(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1、
図2に示すモータ100は、車両の電動ステアリング装置(図示省略)に用いられ、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する。
【0013】
モータ100は、ケーシングとして、金属製のモータケース30と、絶縁性樹脂材からなるモータカバー40と、を備える。モータ100をステアリング装置に組み付ける際には、モータカバー40がステアリング装置のケーシング(図示省略)に複数のボルト(図示省略)によって締結される。モータカバー40は、モータ100を支持する支持具(ブラケット)の機能を有する。なお、モータカバー40は、支持具の機能を有さず、モータケース30の開口端を塞ぐケーシングの機能のみを有する構成としてもよい。
【0014】
モータケース30は、円筒状の筒部33と、筒部33の一端を閉塞する底部32と、筒部33の他端に開口する開口部のまわりに設けられる環状の開口端部31と、を有する。
【0015】
モータカバー40は、モータケース30の開口部を覆う形状を有する。モータカバー40は、モータケース30の開口端部31に複数のボルト(図示省略)によって締結される。モータカバー40とモータケース30との間は、シールリング35によって密封される。
【0016】
モータケース30の内側にはステータ10が設けられる。ステータ10の内側にはロータ20が設けられる。
【0017】
ロータ20は、ケーシングに回転自在に支持されるロータシャフト21と、ロータシャフト21に取り付けられるマグネット(永久磁石)22と、を備える。
【0018】
ロータシャフト21は、その一端部がベアリング23によってモータケース30の底部32に支持され、その中央部がベアリング24によってモータカバー40に支持される。これにより、ロータ20は、中心軸Oを中心として回転自在に支持される。
【0019】
モータカバー40から突出するロータシャフト21の他端部には、ギヤ(図示省略)が取り付けられる。このギヤは、ステアリングシャフトに連係する相手側ギヤ(図示省略)に噛み合い、ロータシャフト21の回転をステアリングシャフトに減速して伝達する。
【0020】
モータ100は、ロータ20の回転角度を検知する回転検知器80を備える。回転検知器80の信号は、リード線(図示せず)によってコントローラ(図示省略)に送られる。このコントローラは、回転検知器80からの信号に基づいてロータ20の回転位置に応じた3相の駆動電流をステータ10に供給し、モータ100の回転を制御する。
【0021】
ステータ10は、モータケース30の内側に設けられるステータコア11と、ステータコア11に設けられる複数のステータコイル12と、ステータコイル12と軸方向に並んで設けられるバスバーユニット50と、を備える。なお、「軸方向」は、ステータ10の中心軸Oが延びる方向を意味する。
【0022】
ステータコア11は、磁性材からなり、複数の鋼板を積層して形成される。ステータコア11は、その外周がモータケース30の内周に嵌合されることによりモータケース30に固定される。
【0023】
ステータコイル(コイルアッシ)12は、ステータコア11の各ティース部11Aを包囲する絶縁性樹脂材からなる複数のインシュレータ13と、各インシュレータ13を介してティース部11Aに巻かれる線材16からなる複数の電磁コイル14と、から構成される。3相交流モータ100は、U相、V相、W相の電磁コイル14を備える。ステータ10の一端側には、各相の電磁コイル14の線材16の端部が引き出されている。
【0024】
バスバーユニット50は、導電材からなる複数のバスバー51と、バスバー51を内包するバスバーホルダ60と、を備える。
【0025】
バスバーホルダ60は、絶縁性樹脂材を用いてインサート成形によって形成される。バスバーユニット50の製造時に、金型(図示省略)内に各バスバー51を配設した後に、金型内に絶縁性樹脂材を注入してバスバーホルダ60をインサート成形する。
【0026】
バスバーホルダ60は、バスバー51を内包する円環状の本体部61を有する。本体部61の内部には、各バスバー51が軸方向もしくは径方向に離間して保持される。なお、「径方向」は、ステータ10の中心軸Oを中心とする放射方向を意味する。
【0027】
バスバー51は、U相、V相、W相、中性点に対応した個数(ここでは4個)が設けられる。各相に対応した板状のバスバー51は、中心軸Oを中心とする円弧状に延びる円弧状導電部54と、円弧状導電部54から径方向に突設される複数の給電用端子52と、円弧状導電部54から軸方向に突設される1つのバスバー端子53と、を有する。
