(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、樹脂ペレットの搬送装置では、一部の樹脂ペレットが、互いに接近した状態を保ちながら搬送される。また、多くの場合、単位時間あたりに搬送される樹脂ペレットの量にばらつきがある。このため、搬送装置に光センサを単純に組み込んだだけでは、2つ以上の樹脂ペレットが重なった状態で光センサを通過する場合が生じる。そうすると、光センサにおいて、2つ以上の樹脂ペレットを1つとしてカウントする虞がある。特に、樹脂ペレットを高速で搬送する場合には、このような計数漏れのリスクがより大きくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、個々の粒体を分離させることにより、粒体の数を精度よくカウントできる計数装置と、当該計数装置を利用した重量出力装置および容積出力装置とを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、粒体の数をカウントする計数装置であって、
少なくとも2つの粒体の寸法合計より大きい内径を有し、上下にのびる光透過性の計数管と、前記計数管の内部に、周辺圧力より高圧の圧縮気体を噴出することによって、前記計数管の内部を落下する粒体を加速および整列させる加速器と、前記加速器より下側において、通過する粒体の数をカウントする光センサと、を備える。
【0007】
本願の第2発明は、第1発明の計数装置であって、前記計数管の上部から前記計数管内に粒体を供給する供給部と、計数後の粒体を貯留する貯留槽と、前記計数管の下端部と前記貯留槽とを繋ぐ輸送管と、前記供給部を動作制御する制御部と、をさらに備える。
【0008】
本願の第3発明は、第2発明の計数装置であって、前記制御部は、前記供給部に、粒体の供給と停止とを交互に行う間欠動作を行わせる。
【0009】
本願の第4発明は、第3発明の計数装置であって、前記制御部は、前記間欠動作時に、前記供給部の駆動時間が既定値に達したこと、または、前記光センサによる計数値が規定値に達したことに基づいて、前記供給部を停止させる。
【0010】
本願の第5発明は、第3発明の計数装置であって、前記加速器より上側に、粒体を検知する検知手段をさらに備え、前記制御部は、前記間欠動作時に、前記供給部の駆動時間が規定値に達したこと、または、前記検知手段が粒体を検出したことに基づいて、前記供給部を停止させる。
【0011】
本願の第6発明は、第3発明から第5発明までのいずれかの計数装置であって、前記制御部は、前記間欠動作時に、前記光センサの計数値に応じて、前記供給部の1回当たりの供給量を変更する。
【0012】
本願の第7発明は、第2発明から第6発明までのいずれかの計数装置であって、前記制御部は、前記光センサの計数値が、予め設定された計数値に到達すると、前記供給部からの前記粒体の供給を終了させる。
【0013】
本願の第8発明は、第1発明から第7発明までのいずれかの計数装置であって、複数の前記加速器を備え、複数の前記加速器は、前記光センサより上側において、上下に直列に配置されている。
【0014】
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれかの計数装置であって、前記計数管の上端部に設けられた粒体投入用のシュートと、前記シュートよりも下側かつ前記加速器よりも上側に配置された絞り板と、をさらに備え、前記絞り板は、前記シュートの排出口の内径より径の小さい開口を有する。
【0015】
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれかの計数装置であって、複数の前記光センサを備え、複数の前記光センサは、前記加速器より下側において、上下に直列に配置されている。
【0016】
本願の第11発明は、重量出力装置であって、第1発明から第10発明までのいずれかの計数装置と、取得した計数値を質量に換算して出力する出力部と、を備える。
【0017】
本願の第12発明は、容積出力装置であって、第1発明から第10発明までのいずれかの計数装置と、取得した計数値を粒体が占める容積に換算して出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本願の第1発明〜第12発明によれば、計数管内を落下する粒体を、加速器により加速させるとともに、一列に整列させて、個々の粒体の上下方向の間隔を広げることができる。このため、加速器より下側に配置された光センサにおいて、粒体の数を精度よくカウントできる。
