特許第6335496号(P6335496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335496アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335496
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/12 20060101AFI20180521BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20180521BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180521BHJP
   H05B 33/24 20060101ALI20180521BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20180521BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20180521BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H05B33/12 E
   H05B33/02
   H05B33/14 A
   H05B33/24
   H05B33/22 Z
   H05B33/12 B
   H01L27/32
   G09F9/30 365
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-255189(P2013-255189)
(22)【出願日】2013年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-120476(P2014-120476A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2016年10月19日
(31)【優先権主張番号】201210537562.0
(32)【優先日】2012年12月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】宋 泳▲錫▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲聖▼烈
(72)【発明者】
【氏名】崔 承▲鎮▼
(72)【発明者】
【氏名】金 熙哲
【審査官】 横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−010020(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0127533(US,A1)
【文献】 特開2010−287543(JP,A)
【文献】 特開2006−032327(JP,A)
【文献】 特開2006−171454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00−33/28
G09F 9/30
H01L 27/32
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にある複数の画素ユニットを有するアレイ基板であって、
画素ユニット毎は、薄膜トランジスタ領域及び薄膜トランジスタ領域以外の表示領域を備え、
薄膜トランジスタ構造は、薄膜トランジスタ領域に形成され、前記薄膜トランジスタ構造に駆動される有機発光ダイオードは、前記表示領域に位置され、
前記有機発光ダイオードは、基板から離れる方向に沿って、透明の第1の電極、発光層、光線を反射する第2の電極を順に備え、
半透過層は、前記表示領域に形成され、
カラーフィルタは、前記表示領域に形成され、且つ前記有機発光ダイオードの第2の電極と前記半透過層との間に位置し、
前記有機発光ダイオードの第2の電極及び前記半透過層は、マイクロキャビティ構造を形成し、異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタが異なる厚みを有し、
前記薄膜トランジスタ構造は、基板上に形成される第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極上に形成されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成される第1の活性層及び第2の活性層と、前記第1の活性層及び第2の活性層上に形成される絶縁層と、絶縁層上に形成され、且つ第1の活性層に対応する第1のソース電極及び第1のドレイン電極と、絶縁層上に形成され、且つ第2の活性層に対応する第2のソース電極及び第2のドレイン電極とを備え、
前記半透過層は、薄膜トランジスタ構造の第1のソース電極、第1のドレイン電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の下方にさらに形成され、且つ前記半透過層のパターンは、前記第1のソース電極、第1のドレイン電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極のパターンと一致することを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
