GSK208436)、LGX818、RAF265、LY2780301、Dovitinib(TKI258)、BGJ398、AZD4547、PD−0332991又はLEE011である;と併用して経口投与する工程を含む、方法。
[4] 治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む、上記[3]に記載の方法。
[5] ヒト男性患者における転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌の治療方法であって、前記方法は、式(I)の化合物;
【化3-4】
又はその医薬的に許容される塩を、ソフトゲルカプセルの形態で、約30mg/日〜約480mg/日の用量、好ましくは約240mg/日の用量で、かかる治療を必要とするヒト男性患者に対して、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニスト、好ましくは、Lupron、Zoladex(Goserelin)、Degarelix、Ozarelix、ABT−620(Elagolix)、TAK−385(Relugolix)、EP−100又はKLH−2109、と併用して経口投与する工程を含み、Lupronである場合、4週間毎に約7.5mg、又は3ヵ月毎に22.5mg、又は4ヶ月毎に30mg、又は6ヶ月毎に45mgの用量で蓄積注射により投与され、Zoladex(Goserelin)である場合、4週間毎に約3.6mg又は12週間毎に約10.8mgの用量で皮下埋込として投与され、Degarelixである場合、約240mgの用量で皮下注射により投与され、続いて4週間毎に約80mgが投与される、方法。
[6] ヒト男性患者における転移性去勢抵抗性前立腺癌、非転移性去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢感受性前立腺癌、非転移性去勢感受性前立腺癌又は高リスク限局性前立腺癌の治療方法であって、前記方法は、式(I)の化合物:
【化3-5】
又はその医薬的に許容できる塩を、ソフトゲルカプセルの形態で、約30mg/日〜約480mg/日の用量、好ましくは約240mg/日の用量で、かかる治療を必要とするヒト男性患者に対して:
(a)CYP17阻害剤であり、好ましくは、CYP17阻害剤は、酢酸アビラテロン(Zytiga)、TAK−700(orteronel)、TOK−001(galeterone)又はVT−464であり、酢酸アビラテロン(Zytiga)である場合、約5mg×2回/日の用量のプレドニソンとともに約500mg/日〜約1000mg/日の用量範囲で投与され、CYP17阻害剤がTAK−700(orteronel)である場合、約5mg×2回/日の用量のプレドニソンとともに約300mg×2回/日〜約600mg×2回/日の用量範囲で投与され;又は、
(b)骨保護剤であり、好ましくは、Denosumab、AMG−0007、CEP−37251、ALX−0141、ゾレドロン酸、アレンドロン酸ナトリウム(Fosamax)、パミドロン酸二ナトリウム(Aredia)、ネリドロン酸(Nerixia)、ミノドロン酸(Recalbon)又はリセドロン酸ナトリウム(Actonel)であり、Denosumabである場合、4週間毎〜6ヵ月毎に約60mg〜約120mgの用量で皮下注射によって投与され、ゾレドロン酸である場合、4週間毎〜12週間毎に約4mgの用量で静脈内注入によって投与され;又は、
(c)放射線療法であり、好ましくは、Alpharadin、177Lu−J591、体外照射療法(陽子ビームなど)、又は近接照射療法であり、Alpharadinである場合、4週間毎に約25〜約50kBq/kgの用量で静脈内注入によって投与され、177Lu−J591である場合、30mCi/m2〜約70mCi/m2の用量で静脈内注入によって投与され;又は、
(d)Provenge、Prostvac、Ipilimumab、又はPD−1阻害剤であり、好ましくは、Ipilimumabの際には、3週間毎に約1.5mg/Kg〜約3.0mg/kg(IV)の用量で合計で4回静脈内注入によって投与されるか、又はPD−1阻害剤がBMS−936558の際には、6週間のサイクルで1、15及び29日目に約1.0mg/kg〜約10mg/kgの用量で静脈内注入によって投与されるか、又はProvengeである際には、約2週間間隔で3回分が投与されるか、又はProstvacである際には、皮下注射によって投与され;又は、
(e)抗−STEAP−1抗体薬剤コンジュゲートであり、好ましくは、RG7450(DSTP3086S)であり;又は、 (f)HSP90又はHSP27経路調節剤であり、好ましくは、OGX−011(Custirsen)、OGX−427、AUY922、HSP990、PF−04928473、PF−04929113(SNX−5422)、Retaspimycin又はAT13387であり、OGX−011(Custirsen)の場合、毎週約320mg〜約640mgの用量で静脈内注入によって投与されるか、OGX−427である場合、約300mg〜約600mgの負荷用量の後、毎週約500mg〜約1000mgで静脈内注入によって投与される;と併用して経口投与する工程を含む、治療方法。
[7] 治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む、上記[6]に記載の方法。
[8] ヒト患者における乳癌、アンドロゲン依存性多毛症、男性型脱毛症、子宮筋腫、平滑筋腫、子宮内膜癌又は子宮内膜症の治療方法であって、前記方法は、以下の式(I)又はその医薬的に許容される塩を、ソフトゲルカプセルの形態で、かかる治療を必要とするヒト患者に、約30mg/日〜約480mg/日の用量、好ましくは約240mg/日の用量で、連日投与計画で経口投与する工程を含む、方法。
【化3-6】
[9] ヒト男性患者における転移性去勢抵抗性前立腺癌、又は高リスク限局性前立腺癌の治療方法であって、式(I)の化合物:
【化3-7】
又はその医薬的に許容される塩を、ソフトゲルカプセルの形態で、約30mg/日〜約480mg/日の用量、好ましくは、約120mg/日〜約240mg/日又は約240mg/日の用量で、かかる治療を必要とするヒト男性患者に対して、タキサン又はチューブリン阻害剤、好ましくは、3週間毎に約35mg/m2〜約75mg/m2の用量で静脈内注入によって投与されるDocetaxel又は3週間毎に約13mg/m2〜約25mg/m2の用量で静脈内注入によって投与されるCabazitaxelと併用して経口投与する工程を含む、方法。
[10] 治療有効量の性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト又はアンタゴニストをヒト男性に投与する工程を更に含む、上記[9]に記載の方法。
[11] 式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液を、ソフトゲルカプセル中に含む、医薬組成物:
【化3-8】
[12] 前記式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液は、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、ビタミンE d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩NF(ビタミンE TPGS)、ポリエチレングリコール400NF/EP(PEG 400)、グリセロールモノカプリロカプレートEP及びカプリロカプロイルマクログリセリドEP/NFを含む、上記[11]に記載の医薬組成物。
【化3-9】
[13] 前記式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の非水性脂質ベース溶液は、約3%の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を含む、上記[11]に記載の医薬組成物
【化3-10】
[14] 前記ソフトゲルカプセルシェルは、ゼラチン(NF/EP)、50:50のソルビトール/グリセリンブレンド(USP/EP)、及び精製水(USP/EP)を含む、上記[11]に記載の医薬組成物。
[15] 一回単位用量は、約30mgの式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を含む、上記[11]に記載の医薬組成物、
【化3-11】