特許第6335464号(P6335464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6335464-踵の安定装置 図000002
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  • 特許6335464-踵の安定装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335464
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】踵の安定装置
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   A43B17/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-203723(P2013-203723)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2014-73381(P2014-73381A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2016年9月26日
(31)【優先権主張番号】101219078
(32)【優先日】2012年10月2日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511287916
【氏名又は名称】亞適足企業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(72)【発明者】
【氏名】曾讚育
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−087406(JP,U)
【文献】 実開昭59−066409(JP,U)
【文献】 実開昭58−175704(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 17/00
A43B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの固定の凸点を設けたパッド体を有し、
前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されていることを特徴とする踵の安定装置。
【請求項2】
3つの固定の凸点を設けた靴の中敷きを有し、
前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されていることを特徴とする踵の安定装置。
【請求項3】
前記中敷きが靴の底面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の踵の安定装置。
【請求項4】
前記踵の安定手段として中敷き本体が靴の底部の下に凹点を設けられることを特徴とする請求項1に記載の踵の安定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は靴の中敷き、もしくは靴の底の構造に関し、特に踵の位置を安定させる踵の安定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展にともない、いわゆる文明病も多々発生した、そのうち慢性の疼痛は、もっとも多くみられる症状の一つである。慢性の疼痛を引き起こす主な原因は、骨格と筋肉のバランスが失われることにある。人類は四足で這うことから始まり、数百万年の進化を経て直立歩行を習得した。直立し、歩行するためには、身体のバランスを維持しなければならならず、そのために代替の補償の作用を生じさせなければならない。よって、様々な不良の姿勢が、各種疼痛を引き起こす。係る知見に基づき、身体の関節、筋肉がバランスの取れた姿勢を維持するためにはどうすればよいか、医学界の専門家、もしくは科学者は研究を重ねてきた。
【0003】
上述する情状に鑑み、これまで種々の靴の中敷きなどは考案されてきた。例えば、図3に開示する従来の靴の中敷き90は、踵に接する部分の左右、及び後方に壁面を一体に形成し、踵を包むように設計してある。係る中敷きを靴に装着した場合、人体の踵はバランスの取れたものではないので、使用中に踵が中敷きの一方の側に寄りやすい。このためPOST接触の原因を構成し、容易に違和感を与える。即ち、かかる構造は、踵の位置が偏ることがなく、踵の関節を十分に安定させているとは言えない。よって、骨格と筋肉の理想的なバランスを維持するための改善が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、踵の位置を安定させ、踵の関節を保護し、骨格と筋肉の理想的なバランスを維持することのできる踵の安定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者は、従来の技術に見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、3つの固定の凸点を設けたパッド体を有し、前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されている構造によって課題を解決できる点に着眼し、係る知見に基づいて本発明を完成させた。以下、この発明について具体的に説明する。
【0006】
請求項1に記載する踵の安定装置は、3つの固定の凸点を設けたパッド体を有し、前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されている。
【0007】
請求項2に記載する踵の安定装置は、3つの固定の凸点を設けた靴の中敷きを有し、前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されている。
【0008】
請求項3に記載する踵の安定装置は、請求項2における中敷きが靴の底面に設けられる。
【0009】
請求項4に記載する踵の安定装置は、請求項2における前記踵の安定手段として中敷き本体が靴の底部の下に凹点を設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明による靴の中敷きを示した斜視図である。
図2】他の実施の形態を示した説明図である。
図3】従来の靴の中敷きを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明には、踵の位置を安定させ、踵の関節を保護し、骨格と筋肉の理想的なバランスを維持することのできる踵の安定装置を提供するものであって、3つの固定の凸点を設けたパッド体、若しくは靴の中敷きを有し、前記3つの固定の凸点は、人体の楕円踵が接する領域に形成され、かつ尖端部がつま先方向へ向いた前方三角形を形成するように配置されている。係る踵の安定装置の構造と特徴を説明するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。
【実施例1】
【0012】
図1に開示するように、この発明による踵の安定手段は、中敷き本体10と、中敷き本体10上に設けた複数の凸点11、12、13とによってなる。実施例においては凸点11、12、13と3つ設けているが、但しこの数に限定することはなく、3つ以上であってもよい。また、凸点の上面の形状は、図示する円形に限らず、中敷き本体10から突出していれば、如何なる形状であってもよい。
【0013】
中敷き本体10は靴の中に敷き、一方の面が足の裏に接するものであって、主に緩衝材によってなる。複数の凸点11、12、13は、踵の中敷き本体10に接する楕円形の部分の外周縁に沿って分布させる。
【0014】
上述する構造によれば、中敷き本体10上の踵の位置を安定させることによって踵関節の安定した作用が得られる、このため、体の姿勢のバランスを容易に維持することができ、身体の調整能力を活性させるという目的を達成することができる。
【実施例2】
【0015】
上述する実施例は、この発明を靴の中敷きに応用したものであるが、当然のことながら靴の足に接触する面に同様の構造を設けても、同様の効果が得られる。即ち、図2に開示するように、凸点11a、12a、13aを中敷き本体10上ではなく、靴の底面10a上に直接設ける。
【0016】
また、凸点11a、12a、13a上に一般の靴の中敷きを別途設けても、同様に、踵の位置を安定させることによって踵関節の安定した作用を得る、というこの発明の目的、効果を達することができる。
【符号の説明】
【0017】
10 中敷き本体
10a 底面
11 凸点
11a 凸点
12 凸点
12a 凸点
13 凸点
13a 凸点
90 中敷き
図1
図2
図3