特許第6335502号(P6335502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335502
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】低温ガス製造装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 3/10 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   F25D3/10 D
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-262863(P2013-262863)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-117916(P2015-117916A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】山住 成正
(72)【発明者】
【氏名】米倉 正浩
(72)【発明者】
【氏名】太田 英俊
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−180936(JP,A)
【文献】 実公昭37−030071(JP,Y1)
【文献】 特表2006−510864(JP,A)
【文献】 特開2013−032896(JP,A)
【文献】 実公昭44−002383(JP,Y1)
【文献】 米国特許第04116017(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0014156(US,A1)
【文献】 実開平05−087475(JP,U)
【文献】 特開平11−037623(JP,A)
【文献】 特開平11−344276(JP,A)
【文献】 特開平07−225073(JP,A)
【文献】 特開2006−317047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/10
F28C 3/06 − 3/08
F23K 5/00 − 5/22
C10L 3/00 − 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温ガスの原料となるガスと液化ガスとを混合して低温ガスを発生させる低温ガス製造装置において、前記ガスが流れるガス冷却管と、該ガス冷却管内に前記液化ガスを噴射するスプレーノズルとを備えるとともに、該スプレーノズルよりガス流れ方向下流側のガス冷却管内に仕切り部材を設け、該仕切り部材により、ガス冷却管の軸線に平行な方向の複数のガス冷却流路を形成した低温ガス製造装置。
【請求項2】
前記仕切り部材は、格子状断面を有している請求項1記載の低温ガス製造装置。
【請求項3】
前記ガス冷却管は、軸線を水平方向に向けて設けられている請求項1又は2記載の低温ガス製造装置。
【請求項4】
前記ガス冷却管は、軸線を鉛直方向に向けて設けられている請求項1又は2記載の低温ガス製造装置。
【請求項5】
前記ガス冷却管から導出した低温ガスの温度を測定する低温ガス温度測定手段と、該低温ガス温度測定手段で測定した低温ガスの温度とあらかじめ設定された低温ガス温度設定値とを比較して前記低温ガス温度が前記低温ガス温度設定値になるように前記スプレーノズルからの液化ガスの噴射量を調節する低温ガス温度調節手段とを備えている請求項1乃至4のいずれか1項記載の低温ガス製造装置。
【請求項6】
前記ガス冷却管は、発生した低温ガスと冷媒とを熱交換させて冷媒を冷却する熱交換器の上流に配置されている請求項1乃至5のいずれか1項記載の低温ガス製造装置。
【請求項7】
前記ガス冷却管は、前記熱交換器で冷媒と熱交換することにより昇温して導出した低温ガスが循環する循環経路内に組み込まれている請求項6記載の低温ガス製造装置。
【請求項8】
前記循環経路は、圧力調節弁と、循環経路内の圧力を測定する圧力測定手段と、該圧力測定手段で測定した圧力とあらかじめ設定された圧力設定値とを比較して前記圧力が圧力設定値を超えたときに前記圧力調節弁を開く圧力指示調節手段とを備えている請求項7記載の低温ガス製造装置。
【請求項9】
前記熱交換器で前記低温ガスとの熱交換で冷却された前記冷媒の温度を測定する冷媒温度測定手段と、該冷媒温度測定手段で測定した冷媒温度とあらかじめ設定された冷媒温度設定値とを比較して前記冷媒温度が前記冷媒温度設定値になるように前記スプレーノズルからの液化ガスの噴射量を調節する冷媒温度調節手段とを備えている請求項請求項6乃至8のいずれか1項記載の低温ガス製造装置。
