特許第6335472号(P6335472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335472テープカートリッジおよびテープ送り装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335472
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】テープカートリッジおよびテープ送り装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 15/04 20060101AFI20180521BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20180521BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B41J15/04
   B41J11/42
   B41J11/70
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-223583(P2013-223583)
(22)【出願日】2013年10月28日
(65)【公開番号】特開2014-205339(P2014-205339A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年9月26日
(31)【優先権主張番号】特願2013-58870(P2013-58870)
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】特許業務法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 泰志
(72)【発明者】
【氏名】中島 賢一
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−156174(JP,A)
【文献】 特開平11−314409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0027485(US,A1)
【文献】 特開2013−215991(JP,A)
【文献】 特開2014−030915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/01−3/54
B41J11/00−11/70
B41J15/00−15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープカートリッジおよび装置本体を備えたテープ送り装置の前記テープカートリッジであって、
前記テープカートリッジは、
テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部と、テープ幅方向の一方の側において前記複数のラベル部に対応するように前記テープ長さ方向に沿って設けられ、前記テープ幅方向に突出した複数の検出対象部と、を有するテープ状部材と、
前記テープ状部材を繰出し可能に収容したカートリッジケースと、を備え、
前記カートリッジケース外のカット位置において、前記ラベル部を前記テープ状部材上の所定の切断箇所で切り離すために、当該ラベル部に対応した前記検出対象部の通過検出に基づいて、前記テープ状部材を送る前記装置本体に装着され、
前記カートリッジケースには、
前記テープ状部材の送り経路上において、前記装置本体による前記各検出対象部の通過検出のために前記各検出対象部を露出させる露出エリアと、前記テープ状部材を前記カートリッジケース外に送り出すためのテープ送出口と、が形成されており、
テープ送り方向における、前記テープ送出口に対する前記露出エリアの上流端までの距離が、任意の前記ラベル部に対応した前記検出対象部の繰出し先端側の端部と、当該ラベル部に対し繰出し先端側に隣接した前記ラベル部の繰出し末端側の端部との距離よりも、短いことを特徴とするテープカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジケースは、
前記テープ状部材の前記一方の側の端面を覆った被覆壁部を、有し、
前記被覆壁部には、前記各検出対象部を前記一方の側に突出させる突出開口が形成され、
前記突出開口のテープ送り方向上流端には、通過する前記各検出対象部を覆うテープカバー部が設けられ、
前記テープカバー部よりも前記テープ送り方向下流側に、前記露出エリアが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
【請求項3】
前記テープ幅方向において、前記テープカバー部の前記一方の側の端部が、前記被覆壁部の前記一方の側の端部よりも、他方の側に位置していることを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。
【請求項4】
テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部と、テープ幅方向の一方の端部において前記複数のラベル部に対応するように前記テープ長さ方向に沿って設けられ、前記テープ幅方向に突出した複数の検出対象部と、を有するテープ状部材と、前記テープ状部材を繰出し可能に収容したカートリッジケースと、を備えたテープカートリッジと、
装置本体と、を備えたテープ送り装置であって、
前記装置本体は、
前記テープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
前記カートリッジケース外のカット位置において前記テープ状部材を切断する切断部と、
前記各検出対象部の通過を検出する検出部と、
