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特許6335291ワイヤレス通信システム、方法、ユーザ機器、ノード、およびコンピュータ・プログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335291
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信システム、方法、ユーザ機器、ノード、およびコンピュータ・プログラム製品
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/06 20090101AFI20180521BHJP
   H04W 76/50 20180101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04W4/06 150
   H04W4/22
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-527188(P2016-527188)
(86)(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公表番号】特表2016-535502(P2016-535502A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】EP2014002871
(87)【国際公開番号】WO2015062712
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年6月10日
(31)【優先権主張番号】13290267.7
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォラル,チャンドリカ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】パラット,スディープ ケー.
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−061831(JP,A)
【文献】 LG Electronics Inc.,Contents of MBMS reception status[online],3GPP TSG-RAN WG2♯71,3GPP,2010年 8月28日,R2-104559,検索日[2017.04.18],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_71/Docs/R2-104559.zip>
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,MBMS notification and UE energy consumption in LTE Rel-9[online],3GPP TSG-RAN WG2♯66bis,3GPP,2009年 7月 3日,R2-093799,検索日[2017.4.18],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_66bis/Docs/R2-093799.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して複数のユーザ機器デバイスへ通信サービスを提供し、かつ前記ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートする方法であって、
MBSFNエリア毎に第1のポイント・ツー・マルチポイント・マルチキャスト制御チャネル(MCCH)および少なくとも1つの追加のMCCHを提供するステップと、
1つのMBSFNエリアにおける前記少なくとも1つの追加のMCCHの修正期間を、前記MBSFNエリアの前記第1のMCCHチャネルの修正期間よりも低い値に設定するステップとを備える、方法。
【請求項2】
MBSFNエリアに関し、前記MBSFNエリアの前記第1のMCCHの周期とは異なる、前記少なくとも1つの追加のMCCHの周期を選択するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加のMCCHチャネルは、エリアの前記第1のMCCHと独立して設定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
異なるMCCHに属する複数のマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)を、送信時間インタバル(TTI)内で、同じ物理マルチキャスト・チャネル(PMCH)で送信するステップをさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
異なるMCCHに属するMTCHのスケジューリングのためサブフレーム・レベルで無線リソースを分割するステップをさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの追加のMCCHチャネルは、前記複数のUEデバイスのうちの少なくとも部分集合とともに使用するために構成される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のMCCHは、前記ワイヤレス遠隔通信システムのための修正期間を有さない、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のMCCHは、第1のタイプのサービスの送信に関連して使用され、前記少なくとも1つの追加のMCCHは、公衆安全サービスのための送信に関連して使用される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1の期間に従ってワイヤレス遠隔通信システムにおけるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアの第1のマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を周期的にモニタし、かつ第2の期間に従って前記エリアに対する前記ワイヤレス遠隔通信システムの第2のMCCHを周期的にモニタするように構成され、前記第1のMCCHは第1の修正期間を有し、前記第2のMCCHが前記第1のMCCHの前記第1の修正期間よりも低い値を有する、ユーザ機器。