【請求項10】
前記スプレーノズルが複数ある請求項1乃至9のいずれか1項記載の低温ガス製造装置。
【請求項11】
前記スプレーノズルは、噴射した液化ガスの90%以上が前記仕切り部材に到達するように、前記仕切り部材との間の距離が設定されている請求項1乃至10のいずれか1項記載の低温ガス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温ガス製造装置に関し、詳しくは、ガスと液化ガスとを混合して低温ガスを発生させる低温ガス製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬原薬、化学、合成、ファインケミカル、熱処理、食品等の様々な分野において、液化ガスや低温ガスを用いて各種物品を冷却することが行われている。液化ガス、例えば液体窒素を用いた場合、冷却対象となる物品(冷却対象物)の表面で液体窒素が気化して蒸発潜熱が得られるため、冷却対象物を急速に冷却することはできるが、蒸発潜熱が局所的に発生することがあるため、冷却対象物に局所的な凍結や割れが生じることがあった。このため、液体窒素を適宜な手段で気化させた低温窒素ガスを使用したり、ガスが流れる配管内に同種の液化ガスを噴射して冷却した低温のガスを使用したりすることにより、冷却対象物に局所的な凍結や割れが生じることを回避するようにしている。
【0003】
しかし、ガスが流れる配管内に液化ガスを噴射してガスを冷却する場合、配管内を流れるガスの温度が低い場合、すなわち、ガスの温度が該ガスの液化温度に近い場合は、噴射した液化ガスが完全に気化せず、配管の下部に液化ガスが溜まってガスの流れを妨げたり、ガスを均一に冷却できなくなることがあった。このため、冷水との熱交換で冷却した空気が流れるダクト内に、前記冷水との熱交換で液体空気を気化させた低温の空気を噴射することにより、所定温度の低温空気を発生させる装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−26243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された装置は、冷水を必要とすることから装置構成が複雑になるだけでなく、液体空気の蒸発潜熱を十分に利用できないことから、得られる低温空気の温度を十分に低くすることが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、簡単な装置構成で効率よく低温ガスを得ることができる低温ガス製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の低温ガス製造装置は、低温ガスの原料となるガスと液化ガスとを混合して低温ガスを発生させる低温ガス製造装置において、前記ガスが流れるガス冷却管と、該ガス冷却管内に前記液化ガスを噴射するスプレーノズルとを備えるとともに、該スプレーノズルよりガス流れ方向下流側のガス冷却管内に仕切り部材を設け、該仕切り部材により、ガス冷却管の軸線に平行な方向の複数のガス冷却流路を形成したことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の低温ガス製造装置は、前記仕切り部材が格子状断面を有していること、前記ガス冷却管が軸線を水平方向又は鉛直方向に向けて設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、前記ガス冷却管から導出した低温ガスの温度を測定する低温ガス温度測定手段と、該低温ガス温度測定手段で測定した低温ガスの温度とあらかじめ設定された低温ガス温度設定値とを比較して前記低温ガス温度が前記低温ガス温度設定値になるように前記スプレーノズルからの液化ガスの噴射量を調節する低温ガス温度調節手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
さらに、前記ガス冷却管が、発生した低温ガスと冷媒とを熱交換させて冷媒を冷却する熱交換器の上流に配置されていること、前記熱交換器で冷媒と熱交換することにより昇温して導出した低温ガスが循環する循環経路内に組み込まれていることを特徴とし、前記循環経路は、圧力調節弁と、循環経路内の圧力を測定する圧力測定手段と、該圧力測定手段で測定した圧力とあらかじめ設定された圧力設定値とを比較して前記圧力が圧力設定値を超えたときに前記圧力調節弁を開く圧力指示調節手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
