(54)【発明の名称】ラティスマストエレメント、この型式の少なくとも1つのラティスマストエレメントを備えるラティスブーム及びこの型式の少なくとも1つのラティスブームを備えるクレーン
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
荷重担持面(19)に対して直交して配向されるラティスマストエレメント幅(B)はラティスマストエレメント高さ(H)よりも長く、特にB>2・H、特にB>3・H、特にB>4・Hであることを特徴とする請求項1記載のラティスマストエレメント。
荷重担持面(19)と平行に、特に菱形形状に配置された少なくとも4つのブレーシングエレメント(24)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載のラティスマストエレメント。
長手方向エレメント(21)は、トラスとして、フレームとして又は梁として構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか1項記載のラティスマストエレメント。
長手方向エレメント(21)及び/又は横方向エレメント(22)は、それぞれ高さに沿って互いに間隔をおいて配置された2つのコードエレメント(28)を有し、特に、z軸の周りのその軸方向慣性断面モーメントは、z軸に直交して配向されるy軸の周りのその軸方向慣性断面モーメントよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか1項記載のラティスマストエレメント。
作業形態から運搬形態へ及びその逆へのラティスマストエレメントの被駆動の移し替えのための少なくとも1つの駆動エレメント(14)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれか1項記載のラティスマストエレメント。
長手方向エレメント(21)及び特に横方向エレメント(22)は、それぞれ複数の部分で作製され、特に着脱可能、特にボルト使用して相互連結可能である複数の個々の部品(50、51)を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか1項記載のラティスマストエレメント。
少なくとも1つのラティスマストエレメントストランド(37)は、ラティスマスト長手方向軸(13)に沿って相前後して配置された複数のラティスマストエレメント(14、15、16、54、56、57、58)を備えることを特徴とする請求項11記載のラティスブーム。
2つのラティスマストエレメントストランド(37)が平行に及び/又は少なくとも部分的に互いに角度をもって配置され、ラティスマストエレメント(14、15、16、54、56、57、58)はラティスマストエレメントストランド(37)が少なくとも部分的にラッフィング軸(6)に直交して配向されるラティスマストエレメントストランド高さを有するように配置され、このラティスマストエレメントストランド高さはラッフィング軸(6)に沿って配向されたラティスマストエレメントストランド幅よりも長いことを特徴とする請求項11又は請求項12記載のラティスブーム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、一方で高い荷重担持能力を有し、他方で容易に運搬できるようにラティスマストのためのラティスマストエレメントを開発することであり、ラティスマストエレメントは、少ない材料が必要とされるが、特に予め設定可能な方向に増加された剛性を有する。
【0013】
この目的は、本発明にしたがって請求項1に記載された特徴を有するラティスマストエレメントによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、少なくとも2つの長手方向エレメント及び長手方向エレメントを相互連結する横方向エレメントを有するラティスマストエレメントは特に高い横方向剛性を得ることが見出された。これは、言い換えれば横方向エレメントによって画定される横方向において、各々二次元荷重担持構造として構成される長手方向エレメントが互いに距離を置いて配置されているという事実に起因している。長手方向エレメントと横方向エレメントは、ラティスマストエレメントのためのフレームを形成する。長手方向エレメントは、フレームの互いに反対側に配置された側壁である。横方向エレメントは、複数の側壁の間に配置された中間壁を形成する。唯一の横方向エレメントが設けられる場合、フレームは横方向エレメントと反対側の少なくとも一方の側に向かって開口している。2つ以上の横方向エレメントを使用することも同様に考えられます。この場合には、ラティスマストエレメントのための閉じたフレームを形成することができる。長手方向エレメントと横方向エレメントによって形成されたフレームは、荷重担持面を画定する。荷重担持面は、ラティスマスト長手方向軸に平行に配置されている。それぞれの長手方向エレメントによって形成されたフレーム状の側壁と横方向エレメントによって形成されたフレーム状の中間壁は、フレームを画定する。中間壁は、ラティスマストエレメント長手方向軸に対して直交して配向される横方向面を有する。特に、これは、本発明にしたがう複数のラティスマストエレメントがラティスマスト長手方向軸に沿って相前後して配置されることを可能にする。換言すれば、フレーム状のラティスマストエレメントは、特に、ラティスマストエレメントの複数の個々の荷重担持面が共通の平面荷重担持面を画定するように配置することができる。特に、荷重担持面は、ラティスマスト長手方向軸に沿って互いに間隔をおいて配置されていない。本発明にしたがうラティスマストエレメント及び本発明にしたがうラティスマストは、ラティスマスト長手方向軸に沿って相前後して複数の中空プロファイルラティスマストエレメントを配置する以前の従来技術のアプローチとは異なる。中空プロファイル構成に比べ、本発明にしたがうラティスマストエレメントのプロファイルエレメント長手方向軸は、ラティスマスト長手方向軸に対して直交して配向される。
【0015】
複数の長手方向エレメントは、特に、一体的に構成され、言い換えれば、それらは分割不可能である。また、長手方向エレメントは、複数の部品で構成することができ、特に、プラギングによって相互連結することができる。特に、長手方向エレメントの複数の個々の部品は、特にボルトを用いて、着脱可能に相互連結することができる。長手方向エレメントは特定の平面内にある。長手方向エレメントは、実質的にラティスマストエレメント長手方向軸に沿って配置され、特に同一に構成される。ラティスマストエレメント長手方向軸は、直交座標系のx軸に平行である。複数の横方向エレメント、言い換えれば、特に、少なくとも2つの横方向エレメントを設けることが考えられる。複数の横方向エレメントの機能は、特に、着脱可能又は関節連結される技法で複数の長手方向エレメントを相互連結することにある。複数の横方向エレメントは、横方向に配向され、特にラティスマストエレメント長手方向軸に直交して配向されている。複数の横方向エレメントは、直交座標系のy軸に平行で、特にyz平面に平行な平面に配向されている。本発明にしたがうラティスマストエレメントは、比較的高い剛性を有する三次元荷重担持構造の形式のモジュール構成を有し、荷重担持構造は、長手方向エレメントの形式の複数、特に少なくとも2つの二次元荷重担持構造から成る。長手方向エレメントと横方向エレメントは、ラティスマストエレメントの荷重担持面を画定する。荷重担持面は、直交座標系のxz平面に平行である。複数の二次元荷重担持構造は、特に荷重担持面に直交し、言い換えれば、それらは直交座標系のz軸に平行である。長手方向エレメントはそれ自体複数の二次元荷重担持構造として構成されているので、それらは、それらの平面、換言すればxy平面内で比較的高い固有の剛性を有する。横方向エレメントを使用して、ラティスマストエレメントの三次元荷重担持構造は、特にyz平面において、追加して補強される。同時に、より少ない材料が必要とされてラティスマストエレメントを作製する。何故なら、少数の重量減少された複数の横方向エレメントが複数の長手方向エレメントの間で使用されるからである。本発明にしたがうラティスマストエレメントは、少ない材料が使用されているが、増加された剛性を有する。ラティスマストエレメントは、断面の剛性に関して低比重を有する。横方向エレメントを使用して長手方向エレメントの特に着脱可能及び/又は関節連結は、ラティスマストエレメントが、最大荷重担持面と最大ラティスマストエレメント幅を有する作業形態から最小荷重担持面と最小ラティスマストエレメント幅を有する運搬形態に変更されることを可能にする。最大荷重担持面の場合には、長手方向エレメントはy軸に沿って互いに最大距離を有する。これは、y方向に沿ってラティスエレメントの特に高い剛性を確保する。この型式のラティスマストエレメントは、例えば組立クレーンのラティスブームのために使用することができる。この型式のラティスマストエレメントは、特に高い横方向の力を特にy軸に沿って吸収するのに適合している。最小荷重担持面は、運搬形態におけるラティスマストエレメントの特に有利な省スペース運搬を確実にする。運搬形態において、本発明にしたがうラティスマストエレメントは、道路上、レール上及び水路上での運搬ユニットにおいて特に運搬可能である。特に、3mの最大運搬幅及び4mの運搬高さのような許容運搬寸法を超えることはない。
【0016】
