(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。図示するゲーム装置1は、プレイヤーの操作を受け付ける入力装置としてのスタートボタン11と、ベット操作ボタン12と、払出要求ボタン13と、表示部14と、遊技媒体としてのメダルの投入及び払い出しを管理するメダル管理装置15と、ゲームを制御する制御ユニット16とを備えている。スタートボタン11は、プレイヤーの押下げ操作に応答してゲーム開始信号を制御ユニット16に出力する。ベット操作ボタン12は、プレイヤーにより押下げ操作される毎にベット信号を制御ユニット16に出力する。払出要求ボタン13は、プレイヤーの押下げ操作に応答してメダル払出要求信号を制御ユニット16に出力する。表示部14は、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネル等を含んで構成され、制御ユニット16から出力される画像信号に応じたゲーム画面等を表示する。メダル管理装置15は、プレイヤーによるメダルの投入を検出する毎にメダル投入信号を制御ユニット16に出力し、制御ユニット16からのメダル払出信号に応答してプレイヤーにメダルを払い出す。
【0011】
制御ユニット16は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)17と、そのMPU17の動作に必要なROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる主記憶装置18とを含むコンピュータユニットとして構成されている。また、制御ユニット16には、磁気ディスク記憶装置等を用いた外部記憶装置19が接続されている。外部記憶装置19には、ゲームを制御するためのプログラム及びデータが記憶されており、それらのプログラム及びデータはMPU17からの指示に従って外部記憶装置19から主記憶装置18に適宜に読み込まれる。制御ユニット16は、その主記憶装置18に読み込まれたプログラムに従ってMPU17が各種の演算処理及び動作制御を実行することにより、ゲームの進行を制御する。なお、本実施形態のゲーム装置1は、一例として、ボタン11〜13、表示部14、メダル管理装置15、及び制御ユニット16が不図示の筐体に組み付けられ、メダルによって象徴される遊技価値と引き換えに所定範囲のゲームをプレイヤーに提供する商用のゲーム装置として構成されている。例えば、このゲーム装置1で提供されるゲームは、N行M列(N、Mは正の整数、例えば3行3列)のマトリクス状の各マスに配置されたシンボルの配置に応じて入賞判定が行われてプレイヤーへの配当が決定する、所謂スロットゲームである。
【0012】
〔ゲームの概要〕
図2は、本実施形態に係るスロットゲームのゲーム画面の一例を示す図である。この図に示す符号G10は、本実施形態のゲーム画面全体のエリアを示しており、以下の記述においてはゲーム画面内に表示される内容によらずゲーム画面G10ということとする。ゲーム画面G10には、スロット画面GS11と、的中枚数(WIN)画面GS12と、が表示される。スロット画面GS11内の領域RH110は、シンボルを配置可能な領域(以下、「シンボル配置可能領域」ともいう)であり、入賞判定が行われる判定領域でもある。ただし、シンボル配置可能領域の全範囲が入賞判定領域である必要はなく、シンボル配置可能領域の一部の範囲が入賞判定領域であってもよい。図示するスロット画面GS11では、3行3列のマトリクス状に9つのシンボルが配置される。シンボルの種類は、絵柄、図柄、数字、色、形状等といったプレイヤーが識別可能な視覚的要素によって区別される。例えば、シンボル配置可能領域RH110に配置されるシンボルは、「メロン」の図柄が付されたシンボルSB101、「プラム」の図柄が付されたシンボルSB102、「チェリー」の図柄が付されたシンボルSB103、「オレンジ」の図柄が付されたシンボルSB104、「BAR」の図柄が付されたシンボルSB105等のように、シンボルの種類を区別する情報としての各種の絵柄、図柄、数字、形状等を付した態様で表示される。シンボル配置可能領域RH110において、9つのシンボルが配置される毎に入賞判定が行われる。なお、以下では、「○○」の図柄(絵柄、数字、形状等)が付されたシンボルのことを、単に「○○」シンボルともいう。
【0013】
シンボル配置可能領域RH110には、縦方向に3本、横方向に3本、斜め方向(スロット画面GS11の対角線方向)に2本の合計8本の入賞ラインが、入賞判定を行う際の判定条件(以下、「入賞条件」ともいう)として設定されている。例えば、入賞ラインの本数は、プレイヤーが賭けたメダルの枚数に関わりなく、この8本に設定される。いずれかの入賞ライン上の3つに配置されるシンボルの種類が全て同一種類となると入賞条件が成立したと判定され、プレイヤーに配当が付与される。つまり、3つの同一種類のシンボルがそれらの間に他の種類のシンボルを挟むことなく一方向に隣接(連続)した場合にプレイヤーに配当が付与される。以下において、この入賞条件が成立したことによってプレイヤーに付与される配当を、「通常報酬」ともいう。
【0014】
的中枚数(WIN)画面GS12には、プレイヤーに配当されるメダルの枚数が表示される。また、ここでは図示を省略しているが、ゲーム画面G10には、プレイヤーがベットした(賭けた)メダルの枚数(ベット枚数)、プレイヤーに払い出しされるメダルの枚数(払出枚数)、プレイヤーがベットすることが可能なメダルとして投入済みのメダルの枚数(クレジット枚数)等が表示される。
【0015】
また、本実施形態に係るスロットゲームでは、シンボル配置可能領域RH110に配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置可能領域RH110の範囲が変化する。例えば、
図2に示す例では、3行3列のマトリクス状の9マスがシンボル配置可能領域RH110の範囲であるが、このシンボル配置可能領域RH110の範囲が、領域変化条件が成立した場合に変化する。
【0016】
ここで、領域変化条件とは、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる条件であって、例えば、シンボル配置可能領域RH110に配置されたシンボルの少なくとも一部が所定の組み合わせになることである。所定の組み合わせとは、例えば、3つの同一種類のシンボルが一方向に隣接(連続)すること、3つの同一種類のシンボルが一方向に隣接(連続)することが同時に複数発生すること、または、特定の種類の3つのシンボルが一方向に隣接(連続)すること等である。なお、領域変化条件は、上記のように配置されたシンボルの組み合わせに限定されるものでは無く、例えば、特定の種類のシンボルが配置されることであってもよい。
【0017】
領域変化条件が成立すると、シンボル配置可能領域RH110の範囲が変化する。
図3から
図6は、シンボル配置可能領域の範囲が変化する例を示す図である。
図3は、シンボル配置可能領域の列が増加する例を示している。図示する例では、シンボル配置可能領域が3行3列である状態(A)から、1回目の領域変化条件が成立すると右側に一列追加されて3行4列となり(B)、2回目の領域変化条件が成立すると左側にさらに一列追加されて3行5列となる(C)。なお、シンボル配置可能領域の列が増加する場合、左右のうちの一方側の列のみが追加されてもよい。
【0018】
図4は、シンボル配置可能領域の行が増加する例を示している。図示する例では、シンボル配置可能領域が3行3列である状態(A)から、1回目の領域変化条件が成立すると上側に一行追加されて4行3列となり(B)、2回目の領域変化条件が成立すると下側にさらに一行追加されて5行3列となる(C)。なお、シンボル配置可能領域の行が増加する場合、上下のうちの一方側の行のみが追加されてもよい。
【0019】
図5は、シンボル配置可能領域の行が減少する例を示している。図示する例では、シンボル配置可能領域が3行3列である状態(A)から、1回目の領域変化条件が成立すると上側の一行(斜線部)が減少して2行3列となり(B)、2回目の領域変化条件が成立するとさらに一行減少して1行3列となる(C)。なお、シンボル配置可能領域の行が減少する場合、下側の行が減少してもよい。また、シンボル配置可能領域の行が減少する代わりに、又はシンボル配置可能領域の行が減少するのに加えて、シンボル配置可能領域の列が減少してもよい。
【0020】
図6は、シンボル配置可能領域がマス単位で減少する例を示している。図示する例では、シンボル配置可能領域が3行3列である状態(A)から、1回目の領域変化条件が成立すると上側の一行の両端のマス(斜線部)が減少し(B)、2回目の領域変化条件が成立すると下側の一行の両端のマス(斜線部)がさらに減少する(C)。なお、シンボル配置可能領域がマス単位で減少する代わりに、又はシンボル配置可能領域がマス単位で減少するのに加えて、シンボル配置可能領域がマス単位で増加するようにしてもよい。
【0021】
なお、シンボル配置可能領域の範囲が変化する態様は、範囲の面積の増加または減少に限られるものではなく、シンボル配置可能領域の範囲の位置が変化するような態様であってもよい。
図7は、シンボル配置可能領域の範囲の位置が変化する例を示している。図示する例では、シンボル配置可能領域が3行3列である状態(A)から、1回目の領域変化条件が成立すると右側に一列追加されるとともに左側の一列が減少し、3行3列の範囲が右側に一列分移動した状態となる(B)。2回目の領域変化条件が成立すると左側にさらに一列追加されるとともに右側の2列が減少し、3行3列の範囲が左側に2列分移動した状態となる(C)。なお、行が増加することによって、シンボル配置可能領域が上下方向に移動してもよい。
【0022】
図8は、シンボル配置可能領域の範囲の位置が変化する別の例を示している。図示する例では、6行6列のマトリクス状の36マスの中でシンボルを配置可能な3行3列の領域が、領域変化条件が成立する毎に左上の3行3列(A)、右上の3行3列(B)、右下の3行3列(C)、左下の3行3列(D)の順に移動する。
【0023】
領域変化条件が成立して、
図3〜
図8のようにシンボル配置可能領域の範囲が変化することによって、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として、プレイヤーに特定の報酬が付与される。以下において、この特定の報酬のことを、前述の「通常報酬」と区別して「特定報酬」ともいう。例えば、特定報酬は、通常報酬よりも高配当が得られる特別な報酬(特別報酬)である。また、上述の特定範囲とは、特定報酬を付与することを判定するための条件として、予め設定されたシンボル配置可能領域の範囲である。例えば、
図3〜
図7のそれぞれの(C)におけるシンボル配置可能領域の範囲を特定範囲としてもよいし、
図8の(D)におけるシンボル配置可能領域の範囲を特定範囲としてもよい。また、特定範囲は、シンボルを配置可能な数(マスの数)で設定されてもよい。
【0024】
〔MPUが実行する処理の機能構成〕
次に、MPU17がゲームを制御するためのプログラムに基づいてゲーム処理を実行するゲーム制御部としての機能構成について説明する。
図9は、本実施形態に係るゲーム制御部110の機能構成の一例を示す図である。図示するゲーム制御部110は、シンボル配置部111と、入賞判定部112と、通常報酬付与部113と、変化条件判定部114と、領域範囲変化部115と、領域範囲基準化部116と、領域範囲判定部117と、特定報酬付与部118と、表示制御部125とを備えている。