前記ラベル部が、前記切断部により前記テープ状部材上の所定の切断箇所で切り離されるように、当該ラベル部に対応した前記検出対象部の通過検出に基づいて前記テープ状部材を送る送り部と、を備え、
前記カートリッジケースには、
前記テープ状部材の送り経路上において、前記検出部による検出のために前記各検出対象部を露出させる露出エリアが形成されており、
テープ送り方向における、前記カット位置に対する前記露出エリアの上流端までの距離が、任意の前記ラベル部に対応した前記検出対象部の繰出し先端側の端部と、当該ラベル部に対し繰出し先端側に隣接した前記ラベル部の前記切断箇所との距離よりも、短いことを特徴とするテープ送り装置。
【請求項5】
前記カートリッジケースは、
前記テープ状部材の前記一方の側の端面を覆った被覆壁部を、有し、
前記被覆壁部には、前記各検出対象部を前記一方の側に突出させる突出開口が形成され、
前記突出開口のテープ送り方向上流端には、通過する前記各検出対象部を覆うテープカバー部が設けられ、
前記テープカバー部よりも前記テープ送り方向下流側に、前記露出エリアが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のテープ送り装置。
【請求項6】
前記テープ幅方向において、前記テープカバー部の前記一方の側の端部が、前記被覆壁部の前記一方の側の端部よりも、他方の側に位置していることを特徴とする請求項5に記載のテープ送り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ状部材を繰出し可能に収容したテープカートリッジ、および装着されたテープカートリッジからテープ状部材を繰り出して送るテープ送り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ長さ方向に沿って設けられた複数の無線タグ回路素子と、複数の無線タグ回路素子に対応するようにテープ長さ方向に沿って設けられた複数の黒マークとを有するタグテープを、繰出し可能に収容したカートリッジと、カートリッジが装着されるカートリッジホルダーと、カートリッジ外のカット位置においてタグテープを切断するカッターユニットと、各黒マークの通過を検出するマークセンサーと、無線タグ回路素子が、カッターユニットによりタグテープ上の所定の切断箇所で切り離されるように、当該無線タグ回路素子に対応した黒マークの通過検出に基づいてタグテープを送る搬送手段とを備えたラベル作成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−178147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のタグテープに代えて、テープ長さ方向に沿って複数のラベル部を設けたテープ状部材を用いることが考えられる。この場合、テープ送り方向における各ラベル部の位置を検出するために、上記の黒マークに代えて、テープ状部材のテープ幅方向の一方の端部に、各ラベル部に対応するようにテープ長さ方向に沿って、テープ幅方向に突出した複数の検出対象部を設けると共に、カートリッジケースには、検出部により検出対象部の通過を検出するために、各検出対象部を露出させる露出エリアを形成することが考えられる。
しかしながら、この場合、任意のラベル部(繰出し先端側から数えてn番目のラベル部)に対し繰出し先端側に隣接したラベル部(n−1番目のラベル部)が切り離された後、次のテープ送りがなされるまでの間に、n番目のラベル部に対応した検出対象部が露出エリアに露出していると、検出対象部がユーザーの指などと接触して曲がってしまうおそれがある。検出対象部が曲がってしまうと、検出対象部が検出部などに引っ掛かってしまい、ジャミングの原因となり得る。
【0005】
本発明は、カートリッジケースにテープ状部材の検出対象部を露出させる露出エリアを設けた場合にも、検出対象部が指などと接触することを防止したテープカートリッジおよびテープ送り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテープカートリッジは、テープカートリッジおよび装置本体を備えたテープ送り装置のテープカートリッジであって、テープカートリッジは、テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部と、テープ幅方向の一方の側において複数のラベル部に対応するようにテープ長さ方向に沿って設けられ、テープ幅方向に突出した複数の検出対象部と、を有するテープ状部材と、テープ状部材を繰出し可能に収容したカートリッジケースと、を備え、カートリッジケース外のカット位置において、ラベル部をテープ状部材上の所定の切断箇所で切り離すために、当該ラベル部に対応した検出対象部の通過検出に基づいて、テープ状部材を送る装置本体に装着され、カートリッジケースには、テープ状部材の送り経路上において、装置本体による各検出対象部の通過検出のために各検出対象部を露出させる露出エリアと、テープ状部材をカートリッジケース外に送り出すためのテープ送出口と、が形成されており、テープ送り方向における、テープ送出口に対する露出エリアの上流端までの距離が、任意のラベル部に対応した検出対象部の繰出し先端側の端部と、当該ラベル部に対し繰出し先端側に隣接したラベル部の繰出し末端側の端部との距離よりも、短いことを特徴とする。
【0007】
