特許第6335223号(P6335223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335223
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】気化器
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20180521BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   C23C16/448
   H01L21/205
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-127077(P2016-127077)
(22)【出願日】2016年6月27日
(62)【分割の表示】特願2013-502336(P2013-502336)の分割
【原出願日】2012年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-191155(P2016-191155A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年7月27日
(31)【優先権主張番号】特願2011-41962(P2011-41962)
(32)【優先日】2011年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591277382
【氏名又は名称】株式会社渡辺商行
(73)【特許権者】
【識別番号】596005001
【氏名又は名称】都田 昌之
(74)【代理人】
【識別番号】100088096
【弁理士】
【氏名又は名称】福森 久夫
(72)【発明者】
【氏名】梅田 優
(72)【発明者】
【氏名】都田 昌之
【審査官】 村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−298761(JP,A)
【文献】 特開2005−072194(JP,A)
【文献】 特開2003−268552(JP,A)
【文献】 特開2005−109348(JP,A)
【文献】 特開2005−268367(JP,A)
【文献】 特開2001−247967(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/100840(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化室前部と、気化部とが順次接続されて形成された気化器であって、
前記気化室前部には、該気化室前部の中心軸方向にキャリアガス導入穴が形成され、
前記キャリアガス導入穴にセンターロッドが挿入されて、前記ガス導入穴の内壁と前記センターロッドの外壁との間に形成された隙間によりガス通路が形成され、
前記センターロッドは、該センターロッドの長手方向にシール部材が配置されていることを特徴とする気化器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気化器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOCVD装置を含むCVD装置等を用いて半導体ウエハーの表面を成膜する成膜装置において、成膜用液体材料を含むキャリアガスを気化器に供給し、この気化器内で原料を気化させる技術が知られている。
【0003】
また、このような気化器においては、気化器の外周や気化器内にキャリアガスを供給する配管の外周にヒータを配置し、そのヒータ熱によって原料を気化させている(例えば、特許文献1から3)。
また、特許文献4には、キャリアガスに液体原料を導入し、ミクロンオーダー以下(1ミクロン以下)に微細化した液体原料をキャリアガスに分散させ(以下、液体原料が分散したキャリアガスを原料ガスという。)、この原料ガスを気化器に導入し原料などを気化させた後、成膜室において成膜する技術が開示されている。その際、溶媒のみが気化してしまい、出口の目詰まりが発生することを防止すること等を目的として、出口を冷却するための手段を設けてある。また、液体原料をより小さな粒子としてキャリアガス中に分散させるためにキャリアガスの流速は50−340m/secが好適な条件として用いられている。
しかし、上記技術により成膜を行うと、膜の表面に波紋が生じてしまうことがある。また、膜中あるいは表面にパーティクルの存在が認められる。さらに、膜の組成が目標とする組成からずれてしまうことがある。また、膜中あるいは表面にパーティクルの存在が認められる。さらに、膜の組成が、目標とする組成からずれてしまうことがある。また、カーボン含有量が多くなることがある。
【0004】
図6は、従来の気化器の図であり、特許文献4の図15に開示されている。
