特許第6335461号(P6335461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335461
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 17/02 20060101AFI20180521BHJP
   D06F 17/12 20060101ALI20180521BHJP
   D06F 19/00 20060101ALI20180521BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20180521BHJP
   B08B 3/10 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   D06F17/02
   D06F17/12
   D06F19/00
   B08B3/08 A
   B08B3/10 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-200633(P2013-200633)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-66015(P2015-66015A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】516120685
【氏名又は名称】パナソニックエイジフリー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513242575
【氏名又は名称】関西ステンレス工業 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 政行
(72)【発明者】
【氏名】西腋 大
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−289183(JP,A)
【文献】 特開2008−119642(JP,A)
【文献】 特開平03−143581(JP,A)
【文献】 特開平03−109982(JP,A)
【文献】 特開2012−120964(JP,A)
【文献】 特開2000−237706(JP,A)
【文献】 特開2005−103477(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/158957(WO,A1)
【文献】 特開平06−007290(JP,A)
【文献】 特開2000−237757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 17/02
B08B 3/08
B08B 3/10
D06F 17/12
D06F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状を有し、頂部が開口し、底壁が閉塞している洗浄槽と、
前記洗浄槽と離れて配置され、泡を発生させる泡発生装置と、
前記洗浄槽の内部の空間と前記泡発生装置とを互いに連結する供給路と、
前記洗浄槽の内部の空間に配置され、頂部が開口し、底壁が閉塞し、前記頂部と前記底壁との間を構成する側壁が閉塞している内槽と、
前記洗浄槽の内周面と前記内槽の外周面との間に形成される洗浄空間とを含み、
前記洗浄空間は被洗浄物を配置可能であり、
前記洗浄空間に配置される前記被洗浄物は前記洗浄空間に供給される洗浄水により洗浄される
浄装置。
【請求項2】
前記内槽の頂部の位置が、前記洗浄槽の頂部の位置よりも低い
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄装置が、内槽排出管を含み、
内槽排出口が、前記内槽に形成され、
前記内槽排出管の入口が、前記内槽排出口に接続され、
前記内槽排出管の出口が、前記洗浄槽の外部に引き出されている
請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄装置が、蓋およびリフト機構を含み、
前記蓋が、前記洗浄槽の頂部を閉塞し、
前記リフト機構が、前記蓋と接続され、外部から入力される力に基づいて、前記蓋を前記洗浄槽に対して移動させる
請求項2または3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄装置が、密封部材を含み、
前記密封部材が、前記蓋と前記洗浄槽との隙間をシールする
請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄装置が、前記洗浄槽の内部の液体に供給された泡を拡散させる拡散装置、および、前記洗浄槽の内部に配置される被洗浄物を振動させる振動装置の少なくとも一方を備える
請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記泡発生装置が、オゾンを含む泡を発生させる
