特許第6335499号(P6335499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335499
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】光学検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20180521BHJP
   G01N 21/89 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G01N21/90 D
   G01N21/89 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-258319(P2013-258319)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-114277(P2015-114277A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 務
(72)【発明者】
【氏名】水野 絵美
(72)【発明者】
【氏名】樽本 祥憲
【審査官】 森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−157027(JP,A)
【文献】 特開2008−076218(JP,A)
【文献】 特開2003−197699(JP,A)
【文献】 特開2012−189563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に光を照射する光照射部と、
前記物品に照射された前記光の透過光を検出する光検出部と、
前記物品を搬送する搬送ラインの側方から設置可能であり、連続する搬送コンベアの間隙を挟んで前記光照射部と前記光検出部とが対向するように前記光照射部及び前記光検出部を片持ちで支持する支持部と、を備え、
前記光による前記物品の検査領域は、光学検査装置の周囲雰囲気に露出しており、
前記光照射部及び前記光検出部は、前記間隙が延在する方向に垂直な面内において前記支持部と一体で回動可能となっている、光学検査装置。
【請求項2】
前記光検出部は、前記光照射部に対して上側に配置されている、請求項1記載の光学検査装置。
【請求項3】
前記光照射部及び前記光検出部は、前記支持部と一体で上下動可能となっている、請求項1又は2記載の光学検査装置。
【請求項4】
前記光検出部は、前記光照射部に対して位置調整可能となっている、請求項3記載の光学検査装置。
【請求項5】
前記光照射部及び前記光検出部は、前記光照射部からの距離が前記光検出部からの距離よりも小さい位置を中心として、前記支持部と一体で回動可能となっている、請求項1〜4のいずれか一項記載の光学検査装置。
【請求項6】
前記支持部は、
支柱部と、
一端部が前記支柱部に固定され、前記光照射部を支持する第1梁部と、
一端部が前記支柱部に固定され、前記光検出部を支持する第2梁部と、を有する、請求項1〜のいずれか一項記載の光学検査装置。
【請求項7】
前記光は、近赤外線である、請求項1〜のいずれか一項記載の光学検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム包装材等のパッケージ内に食品等の内容物を収容して出荷するような物品の搬送ラインにおいては、不具合(例えば、パッケージの封止部への内容物の噛み込み、パッケージ内での内容物の破損、パッケージ内への異物の混入等)が発生した物品の出荷を防止するために、物品の状態を検査する必要がある。
【0003】
このような物品の状態を検査するための装置として、例えば、特許文献1には、物品を搬送する上流側搬送部及び下流側搬送部と、上流側搬送部と下流側搬送部との間隙の上方から物品に光を照射する照明部と、当該間隙の下方から物品を撮像する撮像部と、を備える光学検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−189563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、物品を搬送する既設の搬送ラインに特許文献1記載の光学検査装置を設置する場合、上流側搬送部及び下流側搬送部に相当するスペースを既設の搬送ラインに設ける必要があり、搬送ラインのレイアウト変更等を行わなければならず、その作業が煩雑であった。
【0006】