【0019】
特に、本願の第2発明によれば、供給部から貯留槽へ粒体を輸送しながら、粒体の数をカウントすることができる。また、加速器を用いることで、粒体を自然落下よりも高速で搬送することができる。したがって、自然落下の場合よりも、粒体の数を高速でカウントすることができる。
【0020】
特に、本願の第3発明によれば、粒体を間欠的に供給することで、粒体の供給過剰による計数漏れの発生を抑制できる。
【0021】
特に、本願の第4発明によれば、粒体の実際の落下時間または供給部の駆動時間に基づいて、粒体の1回当たりの供給時間を制限できる。これにより、粒体の供給過剰による計数漏れの発生を、より抑制できる。
【0022】
特に、本願の第5発明によれば、間欠動作のサイクルを、より短くすることができる。その結果、粒体の供給過剰による計数漏れの発生を、より抑制できる。
【0023】
特に、本願の第6発明によれば、間欠動作における1回当たりの供給量のばらつきを抑制できる。
【0024】
特に、本願の第7発明によれば、貯留槽へ略一定量の粒体を供給することができる。
【0025】
特に、本願の第8発明によれば、上流側の加速器で粒体の加速に失敗した場合でも、下流側の加速器で当該粒体を加速させることができる。したがって、個々の粒体の間隔を、より確実に広げることができる。したがって、光センサが、粒体の数をより精度よくカウントできる。
【0026】
特に、本願の第9発明によれば、シュートから計数管へ気体の吸引圧力を増加させることができる。これにより、加速器より上流側において、粒体を簡易的に加速させることができる。また、絞り板の開口を通過させることで、粒体の水平方向の位置のばらつきを小さくすることができる。
【0027】
特に、本願の第10発明によれば、複数の光センサを用いることで、計数漏れの発生をより抑制できる。
【0028】
特に、本願の第11発明によれば、重量センサを用いて粒体の質量変化を直接計測する場合より、粒体の質量変化を高速で出力することができる。
【0029】
特に、本願の第12発明によれば、計数後の粒体が占める容積を、高速で出力することができる。したがって、一定容積の容器内に充填できる粒体の量を、迅速に知ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
<1.計数装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る計数装置1の構成を示した図である。この計数装置1は、粒体である樹脂ペレット9を供給部10から貯留槽70まで搬送しながら、搬送される樹脂ペレット9の数をカウントする装置である。
図1に示すように、本実施形態の計数装置1は、供給部10、計数管20、加速器30、光センサ40、絞り板50、輸送管60、貯留槽70、制御部80、および出力部90を備えている。
【0033】
供給部10は、計数管20の上部から計数管20内へ樹脂ペレット9を供給するための部位である。供給部10には、例えば、電磁的振動を利用して樹脂ペレット9を送り出す振動フィーダが用いられる。ただし、振動フィーダに代えて、スクリューフィーダやテーブルフィーダを、供給部10として用いてもよい。供給部10は、制御部80からの制御信号に基づいて、樹脂ペレット9の供給と停止とを切り替えることができる。また、供給部10は、制御部80からの制御信号に基づいて、樹脂ペレット9の供給速度を変更することができる。
【0034】
計数管20は、上下にのびる略円筒状のチューブである。計数管20は、ガラスや透明樹脂などの光透過性の材料により形成される。計数管20の内径は、個々の樹脂ペレット9の寸法より、十分に大きい。供給部10から供給される複数の樹脂ペレット9は、計数管20の上端部に設けられた漏斗状のシュート21へ投入された後、計数管20の内部空間を落下する。
【0035】
加速器30は、計数管20内を落下する樹脂ペレット9を加速させるための機構である。
図2は、加速器30の横断面図である。
図1および