ラティスマストエレメントは、長手方向エレメント及び/又は横方向エレメントを相互連結することによって、ラティスマストエレメントを補強するための少なくとも1つのブレーシングエレメント(筋交いエレメント)を有する。その結果、ラティスマストエレメントは追加して補強される。ラティスマストエレメントを補強するために、少なくとも1つのブレーシングエレメントが使用されて、特に関節連結及び/又は着脱可能に設けられ、長手方向エレメント及び/又は横方向エレメントを連結する。少なくとも1つのブレーシングエレメントは、1つの長手方向エレメントを横方向エレメントと相互連結し、長手方向エレメントと横方向エレメントとの間のコーナー領域(角部領域)を補強する。一般的に、少なくとも1つのブレーシングエレメントは2つの長手方向エレメントを相互連結することが考えられる。ブレーシングエレメントは、荷重担持面内及び/又は荷重担持面の縁部領域に配置される。複数のブレーシングエレメントが設けられる場合、それらは互いに間隔をおいて配置された2つのブレーシングエレメント面に配置されてもよい。ブレーシングエレメント面は、特に高さに沿って、言い換えればz軸に沿って互いに距離を置いて配置される。ブレーシングエレメント面は、荷重担持面と同一であるか又はそれに傾斜角で配向される。ラティスマストエレメントにおいて、複数の長手方向エレメントは、ラティスマストエレメント長手方向軸に沿って円錐形経路をとることができる。複数の長手方向エレメント自体は、言い換えれば台形形状に構成される。複数の長手方向エレメントの台形形状は傾斜角を画定する。荷重担持面、言い換えればブレーシングエレメント面は、ラティスマスト長手方向軸に平行に配向されるそれぞれの投影面に対して上記の傾斜角度で配置される。傾斜角度が最大傾斜角度を超えた場合、ブレーシングエレメントは、好ましくは、荷重担持面内に配向される。ブレーシングエレメントは、ラティスマスト長手方向軸に対して平行ではない。最大傾斜角度は、例えば5°、特に最大でも4°、特に最大でも3°、特に最大でも2°、特に最大でも1.5°である。最大傾斜角度を超えていない場合、ブレーシングエレメントは、ラティスマスト長手方向軸に平行に配向される投影面に平行に配置することができる。この場合、ブレーシングエレメント面は、荷重担持面と平行ではない。それで、ブレーシングエレメント面と荷重担持面は上記の傾斜角度で互いに配置され、角度は最大傾斜角度を超える。この場合、ブレーシングエレメントは、長手方向エレメントのコードエレメント(弦エレメント)に平行ではない。この型式の配置(形態)は、ラティスマストエレメントの機械加工と作製の点から見て利点がある。少なくとも1つのブレーシングエレメントは長手方向エレメント及び/又は横方向エレメントに直接連結される。
【0017】
請求項2にしたがうラティスマストエレメントは、特に高い横方向剛性を有する。特にラティスマストエレメント長手方向軸に直交して配向されるy−z平面に平行に配向されるラティスマストエレメントの断面積は、特に長方形であり、ラティスマストエレメント幅及びラティスマストエレメント高さを有する。ラティスマストエレメント幅は、z軸に平行に配向されるラティスマストエレメントの高さよりも大きい。特に、ラティスマストエレメント幅は、ラティスマストエレメント高さの少なくとも2倍を超え、特に3倍を超え、特に4倍を超えるものである。用語「ラティスマストエレメント幅」は、互いに複数の長手方向エレメントの距離を意味する。用語「ラティスマストエレメント高さ」と「ラティスマストエレメント幅」は、クレーンに取り付けられたラティスブームの向きとは独立して使用される。これらは、寧ろ、ラティスマストエレメント幅はy−z断面表面領域の幅と特に荷重担持面の幅であることを表わしている。ラティスマストエレメント高さはy−z断面領域の高さを画定する。特に、ラティスマストエレメント高さとラティスマストエレメント幅の向きは、ラティスブームがクレーンに関節接合されてそのラッフィング運動を可能にするラッフィング軸の向きとは無関係である。
【0018】
請求項3にしたがうラティスマストエレメントは複数の長手方向エレメントが互いに可変に配置されることを可能にし、運搬形態におけるラティスマストエレメントの最小ラティスマスト幅及び作業形態におけるラティスマストエレメントの最大ラティスマスト幅を確保する。特に、横方向エレメント及び/又はブレーシングエレメントは、特定の関節接合技法で連結される長手方向エレメントから着脱可能であり、長手方向エレメントに関節接合される残りの横方向エレメント及び/又はブレーシングエレメントを枢動できるようにする。言い換えれば、特に、ラティスエレメントは折り畳み可能にすると考えることもできる。ラティスマストエレメントは、特に、2つの長手方向エレメントが互いに向かって移動されるように折り畳まれ、作業形態において特に最大であるラティスマストエレメント幅を運搬形態において特に最小である幅に減少させる。上記の折り畳みプロセスは、ラティスマストエレメントを迅速、かつ特に簡単に作業形態から運搬形態に変更可能にする。
【0019】
請求項4にしたがうラティスマストエレメントは、特に効果的ブレーシングを有する。特に、4つのブレーシングエレメントは、特に長方形のラティスマストエレメント内の菱形の形状に配置されて設けられる。菱形のコーナー(角部)は、特にラティスマストエレメントの側部の中央部に各々配置される。この型式のラティスマストエレメントは、x−y平面内の全方向において補強される。
【0020】
請求項5にしたがうラティスマストエレメントは、複数の長手方向エレメントの特に有利な設計を可能にする。トラスとして設計されるとき、複数の長手方向エレメントは、トラスの補強するため複数のヌルバー及び/又は複数の対角線バーを備えてもよい。トラスにおいて、複数のテンションバーと複数の連結バーが相互連結される。複数のテンションバーと複数の圧縮バーが、例えば複数の長手方向エレメントの対角線バー又は上コードエレメント(上弦エレメント)、下コードエレメント(下弦エレメント)として構成される。別法として、複数の長手方向エレメントをフレーム、言い換えれば剛性のコーナー(角部)を有するバーのアッセンブリの態様で又は大梁(ガーダー)、言い換えれば単一の小梁(ビーム)の態様で設計することが考えられる。特に、横方向エレメント及び/又はブレーシングエレメントは、2次元荷重担持構造として、特に、ヌルバー及び/又は対角線バーを含むトラスの形式でフレームとして又は大梁として構成することができる。
【0021】
請求項6にしたがうラティスマストエレメントは画定可能な面内で増加された剛性を有する。何故なら長手方向エレメント及び/又は横方向エレメントがそれぞれz軸に平行に配向された高さに沿って互いに間隔をおいて配置された2つのコードエレメント(弦エレメント)を備えているからである。コードエレメントの設計それ自体は、それぞれのエレメント平面、言い換えればy−z平面又はx−z平面に直交する方向においてそれぞれ長手方向エレメント及び横方向エレメントの剛性を増大させる。コードエレメントは、特に、中空のプロファイルエレメントとして構成される。高さは、特に荷重担持面に対して直交している。コードエレメントは、z軸に直交して配向される横方向軸の周りの軸方向断面慣性モーメントよりも大きいz軸の周りの軸方向断面慣性モーメントを有する。長手方向エレメントにおいて、横方向軸はy軸に対応する。横方向エレメントにおいて、横方向軸はx軸に対応する。いずれの場合においても、横方向軸は、長手方向エレメント又は横方向エレメントによって跨がれる平面に直交して配向される。
【0022】
請求項7にしたがうラティスマストエレメントは、運搬形態から作業形態へ及びその逆への改善された変更を保証する。少なくとも2つの相互連結された横方向エレメントが設けられて2つの長手方向エレメントを相互連結するという事実のために、ラティスマストエレメントを運搬形態から作業形態に移動させるための柔軟性が増加する。ラティスマストエレメントを移動させるための上記の追加の柔軟性はz軸の周りの横方向エレメントの関節連結によって提供される。作業形態において、複数の横方向エレメントは、荷重担持面に直交して配向されるz軸の周りで、捩り防止態様で相互連結され、言い換えればそれらは互いに関節結合されていない。これは、特に、横方向エレメントが、互いに間隔をおいて配置された2つ、特に平行の枢軸によって相互連結されることで達成される。枢軸の少なくとも1つは横方向エレメントによって画定される平面の外側に配置されてもよい。この枢軸は、特にx軸に沿って横方向エレメントから距離を有する。横方向エレメントに関連して枢軸の上記の離間された形態構成は、少なくとも1つの関節エレメント、特に枢軸に沿って互いに離間して配置された2つの関節エレメントによって提供することができる。その結果、請求項7にしたがうラティスマストエレメントは、運搬形態における横方向エレメントの関節連結にもかかわらず、作業形態において十分な剛性を有する。
【0023】
請求項8にしたがうラティスマストエレメントは、ラティスマストエレメントを運搬形態から作業形態へ移動するとき改善された柔軟性を実現する。特に、横方向エレメント間の相互連結性が改善される。横方向エレメントを互いに折り畳むことも同様に改善される。特に、x−y平面内のブレーシングエレメントのたるみは、運搬形態から作業形態に及びその逆に移動するとき減少する。
【0024】
