(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
土台部上に複数本の縦桟を略平行に且つ所定角度をもって配設し、この縦桟上にソーラーパネル等の面状物品を縦横に配列固定することができるソーラーパネル等の面状物品の架台構成システムであって、
前記複数本の縦桟を支持する1つのユニットから成る横桟フレームを使用し、
この横桟フレームは、その上端の横桟と、この横桟を支持する複数の支柱と、支柱の下端部を土台部に固定する固定部とから構成され、
この横桟フレームの少なくとも2つを架台の前方側と後方側に配置して、これらの横桟フレームの上端の横桟上及び/又は支柱上端部に複数の縦桟を列設固定し、補強材を配設固定して架台が形成され、
これにより架台の縦桟上に前記面状物品を配列固定することができ、
前記少なくとも2つの横桟フレームを1ブロックとして、この1ブロック単位の架台を横方向に順次配列して架台を形成し、それぞれのブロックの間に導電性を有する電導部材を掛け渡してアース線を各ブロック間に配線する作業を省略したことを特徴とするソーラーパネル等の面状物品の架台構成システム。
1ユニットからなる前記横桟フレームが折り畳み自在及び/又は伸縮自在並びに組み立て自在のものからなり、出荷時には折り畳まれた状態又は収縮された状態で搬出され、設置現場にて組み立てて、架台を形成することができることを特徴とする請求書1に記載のソーラーパネル等の面状物品の架台構成システム。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のソーラーパネル等の面状物品の架台構成システム(以下単に「架台構成システム」という。)に係る一実施形態の斜視説明図である。
本発明に係る架台構成システムは、縦桟フレーム10と、図には示していないが、これら縦桟フレーム10間に適宜筋交い等を掛け渡して補強するための補強材とから成り、これら縦桟フレーム10の複数をコンクリート製の土台部30、30上に略平行に設置し固定し、補強材を適宜配設して固定し、架台が完成するのである。
【0038】
それぞれの縦桟フレーム10は、前後方向に斜めに傾斜する縦桟11と、これを支持する支柱12、13と、支柱12、13の下端部を土台部30に固定するための固定部14と、前後の固定部14、14を連結する補強材としての下端縦枠15とから成る。
ここで、強度上、下端縦枠15及び鉛直方向に伸びる支柱13は、これを配設せずに実施することも可能である。即ち、これらの下端縦枠15及び鉛直支柱13は、例えば、多雪地域や強風地域等の特殊な地域への設置の場合に、更なる補強を目的として付加される補強材としての役割を荷うものである。
【0039】
更に、図示はしていないが、補強材としては、横方向に隣り合う鉛直支柱13、13間に筋交いとしての補強材を掛け渡すことも可能であり、横方向に隣り合う支柱13、13の下端部同士を連結して補強する補強材を掛け渡すこともできる。
このようにして、本発明に係る架台構成システムにおいては、複数の縦桟フレーム10を土台部30上に略平行に列設し、その後各種の補強材を掛け渡し固定することによりソーラーパネル等の架台が完成するのである。
そして、次の
図2以降により説明するが、上記縦桟フレーム10は、折り畳み自在及び/又は伸縮自在並びに組み立て自在の1つのユニット体からなるものである。
【0040】
図2は、上記実施形態において使用される縦桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態の正面図、その(B)が(A)図の右側面図、その(C)が組み立て時の正面図、その(D)が(C)図の右側面図、その(E)が完成時の正面図、その(F)が(E)図の右側面図である。
【0041】
この
図2に図示した縦桟フレーム10においては、鉛直方向に配設される支柱は設けられていない。
これらの図から解る通り、本発明の架台構成システムに使用する縦桟フレーム10は、折り畳み及び組み立て自在であり、しかも、これら全体が1つのユニットとして形成され、運搬時には折り畳まれた状態で小さくでき、設置現場で容易に組み立てて設置固定することができるものである。
【0042】