加えて、前記熱交換器で前記低温ガスとの熱交換で冷却された前記冷媒の温度を測定する冷媒温度測定手段と、該冷媒温度測定手段で測定した冷媒温度とあらかじめ設定された冷媒温度設定値とを比較して前記冷媒温度が前記冷媒温度設定値になるように前記スプレーノズルからの液化ガスの噴射量を調節する冷媒温度調節手段とを備えていることを特徴としている。また、前記スプレーノズルが複数あり、前記スプレーノズルは、噴射した液化ガスの90%以上が前記仕切り部材に到達するように、前記仕切り部材との間の距離が設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の低温ガス製造装置によれば、低温ガスの原料となるガスの温度が、該ガスの液化温度に近く、ノズルから噴射された液化ガスが気化しにくい場合でも、仕切り部材で形成した複数のガス流路内をガスと液化ガスとが通過することにより液化ガスの気化を促進することができるとともに、液化ガスで冷却された仕切り部材によってガスを効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の低温ガス製造装置を組み込んだ循環式冷却設備の一形態例を示す説明図である。
図2】仕切り部材により形成したガス冷却流路の一形態例を示す斜視図である。
図3】仕切り部材により形成したガス冷却流路の他の形態例を示す正面図である。
図4】低温ガスを用いた冷却装置の例を示す説明図である。
図5】本発明の低温ガス製造装置の他の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1に示す循環式冷却設備11は、低温ガスを発生させる低温ガス製造装置部12と、該低温ガス製造装置部12に熱交換器13を介して連設した冷却装置部14とを備えている。冷却装置部14は、循環ポンプ15によって前記熱交換器13と冷却部16とにアルコールブラインなどの冷媒を循環させ、熱交換器13での熱交換で冷却された低温の冷媒により、冷却部16で製品となる冷却対象物を冷却し、冷却部16で昇温した冷媒を熱交換器13で再び冷却して冷却部16に循環させるように形成されている。
【0015】
低温ガス製造装置部12は、前記熱交換器13と、ファン、ブロワなどで構成される循環装置21と、ガス冷却管22と、圧力調節弁23を有する循環経路を備えており、ガス冷却管22で冷却した低温ガスを熱交換器13に供給するように形成されている。ガス冷却管22は、軸線を水平方向に向けて配置されており、内部には、液化ガスを噴射するノズル24と、該ノズル24よりガス流れ方向下流側に設けられた仕切り部材25とを有している。
【0016】
仕切り部材25は、熱伝導性の良好な材料、例えばステンレス鋼などの金属製薄板によって形成されるもので、例えば、図2に示すように、鉛直板部と水平板部とを組み合わせた格子状断面を有するもので、この仕切り部材25によってガス冷却管22の内部に、ガス冷却管22の軸線に平行な方向に、正方形状のガス冷却流路26が複数個形成されている。
【0017】
ガス冷却流路26の開口寸法や長さは、冷却するガスの流量、流速、冷却前後の温度差などの条件により異なるが、ガス冷却流路26の開口寸法が大きすぎたり、長さが短すぎる場合は、仕切り部材25を設けた効果を十分に得ることが困難となり、開口寸法が小さすぎたり,長さが長すぎたりする場合は、ガス冷却管22の製作コストが上昇するだけでなく、ガス流れの抵抗が大きくなり、圧力損失が増大して循環装置21の消費エネルギーも増大する。したがって、各ガス冷却流路26の断面積は、ガス冷却管22の断面積に対して5%〜15%が適当であり、各ガス冷却流路26の長さは、ガス冷却管22の内径の3倍〜10倍が適当である。
【0018】
前記ノズル24は、各種構造のノズルを適宜使用することができるが、仕切り部材25の上流側端面に向けて液化ガスを均一に噴射可能な構造を有するスプレーノズルを選択することが好ましい。また、ノズル24の設置数は、ガス冷却管22の内径、仕切り部材25との距離、液化ガスの噴射量などの条件に応じて任意に設定することができ、1個でもよく、複数のノズル24を適宜に配置することもできる。さらに、ノズル24は、噴射した液化ガスの大部分、例えば90%以上が仕切り部材25に到達するように、仕切り部材25との間の距離などを設定することが望ましい。