特に、複数のラティスマストエレメントがラティスマストエレメント長手方向軸に沿って相前後して配置されている場合に、請求項9にしたがうラティスマストエレメントは、ラティスマストエレメント長手方向軸に沿って一定の断面を有するラティスブームを作製することを可能にする。これは、長方形荷重担持面、換言すればxy平面内の長方形領域を有するラティスマストエレメントによって可能になる。台形の荷重担持面を有するラティスマストエレメントは、ラティスマストエレメント長手方向軸に沿ってyz平面における大きな断面積領域から小さい断面積領域への又はその逆の変更を可能にする。この型式のラティスマストエレメントは、ラティスブームを設計する際、変動性を向上させる。
【0025】
請求項10にしたがうラティスマストエレメントにおいて、運搬形態から作業形態へ及びその逆への変更が容易になる。特に液圧式、空気圧で駆動される例えば伸縮自在のピストンシリンダユニットである駆動エレメントによって又は電動機によって、長手方向エレメント、横方向エレメント及び/又はブレーシングエレメントは互いに枢動可能である。特に、大型クレーンとなると、その長手方向エレメント、横方向エレメント及びブレーシングエレメントは大重量を有することになり、したがって人員にとってそれらを手動で折り畳むことが困難となり、上述した形態移し替えを補助するための駆動エレメントを提供することが有利である。
【0026】
請求項11にしたがうラティスマストエレメントは、長手方向エレメントを完全に分解することを可能にする。このため、特に長手方向エレメントは、ボルトを使用して相互連結できる幾つかの個々の部品を有する。個々の部品間のすべての連結が取外されるとき、個々の部品はバーの形で運搬することができる。特に、二次元荷重担持構造体を運搬する必要はない。二次元荷重担持構造体の剛性は、ボルトを使用して個々の部品を相互連結することによって保証される。
【0027】
本発明の他の目的は、特にクレーンのためのラティスブームを提供することであり、これは作業形態におけるクレーンの十分な荷重担持能力を提供するとともに、同時にラティスブームの簡単な運搬を確保する。
【0028】
この目的は、本発明にしたがって請求項12に記載された特徴を有するラティスブームによって達成される。
【0029】
本発明にしたがえば、特に水平方向に配向されるラッフィング軸の周りで特にラッフィング可能であるラティスブームは、少なくとも1つのラティスマストエレメントを含む少なくとも1つのラティスマストエレメントストランド
(2つ以上のラティスマストエレメントからなるものを「ストランド」という)を有することが見出された。特に、ラティスマストエレメントストランドは、ラティスマストエレメント長手方向軸に沿って相前後に配置された複数のラティスマストエレメントを備えている。個々のラティスマストエレメントは、特に、ボルトを用いて着脱可能に相互連結される。個々のラティスマストエレメントの間における他の着脱可能な連結も同様に考えられる。この点で最も重要なのは、それぞれ長方形状プロファイル形状であるラティスマストエレメントは、個々のラティスマストエレメントの、それぞれの長方形のプロファイルで画定された荷重担持面が共通の平面に配置されるように、配置されることである。これは、荷重担持面がラティスマストエレメント長手方向軸に沿って互いに近接して配置されることを意味する。ラティスブームが正確に1つのラティスマストエレメントストランドを有する場合、このラティスマストエレメントストランドは、特に、ラティスマストエレメント幅がラッフィング軸に平行に配向されるように配置される。ラティスマストエレメント長手方向軸は、ラティスマスト長手方向軸に平行である。ラティスマストエレメント高さは、ラッフィング軸に直交し、特にラティスマストエレメント幅によって及びラティスマストエレメント長さによって跨られる平面に直交している。ラティスマストエレメント高さは、ラティスマスト高さに等しい。これに連結されたフットエレメントを介して、ラティスマストエレメントストランドは、クレーン、特にクレーンの上部構造に、特にラッフィング可能に関節連結される。ヘッドエレメントは、フットエレメントに対向配置されたラティスマストエレメントストランドの端部に設けられる。ラティスブームの利点は、参照されるラティスマストエレメントの利点に実質的に対応する。フットエレメント、ヘッドエレメント及びそれらの間に配置された少なくとも1つのラティスマストエレメントは、特にラティスブームを運搬するため互いに分離可能である。特に、上述のエレメントは、互いに分離して運搬される。
【0030】
請求項13にしたがうラティスブームは、ラティスブーム長手方向軸に沿って相前後して配置された複数のラティスマストエレメントを有する。ラティスブーム長手方向軸は、ラティスマストエレメント長手方向軸に平行である。ラティスマストエレメントを配置することにより、ラティスブーム長手方向軸に沿ってラティスブームの長さを必要又は所望の長さに設定又は調整することができる。
【0031】
特に、ラッフィング軸に沿って互いに間隔をおいて、互いに横方向に近接して配置された2つのラティスマストエレメントストランドに起因して、請求項14にしたがうラティスブームは大きい横方向の剛性を有し、特に大荷重を持上げるのに適している。1つのラティスマストエレメントストランドのみを含むラティスブームに比較して、2つのラティスマストエレメントストランドを含むラティスマストのラティスマストエレメントストランドの個々のラティスマストエレメントは、ラティスマストエレメント長手方向軸に対して90°回転される。これは、ラティスマストエレメント幅は、ラティスマストエレメントストランド高さに対応することを意味する。ラティスマストエレメント高さは、ラティスマストエレメントストランド幅に対応する。ラティスマストエレメントストランド高さは、ラティスマスト高さと同じである。ラティスマスト幅はラティスマストエレメントストランドのそれぞれのラティスマストエレメントストランド幅から得られ、ラティスマストエレメントストランドの距離は互いにラッフィング軸の方向において得られる。ラティスマストエレメントストランドが少なくとも部分的に互いに平行に配置されていない可能性がある。これに対応して、ラティスマスト幅は、ラティスマスト長手方向軸に沿って可変であってもよい。z方向のラティスブームの剛性、したがってその荷重担持能力は、最大許容運搬寸法に因って制限することができる。この運搬の問題は、本発明にしたがうラティスブームのための本発明にしたがうラティスマストエレメントを使用することによって解決することができる。ラティスマストエレメントは形態移し替え可能である。これは、ラティスマストエレメントストランドをラティスマストエレメントストランド幅より大きいラティスマストエレメントストランド高さを有して提供されることを可能にする。特に、ラティスマストエレメントストランド高さは、ラティスマストエレメントストランド幅の倍数、特に2倍、特に3倍、特に4倍である。特に、ラティスマストエレメントストランドは互いに着脱可能である。
【0032】
本発明の他の目的はラティスブームを含むクレーンを提供することで、ラティスブームは増加された横方向剛性を有するとともに、特に簡単な態様で運搬可能である。
【0033】
この目的は、本発明にしたがって請求項15に記載された特徴を有するクレーンによって達成される。
【0034】
本発明にしたがえば、特に水平ラッフィング軸の周りでラッフィング可能に関節連結された少なくとも1つのラティスブームを備えたクレーンは、増加した剛性を有することが見出された。この型式のクレーンは、特に、風力発電所にローターを取り付けるための組立クレーンである。
【0035】
クレーンのための得られる利点は、参照されるラティスマストエレメントとラティスブームの利点に実質的に対応している。
【0036】
以下、本発明をその実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1に示すクレーン1は、クローラクレーンとして構成され、下部構造2上に互いに平行に配置された2つのクローラ走行ギア3を備えている。上部構造5は、垂直回転軸4の周りに回転可能となる手法で下部構造2上に配置される。ラティスブーム7は、
図1における描画平面に対応する垂直平面においてラッフィング運動を許容する手法で水平ラッフィング軸6に関節結合される。ラッフィング軸6に対向して配置されたラティスブーム7の終端において、ジブ8が枢動可能の態様でラティスブーム7に関節連結される。ジブ8の先端は荷重の持上げ、保持及び移し替えのための吊り上げフックを備えるプーリ9が設けられる。両方のラティスブーム7とジブ8は複数のラティスマストエレメント10を含んでいる。
【0039】
図2、
図3は、本発明にしたがうラティスブーム11の実施例を示す。ラティスブーム11は、ラッフィング軸6の周りにラッフィング運動を許容するような手法で、クレーンの上部構造(図示せず)に関節連結されるのに適したフットエレメント12を有する。ラティスブーム11はラティスブーム長手方向軸13を有する。ラティスブーム長手方向軸13に沿って、フットエレメント12は、アダプタラティスマストエレメント14、複数のラティスマストエレメント15、別のアダプタラティスマストエレメント16、追加のラティスマストエレメント17及びヘッドエレメント18によって近接される。
【0040】