気化器は、分散部本体8と、接続部23、気化部22が順次接続されて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−186170号公報
【特許文献2】2000−031134号公報
【特許文献3】2003−224118号公報
【特許文献4】WO02/058141号公報
【特許文献5】2010−180433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の気化器においては、第1の薄膜形成原料溶液と、第2の薄膜形成原料溶液が、分散部本体のガス通路内にて、不必要な混合が行われてしまい、後工程の気化部にて、第1の薄膜形成原料溶液と、第2の薄膜形成原料溶液との安定な気化が損なわれていた。
【0007】
本発明の課題は、複数の薄膜形成原料溶液が、安定に、確実に分散部本体内にて、確実に分離されてキャリアガスによって運ばれ、後工程の気化部にて、前記複数の薄膜形成原料溶液がそれぞれ安定に気化が行われる気化器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の気化器は、気化室前部と、気化部とが順次接続されて形成された気化器であって、
前記気化室前部には、該気化室前部の中心軸方向にキャリアガス導入穴が形成され、
前記キャリアガス導入穴にセンターロッドが挿入されて、前記ガス導入穴の内壁と前記センターロッドの外壁との間に形成された隙間によりガス通路が形成され、
前記センターロッドは、該センターロッドの長手方向にシール部材が配置されていることを特徴とする気化器。である。
【0009】
参考技術は、気化器の分散部本体に設置されるセンターロッドに、棒状のシール材、あるいはOリング等のシール部材を配置して、複数の薄膜形成材料の分散部本体での混合を防止することを特徴とする気化器である。
【0010】
参考技術1に係る気化器は、分散部本体と、接続部と、気化部とが順次接続されて形成された気化器であって、前記分散部本体には、該分散部本体の中心軸方向にキャリアガス導入穴が形成され、前記キャリアガス導入穴にセンターロッドが挿入されて、前記キャリアガス導入穴の内壁と前記センタロッドの外壁との間に形成された隙間によりガス通路が形成され、前記分散部本体の前記ガス通路の中途部の複数個所に形成された、薄膜形成材料を供給する薄膜形成材料供給部が配置され、前記分散部本体の前記キャリアガス導入穴の外周側に配置されて前記ガス通路内を冷却する冷却部が配置され、前記センターロッドは、該センターロッドの長手方向にシール部材が配置されていることを特徴とする気化器である。
【0011】
参考技術2に係る気化器は、前記シール部材がが、前記センターロッドに形成された溝Aと、前記分散部本体の外壁に形成された溝Bとの間に密着されたことを特徴とする参考技術1記載の気化器である。
【0012】
参考技術3に係る気化器は、前記分散部本体の外壁は、第1の外壁と、第2の外壁とで構成され、前記センターロッドがシール部材を介して密着され、前記第1の外壁と、第2の外壁とが、それぞれ外側に形成された止め具にて固定されたことを特徴とする参考技術1または2記載の気化器である。
【0013】
参考技術4に係る気化器は、前記シール部材の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれかであることを特徴とする参考技術1乃至3のいずれか1項記載の気化器である。
【0014】
参考技術5に係るセンターロッドは、気化器の分散部本体のキャリアガス通路に配置されるセンターロッドであって、該センターロッドは、円柱形状であって、側面の長手方向、あるいは、側面の長手方向および上面、底面に沿って、シール部材が装着されるための円弧状の溝Aが形成されたことを特徴とするセンターロッドである。
【0015】
参考技術6に係るセンターロッドは、前記シール部材が、複数の棒状のシール部材、あるいはOリングであることを特徴とする参考技術4記載のセンターロッドである。
【0016】
参考技術7に係るセンターロッドは、前記シール部材の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれかであることを特徴とする参考技術5または6のいずれか1項記載のセンターロッドで
ある。
【0017】
参考技術8に係るキャリアガスに同伴される原料の気化方法は、分散部本体に形成されたキャリアガス導入穴の内壁と該キャリアガス導入穴に挿入されたセンターロッドの外壁との間に形成された隙間により形成されたガス通路にキャリアガスを導入すると共に、前記ガス通路の中途部複数個所から薄膜形成材料を導入してキャリアガスに前記薄膜形成材料を分散させ、前記センターロッドの長手方向にシール部材を配置して、前記薄膜形成材料を分散させたキャリアガスの混合を防止し、