【請求項10】
ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して複数のユーザ機器デバイスへ通信サービスを提供し、かつ前記ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のMBSFNエリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートするように動作可能なワイヤレス遠隔通信システムであって、MBSFNエリア毎に第1のMCCHおよび少なくとも1つの追加のMCCHを用いてユーザ機器と通信するように動作可能なノードを含み、MBSFNエリアにおける前記少なくとも1つの追加のMCCHの修正期間が前記MBSFNエリアに対する前記第1のMCCHの前記修正期間よりも低い値を有する、ワイヤレス遠隔通信システム。
【請求項11】
ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して複数のユーザ機器デバイスへ通信サービスを提供し、かつ前記ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のMBSFNエリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートするように動作可能な前記ワイヤレス遠隔通信システムにおけるノードであって、MBSFNエリア毎に第1のMCCHおよび少なくとも1つの追加のMCCHを用いてユーザ機器と通信するように動作可能であり、MBSFNエリアにおける前記少なくとも1つの追加のMCCHの修正期間が前記MBSFNエリアに対する前記第1のMCCHの前記修正期間よりも低い値を有する、ノード。
【請求項12】
前記MBSFNエリアの前記第1のMCCHの周期とは異なる、前記少なくとも1つの追加のMCCHの周期を設定するようにさらに動作可能である、請求項11に記載のノード。
【請求項13】
コンピュータ・プログラムであって、組み込まれたコンピュータ読取可能なプログラム・コードを有するコンピュータ使用可能な媒体を備え、前記コンピュータ読取可能なプログラム・コードは、ワイヤレス遠隔通信システムにおいて、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法を実施するために実行されるように適合された、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、限定しないが、マルチメディア・ブロードキャスト/マルチキャスト・サービス(MBMS)に関連するメッセージの送信および受信に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス遠隔通信システムにおいて、ユーザ機器(UE)へのメッセージおよびデータのブロードキャストまたはマルチキャストのためのサービスが提供され得る。マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)と称されるそのようなサービスは、単一のセル全体にわたって、または、サービスエリアと称されるセルの集合がMBMSを受信しながら、システムのいくつかの隣接する、またはオーバラップするセル全体にわたって、送信され得る。
【0003】
典型的には、MBMSのための送信は、2つのチャネル、すなわち、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)と、マルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)とで生じる。MTCHは、MBMSのコンテンツを伝送し、MCCHは、MBMSに関連する制御情報を伝送する。MCCHは、たとえば、MTCHにおけるコンテンツがどのようにして伝送されるのかを指定するキー制御情報を含み、MCCHチャネルは、MCCH情報を送信するために、ポイント・ツー・マルチポイント・ダウンリンク・チャネルとして使用される。一般に、1つのセルは、1つの対応するMCCHを有する。
【0004】
ロング・ターム・エボリューション(LTE)アーキテクチャでは、マルチキャスト・ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)と称される改良されたバージョンのMBMS(eMBMS)が、ブロードキャスト・オンリー・サービスをサポートする。各々が、問題となっているMBSFNエリア内のすべてのUEへMCCH情報を送信するためのMCCHチャネルを有する複数のMBSFNエリアが定義され得る。
【0005】