図2における表示は、ラティスマストエレメント高さHがラティスブーム長手方向軸13に沿って実質的に不変であることを示す。ラティスマストエレメント高さHはフットエレメント12の関節領域でのみ減少される。しかしながら、ラティスマストエレメントHは、特にアダプタラティスマストエレメント14、16のために、ラティスマストエレメント15、17のために及びヘッドエレメント18のために実質的に同一である。アダプタラティスマストエレメント14、16のラティスマストエレメント高さHは、ラティスマストエレメント長手方向軸13に沿って可変であると考えられる。特に、ラティスマストエレメント高さHはフットエレメント12からラティスマストエレメント15に向かって増加することが考えられる。それに対応して、ラティスマストエレメントの高さHは、それぞれヘッドエレメント18から又はラティスマストエレメント17からラティスマストエレメント15に向かってアダプタラティスマストエレメント16に沿って増加させることができる。ラティスマストエレメントの高さHの増加は特に線形である。また、ラティスマストエレメントの高さHの増加は、ラティスマストエレメント長手方向軸13に沿って湾曲した経路を追従するような手法で非線形とすることができる。ラティスマストエレメント高さHは、ラティスマスト長手方向軸13及びラッフィング軸6によって跨がれる平面に直交して配向されたラティスマスト高さhと同一である。
【0041】
これと対照的に、ラティスマストエレメント15の、
図3に示されるラティスマストエレメント幅Bは、フットエレメント12、ラティスマストエレメント17又はヘッドエレメント18の対応する幅よりもかなり大きい。特に、ラティスマストエレメント15のラティスマストエレメント幅Bは、フットエレメント12、ラティスマストエレメント17又はヘッドエレメント18の幅の少なくとも2倍、特に少なくとも3倍、特に少なくとも4倍である。アダプタラティスマストエレメント14、16は、それぞれフットエレメント12又はラティスマストエレメント17の幅からラティスマストエレメント15の増大されたラティスマストエレメント幅Bへの移行を可能にする。ラティスマストエレメント幅Bは、ラッフィング軸6に平行に配向されたラティスマスト幅bと同一である。
【0042】
本発明にしたがう図示のラティスブームで11において、ラティスマストエレメント幅Bはラッフィング軸6に平行であるとともに、ラティスマストエレメント高さHはラッフィング軸6に直交している。ラティスマストエレメント幅B及びラティスマストエレメント高さHは両方とも、各々ラティスブーム長手方向軸13に直交している。
重要なことは、ラティスブーム11は、一方向に沿ったラティスマストエレメント15の領域、この場合ラッフィング軸6と平行な幅において、これに直交する一方向、この場合高さにおけるよりもかなり大きいということである。増加されたラティスマストエレメント幅Bが特にラティスマストエレメント高さHの2倍を超え、特にラティスマストエレメント高さHの3倍を超え、特にラティスマストエレメント高さHの4倍を超える結果として、ラティスマストエレメント15は大きい横方向剛性を有する。荷重担持面19は、ラティスマストエレメント幅Bによって及びラティスマスト長手方向軸13に沿って配向されたラティスマストエレメント長さLによって画定される。ラティスマストエレメント高さHは、x−y平面に平行である荷重担持面19に直交して配向される。
【0043】
以下、ラティスマストエレメント15について
図4−
図11を参照してより詳細に説明する。
図4及び
図5において概略で図示されているように、ラティスマストエレメント15は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に平行に配置された2つの長手方向エレメント21を備えている。ラティスマストエレメント長手方向軸20は、
図4に示した直交座標系のx軸と平行である。
図6に示すように、ラティスマストエレメント長手方向軸20は、特に、ラティスブーム長手方向軸13と一致する。
【0044】
長手方向エレメント21は、それぞれの場合において、y軸に沿って配向された2つの相互連結された横方向エレメント22によってラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って互いに対向配置された両端部で相互に連結される。
【0045】
長方形荷重担持面19に跨る長手方向エレメント21及び横方向エレメント22の両方は、夫々、二次元荷重担持構造体として構成される。二次元荷重担持構造体21、22は荷重担持面19に対して直交して配向される。
図4における直交座標系によれば、荷重担持面19はx−y平面内に配置される。これに対応して、長手方向エレメント21はx−z平面に配置され、横方向エレメント22はy−z平面内に配置される。x方向は、それぞれラティスラティスマストエレメント15又はラティスブーム11の長手方向に対応する。y方向はラティスマストエレメント15の幅に対応する。z方向はラティスマストエレメント15の高さに対応する。
【0046】
横方向エレメント22を相互連結するために、その間に配置されるそれぞれの連結エレメント23が設けられる。連結エレメント23は、横方向エレメント22が
図4にしたがってラティスマストエレメント15の作業形態において捩り防止態様で相互連結することを可能にする。これは、横方向エレメント22はそれらがz軸の周りを回転することができないような方法で連結エレメント23に連結されていることを意味する。その結果、ラティスマストエレメントは増加した剛性を有する。連結エレメント23を介して、追加のブレーシングエレメント24が長手方向エレメント21に連結される。ブレーシングエレメント24はラティスマストエレメント15の実質的に菱形の内側輪郭をもたらし、ラティスマストエレメント15の増加された剛性を確保する。
【0047】
ブレースブレーシングエレメント24は、同様に二次元荷重担持構造体として構成される。
【0048】
二次元荷重担持構造体、言い換えれば長手方向エレメント21、横方向エレメント22及びブレーシングエレメント24は特に一体に構成され、言い換えればそれらは分割不可能であり、ラティスマストエレメントの合計剛性が増加されるように機能する。二次元荷重担持構造21、22、24は平面である。特に、二次元荷重担持構造体は、夫々トラスとして構成される。同様に、二次元荷重担持構造体としてはフレーム又は梁として構成することも考えられる。
【0049】
ラティスマストエレメント15が最大幅B
maxを有する
図4及び
図6に示される作業形態からラティスマストエレメント15が各々の場合にそれぞれの最小幅B
minを有する
図8〜
図10に示される運搬形態の1つへの特に有利な移し替えを確保するため、横方向エレメント22及びブレーシングエレメント24は、長手方向エレメント21及び/又は連結エレメント23に関節及び/又は着脱可能の態様で各々連結される。ブレーシングエレメント24は、z軸に平行な枢軸25の周りで枢動可能な手法で長手方向エレメント21及びz軸に平行な枢軸26の周りで枢動可能な手法で連結エレメント23に各々関節結合される。横方向エレメント22は、互いに平行で、z軸に平行に配向された2つの連結軸27によって捩り防止態様で相互連結される。特に、2つの連結軸27は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って互いに離間して配向され、ラティスマストエレメント15に関して偏心配置とされ、言い換えればそれらはラティスマスト長手方向軸20から離間し片寄って配置される。
【0050】
連結エレメント23に対向配置された端部において、横方向エレメント22は、z軸に平行に配向された枢軸25において長手方向エレメント21に枢動自在に連結される。
【0051】
図7に示される最大ラティスマストエレメント幅B
maxを有する作業形態から
図8に示される最小ラティスマストエレメント幅B
minを有する運搬形態へのラティスマストエレメント15の変更は、次のセクションで説明する。連結エレメント23において、横方向エレメント22の連結軸27への連結部のそれぞれの1つは取り外されて、それぞれの横方向エレメント22が連結エレメント23に連結されるような手法をとって、それぞれの他の連結軸27の周りで枢動可能な手法をとる。その結果、横方向エレメント22の間の捩り防止相互連結が解除される。横方向エレメント22は連結エレメント23に対して枢動可能である。同時に、ブレーシングエレメント24は、枢軸25の領域における長手方向エレメント21から取り外される。
【0052】
図8にしたがう好ましい運搬形態は、
図8にしたがうそれぞれの下部連結エレメント23が上方に、言い換えれば2つの長手方向エレメント21の間の位置に移動されることで得られる。このため、ブレーシングエレメント24は、第1工程において、長手方向エレメント21から取り外され、ラティスマストエレメント長手方向軸20の方向において枢軸26の周りで枢動される。そして、作業形態において本来は水平方向に配置される2つの横方向エレメント22は、実質的に垂直方向上方に枢軸25の周りで枢動される。それに対応して、下部連結エレメント23と同様に、上部連結エレメント23も同様に上方に枢動される。この折り畳まれた運搬形態において、運搬幅B
minは、特に運搬可能寸法に縮小される。特に、B
minは、最大で4m、特に最大で3mである。
図8にしたがう運搬形態において、2つの連結エレメント23は、同じ方向に、言い換えれば
図8に示されるように上方に移動される。この形態において、ラティスマストエレメント15は、
図7にしたがう作業形態におけるラティスマストエレメント15の長さよりも長い運搬長さを有する。長手方向エレメント21に連結された横方向エレメント22が枢支されている枢軸25はラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って互いに比較的長い距離を有する事実により、
図7における作業形態から