図2(C)から良く解る通り、ソーラーパネルを載置する縦桟11に両端部の支柱12、12と、中央の支柱12、12がその上端部で回動自在に枢着されている。
そして、下端縦枠15の両端部には固定部14が固定され、その左端部の固定部14にはやはり回動自在に支柱12の下端部が枢着されている。
【0043】
従って、この縦桟フレーム10は、
図2(A)のように折り畳まれて略直線状の棒状体を呈することとなる。つまり、搬出時及び運搬時は折り畳まれて小さい体積のものとすることができ、設置現場では
図2(C)のように、それぞれの回動枢着部が展開され、その後締め付け固定されるとともに、両端部及び図中右から2番目の支柱12の下端部が固定部14に螺子等の固定手段により固定されて組み立て設置固定が行われるのである。
【0044】
ここで、使用されている縦桟11、支柱12、下端縦桟15は、それぞれ断面L型の金属製アングル材を使用している。
但し、縦桟11においては、
図2(B)において見て取れるように、その下端縁部が上方に折曲されて樋部11tが形成されている。この樋部11tの存在により、雨水等が縦桟フレーム11の前方側端部から地面に滴下するように構成している。
【0045】
また、この樋部11tの形態は、縦桟11の下端縁部が上方に折曲されているために、太陽電池パネルを縦桟11上に取り付ける際に、縦桟11の下端縁部と工具との干渉がなくなるために、施工作業が容易となり、施工性に優れたものとなっている。
固定部14は、L字型の金具からなり、この固定部14により支柱12及び下端縦枠15が螺子等の固定手段により固定される。
【0046】
上記縦桟フレーム10において、その支柱12の長さを前方側と後方側とで異ならせることにより、縦桟11の傾斜角度が変更される。次の
図3によりこれを示す。
図3は、上記縦桟フレーム10の縦桟11の傾斜角度を各種変更して設置した状態を図示した説明図である。
【0047】
この図から解る通り、本発明に係る縦桟フレーム10は、その支柱12の長さを適宜変更することにより、又は、支柱12の配設角度を異ならせることにより、若しくは長さの変更と共に配設角度を異ならせることにより、縦桟11の傾斜角度を0度から90度までの間の所望の角度に設定することができる。
縦桟11を90度に設定する場合には、支柱12と縦桟11の間に補強材19を3本配設した状態と成る。
【0048】
尚、上記の通り縦桟11の角度を変更するに際して、支柱12上端部と縦桟11との連結構造を工夫することにより、縦桟11を無段階に連続的にその傾斜角度を変更することも可能となる。
即ち、一例として、縦桟11の側にその長手方向に沿って長い長穴を適宜列設しておき、この長穴の何れかを選択し、その適宜位置に支柱12の上端部の螺子挿通穴を合致させて、その後ボルトナット等により両者を螺着固定する方法を取ることにより、縦桟11の傾斜角度を無段階、且つプラス側又はマイナス側への傾斜角度変更を行うことも可能となるのである。
【0049】
この
図3及び先の
図2から解る通り、本発明に係る縦桟フレーム10においては支柱12及び補強材19により、その構造がトラス構造を呈しており、強度の面でも極めて高い強度を有するものとして構築されている。
尚、上記実施形態では、縦桟フレーム10を略平行に4本列設したものを例示したが、この列設本数は自由に変更することができ、また縦方向長さも全く自由に設計することができる。
即ち、縦方向長さを適宜設定することにより、太陽電池パネルの前後方向の取り付け枚数を自由に、つまり、1枚乃至5枚以上とすることも可能となる。
【0050】
図4は、本発明に係る架台構成システムに係る第2の実施形態を図示する斜視説明図である。
この実施形態においては、上記のような縦桟フレームは使用せずに、横桟フレーム20を使用している。
この横桟フレーム20は、土台部30上に横方向に配置されるものであって、上端部に配設される横桟21と、これを支持する複数の支柱22と、これら支柱22の下端側で横方向に補強する下端横枠25と、支柱22の下端部で土台部30に固定するための固定部24とから成る。
支柱22の間に配設されるブレース27は、補強材となる。
【0051】
横桟21、下端横枠25、及びブレース27は、それぞれ金属製の断面L型のアングル材を使用し、支柱22は断面コ字形状の金属製型材を使用している。