【0025】
シンボル配置部111は、スロット画面GS11内のシンボル配置可能領域RH110に複数のシンボルを配置する。例えば、シンボル配置部111は、主記憶装置18に記憶されているシンボルデータを参照して、スロット画面GS11の各マスに出現させるシンボルの種類をそれぞれ抽選により選択する。
図10は、シンボルデータの一例を示す図である。シンボルデータには、シンボル配置可能領域RH110に配置可能なシンボルの種類と、その価値と、その出現確率とが関連付けられている。シンボルの種類には、「プラム」、「オレンジ」、「チェリー」、「メロン」、「ベル」、「BAR1」、「BAR2」、「BAR3」、「青7」、「赤7」等が含まれる。なお、シンボルの種類は、上記に限らず様々な種類のシンボルを用いることができ、例えば、特殊な機能が設定されているシンボル等を用いてもよい。特殊な機能とは、例えば、そのシンボルがシンボル配置可能領域RH110に配置されることで領域変化条件が成立する機能であってもよい。価値は、シンボルの種類毎に予め設定されている。例えば、価値の高いシンボルの種類ほど、入賞条件を満たした場合の配当が大きく設定されている。出現確率は、スロット画面GS11の各マスに出現する(配置される)確率を示している。例えば、価値の高いシンボルの種類ほど出現確率が低く設定される。
【0026】
入賞判定部112は、シンボル配置可能領域RH110(即ち、判定領域)に配置された複数のシンボルの配置に基づいて、入賞条件が成立したか否かにより入賞判定を行う。例えば、入賞判定部112は、シンボル配置部111によりシンボル配置可能領域RH110に複数のシンボルが配置されたことに応じて、シンボル配置可能領域RH110に配置されたシンボルに基づいて入賞条件が成立したか否かを判定する。
【0027】
通常報酬付与部113は、入賞判定部112によって入賞条件が成立したと判定された場合、プレイヤーに通常報酬(通常の配当)を付与する。
【0028】
変化条件判定部114は、シンボル配置部111によって配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置部111によってシンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる領域変化条件が成立しているか否かを判定する。
【0029】
領域範囲変化部115は、変化条件判定部114によって領域変化条件が成立していると判定された場合、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる。例えば、領域範囲変化部115は、領域変化条件が成立していると判定された場合、
図3〜
図7を参照して説明したように、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる。なお、領域範囲変化部115は、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させることで、シンボルを配置可能なマスの数(シンボル配置可能領域の範囲の面積)を変化(増加または減少)させてもよいし、シンボルを配置可能なマスの数を変化させずにシンボル配置可能領域の範囲の位置を移動してもよい。
【0030】
領域範囲基準化部116は、基準化条件が成立した場合にシンボル配置可能領域RH110の範囲を基準範囲にする。ここで、基準範囲とは、特定範囲とは異なる範囲であり、かつ、シンボル配置可能領域RH110の基準とすべき範囲である。例えば、基準範囲とは、
図3〜
図8の(A)に示すようなゲーム開始時のシンボル配置可能領域の範囲である。例えば、領域範囲基準化部116は、基準化条件が成立した場合に、シンボル配置可能領域RH110の範囲をゲーム開始時の範囲に戻す(初期化する)。
【0031】
また、領域範囲基準化部116は、所定のタイミングが到来することを、基準化条件の少なくとも一つとする。例えば、領域範囲基準化部116は、シンボル配置部111によって所定回数(例えば、20回)のシンボルの配置が行われた場合に、所定のタイミングが到来したと判定し、シンボル配置可能領域の範囲を基準範囲に戻す。
【0032】
領域範囲判定部117は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったか否かを判定する。例えば、領域範囲判定部117は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が、基準化条件が成立するまでに特定範囲になったか否かを判定する。特定範囲とは、例えば前述したように、
図3〜
図5のそれぞれの(C)におけるシンボル配置可能領域の範囲であり、所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲で設定されている。例えば、領域範囲判定部117は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が、所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲である場合に特定範囲になったと判定してもよい。
【0033】
また、特定範囲とは、例えば前述したように、
図6の(C)または
図8の(D)におけるシンボル配置可能領域の範囲としてもよい。例えば、領域範囲判定部117は、シンボル配置可能領域の範囲の位置が所定の位置である場合に特定範囲になったと判定してもよい。なお、領域範囲判定部117は、
図6の(C)におけるシンボル配置可能領域の範囲を特定範囲とした場合、シンボルを配置可能な数が所定の数である場合に特定範囲になったと判定してもよい。
【0034】
特定報酬付与部118は、領域範囲判定部117の判定結果に基づいて、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。即ち、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったと領域範囲判定部117によって判定されることを少なくとも条件として、特定報酬を付与する。例えば、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が、基準化条件が成立するまでに特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。
【0035】
表示制御部125は、表示部14に表示させるゲーム画面の画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像信号を表示部14に出力する。これにより、表示制御部125は、ゲーム画面を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部125は、シンボル配置部111により複数のシンボルが配置されるスロット画面GS11が含まれるゲーム画面G10(
図2)を表示部14に表示させる。
【0036】
〔ゲーム処理の動作〕
次に、本実施形態に係るゲーム処理の動作について説明する。
図11は、本実施形態に係るスロットゲームのメインゲーム処理の一例を示すフローチャートである。ここで、メインゲーム処理とは、シンボルの配置とその配置に応じて入賞判定が行われるスロットゲームの処理のことを指す。
【0037】
〔メインゲーム処理の動作〕
まず、ゲーム制御部110は、ゲームの開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS100)。ゲーム開始操作とは、スタートボタン11、ベット操作ボタン12等に対するプレイヤーの押下げ操作である。ゲーム制御部110は、ゲーム開始信号またはベット信号を取得した場合、ゲームの開始操作を受け付けたと判定し、スロット画面GS11内のシンボル配置可能領域RH110に複数のシンボルを配置する(ステップS102)。一方、ゲーム制御部110は、ゲームの開始操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS100の処理を再度実行する。
【0038】
次に、ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域RH110に配置されたシンボルに基づいて、入賞条件が成立したか否かを判定する(ステップS104)。ゲーム制御部110は、入賞条件が成立したと判定した場合(YES)、プレイヤーに通常報酬を付与し(ステップS106)、ステップS108の処理に進める。一方、ゲーム制御部110は、入賞条件が成立していないと判定した場合(NO)、プレイヤーに通常報酬を付与しないで、ステップS108の処理に進む。
【0039】
次に、ステップS108において、ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域RH110に配置されたシンボルに基づいて、領域変化条件が成立したか否かを判定する。ゲーム制御部110は、領域変化条件が成立していないと判定した場合(NO)、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させずに、メインゲーム処理を終了する。一方、ゲーム制御部110は、領域変化条件が成立したと判定した場合(YES)、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる(ステップS110)。
【0040】
次に、ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になったか否かを判定する(ステップS112)。ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になったと判定した場合(YES)、プレイヤーに特定報酬を付与し(ステップS114)、メインゲーム処理を終了する。一方、ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になっていないと判定した場合(NO)、プレイヤーに特定報酬を付与しないで、メインゲーム処理を終了する。
【0041】
〔シンボル配置可能領域の基準化処理の動作〕
次に、シンボル配置可能領域RH110の範囲の基準化処理の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る基準化処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、メインゲーム処理が20回繰り返された場合(即ち、シンボルの配置とその配置に応じた入賞判定の処理が20回繰り返された場合)に基準化条件が成立する例を説明する。
【0042】
まず、ゲーム制御部110は、残りゲーム数及びシンボル配置可能領域RH110の範囲を初期化する(ステップS10)。例えば、ゲーム制御部110は、残りゲーム数を20回に設定する。また、ゲーム制御部110は、シンボル配置可能領域RH110の範囲を、基準範囲(初期値である3行3列のマトリクス状の領域の範囲(
図3〜
図8の(A)参照))に設定することにより初期化する。
【0043】
次に、ゲーム制御部110は、メインゲーム処理を実行する(ステップS12)。このメインゲーム処理は、