図8における運搬形態への移し替えは特に運動力学的に安定である。
【0053】
図7に示されたラティスマストエレメント15を
図9に示された運搬形態に移動することも可能であり、これは2つの連結エレメント23をラティスマストエレメント中心から反対方向に離して、言い換えれば互いに離れるように移し替えることで達成される。この型式の運搬形態において、最小ラティスマストエレメント幅B
minは、
図8にしたがう最小運搬エレメント幅と同一である。
【0054】
図7にしたがうラティスマストエレメント15の最小運搬長は、
図10にしたがう運搬形態によって達成される。この運搬形態は、軸横方向エレメント22及び長手方向エレメント21間の枢軸25を取り外し、さらにそれぞれの場合に横方向エレメント22及び連結エレメント23間の連結軸27の1つを取り外すことにより作製される。ここでブレーシングエレメント24は横方向エレメント22及び連結エレメント23を枢支するために使用できる。
【0055】
図11は、ラティスマストエレメント15の、
図2に対応する側面図を示す。
図11における描画平面は長手方向のエレメント21の二次元荷重担持構造体の平面に対応する。長手方向エレメント21は、複数のヌルバー29及び対角線バー30で相互連結され、互いに平行に配向された2つのコードエレメント(弦エレメント)28を有して、追加して補強されるようにされている。ラティスマストエレメント15の二次元荷重担持構造21はトラスとして構成される。
【0056】
図12は、
図3にしたがう実際の実施例におけるラティスブーム11を示し、アダプタラティスマストエレメント14、16及びそれらの間に配置されたラティスマストエレメント15を備える。
【0057】
図13、
図14は、連結エレメント23のより詳細な図を示し、アダプタラティスマストエレメント14、16におけるラティスマストエレメント15の連結エレメント23と同じ機能を果たす。この目的のために使用される長手方向エレメント21の形式における二次元荷重担持構造のデザイン及び特にコードエレメント28のデザインは、以下のセクションにおいて
図15を参照してより詳細に説明する。長手方向エレメント21は、のコードエレメントラティスマストエレメント長手方向軸20に平行であるx軸に沿って延びる2つのコードエレメント28を備えている。コードエレメント28はy−z平面における長方形断面を有する長方形中空プロファイルであり、z軸に沿って、言い換えればラティスマストエレメントの高さに沿った寸法よりもy軸に沿って、言い換えればラティスマストエレメントの幅に沿ったより大きな寸法を有する。これは、コードエレメント28がy軸の周りの軸方向断面慣性モーメントよりも大きいz軸の周りの軸方向断面慣性モーメントを有することを意味する。その結果、全体のラティスマストエレメント15の剛性は、y軸に沿った幅において印加される横方向力に耐えて、追加して高められる。長手方向エレメント21のコードエレメント(弦エレメント)28は、高さにおいて、言い換えればz軸に沿ってヌルバー29及び対角線バー30によって支承される。したがって、その撓曲の危険性は減少される。幅において、言い換えればy軸に沿って、長手方向エレメント21は、3つの位置、即ちラティスマストエレメント長手方向軸20に沿ってコードエレメント28の両端部に近接する2つのそれぞれの位置において及びコードエレメント28の中央領域において支持される。これは撓曲長さがy軸に沿って増加することを意味する。したがって、コードエレメント28の長方形中空プロファイルは、y軸方向に増大された断面係数を有する。さらに、
図15はコードエレメント28の両端部に設けられた複数のフォーク取付部31を示し、これらのフォーク取付部31は、ラティスマストエレメント長手方向軸13に沿って2つのラティスマストエレメント15を相互連結するために使用される。また、
図15は長手方向エレメント21のヌルバー29及び対角線バー30を示す。枢軸25のための関節動作エレメント32はコードエレメント28に特に、溶接によって固定される。枢軸25は、特に長手方向エレメント21が跨る平面から距離を置いて配置され、この平面はx−z平面に平行に配向される。枢軸25及び長手方向エレメント21間の当該距離は、関節動作エレメント32によって達成される。
【0058】
コードエレメント28は、平坦で広い中空プロファイル形状を有する。これは、コードエレメント28によって形成された長手方向エレメント21の横方向の安定性及び横方向の剛性を向上させる。長手方向エレメント21はラティスブームの側面部分である。長手方向エレメント21に因り、ラティスブームは増大された横方向の安定性及び横方向の剛性を有し、長手方向エレメント21は、ブレーシングエレメント24を介して、少なくとも1つの横方向エレメント22に連結されて、それによって補強されるようにしている。長手方向エレメント21の横方向の安定性又は横方向の剛性は、横荷重に対する抵抗を示す。ヌルバー29及び対角線バー30により相互連結された平坦で広いコードエレメント28は、
図15にしたがう高さにおいて、言い換えればz軸に沿って増大した剛性及び安定性を有する長手方向エレメント21を作製する。長手方向エレメント21の増大した横方向の剛性に因り、荷重担持面に平行なブレーシングエレメント24の数は減少することができ、その結果、より少ない材料だけが必要とされ、この型式のラティスマストエレメントを作製できる。ラティスマストエレメントは軽量デザインになっている。
【0059】
次のセクションにおいて、
図16における作業形態から
図17における運搬形態へのアダプタラティスマストエレメント14の移し替えをより詳細に説明する。アダプタラティスマストエレメント14は、アダプタラティスマストエレメント16と同一である。アダプタラティスマストエレメント14は台形の荷重担持面19を有する。
図16に示される上端部において、荷重担持面19は連結エレメント23によって相互連結された2つの横方向エレメント22によって制限されている。下端部において、唯一の横方向エレメント22が設けられて、2つの長手方向エレメント21の間の距離を橋渡ししている。追加の補強をするために、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って見たとき、連結エレメント23により相互連結されている追加の横方向エレメント22が、ブレーシングエレメント24に加えて、アダプタラティスマストエレメント14の略中央部に設けられる。ラティスマスト長手方向軸20に沿って、アダプタラティスマストエレメント14は、可変ラティスマスト幅Bを持っている。ラティスマスト幅B
minが下部横方向エレメント22で最小であり、ラティスマストエレメント幅B
maxが上端で最大である。
【0060】
図16に示される作業形態から
図17に示される運搬形態へアダプタラティスマストエレメント14を移動させるために、中央横方向エレメント22は枢軸25の領域において長手方向エレメント21から取り外される。同時に、連結軸27の1つの中央横方向エレメントは連結エレメント23から取り外され、連結エレメント23に下方に枢動される。上部の横方向エレメントは、連結エレメント23のそれぞれの上部連結軸27から及び長手方向エレメント21の枢軸25から取り外され、同様に下方に枢動される。長手方向エレメント21の2つの上端部は、それぞれラティスマストエレメント長手方向軸20に向かって枢動し、長手方向エレメント21が互いに平行となり、アダプタラティスマストエレメント長手方向軸20と平行になる。この形態において、アダプタラティスマストエレメント14は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って一定の幅を有し、この幅は作業形態におけるアダプタラティスマストエレメントの最小幅B
minに対応する。請求項16に記載の作業形態では、2つの長手方向エレメント21がラティスマストエレメント長手方向軸20に対して或る角度で配置される。傾斜角度は約15°である。傾斜角度は、ラティスマストエレメント17からラティスマストエレメント15へ及びラティスマストエレメント15からフットエレメント12への対応する断面変化を可能にするために、それに応じて適合させることができる。
【0061】
特に、傾斜角は、15°より大きく又は15°より小さくすることができる。長手方向エレメント21は、実質的に上述したような傾斜角度でラティスマストエレメントの長手方向軸20に沿って互いに配置されている。
【0062】
図18〜
図23は、ラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。
図1〜17を参照して既に説明したものに対応する部品は、同一の参照数符号によって示され、再度詳細に説明しない。
【0063】
ラティスマストエレメントの前述した実施例と比較して最も重要な相違は、ラティスマストエレメント15の横方向エレメント22及びそれに関節接合されたブレーシングエレメント24が直接的に相互連結されていることである。特に、連結エレメント23を使用することは必要ではない。エレメント間の相互連結は、
図23における拡大詳細図に示される。
【0064】
この実施例にしたがうラティスマストエレメント15は、連結エレメントが不要になるため、簡単なデザインとなる。特に、この型式のデザインは、軽量化及び簡単化される。
図21に示される作業形態から
図22に示される運搬形態へのラティスマストエレメント15の移し替えのための運搬形態における長手方向エレメント21間の十分な空間量を設けるため、
図21、