隣り合う支柱22間には、上記した通り、適宜補強材としてのブレース27を配設し固定している。
この横桟フレーム20で、支柱22の異なる高さのものを少なくとも2つ使用し、その支柱22の高さの低いものを前方側に配置し、支柱22の高さの高いものを後方側に配置し、その後、断面コ字形状の金属製型材からなる縦桟31を略平行に載置し固定し、その後更に補強材26等を配設し固定することによりソーラーパネル等の架台が構築されるのである。
【0052】
尚、横桟フレーム20を構成するそれぞれの構成要素である横桟21、支柱22及び補強材26等々は、その使用部位によって断面形状及び材質を適宜設定することができるが、特殊な地域(多雪地域や強風地域など)への設置の際には、それらを適宜変更して設計することが可能であり、その強度を向上させることができる。
この点に関しては、前記縦桟フレームに関しても同様である。
【0053】
ソーラーパネル等は、図示はしていないが、上記複数列設された縦桟31上に縦横に配列され固定されることができる。
尚、上記縦桟31は、横桟フレーム20の横桟21上に固定してもよいし、また支柱22の上端部を横桟21よりも上に延長してこの支柱22の上端部に固定してもよく、或いはこれらの両者に固定することもできる。
ここで、上記横桟フレーム20は、上記縦桟フレームと同様に、1つのユニット体から形成され、次の
図5以降で説明するが、折り畳み自在及び/又は伸縮自在、若しくは組み立て自在となっている。
【0054】
図5は、上記
図4に図示した架台構成システムに使用する横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態の正面図、その(B)が(A)図の右側面図、その(C)が組み立て時の正面図、その(D)が(C)図の右側面図、その(E)が完成時の正面図、その(F)が(E)図の右側面図である。
【0055】
これらの図から解る通り、本発明の架台構成システムに使用する横桟フレーム20は、折り畳み及び組み立て自在であり、しかも、これら全体が1つのユニットとして形成され、搬出時及び運搬時には折り畳まれた状態で小さく出来、設置現場で容易に組み立てて設置固定することができるものである。
【0056】
その構成を再度説明すると、上端の横枠21と、これを支持する複数の支柱22と、支柱22の間に配設されるブレース27と、各支柱22の下端部に設けられる固定部24とからなる。
固定部24は、L字型の金具からなり、この固定部24により支柱が土台部に螺子等の固定手段により固定される。
【0057】
図5(C)から良く解るように、各支柱22の上端部が横桟21と回動自在に枢着され、同様に、各支柱22の下端部が下端横枠25に回動自在に枢着され、それぞれのブレース27の上端部も中央の2本の支柱22の上端部に回動自在に枢着され、その下端部はフリーの状態に形成され、ユニット化されている。
【0058】
これを
図5(E)のように組み立てて、それぞれの枢着部位を締め付け固定し、ブレース27、27の下端部を両端の支柱22の下端部に螺子等の固定手段により固定して横桟フレーム20が組み立てられ、土台部上に固定されるのである。
この実施形態に係る横桟フレーム20においては、各支柱22の上端部が横桟21の上方に延長する形態を有している。
【0059】
図6は、本発明の他の実施形態に係る横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態を示し、その(B)が組み立て開始時を示し、その(C)が組み立て中を示し、その(D)完成時のものを示している。
この横桟フレーム20Aの構成は、上記横桟フレーム20とほぼ同一であるが、下端の下端横枠が無いものである。
【0060】
そして、この横桟フレーム20Aは、前記横桟フレーム20とその折り畳み形態が異なっている。
図6(A)、(B)、(C)から解る通り、この横桟フレーム20Aは、上端の横桟21がその中央部位21sで2分割され、且つ折曲する形態を有しているのである。
その他の構成は、前記横桟フレーム20と同様である。
【0061】
図7は、本発明の他の実施形態に係る横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態を示し、その(B)が組み立て開始時を示し、その(C)が組み立て中を示し、その(D)完成時のものを示している。