【0028】
図3に示すように、各相に対応した複数の給電用端子52は、本体部61の外周から突出している。交流電源に接続される3本のバスバー端子53は、本体部61の一端から突出している。
【0029】
バスバーホルダ60は、本体部61の外周端から突出してステータコイル12の外周に係合する複数(ここでは3個)の位置決め部75を有する。バスバーホルダ60の成型時に、金型によって本体部61及び各位置決め部75は樹脂材により一体で形成される。なお、位置決め部75は、3個に限らず、3個以上設けてもよい。
【0030】
各位置決め部75は、各バスバー51の給電用端子52に対して軸方向に並ばないように、各バスバー51の給電用端子52に対して中心軸Oを中心とするステータ10の周方向についてオフセットされる。これにより、電磁コイル14から延びてバスバー51の給電用端子52に接続される線材16が位置決め部75に干渉しないようになっている。なお、「周方向」は、ステータ10の中心軸O回りの方向を意味する。
【0031】
図2、
図3に示すように、帯板状の位置決め部75は、本体部61の外周端から径方向に突出する基端部76と、基端部76から曲折して軸方向に延びる先端部77と、を有する。バスバーホルダ60は、本体部61の一端にステータコイル12の一端に当接する後端面63を有する。位置決め部75の基端部76は、本体部61の後端面63から段差なく延びてインシュレータ13の端面17に当接する。位置決め部75の先端部77は、基端部76の先端から曲折してインシュレータ13の外周に当接する。バスバーホルダ60は、複数の位置決め部75がインシュレータ13の外周に係合することにより、ステータコイル12に対して径方向について位置決めがされ、ステータコイル12と同一軸上に配置される。
【0032】
一方、インシュレータ13の外周には、位置決め部75に係合する係合部15が形成される。係合部15は、インシュレータ13の外周から隆起する凸部である。係合部15は、位置決め部75の先端部77を囲むように隆起している。バスバーホルダ60は、位置決め部75の先端部77が係合部15に係合することにより、ステータコイル12に対して周方向について位置決めがされ、所定の回転位置に保持される。これにより、各電磁コイル14の線材16が各バスバー51の給電用端子52に近接して延びるように配置される。なお、係合部15は、インシュレータ13の外周から隆起する凸部に限らず、インシュレータ13の外周に窪む凹部であってもよい。また、位置決め部75は、後述するように他の形状としてもよい。
【0033】
位置決め部75は、従来装置に設けられていたスナップフィットのように爪状に突出する部位を持たない。このため、バスバーホルダ60を成形する金型の形状を簡素化し、各バスバー51の配置自由度が高められるとともに、バスバーホルダ60の品質を高められる。
【0034】
ステータ10の組み立て時には、ステータコア11にステータコイル12が組み付けられた後に、ステータコイル12にバスバーユニット50が組み付けられる。このときに、各電磁コイル14の線材16は、インシュレータ13の開口端とバスバーホルダ60の外周端との間に設けられる間隙19から延び出し、それぞれの先端部が各バスバー51の給電用端子52に溶接される。なお、
図3において、線材16の図示は、省略されている。
【0035】
モータ100の組み立て時には、ステータ10がモータケース30に組み付けられた後、モータケース30にモータカバー40が組み付けられる。このときに、本体部61の一端から突出している3本のバスバー端子53は、モータカバー40の各孔47を貫通する。こうしてモータ100が組み立てられた状態において、バスバーホルダ60の本体部61は、その一端に設けられる後端面63がステータコイル12の一端に当接し、その他端に設けられる前端面62がモータカバー40に間隙25を持って対向する。
【0036】
モータ100は、バスバーホルダ60を支持する機構として、複数(ここでは3個)のOリング70がモータカバー40とバスバーホルダ60との間に圧縮して介装される。Oリング70は、ゴム材によって環状に形成され、外力が働かない自由状態において円形の断面形状を有する。Oリング70は、
図1、
図2に示すようにモータカバー40とバスバーホルダ60との間で圧縮された組み付け状態において扁平な形状になり、弾性復元力によってバスバーホルダ60の後端面63をステータコイル12の一端に押し付ける。すなわち、Oリング70は、モータカバー40とバスバーホルダ60とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。Oリング70によってバスバーホルダ60がステータコイル12に押し付けられることにより、バスバーホルダ60がステータコイル12を介してステータコア11に支持される。
