(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335462
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】製紙廃棄物からのエタノールの製造方法
(51)【国際特許分類】
C12P 7/08 20060101AFI20180521BHJP
C12N 1/14 20060101ALN20180521BHJP
【FI】
C12P7/08
!C12N1/14 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-200843(P2013-200843)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-65834(P2015-65834A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
(72)【発明者】
【氏名】星野 一宏
(72)【発明者】
【氏名】高野 真希
【審査官】
飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−500029(JP,A)
【文献】
特開2010−046024(JP,A)
【文献】
高野真希,第64回日本生物工学会大会講演予稿集,2012年,第190頁
【文献】
高野真希,第65会日本生物工学会大会講演要旨集,2013年 8月25日,第140頁
【文献】
小杉和裕,日本農芸化学会大会講演要旨集,2011年,第154頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 7/00
C12N 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙廃棄物から発酵によりエタノールの製造する方法であって、
ムコール・アンビグス(NBRC6742)
ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4563,4572,4574)
リゾムコール・プシルス(NBRC4579,6746)
の野生株から選ばれる接合菌門・接合菌綱・ケカビ目に属するカビを用いることを特徴とするエタノールの製造方法において,前記発酵が,前記カビの他にはセルラーゼ供給源を組み合わせない糖化発酵同時進行させるエタノールの製造方法。
【請求項2】
製紙廃棄物がペーパースラッジである請求項1に記載のエタノールの製造方法。
【請求項3】
前処理工程を含む請求項1または2に記載のエタノールの製造方法。
【請求項4】
前処理工程が、水洗処理および/または塩酸処理である請求項3に記載のエタノールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙製造工程で発生する製紙廃棄物からエタノールを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ブラジルやアメリカなどで行われているエタノールの製造は、トウモロコシやサトウキビから得られた6炭糖を主成分とする糖液を、酵母(S.cerevisiae)を用いる発酵法により行われる。トウモロコシやサトウキビは生産が容易で加工がしやすく豊富な糖が得られ、酵母は高濃度の糖存在下で優れた成長能力を持ち、エタノール生産収率も高い。しかし食料を燃料に替えるという倫理観の問題に始まり、食料としての供給の減少などの重大な問題を抱えている。このような背景から、未利用なバイオマス資源である農産廃棄物(稲わら、もみ殻など)、林産廃棄物(間伐材、廃木材)や産業廃棄物(PSなど)からエタノールを高収率で得る研究が進められている。
未利用なバイオマス資源である農産廃棄物からのエタノール生産は、成分であるセルロースやヘミセルロースなどを分解・発酵させてエタノールを生産する微生物が利用される。
【0003】
しかし、これらS.cerevisiaeを代表するエタノール発酵微生物を用いて5炭糖の代表であるキシロースからエタノール発酵は不可能であり、キシロース発酵酵母であるCandida sheataeやPichia stipitisにおいても培養が難しい、副生成物が生成する、エタノール耐性が低い、発酵阻害物質により強く発酵が阻害されるなど多くの問題を抱えている。さらに、組換え微生物(例えば、特許文献1、2)を用いた場合には、高いエタノール生産性を達成できるものの、組換え菌を使用する際の安全性の問題や倫理的問題を解決していく必要がある。
【0004】
これらのことから、本発明者らエタノール微生物として考えられていなかった糸状菌、特にケカビの検索を行い、全く新しいキシロース発酵糸状菌を発見すると共に、この微生物を用いて我が国の主要な未利用バイオマスとして稲わらからのバイオエタノール製造システムの開発を行ってきた(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−158170