この横桟フレーム20Bの構成は、上記横桟フレーム20Aとほぼ同一であるが、折り畳みの形態が上記横桟フレーム20Aと異なる。
【0062】
即ち、この横桟フレーム20Bにおいては、上記横桟フレーム20Aのようにその中央部位で折曲するのではなく、その中央部分で相互に両側に延長できるように伸縮自在に構成している。
つまり、横桟21の中央部分が重なり合う形態を有し、これを左右外側方向に摺動させ、伸長することにより、横桟21が組み立てられる形態である。
その他の支柱22及びブレース27の構成は上記横桟フレーム20Aと同様である。
【0063】
図8は、本発明の他の実施形態に係る横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態の正面図、その(B)が(A)図の右側面図、その(C)が組み立て時の正面図、その(D)が(C)図の右側面図、その(E)が完成時の正面図、その(F)が(E)図の右側面図である。
この実施形態に係る横桟フレーム20Cは、上記
図5に図示した横桟フレーム20と同様の構成であるが、ブレース27の配設が異なっているものである。
【0064】
即ち、この横桟フレーム20Cにおいては、ブレース28がそれぞれ2本ずつ、支柱22の間に配設され、左右対称に横向きのV字形状に配設されているものである。
その他の折り畳みの態様は、上記
図5に図示した横桟フレーム20と同様である。
【0065】
図9は、本発明の他の実施形態に係る横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態を示し、その(B)が組み立て開始時を示し、その(C)が組み立て中を示し、その(D)完成時のものを示している。
この実施形態に係る横桟フレーム20Dは、上記
図6に図示した横桟フレーム20Aと同様の構成であり、つまり、横桟21がその中央部位で2分割され、且つ折曲する形態を有しているが、ブレース28の配設が異なっているものである。
【0066】
このブレース28の構成は、この横桟フレーム20Dにおいては、ブレース28がそれぞれ2本ずつ、支柱22の間に配設され、左右対称に横向きのV字形状に配設されているものである。
その他の折り畳みの態様は、上記
図6に図示した横桟フレーム20Aと同様である。
【0067】
図10は、本発明の他の実施形態に係る横桟フレームを図示しており、その(A)が折り畳まれた状態を示し、その(B)が組み立て開始時を示し、その(C)が組み立て中を示し、その(D)完成時のものを示している。
この実施形態に係る横桟フレーム20Eは、上記
図7に図示した横桟フレーム20Bと同様の構成であり、つまり、その中央部位で折曲するのではなく、その中央部分で相互に両側に延長できるように伸縮自在に構成している。
つまり、横桟21の中央部分が重なり合う形態を有し、これを左右外側方向に摺動させ伸長することにより、横桟21が組み立てられる形態である。
【0068】
また、ブレース28の構成は、前記
図9に示した横桟フレーム20Dと同様に、ブレース28をそれぞれ2本ずつ、支柱22の間に配設し、左右対称に横向きのV字形状に配設しているものである。
その他の折り畳みの態様は、前記
図9に図示した横桟フレーム20Dと同様である。
【0069】
次に、本発明に係るソーラーパネル等の面状物品の架台構成方法は以下の通りとなる。
まず縦桟フレームを用いて架台を構成する方法は以下の通りである。
(1) まず1ユニットとして、ソーラーパネル等の面状物品を支持する縦桟を含む縦桟フレームを折り畳み及び組み立て自在に形成する。
(2) 設置現場で、前記縦桟フレームの複数を組み立て、土台部上に略平行に列設する。
(3) その後、これら列設された縦桟フレーム間に適宜補強材を配設固定して架台を構築する。
(4) 最後に、各縦桟フレームの上端の縦桟上にソーラーパネル等の面状物品を縦横方向に配列し固定して設置が完了する。
【0070】
次に、横桟フレームを用いて架台を構成する方法は以下の通りとなる。
(1) ソーラーパネル等の面状物品を支持する複数本の縦桟を支持するための、横桟フレームを折り畳み自在及び/又は伸縮自在、並びに組み立て自在に形成する。