記第1のゲート電極、ゲート絶縁層、第1の活性層、絶縁層、第1のソース電極及び第1のドレイン電極は、スイッチング薄膜トランジスタを形成し、前記第2のゲート電極、ゲート絶縁層、第2の活性層、絶縁層、第2のソース電極及び第2のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタを形成し、
前記第1のドレイン電極は前記第2のゲート電極に接続され、前記駆動薄膜トランジスタの第2のドレイン電極は、前記有機発光ダイオードの第1の電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記薄膜トランジスタ構造上に、パッシベーション層がさらに形成され、且つ前記パッシベーション層も前記表示領域に形成され、前記有機発光ダイオードは、前記パッシベーション層の上方に形成され、前記第1の電極は、前記パッシベーション層のビアホールを介して第2のドレイン電極に接続されることを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記絶縁層も前記表示領域に形成され、前記半透過層は前記絶縁層とパッシベーション層との間に形成されることを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記カラーフィルタは前記パッシベーション層上に形成され、前記有機発光ダイオードの第1の電極は前記カラーフィルタの上方に位置することを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記カラーフィルタの上方に樹脂層がさらに形成され、前記有機発光ダイオードの第1の電極は、前記樹脂層上に位置し、前記第1の電極は、樹脂層及びパッシベーション層を貫通するビアホールを介して前記第2のドレイン電極に接続されることを特徴とする請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記画素ユニットは、前記第1の電極上に位置する画素画成層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記半透過層は、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン及びクロムの中の何れか1つの金属、或いは、これらの中で何れか2つ以上の金属の合金からなり、且つ透過率が5%〜95%であることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記半透過層の厚みは10Å〜200Åであることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記カラーフィルタの厚みは1000Å〜40000Åであることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項11】
異なる色の画素ユニットのカラーフィルタは、赤、緑、青であり、又は赤、緑、青、黄であり、又は赤、緑、青、白であることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記第1の電極は陽極であり、前記第2の電極は陰極であることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極であることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記第2の電極は反射材料で形成され、或いは、前記第2の電極上に反射層が塗布されることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項15】
請求項1に記載のアレイ基板を備えることを特徴とするディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light‐Emitting Diodes、OLED)は、製造工程が簡単であり、コストが低くて、発光色が可視光域内で随意に調整することができ、大面積で製造することが容易であり、且つ可撓性が良好である等のメリットを有するため、将来の最も重要な表示技術の1つと認められている。白色OLED(WOLED)は、光電効率が既に60lm/Wを超え、寿命が2万時間以上になり、WOLEDディスプレイの発展を極めて大きく推し進めた。
【0003】
図1(a)は、従来のマイクロキャビティ構造を有しない白色有機発光ダイオードの概略図である。図1(a)に示すように、このWOLEDは、赤、緑、青の三原色の発光材料を混ぜ合わせて有機発光層102を形成し、有機発光層102が白い光を発出する。有機発光層102は、陰極101と陽極103との間にあり、発光層102からの白い光は、陰極101に反射された後、陽極103の一側から射出される。
【0004】
図1(b)に示すように、光取り出し効率を向上して、WOLEDディスプレイの輝度を大きくするために、陽極の一側に半透過層103’を設けて、陰極101と半透過層103’との間にマイクロキャビティ構造(microcavity structure)を形成する。マイクロキャビティ構造とは、1つの反射層と1つの半透過層との間に形成され、厚みがミクロンレベルの構造である。マイクロキャビティ構造が光の強度を強化する原理として、光線が反射層と1つの半透過層との間で絶えずに反射され、共振作用によって、最終的に、半透過層から射出される光の中で特定の波長の光が強化され、この強化された波長がマイクロキャビティの厚みに関わる。白色有機発光ダイオードディスプレイにおいて、異なる画素ユニットが異なる色の光を発するに用いられるため、異なる画素ユニットにおいて異なる波長の光を強化するように、異なる画素ユニットのマイクロキャビティは、厚みが異なる必要がある。
