特許第6335440号(P6335440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335440コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335440
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   G06F17/50 602B
   G06F17/50 612C
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-120909(P2013-120909)
(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公開番号】特開2013-254497(P2013-254497A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2016年5月31日
(31)【優先権主張番号】12305654.1
(32)【優先日】2012年6月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500102435
【氏名又は名称】ダッソー システムズ
【氏名又は名称原語表記】DASSAULT SYSTEMES
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレント サンティクエット
(72)【発明者】
【氏名】バートランド フォール
【審査官】 松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0243456(US,A1)
【文献】 特開2006−011914(JP,A)
【文献】 特開2009−116581(JP,A)
【文献】 特開2001−056872(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0204312(US,A1)
【文献】 ENOVIA DMUソリューション バージョン5 リリース15[CD−ROM],IBM,2005年 5月,Volume 6 of 6,pp.323−365
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
G06T 17/00 −19/20
G06F 3/048 − 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するためのコンピュータに実装される方法であって、
前記オブジェクトのアセンブリに、前記アセンブリのオブジェクトをリンクする動的接合部に関する情報を提供するステップと
前記シーン内に埋め込まれる動的操作ツールを提供するステップであって、前記動的操作ツールが並進における自由度と回転における自由度とを各軸に与える3軸を有するリファレンシャルを備える、ステップと
前記動的操作ツールを前記アセンブリの1つのオブジェクトに付着させるステップと
前記アセンブリの前記オブジェクトに付着される前記動的操作ツールの自由度を選択するステップと
前記選択された自由度に従って負荷を印加するステップと
前記負荷の印加の動的シミュレーションの結果をリアルタイムで計算かつ表示するステップと
を含
前記負荷を印加するステップが、前記動的操作ツールの動きであって、負荷の値に変換される動き、を行うことにより実行され、
前記変換において、軸に従う並進の動きのための速度、または、軸に従う回転の動きのための加速度、または回転および並進の両方を駆動する加速度および速度の組み合わせ、を考慮に入れる、方法。
【請求項2】
前記選択された自由度に従って負荷を印加するステップは
負荷の値の範囲を選択する第1のサブステップと
前記範囲内で負荷の値を決定する第2のサブステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された自由度に従って負荷を印加するステップは
前記負荷を印加するためのリファレンシャルを決定する第3のサブステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択された自由度に従って負荷を印加するステップは
前記3軸の動的操作ツールが、前記動的操作ツールが付着される前記オブジェクトと共に回転するかしないかを決定する第4のサブステップを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記動的操作ツールの動きが、マウスを用いて押下されるボタンにより、または表示画面上を指で接触することにより、実行される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
マウスまたは指を用いる前記動きが、前記動的操作ツールから離れた状態で適用される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記負荷を印加するステップが、負荷の値を直接供給することにより実行される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記負荷は力またはトルクである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための方法を、コンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を記録した、コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
ンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するために、前記システムに請求項1乃至のいずれか1項に記載のステップを実行させるためのプログラム
【請求項11】
コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための装置であって、請求項1乃至のいずれか1項に記載のステップを実行する手段を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびシステムの分野に関し、より具体的にはコンピュータ支援設計アプリケーションにおけるオブジェクトのアセンブリの設計の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援技術に含まれるものとして知られるものには、コンピュータ支援設計、すなわち、CAD、があり、これは製品設計のオーサリングのためのソフトウェアソリューションに関連する。同様に、CAEはComputer−Aided Engineering(コンピュータ支援エンジニアリング)の頭文字であり、例えば、将来の製品の物理的挙動をシミュレートするためのソフトウェアソリューションに関連する。CAMはComputer−Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)のことを表し、典型的には、製造プロセスおよびオペレーションを定義するためのソフトウェアソリューションを含む。
【0003】
多数のシステムおよびプログラムが、製品を形成するオブジェクト(またはパーツ)またはオブジェクトのアセンブリの設計の市場で提供され、例えば、ダッソーシステムズ社により商標CATIAの下で提供されるものがある。これらのCADシステムにより、ユーザは複雑な3次元すなわち3Dモデルのオブジェクトまたはオブジェクトのアセンブリを構築および操作することができる。CADシステムでは、モデル化されたオブジェクトの表現をエッジまたはラインを使用して提供し、外面が用いられる場合もある。ラインまたはエッジは、種々の様式で表現することができ、例えば、NURBS(non−uniform relational B−Splines(非一様有理Bスプライン))で表現できる。これらのCADシステムは、パーツまたはパーツのアセンブリをモデル化されたオブジェクトとして管理し、これはほとんどがジオメトリ(幾何形状)の仕様である。具体的には、CADファイルには、ジオメトリが生成される仕様が含まれ、これにより表現物が生成される。ジオメトリおよび表現物は単一のCADファイルまたは複数のCADファイルに記憶することができる。CADシステムには、モデル化されたオブジェクトを設計者に対して表現するためのグラフィックツールが含まれるが、これらのツールは複雑なオブジェクトの表示に専用のものとされ、CADシステムにおいてオブジェクトを表現するファイルの典型的なサイズはパーツ当たり1メガバイトの範囲であり、またアセンブリには数千のパーツが含まれる場合がある。CADシステムは、オブジェクトのモデルを管理し、それらは電子ファイルに記憶される。
【0004】
コンピュータ支援技術において、グラフィカルユーザインターフェースGUIは、技術の効率については重要な役割を担う。モデル化されたオブジェクトを操作および/またはナビゲートするために必要とされるオペレーションのほとんどが、GUIを介してユーザ(例えば、設計者)により行われる。特に、ユーザは、製品を形成するモデル化されたオブジェクトの作成、修正、および削除を行い、また、製品を検討して、モデル化されたオブジェクトが、例えば、製品構造を介して、どのように相互に関連するのかを把握することができる。従来、これらのオペレーションはGUIの側部に配置された専用のメニューおよびアイコンを介して行われる。近年、CATIAのようなCADシステムでは、製品の表現物のすぐ近くにこれらのオペレーションを呼び出すことができる。設計者は、メニューおよびアイコンに向かってマウスを動かす以上のことをする必要がない。オペレーションはこのようにマウスが届く範囲内で可能である。加えて、オペレーションが意味論的に機能し、設計者が選択する所与のオペレーションについて、CADシステムでは、設計者が選択する可能性が高い以前選択されたオペレーションに従って、一連の新しいオペレーションを、設計者に対してまさにマウスのすぐ近くに示唆することができる。
【0005】
近年まで、いくつかのコンピュータソフトウェアが、例えば、自動車および航空産業において、ジオメトリに基づき使用され、機械技術者は自分の作業を空間すなわち3次元表示で見ることができる。
【0006】
この領域において、CATIAのようなコンピュータソフトウェアにより、3次元空間における設計ジオメトリが可能とされる。そのようなメニューおよびツールバーにはユーザが選択可能なアイコンが含まれ、各アイコンは1つまたは複数のオペレーションまたは機能に関連付けられている。これらのアイコンのいくつかはソフトウェアツールに関連付けられ、グラフィカルユーザインターフェースGUIで表示されるような、3D幾何的にモデル化された製品または製品のパーツに関して編集および/または作業するべく適合される。以下の説明において、用語「製品」、「パーツ」、「アセンブリ」などは簡略化のため「パーツ」と称される。「パーツ」の概念は「オブジェクト」の概念に対して一般化させることも可能である。オブジェクトは、最終的なデジタルのモックアップの任意の構成要素を包含し、例えば、アセンブリを考えると、このアセンブリのオブジェクトとすることができるものには、サブアセンブリ、パーツ、動的接合部、材料、電気制御ユニット(ECU)で実行される組み込みソフトウェア、または、飛行機の飛行能力を勉強したい場合の雰囲気のモデリングなどの、アセンブリの全体の環境を説明するために必要な任意のオブジェクト、がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動的力の物理法則に左右されずに、運動リンクを構成してシミュレーションを行うことは既知であるが、リアルタイムの様式ではなく、または換言すれば動的ではない。