【特許文献2】特開2011−030563
【特許文献3】特開2010−046024
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製紙製造事業所から排出されるペーパースラッジやスクリーンテールなど製紙廃棄物は、高水分含量で有り、バイオマス成分である糖質(セルロースとヘミセルロース)を含み、さらに、 リグニンおよび無機分を多量に含んでいる。この成分中の糖質を有効利用し生物変換によりエタノールを製造するためには、セルロースおよびヘミセルロース成分を加水分解する酵素群の分泌と、加水分解液中の5炭糖および6炭糖ともに効率よくエタノールへ変換することが望まれる。しかし、一般の発酵瀬微生物
S.cerevisiaeは、セルロース分解酵素(セルラーゼ)を分泌せず、さらに、5炭糖を資化できるものの発酵性を有しない。また、キシロース発酵酵母であるCandida sheataeやPichia stipitisは、5炭糖は発酵するもののセルラーゼ等は分泌しない。さらに、セルラーゼを多量に分泌する糸状菌Trichoderma resseiやAcremonium cellulolyticusはエタノール発酵能を有していない。
【0007】
そこで、近年、セルラーゼおよびキシロース代謝酵素遺伝子を組換えたS.cerevisiaeやZ.palmae、地球環境産業技術研究機構(RITE)による組換えコリネ菌などが開発されてきているが、遺伝子組換え菌であることからカルタヘナル法の適用を受けて規制が厳しく、さらに、実際の製造において拡散防止などの設備を必要とする製造施設に多大なコストが負担となり商業化されていない。
【0008】
一方、同時糖化発酵(SSF)システムおよび糖化発酵同時進行(CBP)システムは、現在、我が国で進められているエタノール製造において、次世代型のエタノール製造技術であり、2020年を目標に実用化が進められている。
一般の発酵微生物と市販の酵素剤を混合し、一つの発酵槽内で糖化と発酵を同時に行う同時糖化発酵システムは、市販の酵素剤を利用するため、酵素製造に関する経費が増大し、エタノール製造コストが向上することが問題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
木質系バイオマス由来のセロルース繊維を含む製紙廃棄物からのエタノール生産を実用化させるためには、セルラーゼを分泌生産し、さらに、キシロースも発酵できる野性の菌株を見出すことも必要である。そこで、発明者らは、当研究室に保存している接合菌ライブラリーからセルラーゼを分泌生産すると共に、キシロースも発酵できる菌株の検索を行い、有用な接合菌株を見出した。さらに、該接合菌のみを用いた糖化発酵同時進行システムを構築した。また、該接合菌と市販のセルラーゼ剤を組み合わせた同時糖化発酵システムを構築した。さらに、前記システムでペーパースラッジからエタノール製造を行う際に問題となる夾雑物の処理法を見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明において使用される接合菌株は、ペーパースラッジからエタノールの生産する能力を有する接合菌門・接合菌綱・ケカビ目に属するカビであり、ムコール(Mucor)、リゾムコール(Rhizomucor)などに属するカビが挙げられる。具体的には、例えば以下のような種を示すことができる。
【0011】
ムコール・アンビグス(Mucor ambiguus)
ムコール・シイルシネロイデェス(Mucor circinelloides)
ムコール・フラギリス(Mucor fragilis)
ムコール・ヘマリス(Mucor hiemalis)
ムコール・イナエクイスポラス(Mucor inaequisporus)
ムコール・オブロンジエリプティカス(Mucor oblongiellipticus)
ムコール・ラセモサス(Mucor racemosus)
ムコール・レクルバス(Mucor recurvus)
ムコール・サトゥルニナス(Mocor saturninus)
ムコール・サブティリススミウス(Mocor subtilissmus)
リゾムコール・プシルス(Rhizomucor pusillus)
【0012】
上記のケカビ目のカビは、湿気の多い有機物上に出現する、ごく普通のカビである。これら微生物の、土壌、河川、あるいは湖沼などの材料からの単離・同定法は公知である。たとえば単離および同定方法については以下のような文献を参照することができる。
カビ:”The Genera of Hyphomycetes from soil”, G.L.Barron, Baltimore, Maryland, Williams and Wilkins(1968).
”Compendium of soil Fungi”, K.H.
Domsh, W. Gams, T. Anderson, New York, Academic Press(1980).