図2に示すように、加速器30は、計数管20の周囲を取り囲む環状流路31と、複数の噴出口32とを有する。環状流路31は、給気配管33を介して圧縮気体供給源34と接続されている。給気配管33の経路途中には、開閉弁35が介挿されている。また、複数の噴出口32は、円周方向に等間隔に配置されている。計数管20の内部空間と環状流路31とは、複数の噴出口32を介して、互いに連通する。なお、加速器30は、複数の噴出口32に代えて、1つの環状の噴出口を有していてもよい。
【0036】
開閉弁35を開放すると、圧縮気体供給源34から給気配管33を通って環状流路31へ、圧縮気体が供給される。そして、環状流路31から複数の噴出口32を通って計数管20の内部に、周辺圧力より高圧の圧縮気体が、斜め下側へ向けて噴出される。このように、計数管20の内部に圧縮気体が噴出されると、計数管20の内部に、下方へ向かう気流が生じる。そして、計数管20内を落下する樹脂ペレット9が、いわゆるエゼクタ効果によって、下方へ加速される。
【0037】
このとき、計数管20の中央付近の圧力は、計数管20の内周面付近の圧力よりも低くなる。それゆえ、計数管20内に生じる気流は、計数管20の中央付近において、最も速くなる。このため、各樹脂ペレット9は、計数管20の中央に引き寄せられて、下向きに加速される。その結果、複数の樹脂ペレット9が、計数管20の中央に一列に整列するとともに、個々の樹脂ペレット9の上下方向の間隔が広がる。
【0038】
なお、加速器30から噴出される圧縮気体としては、例えば、乾燥した空気や、乾燥した窒素ガスを用いることができる。これらの乾燥した気体を用いれば、樹脂ペレット9の吸湿を防止することができる。また、窒素ガス等の不活性ガスを用いれば、樹脂ペレット9の変質を抑制することができる。また、これらの気体のいずれかをイオン化したものを、圧縮気体として用いてもよい。イオン化された気体を用いれば、静電気による樹脂ペレット9の帯電を、抑制することができる。
【0039】
光センサ40は、加速器30より下側において、通過する樹脂ペレット9の数を非接触でカウントする機構である。本実施形態の光センサ40は、投光器41と受光器42とを有する。投光器41と受光器42とは、計数管20を挟んで互いに反対側に設置されている。投光器41は、受光器42側へ向けて、レーザ光などの光を照射する。投光器41と受光器42との間に、樹脂ペレット9が存在しないときには、投光器41から照射された光が受光器42に到達し、当該照射光を受光器42が検出する。一方、投光器41と受光器42との間を樹脂ペレット9が通過すると、投光器41から照射された光が樹脂ペレット9に遮られるため、受光器42の受光量が低下する。光センサ40は、このような受光器42の受光量の変化に基づいて、搬送される樹脂ペレット9の数をカウントする。
【0040】
なお、光センサ40の検知エリアは、加速器30により樹脂ペレット9が整列される計数管20の中央部を含んでいる。また、光センサ40は、樹脂ペレット9と同等以下の大きさの被検出体を検出できる感度を有する。
【0041】
上述の通り、計数管20の内部を落下する樹脂ペレット9は、加速器30により加速されるとともに、一列に整列される。このため、加速器30より下側においては、複数の樹脂ペレット9が単体に分離され、樹脂ペレット9の重なりが無くなる。したがって、樹脂ペレット9を高速で搬送しながら、光センサ40において、樹脂ペレット9の数を精度よくカウントできる。また、加速器30を用いることで、樹脂ペレット9を自然落下よりも高速で搬送することができる。したがって、自然落下の場合よりも、樹脂ペレット9の数を高速でカウントすることができる。
【0042】
絞り板50は、中央に開口51を有する板状の部材である。絞り板50は、シュート21よりも下側、かつ、加速器30よりも上側に位置する。絞り板50の開口51の径は、シュート21の排出口の内径よりも小さい。このため、絞り板50が無い場合より、加速器30により発生するシュート21から計数管20へ気体の吸引圧力が増加する。これにより、絞り板50付近における樹脂ペレット9の通過速度が速くなる。また、シュート21への樹脂ペレット9の供給量が一時的に増加した場合、開口51付近の吸引圧力はさらに増加する。これにより、樹脂ペレット9の閉塞状態が緩和される。
【0043】
すなわち、絞り板50は、加速器30より上流側において、樹脂ペレット9を簡易的に加速させる機能を有する。また、絞り板50の開口51を通過させることで、樹脂ペレット9の水平方向の位置のばらつきが小さくなる。したがって、計数管20内における樹脂ペレット9の整列効果が高まる。その結果、光センサ40における計数漏れの発生が抑制される。