【0005】
図2は、従来のマイクロキャビティ構造を有するWOLEDディスプレイのアレイ基板の構造概略図であり、図3は、従来のマイクロキャビティ構造を有するWOLEDディスプレイの他のアレイ基板の構造概略図である。図2及び図3に示すように、カラーフィルタはマイクロキャビティ構造の外部にあり、異なる色のカラーフィルタは異なる画素ユニットに属し、且つ異なる色のカラーフィルタに対応するマイクロキャビティ構造は厚みが異なる。
【0006】
図4は、マイクロキャビティ構造を有するWOLEDの輝度と、マイクロキャビティ構造を有しないWOLEDの輝度との対比を示す概略図であり、点線がマイクロキャビティ構造を有しないWOLEDの輝度に対応し、実線がマイクロキャビティ構造を有するWOLEDの輝度に対応する。図4に示すように、青光の場合、輝度が元の輝度の約1.6倍になり、緑光の場合、輝度が元の輝度の約2.5倍になり、赤光の場合、輝度が元の輝度の約2.2倍になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のマイクロキャビティ構造によれば光の強度が向上されたが、図2及び図3から分かるように、従来のマイクロキャビティ構造の積層構造が複雑であり、且つ色毎のカラーフィルタに対応する領域に、異なる厚みのマイクロキャビティ構造を製造する必要があり、製造工程が複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一様態は、アレイ基板を提供する。このアレイ基板は、基板上にある複数の画素ユニットを有する。各画素ユニットは、薄膜トランジスタ領域及び薄膜トランジスタ領域以外の表示領域を備える。薄膜トランジスタ構造は、薄膜トランジスタ領域に形成され、前記薄膜トランジスタ構造に駆動される有機発光ダイオードは、前記表示領域にある。前記有機発光ダイオードは、基板から離れる方向に沿って、透明の第1の電極、発光層、光線を反射する第2の電極を順に備える。半透過層は前記表示領域に形成される。カラーフィルタは、前記表示領域に形成され、且つ前記有機発光ダイオードの第2の電極と前記半透過層との間に位置する。前記有機発光ダイオードの第2の電極及び前記半透過層はマイクロキャビティ構造を形成し、異なる色の画素ユニットのカラーフィルタは異なる厚みを有する。
【0009】
例えば、前記薄膜トランジスタ構造は、基板上に形成される第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極上に形成されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成される第1の活性層及び第2の活性層と、前記第1の活性層及び第2の活性層上に形成される絶縁層と、絶縁層上に形成され、且つ第1の活性層に対応する第1のソース電極及び第1のドレイン電極と、絶縁層上に形成され、且つ第2の活性層に対応する第2のソース電極及び第2のドレイン電極と、を備える。前記第1のゲート電極、ゲート絶縁層、第1の活性層、絶縁層、第1のソース電極及び第1のドレイン電極は、スイッチング薄膜トランジスタを形成し、前記第2のゲート電極、ゲート絶縁層、第2の活性層、絶縁層、第2のソース電極及び第2のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタを形成する。前記第1のドレイン電極は、前記第2のゲート電極に接続され、前記駆動薄膜トランジスタの第2のドレイン電極は、前記有機発光ダイオードの第1の電極に電気的に接続される。
【0010】
例えば、前記薄膜トランジスタ構造上に、パッシベーション層がさらに形成され、且つ前記パッシベーション層も前記表示領域に形成され、前記有機発光ダイオードは、前記パッシベーション層の上方に形成され、前記第1の電極は、前記パッシベーション層のビアホールを介して第2のドレイン電極に接続される。
【0011】
例えば、前記絶縁層も前記表示領域に形成され、前記半透過層は、前記絶縁層とパッシベーション層との間に形成される。
【0012】
例えば、前記カラーフィルタは、前記パッシベーション層上に形成され、前記有機発光ダイオードの第1の電極は、前記カラーフィルタの上方に位置する。
【0013】
例えば、前記カラーフィルタの上方に、樹脂層がさらに形成され、前記有機発光ダイオードの第1の電極は前記樹脂層上に位置し、前記第1の電極は、樹脂層及びパッシベーション層を貫通するビアホールを介して前記第2のドレイン電極に接続される。
【0014】
例えば、前記半透過層は、薄膜トランジスタ構造の第1のソース電極、第1のドレイン電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の下方にも形成され、且つ前記半透過層のパターンは、前記第1のソース電極、第1のドレイン電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極のパターンと一致する。
【0015】
例えば、前記画素ユニットは、前記第1の電極上にある画素画成層をさらに備える。
【0016】