本発明のテープ送り装置は、テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部と、テープ幅方向の一方の端部において複数のラベル部に対応するようにテープ長さ方向に沿って設けられ、テープ幅方向に突出した複数の検出対象部と、を有するテープ状部材と、テープ状部材を繰出し可能に収容したカートリッジケースと、を備えたテープカートリッジと、装置本体と、を備えたテープ送り装置であって、装置本体は、テープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジケース外のカット位置においてテープ状部材を切断する切断部と、各検出対象部の通過を検出する検出部と、ラベル部が、切断部によりテープ状部材上の所定の切断箇所で切り離されるように、当該ラベル部に対応した検出対象部の通過検出に基づいてテープ状部材を送る送り部と、を備え、カートリッジケースには、テープ状部材の送り経路上において、検出部による検出のために各検出対象部を露出させる露出エリアが形成されており、テープ送り方向における、カット位置に対する露出エリアの上流端までの距離が、任意のラベル部に対応した検出対象部の繰出し先端側の端部と、当該ラベル部に対し繰出し先端側に隣接したラベル部の切断箇所との距離よりも、短いことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、任意のラベル部(n番目のラベル部)に対し繰出し先端側に隣接したラベル部(n−1番目のラベル部)が切断箇所で切り離された状態では、テープ送り方向において、n−1番目のラベル部の切断箇所とカット位置とが一致していることから、n番目のラベル部に対応した検出対象部の繰出し先端側の端部が、露出エリアの上流端よりも上流側に位置することになる。このため、n−1番目のラベル部が切り離された状態では、n番目のラベル部に対応した検出対象部が、露出エリアに露出することがない。したがって、n−1番目のラベル部が切り離された後、次のテープ送りがなされるまでの間に、n番目のラベル部に対応した検出対象部が、ユーザーの指などと接触することを防止することができる。
【0009】
上記のテープカートリッジやテープ送り装置において、カートリッジケースは、テープ状部材の一方の側の端面を覆った被覆壁部を、有し、被覆壁部には、各検出対象部を一方の側に突出させる突出開口が形成され、突出開口のテープ送り方向上流端には、通過する各検出対象部を覆うテープカバー部が設けられ、テープカバー部よりもテープ送り方向下流側に、露出エリアが形成されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、突出開口から突出した各検出対象部が、テープカバー部により覆われることから、突出開口から突出した各検出対象部がユーザーの指などと接触することを防止することができる。
【0011】
この場合、テープ幅方向において、テープカバー部の一方の側の端部が、被覆壁部の一方の側の端部よりも、他方の側に位置していることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、テープ状部材のテープ幅方向において、テープカバー部の一方の側であって、被覆壁部の一方の側の端部と同じ位置に、他の部材を、テープカバー部と干渉することなく配設することが可能となる。したがって、テープ送り装置における部材の配置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル作成装置の閉蓋状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るラベル作成装置の開蓋状態を示す斜視図である。
図3】ラベル作成装置のテープカートリッジに収容されたラベルテープを示す図である。
図4】(a)はテープカートリッジの斜視図、(b)は(a)のプラテンローラー廻りの部分拡大図である。
図5】テープカートリッジの平面図である。
図6】テープカートリッジの上ケースを取り外した状態を示す斜視図である。
図7】テープカートリッジの上ケースを取り外した状態を示す平面図である。
図8】開蓋状態の開閉蓋を左側方から見た斜視図である。
図9】開閉蓋の光センサー廻りの下面図である。
図10】ラベル作成装置の光センサー廻りの横断面図である。
図11】ラベル作成装置の光センサー廻りの縦断面図である。
図12】ラベル作成装置における印刷・切断動作を示す図である。
図13】ラベル作成装置の光センサー廻りの部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るラベル作成装置について説明する。本実施形態のラベル作成装置は、印刷データ作成装置(例えばパソコン)に有線または無線で接続して使用され、印刷データ作成装置で作成・編集された印刷データを取得し、取得した印刷データに基づいて、ラベルテープの各ラベル部に印刷を行うものである。
【0015】
図1および図2に示すように、ラベル作成装置1は、テープカートリッジ100と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着される装置本体200とを備えている。テープカートリッジ100は、ラベルテープ101と、インクリボン102と、プラテンローラー103と、これらを収容したカートリッジケース104とを有している(図6参照)。ラベルテープ101は、テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部105を有している(図3参照)。ラベル作成装置1は、装着されたテープカートリッジ100からラベルテープ101を繰り出して送りながら、図外の印刷データ作成装置から取得した印刷データに基づいて各ラベル部105に対して印刷を行い、印刷済みの各ラベル部105を切り離すことによって、所望の印刷が為されたラベルを作成する。
【0016】
図3に示すように、ラベルテープ101は、いわゆるダイカットラベルであり、テープ長さ方向に沿って、例えば角丸矩形状のラベル部105が等ピッチで複数設けられている。ラベルテープ101は、印刷テープ106と、印刷テープ106の裏側に粘着剤を介して貼着された剥離テープ107とで構成されており、印刷テープ106のみを角丸矩形状にカッティング(ハーフカット)することで、各ラベル部105が形成されている。なお、ラベルテープ101は、各ラベル部105を残して、印刷テープ106の他の部分(枠状部分)が予め剥がされたものであってもよい。