請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄装置が、フィルターを含み、
オゾンを分解する触媒が、前記フィルターに担持され、
通気孔が、前記蓋に形成され、
前記フィルターが、前記蓋に取り付けられ、前記通気孔を覆っている
請求項4を引用する請求項7に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の洗浄装置は、マットレスを洗浄する洗浄槽を有する。洗浄槽は、多角形状を有する。洗浄装置は、洗浄槽に配置されたマットレスに洗浄液を吹き付けることにより、マットレスを洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−213879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記洗浄装置によれば、多角形状の洗浄槽の内部においてマットレスに洗浄液を吹き付けて洗浄を行う。このため、洗浄槽の内部において洗浄液の分布に偏りが生じる。このため、マットレス内において洗浄液のむらが生じる。このため、被洗浄物の洗浄効果が低減する。
【0005】
本発明は、被洗浄物の洗浄効果を高めることができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・本洗浄装置は、円筒形状を有し、頂部が開口し、底壁が閉塞している洗浄槽と、前記洗浄槽と離れて配置され、泡を発生させる泡発生装置と、前記洗浄槽の内部の空間と前記泡発生装置とを互いに連結する供給路とを含む。
【0007】
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、内槽を含み、前記内槽が、前記洗浄槽の内部の空間に配置され、前記内槽の頂部が開口し、前記内槽の底壁が閉塞し、洗浄空間が、前記洗浄槽の内周面と前記内槽の外周面との間に形成されていることが好ましい。
【0008】
・上記洗浄装置においては、前記内槽の頂部の位置が、前記洗浄槽の頂部の位置よりも低いことが好ましい。
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、内槽排出管を含み、内槽排出口が、前記内槽に形成され、前記内槽排出管の入口が、前記内槽排出口に接続され、前記内槽排出管の出口が、前記洗浄槽の外部に引き出されていることが好ましい。
【0009】
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、蓋およびリフト機構を含み、前記蓋が、前記洗浄槽の頂部を閉塞し、前記リフト機構が、前記蓋と接続され、外部から入力される力に基づいて、前記蓋を前記洗浄槽に対して移動させることが好ましい。
【0010】
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、密封部材を含み、前記密封部材が、前記蓋と前記洗浄槽との隙間をシールすることが好ましい。
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、前記洗浄槽の内部の液体に供給された泡を拡散させる拡散装置、および、前記洗浄槽の内部に配置される被洗浄物を振動させる振動装置の少なくとも一方を備えることが好ましい。
【0011】
・上記洗浄装置においては、前記泡発生装置が、オゾンを含む泡を発生させることが好ましい。
・上記洗浄装置においては、前記洗浄装置が、フィルターを含み、オゾンを分解する触媒が、前記フィルターに担持され、通気孔が、前記蓋に形成され、前記フィルターが、前記蓋に取り付けられ、前記通気孔を覆っていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本洗浄装置は、被洗浄物の洗浄効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の洗浄装置の全体構造を示す正面図。
図2】実施形態の洗浄装置の断面図。
図3】実施形態のオゾン除去部の断面図。
図4】実施形態の排出装置の模式図。
図5】実施形態のオゾンバブル発生装置およびエアーバブル発生装置の模式図。
図6】実施形態の被洗浄物を洗浄するときの洗浄槽の内部を示す断面図。
図7図6のD7−D7線に沿う断面図。
図8】変形例の蓋および洗浄槽の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示されるように、洗浄装置10は、ケース11、洗浄槽20、内槽30(図2参照)、蓋40、オゾン除去部50、リフト機構60、排出装置70、オゾンバブル発生装置80、および、エアーバブル発生装置90を有する。オゾンバブル発生装置80およびエアーバブル発生装置90は、ケース11の内部に配置されている。なお、オゾンバブル発生装置80は、「泡発生装置」に相当する。エアーバブル発生装置90は、「拡散装置」、および、「振動装置」に相当する。
【0015】