【0019】
前記圧力調節弁23は、循環経路内に噴出した液化ガスが気化することによって循環経路内の圧力が上昇することを防止するもので、循環経路内の圧力を測定する圧力計(PT)27と、該圧力計27で測定した圧力とあらかじめ設定された圧力設定値とを比較し、測定した圧力が圧力設定値を超えたときに圧力調節弁23を開く圧力指示調節計28とを備えている。圧力設定値は任意に設定できるが、例えば0.MPA以上とすれば、圧力調節弁23から系外に排出される低温ガスを他の機器、装置に容易に供給することが可能となり、排低温ガスを有効に再利用することができる。
【0020】
このように、低温ガス製造装置部12におけるガス冷却管22の断面積に比べて小さな断面積のガス冷却流路26を、ガス冷却管22におけるノズル24の下流側に複数個並べて形成することにより、ノズル24から噴射した液化ガスが気化しにくいような条件下で、気化前の液化ガスは、各ガス冷却流路26の壁面、特に下面に沿って流れるようになり、壁面との摩擦によって流速が低下するところに、ガスが高速で吹き抜ける状態になるため、気液の速度の違いによって気液の熱交換が促進されてガスが冷却されるとともに液化ガスが気化していく。
【0021】
これにより、気化しない液化ガスがガス冷却管22内に滞留してガスの流れを妨げたり、ガスを均一に冷却できなかったりすることがなくなり、ガスと液化ガスとの接触機会も増大するので、ガス冷却管22を通過するガスを均一に、効率よく冷却することができる。また、ガス冷却流路26の壁面に沿って流れる気化前の液化ガスとの熱交換で冷却された仕切り部材壁面と、通過するガスとの熱交換によっても通過するガスを冷却することができる。さらに、熱伝導性の良好な材料で仕切り部材25を形成することにより、仕切り部材25の全体の温度を均一にすることができ、通過するガスの全体を均一に冷却することができる。
【0022】
また、循環式冷却設備11には、低温ガス製造装置部12で発生させた低温ガスの温度、及び、冷却装置部14で冷却部16に供給する冷媒の温度を調節するための温度制御手段が設けられている。製品である被冷却物を冷却するための冷媒の温度を調節する冷媒温度制御手段31は、熱交換器13で前記低温ガスとの熱交換で冷却されて冷却部16に向かう冷媒の温度を測定するため、熱交換器13の冷媒出口部に設けられた冷媒温度測定手段である温度計(TEB)32と、該温度計32で測定した冷媒温度とあらかじめ設定された冷媒温度設定値とを比較して冷媒温度が冷媒温度設定値を超えたときに前記ノズル24に液化ガスを供給する経路に設けた液化ガス供給弁33を開方向に作動させ、冷媒温度が冷媒温度設定値を下回ったときに前記液化ガス供給弁33を閉方向に作動させることにより、ノズル24からの液化ガスの噴射量を調節する冷媒温度調節手段(TIC)34とを備えている。
【0023】
また、低温ガスの温度を調節する低温ガス温度制御手段35は、ガス冷却管22で発生して熱交換器13に向かう低温ガスの温度を測定するため、ガス冷却管22の出口部に設けられた低温ガス温度測定手段である温度計(TE2)36と、該温度計36で測定した低温ガス温度とあらかじめ設定された低温ガス温度設定値とを比較して低温ガス温度が低温ガス温度設定値を超えたときに前記液化ガス供給弁33を開方向に作動させ、低温ガス温度が低温ガス温度設定値を下回ったときに前記液化ガス供給弁33を閉方向に作動させることにより、ノズル24からの液化ガスの噴射量を調節する低温ガス温度調節手段(TIC2)37とを備えている。
【0024】
本形態例では、冷媒温度調節手段34の出力を低温ガス温度調節手段37に取り込み、低温ガス温度調節手段37から液化ガス供給弁33の開閉信号を出力するようにしている。また、低温ガスの温度や冷媒の温度に応じて循環装置21の風量を調節するようにしてもよい。
【0025】
このように形成した循環式冷却設備11は、低温ガス製造装置部12で所定温度の低温ガスを効率よく確実に製造することができるので、熱交換器13で冷却部16に供給する冷媒を所定温度に確実に冷却することができ、冷却部16における冷却対象物の冷却を良好に行うことができる。
【0026】
ガス冷却管22における仕切り部材25の形状は、図2に示した正方形状のガス冷却流路26を形成する格子状に限るものではなく、例えば、図3(a)に示すように、多数の小径パイプを組み合わせた形状の仕切り部材25aによって円形状のガス冷却流路26aを形成したり、複数の板状部材25bを水平方向に配置して水平方向に長い長方形状のガス冷却流路26bを形成したり、ハニカム状の仕切り部材25cによって蜂の巣状のガス冷却流路26cを形成したりすることもできる。また、ガス冷却管22の形状も円筒形に限るものではなく、角筒状に形成することもできる。