図11を参照して説明したメインゲーム処理である。1回分のメインゲーム処理が終了すると、ゲーム制御部110は、残りゲーム数を1減算する(ステップS14)。そして、ゲーム制御部110は、残りゲーム数が0になったか否かを判定する。(ステップS16)。ゲーム制御部110は、残りゲーム数が0になっていないと判定した場合(NO)、ステップS12に処理を戻し、次のメインゲーム処理を実行する。一方、ゲーム制御部110は、残りゲーム数が0になったと判定した場合(YES)、基準化条件が成立したとして、ステップS10に処理を戻す。これにより、メインゲーム処理においてシンボル配置可能領域RH110の範囲が変化していても、シンボル配置可能領域RH110の範囲を基準範囲(初期値である3行3列のマトリクス状の領域の範囲)に戻してから、次のメインゲーム処理が実行される。
【0044】
〔第1の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態に係るゲーム装置1は、複数種類のシンボルを二以上配置可能なシンボル配置部111と、変化条件判定部114と、領域範囲変化部115と、特定報酬付与部118とを備えている。変化条件判定部114は、シンボル配置部111によって配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置部111によってシンボルを配置可能な領域の範囲(例えば、シンボル配置可能領域RH110)を変化させる領域変化条件が成立しているか否かを判定する。領域範囲変化部115は、変化条件判定部114によって上記領域変化条件が成立していると判定された場合、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させる。そして、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。
【0045】
これにより、ゲーム装置1は、シンボル配置可能領域RH110の範囲の変化に基づいてあとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0046】
なお、シンボル配置可能領域RH110の範囲の変化とは、該範囲の面積の増加、減少、または範囲の位置の移動等である。また、ゲーム装置1は、シンボル配置可能領域RH110の範囲を変化させることで、シンボルを配置可能な数を変化させることもできる。
【0047】
また、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったことを条件として特定報酬を付与してもよいし、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったことのみではなく他の条件も加えて特定報酬を付与してもよい。例えば、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になった後、特定の種類のシンボルがシンボル配置可能領域RH110の範囲に配置されること、または特定の種類のシンボルがシンボル配置可能領域RH110において所定の配置状態になること等を条件として、特定報酬を付与してもよい。
【0048】
変化条件判定部114は、シンボル配置部111により配置されたシンボルの少なくとも一部が所定の組み合わせになっていることを、領域変化条件の少なくとも一つとする。
【0049】
なお、領域範囲変化部115は、所定のシンボルの組み合わせが成立した数に応じて、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲を変化させてもよい。
【0050】
また、領域範囲変化部115は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲を変化させることで、シンボルを配置可能な位置を変化させてもよい。この場合、シンボルを配置可能な数は変化しないが、シンボルを配置可能な位置が変化する。
【0051】
また、ゲーム装置1は、基準化条件が成立した場合にシンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲を基準範囲にする領域範囲基準化部116を備えてもよい。例えば、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が、上記基準化条件が成立するまでに特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与してもよい。これにより、ゲーム装置1は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0052】
例えば、領域範囲基準化部116は、所定のタイミングが到来することを、上記基準化条件の少なくとも一つとする。これにより、ゲーム装置1は、所定のタイミングでシンボル配置可能領域RH110の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0053】
具体的には、領域範囲基準化部116は、シンボル配置部111によって所定回数のシンボルの配置が行われた場合に、所定のタイミングが到来したと判定する。これにより、ゲーム装置1は、シンボルの配置を所定回数行う度にシンボル配置可能領域RH110の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0054】
なお、基準化条件は、ゲーム内の経過時間に基づく条件であってもよい。つまり、領域範囲基準化部116Aは、ゲーム内で所定時間が経過するとシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻してもよい。
【0055】
また、ゲーム装置1は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲が特定範囲になったか否かを判定する領域範囲判定部117を備えている。そして、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったと領域範囲判定部117によって判定されることを少なくとも条件として、特定報酬を付与する。これにより、ゲーム装置1は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与できるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0056】
例えば、領域範囲判定部117は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲が、上記基準化条件が成立するまでに特定範囲になったか否かを判定してもよい。これにより、ゲーム装置1は、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0057】
また、例えば、領域範囲判定部117は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲が、所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲である場合に特定範囲になったと判定する。これにより、ゲーム装置1は、プレイヤーが特定報酬を獲得できるシンボル配置可能領域RH110の範囲を所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲で定めるため、あとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができる。
【0058】
なお、特定範囲は、所定数のシンボルが配置可能な範囲であってもよい。例えば、領域範囲判定部117は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲に所定数のシンボルが配置可能である場合に、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったと判定してもよい。
【0059】
また、特定範囲は、特定の配置場所を含む又は含まない範囲であってもよい。例えば、領域範囲判定部117は、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH110)の範囲が、特定の配置場所を含む又は含まない範囲である場合に、シンボル配置可能領域RH110の範囲が特定範囲になったと判定してもよい。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係るゲーム装置の基本的な構成は、
図1に示すゲーム装置1の構成と同様である。なお、以下において、本実施形態に係るゲーム装置のことをゲーム装置1Aと記述する。本実施形態では、ゲームの処理が第1の実施形態と異なるため、ゲームの処理とそのゲームの処理を実行する機能構成について説明する。
【0061】
〔ゲームの概要〕
まず、本実施形態に係るゲームの概要について説明する。
図13は、本実施形態に係るスロットゲームのゲーム画面の一例を示す図である。この図に示す符号G20は、本実施形態のゲーム画面全体のエリアを示しており、以下の記述においてはゲーム画面内に表示される内容によらずゲーム画面G20ということとする。ゲーム画面G20には、スロット画面GS21と、アイテムゲージGS22(TREASURE STOCK)と、残りゲーム数画面GS23と、入賞報酬(WIN)画面GS24と、が表示される。
【0062】
スロット画面GS21内の符号RH210に示す領域は、シンボル配置可能領域である。この図に示すシンボル配置可能領域RH210は、円柱状のタワー(塔)の形状をしている。このタワーは、垂直方向に15分割された15の階層から構成されている。また、各階層において、タワーの全周のうちの表示される側の面が水平方向に5分割されており、5分割された各マスには5つのシンボルが配置可能となっている。即ち、本実施形態のスロット画面GS21では、15階層(行に相当)5列のマトリクス状に75個のシンボルが最大で配置可能である。例えば、タワーの全階層がそれぞれ回転し、上の階層から順に回転が停止して、各階層にシンボルが配置される。ここで、各階層に配置されるシンボルの種類は、抽選によって決定される。
【0063】
シンボル配置可能領域RH210の範囲(15階層5列)うち符号RH211が示す範囲(3階層3列)は、入賞判定が行われる判定領域(入賞判定領域)である。一方、シンボル配置可能領域RH210の範囲のうち判定領域RH211以外の範囲(斜線部)は、入賞判定が行われない非判定領域RH212である。例えば、シンボル配置可能領域RH210を構成するタワーは、氷で作られたタワーを表現したものである。入賞判定が行われない非判定領域RH212の範囲(斜線部)では、氷で閉ざされた中に配置されているシンボルが氷の壁を通して薄く見えるように表現されている。一方、入賞判定が行われる判定領域RH211の範囲では、氷の壁が解けており、その範囲に配置されているシンボルがはっきりと見えるように表現されている。
【0064】