そこで、本発明は、物品を搬送する既設の搬送ラインに対して容易に設置することができる光学検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学検査装置は、物品に光を照射する光照射部と、物品に照射された光の透過光を検出する光検出部と、光照射部及び光検出部を片持ちで支持する支持部と、を備え、光による物品の検査領域は、周囲雰囲気に露出している。
【0008】
この光学検査装置によれば、物品を搬送する既設の搬送ラインに対し、連続する搬送コンベアの間隙を挟んで光照射部と光検出部とが対向するように、当該搬送ラインの一方の側方から光学検査装置を容易に設置することができる。なお、照射する光としては、例えば可視光、紫外線、近赤外線、赤外線等がある。
【0009】
本発明の光学検査装置では、光検出部は、光照射部に対して上側に配置されていてもよい。この構成によれば、光照射部に塵が付着する場合よりも検出精度を劣化させ易い光検出部への塵の付着を抑制することができる。更に、光学検査装置の周囲の照明等の光が外乱光として光検出部に入射するのを抑制することができる。
【0010】
本発明の光学検査装置では、光照射部及び光検出部は、支持部と一体で上下動可能となっていてもよい。この構成によれば、既設の搬送ラインに対する光照射部及び光検出部の位置を容易に調整することができる。
【0011】
本発明の光学検査装置では、光検出部は、光照射部に対して位置調整可能となっていてもよい。この構成によれば、光検出部の位置を精度良く調整することができる。
【0012】
本発明の光学検査装置では、光照射部及び光検出部は、支持部と一体で回動可能となっていてもよい。この構成によれば、例えば、既設の搬送ラインにおいて連続する搬送コンベアの搬送面が傾斜しているような場合に、当該搬送面に垂直な方向において光照射部と光検出部とが対向するように、既設の搬送ラインに対する光照射部及び光検出部の角度を容易に調整することができる。
【0013】
本発明の光学検査装置では、光照射部及び光検出部は、光照射部からの距離が光検出部からの距離よりも小さい位置を中心として、支持部と一体で回動可能となっていてもよい。この構成によれば、光照射部の回動量が光検出部の回動量よりも小さくなるため、連続する搬送コンベアの間隙の近傍に光照射部を配置して、物品に照射される光の減衰に起因する光検出部での検出感度の低下を抑制することができる。
【0014】
本発明の光学検査装置では、支持部は、支柱部と、一端部が支柱部に固定され、光照射部を支持する第1梁部と、一端部が支柱部に固定され、光検出部を支持する第2梁部と、を有してもよい。この構成によれば、例えば、湾曲した形状の支持部によって光照射部及び光検出部が支持されているような場合に比べ、既設の搬送ラインに支持部が干渉するのを抑制しつつ、光照射部及び光検出部を所望の位置に配置することができる。
【0015】
本発明の光学検査装置では、光は、近赤外線であってもよい。可視光に比べて透過力の高い近赤外線を用いることで、精度良く物品の状態を検査することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、物品を搬送する既設の搬送ラインに対して容易に設置することができる光学検査装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の光学検査装置を備える光学検査システムの斜視図である。
図2図1の光学検査装置の斜視図である。
図3図2の光学検査装置の右側面図である。
図4図2の光学検査装置の右側面図である。
図5図2の光学検査装置の正面図である。
図6図1の光学検査装置の検査対象である物品の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1に示されるように、光学検査装置1は、物品50を搬送する既設の搬送ライン100のうち、連続する搬送コンベア101,102の間隙103が存在する部分に、後付けで設置される装置である。光学検査装置1は、例えば、フィルム包装材等のパッケージ、及び当該パッケージ内に収容された食品等の内容物を有する物品50を検査対象とする。光学検査装置1には、制御装置30が有線又は無線により電気的に接続されており、光学検査装置1及び制御装置30によって光学検査システムが構成されている。
【0020】
制御装置30は、コンピュータを収容する制御ボックス31と、操作パネル32と、を備えている。制御装置30は、光学検査装置1の動作を制御する他、光学検査装置1から出力された検出信号に基づいて、物品50の不具合(例えば、パッケージの封止部への内容物の噛み込み、パッケージ内での内容物の破損、パッケージ内への異物の混入等)を発見したり、パッケージ内の内容物の内容量(質量、数量等)を推定したりする。
【0021】