【0008】
アセンブリの動的接合部の定義は、このアセンブリのパーツ間の全ての動的接合部のセットである。
【0009】
特定の互換性規則が全ての接合部間で満足される場合、運動学的解法がパーツの可能性のある位置を計算し、これをアニメーションとして示す。しかしこのアニメーションでは、エネルギ保存の物理的規則を考慮に入れず、振り子の例においては重力による均衡化効果が示されないであろう。
【0010】
同様に既知であるように、ビデオゲームにおいて、ここ数年動的インタラクションが使用されているが、ゲームの際は、アニメーションが現実的に見えて、プレーヤとの高レベルなインタラクション性が確保されなければならない。しかし、速度および加速度の物理値は、現実的ではあるが精密ではない。ゲームの際、プレーヤは、制御に加える労力を監視することなくモデルとインタラクションを行う。力フィードバックジョイスティックが使われる時でさえ、フィードバックは、実世界で起こりモデルを動かすであろうものの印象を与えるにすぎず、現実の計算が行われないためにそこでは数値を使用することができない。ゲームの際、プログラムは、現実的であるが現実ではない、変更できない複数のシナリオのコンパイルである。
【0011】
同様に既知であるように、動的力の物理法則を考慮に入れて、運動リンクを構成してシミュレーションが行われるが、計算後であり、従ってリアルタイムではなく、ユーザとの動的なインタラクションを伴わない。
【0012】
本発明の目的は、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するためのコンピュータに実装される方法およびシステムであって、動的に、換言すれば、リアルタイムで、重力および負荷(力、トルク)のような動的力の物理法則を考慮に入れた、該方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に従って、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するためのコンピュータに実装される方法が提案され、該方法が、
オブジェクトのアセンブリに、アセンブリのオブジェクトをリンクする動的接合部に関する情報を提供するステップと、
シーン内に埋め込まれる動的操作ツールを提供するステップであって、操作ツールが並進における自由度と回転における自由度と各軸に与える3軸を有するリファレンシャルを備える、ステップと、
動的操作ツールをアセンブリの1つのオブジェクトに付着させるステップと、
アセンブリのオブジェクトに付着される動的操作ツールの自由度を選択するステップと、
選択された自由度に従って負荷を印加するステップと、
負荷の印加の動的シミュレーションの結果をリアルタイムで計算かつ表示するステップと
を含む。
【0014】
そのような動的操作ツールは、米国特許第7823085 B2号の文献に記載されている。
【0015】
そのような方法により、動的に、換言すれば、リアルタイムで、重力および負荷(力、トルク)のような動的力の物理法則を考慮に入れることが可能になる。
【0016】
従って、該方法では、シミュレーションの現実性が高められ、また、自然な効果が観察され、不可能な構成が回避される。運動学では数学的には可能であるが物理的には到達可能ではないアセンブリの位置を求めることができる。
【0017】
一実施形態によると、選択された自由度に従って負荷を印加するステップが
負荷の値の範囲を選択する第1のサブステップと、
範囲内で負荷の値を判定する第2のサブステップと
を含む。
【0018】
従って、オブジェクトのアセンブリに印加する負荷をユーザが動的に判定することが簡単になる。
【0019】
一実施形態によると、選択された自由度に従って負荷を印加するステップが、負荷を印加するためのリファレンシャルを判定する第3のサブステップを含む。
【0020】
負荷を印加するためのリファレンシャルを判定するステップにより、どのパーツに負荷を印加するのかに相対して定義することが可能になる。パーツが特定されない場合、「ワールド」と呼ばれるリファレンシャルが設定される。
【0021】
一実施形態によると、選択された自由度に従って負荷を印加するステップが、3軸の動的操作ツールが、動的操作ツールが付着されるオブジェクトと共に回転するかしないかを判定する第4のサブステップを含む。
【0022】
3軸の動的操作ツールが、動的操作ツールが付着されるオブジェクトと共に回転するかしないかの判定は、負荷のリファレンシャルが「ワールド」リファレンシャルである時のみ、使用される。ユーザが一定の方向に負荷を印加したい場合は(引力から遠く離れるような)、操作部はオブジェクトと共に回転するべきではない。負荷が局所的な軸において印加される(例えば、モータアクセルをスピンさせる)場合、ユーザは操作部をオブジェクトと共に方向転換するよう設定する。
【0023】