(2) この横桟フレームを少なくとも2本用意し、後方側の横桟フレームの支柱高さを前方側の横桟フレームの支柱高さよりも高くし、土台部上の前方側と後方側に配置し固定する。
(3) これらの横桟フレームの横桟上及び/又は支柱上端部に縦桟を掛け渡し、固定し、前方側と後方側の横桟フレーム上に縦桟を略平行に列設させ、適宜補強材を配設固定して架台を構築する。
(4) 最後に、各縦桟上にソーラーパネル等の面状物品を縦横方向に配列し固定して設置が完了する。
【0071】
このように、本発明に係る架台構成方法においては、縦桟フレーム又は横桟フレームを予め工場内で製造しておき、折り畳んだ状態で出荷をし、設置現場で簡単に組み立て、適宜補強材を用いて架台が簡易に構築されるのである。
それぞれの縦桟フレーム又は横桟フレームの折り畳み又は組み立て形態は種々設計変更が可能であり、縦桟フレームにあっては、その支柱の長さを適宜変更することにより、及び/又は支柱の配設角度を異ならせることにより、その縦桟の傾斜角度を0度から90度まで連続的に設定可能となり、他方、横桟フレームにおいては、前方側と後方側に配置する横桟フレームの支柱高さの異なるものを予め用意しておくことにより、その上端に載置する縦桟の傾斜角度を適宜変更することができることとなるのである。
【0072】
図11は、本発明に係る架台構成システムにおいて、1ユニットからなる縦桟フレーム又は横桟フレームを用いて1ブロックの架台を形成し、この1ブロックの架台を順次横方向に連続して配列して複数ブロックの架台を構成する架台構成システムに関するものであり、
図11は、その縦桟フレーム10Bを用いて構成したものを示す説明図である。
【0073】
この
図11に示す縦桟フレーム10Bは、上記縦桟フレーム10と多少その形態を異にしている。
即ち、この縦桟フレーム10Bにおいては、前後方向両端の支柱12、12の上端部が縦桟11の両端部に合致せずに、やや中央部よりに配設されたものである。
【0074】
この縦桟フレーム10Bを使用し、この4本を土台部30上に略平行に配列し固定する。
その後、適宜補強材を前後方向、横方向、斜め筋交い方向に配設して、1つのブロックAの架台が形成される。
尚、この縦桟フレーム10B上に配設する太陽電池パネルは、横置きでも縦置きでも可能であり、縦置きの場合には、各縦桟フレーム10Bを略均等割りにほぼ等間隔にて配置されることになる。
この1ブロック毎の架台を横方向に順次構築して、ブロックB、ブロックCというように連続的に構築して行くことができる。
【0075】
この際に、各ブロックA、B、Cのそれぞれのブロックの間に、本発明においては、アース用の渡り金具として電導性を有する鋼材を掛け渡しているのである。
図11において、円形部分Eの拡大図(E)から見て取れるように、この電導性を有する鋼材が、電導部材18となるのである。
この図に示した実施形態では、この電導部材18は、各ブロックの縦桟10Bの手前側の支柱12下端部を横方向に連結補強する補強材の間に掛け渡している。
この電導部材18を各ブロック間に予め掛け渡して架台を構築することにより、架台の上に載置固定されるソーラーパネルからのアース線の配線作業が極めて容易となるのである。
【0076】
このようなアース用の電導部材18は、前記横桟フレームを利用した架台構成システムにおいても同様に架設することができる。
即ち、少なくとも2つの横桟フレームを前後に配置固定して、これらの横桟フレーム上に縦桟を複数本(偶数本)略平行に列設し固定する。
その後に適宜補強材を配設固定して1ブロックの架台が形成される。
【0077】
この1ブロックの架台を横方向に順次連続的に構築して複数ブロックの架台を構築することができる。
その際に、各ブロックの間に、上記のように、アース用の渡り金具として電導性を有する鋼材を横桟フレームの下端横枠の間に掛け渡すのである。
この電導性を有する鋼材が、電導部材なるのである。
【0078】
この電導部材を各ブロック間に予め掛け渡して架台を構築すことにより、架台上に載置固定されるソーラーパネルからのアース線の配線作業が極めて容易なものとなるのである。
ここで用いた電導性鋼材は、それ以外の電導性を有する素材であれば何でも採用することができる。