図2に示されるように、光学検査装置1は、床面に設置される脚部2と、脚部2に立設された四角柱状の主柱3と、を備えている。主柱3の前面3a(搬送ライン100側の面)には、上下方向に延在するガイドレール4が設けられている。主柱3の後面3bには、上下方向に延在するガイドレール5が設けられている。主柱3の右側面3c(搬送ライン100側から見た場合における右側の面)及び左側面3dには、主柱3の上端部を介して、ベルト6が掛け渡されている。
【0022】
ガイドレール4には、ガイドレール4に沿って移動可能となるように検査ヘッド10が取り付けられている。検査ヘッド10には、主柱3の右側面3cに位置するベルト6の一端部が固定されている。ガイドレール5には、ガイドレール5に沿って移動可能となるように錘7が取り付けられている。錘7には、主柱3の左側面3dに位置するベルト6の他端部が固定されている。
【0023】
この構成により、図3に示されるように、ガイドレール4に沿って検査ヘッド10が上昇すると、ガイドレール5に沿って錘7が下降する。一方、ガイドレール4に沿って検査ヘッド10が下降すると、ガイドレール5に沿って錘7が上昇する。検査ヘッド10は、所望の高さに配置された後、レバー8によって主柱3に対して固定される。このように、光学検査装置1では、錘7が利用されることで、主柱3に対する検査ヘッド10の上下動の円滑化が図られている。
【0024】
図2に示されるように、検査ヘッド10は、物品50に光を照射する光照射部11と、物品50に照射された光の透過光を検出する光検出部12と、光照射部11及び光検出部12を片持ちで支持する支持部13と、を備えている。光照射部11は、連続する搬送コンベア101,102の間隙103の下方に配置され、光検出部12は、当該間隙103の上方に配置される。光照射部11から光検出部12に至る光の光路は、周囲雰囲気に露出している。つまり、光による物品50の検査領域は、シールドボックス等によって覆われておらず、周囲雰囲気に露出している。なお、外乱光を遮蔽するために、当該検査領域の少なくとも一部を覆うようにカバーを設けてもよい。
【0025】
光照射部11は、水平方向(間隙103が延在する方向)に沿って配列された複数のLEDからなる。光照射部11は、連続する搬送コンベア101,102の間隙103上を物品50が通過する際に、間隙103を介して物品50に近赤外線を照射する。なお、近赤外線の波長は、780nm〜1100nmである。
【0026】
光検出部12は、ラインセンサであり、水平方向(間隙103が延在する方向)に沿って配列された複数のPDからなる。光検出部12は、連続する搬送コンベア101,102の間隙103上を物品50が通過する際に、物品50に照射された近赤外線の透過光を検出し、検出信号を制御装置30に出力する。
【0027】
支持部13は、第1支柱部分14及び第2支柱部分15からなる支柱部16と、第1梁部17と、第2梁部18と、を有している。第1支柱部分14には、上下方向に延在するガイド溝14aが設けられている。ガイド溝14aには、ガイド溝14aに沿って移動可能となるように第2支柱部分15が取り付けられている。第1支柱部分14と第2支柱部分15とは、レバー21によって互いに固定される。第2支柱部分15の下端部には、第1支柱部分14に形成された長穴14bを介して、緩衝部材付きのストッパボルト22が固定されている。これにより、レバー21が解放された際に、不意に第2支柱部分15が下降しても、衝撃が吸収されつつ、第2支柱部分15の下降が停止させられる。
【0028】
第1梁部17の一端部17aは、第1支柱部分14の下端部に固定されており、第1梁部17の他端部17bは、自由端となっている。第1梁部17には、上側に開口する凹部17cが設けられており、凹部17cには、光照射部11が収容されている。つまり、光照射部11は、第1梁部17に支持されることで、支持部13に片持ちで支持されている。
【0029】
凹部17cの開口部は、第1梁部17に載置された光透過性のカバー23によって覆われている。カバー23は、例えば光透過性の樹脂からなる。カバー23において第1梁部17の一端部17aに対応する部分には、第1梁部17の他端部17bの反対側に開口する切欠き23aが設けられている。カバー23において第1梁部17の他端部17bに対応する部分には、丸穴23bが設けられている。カバー23は、第1梁部17の一端部17aに立設されたピン24aが切欠き23aに嵌められ且つ第1梁部17の他端部17bに立設されたピン24bが丸穴23bに嵌められることで、第1梁部17に位置決めされている。なお、ピン24a,24bは、例えばボルトの頭部である。