【0044】
絞り板50の開口51の面積は、調節可能であることが好ましい。例えば、スライド移動可能な遮蔽板によって、開口51を部分的に遮蔽すればよい。また、開口51の面積が異なる複数の絞り板50を用意し、それらの絞り板50を、取り替えることができるようにしてもよい。開口51の面積を調節すれば、単位時間あたりに開口51を通過する樹脂ペレット9の数を調整できる。また、開口51の面積を調節すれば、開口51を通過する気流の速度を調整できる。
【0045】
輸送管60は、計数管20を通過した樹脂ペレット9を、さらに下流側へ搬送するための配管である。輸送管60の上流側の端部は、計数管20の下端部に流路接続されている。輸送管60の下流側の端部は、貯留槽70に流路接続されている。計数後の樹脂ペレット9は、輸送管60を通って貯留槽70に送られ、貯留槽70の内部に貯留される。
【0046】
制御部80は、上述した供給部10、開閉弁35、投光器41、および受光器42と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、CPU等の演算処理部やメモリを有するコンピュータにより構成されていてもよく、あるいは、電子回路基板により構成されていてもよい。制御部80は、供給部10、開閉弁35、および投光器41に、駆動信号を供給することにより、これらの各部を動作制御する。また、制御部80は、受光器42から送られる検出信号を受信することにより、樹脂ペレット9の計数値を得る。
【0047】
また、本実施形態の制御部80は、得られた樹脂ペレット9の計数値を、樹脂ペレット9の質量値に換算する。具体的には、樹脂ペレット9の1個あたりの平均質量に、樹脂ペレット9の計数値を掛けることにより、樹脂ペレット9の質量値を算出する。このようにして得られた樹脂ペレット9の計数値および質量値は、
図1のように、出力部90に表示される。出力部90は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。
【0048】
すなわち、本実施形態の装置は、計数装置と、取得した計数値を質量に換算して出力する出力部90と、を備えた重量出力装置としても機能する。仮に、樹脂ペレット9の質量を、重量センサを用いて直接計測したとすると、樹脂ペレット9を計量皿に投入してから、重量センサの振動が収束して計量値が定まるまでに、相応の時間を要する。これに対し、本実施形態の装置では、そのような振動の問題が生じないので、搬送される樹脂ペレット9の質量変化を高速で算出し、出力部90に表示することができる。
【0049】
<2.供給部の間欠動作について>
供給部10を一定の出力で連続駆動させた場合、計数管20への樹脂ペレット9の供給量には、不可避的な変動が生じる。また、供給部10から計数管20への樹脂ペレット9の供給量が、加速器30による樹脂ペレット9の分離・整列能力を上回ると、加速器30を通過した後においても、一部の樹脂ペレット9が重なったままとなる場合がある。このような問題を回避するため、本実施形態の供給部10は、計数管20への樹脂ペレット9の供給と停止とを短い(例えば1秒以下の)サイクルで交互に行う、いわゆる間欠動作を行う。以下では、供給部10の間欠動作について、
図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
間欠動作を行うときには、まず、制御部80が供給部10を動作させる。これにより、供給部10からの樹脂ペレット9の供給を開始する(ステップS1)。そして、制御部80は、供給部10の駆動時間が、予め設定された規定時間に達したかどうかを確認する(ステップS2)。
【0051】
供給部10の駆動時間が、規定時間に達していない場合(ステップS2においてNo)、制御部80は、光センサ40による樹脂ペレット9の計数値が、予め設定された閾値に達したかどうかを判断する(ステップS3)。そして、計数値が閾値に達していなければ(ステップS3においてNo)、ステップS2に戻り、再び供給時間の確認を行う。このように、計数装置1は、供給部10の駆動時間と、光センサ40による樹脂ペレット9の計数値と、のいずれかが既定値に達するまで、ステップS2〜S3を繰り返しつつ、供給部10からの樹脂ペレット9の供給を継続する。
【0052】