本実施形態のシンボルの種類には、基本シンボルと、図柄が付されていない「null」シンボルSB205と、特殊シンボルとがある。基本シンボルとしては、「青7」シンボルSB201、「赤7」シンボルSB202、「銀7」シンボルSB203、及び「金7」シンボルSB204等がある。また、特殊シンボルとしては、「FREE」シンボルSB206、及び「範囲変化」シンボルSB207等がある。各階層はそれぞれリールとして回転し、回転を停止することによってシンボル配置可能領域RH210にシンボル(基本シンボル又は「null」シンボル)を表示する。回転を停止するタイミング又は位置は抽選によって決定する。さらに、シンボル配置可能領域RH210にシンボルを表示するごとに、シンボル配置可能領域RH210の各階層に対して特殊シンボルを追加するか否かの抽選を行う。特殊シンボルを追加するとの抽選結果である場合には、既に停止表示されたシンボルを特殊シンボルに置き換える。特殊シンボルの出現確率は、階層ごとに設定されてもよい。例えば、範囲変化シンボルは、上の階層になるほど出現確率が高く設定されてもよい。
【0065】
本実施形態に係るスロットゲームでは、判定領域RH211の3階層3列の範囲に配置されたシンボルにおいてシンボルの消去条件が成立した場合、その消去条件が成立したシンボルが消去される。シンボルの消去条件とは、判定領域RH211に配置されたシンボルの配置に基づく条件であり、例えば、同一種類のシンボルが特定の配置状態になることである。例えば、判定領域RH211の範囲において、同一種類の基本シンボルが縦または横に3つ以上連なった状態(以下、この状態を「コネクト」ともいう)が発生すると、通常報酬が付与されるとともに、消去条件が成立したと判定され、そのシンボルが消去される。また、消去されたシンボルが配置されていた場所には、その上側に配置されているシンボルが落下し、落下した後に再び入賞判定及び消去判定が行われる。シンボルが落下した後に消去条件が成立すると(コネクトが発生すると)、そのシンボルも同様に消去され、消去条件が成立しない配置状態になるまでは連鎖してシンボルが消去される。なお、「null」シンボルSB205は、氷のブロックを表現したものであり、例えば、3回落下すると消滅する。また、判定領域RH211の範囲に配置されたシンボルの少なくとも一部において入賞条件が成立した場合、プレイヤーに通常報酬が付与される。入賞条件とは、例えば、上述のコネクトの発生であり、コネクトが成立したシンボルの種類、数、または連鎖の数などによって通常報酬として付与される配当が変化する。このように、各階層はリールとして回転するものの、シンボルの消去や消滅によってリールを構成するシンボルの種類が動的に変化する。
【0066】
図14は、コネクトとなるシンボルの配置状態を説明する図である。この図において、斜線のマスに同一種類のシンボルが配置されているものとする。(A)に示すシンボルの配置状態は、縦または横にシンボルが3つ以上連なった状態であるため、コネクトが成立している。一方、(B)に示すシンボルの配置状態は、横にシンボルが2つ連なっている状態であるため、コネクトが成立していない。
【0067】
図15は、通常報酬としての配当の一例を示す図である。図示する例は、コネクトが発生したときに通常報酬として付与される配当を示している。例えば、コネクトが成立したシンボルの種類としては、「青7」、「赤7」、「銀7」、「金7」の順に配当が高く設定されている。また、コネクトの結合数(連なったシンボル数)が多いほど、配当が高く設定されている。
【0068】
図13に戻り、シンボル配置可能領域RH210の最上部(最上階層の上)には、アイテムが表示される(符号ZA、ZD参照)。アイテムは、後述するジャックポットにおいて付与される特定報酬の一部となる特定価値を示している。また、ゲーム中にプレイヤーが獲得したアイテムは、アイテムゲージGS22に蓄積され、蓄積されたアイテムとシンボル配置可能領域RH210の最上部に表示されたアイテムとに基づいて、特定報酬の一部が決定される。例えば、アイテムとしては、価値の大小が異なる複数種類のアイテムA、B、C、Dがある。
図16は、各アイテムの価値の設定例を示す図である。図示する例では、アイテムDが最も価値が高く設定されており、アイテムCが次に価値が高く、アイテムBがその次に価値が高く、そして、アイテムAが最も価値が低く設定されている。
【0069】
〔特殊シンボルについて〕
次に、判定領域RH211の範囲に特殊シンボルが出現した場合の処理について説明する。シンボル配置可能領域RH210の範囲において、シンボルの消去条件が成立しなくなると(例えば、コネクトが発生しなくなると)、判定領域RH211に特殊シンボルが出現したか否かの判定が行われる。特殊シンボルが出現した場合、その出現したシンボルに応じた処理が行われる。
【0070】
〔「範囲変化」シンボルが出現した場合の処理〕
まず、「範囲変化」シンボルが出現した場合の処理ついて説明する。
図17は、「範囲変化」シンボルが出現した場合の処理の説明図である。(A)は、判定領域RH211に「範囲変化」シンボルSB207が出現した様子を示している。判定領域RH211に「範囲変化」シンボルSB207が出現した場合、(B)に示すように爆発演出が発生し、「範囲変化」シンボルSB207が出現した階層に配置されているシンボルが消滅する(消去される)。また、(C)及び(D)に示すように、その「範囲変化」シンボルSB207が出現した階層自体も吹き飛ばされ(消去され)、上の階層が1段下がる。即ち、シンボル配置可能領域RH210の範囲が1階層分消去されることにより変化する。
【0071】
図18は、「範囲変化」シンボルの出現によってシンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になる例を示す説明図である。(A)は、シンボル配置可能領域RH210の範囲が4階層5列であって、判定領域RH211に「範囲変化」シンボルSB207が出現した様子を示している。また、本実施形態における特定範囲は、3階層以下の範囲であるものとする。判定領域RH211に「範囲変化」シンボルSB207が出現した場合、(B)に示すように爆発演出が発生し、(C)及び(D)に示すように、その「範囲変化」シンボルSB207が出現した階層自体が吹き飛ばされ(消去され)、上の階層が1段下がる。そして、(D)に示すように、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲(例えば、3階層以下の範囲)に変化したため、この場合、ジャックポットが発動し、特定報酬が付与される。ジャックポットについて詳しくは後述する。
【0072】
なお、基準化条件が成立するまでにシンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲にならなかった場合には、シンボル配置可能領域RH210の範囲は初期値(15階層5列)に戻る。例えば、基準化条件は、メインゲーム処理(スロットゲームの処理)が20回繰り返されること(即ち、シンボルの配置とその配置に応じた入賞判定(連鎖の場合には連鎖が終わるまで)の処理が20回繰り返されること)である。
図13に示す残りゲーム数画面GS23には、基準化条件が成立するまでの残りのゲーム数が表示される。ここで、基準化条件が成立するまでの残りのゲーム数に応じて、画面の明暗を変化させたり、色柄を変化させたりして、ゲーム演出を変化させることも可能である。
【0073】
なお、基準化条件は、ゲームの経過時間に基づく条件であってもよい。例えば、所定時点から経過時間の計時を開始し、所定時間が経過すると、シンボル配置可能領域RH210の範囲が初期値(15階層5列)に戻ってもよい。この場合、所定時間が経過するまでにジャックポットを獲得することが、このゲームにおける主要な目的の一つとなる。
【0074】
また、同時に複数の「範囲変化」シンボルが異なる階層に出現した場合、「範囲変化」シンボルが出現した複数の階層と、その複数の階層に配置されているシンボルとの全てが消去される。また、「範囲変化」シンボルSB207によって階層が消去された場合には、所定の確率でアイテムがアイテムゲージGS22に蓄積される。アイテムが蓄積される確率は、消去した階層の数によって変化する。より多くの階層が消去された方が、アイテムが蓄積される確率は高くなる。また、ベット量が多い程より価値の高いアイテムが蓄積され易いようにしてもよい。
図19は、アイテムが蓄積される確率の一例を示す図である。図示する例は、同時に消去した階層の数に対するアイテムの蓄積確率を示している。同時に消去した階層の数が多いほどアイテムの蓄積確率が高く設定されている。
【0075】
アイテムゲージGS22には、例えば、最大で12個のアイテムが蓄積される。12個のアイテムがアイテムゲージGS22に蓄積されている状態でさらにアイテムをプレイヤーが獲得した場合には、最初に蓄積されたアイテムから順に押し出されて消滅し、その代わりに、獲得したアイテムが蓄積される。さらに、押し出されたアイテムに基づく報酬がプレイヤーに付与される。
【0076】
〔「FREE」シンボルが出現した場合の処理〕
次に、「FREE」シンボルが出現した場合の処理ついて説明する。判定領域RH211に「FREE」シンボルが出現した場合、判定領域RH211の範囲が動的に変化する。例えば、判定領域RH211の範囲に「FREE」シンボルが出現すると、判定領域RH211の範囲が拡大するフリーアタックゲームが開始される。例えば、フリーアタックゲームでは、その時点のシンボル配置可能領域RH210の全ての範囲が判定領域RH211となる。即ち、判定領域RH211の範囲がシンボル配置可能領域RH210の全範囲に広がる。なお、ここでは、判定領域RH211の範囲がシンボル配置可能領域RH210の全範囲に広がる例を説明するが、シンボル配置可能領域RH210の範囲内の一部の範囲に広がってもよい。
【0077】
図20は、フリーアタックゲームのゲーム画面の一例を示す図である。図示するフリーアタックゲームのゲーム画面G20は、シンボル配置可能領域RH210の範囲が15階層5列であって、その範囲全てが判定領域RH211の範囲となっている。フリーアタックゲームでは、判定領域RH211の範囲が広がることで「範囲変化」シンボルによる階層の消去が行われやすくなるので、ジャックポット獲得へのプレイヤーの期待感が増大する。
【0078】
〔ジャックポットの処理〕
シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になるとプレイヤーに特定報酬が付与される。特定報酬とは、例えば、通常報酬よりも高配当が得られる特別な報酬(特別報酬)であり、ジャックポット報酬ということもある。特定報酬は、固定報酬又は変動報酬であってもよいし、それらを組み合わせた報酬であってもよい。例えば、特定報酬はプログレッシブ報酬であってもよい。また、特定報酬は、固定報酬と、蓄積されたアイテムに基づく変動報酬を加算した報酬であってもよい。アイテムに基づく変動報酬は、アイテムゲージGS22に蓄積されているアイテムとシンボル配置可能領域RH210の最上部に表示されたアイテムとに基づいて決定される。
【0079】