【0013】
より具体的には、以下の微生物菌株を示すことができる。
ムコール・アンビグス(NBRC6742)
ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4572,4554,4569,4574,5382,5774,30470,4563,6746)
ムコール・フラギリス(NBRC9402)
ムコール・ヘマリス(NBRC9400,9407,6754)
ムコール・イナエクイスポラス(NBRC8635)
ムコール・オブロンジエリプティカス(NBRC9258)
ムコール・ラセモサス(NBRC6745)
ムコール・レクルバス(NBRC8093)
ムコール・サトゥルニナス(NBRC9562)
ムコール・サブティリススミウス(NBRC6755)
リゾムコール・プシルス(NBRC4578)
これらのカビは、野生株または変異株のいずれの株も用いることができる。また、これらのカビは、単独または混合して使用することができる。
【0014】
上記の菌株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NBRC)
発行の微生物カタログ第1版(2005年)に記載されており、それぞれのアクセション番号をもとにNBRCなどのセルバンクから入手することができる。
【0015】
上記したケカビ目の接合菌株は、エンド−β−グルカナーゼを分泌し、エタノールの発酵生産のみならず、セルラーゼも分泌生産することができる。
【0016】
上記したセルラーゼの分泌生産能を利用してエタノールの製造を行う場合、ペーパースラッジやペーパースラッジテールなど製紙廃棄物からのエタノール製造を糖化発酵同時進行で行うシステムを構築することができる。
【0017】
接合菌門・接合菌綱・ケカビ目に属するカビとセルラーゼ剤を用いて、同時糖化発酵により製紙廃棄物からエタノールを製造することができる。
ここで用いられるセルラーゼ剤は特に限定されず、市販のセルラーゼ剤を用いればよい。セルラーゼ剤は複数組み合わせでカクテルとすることができ、例えば、アクセラーゼ・メイセラーゼ・ペクチナーゼのセルラーゼカクテルなどが挙げられる。
【0018】
ペーパースラッジからのエタノール製造を同時糖化発酵システムまたは糖化発酵同時進行システムで行う場合、前処理として、ペーパースラッジ中の凝集剤、填料、炭酸カルシウムなどの夾雑物を減らしておくことが好ましい。前処理として水洗処理、塩酸処理およびそれらの組み合わせ処理が挙げられる。塩酸処理には処理後の中和処理も含まれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のセルラーゼの分泌能を有するエタノール発酵微生物を使用することから、同時糖化発酵においては、使用酵素の添加量の軽減に繋がり、製造コストの削減が可能である。
また、糖化発酵同時進行の場合、本発明のセルラーゼの分泌能を有するエタノール発酵微生物のみを発酵槽へ投入し、ペーパースラッジへの糖化と発酵を行うことから、酵素製造に係わるコストは必要としない。
すなわち、本発明により、ペーパースラッジのような産業廃棄物を含む未利用セルロース系バイオマスからバイオ燃料として利用されているエタノールを安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ムコール・シイルシネロイデェスとセルラーゼカクテル剤を組み合わせた同時糖化発酵システムによる生ペーパースラッジからのエタノール生産。
【
図2】ムコール・シイルシネロイデェスとセルラーゼカクテル剤を組み合わせた同時糖化発酵システムによる前処理(塩酸浸漬・水洗)したペーパースラッジからのエタノール生産
【
図3】ムコール・シイルシネロイデェスのみによる糖化発酵同時進行システムによるペーパースラッジテールからのエタノール生産。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明について、以下の実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0022】
[実施例1]
硫酸アンモニウム(0.75%)、リン酸水素二カリウム(0.35%)、塩化カルシウム(0.1%)、硫酸マグネシウム・7水和物(0.075%)、酵母エキス(0.5%)、pH7.5の液体培地に、グルコース(2%)を含む寒天プレートで、ケカビ目の接合菌株を28℃で3〜5日培養した後、寒天プレートを粉砕し生理食塩液に懸濁させた。
生ペーパースラッジ(5%)を含有する上記の25mLに、上記懸濁液1mLを加え、28℃、120時間嫌気下で振とう培養した。
【0023】
培養終了後、定性濾紙(Advantec製、No.131)を用いて濾過を行うことにより菌体を除去し、各培養液の培養上清液を調製した。濾紙上に得られた菌体は、蒸留水で十分洗浄した後、90℃で24時間乾燥させた後、重量を測定し、乾燥菌体重量を求めた。一方、ガスクロマトグラフィーにより、培養により得られた培養液中のエタノールを定量した。
ペーパースラッジ発酵能を有するケカビによるエタノール生産を表1に示す。また、ペーパースラッジ発酵能を有するケカビによるペーパースラッジからのエタノール生産とセルラーゼ(エンド−β−グルカナーゼ)生産を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