【0017】
ラベルテープ101は、テープ幅方向の一方の端部(図3の上側)において、テープ幅方向に矩形状に突出した複数の検出対象部109を有している。複数の検出対象部109は、複数のラベル部105に一対一で対応するように、複数のラベル部105と同ピッチでテープ長さ方向に沿って設けられている。すなわち、各ラベル部105の繰出し先端側(テープ送り方向下流側)の端部(ラベル先端部105a)に対し、各検出対象部109の繰出し先端側の端部(検出先端部109a)が所定距離繰出し先端側に位置すると共に、各ラベル部105の繰出し末端側(テープ送り方向上流側)の端部(ラベル後端部105b)に対し、各検出対象部109の繰出し末端側の端部(検出後端部109b)がテープ長さ方向において同じ位置にある。もちろん、テープ長さ方向における各ラベル部105と各検出対象部109との位置関係は、これに限定されるものではなく、所定の位置関係にあればよい。
【0018】
詳細は後述するが、装置本体200は、各検出対象部109(検出先端部109aおよび検出後端部109b)の通過検出に基づいて、ラベルテープ101の送りを制御している。これにより、装置本体200は、各ラベル部105に対し、ラベル先端部105aから印刷を開始し、ラベル後端部105bの所定距離後方でラベルテープ101を切断するようになっている。すなわち、ラベルテープ101は、各ラベル部105のラベル先端部105aが印刷開始箇所111となっており、各ラベル部105のラベル後端部105bの所定距離後方が切断箇所112となっている。もちろん、各ラベル部105に対する印刷開始箇所111および切断箇所112の位置は任意に設定可能である。また、ユーザーが、印刷データ作成装置において、印刷開始箇所111および切断箇所112の位置を変更可能な構成としてもよい。
【0019】
図4ないし図7に示すように、カートリッジケース104は、上ケース113と下ケース114とを突き合わせて分離可能に接合されている。上ケース113は、天壁部115と、天壁部115の周縁部に突設した上周壁部116とから成る。下ケース114は、底壁部117と、底壁部117の周縁部に突設した下周壁部118とから成る。なお、上ケース113は、半透明の樹脂で構成されており、下ケース114は、遮光性(例えば黒色不透明)の樹脂で構成されている。
【0020】
カートリッジケース104内には、後側にテープコア121が収容され、前側右端部にリボン繰出リール122およびリボン巻取リール123が収容され、左端部にプラテンローラー103が収容されている。テープコア121には、ラベルテープ101が繰出し可能に巻回されている。リボン繰出リール122には、インクリボン102が繰出し可能に巻回され、リボン巻取リール123には、リボン繰出リール122から繰り出されたインクリボン102が巻き取られる。なお、ラベルテープ101は、検出対象部109が上ケース113側となるようにして、カートリッジケース104に収容されている。
【0021】
カートリッジケース104の左側壁には、ラベルテープ101をカートリッジケース104外に送り出すために、上下に長いスリット状のテープ送出口124が形成されている。また、カートリッジケース104の左前隅部には、後述する印刷ヘッド225が挿通するヘッド開口125が上下に貫通形成されている。
【0022】
上ケース113の天壁部115は、平面視において、テープコア121およびリボン繰出リール122が位置する領域に形成された高壁部126(被覆壁部)と、リボン巻取リール123、プラテンローラー103およびヘッド開口125が位置する領域において、高壁部126よりも一段低く(底壁部117寄りに)形成された低壁部127と、略横「Γ」字状に延在し、高壁部126と低壁部127とを接続する垂直壁部128とで構成されている。
【0023】
さらに、上ケース113は、低壁部127の前側縁部および左側縁部に、上周壁部116から上方に延設するようにして、垂直壁部128と略同じ高さで突設された略「L」字状の突壁部129を有している。上ケース113の上面には、これらの低壁部127、垂直壁部128および突壁部129により、平面視略矩形状の凹状空間131が形成されている。
【0024】
テープカートリッジ100は、高壁部126が形成された領域では、ラベルテープ101全体のテープ幅(検出対象部109を含めたテープ幅)に対応した厚さとなっており、巻回されたラベルテープ101の上側(検出対象部109側)の端面が、高壁部126により覆われている。なお、半透明の高壁部126を介して、テープコア121に巻回されたラベルテープ101の残量を視認することができる。一方、テープカートリッジ100は、低壁部127が形成された領域では、検出対象部109を除いたテープ幅に対応した厚さとなっており、送られていく各検出対象部109が低壁部127に形成された突出開口133(後述する)から上方に突出するようになっている。
【0025】
垂直壁部128には、テープコア121から繰り出されたラベルテープ101の各検出対象部109が通過するための通過口132が形成されている。低壁部127には、通過口132とテープ送出口124とを接続するスリット状の突出開口133が形成されており、通過する各検出対象部109が突出開口133から上方に突出するようになっている。突出開口133は、ラベルテープ101の残量(テープコア121へのラベルテープ101の巻き量)に応じた送り経路の変動に対応させて、通過口132側(テープ送り方向上流側)が幅広に形成されている。
【0026】