図21は、ジャックポットのゲーム画面の一例を示す図である。図示するジャックポットのゲーム画面G20では、シンボル配置可能領域RH210の範囲が3階層5列であり、特定範囲(例えば、3階層以下の範囲)に変化しているため、特定報酬が付与される。シンボル配置可能領域RH210の最上部には、固定報酬への加算対象となるアイテムとしてアイテムA及びアイテムDが表示されている(符号ZA、ZD参照)。この場合、アイテムゲージGS22に蓄積されているアイテムのうち、アイテムA及びアイテムDの価値に基づく変動報酬が固定報酬に加算される。例えば、アイテムゲージGS22に蓄積されているアイテムのうちの3つのアイテムAの価値と1つのアイテムDの価値とに基づく変動報酬が固定報酬に加算される。また、固定報酬への加算対象となったアイテムA及びアイテムDは、アイテムゲージGS22から消去される。アイテムゲージGS22に残っているアイテムは、以降のゲームにおいて利用可能なように持ち越される。また、特定報酬が付与された後、シンボル配置可能領域RH210の範囲は、初期値(15階層5列)に戻る。
【0080】
なお、シンボル配置可能領域RH210の最上部に表示される2つのアイテムが同一種類の場合には、その種類のアイテムの価値の2倍に基づく変動報酬が固定報酬に加算される。また、シンボル配置可能領域RH210の最上部には、全ての種類のアイテムの価値に基づく変動報酬を固定報酬への加算対象とする特別な価値を有するアイテムが表示されてもよい。この特別な価値を有するアイテムがシンボル配置可能領域RH210の最上部に表示された場合、アイテムゲージGS22に蓄積されている全てのアイテムの価値に基づく変動報酬が固定報酬に加算される。
【0081】
〔MPUが実行する処理の機能構成〕
次に、本実施形態に係るゲーム装置1Aに備えられたMPU17が、ゲームを制御するためのプログラムに基づいてゲーム処理を実行するゲーム制御部としての機能構成について説明する。
図22は、本実施形態に係るゲーム制御部110Aの機能構成の一例を示す図である。図示するゲーム制御部110Aは、シンボル配置部111Aと、入賞判定部112Aと、通常報酬付与部113Aと、変化条件判定部114Aと、領域範囲変化部115Aと、領域範囲基準化部116Aと、領域範囲判定部117Aと、特定報酬付与部118Aと、特定価値蓄積部119Aと、消去条件判定部120Aと、シンボル消去部121Aと、表示制御部125Aと、を備えている。
【0082】
シンボル配置部111Aは、
図9に示すシンボル配置部111に対応し、本実施形態では、スロット画面GS21内のシンボル配置可能領域RH210に複数のシンボルを配置する。例えば、シンボル配置部111Aは、基本シンボル(「青7」、「赤7」、「銀7」、「金7」)と、「null」シンボルと、特殊シンボル(「範囲変化」、「FREE」)とから抽選した複数のシンボルをシンボル配置可能領域RH210に配置する。
【0083】
入賞判定部112Aは、
図9に示す入賞判定部112に対応し、本実施形態では、シンボル配置可能領域RH210内の判定領域RH211に配置された複数のシンボルの配置に基づいて、入賞条件が成立したか否かにより入賞判定を行う。即ち、入賞判定部112Aは、シンボル配置部111Aにより配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて入賞条件が成立したか否かを判定する。
【0084】
通常報酬付与部113Aは、
図9に示す通常報酬付与部113に対応し、本実施形態では、入賞判定部112Aよって入賞条件が成立したと判定された場合、プレイヤーに通常報酬(通常の配当)を付与する。
【0085】
変化条件判定部114Aは、
図9に示す変化条件判定部114に対応し、本実施形態では、シンボル配置部111Aによって配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置部111Aによってシンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる領域変化条件が成立しているか否かを判定する。例えば、変化条件判定部114Aは、シンボル配置部111Aによって判定領域RH211に配置されたシンボル(シンボル配置部111Aによって配置されたシンボルの少なくとも一部)に、「範囲変化」シンボルが含まれていることを、上記領域変化条件の少なくとも一つとする。
【0086】
なお、変化条件判定部114Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲のうち、領域変化条件が成立しているか否かを判定する領域(即ち、判定領域RH211)の範囲を動的に変化させてもよい。例えば、変化条件判定部114Aは、シンボル配置部111Aによって判定領域RH211に配置されたシンボルに、「FREE」シンボルが含まれていることを、判定領域RH211の範囲を変化させる条件の少なくとも一つとしてもよい。この場合、変化条件判定部114Aは、判定領域RH211に「FREE」シンボルが配置された場合、フリーアタックゲームを開始し、判定領域RH211の範囲をシンボル配置可能領域RH210の範囲に広げてもよい。なお、ここでは、入賞判定を行う判定領域RH211と、領域変化条件が成立しているか否かを判定する判定領域RH211とが同じ範囲である例を示しているが、同じ範囲である必要はなく、シンボル配置可能領域RH210のうちの異なる範囲がそれぞれの判定領域として設定されてもよい。
【0087】
領域範囲変化部115Aは、
図9に示す領域範囲変化部115に対応し、本実施形態では、変化条件判定部114Aによって領域変化条件が成立していると判定された場合、シンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる。例えば、領域範囲変化部115Aは、判定領域RH211に「範囲変化」シンボルが配置された場合、「範囲変化」シンボルが配置された階層を消去して上の階層を1段下げることでシンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる(
図17、18参照)。また、領域範囲変化部115Aは、「範囲変化」シンボルの配置された数に応じて、シンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる。例えば、領域範囲変化部115Aは、「範囲変化」シンボルが複数の階層に配置された場合、その複数の階層を消去する。このように、領域範囲変化部115Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させることで、シンボルを配置可能な数を変化させる。
【0088】
領域範囲基準化部116Aは、
図9に示す領域範囲基準化部116に対応し、本実施形態では、基準化条件が成立した場合にシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲にする。ここで、基準範囲とは、特定範囲とは異なる範囲であり、かつ、シンボル配置可能領域RH210の基準とすべき範囲である。例えば、基準範囲とは、
図13に示すようなゲーム開始時のシンボル配置可能領域RH210の範囲(15階層5列)である。例えば、領域範囲基準化部116Aは、メインゲーム処理(スロットゲームの処理)が20回繰り返された場合、シンボル配置可能領域RH210の範囲をゲーム開始時の範囲(初期値(15階層5列))に戻す(初期化する)。
【0089】
なお、基準化条件は、ゲームの経過時間に基づく条件であってもよい。例えば、領域範囲基準化部116Aは、所定時点から経過時間の計時を開始し、所定時間が経過すると、シンボル配置可能領域RH210の範囲を初期値(15階層5列)に戻してもよい。
【0090】
領域範囲判定部117Aは、
図9に示す領域範囲判定部117に対応し、本実施形態では、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲(例えば、3階層以下)に変化しているか否かを判定する。
【0091】
特定報酬付与部118Aは、
図9に示す特定報酬付与部118に対応し、本実施形態では、領域範囲判定部117Aの判定結果に基づいて、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。即ち、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったと領域範囲判定部117Aによって判定されることを少なくとも条件として、特定報酬を付与する。例えば、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が、基準化条件が成立するまでに特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。また、特定報酬付与部118Aは、アイテムゲージGS22に蓄積されたアイテム(特定価値)に基づく報酬(変動報酬)を、特定報酬の一部として加算する。
【0092】
特定価値蓄積部119Aは、価値の大小が異なる複数種類の特定価値を蓄積する。例えば、特定価値蓄積部119Aは、それぞれ価値が異なる複数種類のアイテム(アイテムA、B、C、D)を、上記の特定価値としてアイテムゲージGS22に蓄積する。
【0093】
消去条件判定部120Aは、シンボル配置可能領域RH210に配置された少なくとも一部に基づいて、シンボルの消去条件が成立したか否かを判定する。例えば、消去条件判定部120Aは、判定領域RH211に配置されたシンボルの配置に基づいて消去条件が成立したか否かを判定する。具体的には、消去条件判定部120Aは、判定領域RH211に配置されたシンボルの配置状態にコネクトが発生している場合、消去条件が成立したと判定する。一方、消去条件判定部120Aは、判定領域RH211に配置されたシンボルの配置状態にコネクトが発生していない場合、消去条件が成立していないと判定する。
【0094】
シンボル消去部121Aは、消去条件判定部120Aによってシンボルの消去条件が成立したと判定された場合、消去条件が成立したシンボルを判定領域RH211から消去する。また、このとき、シンボル消去部121Aは、消去されたシンボルが配置されていた場所には上側に配置されているシンボルを落下させて移動させる。
【0095】
表示制御部125Aは、
図9に示す表示制御部125に対応し、表示部14に表示させるゲーム画面の画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像信号を表示部14に出力する。例えば、本実施形態では、表示制御部125Aは、シンボル配置部111Aにより複数のシンボルが配置されるスロット画面GS21が含まれるゲーム画面G20(
図13、
図20、
図21等)を表示部14に表示させる。
【0096】
〔ゲーム処理の動作〕
次に、本実施形態に係るゲーム処理の動作について説明する。
図23は、本実施形態に係るスロットゲームのメインゲーム処理(スロットゲームの処理)の一例を示すフローチャートである。
【0097】
〔メインゲーム処理の動作〕
まず、ゲーム制御部110Aは、ゲームの開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS200)。ゲーム開始操作とは、スタートボタン11、ベット操作ボタン12等に対するプレイヤーの押下げ操作である。ゲーム制御部110Aは、ゲーム開始信号またはベット信号を取得した場合、ゲームの開始操作を受け付けたと判定し、スロット画面GS21内のシンボル配置可能領域RH210に複数のシンボルを配置する(ステップS202)。一方、ゲーム制御部110Aは、ゲームの開始操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS200の処理を再度実行する。