【0079】
図12は、本発明に係る縦桟フレームの他の実施形態を図示しており、その(A)が正面図、その(B)が右側面図、その(C)が矢印A方向から見たA矢視図である。
この図に示した縦桟フレーム10Cの構成は、前図の
図11に図示した縦桟フレーム10Bとほぼ同じであるが、縦桟フレーム10Cを構成する縦桟11Cが上記実施形態と異なる形態を有している。
【0080】
即ち、
図12(B)及び(C)から解る通り、この縦桟11Cは、その長手方向に2分割されており、略コ字形状の2つの構成部材11Ce,11Ceを互いにその開口部を対面させるように配置され、これらの構成部材11Ce,11Ceはその長手方向に複数設けられた連結部材11rによって所定間隔を維持して固定されている。
また、この連結部材11rは、同時にこの縦桟11Cを支柱12に固定するために機能している。
この連結部材11rの構成については、次図の
図13において再度説明する。
【0081】
以上の構成からなる縦桟11Cを用いて縦桟フレーム10Cが形成され、この縦桟フレーム10Cの複数を土台部に列設し、適宜補強材を掛け渡し固定して架台が完成する。
この架台上には、太陽電池パネルが載置固定される訳であるが、この架台の縦桟11Cは、上記した通り、2つに分割されており、その長手方向の全体に渡り溝条部が形成されることになり、この溝条部を利用して固定金具により太陽電池パネルが固定される。
【0082】
従って、前記溝条部が縦桟の長手方向の全体に渡り設けられている関係上、太陽電池パネルの固定金具の位置は、その縦桟の何れの位置にも取り付けることができ、種々異なるサイズの太陽電池パネルに容易に対応することができるし、その取付位置も容易に変更することができるものとなるのである。
【0083】
図13は、上記
図12に図示した縦桟フレーム10Cに用いた縦桟11Cを横桟フレームに適用し、架台を形成したものを示し、その(A)が架台の全体説明図であり、その(B)が横桟及び縦桟の拡大側面図である。
この架台においては、横桟フレーム20F、20Fに用いられている横桟21C、及び前記横桟フレーム20F上に掛け渡される複数の縦桟11Cが同じ構造を有している。
【0084】
即ち、
図13(B)に図示した側面図は、前記横桟21C及び前記縦桟11Cのものであり、これら横桟21Cと縦桟11Cとは同じ構成を有し、単にその長さが異なるものである。
この横桟21Cは、その中央で2分割されており、略コ字形状の構成部材21Ce,21Ceの開口部を対面するように対称に配置し、その長手方向で複数個所にて連結部材11rによって固定され、両構成部材21Ce,21Ceは一定の間隔で固定される。
【0085】
この連結部材11rは、基本的にはボルト部材11bと、ナット部材11nと、スペーサ部材11sとからなり、構成部材21Ce間にスペーサ部材11sを配置してボルト部材11bとナット部材11Cを相互に締着することにより構成部材21Ce同士が一定の間隔で連結固定される。
この締着の際に、横桟フレーム20Fの支柱22の上部の螺子挿通穴に前記ボルト部材11bを挿通させてナット部材11nを締め付けることにより、この横桟21Cが横桟フレーム20Fの支柱22上端部に固定されることとなるのである。
【0086】
また、この架台においては、上記横桟フレーム20Fを前後に少なくとも2本略平行に配置して、この横桟フレーム20F上に縦桟11Cを複数本掛け渡して固定し、架台が完成するが、この縦桟11Cの構成も前記横桟21Cと同じ構造を有している。
このように、
図13に図示した横桟フレーム20F及び縦桟11Cを用いて構築された架台においては、以下のような効果を発揮するのである。
【0087】
この架台においては、横桟21C及び縦桟11Cの何れにおいてもその長手方向全体に渡り溝条部が形成されているために、横桟21C上に縦桟11Cを固定する際に、その固定位置を自由に選択することができる。
即ち、図中矢印Dで示すように、縦桟11Cの間隔を自由に変更して決定することができる。これにより大きさの異なる太陽電池パネルに対応することができる。
【0088】
また、縦桟11Cの長さも自由で、その両端側の固定位置も自由に決定することができるし、土台部30の前後間隔も自由に設定することができる。