さらに、突出開口133のテープ送り方向上流側端部には、通過口132の縁部からテープ送り方向下流側にリブ状に延設するようにして、前後一対のテープカバー部134が形成されている。すなわち、一対のテープカバー部134は、突出開口133のテープ送り方向上流側端部において、突出開口133の前側縁部および後側縁部に突設されている。一対のテープカバー部134の高さは、垂直壁部128の高さよりも、僅かに低くなっている。このため、一対のテープカバー部134の上端部は、高壁部126の上端部よりも、下側に位置している。
【0027】
突出開口133においてテープカバー部134のテープ送り方向下流端(カバー部下流端134a、図12(a)参照)よりも上流側では、突出開口133から上方に突出した各検出対象部109は、一対のテープカバー部134により、印刷テープ106側および剥離テープ107側が覆われる。一方、突出開口133においてカバー部下流端134aよりも下流側では、突出開口133から上方に突出した各検出対象部109が、後述する光センサー206により通過検出可能なように露出する。すなわち、カバー部下流端134aとテープ送出口124との間が、光センサー206により各検出対象部109の通過を検出するために、各検出対象部109を露出させる露出エリア135となっている。
【0028】
一方、下ケース114の底壁部117は、収容されたラベルテープ101の下側(検出対象部109側とは反対側)の端面を覆っている。底壁部117には、プラテンローラー103が印刷ヘッド225と対向する部分を除いてヘッド開口125の四周を囲むようにして、ガイド壁136が突設されている。ガイド壁136の上端面の複数箇所には、上ケース113に形成された係合ピン(図示省略)が係合するガイド係合孔137が形成されている。リボン繰出リール122から繰り出されたインクリボン102は、ガイド壁136の外周面に沿って周回し、リボン巻取リール123に巻き取られる。なお、インクリボン102は、各ラベル部105の幅(テープ幅方向の長さ)に対応した幅を有している。
【0029】
さらに、底壁部117には、プラテンローラー103のテープ送り方向上流側近傍で、且つ、ラベルテープ101の送り経路を横断する横断方向(送り経路と直交する方向)においてプラテンローラー103と重複する位置に(図7参照)、細長い板状の引込防止部138が突設されている。引込防止部138は、詳細は後述するが、プラテンローラー103と協働して、ラベルテープ101がカートリッジケース104内に引き込まれることを防止している。
【0030】
引込防止部138の高さは、検出対象部109を除いたラベルテープ101のテープ幅よりも低く、例えば、該テープ幅に対して50%〜90%程度の高さに形成されている。すなわち、引込防止部138の先端は、上ケース113の天壁部115(低壁部127)とは係合していない。そして、引込防止部138は、ラベルテープ101の送り経路を横断する横断方向において薄肉に形成されており、横断方向においてプラテンローラー103とは反対側(ヘッド開口125側)へ、弾性的に傾斜可能となっている。
【0031】
引込防止部138の後面は、緩やかな円弧状に形成されており、ラベルテープ101の印刷テープ106側と接している。ここで、上記のとおり、引込防止部138の高さは、検出対象部109を除いたラベルテープ101のテープ幅よりも低いため、ラベルテープ101のうち、下側は接しているが、上側は接していない。一方、引込防止部138の前面は、インクリボン102と接している。すなわち、印刷テープ106は、引込防止部138の後面と摺接しながら送られ、インクリボン102は、引込防止部138の後面と摺接しながら送られる。印刷テープ106とインクリボン102とは、引込防止部138の下流側近傍で合流した後、プラテンローラー103と印刷ヘッド225との間に挟み込まれるようになっている。
【0032】
テープ送出口124は、ラベルテープ101のテープ幅(検出対象部109を含めたテープ幅)よりも僅かに長く形成されていると共に、全長に亘って同一幅で且つラベルテープ101の厚さよりも僅かに幅広に形成されている。テープ送出口124の上端部は、上ケース113によって構成されており、各検出対象部109が通過する検出対象通過部124aとなる。検出対象通過部124aの前後両縁部のカートリッジケース104内面側の角部に、C面取り部139がそれぞれ形成されている(図10参照)。
【0033】
プラテンローラー103は、ヘッド開口125に挿通した印刷ヘッド225に対峙するように設けられており、装置本体200によって回転され、印刷ヘッド225との間に挟持したラベルテープ101およびインクリボン102を回転送りする。
【0034】
プラテンローラー103は、円筒状のローラー本体141と、ローラー本体141に巻装されたプラテンゴム142とを有している。プラテンローラー103(プラテンゴム142)は、ラベルテープ101の剥離テープ107側に転接する。プラテンゴム142は、インクリボン102と同様に、各ラベル部105の幅(テープ幅方向の長さ)に対応した長さを有している。
【0035】
上ケース113の天壁部115(低壁部127)には、ローラー本体141の上端部が係合する上プラテン係合孔143が形成され、同様に、下ケース114の底壁部117には、ローラー本体141の下端部が係合する下プラテン係合孔(図示省略)が形成されている。
【0036】
上プラテン係合孔143および下プラテン係合孔は、それぞれテープ送り方向に長い長孔に形成されている。これにより、プラテンローラー103は、カートリッジケース104に回転可能に収容されると共に、ラベルテープ101の繰出しおよび引込みに伴って、テープ送り方向に所定範囲内で移動するようになっている。そのため、テープカートリッジ100が装置本体200に装着されていない状態で、テープコア121が振動で回転するなどして、ラベルテープ101が引き込まれたとしても、ラベルテープ101の引込みに伴ってプラテンローラー103がテープ送り方向上流側に移動し、プラテンローラー103と上記の引込防止部138との間でラベルテープ101が挟持される。このようにして、ラベルテープ101が、それ以上引き込まれることがなく、ラベルテープ101の先端がカートリッジケース104内に入り込んでしまうことが防止されている。