図22の上部に表示される横方向エレメントは、
図21、
図22の下部に示す横方向エレメント22とは異なって構成する必要がある。
図22にしたがう運搬形態は
図8における運搬形態に実質的に対応する。
図21における作業形態から開始するとすれば、ラティスマストエレメント幅B
maxは、
図22における最小運搬エレメント幅B
minに比べて著しく減少される。
【0065】
連結エレメント無しでのラティスマストエレメントの比較的簡単なデザインにも拘わらず、横方向エレメント22間の捩り防止相互連結を作製することが可能である。これは、連結軸27が横方向エレメント22における開口部によって作製されることで達成され、この開口部は、互いに同一面であるような手法で対になって配置される。開口部は、
図21にしたがうラティスマストエレメントの作業形態のみにおいて、互いに同一面に配置される。ボルトが補強(ブレーシング)のために互いに同一面に配置された開口部に挿入される。
【0066】
図24〜
図29はラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。
図1〜
図23を参照して上述したものに対応する部品は、同一参照数符号によって示され、再度詳細に説明しない。
【0067】
ラティスマストエレメント15は、連結エレメント33によって、2つの横方向エレメント22が相互連結することができ、4つのブレーシングエレメント24がこれに関節結合することができる点で、前述した実施例から異なる。ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って、これらの4つのブレーシングエレメント24の2つは横方向エレメント11の上方に配置され、他の2つは横方向エレメント11の下方に配置される。その結果、連結エレメント33は1つだけ、1つのラティスマストエレメント15のために必要とされる。
図24〜
図29における実施例にしたがうラティスマストエレメント15はより少ない材料を必要とし、したがってコスト及び重量の両方を減少させることができる。また、ラティスマストエレメント15のブレーシングエレメント24は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿ってフォーク取付部31を越えて近接するラティスマストエレメント15にかけて延在している。その結果、
図29に概略図示されたラティスブームはラティスマスト長手方向軸13に沿って追加して補強され、このラティスブームは複数のラティスマストエレメント15を備えている。
【0068】
図27に示される作業形態から
図28に示される運搬形態への移し替えのために、それぞれの連結軸27の連結エレメント33から取り外された総てのブレーシングエレメント24及び横方向エレメント22は、
図28にしたがう1つの方向、即ち下方に枢動され、互いにV字状構成に配置される。この型式のラティスマストエレメント15の運搬形態は特に有利である。何故なら、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って、運搬長は、最小であり、かつ長手方向エレメント21の長さに対応するからである。これは、
図28に示される運搬形態において横方向エレメント22及び連結エレメント24がラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って長手方向エレメント21を越えて突出しないことを意味する。
【0069】
図30、
図31はラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。ラティスマストエレメント15は
図7における第1の実施例にしたがうラティスマストエレメントに実質的に対応し、2つの連結エレメント34は長手方向バー35によって強固に相互連結される。また、長手方向バー35は、特に、長手方向二次元荷重担持構造として構成することができる。ラティスマストエレメントは増加された剛性を有する。
図30における作業形態から
図31における運搬形態への移し替えは安定した態様で実行可能である。何故なら、移動される総ての部品、言い換えれば互いに連結された連結エレメント34及びこれに枢動可能な態様で関節接合された横方向エレメント22及びブレーシングエレメント24は案内される態様で同時に移し替えられるからである。
【0070】
図32、
図33はラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。
図1〜
図31を参照して既に説明したものに対応する部品は、同一の参照数符号によって示され、再度詳細に説明しない。
【0071】
この実施例にしたがうラティスマストエレメント15は、
図30〜
図31における実施例にしたがうラティスマストエレメントに実質的に対応する。最も重要な相違は駆動エレメント41が設けられることである。図示された実施例にしたがえば、駆動エレメント41は、液圧シリンダの形でピストンシリンダユニットとして構成される。液圧シリンダ41はピストンロッド42を有し、これはz軸に平行に配向された枢軸の周りで長手方向バー35に枢動可能に関節結合される。駆動エレメント41は入れ子式に伸縮自在であって、ピストンロッド42がシリンダ長手方向軸44に沿って、シリンダハウジング43から操出可能、シリンダハウジング43内に操込可能である。この目的のため、液圧シリンダ41は図示されない液圧ラインを介してクレーンの液圧装置に連結される。シリンダハウジング43は、2つのリンクバー45を介して、それぞれの場合に横方向エレメント22の1つに関節連結される。
【0072】
図32に示されたラティスマストエレメント15の作業形態において、ピストンロッド42は特に最大限でシリンダハウジング43から伸長される。
図32に示されるラティスマストエレメント15の作業形態から
図33に示されるその運搬形態への移し替えは、参照される
図30及び
図31にしたがう実施例を参照して説明したものと同様の態様で実質的に実行される。
図32及び
図33にしたがう両形態間の移し替えは駆動エレメント41の作動によって追加して促進される。
図32における作業形態から開始するとして、ピストンロッド42はシリンダ長手方向軸44に沿ってシリンダハウジング43内に操込まれ、ピボット軸46とピボット軸47との間の距離はラティスマストエレメント15の折り畳みプロセスが促進される手法で減少される。
【0073】
また、駆動エレメント41はスピンドル駆動又は電気モータによって作動される液圧シリンダであってもよい。
【0074】
図33に示されたラティスマストエレメント15の運搬形態において、ピストンロッド42は特に完全にシリンダハウジング43内に操込まれる。
【0075】
図34〜
図36はアダプタラティスマストエレメント14の別の実施例を示す。
図1〜
図33を参照して上述したものに対応する部品は、同一参照数符号によって示され、再度詳細に説明しない。
【0076】
アダプタラティスマストエレメント14は、
図16及び
図17に示されたアダプタラティスマストエレメント14に実質的に対応する。最も重要な相違は、2つの連結エレメント23が長手方向バー35によって相互連結されることである。長手方向バー35は
図34の上部に示された第1連結エレメント23と一体に形成される。
図34の下部に示す第2の連結エレメント23において、長手方向バー35はラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って移動可能に案内される。特に、長手方向バー35によってもたらされる連結エレメント23の相互連結は剛性ではない。
図36にしたがう一部切断詳細図において、連結エレメント23における長手方向バー35の案内はスライドブッシュ49として構成された案内エレメント48によって概略的に示される。これは、長手方向バー35がスライドブッシュ49により形成された開口部を通って案内されてもよいことを意味する。長手方向バー35の外側直径は、スライドブッシュ49の開口部の内径より小さく又はそれに等しく、特にスライドブッシュ49の開口部の内径より小さい。
【0077】
駆動エレメント41は、
図34に示されるアダプタラティスマストエレメント14の作業形態から
図35に示される運搬形態への移し替えを容易にするために設けられる。駆動エレメント41は、前掲の実施例にしたがう駆動エレメントに対応する。
図34及び
図35に示される2つの形態間のアダプタラティスマストエレメント14を移し替えるための機構に関する限り、
図16及び
図17にしたがう実施例に係る説明を参照されたい。
【0078】
図37〜
図39はラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。
図1〜
図36を参照して上述したものに対応する部品は同一参照数符号によって示され、再度詳細には説明しない。
【0079】
ラティスマストエレメント15は、ブレーシングエレメント24が斜方形構成の代わりに荷重担持面に対して対角線状に配置される点で、前掲の実施例と実質的に異なる。長手方向エレメント21はそれぞれの場合に1つの横方向エレメント22により相互連結される。ラティスマストエレメント15を作業形態から運搬形態に移し替えるために、図示されたエレメント間の連結が取り外される。特に5つのエレメントのみが各ラティスマストエレメントのために必要とされ、即ち2つの長手方向エレメント21、2つの横方向エレメント22及び1つのブレーシングエレメント24が必要とされるので、分解は迅速かつ簡単な態様で実行することができる。4つの連結だけ、即ち荷重担持面のコーナー領域におけるものが取り除かれる必要があって、2つの横方向エレメント21を運搬することが特に可能である。2つの長手方向エレメント22はブレーシングエレメント24の側面に当接するように折り畳むことができる。運搬形態から作業形態への移し替えのために必要な労力は軽減される。