【0037】
3個のOリング70は、周方向について略等間隔に配置される。これにより、バスバーホルダ60に対して各Oリング70の付勢力が中心軸Oを中心に対称となる3箇所に働くため、バスバーホルダ60の中心が中心軸Oに対して傾斜することが抑えられ、バスバーホルダ60の後端面63がステータコイル12の一端に隙間なく当接する。
【0038】
本体部61の前端面62には、Oリング70の一部が嵌め込まれる受け部65が形成される。受け部65は、前端面62から円形の台状に隆起した部位に開口する環状溝である。バスバーホルダ60の成型時に、金型によって本体部61及び受け部65は樹脂材により一体で形成される。なお、受け部65は、環状溝に限らず、本体部61の前端面62に形成される凹凸部であってもよい。
【0039】
モータカバー40には、各相に対応した電線46に接続されるターミナル45が設けられる。モータケース30にモータカバー40が締結された後に、各ターミナル45の一端には、各バスバー端子53が溶接される。
【0040】
モータ100の作動時には、駆動電流が電線46、ターミナル45、バスバー51を通じて各電磁コイル14に供給され、ステータコア11に生じる磁力によってロータ20が回転する。
【0041】
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0042】
〔1〕モータ100は、開口部を有するモータケース30と、モータケース30の開口部に取り付けられるモータカバー40と、モータケース30に収容されるステータコア11と、ステータコア11に巻回される電磁コイル14に電流を供給するバスバー51と、バスバー51を保持するバスバーホルダ60と、モータカバー40とバスバーホルダ60とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられるOリング70と、を備える構成とした。
【0043】
上記構成に基づき、車両の運転時に、Oリング70によってモータカバー40からバスバーホルダ60に伝わる振動が吸収されることにより、バスバーホルダに生じる振動が抑えられる。
【0044】
モータ100を構成する各部材の組み付け位置に中心軸O方向について若干の寸法誤差があっても、付勢部材として設けられるOリング70によってモータカバー40とバスバーホルダ60とステータコア11とが配列する方向に付勢されることによって、バスバーホルダ60がステータコア11に支持される。これにより、従来装置で行われていたバスバーホルダが接着剤を用いてステータコイルに結合される工程を廃止することが可能となり、製品のコストを低減できる。
【0045】
さらに、従来装置のバスバーホルダに設けられていたフック状のスナップフィットが廃止されることにより、バスバーホルダ60を径方向について小型化することが可能となる。また、バスバーホルダ60を成形する金型形状が簡素化されることにより、樹脂の成形が容易になり、バスバーホルダ60の品質を高められる。
【0046】
〔2〕付勢部材として設けられるOリング70は、モータカバー40とバスバーホルダ60との間に介装される構成とした。
【0047】
上記構成に基づき、バスバーホルダ60は、Oリング70の付勢力によりステータコイル12に押し付けられることによってステータコイル12を介してステータコア11に支持される。モータカバー40とバスバーホルダ60との間に挟まれるOリング70が弾性変形してモータカバー40からバスバーホルダ60に伝わる振動を吸収することにより、バスバーホルダ60に固有振動が生じることを抑えられる。
【0048】
〔3〕バスバーホルダ60は、モータカバー40に対向する前端面62を有し、前端面62には、Oリング70(付勢部材)の一部が嵌め込まれる受け部65が形成される構成とした。
【0049】
上記構成に基づき、Oリング70は、その一部が前端面62の受け部65に嵌め込まれることにより、モータカバー40とバスバーホルダ60との間における所定の位置に保持される。これにより、モータ100の組み立て時及び組み立て後の作動時に、Oリング70の取り付け位置が変位することを防止できる。
【0050】
〔4〕バスバーホルダ60は、インシュレータ13に向けて突出する位置決め部75を備え、インシュレータ13は、位置決め部75に係合する係合部15を備える構成とした。
【0051】