【0098】
次に、ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域RH210に配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、入賞条件が成立したか否かを判定する(ステップS204)。ゲーム制御部110Aは、入賞条件が成立したと判定した場合(YES)、プレイヤーに通常報酬を付与し(ステップS206)、ステップS208の処理に進める。一方、ゲーム制御部110Aは、入賞条件が成立していないと判定した場合(NO)、プレイヤーに通常報酬を付与しないで、ステップS208の処理に進む。
【0099】
次に、ステップS208において、ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域RH210に配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボルの消去条件が成立したか否かを判定する。ゲーム制御部110Aは、シンボルの消去条件が成立したと判定した場合(YES)、消去対象のシンボル(消去条件が成立したシンボル)を消去し、上の階層のシンボルを落下させる。(ステップS210)。そして、ゲーム制御部110Aは、ステップS204に処理を戻し、シンボルの消去条件が成立しなくなるまで、ステップS204からステップS210の処理を繰り返す。一方、ゲーム制御部110Aは、ステップS208において、シンボルの消去条件が成立していないと判定した場合(NO)、ステップS212の処理に進む。
【0100】
次に、ステップS212において、ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域RH210に配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置可能領域RH210の領域変化条件が成立したか否かを判定する。例えば、ゲーム制御部110Aは、判定領域RH211に「範囲変化」シンボルが出現したか否かによって、シンボル配置可能領域RH210の領域変化条件が成立したか否かを判定する。ゲーム制御部110Aは、「範囲変化」シンボルが出現した(シンボル配置可能領域RH210の領域変化条件が成立した)と判定した場合(YES)、「範囲変化」シンボルが出現した階層とその階層の全てのシンボルを消去してシンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる(ステップS214)。また、ゲーム制御部110Aは、「範囲変化」シンボルによってシンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させた場合に、所定の確率に基づいてアイテムをアイテムゲージGS22に蓄積させる。
【0101】
次に、ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になったか否かを判定する(ステップS216)。ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になったと判定した場合(YES)、プレイヤーに特定報酬を付与し(ステップS218)、メインゲーム処理を終了する。一方、ゲーム制御部110Aは、シンボル配置可能領域の範囲が特定範囲になっていないと判定した場合(NO)、プレイヤーに特定報酬を付与しないで、メインゲーム処理を終了する。
【0102】
一方、ゲーム制御部110Aは、ステップS212において「範囲変化」シンボルが出現していない(シンボル配置可能領域RH210の領域変化条件が成立していない)と判定した場合(NO)、「FREE」シンボルが出現したか否かを判定する(ステップS220)。ゲーム制御部110Aは、「FREE」シンボルが出現したか否かによって、判定領域RH211の領域変化条件が成立したか否かを判定する。
【0103】
ゲーム制御部110Aは、「FREE」シンボルが出現した(判定領域RH211の領域変化条件が成立した)と判定した場合(YES)、判定領域RH211の範囲をシンボル配置可能領域RH210の範囲に広げ、ステップS202の処理に戻す(ステップS222)。これにより、フリーアタックゲームが開始され、判定領域RH211の範囲を拡大した状態でメインゲーム処理が行われる。なお、フリーアタックゲームが開始されると、ステップS200の処理を経由せずにシンボルの配置が行われる。つまり、フリーアタックゲームでは、プレイヤーのベットを条件とせずにシンボルの配置が行われる。
【0104】
一方、ゲーム制御部110Aは、ステップS220において「FREE」シンボルが出現していない(判定領域RH211の領域変化条件が成立していない)と判定した場合(NO)、フリーアタックゲームを実行中であるか否かを判定する(ステップS224)。ゲーム制御部110Aは、フリーアタックゲームを実行中でないと判定した場合(NO)、メインゲーム処理を終了する。また、ゲーム制御部110Aは、フリーアタックゲームを実行中であると判定した場合(YES)、実行中のフリーアタックゲームが規定回数分終了したか否かを判定する(ステップS226)。この規定回数とは、フリーアタックゲームの仕様で規定されているフリーアタックゲーム内でシンボルの配置が行われる回数である。ゲーム制御部110Aは、フリーアタックゲームが規定回数分終了していないと判定した場合(NO)、ステップS202の処理に戻し、フリーアタックゲームを継続して実行する。一方、ゲーム制御部110Aは、フリーアタックゲームが規定回数分終了したと判定した場合(YES)、判定領域RH211の範囲を初期化して(3階層3列に戻して)、メインゲーム処理を終了する。これにより、フリーアタックゲームが終了する。
【0105】
〔シンボル配置可能領域の基準化処理の動作〕
シンボル配置可能領域RH210の範囲の基準化処理の動作は、
図12に示す第1の実施形態に係るシンボル配置可能領域RH110の範囲の基準化処理の動作と同様である。例えば、ゲーム制御部110Aは、メインゲーム処理を実行するごとに残りゲーム数を1減算し、残りゲーム数が0になったと判定した場合(例えば、メインゲーム処理が20回繰り返された場合)、基準化条件が成立したとして、シンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲(初期値(15階層5列))に設定することにより初期化してから、次のメインゲーム処理を実行する。
【0106】
なお、前述したように、基準化条件は、ゲームの経過時間に基づく条件であってもよい。例えば、ゲーム制御部110Aは、所定時点から経過時間の計時を開始し、所定時間が経過すると、シンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲(初期値(15階層5列))に戻してもよい。
【0107】
〔第2の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態に係るゲーム装置1Aは、複数種類のシンボルを二以上配置可能なシンボル配置部111Aと、変化条件判定部114Aと、領域範囲変化部115Aと、特定報酬付与部118Aとを備えている。変化条件判定部114Aは、シンボル配置部111Aによって配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、シンボル配置部111Aによってシンボルを配置可能な領域の範囲(例えば、シンボル配置可能領域RH210)を変化させる領域変化条件が成立しているか否かを判定する。領域範囲変化部115Aは、変化条件判定部114Aによって上記領域変化条件が成立していると判定された場合、シンボル配置可能領域RH210の範囲を変化させる。そして、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。
【0108】
これにより、ゲーム装置1Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲の変化に基づいてあとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0109】
なお、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったことを条件として特定報酬を付与してもよいし、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったことのみではなく他の条件も加えて特定報酬を付与してもよい。例えば、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になった後、特定の種類のシンボルが判定領域RH211の範囲に配置されること、または特定の種類のシンボルが判定領域RH211において所定の配置状態になること等を条件として、特定報酬を付与してもよい。
【0110】
変化条件判定部114Aは、シンボル配置部111Aによって配置されたシンボルの少なくとも一部(例えば、判定領域RH211)に「範囲変化」シンボル(所定の種類のシンボルの一例)が含まれていることを、領域変化条件(例えば、シンボル配置可能領域RH210の領域変化条件)の少なくとも一つとする。これにより、ゲーム装置1Aは、「範囲変化」シンボルの出現がシンボル配置可能領域RH210の範囲の変化を起こし、その変化が特定報酬の付与へ繋がるため、あとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができる。
【0111】
領域範囲変化部115Aは、「範囲変化」シンボル(所定の種類のシンボルの一例)の配置された数に応じて、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲を変化させる。これにより、ゲーム装置1Aは、「範囲変化」シンボルが多くの階層に出現するほど、シンボル配置可能領域RH210において消去する階層が多くなるため、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になりやすくなり、プレイヤーが特定報酬を獲得する確率を高めることができる。
【0112】
なお、シンボル配置部111Aは、複数のシンボルがそれぞれ割り当てられる複数の回転可能な階層(リール)の回転を停止させる表示を行うことにより、複数種類のシンボルを配置可能である。領域範囲変化部115Aは、複数のシンボルがそれぞれ割り当てられる複数の階層(リール)のうちの一部の階層(リール)を削除することにより、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲を変化(減少)させる。なお、領域範囲変化部115Aは、複数のシンボルがそれぞれ割り当てられる新たな階層(リール)を追加することにより、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲を変化(増加)させてもよい。
【0113】