例えば、前記半透過層は、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン及びクロムの中の何れか1つの金属、或いは、これらの中で何れか2つ以上の金属の合金からなり、且つ透過率が5%〜95%である。
【0017】
例えば、前記半透過層の厚みは10Å〜200Åである。
【0018】
例えば、前記カラーフィルタの厚みは1000Å〜40000Åである。
【0019】
例えば、異なる色の画素ユニットのカラーフィルタは、赤、緑、青であり、或いは、赤、緑、青、黄であり、或いは、赤、緑、青、白である。
【0020】
例えば、前記第1の電極は陽極であり、前記第2の電極は陰極である。
【0021】
例えば、前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極である。
【0022】
例えば、前記第2の電極は反射材料からなり、或いは、前記第2の電極上に反射層が塗布されている。
【0023】
本発明の他の様態は、ディスプレイを提供する。このディスプレイは、以上のアレイ基板を備える。
【0024】
本発明のさらに他の様態は、アレイ基板の製造方法を提供する。このアレイ基板は、基板上に形成される複数の画素ユニットを備え、画素ユニット毎は、薄膜トランジスタ領域及び薄膜トランジスタ領域以外の表示領域を備える。前記方法は、基板上に薄膜トランジスタ構造、半透過層及びパッシベーション層を形成する工程と、画素ユニットの表示領域にカラーフィルタを形成し、異なる色の画素ユニットのカラーフィルタの厚みを異ならせる工程と、画素ユニットの表示領域に有機発光ダイオードを形成し、カラーフィルタを有機発光ダイオードと半透過層との間に位置させる工程と、を備える。
【0025】
例えば、前記基板上に薄膜トランジスタ構造、半透過層及びパッシベーション層を形成する工程は、基板上に薄膜トランジスタ構造のゲート電極、ゲート絶縁層、活性層、絶縁層及び絶縁層のビアホールを順に形成する工程と、半透過薄膜及びソース・ドレイン金属薄膜を形成し、1回のパターニング工程によって、半透過層及び薄膜トランジスタ構造のソース・ドレイン電極を形成する工程と、パッシベーション層を形成する工程と、を備える。
【0026】
例えば、画素ユニットの表示領域にカラーフィルタを形成する工程は、複数回のパターニング工程によって前記カラーフィルタを形成し、1回のパターニング工程毎が1つの色の画素ユニットのカラーフィルタを形成し、且つ異なる色の画素ユニットのカラーフィルタの厚みを異ならせる工程を備える。
【0027】
例えば、画素ユニットの表示領域に有機発光ダイオードを形成する工程は、パターニング工程によって、前記パッシベーション層上にビアホールをエッチングして形成する工程と、透明導電薄膜を形成し、パターニング工程によって、前記有機発光ダイオードの第1の電極を形成し、前記第1の電極を前記ビアホールを介して前記薄膜トランジスタ構造に接続させる工程と、絶縁薄膜を形成し、形成しようとする有機発光ダイオードの位置を前記表示領域に画成するように、パターニング工程によって画素画成層のパターンを形成する工程と、有機発光層を形成する工程と、前記有機発光ダイオードの、光線を反射するための第2の電極を形成し、前記有機発光ダイオードを形成する工程と、を備える。
【0028】
例えば、前記方法は、カラーフィルタを形成した後、且つ有機発光ダイオードを形成する前に、樹脂層を形成する工程をさらに備える。
【0029】
例えば、画素ユニットの表示領域に有機発光ダイオードを形成する工程は、パターニング工程によって前記樹脂層及びパッシベーション層を貫通するビアホールを形成する工程と、透明導電薄膜を形成し、パターニング工程によって、前記有機発光ダイオードの第1の電極を形成し、前記第1の電極を前記ビアホールを介して前記薄膜トランジスタ構造に接続させる工程と、絶縁薄膜を形成し、形成しようとする有機発光ダイオードの位置を前記表示領域に画成するように、パターニング工程によって画素画成層のパターンを形成する工程と、有機発光層を形成する工程と、前記有機発光ダイオードの、光線を反射するための第2の電極を形成し、前記有機発光ダイオードを形成する工程と、を備える。
【0030】
例えば、前記半透過層は、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン及びクロムの中の何れか1つの金属、或いはこれらの中でいずれか2つ以上の金属の合金からなり、透過率が5%〜95%である。
【0031】
例えば、前記半透過層の厚みは10Å〜200Åである。
【0032】
例えば、前記カラーフィルタの厚みは1000Å〜40000Åである。
【0033】
以下、本発明の実施例の技術案をさらに明確にするように、実施例の図面を簡単に説明する。下記の実施例は、当然ながら、本発明の実施例の一部であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】(a)は従来のマイクロキャビティ構造を有しない白色有機発光ダイオードの概略図であり、(b)は従来のマイクロキャビティ構造を有する白色有機発光ダイオードの概略図である。
図2】従来のマイクロキャビティ構造を有するWOLEDディスプレイのアレイ基板の構造概略図である。
図3】従来のマイクロキャビティ構造を有するWOLEDディスプレイの他のアレイ基板の構造概略図である。
図4】マイクロキャビティ構造を有するWOLEDの輝度と、マイクロキャビティ構造を有しないWOLEDの輝度との対比を示す概略図である。
図5】本発明実施例に係るアレイ基板の構造概略図である。