負荷のリファレンシャルが「ワールド」リファレンシャルではなく、アセンブリの別のパーツである場合、簡素化のため、操作部はパーツと共に常に方向転換するべきである。
【0024】
これら2つの選択(リファレンシャルおよび操作部の回転)は、固体に印加される負荷の科学的説明を取り扱うためには必要である。負荷はリファレンシャル(作用/反作用の定理)において、またそれを表現する軸系を用いて説明されなければならない。軸系は操作部である。
【0025】
一実施形態によると、負荷を印加するステップが、動的操作ツールの動きであって、負荷の値に変換される動き、を行うことにより実行される。
【0026】
従って、ユーザは、選択されたパーツを、例えば、ビデオゲームでジョイスティックを用いて行うように、マウスを用いて操作することができる。
【0027】
一実施形態によると、変換において、軸に従う並進の動きのための速度、または、軸に従う回転の動きのための加速度、または回転および並進の両方を駆動する加速度および速度の組み合わせ、を考慮に入れる。
【0028】
そのような変換により、可能な限り実世界の感覚に近いオブジェクトの動的操作が可能になる。
【0029】
回転について:実世界の感覚では「回転するパーツにかかる、短いが加速する衝撃運動が、その回転速度をトルクの印加により増加させる」というものである。この記述は、物理的に正確な記述と対応し、何故なら、回転時の摩擦が、例えば、ボールベアリングのような特別の装置を用いると、実世界のアセンブリにおいては通常最小化されるからである。
【0030】
並進について:実世界の感覚では「オブジェクトを高速で押すことにより、強い負荷がそれに印加される」というものである。理論上は正確ではないが、この記述は、ほとんど全ての並進運動において観察される摩擦についての人の感覚に対応する。
【0031】
加速度と速度のより精緻な組み合わせを使用して、並進と回転の両方の運動を駆動することができる。
【0032】
一実施形態によると、動的操作ツールの動きが、マウスを用いて押下されるボタンにより、または表示スクリーン上を指で接触することにより、実行される。
【0033】
従って、ユーザは非常に簡単に負荷を印加できる。
【0034】
例えば、マウスまたは指を用いる動きは、動的操作ツールまでの距離で適用される。
【0035】
従って、負荷を正しい場所に良好な視認性を維持してスクリーン上で印加することが可能であるが、これは、本文書においてさらに説明するように、操作が操作部上で直接的ではなくインタラクタ上で発生するからである。
【0036】
あるいは、負荷を印加するステップが、負荷の値を直接供給することにより実行される。
【0037】
場合によっては、それが、ユーザにとって負荷を印加する最も簡単な方法となり得る。
【0038】
負荷は、力またはトルクとすることができる。
【0039】
本発明の別の態様に従って、上述のようなコンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための方法を、コンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体が提案される。
【0040】
本発明の別の態様に従って、コンピュータ可読媒体に記憶される、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための、コンピュータプログラム製品であって、システムに上述のようなステップを取り込ませる符号化手段を含む製品が提案される。
【0041】
本発明の別の態様に従って、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するための装置であって、上述のようなステップを実装するための手段を備える装置が提案される。
【0042】
本発明は、非制限的な例を用いて記載され、かつ、添付の図面により例示されるいくつかの実施形態を検討することでより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図2】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図3】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図4】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図5】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図6】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図7】本発明の一態様による、基本的な使用の場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図8】本発明の一態様による、負荷が一定の方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図9】本発明の一態様による、負荷が一定の方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図10】本発明の一態様による、負荷が一定の方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図11】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対して平行な方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