MCCHチャネルにおけるMBMS情報が、すべてのサービスに対して共通である固定されたスケジュールに従って送信される。したがって、MCCH情報の大多数は、反復期間に基づいて、周期的に送信される。このMCCH情報は、厳密に同じコンテンツで、設定可能な回数だけ反復される。このMCCH情報のコンテンツが変わらないままでいる期間は、「修正期間」と呼ばれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例によれば、ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して、複数のユーザ機器(UE)デバイスへ、通信サービスを提供し、ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートする、ワイヤレス遠隔通信システムにおいて実行され、MBSFNエリア毎に第1のポイント・ツー・マルチポイント・マルチキャスト制御チャネル(MCCH)および少なくとも1つの追加のMCCHチャネルを提供するステップを備える方法が提供される。MBSFNエリアに関し、MBSFNエリアの第1のMCCHの周期とは異なる、少なくとも1つの追加のMCCHの周期が選択され得る。MBSFNエリアにおける少なくとも1つの追加のMCCHの修正期間は、そのエリアの第1のMCCHチャネルの修正期間よりも低い値に設定され得る。少なくとも1つの追加のMCCHチャネルは、エリアの第1のMCCHチャネルと独立して設定され得る。異なるMCCHに属する複数のマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)は、送信時間インタバル(TTI)内で、同じ物理マルチキャスト・チャネル(PMCH)で送信され得る。無線リソースは、異なるMCCHに属するMTCHのスケジューリングのためサブフレーム・レベルで分割され得る。
【0007】
例によれば、ワイヤレス遠隔通信システムにおいて、複数のUEデバイスとのポイント・ツー・マルチポイント・マルチキャスト通信をサポートするための方法が提供され、この方法は、第1の修正期間を有し、複数のUEとともに使用するための第1のマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を提供するステップと、複数のUEのうちの少なくとも部分集合とともに使用するための第2のMCCHを提供するステップとを備える。第2のMCCHは、第1の修正期間よりも短い第2の修正期間を有し得る。第1のMCCHは、ワイヤレス遠隔通信システムのための未修正の制御チャネルであり得る。第1のMCCHは、第1のタイプのサービスの送信に関連して使用され、少なくとも1つの追加のMCCHは、公衆安全サービスのための送信に関連して使用される。
【0008】
例によれば、第1の期間に従って、ワイヤレス遠隔通信システムの第1のマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を周期的にモニタし、第2の期間に従って、ワイヤレス遠隔通信システムの第2のMCCHを周期的にモニタする、ように構成されたユーザ機器が提供される。
【0009】
例によれば、ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して、複数のユーザ機器(UE)デバイスへ、通信サービスを提供し、ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートする、ように動作可能なワイヤレス遠隔通信システムが提供され、このワイヤレス遠隔通信システムは、MBSFNエリア毎に第1のポイント・ツー・マルチポイント・マルチキャスト制御チャネル(MCCH)および少なくとも1つの追加のMCCHチャネルを用いてユーザ機器と通信する、ように動作可能なノードを含む。
【0010】
例によれば、ワイヤレス遠隔通信システムの複数のセルを介して、複数のユーザ機器(UE)デバイスへ、通信サービスを提供し、ワイヤレス遠隔通信システムの1つまたは複数のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアにおいてブロードキャスト情報サービスをサポートする、ように動作可能なワイヤレス遠隔通信システムにおけるノードが提供され、このノードは、MBSFNエリア毎に第1のポイント・ツー・マルチポイント・マルチキャスト制御チャネル(MCCH)および少なくとも1つの追加のMCCHチャネルを用いてユーザ機器と通信する、ように動作可能である。このノードは、MBSFNエリアの第1のMCCHの周期とは異なる、少なくとも1つの追加のMCCHの周期を設定するように動作可能である。
【0011】
例によれば、組み込まれたコンピュータ読取可能なプログラム・コードを有するコンピュータ使用可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品が提供され、コンピュータ読取可能なプログラム・コードは、上記提供されたように、ワイヤレス遠隔通信システムにおいて、方法を実施するために実行されるように適合される。
【0012】
実施形態は、添付図面を参照して、例のみによってここで説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例に従うワイヤレス遠隔通信システムの図式的な表現である。
図2】例に従ってMCHスケジューリング情報MAC制御要素のために使用されるフォーマットの図式的な表現である。
図3】例に従う無線リソース割当の図式的な表現である。
図4a】例に従うシグナリングの図式的な表現である。
図4b】例に従うシグナリングの図式的な表現である。
図5】例に従う無線リソース割当の図式的な表現である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態は、本明細書に記載されたシステムおよび処理を、当業者が、具体化および実施することを可能にするために、十分詳細に以下に記載されている。実施形態は、多くの代替形式で提供され、本明細書に記載された例に対する限定として考慮されるべきではないと理解することが重要である。
【0015】
したがって、実施形態は様々な方式で修正され、様々な代替形式を採用し得る一方、その特定の実施形態が、例として図面に図示され、以下に詳細に記載されている。開示された特定の形式に限定する意図はない。一方、添付された特許請求の範囲内にあるすべての修正、均等物、および代替が含められるべきである。例示的な実施形態の要素は、適切な場合、図面および詳細説明の全体を通じて、一貫して同じ参照番号によって示されている。
【0016】