図2に示されるように、洗浄槽20は、側壁21、底壁22、および、頂部26を有する。洗浄槽20は、円筒形状を有する。洗浄槽20の頂部26は開口し、底壁22は閉塞している。頂部26は、側壁21の上方の部分として構成される。洗浄槽20の内部には、内部空間S1が形成されている。洗浄槽20は、例えばステンレスにより形成されている。
【0016】
側壁21は、差込口21Aを有する。差込口21Aは、オゾンバブル発生装置80の循環管81、および、洗浄槽20に液体を供給するためのホース(図示略)を取り付けおよび取り外し可能に形成されている。
【0017】
底壁22は、オゾンバブル供給口23、複数のエアーバブル供給口24、および、洗浄槽排出口25を有する。
オゾンバブル供給口23は、底壁22の中央に形成されている。オゾンバブル供給口23は、オゾンバブル発生装置80の循環管81が接続されている。
【0018】
図6に示されるように、複数のエアーバブル供給口24は、底壁22の周方向に等間隔に形成されている。エアーバブル供給口24は、洗浄槽20の軸方向に対して傾斜して形成されている。エアーバブル供給口24の数は、例えば16個を採用することができる。エアーバブル供給口24は、エアーバブル発生装置90のエアー供給管91(図5参照)が接続されている。
【0019】
図2に示されるように、内槽30は、洗浄槽20の内部空間S1に配置されている。内槽30は、側壁31、底壁32、および、頂部34を有する。内槽30は、円筒形状を有する。内槽30の頂部34は開口し、底壁32は閉塞している。頂部34は、側壁31の上端の部分として構成される。内槽30は、例えばステンレスにより形成されている。
【0020】
底壁32は、内槽排出口33を有する。底壁32は、外周から中心に向かうにつれて上方から下方に傾斜するテーパー形状を有する。
内槽30の頂部34の位置は、洗浄槽20の頂部26の位置よりも低い。洗浄槽20の内周面と、内槽30の外周面との間には、洗浄空間S2が形成されている。
【0021】
蓋40は、円盤形状を有する。蓋40は、通気孔41を有する。通気孔41は、蓋40の中央部分に形成されている。蓋40は、洗浄槽20の頂部26を閉塞する。蓋40は、透明の材料、例えば、プラスチックまたはガラスにより形成されている。
【0022】
図3に示されるように、オゾン除去部50は、ケース51、フィルター52、ファン53、2つのクッション材54、および、メッシュ55を有する。オゾン除去部50は、蓋40の通気孔41の上方に取り付けられている。
【0023】
ケース51は、底部および頂部が開口している。ファン53、フィルター52、および、メッシュ55は、ケース51の内部において、この順に下方から上方に並んで配置されている。クッション材54は、フィルター52の外周とケース51との間、および、ファン53の外周とケース51との間に取り付けられている。
【0024】
フィルター52は、オゾンを分解する触媒を担持している。ファン53は、図示しないUSB電源が接続されている。ファン53が回転するとき、内部空間S1の気体がファン53の上方に送出される。
【0025】
メッシュ55は、オゾン除去部50の内部に埃等が入り込むことを抑制している。クッション材54は、蓋40の移動にともなってフィルター52およびファン53に加わる衝撃を低減する。
【0026】
図2に示されるように、リフト機構60は、支持材61、ワイヤー62、および、レバー63を有する。
支持材61は、先端が湾曲したL字形状を有する。支持材61は、回転部61Aおよび滑車61Bを有する。支持材61の基端は、洗浄槽20の側壁21の外面に取り付けられている。支持材61の先端は、蓋40の円盤形状の中央部の上方に位置する。滑車61Bは、支持材61の先端に取り付けられている。
【0027】
ワイヤー62の一端は、支持材61と蓋40とを接続している。ワイヤー62の他端は、支持材61の基端付近に取り付けられているレバー63に巻きかけられている。ワイヤー62の中間部分は、支持材61に沿って配線され、滑車61Bに巻きかけられている。
【0028】
使用者がレバー63を一方に回転させるとき、ワイヤー62が蓋40を持ち上げる。また、使用者が回転部61Aを介して支持材61の先端側を回転させることによりワイヤー62が蓋40を水平方向にスライドさせる。すなわち、リフト機構60は、蓋40を洗浄槽20に対して移動させる。なお、使用者がレバー63を回転させる力、および回転部61Aを介して支持材61の先端側を回転させる力は、「外部から入力される力」に相当する。
【0029】
図4に示されるように、排出装置70は、洗浄槽排出管71、洗浄槽排水弁72、内槽排出管73、内槽排水弁74、共通排出管75、および、共通排水弁76を有する。
洗浄槽排出管71の入口は、洗浄槽排出口25に接続されている。内槽排出管73の入口は、内槽排出口33に接続されている。内槽排出管73は、洗浄槽20の外部に引き出されている。共通排出管75は、洗浄槽排出管71の出口および内槽排出管73の出口に接続されている。共通排出管75は、外部に液体を排出するための外部排出口75Aを有している。