前記ガス通路の下流端部に配置されたセンターロッド先端によって互いに接近する方向に案内される接続部にて前記薄膜形成材料を分散させたキャリアガスを合流させ、気化部にて前記薄膜形成材料を気化させることを特徴とするキャリアガスに同伴される原料の気化方法である。
【0018】
参考技術9に係るキャリアガスに同伴される原料の気化方法は、前記シール部材を、前記センターロッドに形成された溝Aと、前記分散部本体の外壁に形成された溝Bとの間に密着させることを特徴とする参考技術8記載のキャリアガスに同伴される原料の気化方法である。
【0019】
参考技術10に係るキャリアガスに同伴される原料の気化方法は、前記分散部本体の外壁を、第1の外壁と、第2の外壁とで構成し、前記センターロッドをシール部材を介して密着し、前記第1の外壁と、第2の外壁とを、それぞれ外側に形成された止め具にて固定することを特徴とする参考技術8または9記載のキャリアガスに同伴される原料の気化方法である。
【0020】
参考技術11に係るキャリアガスに同伴される原料の気化方法は、前記シール部材は、棒状のシール部材、あるいはOリングであることを特徴とする参考技術8乃至10のいずれか1項記載のキャリアガスに同伴される原料の気化方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の気化器および気化方法によれば、薄膜形成材料が液体であって、バブリング方式の場合において、前記薄膜形成材料とキャリアガスとを、複数の種類にて、気化室前部に導入することができ、安定に気化させることができる。
【0022】
参考技術1、2,3、4による気化器によれば、複数の薄膜形成材料が、安定に、確実に分散部内にて、確実に分離されてキャリアガスによって運ばれ、後工程の気化部にて気化される気化器を提供できる。
参考技術5,6,7によるセンターロッドによれば、分散部本体に装着することによって、複数の薄膜形成材料を、安定に、確実に分散部本体内にて、分離することができる。
参考技術8、9.10,11,12によるキャリアガスの気化方法によれば、複数の薄膜形成材料が、安定に、確実に分散部内にて、確実に分離されてキャリアガスによって運ばれ、後工程の気化部にて気化されるキャリアガスに同伴される原料の気化方法を提供できる。
【0023】
参考技術によれば、複数の薄膜形成材料が、安定に、確実に分散部内にて、確実に分離されてキャリアガスによって運ばれ、後工程の気化部にて、複数の原料ガスが、それぞれ安定に気化が行われる気化器および気化器に用いられるセンターロッド、ならびにキャリアガスに同伴される原料の気化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1参考技術の実施例1による気化器の図であり、図1(a)は、2本の棒状のシール材が装着されたセンターロッドの斜視図、図1(b)は、図1(a)のセンターロッドと2本の棒状のシール材とが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図2参考技術の実施例2による気化器の図であり、図2(a)は、4本の棒状のシール材が装着されたセンターロッドの斜視図、図2(b)は、図2(a)のセンターロッドと4本の棒状のシール材とが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図3参考技術の実施例3の気化器に使用されるセンターロッドの図であり、図3(a)は、Oリングが装着されたセンターロッドの斜視図、図3(b)は、図3(a)のセンターロッドが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図4参考技術の実施例4の気化器に使用されるセンターロッドの図であり、図4(a)は、Oリングが装着されたセンターロッドの斜視図、図4(b)は、図4(a)のセンターロッドが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図5】参考技術の実施例5の分散部本体の外ブロックが分割された場合の図である
図6】従来の気化器の図である
【発明を実施するための形態】
【0025】
参考技術の気化器は、分散部本体と、接続部と、気化部とが順次接続されて形成された気化器であって、前記分散部本体には、該分散部本体の中心軸方向にキャリアガス導入穴が形成され、前記キャリアガス導入穴にセンターロッドが挿入されて、前記キャリアガス導入穴の内壁と前記センタロッドの外壁との間に形成された隙間によりガス通路が形成され、
前記分散部本体の前記ガス通路の中途部の複数個所に形成された、薄膜形成材料を供給する薄膜形成材料供給部が配置され、前記分散部本体の前記キャリアガス導入穴の外周側に配置されて前記ガス通路内を冷却する冷却部が配置され、前記センターロッドは、該センターロッドの長手方向に、棒状のシール材あるいはOリングなどのシール部材が配置されていることを特徴とする気化器である。
【0026】