実施形態を記載するために本明細書で使用されている用語は、その範囲を限定することは意図されていない。冠詞「a」、「an」、および「the」は、単一の指示物を有するという点において単数形であるが、本書における単数形の形式の使用は、1つよりも多くの指示物の存在を除外すべきではない。言い換えれば、コンテキストがそうではないと明確に示していないのであれば、単数形で称される要素は、1つまたは複数を数え得る。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または,「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されている場合、述べられた特徴、項目、ステップ、動作、要素、および/または、構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、項目、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または、これらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されるだろう。
【0017】
そうではないと定義されていないのであれば、本明細書で使用されているすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、当該技術分野において慣例的であるとして解釈されるべきである。一般的な用途における用語は、関連技術分野において慣例的であるとしても解釈されるべきであり、本明細書においてそのように明確に定義されていないのであれば、理想化された、あるいは、過度に形式的な意味はない、ことがさらに理解されるべきである。
【0018】
図1は、例に従って、LTEネットワークまたはその他のあるワイヤレス・ネットワークであり得るワイヤレス遠隔通信システム100の図式的な表現である。ワイヤレス・ネットワーク100は、多くの発展型ノードB(eNB)110およびその他のネットワーク・エンティティを含み得る。単純化のために、図1では、3つのeNB 110a、110b、110cおよび1つのネットワーク・コントローラ141のみが図示されている。eNBは、UE 120と通信する。各々のeNB 110は、特定の地理的エリア(セル)130のための通信カバレッジを提供し、セルのカバレッジ・エリア内に位置するUEのための通信をサポートする。そのようなセル130は、オーバラップしてないカバレッジ・エリアを有するとして図示されているが、当業者であれば、セル130のうちの1つまたは複数は、隣接するセルと部分的にオーバラップするカバレッジを有し得ることを認識するであろう。
【0019】
UE 120は、システム100の全体にわたって分散され、UEは、固定式または移動式であり得る。UEは、ダウンリンクおよびアップリンクによってeNBと通信する。ダウンリンクは、eNBからUEへの通信リンクを称し、アップリンクは、UEからeNBへの通信リンクを称する。eNBとUEとの間の双方向通信は、両矢印(double arrow)を備えた実線によって図1に図示されている。
【0020】
ワイヤレス・ネットワーク100は、個々のUEのためのユニキャスト・サービスと同様に、複数のUEのためのMBMSサービスもサポートし得る。MBMSサービスは、ブロードキャスト・サービスまたはマルチキャスト・サービスであり得る。MBMSサービスは、マルチ・セル・モード、シングル・セル・モード、および/または、その他のモードでサポートされ得る。マルチ・セル・モードでは、複数のセルが、マルチメディア・ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)を用いてMBMS送信を同時に送り得る。これによって、UEは、たとえば、受信パフォーマンスを改善するために、複数のセルから受信した信号を結合できるようになり得る。シングル・セル・モードでは、セルは、自分自身でMBSFN送信を送り得る。
【0021】
LTEでは、たとえば、データおよびオーバヘッド情報が、無線リンク制御(RLC)レイヤにおける論理チャネルとして処理される。論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤで、チャネルを伝送するためにマップされる。伝送チャネルは、物理レイヤ(PHY)で、物理チャネルへマップされる。ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)は、システム情報ブロック(SIB)を搬送し得る。各SIBは、セルとの通信、および/または、セルからのデータの受信、のために適切なあるシステム情報を含む。MCCHは、MBMSサービスを受信するために使用される、進行中のセッションとのMBMSサービスのリスト、MTCHを受信するために使用される情報等のような制御情報を搬送し得る。MTCHは、MBMSサービスのためのデータを搬送し得る。
【0022】
公衆安全の観点から、無線遠隔通信システム100におけるグループ通信は、重要な考慮である。改良されたMBMS(eMBMS)プロシージャは、無線リソース効率の観点から、グループ通信のサポートのための適切なアプローチを提供し得る。なぜなら、グループ通信は、典型的には、多数の受信グループ・メンバに対して、同じ情報の送信を必要とするからである。特に、公衆安全の観点から、グループ通信は、実行可能にするために満たされる必要のあり得るいくつかのレイテンシ要件を有する。そのような1つの要件は、エンド・ツー・エンド・セットアップ遅れにある。典型的には、これは、300ミリ秒を満たすべきである。しかしながら、eMBMSプロシージャは、新たなメディアのベアラ設定を通知するために、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)を用いる。MCCHは、5.12秒または10.2秒に設定されたMCCH修正境界においてのみ修正され得る。5〜10秒の遅れは、緊急公衆安全通信シナリオにおけるグループ通信に関して許容可能ではない。