【0030】
洗浄槽排水弁72は、洗浄槽排出管71の途中に取り付けられている。内槽排水弁74は、内槽排出管73の途中に取り付けられている。共通排水弁76は、共通排出管75の途中に取り付けられている。
【0031】
図5に示されるように、オゾンバブル発生装置80は、循環管81、ろ過器82、オゾン発生器83、混合ポンプ84、ポンプ制御部85、圧力調整弁86、および、気体凝縮器87を有する。オゾンバブル発生装置80は、洗浄槽20と離れて配置されている。オゾンバブル発生装置80は、オゾンを含む泡を発生させる。オゾンバブル発生装置80は、図示しない電源が接続されている。
【0032】
循環管81は、差込口21Aとオゾンバブル供給口23とを接続する。なお、循環管81は、「供給路」に相当する。洗浄槽20の洗浄空間S2の液体は、差込口21Aを介して循環管81に流入する。
【0033】
ろ過器82は、循環管81の差込口21A付近に取り付けられている。ろ過器82は、差込口21Aから供給された液体に含まれる汚れ(例えば、被洗浄物から剥離した繊維および有機物の塊等)を取り除く。ろ過器82としては、例えば繊維から構成されるフィルターが用いられる。
【0034】
オゾン発生器83は、空気に放電を行うことによりオゾンを生成する。オゾン発生器83が生成したオゾンは、混合ポンプ84に供給される。なお、オゾン発生器83としては、オゾンを発生する機器であれば、いずれの機器を採用することもできる。また、オゾン発生器83としては、例えば1時間あたり100mg以上のオゾンを発生させることのできる機器が好ましく、1時間あたり1000mg以上の高濃度のオゾンを発生させることのできる機器がより好ましい。
【0035】
混合ポンプ84は、差込口21Aから供給された液体に、オゾン発生器83から発生したオゾンを泡の状態で混合して混合ポンプ84の下流に送出する。ポンプ制御部85は、混合ポンプ84を駆動させ、混合ポンプ84の回転数を制御する。
【0036】
圧力調整弁86は、循環管81において混合ポンプ84と気体凝縮器87との間に取り付けられている。圧力調整弁86は、気体凝縮器87に送出するオゾンを含む液体の圧力を調整する。圧力調整弁86の開度は、使用者が手動により調整することができる。
【0037】
気体凝縮器87は、オゾンを含む液体を加圧することにより、ナノサイズ(直径1nm程度)のオゾンのバブル(オゾンバブル)を形成する。オゾンバブルを含む液体は、オゾンバブル供給口23から洗浄空間S2に送出される。
【0038】
エアーバブル発生装置90は、エアー供給管91、エアーポンプ92、および、ポンプ制御部93を有する。エアーバブル発生装置90は、洗浄槽20の洗浄空間S2の液体に供給されたオゾンバブルを拡散させる。また、被洗浄物を振動させることにより、オゾンナノバブルを被洗浄物の複雑な表層の凹凸に入り込ませる。エアーバブル発生装置90は、図示しない電源が接続されている。
【0039】
エアー供給管91は、エアーポンプ92とエアーバブル供給口24とを互いに接続している。エアーポンプ92は、エアー供給管91にエアーを送出する。ポンプ制御部93は、エアーポンプ92に回転力を付与し、エアーポンプ92の回転を制御する。エアーバブル供給口24から洗浄槽20の内部の液体にエアーが噴出することにより、洗浄槽20の液体中にエアーバブル(直径10mm程度)が発生する。
【0040】
被洗浄物としての静止マットレスを洗浄するときの洗浄手順について説明する。静止マットレスは、図7に示されるように、偏平な四角形状の中綿MA、および、中綿MAを覆うカバーMBにより構成されている。中綿MAは、3次元立体構造を形成している繊維材料により形成されている。使用者は、洗浄手順の(手順1)の前に、カバーMBを中綿MAから外しておく。
【0041】
(手順1)使用者は、図4に示される洗浄槽排水弁72を閉鎖し、内槽排水弁74および共通排水弁76を開放する。
(手順2)使用者は、図2に示される差込口21Aに外部の給水口、例えば水道管と接続するためのホース(図示略)を差し込み、洗浄空間S2に水道水を供給する。
【0042】
(手順3)使用者は、図6に示されるように水道水が内槽30の頂部34付近まで満ちたとき、差込口21Aからホースを取り外し、差込口21Aに循環管81を差し込む。
(手順4)使用者は、図2に示されるリフト機構60のレバー63を回して蓋40を上方に移動させ、回転部61Aを回転させ、蓋40を洗浄槽20の上方からスライドさせて洗浄槽20の上方を開放させる。
【0043】
(手順5)使用者は、図7に示されるように中綿MAを洗浄槽20の内周面に沿うように曲げて洗浄空間S2に配置し、空いている部分にカバーMBを配置し、中綿MAおよびカバーMBを水道水に浸漬する。
【0044】
(手順6)使用者は、図2に示される回転部61Aを回転させて、蓋40を洗浄槽20の上方にスライドさせ、リフト機構60のレバー63を回して蓋40を下方に移動させて洗浄槽20の上方を閉塞させる。