参考技術の気化器に使用されるセンターロッドは、気化器の分散部本体のキャリアガス通路に配置されるセンターロッドであって、該センターロッドは、円柱形状であって、側面の長手方向、および上面、底面に沿って、棒状のシール材あるいはOリングなどのシール部材が装着されるための円弧状の溝Aが形成されたことを特徴とするセンターロッドである。
また、参考技術のセンターロッドは、気化器の分散部本体のキャリアガス通路に配置されるセンターロッドであって、該センターロッドは、上側部に、切り欠き部が設けられた円柱形状であって、側面の長手方向、および前記空隙内の面、ならびに底面に沿って、棒状のシール材あるいはOリングなどのシール部材が装着されるための円弧状の溝Aが形成されたことを特徴とするセンターロッドである。
【0027】
参考技術のキャリアガスに同伴される原料の気化方法は、分散部本体に形成されたキャリアガス導入穴の内壁と該キャリアガス導入穴に挿入されたセンターロッドの外壁との間に形成された隙間により形成されたガス通路にキャリアガスを導入すると共に、前記ガス通路の中途部複数個所から薄膜形成材料を導入してキャリアガスに前記薄膜形成材料を分散させ、前記センターロッドの長手方向にシール部材を配置して、前記薄膜形成材料を分散させたキャリアガスの混合を防止し、前記ガス通路の下流端部に配置されたセンターロッド先端によって互いに接近する方向に案内される接続部にて前記薄膜形成材料を分散させたキャリアガスを合流させ、気化部にて前記薄膜形成材料を気化させることを特徴とするキャリアガスに同伴される原料の気化方法である。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の気化器の実施例について説明する。
(実施例1)
【0029】
図1は、参考技術の実施例1による気化器の図であり。図1(a)は、2本の棒状のシール材が装着されたセンターロッドの斜視図、図1(b)は、図1(a)のセンターロッドと2本の棒状のシール材とが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図1(a)にて、センターロッド10は、円柱形状であって、長手方向の側面、および上面、底面には、溝A12aが設けられており、棒状のシール材11a、11bが、前記溝A12aに装着されている。棒状のシール材11a、11bの材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製の棒状のシール材が用いられる。なお、センタロッドの材料は、ステンレスが用いられる。
【0030】
図1(b)は、図1(a)のセンターロッド10が、分散部本体の外ブロック14に装着された状態の上面図である。ここで、センターロッド10は、分散部本体の外ブロック14に形成された溝B13aに沿って、棒状のシール材11a、11bをはめ込みながら、押し込み、所定の位置に配置し、固定する。第1の薄膜形成原料溶液5a、第2の薄膜形成原料溶液5bが、原料供給孔6から、ガス通路内に注入されるが、棒状のシール材11a、11bによって、確実に分離され、後工程の気化部に送られる。なお、図1では、図示していないが、棒状のシール材11a、11bが、センタロッドの上面にて、繋がった形体でも良い。
(実施例2)
【0031】
図2は参考技術の実施例2による気化器の図であり。図2(a)は、4本の棒状のシール材が装着されたセンターロッドの斜視図、図2(b)は、図2(a)のセンターロッドと4本の棒状のシール材とが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図2(a)にて、センターロッド10は、円柱形状であって、長手方向の側面、および上面、底面には、溝A12aが設けられてお1a、11b、11c、11dが、前記溝A12aに装着されている。棒状のシール材11a、11b、11c、11dの材質材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製の棒状のシール材が用いられる。
なお、センタロッドの材料は、ステンレスが用いられる。
【0032】
図2(b)は、図2(a)のセンターロッド10が、分散部本体の外ブロック14に装着された状態の上面図である。ここで、センターロッド10は、分散部本体の外ブロック14に形成された溝B13aに沿って、棒状のシール材11a、11b、11c、11dをはめ込みながら、押し込み、所定の位置に配置し、固定する。第3の薄膜形成原料溶液5c、第4の薄膜形成原料溶液5d、第5の薄膜形成原料溶液5e、第6の薄膜形成原料溶液5fが、原料供給孔6から、ガス通路内に注入されるが、棒状のシール材11a、11b、11c、11dによって、確実に分離され、後工程の気化部に送られる。なお、図2では、図示していないが、棒状のシール材11a、11b11c、11dが、センタロッドの上面にて、少なくとも2本が繋がった形体でも良い。
(実施例3)
【0033】