【0023】
例によれば、たとえばモバイルTVのような他のアプリケーションのためにeMBMSを用いているレガシーUEに対するいずれのインパクトをも回避するために、複数のMCCHが提供され得る。複数のチャネルのうちの少なくとも1つは、公衆安全のようなアプリケーションのためのグループ通信における使用のために、比較的小さなMCCH修正期間で定義される。たとえば、修正期間は、10ミリ秒しかないと定義され得る。
【0024】
マルチキャスト・ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)は、同期単一周波数ネットワーク(SFN)を介したマルチ・セル送信としてマルチキャストまたはブロードキャスト・データを送るために、LTEのOFDM無線インターフェースを利用する送信モードである。MBSFN送信は、UE 120に対して、単一の大きなセルからの送信として見える。典型的には、1つのMCCHだけが、MBSFNエリア毎に設定され得る。しかしながら、例によれば、1つよりも多くのMCCHが、MBSFNエリアのために設定される。
【0025】
第1のMCCH設定は、レガシー・システムから未修正である。第2、第3等のMCCHは、第1のMCCHから独立して設定される。また、この設定は、第1および第2のMCCHに関連付けられた物理リソースが衝突しないように実行される。さらに、MCCH変更通知は、第1のMCCH変更のために、未修正で使用される。第2、第3等のMCCHは、MCCH変更通知内で考慮されない。公衆安全のためのグループ通信をサポートするUEは、MCCH変更を取得するために、周期的方式でMCCHをモニタする。
【0026】
MCCHは、MBSFNエリア毎に定義され、最大8つのMBSFNエリアが、遠隔通信システムのセルにおいてサポートされ得る。システム情報ブロック(SIB)は、システムのアクセス・ネットワークからUEへ送信されるシステム情報データを備える。情報要素SIB 13は、MCCHの復号のためと、1つまたは複数のMBSFNエリアに関連付けられたMBMS制御情報を取得するために必要とされる情報を提供し、以下のように構成される。
【0027】
「MBSFN−AreaInfoList」は、MBSFNエリア毎にMCCH設定において情報を搬送し、したがって、1つまたは複数のMBSFNエリアに関連付けられたMBMS制御情報を取得するために必要とされる情報を含んでいる。典型的なシグナリング・フォーマットは以下の通りである。
【0028】
例によれば、複数のMCCHが、MBSFNエリア毎に提供される。第2、第3等のMCCH設定は、レガシー・シグナリング構造に続くMBSFN−AreaInfoList IEにおいてシグナルされ得る。第2のMCCHを導入するための修正(太字)は以下の通りである。
【0029】
例によれば、以下の設定オプションが実現され得る。
− 比較的小さなMCCH周期を設定する。また、このケースでは、MCCH送信のために反復は使用されない。
− MCCH送信のためにMCCH周期およびMCCH反復を設定する。
− MCCH周期は、アプリケーションに依存して、1〜10ミリ秒から10.12秒の任意の値を採り得る。
− 第2の(または、さらなる)MCCHが、第1のMCCH設定から独立して設定される。
− MCCH変更通知は、第2、第3、・・・のMCCHのために提供されない。
【0030】
第1のMCCHは、たとえばTVサービスのような第1のタイプのサービスの送信と関連して使用され得る。追加のMCCHが、たとえば公衆安全サービスのような別のサービスのための送信と関連して使用され得る。典型的には、MCCHは、MCCH修正境界においてのみ修正され得る。これは、現在5.12秒または10.2秒に設定されている。これらの値は、緊急公衆安全通信におけるグループ通信のために許容可能ではない。したがって、公衆安全のためMCCH修正からの遅れを回避するためであるが、同時に、たとえばモバイルTVのような他のアプリケーションのためにeMBMSを用い得るレガシーUEにおけるあらゆるインパクトを回避するために、少なくとも1つの追加のMCCHが、たとえば1ミリ秒から5.12秒または10.2秒の範囲内の値のように、レガシーの場合よりも低い値を有するように定義された修正期間とともに提供される。
【0031】
(レガシーMCCHと比べて)比較的小さな周期で設定された第2、第3等のMCCHのために、UEへMCCH変更を通知することに関して、例では、UEが、MCCH修正境界においてMCCHをモニタするように要求されるように、UEプロシージャが修正される。
【0032】
たとえば、UE電力節約を達成するために、第2、第3のMCCHのために、MCCH変更通知が、不可欠な要件として理解されるのであれば、第1のMCCHと独立した新たなMCCH変更通知が必要とされる。
【0033】
追加のMCCH設定の送信のために必要とされるシグナリング・ビットの量を低減するために、第1のMCCH設定と比較されたデルタ情報送信が提供され得る。すなわち、第1の(レガシー)MCCHとは異なるパラメータ値のみが、いずれかの追加のMCCHのために送信される。したがって、第1のMCCH設定データおよび第2の(または、さらなる)MCCH設定データとの両方を復号するUEは、第2(等)のMCCHのための完全な設定を実現し得る。
【0034】
MTCHにおける送信のために使用される物理リソースが衝突するのであれば、無線波形が乱され、したがって、受信しているUEは、データを正しく受信できなくなるであろう。したがって、これは、無線リソースの浪費である。
【0035】