図6】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、基板上に薄膜トランジスタ構造及び半透過層を形成する概略図である。
図7】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、パッシベーション層を形成する概略図である。
図8】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、カラーフィルタを形成する概略図である。
図9】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、樹脂層を形成する概略図である。
図10】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、陽極を形成する概略図である。
図11】本発明実施例に係るアレイ基板の製造方法による、画素画成層を形成する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施例の目的、技術案及び利点をさらに明確にするように、図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確で完全に説明する。下記の実施例は、当然ながら、本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に入る。
【0036】
図5に示すように、本実施例に係るアレイ基板は、基板1上に形成される複数本のゲートラインと、複数本のデータラインと、この複数本のゲートライン及び複数本のデータラインが交差して画成される複数の画素ユニットを備える。画素ユニット毎は、薄膜トランジスタ領域及び薄膜トランジスタ領域以外の表示領域Aを備える。薄膜トランジスタ構造は、薄膜トランジスタ領域に形成され、薄膜トランジスタ構造に駆動される有機発光ダイオードは、表示領域Aに形成される。画素ユニット毎は、上記画素ユニットの表示領域Aに位置するカラーフィルタ9をさらに備える。有機発光ダイオードは、基板1から離れる方向に沿って、透明な第1の電極11、発光層13、光線を反射する第2の電極14を順に備える。
【0037】
本実施例に係るアレイ基板は、マイクロキャビティ構造を形成できるように、画素ユニットが半透過層8をさらに備える。半透過層8は、画素ユニットの表示領域Aに位置する。カラーフィルタ9は、有機発光ダイオードの第2の電極14と半透過層8との間に位置する。異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9の厚みが異なる。半透過層8の一部は、薄膜トランジスタ構造のソース・ドレイン電極領域(この領域に半透過層が存在することは、製造過程に、ソース・ドレイン電極と同じパターニング工程によって形成されるからである)に位置してもよい。有機発光ダイオードの第2の電極14及び半透過層8は、マイクロキャビティ構造を形成する。カラーフィルタ9は、マイクロキャビティ構造の内部にあり、具体的には、有機発光ダイオードの第2の電極14と半透過層8との間に位置する。異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9の厚みが異なる。よって、カラーフィルタ9の厚みを制御することによって、マイクロキャビティの厚みを調整することができる。異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタは、そもそも異なるステップで形成されるため、それらの厚みを別々に制御することが容易である。よって、異なる色の画素ユニットを厚みが異なるマイクロキャビティ構造を有させるように、異なる色の画素ユニットに付加層を余計に製造する必要がないため、本発明実施例に係るアレイ基板は、製造工程が簡単で、コストが低くなる。
【0038】
図5に示すように、薄膜トランジスタ領域における薄膜トランジスタ構造は、基板1上に形成される第1のゲート電極2、第2のゲート電極2’と、第1のゲート電極2、第2のゲート電極2’及びゲートライン上に形成されるゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上に形成される第1の活性層4及び第2の活性層4’と、第1の活性層4及び第2の活性層4’上に形成される絶縁層5と、絶縁層5上に形成される第1のソース・ドレイン電極層6(第1のソース電極及び第1のドレイン電極を備える)及び第2のソース・ドレイン電極層6’(第2のソース電極及び第2のドレイン電極を備える)と、を備える。第1のゲート電極2、ゲート絶縁層3、第1の活性層4、絶縁層5及び第1のソース・ドレイン電極層6は、スイッチング薄膜トランジスタを形成する。第2のゲート電極2’、ゲート絶縁層3、第2の活性層4’、絶縁層5及び第2のソース・ドレイン電極層6’は、駆動薄膜トランジスタを形成する。第1のドレイン電極が第2のゲート電極に接続され、且つ駆動薄膜トランジスタの第2のドレイン電極は有機発光ダイオードの第1の電極に電気的に接続される。
【0039】