図3は、参考技術の実施例3に使用されるセンターロッドの図である。
図3(a)は、Oリングが装着されたセンターロッドの斜視図、図3(b)は、図3(a)のセンターロッドが、分散部本体に装着された状態の上面図である。
図3(a)にて、センターロッド10aは、円柱形状であって、長手方向の側面、および上面、底面には、溝Aが設けられており、Oリング11が、前記溝Aに装着されている。Oリング11の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製のOリングを用いる。なお、センタロッドの材料は、ステンレスが用いられる。
【0034】
図3(b)は、図3(a)のセンターロッド10aが、分散部本体の外ブロック14に装着された状態の上面図である。ここで、センターロッド10aは、分散部本体の外ブロック14に形成された溝B13aに沿って、Oリング11をはめ込みながら、押し込み、所定の位置に配置し、固定する。第1の薄膜形成原料溶液5a、第2の薄膜形成原料溶液5bが、原料供給孔6から、ガス通路内に注入されるが、Oリング11によって、確実に分離され、後工程の気化部に送られる。
(実施例4)
【0035】
図4は、参考技術の実施例4の気化器に使用されるセンターロッドの図であり、図4(a)は、Oリングが装着されたセンターロッドの斜視図、図4(b)は、図4(a)のセンターロッドが、分散部本体に装着された状態の上面図である。図4(a)にて、センターロッド10bは、円柱形状であって、その上部には、切り欠き部17が形成されており、長手方向の側面、および切り欠き部17の面、および底面には、溝A12bが設けられており、Oリング11が、前記溝A12bに装着されている。Oリング11の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製のOリングが用いられる。なお、センタロッドの材料は、ステンレスが用いられる。
【0036】
図4(b)は、図4(a)のセンターロッド10bが、分散部本体の外ブロック14に装着された状態の上面図である。ここで、センターロッド10bは、分散部本体の外ブロック14に形成された溝B13cに沿って、Oリング11をはめ込みながら、押し込み、所定の位置に配置し、固定する。第1の薄膜形成原料溶液5a、第2の薄膜形成原料溶液5bが、原料供給孔6から、ガス通路内に注入されるが、Oリング11によって、確実に分離され、後工程の気化部に送られる。なお、前記切り欠き部17は、Oリングを、より安定に保持するために有効である。Oリング11の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製のOリングが用いられる。
(実施例5)
【0037】
図5は、参考技術の実施例5の気化器であって、分散部本体の外ブロックが分割された場合の図である。図5でのセンターロッド10bは、先の実施例4にて説明したセンターロッドである。第1の分割された外ブロック15a、第2の分割された外ブロック15bには、内側に、溝Bが設けられており、先のセンターロッドのOリングを挟むように、あわせされ、止め具16によって、固定される。第1の薄膜形成原料溶液5a、第2の薄膜形成原料溶液5bが、原料供給孔6から、ガス通路内に注入されるが、Oリング11によって、確実に分離され、後工程の気化部に送られる。なお、前記切り欠き部17は、Oリングを、より安定に保持するために有効である。Oリング11の材料は、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが用いられ、特に耐熱性が要求される場合には、金属製のOリングが用いられる。なお、センタロッドの材料は、ステンレスが用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の気化器および気化器に用いられるセンターロッド、ならびにキャリアガスの気化方法によれば、複数の薄膜形成原料溶液を、確実に分離して、気化部に送ることができる気化器を提供でき、安定した薄膜を形成する成膜装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0039】
2ガス通路
3キャリアガス
4ガス導入口
5a第1の薄膜形成原料溶液
5b第2の薄膜形成原料溶液
5c第3の薄膜形成原料溶液
5d第4の薄膜形成原料溶液
5e第5の薄膜形成原料溶液
5f第6の薄膜形成原料溶液
6原料供給孔
7ガス出口
8分散部本体
9a,9b,9c,9dビス
10、10a,10bセンターロッド
11Oリング
11a,11b,11c,11d棒状のシール材
12a,12b溝A
13a,13b,13c溝B
14分散部本体の外ブロック
15a第1の分割された外ブロック
15b第2の分割された外ブロック
16止め具
17切り欠き部
18冷却水
20気化菅
21加熱手段
22気化部
23接続部
24継手
図1
図2
図3
図4
図5
図6