【0030】
第2梁部18の一端部18aは、第2支柱部分15の上端部に固定されており、第2梁部18の他端部18bは、自由端となっている。自由端である第2梁部18の他端部18bには、光検出部12が取り付けられている。つまり、光検出部12は、第2梁部18に支持されることで、支持部13に片持ちで支持されている。
【0031】
以上の支持部13の構成により、図4に示されるように、レバー21が解放された状態で、光検出部12は、第2支柱部分15及び第2梁部18と一体で上昇及び下降させられる。光検出部12は、所望の高さに配置された後、第1支柱部分14と第2支柱部分15とがレバー21によって互いに固定されることで、光照射部11に対して固定される。
【0032】
図2に示されるように、第1支柱部分14の下端部には、矩形板状の第1プレート25及び第2プレート26が取り付けられている。第1プレート25は、ガイドレール4に沿って移動可能となるようにガイドレール4に取り付けられている。第1プレート25には、主柱3の右側面3cに位置するベルト6の一端部が固定されている。第2プレート26は、その4つの角部に設けられた円弧状の長穴26aのそれぞれに挿通されたボルト27によって第1プレート25に固定されている。第2プレート26には、第1支柱部分14の下端部が固定されている。
【0033】
この構成により、図5に示されるように、ボルト27が緩められた状態で、検査ヘッド10は、円弧状の長穴26aの範囲で回動させられる。このとき、検査ヘッド10の回動の中心となる位置Pは、第1支柱部分14の下端部に取り付けられた第1プレート25及び第2プレート26の中心位置(搬送ライン100側から見た場合の中心位置)である。このように、光照射部11から位置Pまでの距離は、光検出部12から位置Pまでの距離よりも小さくなっている。検査ヘッド10は、所望の角度に配置された後、各ボルト27が閉められることで、主柱3に対して固定される。
【0034】
以上、説明したように、光学検査装置1では、光照射部11及び光検出部12が支持部13に片持ちで支持されており、光による物品50の検査領域が周囲雰囲気に露出している。したがって、物品50を搬送する既設の搬送ライン100に対し、連続する搬送コンベア101,102の間隙103を挟んで光照射部11と光検出部12とが対向するように、搬送ライン100の一方の側方から光学検査装置1を容易に設置することができる。
【0035】
また、光学検査装置1では、光検出部12が光照射部11に対して上側に配置されている。この構成によれば、光検出部12が下向きとなるため、光照射部11に塵が付着する場合よりも検出精度を劣化させ易い光検出部12への塵の付着を抑制することができる。更に、光学検査装置1の周囲の照明等の光が外乱光として光検出部12に入射するのを抑制することができる。しかも、既設の搬送ライン100の上方の広いスペースにおいて、光検出部12を容易に清掃することができる。
【0036】
また、光学検査装置1では、光検出部12に対して下側に配置された光照射部11が、光透過性のカバー23によって覆われている。この構成によれば、カバー23に塵が付着した場合に、カバー23を取り外して、カバー23を清掃したり、新たなカバー23に交換したりすることができる。特に、カバー23は、ピン24aが切欠き23aに嵌められ且つピン24bが丸穴23bに嵌められることで、第1梁部17に位置決めされているため、既設の搬送ライン100と第1梁部17との間隔が狭くても、カバー23を水平方向にスライドさせるようにして、工具等を使用せずに、第1梁部17に対するカバー23の着脱を実施することができる。なお、カバー23に、光照射部11から出射された光を集光するレンズ機能を持たせてもよいし、所定波長の光を遮断するフィルタ機能を持たせてもよい。
【0037】
また、既設の搬送ライン100の搬送面と光検出部12との距離は焦点距離分だけは必要であるのに対し、物品50に照射される光の減衰を抑制する観点から当該搬送面と光照射部11との距離は小さくすることが好ましい。光学検査装置1では、光検出部12が光照射部11に対して上側に配置されているので、既設の搬送ライン100の搬送面の高さが低い場合であっても、当該搬送ライン100に対して光学検査装置1を容易に設置することができる。
【0038】
また、光学検査装置1では、光照射部11及び光検出部12が支持部13と一体で上下動可能となっている。この構成によれば、既設の搬送ライン100に対する光照射部11及び光検出部12の位置を容易に調整することができる。
【0039】