更に、縦桟11C上に載置し固定する太陽電池パネルSの位置も矢印Eに示した通り自由に変更して決定し固定することができることとなるのである。
【0089】
以上、
図12及び
図13により2分割縦桟及び横桟について説明したが、これらの構成部材を連結固定する連結部材11rの構成は種々変更することができ、スペーサー部材を用いなくとも、中央の外径が大きく、その両端に雄ネジ部が刻設された螺子棒を使用して、その両端をナット部材により固定できる形式のものであってもよいし、その他従来からある2つの構成部材を所定間隔で固定できるものであれば、どのようなものであっても利用できるものである。
【0090】
勿論、この2分割横桟及び縦桟のような分割体でなく、上面側に溝条部がその長手方向全体に形成された型材を利用して縦桟フレーム、横桟フレーム、及びこれらを用いた架台を形成することも可能である。
しかし、上記のような分割体を利用することにより、横桟及び縦桟の相互の固定位置、及び太陽電池パネルの固定位置を自由に変更して固定することができるために、より好ましい実施形態となるのである。
【0091】
尚、この2分割縦桟及び横桟に関しては、上記のような分割体でなく、上面側に溝条部が形成された型材を利用することができるが、より詳しくは、ロール成形(連続成形)による一体型のものやアルミ押出成形(引抜成形)などで、溝部を有するもの、或いはまた、既存形鋼(アングルやチャンネル等)に溝部(スリットや切込み等)を設けたものであってもよいものである。
【0092】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り適宜設計変更をすることができる。
縦桟フレームのサイズ、各構成枠体の形態及びサイズ等は自由に設計変更できる。
縦桟は基本アングル材を使用しているが、これを断面コ字形状の型材を使用することもでき、既に述べたが、縦桟の下端側縁部を上方に折曲して樋部を形成することもできる。
更には、上記最終の実施形態にあるように、2分割縦桟を用いることもできる。
当然のこととして、縦桟フレームは、土台部上に上記実施形態のように4列でなく、2列乃至6列以上連続して列設して架台を構成することができる。
【0093】
支柱の下端部に設けた固定部も上記実施形態では断面略L字形状の金具を用いたが、この金具の形態も自由に設計変更することができる。
縦桟フレーム間に掛け渡す補強材も自由に配設して固定することができる。
図2に図示した縦桟フレームのように、補強材としての下端縦枠15を配設せずに縦桟フレームを形成することも可能である。
【0094】
同様に、横桟フレームに関しても、上記縦桟フレームと同様に、そのサイズ及び形態を適宜変更して実施することができる。
図5乃至
図7に図示した横桟フレームでは、ブレースとして、左右対称に「ハ」の字の形となるように配設固定したが、これを逆「ハ」の字となるように配設し固定するのも自由であり、
図8乃至
図10に図示した横桟フレームでは、ブレースとして、左右対称に外側開口の横向き「V」字型に配設固定したが、これを左右対称に内側開口の横向き「V」字型に配設固定することもできる。
尚、上記の斜め1本のブレースの場合には、左右平行に右上がり又は右下がりに配設するのも自由である。
【0095】
更に、
図5及び
図8に図示した横桟フレームにおいて、下端横枠を配設せずに横桟フレームを形成することも可能である。
図4に図示した横桟フレームにおいては、上端の横桟21及び下端の下端横枠25が支柱22の後方側(奥側)に配設されて図示されているが、これらを前方側(手前側)に配設固定するのも自由である。或いは、
図5に図示した通り、横桟を手前側に、下端横枠を奥側に配設するのも自由である。
【0096】
以上、本発明においては、縦桟フレーム又は横桟フレームをユニット化し、しかも、これらユニット化した縦桟フレーム又は横桟フレームをそれぞれ折り畳み及び組み立て自在に形成している点が大きな特徴と成っており、このユニット化された1つの構成要素を利用してソーラーパネル等の面状物品の架台を構成する架台構成システム、架台構成方法、及びこれらに用いる架台用フレーム(縦桟フレームと横桟フレーム)を創案した画期的な発明を提供することができたものである。