供給部10の駆動時間が規定時間に達するか(ステップS2においてYes)、または、樹脂ペレット9の計数値が閾値に達すると(ステップS3においてYes)、制御部80は、供給部10の動作を停止させる。これにより、供給部10からの樹脂ペレット9の供給が停止される(ステップS4)。ただし、供給部10と光センサ40との間の計数管20内には、未計数の樹脂ペレット9が存在するため、ステップS4の後もしばらくの間、光センサ40による計数値は上昇する。
【0053】
なお、ステップS3の閾値を1としておけば、先頭の樹脂ペレット9を光センサ40が検出した時点で、供給部10の駆動を停止することができる。そうすれば、間欠動作の1回あたりに供給される樹脂ペレット9の量を、最小限とすることができる。ただし、ステップS3の閾値は、2以上の値としてもよい。
【0054】
次に、制御部80は、供給部10の停止時間が、予め設定された待ち時間に達したかどうかを確認する(ステップS5)。供給部10の停止時間が、待ち時間に達していない場合には(ステップS5においてNo)、引き続き待ち時間に達したかどうかを確認しながら、供給部10の停止を継続する。
【0055】
その後、供給部10の停止時間が、予め設定された待ち時間に達すると(ステップS5においてYes)、次に、制御部80は、光センサ40による樹脂ペレット9の計数が完了しているか否かを判断する(ステップS6)。ここでは、例えば、光センサ40による樹脂ペレット9の検知が続いていれば、樹脂ペレット9の計数が完了していないと判断して(ステップS6においてNo)、樹脂ペレット9の計数が完了するのを待つ。
【0056】
一方、光センサ40が一定の時間樹脂ペレット9を検知しなければ、樹脂ペレット9の計数が完了したと判断する(ステップS6においてYes)。そして、外部入力またはプログラムによる終了指示があるかどうかを確認する(ステップS7)。終了指示がある場合には(ステップS7においてYes)、間欠動作による樹脂ペレット9の供給を終了する。一方、終了指示が無い場合は(ステップS7においてNo)、間欠動作における樹脂ペレット9の1回あたりの供給量を調整する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻り、樹脂ペレット9の供給を再開する。
【0057】
このように、樹脂ペレット9を間欠的に供給すれば、樹脂ペレット9の1回あたりの供給時間が短くなる。そして、供給部10を停止させている間に、計数管20内に滞留する樹脂ペレット9が解消される。このため、加速器30より下側において、樹脂ペレット9の重なりが生じることを、抑制できる。したがって、樹脂ペレット9の供給過剰による計数漏れの発生を、抑制できる。
【0058】
続いて、ステップS8の処理の詳細について、
図4のフローチャートを参照しながら、説明する。ステップS8では、間欠動作における樹脂ペレット9の1回あたりの供給量を調整する。まず、制御部80が、直近の1回の間欠動作において、光センサ40によりカウントされた樹脂ペレット9の数を確認する(ステップS81)。次に、前回の計数値と今回の計数値とを比較する(ステップS82)。
【0059】
前回の計数値より今回の計数値の方が少ない場合は、次回の間欠動作における樹脂ペレット9の供給量を増加させる(ステップS83)。一方、前回の計数値より今回の計数値の方が多い場合は、次回の間欠動作における樹脂ペレット9の供給量を減少させる(ステップS84)。ステップS83およびS84では、例えば、ステップS2の規定時間、ステップS3の閾値、または供給部10の振動の大きさを調整することにより、樹脂ペレット9の供給量を調整すればよい。なお、前回の計数値と今回の計数値とが等しい場合は、特に調整を行うことなく、ステップS1へ戻る。
【0060】
このように、この計数装置1では、制御部80が、光センサ40の計数値に応じて、供給部10の1回あたりの供給量を変更する。このようにすれば、間欠動作における1回あたりの供給量のばらつきを抑制できる。その結果、供給過剰や供給過小の状態を、より抑制できる。
【0061】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0062】
図5は、一変形例に係る計数装置1の構成を示した図である。