上記構成に基づき、バスバーホルダ60は、位置決め部75がインシュレータ13の係合部15に係合することにより、インシュレータ13に対する回転方向の位置決めがされる。これにより、モータ100の組み立て時及び組み立て後の作動時に、バスバーホルダ60の取り付け位置が回転方向に変位することを防止できる。
【0052】
さらに、バスバーホルダ60は、位置決め部75がインシュレータ13の外周に係合することにより、インシュレータ13の径方向について位置決めがされ、インシュレータ13と同一軸上に配置される。これにより、モータ100の組み立て時及び組み立て後の作動時に、バスバーホルダ60の取り付け位置がインシュレータ13の径方向に変位することを防止できる。
【0053】
〔5〕バスバーユニット50は、バスバー51を内包し、絶縁性樹脂材を用いてインサート成形されるバスバーホルダ60と、モータカバー40とバスバーホルダ60との間に介装されるOリング70(付勢部材)と、を備える構成とした。
【0054】
上記構成に基づき、バスバーユニット50は、Oリング70の付勢力によりインシュレータ13に押し付けられることによって、ステータコア11に支持される。これにより、バスバーユニット50は、インシュレータ13に係合する従来のスナップフィット(フック)を廃止することが可能となる。その結果、バスバーユニット50をインサート成形する金型の形状が簡素化され、バスバーユニット50の品質を高められる。
【0055】
本実施形態では、付勢部材として3個のOリング70が設けられているが、3個以上のOリング70がバスバーユニット50とモータカバー40との間に介装される構成としてもよい。
【0056】
また、1個のOリングがバスバーユニット50とモータカバー40との間で全周に渡って延びるように介装される構成としてもよい。この場合に、1個のOリングの付勢力がステータ10の全周にわたってバスバーホルダ60に働くため、バスバーホルダ60の中心が中心線Oに対して傾斜することが抑えられ、バスバーホルダ60の後端面63がステータコイル12の一端に隙間なく当接する。
【0057】
さらに、本実施形態では、バスバーホルダ60にOリング70の一部が嵌め込まれる受け部65が形成されているが、モータカバー40にOリング70の一部が嵌め込まれる受け部が形成される構成としてもよい。また、付勢部材は、Oリングに限らず、他の形状のものであってもよい。
【0058】
さらに、本実施形態のバスバーホルダ60に設けられる位置決め部75は、ステータコイル12の外周の一部に係合する帯板状のものであったが、インシュレータ13の端面17及びステータコイル12を覆う円盤状のものであってもよい。この場合には、バスバーホルダ60のインシュレータ13に対向する端面に凹部または凸部の一方が設けられ、インシュレータ13の端面17に凹部または凸部の他方が設けられる。凹部と凸部が係合することにより、バスバーホルダ60がステータコイル12に対して径方向及び周方向について位置決めがされる。ステータコイル12から延びる線材16を取り出すために、インシュレータ13の端面17に線材16が挿通する溝が形成される。こうしてインシュレータ13の外周に突出する位置決め部75が廃止されることより、バスバーホルダ60を径方向について小型化することができる。
【0059】
さらに、本実施形態のバスバーホルダ60に設けられる位置決め部75は、ステータコイル12の外周の全域に係合する環状のインロー部を有するものであってもよい。
【0060】
さらに、本実施形態では、バスバーユニット50にバスバー51を内包してインサート成形されるバスバーホルダ60を備えているが、予め成形されたバスバーホルダに複数の環状壁が設けられ、各環状壁の間に各バスバーが介装される構成としてもよい。この場合に、各環状壁の端面がステータコイル12に対向するが、各環状壁の端面にわたってOリング等の付勢部材の一部が嵌め込まれる受け部が形成される。付勢部材は、バスバーホルダの受け部と各バスバーの端面とにわたって当接して圧縮される。各バスバーは、付勢部材の付勢力によって各環状壁の間から抜け出さないように保持される。
【0061】
(第2実施形態)
次に、
図4を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
上記第1実施形態に係るモータ100は、付勢部材として設けられるOリング70がモータカバー40とバスバーホルダ260との間に介装される。これに対して、第2実施形態に係るモータ200は、付勢部材として設けられるOリング270がバスバーホルダ260とステータコイル12のインシュレータ13との間に介装される。
【0063】