【0027】
また、ガス冷却管22からの低温ガスは、前記熱交換器13で冷媒と熱交換させるだけでなく、低温ガスで直接冷却対象物を冷却するなど、各種用途に用いることができる。例えば、図4(a)に示すように、ガス冷却管22からの低温ガスをベルトコンベヤ式の連続冷却装置41に導入し、冷却室42内をベルトコンベヤ43で連続して搬送される冷却対象物44の冷却に用いることもできる。低温ガス導入経路45から冷却室42の一端側に導入した低温ガスは、冷却室42の他端側に設けた低温ガス回収経路46で回収して再利用することもできる。
【0028】
さらに、図4(b)に示すように、ガス冷却管22から低温ガス導入経路51を介して冷却室52の内部に低温ガスを導入し、冷却室52の内部に収納した冷却対象物53を冷却するバッチ式の冷却装置54にも使用することができる。この場合も、冷却室52の適宜な位置に設けた低温ガス回収経路55で低温ガスを回収して再利用することが可能である。
【0029】
図5は、本発明の低温ガス製造装置におけるガス冷却管の他の使用例を示している。なお、以下の説明において、前記形態例に示した低温ガス製造装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
この低温ガス製造装置は、図1に示した低温ガス製造装置と同様の構成を有する循環経路内に、ガス冷却管61の軸線を鉛直方向に向けて配置し、ガス冷却管61内を上方に向かってガスが流れるようにしている。ガス冷却管61内の下部には、液化ガスを上方に向けて噴射するノズル62が設けられるとともに、該ノズル62の上方に、複数の鉛直方向のガス冷却流路を形成するための仕切り部材63が設けられている。
【0031】
このように、ガス冷却管61の軸線を鉛直方向にして設置するとともに、ガスを上方に向かって流すように形成することにより、ノズル62から噴射した液化ガスは、仕切り部材63の壁面に付着した際に重力が作用することにより、ガス冷却管を水平方向に設置した場合に比べて、上昇するガスとの速度差が大きくなるため、液化ガスの気化をより促進することができる。これにより、ガス冷却流路を短くすることが可能となり、ガス冷却管の小型化や圧力損失の低減などを図ることができる。
【0032】
なお、液化ガスの種類は、特に限定されるものではなく、冷却対象に応じて適宜なガスを用いることができる。また、製造する低温ガスと液化ガスとは、例えば窒素ガスと液体窒素との関係のように、同じ種類のガスであることが好ましいが、異なるガスを用いてもよい。さらに、循環ポンプをガス冷却管の下流側に配置することもできる。また、ガス冷却管は、前後の配管と同じ内径であってもよく、異なる内径であってもよい。さらに、ガス冷却管の軸線を、水平方向や鉛直方向に対して傾斜させて配置することもでき、水平方向に対して、ガス冷却管の軸線を5〜15度の上り勾配になるように傾斜させることにより、格子面上での液化ガスの滞留時間を延ばすことができ、熱交換効率を向上させてガス冷却管の長さを短くしても十分に熱交換させることが可能となる。これにより、ガス冷却管の製造コストを低減を低減することができる。また、ガスの流れなどの条件によっては、内周部と外周部とでガス冷却流路の面積や長さを異なるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
11…循環式冷却設備、12…低温ガス製造装置部、13…熱交換器、14…冷却装置部、15…循環ポンプ、16…冷却部、21…循環装置、22…ガス冷却管、23…圧力調節弁、24…ノズル、25,25a,25b,25c…仕切り部材、26,26a,26b,26c…ガス冷却流路、27…圧力計、28…圧力指示調節計、31…冷媒温度制御手段、32…温度計、33…液化ガス供給弁、34…冷媒温度調節手段、35…低温ガス温度制御手段、36…温度計、37…低温ガス温度調節手段、41…連続冷却装置、42…冷却室、43…ベルトコンベヤ、44…冷却対象物、45…低温ガス導入経路、46…低温ガス回収経路、51…低温ガス導入経路、52…冷却室、53…冷却対象物、54…冷却装置、55…低温ガス回収経路、61…ガス冷却管、62…ノズル、63…仕切り部材
図1
図2
図3
図4
図5