図12】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対して平行な方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図13】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対して平行な方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図14】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対して平行な方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図15】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図16】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図17】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図18】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図19】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図20】本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図21】本発明の一態様による、負荷が別のパーツに相対して印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図22】本発明の一態様による、負荷が別のパーツに相対して印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図23】本発明の一態様による、負荷が別のパーツに相対して印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例を示す図である。
図24】本発明の一態様による方法を例示する図である。
図25】本発明の一態様による方法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本方法のステップは、1つまたは複数のプログラム可能プロセッサにより実行され、該プロセッサは、入力データに対してオペレーションを行い出力を生成することにより、本発明の機能を実行するコンピュータプログラムを実行する。
【0045】
コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述可能であり、また、コンピュータプログラムは、スタンドアロンプログラムまたはサブルーチンとして、要素またはコンピュータ環境における使用に適切な他の単位を含む、任意の形式で展開可能である。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または、1箇所の複数のコンピュータ上に配置され、または、複数の場所に分散され、通信ネットワークで相互接続される複数のコンピュータ上で、実行されるべく展開可能である。
【0046】
以下の図面では、本発明の機能をさらに詳細に説明する。
【0047】
図1乃至図7には、本発明の基本的な使用が例示される。
【0048】
図1において、方法が、3Dモデルすなわちオブジェクトのアセンブリが停止すなわち動いていない状態で、開始される。本例では、オブジェクトのアセンブリすなわち3Dモデルが、遠心性「飛球」調速機のCGであり、マストの回転により、アセンブリの2つの球体はその間が最大の距離になるまで離される。
【0049】
ステップ1において、動的シミュレーションは、図1に例示するように表示ボタンBSTARTの押下により、開始される。
【0050】
表示される結果が、図2に描かれ、これにおいて、アセンブリのアームは重力の影響で下に落ちる。動的操作部DM、ならびに、一時停止ボタンBPAUSE、停止ボタンBSTOP、および巻き戻しボタンBREWが現れる。一時停止ボタンBPAUSE、停止ボタンBSTOP、および巻き戻しボタンBREWはそれぞれ、動的シミュレーションの一時中断、停止、および巻き戻しをするべく適合される。
【0051】
既知のシステムのように運動リンクを考慮するだけであれば、インタラクションの通常の手段は3D操作部であり、本発明においては動的3D操作部DMである。
【0052】
操作部は、グラフィカルアーチファクトであり、マウスにより制御可能(米国特許第7823085号参照)、またはタッチスクリーン上を指で制御可能である。操作部はパーツの上に位置づけられ異なる方法の操作を示唆する。動的操作部DMは、3つの直交軸と3つの円弧を有する軸系から成るもので、これらは操作の異なる方向を提示し、すなわち、3つの軸方向それぞれに沿った3つの並進と、3つの弧に沿った3つの回転、換言すれば3つの軸周りの回転を提示する。簡単に言えば、動的操作部DMは6つの自由度を備え、かつ提示する。
【0053】
軸に対するインタラクションは、操作部が位置づけられるパーツを並進させることになり、弧に対するインタラクションは、操作部が位置づけられるパーツを方向転換させることになる。動的操作が作動されると、この操作により、操作部が位置づけられるアセンブリのパーツを、運動の物理法則を考慮に入れて方向転換かつ並進させることが可能である。それが動的操作部である。操作部の動的特性が二重円弧で例示される。