【0037】
図1および図2に示すように、装置本体200は、略立方体状に形成された装置ケース201により外殻が形成されている。装置ケース201の上面には、開閉蓋202が設けられている。開閉蓋202は、テープカートリッジ100が装着されるカートリッジ装着部(図示省略)を開閉する。装置本体200の左前角部には、開閉蓋202を開放するための蓋開放ボタン203が設けられている。ユーザーが蓋開放ボタン203を押すと、開閉蓋202が、右端部に設けられたヒンジ部204を中心にして上方に回動する。
【0038】
カートリッジ装着部には、テープカートリッジ100が、上ケース113を上側に且つ下ケース114を下側にした姿勢で装着される。このため、カートリッジ装着部にテープカートリッジ100が装着されると、上ケース113(低壁部127)に形成された突出開口133から上方に突出する各検出対象部109が、閉塞された開閉蓋202の裏側と対向することになる。
【0039】
図8ないし図11に示すように、開閉蓋202には、略中央部に、左右に長い角丸長方形状の覗き窓205が形成され、開閉蓋202の裏側には、覗き窓205の前方に位置して、各検出対象部109の通過を検出する光センサー206が取り付けられている。
【0040】
覗き窓205は、透光性の樹脂で構成されており、覗き窓205を介して、カートリッジ装着部へのテープカートリッジ100の装着/非装着を視認できるようになっている。なお、覗き窓205を除き、装置ケース201は、開閉蓋202を含め、遮光性の樹脂で構成されている。開閉蓋202の裏側には、覗き窓205の周縁部に、リブ状の環状凸部207が突設されている。環状凸部207についても、遮光性の樹脂で構成されている。環状凸部207は、開閉蓋202を閉塞した状態で、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジ100の上面との間に、僅かな間隙が生じる程度の高さに形成されている。
【0041】
光センサー206は、透過型のフォトインタラプターで構成されており、互いに対向した発光素子216および受光素子217と、発光素子216および受光素子217が収容されたセンサーケース208と、回路素子が実装されたセンサー基板209とを備えている。発光素子216は、例えば、赤外線発光ダイオードから成り、受光素子217は、例えば、赤外線フォトトランジスターから成る。センサー基板209は、開閉蓋202の裏面から下面視横「L」字状に低く突設された、基板収容部211に収容されている。光センサー206は、閉蓋状態では、カートリッジケース104の上面に形成された凹状空間131(露出エリア135)に位置する。なお、基板収容部211は、開閉蓋202を閉塞した際に、テープカートリッジ100に形成された凹状空間131内に収まるようになっており、基板収容部211がテープカートリッジ100の天壁部115と干渉しないようになっている(図10参照)。
【0042】
センサーケース208は、側面視略逆「U」字形状を有し、発光素子216および受光素子217がそれぞれ収容された発光側収容部213および受光側収容部214が、送り経路となる溝部212を前後に挟んで形成されている。すなわち、光センサー206は、開閉蓋202を閉塞した状態で、発光側収容部213(発光素子216)が前側で且つ受光側収容部214(受光素子217)が後側(覗き窓205側)となるようにして、開閉蓋202に取り付けられている。つまり、受光素子217は、覗き窓205に背向している。さらに、図10に示すように、テープ送り方向において、光センサー206の検出光の光軸の位置は、プラテンローラー103の軸の位置と一致している。すなわち、テープ送り方向において、光センサー206の検出位置P1(図12参照)は、印刷ヘッド225による印刷位置P2(図12参照)と一致している。
【0043】
発光側収容部213および受光側収容部214は、互いに対向した発光側対向面213aおよび受光側対向面214aをそれぞれ有している。各検出対象部109は、発光側対向面213aと受光側対向面214aとの間、すなわち溝部212を通過する。発光側対向面213aと受光側対向面214aとの間隔(対向間隔D1、図9参照)、すなわち溝部212の幅は、例えば4mm程度である。また、発光側対向面213aおよび受光側対向面214aには、発光素子216から発せられた検出光が透過するためのスリットがそれぞれ形成されている。
【0044】
さらに、基板収容部211の下面には、下面視逆「U」字状の発光側凸部218と、下面視横「C」字状の受光側凸部219とが突設されている。発光側凸部218および受光側凸部219は、それぞれ遮光性の樹脂で構成されている。なお、発光側凸部218の上流側角部および受光側凸部219の上流側角部は、それぞれ面取り加工されており、送られてきた各検出対象部109の検出先端部109aが、該角部に引っ掛かることを防止している。
【0045】
発光側凸部218は、発光側収容部213の周面のうち、発光側対向面213aを除く周面を覆っている。一方、受光側凸部219は、溝部212の上流側開放部の一部(受光側)を塞ぐように、一方の先端部に形成された受光側上流ガイド部221と、溝部212の下流側開放部の一部(受光側)を塞ぐように、他方の先端部に形成された受光側下流ガイド部222と、受光側収容部214の周面のうち受光側対向面214aを除いた周面を覆った受光側カバー部223とで、一体に構成されている。