バスバーホルダ260は、本体部261の外周端から突出してステータコイル12の外周に係合する複数(ここでは3個)の位置決め部275を有する。帯板状の位置決め部275は、本体部261の外周端から径方向に突出する基端部276と、基端部276から曲折して軸方向に延びる先端部277と、を有する。バスバーホルダ260は、本体部261の一端にステータコイル12の一端に当接する後端面263を有する。位置決め部275の基端部276は、本体部261の後端面263から段差なく延びてステータコイル12の一端に当接する。位置決め部275の先端部277は、基端部276の先端から曲折してインシュレータ13の外周に当接する。バスバーホルダ260は、複数の位置決め部275がインシュレータ13の係合部15に係合することにより、ステータコイル12に対して径方向及び周方向について位置決めがされ、ステータコイル12と同一軸上に配置される。
【0064】
モータ200は、バスバーホルダ260を支持する機構として、複数(ここでは3個)のOリング270がバスバーホルダ260とステータコイル12のインシュレータ13との間に圧縮して介装される。バスバーホルダ260の後端面263とインシュレータ13の端面17との間には間隙220が設けられる。
【0065】
バスバーホルダ260の後端面263には、Oリング270の一部が嵌め込まれる受け部265が形成される。受け部265は、基端部276の後端面263に開口する環状溝である。バスバーホルダ260の成型時に、金型によって本体部261、受け部265、及び位置決め部275は樹脂材により一体で形成される。なお、受け部265は、環状溝に限らず、バスバーホルダ260に形成される凹凸部であってもよい。
【0066】
Oリング270は、モータカバー40とバスバーホルダ260とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ200が組み立てられた状態では、Oリング270がバスバーホルダ260とインシュレータ13との間で圧縮され、Oリング270の弾性復元力によってバスバーホルダ260の前端面262がモータカバー40に押し付けられる。Oリング270によってバスバーホルダ260がモータカバー40に押し付けられることにより、バスバーホルダ260がモータカバー40に支持される。
【0067】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0068】
〔6〕モータ200は、ステータコア11に装着されるとともに電磁コイル14が巻回されるインシュレータ13を備え、付勢部材として設けられるOリング270はバスバーホルダ260とインシュレータ13との間に介装される構成とした。
【0069】
上記構成に基づき、バスバーホルダ260は、Oリング270の付勢力によりモータカバー40に押し付けられることによってモータカバー40に支持される。車両の運転時に、バスバーホルダ260とインシュレータ13の間に挟まれるOリング270が弾性変形してインシュレータ13からバスバーホルダ260に伝わる振動を吸収することにより、バスバーホルダ260に固有振動が生じることを抑えられる。
【0070】
本実施形態では、バスバーホルダ260にOリング270の一部が嵌め込まれる受け部265が形成されているが、インシュレータ13にOリング270の一部が嵌め込まれる受け部が形成される構成としてもよい。また、付勢部材は、Oリングに限らず、他の形状のものであってもよい。
【0071】
(第3実施形態)
次に、
図5を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
第3実施形態に係るモータ300は、バスバーホルダ360を支持する機構として、1個のOリング370がモータケース30の底部32とステータコイル12のインシュレータ13との間に圧縮して介装される。
【0073】
ステータコア11は、モータケース30の筒部33の内周に対して摺動自在に挿入される。ステータコア11とモータケース30とには、互いに係合する凹凸状の係合部(図示省略)が中心軸O方向に沿って形成される。これにより、ステータコア11は、モータケース30に対して回転することなく、中心軸O方向に移動自在に支持される。
【0074】
モータケース30の底部32とインシュレータ13の後端面314との間には、間隙320が設けられる。インシュレータ13の後端面314には、Oリング370の一部が嵌め込まれる受け部315が形成される。受け部315は、中心軸Oを中心として円弧状に延びる溝であり、インシュレータ13の成型時にインシュレータ13の後端面314と樹脂材により一体で形成される。