【0045】
(手順7)使用者は、図5に示されるオゾン発生器83、混合ポンプ84、気体凝縮器87、エアーポンプ92、および図3に示されるファン53を駆動させ、オゾンバブルおよびエアーバブルを洗浄空間S2の液体に供給する。
【0046】
(手順8)使用者は、蓋40の上部から液面を目視する。そして、洗浄槽20の液体の表面の泡状の物質が少なくなった旨確認したとき、図5に示されるオゾン発生器83、混合ポンプ84、気体凝縮器87、エアーポンプ92、および、図3に示されるファン53を停止させる。
【0047】
(手順9)使用者は、図4に示される洗浄槽排水弁72および内槽排水弁74を開放し、共通排水弁76を閉鎖する。このため、洗浄空間S2の液体が内槽30の内部に移動する。
【0048】
(手順10)使用者は、洗浄空間S2と内槽30の内部との間における液体の移動が平衡状態になったとき、図2に示されるリフト機構60を(手順4)と同様に操作して洗浄槽20の上方を開放させる。
【0049】
(手順11)使用者は、洗浄槽20から被洗浄物を取り出し、被洗浄物を乾燥させる。
使用者は、(手順1)〜(手順11)を繰り返し、被洗浄物を順次洗浄する。なお、被洗浄物の洗浄を終了するとき、または、洗浄槽20の内部を洗浄するとき、ユーザーは、(手順11)の後に、洗浄槽排水弁72、内槽排水弁74、および、共通排水弁76を開放し、洗浄槽20および内槽30の内部の液体を洗浄装置10の外部に排出する。
【0050】
洗浄装置10の作用について説明する。
被洗浄物としてのマットレスを洗浄するとき、マットレスを床面に平行にした状態において洗浄する洗浄槽を有する第1の仮想の洗浄装置においては、洗浄槽の設置面積が大きくなる。また、マットレスを洗浄槽から取り出すとき、マットレスにかかる水の抵抗が大きいため、引き上げる力を大きくする必要がある。
【0051】
洗浄槽20は、円筒形状を有する。このため、マットレスを洗浄槽20の形状に沿わせて洗浄空間S2に配置することができる。このため、第1の仮想の洗浄装置と比較して、洗浄槽20の設置面積を小さくすることができる。また、マットレスにかかる水の抵抗が小さいため、引き上げる力を小さくすることができる。
【0052】
また、マットレスを立てた状態において洗浄する仮想の洗浄槽を有する第2の仮想の洗浄装置においては、洗浄槽が偏平な形状を有する。このため、洗浄槽の内部において液体の対流が生じにくい。このため、オゾンバブルが被洗浄物の全体に行きわたりにくい。
【0053】
洗浄槽20は、円筒形状を有する。このため、第2の仮想の洗浄装置と比較して、洗浄槽20の内部において液体に対流が生じやすい。このため、オゾンバブルが被洗浄物の全体に行きわたりやすい。
【0054】
また、洗浄槽20が多角注形状を有し、マットレスを多角柱形状に合わせて折り曲げて洗浄する第3の仮想の洗浄装置と比較して、マットレスの曲げ部にかかる負担が小さい。このため、マットレスの曲げ部の傷みを低減することができる。
【0055】
洗浄装置10は、オゾンバブルを用いて被洗浄物を洗浄する。オゾンバブルに含まれるオゾンは、水と反応して活性物質(OH)に変化する。活性物質は、臭いを発生する微生物に対して強い殺菌効果を持つ。このため、被洗浄物における微生物由来の臭いを効果的に低減することができる。また、オゾンは、漂白作用を持つため、被洗浄物の漂白効果も期待できる。
【0056】
オゾンと水とが反応することによる活性物質は、活性を失うまでの期間が短い。洗浄装置10は、オゾンをオゾンバブルの状態で洗浄槽20に供給する。このため、被洗浄物質の付近に届く前に活性が失われることが抑制される。このため、オゾンによる洗浄効果を高めることができる。
【0057】
オゾンバブルは、ナノサイズのバブルとして洗浄空間S2に供給される。このため、オゾンバブルが、被洗浄物の微細な隙間に入り込みやすい。このため、微細な隙間の細菌を殺すことができる。このため、洗浄効果を高めることができる。
【0058】
洗浄装置10は、エアーバブル発生装置90を有する。エアーバブルは、破裂および移動により被洗浄物に微細な振動を付与する。このため、洗浄槽20の内部の液体が振動するため、オゾンバブルが拡散しやすくなる。このため、オゾンバブルが被洗浄物に行きわたりやすくなる。また、被洗浄物が微細に振動することにより、オゾンバブルが被洗浄物の微細な隙間に入り込みやすくなる。
【0059】
エアーバブル供給口24は、周方向に沿って傾斜している。このため、エアーバブルの噴射により周方向の水流が発生する。このため、オゾンバブルが拡散しやすくなる。このため、オゾンバブルが被洗浄物に行きわたりやすくなる。
【0060】
<第1実施例>
表1を参照して、洗浄装置10により被洗浄物を洗浄したときの洗浄効果の指標としての臭いの変化について説明する。なお、第1実施例においては、臭いの変化を臭い測定器および官能評価により評価した。官能評価は、嗅覚の敏感な検査員が行った。臭い測定器としては、市販の臭いセンサを用いた。臭いセンサは、化学物質の量および化学物質の種類を含めて臭いを数値の検出値により表す。第1実施例に用いた臭い測定器においては、予め行った実験により、臭い測定器の検出値が「150」よりも大きいとき、嗅覚の敏感な人が不快な臭いを感じる傾向が示されている。