薄膜トランジスタ構造上に、パッシベーション層7がさらに形成され、該パッシベーション層7は、第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’上にある。製造工程によって、第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’の下方に、パターンが第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’のパターンと一致する半透過層が形成されてもよい。半透過層が第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’の下方にある場合、半透過層は、導電材料で形成する必要がある。
【0040】
本実施例では、薄膜トランジスタ領域における絶縁層5及びパッシベーション層7も表示領域Aに形成され、有機発光ダイオードはパッシベーション層7の上方に形成され、第1の電極11は、パッシベーション層7のビアホールを介して第2のドレイン電極に接続される。
【0041】
半透過層8は、絶縁層5とパッシベーション層7との間に形成され、カラーフィルタ9は、パッシベーション層7上に形成され、有機発光ダイオードの第1の電極11はカラーフィルタ9の上方に位置する。有機発光ダイオードは、半透過層8及びカラーフィルタ9の上方に位置し、且つ画素画成層(Pixel Define layer、PDL)12を介して表示領域Aに形成される。本実施例では、第1の電極11が陽極で、第2の電極14が陰極であり(第1の電極11が陰極で、第2の電極14が陽極であってもよい)、第1の電極11は、パッシベーション層7上のビアホールを介して第2のドレイン電極に接続される。第2の電極14は反射材料からなる反射電極であってもよく、或いは、第2の電極14上に反射層を塗布して反射電極を形成してもよい。
【0042】
スイッチング薄膜トランジスタは、ゲート電極(第1のゲート電極2)がゲートラインに接続され、ソース電極(第1のソース電極)がデータラインに接続され、ドレイン電極(第1のドレイン電極)が駆動薄膜トランジスタのゲート電極(第2のゲート電極2’)に接続され、駆動薄膜トランジスタは、ソース電極(第2のソース電極)が電源電圧に接続され、ドレイン電極(第2のドレイン電極)が有機発光ダイオードの第1の電極11に接続される。白色有機発光層13からの白い光は、図5に示すように、第1の電極11及びその下方の各層を透過してから基板1の底部から射出される。白い光は、半透過層8に照射した後、一部が射出され、一部が反射され、反射された光が再度第2の電極14に反射され、反射光が半透過層8と第2の電極14との間で反射される。この場合、共振作用によって、最終的に半透過層8から射出する光の中で、画素ユニットの色に対応する波長の光が強化されるため、輝度が向上される。
【0043】
マイクロキャビティ構造の空間的な距離を大きくして輝度をさらに向上するように、カラーフィルタ9と陽極11との間に樹脂層10がさらに形成される。このとき、第1の電極11は、パッシベーション層7及び樹脂層10を貫通するビアホールを介して第2のドレイン電極に接続される。
【0044】
例えば、半透過層8は、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン及びクロムの中のいずれか1つの金属、或いは、これらの中でのいずれか2つ以上の金属の合金からなり、透過率が5%〜95%であり、厚みが10Å〜200Åである。例えば、カラーフィルタ9の厚みは1000Å〜40000Åである。異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9は、赤、緑、青であり、或いは、赤、緑、青、黄であり、或いは、赤、緑、青、白である。
【0045】
本発明の他の実施例は、上記アレイ基板を製造する方法をさらに提供し、以下のステップを備える。
【0046】
ステップ1:基板1上に、薄膜トランジスタ構造、半透過層8及びパッシベーション層7を形成する。
【0047】
図6に示すように、基板上に、薄膜トランジスタ構造のゲート電極(第1のゲート電極2、第2のゲート電極2’)、ゲート絶縁層、活性層(第1の活性層4、第2の活性層4’)、絶縁層5及び絶縁層5のビアホールのパターンを順に形成する。
【0048】
そして、半透過薄膜及びソース・ドレイン金属薄膜を形成し、1回のパターニング工程(パターニング工程は、一般的に、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング、フォトレジストの剥離等の工程を備える)によって、半透過層8及び薄膜トランジスタ構造のソース・ドレイン電極(第1のソース・ドレイン電極層6、第2のソース・ドレイン電極層6’)を形成する。例えば、半透過薄膜は、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン、クロムの中のいずれか1つの金属、或いは、これらの中でいずれか2つ以上の金属の合金からなり、厚みが10Å〜200Åであり、透過率が5%〜95%である。ここで、1回のパターニング工程によって、半透過層8と、第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’とを同時に形成するため、半透過層は、第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’の下方にも位置し、且つパターンが上記第1のソース・ドレイン電極層6及び第2のソース・ドレイン電極層6’のパターンと一致する。図6は、このステップを完了した後の基板を示し、1つの画素ユニットの構造を示し、薄膜トランジスタ構造が所在する領域は薄膜トランジスタ領域であり、薄膜トランジスタ領域以外の領域は表示領域Aである。薄膜トランジスタ構造は、スイッチング薄膜トランジスタ及び駆動薄膜トランジスタを備える。第1のゲート電極2、ゲート絶縁層3、第1の活性層4、絶縁層5及び第1のソース・ドレイン電極層6(第1のソース電極及び第1のドレイン電極層を備える)は、スイッチング薄膜トランジスタを形成し、第2のゲート電極2’、ゲート絶縁層3、第2の活性層4’、絶縁層5及び第2のソース・ドレイン電極層6’(第2のソース電極及び第2のドレイン電極層を備える)は、駆動薄膜トランジスタを形成する。