【0075】
Oリング370は、モータカバー40とバスバーホルダ360とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ300が組み立てられた状態では、Oリング370がモータケース30とインシュレータ13との間で圧縮され、Oリング370の弾性復元力によってインシュレータ13の前端面316がバスバーホルダ360の後端面363に押し付けられ、バスバーホルダ360の前端面362がモータカバー40に押し付けられる。Oリング370がインシュレータ13を介してバスバーホルダ360をモータカバー40に押し付けることにより、バスバーホルダ360がモータカバー40に支持される。
【0076】
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0077】
〔7〕モータ300は、ステータコア11に装着されるとともに電磁コイル14が巻回されるインシュレータ13を備え、付勢部材として設けられるOリング370はモータケース30と各インシュレータ13との間に介装される構成とした。
【0078】
上記構成に基づき、車両の運転時に、モータケース30と各インシュレータ13の間に挟まれるOリング370が弾性変形してモータケース30から各インシュレータ13を介してバスバーホルダ360に伝わる振動を吸収することにより、バスバーホルダ360及び各ステータコイル12に固有振動が生じることを抑えられる。
【0079】
モータ300を構成する各部材の組み付け位置に中心軸O方向について若干の寸法誤差があっても、Oリング370の付勢力によりバスバーホルダ360がインシュレータ13を介してモータカバー40に押し付けられることによってモータカバー40に支持される。
【0080】
本実施形態では、付勢部材として各インシュレータ13にわたって1個のOリング370が設けられるが、これに限らず、各インシュレータ13毎にOリングが設けられる構成としてもよい。また、付勢部材は、Oリングに限らず、他の形状のものであってもよい。
【0081】
(第4実施形態)
次に、
図6を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
第4実施形態に係るモータ400は、バスバーホルダ460を支持する機構として、バスバーホルダ460にモータカバー40に当接して弾性変形する凸部465が設けられる。
【0083】
バスバーホルダ460の本体部461は、その一端に設けられる後端面463がステータコイル12の一端に当接し、その他端に設けられる前端面462がモータカバー40に間隙425を持って対向する。
【0084】
前端面462には、複数の凸部465が円錐台状に突出する。バスバーホルダ460の成型時に、金型によって本体部461、各凸部465、及び各位置決め部475は樹脂材により一体で形成される。なお、凸部465は、円錐台状に限らず、他の形状を有するものであってもよい。
【0085】
各凸部465は、モータカバー40とバスバーホルダ460とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ400が組み立てられた状態では、各凸部465がモータカバー40に当接して圧縮され、各凸部465の弾性復元力によってバスバーホルダ460の後端面463がステータコイル12の一端に押し付けられる。各凸部465がバスバーホルダ460をステータコイル12に押し付けることにより、バスバーホルダ460がステータコイル12を介してステータコア11に支持される。
【0086】
以上の第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0087】
〔8〕モータ400は、付勢部材として、バスバーホルダ460の前端面462から一体に突出し、弾性を有する凸部465が設けられる構成とした。
【0088】
上記構成に基づき、車両の運転時に、各凸部465が弾性変形してモータカバー40からバスバーホルダ460に伝わる振動を吸収することにより、バスバーホルダ460に固有振動が生じることを抑えられる。
【0089】
モータ400の組み立て時に、各部材に中心軸O方向について若干の寸法誤差があっても、各凸部465の付勢力によりバスバーホルダ460がモータカバー40に支持される。
【0090】
本実施形態では、第1実施形態に比べてバスバーホルダと別体で設けられるOリングが廃止されるため、構造の簡素化が図られ、組み付け工数を削減できる。
【0091】
(第5実施形態)
次に、
図7を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