【0061】
(被洗浄物)
第1実施例においては、要介護者の介護ベッドに用いられた静止マットおよびエアーマットの構成部品を被洗浄物1〜5として洗浄した。なお、「静止マット」は、3次元スプリング構造の中綿と、中綿を覆うカバーとにより構成されている。「エアーマット」は、内部にエアーが供給されるセルと、セルを覆うカバーとにより構成されている。
【0062】
(評価方法)
被洗浄物は、開始前の評価を行った後、オゾンバブルによる洗浄を1時間行った。また、洗浄を行った後、直ちに洗浄空間S2から取り出し、乾燥してから終了後の評価を行った。
【0063】
【表1】
表1に示されるように、異なる材質および構造を有する被洗浄物1〜4において、臭い測定器および官能評価の両方において高い消臭効果が得られた。また、被洗浄物5においては、臭い測定器の検出値の低下量は大きくないものの、官能評価においては臭いが気にならなくなっていた。
【0064】
被洗浄物2においては、素材の臭いに対しても、洗浄装置10による脱臭効果が得られることが明らかになった。また、被洗浄物3については、お香の臭いに対しても、洗浄装置10による脱臭効果が得られることが明らかになった。また、被洗浄物4においては、加齢臭に対しても、洗浄装置10による脱臭効果が得られることが明らかになった。
【0065】
なお、上記とは異なる被洗浄物に対して第1実施例と同様の評価を行った結果、発泡ウレタン等の発泡材料、および硬質の材料、例えばプラスチック樹脂に付着した尿素の臭いも低減された。このため、洗浄装置10は、被洗浄物として、繊維製品、ビニル製品、プラスチック樹脂、および、金属等を洗浄することにより、脱臭を行うことができる。
【0066】
<第2実施例>
表2を参照して、被洗浄物を第1実施例とは異なる洗浄したときの臭いの変化について説明する。なお、第2実施例においては、臭いの変化は、第1実施例と同様の方法により評価した。
【0067】
(被洗浄物)
要介護者の介護ベッドに用いられたエアーマットの構成部品を被洗浄物6、7として洗浄した。なお、第1実施例よりも洗浄開始前における臭い測定器の検出値の大きい被洗浄物を対象とした。
【0068】
(評価方法)
被洗浄物は、開始前の評価を行った後、オゾンバブルによる洗浄を1時間行った。そして、1時間の洗浄の後、オゾンバブル発生装置80およびエアーバブル発生装置90の駆動を停止した状態において12時間連続して浸漬した。浸漬後、乾燥してから終了後の評価を行った。
【0069】
【表2】
表2に示されるように、被洗浄物6、7において、臭い測定器および官能評価の両方において高い消臭効果が得られた。また、被洗浄物7においては、臭い測定器の検出値の低下量は大きいものの、官能評価においては残臭が少しあるという評価が得られた。また、被洗浄物6、7において、薬品臭に対しても、洗浄装置10による脱臭効果が得られることが明らかになった。
【0070】
エアーマットのセルである被洗浄物7において、脱臭効果が得られた。エアーマットのセルは、エアーを排出したとき、セルが折り重なるため、洗浄液の吹き付け、または、ブラシを用いた擦り等による洗浄では、重なった部分および狭い部分に汚れおよび細菌等の臭いの元が残りやすい。洗浄装置10は、浸漬により洗浄を行うため、複雑な構造の被洗浄物においても、好適な脱臭効果を含む洗浄効果が得られると考えられる。
【0071】
洗浄装置10は、以下の効果を奏する。
(1)洗浄装置10は、円筒形状の洗浄槽20を有している。このため、多角形状の洗浄槽を有する構成と比較して、泡が洗浄槽20の洗浄空間S2に行きわたりやすい。このため、被洗浄物としてのマットレス全体を効率よく洗浄することができる。また、被洗浄物を洗浄槽20に入れる場合、または、被洗浄物を洗浄槽20から取り出して別の場所に移動させる場合において、被洗浄物が洗濯槽との接触により傷むおそれが小さい。
【0072】
(2)洗浄装置10は、洗浄槽20の洗浄空間S2に供給した液体に被洗浄物を浸漬して洗浄を行う。このため、被洗浄物の全体にオゾンバブルが行きわたりやすい。
(3)オゾンバブル発生装置80は、洗浄槽20の液体にオゾンバブルを供給する。このため、被洗浄物に付着した細菌が、オゾン由来の活性物質により殺菌されやすくなる。このため、殺菌剤を被洗浄物の表面に吹き付ける、または塗る構成と比較して、殺菌効果が高い。また、ナノサイズのオゾンバブルは、被洗浄物の微細な隙間に入り込みやすい。このため、殺菌効果がより高くなる。また、オゾンは、酸素に変化しやすい。このため、洗浄装置によれば、殺菌剤を用いて被洗浄物を洗浄する構成と比較して、環境負荷が小さい。
【0073】