【0080】
図40〜
図42はラティスマストエレメント15の別の実施例を示す。
図1〜
図39を参照して上述されたものに対応する部品は同一参照数符号によって示され、再度詳細に説明しない。
【0081】
ラティスマストエレメント15は、
図4にしたがうラティスマストエレメント15に実質的に対応する。最も重要な相違は、長手方向エレメント21及び横方向エレメント22が二次元荷重担持構造であるものの、しかしながら、それらは一体的に構成されていないということである。これは、特に
図41にしたがう分解図で示される。長手方向エレメント21及び横方向エレメント22はボルトを用いて相互連結される複数の個々の部品50でそれぞれ作製される。これは、個々の部品50が着脱可能に相互連結可能であることを意味する。長手方向エレメント21の個々の部品50は、特にx軸に沿って、言い換えればラティスマストエレメント長手方向軸20に平行に配向されたコードエレメントを有する。コードエレメントは複数のヌルバーと横方向バーによって相互連結される。それに応じて、横方向エレメント22の個々の部品50は、y軸に平行に、言い換えればラティスマストエレメント幅に沿って配向されたコードエレメントを含み、このコードエレメントはそれぞれの場合にz軸に平行に配向された複数のヌルバー及びその間に配置された横方向バーによって相互連結される。
【0082】
図4、
図5にしたがう実施例とは対照的に、ブレーシングエレメント24は二次元荷重担持構造体として構成されていない。ブレーシングエレメント24はそれぞれ荷重担持面に平行に配向された2つの個別の連結バー51を含む。特に、図示の実施例において、複数のエレメントが互いに枢着されていないので、ブレーシングエレメント24は二次元荷重担持構造体として構成する必要がない。特に、ブレーシングエレメント24のバー51が枢動運動中に自立的に保持される必要はない。
【0083】
特に、
図40〜
図42にしたがうラティスマストエレメント15のすべての個々の部品50、51は、着脱可能に、特にボルトを使用して相互連結される。運搬形態におけるスペース必要条件は、運搬のために総ての取り外し可能な連結部を取り除くことによって大幅に減少することができる。
【0084】
図42による実際の実施例にしたがえば、横方向エレメント22の個々の部品50は、円形断面を有する管状エレメントとして構成される。長方形又は正方形の断面形状のような他の断面形状も同様に考えられる。管状エレメントには、それらの端部に連結ラグがそれぞれ設けられ、それらを長手方向エレメント21の個々の部品50に直接取り付けることができる。長手方向エレメント21の個々の部品50は、同様に管状エレメントとして構成される。長手方向エレメントの管状エレメントはそれぞれ
図15に示された図示に対応する長方形断面を有する。少なくとも1つのヌルバー29及び/又は少なくとも1つの対角線バー30は、それぞれの場合において、横方向エレメント22のそれぞれの上部の個々の部品50と下部の個々の部品50との間及び長手方向のエレメント21のそれぞれの上部の個々の部品50と下部の個々の部品50との間に設けられる。ヌルバー29及び対角線バー30は、各々の場合に使用され、長手方向のエレメント21及び横方向エレメント22を補強する。言い換えれば、ヌルバー29及び対角線バー30はラティスマストエレメント15のフレーム部の剛性構造を確保する。ラティスマストエレメント15自体は、4つのブレーシングエレメント24よって補強される。ブレーシングエレメント24は、それぞれの場合に、荷重担持面に直交する方向に互いに間隔をおいて配置された2つの個々の部品51を含む。個々の部品51は、ボルトを用いて横方向エレメント22又は長手方向エレメント21の個々の部品50に直接連結される。図示された実施例にしたがえば、1つのブレーシングエレメント24は、長手方向エレメント21を横方向エレメント22と相互連結するときに使用される。
【0085】
図示された実施例にしたがう複数のラティスマストエレメント15からなるラティスマストにおいて、ラティスマストエレメント15は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って相前後して配置される。これは、横方向エレメント22により形成された中間壁が、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って互いに離間し、ラティスマストエレメント長手方向軸20に直交し、特に互いに平行に配置されることを意味する。この目的のため、長手方向エレメント21の前端部には、それぞれ連結取付部53が設けられる。連結取付部53は、ラティスマストエレメント長手方向軸20に沿って延在し、2つの近接するラティスマストエレメント15を特に横方向エレメント22に平行に配向されたボルトを使用して相互連結する。
【0086】
ラティスマストエレメントは、実質的に、長手方向エレメント21及び横方向エレメントによって作製されたフレーム構造を有する。フレーム構造は、荷重担持面を画定する平坦な長方形中空プロファイルを有する。プロファイルエレメント長手方向軸54aは荷重担持面に直交して延在する。プロファイルエレメント長手方向軸54aは、ラティスマストエレメント長手方向軸20に直交して配向される。
ラティスマストエレメント長手方向軸20がプロファイルエレメント長手方向軸54aに対し同一の関係で配置され、コードエレメントによって形成された上側部、下側部がフィラー体を備えている特許文献5(US 2002/0053550 A1)に係るアプローチとは対照的に、本発明にしたがうラティスマストエレメントは長手方向エレメント21がヌルバー29及び対角線バー30の形式のフィラー体を有するように構成され、長手方向エレメント21及び横方向エレメント22のコーナー領域はブレーシングエレメント24により補強される。
図15にしたがう長手方向エレメント21のためのコードエレメント28の特に有利な実施例において、改善された横方向の剛性を達成することができ、使用されたブレーシングエレメント24の数を減らすことができる。したがって、これは、プロファイルエレメント長手方向軸54aがラティスマストエレメント長手方向軸20に対して直交して配向されていることを意味する。ラティスマストエレメント長手方向軸20に対してプロファイルエレメント長手方向軸54Aの当該配向は、特に、本発明にしたがうラティスマストエレメントの他の総ての実施例に当てはまる。互いにとられる軸20、54Aの当該配向は、本発明によるラティスマストのデザインの特徴である。
【0087】
図43はアダプタラティスマストエレメント14、16及びその間に配置されたラティスマストエレメント54を含むラティスブーム11の他の実施例を示す。アダプタラティスマストエレメント14、16は実質的に
図12に示したものに対応する。アダプタラティスマストエレメント14、16は、描画平面において実質的に台形の荷重支承面を有する。アダプタラティスマストエレメント14、16の長手方向エレメント21は、ラティスマスト長手方向軸13に沿って可変の高さを有してもよい。これは、アダプタラティスマストエレメント14、16の長手方向エレメント21が、特に長方形ではなく、特に台形であることを意味する。例えば、荷重担持面に直交する方向のラティスマストエレメント54の高さは、アダプタラティスマストエレメント14、16が関節結合されているヘッドピース及び/又はフットピースの高さよりも大きい。長手方向エレメント21の台形形状により画定される傾斜角度は、数度、特に最大で5°、特に最大で4°、特に最大で3°、特に最大で2°、特に最大1.5°である。
【0088】
図12におけるラティスブームに比較して、連結エレメント23は簡単なデザインとされている。連結エレメント23は、横方向に沿って一体に構成された横方向エレメント22に固定される。連結エレメント23は横方向エレメント22に固定される連結取付部であって、それと共に一体に形成するものである。この場合、連結エレメント23は横方向エレメント22の一部である。連結エレメント23はブレーシングエレメント24を横方向エレメント22に連結するために使用される。
図43に示された実施例にしたがう連結エレメント23は複数の横方向エレメントを相互連結するために設けられていない。この重要な理由は、図示された実施例にしたがう連結エレメントが必ずしも折り畳み機能を持っていないことである。ラティスブーム11の図示された実施例は、それぞれの場合に、互いに個別的に連結可能、かつ着脱可能な部品を有する。これは、長手方向エレメント21、横方向エレメント22及びブレーシングエレメント24の個々の部品50、51が着脱可能に、特にボルトを使用して相互連結されることを意味する。
【0089】
少なくとも1つのラティスマストエレメント54はアダプタラティスマストエレメント14、16の間に配置される。特に、複数のラティスマストエレメント54、例えば少なくとも5個、少なくとも10個又は10個を超えるラティスマストエレメント54がアダプタラティスマストエレメント14、16の間でラティスマスト長手方向軸13に沿って配置される。
【0090】
図12に示される実施例に比較して、