第5実施形態に係るモータ500は、バスバーホルダ560を支持する機構として、ステータコア11をモータケース30の筒部33に結合する接着剤570が設けられる。
【0093】
ステータコア11の外周とモータケース30の筒部33の内周との間には、筒状の間隙501が設けられる。モータ500の組み立て時に、ステータコア11またはモータケース30に接着剤570が塗布された後に、ステータコア11がモータケース30に組み付けられる。こうして間隙501に充填される接着剤570が固化することによって、ステータコア11がモータケース30に結合される。
【0094】
接着剤570は、モータカバー40とバスバーホルダ560とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ500が組み立てられた状態では、接着剤570がモータケース30とステータコア11との間で中心軸O方向に弾性変形し、接着剤570の弾性復元力によってモータケース30に対してステータコア11がモータカバー40側(
図7にて左方向)に引っ張られる。ステータコア11は、接着剤570の弾性復元力によってインシュレータ13を介してバスバーホルダ560をモータカバー40側に押す。これにより、バスバーホルダ560は、その前端面562がモータカバー40に押し付けられ、モータカバー40に支持される。
【0095】
以上の第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0096】
〔9〕モータ500は、付勢部材として、モータケース30とステータコア11との間に塗布されて両者を結合する接着剤570が設けられ、接着剤570が弾性変形してステータコア11を中心軸O方向に付勢する構成とした。
【0097】
上記構成に基づき、車両の運転時に、接着剤570が弾性変形してモータケース30から伝わる振動を吸収することにより、ステータコア11、インシュレータ13、及びバスバーホルダ560に固有振動が生じることを抑えられる。
【0098】
モータ500の組み立て時に、各部材に中心軸O方向について若干の寸法誤差があっても、接着剤570の付勢力によりバスバーホルダ560がモータカバー40に押し付けられて支持される。
【0099】
(第6実施形態)
次に、
図8を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
第6実施形態に係るモータ600は、バスバーホルダ660を支持する機構として、モータケース630にステータコア11を付勢する複数の爪部635が一体に形成される。
【0101】
ステータコア11は、モータケース630の筒部633の内周に対して摺動自在に挿入される。ステータコア11とモータケース630とには、互いに係合する凹凸状の係合部(図示省略)が中心軸O方向に沿って形成される。これにより、ステータコア11は、モータケース630に対して回転することなく、中心軸O方向に移動自在に支持される。
【0102】
各爪部635は、モータケース630の筒部633を切り欠いて形成される。各爪部635は、筒部633に形成されるU字形またはV字形の切り込みによって囲まれる帯状の部位を径方向内側に折り曲げて形成される。
【0103】
各爪部635は、モータカバー40とバスバーホルダ660とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ600が組み立てられた状態では、各爪部635の先端部がステータコア11の端面17に当接して弾性変形し、各爪部635の弾性復元力によってステータコア11がモータカバー40側(
図8にて左方向)に付勢される。ステータコア11は、各爪部635の弾性復元力によってインシュレータ13を介してバスバーホルダ660をモータカバー40側に押す。これにより、バスバーホルダ660は、その前端面662がモータカバー40に押し付けられ、モータカバー40に支持される。
【0104】
以上の第6実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0105】
〔10〕モータ600は、付勢部材として、モータケース630にステータコア11に当接する爪部635が一体に形成され、爪部635が弾性変形してステータコア11を中心軸O方向に付勢する構成とした。
【0106】
上記構成に基づき、車両の運転時に、各爪部635が弾性変形してモータケース30から伝わる振動を吸収することにより、ステータコア11、インシュレータ13、及びバスバーホルダ660に固有振動が生じることを抑えられる。
【0107】