【0054】
そこで、ステップ2において、ユーザは負荷を印加したいアセンブリのパーツ上に動的操作部DMをドラッグアンドドロップすることができる。
【0055】
表示される結果が、図3に描かれ、これにおいて、ユーザは6つの自由度(3つの並進と3つの回転)の内の1つに沿った6つの可能な操作の内の1つを選択可能である。そこで、操作パネルMPが表示される。操作パネルMPは、印加される負荷を監視するゲージGAUと、強度のレベルの選択部SEL、例えば、それぞれ強度の範囲を表す3つのアイコン、とを備える。本例においては、3つのアイコンが描かれ、第1のアイコンは手であり、0.1〜1N.mのトルクおよび0.1〜1Nの力を表し、第2のアイコンは馬であり、1〜10N.mのトルクおよび1〜10Nの力を表し、第3のアイコンはブルドーザであり、1〜10N.mのトルクおよび1〜10Nの力を表す。
【0056】
さらに、操作パネルMPは、どの参照フレームすなわちリファレンシャルに「相対して」負荷が印加されるのか(ワールド、またはアセンブリのパーツ)を説明するフィールドRELと、動的操作部DMを回転させるのか、させないのか、換言すると、3つの軸をアセンブリのパーツと共に回転させるのか、その空間における方向性を一定に保つのか、についてのオプションOPTと、を備える。
【0057】
そこで、ステップ3において、ユーザは6つの自由度の内の1つに沿った6つの可能な操作の内の1つを選択することができる。本例においては、ユーザはZ軸に沿った回転を選択する。
【0058】
表示される結果が、図4に描かれ、これにおいて、回転インタラクタINTが現れ、例えば、2つの曲線矢印で表され、ゲージGAU内には、「強度」選択部SELの標示に従い最小値および最大値が設定される。この場合、最小値および最大値は0.1および1N.mのトルクである。
【0059】
そこで、ステップ4において、ユーザは、本例においては、マウス、またはタッチスクリーンの場合は指でトルクを印加する。
【0060】
並進の場合は速度が力を駆動し、回転の場合は加速度がトルクを駆動する。加速度と速度の組み合わせを使用して、並進と回転を駆動することもできる
【0061】
表示される結果が、図5に描かれ、これにおいて、ゲージGAUは、選択された軸周りのトルクの数値を、アセンブリのパーツに印加されるN.mで示す。アセンブリはそれに従って動く。
【0062】
そこで、ステップ5において、ユーザは、マウスボタン、またはタッチスクリーンから指を解除することにより、トルクを印加することができる。
【0063】
表示される結果が、図6に描かれ、これにおいて、アセンブリの回転が継続する。
【0064】
そこで、ステップ6において、ユーザは、動的操作部DMが付着されていたアセンブリのパーツから該操作部を切り離す。
【0065】
表示される結果が、図7に描かれ、これにおいて、ユーザが動的シミュレーションの一時停止または停止を決定するまで、アセンブリの回転は継続する。操作パネルMPが閉じ、シミュレーションが停止されるまで、別の操作に備えて動的操作部DMが再び現れる。
【0066】
図8乃至図10には、負荷が一定の方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例が示される。
【0067】
図8に例示されるように、方法は、3Dモデルすなわちオブジェクトのアセンブリが停止すなわち動いていない状態で、開始される。本例では、オブジェクトのアセンブリすなわち3Dモデルが、均衡化パーツまたはレバーを備えるアセンブリである。
【0068】
動的シミュレーションは既に開始しており、動的操作部DMがレバーに固定または付着されている。ステップ1において、ユーザは、操作パネルMPのオプションOPTの「パーツと共に回転」が「いいえ」に設定されていることを確かめる。さらに、選択部SELが、0.1〜1N.mの負荷が備わることを表す手のアイコンを選択する。
【0069】
そこで、アセンブリはまだ均衡を保っており、ステップ2において、ユーザは動的操作部DMの軸を選択する。
【0070】
図9において、並進インタラクタINTが現れ、例えば、2つの直線矢印で表され、ユーザは、マウス、またはタッチスクリーンの場合は指で力を印加する。並進インタラクタINTは動かず、さもなくば、ユーザは力を印加するために「パーツの後を追う」ことが必要となってしまう。動的操作部DMはリンクされるパーツに追随し、軸はその方向性を「ワールド」の参照フレーム内に保持し、換言すると、軸は該パーツと共に動かない。均衡化運動は継続される。
【0071】
そこで、図10に例示されるように、動的操作部DMはリンクされるパーツに追随し、軸は、「ワールド」の参照フレーム内で一定の方向性を保持して、パーツと共に回転せず、一方、均衡化運動が継続される。
【0072】
ユーザは、まるで無限のロープを用いて引張るかのように、「ワールド」の参照フレームに相対して、所与の一定の方向に力を印加することが可能である。
【0073】
図11乃至図14には、本発明の一態様による、負荷がアセンブリのパーツに対して平行な方向に印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例が示される。
【0074】
図11に例示されるように、方法は、3Dモデルすなわちオブジェクトのアセンブリが停止すなわち動いていない状態で、開始される。本例では、オブジェクトのアセンブリすなわち3Dモデルは、接続しているロッド―ピストンである。
【0075】