また、光学検査装置1では、光検出部12が光照射部11に対して位置調整可能となっている。この構成によれば、光検出部12の位置を精度良く調整することができ、光検出部12の焦点を物品50に合わせることが可能となる。
【0040】
また、光学検査装置1では、光照射部11及び光検出部12が支持部13と一体で回動可能となっている。この構成によれば、例えば、既設の搬送ライン100において連続する搬送コンベア101,102の搬送面が傾斜しているような場合に、当該搬送面に垂直な方向において光照射部11と光検出部12とが対向するように、既設の搬送ライン100に対する光照射部11及び光検出部12の角度を容易に調整することができる。
【0041】
また、光学検査装置1では、光照射部11及び光検出部12が、光照射部11からの距離が光検出部12からの距離よりも小さい位置Pを中心として、支持部13と一体で回動可能となっている。この構成によれば、光照射部11の回動量が光検出部12の回動量よりも小さくなるため、連続する搬送コンベア101,102の間隙103の近傍に光照射部11を配置して、物品50に照射される光の減衰に起因する光検出部12での検出感度の低下を抑制することができる。更に、既設の搬送ライン100の下方のスペースに位置する光照射部11の回動量が、既設の搬送ライン100の上方のスペースに位置する光検出部12の回動量よりも小さくなる。そのため、既設の搬送ライン100の下方の狭いスペースにおいて、光照射部11が搬送ライン100の何らかの部材に干渉するのを抑制することができる。
【0042】
また、光学検査装置1では、支持部13が、支柱部16と、一端部17aが支柱部16に固定された第1梁部17と、一端部18aが支柱部16に固定された第2梁部18と、を有している。そして、第1梁部17が光照射部11を支持しており、第2梁部18が光検出部12を支持している。この構成によれば、例えば、湾曲した形状の支持部によって光照射部11及び光検出部12が支持されているような場合に比べ、既設の搬送ライン100に支持部13が干渉するのを抑制しつつ、光照射部11及び光検出部12を所望の位置に配置することができる。
【0043】
また、光学検査装置1では、光照射部11が照射する光が近赤外線である。このように、可視光に比べて透過力の高い近赤外線を用いることで、精度良く物品50の状態を検査することができる。
【0044】
ここで、制御装置30において実施される画像処理について説明する。図6に示されるように、検査対象は、連包(複数の小袋が繋がったもの)の各パッケージ51に例えばインスタント食品の加薬が内容物52として収容された物品50であり、パッケージ51の封止部への内容物52の噛み込みが、以下のように検査される。
【0045】
まず、光学検査装置1から出力された検出信号に基づいて、物品50の光透過像が取得される。続いて、物品50の光透過像において、レジマーク51aが検出される。続いて、予め記憶されていたレジマーク51aに対する封止部の位置関係に基づいて、封止部に対応する検査領域51bが設定される。続いて、検査領域51bを対象として、パッケージ51の封止部への内容物52の噛み込みが検査される。
【0046】
このように、光の減衰が大きいレジマーク51aを利用することで、封止部に対応する検査領域51bを容易に且つ確実に設定することができる。なお、検査領域51bをマスク処理等で限定すれば、処理速度の高速化を図ることが可能となる。なお、パッケージ51は、連包品に限定されず、単包品であってもよい。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の光検出部は、ラインセンサに限定されず、エリアセンサ等であってもよい。また、本発明の光検出部には、所定波長の光を遮断するフィルタが設けられていてもよい。一例として、本発明の光検出部には、近赤外線を通過させ且つ可視光を遮断するフィルタが設けられていてもよい。これにより、光照射部から光検出部に至る近赤外線の光路が周囲雰囲気に露出している場合に、周囲雰囲気からラインセンサ又はエリアセンサに可視光が入射し、当該可視光が外乱光となるのを防止することができる。また、本発明の光照射部は、近赤外線を照射するものに限定されず、可視光、紫外線、赤外線等を照射するものであってもよく、本発明の光検出部は、それらの光の透過光を検出するものであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…光学検査装置、11…光照射部、12…光検出部、13…支持部、16…支柱部、17…第1梁部、17a…一端部、18…第2梁部、18a…一端部、50…物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6