【0046】
受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222は、受光側対向面214aに沿って、それぞれ受光素子217の手前まで内側に延びている。各検出対象部109は、受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222の前面と発光側対向面213aとによってガイドされながら、溝部212を通過する。すなわち、各検出対象部109は、受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222と発光側対向面213aの間を、上記の対向間隔D1よりも狭いガイド幅D2で送られていく(図9参照)。
【0047】
図2に示すように、カートリッジ装着部の左前隅部には、サーマルタイプの印刷ヘッド225が突設されている。この印刷ヘッド225に、テープカートリッジ100のヘッド開口125が挿通するようにして、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部に装着される。さらに、カートリッジ装着部には、印刷ヘッド225に対峙して、テープカートリッジ100内のプラテンローラー103に係合してこれを回転させるプラテン駆動軸226が立設されている。なお、図示省略したが、カートリッジ装着部の略中央部には、テープカートリッジ100の装着を案内するガイド突起が突設され、印刷ヘッド225の右側には、リボン巻取リール123に係合してこれを回転させるリボン巻取駆動軸が立設されている。
【0048】
さらに、カートリッジ装着部の裏側には、プラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸を回転させる送り部231が設けられている。送り部231は、動力源となる送りモーター232と、送りモーター232の動力をプラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸に分岐して伝達するギア列等から成る送り動力伝達機構(図示省略)とを備えている(図12(a)参照)。送り部231がプラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸を回転させることで、プラテンローラー103およびリボン巻取リール123が回転し、ラベルテープ101およびインクリボン102が送られる。
【0049】
装置ケース201の左側部には、上下に長いスリット状のテープ排出口234が形成されている。テープ排出口234は、カートリッジ装着部に連なっており、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジ100から送られてくるラベルテープ101が、テープ排出口234から装置外に排出される。
【0050】
カートリッジ装着部とテープ排出口234との間には、ラベルテープ101を切断する切断部241が内蔵されている。切断部241は、ラベルテープ101の送り経路を挟んで設けられた固定刃242および可動刃243を有し、ハサミ形式でラベルテープ101を切断するカッター244と、可動刃243の動力源となるカッターモーター245と、カッターモーター245の動力を可動刃243に伝達するカッター動力伝達機構(図示省略)などで構成されている(図12(a)参照)。
【0051】
テープ送り方向において、固定刃242と可動刃243の相互の刃先(刃線)が擦り合う位置が、ラベルテープ101を切断するカット位置P3となる。そして、テープ送り方向において、カット位置P3に対する上記のカバー部下流端134a(露出エリア135の上流端)までの距離L1は、繰出し先端側から数えてn番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出先端部109aと、n−1番目のラベル部105の切断箇所112との距離L2よりも、短く(L1<L2)なっている(図12(a)参照)。
【0052】
さらに、装置本体200は、CPU(Central Processing Unit)や各種記憶素子などで構成された制御部250(図12参照)を備えている。制御部250は、以下に述べるように、光センサー206による各検出対象部109の通過検出(出力電圧の変化)に基づいて、送りモーター232やカッターモーター245を駆動制御している。
【0053】
図12を参照して、ラベル作成装置1における印刷・切断動作について説明する。なお、図12では、プラテンローラー103、印刷ヘッド225および可動刃243を、駆動時には黒塗りで、非駆動時には白塗りで示す。また、光センサー206を、各検出対象部109(検出先端部109aおよび検出後端部109b)の通過検出時には黒塗りで、非検出時には白塗りで示す。
【0054】
まず、前回の印刷・切断動作で、テープ送り方向上流側(繰出し先端側)から数えてn−1番目のラベル部105が所定の切断箇所112で切り離されたものとする。このとき、ラベルテープ101に対する印刷・切断動作を開始するまでは、ラベルテープ101の先端が、カット位置P3と一致している。また、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出先端部109aは、光センサー206による検出位置P1よりも僅かに(例えば4mm)テープ送り方向上流側に位置している(図12(a)参照)。
【0055】
この状態で、ユーザーにより印刷実行の入力がなされると、制御部250が、送りモーター232を駆動し、プラテンローラー103が回転してラベルテープ101(およびインクリボン102)の送りが開始される。そして、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出先端部109aが検出位置P1に到達すると、光センサー206が、検出先端部109aの通過を検出し、その検出結果を制御部250に出力する(図12(b)参照)。