動的シミュレーションが開始されて、動的操作部DMがアセンブリのパーツに付着される。ステップ1において、ユーザは、図12に例示されるように、オプションOPTの「パーツと共に回転」を「はい」に設定し、軸は、軸が付着されるパーツと共に回転するようになる。
【0076】
ステップ2において、ユーザは操作用の軸を選択し、ステップ3において、図13に表されるように、ユーザは、マウス、またはタッチスクリーンの場合は指で力を印加することができる。さらに、並進インタラクタINTが現れる。
【0077】
そして、図14に例示されるように、動的操作部DMはリンクされるパーツに追随し、軸はリンクされるパーツ、換言すればロッド、に対して平行を保持する。
【0078】
そこで、ユーザは、実世界において自分の手を使用して運動を適用するかのように、運動しているパーツに追随してアセンブリのパーツに力を印加することが可能である。
【0079】
図15乃至図20には、負荷がアセンブリのパーツに対する数値の入力により印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリ、遠心性「飛球」調速機、を動的に操作する例が示される。
【0080】
図15において、方法は、3Dモデルすなわちアセンブリが遠心性「飛球」調速機である状態で、開始される。動的操作部DMは、マストの基部に付着される。ユーザは、3つの軸に沿った3つの並進と3つの回転の中の6つの可能な操作の内の1つを選択する。
【0081】
そこで、図16に例示されるように、回転インタラクタINTが現れ、ステップ2にて、ユーザは数値を入力するか、ゲージGAUのスピンドルを、マウス、またはタッチスクリーンの場合は指で、方向転換させる。
【0082】
メッセージ「値を設定」が現れ、図17に表されるように、負荷がこの値により駆動されることがユーザに対して示され、ユーザは回転インタラクタINT(矢印)上をクリックして、示される負荷を印加することができる。
【0083】
運動中、図18に例示されるように、ゲージGAUのスピンドルは、設定値上で移動して、この値が印加されることを示す。トルクが印加されると、アセンブリが回転を開始する。回転は、負荷がそれ以上印加されなくなるまで加速する。そこで、ステップ4において、ユーザは、マウスボタン、またはスクリーンから指を解除することにより、負荷を解除することができる。
【0084】
そこで、図19に表されるように、それ以上負荷が印加されなくなると、ゲージのスピンドルが「0」を示し、メッセージ「値を設定」は表示されたままである。
【0085】
ステップ5において、ユーザはゲージのマークをドラッグアンドドロップすることにより設定値を削除することができる。図20のように、回転は継続される。以下は基本の場合と同様である。
【0086】
図21乃至図22には、別のパーツに相対して負荷が印加される場合における、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作する例が示される。
【0087】
図21において、動的操作部DMが付着される車のハンドルSWの動的シミュレーションが示される。ステップ1において、ユーザはフィールドRELの「相対して」内をクリックして、ステップ2において、図22に例示されるように、アセンブリのパーツすなわち要素を選択する。この場合はダッシュボードDBである。
【0088】
そこで、図23に例示されるように、ユーザは、まるで車内に座っているかのように、ダッシュボードDBに相対して負荷を印加することができる。
【0089】
上記をまとめると、本発明の一態様による方法は図24に例示されるステップを含む。
【0090】
第1のステップS1において、方法は、オブジェクトのアセンブリに、アセンブリのオブジェクトをリンクする動的接合部に関する情報を提供する。
【0091】
そして、第2のステップS2において、方法は、シーン内に埋め込まれる動的操作ツールDMを提供し、該ツールは、並進における自由度と回転における自由度とを各軸に与える3軸を有するリファレンシャルを備える。第3のステップS3において、方法は、該動的操作ツールDMをアセンブリのオブジェクトに付着させる。
【0092】
そこで、第4のステップS4において、方法は、アセンブリのオブジェクトに付着される動的操作ツールDMの自由度を選択する。第5のステップS5において、方法は、該選択された自由度に従って負荷を印加し、第6のステップS6において、該負荷の印加の動的シミュレーションの結果をリアルタイムで計算し、かつ、リアルタイムで表示する。
【0093】
例えば、図25に例示されるように、第5のステップS5には、負荷の値の範囲を選択する第1のサブステップS5aと、該範囲内で負荷の値を判定する第2のサブステップS5bと、を含むことができる。
【0094】
さらに、第5のステップには、負荷を印加するためのリファレンシャルを判定する任意選択の第3のサブステップS5cと、3軸の動的操作ツールが、動的操作ツールが付着されるオブジェクトと共に回転するかしないかを判定する任意選択の第4のサブステップS5dと、を含むことができる。
【0095】
従って、本発明により、コンピュータ支援設計のシステムの3次元シーンにおけるオブジェクトのアセンブリを動的に操作するためのコンピュータに実装される方法およびシステムであって、動的に、換言すれば、リアルタイムで、重力および負荷(力、トルク)のような動的力の物理法則を考慮に入れた、該方法およびシステムが提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25