(4)内槽30は、内部空間S1に配置されている。洗浄空間S2は、洗浄槽20の内周面と内槽30の外周面との間に形成されている。このため、洗浄槽20の内部空間S1の全体が洗浄空間S2として用いられる構成と比較して、洗浄空間S2の容積が小さい。このため、洗浄に利用する液体の量が少なくなる。
【0074】
(5)内槽30の頂部34の位置が、洗浄槽20の頂部26の位置よりも低い。このため、洗浄空間S2の液体の表面に発生した泡状の物質、および、表面に浮いた汚れが、内槽30の空間に流れこむ。このため、被洗浄物から分離された汚れが、再び被洗浄物に付着することが抑制される。
【0075】
(6)内槽30の内部の液体が、排出管73,75を介して洗浄槽20の外部に排出される。このため、洗浄空間S2から内槽30の内部に流れ込んだ液体が、再び洗浄空間S2に流れ込むことが抑制される。
【0076】
(7)蓋40は、洗浄槽20の頂部26を閉塞する。このため、液体に含まれているオゾンが、洗浄槽20の外部に漏れることが抑制される。
(8)リフト機構60は、蓋40を洗浄槽20に対して移動させる。このため、作業者の負担が小さくなる。
【0077】
(9)エアーバブル発生装置90は、エアーバブルを洗浄空間S2の液体に供給する。液体中のエアーバブルが移動することにより、オゾンバブルが液体中に拡散しやすくなる。すなわち、エアーバブル発生装置90は、洗浄空間S2の液体に含まれるオゾンバブルを拡散させる。このため、オゾンバブルが、被洗浄物の隅々にまで行きわたりやすくなる。このため、被洗浄物を洗浄する効率が高くなる。また、液体中のエアーバブルが破裂するとき、超音波が発生する。超音波により、被洗浄物に付着している汚れ(例えば、皮脂等の有機物)が除去される。このため、エアーバブルによる洗浄効果も期待できる。
【0078】
(10)通気孔41が、蓋40に形成されている。このため、蓋40により閉塞された空間の気体が、フィルター52を介して洗浄装置10の外部に流れる。このため、気体に含まれるオゾンが、触媒の作用により分解される。このため、液体に含まれていたオゾンが、洗浄装置10の外部に漏れることが抑制される。
【0079】
(11)内槽30の底壁32は、テーパー形状を有する。このため、オゾンバブル供給口23から供給されたオゾンバブルが洗浄空間S2に移動しやすい。このため、洗浄槽20に浸漬された被洗浄物にオゾンバブルが行きわたりやすくなる。
【0080】
(12)内槽排出口33は、底壁32の中央に形成されている。このため、洗浄槽20から溢れ出した液体を内槽30の内部において中央部分に移動させやすい。このため、洗浄槽20から溢れ出した液体を外部に排出させやすくなる。
【0081】
(13)エアーバブル供給口24は、周方向に沿って傾斜している。このため、エアーバブルは、周方向に噴射される。このため、洗浄槽20に周方向の水流を発生させることができる。このため、液体が撹拌され、オゾンバブルが拡散しやすくなる。このため、洗浄槽20に浸漬された被洗浄物にオゾンバブルが行きわたりやすくなる。
【0082】
(14)被洗浄物を洗浄槽20から取り出すとき、洗浄槽20の内部の液体を内槽30に移動させることができる。このため、洗浄槽20の内部の液体が減り、液面が下降する。また、液面が被洗浄物の上端より下方に移動するとき、被洗浄物が露出して被洗浄物に含まれる液体が減少する。このため、被洗浄物が軽くなる。このため、被洗浄物を洗浄槽20から取り出しやすくなる。
【0083】
(15)内槽30は、円筒形状を有する。このため、多角形状を有する仮想の内槽と比較して、被洗浄物が傷むことを抑制することができる。また、洗浄槽20の形状と対応しているため、被洗浄物としてマットレスを洗浄空間S2に配置するときの無駄な空間を小さくすることができる。
【0084】
(16)オゾンバブル発生装置80は、洗浄槽20から取り出した液体に発生したオゾンを混合している。このため、外部からの液体にオゾンを混合して洗浄槽20に供給する構成と比較して、時間とともに液体に含まれるオゾンの濃度を高くすることができる。このため、洗浄効果を高めることができる。また、液体を循環させることによりオゾンを含む液体が排出されることを抑制することができる。
【0085】
(17)発明者は、洗浄槽20の液体の表面の泡状の物質の量と被洗浄物の洗浄状態とが相関することを見出した。すなわち、被洗浄物が汚れているほど、洗浄槽20の液体の表面に浮く泡状の物質の量が多く、被洗浄物の洗浄が進むほど、洗浄槽20の液体の表面に浮く泡状の物質の量が少なくなる。このため、泡状の物質が少なくなることを確認することにより、被洗浄物の洗浄状態を把握することができる。蓋40は、透明の材料により形成されている。このため、被洗浄物の洗浄状態を把握しやすい。
【0086】
(18)オゾン除去部50は、蓋40の中央部、すなわち内槽30の上方に配置されている。このため、オゾン除去部50が洗浄空間S2の上方に配置される構成と比較して、フィルター52が濡れにくい。このため、フィルター52が濡れることにより担持している触媒の活性が低下することを抑制できる。
【0087】