変化条件判定部114Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲のうち、領域変化条件(例えば、判定領域RH211の領域変化条件)が成立しているか否かを判定する領域(例えば、判定領域RH211)の範囲を変化させる。例えば、変化条件判定部114Aは、判定領域RH211に「FREE」シンボルが配置されたことを条件として、判定領域RH211の範囲をシンボル配置可能領域RH210の範囲に広げる(フリーアタックゲーム)。これにより、ゲーム装置1Aは、判定領域RH211の範囲を広げることで「範囲変化」シンボルによるシンボル配置可能領域RH210の範囲の変化が発生しやすくなるため、特定報酬へのプレイヤーの期待感を増大させることができる。
【0114】
なお、判定領域RH211は、領域変化条件が成立しているか否かを判定する領域であるが、入賞条件が成立したか否かを判定する領域でもある。つまり、入賞判定部112Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲のうち、入賞条件が成立したか否かを判定する領域(例えば、判定領域RH211)の範囲を動的に変化させる。
【0115】
領域範囲変化部115Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲を変化させることで、シンボルを配置可能な数を変化させる。これにより、ゲーム装置1Aは、シンボルを配置可能な数に基づいて、特定報酬を付与することもできる。例えば、ゲーム装置1Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲に配置可能なシンボル数が特定の数、特定の数以上、または特定の数未満になった場合、特定報酬を付与してもよい。
【0116】
また、ゲーム装置1Aは、価値の大小が異なる複数種類のアイテム(特定価値の一例)を蓄積可能な特定価値蓄積部119Aを備えている。例えば、ゲーム装置1Aは、蓄積されたアイテムのうち一以上の種類のアイテムを選択して、特定報酬の一部とすることが可能である。
【0117】
例えば、特定価値蓄積部119Aにより蓄積されたアイテムは、プレイヤーが獲得したアイテムであり、ゲーム画面G20においてアイテムゲージGS22に表示される。特定報酬付与部118Aは、蓄積されたアイテムのうち一以上の種類のアイテムを選択して、特定報酬の一部とする。例えば、選択されるアイテムの種類は、シンボル配置可能領域RH210の最上部に表示される。なお、アイテムゲージGS22に残っているアイテムは、以降のゲームにおいて利用可能なように持ち越される。また、アイテムゲージGS22に蓄積されたアイテムは、基準化条件が成立した場合でも、以降のゲームに持ち越される。
【0118】
これにより、ゲーム装置1Aは、ゲーム中に獲得されたアイテムに基づいて、特定報酬の価値を高めることができ、特定報酬に対するプレイヤーの期待感をさらに高めることができる。
【0119】
また、ゲーム装置1Aは、基準化条件が成立した場合にシンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲を基準範囲にする領域範囲基準化部116Aを備えてもよい。例えば、特定報酬付与部118は、シンボル配置可能領域RH210の範囲が、上記基準化条件が成立するまでに特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与してもよい。これにより、ゲーム装置1Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0120】
例えば、領域範囲基準化部116Aは、所定のタイミングが到来することを、上記基準化条件の少なくとも一つとする。これにより、ゲーム装置1Aは、所定のタイミングでシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0121】
具体的には、領域範囲基準化部116Aは、シンボル配置部111Aによって所定回数のシンボルの配置が行われた場合に、所定のタイミングが到来したと判定する。これにより、ゲーム装置1Aは、シンボルの配置を所定回数行う度にシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0122】
なお、フリーアタックゲーム中は、基準化条件を判定するためのシンボルの配置回数を計数しない。例えば、プレイヤーのベットを条件としてシンボルを配置する通常ゲームの状態と、プレイヤーのベットを条件とせずにシンボルを配置するフリーアタックゲームの状態とで異なる処理とする。具体的には、領域範囲基準化部116Aは、通常ゲームにおいてシンボル配置部111Aによって所定回数のシンボルの配置が行われた場合に、所定のタイミングが到来したと判定する。一方、領域範囲基準化部116Aは、フリーアタックゲームにおいては、基準化条件を判定せず、シンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻すことを行わない。
【0123】
なお、基準化条件は、ゲームの経過時間に基づく条件であってもよい。つまり、領域範囲基準化部116Aは、ゲームで所定時間が経過するとシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻してもよい。例えば、領域範囲基準化部116Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が基準範囲に戻ってから所定時間が経過した場合に、基準化条件の少なくとも一つである所定のタイミングが到来したと判定してもよい。これにより、ゲーム装置1Aは、ゲームで所定の時間が経過する度にシンボル配置可能領域RH210の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0124】
また、ゲーム装置1Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲が特定範囲になったか否かを判定する領域範囲判定部117Aを備えている。そして、特定報酬付与部118Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったと領域範囲判定部117Aによって判定されることを少なくとも条件として、特定報酬を付与する。これにより、ゲーム装置1Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与できるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0125】
例えば、領域範囲判定部117Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲が、上記基準化条件が成立するまでに特定範囲になったか否かを判定してもよい。これにより、ゲーム装置1Aは、シンボル配置可能領域RH210の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0126】
また、例えば、領域範囲判定部117Aは、シンボルを配置可能な領域(例えば、シンボル配置可能領域RH210)の範囲が、所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲である場合に特定範囲になったと判定する。これにより、ゲーム装置1Aは、特定範囲を所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲で定めるため、あとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができる。
【0127】
なお、特定範囲は、所定数のシンボルが配置可能な範囲であってもよい。また、特定範囲は、特定の配置場所を含む又は含まない範囲であってもよい。
【0128】
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の第1及び第2の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0129】
なお、上記実施形態では、領域範囲基準化部116、116Aが、基準化条件が成立した場合にシンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲を基準範囲として固定範囲(3行5列、15階層5列)に戻す例を説明したが、基準範囲は、固定範囲に限られものではなく動的に設定することができる。例えば、第2の実施形態において、基準範囲は、タイミングに応じて15階層5列に設定されてもよいし、8階層5列に設定されてもよい。また、基準範囲は、異なる形状で表現された複数のシンボル配置可能領域の範囲から動的に選択してもよい。また、領域範囲基準化部116、116Aは、基準範囲となる領域の範囲を所定の条件が成立するごとに動的に決定してもよい。例えば、領域範囲基準化部116、116Aは、基準化条件が成立するごとに、基準範囲となる領域の範囲を決定または変更してもよい。これにより、ゲーム装置1、1Aは、多様性のあるスロットゲームを提供できる。なお、ゲーム装置1、1Aは、領域範囲基準化部116、116Aを備えなくてもよい。即ち、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲を基準範囲に戻すことなくゲームが終了する仕様としてもよい。
【0130】
また、特定報酬付与部118、118Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が特定範囲になったタイミングに応じて、特定報酬の内容を決定してもよい。これにより、ゲーム装置1、1Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が早く特定範囲になるほど、高い価値の特定報酬を付与することもできる。
【0131】
また、特定報酬付与部118、118Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が基準範囲に戻ってから特定範囲になったタイミングまでにシンボル配置部111、111Aによってシンボルの配置が行われた回数に応じて、特定報酬の内容を決定してもよい。これにより、ゲーム装置1、1Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が特定範囲になるまでのゲーム数が少なほど、高い価値の特定報酬を付与することもできる。
【0132】
また、特定報酬付与部118、118Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が基準範囲に戻ってから特定範囲になったタイミングまでに要した時間に応じて、特別報酬の内容を決定してもよい。これにより、ゲーム装置1、1Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が特定範囲になるまでに要した時間が少なほど、高い価値の特定報酬を付与することもできる。
【0133】
また、特定報酬付与部118、118Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が基準範囲に戻ってから特定範囲になったタイミングまでのプレイヤーのベット量に応じて、特定報酬の内容を決定してもよい。これにより、ゲーム装置1、1Aは、シンボル配置可能領域RH110、RH210の範囲が特定範囲になるまでのベット量が多いほど、高い価値の特定報酬を付与することもできる。
【0134】