【0056】
制御部250は、検出先端部109aが通過した旨の検出結果を取得すると、n番目のラベル部105の印刷開始箇所111(ラベル先端部105a)が印刷位置P2に到達するように、ラベルテープ101を所定量送った後、印刷ヘッド225を駆動して、n番目のラベル部105に対して印刷開始箇所111から印刷を開始する(図12(c)参照)。
【0057】
その後、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出後端部109bが検出位置P1に到達すると、光センサー206が、検出後端部109bの通過を検出し、その検出結果を制御部250に出力する(図12(d)参照)。なお、この際、n番目のラベル部105のラベル後端部105bが印刷位置P2に到達しており、n番目のラベル部105に対する印刷が完了する。
【0058】
制御部250は、検出後端部109bが通過した旨の検出結果を取得すると、n番目のラベル部105の切断箇所112がカット位置P3に到達するように、ラベルテープ101を所定量送った後、可動刃243を駆動して、当該切断箇所112でラベルテープ101を切断し、n番目のラベル部105を切り離す(図12(e)参照)。このようにして、ラベル作成装置1により、所望の印刷が為されたラベルを作成することができる。なお、ここでは、1つのラベル部105に印刷を行った後、これを切り離す場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のラベル部105に対して連続的に印刷を行った後、そのうちの最後尾のラベル部105の切断箇所112でラベルテープ101を切断し、複数のラベル部105をまとめて切り離すようにしてもよい。
【0059】
ところで、n−1番目のラベル部105が切り離された後、次のテープ送りがなされるまでの間に、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109が露出エリア135に露出していると、テープカートリッジ100の交換等のために開閉蓋202が開放された後、検出対象部109がユーザーの指などと接触して曲がってしまうおそれがある。検出対象部109が曲がってしまうと、検出対象部109が光センサー206とカートリッジケース104(天壁部115)との間に挟まってしまうなどして、ジャミングの原因となり得る。
【0060】
これに対し、本実施形態では、上述したように、テープ送り方向において、カット位置P3に対するカバー部下流端134aまでの距離L1が、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出先端部109aと、n−1番目のラベル部105の切断箇所112との距離L2よりも、短くなっている。また、n−1番目のラベル部105が切断箇所112で切り離された状態では、テープ送り方向において、n−1番目のラベル部105の切断箇所112とカット位置P3とが一致していることから(図12(a)参照)、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109の検出先端部109aが、カバー部下流端134a(露出エリア135の上流端)よりも上流側に位置することになる。このため、n−1番目のラベル部105が切り離された状態では、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109が、露出エリア135に露出することがない。したがって、n−1番目のラベル部105が切り離された後、次のテープ送りがなされるまでの間に、n番目のラベル部105に対応した検出対象部109が、ユーザーの指などと接触することを防止することができる。
【0061】
換言すれば、突出開口133のテープ送り方向上流端部に、一対のテープカバー部134を設けたことで、通過口132を通過した検出対象部109の印刷テープ106側および剥離テープ107側が、一対のテープカバー部134により覆われる。このため、突出開口133から突出した検出対象部109がユーザーの指などと接触することを防止することができる。
【0062】
さらに、上述したように、一対のテープカバー部134の上端部が、カートリッジケース104の高壁部126の上端部(垂直壁部128の上端部)よりも、下側に位置している(図13参照)。このため、テープカバー部134の上側であって、高壁部126の上端部(垂直壁部128の上端部)と同じ高さ位置に、他の部材(基板収容部211)を、テープカバー部134と干渉することなく配設することが可能となる。したがって、ラベル作成装置1における部材の配置の自由度を高めることができる。
【0063】
以上のように、本実施形態のラベル作成装置1およびテープカートリッジ100によれば、カートリッジケース104にラベルテープ101の検出対象部109を露出させる露出エリア135を設けた場合にも、検出対象部109が指などと接触することを防止することができる。なお、検出対象部109の通過を検出する検出部としては、反射型のフォトインタラプターなど、他の形式によるセンサーを用いてもよい。さらに、本発明は、ラベル作成装置1のほか、印刷機能を伴わない、カッティングプロッターなどのテープ送り装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1:ラベル作成装置、100:テープカートリッジ、101:ラベルテープ、105:ラベル部、109:検出対象部、200:装置本体、206:光センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図13