モータ600の組み立て時に、各部材に中心軸O方向について若干の寸法誤差があっても、各爪部635の付勢力によりバスバーホルダ660がモータカバー40に押し付けられて支持される。
【0108】
(第7実施形態)
次に、
図9を参照して、本発明の第7実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のモータ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0109】
第7実施形態に係るモータ700は、モータケース730にモータカバー740を締結する複数のボルト710を備え、各ボルト710とモータカバー740との間に金属バネ770が介装される。
【0110】
モータケース730は、環状の開口端部731を有する。モータカバー740は、開口端部731に対向するフランジ部741を有する。モータカバー740のフランジ部741は、モータケース730の開口端部731に複数のボルト710及びナット712によって締結される。ボルト710及びナット712は、互いに螺合し、モータカバー740とモータケース730とを締結する締結部を構成する。
【0111】
金属バネ770は、その断面が円弧状に湾曲した筒状をしており、その一端がフランジ部741に当接し、その他端がボルト710の頭部711に当接する。金属バネ770は、フランジ部741とボルト710の頭部711との間に圧縮して介装される。
【0112】
金属バネ770は、モータカバー740とバスバーホルダ760とステータコア11とが配列する方向に付勢する付勢部材として設けられる。モータ200が組み立てられた状態では、金属バネ770が各ボルト710とフランジ部741との間で圧縮され、各金属バネ770の弾性復元力によってモータケース730及びステータコア11がモータカバー740側(
図8にて左方向)に付勢される。ステータコア11は、各金属バネ770の弾性復元力によってインシュレータ13を介してバスバーホルダ760をモータカバー740側に押す。これにより、バスバーホルダ760は、その前端面762がモータカバー740に押し付けられ、モータカバー740に支持される。
【0113】
以上の第7実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕、〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0114】
〔11〕モータ700は、モータケース730にモータカバー740を締結する締結部としてボルト710を備え、ボルト710とモータカバー740との間に付勢部材として設けられる金属バネ770が介装され、金属バネ770が弾性変形してモータケース30を中心軸O方向に付勢する構成とした。
【0115】
上記構成に基づき、バスバーホルダ760は、金属バネ770の付勢力によりモータカバー740に押し付けられることによってモータカバー740に支持される。車両の運転時に、ボルト710とモータカバー740との間に挟まれる金属バネ770が弾性変形してモータケース730からバスバーホルダ760に伝わる振動を吸収することにより、バスバーホルダ760に固有振動が生じることを抑えられる。
【0116】
本実施形態では、金属バネ770がボルト710の頭部711とモータカバー740との間に介装されるが、これに限らず、金属バネ770がナット712とモータケース30との間に介装される構成としてもよい。また、ナット712を廃止し、ボルト710をモータケース30に形成されたネジ穴に螺合させる構成としてもよい。
【0117】
本実施形態では、金属バネ770は、その断面が湾曲した筒状をしているが、これに限らず、他の形状を有する金属バネであってもよい。また、付勢部材は、金属バネに限らず、ゴム材等の弾性材からなるものであってもよい。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を本実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、第1〜第7の実施形態の付勢部材を適宜組み合わせてもよい。
【0119】
本実施形態のモータ100は、車両の電動ステアリング装置(図示省略)に用いられているが、他の機械、設備に用いてもよい。
【0120】
さらに、本実施形態のモータ100は、車両の電動ステアリング装置(図示省略)に用いられているが、他の機械、設備に用いてもよい。
【0121】
さらに、本実施形態のモータ100は、電力によって動力を発生する原動機に限らず、動力によって電力を発生する発電機に用いてもよい。