なお、上記実施形態では、入賞判定により通常報酬としての配当が付与される例を説明したが、配当を付与するための入賞判定に限られるものではない。例えば、二次ゲームやボーナスゲーム(フリーアタックゲーム等)に移行するための入賞判定であってもよい。
【0135】
また、シンボルとして、メダル、カード、コイン、ボール等のゲームオブジェクトを用いてもよい。
【0136】
また、上述のゲーム制御部110、110Aの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム制御部110、110Aとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0137】
また、上述したゲーム制御部110、110Aの機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0138】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0139】
(付記1)本発明の一態様に係るゲーム装置(1、1A)は、複数種類のシンボルを二以上配置可能なシンボル配置部(111、111A、S102、S202)と、前記シンボル配置部によって配置されたシンボルの少なくとも一部に基づいて、前記シンボル配置部によってシンボルを配置可能な領域の範囲を変化させる領域変化条件が成立しているか否かを判定する変化条件判定部(114、114A、S108、S212)と、前記変化条件判定部によって前記領域変化条件が成立していると判定された場合、前記シンボルを配置可能な領域の範囲を変化させる領域範囲変化部(115、115A、S110、S214)と、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する特定報酬付与部(118、118A、S114、S218)と、を備える。
【0140】
付記1の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な領域の範囲の変化に基づいてあとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0141】
(付記2)また、本発明の一態様は、付記1に記載のゲーム装置が、基準化条件が成立した場合に前記シンボルを配置可能な領域の範囲を基準範囲にする領域範囲基準化部(116、116A、S10、S16)、を備え、前記特定報酬付与部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が、前記基準化条件が成立するまでに前記特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与する。
【0142】
付記2の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な領域の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0143】
(付記3)また、本発明の一態様は、付記1または付記2に記載のゲーム装置であって、前記変化条件判定部は、前記シンボル配置部によって配置されたシンボルの少なくとも一部に所定の種類のシンボルが含まれていることを、前記領域変化条件の少なくとも一つとする。
【0144】
付記3の構成によれば、ゲーム装置は、所定の種類のシンボル(例えば、「範囲変化」シンボル)の出現がシンボルを配置可能な領域の範囲の変化を起こし、その変化が特定報酬の付与へ繋がるため、あとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができる。
【0145】
(付記4)また、本発明の一態様は、付記3に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲変化部は、前記所定の種類のシンボルの配置された数に応じて、前記シンボルを配置可能な領域の範囲を変化させる。
【0146】
付記4の構成によれば、ゲーム装置は、所定の種類のシンボル(例えば、「範囲変化」シンボル)が多く出現するほど、シンボルを配置可能な領域の範囲の変化が多くなるため、シンボルを配置可能な領域の範囲が特定範囲になりやすくなり、プレイヤーが特定報酬を獲得する確率を高めることができる。
【0147】
(付記5)また、本発明の一態様は、付記1から付記4のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記変化条件判定部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲のうち、前記領域変化条件が成立しているか否かを判定する領域の範囲を変化させる。
【0148】
付記5の構成によれば、ゲーム装置は、領域変化条件が成立しているか否かを判定する領域の範囲を広げることで所定の種類のシンボル(例えば、「範囲変化」シンボル)によるシンボルを配置可能な領域の範囲の変化が発生しやすくなるため、特定報酬へのプレイヤーの期待感を増大させることができる。
【0149】
(付記6)また、本発明の一態様は、付記1から付記5のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲変化部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲を変化させることで、前記シンボルを配置可能な数を変化させる。
【0150】
付記6の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な数に基づいて、特定報酬を付与することもできる。例えば、ゲーム装置1Aは、シンボルを配置可能な領域の範囲に配置可能なシンボル数が特定の数、特定の数以上、または特定の数未満になった場合に、特定報酬を付与することもできる。
【0151】
(付記7)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲基準化部は、所定のタイミングが到来することを、前記基準化条件の少なくとも一つとする。
【0152】
付記7の構成によれば、ゲーム装置は、所定のタイミングでシンボルを配置可能な領域の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0153】
(付記8)また、本発明の一態様は、付記7に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲基準化部は、前記シンボル配置部によって所定回数のシンボルの配置が行われた場合に、前記所定のタイミングが到来したと判定する。
【0154】
付記8の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルの配置を所定回数行う度にシンボルを配置可能な領域の範囲を基準範囲に戻すことができるため、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0155】
(付記9)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲基準化部は、前記基準範囲となる領域の範囲を所定の条件が成立するごとに動的に決定する。
【0156】
付記9の構成によれば、ゲーム装置は、多様性のあるスロットゲームを提供できる。
【0157】
(付記10)また、本発明の一態様は、付記1から付記9のいずれか一に記載のゲーム装置が、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が前記特定範囲になったか否かを判定する領域範囲判定部(117、117A、S112、S216)、を備え、前記特定報酬付与部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が前記特定範囲になったと領域範囲判定部によって判定されることを少なくとも条件として、特定報酬を付与する。
【0158】
付記10の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な領域の範囲が特定範囲になったことを少なくとも条件として特定報酬を付与できるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。
【0159】
(付記11)また、本発明の一態様は、付記10に記載のゲーム装置であって、基準化条件が成立した場合に前記シンボルを配置可能な領域の範囲を基準範囲にする領域範囲基準化部、を備え、前記領域範囲判定部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が、前記基準化条件が成立するまでに前記特定範囲になったか否かを判定する。
【0160】
付記11の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な領域の範囲が特定範囲になりにくくすることができ、プレイヤーが特定報酬を獲得することが容易になりすぎないようにできる。
【0161】
(付記12)また、本発明の一態様は、付記10または付記11に記載のゲーム装置であって、前記領域範囲判定部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が、所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲である場合に前記特定範囲になったと判定する。
【0162】
付記12の構成によれば、ゲーム装置は、特定範囲を所定の行数又は/及び所定の列数からなる範囲で定めるため、あとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができる。
【0163】
(付記13)また、本発明の一態様は、付記1から付記12のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記特定報酬付与部は、前記シンボルを配置可能な領域の範囲が前記特定範囲になったタイミングに応じて、前記特定報酬の内容を決定する。
【0164】
付記13の構成によれば、ゲーム装置は、シンボルを配置可能な領域の範囲が早く特定範囲になるほど、高い価値の特定報酬を付与することもできる。
【0165】
(付記14)また、本発明の一態様は、付記1から付記13のいずれか一に記載のゲーム装置が、価値の大小が異なる複数種類の特定価値を蓄積可能な特定価値蓄積部(119A、S214)、を備え、前記特定報酬付与部は、前記蓄積された特定価値のうち一以上の種類の特定価値を選択して、前記特定報酬の一部とする。
【0166】
付記14の構成によれば、ゲーム装置は、ゲーム中に獲得された価値の大小が異なる複数種類の特定価値(例えば、アイテム)に基づいて、特定報酬の価値を高めることができ、特定報酬に対するプレイヤーの期待感をさらに高めることができる。
【0167】
(付記15)また、本発明の一態様は、コンピュータを、付記1から付記14のいずれか一項に記載のゲーム装置として機能させるためのプログラムである。
【0168】
付記15の構成によれば、プログラムは、シンボルを配置可能な領域の範囲の変化に基づいてあとどのくらいで特定報酬が得られるかをプレイヤーに直感的に把握させることができるため、特定報酬に対する期待感を段階的に高めることができる。