図5の計数装置1は、2つの加速器30a,30bを備えている。2つの加速器30a,30bは、光センサ40よりも上側において、上下に直列に配置されている。計数管20内に投入された樹脂ペレット9は、2つの加速器30a,30bによって、加速される。このように、複数の加速器30a,30bを用いれば、全体として樹脂ペレット9の加速・整列能力が高まる。すなわち、仮に、上流側の加速器30aで樹脂ペレット9の加速に失敗したとしても、下流側の加速器30bで当該樹脂ペレット9を加速させることができる。したがって、個々の樹脂ペレット9の上下方向の間隔を、より確実に広げることができる。その結果、光センサ40において、樹脂ペレット9の数をより精度よくカウントできる。
【0063】
なお、計数装置1は、3つ以上の加速器30を有していてもよい。また、光センサ40よりも搬送方向の下流側に加速器30を追加して、輸送管60における樹脂ペレット9の搬送を補助するようにしてもよい。
【0064】
図6は、他の変形例に係る計数装置1の構成を示した図である。
図6の計数装置1は、2つの光センサ40a,40bを備えている。2つの光センサ40a,40bは、加速器30よりも下側において、上下に直列に配置されている。各光センサ40a,40bは、加速器30により加速・整列された樹脂ペレット9の数を、それぞれカウントする。このように、2つの光センサ40a,40bを用いれば、仮に、一方の光センサにおいて計数漏れが発生したとしても、他方の光センサで正常に計数されている場合がある。したがって、2つの光センサ40a,40bの計数値の最大値を採れば、計数漏れをより抑制できる。
【0065】
また、
図6の光センサ40aでは、投光器41aから受光器42aへ光が斜めに照射されている。このようにすれば、樹脂ペレット9が光センサ40aの光を通過する時間が長くなる。したがって、樹脂ペレット9の落下速度が速い場合であっても、樹脂ペレット9を感度よく検出することができる。その結果、計数漏れの発生をより抑制できる。
【0066】
なお、計数装置1は、3つ以上の光センサ40を有していてもよい。また、
図7に示すように、計数のための光センサ40とは別に、間欠動作における供給部10の停止のタイミングをとるための検知手段としての光センサ(ステップS3に用いる光センサ)40cを、追加してもよい。
図7の例では、加速器30より上側に、光センサ40cが追加されている。このようにすれば、樹脂ペレット9の供給を開始してから、光センサ40cが先頭の樹脂ペレット9を検知するまでの時間を、より短縮することができる。したがって、間欠動作のサイクルを、より短くすることができる。その結果、供給過剰による計数漏れの発生を、より抑制できる。
【0067】
また、制御部80は、光センサ40の計数値が、予め設定された計数値に到達すると、供給部10からの樹脂ペレット9の供給を終了させるようにしてもよい。そうすれば、貯留槽70へ略一定量の樹脂ペレット9を供給することができる。その場合、目標となる計数値が近づくにつれて、供給部10からの樹脂ペレット9の供給速度を低下させるようにすれば、樹脂ペレット9をより精度よく定量供給できる。また、供給の初期段階では、供給部10を連続的に駆動させ、目標となる計量値が近づいたときに、供給部10を間欠動作に切り替えてもよい。
【0068】
また、
図8に示すように、制御部80は、得られた樹脂ペレット9の計数値を、樹脂ペレット9が占める容積に換算して、出力部90に出力してもよい。具体的には、1個の樹脂ペレット9が占める平均容量に、樹脂ペレット9の計数値を掛けることにより、搬送後の樹脂ペレット9が貯留槽70において占める容積を算出する。そして、得られた樹脂ペレット9の容積を、出力部90に表示する。
【0069】
このように、
図8の装置は、計数装置と、取得した計数値を樹脂ペレット9が占める容積に換算して出力する出力部90と、を備えた容積出力装置として機能する。この装置では、計数後の樹脂ペレット9が占める容積を、高速で出力することができる。したがって、例えば、一定容積の容器内に樹脂ペレット9を充填したい場合に、充填可能な樹脂ペレット9の量を、迅速に知ることができる。
【0070】
また、本発明の計数装置は、樹脂ペレット以外の粒体をカウントするものであってもよい。また、計数装置、重量出力装置、および容積出力装置の細部の構成については、本願の各図に示された構成と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。