(19)オゾンバブル発生装置80は、洗浄槽20と離れて配置されている。このため、オゾンバブル発生装置80を洗浄槽20の内部、または外部に取り付ける場合と比較して、洗浄槽20が大型化することを抑制することができる。また、洗浄槽20とオゾンバブル発生装置80の各部品を配置しているケース11とを相対移動することができる。このため、洗浄装置10を多様な設置場所に設置することができる。
【0088】
(その他の実施形態)
本洗浄装置は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本洗浄装置のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。
【0089】
図8に示されるように、洗浄装置10が、密封部材101,102を含むこともできる。密封部材101,102は、ゴム材料により形成されている。密封部材101は、蓋40の外周に取り付けられる。密封部材102は、頂部26に取り付けられる。密封部材101,102は、蓋40と洗浄槽20との隙間をシールする。
【0090】
・洗浄槽20の頂部26の位置を、内槽30の頂部34の位置よりも低くすることもできる。この場合、洗浄槽20のさらに外側に、洗浄槽20から溢れ出た液体を受け止める外槽を取り付けることが好ましい。
【0091】
・内槽30を多角柱形状にすることもできる。
・オゾンバブル発生装置80に、外部からの水道水を供給することもできる。
・蓋40を省略することもできる。この場合、フィルター52を内部空間S1の上方の全体を覆うようにすることもできる。
【0092】
・ファン53を省略することもできる。
・オゾン除去部50を省略することもできる。オゾンは、空気よりも重いため、上方に移動しにくい。また、洗浄槽20の頂部26の位置は、内槽30の頂部34の位置よりも高い。このため、オゾン除去部50を省略した場合であっても、空気より重いオゾンガスは位置の低い内槽30に流れ込む。このため、洗浄装置10の外部に漏れ出るオゾンの量は抑制される。
【0093】
・洗浄の手順において、(手順11)の後に、被洗浄物に気体のオゾンを噴霧し、消毒する手順を追加することもできる。
・エアーバブル供給口24を垂直方向に沿わせることもできる。この場合も、エアーバブルの移動、および、エアーバブルによる被洗浄物の振動にともなって、オゾンバブルを拡散させることができる。
【0094】
・エアーバブル発生装置90に代えてまたは加えて、拡散装置としての波動装置を採用することもできる。波動装置は、例えばモーターの偏心駆動により振動する振動子を備え、振動子は洗浄空間S2に配置される。波動装置においては、振動子が振動するときに発生する液体中の波動により、オゾンバブルが発生する。または、拡散装置としてのプロペラ装置を採用することもできる。プロペラ装置は、例えばモーターの駆動により振動するプロペラを備え、プロペラは洗浄空間S2に配置される。要するに、オゾンバブルを拡散させることができる拡散装置であれば、いずれの構成を採用することもできる。
【0095】
・エアーバブル発生装置90に代えてまたは加えて、拡散装置を採用することもできる。振動装置は、例えばモーターの偏心駆動により振動する振動子を備え、振動子は被洗浄物と接触できる位置に配置される。要するに、被洗浄物を振動させることができる振動装置であれば、いずれの構成を採用することもできる。
【0096】
・オゾンバブル発生装置80は、ナノサイズよりも大きいサイズ、例えばマイクロサイズのオゾンバブルを気体凝縮器87により生成し、洗浄空間S2に供給することもできる。要するに、オゾンバブルであれば、いずれのサイズのオゾンバブルを洗浄空間S2に供給してもよい。
【0097】
・オゾンバブル発生装置80を省略することもできる。この場合、エアーバブル発生装置90が泡発生装置として機能する。オゾン以外の気体を含む泡発生装置であっても、泡の破裂により被洗浄物の洗浄効果を得ることができる。
【0098】
・洗浄装置10により洗浄する被洗浄物は、マットレスに限られない。例えば、車いすのクッション、クッション状の体位変換器等の繊維材料により構成される介護用品を被洗浄物として洗浄することもできる。また、介護用品に限らず、繊維材料により構成される製品を被洗浄物として洗浄することもできる。また、繊維材料を含む製品に限らず、樹脂材料、または、金属材料により構成される製品を被洗浄物として洗浄することもできる。要するに、洗浄空間S2に配置できる製品であれば、いずれの製品を被洗浄物として洗浄することもできる。
【符号の説明】
【0099】
10…洗浄装置、20…洗浄槽、22…底壁、26…頂部、30…内槽、32…底壁、33…内槽排出口、34…頂部、40…蓋、41…通気孔、52…フィルター、60…リフト機構、73…内槽排出管、80…オゾンバブル発生装置(泡発生装置)、81…循環管(供給路)、90…エアーバブル発生装置(拡散装置、振動装置)、101,102…密封部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8