図43にしたがうラティスマストエレメント54の下部横方向エレメント22のこれに関節連結されたブレーシングエレメント24との形態は
図12に示される実施例と異なっている。それぞれの横方向エレメント22はこれに関節連結されたブレーシングエレメント24とともに実質的にK字状構造を有する。ラティスマストエレメント54において、K字状構造は同一に配向される手法でラティスマスト長手方向軸13に沿って相前後して配置される。この型式のラティスマストエレメント54はダブルK字状アッセンブリを有する。言い換えれば、ラティスマストエレメント54において、2つの実質的に同一のK字状アッセンブリはラティスマスト長手方向軸13に沿って相前後して配置される。ラティスマストエレメント54は、
図43の上部に配置された閉じたKアッセンブリ及び
図43の下部に配置された開いたK字状アッセンブリを有する。言い換えれば、ラティスマストエレメント54は、一方の側で開いたダブルK字状アッセンブリである。閉じられたK字状アッセンブリにおいて、下部のK字状アッセンブリの横方向エレメント22は、上部のK字状アッセンブリの開口部を閉成する。2つの横方向エレメント22を含む閉じたK字状アッセンブリを伴うラティスマストエレメント54において、ブレーシングエレメント24は、
図12にしたがう菱形構成で配置されていない。
【0091】
図44は、別のラティスブーム55を示す。ラティスブーム55は、実質的に
図43に示された実施例に対応する。最も重要な相違は、個々のラティスマストエレメントが小さいことである。例えば、アダプタラティスマストエレメント14、16は、相互連結可能であってラティスマストエレメント14又は16を形成する2つのアダプタラティスマスト部分的エレメント56、57が設けられる手法により2つの部分で構成される。それぞれの外側アダプタラティスマスト部分的エレメント56が上端又は下端部に設けられ、ラティスブーム55をクレーンのヘッドピース又はフットピースに取り付けるために使用される。アダプタラティスマスト部分的エレメント56は簡単で閉じられたK字状アッセンブリであって、実質的にアダプタラティスマストエレメント14又は16の外側セクションを形成する。それぞれの内側アダプタラティスマスト部分的エレメント57は広いラティスマストエレメント58に取り付けるために使用される。アダプタラティスマスト部分的エレメント57は、各々簡単で開かれたK字状アッセンブリとして構成される。アダプタラティスマスト部分的エレメント57のみが1つの横方向エレメント22を有する。各アダプタラティスマスト部分的エレメント57は横方向エレメント22によって相互連結された2つの長手方向エレメント21を有する。また、アダプタラティスマスト部分的エレメント57は2つのブレーシングエレメント24を有する。各ブレースエレメント24は、横方向エレメント22及び長手方向エレメント21の1つの間に配置される。ブレースエレメント24は、それぞれの場合に、横方向エレメント22を長手方向エレメント21の1つに直接に連結するために使用される。
【0092】
アダプタラティスマスト部分的5エレメント7は、他のアダプタラティスマスト部分的エレメント56に向かう方向にそれぞれ開いている。それぞれのラティスマストエレメント58に面する横方向エレメント22は、開いた側と反対側でダプタラティスマスト部分的エレメント57の一側に設けられる。
【0093】
ラティスマストエレメント58はそれぞれ簡単で開いたK字状アッセンブリとして構成される。ラティスマストエレメント58は、2つの長手方向エレメント21、2つの長手方向エレメントを相互連結する横方向エレメント22及び2つのブレーシングエレメント24を有する。
図44に示されるラティスマストエレメント58は
図43におけるラティスマストエレメント54の半分に実質的に対応する。これは、特に、2つのラティスマストエレメント58を相前後して配置することにより、
図43にしたがうラティスマストエレメント54を実質的に作製するできることを意味する。
図44にしたがうラティスブーム55のモジュール性が改善される。特に、モジュラーエレメント56、57、58の小型化に因り、部品のばらつきが改善される。ラティスブーム55は、ラティスマスト長手方向軸13に沿って複数のラティスマストエレメント58を備えることができる。特に、ラティスマストエレメント58の数は、ラティスブーム55の所望の全体長を達成する必要に応じて実質的に可変である。
図44は、明確にする理由だけのためラティスマストエレメント58の1つのみを示す。
【0094】
図45、
図46は、ラティスブーム36の別の実施例を示す。
図1〜
図44を参照して既に上述したものに対応する部品は、同一参照数符号によって示され、再度詳細には説明しない。
【0095】
図45にしたがうラティスブーム36の側面図は、
図2にしたがう側面図に実質的に対応する。ラティスブーム36は、2つの実質的に同一のラティスマストエレメントストランド47を有する。ラティスマストエレメント47は、ラティスマスト長手方向軸13に対して対称に配置される。
図2、
図3におけるラティスブーム11のラティスマストエレメントと比較して、ラティスマストエレメントストランド37のラティスマストエレメント15は、ラティスマスト長手方向軸13に対して90°回転される。ラティスブーム36において、ラティスマストエレメント15は、ラッフィング軸6が荷重担持面に対して直交するように配向される。ラティスブーム36において、ラッフィング軸6に直交して配向されるラティスマストエレメント幅Bは、ラティスマストの高さhと同一であるラティスマストエレメントストランド高さに対応する。個々のラティスマストエレメントストランド37は、ラティスマストエレメントストランド幅よりも長いラティスマストエレメントストランド高さを有する。ラティスマスト高さhは、荷重担持面に直交している。ラティスマスト高さhは、垂直ラティスマスト長手方向軸13及びラッフィング軸6によって跨げられる平面に直交している。ラティスマストエレメントストランド幅はラティスマストエレメント高さに対応し、ラッフィング軸6に平行である。ラッフィング軸6に平行に配向されたラティスマスト幅bは、互いに間隔をおいて配置されたラティスマストエレメントストランド37によって画定される。ラティスマストエレメントストランド37の距離aは、2つのラティスマストエレメントストランド長手方向軸52間の距離によって画定され、この距離はラッフィング軸6に平行に配向される。
図46の下部に示されるラティスブーム36の第1の領域において、ラティスマストエレメントストランド37は第1の距離a
1を有する。そこから得られる第1のラティスマスト幅b
1は第1の距離a
1とラティスマストエレメントストランド幅の合計である。同様に、それ対応して、これは、
図46の上部に示されるようにラティスブーム36の第2の領域において第2の距離a
2と第2のラティスマスト幅b
2に適用される。特に、上述した関係は、一般的には全体のラティスブーム36に適用される。ラティスマスト幅bは、ラティスマスト高さhよりも長い。ラティスマスト幅bは少なくとも部分的にラティスマスト長手軸13に沿って可変である。これは、ラティスブーム36がラッフィング軸6及びラティスマスト長手方向平面13に直交して配向された方向においてラティスマストエレメント15の回転された形態及びその離間された位置決めに因り増加された剛性を有することを意味する。
【0096】
ラティスブーム36はラティスマストエレメント15に近接してアダプタラティスマストエレメント14、16が設けられる。また、減少された荷重担持面を有するフットエレメント12及びヘッドエレメント18並びに追加のラティスマストエレメント17が設けられる。
【0097】
また、
図45の描画平面に直交して、言い換えれば
図46にしたがう描画平面において、十分な荷重担持能力を達成するために、ラティスブーム36は、2つの実質的に同一のラティスマストエレメントストランド37を含むダブルストランド構成を有する。ラティスマストエレメント37はラティスマスト長手方向軸13に対して互いに距離をおいて配置される。フットエレメント12の領域において、ラティスマストエレメントストランド37は最大距離を有する。フットエレメント12は互いに平行に配置される。フットエレメント12はそれぞれラッフィング軸6に枢動可能に関節連結される。反対側の端部において、フットエレメント12は、それぞれの場合に、クロススプレッダによって相互連結される。その機能は、ラティスマストエレメントストランドに37を相互連結するためのラティスブーム36を補強することである。クロススプレッダ38は、特に、ラティスマストエレメントで作製される。クロススプレッダ38は、ラティスマスト長手方向軸13に沿って、アダプタラティスマストエレメント14、ラティスマストエレメント15及びアダプタラティスマストエレメント16によって近接されている。アダプタラティスマストエレメント16上で、別のクロススプレッダ39が設けられて、2つのラティスマストエレメントストランド37を相互連結する。2つのクロススプレッダ38、39間で、ラティスマストエレメントストランド37は、ラティスマスト長手方向軸13に関して角度をもって配置される。ラティスブーム36は文字Aの形状に実質的に構成される。クロススプレッダ39上の領域では、ラティスマストエレメント17はラティスマスト長手方向軸13に平行である。ラティスマストエレメント17及びヘッドエレメント18の間で、他のクロススプレッダ40が設けられて、さらにラティスブーム36を補強する。