【0049】
パッシベーション層7を形成し、図7はパッシベーション層7を形成した後の基板を示す。
【0050】
ステップ2:画素ユニットの表示領域Aに、カラーフィルタ9を形成し、異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9の厚みを異ならせる。該ステップは、具体的には、以下の通りである。
【0051】
カラーフィルタ9は、複数回のパターニング工程によって形成され、パターニング工程毎は、1つの色の画素ユニットのカラーフィルタを形成し、且つ異なる色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9の厚みが異なる。例えば、アレイ基板上にRGBという3つの色の画素ユニットが有する場合、カラーフィルタ9は、3回のパターニング工程によって形成され、且つRGBという3つの色の画素ユニットにおけるカラーフィルタ9は異なる厚みを有する。例えば、1回目のパターニング工程によって、赤色の画素ユニットのカラーフィルタ9を形成し、2回目のパターニング工程によって、緑色の画素ユニットのカラーフィルタ9を形成し、3回目のパターニング工程によって、青色の画素ユニットのカラーフィルタ9を形成し、赤色の画素ユニットのカラーフィルタ9、緑色の画素ユニットのカラーフィルタ9及び青色の画素ユニットのカラーフィルタ9は、互いに異なる厚みを有する。例えば、カラーフィルタ9の厚みは、1000Å〜40000Åである。カラーフィルタの厚みの範囲が大きいことは、カラーフィルタがマイクロキャビティ構造にあるからであり、よって、カラーフィルタの厚みを調整することでマイクロキャビティの厚みを制御し、異なる色の画素ユニットのマイクロキャビティ構造により、それと同じ色の光を強化させることができる。異なる色の画素ユニットのカラーフィルタはそもそも異なるステップで形成されるため、厚みを別々に制御することが容易である。よって、異なる色の画素ユニットを異なる厚みのマイクロキャビティ構造を有させるように、異なる色の画素ユニットに付加層を余計に形成することがなくなる。よって、本発明に係るアレイ基板は、製造工程が簡単で、コストが低い。
【0052】
ステップ3:画素ユニットの表示領域Aに有機発光ダイオードを形成し、カラーフィルタ9を、有機発光ダイオードと半透過層8との間に位置させる。
【0053】
図9に示すように、パターニング工程によって、パッシベーション層7にビアホールをエッチングして形成する。マイクロキャビティ構造の空間的な距離を大きくして、輝度をさらに向上するように、パッシベーション層7上に樹脂層10をさらに形成してもよい。ビアホールはパッシベーション層7及び樹脂層10を貫通する。
【0054】
図10に示すように、透明導電薄膜を形成し、パターニング工程によって、有機発光ダイオードの第1の電極11を形成し、第1の電極11を、ビアホールを介して薄膜トランジスタ構造、具体的には、駆動薄膜トランジスタのドレイン電極に接続する。
【0055】
図11に示すように、絶縁薄膜を形成し、形成しようとする有機発光ダイオードの位置を表示領域Aに画成するように、パターニング工程によって画素画成層12を形成する。
【0056】
有機発光層13及び有機発光ダイオードの第2の電極14を形成することで、有機発光ダイオードを形成し、図5は、最終的に形成されたアレイ基板を示す。第2の電極14は、反射電極であり、製造する場合、反射材料によって形成し、或いは、第2の電極14を形成する前に反射層を形成し、第2の電極14を反射層上に形成し、或いは、第2の電極14を形成してから第2の電極14上に反射層を形成する。
【0057】
本発明は、上記アレイ基板を備えるディスプレイをさらに提供する。上記ディスプレイは、電子ペーパー、OLEDパネル、OLEDディスプレイ、OLEDテレビ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、フラットパネルコンピュータ等のいずれの表示機能を有する製品又は部材である。
【0058】
以上は本発明の例示的な実施例だけであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づく。
【符号の説明】
【0059】
1 基板
2、2’ ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 第1の活性層
4’ 第2の活性層
5 絶縁層
6 第1のソース・ドレイン電極層
6’ 第2のソース・ドレイン電極層
7 パッシベーション層
8 半透過層
9 カラーフィルタ
10 樹脂層
11 第1の電極
12 画素画成層
13 発光層
14 第2の電極
101 陰極
102 有機発光層
103 陽極
103’ 半透過層
A 表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11