例によれば、物理リソース衝突の回避は、2つの方式でなされ得る。MTCH送信のための無線リソースが、MCHスケジューリング期間の開始時に送信されるMACコマンドであるMCHスケジューリング情報MAC CEを介してスケジュールされることに注目されたい。特定のMTCHのためにスケジュールされた物理リソースは、開始サブフレームおよび終了サブフレームを示すインジケーションを用いて通知される。図2は、MCHスケジューリング情報MAC制御要素のために使用されるフォーマットの図式的な表現である。
【0036】
LCIDは、MTCHの論理チャネルIDである。フィールドの長さは、5ビットである。図2の例では、複数のLCID(LCID1(101)、LCID2(103)... LCIDn(105))が、示されている。停止MTCHフィールド(107、109、111)は、MCHスケジューリング期間内のサブフレームの序数を示し、MCHに割り当てられたサブフレームのみをカウントし、対応するMTCHが停止する。値0は、第1のサブフレームに対応する。フィールドの長さは、11ビットである。特別な停止MTCH値2047は、対応するMTCHがスケジュールされていないことを示す。値の範囲2043〜2046が確保される。
【0037】
例では、無線リソース衝突は、サブフレーム内のスケジューリングによって回避され得る。より具体的には、特定のMTCHのために使用されるべきであるリソースが、eMBMS送信に含まれるeNB間で調整される。2つ以上のMCCHを介してスケジュールされたデータが、あらゆるリソース衝突を回避する方式で、リソース調整に考慮される。このアプローチは、リソース衝突を回避しながら、リソース割当のより精細な粒度を提供する。たとえば、MCCH1からスケジュールされたMTCH1と、MCCH2からスケジュールされたMTCH2とが、送信時間インタバル(TTI)内で同じ物理マルチキャスト・チャネル(PMCH)において送信され得る。たとえば、MCCH1からスケジュールされたMTCHを受信することのみに興味を持っているUEに通知するために、(受信した論理チャネルID空間からの)ダミー論理チャネルIDが使用され、問題となっているUEに対して、他のMTCHを使用するためのリソースを解放するように通知される。レガシーUEは、ダミー論理チャネルIDの使用を無視し得る。
【0038】
図3は、例に従って、同じサブフレーム(すなわち、TTI)内で送信されるようにスケジュールされたMTCH1とMTCH2とのための無線リソース割当の図式的な表現である。
【0039】
MCCH1は、サブフレーム1(201)においてシグナルされ、たとえば、MTCH1、MTCH3、MTCH5が、MCCH1に属することを示す。さらに、MCCH1は、サブフレーム1、2、3(203)が、MCCH1に属するMTCHのスケジューリングのために使用されることを示す。
【0040】
MCCH2は、サブフレーム2(205)でシグナルされ、たとえば、MTCH2、MTCH4、およびMTCH6が、MCCH2に属することを示す。さらに、MCCH2は、サブフレーム1、2、3(203)が、MCCH2に属するMTCHのスケジューリングのために使用されることを示す。この例では、サブフレーム1、2、3(203)が、MTCH1〜MTCH6をスケジュールするために使用される。MTCH1は、LCID1にマップされ、MTCH2はLCID2にマップされるという具合である。LCIDOは、ダミー論理チャネルとして使用される。
【0041】
図4aは、MCCH1に属するMTCHのためのMSI MAC CEに関するシグナリングの図式的な表現である。
【0042】
図4bは、MCCH2に属するMTCHのためのMSI MAC CEに関するシグナリングの図式的な表現である。
【0043】
例において、MTCH1に興味を持っているUEは、サブフレーム1(201)で受信したデータを記憶する。MCCH2のMTCHをリスンしているUEは、ダミーLCIDのために示されると、サブフレーム1(201)におけるデータを記憶しない。したがって、MCCH1とMCCH2とのMTCH間のリソース衝突は回避される。
【0044】
このアプローチは、2つ以上のMCCHからのMTCHのスケジューリングためのMCHリソース共有のために一般化され得る。MCCHは、同じMBSFNエリアまたは異なるMBSFNエリアに属し得る。このアプローチは、無線リソースの効率的な使用を提供する。
【0045】
例において、サブフレーム・レベルで分割された無線リソースは、第1のMCCHおよび第2のMCCHからスケジュールされたMTCHのために使用され得る。第1のMCCHおよび第2のMCCHからスケジュールされたMTCHの可能な実現が、以下に記載される。MTCH1、MTCH2、およびMTCH3が、MCCH1に属する一方、MTCH4、MTCH5、およびMTCH6が、MCCH2に属する、と仮定される。例に従う無線リソース割当の図式的な表現である図5に図示されるように、MCCH1およびMCCH2に属するMTCHの送信のために割り当てられたサブフレームは、オーバラップしない。したがって、MTCH1、MTCH2、およびMTCH3送信のために使用されるリソースは、MTCH4、MTCH5、およびMTCH6のリソースと衝突しない。
【0046】
しかしながら、MCCH1およびMCCH2に属するMTCHのためのサブフレーム・レベル・リソース割当は、2つのMCCHからのMTCHが同じサブフレームで送信されることはできないという事実によって、無線リソースの効率の観点から制限を有する。しかしながら、このアプローチは、ネットワークの観点から、単純な設定メカニズムを提供する。
【0047】
本発明は、他の特定の装置および/または方法で具体化され得る。記載された実施形態は、すべての態様において、例示的であり、限定的ではないと考慮されるべきである。特に、本発明の範囲は、本明細書における記載および図面ではなく、添付された特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に由来するすべての変更は、それらの範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5