[実施例2]
<同時糖化発酵によるペーパースラッジからのエタノール製造>
硫酸アンモニウム(0.75%)、リン酸水素二カリウム(0.35%)、硫酸マグネシウム・7水和物(0.075%)、酵母エキス(0.5%)、pH5.5の液体培地に、セルラーゼカクテル(1L中のタンパクとして、アクセラーゼ1.393g、メイセラーゼ0.943、ペクチナーゼ0.6464gを含有)3g(タンパク/L)およびペーパースラッジ100g/Lの培地で、ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4563)を28℃で振とう培養した。その結果を
図1に示す。
【0027】
ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4563)とペーパースラッジの加水分解に対して最適化したセルラーゼカクテル剤を用いて生ペーパースラッジを原料として同時糖化発酵システムを実施した結果、培養72時間目に得られたエタノール濃度は8.9g/L、発酵効率61%、このときの最大エタノール生産性は0.123g/L/hであった。
【0028】
[実施例3]
<ペーパースラッジの前処理>
(1)生ペーパースラッジ中のセルロースに付着している無機・有機成分を水洗した。
具体的には、生ペーパースラッジ 1kgを20Lの洗浄容器に入れ、そこへ10Lの蒸留水を加え、常温で48時間ゆっくり撹拌した。このペーパースラッジ懸濁液を、ガーゼを3枚重ねたザルでこし取り、再度、5Lの蒸留水で24時間以上洗浄した。再度、水で洗浄したペーパースラッジを、ガーゼを重ねたザルでこし取り、得られた固形物を試料とした。
ペーパースラッジ中の各成分の水洗前後の変化を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】
生ペーパースラッジを水洗することにより無機・有機成分が約9%減少する一方、発酵糖が約9%増加した。
【0031】
(2)生ペーパースラッジを1N塩酸水溶液に浸した後、中和・水洗した。
具体的には、生ペーパースラッジ1kgを20Lの洗浄容器に入れ、そこへ5Lの1N塩酸を加え、常温で48時間ゆっくり撹拌した。このペーパースラッジ懸濁液を、ガーゼを3枚重ねたザルでこし取り、得られた固形物を再び10Lの容器に入れ、そこへ2Lの蒸留水を加え24時間ゆっくり撹拌しながら1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した。中和したペーパースラッジ懸濁液を再びガーゼを重ねたザルでこし取り、再度、5Lの蒸留水で24時間以上洗浄した。再度、ガーゼを重ねたザルでこし取り、得られた固形物を試料とした。
ペーパースラッジ中の各成分の塩酸処理前後の変化を表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】
生ペーパースラッジを塩酸に浸漬後、水洗することにより無機成分が約30%減少する一方、発酵糖が約21%増加した。
【0034】
(3)塩酸処理したペーパースラッジを用いて糖化発酵同時進行を行った結果を
図2に示す。
培養24時間目までエタノール生産量は急激に増加し、培養72時間目に18g/Lのエタノールを得ることに成功した。このときの最大収率は、約70%、最大エタノール生産性は0.48g/L/hに達した。この結果から、生のペーパースラッジ中には製紙製造工程で使用される填料(炭酸カルシウム、カオリン)、界面活性剤、インクなど多くの不純物が含まれ、特に、カルシウム塩が生物変換反応の妨げになっていることが明かとなった。
【0035】
[実施例4]
<同時糖化発酵によるペーパースラッジテールからのエタノール製造>
硫酸アンモニウム(0.75%)、硫酸アンモニウム・7水和物 0.075%)、リン酸水素二カリウム(0.35%)、塩化カルシウム・2水和物(0.1%)、硫酸マグネシウム・7水和物(0.075%)、酵母エキス(0.5%)、pH5.5の液体培地に、ペーパースラッジテール80g/Lの培地で、ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4563)を28℃で振とう培養した。その結果を
図2に示す。
【0036】
ムコール・シイルシネロイデェス(NBRC4563)のみを用いた糖化発酵同時進行により、80g/Lの抄紙工程から排出されるペーパーテールの直接エタノール生産を実施した結果、最終的に得られたエタノールは27.5g/Lであり、発酵収率は85%に達した。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明により、製紙業界から排出される製紙廃棄物の問題点である化石燃料の多量消費、それに伴う炭酸ガスの発生を軽減でき、さらに、備蓄性の燃料であるエタノールを安価かつ効率よく製造することが可能となる。この分野において、エタノール製造の実用化は、エタノールの発酵効率の向上とコスト削減に係っている。本発明に使用されるカビは、セルラーゼの分必能を有していることから、バイオマスであるペーパースラッジの発酵処理に必要な酵素添加量の軽減あるいは酵素無添加状態でエタノールを生産でき、大幅なコスト削減が可能である。